本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
A1.遊技機の構造:
A2.遊技機の電気的構成:
A3.遊技機による処理の概要:
A4.主制御装置において実行される各種処理:
A5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
A6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.第4実施形態:
E.変形例:
F.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
A.第1実施形態:
A1.遊技機の構造:
図1は、本発明の一実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる大当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図2は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、液晶表示装置を制御する。液晶表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量または遊技球発射ボタン26の操作に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図3は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、中央側第1始動口33(以下、単に第1始動口33とも呼ぶ)、右側第1始動口44(以下、単に第1始動口44とも呼ぶ)、第2始動口34、スルーゲート35a、スルーゲート35b、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
中央側第1始動口33、および、右側第1始動口44は、遊技球が入球可能な入球口である。中央側第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられており、右側第1始動口44は、遊技盤30の正面視右側下方に設けられている。本実施形態では、中央側第1始動口33、または、右側第1始動口44に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、右側第1始動口44には、左右一対の可動片よりなる電動役物44aが設けられている。電動役物44aが閉鎖状態のときには、遊技球は右側第1始動口44に入球することはできない。一方、電動役物44aが開放状態のときには、遊技球は右側第1始動口44に入球することができる。電動役物44aは、スルーゲート35bに遊技球が通過することを契機として実行される抽選に当選した場合に、所定の期間、開放状態となるように構成されている。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側上方に設けられている。より具体的には、第2始動口34は、遊技球の発射強度が最大強度となるように遊技者によって操作ハンドル25が操作された場合、または、遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合に、遊技球発射機構81によって発射された遊技球が入球する位置に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、1個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる非電動役物34aが設けられている。非電動役物34aは、電気的な動力を用いずに、開放状態から閉鎖状態、および、閉鎖状態から開放状態へ動作する。具体的には、遊技球がスルーゲート35aを通過した場合に、閉鎖状態から開放状態に動作し、第2始動口34に遊技球が入球することができる。一方、非電動役物34aが開放状態のときに、第2始動口34に遊技球が1つ入球すると、非電動役物34aは開放状態から閉鎖状態に動作し、第2始動口34に遊技球が入球することはできない。
スルーゲート35a、スルーゲート35bは、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。上述のように、スルーゲート35aは、非電動役物34aと機械的に接続されており、遊技球がスルーゲート35aを通過すると、非電動役物34aは閉鎖状態から開放状態へと動作する。一方、スルーゲート35bは、電動役物44aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具多的には、遊技球がスルーゲート35bを通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物44aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35bは、遊技球の流下方向に対して右側第1始動口44よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35bを通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して右側第1始動口44へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35a、および、スルーゲート35bを遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。上述したように、中央側第1始動口33、右側第1始動口44又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、中央側第1始動口33または右側第1始動口44への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、中央側第1始動口33または右側第1始動口44への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間という。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間といい、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間という。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口(中央側第1始動口33と右側第1始動口44)の保留個数を表示する。本実施形態では、中央側第1始動口33または右側第1始動口44に入球した遊技球は、当該2つの第1始動口の合計として最大4個まで保留される。なお、本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は保留されない構成となっている。すなわち、第2の図柄が変動表示をする条件は、第2の図柄が変動表示していない期間における第2始動口34への遊技球の入球に基づいて成立する一方、第2の図柄が変動表示している期間における第2始動口34への遊技球の入球に基づいては成立しない構成である。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35bの通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、液晶表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
液晶表示装置41は、中央側第1始動口33または右側第1始動口44への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、液晶表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、中央側第1始動口33、右側第1始動口44又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図4は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図4(a)は、液晶表示装置41において変動表示される第1液晶用図柄を示す説明図である。第1液晶用図柄は、液晶表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した図柄である。
図4(a)に示すように、液晶表示装置41には、第1液晶表図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図4(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、第1液晶用図柄の画像が表示される領域である第1液晶用図柄表示領域41bが設定されている。さらに、表示面41aには、液晶表示装置41に表示される画像であって、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である第2液晶用図柄を表示する領域である第2液晶用図柄表示領域41cが設定されている。
第1液晶用図柄表示領域41bには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図4(a)に示した第1液晶用図柄として数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図4(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、中央側第1始動口33又は右側第1始動口44に遊技球が入球すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、第1液晶用図柄表示領域41bにおける第1液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることない。例えば、第1液晶用図柄表示領域41bにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、第1液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
一方、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、第2液晶用図柄が第2液晶用図柄表示領域41cに表示される。本実施形態においては、第2液晶用図柄として、タコやカメやカニなどの海に生息する生物を模したキャラクター画像が第2液晶用図柄表示領域41cに表示される。
なお、第2液晶用図柄表示領域41cにおける第2液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることない。例えば、第2液晶用図柄として、円形、四角形、三角形などの幾何学的な図形や、数字など、第2液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。また、第2液晶用図柄を表示しない態様を採用してもよい。この場合、表示面41aには、第2液晶用図柄表示領域41cは設定しない。
さらに、図4(b)に示すように、液晶表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1が表示される。第1保留表示領域Ds1には、中央側第1始動口33および右側第1始動口44への遊技球の入球に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、中央側第1始動口33および右側第1始動口44に入球した遊技球の保留個数は、当該2つの第1始動口の合計で最大4つである。
また、図4(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、第2液晶用図柄表示領域41c、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
