以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成されている。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。図1に示すように、遊技領域8a内の遊技球の振る舞いは、後述する演出ユニット40を中心にして、演出ユニット40の左側の領域に遊技球が流下すると、演出ユニット40の右側の領域には案内されず、反対に、演出ユニット40の右側の領域に遊技球が流下すると、演出ユニット40の左側の領域には案内されることはない。演出ユニット40の左側を流下する遊技球、演出ユニット40の右側を流下する遊技球は、最終的にいずれかの入賞口に入賞しなければ遊技領域8aの下部に形成されるアウト口32に案内される。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、2つの始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
〔始動入賞口〕
遊技領域8aの上部に放り込まれた遊技球は遊技領域8aを流下する過程で上記ゲートや入賞口に入賞(入球)したりするが、遊技球が流下する遊技領域8aの領域に応じ、入賞が可能又は不可能な各始動入賞口を所定の位置(領域)に設置してもよい。
本実施形態では、遊技領域8aの上部から演出ユニット40の左側の領域に流下し案内された遊技球においては、上始動入賞口26に入賞が可能であり、作動中の可変始動入賞装置28には入賞が可能になっている。さらに、遊技領域8aの上部から演出ユニット40の右側に流下し案内された遊技球についても同様に、上始動入賞口26と作動中の可変始動入賞装置28に入賞が可能になっている。例えば、上始動入賞口26は、それぞれ遊技領域8a(演出ユニット40の下部)の略中央に上下(上:上始動入賞口26、下:可変始動入賞装置28)に設置される。
また、本実施形態として、所定の個数の遊技球を発射した場合にそれぞれの始動入賞口に入賞する確率(期待入賞率)が異なる位置にそれぞれの始動入賞口を設置してもよく、異なる期待入賞率となるようにそれぞれの始動入賞口を設置してもよい。例えば、100球程度の遊技球が演出ユニット40を流下するように発射した場合は、上始動入賞口26に6個程度と可変始動入賞装置28に4〜8個程度(電サポ時は40〜80個)が入賞するように設置してもよい。
〔可変始動入賞装置〕
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(始動ゲート20を遊技球が通過して、普通図柄に関する抽選が行われ、その抽選結果に基づき普通図柄が当り態様で停止した場合)に作動し、それに伴って可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また、上記の第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外(大当り又は小当り)に対応する態様で停止表示された場合)に作動し、第1大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき第1大入賞口への入賞は常に不能(第1大入賞口は閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口を開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、第1大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の左上方に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。上記の第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが前方へ倒れこむタイプの装置を採用しているが、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口への入球は不能(第2大入賞口は閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口を開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない状態となり、第2大入賞口への入球という事象を発生させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている(普通図柄表示手段、特別図柄表示手段、抽選要素記憶手段)。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図3は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(特別図柄表示手段)。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、上記の上始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の下始動入賞口28aに遊技球が入球するごとに、上記の下始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で下始動入賞口28aに遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38x、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤8には、その略中央上部の位置に演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40g(例えばハート形の装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40gは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40gを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(各種の予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図4)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものであり、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド91が設けられている。これらソレノイド88,90,91は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90,91についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されておりランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図5及び図6は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、すなわち、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図6に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90や第2大入賞口ソレノイド91等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、普通図柄に対応する当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図8中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図8中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図8)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図7は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理(図6)に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90や第2大入賞口ソレノイド91に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なおバックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図5、7)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図8は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャート(図9)を用いて後述する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第1特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャート(図10、図11)を用いて後述する。
ステップS205A,ステップS205B,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において第1特別図柄遊技処理、第2特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち第1特別図柄遊技処理(ステップS205A)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。また第2特別図柄遊技処理(ステップS205B)では、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、第1特別図柄遊技処理や第2特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャート(図12、図13)を用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(内部抽選処理実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。例えば、それぞれの始動入賞口スイッチにおいて遊技球の入賞が確認された際に、払出制御装置92に対する賞球個数の指示として、上始動入賞口スイッチ80に関しては3個の賞球、下始動入賞口スイッチ82に関しては3個の賞球としてもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の第1特別図柄遊技処理(ステップS205A)や第2特別図柄遊技処理(ステップS205B)、普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド91の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205A〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図9は、スイッチ入力イベント処理(図8中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(第1事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャート(図10)を用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(第2事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャート(図11)を用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84や第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図8)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図10は、第1特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別に異なるセクション数(それぞれ4つ(例えばそれぞれ2バイト))に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域(乱数記憶領域)に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、第1抽選契機発生手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図11は、第2特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満(例えば4とする)であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図10)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、第2抽選契機発生手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図10)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図10)と同様である。
ステップS44:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図10)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、リーチモード乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図10)と同様である。
ステップS49:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力処理を実行する。これにより、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置24に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔第1特別図柄及び第2特別図柄の並行変動〕
次に、割込管理処理(図8)の中で実行される第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理の詳細について説明する。本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄について、それぞれに対応する内部抽選を別個に実行することで、第1特別図柄表示装置34による第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示装置35による第2特別図柄の変動表示を並行して行うことが可能である。このため本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄のそれぞれについて、主制御CPU72による制御上で第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理を別個に(1割り込み周期に1回ずつ)実行することとしている。
〔第1特別図柄遊技処理〕
先ず図12は、第1特別図柄遊技処理(図8中のステップS205A)の手順例を示すフローチャートである。第1特別図柄遊技処理は、はじめに内部状態フラグが「大役開始(大当り遊技中)」であるか否かを確認する手順(ステップS1000a)を有している。
ステップS1000a:すなわち主制御CPU72は、最初に第2特別図柄に対応する遊技状態(内部状態)が「大役開始(大当り遊技中)」又は「小当り開始(小当り中)」であるか否かを確認する。この確認は、第2特別図柄に関してこれまでに行われた処理の進行状況(第2特別図柄遊技管理ステータスの値)に基づいて行うことができる。本実施形態においてこの確認を行っているのは、他方の第2特別図柄に関して大当り遊技中又は小当り中である場合、第1特別図柄に関する遊技を進行させないこととしているからである。
現時点で、特に第2特別図柄に関して大当り遊技中(第2特別図柄遊技管理ステータスが大当り中の値)でなく、かつ、小当り中でなければ(No)、主制御CPU72は次のステップS1000b以降の処理を実行する。ステップS1000b〜ステップS5000は、それぞれ第1特別図柄遊技処理の根幹となるプログラムモジュールである。主制御CPU72はこれら根幹となるステップS1000b〜ステップS5000の処理を通じて、第1特別図柄に対応する遊技の進行状況を具体的に制御することができる。
第1特別図柄遊技処理の根幹部分には、実行選択処理(ステップS1000b)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群が含まれている。ここでは先ず、各処理に沿って第1特別図柄遊技処理の根幹部分に関して基本的な流れを説明する。
ステップS1000b:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして第1特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(第1特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ第1特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は第1特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。具体的には、ここで大当り判定(内部抽選処理実行手段)や変動パターンの決定を行い、大当りの場合はあわせて当選種別の判定を行う。また、当選種別の判定に伴い、主制御CPU72は内部状態(「低確率状態」又は「高確率状態」)別に「時間短縮状態」の回数切りカウンタを設定したり、確変リミッタ回数の初期値を設定したりする。なお、さらに具体的な処理の内容は、別のフローチャート(図14)を用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって第1特別図柄の変動表示が行われる。
また、この処理では他方の第2特別図柄の変動表示を強制的に終了させてはずれの態様で停止表示させるか(スキップ機能を作動させるか)否かの判定処理も行われる。具体的には、先の大当り判定において、大当りまたは小当りに当選していた場合、かつ、他方の第2特別図柄が変動表示中である場合、他方の第2特別図柄に対してスキップ機能が作動される。このスキップ機能の作動により第2特別図柄の変動表示が強制的にはずれ態様で終了させられる処理が行われる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャート(図26)を用いて後述する。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより第1特別図柄の停止表示が行われる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャート(図29)を用いて後述する。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で第1特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、第1特別図柄が15ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。第1特別図柄に関して大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000b)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、第1特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド91が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回、15回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として15ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の2ラウンド大当りが設けられている。また15ラウンド大当りについても、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで第1特別図柄に関して大当り遊技(大役)を終了する。
そして、第1特別図柄に関して大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常(例えば、385.506分の1)よりも例えば5倍程度に高くなる(例えば、68.985分の1)(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。
また「時間短縮状態(電サポ有り状態)」では時間短縮機能が作動し、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄の両方)の変動時間が通常の長さ(例えば、第1特別図柄に対応した3〜180秒程度、第2特別図柄に対応した10時間)に設定される非時間短縮状態から、この非時間短縮状態に比較して変動時間が短縮された長さ(例えば、0.3秒〜60程度)に設定される状態に移行される。また、時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の抽選が高確率(例えば低確率で1.04分の1→1.04分の1程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で10秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.1秒程度→通じて5.8秒程度に延長)され、さらに開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→2回に増加)するため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる、電チューサポート;電サポ有り状態)。
なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。ここで、両方合わせて移行した場合の遊技状態を「確変状態」と呼び、一方、両方合わせて移行しない場合の遊技状態を「通常状態」と呼び、「高確率状態」のみに移行する場合の遊技状態を「潜確状態」と呼び、「時間短縮状態」のみに移行する場合の遊技状態を「時間短縮状態」と呼ぶ。
〔第2特別図柄遊技処理〕
