JP5877447B2 - 多目的防災ポール - Google Patents

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本発明は、災害支援設備に関し、とくに自然災害や事故の際に、被災者を救助するための道具や、非常用の電源や照明器具を備えた多目的防災ポールに関するものである。
近年、地震や台風などの自然災害時に必要とされる各種の備蓄物を収納して公共の施設に配置されている。しかし、多数の地点に配置するためには用地の確保が困難であり、また設備費用が高額となり現実的ではなかった。
そこで、消火器、ロープ、シャベル、非常食等のような防災備蓄物を収納するための収納庫部を、街灯、モニュメント、案内板等のような公共的な工作物を設置するために用意される基礎部と一体に形成した基礎一体型収納庫が提案されている(特許文献1参照。)。また、開口部を有し、内側に災害救助用具が収納されたケース本体と、当該ケース本体の開口部を開閉する蓋部とを有する災害救助用具収納ケースと、前記災害救助用具ケースが設置されていることを識別表示する標識と、前記災害救助用具収納ケースのケース本体の少なくとも前記開口部と前記標識をとを照明する照明灯と、蓄電池を有し、夜間時に当該蓄電池から前記照明灯に電源を供給して当該照明灯を点灯させる電源部とを設けた災害救助設備もある(特許文献2参照。)。
特開平10−152846号公報 特開2009−4195号公報
上記特許文献1に提案されている収納庫は、公共工作物を設置する基礎部分の内部に収納庫部を設置するものであり、防災備蓄物を多数の地点に配置できるものであるが、この備蓄物の運搬に関しては考慮されておらず人手に頼るものであった。また、上記特許文献2に記載された災害救助設備は、夜間であっても、蓄電池から照明灯に給電をおこない、災害救助用具収納ケースの位置を明確に示し、さらに
この照明灯によって収納ケースの開口部の照明がなされるため、救助用具の取り出しが容易とするものであるが、上記特許文献1と同じく、救助用具の運搬に関しては、何らの考慮もされないものであり、さらに救助作業の際の照明に関しては全く考えられていないという問題があった。
上記の問題点に鑑み本発明者らは、自然災害や事故の際に、被災者を救助するための道具や、非常用の電源や照明器具が収納され、移動可能な台車備えた多目的防災ポールを提供するに至った。
このため本発明の多目的防災ポールは、非常用電源装置を内蔵した第一の移動台車と、災害時の救助用具を内装した第二の移動台車をそれぞれ装脱自在とする一対の収納ケースと、該収納ケースを所定の高さで保持する支持基台と、該支持基台に回動軸を介して軸支され所定の角度で回動する中空ポールと、該ポールの一端側先端部に設けられた太陽光パネル装置と、該太陽光パネル装置と前記回動軸との間に設けられた照明器具とから構成され、通常時は前記太陽光パネル装置による発電によって前記非常用電源装置を充電すると共に、前記照明器具を夜間に駆動させ、災害などの非常時は前記第一及び第二の移動台車を、収納ケースから取り出し、さらに前記ポールを回動軸を介して回動させ、前記太陽光パネル装置を取り外して前記第一の移動台車に接続し一体として移動可能としたことを第一の特徴とする。
また、前記非常用電源装置は、太陽光制御装置と、少なくとも1個の蓄電池と、インバータと、を備えることを第二の特徴とする。
そして、前記第一及び第二の移動台車は、開口部を有した中空の躯体からなり蓋部によって開閉可能とし、底部に少なくとも2対の車輪を有して移動自在とし、また接続器具によって一体に接続可能とすることを第三の特徴とする。
さらに、前記中空ポールは筒状体からなり、前記太陽光パネル装置を一端側先端部設け、他端側にバランス錘を設置して、前記回動軸を介して回動を容易とすることを第四の特徴とする。
しかも、前記太陽光パネル装置は、前記中空ポールの一端側先端に設けられた湾曲支持体と、可撓性を有し該支持体に湾曲して着脱可能に取り付けられた太陽光パネルとからなることを第五の特徴とする。
本発明に係る多目的防災ポールによれば、非常用電源装置を内装した第一の移動台車と、災害時の救助用具を内装した第二の移動台車をそれぞれ装脱自在とする一対の収納ケースを備えており、災害発生時に非常用電源装置や救助用具を必要な場所へ容易に移動させて使用できるという効果を有する。
また、この多目的防災ポールは、支持基台と、中空ポールとが回動軸を介して一体に構成され、且つこの中空ポールの先端側に太陽光パネル装置を備えており、通常時には太陽光によって発電した電気を夜間の照明として活用でき、非常時には中空ポールを回動させてポールの先端側に備えてある太陽光パネル装置を取り外して上記移動台車に取り付けて移動可能な電源装置として使用できるという効果を有する。
また、太陽光パネル装置は、中空ポールの一端側先端に設けられた湾曲支持体と、可撓性を有し該支持体に湾曲して着脱可能に取り付けられた太陽光パネルとから構成されており、この太陽光パネルを取り外して使用できるという効果を有する。