A2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、中央側第1始動口33、右側第1始動口44、第2始動口34、スルーゲート35b、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、中央側第1始動口33、右側第1始動口44、及び第2始動口34へ遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、右側第1始動口44の電動役物44aを開閉動作させる電動役物駆動部44bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物44aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1の図柄や第2の図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1の図柄または第2の図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図6は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、液晶表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。液晶表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに液晶表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、右側第1始動口44の電動役物44aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaが設けられている。本実施形態では、中央側第1始動口33または右側第1始動口44に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が判定処理実行エリア64cに記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶される。そして、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)に遊技球が入球した場合には第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が判定処理実行エリア64cに移動した後、第2始動口34に遊技球が入球した場合には大当たり乱数カウンタC1の値が判定処理実行エリア64cに記憶された後、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶される。そして、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)に遊技球が入球した場合には第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値が判定処理実行エリア64cに移動した後、第2始動口34に遊技球が入球した場合にはリーチ乱数カウンタC3の値が判定処理実行エリア64cに記憶された後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、液晶表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図4(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、液晶表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び液晶表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値及びリーチ乱数カウンタC3の値の一組の組み合わせが、本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値及びリーチ乱数カウンタC3の値の一組の組み合わせを保留情報とも呼ぶ。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35bに遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物44aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物44aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物44aを閉鎖状態に維持する。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、中央側第1始動口33または右側第1始動口44に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図7は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図7(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図7(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図7(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、2個(例えば「7」、「341」)の値が設定されている。そして、0〜599の値のうち、これらの値以外の値が外れである。一方、図7(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、8個(例えば、「7」、「39」、「198」、「253」、「341」、「411」、「497」、「576」)の値が設定されている。そして、0〜599の値のうち、これらの値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
図8は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図8(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図8(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。図8(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として2個の値が設定され、小当たりとなる大当たり乱数C1の値として550個の値が設定されている。そして、0〜599の値のうち、これらの値以外の値が外れである。
ここで、「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、後述する抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
一方、図8(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、8個の値が設定され、小当たりとなる大当たり乱数C1の値として550個の値が設定されている。そして、0〜599の値のうち、これらの値以外の値が外れである。このように、第2始動口用の当否テーブルにおいても、第1始動口用の当否テーブルと同様に、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。さらに、第2始動口用の当否テーブルにおいては、低確率用の当否テーブルおよび高確率用の当否テーブルのいずれにおいても、小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値が550個設定されており、第2始動口に遊技球が入球したことを契機として大当たり抽選が実行された場合には、高い確率で小当たりとなるように設定されている。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。本実施形態では、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は0.2秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が6個となるまで継続するよう設定される。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6秒に1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。本実施形態の低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2秒である。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図9は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図9(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図9(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、中央側第1始動口33または右側第1始動口44への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図9(a)に示すように、第1始動口用の振分テーブルには、中央側第1始動口33または右側第1始動口44への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり及び8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数が16回(16ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる大当たりである。
8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる大当たりである。
8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが低確率モードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜11」が16R確変大当たりに対応し、「12〜19」が8R確変大当たりに対応し、「20〜29」が8R通常大当たりに対応するように設定されている。
図9(b)に示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、2R通常大当たりが設定されている。
2R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数が2回(2ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が低頻度入賞モードであり、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードが低確率モードとなる大当たりである。
第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜29」の全ての値が2R通常大当たりに対応するように設定されている
なお、大当たり抽選の結果が小当たりとなった場合に移行する開閉実行モードは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数が1回(1ラウンド)であり、開閉扉36bの1回の開放は1.8秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が6個となるまで継続するよう設定される。そして、開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードは、変更されることなく、そのままの抽選モードが維持される。
また、大当たり抽選の結果が外れとなった場合には、開閉実行モードに移行することはなく、抽選モードの変更も発生しない。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、中央側第1始動口33または右側第1始動口44への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
A3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図10は、本実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理の一例(例1)を説明するタイムチャートである。図10に示した時刻Tm1から時刻Tm4に示した処理は、第1始動口(本例では、中央側第1始動口33)に遊技球が入球した場合にパチンコ機10が実行する処理を示している。時刻Tm5から時刻Tm12に示した処理は、第1始動口(中央側第1始動口33)に遊技球が入球した後、所定のタイミングで遊技者が遊技球発射ボタン26を操作して、第2始動口34に遊技球が入球した場合にパチンコ機10が実行する処理を示している。