次に図13は、第2特別図柄遊技処理(図8中のステップS205B)の手順例を示すフローチャートである。第2特別図柄遊技処理もまた、はじめに他方の第1特別図柄に関して大当り中であるか否かを確認する手順(ステップS1900a)を有している。
ステップS1900a:ここでも同様に、主制御CPU72は、最初に第1特別図柄に対応する遊技状態が「大当り遊技中」又は「小当り中」であるか否かを確認する。この確認もまた、上記のように第1特別図柄遊技管理ステータスの値に基づいて行うことができる。
現時点で、特に第1特別図柄に関して大当り遊技中(第1特別図柄遊技管理ステータスが大当り中の値)でなく、かつ、小当り中でなければ(No)、主制御CPU72は次のステップS1900b以降の処理を実行する。ステップS1900b〜ステップS5900は、それぞれ第2特別図柄遊技処理の根幹となるプログラムモジュールである。主制御CPU72はこれら根幹となるステップS1900b〜ステップS5900の処理を通じて、第2特別図柄に対応する遊技の進行状況を具体的に制御することができる。
先の第1特別図柄遊技処理において説明したように、第2特別図柄遊技処理の根幹部分についても、実行選択処理(ステップS1900b)、特別図柄変動前処理(ステップS2900)、特別図柄変動中処理(ステップS3900)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4900)、可変入賞装置管理処理(ステップS5900)のサブルーチン(プログラムモジュール)群が含まれている。各処理の内容は、制御の対象が第2特別図柄である点を除いて第1特別図柄遊技処理において説明したものと同じであるが、発明の理解をより確実にするため、ここでは各処理に沿って第2特別図柄遊技処理の根幹部分に関して基本的な流れを説明する。
ステップS1900b:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2900〜ステップS5900のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして第2特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
ここでも同様に、いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(第2特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ第2特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2900)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3900)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4900)を選択する。
ステップS2900:第2特別図柄遊技処理における特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は第2特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。
ステップS3900:また特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。また、スキップ機能を作動させるか否かの判定も行われる。この判定の結果、他方の第1特別図柄に対してスキップ機能の作動が確認された場合、第1特別図柄の変動表示が強制的にはずれ態様で終了させられる処理が行われる。
ステップS4900:第2特別図柄遊技処理における特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより第2特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5900:また可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で第2特別図柄が停止表示された場合に選択される。ここでも同様に、当選種類別の態様で第2特別図柄の停止表示態様が決定される。また主制御CPU72は、可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで第2特別図柄に関して大当り遊技(大役)を終了する。
そして、第2特別図柄に関して大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については上記と同様である。
〔複数の当選種類〕
また本実施形態では、例えば複数の当選種類として(1)「16ラウンド確変大当り」、(2)「16ラウンド通常(非確変)大当り」、(3)「4ラウンド確変大当り」、(4)「4ラウンド通常大当り」、(5)「2ラウンド確変大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「16ラウンド確変大当り」は「16ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「16ラウンド通常大当り」は「16ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。また、「4ラウンド確変大当り」は「4ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「4ラウンド通常大当り」は「4ラウンド通常図柄」の大当りに対応し、「2ラウンド確変大当り」は「2ラウンド確変図柄」の大当りに対応する。このため以下の説明では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔16ラウンド通常図柄〕
先ず、上記の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、特別図柄が「16ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第2大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが16ラウンド目まで継続する。このため「16ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお第2大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。ただし、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔16ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第2大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが16ラウンド目まで継続する。これら「16ラウンド確変図柄」の大当り遊技もまた、それぞれが16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また第2大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔4ラウンド通常図柄〕
先ず、上記の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、特別図柄が「4ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第2大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが4ラウンド目まで継続する。このため「4ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、4ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお第2大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。ただし、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔4ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、特別図柄が「4ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第2大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが4ラウンド目まで継続する。これら「4ラウンド確変図柄」の大当り遊技もまた、それぞれが4ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また第2大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔2ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、特別図柄が「2ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、第2大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。その代わり、当選種類が「2ラウンド確変図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」及び「時間短縮機能」をともに作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典とともに、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。このような「2ラウンド確変図柄」については、遊技者に対して明確な大当り遊技を経ることなく、突発的に「高確率状態」及び「時間短縮状態」が発生したかのような印象を抱かせるものとなる。
いずれにしても、当選図柄が上記の「16ラウンド確変図柄」、「4ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「16ラウンド確変図柄」、「4ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「16ラウンド通常図柄」又は「4ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は通常確率状態(低確率状態)に復帰する。また言うまでもなく、通常確率状態で内部抽選に当選し、「16ラウンド通常図柄」又は「4ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は通常確率状態に維持される。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第1可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理(ステップS4000,S4900)において、第1特別図柄又は第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(第1可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では第1可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作し、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。
〔特別図柄変動前処理〕
図14は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。なお、以下に挙げる特別図柄変動前処理の内容は、第1特別図柄遊技処理(図12)及び第2特別図柄遊技処理(図13)において共通とすることができる。ただし、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とすることとする。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、制御対象の特別図柄作動記憶数(第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数)が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。対象図柄の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2150に進む。
ステップS2150:主制御CPU72は、他方の特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認する。すなわち、制御の対象が第1特別図柄であれば、第2特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認し、制御の対象が第2特別図柄であれば、第1特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認する。この確認もまた、特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。そして、他方の特別図柄作動記憶数が0であった場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72は、いずれの始動入賞口にも所定の時間入賞がなかったかを確認し、確認の結果なかった場合、デモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図12又は図13)に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。なお、他方の特別図柄作動記憶数が0でなかった場合(ステップS2150:No)、主制御CPU72はデモ設定処理を実行することなく特別図柄遊技処理(図12又は図13)に復帰する。
これに対し、制御対象の特別図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(ステップS2100a:Yes)、主制御CPU72は次にステップS2160を実行する。
ステップS2160:主制御CPU72は、他方の特別図柄に関して、非当選以外の大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する(特別図柄停止表示態様判定手段)。ここで、大当りフラグや小当りフラグは、後の大当り判定処理において具体的に説明するが、内部抽選により大当りや小当りに当選した際にセットされるフラグ(値)であって、大当り遊技や小当り遊技の終了の際にリセットされる。したがって、この処理における確認は、他方の特別図柄に関する内部抽選の結果が大当り又は小当りに当選しているか否かの確認でもある。なお、他方の特別図柄の変動表示(停止表示を省く)が実行されていない場合は、大当りフラグ又は小当りフラグがセットされていないため、確認の結果は必然的にNoとなる。
この処理において、他方の特別図柄に関する大当りフラグや小当りフラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2170を実行する。一方、他方の特別図柄に関する大当りフラグや小当りフラグに値(01H)がセットされていない(値が00Hである)場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
具体的には、制御の対象が第1特別図柄であれば、他方の第2特別図柄に関する大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、具体的には、第2特別図柄に関する内部抽選の結果大当り又は小当りのいずれかが選択されている場合、主制御CPU72は次にステップS2170を実行する。一方、他方の第2特別図柄に関する大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされていない場合(No)、具体的には、第2特別図柄に関する内部抽選の結果非当選(はずれ)が選択されている場合や、第2特別図柄が変動表示していない場合、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2170:主制御CPU72は、他方の特別図柄に関して、図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。ここで、図柄停止表示中フラグは、後の特別図柄変動終了処理において具体的に説明するが、特別図柄の停止表示が実行されている間にセットされるフラグ(値)であって、停止表示が終了される際にリセットされる。したがって、この処理における確認は、他方の特別図柄が大当り又は小当りを表す態様で停止表示しているか否かの確認である。
この処理において、他方の特別図柄に関する図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図12又は図13)に復帰する。このように以降の処理を実行せずに特別図柄遊技処理に復帰するのは、現在、他方の特別図柄が内部抽選の結果大当り又は小当りを表す態様で停止表示している最中であり、大当り遊技又は小当り遊技がすぐに開始される予定だからである。すなわち、制御対象の特別図柄を、その大当り遊技または小当り遊技が終了してから、以降の処理(変動表示を開始するための処理)を実行するようにしている。したがって、他方の特別図柄に関する大当り遊技又は小当り遊技が終了するまで、制御対象の特別図柄に関する内部抽選は実行されない。なお、他の実施形態として、図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、特別図柄遊技処理(図12又は図13)に復帰せずに、内部抽選処理ではずれに設定し、変動表示を実行する変動時間を短時間に設定して、他方の停止表示が終了する時点にはずれ時の停止表示を行ってもよい。
他方の特別図柄に関して、他方の特別図柄に関する図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、他方の特別図柄が停止表示しておらず変動表示中である場合、主制御装置70は次にステップS2202を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、制御対象の特別図柄に対応する方を読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。またこの処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、制御対象となる方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図8中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aのうち、制御対象となる方について記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2202:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。なお、処理内容についてはステップS2200と同様であるため、説明は省略する。主制御CPU72は、ステップS2300(大当り判定処理)を実行せずに、ステップS2401を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値(大当り決定乱数値)が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では低確率状態よりも大当り値の範囲が約5倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットする。主制御CPU72は次にステップS2400を実行する。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグに値(01H)がセットされた場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2410を実行する。一方、大当りフラグに値(01H)がセットされていない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2401を実行する。
ステップS2401:主制御CPU72は、小当り判定処理(内部抽選)を実行する。上記の大当りフラグをセットしない場合、もしくは、他方の特別図柄が大当りフラグ又は小当りフラグがセットされている場合、主制御CPU72は次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」又は「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグ(01H)をセットする。
このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが(非当選以外規定手段)、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の小当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを確認する。この確認の結果、小当りフラグに値(01H)がセットされた場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2407を実行する。一方、小当りフラグに値(01H)がセットされていない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。
ここで、上記の大当り判定処理(ステップS2300)と小当り判定処理(ステップS2401)の実行条件について簡単に説明する。
〔内部抽選対応表〕
図15は、内部抽選対応表の構成例を示す図である。
図示される内部抽選対応表には、該当する特別図柄が内部抽選の大当り抽選(大当り判定処理)や小当り抽選(小当り判定処理)を実行する際に、他方の特別図柄の状態に基づいて、実行するか否かが決定されることが表されている。
他方の特別図柄が「大当り変動中(大当りフラグが01Hである際の変動表示中)」である場合、当該特別図柄の内部抽選においては、大当り抽選は実行されず、小当り抽選のみ実行される。したがって、当該特別図柄の内部抽選における結果は、「小当り」又は「はずれ」が該当することになる。
また、同様に、他方の特別図柄が「小当り変動中(小当りフラグが01Hである際の変動表示中)」である場合、当該特別図柄の内部抽選においては、大当り抽選は実行されず、小当り抽選のみ実行される。したがって、当該特別図柄の内部抽選における結果は、「小当り」又は「はずれ」が該当することになる。
