以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成されている。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。図1に示すように、遊技領域8a内の遊技球の振る舞いは、後述する演出ユニット40を中心にして、演出ユニット40の左側の領域に遊技球が流下すると、演出ユニット40の右側の領域には案内されず、反対に、演出ユニット40の右側の領域に遊技球が流下すると、演出ユニット40の左側の領域には案内されることはない。演出ユニット40の左側を流下する遊技球、演出ユニット40の右側を流下する遊技球は、最終的にいずれかの入賞口に入賞しなければ遊技領域8aの下部に形成されるアウト口32に案内される。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、第1始動入賞口26、第2始動入賞口27、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24、第1始動入賞口26、第2始動入賞口27、可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
〔始動入賞口〕
遊技領域8aの上部に放り込まれた遊技球は遊技領域8aを流下する過程で上記ゲートや入賞口に入賞(入球)したりするが、遊技球が流下する遊技領域8aの領域に応じ、入賞が可能又は不可能な各始動入賞口を所定の位置(領域)に設置してもよい。
本実施形態では、遊技領域8aの上部から演出ユニット40の左側の領域に流下し案内された遊技球においては、第1始動入賞口26又は可変始動入賞装置28に入賞が可能であり、第2始動入賞口27には入賞が不可能(又は極めて困難)になっている。さらに、遊技領域8aの上部から演出ユニット40の右側に流下し案内された遊技球においては、第2始動入賞口27には入賞が可能になっている。例えば、第1始動入賞口26及び可変始動入賞装置28は、それぞれ遊技領域8a(演出ユニット40の下部)の略中央に上下(上:第1始動入賞口26、下:可変始動入賞装置28)に設置され、第2始動入賞口27は、遊技領域8aの演出ユニット40の右側に設置される。遊技球が流下し案内された領域により、入賞が可能又は不可能な始動入賞口を設置する理由は、特別図柄表示装置を同時に変動表示させ、変動表示を途中で強制的に停止させるスキップ機能を有効に実行させるためである。
他の実施形態として、遊技領域8aの上部から演出ユニット40の右側に流下し案内された遊技球に関し、各始動入賞口(第1始動入賞口26、可変始動入賞装置28、又は、第2始動入賞口27)に入賞が可能になってもよい。ここで、第1始動入賞口26及び可変始動入賞装置28については、演出ユニット40の左側を流下し案内された遊技球が入賞する確率より、演出ユニット40の右側を流下し案内された遊技球が入賞する確率の方が小さい、すなわち、演出ユニット40の右側より左側を流下する方が入賞に関して容易な位置に設置されてもよい。
また、本実施形態として、所定の個数の遊技球を発射した場合にそれぞれの始動入賞口に入賞する確率(期待入賞率)がほぼ同一となる位置にそれぞれの始動入賞口を設置してもよく、異なる期待入賞率となるようにそれぞれの始動入賞口を設置してもよい。例えば、250球程度の遊技球が演出ユニット40の左側を流下するように発射した場合は、第1始動入賞口に25個程度が入賞し、250球の遊技球が演出ユニット40の右側を流下するように発射した場合も、第2始動入賞口に25個程度が入賞するように、期待入賞率がほぼ同一となる位置に各始動入賞口を設置してもよい。
なお、第1始動入賞口26に関し、演出ユニット40の左右両側の遊技領域8aを流下しても入賞が可能な位置に設置される場合、左側を流下するように発射した場合は25個程度、右側を流下するように発射した場合は10個程度となるように設置してもよい。
また、他の実施形態として、演出ユニット40の左側だけではなく右側を流下した遊技球が第1始動入賞口に入賞が可能な場合であって、遊技球を発射した場合に、それぞれの入賞口に入賞する確率が異なるよう入賞口の位置を設定してもよい。例えば、250球程度の遊技球が左側を流下するように発射した場合、第1始動入賞口に25個程度、250球程度の遊技球が右側を流下するように発射した場合、第1始動入賞口に10個程度及び第2始動入賞口に25個程度それぞれ入賞するように設置してもよい。
〔可変始動入賞装置〕
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りに対応する態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って第3始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき第3始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、第3始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、第3始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また、上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外に対応する態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、第1始動入賞口26や第2始動入賞口27,可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている(普通図柄表示手段、特別図柄表示手段、抽選要素記憶手段)。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図3は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(特別図柄表示手段)。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えば1つのランプ(LED)の消灯又は点灯の組み合わせで構成される表示態様により、0又は1個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、ランプを消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、ランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示する、といった具合である。なお、本実施形態においては、ランプ点灯後すぐに内部抽選を行うため記憶数を減算処理し、変動表示中の記憶数の増加も不可にしているため、一瞬だけ点灯表示されるだけである。そのため、第2特別図柄作動記憶ランプ35aを設置しなくてもよい。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の第1始動入賞口26又は第3始動入賞口28に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の第2始動入賞口27に遊技球が流入すると、入賞が発生したことを記憶する意味でランプが点灯して記憶数が1個であることを表示し、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されると、ランプが消灯されて記憶数が0個であることを表示する。すなわち、第1特別図柄作動記憶ランプ34aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表し、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示態様により表される記憶数(最大1個)は、その時点で未だ第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤8には、その略中央上部の位置に演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある第1始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40g(例えばハート形の装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40gは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40gを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(各種の予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図5)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔遊技の概要〕
パチンコ機1における遊技の概要について説明する。
まず、遊技者は、球貸ボタン10を操作し複数個の遊技球を借り受け、受け皿ユニット6に遊技球を貯留する。遊技球が貯留された状態で、グリップユニット16を操作し、遊技球を遊技領域8aに向けて発射する。このグリップユニット16の操作において、遊技者がグリップユニット16を時計回りの方向に小さく回すと(所謂、左打ち)、遊技球は遊技領域8aの上部に放り込まれ、次に障害釘等に誘導・案内されながら、演出ユニット40の左側を流下し、第1指導入賞口26又は第3始動入賞口28aに入賞する可能性が生じる。また、グリップユニット16を時計回りの方向に大きく回すと(所謂、右打ち)、遊技球は演出ユニット40の右側を流下し、第1〜第3始動入賞口26、27、28aに入賞する可能性が生じる。ここで、第2始動入賞口27に入賞させるためには、遊技球を遊技領域8aの演出ユニット40の右側を流下させるようにグリップユニット16を操作する、すなわち、右打ちをする必要がある。
そして、左打ち又は右打ちで遊技球を発射させた後、遊技球が第1〜第3始動入賞口26、27、28aのいずれかの始動入賞口に入賞すると、それぞれの始動入賞口に応じた所定の賞球が受け皿ユニット6に払い出される。その賞球の払出しに伴い、遊技球が始動入賞口26,27,28aに入賞したことを契機とした、非当選以外(大当り又は小当り)を発生させるか否かについての特別図柄に関する内部抽選が行われる。その内部抽選の結果に基づいて、特別図柄表示装置34,35において特別図柄が変動表示させる。
なお、各始動入賞口と各特別図柄表示装置とは予め関連付けられている。例えば、第1始動入賞口26又は第3始動入賞口28aに遊技球が入賞した場合は、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づき第1特別図柄表示装置34において変動表示及び停止表示が実行される。第2始動入賞口27に入賞した場合は、第2特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づき第2特別図柄表示装置35において変動表示及び停止表示が実行される。すなわち、第1始動入賞口26及び第3始動入賞口28aへの入賞は、第1特別図柄表示装置34における第1特別図柄に関する第1の内部抽選の契機となり、第2始動入賞口28への入賞は、第2特別図柄表示装置35における第2特別図柄に関する第2の内部抽選の契機となっている。
上記の特別図柄表示装置34,35において所定の時間だけ各特別図柄が変動表示された後、それぞれの内部抽選の結果に対応する表示態様にて特別図柄が停止表示される。なお、内部抽選の結果大当りに当選していた場合、特別図柄が大当りに対応する表示態様にて停止表示された後、大当り遊技が開始される。大当り遊技においては、可変入賞装置30が作動し、大入賞口が所定の時間及び所定の回数だけ開放され短時間で多量の賞球が獲得できる。
また、特別図柄表示装置34、35において各特別図柄が変動表示及び停止表示される際に、その変動表示及び停止表示に連動する形態で、液晶表示器42において特別図柄に対応した演出図柄が表示され、演出図柄による変動表示演出が実行される。また、液晶表示装置42に連動する形態で、装飾部品40b,40c、演出用の可動体40gがそれぞれ作動する。遊技者は、演出ユニット40(液晶表示装置42、装飾部品40b,40c、演出用の可動体40g)に注目し、内部抽選の結果が大当りであるかはずれであるかを推測しながら遊技を楽しむ構成となっている。
また、上記の液晶表示装置42において、リーチ演出等の煽り演出により大当り当選期待感を遊技者に与え、遊技を楽しませる構成となっている。例えば、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、バトルリーチ演出等が設けられており、それぞれのリーチ演出において大当りに当選する期待度が異なっている。例えば、ノーマルリーチ演出が選択された場合、大当りに当選する割合が5%と非常に少なく設定され大当り期待度は低く、反対に、バトルリーチ演出が選択された場合、大当りに当選する割合が70%と高く設定され大当り期待度が高い。よって、遊技者は、液晶表示装置42においてバトルリーチなど大当り期待度が高いリーチ演出が行われることに期待を寄せて遊技に興じている。
また、上記の液晶表示装置42において、リーチ演出が行われる演出時間は予め設定されており、リーチ演出に設定されている大当り当選期待度に応じた演出時間が設定されている。例えば、大当り期待度が低いノーマルリーチ演出では10秒間の演出時間が設定されているのに対し、大当り期待度が高いバトルリーチ演出では3分間の演出時間が設定されている。
なお、リーチ演出を実行するか否か、及び、いずれのリーチ演出を選択するかについてはそれぞれ内部抽選(リーチ抽選1,2)により決定されている。例えば、はずれ時に、リーチ演出を実行するか否かの割合において、リーチ演出を40%の割合で実行し、60%の割合で実行しない、といった内部抽選(リーチ抽選1)における選択比率を設定してもよい。また、はずれ時と大当り時とで、いずれのリーチ演出を選択するかについての内部抽選(リーチ抽選2)において、選択するリーチ演出の選択比率をそれぞれ異ならせて設定してもよい。例えば、はずれ時におけるそれぞれリーチ演出の占める割合を、ノーマルリーチ演出60%、ロングリーチ演出20%、スーパーリーチ演出15%、バトルリーチ演出5%と設定し、大当り時におけるそれぞれリーチ演出の占める割合を、ノーマルリーチ演出5%、ロングリーチ演出15%、スーパーリーチ演出20%、バトルリーチ演出60%と設定してもよい。なお、それぞれのリーチ演出においてもさらに数種類の演出が設定され、遊技者に対する遊技の興趣の低下を抑制している。
次に、大当り遊技が発生すると、最初に大当り遊技が開始された旨を報知するオープニング演出が演出ユニット40で発生し、オープニング演出が終了した後、大入賞口が開放されるラウンド遊技が複数回(最大ラウンド数まで)実行される。そして、最大ラウンド数でのラウンド遊技終了後には、大当り遊技が終了される旨を報知するエンディング演出が演出ユニット40で発生し、これにより大当り遊技が終了する。
上記ラウンド遊技は、大入賞口の開放時間が所定時間(例えば、29秒)経過するまで、又は、大入賞口に入賞した遊技球が所定個数(例えば、9個)に達するまで大入賞口が開放され、それらいずれかの条件を満した後は大入賞口が閉鎖される、といった遊技であり、当選種類(大当りの種類)により最大ラウンド数が異なる。なお、当選種類が複数種類ある場合、その種類は内部抽選により決定される。すなわち、内部抽選には、大当りかはずれかを決定する当落抽選と、大当りであった場合、当選種類を決定する図柄抽選とが含まれる。
当選種類には、確変大当りと非確変大当り(通常大当り)とが設けられている。確変大当りとは、大当り遊技終了後に内部抽選による大当り当選確率を上昇させた高確率状態(確率変動状態)へ移行させる大当りであり、通常大当りとは、大当り遊技終了後に内部抽選による大当り当選確率を低確率状態に移行させる大当りである。確変大当りでは、大当りに当選し易くなるため、遊技者は、この確変大当りであることに期待を寄せて遊技に興じている。
また、大当り遊技終了後には、「高確率状態」と共に、「時間短縮状態」に遊技状態が移行される場合があり、「時間短縮状態」に遊技状態が移行されると、特別図柄の変動時間や普通図柄の変動時間が短縮されると共に、普通図柄の内部抽選確率が上昇し、さらに、第3始動入賞口28aに設けられた可変始動入賞装置28(普通電動役物)の作動状態が向上(電サポ状態)するといった、遊技者に有利な遊技状態となる。例えば、特別図柄(第1特別図柄)の変動時間が通常の長さ(例えば、6秒〜12秒程度;ただし、リーチ変動を行う場合を除く。)に設定される非時間短縮状態から、この非時間短縮状態に比較して変動時間が短縮された長さ(例えば、1.5秒〜5.5秒程度)に設定される状態に移行される。また、可変始動入賞装置28の作動状態が、例えば、開放回数が1回から2回に増加し、1回の開放秒数が0.2秒から2秒に延長される。
したがって、「高確率状態」と「時間短縮状態」の双方に移行する遊技状態の場合、遊技者は遊技球を極力減らすことなく、高確率状態の下で次回の大当りを狙うことができる。また、「時間短縮状態」だけが発生した遊技状態の場合であっても、低確率状態であるが遊技者は持ち玉を極力減らすことなく、次回の大当りを狙うことができる。
また本実施形態では、例えば複数の当選種類として(1)「15ラウンド確変大当り」、(2)「15ラウンド通常(非確変)大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。また「15ラウンド大当り」以外に、本実施形態では複数の当選種類(特殊当選種類)として例えば(3)「2ラウンド確変大当り」、(4)「2ラウンド通常大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって2ラウンドの大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。
上記の「2ラウンド確変大当り」と「2ラウンド通常大当り」は、主に、大当り遊技終了後の遊技状態が「高確率状態」であるか否かを秘匿するために用いられる大当りである。具体的には、「2ラウンド確変大当り」と「2ラウンド通常大当り」とで、これら大当り遊技中における大入賞口の開閉パターンを同一又は酷似するように制御し、また、「2ラウンド確変大当り」や「2ラウンド通常大当り」による大当り遊技中の演出も同一又は酷似する演出が発生されるようになっている。これにより、例えば「2ラウンド通常大当り」であった場合であっても、あたかも「2ラウンド確変大当り」であるかのように装うことを可能にしている。これにより、「2ラウンド通常大当り」に当選した場合であっても、「2ラウンド確変大当り」への当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
また本実施形態では、非当選以外(はずれ以外)の当選種類として小当りが設けられている。小当りは、上記の大当りか否かを決定する内部抽選において同時に抽選され決定される。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する契機とはならない。なお、小当りについては、先ず大当りか否かを決定する内部抽選(大当り抽選)を実行し、大当りに当選しなかった場合、小当りか否か(はずれ)を抽選する内部抽選(小当り抽選)により決定してもよい。
上記当選種類を内部抽選(図柄抽選)で決定しているが、本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄に関する内部抽選において、当選種類の占める割合をそれぞれ特別図柄別に異ならせて設定している。例えば、第1特別図柄に関して、内部抽選において「15ラウンド確変大当り」に当選する割合を65%、「15ラウンド通常大当り」に当選する割合を25%、「2ラウンド確変大当り」に当選する割合を5%、「2ラウンド通常大当り」に当選する割合を5%に設定している。また、第2特別図柄に関しては、第1特別図柄とは異なり、「15ラウンド確変大当り」を2%、「15ラウンド通常大当り」を2%、「2ラウンド確変大当り」に当選する割合を68%、「2ラウンド通常大当り」を28%に設定している。なお、第1特別図柄に関しては「15ラウンド大当り(確変大当り70%、通常大当り30%)」のみ、第2特別図柄に関しては「2ラウンド大当り(確変大当り70%、通常大当り30%)」のみと設定してもよい。
ここで、遊技者としては、内部抽選において大当りに当選する当選確率が、第1特別図柄に関する第1の内部抽選と第2特別図柄に関する第2の内部抽選とで同一である場合、例えば、通常状態(低確率時)の当選確率が1/299と同一である場合、賞球の多い15ラウンド大当たりに対する割合が多い第1特別図柄に関する第1の内部抽選において、大当りに当選することに期待を寄せて遊技に興じる。すなわち、遊技者は、第2始動入賞口ではなく、第1特別図柄に関する第1の内部抽選を実行させる契機となる第1始動入賞口26、又は、第3始動入賞口28aへ遊技球を入賞させて、その第1の内部抽選において大当りに当選することに期待を寄せて遊技に興じている。
本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄に関する内部抽選において、当選種類の「小当り」と「はずれ」とが選択される比率について、それぞれ特別図柄別に異ならせて設定している。例えば、第1特別図柄に関して、「小当り」についてはほとんど選択されない設定、たとえば、内部抽選でそれぞれが選択される比率を「小当り」:「はずれ」=1:300に設定している。一方、第2特別図柄に関しては、第1特別図柄とは異なり、「小当り」が選択されやすい設定、たとえば、内部抽選でそれぞれが選択される比率を「小当り」:「はずれ」=10:1に設定している。なお、第1特別図柄に関しては「小当り」を設定せず、「はずれ」のみに設定してもよく、第2特別図柄に関しては「小当り」:「はずれ」=100:1にし、「小当り」がさらに選択されるように設定してもよい。このように、第2特別図柄に関して内部抽選により小当りに当選し易くするのは、後述するスキップ機能を有効に活用するためである。反対に、第2特別図柄に関して「小当り」:「はずれ」=50:50設定し、どちらが抽選されたかわからないようにしたり、「小当り」:「はずれ」=70:30とある程度高い設定にしたりしてもよい。
ここで、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34による第1特別図柄の変動表示及び停止表示と第2特別図柄表示装置35による第2特別図柄の変動表示及び停止表示とを並行して行っている。例えば、左打ちをして遊技球を第1始動入賞口26に遊技球を入賞させ、第1特別図柄表示装置34を変動表示させている間に、右打ちをして第2始動入賞口29に遊技球を入賞させた場合、並行して第2特別図柄表示装置35を変動表示させている。
2つの特別図柄表示装置34,35を並行して変動表示させている際に、一方の特別図柄に関する内部抽選の結果が大当りである場合を想定する。例えば、第1特別図柄に関する内部抽選の結果が大当りである場合、所定時間経過後、第1特別図柄表示装置において大当りに対応する表示態様で第1特別図柄が停止表示され、その後、大当り遊技が開始される。そこで、大当り遊技を開始するにあたり、並行して変動表示されていた他方の第2特別図柄表示装置において変動表示が実行されているか否かが問題になってくる。大当り遊技における可変入賞装置30の作動には、特別図柄表示装置の未作動が必要であるからである。