時刻Tm1において遊技者が操作ハンドル25の操作(回動操作)を開始すると、遊技球発射機構81によって遊技球が遊技領域PAに発射される。本例においては、遊技者は、中央側第1始動口33に遊技球を入球させるように操作ハンドル25の回動操作量を調整して操作しているとする。
そして、遊技球発射機構81から発射され遊技領域PAを流下する遊技球が第1始動口に入球すると、時刻Tm2において、第1始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出する。本例においては、中央側第1始動口33に遊技球が入球する。
中央側第1始動口33に遊技球が入球すると、大当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が取得されるとともに、時刻Tm3において、第1図柄表示部37aが第1の図柄の変動表示を開始する。第1図柄表示部37aは、時刻Tm3から時刻Tm4までの間、つまり、変動時間tc1の間、第1の図柄を変動表示させた後、第1の図柄を停止表示する。第1図柄が変動表示をする時間である変動時間tc1(時刻Tm3から時刻Tm4まで)は、第1図柄表示部37aが変動表示を開始する前に取得された変動種別カウンタCSに基づいて予め設定された時間である。なお、今回の第1始動口への遊技球の入球を契機として取得された大当たり乱数カウンタC1に基づいて実行された大当たり抽選の結果は、「外れ」であるとする。
パチンコ機10は、第1図柄表示部37aが第1の図柄の変動表示をしている時刻Tm3から時刻Tm4の間、演出として、外れ用に用意された第1図柄用演出を実行する。具体的には、液晶表示装置41への映像の表示、スピーカー46からの音声出力、および可動役物の駆動等を組み合わせた演出を実行する。そして、外れ用の第1図柄用演出の終了時に、外れに対応した図柄の組み合わせで第1の図柄の停止表示を行う。
次に、時刻Tm5から時刻Tm12に示した処理について説明する。なお、遊技者は、時刻Tm1から継続的に、中央側第1始動口33に遊技球を入球させるように操作ハンドル25の回動操作量を調整して操作しているとする。
遊技者が操作ハンドル25を操作することによって遊技球発射機構81から発射され遊技領域PAを流下する遊技球が中央側第1始動口33に入球すると、時刻Tm5において、第1始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出する。中央側第1始動口33に遊技球が入球すると、大当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が取得されるとともに、時刻Tm6において、第1図柄表示部37aが第1の図柄の変動表示を開始する。なお、本例においても、第1始動口への遊技球の入球を契機として取得された大当たり乱数カウンタC1に基づいて実行された大当たり抽選の結果は、外れであるとする。従って、第1の図柄の変動表示が開始されると同時に、パチンコ機10は、外れ用の第1図柄用演出を開始する。
遊技者は、第1の図柄の変動表示および外れ用の第1図柄用演出が開始されたことを認識するとともに、当該演出に係る遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりである可能性が低いと認識し、実行中の遊技回の短縮を望む。そして、実行中の遊技回を短縮させることを目的として遊技者が時刻Tm7において遊技球発射ボタン26を操作すると、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球発射機構81から遊技領域PAに遊技球が発射される。遊技球発射ボタン26が操作された場合には、発射制御装置80は、遊技球発射機構81における遊技球の発射強度を、第2始動口34に入球する確率が高くなるように調整し、遊技球を遊技領域PAに発射する。また、本実施形態においては、図3において説明したように、遊技球の発射強度が最大強度となるように遊技者によって操作ハンドル25が回動操作された場合、または、遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合に、遊技球発射機構81によって発射された遊技球が入球する遊技領域PA上の位置に、第2始動口34が配置されている。すなわち、遊技球発射ボタン26は、第2の図柄が変動表示する条件の成立を遊技者が意図的に促すことを可能にする。
時刻Tm7において遊技者が遊技球発射ボタン26を操作することによって遊技領域PAに発射された遊技球が第2始動口34に入球すると、時刻Tm8において、第2始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出する。第2始動口34に遊技球が入球すると、大当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が取得されるとともに、時刻Tm9において、第2図柄表示部37bが第2の図柄の変動表示を開始する。
第2図柄表示部37bは、時刻Tm9から時刻Tm10までの間、つまり、変動時間tc4の間、第2の図柄を変動表示させた後、第2の図柄を停止表示する。第2図柄が変動表示をする時間である変動時間tc4(時刻Tm9から時刻Tm10まで)は、第2図柄表示部37bが変動表示を開始する前に取得された変動種別カウンタCSに基づいて予め設定された時間である。なお、今回の第2始動口への入球を契機として取得された大当たり乱数カウンタC1に基づいて実行された大当たり抽選の結果は、「小当たり」であるとする。本実施形態においては、第2始動口34への入球に基づいて実行された大当たり抽選の結果が「小当たり」である場合の第2の図柄の変動時間は、全て1秒に設定されている。すなわち、本実施形態においては、変動時間tc4は1秒である。
第2図柄表示部37bが変動表示を開始してから変動時間tc4の経過後、すなわち、時刻Tm10において、第2図柄表示部37bは、第2の図柄の変動表示を停止する。
このとき、変動表示をしていた第1図柄表示部37aの第1の図柄は、当初設定されていた変動時間tc2が経過していないにも関わらず、第2図柄表示部37bの第2の図柄が停止表示をするタイミング(時刻Tm10)で、変動表示から停止表示に移行する。結果として、第1図柄表示部37aの第1の図柄と、第2図柄表示部37bの第2の図柄は、ほぼ同時に停止表示をする。そして、時刻Tm11において、可変入賞装置が、第2始動口34への入球に基づく大当たり抽選の抽選結果が小当たりであったことを契機として、1回、開放する。なお、今回の場合、可変入賞装置が開放する時間は0.2秒間である。
上記処理を具体的に説明する。第1図柄表示部37aの第1図柄が変動表示をする時間である変動時間tc2は、第1図柄表示部37aが変動表示を開始するよりも前に取得された変動種別カウンタCSに基づいて予め設定されている。従って、通常は、第1図柄表示部37aは、第1の図柄を、中央側第1始動口33への遊技球の入球を契機として変動表示させるとともに、第1の図柄を変動表示させる時間である変動時間として予め設定された変動時間tc2の経過時に、第1の図柄を停止表示させる。
しかし、本実施形態におけるパチンコ機10は、第1の図柄および第2の図柄が変動表示をしている場合であって、第1図柄表示部37aが停止表示させる第1の図柄の組み合わせが大当たり抽選における「外れ」に対応した組み合わせであり、かつ、第2図柄表示部37bが停止表示させる第2の図柄の組み合わせが大当たり抽選における「小当たり」または「大当たり」に対応した組み合わせである場合には、第2の図柄が停止表示するときに第1の図柄も停止表示する。換言すると、第1図柄表示部37aが停止表示させる第1の図柄の組み合わせ、および、第2図柄表示部37bが停止表示させる第2の図柄の組み合わせに基づいて、第1の図柄の変動時間を、予め設定された変動時間(本例では変動時間tc2)より短い時間(本例では変動時間tc3)に短縮する。
本実施形態においては、第1の図柄が変動表示を開始した後に、第2の図柄が変動表示を開始した場合であって、停止表示させる第1の図柄の組み合わせが可変入賞装置36を動作させる図柄の組み合わせではなく、かつ、停止表示させる第2の図柄の組み合わせが可変入賞装置36を動作させる図柄の組み合わせである場合に、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮する。
本実施形態においては、可変入賞装置36を動作させる第1の図柄の組み合わせは、大当たり抽選における「大当たり」に対応する図柄の組み合わせである。また、可変入賞装置36を動作させる第2の図柄の組み合わせは、大当たり抽選における「大当たり」または「小当たり」に対応する図柄の組み合わせである。
図10に示した例では、第1図柄表示部37aは、可変入賞装置36を動作させない図柄の組み合わせである「外れ」に対応した図柄の組み合わせで停止表示させており、かつ、第2図柄表示部37bは、可変入賞装置36を動作させる図柄の組み合わせである「小当たり」に対応した図柄の組み合わせで停止表示させるので、パチンコ機10は、第1の図柄の変動時間を、変動時間tc2から変動時間tc3に短縮し、第2の図柄が停止表示するときに、第1の図柄を停止表示させる。
また、図10に示した例では、遊技者は、第1の図柄が変動表示中に遊技球発射ボタン26を操作することで意図的に第2始動口34に遊技球を入球させ、第2の図柄を変動表示させる。停止表示する第1の図柄が「外れ」であり、かつ、第2の図柄が「大当たり」または「小当たり」である場合には、第2の図柄が停止表示するときに、第1の図柄も停止表示する。換言すれば、遊技球発射ボタン26は、第1の図柄が変動表示中に遊技者が操作することによって、第1の図柄の変動時間を、予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理を遊技者が意図的に促すことを可能にする。第2始動口34への遊技球の入球は、遊技者が操作ハンドル25を回動操作して遊技領域PAに遊技球を発射させることによっても可能であるが、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作することによって容易に可能にする。すなわち、遊技球発射ボタン26は、遊技者が遊技球を発射させる操作を補助する役割を果たしている。
また、パチンコ機10は、第1の図柄が変動表示をしている場合であって、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮する場合に、変動表示している第1の図柄が停止表示することを示唆する「スキップ演出」を実行する。具体的には、第1の図柄が変動表示を開始する時点においては時刻Tm6から時刻Tm12までの変動時間tc2において実行するように設定されていた第1図柄用演出を、時刻Tm9において実行を中断すると同時に、時刻Tm9から、第1の図柄および第2の図柄が停止表示をする時刻Tm10まで、すなわち第2の図柄の変動時間tc4の間で、スキップ演出を実行する。スキップ演出は、第1の図柄の変動表示または第1図柄用演出を省略・割愛する(スキップする)とともに、変動表示している第1の図柄が停止表示することを示唆する演出である。
図11は、スキップ演出を示す説明図である。図11(a)には、スキップ演出の実行時に表示面41aに表示される映像の一例を示した。本実施形態におけるスキップ演出は、女性キャラクターが、第1の図柄の変動表示または第1図柄用演出を省略・割愛する(スキップする)とともに、変動表示している第1の図柄が停止表示することを示唆する演出である。
パチンコ機10は、スキップ演出を実行した後、時刻Tm10において、第1図柄表示部37a、第2図柄表示部37bに、それぞれ、第1の図柄、第2の図柄を停止表示するとともに、表示面41aに、停止表示した第1の図柄および第2の図柄に対応した画像である液晶用図柄を表示する。
図12は、本実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理の一例(例2)を説明するタイムチャートである。本例においては、パチンコ機10が第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮しない例について説明する。
時刻Tm1において遊技者が操作ハンドル25の操作を開始すると、遊技球発射機構81によって遊技球が遊技領域PAに発射される。本例においては、遊技者は、中央側第1始動口33に遊技球を入球させるように操作ハンドル25の回動操作量を調整して操作している。