一方、他方の特別図柄が「はずれ変動中(大当りフラグや小当りフラグが00Hである際の変動表示中)」である場合、当該特別図柄の内部抽選においては、大当り抽選が先ずは実行され、そこで大当りに該当しなければ小当り抽選が実行される。したがって、当該特別図柄の内部抽選における結果は、「大当り」、「小当り」、または、「はずれ」のいずれかに該当することになる。
また、同様に、他方の特別図柄が「変動待ち中(変動表示や停止表示ではない状態)」である場合、当該特別図柄の内部抽選においては、大当り抽選が先ずは実行され、そこで大当りに該当しなければ小当り抽選が実行される。したがって、当該特別図柄の内部抽選における結果は、「大当り」、「小当り」、または、「はずれ」のいずれかに該当することになる。
したがって、一方の特別図柄が「大当り変動中」又は「小当り変動中」である場合、他方の特別図柄においては大当り抽選が実行されないことを表しており、そのため大当り遊技は決して実行されないことを表している。すなわち、一方の特別図柄が「大当り変動中」又は「小当り変動中」である場合、他方の特別図柄については、小当りについては抽選可能であるが、大当り遊技を実行できないため、実質的に大当り無抽選状態であることを表している。
〔図14:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、制御の対象となる特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。変動パターン番号は、制御対象の特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、制御の対象となる特別図柄の種類が「第1特別図柄」であるのか「第2特別図柄」であるのかにより異なり、さらに、上記の遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態、時短状態)によって、すなわち、「高確率状態(特別図柄の内部抽選確率が高確率状態)」と「時間短縮状態(普通図柄の作動抽選確率が高確率状態)(電サポ状態)」との組み合わせによって異なってくる。
〔変動時間対応表(通常時)〕
図16は、通常状態における変動時間対応表の構成例を示す図である。
図示のように、遊技状態が通常状態(特別図柄の内部抽選確率が低確率、普通図柄の作動抽選確率が低確率)の場合における、それぞれの特別図柄の変動時間を表しており、内部抽選の結果がはずれに該当した場合、第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定されるのに対し、第2特別図柄の変動時間は10時間に設定される。したがって、遊技機の電源を投入してから遊技を開始した後に遊技状態が通常状態であった場合、第2特別図柄のはずれ時の変動表示が一度開始されると、10時間後に変動時間が終了することを表している。
また、第1特別図柄の変動時間については、内部抽選の結果が大当りに該当した際や小当りに該当した際の変動表示についてははずれ時と同様に3秒〜180秒に設定される。一方、第2特別図柄の変動時間については、内部抽選の結果が大当りに該当した際や小当りに該当した際の変動表示については0.3秒〜10時間(小当り時は10時間に振り分けられる比率は小さく、大当り時は10時間に振り分けられる比率が大きい)に設定される。なお、第2特別図柄の内部抽選の結果大当りに該当した場合については、第1特別図柄と同様の時間(例えば、3秒〜180秒)に設定してもよく、これは低確率状態で大当りに該当したにもかかわらず非常に長い時間にわたり変動が行われるのは遊技者にとって非常に不利になるからである。
〔変動時間対応表(確変時)〕
図17は、確変状態における変動時間対応表の構成例を示す図である。
図示のように、遊技状態が確変状態(特別図柄の内部抽選確率が高確率、普通図柄の作動抽選確率が高確率)の場合における、それぞれの特別図柄の変動時間を表しており、内部抽選の結果がはずれに該当した場合、第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定され、第2特別図柄の変動時間は0.3秒〜60秒に設定される。したがって、遊技状態が確変状態である場合、特別図柄の種類によらずに、内部抽選の結果はずれに該当すると、短時間で第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示が終了することを表している。
また、第1特別図柄の変動時間については、はずれ時の変動表示に限らずに、内部抽選の結果が大当りに該当した際や小当りに該当した際の変動表示についても同様に、3秒〜180秒に設定される。さらに、第2特別図柄の変動時間については、はずれ時の変動表示に限らずに、内部抽選の結果が大当りに該当した際や小当りに該当した際の変動表示についても同様に、0.3秒〜60秒に設定される。したがって、遊技状態が確変状態である場合、第1特別図柄や第2特別図柄の変動時間は内部抽選の結果によらず共通して短時間に設定されることを表している。
〔変動時間対応表(潜確時)〕
図18は、潜確状態における変動時間対応表の構成例を示す図である。
図示のように、遊技状態が潜確状態(特別図柄の内部抽選確率が高確率、普通図柄の作動抽選確率が低確率)の場合における、それぞれの特別図柄の変動時間を表しており、内部抽選の結果がはずれに該当した場合、第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定されるのに対し、第2特別図柄の変動時間は10時間に設定される。したがって、遊技機の電源を投入してから遊技を開始した後に遊技状態が潜確状態であった場合、第2特別図柄のはずれ時の変動表示が一度開始されると、10時間後に変動時間が終了することを表している。
また、第1特別図柄の変動時間については、内部抽選の結果が大当りに該当した際や小当りに該当した際の変動表示についてははずれ時と同様に3秒〜180秒に設定される。一方、第2特別図柄の変動時間については、内部抽選の結果が大当りに該当した際や小当りに該当した際の変動表示については10時間に設定される。したがって、遊技状態が潜確状態である場合、第2特別図柄の変動時間は内部抽選の結果によらず共通して10時間に設定されることを表している。なお、第2特別図柄の内部抽選の結果大当りに該当した場合については、第1特別図柄と同様の時間(例えば、3秒〜180秒)に設定してもよく、これは低確率状態で大当りに該当したにもかかわらず非常に長い時間にわたり変動が行われるのは遊技者にとって非常に不利になるからである。
〔変動時間対応表(時短時)〕
図19は、時短状態における変動時間対応表の構成例を示す図である。
図示のように、遊技状態が時短状態(特別図柄の内部抽選確率が低確率、普通図柄の作動抽選確率が高確率)の場合における、それぞれの特別図柄の変動時間を表しており、内部抽選の結果がはずれに該当した場合、第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定され、第2特別図柄の変動時間は0.3秒〜60秒に設定される。したがって、遊技状態が時短状態である場合、特別図柄の種類によらずに、内部抽選の結果はずれに該当すると、短時間で第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示が終了することを表している。
また、第1特別図柄の変動時間については、はずれ時の変動表示に限らずに、内部抽選の結果が大当りに該当した際や小当りに該当した際の変動表示についても同様に、3秒〜180秒に設定される。さらに、第2特別図柄の変動時間については、はずれ時の変動表示に限らずに、内部抽選の結果が大当りに該当した際や小当りに該当した際の変動表示についても同様に、0.3秒〜60秒に設定される。したがって、遊技状態が時短状態である場合、第1特別図柄や第2特別図柄の変動時間は内部抽選の結果によらず共通して短時間に設定されることを表している。
このように、この処理において主制御CPU72は、特別図柄の種類と遊技状態フラグとを確認し、対応する変動時間を選択する。なお、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、変動パターンは大別して2種類の基本変動パターンと特殊変動パターンとして規定してもよく。それぞれ、変動表示を実行する時間が短い変動時間に対応するものを基本変動パターンとし、それよりも時間が長い変動時間に対応するものを特殊変動パターンとしてもよい。例えば、「非リーチ演出」や時間の短い「リーチ演出」等に対応したものを基本変動パターンとし、時間の長い「リーチ演出」、具体的には、「ロングリーチ演出」や「スーパーリーチ演出」等に対応したものを特殊変動パターンとしてもよい。
〔はずれ時変動パターン選択テーブル〕
図20は通常状態又は潜確状態における第1特別図柄のはずれ時変動パターン選択テーブルの構成例を示す図であり、図21は通常状態又は潜確状態における第2特別図柄別のはずれ時変動パターン選択テーブルの構成例を示す図である。また、図22は確変状態又は時短状態における第1特別図柄のはずれ時変動パターン選択テーブルの構成例を示す図であり、図23は確変状態又は時短状態における第2特別図柄別のはずれ時変動パターン選択テーブルの構成例を示す図である。これら選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
遊技状態が通常状態又は潜確状態であり、制御の対象が第1特別図柄であり第1特別図柄遊技処理に適用する場合は、図20に示す第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルを使用する。遊技状態が通常状態又は潜確状態であり、制御の対象が第2特別図柄であり第2特別図柄遊技処理に適用する場合は、図21に示す第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルを使用する。遊技状態が確変状態又は時短状態であり、制御の対象が第1特別図柄であり第1特別図柄遊技処理に適用する場合は、図22に示す第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルを使用する。遊技状態が確変状態又は時短状態であり、制御の対象が第2特別図柄であり第2特別図柄遊技処理に適用する場合は、図23に示す第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルを使用することとする。
以下、それぞれのはずれ時変動パターン選択テーブルについて説明する。
〔第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(通常時又は潜確時)〕
主制御CPU72は、遊技状態が通常状態又は潜確状態であり、制御の対象が第1特別図柄であり第1特別図柄表示装置においてはずれの表示態様で第1特別図柄を停止表示する場合、図20に示される第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(第1変動パターン規定手段)を参照して変動パターン番号を決定する。
この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、10秒以上といった変動時間が設定されている。このうち、変動パターン7,8(変動パターン番号「7」,「8」)に関しては(図中、網掛け部分)、比較的長めの変動時間(例えば、150秒、180秒)が設定されており、「特定の変動パターン」として規定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(通常時又は潜確時)〕
主制御CPU72は、遊技状態が通常状態又は潜確状態であり、制御の対象が第2特別図柄であり第2特別図柄表示装置においてはずれの表示態様で第2特別図柄を停止表示する場合、図21に示される第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(第2変動パターン規定手段)を参照して変動パターン番号を決定する。
この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば「255(FFH)」が設けられており、その「比較値」に対して「変動パターン番号」の「21」が割り当てられている。
変動パターン番号「21」は、はずれとなる変動パターンに対応している。なお、この変動時間は、例えば、10時間に設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。しかしながら、例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「222」であったとすると、最初の比較値「255」と比較すると、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「21」を選択する。なお、このような処理(乱数値と比較値とを比較して選択する処理)を実行せずに、1つしか規定されていないことから強制的に変動パターン番号「21」を選択してもよい。
〔第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(確変時又は時短時)〕
主制御CPU72は、遊技状態が通常状態又は時短状態であり、制御の対象が第1特別図柄であり第1特別図柄表示装置においてはずれの表示態様で第1特別図柄を停止表示する場合、図22に示される第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(第3変動パターン規定手段)を参照して変動パターン番号を決定する。
この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「11」〜「18」が割り当てられている。
変動パターン番号「11」〜「18」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応している。なお、この変動時間は、例えば、3秒〜180秒に設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「12」を選択する。
〔第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(確変時又は時短時)〕
主制御CPU72は、遊技状態が通常状態又は時短状態であり、制御の対象が第2特別図柄であり第2特別図柄表示装置においてはずれの表示態様で第1特別図柄を停止表示する場合、図23に示される第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(第4変動パターン規定手段)を参照して変動パターン番号を決定する。
この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「31」〜「38」が割り当てられている。
変動パターン番号「31」〜「38」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応している。なお、この変動時間は、例えば、0.3秒〜60秒に設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「32」を選択する。
〔図14:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
上記のように本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて5種類が用意されている。5種類の内訳は、「16ラウンド確変図柄」、「16ラウンド通常図柄」、「4ラウンド確変図柄」、「4ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」である。なお、5種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいる。例えば「16ラウンド確変図柄」であれば、「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」といった具合である。
また本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の種類は同一のものもあれば異なっているものもある。このため主制御CPU72は、今回の大当りの抽選結果が得られた制御対象が第1特別図柄であるか、それとも第2特別図柄であるかによって当選図柄として選択可能な対象が区別される。
図24は、第1特別図柄及び第2特別図柄別の大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。図24中(A)は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルであり、図24中(B)は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルである。以下、それぞれについて説明する。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
主制御CPU72は、今回の大当りの抽選結果が得られた制御対象が第1特別図柄である場合、図24中(A)に示される第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「5」,「8」,「5」,「27」,「5」,「35」,「15」は分母を100とした場合の割合に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「4ラウンド通常図柄1」,「16ラウンド通常図柄1」,「4ラウンド確変図柄1」,「16ラウンド確変図柄1」,「4ラウンド確変図柄2」,「16ラウンド確変図柄2」,「2ラウンド確変図柄1」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「4ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の5(=5%)であり、「16ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の8(=8%)であり、「4ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の5(=5%)であり、「16ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の27(=27%)であり、「4ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の5(=5%)であり、「16ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の35(=35%)であり、「2ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の15(=15%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄についての確変図柄の選択比率は87%である。
いずれにしても、今回の大当りの抽選結果が得られた制御対象が第1特別図柄である場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「02H」,「03H」,「04H」,「05H」,「06H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「2ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H06H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
また主制御CPU72は、今回の大当りの抽選結果が得られた制御対象が第2特別図柄である場合、図24中(B)に示される第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「5」,「8」,「5」,「27」,「5」,「35」,「15」は分母を100とした場合の割合に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「4ラウンド通常図柄1」,「16ラウンド通常図柄2」,「4ラウンド確変図柄1」,「16ラウンド確変図柄3」,「4ラウンド確変図柄2」,「16ラウンド確変図柄4」,「2ラウンド確変図柄1」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時には、「4ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の5(=5%)であり、「16ラウンド通常図柄2」が選択される割合は100分の8(=8%)であり、「4ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の5(=5%)であり、「16ラウンド確変図柄3」が選択される割合は100分の27(=27%)であり、「4ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の5(=5%)であり、「16ラウンド確変図柄4」が選択される割合は100分の35(=35%)であり、「2ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の15(=15%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第2特別図柄についての確変図柄の選択比率は87%である。
今回の大当りの抽選結果が得られた制御対象が第2特別図柄である場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から1番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「02H」,「03H」,「04H」,「05H」,「06H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「4ラウンド確変図柄1」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H02H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔図14:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、制御対象の特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間と同様に、大当り時の変動時間についても、制御の対象となる特別図柄の種類が「第1特別図柄」であるのか「第2特別図柄」であるのかにより異なり、さらに、上記の遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態、時短状態)によって、すなわち、「高確率状態(特別図柄の内部抽選確率が高確率状態)」と「時間短縮状態(普通図柄の作動抽選確率が高確率状態)(電サポ状態)」との組み合わせによって異なってくる。