このため、本実施形態では、2つの特別図柄表示装置34,35を並行して変動表示する際に、一方の特別図柄表示装置において大当り(又は小当り)に対応する表示態様で特別図柄が停止表示する場合、大当り遊技(小当りの遊技)における可変入賞装置30の作動前に、他方の特別図柄表示装置において変動表示を途中で強制的に停止させている。すなわち、変動表示が終了される時点をスキップさせ大当りに対応する表示態様の停止図柄が停止表示される時点と同時期に停止表示させている。
〔スキップ機能〕
以下、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において変動表示を途中で強制的に停止させるスキップ機能について具体的に説明する。なお、各特別図柄表示装置34,35による第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示と連動する形態をとる液晶表示装置42についても同様に、スキップ機能の作動により各特別図柄(ここでは第1特別図柄)の変動表示時間がスキップされ変動時間が短くなるとともに、液晶表示装置42における演出図柄による変動表示演出もスキップされ演出時間が短くなる。
図4は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
このうち図4中(A)〔スキップ機能作動例1〕は、第1特別図柄がはずれに対応する表示態様で停止表示するはずれ時の変動表示の変化と、第2特別図柄が小当りに対応する表示態様で停止表示する小当り時の変動表示の変化と、を示し、スキップ機能が作動する際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
これに対し、図4中(B)〔スキップ機能未作動例〕は、第1特別図柄が大当りに対応する表示態様で停止表示する大当り時の変動表示の変化と、第2特別図柄がはずれに対応する表示態様で停止表示するはずれ時の変動表示の変化と、を示し、スキップ機能が作動しない際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
また、図4中(C)〔スキップ機能作動例2〕は、第1特別図柄が大当りに対応する表示態様で停止表示する大当り時の変動表示の変化と、第2特別図柄がはずれに対応する表示態様で停止表示するはずれ時の変動表示の変化と、を示し、スキップ機能が作動する各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。これら(A)〜(C)のタイミングチャートを例に挙げてスキップ機能について説明する。
〔スキップ機能作動例1〕
図4中(A):時刻t1において、第1始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始されている。その際、第1特別図柄に関する内部抽選の結果としてはずれ(非当選)が選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1〜t5間に設定され、変動表示が時刻t5に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t1〜t5までの時間が第1特別図柄に関する変動タイマにセットされる。変動タイマは変動表示を実行することができる時間を表しており、変動表示を実行した時間だけ変動タイマから減算され、変動タイマが0になった時点で変動表示が終了する。
次に、時刻t2において、第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第2特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第2特別図柄表示装置35において変動表示が開始されている。ここで、時刻t2において第1特別図柄に関する内部抽選の結果がはずれであったため、第2特別図柄に関する内部抽選が実行されている。その際、第2特別図柄に関する内部抽選の結果として小当り(非当選以外)が選択され、第2特別図柄に関する変動時間がt2〜t3間に設定され、変動表示が時刻t3に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t2〜t3までの時間が第2特別図柄に関する変動タイマにセットされる。
時刻t3において、第2特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第2特別図柄に関する変動表示が終了し、小当りに対応する態様で第2特別図柄が停止表示される。なお、停止表示された第2特別図柄に関する内部抽選の結果が小当りであり、さらに、第1特別図柄に関する変動表示が実行中であることから、スキップ機能が作動する。そして、このスキップ機能の作動により、第1特別図柄に関するはずれ時の変動表示は終了される(第2強制終了手段)。具体的には、第1特別図柄に関する変動タイマが0に置き換えられる。したがって、t3〜t5の間の時間はスキップされることになる。
なお、スキップされた第1特別図柄に関するはずれ時の変動表示は再度実行されることはない。また、液晶表示装置42における第1特別図柄に関するはずれ時の演出図柄による変動表示演出も同様にスキップされ、時刻t3と同時期に終了される。
以上のように、第1特別図柄に関するはずれ時の変動表示中に、第2特別図柄に関する小当り時の変動表示を開始させ短時間で終了させることにより、第1特別図柄の変動表示をスキップさせて短時間で終了させることができる。また、本実施形態では、このスキップ機能を作動させ易くするために、上述したように、第1始動入賞口26と同程度の期待入賞率を有する第2始動入賞口を設置し、第2特別図柄に関する内部抽選(小当り抽選)における「小当り」に当選する確率を90%と非常に高く設定している。このように、第2特別図柄に関し小当りに選択し易くすることによって、第1特別図柄の変動時間をスキップさせやすくしている。また、その小当り時の変動表示を短時間(例えば、1秒)で終了させることで、さらに、第1特別図柄の変動時間について多くの時間分スキップさせている。
本来遊技者は、第1特別図柄に関する変動表示が終了する、すなわち、第1特別図柄に関するリーチ演出が終了し、大当りに対応する演出図柄(例えば、「7」−「7」−「7」)又ははずれに対応する演出図柄(例えば、「7」−「9」−「4」)が表示されるまで、内部抽選の結果が大当りか否かがわからなかった。しかしながら、第2始動入賞口に遊技球を入賞させて小当りに当選させて、スキップ機能を作動させることにより、リーチ演出を途中で終了させ、はずれに対応する演出図柄をいち早く表示することができる。これにより、遊技者は今回の変動表示の結果がはずれであったことをいち早く知ることができる。さらに、小当り遊技も直ぐに終了するため、次の遊技をいち早く開始し楽しむことができる。
図4中(A)に示すタイミングチャートでは第1特別図柄の内部抽選の結果がはずれ(非当選)であった場合を説明したが、図4中(B)に示すタイミングチャートでは第1特別図柄の内部抽選の結果が大当り(非当選以外)である場合を説明する。
〔スキップ機能未作動例〕
図4中(B):時刻t1において、第1始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始されている。その際、第1特別図柄に関する内部抽選の結果として大当り(非当選以外)が選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1〜t5間に設定され、変動表示が時刻t5に終了される設定が行われている。
次に、時刻t2において、第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第2特別図柄に関する内部抽選処理が実行され、その内部抽選処理の結果に基づいて第2特別図柄表示装置35において変動表示が開始されている。ここで、時刻t2において変動表示中の第1特別図柄に関する内部抽選の結果が大当りであったため、第2特別図柄に関する内部抽選は実行されずに、はずれ(非当選)が選択される処理が行われる。そして、第2特別図柄に関する内部抽選処理の結果としてはずれ(非当選)が選択され、第2特別図柄に関する変動時間がt2〜t3間に設定され、変動表示が時刻t3に終了される設定が行われている。
時刻t3において、第2特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第2特別図柄に関する変動表示が終了し、はずれに対応する態様で第2特別図柄が停止表示される。なお、停止表示された第2特別図柄に関する内部抽選の結果が非当選以外(大当り又は小当り)でないため、スキップ機能が作動しない。したがって、第1特別図柄に関する変動表示は続行される。すなわち、第1特別図柄(大当り時)に関する変動タイマは置き換えられることはない。
その後、時刻t5において、第1特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第1特別図柄に関する変動表示が終了し、大当りに対応する態様で第1特別図柄が停止表示される。
以上のように、第1特別図柄に関する大当り時の変動表示中に、第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示が開始され終了したとしても、本実施形態ではスキップ機能は作動せず、第1特別図柄の変動表示はスキップされない。また、本実施形態では、一方の特別図柄において大当り時(非当選以外時)の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、他方の特別図柄に関する内部抽選は実行していない。例えば、上記のように第1特別図柄に大当り時の変動表示中に、第2始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄に関する内部抽選は実行していない。その際、第2特別図柄に関する内部抽選の結果をはずれに設定し、その態様で第2特別図柄を停止表示している。
ここで、「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」に基づく遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則上、「特別電動役物及び特別図柄表示装置の数はそれぞれ2個を、条件装置の数は1個を超えるものでないこと。」(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則第6条第1項別表第4−(1)−ヘ−(イ))と定められている。例えば、一の契機における役物連続作動装置を作動させることとなる内部抽選に当選したあと、この当選に係る図柄の組み合わせが表示されるまでの間に、さらに、別の契機における役物連続作動装置を作動させることとなる内部抽選に当選することが可能である状態を持つ場合には、一個を超えて設けてはならない条件装置を複数設けていると解され、条件装置を二個以上設けていると解されるため、上記規則に抵触する。よって、本実施形態においては、第1特別図柄に関する内部抽選において大当りに当選し、この大当りに対応する特別図柄が停止表示されるまでの変動表示の間に、第2特別図柄に関する内部抽選を実行していない。そして、その際は、第2特別図柄においてははずれの態様で停止表示している。
なお、本来遊技者は、第1特別図柄に関する変動表示が終了する時点まで、すなわち、第1特別図柄に関するリーチ演出が終了し、大当りの演出図柄(例えば、「7」−「7」−「7」)又ははずれの演出図柄(例えば、「7」−「9」−「4」)が表示されるまで、内部抽選の結果が大当りか否かがわからなかった。しかしながら、第2始動入賞口に遊技球を入賞させることで、スキップ機能が作動するか否かにより、内部抽選の結果が大当りか否かの期待度をいち早く知ることができる。本実施形態では、第2特別図柄に関する内部抽選(小当り抽選)における「小当り」に当選する確率を90%と非常に高く設定しているため、「はずれ」が選択される確率は非常に低い。よって、「小当り」によるスキップ機能が作動しなかった場合、第2特別図柄においては「はずれ」に対応する態様で停止表示され、一方、第1特別図柄においては「大当り」に対応する態様で停止表示される可能性が非常に高くなる。そのため、スキップ機能が作動しなかった場合、第1特別図柄に関する内部抽選の結果が大当りかもしれないという期待感を遊技者に強く抱かせることができる。
図4中(B)に示すタイミングチャートでは第1特別図柄に関する大当り時の変動表示中に、第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示が開始し、第1特別図柄に関する大当り時の変動表示が終了する時刻より前に、第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示の終了する時刻が設定される場合を説明したが、図4中(C)に示すタイミングチャートでは第1特別図柄に関する大当り時の変動表示中に、第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示が開始し、第1特別図柄に関する大当り時の変動表示が終了する時刻より後に、第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示の終了する時刻が設定される場合を説明する。
〔スキップ機能作動例2〕
図4中(C):時刻t1において、第1始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始されている。その際、第1特別図柄に関する内部抽選の結果として大当り(非当選以外)が選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1〜t5間に設定され、変動表示が時刻t5に終了される設定が行われている。
次に、時刻t4において、第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第2特別図柄に関する内部抽選処理が実行され、その内部抽選処理の結果に基づいて第2特別図柄表示装置35において変動表示が開始されている。ここで、時刻t4において変動表示中の第1特別図柄に関する内部抽選の結果が大当りであったため、第2特別図柄に関する内部抽選は実行されずに、はずれ(非当選)が選択される処理が行われる。そして、第2特別図柄に関する内部抽選処理の結果としてはずれ(非当選)が選択され、第2特別図柄に関する変動時間がt4〜t6間に設定され、変動表示が時刻t6に終了される設定が行われている。
そして、時刻t5において、第1特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第1特別図柄に関する変動表示が終了し、大当りに対応する態様で第1特別図柄が停止表示される。なお、停止表示された第1特別図柄に関する内部抽選の結果が大当りであり、さらに、第2特別図柄に関する変動表示が実行中であることから、スキップ機能が作動する。そして、このスキップ機能の作動により、第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示は終了される(第1強制終了手段)。具体的には、第2特別図柄に関する変動タイマが0に置き換えられる。したがって、t5〜t6の間の時間はスキップされることになる。なお、スキップされた第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示は再度実行されることはない。また、液晶表示装置42における第2特別図柄に関するはずれ時の演出図柄による変動表示演出も同様にスキップされ、時刻t5と同時期に終了される。
以上のように、第1特別図柄に関する大当り時の変動表示中に、第2特別図柄においてはずれ時の変動表示が開始され、その後第1特別図柄に関する変動表示が終了すると、はずれ時の変動表示が実行されていたとしても強制的に終了させることができる。また、上記で説明したように、本実施形態では、一方の特別図柄において大当り時(非当選以外時)の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、他方の特別図柄に関する内部抽選は実行していない。よって、今回の場合も同様に、第1特別図柄に大当り時の変動表示中に、第2始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄に関する内部抽選は実行していない。その際、第2特別図柄に関する内部抽選の結果をはずれに設定し、その態様で第2特別図柄を停止表示している。
なお、遊技者は、第1特別図柄に関する大当り時の変動表示が終了した後、第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示が終了するまで待たずに済む。すなわち、第1特別図柄に関するリーチ演出が終了し、大当りの演出図柄(例えば、「7」−「7」−「7」)が表示された後に、第2特別図柄に関する変動表示はスキップ機能の作動に終了するため、いち早く大当り遊技を楽しむことができる。これにより、大当り時の変動表示終了後に遊技者の興趣を削ぐことなく、大当り遊技を充分に堪能させることができる。
以上、特別図柄の変動表示を途中で強制的に停止させるスキップ機能について、具体的な例として、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の変化をタイミングチャートを用いて説明した。ただし、第1特別図柄と第2特別図柄の関係を入れ替えたとしても同様の作用、効果が得られる。なお、双方の特別図柄に関する内部抽選の結果がはずれ時の場合にはスキップ機能は作動せず、設定された変動時間にそれぞれの特別図柄の変動表示は終了する。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、第1始動入賞口26、第2始動入賞口27、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口スイッチ81、第3始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,81,82は、第1始動入賞口26、第2始動入賞口27、可変始動入賞装置28(第3始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されておりランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば例陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示a器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図6及び図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、すなわち、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図7に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、普通図柄に対応する当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図9中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図9中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図9)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図8は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理(図7)に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なおバックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図6、7)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図9は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口スイッチ81、第3始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口スイッチ81、第3始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャート(図10)を用いて後述する。
本実施形態では、第1始動入賞口スイッチ80又は第3始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第1特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、第2始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口スイッチ81、又は第3始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャート(図11、図12)を用いて後述する。
ステップS205A,ステップS205B,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において第1特別図柄遊技処理、第2特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち第1特別図柄遊技処理(ステップS205A)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。また第2特別図柄遊技処理(ステップS205B)では、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、第1特別図柄遊技処理や第2特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャート(図13、図14)を用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(内部抽選処理実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。例えば、それぞれの始動入賞口スイッチにおいて遊技球の入賞が確認された際に、払出制御装置92に対する賞球個数の指示として、第1始動入賞口スイッチ80に関しては3個の賞球、第2始動入賞口スイッチ81に関しては9個の賞球、第3始動入賞口スイッチ82に関しては4個の賞球としてもよい。