そして、遊技球発射機構81から発射され遊技領域PAを流下する遊技球が第1始動口に入球すると、時刻Tm2において、第1始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出する。本例においては、中央側第1始動口33に遊技球が入球する。
中央側第1始動口33に遊技球が入球すると、大当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が取得されるとともに、時刻Tm3において、第1図柄表示部37aが第1の図柄の変動表示を開始する。本例においては、第1始動口への遊技球の入球を契機として取得された大当たり乱数カウンタC1に基づいて実行された大当たり抽選の結果は、「大当たり」であるとする。
パチンコ機10は、第1図柄表示部37aが第1の図柄の変動表示を開始すると、演出として、大当たり用に用意された第1図柄用演出を実行する。具体的には、液晶表示装置41への映像の表示、スピーカー46からの音声出力、および可動役物の駆動等を組み合わせた演出を実行する。
第1の図柄の変動表示および第1図柄用演出が開始されたことを認識した遊技者が、時刻Tm4において遊技球発射ボタン26を操作すると、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球発射機構81から遊技領域PAに遊技球が発射される。上述のように、遊技球発射ボタン26が操作された場合には、発射制御装置80は、遊技球発射機構81における遊技球の発射強度を、第2始動口34に遊技球が入球する確率が高くなるように調整し、遊技領域PAに遊技球を発射する。
時刻Tm4において遊技者が遊技球発射ボタン26を操作することによって遊技領域PAに発射された遊技球が第2始動口34に入球すると、時刻Tm5において、第2始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出する。第2始動口34に遊技球が入球すると、大当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が取得されるとともに、時刻Tm6において、第2図柄表示部37bが第2の図柄の変動表示を開始する。
第2図柄表示部37bは、時刻Tm6から時刻Tm7までの間、つまり、変動時間tc2の間、第2の図柄を変動表示させた後、第2の図柄を停止表示する。第2の図柄が変動表示をする時間である変動時間tc2(時刻Tm6から時刻Tm7まで)は、第2図柄表示部37bが変動表示を開始する前に取得された変動種別カウンタCSに基づいて予め設定された時間である。なお、今回の第2始動口への入球を契機として取得された大当たり乱数カウンタC1に基づいて実行された大当たり抽選の結果は、「外れ」であるとする。本実施形態においては、第2始動口34への入球に基づいて実行された大当たり抽選の結果が「外れ」である場合の第2の図柄の変動時間は、全て1秒に設定されている。すなわち、本実施形態においては、変動時間tc2は1秒である。
第2図柄表示部37bが変動表示を開始してから変動時間tc2の経過後、すなわち、時刻Tm7において、第2図柄表示部37bは、第2の図柄の変動表示を停止する。すなわち、第2図柄表示部37bは第2の図柄の停止表示をする。
このとき、図11に示した例(例1)においては、変動表示をしていた第1図柄表示部37aの第1の図柄は、第2図柄表示部37bの第2の図柄が停止表示をするタイミングで、変動表示から停止表示に移行したが、本例(例2)においては、変動表示をしている第1図柄表示部37aは、第2図柄表示部37bの第2の図柄が停止表示をするタイミングにおいても、停止表示に移行せず、変動表示を継続する。すなわち、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮しない。
また、第2図柄表示部37bが変動表示を開始した時刻Tm6から停止表示をする時刻Tm7の間、すなわち変動時間tc2の間、パチンコ機10は、スキップ不能演出を実行する。具体的には、パチンコ機10は、中央側第1始動口33(または右側第1始動口44)に遊技球が入球して第1の図柄が変動表示を開始した後に、第2始動口34に遊技球が入球して第2の図柄が変動表示を開始した場合であって、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理を実行しない場合に、スキップ不能演出を実行する。
図13は、パチンコ機10が実行する演出の一例を示す説明図である。図13(a)は、スキップ不能演出の一例を示している。図13(a)には、スキップ不能演出を表示する表示面41aを示した。本実施形態におけるスキップ不能演出は、女性キャラクターが、第1の図柄の変動表示または第1図柄用演出を省略・割愛する(スキップする)ことができないことを示唆する演出である。換言すれば、スキップ不能演出は、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第1の図柄が停止表示しないことを示唆する演出である。図12に示すように、本実施形態においては、スキップ不能演出は、中央側第1始動口33への入球を契機とする大当たり用の第1図柄用演出の実行中に挿入する形式で(いわゆる、カットイン演出として)実行される。すなわち、表示面41aにおいて、大当たり用の第1図柄用演出の画像に重畳して、スキップ不能演出の画像が表示される。
第2始動口34へ遊技球を入球させたにも関わらず第1の図柄が停止表示しないことを認識した遊技者が、時刻Tm8において、再度、遊技球発射ボタン26を操作することによって遊技領域PAに発射された遊技球が第2始動口34に入球した場合にも、時刻Tm9において、第2始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出し、時刻Tm10から時刻Tm11において、第2の図柄の変動表示およびスキップ不能演出が実行され、変動表示をしている第1図柄表示部37aは、第2図柄表示部37bの第2の図柄が停止表示をするタイミングにおいても、停止表示に移行せず、変動表示を継続する。すなわち、変動時間の短縮処理は実行されない。
その後、時刻Tm12において、遊技者が、再度、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技領域PAに発射された遊技球が第2始動口34に入球した場合、時刻Tm13において、第2始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出する。そして、時刻Tm14から時刻Tm15において、第2の図柄の変動表示が実行されるとともに、大当たり告知演出が実行される。
大当たり告知演出は、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球を契機として実行される大当たり抽選の結果が大当たりである場合であって、第1の図柄の変動時間の残時間が所定時間以下である場合に実行される。
より具体的には、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて実行された大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合において、当該第1始動口への遊技球の入球によって第1の図柄が変動表示を開始した後に、第2始動口34に遊技球が入球して第2の図柄が変動表示を開始した場合であって、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理が実行されない場合には、スキップ不能演出または大当たり告知演出が実行される。スキップ不能演出を実行するか、または、大当たり告知演出を実行するかは、第1の図柄の変動時間の残時間に応じて選択・決定される。本実施形態においては、スキップ不能演出または大当たり告知演出を実行する時点で、第1の図柄の変動時間の残時間が5秒よりも長い場合には、スキップ不能演出を実行し、第1の図柄の変動時間の残時間が5秒以下の場合には、大当たり告知演出を実行する。
大当たり告知演出は、大当たりであることを報知する画像の表示面41aへの表示、パチンコ機10が備える各種ランプ47の点灯、および、スピーカー46からの音声の出力によって、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の結果が「大当たり」であることを遊技者に報知する演出である。
図13(b)は、大当たり告知演出の一例を示す説明図である。図13(b)には、大当たり告知演出を表示する表示面41aを示した。本実施形態における大当たり告知演出は、女性キャラクターが、大当たり抽選の結果が「大当たり」であることを報知する演出である。大当たり演出を実行することによって、遊技者は、第1始動口への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の結果が「大当たり」であることを認識するとともに、第2始動口34へ遊技球を入球させたにも関わらず第1の図柄が停止表示しなかったのは、第1始動口への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の結果が「大当たり」であったからであることを認識する。
大当たり告知演出が実行された後、第1図柄表示部37aには、大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」であることを示す組み合わせの第1の図柄が停止表示される。また、表示面41aの図柄列Z1〜Z3の有効ラインLには、第1図柄表示部37aに停止表示した第1の図柄に対応する組み合わせの液晶用図柄が表示される。
その後、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出から成る特別遊技状態演出が実行されるとともに、時刻Tm17から時刻Tm18において、可変入賞装置が開閉する開閉実行モードに移行する。
以上、本実施形態におけるパチンコ機10による処理の概要を説明した。
A4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
主制御装置60のMPU62は、タイマー割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマー割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマー割込み処理>
図14は、タイマー割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマー割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS101では、各種検出センサーの読み込み処理を実行する。具体的には、主制御装置60に接続されている各種検出センサーの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入球検出情報)を保存する。その後、ステップS102に進む。
ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS103に進む。
ステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS104に進む。
ステップS104では、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップS104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップS104を実行した後、MPU62はタイマー割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマー割込み処理のサブルーチン(図14:S104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図15は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS201では、遊技球が第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)に入球(始動入賞)したか否かを、中央側第1始動口33または右側第1始動口44に対応した検出センサーの検出状態により判定する。ステップS201において、遊技球が第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)に入球したと判定した場合には(S201:YES)、ステップS202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、中央側第1始動口33または右側第1始動口44に遊技球が入球したことを示す信号を遊技ホール側の管理制御装置に対して出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS204に進む。