上記の図16に示したように、遊技状態が通常状態(特別図柄の内部抽選確率が低確率、普通図柄の作動抽選確率が低確率)の場合、大当り時の第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定されるのに対し、大当り時の第2特別図柄の変動時間は0.3秒〜10時間(10時間に振り分けられる比率が大きい)に設定される。
また、上記の図17に示したように、遊技状態が確変状態(特別図柄の内部抽選確率が高確率、普通図柄の作動抽選確率が高確率)の場合、大当り時の第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定され、大当り時の第2特別図柄の変動時間も0.3秒〜60秒に設定される。
また、上記の図18に示したように、遊技状態が潜確状態(特別図柄の内部抽選確率が高確率、普通図柄の作動抽選確率が低確率)の場合、大当り時の第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定されるのに対し、大当り時の第2特別図柄の変動時間は10時間に設定される。
また、上記の図19に示したように、遊技状態が時短状態(特別図柄の内部抽選確率が低確率、普通図柄の作動抽選確率が高確率)の場合、大当り時の第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定され、大当り時の第2特別図柄の変動時間も0.3秒〜60秒に設定される。
このように、この処理において主制御CPU72は、特別図柄の種類と遊技状態フラグとを確認し、対応する変動パターン(変動時間)を決定する。なお、この処理では、上記はずれ時において遊技状態や特別図柄の種類に対応した変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定した処理と同様の処理が行われる。例えば、予め規定されている5種類(通常時又は潜確時に対応する第1特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル、確変時又は時短時に対応する第1特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル、通常時に対応する第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル、潜確時に対応する第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル、確変時又は時短時に対応する第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル)の大当り時変動パターン選択テーブルから特別図柄の種類と遊技状態に対応した選択テーブルを1つ選択し、その選択テーブルの比較値と乱数値とを比較して変動パターンを決定する。なお、大当り時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(大当り時)の値を変動タイマにセットするとともに、大当り時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
遊技状態が潜確状態であり、特別図柄の種類が第2特別図柄である場合を除き、一般的に大当りの場合、長い変動時間が決定され、その変動時間においてリーチ演出が実行される。本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行うこととしている。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、バトルリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔図14:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「確変図柄」であった場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。
また主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)の全ての当選図柄について、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
またステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段)。はずれ時や大当り時の変動時間と同様に、小当り時の変動時間についても、制御の対象となる特別図柄の種類が「第1特別図柄」であるのか「第2特別図柄」であるのかにより異なり、さらに、上記の遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態、時短状態)によって、すなわち、「高確率状態(特別図柄の内部抽選確率が高確率状態)」と「時間短縮状態(普通図柄の作動抽選確率が高確率状態)(電サポ状態)」との組み合わせによって異なってくる。
上記の図16に示したように、遊技状態が通常状態(特別図柄の内部抽選確率が低確率、普通図柄の作動抽選確率が低確率)の場合、小当り時の第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定されるのに対し、小当り時の第2特別図柄の変動時間は0.3秒〜10時間(10時間に振り分けられる比率が小さい)に設定される。
また、上記の図17に示したように、遊技状態が確変状態(特別図柄の内部抽選確率が高確率、普通図柄の作動抽選確率が高確率)の場合、小当り時の第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定され、小当り時の第2特別図柄の変動時間も0.3秒〜60秒に設定される。
また、上記の図18に示したように、遊技状態が潜確状態(特別図柄の内部抽選確率が高確率、普通図柄の作動抽選確率が低確率)の場合、小当り時の第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定されるのに対し、小当り時の第2特別図柄の変動時間は10時間に設定される。
また、上記の図19に示したように、遊技状態が時短状態(特別図柄の内部抽選確率が低確率、普通図柄の作動抽選確率が高確率)の場合、小当り時の第1特別図柄の変動時間は3秒〜180秒に設定され、小当り時の第2特別図柄の変動時間も0.3秒〜60秒に設定される。
このように、この処理において主制御CPU72は、特別図柄の種類と遊技状態フラグとを確認し、対応する変動パターン(変動時間)を決定する。なお、この処理では、上記はずれ時や大当り時において特別図柄の種類や遊技状態に対応した変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定した処理と同様の処理が行われる。例えば、予め規定されている5種類(通常時又は潜確時に対応する第1特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル、確変時又は時短時に対応する第1特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル、通常時に対応する第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル、潜確時に対応する第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル、確変時又は時短時に対応する第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル)の小当り時変動パターン選択テーブルから特別図柄の種類と遊技状態に対応した選択テーブルを1つ選択し、その選択テーブルの比較値と乱数値とを比較して変動パターンを決定する。なお、小当り時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(小当り時)の値を変動タイマにセットするとともに、小当り時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
なお、大当り時と同様に、遊技状態が通常状態又は潜確状態であり、特別図柄の種類が第2特別図柄である場合を除き、一般的に大当りの場合、長い変動時間が決定され、その変動時間においてリーチ演出が実行される。本実施形態では、内部抽選の結果、小当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行うこととしている。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、バトルリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグ、図柄変動中フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000、ステップS3900)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理(図12又は図13)に復帰する。
〔図12、図13:特別図柄変動中処理〕
特別図柄変動中処理(ステップS3000、ステップS3900)では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで制御の対象となる特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000、ステップS4900)を次のジャンプ先に設定する。
また、この処理ではスキップ機能を作動させるか否かの判定処理も行われ、先の特別図柄変動前処理の大当り判定において、一方の特別図柄に関して大当りまたは小当りに当選していた場合、かつ、他方の特別図柄が変動中である場合、他方の特別図柄に対してスキップ機能が作動される。このスキップ機能の作動により、一方の特別図柄が当り態様(大当り又は小当り態様)で停止する際に、他方の特別図柄の変動表示が強制的にはずれ態様で停止させられる処理が行われる。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔図12、図13:特別図柄停止表示中処理〕
また特別図柄停止表示中処理(ステップS4000、ステップS4900)では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図14中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図25は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理(図14中のステップS2200)の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、他方の特別図柄に関する大当りフラグや小当りフラグに値(01H)がセットされていない(値が00Hである)場合(図14中のステップS2160:No)、又は、他方の特別図柄に関する図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされていない場合(図14中のステップS2170:No)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。ここでも同様に特別図柄記憶エリアシフト処理の内容は、第1特別図柄遊技処理(図12)及び第2特別図柄遊技処理(図13)において共通とすることができる。ただし、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とすることとする。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:先ず主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に対応するRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2212:また主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、制御対象の特別図柄が第1特別図柄であれば、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)し、制御対象の特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2214:次に主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から、制御対象の特別図柄について「変動開始時作動記憶数」を設定する。
ステップS2216:また主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。すなわち、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。制御対象が第2特別図柄であれば、先行値は第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BCH」)となる。
ステップS2218:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2216でセットした制御対象となる特別図柄についての作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図14)に復帰する。
次に図26は、特別図柄変動中処理(図12中のステップS3000又は図13中のステップS3900)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。以下に挙げる特別図柄変動中処理の内容もまた、第1特別図柄遊技処理(図12)及び第2特別図柄遊技処理(図13)において共通とすることができる。すなわち、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とする。
ステップS3100:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について変動タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS3200:そして主制御CPU72は、今回減算した変動タイマの値に基づき、変動表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、変動タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ変動表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図12中のステップS1000b又は図13中のステップS1900b)からジャンプして特別図柄変動表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、変動タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は変動表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS3300を実行する。
ステップS3300:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に関して、非当選以外の大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS3400を実行する。一方、大当りフラグ及び小当りフラグに値(01H)がセットされておらずリセットされている(値が00Hである)場合(No)、主制御CPU72は次にステップS3600を実行する。
ステップS3400:主制御CPU72は、他方の特別図柄に関して変動表示中フラグがセットされているか否かを確認する。この処理において、他方の特別図柄に関して変動表示中であるか否かに基づいて、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させるか否かが確認される。この確認処理は、対象の特別図柄の大当り時又は小当り時の変動表示が終了することに伴い、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる(他方の変動表示を強制的に終了させる)必要があるか否かを確認するために実行される。そして、他方の変動表示中フラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる必要があるとして、主制御CPU72は次にステップS3500を実行する。一方、他方の変動表示中フラグに値(01H)がセットされておらずリセットされている(値が00Hである)場合(No)、他方の特別図柄は変動表示されておらず、スキップ機能を作動させる必要がないとして、主制御CPU72は次にステップS3600を実行する。
具体的には、例えば、制御対象の第1特別図柄がこの割込処理において大当り時(又は小当り時)の変動表示が終了する場合、他方の第2特別図柄のはずれ時(大当り時又は小当り時)の変動表示が実行中であるか否かが確認される。この確認により、他方の第2特別図柄が変動表示中である場合(Yes)、スキップ機能を作動させる必要があるとして、主制御CPU72は次にステップS3500を実行する。一方、この確認により、他方の第2特別図柄は変動表示していない、また、停止表示もしていないと確認された場合、スキップ機能を作動させる必要はないとして、主制御CPU72は次にステップS3600を実行する。
ステップS3500:主制御CPU72は、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる、すなわち、他方の特別図柄に関する変動表示をはずれ態様で終了させる処理が実行される(第1強制終了手段、第2強制終了手段)。具体的には、主制御CPU72は、他方の特別図柄に関する変動タイマの値に0をセットするとともに、大当り時又は小当り時の変動表示中である場合は、はずれ時の態様に変更する。
ステップS3600:主制御CPU72は、特別図柄終了処理を実行する。この処理では、制御対象の特別図柄の変動表示が終了することに伴い、RAM76のフラグ領域に特別図柄の図柄停止表示中フラグに値(01H)をセットする。また、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理(図12又は図13)に復帰する。
なお、これら一連の処理、具体的にはステップS3300〜ステップS3500における処理において、制御対象の特別図柄に関する大当り時又は小当り時の変動表示が終了する段階で、他方の特別図柄が変動表示中か否かを確かめる。そして、他方が変動中であればスキップ機能を作動させるために、他方の変動タイマを0にするとともに、大当り又は小当り態様で停止する予定を強制的にはずれ態様に設定する処理が行われる。そして、後に実行される他方の特別図柄遊技管理処理(図12又は図13)内の特別図柄変動中処理(図12中のステップS3000又は図13中のステップS3900)において、他方の変動タイマが減算され0以下となり(ステップS3200:Yes)、変動表示がはずれ態様で終了であると判定される(ステップS3300:No)。したがって、スキップ機能が作動したことにより、最終的に他方の特別図柄の変動表示ははずれ態様で終了して停止表示が開始される設定が行われることになる(図12中のステップS4000、図13中のステップS4900)。また、その後、双方の特別図柄に関する停止表示時間が同一であるため、例えば、0.5秒であるため、同時期に双方の特別図柄に関する停止表示が終了し、その後、大当り又は小当り遊技が開始されることとなる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄遊技処理(図12)や第2特別図柄遊技処理(図13)における特別図柄変動中処理(図12中のステップS3000、図13中のステップS3900)において制御対象の特別図柄の変動時間が終了したタイミング(ステップS3200:Yes)においてその制御対象の特別図柄に関する内部抽選の結果が大当り又は小当りであり(ステップS3300:Yes)、他方の特別図柄が変動中である場合に(ステップS3400:Yes)、他方の特別図柄の変動表示を強制的に終了させていた(スキップ機能を作動させていた)。しかしながら、この他方の特別図柄の変動表示を強制的に終了させる(スキップ機能を作動させる)処理は、特別図柄変動中処理に限定されず、特別図柄停止表示中処理(図12中のステップS4000、図13中のステップS4900)において実行してもよい。具体的には、特別図柄停止表示中処理において、制御対象の特別図柄に関する内部抽選の結果が大当り又は小当りであり、他方の特別図柄が変動中である場合に、他方の特別図柄の変動表示を強制的に終了させる(スキップ機能を作動させる)処理を実行してもよい。他にも、特別図柄の停止表示が終了した際に実行してもよく、可変入賞装置管理処理(図12:ステップS5000、図13:ステップS5900)において実行してもよい(なお、この場合、可変入賞装置30(特別電動役物)の作動が開始される前に他方の特別図柄の停止表示が終了している必要がある。)。
〔スキップ機能〕
以下、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において変動表示を途中で強制的に停止させるスキップ機能について具体的に説明する。なお、各特別図柄表示装置34,35による第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示と連動する形態をとる液晶表示装置42についても同様に、スキップ機能の作動により各特別図柄(ここでは第1特別図柄)の変動表示時間がスキップされ変動時間が短くなるとともに、液晶表示装置42における演出図柄による変動表示演出もスキップされ演出時間が短くなる。
図27は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
このうち図27中(A)〔スキップ機能未作動例〕は、第2特別図柄が大当り時又は小当り時の変動表示中に、第1特別図柄がはずれに対応する変動表示を開始した場合に、スキップ機能が作動しない際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