本発明に係る多目的防災ポールの一実施例を示す斜視図である。 本発明に係る多目的防災ポールの通常時の構成を示す説明図である。 図1の一部拡大説明図である。 本発明に係る多目的防災ポールの災害時の構成を示す説明図である。 中空ポールの回動状態を示す説明図である。 移動台車の説明図である。 非常用電源装置のシステム図である。
以下、本発明を実施例を示す図面を参照しながら説明するが、本発明が本実施例に限定されないことは言うまでもない。図1は本発明に係る多目的防災ポールの一実施例を示す斜視図、図2は本発明の多目的防災ポールの通常時の構成を示す説明図、図3は図1の一部拡大説明図、図4は本発明に係る多目的防災ポールの災害時の構成を示す説明図、図5は中空ポールの回動状態を示す説明図、図6は移動台車の説明図、図7は非常用電源装置のシステム図である。
図1は本発明の多目的防災ポールの一実施例を示すを示す斜視図、図2は本発明の多目的防災ポールの通常時の構成を示すを示す説明図であり、図2(a)は正面図を示し、図2(b)は側面図を示している。また、図3は図21の一部拡大説明図である。図に示すように、本発明の多目的防災ポール1は、地面に埋設される基礎部2から立設する支持基台3と、この支持基台3の両側に対向して設置された収納ケース4と、支持基台3と回動軸10を介して回動可能に取り付けられた中空ポール5と、中空ポール5の先端に取り付けられた太陽光パネル装置6と、中空ポール5の太陽光パネル装置6側の所定位置に取り付けられたLED照明器具7とから構成されている。
基礎部2は、耐震鉄筋コンクリート構造によって所定の基礎形状に形成されて地中に埋設されており、この基礎部2の上部に支持基台3が金属製ボルト(図示せず)によって接続されている。支持基台3は、平面視四角形の金属製筒体であり、その対向する面に一対の収納ケース4、4がそれぞれ取付け部材によって固定されている。
収納ケース4は、後述する移動台車8を収納するものであり、図3に示すようにケース本体4aと蓋体4bからなる一対の鋼製の箱体からなり、人手によって蓋体4aの開閉が可能な位置で上記支持基台3に固定されている。
中空ポール5は、角柱のポール基部5aと円筒状の延長部5bの連結柱からなり、延長部5bの先端側には太陽光パネル装置6が取り付けられている。また、延長部5bの所定位置にはLED照明器具7が取り付けられており、後述する非常用電源装置から電力が供給されて夜間の照明として使用される。そしてポール基部5aの先端部にはバランス錘5cが取り付けられており、中空ポール5を回動させる際に太陽光パネル装置6との重量バランスをとっている。
中空ポール5の延長部5b先端に取り付けられた太陽光パネル装置6は、側面視円弧状の湾曲支持体6aと、この支持体6aの表面に着脱可能に取り付けられた可撓性を有する太陽光パネル6bで構成されており、太陽光パネル6bの出力は、接続ケーブル9を介して後述する非常用電源装置の蓄電池に供給される。尚、接続ケーブル9は中空ポール5の所定位置に設けられた防水コネクタを介して中空ポール5内部を挿通し、回動軸10に設けられた通線孔(図示せず)を介して支持基台3及び収納ケース4へ配線され、上述した非常用電源装置と接続されている。
図4は、本発明の多目的防災ポール1の災害時の構成を示す説明図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は結合した移動台車8を示す正面図、図4(c)は図4(b)の側面図である。図に示すように、本発明の多目的防災ポール1は、災害や事故が発生した場合に利用されるものであり、災害救助用具や非常用電源装置が内装された移動台車8は収納ケース4内に収納されている。災害が発生すると、収納ケース4の蓋体4bを開放して移動台車8をそれぞれ引き出し、固定用金具(図示せず)によって一体に連結して移動できる。また、図2で説明した太陽光パネル装置6は中空ポール5を回動させて取り外して太陽光パネル6bを移動台車8の側面位置に取り付けることが可能であり、接続用ケーブル9によって移動台車8内の電源装置と接続することにより、外部電源が供給されない場所であっても電源を確保することができる。
また、移動台車8と太陽光パネル装置6を外した多目的防災ポール1は、自動車の蓄電池等から電力を供給できる端子を予め備えており、内蔵するDC/ACインバータ(図示せず)を介して照明装置7を点灯させることができる。
図5は、中空ポール5の回動状態を示している。中空ポール5は支持基台3と回動軸10を介して回動可能とされており、図に示すように時計回りに所定の位置まで回動する。そして、支持基台3上部と下部に備えられた回動受け部材11、12によって中空ポール5の回動を規制する。