ステップS204では、第1始動保留個数RaNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS204において、第1始動保留個数RaNが上限値未満でない場合には(S204:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。なお、上述のように、本実施形態では、中央側第1始動口33または右側第1始動口44に入球した遊技球は、当該2つの第1始動口の合計として最大4個まで保留される。
一方、ステップS204において、第1始動保留個数RaNが上限値未満である場合には(S204:YES)、ステップS205に進み、対応する保留エリアの第1始動保留個数RaNに1を加算する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、ステップS103(図14)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS205において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS206を実行した後、ステップS207に進む。
ステップS207では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選(判定処理)の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS207を実行した後、ステップS208に進む。
ステップS208では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図17:ステップS402)において音声発光制御装置90に送信される。
なお、音声発光制御装置90は、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
ステップS201において、遊技球が第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に入球していないと判定した場合には(S201:NO)、ステップS209に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検出センサーの検出状態により判定する。
ステップS209において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S209:YES)、ステップS210に進み、払出制御装置70に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS211に進む。一方、ステップS209において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS211では、第2始動口34に遊技球が入球したことを示す信号を遊技ホール側の管理制御装置に対して出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS212に進む。
ステップS212では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS212において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(ステップS212:NO)、ステップS213に進む。一方、ステップS212において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(ステップS212:YES)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS213では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2変動中フラグがONであるか否を判定する。第2変動中フラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2図柄表示部37bの第2の図柄が変動を開始する際にONにされ、第2の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。
ステップS213において、第2変動中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS213:NO)、ステップS214に進む。一方、ステップS213において、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(ステップS213:YES)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS214では、ステップS103(図14)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに記憶する。ステップS214を実行した後、ステップS215に進む。
ステップS215では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2始動口入球フラグをONにする。第2始動口入球フラグは、第2始動口34に遊技球が入球した際にONにされ、第2始動口34の入球を契機として第2の図柄が変動を開始する際にOFFにされる。ステップS215を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図15:S207)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図16は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS301では、始動口用の入球処理(図15)における第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS302に進み、今回の遊技球の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の遊技球の入球よりも前の遊技球の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の遊技球の入球による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を把握することによって、今回の遊技球の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS302において、今回の遊技球の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S302:YES)、ステップS303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照する。その後、ステップS305に進み、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS302において、今回の遊技球の入球による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S302:NO)、ステップS304に進み、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS305に進み、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S305:YES)、ステップS306に進み、今回の始動口への遊技球の入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。ステップS307を実行した後、ステップS308に進む。
ステップS308では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS308において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S308:YES)、ステップS309に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS308において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S308:NO)、ステップS310に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S305:NO)、ステップS311に進み、今回の始動口への遊技球の入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S313:YES)、ステップS314に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S313:NO)、先判定処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図17は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS401では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS402に進む。
ステップS402では、タイマー割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS402を実行した後、ステップS403に進む。
ステップS403では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS404に進む。
ステップS404では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS405に進む。ステップS405では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、液晶表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS405を実行した後、ステップS406に進む。
ステップS406では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS407に進む。
ステップS407では、右側第1始動口44に設けられた電動役物44aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物44aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS408に進む。
ステップS408では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理は、遊技者によって操作ハンドル25または遊技球発射ボタン26が操作された際に遊技球を遊技領域PAに発射するために実行する処理である。遊技球発射制御処理の詳細は後述する。ステップS408を実行した後、ステップS409に進む。
ステップS409では、今回の通常処理の開始(2巡目以降では、ステップS402のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。
ステップS409において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S409:NO)、ステップS410及びステップS411において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS410において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS411おいて、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。