これに対し、図27中(B)〔スキップ機能作動例1〕は、第2特別図柄が大当り時又は小当り時の変動表示中に、第1特別図柄が小当りに対応する変動表示を開始した場合に、スキップ機能が作動する際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
また、図27中(C)〔スキップ機能作動例2〕は、第2特別図柄がはずれ時の変動表示中に、第1特別図柄が大当りに対応する変動表示を開始した場合に、スキップ機能が作動する各際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。これら(A)〜(C)のタイミングチャートを例に挙げてスキップ機能について説明する。
〔図27中(A):スキップ機能未作動例〕
時刻t0におけるそれぞれの特別図柄の状態は、第1特別図柄については変動待ち状態であり、第2特別図柄については大当り時又は小当り時の変動表示中であることを表している。
そして、時刻t1において、上始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始される。ここで、第2特別図柄が大当り時又は小当り時の変動表示中であることから、第1特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選は実行されず、小当り抽選のみが行われる。したがって、内部抽選の結果は小当り又ははずれが該当することとなる。図示の例では、第1特別図柄に関する内部抽選の結果としてはずれ(非当選)が選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1〜t2間に設定され、変動表示が時刻t2に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t1〜t2までの時間が第1特別図柄に関する変動タイマにセットされる。変動タイマは変動表示を実行することができる時間を表しており、変動表示を実行した時間だけ変動タイマから減算され、変動タイマが0になった時点で変動表示が終了する。
次に、時刻t2において、第1特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第1特別図柄に関する変動表示が終了し、はずれに対応する態様で第1特別図柄が停止表示する。なお、停止表示した第1特別図柄に関する内部抽選の結果が非当選以外(大当り又は小当り)でないため、スキップ機能が作動しない。したがって、第2特別図柄に関する変動表示は続行される。すなわち、第2特別図柄(大当り時又は小当り時)に関する変動タイマは置き換えられることはない。
以上のように、本実施形態では、一方の特別図柄において大当り時又は小当り時の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、他方の特別図柄に関する内部抽選のうち大当り抽選は実行していない。すなわち、一方の特別図柄が大当り時又は小当り時の変動表示中である場合、他方の特別図柄については大当り無抽選状態であることを表している。例えば、上記のように第2特別図柄に大当り時又は小当り時の変動表示中に、上始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、第1特別図柄に関する内部抽選のうち大当り抽選は実行していない。なお、一方の特別図柄(第2特別図柄)に関する大当り時又は小当り時の変動表示中に、他方の特別図柄(第1特別図柄)に関するはずれ時の変動表示が開始され変動時間経過後に終了したとしても、本実施形態ではスキップ機能は作動せず、一方の特別図柄(第2特別図柄)の変動表示はスキップされず、変動表示は続行されることとなる。したがって、大当り時又は小当り時の変動表示が変動時間が終了するまで継続されるため、その間に入賞したとしても内部抽選のうち大当り抽選は実行されないため、大当り無抽選状態が継続することを表している。
図27中(A)に示すタイミングチャートでは第1特別図柄の内部抽選の結果がはずれ(非当選)であった場合を説明したが、図27中(B)に示すタイミングチャートでは第1特別図柄の内部抽選の結果が小当りに該当した場合を説明する。
〔図27中(B):スキップ機能作動例1〕
時刻t0におけるそれぞれの特別図柄の状態は、第1特別図柄については変動待ち状態であり、第2特別図柄については大当り時又は小当り時の変動表示中であることを表している。
そして、時刻t1において、上始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始される。ここで、第2特別図柄が大当り時又は小当り時の変動表示中であることから、第1特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選は実行されず、小当り抽選のみが行われる。したがって、内部抽選の結果は小当り又ははずれが該当することとなる。図示の例では、第1特別図柄に関する内部抽選の結果として小当りが選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1〜t2間に設定され、変動表示が時刻t2に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t1〜t2までの時間が第1特別図柄に関する変動タイマにセットされる。変動タイマは変動表示を実行することができる時間を表しており、変動表示を実行した時間だけ変動タイマから減算され、変動タイマが0になった時点で変動表示が終了する。
次に、時刻t2において、第1特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第1特別図柄に関する変動表示が終了し、小当りに対応する態様で第1特別図柄が停止表示する。なお、停止表示した第1特別図柄に関する内部抽選の結果が小当りであり、さらに、第2特別図柄に関する変動表示が実行中であることから、スキップ機能が作動する。そして、このスキップ機能の作動により、第2特別図柄に関する小当り時の変動表示は終了される(強制終了手段)。具体的には、第2特別図柄に関する変動タイマが0に置き換えられる。したがって、設定されていた変動時間はスキップされることになる。
なお、スキップされた第2特別図柄に関する小当り時の変動表示は、はずれ態様に変更され、はずれに対応する態様で第2特別図柄が停止表示することとなり、再度小当り時の変動表示が実行されることはない。また、液晶表示装置42における第2特別図柄に関する小当り時の演出図柄による変動表示演出も同様にスキップされ、時刻t2と同時期に終了される。
以上のように、本実施形態では、一方の特別図柄において大当り時又は小当り時の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、他方の特別図柄に関する内部抽選のうち大当り抽選は実行していない。すなわち、一方の特別図柄が大当り時又は小当り時の変動表示中である場合、他方の特別図柄については大当り無抽選状態であることを表している。例えば、上記のように第2特別図柄に大当り時又は小当り時の変動表示中に、上始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、第1特別図柄に関する内部抽選のうち大当り抽選は実行していない。また、一方の特別図柄(第2特別図柄)に関する大当り時又は小当り時の変動表示中に、他方の特別図柄(第1特別図柄)に関する小当り時の変動表示が開始され変動時間経過後に終了した場合、その一方の特別図柄(第2特別図柄)の変動表示はスキップされることとなり、強制的に変動表示を終了させることができる。したがって、大当り時又は小当り時の変動表示中の大当り無抽選状態を一端終了させることができることを表している。例えば、第2特別図柄の大当り時や小当り時の変動表示が10時間にわたり実行されていた場合、その間の第1特別図柄は大当り無抽選状態であるが、第1特別図柄の内部抽選において小当りに該当することで、その第1特別図柄による小当り時の変動表示の終了と同時期に第2特別図柄の10時間にわたる変動表示を強制的に終了させることができるため、第1特別図柄の内部抽選は大当り抽選可能な状態になることを表している。
図27中(B)に示すタイミングチャートでは第1特別図柄の内部抽選の結果が小当りであった場合を説明したが、図27中(C)に示すタイミングチャートでは第1特別図柄の内部抽選の結果が大当りに該当した場合を説明する。
〔図27中(C):スキップ機能作動例2〕
時刻t0におけるそれぞれの特別図柄の状態は、第1特別図柄については変動待ち状態であり、第2特別図柄についてははずれ時の変動表示中であることを表している。
そして、時刻t1において、上始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始される。ここで、第2特別図柄がはずれ時の変動表示中であることから、第1特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選が先ず実行され、大当りに該当しなかった場合に小当り抽選が行われる。すなわち、第1特別図柄については大当り抽選実行可能な状態であることを表している。したがって、内部抽選の結果は大当り、小当り又ははずれが該当することとなる。図示の例では、第1特別図柄に関する内部抽選の結果として大当りが選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1〜t2間に設定され、変動表示が時刻t2に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t1〜t2までの時間が第1特別図柄に関する変動タイマにセットされる。変動タイマは変動表示を実行することができる時間を表しており、変動表示を実行した時間だけ変動タイマから減算され、変動タイマが0になった時点で変動表示が終了する。
次に、時刻t2において、第1特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第1特別図柄に関する変動表示が終了し、大当りに対応する態様で第1特別図柄が停止表示する。なお、停止表示した第1特別図柄に関する内部抽選の結果が大当りであり、さらに、第2特別図柄に関する変動表示が実行中であることから、スキップ機能が作動する。そして、このスキップ機能の作動により、第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示は終了される(強制終了手段)。具体的には、第2特別図柄に関する変動タイマが0に置き換えられる。したがって、設定されていた変動時間はスキップされることになる。
なお、スキップされた第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示は再度実行されることはない。また、液晶表示装置42における第2特別図柄に関するはずれ時の演出図柄による変動表示演出も同様にスキップされ、時刻t2と同時期に終了される。
以上のように、本実施形態では、一方の特別図柄においてはずれ時の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞すると、他方の特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選が実行される。すなわち、一方の特別図柄が大当り時又は小当り時の変動表示中ではない場合、他方の特別図柄については大当り抽選可能状態であることを表している。例えば、上記のように第2特別図柄にはずれ時の変動表示中や第2特別図柄が変動待ち状態である際に、上始動入賞口に遊技球が入賞すると、第1特別図柄に関する内部抽選のうち先ず大当り抽選が実行され、次に小当り抽選が実行される。また、一方の特別図柄(第2特別図柄)に関するはずれ時の変動表示中に、他方の特別図柄(第1特別図柄)に関する大当り時の変動表示が開始され変動時間経過後に終了した場合、その一方の特別図柄(第2特別図柄)の変動表示はスキップされることとなり、強制的に変動表示を終了させることができる。
このように、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能であり、一方の特別図柄が当り態様(大当り態様又は小当り態様)で変動している場合には、他方の特別図柄について内部抽選のうち大当り抽選は実行されない大当り無抽選状態となり、一方の特別図柄がはずれ態様で変動している場合(もしくは変動待ち状態である場合)には、他方の特別図柄について内部抽選のうち大当り抽選が実行される大当り抽選可能状態となっている。また、一方の特別図柄が当り態様(大当り態様又は小当り態様)で変動しており大当り無抽選状態であったとしても、他方の特別図柄が小当り態様で停止するとその一方の特別図柄を強制的にはずれ態様で停止させることができ、大当り抽選可能状態に変更することができる。
ここで、本実施形態では、遊技状態が潜確状態である場合には、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間はそれぞれ通常時間(3〜180秒)と非常に長い時間(10時間)に設定されている。また、遊技状態が潜確状態である際に、第2特別図柄が当り態様(大当り態様又は小当り態様)で変動している場合には、第1特別図柄について内部抽選のうち大当り抽選は実行されない大当り無抽選状態となり、第2特別図柄がはずれ態様で変動している場合(もしくは変動待ち状態である場合)には、第1特別図柄について内部抽選のうち大当り抽選が実行される大当り抽選可能状態であることを表している。したがって、潜確状態において大当り無抽選状態から大当り抽選可能状態に変更するには、第1特別図柄の小当り抽選で小当りに当選し、第2特別図柄の当り態様での変動を一端終了させて、第2特別図柄のはずれ態様での変動に変更する必要があることを表している。一方、遊技状態が確変状態や時短状態である際には、大当り時や小当り時の長い変動表示はないため、大当り無抽選状態はないことを表している。
また、遊技状態が通常状態である場合には、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間はそれぞれの変動の態様(大当り、小当り、はずれ)により異なって設定されている。第1特別図柄の変動表示は変動の態様によらず通常時間(3〜180秒)に設定されているのに対し、第2特別図柄の変動表示ははずれ時や大当り時の変動が非常に長い時間(10時間)に設定され、小当り時の変動がほぼ通常時間に設定されている。したがって、第2特別図柄に関しては大当り時に長い変動時間の変動表示はあるものの小当り時の長い変動表示はないため、大当り無抽選状態はないものとして扱ってよいことを表している。しかしながら、第2特別図柄の小当り時の変動表示について、10時間が選択される比率と通常時間が選択比率を調整することで、上記の遊技状態が潜確状態である場合と同様に、大当り抽選可能状態と大当り無抽選状態とを混在させることができる。
ここで、遊技状態が潜確状態である場合、第1特別図柄については大当り無抽選状態と大当り抽選可能状態があることから、第1特別図柄について大当り抽選で大当りに該当する本来の確率とは別の実質的な確率が存在することを表している。具体的には、本来の大当り確率に大当り抽選可能状態の滞在率(大当り無抽選状態ではない滞在率)を乗算したものが実質的な大当り確率となる(実質的な大当り確率=本来の大当り確率×(1−大当り無抽選状態の滞在率))。この大当り確率について具体的な例を挙げて説明する。
図28は、遊技機の大当り抽選確率と小当り抽選確率の一例を示す図である。
例えば、遊技状態が通常状態(特別図柄が低確率状態)である際の本来の大当り確率は398.708分の1が規定されている。また、遊技状態が確変状態(特別図柄が高確率状態)である際の本来の大当り確率は68.985分の1が規定されている。また、小当り確率については、遊技状態に関係せずに特別図柄の種類に応じて規定されており、第1特別図柄の小当り確率は32.000分の1が規定され、第2特別図柄の小当り確率は1.231分の1が規定されている。
ここで、遊技状態が潜確状態にある際の特別図柄の変動時間は、第1特別図柄の変動時間が3〜180秒であるのに対し、第2特別図柄の変動時間は10時間であった。したがって、遊技状態が通常状態にある際の第2特別図柄の小当り確率が1.231分の1であることから、第2特別図柄の変動表示は約6回中5回が非常に変動時間が長い小当り時の変動表示であることを表している。すなわち、第1特別図柄については大当り無抽選状態の滞在率が高いということを表している。以上のことから、遊技状態が潜確状態にある際に、特別図柄の本来の大当り抽選確率は68.985分の1であるのに対し、実質的な大当り確率は398.679分の1となる。
なお、遊技状態が確変状態にある際には、第2特別図柄の変動表示についての変動時間は第1特別図柄と同等に通常時間であるため、第2特別図柄の小当り時の変動表示は短時間で終了するため、大当り無抽選状態の滞在率は高くないため、実質的な大当り確率は本来の大当り確率である68.985分の1と同程度に設定することができる。また、遊技状態が時短状態にある際には、第2特別図柄の変動表示についての変動時間は第1特別図柄と同等に通常時間であるため、第2特別図柄の小当り時の変動表示は短時間で終了するため、大当り無抽選状態の滞在率は高くないため、実質的な大当り確率は本来の大当り確率である385.506分の1と同程度に設定することができる。
また、遊技状態が通常状態にある際には、第2特別図柄の小当り時の変動時間の振り分けについて、非常に長い変動時間(10時間)の振り分け率を調整(例えば、数%の割合で選択)することで、大当り無抽選状態の滞在率を例えば96.69%にすると想定する。この場合、特別図柄の本来の大当り抽選確率は385.506分の1であるのに対し、実質的な大当り確率は398.708分の1となる。
このように、本実施形態では、遊技状態が潜確状態である場合、本来の大当り確率(68.985分の1)とは乖離させた実質的な大当り確率(398.679分の1)を実現することができる。したがって、遊技状態が通常状態、潜確状態、時短状態である場合の特別図柄の実質的な大当り抽選確率を同程度にすることができ、新たな遊技性を提供することができる。具体的には、遊技状態が確変状態(特別図柄が高確率状態、普通図柄が高確率状態)から潜確状態(特別図柄が高確率状態、普通図柄が低確率状態)に移行した場合、特別図柄の実質的な大当り抽選確率が同程度になるため、実質的に確変状態から通常状態(特別図柄が低確率状態、普通図柄が低確率状態)に移行したものとして扱うことができる。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図29は、特別図柄停止表示中処理(図12中のステップS4000又は図13中のステップS4900)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。以下に挙げる特別図柄停止表示中処理の内容もまた、第1特別図柄遊技処理(図12)及び第2特別図柄遊技処理(図13)において共通とすることができる。すなわち、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とする。
ステップS4100:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図12中のステップS1000b)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグ、及び、図柄停止表示中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄についてジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図14中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類がいずれかの「16ラウンド確変図柄(16ラウンド通常図柄)」であれば、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値として生成される。また「4ラウンド確変図柄(4ラウンド通常図柄)」の場合、連続作動回数コマンドは「4ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図12又は図13)に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば100回)に設定される。また回数切りカウンタは、第1特別図柄及び第2特別図柄について共通に設定することができる。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図12又は図13)に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図12又は図13)に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理(図12又は図13)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図30は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図8中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38xの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38xのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38b,38xである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38xに対して点灯信号を出力する。