ここで、第2始動入賞口スイッチは第2始動入賞口27に装備されており、第1特別図柄表示装置の変動表示をスキップさせる機能を作動させる契機を作り出している。このスキップ機能を有効に活用させるため、第1始動入賞口26と第2始動入賞口27とに遊技球が入賞する期待入賞率が同程度の場合、第1始動入賞口26に関する賞球数(3個)よりも第2始動入賞口27に関する賞球数(9個)の方が多く設定されている。これは、例えば、各始動入賞口に関する期待入賞率が、250球程度の発射に対して25球程度の入賞、つまり、遊技球を10球発射して1球が入賞する程度の確率であるため、アウト口に回収される9球のロス分を補填するという理由からである。なお、賞球数を9個に限定せずに、8個でも7個でもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の第1特別図柄遊技処理(ステップS205A)や第2特別図柄遊技処理(ステップS205B)、普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205A〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図10は、スイッチ入力イベント処理(図9中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する第1始動入賞口スイッチ80又は第3始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(第1事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャート(図11)を用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する第2始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力(第2事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャート(図12)を用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図9)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図11は、第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別に異なるセクション数(第1特別図柄:4つ(例えば2バイト)、第2特別図柄:1つ(例えば1バイト))に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域(乱数記憶領域)に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、第1抽選契機発生手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図12は、第2特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40a:主制御CPU72は、まず、第2特別図柄記憶更新処理に関して変動可か否かを確認する。すなわち、第2特別図柄に関して現在変動中であるのか否か、又は、第1特別図柄又は第2特別図柄に関して大当り遊技中又は小当り中であるのか否かを確認する。確認の結果、主制御CPU72は、変動可(Yes)の場合は次のステップS40bに進み、変動不可の場合はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
具体的には、第2特別図柄に関する図柄変動中フラグがセットされている(値が01H)場合、又は、第1特別図柄又は第2特別図柄に関して大当り遊技中フラグ又は小当り中フラグがセットされている(値が01H)場合は、変動不可(No)とし、主制御CPU72は次のステップS40bに進まず、スイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。これに対し、第2特別図柄に関する図柄変動中フラグがリセットされている(値が00H)場合、かつ、第1特別図柄又は第2特別図柄に関して大当り遊技中フラグ又は小当り中フラグがリセットされている(値が00H)場合は、変動可(Yes)とし、主制御CPU72は次のステップS40bに進む。
この処理において、具体的には、第2特別図柄における作動記憶を許可しないことを目的としている。すなわち、第2特別図柄が変動表示中、又は、いずれかの特別図柄に関して大当り遊技中又は小当り中に第2始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄に関する各種乱数を取得せず、第2特別図柄表示装置においても第2特別図柄の変動表示及び停止表示を実行しないことを目的としている。よって、第2特別図柄を再び変動表示させるには、第2特別図柄が停止表示した後、又は、大当り遊技又は小当りが終了した後に、第2始動入賞口に遊技球を入賞させればよい。
ステップS40b:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば1とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が1未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図11)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、第2抽選契機発生手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図11)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図11)と同様である。
ステップS44:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図11)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、リーチモード乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図11)と同様である。
ステップS49:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力処理を実行する。これにより、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置24に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
〔第1特別図柄及び第2特別図柄の並行変動〕
次に、割込管理処理(図9)の中で実行される第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理の詳細について説明する。本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄について、それぞれに対応する内部抽選を別個に実行することで、第1特別図柄表示装置34による第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示装置35による第2特別図柄の変動表示を並行して行うことが可能である。このため本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄のそれぞれについて、主制御CPU72による制御上で第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理を別個に(1割り込み周期に1回ずつ)実行することとしている。
〔第1特別図柄遊技処理〕
先ず図13は、第1特別図柄遊技処理(図9中のステップS205A)の手順例を示すフローチャートである。第1特別図柄遊技処理は、はじめに内部状態フラグが「大役開始(大当り遊技中)」であるか否かを確認する手順(ステップS1000a)を有している。
ステップS1000a:すなわち主制御CPU72は、最初に第2特別図柄に対応する遊技状態(内部状態)が「大役開始(大当り遊技中)」又は「小当り開始(小当り中)」であるか否かを確認する。この確認は、第2特別図柄に関してこれまでに行われた処理の進行状況(第2特別図柄遊技管理ステータスの値)に基づいて行うことができる。本実施形態においてこの確認を行っているのは、他方の第2特別図柄に関して大当り遊技中又は小当り中である場合、第1特別図柄に関する遊技を進行させないこととしているからである。
現時点で、特に第2特別図柄に関して大当り遊技中(第2特別図柄遊技管理ステータスが大当り中の値)でなく、かつ、小当り中でなければ(No)、主制御CPU72は次のステップS1000b以降の処理を実行する。ステップS1000b〜ステップS5000は、それぞれ第1特別図柄遊技処理の根幹となるプログラムモジュールである。主制御CPU72はこれら根幹となるステップS1000b〜ステップS5000の処理を通じて、第1特別図柄に対応する遊技の進行状況を具体的に制御することができる。
第1特別図柄遊技処理の根幹部分には、実行選択処理(ステップS1000b)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群が含まれている。ここでは先ず、各処理に沿って第1特別図柄遊技処理の根幹部分に関して基本的な流れを説明する。
ステップS1000b:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして第1特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(第1特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ第1特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は第1特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。具体的には、ここで大当り判定(内部抽選処理実行手段)や変動パターンの決定を行い、大当りの場合はあわせて当選種別の判定を行う。また、当選種別の判定に伴い、主制御CPU72は内部状態(「低確率状態」又は「高確率状態」)別に「時間短縮状態」の回数切りカウンタを設定したり、確変リミッタ回数の初期値を設定したりする。なお、さらに具体的な処理の内容は、別のフローチャート(図15)を用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって第1特別図柄の変動表示が行われる。
また、この処理ではスキップ機能を作動させるか否かの判定処理も行われ、先の大当り判定において、大当りまたは小当りに当選していた場合、かつ、他方の第2特別図柄が変動表示中である場合、他方の第2特別図柄に対してスキップ機能が作動される。このスキップ機能の作動により第2特別図柄の変動表示が強制的に終了させられる処理が行われる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャート(図20)を用いて後述する。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより第1特別図柄の停止表示が行われる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャート(図21)を用いて後述する。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で第1特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、第1特別図柄が15ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。第1特別図柄に関して大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000b)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、第1特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回、15回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として15ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の2ラウンド大当りが設けられている。また15ラウンド大当りについても、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで第1特別図柄に関して大当り遊技(大役)を終了する。
そして、第1特別図柄に関して大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄の両方)の変動時間が通常の長さ(例えば、6秒〜12秒程度;ただし、リーチ変動を行う場合を除く。)に設定される非時間短縮状態から、この非時間短縮状態に比較して変動時間が短縮された長さ(例えば、1.5秒〜5.5秒程度)に設定される状態に移行される。また、時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の抽選が高確率(例えば低確率で251分の15→251分の249程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で10秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.3秒程度→2.5秒程度に延長)され、さらに開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→2回に増加)するため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる電チューサポート)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔第2特別図柄遊技処理〕
次に図14は、第2特別図柄遊技処理(図9中のステップS205B)の手順例を示すフローチャートである。第2特別図柄遊技処理もまた、はじめに他方の第1特別図柄に関して大当り中であるか否かを確認する手順(ステップS1900a)を有している。
ステップS1900a:ここでも同様に、主制御CPU72は、最初に第1特別図柄に対応する遊技状態が「大当り遊技中」又は「小当り中」であるか否かを確認する。この確認もまた、上記のように第1特別図柄遊技管理ステータスの値に基づいて行うことができる。
現時点で、特に第1特別図柄に関して大当り遊技中(第1特別図柄遊技管理ステータスが大当り中の値)でなく、かつ、小当り中でなければ(No)、主制御CPU72は次のステップS1900b以降の処理を実行する。ステップS1900b〜ステップS5900は、それぞれ第2特別図柄遊技処理の根幹となるプログラムモジュールである。主制御CPU72はこれら根幹となるステップS1900b〜ステップS5900の処理を通じて、第2特別図柄に対応する遊技の進行状況を具体的に制御することができる。
先の第1特別図柄遊技処理において説明したように、第2特別図柄遊技処理の根幹部分についても、実行選択処理(ステップS1900b)、特別図柄変動前処理(ステップS2900)、特別図柄変動中処理(ステップS3900)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4900)、可変入賞装置管理処理(ステップS5900)のサブルーチン(プログラムモジュール)群が含まれている。各処理の内容は、制御の対象が第2特別図柄である点を除いて第1特別図柄遊技処理において説明したものと同じであるが、発明の理解をより確実にするため、ここでは各処理に沿って第2特別図柄遊技処理の根幹部分に関して基本的な流れを説明する。
ステップS1900b:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2900〜ステップS5900のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして第2特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
ここでも同様に、いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(第2特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ第2特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2900)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3900)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4900)を選択する。
ステップS2900:第2特別図柄遊技処理における特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は第2特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。
ステップS3900:また特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。また、スキップ機能を作動させるか否かの判定も行われる。この判定の結果、他方の第1特別図柄に対してスキップ機能の作動が確認された場合、第1特別図柄の変動表示が強制的に終了させられる処理が行われる。
ステップS4900:第2特別図柄遊技処理における特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより第2特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5900:また可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で第2特別図柄が停止表示された場合に選択される。ここでも同様に、当選種類別の態様で第2特別図柄の停止表示態様が決定される。また主制御CPU72は、可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで第2特別図柄に関して大当り遊技(大役)を終了する。
そして、第2特別図柄に関して大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については上記と同様である。
〔複数の当選種類〕
また本実施形態では、例えば複数の当選種類として(1)「15ラウンド確変大当り」、(2)「15ラウンド通常(非確変)大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。また「15ラウンド大当り」以外に、本実施形態では複数の当選種類(特殊当選種類)として例えば(3)「2ラウンド確変大当り」、(4)「2ラウンド通常大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「15ラウンド確変大当り」は「15ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「15ラウンド通常大当り」は「15ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。また、「2ラウンド確変大当り」は「2ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「2ラウンド通常大当り」は「2ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。このため以下の説明では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔15ラウンド通常図柄〕
先ず、上記の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、特別図柄が「15ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。このため「15ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。ただし、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔15ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。これら「15ラウンド確変図柄」の大当り遊技もまた、それぞれが15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔2ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、特別図柄が「2ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。その代わり、当選種類が「2ラウンド確変図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」及び「時間短縮機能」をともに作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典とともに、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。このような「2ラウンド確変図柄」については、遊技者に対して明確な大当り遊技を経ることなく、突発的に「高確率状態」及び「時間短縮状態」が発生したかのような印象を抱かせるものとなる。
いずれにしても、当選図柄が上記の「15ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「15ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「15ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は通常確率状態(低確率状態)に復帰する。また言うまでもなく、通常確率状態で内部抽選に当選し、「15ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は通常確率状態に維持される。
〔2ラウンド通常図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、特別図柄が「2ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。しかも、当選種類が「2ラウンド通常図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後には、「確率変動機能」も「時間短縮機能」も作動されない。その結果として、大当り前の状態が「高確率状態」であれば「低確率状態」に移行されるし、大当り前の状態が「低確率状態」であれば、その「低確率状態」が維持される。このような「2ラウンド通常図柄」については、「高確率状態」を終了させる意義を有している。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、第1特別図柄又は第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。
〔特別図柄変動前処理〕
図15は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。なお、以下に挙げる特別図柄変動前処理の内容は、第1特別図柄遊技処理(図13)及び第2特別図柄遊技処理(図14)において共通とすることができる。ただし、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とすることとする。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、制御対象の特別図柄作動記憶数(第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数)が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。対象図柄の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2150に進む。