一方、ステップS409において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S409:YES)、ステップS402に戻り、ステップS402からステップS408までの各処理を実行する。
なお、ステップS402からステップS408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図17:S405)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図18は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS501では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップS501において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S501:YES)、ステップS502以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS501において、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S501:NO)、ステップS502に進む。
ステップS502では、第1変動中フラグがONであるか否かを判定する。第1変動中フラグは、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)への遊技球の入球を契機として第1図柄表示部37aの第1の図柄が変動を開始する際にONにされ、第1の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップS502において、第1変動中フラグがONではないと判定した場合には(S502:NO)、ステップS503に進む。
ステップS503では、第1始動口用の変動開始処理を実行する。第1始動口用の変動開始処理の詳細については後述する。ステップS503を実行した後、ステップS505に進む。
一方、ステップS502において、第1変動中フラグがONであると判定した場合には(S502:YES)、ステップS504に進む。ステップS504では、第1変動停止処理を実行する。第1変動停止処理の詳細については後述する。ステップS504を実行した後、ステップS505に進む。
ステップS505では、第2変動中フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、第2変動中フラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2図柄表示部37bの第2の図柄が変動を開始する際にONにされ、第2の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップS505において、第2変動中フラグがONではないと判定した場合には(S505:NO)、ステップS506に進む。
ステップS506では、第2始動口用の変動開始処理を実行する。第2始動口用の変動開始処理の詳細については後述する。ステップS506を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS505において、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(S505:YES)、ステップS507に進む。
ステップS507では、第2変動停止処理を実行する。第2変動停止処理の詳細については後述する。ステップS507を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<第1始動口用の変動開始処理>
次に、第1始動口用の変動開始処理について説明する。第1始動口用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図18:S503)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図19は、第1始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS601では、第1始動保留個数RaN=0であるか否かを判定する。ステップS601において、第1始動保留個数RaN=0ではないと判定した場合には(S601:NO)、ステップS602に進む。一方、ステップS601において、第1始動保留個数RaN=0であると判定した場合には(S601:YES)、本第1始動口用の変動開始処理を終了する。
ステップS602では、保留情報シフト処理を実行する。保留情報シフト処理では、第1保留エリアRaに記憶された保留情報をシフトさせる。保留情報シフト処理の詳細については後述する。ステップS602を実行した後、ステップS603に進む。
ステップS603では、第1始動口用の判定処理を実行する。第1始動口用の判定処理では、判定処理実行エリア64cに記憶された特別情報に基づいて大当たり抽選を実行する。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、大当たりや小当たりの有無を判定する当否判定、大当たり種別を振り分ける振分判定、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定を行なう。第1始動口用の判定処理の詳細については後述する。ステップS603を実行した後、ステップS604に進む。
ステップS604では、第1始動口用の変動時間の設定処理を実行する。第1始動口用の変動時間の設定処理では、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間を設定する。第1始動口用の変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS604を実行した後、ステップS605に進む。
ステップS605では、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及びステップS604において設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS605を実行した後、ステップS606に進む。
ステップS606では、第1種別コマンドを設定する。第1種別コマンドには、大当たりの有無の情報及び大当たり種別の情報が含まれている。具体的には、第1種別コマンドには、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、または外れの情報が含まれる。
ステップS605及びステップS606において設定された変動用コマンド及び第1種別コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS402によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び第1種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS606を実行後、ステップS607に進む。
ステップS607では、第1図柄表示部37aにおける変動表示を開始させ、その後、ステップS608に進み、第1変動中フラグをONにする。ステップS608を実行した後、ステップS609に進む。
ステップS609では、遊技回数カウンタPCNの値を1減算する。遊技回数カウンタPCNは、高頻度サポートモードが開始された場合に、遊技回数カウンタPCNに値が設定され、遊技回が実行される毎にカウンタ値が1減算される。ステップS609を実行した後、本第1始動口用の変動開始処理を終了する。
<保留情報シフト処理>
次に、保留情報シフト処理について説明する。保留情報シフト処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図19:S602)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図20は、保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップS701では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算する。その後、ステップS702に進む。
ステップS702では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータ(保留情報)を判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動させる。その後、ステップS703に進む。
ステップS703では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS703を実行した後、本保留情報シフト処理を終了する。
<第1始動口用の判定処理>
次に、第1始動口用の判定処理について説明する。第1始動口用の判定処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図19:S603)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図21は、第1始動口用の判定処理を示すフローチャートである。ステップS801では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2当たりフラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」または「小当たり」である場合にONにされ、当該第2始動口34への遊技球の入球による第2の図柄の変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされる。ステップS801において、第2当たりフラグがONではないと判定した場合には(S801:NO)、ステップS802に進む。一方、ステップS801において、第2当たりフラグがONであると判定した場合には(S801:YES)、ステップS816に進む。
ステップS802では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、通常大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してOFFにされる。ステップS802において、高確率モードであると判定した場合には(S802:YES)、ステップS803に進む。
ステップS803では、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図7(b)に示す第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS805に進む。一方、ステップS802において高確率モードではないと判定した場合には(S802:NO)、ステップS804に進む。
ステップS804では、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図7(a)に示す第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS805に進む。
ステップS805では、ステップS803又はステップS804における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS805において、当否判定の結果が大当たりであると判定した場合には(S805:YES)、ステップS806に進む。
ステップS806では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1当たりフラグをONにする。第1当たりフラグは、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」である場合にONされ、当該第1始動口への遊技球の入球による第1の図柄の変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされる。ステップS806を実行した後、ステップS807に進む。
ステップS807では、第1始動口用の振分テーブル(図9(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり種別の数値範囲に含まれているかを判定する。ステップS807を実行した後、ステップS808に進む。