〔図12、図13:可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図31は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図32は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第2可変入賞装置31、小当り時に第1可変入賞装置30をそれぞれ開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、すなわちRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて第2大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお当選図柄別の開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図12又は図13)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。またラウンド間のインターバル時間は、例えば2秒〜2.5秒程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、上記のように極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図14中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「16ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定し、当選図柄として「4ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を4回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、4回なら「3」、16回なら「15」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第2可変入賞装置31を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第2大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第2大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理(図31)に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、第1大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に第1大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に第1可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理(図31)に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図33は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド91に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図32中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図31)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放や「2ラウンド確変図柄」の1ラウンド目と2ラウンド目の開放は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉止させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド91に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図32中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図31)に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理(図31)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図34は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理(図31)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図31中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回、4回又は16回)に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理(図31)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図32中のステップS5214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理(図31)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図31中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に(図31)復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図35は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り遊技中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図14中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(確変回数)を設定する。なお、本実施形態では、当選図柄(当選種類)に関係なく、共通して10000回が設定される。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図14中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグ(変動時間短縮機能作動フラグ)の値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は当選図柄(当選種類)に対応した時間短縮回数(時短回数)を設定する。設定される変動時間短縮回数は、当選図柄(当選種類)により異なって設定されており、具体的な回数については別の図面を用いて説明する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、高確率状態機能作動フラグと時間短縮機能作動フラグがセットされている場合、内部状態として「確変中(確変状態)」を表す状態指定コマンドが生成される。時間短縮機能作動フラグのみがセットされている場合、内部状態として「時短中(時短状態)」を表す状態指定コマンドが生成される。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図12中のステップS1000b)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図31)に復帰する。
図36は、当選種類に対応して設定される時短回数の一例を示す図ある。
主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグがセットされていると当選図柄に対応した時間短縮回数(時短回数)を終了処理において設定する。設定された時短回数は、RAM76の時短カウント領域に格納され、特別図柄停止表示中処理において変動が実行される毎に減算処理されることとなる。そして、減算後に時短回数が0回になると時間短縮機能作動フラグがリセットされ、電サポ状態が終了することとなる。したがって、この時短回数を電サポ回数と称することもある。
図示の例では、大当り当選時(特別図柄の内部抽選が実行された際)の遊技状態毎(通常状態、確変状態、潜確状態、時短状態)に電サポ回数が記されているが、本実施形態では全ての遊技状態に共通して同一の時短回数が設定されているため遊技状態についての説明は省略する。
特別図柄の種類が第1特別図柄の場合、当選図柄(当選種類)は7種類が規定されており、各当選図柄に対して時短回数が設定されている。具体的には、4ラウンド通常図柄1に対して100回、16ラウンド通常図柄1に対して100回、4ラウンド確変図柄1に対して100回、16ラウンド確変図柄1に対して100回、4ラウンド確変図柄2に対して10000回、16ラウンド確変図柄2に対して10000回、2ラウンド確変図柄1に対して10000回がそれぞれ設定されている。
また、特別図柄の種類が第2特別図柄の場合、当選図柄(当選種類)は7種類が規定されており、各当選図柄に対して時短回数が設定されている。具体的には、4ラウンド通常図柄1に対して100回、16ラウンド通常図柄1に対して100回、4ラウンド確変図柄1に対して100回、16ラウンド確変図柄3に対して100回、4ラウンド確変図柄2に対して10000回、16ラウンド確変図柄4に対して10000回、2ラウンド確変図柄1に対して10000回がそれぞれ設定されている。
ここで、当選図柄(当選種類)のうち「4ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄1,3」については、時短回数が100回(図中の網掛け部分)に設定されている。例えば、大当り遊技終了後、遊技状態は確変状態に設定され、その後100変動にわたり特別図柄の内部抽選の結果大当りに該当しなければ、時短回数が0回になり時間短縮機能作動フラグがリセットされるため、電サポ状態が終了することとなる。なお、大当り遊技終了後に確変回数が10000回に設定され、100変動終了後には9900回残っているため確率変動機能作動フラグはリセットされることはないため、遊技状態は確変状態から潜確状態に移行されることとなる。
また、本実施形態では、潜確状態における第2特別図柄のはずれ時や小当り時(大当り時)の変動時間が10時間と非常に長い時間に設定されていることから、第2特別図柄がはずれ時の変動表示をしている場合第1特別図柄に関しては大当り抽選可能状態となり、小当り時の変動表示をしている場合第1特別図柄に関しては大当り無抽選状態となっている。したがって、潜確状態においては実質的な大当り抽選確率は本来の大当り抽選確率から乖離していることを表している。また、本実施形態では、通常状態と潜確状態の実質的な大当り抽選確率を同程度に設定している。したがって、通常状態と潜確状態では、どちらの状態も時間短縮作動機能はリセット(電サポ無し状態)されており、さらに、実質的な大当り抽選確率も同程度であることから、遊技状態は同等な状態に位置付けであることを表している。
上記の「4ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄1,3」に対して、当選図柄(当選種類)のうち「4ラウンド確変図柄2」、「16ラウンド確変図柄2,4」については、時短回数が10000回に設定されている。すなわち、「4ラウンド確変図柄2」、「16ラウンド確変図柄2,4」に該当した場合の大当りは、特別図柄の大当り抽選確率は高確率のまま10000回継続するため、実質的に次の大当り(大当りの種類はわからない)がループする確変大当り(以下、ループ確変大当りとする)であることを表している。一方、「4ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄1,3」に該当した場合の大当りについては、時短回数が100回に設定され、さらに潜確状態では特別図柄の実質的な大当り確率は通常状態と同程度の低確率であるため、特別な時間中(確変状態時)に大当りする必要がある確変大当り(以下、ST(スペシャルタイム)確変大当りとする)であることを表している。
このように、本実施形態のパチンコ機1では、大当り遊技終了後に時短状態に移行することとなる通常大当りと、大当り遊技終了後に上限回数が設定された確変状態に移行し、その間に大当りがなければ通常状態と同等の潜確状態に移行するST確変大当りと、大当り遊技終了後に上限回数が設定されない確変状態に移行するループ確変大当りといった3種類の大当りを実現することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
〔ゲームフロー〕
図37は、パチンコ機1において展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、遊技状態は〔F1〕通常状態から遊技が開始される。「通常状態」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「低確率状態」(非時間短縮状態)(電サポ無し状態)である。また、遊技中に所定の条件が満たされると〔F1〕潜確状態に遊技状態が設定される。「潜確状態」は、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「低確率状態」(非時間短縮状態)(電サポ無し状態)である。
ここで、通常状態での第1特別図柄の変動時間は180秒以下の時間に設定されているのに対し、第2特別図柄の変動時間ははずれ時や大当り時が10時間に設定されており(小当り時は10時間にほとんど設定されない)、一方、潜確状態での第1特別図柄の変動時間は180秒以下の時間に設定されているのに対し、第2特別図柄の変動時間は10時間(はずれ時、大当り時、小当り時全て)に設定されている。また、一方の特別図柄が大当り時又は小当り時の変動をしている場合、他方の特別図柄については大当り抽選が実行されず、小当り抽選しか実行されない。したがって、遊技状態が潜確状態にある際に、第2特別図柄が10時間にわたりはずれ時の変動表示をしている場合については第1特別図柄の大当り抽選が実行される大当り抽選可能状態であるのに対し、第2特別図柄が10時間にわたり大当り時や小当り時の変動表示をしている場合については第1特別図柄の大当り抽選が実行されない大当り無抽選状態(なお、小当り抽選は実行される)であることを表している。このように、潜確状態では第2特別図柄の変動表示の態様に応じて大当り抽選が実行可能か否かが決定し、大当り抽選可能状態と大当り無抽選状態の2つの状態が存在することから、その大当り抽選可能状態が占める割合に応じて実質的な大当り確率(398.679分の1)が本来の大当り確率(68.985分の1)から乖離することとなる。一方、通常状態では大当り無抽選状態がほとんど存在しないため(大当り時の変動のみ大当り無抽選状態であるが滞在比率が小さいため存在しないと想定できる)、実質的な大当り確率(398.708分の1)は本来の大当り確率(385.506分の1)と同程度となる。本実施形態では、潜確状態での実質的な大当り確率と通常状態での実質的な大当り確率(≒本来の大当り確率)とを同程度に設定している。
このように、遊技状態が通常状態である場合の実質的な大当り確率と潜確状態である場合の実質的な大当り確率とを同程度にすることにより、通常状態と潜確状態とを遊技の進行上において同じ状態〔F1〕として位置付けることができる。
〔F1〕通常状態又は潜確状態にて、第1特別図柄の内部抽選の結果が〔F5〕大当りに該当すると、その大当りの種類に応じて遊技における進行先が決定される。なお、第2特別図柄の内部抽選結果の結果が大当りに該当していた場合については、10時間にわたって第2特別図柄が変動表示するため、遊技は次のステップに進行しないと想定する。なお、〔F1〕通常状態又は潜確状態にて、特別図柄の内部抽選の結果が〔F6〕小当り当りに該当すると、小当り遊技終了後では遊技状態が変更されないため、遊技状態は〔F1〕通常状態又は潜確状態が継続される。
ここで、上記のように大当りの種類については大別して3種類に区分することができ、具体的には、「ループ確変大当り」、「ST確変大当り」、「通常大当り」に区分することができる。「ループ確変大当り」とは、大当り遊技終了後に設定される確変回数(確率変動機能が作動する回数)が10000回、電サポ回数(時短回数)(変動時間短縮機能が作動する回数)が10000回に設定される大当りの種類を表しており、例えば、「4ラウンド確変図柄2」、「16ラウンド確変図柄2,4」、「2ラウンド確変図柄1」に対応する大当りである。「ST確変大当り」とは、大当り遊技終了後に設定される確変回数が10000回、電サポ回数(時短回数)が100回程度に設定される大当りの種類を表しており、例えば、「4ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄1、3」に対応する大当りである。「通常大当り」とは、大当り遊技終了後に設定される電サポ回数(時短回数)が100回程度に設定され、確変回数は設定されない(確率変動機能が作動しない)大当りの種類を表しており、例えば、「4ラウンド通常図柄1」、「16ラウンド通常図柄1、2」である。
〔F5〕大当りのうち「ループ確変大当り」に該当すると、〔F10〕大当り遊技が実行され、「ループ確変大当り」に対応して「超ビッグボーナス」が実行される。
〔F10〕大当り遊技(超ビッグボーナス)が終了すると、遊技状態は〔F15〕「確変状態」に設定される。「確変状態」は、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「高確率状態」(時間短縮状態)(電サポ有り状態)である。ここで、設定される確変回数や電サポ回数(時短回数)は、それぞれ10000回である。そして、「超ビッグボーナス(ループ確変大当り)」に対応して、「確変状態」の遊技モードは「花火ラッシュ」が設定される。
一方、〔F5〕大当りのうち「ST確変大当り」に該当すると、〔F11〕大当り遊技が実行され、「ST確変大当り」に対応して「ビッグボーナス」が実行される。
〔F11〕大当り遊技(ビッグボーナス)が終了すると、遊技状態は〔F16〕「確変状態」に設定される。「確変状態」は、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「高確率状態」(時間短縮状態)(電サポ有り状態)である。ここで、設定される確変回数は10000回であるのに対し、電サポ回数(時短回数)は100回である。「ビッグボーナス(ST確変大当り)」に対応して、「確変状態」の遊技モードは「宇宙モード」が設定される。
また、〔F5〕大当りのうち「通常大当り」に該当すると、〔F12〕大当り遊技が実行され、「通常大当り」に対応して「レギュラーボーナス」が実行される。
〔F11〕大当り遊技(レギュラーボーナス)が終了すると、遊技状態は〔F17〕「時短状態」に設定される。「時短状態」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「高確率状態」(時間短縮状態)(電サポ有り状態)である。ここで、設定される電サポ回数(時短回数)は100回である。「レギュラーボーナス(通常大当り)」に対応して、「時短状態」の遊技モードは「空モード」が設定される。
そして、〔F15、F16〕確変状態においては、第1特別図柄及び第2特別図柄ともに変動時間が180秒以下となるため、〔F1〕通常状態や潜確状態よりも大当り確率が高くなるため(例えば、68.985分の1)となるため、内部抽選(大当り抽選)の結果大当りに該当しやすくなっている。〔F15、F16〕確変状態において、〔F5〕大当りに該当すると、再度大当りの種類に応じた大当り遊技(〔F10〕、〔F11〕、又は、〔F12〕)が開始される。
なお、〔F17〕時短状態においては、第1特別図柄及び第2特別図柄ともに変動時間が180秒以下となるが、〔F1〕通常状態や潜確状態と同様に大当り確率は低いため(例えば、385.506分の1)となるため、内部抽選(大当り抽選)の結果大当りに該当しにくくなっている。なお、その〔F17〕時短状態において、〔F5〕大当りに該当すると、再度大当りの種類に応じた大当り遊技(〔F10〕、〔F11〕、又は、〔F12〕)が開始されることとなる。
〔F16〕確変状態や〔F17〕時短状態において、特別図柄(第1特別図柄や第2特別図柄)によるはずれ時又は小当り時の変動表示が〔F20〕100回行われた場合、すなわち、100回連続して大当りに該当しなかった場合、遊技状態は〔F1〕通常状態又は潜確状態に設定されることとなる。具体的には、その100回目の変動の終了時に、電サポ回数(時短回数)が0回になってしまい、変動時間短縮機能の作動が終了してしまうため、普通図柄の当選確率は高確率状態から低確率状態に移行され、遊技状態は〔F1〕通常状態又は潜確状態に設定されることとなる。すなわち、遊技状態が〔F16〕確変状態であった際に特別図柄の100回目の変動が終了すると、遊技状態は〔F1〕潜確状態に設定され、遊技状態が〔F17〕時短状態であった際に特別図柄の100回目の変動が終了すると、遊技状態は〔F1〕通常状態に設定される。
一方、〔F15〕確変状態において、特別図柄(第1特別図柄や第2特別図柄)によるはずれ時又は小当り時の変動表示が〔F21〕10000回行われた場合、すなわち、10000回連続して大当りに該当しなかった場合、遊技状態は〔F1〕通常状態(潜伏状態にはならない)に設定されることとなる。具体的には、その10000回目の変動の終了時に、電サポ回数(時短回数)が0回になってしまい、確率変動機能と変動時間短縮機能の作動が終了してしまうため、特別図柄や普通図柄の当選確率は高確率状態から低確率状態に移行され、遊技状態は〔F1〕通常状態に設定されることとなる。
このように、本実施形態のパチンコ機1は、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能であり、4つの遊技状態として通常状態(特別図柄が低確率、普通図柄が低確率)、潜確状態(特別図柄が高確率、普通図柄が低確率)、確変状態(特別図柄が高確率、普通図柄が高確率)、時短状態(特別図柄が低確率、普通図柄が高確率)を有している。そして、遊技状態に応じて第1特別図柄の変動時間と第2特別図柄の変動時間を調整することで、実質的な大当り確率と本来の大当り確率とを乖離させ、遊技状態の潜確状態を実質的に通常状態と同等な状態に位置付けている。具体的には、遊技状態が通常状態である場合には第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間はそれぞれ通常時間(3〜180秒)に設定されており(第2特別図柄の大当り時については10時間)、実質的な大当り確率(398.708分の1)は本来の大当り確率(385.506分の1)と同程度であるのに対し、潜確状態である場合には第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間はそれぞれ通常時間(3〜180秒)と非常に長い時間(10時間)に設定されており、実質的な大当り確率(398.679分の1)は本来の大当り確率(68.985分の1)と乖離している。また、遊技状態が通常状態や潜確状態である場合、普通図柄の作動抽選が低確率状態であり、特別図柄の内部抽選の大当り確率が実質的に同一であることから、実質的に通常状態と潜確状態とを遊技の進行上において同じ遊技状態として位置付けることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1は、大当りの種類として3つの種類(ループ確変、ST確変、通常)を有しており、その大当りの種類に応じて電サポ回数(時短回数)の上限値を異ならせて設定していた。具体的には、ループ確変では10000回、ST確変では100回、通常では100回の電サポ回数(時短回数)に設定していた。したがって、実質的な大当り確率は潜確状態である場合と通常状態である場合とが同程度であることから、大当りの種類がST確変であった場合、本来確変回数は10000回に設定されているのに対し、実質的な確変回数は100回とみなされる。すなわち、本実施形態のパチンコ機1は、確変回数が10000回に設定され確変状態に上限が設けられない(実質的に次回の大当りが確定される)遊技性(ループタイプ)を有しつつ、確変回数が100回に設定され確変状態に上限が設けられる(次回の大当りの保障はない)遊技性(STタイプ)を有するといった相反する遊技性の共存を可能としている。