ステップS2150:主制御CPU72は、他方の特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認する。すなわち、制御の対象が第1特別図柄であれば、第2特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認し、制御の対象が第2特別図柄であれば、第1特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認する。この確認もまた、特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。そして、他方の特別図柄作動記憶数が0であった場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72は、いずれの始動入賞口にも所定の時間入賞がなかったかを確認し、確認の結果なかった場合、デモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図13又は図14)に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。なお、他方の特別図柄作動記憶数が0でなかった場合(ステップS2150:No)、主制御CPU72はデモ設定処理を実行することなく特別図柄遊技処理(図13又は図14)に復帰する。
これに対し、制御対象の特別図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(ステップS2100a:Yes)、主制御CPU72は次にステップS2160を実行する。
ステップS2160:主制御CPU72は、他方の特別図柄に関して、非当選以外の大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する(特別図柄停止表示態様判定手段)。ここで、大当りフラグや小当りフラグは、後の大当り判定処理において具体的に説明するが、内部抽選により大当りや小当りに当選した際にセットされるフラグ(値)であって、大当り遊技や小当り遊技の終了の際にリセットされる。したがって、この処理における確認は、他方の特別図柄に関する内部抽選の結果が大当り又は小当りに当選しているか否かの確認でもある。なお、他方の特別図柄の変動表示(停止表示を省く)が実行されていない場合は、大当りフラグ又は小当りフラグがセットされていないため、確認の結果は必然的にNoとなる。
この処理において、他方の特別図柄に関する大当りフラグや小当りフラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2170を実行する。一方、他方の特別図柄に関する大当りフラグや小当りフラグに値(01H)がセットされていない(値が00Hである)場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
具体的には、制御の対象が第1特別図柄であれば、他方の第2特別図柄に関する大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、具体的には、第2特別図柄に関する内部抽選の結果大当り又は小当りのいずれかが選択されている場合、主制御CPU72は次にステップS2170を実行する。一方、他方の第2特別図柄に関する大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされていない場合(No)、具体的には、第2特別図柄に関する内部抽選の結果非当選(はずれ)が選択されている場合や、第2特別図柄が変動表示していない場合、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2170:主制御CPU72は、他方の特別図柄に関して、図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。ここで、図柄停止表示中フラグは、後の特別図柄変動終了処理において具体的に説明するが、特別図柄の停止表示が実行されている間にセットされるフラグ(値)であって、停止表示が終了される際にリセットされる。したがって、この処理における確認は、他方の特別図柄が大当り又は小当りを表す態様で停止表示しているか否かの確認である。
この処理において、他方の特別図柄に関する図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図13又は図14)に復帰する。このように以降の処理を実行せずに特別図柄遊技処理に復帰するのは、現在、他方の特別図柄が内部抽選の結果大当り又は小当りを表す態様で停止表示している最中であり、大当り遊技又は小当り遊技がすぐに開始される予定だからである。すなわち、制御対象の特別図柄を、その大当り遊技または小当り遊技が終了してから、以降の処理(変動表示を開始するための処理)を実行するようにしている。したがって、他方の特別図柄に関する大当り遊技又は小当り遊技が終了するまで、制御対象の特別図柄に関する内部抽選は実行されない。なお、他の実施形態として、図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、特別図柄遊技処理(図13又は図14)に復帰せずに、内部抽選処理ではずれに設定し、変動表示を実行する変動時間を短時間に設定して、他方の停止表示が終了する時点にはずれ時の停止表示を行ってもよい。
他方の特別図柄に関して、大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされている場合(ステップS2160:Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、制御対象の特別図柄に対応する方を読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。またこの処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、制御対象となる方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図9中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aのうち、制御対象となる方について記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値(大当り決定乱数値)が含まれるか否かを判断する(第1内部抽選処理実行手段、第2内部抽選処理実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットする。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選処理実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグ(01H)をセットする。
このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが(非当選以外規定手段)、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
一方、他方の特別図柄に関して、図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされていない(値が00Hである)場合(ステップS2170:No)、主制御CPU72は次にステップS2202を実行する。
ステップS2202:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、先のステップS2200と同様の処理が行われるため、説明は省略する。主制御CPU72は次にステップS2370を実行する。
ステップS2370:主制御CPU72は、フラグ設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域における大当りフラグ、及び、小当りフラグの値をリセットする(値を00Hにする)(内部抽選処理結果強制手段)。先の他方の特別図柄の停止図柄を判定する処理(ステップS2160:Yes)において、他方の特別図柄に関する内部抽選の結果が非当選以外(大当り又は小当り)であると判定されることから、後に他方の特別図柄表示装置において特別図柄が停止表示される。そして、最終的に大当り遊技又は小当り遊技において特別電動役物が作動することになる。したがって、制御対象の特別図柄表示装置において特別電動役物を作動させることとなる特別図柄を停止表示させない、すなわち、制御対象の特別図柄がはずれの表示態様で停止表示させる必要がある。そのため、制御対象の特別図柄に関してははずれに対応する表示態様で停止表示させるため、主制御CPU72に大当り判定処理(内部抽選)を実行させる必要はない。そこで、主制御CPU72は、大当り、小当り、又は、はずれのいずれかであるかを抽選する必要はないことから、大当りフラグの値、及び、小当りフラグの値をリセットする(値を00Hにする)。
なお、大当りフラグや小当りフラグは大当り遊技又は小当り遊技が終了する段階でリセットする(値を00Hにする)ため、この処理は確認のために実行されるだけであり、実行しなくてもよい。また、制御対象の特別図柄がはずれの表示態様で停止表示させるため、主制御CPU72に大当り判定処理(内部抽選)を実行させる必要はないと説明したが、抽選の結果を強制的にはずれに処理する大当り判定処理(内部抽選)を実行してもよい。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。
一方、大当り判定処理が終了すると(ステップS2300)、主制御CPU72は次にステップS2400を実行する。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402に進む。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404に進む。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、制御の対象となる特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。変動パターン番号は、制御対象の特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば1.5秒〜4秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、変動パターンは大別して2種類の基本変動パターンと特殊変動パターンとして規定してもよく。それぞれ、変動表示を実行する時間が短い変動時間に対応するものを基本変動パターンとし、それよりも時間が長い変動時間に対応するものを特殊変動パターンとしてもよい。例えば、「非リーチ演出」や時間の短い「リーチ演出」等に対応したものを基本変動パターンとし、時間の長い「リーチ演出」、具体的には、「ロングリーチ演出」や「スーパーリーチ演出」等に対応したものを特殊変動パターンとしてもよい。
〔はずれ時変動パターン選択テーブル〕
図16は、第1特別図柄及び第2特別図柄別のはずれ時変動パターン選択テーブルの構成例を示す図である。図16中(A)は第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルであり、図16中(B)は第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルであり、これら選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。制御の対象が第1特別図柄であり第1特別図柄遊技処理に適用する場合は図16中(A)は第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルを使用し、制御の対象が第2特別図柄であり第2特別図柄遊技処理に適用する場合は図16中(B)は第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルを使用することとする。以下、それぞれのはずれ時変動パターン選択テーブルについて説明する。
〔第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル〕
主制御CPU72は、制御の対象が第1特別図柄であり第1特別図柄表示装置においてはずれの表示態様で第1特別図柄を停止表示する場合、図16中(A)に示される第1特別図柄はずれ時変動バターン選択テーブル(第1変動パターン規定手段)を参照して変動パターン番号を決定する。
この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、10秒以上といった変動時間が設定されている。このうち、変動パターン7,8(変動パターン番号「7」,「8」)に関しては(図中、網掛け部分)、比較的長めの変動時間(例えば1分以上)が設定されており、「特定の変動パターン」として規定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル〕
主制御CPU72は、制御の対象が第2特別図柄であり第2特別図柄表示装置においてはずれの表示態様で第2特別図柄を停止表示する場合、図16中(B)に示される第2特別図柄はずれ時変動バターン選択テーブル(第2変動パターン規定手段)を参照して変動パターン番号を決定する。
この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば5つの段階的に異なる値「111」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「71」〜「75」が割り当てられている。この選択テーブルでは、5組が例示されているが、これに限定されず、第1特別図柄はずれ時変動パターンテーブルと同一の8組でもよく、それより多くても少なくてもよい。また、比較値に関しても、第1特別図柄はずれ時変動パターンテーブルと同一でもよく、異なっていてもよい。
変動パターン番号「71」、「72」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「73」〜「75」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、これらの変動時間は、比較的短めの時間(例えば、1〜3秒程度)に設定されている。このうち、変動パターン5(変動パターン番号「75」)に関しては(図中、網掛け部分)、他と比較して長めの変動時間(例えば5秒程度)が設定されており、「特定の変動パターン」として規定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「222」であったとすると、最初の比較値「111」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「231」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「72」を選択する。
なお、第2特別図柄はスキップ機能の作動を目的とした特別図柄であるため、変動パターン数を少なくし、リーチ演出が行われない非リーチ変動パターンが選択される割合を高くした設定が好ましい。例えば、上記の非リーチ変動パターン1、2の比較値を「170」、「245」とし、リーチ後はずれ変動パターン3,4を「250」、「253」とし、変動パターン5を「255」と設定してもよい。また、第2特別図柄はスキップ機能の作動を目的とするため、非リーチ演出、リーチ演出に限定されずに、変動時間については短時間で終了する設定が好ましい。なお、はずれ時に限定されずに、小当り時や大当り時といった場合においても、リーチ演出等が行われる分長い変動時間を要する第1特別図柄よりも第2特別図柄に係る変動時間は総じて短い方がよい。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
上記のように本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて4種類が用意されている。4種類の内訳は、「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」である。なお、4種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「15ラウンド確変図柄」であれば、「15ラウンド確変図柄a」、「15ラウンド確変図柄b」、「15ラウンド確変図柄c」、・・・といった具合である。
また本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の種類が異なっている。すなわち、第1特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」のいずれかが選択される。
一方、第2特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「15ラウンド通常図柄」又は「15ラウンド確変図柄」が選択されることになる。このため主制御CPU72は、今回の大当りの抽選結果が得られた制御対象が第1特別図柄であるか、それとも第2特別図柄であるかによって当選図柄として選択可能な対象を区別している。
図17は、第1特別図柄及び第2特別図柄別の大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。図17中(A)は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルであり、図17中(B)は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルである。以下、それぞれについて説明する。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
主制御CPU72は、今回の大当りの抽選結果が得られた制御対象が第1特別図柄である場合、図17中(A)に示される第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(第1変動パターン規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「10」,「20」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「2ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の10(=10%)であり、「2ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の20(=20%)である。また、「15ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の20(=20%)、「15ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄についての確変図柄の選択比率は70%である。
いずれにしても、今回の大当りの抽選結果が得られた制御対象が第1特別図柄である場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「2ラウンド通常図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H00H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
また主制御CPU72は、今回の大当りの抽選結果が得られた制御対象が第2特別図柄である場合、図17中(B)に示される第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(第2変動パターン規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「30」,「70」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「2ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の30(=30%)であり、「2ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の70(=70%)である。したがって第2特別図柄についても、全体として確変図柄の選択比率は70%である。ただし、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」についての振分値は設定されていない。
今回の大当りの抽選結果が得られた制御対象が第2特別図柄である場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から1番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「2ラウンド通常図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H00H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
なお、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される当選図柄が異なっているのは、例えば以下の理由による。すなわち、第2特別図柄の大当り時には、15ラウンドの大当りはなく2ラウンドの大当りしかないため、15ラウンドの大当りのようにまとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられない。よって、遊技者は第2特別図柄の大当りよりも第1特別図柄の大当りによる賞球の獲得を望むため、第2特別図柄表示装置を作動させるための第2始動入賞口ではなく、第1特別図柄表示装置を作動させるための第1始動入賞口又は第3始動入賞口に遊技球を入賞させた方がよいと、遊技性を明確にし、不信感を与えなくすることができる。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン番号を決定する。なお、変動パターン番号にはそれぞれ変動時間と停止表示時間とが対応付けられている。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。なお、制御対象が第2特別図柄である場合は、第1特別図柄と同様の方法で変動パターン番号を決定することもできるが、スキップ機能の作動を目的としているため、変動時間が短い変動パターン番号に決定される方が好ましい。具体的には、制御対象が第2特別図柄である場合は、例えば、はずれ時と同様に最長で5.0秒程度としてもよい。なお、最長の変動時間を5.0秒程度と限定せずに、少し長めの煽り演出を実行するために、15.0秒程度と設定してもよい。