図6は、移動台車8の説明図であり、図6(a)は正面説明図、図6(b)は側面説明図である。尚、本説明においては内部に非常用電源装置を内装した第一の移動台車81で説明する。図に示すように、移動台車81は鋼製の箱体からなり、内部には非常用電源装置13が備えられており、正面側には蓋体81aが開閉可能に取り付けられている。底部には2対の車輪14が取り付けられ、また車輪の近傍には一対のアジャスター15が収納可能に取り付けられており、移動台車81の移動と固定のために使用される。尚、救助用具を内装する第二の移動台車の構造は、上記第一の移動台車81と略同一であり説明は省略するが、上述したように固定金具によって一体に結合され移動自在となる。
第一の移動台車81の側面側には、太陽光パネル装置6との接続用コネクタ16と、防滴型コンセント17とが備えられており、非常用電源装置13の蓄電池18への充電と、外部電気機器への電気出力時に使用される。また、コネクタ16の上部には非常用照明器具19が設けられており、蓄電池18からの給電によって点灯させることができる。そして、図3に示したように、太陽光パネル装置6から太陽光パネル6bを外して移動台車8の上部所定位置に取り付けることが可能であり、蓄電池18への充電ができる。
非常用電源装置13は、制御部20、蓄電池18とで構成されており、制御部20にはコントローラ21と、DC/ACインバータ22を備えている。この非常用電源装置13によって、通常時には太陽光パネル装置6で発電した電力を蓄電池18に充電して、夜間にはこの蓄電池18に蓄えられた電力によって照明器具7を点灯することができる。一方災害が発生すると非常用電源装置13を内装した移動台車81を必要な場所まで移動させて、台車8aに太陽光パネル6bを取り付けて蓄電池18に充電すると共に、移動台車81に備えられた非常用照明器具19を点灯させる。
図7は非常用電源装置13のシステム構成を示しており、太陽光パネル6b、コントローラ21、DC/ACインバータ22、蓄電池18、LED照明器具7、非常用照明器具19の接続関係を示している。上述したように、通常時には、太陽光パネル6bから接続ケーブル、コントローラ21を介して蓄電池18に充電を行い、この蓄電池18からの給電によって夜間にLED照明器具7を点灯させる。また、災害時には上述したように、蓄電池18からの給電によって非常用照明器具19を点灯できる。
以上の構成からなる本発明の多目的防災ポールは、災害発生時に非常用電源装置や救助用具を必要な場所へ容易に移動させて使用できる。そして、支持基台と、中空ポールとが回動軸を介して一体に構成され、且つこの中空ポールの先端側に太陽光パネル装置を備えており、通常時には太陽光によって発電した電気を夜間の照明として活用でき、非常時には中空ポールを回動させてポールの先端側に備えてある太陽光パネル装置を取り外して上記移動台車に取り付けて移動可能な電源装置として使用できる
1 多目的防災ポール
2 基礎部
3 支持基台
4 収納ケース
5 中空ポール
6 太陽光パネル装置
7 LED照明器具
8 移動台車
9 接続ケーブル
10 回動軸
11、12 回動受け部材
13 非常用電源装置
14 車輪
15 アジャスター
16 接続用コネクタ
17 防滴型コンセント
18 蓄電池
19 非常用照明器具
20 制御部
21 コントローラ
22 DC/ACインバータ
81 第一の移動台車

Claims (5)

  1. 非常用電源装置を内装した第一の移動台車と、災害時の救助用具を内装した第二の移動台車をそれぞれ装脱自在とする一対の収納ケースと、該収納ケースを所定の高さで保持する支持基台と、該支持基台に回動軸を介して軸支され所定の角度で回動する中空ポールと、該ポールの一端側先端部に設けられた太陽光パネル装置と、該太陽光パネル装置と前記回動軸との間に設けられた照明器具とから構成され、通常時は前記太陽光パネル装置による発電によって前記非常用電源装置を充電すると共に、前記照明器具を夜間に駆動させ、災害などの非常時は前記第一及び第二の移動台車を、収納ケースから取り出し、さらに前記ポールを回動軸を介して回動させ、前記太陽光パネル装置を取り外して前記第一の移動台車に接続し一体として移動可能としたことを特徴とする多目的防災ポール。
  2. 前記非常用電源装置は、太陽光制御装置と、少なくとも1個の蓄電池と、インバータと、を備えることを特徴とする請求項1記載の多目的防災ポール。
  3. 前記第一及び第二の移動台車は、開口部を有した中空の躯体からなり蓋部によって開閉可能とし、底部に少なくとも2対の車輪を有して移動自在とし、また接続器具によって一体に接続可能とすることを特徴とする請求項1記載の多目的防災ポール。
  4. 前記中空ポールは筒状体からなり、前記太陽光パネル装置を一端側先端部設け、他端側にバランス錘を設置して、前記回動軸を介して回動を容易とすることを特徴とする請求項1記載の多目的防災ポール。
  5. 前記太陽光パネル装置は、前記中空ポールの一端側先端に設けられた湾曲支持体と、可撓性を有し該支持体に湾曲して着脱可能に取り付けられた太陽光パネルとからなることを特徴とする請求項1記載の多目的防災ポール。
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