ステップS808では、ステップS807における振分判定の結果(大当たり種別)が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS808において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(S808:YES)、ステップS809に進む。
ステップS809では、ステップS808において振り分けた大当たり種別に対応した確変大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップS809を実行した後、ステップS810に進む。
ステップS810では、確変大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。確変大当たり用の停止図柄設定処理では、確変大当たりとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS808において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS810を実行した後、本第1始動口の判定処理を終了する。
ステップS808において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりではないと判定した場合には(S808:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が通常大当たりである場合には、ステップS811に進む。
ステップS811では、ステップS808において振り分けた大当たり種別に対応した通常大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップS811を実行した後、ステップS812に進む。
ステップS812では、通常大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。通常大当たり用の停止図柄設定処理では、通常大当たりとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS808において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS812を実行した後、本第1始動口の判定処理を終了する。
ステップS805において、ステップS803又はステップS804における当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(S805:NO)、ステップS813に進み、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、リーチが発生するか否かのリーチ判定を行なう。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、参照したリーチ判定用テーブルにおいてリーチ発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。このステップS813の処理は、上記ステップS805における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たりでない場合に実行される。すなわち、ステップS813においては、当否判定の結果が大当たりではない遊技回のうち、リーチが発生する遊技回であるか否かの判定を行う。ステップS813を実行した後、ステップS814に進む。
ステップS814では、ステップS813におけるリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。ステップS814において、リーチ発生であると判定した場合には(S814:YES)、ステップS815に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONにする。ステップS815を実行した後、ステップS816に進む。一方、ステップS814において、リーチ発生ではないと判定した場合には(S814:NO)、ステップS815を実行せずに、ステップS816に進む。
ステップS816では、外れ用の停止図柄設定処理を実行する。外れ用の停止図柄設定処理では、外れとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS816を実行した後、本第1始動口用の判定処理を終了する。
ここで、上述したように、ステップS801において、第2当たりフラグがONであると判定した場合には(S801:YES)、ステップS816に進み、外れ用の停止図柄設定処理を実行することによって、第1図柄表示部37aに外れ用の停止表示をする。すなわち、先に第2始動口34に遊技球が入球し、当該第2始動口34への遊技球の入球による第2の図柄の変動表示が停止する前に、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)に遊技球が入球した場合であって、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」または「小当たり」である場合には、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選は実行しないで、第1図柄表示部37aに外れ用の停止表示をする。また、後述する第1始動口の変動停止処理(図23)により、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」または「小当たり」である場合には、第2図柄表示部37bの第2の図柄が変動表示から停止表示に移行すると同時に、第1図柄表示部37aの第1の図柄が変動表示から停止表示に移行する(図23:S1001、S1007〜S1010)。さらに、上述したように、遊技回制御処理(図18)のステップS501の処理により、開閉実行モードが終了するまでは、第1の図柄および第2の図柄は変動表示を開始しない。
結果として、第2図柄表示部37bに、可変入賞装置36を作動させることとなる図柄の組み合わせが表示された時から可変入賞装置36の作動が終了する時までの間、第1図柄表示部37aは、可変入賞装置36を作動させることとならない図柄で停止し、かつ、そのままの状態で表示を継続することとなる。
<第1始動口用の変動時間の設定処理>
次に、第1始動口用の変動時間の設定処理について説明する。第1始動口用の変動時間の設定処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図19:S604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図22は、第1始動口用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS901では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS902に進む。
ステップS902では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S902:YES)、ステップS903に進む。
ステップS903では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS903を実行した後、ステップS907に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS902において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(S902:NO)、ステップS904に進み、今回の遊技回に係るリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。具体的には、リーチ発生フラグがONであるか否かを判定し、リーチ発生フラグがONであると判定した場合には(S904:YES)、ステップS905に進む。
ステップS905では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS905を実行した後、ステップS907に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS904において、今回の遊技回に係るリーチ判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(S904:NO)、ステップS906に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。ステップS906を実行した後、ステップS907に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、第1始動保留個数RaNの数に依存しない構成としてもよく、第1始動保留個数RaNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<第1変動停止処理>
次に、第1変動停止処理について説明する。第1変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図18:S504)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図23は、第1変動停止処理を示すフローチャートである。ステップS1001では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2当たりフラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」または「小当たり」である場合にONにされ、当該第2始動口34への遊技球の入球による第2の図柄の変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされる。ステップS1001において、第2当たりフラグがONではないと判定した場合には(S1001:NO)、ステップS1002に進む。
ステップS1002では、第1図柄表示部37aの変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第1始動口用の変動時間の設定処理(図22)において設定した第1図柄用の変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS1002において、第1図柄表示部37aの変動時間が終了したと判定した場合には(S1002:YES)、ステップS1003に進む。一方、ステップS1002において、第1図柄表示部37aの変動時間が終了していないと判定した場合には(S1002:NO)、本第1変動停止処理を終了する。
ステップS1003では、第1図柄表示部37aの変動を停止する。すなわち、第1図柄表示部37aの第1の図柄を、変動表示している状態から、停止表示に移行する。停止表示させる図柄(停止図柄)の組み合わせは、第1始動口用の判定処理(図21)のステップS801、ステップS812、または、ステップS816において設定されている。ステップS1003を実行した後、ステップS1004に進む。
ステップS1004では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1変動中フラグをOFFにする。上述のように、第1変動中フラグは、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)への遊技球の入球を契機として第1図柄表示部37aの第1の図柄が変動を開始する際にONにされ、第1の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップS1004を実行した後、ステップS1005に進む。
ステップS1005では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2変動中フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、第2変動中フラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2図柄表示部37bの第2の図柄が変動を開始する際にONにされ、第2の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップS1005において、第2変動中フラグがONではないと判定した場合には(S1005:NO)、ステップS1006に進む。