本実施形態では、内部抽選の結果、15ラウンド大当り(15ラウンド通常大当り及び15ラウンド確変大当り)に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行うこととしている。そして、「15ラウンド大当り当選時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、15ラウンド大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、バトルリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。なお、大当り時の変動パターンは、基本的に時間が長い変動時間を要するため、上記で説明した特殊変動パターンが選択される。
〔15ラウンド大当り当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図18(A)は、15ラウンド大当り当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、15ラウンド大当りに当選した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「13」〜「20」が割り当てられている。
変動パターン番号「13」〜「20」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン17〜20(変動パターン番号「17」〜「20」)に関しては(図中、網掛け部分)、比較的長めの変動時間(例えば1分以上)が設定されており、「特定の変動パターン」として規定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「14」を選択する。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「2ラウンド確変図柄」又は「15ラウンド確変図柄」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類が「15ラウンド通常図柄」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値をリセットする(低確率状態設定手段、低確率状態移行手段)。
また主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「2ラウンド通常図柄」の全ての当選図柄について、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
またステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもでき、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
特に、第2特別図柄はスキップ機能の作動を目的とした特別図柄であるため、小当りに当選した場合、第1特別図柄の通常の変動時間と比較して、短い変動時間に対応する変動パターンが選択されやすくなっている。
〔第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル〕
図18中(B)は第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブルである。主制御CPU72は、制御の対象が第2特別図柄であり第2特別図柄表示装置において小当りの表示態様で第2特別図柄を停止表示する場合、図18中(B)に示される第2特別図柄小当り時変動バターン選択テーブル(第2変動パターン規定手段)を参照して変動パターン番号を決定する。
この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば3つの段階的に異なる値「111」,「231」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「81」〜「83」が割り当てられている。この選択テーブルでは、3組が例示されているが、これに限定されず、8組でもよく、それより多くても少なくてもよい。また、比較値に関しても、これに限定されなくてもよい。
変動パターン番号「81」、「82」は、リーチ演出が行われずに、小当りとなる変動パターンに対応しており、変動時間は短めに設定されている。例えば、変動パターン1(変動パターン番号「81」)に関しては、1.0秒程度が設定され、変動パターン2(変動パターン番号「82」)に関しては、1.5秒程度が設定される。また、変動パターン番号「83」は、リーチ後に小当りとなる変動パターンに対応しており、変動時間は上記と同様に短めに設定されている。例えば、変動パターン3(変動パターン番号「83」)に関しては、2.0秒程度が設定される。なお、具体的な時間は例示であって適宜変更することができる。
このように、第2特別図柄の変動表示が短時間で終了するような変動時間に対応する変動パターンが選択されやすいのは、スキップ機能の作動を目的としているからである。したがって、第2始動入賞口に入賞して小当りに当選した場合、第2特別図柄の変動表示が短時間(例えば、1.0秒)で終了するため、従来の小当り時の変動時間(第1特別図柄の小当り時の変動時間)と比較してさらに多くの時間分第1特別図柄の変動時間をスキップさせることができる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグ、図柄変動中フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理(図13又は図14)に復帰する。
〔図13、図14:特別図柄変動中処理〕
特別図柄変動中処理(ステップS3000)では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで制御の対象となる特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、この処理ではスキップ機能を作動させるか否かの判定処理も行われ、先の特別図柄変動前処理の大当り判定において、一方の特別図柄に関して大当りまたは小当りに当選していた場合、かつ、他方の特別図柄が変動中である場合、他方の特別図柄に対してスキップ機能が作動される。このスキップ機能の作動により他方の特別図柄の変動表示が強制的に終了させられる処理が行われる。
〔図13、図14:特別図柄停止表示中処理〕
また特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図15中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図19は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理(図15中のステップS2200)の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、他方の停止図柄に関して、非当選以外フラグがセットされていない(値が00H)、又は、停止図柄表示タイマの値が<割込周期ではない(図15中のステップS2100b:No)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。ここでも同様に特別図柄記憶エリアシフト処理の内容は、第1特別図柄遊技処理(図13)及び第2特別図柄遊技処理(図14)において共通とすることができる。ただし、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とすることとする。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:先ず主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に対応するRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2212:また主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、制御対象の特別図柄が第1特別図柄であれば、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)し、制御対象の特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2214:次に主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から、制御対象の特別図柄について「変動開始時作動記憶数」を設定する。
ステップS2216:また主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。すなわち、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。制御対象が第2特別図柄であれば、先行値は第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BCH」)となる。
ステップS2218:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2216でセットした制御対象となる特別図柄についての作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図15)に復帰する。
次に図20は、特別図柄変動中処理(図13中のステップS3000又は図14中のステップS3900)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。以下に挙げる特別図柄変動中処理の内容もまた、第1特別図柄遊技処理(図13)及び第2特別図柄遊技処理(図14)において共通とすることができる。すなわち、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とする。
ステップS3100:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について変動タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS3200:そして主制御CPU72は、今回減算した変動タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、変動タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ変動表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図13中のステップS1000b又は図14中のステップS1900b)からジャンプして特別図柄変動表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、変動タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は変動表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS3300を実行する。
ステップS3300:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に関して、非当選以外の大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS3400を実行する。一方、大当りフラグ及び小当りフラグに値(01H)がセットされておらずリセットされている(値が00Hである)場合(No)、主制御CPU72は次にステップS3600を実行する。
ステップS3400:主制御CPU72は、他方の特別図柄に関して変動表示中フラグがセットされているか否かを確認する。この処理において、他方の特別図柄に関して変動表示中であるか否かに基づいて、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させるか否かが確認される。この確認処理は、対象の特別図柄の大当り時又は小当り時の変動表示が終了することに伴い、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる(他方の変動表示を強制的に終了させる)必要があるか否かを確認するために実行される。そして、他方の変動表示中フラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる必要があるとして、主制御CPU72は次にステップS3500を実行する。一方、他方の変動表示中フラグに値(01H)がセットされておらずリセットされている(値が00Hである)場合(No)、他方の特別図柄は変動表示されておらず、スキップ機能を作動させる必要がないとして、主制御CPU72は次にステップS3600を実行する。
具体的には、例えば、制御対象の第1特別図柄がこの割込処理において大当り時(又は小当り時)の変動表示が終了する場合、他方の第2特別図柄のはずれ時の変動表示が実行中であるか否かが確認される。この確認により、他方の第2特別図柄が変動表示中である場合(Yes)、スキップ機能を作動させる必要があるとして、主制御CPU72は次にステップS3500を実行する。一方、この確認により、他方の第2特別図柄は変動表示していない、また、停止表示もしていないと確認された場合、スキップ機能を作動させる必要はないとして、主制御CPU72は次にステップS3600を実行する。
ステップS3500:主制御CPU72は、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる、すなわち、他方の特別図柄に関する変動表示を終了させる処理が実行される(第1強制終了手段、第2強制終了手段)。具体的には、主制御CPU72は、他方の特別図柄に関する変動タイマの値に0をセットする。
ステップS3600:主制御CPU72は、特別変動終了処理を実行する。この処理では、制御対象の特別図柄の変動表示が終了することに伴い、RAM76のフラグ領域に特別図柄の図柄停止表示中フラグに値(01H)をセットする。また、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理(図13又は図14)に復帰する。
なお、これら一連の処理、具体的にはステップS3300〜ステップS3500における処理において、制御対象の特別図柄に関する大当り時又は小当り時の変動表示が終了する段階で、他方の特別図柄が変動表示中か否かを確かめる。そして、他方が変動中であればスキップ機能を作動させるために、他方の変動タイマを0にする処理が行われる。そして、後に実行される他方の特別図柄遊技管理処理(図13又は図14)内の特別図柄変動中処理(図13中のステップS3000又は図14中のステップS3900)において、他方の変動タイマが減算され0以下となり(図15中のステップS3100)、変動表示が終了であると判定される(図15中のステップS3200:Yes)。したがって、スキップ機能が作動したことにより、最終的に他方の特別図柄の変動表示は終了して停止表示が開始される設定が行われることになる(図15中のステップS3600)。また、その後、双方の特別図柄に関する停止表示時間が同一であるため、例えば、0.5秒であるため、同時期に双方の特別図柄に関する停止表示が終了し、その後、大当り又は小当り遊技が開始されることとなる。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図21は、特別図柄停止表示中処理(図13中のステップS4000又は図14中のステップS4900)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。以下に挙げる特別図柄停止表示中処理の内容もまた、第1特別図柄遊技処理(図13)及び第2特別図柄遊技処理(図14)において共通とすることができる。すなわち、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とする。
ステップS4100:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図13中のステップS1000b)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグ、及び、図柄停止表示中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄についてジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図15中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類がいずれかの「15ラウンド確変図柄」であれば、連続作動回数コマンドは「15ラウンド」を表す値として生成される。また「2ラウンド確変図柄」の場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図13又は図14)に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば100回)に設定される。また回数切りカウンタは、第1特別図柄及び第2特別図柄について共通に設定することができる。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図13又は図14)に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図13又は図14)に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理(図13又は図14)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図22は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図9中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド(15R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔図13、図14:可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図23は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図24は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、すなわちRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお当選図柄別の開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図13又は図14)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。またラウンド間のインターバル時間は、例えば「2ラウンド図柄」については2秒程度、「15ラウンド図柄」については数秒(例えば2秒〜2.5秒)程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、上記のように極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図15中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「15ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、15回なら「14」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理(図23)に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理(図23)に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図25は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図24中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図23)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放や「2ラウンド確変図柄」の1ラウンド目と2ラウンド目の開放は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図24中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図23)に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理(図23)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図26は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理(図23)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図23中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回又は15回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理(図23)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図24中のステップS5214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理(図23)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図23中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に(図23)復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図27は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り遊技中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図15中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば20分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図15中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグ(変動時間短縮機能作動フラグ)の値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回程度又は10000回程度)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図13中のステップS1000b)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図23)に復帰する。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
〔並行変動に対応した演出表示〕