また、潜確状態において大当り無抽選状態から大当り抽選可能状態に変更するには、第1特別図柄の小当り抽選で小当りに当選し、第2特別図柄の当り態様での変動を一端終了させて、第2特別図柄のはずれ態様での変動に変更する必要がある。すなわち、小当りを契機として、遊技者にとって有利な状態又は不利な状態といった有利不利を切り替えることができるといった新しい遊技性を実現することができる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して変動させる制御を採用しているため、第1特別図柄に対応する第1演出図柄と、第2特別図柄に対応する第2演出図柄も並行して変動表示されている。ここで、第1演出図柄及び第2演出図柄は、それぞれ左・中・右の演出図柄を有しており、画面の右下部にて縮小された状態で第2演出図柄が変動表示され、画面の中央にて第2演出図柄よりも大きく第1演出図柄が変動表示されている。なお、第1演出図柄と第2演出図柄の大きさが異なるのは、第2特別図柄ではなく第1特別図柄での大当りを契機に大当り遊技が開始されることから、第1特別図柄に関する第1演出図柄の変動表示演出の結果が大当り該当するのか否かといった期待感を遊技者に教示するために、第1演出図柄が大きく設定されている。
また、第1演出図柄や第2演出図柄にはそれぞれ、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図38は、通常状態又は潜確状態での特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の第1特別図柄の変動について、第1演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、第1特別図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、第1特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。なお、通常状態又は潜伏状態での第2特別図柄については、はずれ時の変動時間が10時間と非常に長いため、第2特別図柄がはずれ時の変動表示中である場合を想定して説明する。
〔第1特別図柄:変動表示前、第2特別図柄:変動表示中〕
図38中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄の停止表示に合わせて、第1演出図柄も停止表示された状態にある。一方、第2特別図柄の変動表示に合わせて、画面の右下部において第2演出図柄は変動表示された状態にある。
また、液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図38中(A)の例では、マーカM1、M2が共に4つとも点灯表示されることで第1特別図柄及び第2特別図柄の作動記憶数が4個であることを表している(記憶数表示演出実行手段)。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が当選であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1は停止表示される。一方、第2特別図柄は変動表示中であるため、第4図柄Z2が変動表示されており、第4図柄Z2は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔変動表示演出開始〕
図38中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段、演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で第1演出図柄の左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお、図中、第1演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の第1演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には第1演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、車に乗った女性キャラクターが荒野を疾走している様子を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「陸モード」であることを表現している。本実施形態において「陸モード」は、上記の変動時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモード(「海モード」、「空モード」、「宇宙モード」、「花火ラッシュ」)が設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったり、第2特別図柄の変動表示の態様に対する期待度(大当り無抽選状態である期待度)に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図38中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図38中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図38中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図38中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図38中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる(演出実行手段)。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄(第1演出図柄)を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上記の例は第1特別図柄の内部抽選の結果がはずれに該当した時についてのものであるが、大当り時や小当り時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において第1演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき第1演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔大当り時の演出例〕
図39〜図40は、大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。また、図41〜図43は、通常大当りに該当した場合における、大当り遊技中に実行される大役中演出と大当り遊技終了後の演出例を部分的に示す連続図である。図44〜図46は、ST確変大当りに該当した場合における、大当り遊技中に実行される大役中演出と大当り遊技終了後の演出例を部分的に示す連続図である。図47及び図48は、ループ大当りに該当した場合における、大当り遊技中に実行される大役中演出と大当り遊技終了後の演出例を部分的に示す連続図である。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が大当りの態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。なお、図39中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、第2演出図柄の変動表示演出や、上記のマーカM1,M2及び第4図柄Z1,Z2については、ここでの図示を省略している。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図39中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図39中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図39中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図39中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図39中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「4」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図39中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、画面の右側位置に数字の「4」を表す演出図柄が停止していることから、「4」−「変動中」−「4」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。なお、確変大当りと通常大当り(確率変動機能が作動しない大当り)が規定されていることから、数字が偶数では通常大当りの可能性が高く、奇数では確変大当りの可能性が高く設定することもでき、多様な緊張感を遊技者に抱かせることができる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「4」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図39中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔スーパーリーチ演出の進行(特定リーチ演出実行手段)〕
図39中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「6」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「4」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「3」まで消去されて「4」が画面手前に残ると「大当り」であり、そして数字の「4」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、はずれの場合、数字の「4」が消去された後の画面上に例えば数字の「5」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」と順番に画像が消去されていくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。そして、実際に画面上で数字の「3」まで消去され、数字の「4」が画面上に残った状態で演出が進行すると、「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図39中(H):スーパーリーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「4」が消去されずに残れば、そのまま「4」−「4」−「4」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「1」〜「3」までが消去されてしまい、最後に数字の「4」が消去されずに残れば、「4」−「4」−「4」の確変期待度が高い図柄で大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ確変大当りが近いかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。この後、当選種類(当選図柄)により、演出が変化することとなる。
図40中(I):例えば第1特別図柄の変動表示が終盤に差し掛かると、最後の中演出図柄が停止する。図示の例では、「4」−「4」−「4」の組み合わせが画面に表示され、大当りに該当したことを遊技者に教示することができる。
図40中(J):そして、演出図柄は、左・中・右の演出図柄がそれぞれ初期の大きさに復元した状態に戻される。ただし、三つ揃いしたすべての演出図柄は、左右に揺れて表示されており、演出図柄の変動は完全には停止していない。このとき、第1特別図柄及び第2特別図柄は変動中の状態であり、第4図柄Z1,Z2も変動中の状態である。
〔昇格チャンス演出〕
図40中(K):演出図柄が三つ揃いした場合、そこで大当りということは確定しているが、大当り遊技にて得られる利益(出球)の大小を左右する(ラウンド数を決定する)昇格チャンス演出が実行される。
図示の例では、画面に上部に「昇格チャンス」の文字情報が表示されている。これにより、遊技者に対しては、これから昇格チャンス演出が開始され、通常大当りに該当する「4の演出図柄」から別の組み合わせ(例えば、確変大当りに該当する奇数の組み合わせ)に昇格するかもしれないといった期待感を与えることができる。
図40中(L):昇格演出が進行し、具体的には、三つ揃いした演出図柄が徐々に小さく表示されるとともに、三つ揃いした演出図柄が回転しながら画面上奥側に吸い込まれていく演出が実行される。
図40中(M):そして、3つの演出図柄がほとんど視認することができなくなるほど小さくなり、その時点で、表示画面の下部に演出切替ボタン45の画像が表示され、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われる。
〔昇格チャンス失敗演出〕
図41中(N):昇格チャンス演出に失敗する場合、すなわち、通常大当り(「4ラウンド通常図柄1」、「16ラウンド通常図柄1、2」)に該当している場合には、昇格チャンス失敗演出が実行される。この場合、演出切替ボタン45の押下を契機として演出図柄が奥側から手前側に飛び出してくる演出が実行され、3つの演出図柄のすべてを表示しきれない程に演出図柄が拡大して表示されるが、この場合は演出図柄の数字は変更されない(「4」のまま)。
図41中(O):特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、揺れを伴わないで演出図柄を完全に停止させた状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。そして、この後は画面上で上述したレギュラーボーナス演出(大役中演出)が実行される。
ここで、第1特別図柄が大当りの態様で停止表示したことから、第2特別図柄の変動表示も強制的に終了され、はずれの態様で確定停止表示が行われる。図示の例では、画面の右下部に「6」−「3」−「4」といった組み合わせで第2特別図柄に対応する演出図柄が停止表示されている。また、第4図柄Z1、Z2についても、それぞれ対応して大当り(「4ラウンド通常図柄1」、「16ラウンド通常図柄1、2」)の態様と、はずれの態様で停止している。
〔大当り遊技開始〕
図41中(P):第1特別図柄の確定停止表示が終了し、大当り遊技が開始されると、当選種類(当選図柄)に対応した大役中演出が開始される。図示の例では、「16ラウンド通常図柄1」に対応した大役中演出が実行されており、「レギュラーボーナス」といった文字情報が表示されるオープニング演出が実行されている。これにより、今回の大当り遊技が16ラウンドにわたり実行され、大量の賞球が獲得可能であるが、大当り遊技終了後に確変状態に設定されずに通常状態に設定されることを遊技者に教示することができる。
〔1ラウンド〕
図41中(Q):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報や、「レギュラーボーナス」といったボーナスの種類に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「4」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「4の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
〔16ラウンド〕
図42中(R):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の16ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND16」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「4」)が引き続き表示されている。
〔エンディング〕
図42中(S):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「空モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として時短状態(特別図柄が低確率、普通図柄が高確率)の空モードに移行することを遊技者に教示することができる。
図42中(T):例えば、大当り遊技終了後から1回目の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が行われることで、「空モード」の状態で第1演出図柄及び第2演出図柄の変動表示が行われている。空モードの背景画像は、遊技者に対して空のモチーフを深く印象付けるために、「空の情景」とともに「パンダのキャラクターが飛行機に乗り空を飛んでいる様子」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1、Z2が変動表示されている。
また、遊技状態が時短状態に設定され時間短縮機能が作動することから、可変始動入賞装置28が頻繁に作動することとなり、下始動入賞口28aへの入球が容易化される。したがって、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が頻繁に行われることとなる。そこで、画面内における第1演出図柄と第2演出図柄の関係についても、第1演出図柄及び第2演出図柄が画面の左下部と右下部において縮小されて同等に変動表示することとなる。
また、画面の左上部には「のこり98回」といった文字情報が表示される。すなわち、時短状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数が表示される。これにより、遊技者にとって有利な遊技状態(時短状態)があと何回で終了するのかといったことを遊技者に教示することができる。なお、時短状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数とは、変動時間短縮機能が非作動になるまでの回数であり、特別図柄が時短状態において変動表示することができる回数を表している。
図42中(U):大当り遊技終了後から1回目の変動が終了したことにより、第2特別図柄に対応する第2演出図柄が停止表示されている(「2」−「3」−「3」の組み合わせ)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。ここで、第2特別図柄の変動表示について、通常状態では非常に長い変動時間(10時間)が設定されていたのに対し、時短状態においては変動時間が短く(0.3〜60秒)設定されている。
図43中(V):そして、次の第2特別図柄の変動表示が開始されることとなる。また、時短状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を示す表示についても「のこり97回」と変更される。
その後、時短状態中に特別図柄の大当りが発生すると、大当りの種類(当選図柄)に対応した大当り遊技が開始され、大当り遊技終了後にその大当りの種類(当選図柄)に対応した遊技状態が再度設定されることとなる。一方、時短状態中に特別図柄の大当りが発生しなかった場合について説明する。
図43中(W):大当り遊技終了後に遊技状態が時短状態に設定され、その時短状態中に大当りが発生せずに、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の計100回目の変動表示が終了した際の例が図示されている。例えば、第2特別図柄に対応する第2演出図柄が停止表示されている(「9」−「3」−「2」の組み合わせ)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。なお、時短状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を示す表示は「のこり0回」となっている。
図43中(X):第2特別図柄の停止表示中に、画面の左右から扉が登場して中央でそれぞれ停止し、画面内の演出が完全に隠される演出が実行される。これにより、遊技状態の時短状態が終了し、遊技モードの空モードが終了したことを遊技者に対して教示することができる。
図43中(Y):そして、次の第2特別図柄の変動表示が開始されることとなる。その変動表示の開始時に、閉じていた扉が開放されて画面内の演出が表示される演出が実行される。また、背景画像も「陸モード」に変更される。これにより、遊技状態が通常状態に設定されたことを遊技者に対して教示することができる。
(図40中(M)から)
〔昇格チャンス成功演出〕
図44中(N):一方、昇格チャンス演出に成功する場合、すなわち、ST確変大当り(「4ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄1、3」)に該当している場合には、昇格チャンス成功演出が実行される。この場合、演出切替ボタン45の押下を契機として演出図柄が奥側から手前側に飛び出してくる演出が実行され、3つの演出図柄のすべてを表示しきれない程に演出図柄が拡大して表示され、演出図柄の数字は「4」から「5」に変更される。
図44中(O):特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、揺れを伴わないで演出図柄を完全に停止させた状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。そして、この後は画面上で上述したビッグボーナス演出(大役中演出)が実行される。