また本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄について、それぞれを別個に変動させる制御を行っており(第1演出画像表示手段、第2演出画像表示手段)、遊技状態に関わらず第1始動入賞口26(又は第3始動入賞口28a)及び第2始動入賞口27への入賞が発生し得ることから、通常時から第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が並行して発生する。特に、遊技者が第1特別図柄の内部抽選の結果が大当りか否かをいち早く判断したい場合は、第1特別図柄に対してスキップ機能を作動させるために、小当りに当選しやすい第2特別図柄の変動表示が開始されることがある。このため演出上でも、2つの図柄の変動表示が並行して発生していることを直感的に理解しやすい態様で変動表示中の演出表示が行われている。また、変動表示が終了する際にスキップ機能が作動した場合、スキップされたことが直感的に理解しやすい態様で演出表示が行われる。
〔スキップ機能による変動表示演出〕
スキップ機能により液晶表示器42で行われる変動表示演出は、一方の特別図柄に関する変動表示演出において非当選以外(大当り又は小当り)に対応する態様で演出図柄が終了し、その際に他方の特別図柄においても変動表示中である場合に行われる。このスキップ機能の作動により、他方の特別図柄が変動表示演出中(例えば、ロングリーチ演出中)にも関わらずその演出が強制的に終了され、すなわち、所定の演出時間がスキップされてはずれに対応する態様で演出図柄が停止表示される、といった変動表示演出が並行して行われる。
上記スキップ機能の説明について、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像についての例とともに説明する。まず、双方の特別図柄がはずれに対応する態様の演出図柄で停止表示される演出(スキップされない演出)について説明し、次に変動表示演出が強制的に停止され、変動表示演出時間がスキップされる演出について説明する。なお、特別図柄とその内部抽選の結果を次のように組み合わせて例示するが、第1特別図柄と第2特別図柄を入れ替えてもよい。以下の組み合わせを例に挙げて説明する。
(1)スキップされない場合:第1特別図柄がはずれ、第2特別図柄がはずれの組み合わせ
(2)スキップされる場合(例1):第1特別図柄がはずれ(スキップ対象)、第2特別図柄が小当りの組み合わせ
(3)スキップされる場合(例2):第1特別図柄が大当り、第2特別図柄がはずれ(スキップ対象)の組み合わせ
図28から図33は、並行して発生し得る2つの特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。ここでは第1特別図柄及び第2特別図柄の変動前(停止表示)の状態から、先に第1特別図柄が変動表示を開始し、続いて第2特別図柄が変動表示を開始して並行変動状態となり、その後に停止表示されるまでに行われる演出の流れを示している。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔2つの表示領域〕
例えば図28中(A)に示されているように、液晶表示器42の表示画面内には、2つの表示領域として第1表示領域A1及び第2表示領域A2がそれぞれ区画して形成されている。この例では、右上隅に第2表示領域A2が配置され、その残りの部分に第1表示領域A1が配置されている。このうち第1表示領域A1は第1特別図柄に対応しており、第2表示領域A2は第2特別図柄に対応しているものとする。ここで、第1表示領域A1と第2表示領域A2との表示領域を液晶画像による枠線で分割したが、液晶表示機42上に新たに可動式の構造物を設けてそれぞれの表示領域を分割してもよい。なお、各表示領域A1,A2の大きさはそれぞれ変化させてもよい。例えば、拡大表示の段階が多く進むほど、当選への期待度(信頼度)が高まるといった演出上の味付けを行うこともできる。
また、本実施形態では、第2表示領域A2を液晶表示器42の表示画面内の右上隅に配置しているが、左右に同じ大きさに配置してもよく、上下に配置してもよく、それぞれ任意の位置に配置してもよい。
また、本実施形態では、1つの液晶表示器42の表示画面内を2つの第1表示領域A1と第2表示領域A2とで分割しているが、2つの液晶表示器を設置してそれぞれの液晶表示器の表示画面を第1表示領域A1と第2表示領域A2としてもよい。また、液晶表示器に関わらず、他の表示器を設置してもよく、機械式(ドラム型、ベルト型)表示器、ドットマトリックス型表示器、7セグメントLED型表示器等が設置される。例えば、液晶表示器42において第1特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出をし、他の表示器において第2特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出をすることもできる。
また、第1表示領域A1で実行される演出と、第2表示領域A2で実行される演出とを関連させた一連の演出を実行してもよい。例えば、第1表示領域A1においてリーチ演出が実行されており、第2表示領域A2においてそのリーチ演出の大当り期待度を表示する演出をしてもよい。他にも、第1表示領域A1において実行されているリーチ演出でキャラクターが登場する演出が実行された場合、第2表示領域A2においてそのキャラクターに関連したアイテム等の画像を表示する演出をしてもよい。他にも、第1表示領域A1においてリーチ演出が実行されている場合、第2表示領域A2において変動表示中に演出切替ボタン45の押下を遊技者に促す演出を実行し、あたかも遊技者が演出切替ボタン45を押下ことによりスキップ機能が作動したような演出を実行して双方の変動表示を終了させる演出を実行してもよい。
〔変動表示前〕
また第1特別図柄及び第2特別図柄の変動前において、第1表示領域A1及び第2表示領域A2には、それぞれ非当選(はずれ)を表す態様で演出図柄が停止表示されている。各表示領域A1,A2に表示される演出図柄には、それぞれ左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは各表示領域A1,A2内で左・中・右に並んで表示される。この例では、第1表示領域A1に表示される演出図柄が算用数字を表す絵札をデザインしたものとなっており、これに対して、第2表示領域A2に表示される演出図柄は、漢数字を表す絵札をデザインしたものとなっている。このとき第1特別図柄及び第2特別図柄の停止表示に合わせて、各表示領域A1,A2内の演出図柄も停止表示された状態にある。
各表示領域A1,A2の左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄は、いずれも停止表示状態では1つの数字を表す絵札だけが表示されているが、これら左・中・右の演出図柄は、第1表示領域A1については算用数字の「1」〜「9」、第2表示領域A2については漢数字の「一」〜「九」が順番に並んだ図柄列を潜在的に構成している。このような図柄列は変動表示中に顕在化され、各表示領域A1,A2の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
各表示領域A1,A2で行われる変動表示演出は、それぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出(=結果表示演出)は、第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。
〔作動記憶数表示演出〕
また、例えば図28中(A)に示されているように、第1特別図柄及び第2特別図柄が未変動の状態で第1始動入賞口26への入賞が発生すると、主制御CPU72による制御上で第1特別図柄作動記憶数が1つ増加する。このとき第1表示領域A1の下部位置には、第1特別図柄作動記憶数の増加に対応して作動記憶数を表すマーカM1(例えば○の図形)が1つ点灯表示される。なお、この時点で第2特別図柄について作動記憶数は発生していないため、第2表示領域A2には特に作動記憶数を表すマーカが表示されていない。
〔第1特別図柄変動開始〕
図28中(B):未変動状態から第1特別図柄作動記憶数の増加に伴い、第1特別図柄表示装置34において第1特別図柄の変動表示が開始され、これに応じて第1表示領域A1内では演出図柄を用いた変動表示演出が開始される(第1演出画像表示手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、第1表示領域A1内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また変動表示演出の開始に伴い、第1表示領域A1内で上記の図柄列が顕在化されていることが分かる。
また、変動表示の開始により第1特別図柄作動記憶数が1つ消費されたことに伴い、上記のマーカM1が消去される演出が行われる。これにより、遊技者に対して「作動記憶を消費して変動表示が開始された」ということを演出上で伝達することができる。
一方、第2特別図柄が未変動の状態で第2始動入賞口27への入賞が発生すると、今度は主制御CPU72による制御上で第2特別図柄作動記憶数が1つ増加する。このため第2表示領域A2の下部位置には、第2特別図柄作動記憶数の増加に対応して作動記憶数を表すマーカM2(例えばハートの図形)が1つ点灯表示されている。
ここで、本実施形態においては、第2特別図柄に関して作動記憶数の最大値が1であるため、第2表示領域A2の下部位置にマーカM2は2つ以上増えて点灯表示されることはない。
ここでは特に図示されていないが、各表示領域A1,A2には演出図柄やマーカM1,M2の他に背景画像が表示されている。背景画像には、例えば風景や人物、場所等をモチーフとした画像が含まれる。左・中・右の演出図柄やマーカM1,M2は、背景画像の前面に位置した状態で表示されているものとする。また背景画像は、第1表示領域A1と第2表示領域A2とで異なる態様とすることができる。
同じく図示されていないが、その他にも各表示領域A1,A2には、それぞれ第4図柄が表示されているものとする。第4図柄は、各表示領域A1,A2において上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。第4図柄は、単純なマーク(例えば「□」や「○」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。
他の実施形態において、マーカM2については表示しなくてもよい。これは、第2特別図柄に関し作動記憶数の最大値が1であり、さらに、第2特別図柄が変動表示中(確定停止時まで)、大当り遊技中、小当り中に第2始動入賞口に入賞したとしても作動記憶数を加算せずその入選を契機に内部抽選を行わない、すなわち、第2特別図柄に関しては各種乱数の記憶を行わないため、たとえマーカM2を表示したとしても、直ぐに消されることになるからである。
他の実施形態において、第2特別図柄についても第1特別図柄と同様に各種乱数の記憶を行う場合、例えば、作動記憶数の最大値を4にする場合は、マーカM2の表示方法はマーカM1と同様にすることができ、第2特別図柄作動記憶数が増加したことに対応して、第2表示領域A2の下部位置にマーカM2が最大で4つ点灯表示することもできる。
〔並行変動中の演出(第1特別図柄変動表示、第2特別図柄変動開始)〕
図28中(C):第1表示領域A1内では、第1特別図柄の変動表示に対応した変動表示演出が引き続き行われている。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示される。さらにこの例では、第1特別図柄作動記憶数が増加したことに対応して第1表示領域A1の下部位置にマーカM1が新たに1つ点灯表示されている。なお、ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
第2表示領域A2内では、未変動状態から第2特別図柄作動記憶数の増加に伴い、第2特別図柄表示装置35において第2特別図柄の変動表示が開始され、これに応じて演出図柄を用いた変動表示演出が開始されている(第2演出画像表示手段)。ここでも同様に、第2特別図柄の変動開始に同期して、第2表示領域A2内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また変動表示演出の開始に伴い、第2表示領域A2内でも上記の図柄列が顕在化されていることが分かる。また、第2特別図柄作動記憶数が1つ消費されたことに伴い、マーカM2が消去される演出が行われる。これにより、遊技者に対して「第2特別図柄についても作動記憶を消費して変動表示が開始された」ということを演出上で伝達することができる。
このように、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が並行して行われる場合、第1表示領域A1及び第2表示領域A2のそれぞれにおいて別個に変動表示演出が行われる。これにより、遊技者に対して「2つの特別図柄が並行して変動表示している」ということを明確に認識させることができる。
図28中(D):第1表示領域A1内では、第1特別図柄の変動表示が終期にさしかかったことで、例えば左演出図柄に続いて右演出図柄が停止表示されている。この例では、数字の「2」を表す左演出図柄と数字の「6」を表す右演出図柄がそれぞれ停止した状態を表している。なお、中演出図柄は引き続き変動表示されている。また、第1特別図柄が変動表示中であるため、この間に増加した作動記憶数を表すマーカM1が1つ点灯表示されている。
〔リーチ/非リーチの分岐〕
この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン(名称は一例である)等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「1」を表す右演出図柄が停止した後、図柄列がすべって数字の「2」を表す右演出図柄が停止し、それによってリーチ状態に発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「3」を表す右演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって(巻き戻されて)数字の「2」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するといったパターンもある。またその他にも、例えば「8」等の全くかけ離れた数字を表す右演出図柄が一旦停止した後、右演出図柄列が高速に再変動すると、改めて数字の「2」を表す演出図柄が停止してリーチ状態に発展するといったパターンもある。あるいは、左演出図柄や右演出図柄が見かけ上で停止しているが、それらの数字を覆い隠すように別の隠し絵柄画像(例えば「チャンス」等の文字を表すもの)が表示された後、隠し絵柄画像が取り除かれて左右の演出図柄が開示され、それによってリーチ状態に発展するといったパターンもある。
第2表示領域A2内では、第2特別図柄の変動表示に対応した変動表示演出が引き続き行われている。なお図中、同じく演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示される。ここでも特に図示していないが、第2表示領域A2についてもこの後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、個別に予告演出が行われる態様であってもよい。
〔第1特別図柄停止表示(はずれ)、第2特別図柄変動表示〕
図29中(E):第1表示領域A1内では、第1特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、第1表示領域A1内の中段位置に数字の「5」を表す中演出図柄が停止したことを表しており、この場合、第1表示領域A1内では、第1特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。また図示していないが、このとき第4図柄についても、はずれに対応する態様(例えば白色表示色)で停止表示される。さらにこの例では、第1特別図柄作動記憶数が2つに増加したことに対応して、第1表示領域A1の下部位置にマーカM1が合計で2つ点灯表示されている。
第2表示領域A2内では、第2特別図柄の変動表示が終期にさしかかったことで、同じく左演出図柄に続いて右演出図柄が停止表示されている。この例では、漢数字の「三」を表す左演出図柄と漢数字の「四」を表す右演出図柄がそれぞれ停止した状態を表している。なお、中演出図柄は引き続き変動表示されている。
〔第1特別図柄の次変動開始、第2特別図柄停止変動(はずれ)〕
図29中(F):第1表示領域A1内では、第1特別図柄が次の変動を開始したこと応じて、演出図柄を用いた変動表示演出が開始されている(第1演出画像表示手段)。また、第1特別図柄作動記憶数が1つ消費されたことに伴い、マーカM1が1つ消去されるとともに、2つ目のマーカM1が左方向へずれていく演出が行われる。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄について2つあった作動記憶を1つ消費して変動表示が開始された」ということを演出上で伝達することができる。
また第2表示領域A2内では、第2特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止している。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第2特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、第2表示領域A2において演出図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、第2表示領域A2内の中段位置に漢数字の「八」を表す中演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「三」−「八」−「四」のはずれ目であるため、第2特別図柄について今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。また図示していないが、このとき第4図柄についても、はずれに対応する態様(例えば白色表示色)で停止表示される。
〔(1)スキップされない場合〕
ここで、図28,31中(A)〜(F)における変動表示演出をまとめて説明すると、まず、第1特別図柄に関する変動表示演出中に第2特別図柄に関する変動表示演出が開始され(図28中(C))、並行して2つの特別図柄の変動表示演出が行われる。そして、所定の変動時間経過後に、第1特別図柄に関する変動表示演出が終了し、はずれに対応する態様の演出図柄の組み合わせで停止表示されるが(図29中(E))、それと同時期に第2特別図柄に関する変動表示演出は強制的に停止はされず継続される。そして、所定の変動時間経過後に第2特別図柄に関する変動表示演出が終了とともに、はずれに対応する態様の演出図柄の組み合わせで停止表示されている(図29中(F))。なお、第1特別図柄に関する変動表示演出が終了する際に、第2特別図柄に関する変動表示演出は終了せず、変動時間はスキップされていない。また、図示はしていないが、第1特別図柄と第2特別図柄との関係を入れ替えたとしても同様に変動表示演出が行われる。したがって、第1特別図柄及び第2特別図柄が双方ともに、はずれに対応する態様で停止表示される場合は、他方の特別図柄の変動表示演出における変動時間はスキップされない。
〔リーチ発生前〕
図29中(G):この後、第1特別図柄の変動時間がある程度まで経過した場合を想定する。このとき第1表示領域A1内では、左演出図柄が数字の「7」を表す態様で停止しており、そこへ右演出図柄がゆっくりと数字の「6」から「7」へスクロールされていく様子が表示されている。これにより、遊技者に対して「『7』が止まればリーチになる」という期待感を抱かせ、演出の成り行きに対する興味を惹き付けることができる。またこの例では、この間に第1特別図柄作動記憶数が2つに増加したことに対応して、第1表示領域A1の下部位置にマーカM1が合計で2つ点灯表示されている。
第2表示領域A2内では、前回の演出図柄の組み合わせである「三」−「八」−「四」のはずれに対応する態様で停止表示されており、すなわち、第2特別図柄が未変動の状態であることを示している。
〔リーチ状態の発生〕
図29中(H):第1表示領域A1内では、右演出図柄が数字の「7」を表す態様で停止し、演出図柄の組み合わせが「7」−「変動中(↓)」−「7」となって演出上でリーチ状態が発生している。このとき「リーチ!」等の文字情報が合わせて表示されることで、遊技者に対して第1表示領域A1でリーチ状態が発生したことを訴求することができる。また、このときスピーカ54,55,56から「リーチ!」等の音声を出力させる態様であってもよい。なおこの例では、第1特別図柄作動記憶数が3つに増加したことに対応して、第1表示領域A1の下部位置にマーカM1が合計で3つ点灯表示されている。
第2表示領域A2内では、演出図柄の組み合わせである「三」−「八」−「四」のはずれに対応する態様のまま停止表示されており、すなわち、第2特別図柄が未変動の状態であることを示している。なお、図示はしていないが、第1表示領域A1内でリーチ状態が発生したと同時期に、第2表示領域A2のサイズを次第に縮小表示させてもよい。この第2表示領域A2のサイズの変化においては、第1表示領域A1と第2表示領域A2の境目となる枠線や、構造物が右上隅に移動することによって行われる。また、第2表示領域A2のサイズの縮小とともに演出図柄も縮小表示されてもよい。そして、第1表示領域A1内でのリーチ演出が終了されると同時期に、第2表示領域A2のサイズを初期状態の大きさに戻してもよい。第2表示領域A2のサイズが縮小表示されることにより、第1表示領域A1の領域が増加するため、遊技者に対してリーチ状態になったことを示すことができ、今後の演出に期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生後予告〕
図30中(I):またリーチ状態が発生した第1表示領域A1内では、暫くして例えばその中央位置に「チャンス」の文字情報が表示されるとともに、周囲に放射状のフラッシュ画像が表示されるリーチ発生後予告演出が行われている。また、このとき合わせてスピーカ54,55,56から「チャンス」の音声や効果音が出力される態様であってもよい。このような感覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
第2表示領域A2内では、演出図柄の組み合わせである「三」−「八」−「四」のはずれに対応する態様のまま停止表示されており、これにより、第2特別図柄が未変動の状態であることを示している。なお、図示はしていないが、第1表示領域A1内で賑やかなリーチ発生後予告演出が実行されたと同時期に、第2表示領域A2のサイズを次第に縮小表示させてもよい。また、第2表示領域A2のサイズの縮小とともに演出図柄も縮小表示されてもよい。そして、第1表示領域A1内でのリーチ演出が終了されると同時期に、第2表示領域A2のサイズを初期状態の大きさに戻してもよい。第2表示領域A2のサイズが縮小表示されることにより、第1表示領域A1の領域が増加するため、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の発展〕
図30中(J):この後、リーチ状態となった演出図柄が第1表示領域A1の左上隅位置に縮小表示されるとともに、例えば第1表示領域A1の左側に「提灯お化け」を模したキャラクターの画像が出現し、その右側に「女性キャラクター」の画像が出現し、中央位置に「VS」の文字の画像が出現する演出が行われる。これにより、遊技者に対してこれからバトルリーチ演出が始まるということを教示することができる。なお、第1表示領域A1の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている(「7」−「変動中」−「7」)。