ここで、第1特別図柄が大当りの態様で停止表示したことから、第2特別図柄の変動表示も強制的に終了され、はずれの態様で確定停止表示が行われる。図示の例では、画面の右下部に「5」−「2」−「6」といった組み合わせで第2特別図柄に対応する演出図柄が停止表示されている。また、第4図柄Z1、Z2についても、それぞれ対応して大当り(「4ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄1、3」)の態様と、はずれの態様で停止している。
〔大当り遊技開始〕
図44中(P):第1特別図柄の確定停止表示が終了し、大当り遊技が開始されると、当選種類(当選図柄)に対応した大役中演出が開始される。図示の例では、「16ラウンド確変図柄1」に対応した大役中演出が実行されており、「ビッグボーナス」といった文字情報が表示されるオープニング演出が実行されている。これにより、今回の大当り遊技が16ラウンドにわたり実行され、大量の賞球が獲得可能であり、さらに、大当り遊技終了後に上限が設定された確変状態に設定されることを遊技者に教示することができる。
〔1ラウンド〕
図44中(Q):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報や、「ビッグボーナス」といったボーナスの種類に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「5」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「5の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
〔16ラウンド〕
図45中(R):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の16ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND16」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「5」)が引き続き表示されている。
〔エンディング〕
図45中(S):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「宇宙モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として上限が設定された確変状態(特別図柄が高確率、普通図柄が高確率)の宇宙モードに移行することを遊技者に教示することができる。
図45中(T):例えば、大当り遊技終了後から1回目の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が行われることで、「宇宙モード」の状態で第1演出図柄及び第2演出図柄の変動表示が行われている。宇宙モードの背景画像は、遊技者に対して空のモチーフを深く印象付けるために、「宇宙の情景」とともに「動物のキャラクターが宇宙船に乗り宇宙空間を飛んでいる様子」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1、Z2が変動表示されている。
また、遊技状態として上限が設定された確変状態に設定され時間短縮機能が作動することから、可変始動入賞装置28が頻繁に作動することとなり、下始動入賞口28aへの入球が容易化される。したがって、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が頻繁に行われることとなる。そこで、画面内における第1演出図柄と第2演出図柄の関係についても、第1演出図柄及び第2演出図柄が画面の左下部と右下部において縮小されて同等に変動表示することとなる。
また、画面の左上部には「のこり98回」といった文字情報が表示される。すなわち、上限が設定された確変状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数が表示される。これにより、遊技者にとって有利な遊技状態(確変状態)があと何回で終了するのかといったことを遊技者に教示することができる。なお、上限が設定された確変状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数とは、変動時間短縮機能が非作動になるまでの回数であり、特別図柄が上限の設定された確変状態において変動表示することができる回数を表している。
図45中(U):大当り遊技終了後から1回目の変動が終了したことにより、第2特別図柄に対応する第2演出図柄が停止表示されている(「4」−「1」−「5」の組み合わせ)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。ここで、第2特別図柄の変動表示について、通常状態では非常に長い変動時間(10時間)が設定されていたのに対し、上限が設定された確変状態においては変動時間が短く(0.3〜60秒)設定されている。
図46中(V):そして、次の第2特別図柄の変動表示が開始されることとなる。また、時短状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を示す表示についても「のこり97回」と変更される。
その後、上限が設定された確変状態中に特別図柄の大当りが発生すると、大当りの種類(当選図柄)に対応した大当り遊技が開始され、大当り遊技終了後にその大当りの種類(当選図柄)に対応した遊技状態が再度設定されることとなる。一方、上限が設定された確変状態中に特別図柄の大当りが発生しなかった場合について説明する。
図46中(W):大当り遊技終了後に遊技状態が上限が設定された確変状態に設定され、その上限が設定された確変状態中に大当りが発生せずに、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の計100回目の変動表示が終了した際の例が図示されている。例えば、第2特別図柄に対応する第2演出図柄が停止表示されている(「9」−「3」−「2」の組み合わせ)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。なお、上限が設定された確変状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を示す表示は「のこり0回」となっている。
図46中(X):第2特別図柄の停止表示中に、画面の左右から扉が登場して中央でそれぞれ停止し、画面内の演出が完全に隠される演出が実行される。これにより、遊技状態の上限が設定された確変状態が終了し、遊技モードの宇宙モードが終了したことを遊技者に対して教示することができる。
図46中(Y):そして、次の第2特別図柄の変動表示が開始されることとなる。その変動表示の開始時に、閉じていた扉が開放されて画面内の演出が表示される演出が実行される。また、背景画像も「海モード」に変更される。これにより、遊技状態が潜確状態に設定されたことを遊技者に対して教示することができる。
なお、遊技状態が通常状態と潜確状態とでは、同等の遊技状態として扱われるため、遊技モードの「陸モード」と「海モード」についても同等の遊技モードとして扱ってもよい。ここで、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能であり、一方の特別図柄が当り態様(大当り態様又は小当り態様)で変動している場合には、他方の特別図柄について内部抽選のうち大当り抽選は実行されない大当り無抽選状態となり、一方の特別図柄がはずれ態様で変動している場合(もしくは変動待ち状態である場合)には、他方の特別図柄について内部抽選のうち大当り抽選が実行される大当り抽選可能状態となっている。この大当り無抽選状態と大当り抽選可能状態とが混在する遊技状態(潜確状態)において、複数種類の遊技モード(陸モードや海モードなど)を用意し、それぞれの遊技モードに対して各状態(大当り無抽選状態と大当り抽選可能状態)の振り分け比率を設定することで、現在実質大当り抽選を受けることが可能な状態か否かを演出上で示唆してもよい。
(図40中(M)から)
〔昇格チャンス成功演出〕
図47中(N):一方、昇格チャンス演出に成功する場合、すなわち、ループ確変大当り(「4ラウンド確変図柄2」、「16ラウンド確変図柄2、4」)に該当している場合には、昇格チャンス成功演出が実行される。この場合、演出切替ボタン45の押下を契機として演出図柄が奥側から手前側に飛び出してくる演出が実行され、3つの演出図柄のすべてを表示しきれない程に演出図柄が拡大して表示され、演出図柄の数字は「4」から「7」に変更される。
図47中(O):特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、揺れを伴わないで演出図柄を完全に停止させた状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。そして、この後は画面上で上述した超ビッグボーナス演出(大役中演出)が実行される。
ここで、第1特別図柄が大当りの態様で停止表示したことから、第2特別図柄の変動表示も強制的に終了され、はずれの態様で確定停止表示が行われる。図示の例では、画面の右下部に「1」−「2」−「5」といった組み合わせで第2特別図柄に対応する演出図柄が停止表示されている。また、第4図柄Z1、Z2についても、それぞれ対応して大当り(「4ラウンド確変図柄2」、「16ラウンド確変図柄2,4」)の態様と、はずれの態様で停止している。
〔大当り遊技開始〕
図47中(P):第1特別図柄の確定停止表示が終了し、大当り遊技が開始されると、当選種類(当選図柄)に対応した大役中演出が開始される。図示の例では、「16ラウンド確変図柄2」に対応した大役中演出が実行されており、「超ビッグボーナス」といった文字情報が表示されるオープニング演出が実行されている。これにより、今回の大当り遊技が16ラウンドにわたり実行され、大量の賞球が獲得可能であり、さらに、大当り遊技終了後に実質的に上限が設定されていない確変状態に設定されることを遊技者に教示することができる。
〔1ラウンド〕
図47中(Q):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報や、「ビッグボーナス」といったボーナスの種類に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「7」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「7の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
〔16ラウンド〕
図48中(R):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の16ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND16」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「7」)が引き続き表示されている。
〔エンディング〕
図48中(S):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として実質的に上限が設定されていない確変状態(特別図柄が高確率、普通図柄が高確率)の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
図48中(T):例えば、大当り遊技終了後から1回目の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が行われることで、「花火ラッシュ」の状態で第1演出図柄及び第2演出図柄の変動表示が行われている。花火ラッシュの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「花火の打ち上げの情景」とともに「女性キャラクターが花火を見上げる様子」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1、Z2が変動表示されている。
また、遊技状態として実質的に上限が設定されていない確変状態に設定され時間短縮機能が作動することから、可変始動入賞装置28が頻繁に作動することとなり、下始動入賞口28aへの入球が容易化される。したがって、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が頻繁に行われることとなる。そこで、画面内における第1演出図柄と第2演出図柄の関係についても、第1演出図柄及び第2演出図柄が画面の左下部と右下部において縮小されて同等に変動表示することとなる。
その後、実質的に上限が設定されていない確変状態中に特別図柄の大当りが発生すると、大当りの種類(当選図柄)に対応した大当り遊技が開始され、大当り遊技終了後にその大当りの種類(当選図柄)に対応した遊技状態が再度設定されることとなる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図49は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、大当り中を表す状態コマンド、小当り中を表す状態コマンド、連続作動回数コマンド等がある。また、このうち特別図柄に関係するコマンドは、第1特別図柄及び第2特別図柄についてそれぞれ別個に送信される。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1,M2を用いた記憶数表示演出の実行を制御する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出画像表示手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図4中のパネル電飾基板138に接続することができる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔演出図柄管理処理〕
図50は、演出図柄管理処理(図49中のステップS402)の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、第1特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS502)、第2特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS503)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
図51は、実行選択処理(図50中のステップS500)の手順例を示すフローチャートである。
ステップS500a:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。ただし第1特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS502)については、戻り先のアドレスを次の第2特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS503)にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1特別図柄に対応する第1演出図柄の変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として第1特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に第1特別図柄演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として第2特別図柄演出図柄変動前処理(ステップS503)を選択し、既に第2特別図柄演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図12中のステップS5000又は図13中のステップS5900)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS500b:次に、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域に図柄停止コマンドが保存されているか否かを判断する。演出図柄変動中処理(ステップS504)が未完了であり、スキップ機能(他方の特別図柄を強制的に停止させる処理)が作動しなかった場合、ジャンプ先は演出図柄変動中処理(ステップS504)が選択されている。しかし、演出図柄変動中処理(ステップS504)が未完了であったとしても、スキップ機能が作動した場合、変動表示演出を強制的に停止しなければならない。そこで、演出制御CPU126は、図柄停止コマンドがコマンドバッファ領域に保存されているか否かを判断する。保存されていないと判断した場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図50)に復帰し、次のジャンプ先の処理を実行する。
ステップS500c:そして、演出制御CPU126は図柄停止コマンドが保存されていると判断した場合(ステップS500b:Yes)は、たとえジャンプ先が演出図柄変動中処理(ステップS504)であったとしても、次に実行するべき処理のジャンプ先として図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。演出制御CPU126は、次に、ステップS504の処理ではなく、ステップS506の処理を実行する。
ステップS502:第1特別図柄演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄に対応する演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャート(図52)を用いて後述する。
ステップS503:次の第2特別図柄演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は、第2特別図柄に対応する演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容については、第1特別図柄演出図柄変動前処理における対象とする演出図柄が第1演出図柄ではなく第2演出図柄に置き換えられた処理が行われるため、説明は省略する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄(第1演出図柄又は第2演出図柄)や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば、通常大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、通常大当り演出パターン(レギュラーボーナス演出パターン)を選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。他にも、ST確変大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、ST確変大当り演出パターン(ビッグボーナス演出パターン)を選択したり、ループ確変大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、ループ確変大当り演出パターン(超ビッグボーナス演出パターン)を選択したりする。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔第1特別図柄演出図柄変動前処理〕
図52は、第1特別図柄演出図柄変動前処理(図50中のステップS502)の手順例を示すフローチャートである。なお、ここでは第1特別図柄に対応する第1演出図柄に関する第1特別図柄演出図柄変動前処理の手順例を挙げているが、第2特別図柄に対応する第2演出図柄に関する第2特別図柄演出図柄変動前処理の手順例についても、制御の対象が第2演出図柄である以外は同様とすることができる。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は第2特別図柄演出図柄変動前処理の先頭アドレスに復帰し、当該処理(図50中のステップS503)を実行する。なお、第2特別図柄演出図柄変動前処理においてもデモ選択処理を実行した場合、当該処理から復帰する際は、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図49中のステップS404)、ランプ駆動処理(図49中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、第1特別図柄について今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、第1特別図柄について非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、第1特別図柄について今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、第1特別図柄について今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、第1特別図柄について大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、第1特別図柄について今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、第1特別図柄について今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。なお、小当り時の組み合わせは、例えば上記のように数字と文字の組み合わせからなる「5」−「4」−「5」のような組み合わせとすることもでき、文字やキャラクター等の演出図柄を組み合わせとすることもできる。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。この処理において、予め用意された複数種類の遊技モードに対して各状態(大当り無抽選状態と大当り抽選可能状態)の振り分け比率を設定することで、現在実質大当り抽選を受けることが可能な状態か否かを演出上で示唆することもできる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は第2特別図柄演出図柄変動前処理の先頭アドレスに復帰し、当該処理(図50中のステップS503)を実行する。なお、第2特別図柄演出図柄変動前処理から復帰する際は、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図50中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び結果表示演出が実行されるとともに(演出画像表示手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。