第2表示領域A2内では、第2特別図柄が未変動の状態で第2始動入賞口27への入賞が発生したことにより、第2特別図柄作動記憶数が増加したことに対応してマーカM2が点灯表示されている。なお、図示はしていないが、第1表示領域A1内でバトルリーチ演出などの特定種類のリーチ演出パターンが選択されている場合は、第2表示領域A2のサイズを次第に縮小表示してもよい。また、第2表示領域A2のサイズの縮小とともに演出図柄も縮小され、第1表示領域A1内の演出図柄と同等の大きさで変動表示演出が続行されてもよい。そして、第1表示領域A1内での特定種類のリーチ演出が終了されると同時期に、第2表示領域A2のサイズを初期状態の大きさに戻してもよい。第2表示領域A2のサイズが縮小表示されることにより、第1表示領域A1の領域が増加するため、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図30中(K):第1表示領域A1内では、例えば「提灯お化け」が口を大きくあけて「かみつき」の技を繰り出す演出が行われている。そして、女性キャラクターが驚いて逃げ出し、画面の右側へ消え去っていく演出が行われる。
一方、第2表示領域A2内では、演出図柄を用いた変動表示演出が実行されている。
図30中(L):第1表示領域A1内では、今度は「女性キャラクター」が団扇(武器)を取り出し、その団扇によって「提灯お化け」に立ち向かう準備をしながら気合いを貯めている演出が行われている。
一方、縮小表示された第2表示領域A2内では、引き続き変動表示演出が行われており、演出図柄の組み合わせが「八」−「変動中(↓)」−「五」となり、遊技者に対して
第2特別図柄に関してはずれを意識させる変動表示演出が実行されている。
図31中(M):第1表示領域A1内では、第1特別図柄の確定停止表示に略同期して、全ての左・中・右演出図柄がそれぞれ初期の大きさに復元した状態で停止し、演出図柄としての結果表示演出について確定停止表示される。また、図示しない第4図柄についても、「はずれ」に対応する態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。演出図柄の組み合わせは「7」−「8」−「7」のはずれ目であるため、第1特別図柄について今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。
また、第2表示領域A2内では、第2特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中段位置に文字で「スキップ」と表示された演出図柄が停止表示している。すなわち、今回の内部抽選の結果が非当選以外の小当りであって、第2特別図柄が非当選以外の小当りの態様で停止表示される場合、第2表示領域A2において演出図柄が非当選以外の小当りの態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、第2表示領域A2内の中段位置に文字の「スキップ」を表す中演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「八」−「スキップ」−「五」の小当り目であるため、第2特別図柄について今回の変動は「小当り」に該当したことが演出上で表現されている。また図示していないが、このとき第4図柄についても、小当りに対応する態様(例えば青色表示色)で停止表示される。
〔(2)スキップされる場合(例1)〕
ここで、図29〜図31中(E)〜(M)における変動表示演出をまとめて説明すると、まず、第1特別図柄に関する変動表示演出中に第2特別図柄に関する変動表示演出が開始され、2つの表示領域においてそれぞれ演出図柄の変動表示が並行して行われる(図30中(K))。そして、第1特別図柄に関する変動表示演出中に、第2特別図柄に関する変動表示演出が終了し、小当りに対応する態様の演出図柄の組み合わせで停止表示される(図31中(M))。またその際、第2特別図柄に関する演出図柄の停止表示と同時期に第1特別図柄に関する変動表示演出は強制的に停止され、はずれに対応する態様の演出図柄の組み合わせで停止表示される(図31中(M))。このように、第1特別図柄に関する変動表示演出は所定の変動時間行われずに強制的に停止され、変動時間の終了を待たずにはずれに対応する態様の演出図柄の組み合わせで停止表示される。すなわち、第1特別図柄の変動表示演出における変動時間がスキップされる。
具体的には、第1表示領域A1内では、図30中(L)に示される演出の続きとして「提灯お化け」と「女性キャラクター」がバトルする展開になる演出がされるであろうところ、その演出がスキップされ、全ての演出図柄が初期の大きさに復元した状態で停止した確定停止表示されている。
すなわち、第1特別図柄に関する変動表示演出中に第2特別図柄に関する内部抽選において小当りが選択され、その小当りに対応する態様の演出図柄の組み合わせで変動表示が終了し停止表示されると、小当りにおける変動表示の終了と同時期に第1特別図柄に関する変動表示演出が強制的に終了される。そして、変動表示時間をスキップして、はずれに対応する態様の演出図柄の組み合わせで停止表示させるスキップ機能が作動したということになる。
したがって、第1特別図柄がはずれ時の変動中に、第2特別図柄の内部抽選で抽選確率の高い小当りを選択することで、はずれ時の変動時間をスキップすることができる。このように、スキップ機能を作動させることで、遊技者に対し、はずれ時の演出を最後まで鑑賞させることなく、いち早く次の遊技に進む機会を与えることができる。
なお、第2特別図柄に係る変動時間は第1特別図柄に係る変動時間と比較して総じて短く規定されている。したがって、第2特別図柄の内部抽選で小当りに当選した場合においても、その第2特別図柄の変動時間は短いため、第1特別図柄の変動表示が終了する前に第2特別図柄の変動表示を終了させることができる。また、第2特別図柄に関する小当り時の変動表示時間として、非常に短い時間(例えば1.0秒)で規定されているため、スキップさせられる第1特別図柄の変動時間についてはより長い時間分スキップさせることができる。
なお、ここで、遊技者に対して、スキップ機能が作動されたことを示す演出を行ってもよい。このような演出について例を挙げて説明する。
図31中(N):表示画面内で第2表示領域A2を次第に拡大表示しつつ、第1表示領域A1についてはそのサイズを縮小させる演出が合わせて行われる(表示領域変化手段)。この例では、第2表示領域A2が表示画面の右上隅から左下方向へ次第に拡大されていき、逆に、第1表示領域A1が表示画面の左上方向へ次第に縮小されていく様子が示されている。この際、第2表示領域A2内の演出図柄はサイズ変更されず、第1特別図柄に関する演出図柄については第1表示領域A1の縮小とともに演出図柄も縮小されてもよい。
ここでは、第2特別図柄に関して小当りに対応する態様の特別図柄が確定停止表示されたことにより、小当り遊技が発生しており。所定の時間、特別電動役物が作動し大入賞口を開放又は拡大している。しかしながら、特別電動役物の作動は極端な短時間内に終了するため、遊技者が賞球を獲得する(入賞させる)のは容易ではない。
図31中(O):縮小された第1表示領域A1内でははずれに対応する態様のまま縮小された演出図柄が停止表示され、拡大された表示領域A2ないでは、例えばその中央位置に「スキップ」の文字情報が表示されるとともに、スキップ演出が行われている。また、このとき合わせてスピーカ54,55,56から「スキップ」の音声や効果音が出力される態様であってもよい。このような感覚的に賑やかなスキップ演出を実行することで、遊技者に対してあまり落胆させずに、はずれ演出を長時間視ずに済んだことに対する達成感や満足感を与えることができる。
図31中(P):表示画面内で縮小された第1表示領域A1が次第に拡大表示しつつ、拡大された第2表示領域A2についてはそのサイズを縮小させる演出が合わせて行われる。この例では、第1表示領域A1が表示画面の左上隅から右下方向へ次第に拡大されていき、逆に、第2表示領域A2が表示画面の右上方向へ次第に縮小されていく様子が示されている。この表示領域がサイズ変更される際、第2表示領域A2内の演出図柄はサイズ変更されず、第1特別図柄に関する演出図柄については第1表示領域A1の拡大とともに演出図柄も拡大されてもよい。
ここでは、小当り遊技の終了とともに表示画面内の表示領域が初期の大きさに復元され、次の変動表示演出の準備が行われる。初期状態への復元が完了すると、次の変動表示演出が開始されることになる。
以上のように、簡単ではあるが「スキップ」といった文字情報を表示することによって、遊技者に対し、スキップ機能が作動したことを理解させることができる。また、図31中(N)〜(P)に示す表示画面内の演出は、小当り遊技中に行われる演出であるが、はずれに対応した変動表示の変動時間をスキップして短時間で終了する目的で行われた結果に付随して行われる演出である。よって、これら一連の演出に要する演出時間はなるべく短いほうが好ましい。そのため、図31中(N),(P)は省略し、図31中(O)に示すような簡単な演出だけを行ってもよい。
次に、図30中(L)に示される演出の後に、図31中(M)に示される演出には移行しない場合について説明する。なお、図30中(L)における演出では、第1表示領域A1内で、「7」−「変動中(↓)」−「7」と縮小された演出図柄が変動表示されると同時に「女性キャラクター」が気合いを貯めている演出がなされ、第2表示領域A2内では、「八」−「変動中(↓)」−「五」の演出図柄が変動表示されていた。また、図31中(M)における演出は、第2表示領域A2内において、第2特別図柄に関して小当りに対応する態様の組み合わせで演出図柄が停止表示され、第1表示領域A1内において、変動表示演出がスキップされ、第1特別図柄に関してはずれに対応する態様の組み合わせで演出図柄が停止表示されていた。この図31中(M)に移行しない演出として、第1特別図柄に関して変動表示演出中に第2特別図柄に関して小当りに対応する態様の組み合わせで演出図柄を停止表示しない場合の演出を説明し、すなわち、第1特別図柄に関して変動表示中に第2特別図柄に関しての内部抽選において小当りを選択しない場合に実行される演出を説明する。
図32中(Q):第1表示領域A1内では、いよいよ「提灯お化け」が口から長い舌を飛び出させる必殺技を繰り出し、「女性キャラクター」がその必殺技をうちわで迎え撃つ演出が行われている。この状態で「提灯お化け」が勝利すればはずれとなり、「女性キャラクター」が勝利すれば当りとなる展開である。したがって、この局面はバトルリーチ演出の最終段階であり、遊技としても最も盛り上がる部分である。そのため、適宜カットイン予告や別の「女性キャラクター」が助けに入る助っ人登場予告等をこの場面で同時に行ってもよい。あるいは、演出切替ボタン45の押し込み操作を促す情報(「ボタンを押せ!」等の文字情報)を第1表示領域A1内に表示させ、それに応じて演出切替ボタン45が実際に操作されると、色付きセリフカットイン予告等の信頼度を表す予告演出を合わせて実行することとしてもよい。
なお、第2表示領域A2内では、第2特別図柄に関して演出図柄が停止表示されている。このとき、演出図柄の組み合わせは漢数字の「八」−「六」−「五」のはずれ目であり、これにより今回の第2特別図柄の変動について、抽選結果がはずれ(非当選)に該当したことを表す演出が行われている。さらに、第2特別図柄が確定停止表示された後、第2特別図柄が未変動の状態で第2始動入賞口27への入賞が発生したことにより、第2特別図柄作動記憶数が増加したことに対応してマーカM2が点灯表示されている。
〔結果表示演出(当り時)〕
図32中(R):第1表示領域A1内では、「勝利!!」の文字とともに「女性キャラクター」が大きく表示され、「提灯お化け」が小さく表示されることで、大当り(当選)を意味する態様の結果表示演出が行われる。また第1表示領域A1の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で結果表示演出が実行されている(「7」−「7」−「7」)。
一方、第2表示領域A2内では、第2特別図柄が次変動を開始したことに伴い、演出図柄による変動表示演出が行われている。ここで、第1表示領域A1内における演出図柄は「7」−「7」−「7」で停止表示されているが、リーチ演出は引き続き実行されており、例えば、勝利して大喜びする演出が表示されている。すなわち、第1特別図柄に関して変動表示中であることから、第2特別図柄も変動表示中であるため、第2表示領域A2内において演出図柄による変動表示演出が行われている。なお、図示はしていないが、リーチ発生時、リーチ発生後予告演出時、又は、特定種類のリーチ演出時に第2表示領域A2が縮小表示された場合は、確定停止表示される前であって、リーチ演出が終了されると同時期に、第2表示領域A2のサイズを初期状態の大きさに戻してもよい。
図32中(S):そして、第1表示領域A1内では、第1特別図柄の確定停止表示に略同期して、演出図柄としての結果表示演出についても確定停止表示が行われる。同じく演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような確定停止表示を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。また、この場合に図示しない第4図柄は、「15ラウンド確変大当り」に対応する態様(例えば緑色表示色)で停止表示される。
第2表示領域A2内では、第2特別図柄の確定停止表示に略同期して、全ての左・中・右演出図柄が停止し、演出図柄としての結果表示演出について確定停止表示される。また、図示しない第4図柄についても、「はずれ」に対応する態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。演出図柄の組み合わせは「七」−「九」−「四」のはずれ目であるため、第2特別図柄について今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。なお、図示はしていないが、第1表示領域A1内で大当りに対応した演出図柄が確定停止表示されると同時期に、又は、大当り遊技が開始すると同時期に、第2表示領域A2のサイズを次第に縮小表示してもよい。また、第2表示領域A2のサイズの縮小とともに演出図柄も縮小されてもよい。そして、第1表示領域A1内での大当り遊技が終了すると同時期に、第2表示領域A2のサイズを初期状態の大きさに戻してもよい。
〔(3)スキップされる場合(例2)〕
ここで、図29、30、32中(E)〜(L)、(Q)〜(S)における変動表示演出をまとめて説明すると、まず、はずれ時の第2特別図柄に関する変動表示演出中に、第1特別図柄に関する変動表示演出が開始され、並行して2つの特別図柄の変動表示が行われる(図29中(E)、(F))。そして、第1特別図柄に関する変動表示演出中に、第2特別図柄に関する変動表示演出が開始され(図32中(Q))、最終的に、第2特別図柄に関する変動表示演出中に、第1特別図柄に関する変動表示演出が終了し、大当りに対応する態様の演出図柄の組み合わせで停止表示される(図32中(S))。したがって、第1特別図柄に関する演出図柄の変動表示が終了すると同時期に第2特別図柄に関する変動表示演出は強制的に停止され、はずれに対応する態様の演出図柄の組み合わせで停止表示が開始される。このように、第2特別図柄に関する変動表示演出は所定の変動時間行われずに強制的に停止され、変動時間の終了を待たずにはずれに対応する態様の演出図柄の組み合わせで停止表示される。すなわち、第2特別図柄の変動表示演出における変動時間がスキップされる。
具体的には、第2表示領域A2内では、通常通り最初に左演出図柄が停止し、次に右演出図柄が停止し、最後に中演出図柄が停止するといった展開で演出がされるところ、その演出がスキップされ、全ての演出図柄が停止し、はずれに対応した態様の組み合わせで確定停止表示されている。
すなわち、第1及び第2特別図柄に関する変動表示演出が並行して行われている時に、第1特別図柄に関する内部抽選において大当りが当選されていれば、その大当りに対応する態様の演出図柄の組み合わせで変動表示が終了し停止表示されると、大当りにおける変動表示の終了と同時期に第2特別図柄に関する変動表示演出が強制的に終了される。そして、変動表示時間をスキップして、はずれに対応する態様の演出図柄の組み合わせで停止表示させるスキップ機能が作動したということになる。
したがって、第1特別図柄が大当り時の変動表示中には、第2特別図柄は内部抽選ではずれしか選択されない。また、第1特別図柄において大当りの変動表示演出においてスキップ機能が作動されないことにより、遊技者に対して、第1特別図柄に関する大当り時の変動表示演出を安心して鑑賞する機会を提供することができる。さらに、第1特別図柄に関する大当り時の変動表示演出が終了すると同時期に、第2特別図柄に関する変動表示演出も終了するため、その変動表示演出が終了するまで大当り遊技を待つ必要がなくなる。
以上は第1特別図柄に対応する内部抽選の結果が大当りに該当した場合の流れであるが、はずれに該当した場合は以下の流れで演出が行われる。
〔結果表示演出(はずれ時)〕
図32中(T):第1表示領域A1内において、「敗北・・」の文字とともに「提灯お化け」が大きく表示され、「女性キャラクター」が小さく表示される。これにより、今回の抽選結果がはずれ(非当選)であったことを表す結果表示演出が行われる。また第1表示領域A1の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で結果表示演出が実行されている(「7」−「8」−「7」)。
また第2表示領域A2内では、第2特別図柄が次変動を開始したことに伴い、演出図柄による変動表示演出が行われている。なお、図示はしていないが、リーチ発生時、リーチ発生後予告演出時、又は、特定種類のリーチ演出時に第2表示領域A2が縮小表示された場合は、確定停止表示される前のリーチ演出が終了されると同時期に、第2表示領域A2のサイズを初期状態の大きさに戻してもよい。
図32中(U):そして拡大表示された第1表示領域A1内では、第1特別図柄の確定停止表示に略同期して、演出図柄としての結果表示演出についても確定停止表示が行われる。演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。また、図示しない第4図柄についても、「はずれ」に対応する態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
一方、第2表示領域A2内では、左演出図柄が停止表示され、演出図柄を用いた変動表示演出が引き続き実行されている。この例では、漢数字の「七」を表す左演出図柄が停止した状態を表している。なお、中、右演出図柄は引き続き変動表示されている。
ここで、図29、32、34中(E)〜(L)、(Q)、(T)、(U)における変動表示演出をまとめて説明すると、双方の特別図柄に関し内部抽選においてはずれしか選択しなかった場合、スキップ機能は作動せず、予め設定された所定の変動時間が終了するまで、変動表示演出が実行される。よって、スキップ機能が作動する条件は演出内容(変動パターン)や演出時間(変動時間)には依存されない。引き続き、液晶表示器42の表示画面内で行われる演出について説明する。
図33中(V):第1表示領域A1内では、第1特別図柄が次の変動を開始したこと応じて、演出図柄を用いた変動表示演出が開始されている。また、第1特別図柄作動記憶数が1つ消費されたことに伴い、マーカM1が1つ消去され合計で3つ点灯表示される。
一方、第2表示領域A2内では、右演出図柄が漢数字の「七」を表す態様で停止し、演出図柄の組み合わせが「七」−「変動中(↓)」−「七」となって演出上でリーチ状態が発生している。
図33中(W):第2表示領域A2内でリーチ状態が発生したことに応じて、第2表示領域A2が表示画面内で拡大表示され、逆に第1表示領域A1が縮小表示される演出が行われる。この例では、第2表示領域A2が表示画面内で左方向へ次第に大きく引き延ばされていき、第1表示領域A1は表示画面の左上隅方向へ縮小されていく態様となっている。このように、表示画面内での2つの表示領域A1,A2の相対的な大きさを変化させる演出を行うことにより、遊技者に対して拡大表示された方の表示領域(ここでは第2表示領域A2)の演出に対する視覚的なインパクトや訴求力を高め、その後の演出に対する興味をさらに惹き付けることができる。また、並行して変動している2つの特別図柄について、いずれか一方で大当りになる可能性が高まったことを遊技者に意識させ、大当りへの期待感を抱かせることができる。
なお、本実施形態では、第2表示領域A2内において特定種類のリーチ演出パターンが選択され、かつ、第1表示領域A1内においては特定種類のリーチ演出パターンが選択されなかったことにより、それぞれの表示領域のサイズ変更が実行され、第1表示領域A1は左上隅の位置に縮小表示され、第2表示領域A2は表示画面全体に拡大表示されている。しかしながら、第1表示領域A1内及び第2表示領域A2内において、いずれも特定種類のリーチ演出パターンが選択された場合は、例えば、表示画面を左右に均等の大きさになるようにそれぞれの表示領域A1、A2をサイズ変更してもよい。そして、特定種類のリーチ演出が終了し、確定停止表示されることを確認した後、特定種類のリーチ演出が継続して実行されている方の表示領域を拡大表示し、特定種類のリーチ演出が終了した方の表示領域を縮小表示してもよい。
また、双方の表示領域で特定種類のリーチ演出パターンが選択されている場合、それぞれのサイズを左右均等の大きさに変更するとしたが、特定種類のリーチ演出に大当り信頼度の値を予めセットしておき、その大当り信頼度に依存した表示領域の大きさにサイズ変更してもよい。例えば、第1表示領域A1内では大当り信頼度の値の大きい特定種類のリーチ演出が実行され、第2表示領域A2内では大当り信頼度の値の小さい特定種類のリーチ演出が実行されていた場合、第1表示領域A1を第2表示領域A2より相対的に大きく表示するように、第2表示領域A2を初期状態と比較すると拡大表示されるが表示画面を2等分する大きさまでには拡大しないサイズ変更を実行してもよい。
図33中(X):またリーチ状態が発生した第1表示領域A1内では、暫くして例えばその中央位置に「チャンス」の文字情報が表示されるとともに、周囲に放射状のフラッシュ画像が表示されるリーチ発生後予告演出が行われている。また、このとき合わせてスピーカ54,55,56から「チャンス」の音声や効果音が出力される態様であってもよい。このような感覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
また、縮小表示された第1表示領域A1内では、引き続き変動表示演出が行われている。これにより、遊技者に対して一方の特別図柄(ここでは第1特別図柄)でリーチ状態が発生していることと並行して、他方の特別図柄(ここでは第2特別図柄)は別個に変動表示されていることを明確に認識させることができる。
図31中(Y):この後、リーチ状態となった演出図柄が第2表示領域A2の右上隅位置に縮小表示されるとともに、例えば拡大表示された第2表示領域A2の左側に「提灯お化け」を模したキャラクターの画像が出現し、その右側に「女性キャラクター」の画像が出現し、中央位置に「じゃんけん対決」の文字の画像が出現する演出が行われる。これにより、遊技者に対してこれからじゃんけんリーチ演出が始まるということを教示することができる。なお、第1表示領域A1の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている(「七」−「変動中」−「七」)。
なお、じゃんけんリーチ演出においては、演出切替ボタン45の押し込み操作を促す情報(「選択してね!」等の文字情報)を第1表示領域A1内に表示させ、それに応じて演出切替ボタン45が実際に操作されると、「グー」「チョキ」「パー」のいずれかが選択されるようにしてもよい。
またこの間、縮小表示された第1表示領域A1内では、引き続き変動表示演出が行われている。
図33中(Z):そして、拡大表示された第2表示領域A2内では、「勝利!!」の文字とともに「女性キャラクター」が大きく表示され、「提灯お化け」が小さく表示されることで、大当り(当選)を意味する態様の結果表示演出が行われる。また第2表示領域A2の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で結果表示演出が実行されている(「七」−「七」−「七」)。
またこの間、縮小表示された第1表示領域A1内では、引き続き変動表示演出が行われている。
図33中(AA):そして、拡大表示された第2表示領域A2内では、第2特別図柄の確定停止表示に略同期して、演出図柄としての結果表示演出についても確定停止表示が行われる。同じく演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような確定停止表示を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。また、この場合に図示しない第4図柄は、「2ラウンド確変大当り」に対応する態様(例えば黄色表示色)で停止表示される。
縮小表示された第1表示領域A1内では、第1特別図柄の確定停止表示に略同期して、全ての左・中・右演出図柄が停止し、演出図柄としての結果表示演出について確定停止表示される。また、図示しない第4図柄についても、「はずれ」に対応する態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。演出図柄の組み合わせは「1」−「2」−「5」のはずれ目であるため、第1特別図柄について今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。なお、第2特別図柄において大当りに対応する表示態様で停止表示されたことにより、第1特別図柄に関する変動表示演出は途中で強制的に停止され、すなわち、変動時間がスキップされ、はずれに対応する態様で停止表示されている。
このように本実施形態では、液晶表示器42における共通の表示画面を2つの表示領域A1,A2に分割することによって、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示に対応した演出を実行することができる。また、特別図柄の変動表示時間を短時間で終了させるスキップ機能の作動時における演出も実行することができる。
このスキップ機能の作動時における変動表示演出を簡単にまとめて説明する。例えば、第1特別図柄の内部抽選の結果はずれであった場合は、第1特別図柄に関する変動表示演出中に第2特別図柄における内部抽選において小当りに当選させて、スキップ機能を作動させることにより、第1特別図柄に関する変動表示演出を途中で強制的に終了させることができる。このように、スキップ機能を作動させることで、遊技者に対し、はずれ時の演出を最後まで鑑賞させることなく、いち早く次の遊技に進ませることができる。なお、第1特別図柄の内部抽選の結果が大当りであった場合は、第1特別図柄に対してスキップ機能は作動せずに、遊技者は最後まで液晶表示器42において表示される演出画像を楽しむことができる。
なお、これらのスキップ機能の作動又は未作動は、第2特別図柄に関する内部抽選においては、小当りが選択される確率が非常に高く、はずれが選択される確率は非常に小さく設定することにより効果的に実現できる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出等の他、変動演出を強制的に停止するスキップ演出は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図34は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、大当り中を表す状態コマンド、小当り中を表す状態コマンド、連続作動回数コマンド等がある。また、このうち特別図柄に関係するコマンドは、第1特別図柄及び第2特別図柄についてそれぞれ別個に送信される。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1,M2を用いた記憶数表示演出の実行を制御する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。またこの処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後演出等)の演出パターンを選択したり、付加演出(セリフ演出)の演出パターンを選択したりする。また演出制御CPU126は、このような制御を第1表示領域A1及び第2表示領域A2についてそれぞれ別個に実行する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出画像表示手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図5中のパネル電飾基板138に接続することができる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔演出図柄管理処理〕
図35は、演出図柄管理処理(図34中のステップS402)の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、第1特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS502)、第2特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS503)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
図36は、実行選択処理(図35中のステップS500)の手順例を示すフローチャートである。
ステップS500a:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。ただし第1特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS502)については、戻り先のアドレスを次の第2特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS503)にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1表示領域A1において変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に第1特別図柄演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として第2特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS503)を選択し、既に第2特別図柄演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図13中のステップS5000又は図14中のステップS5900)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS500b:次に、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域に図柄停止コマンドが保存されているか否かを判断する。演出図柄変動中処理(ステップS504)が未完了であり、スキップ機能が作動しなかった場合、ジャンプ先は演出図柄変動中処理(ステップS504)のが選択されている。しかし、演出図柄変動中処理(ステップS504)が未完了であったとしても、スキップ機能が作動した場合、変動表示演出を強制的に停止しなければならない。そこで、演出制御CPU126は、図柄停止コマンドがコマンドバッファ領域に保存されているか否かを判断する。保存されていないと判断した場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図35)に復帰し、次のジャンプ先の処理を実行する。
ステップS500c:そして、演出制御CPU126は図柄停止コマンドが保存されていると判断した場合(ステップS500b:Yes)は、たとえジャンプ先が演出図柄変動中処理(ステップS504)であったとしても、次に実行するべき処理のジャンプ先として図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。演出制御CPU126は、次に、ステップS504の処理ではなく、ステップS506の処理を実行する。
ステップS502:第1特別図柄演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は、第1表示領域A1内での演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャート(図37)を用いて後述する。
ステップS503:次の第2特別図柄演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は、第2表示領域A2内での演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、各表示領域A1,A2内において、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で各表示領域A1,A2内での演出図柄や動画像を用いた結果表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と結果表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内のうち、各表示領域A1,A2内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、結果表示演出を実行する。これにより、各表示領域A1,A2内において、対応する特別図柄の停止表示に略同期して結果表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(演出画像表示手段)。ただし本実施形態において、第1特別図柄に関した内部抽選の結果が2ラウンド当選時や小当り時には、はずれと同様か近似した態様で結果表示演出を実行し、第2特別図柄に関した内部抽選の結果が小当り時には、遊技者に対して第1特別図柄に関する変動表示演出がスキップされたことがわかる内容のスキップ演出を実行する。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば15ラウンドの出玉あり確変大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、15ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔第1特別図柄演出図柄変動前処理〕
図37は、第1特別図柄演出図柄変動前処理(図35中のステップS502)の手順例を示すフローチャートである。なお、ここでは第1表示領域A1を制御の対象とする第1特別図柄演出図柄変動前処理の手順例を挙げているが、第2特別図柄演出図柄変動前処理の手順例についても、制御の対象が第2表示領域A2(第2特別図柄)である以外は同様とすることができる。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、本実施形態では第1表示領域A1及び第2表示領域A2で並行して変動表示演出を実行するため、いずれか一方の表示領域A1,A2で変動表示演出が行われている間(あるいは変動表示演出の終了後から数秒経過するまでの間)は、演出制御CPU126がデモ演出パターンの選択をスキップすることとしてもよい。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は第2特別図柄演出図柄変動前処理の先頭アドレスに復帰し、当該処理(図35中のステップS503)を実行する。なお、第2特別図柄演出図柄変動前処理においてもデモ選択処理を実行した場合、当該処理から復帰する際は、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図34中のステップS404)、ランプ駆動処理(図34中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、第1特別図柄について今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、第1特別図柄について非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、第1特別図柄について今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、第1特別図柄について今回の変動が大当たりであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、第1特別図柄について大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、第1特別図柄について今回の変動が大当たりであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、第1特別図柄について今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。なお、小当り時の組み合わせは、例えば上記のように漢数字と文字の組み合わせからなる「八」−「スキップ」−「五」のような規則性がない組み合わせとすることもでき、文字やキャラクター等の演出図柄を組み合わせとすることもできる。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、15ラウンド大当り又は2ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものの他に「2ラウンド大当り時の組み合わせ」を構成するものも含まれる。なお2ラウンド大当り時の組み合わせは、例えば上記のように数字の「1−2−3」や「3−5−7」のような規則性のある数字の組み合わせ(いわゆるチャンス当選目)とすることができる(第2特別図柄演出図柄変動前処理の場合は漢数字)。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する(第2特別図柄演出図柄変動前処理の場合は漢数字)。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は第2特別図柄演出図柄変動前処理の先頭アドレスに復帰し、当該処理(図35中のステップS503)を実行する。なお、第2特別図柄演出図柄変動前処理から復帰する際は、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図35中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び結果表示演出が実行されるとともに(演出画像表示手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される態様であってもよい(演出画像表示手段)。
〔演出図柄変動中処理〕
図38は、演出図柄変動中処理(図35中のステップS504)の手順例を示すフローチャートである。この処理において演出制御CPU126は、液晶表示器42の表示画面内での第1表示領域A1及び第2表示領域A2の相対的な大きさを変化させながら変動表示演出を実行することができる。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、表示画面内で第1表示領域A1及び第2表示領域A2のサイズ変化を発生させるべきか否かを判断する。この判断は、例えば以下のいずれかの条件を満たすかによって行うことができる。なお、以下の条件を満たしたとしても、サイズを変更させる必要がない場合は、すなわち、すでに変更後のサイズである場合はサイズ変化を発生させなくてもよい。
(1)第1表示領域A1内でリーチ演出、リーチ発生後予告演出、又は、特定種類のリーチ演出が実行されたこと
(2)第2表示領域A2内でリーチ演出、リーチ発生後予告演出、又は、特定種類のリーチ演出が実行されたこと
(3)第1表示領域A1内で非当選以外(大当り又は小当り)に対応する表示態様で演出図柄が停止表示されたこと
(4)第2表示領域A2内で非当選以外(大当り又は小当り)に対応する表示態様で演出図柄が停止表示されたこと
(5)(1)〜(3)の演出が終了したこと、大当り遊技又は小当り遊技が終了したこと
上記(1)〜(5)のいずれかの条件を満たすと判断した場合(Yes)、演出制御CPU126は次のステップS702を実行する。なお、いずれの条件も満たさない場合(No)、演出制御CPU126はステップS702をスキップする。
ステップS702:演出制御CPU126は、表示領域サイズ変化パターンを設定する。例えば、上記(1)〜(5)の各条件に応じて表示領域A1,A2を変化させるパターンが予め設定されており、演出制御CPU126は、先のステップS700で満たされた条件(1)〜(5)別の変化パターンを設定する。変化パターンは、例えば以下のように設定することができる。
例えば、上記の条件(1),(3)のいずれかが満たされた場合、第2表示領域A2のサイズを次第に縮小表示させる変化パターンを設定することができる(図31中(H),(I),(J)、図32中(S)等)。
あるいは、上記の条件(2),(4)のいずれかが満たされた場合、第2表示領域A2のサイズを次第に拡大表示させ、第1表示領域A1のサイズを次第に縮小表示させる変化パターンを設定することができる(図31中(N),図33中(W)等)。
また、上記の条件(5)が満たされた場合、表示領域A1,A2双方のサイズを初期状態にする変化パターンを設定することができる(図31中(P),(I)等)。
なお、上記の(1)及び(2)双方の条件が満たされた場合、表示領域A1,A2双方のサイズを同等にする変化パターンを設定することができる。
なお、上記の(1)及び(2)双方の条件が満たされた場合、表示領域A1,A2で実行されているリーチ演出の大当り期待度に対応させるように、双方のサイズを調整する変化パターンを設定することができる。
ステップS704:次に演出制御CPU126は、第1特別図柄演出図柄変動表示更新処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は第1表示領域A1内で変動表示中の演出図柄の表示態様を更新したり、リーチ演出中の表示態様を更新したりする。特に、演出切替ボタン45を用いた演出の分岐を発生させる場合、この処理において演出制御CPU126は、演出切替ボタン45の操作を求めるメッセージの出力や、実際の操作に応じて表示態様を変化させるための更新処理を行う。
また、先のステップS702で表示領域サイズの変化パターンを設定した場合、演出制御CPU126はこの処理において、表示画面内での第1表示領域A1のサイズ(ウィンドウサイズ)の設定を更新する。例えば、第1表示領域A1を次第に拡大表示させる変化パターンが設定されている場合、演出制御CPU126は第1表示領域A1の描画範囲を拡大方向へ変化させていく処理を実行する。
ステップS706:また演出制御CPU126は、第2特別図柄演出図柄変動表示更新処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は第2表示領域A2内で変動表示中の演出図柄の表示態様を更新したり、リーチ演出中の表示態様を更新したりする。また同様に、演出切替ボタン45を用いた演出の分岐を発生させる場合、この処理において演出制御CPU126は、演出切替ボタン45の操作を求めるメッセージの出力や、実際の操作に応じて表示態様を変化させるための更新処理を行う。
また上記と同様に、先のステップS702で表示領域サイズの変化パターンを設定した場合、演出制御CPU126はこの処理において、表示画面内での第2表示領域A2のサイズ(ウィンドウサイズ)の設定を更新する。例えば、第2表示領域A2を次第に縮小表示させる変化パターンが設定されている場合、演出制御CPU126は第2表示領域A2の描画範囲を縮小方向へ変化させていく処理を実行する。
そして、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾アドレスに復帰する。そして演出制御CPU126は演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図34中のステップS404)において、実際に各表示領域A1,A2別の変動表示演出の内容を制御したり、各表示領域A1,A2のサイズ変化を制御したりする。
以上の手順を演出制御CPU126が実行することにより、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が並行して行われる場合、実際に第1表示領域A1及び第2表示領域A2内でも並行して変動表示演出を実行することができる。また、条件別に設定した変化パターンに基づき、実際に表示画面内での各表示領域A1,A2の大きさを相対的に変化させながら演出を実行することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。第1始動入賞口26又は第3始動入賞口28a(可変始動入賞装置28)への入賞に対して第1特別図柄を変動させており、第2始動入賞口27への入賞に対して第2特別図柄を変動させているが、これらの対応関係を入れ替えることもできる。
また一実施形態では、停止表示タイマを延長して、スキップ機能の作動を遊技者に示してもよい。本実施形態では、液晶表示器42において小当り中にスキップ機能が作動したことを示す演出を実行している。これに対し、双方の停止表示タイマを延長して、双方の特別図柄の停止表示中に、液晶表示器42においてスキップ機能が作動したことを遊技者に示す演出を実行してもよい。
また、一実施形態では、スキップ機能を作動させるか否かの判定処理を特別図柄変動中処理において実行せずに、特別図柄変動前処理において実行してもよい。例えば、本実施形態では、特別図柄変動中処理において変動表示が終了する制御対象の特別図柄に関する内部抽選の結果が大当り又は小当りか否かを判定し、内部抽選の結果が大当り又は小当りであると判定された場合、さらに他方の特別図柄に関する変動表示が実行中か否かを判定することで、スキップ機能の作動又は未作動を決定していた。これに対し、一実施形態では、特別図柄変動前処理において変動パターンを決定する際に、変動表示が終了する時点を比較し、大当り又は小当り時の変動表示が終了する時点が、はずれ時の変動表示が終了する時点よりも後であるか否かを判定することによりスキップ機能の作動を決定してもよい。例えば、大当り又は小当り時の変動表示が終了する時点が、はずれ時の変動表示が終了する時点よりも後であった場合、大当り時の変動表示が終了する時点にはずれ時の変動表示が終了するように変動時間(変動タイマ)を設定することにより、スキップ機能を作動させてもよい。