ステップS1006では、第1当たりフラグをOFFにする。その後、本第1変動停止処理を終了する。
一方、ステップS1005において、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(S1005:YES)、本第1変動停止処理を終了する。
ステップS1001において、第2当たりフラグがONであると判定した場合には(S1001:YES)、ステップS1007に進む。
ステップS1007では、第2図柄表示部37bの変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、後述する第2始動口用の変動時間の設定処理(図26)において設定した第2図柄用の変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS1007において、第2図柄表示部37bの変動時間が終了していないと判定した場合には(S1007:NO)、ステップS1002に進む。一方、ステップS1007において、第2図柄表示部37bの変動時間が終了したと判定した場合には(S1007:YES)、ステップS1008に進む。
ステップS1008では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2当たりフラグをOFFにする。ステップS1008を実行した後、ステップS1009に進む。
ステップS1009では、第1図柄表示部37aの変動を停止する。すなわち、第1図柄表示部37aの第1の図柄を、変動表示している状態から、停止表示に移行する。停止表示させる図柄(停止図柄)の組み合わせは、第1始動口用の判定処理(図21)のステップS801、ステップS812、または、ステップS816において設定されている。ステップS1009を実行した後、ステップS1010に進む。
ステップS1010では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1変動中フラグをOFFにする。その後、本第1変動停止処理を終了する。
<第2始動口用の変動開始処理>
次に、第2始動口用の変動開始処理について説明する。第2始動口用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図18:S506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図24は、第2始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS1101では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2始動口入球フラグがONであるか否かを判定する。ステップS1101において、第2始動口入球フラグがONであると判定した場合には(S1101:YES)、ステップS1102に進む。一方、ステップS1101において、第2始動口入球フラグがONではないと判定した場合には(S1101:NO)、本第2始動口用の変動開始処理を終了する。
ステップS1102では、第2始動口入球フラグをOFFにする。ステップS1102を実行した後、ステップS1103に進む。
ステップS1103では、第2始動口用の判定処理を実行する。第2始動口用の判定処理では、判定処理実行エリア64cに記憶された特別情報に基づいて大当たり抽選を実行する。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、大当たりや小当たりの有無を判定する当否判定、大当たり種別を振り分ける振分判定、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定を行なう。第2始動口用の判定処理の詳細については後述する。ステップS1103を実行した後、ステップS1104に進む。
ステップS1104では、第2始動口用の変動時間の設定処理を実行する。第2始動口用の変動時間の設定処理では、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間を設定する。第2始動口用の変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS1104を実行した後、ステップS1105に進む。
ステップS1105では、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及びステップS1104において設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS1105を実行した後、ステップS1106に進む。
ステップS1106では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりや小当たりの有無の情報及び大当たり種別の情報が含まれている。具体的には、種別コマンドには、2R通常大当たりの情報、小当たりの情報または外れの情報が含まれる。
ステップS1105及びステップS1106において設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS402によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS1106を実行後、ステップS1107に進む。
ステップS1107では、スキップ用コマンドの設定処理を実行する。スキップ用コマンドの設定処理の詳細については後述する。ステップS1107を実行した後、ステップS1108に進む。
ステップS1108では、第2図柄表示部37bにおける変動表示を開始させる。なお、詳細を後述するステップS1103における第2始動口用の判定処理において、リーチ発生と判定された場合にはリーチ発生フラグがONになっているが、その場合には当該リーチ発生フラグをOFFにする。ステップS1108を実行した後、ステップS1109に進む。
ステップS1109では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2変動中フラグをONにする。ステップS1109を実行した後、ステップS1110に進む。
ステップS1110では、遊技回数カウンタPNCのカウンタ値を1減算する。その後、本第2始動口用の変動開始処理を終了する。
<第2始動口用の判定処理>
次に、第2始動口用の判定処理について説明する。第2始動口用の判定処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図24:S1103)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図25は、第2始動口用の判定処理を示すフローチャートである。ステップS1201では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS1201において、第1当たりフラグがONではないと判定した場合には(S1201:NO)、ステップS1202に進む。
ステップS1202では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、通常大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してOFFにされる。ステップS1202において、高確率モードであると判定した場合には(S1202:YES)、ステップS1203に進む。
ステップS1203では、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図8(b)に示す第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS1205に進む。一方、ステップS1202において高確率モードではないと判定した場合には(S1202:NO)、ステップS1204に進む。
ステップS1204では、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図8(a)に示す第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS1205に進む。
ステップS1205では、ステップS1203又はステップS1204における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS1205において、当否判定の結果が大当たりであると判定した場合には(S1205:YES)、ステップS1206に進む。
ステップS1206では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2当たりフラグをONにする。ステップS1206を実行した後、ステップS1207に進む。
ステップS1207では、第2始動口用の振分テーブル(図9(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり種別の数値範囲に含まれているかを判定する。本実施形態では、第2始動口用の振分テーブルには、大当たり種別として、2R通常大当たりが設定されている。ステップS1207を実行した後、ステップS1208に進む。なお、本実施形態では、第2始動口用の振分テーブルには、大当たり種別として2R通常大当たりのみが設定されているので、以下に説明するステップS1208からステップS1210の処理は、本実施形態では実行されない。
ステップS1208では、ステップS1207における振分判定の結果(大当たり種別)が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS1208において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(S1208:YES)、ステップS1209に進む。
ステップS1209では、ステップS1208において振り分けた大当たり種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。なお、上述のように、本実施形態では、第2始動口用の振分テーブルには、大当たり種別として2R通常大当たりのみが設定されているので、本処理は実行されない。ステップS1209を実行した後、ステップS1210に進む。
ステップS1210では、確変大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。確変大当たり用の停止図柄設定処理では、確変大当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS1208において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS1210を実行した後、本第2始動口の判定処理を終了する。
ステップS1208において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりではないと判定した場合には(S1208:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が通常大当たりである場合には、ステップS1211に進む。
ステップS1211では、ステップS1208において振り分けた大当たり種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。本実施形態においては、第2始動口用の振分テーブルには、大当たり種別として2R通常大当たりのみが設定されているので、2R通常大当たりに対応した大当たり種別フラグをONにする。ステップS1211を実行した後、ステップS1212に進む。
ステップS1212では、通常大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。通常大当たり用の停止図柄設定処理では、通常大当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS1208において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS1212を実行した後、本第2始動口の判定処理を終了する。
ステップS1205において、ステップS1203又はステップS1204における当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(S1205:NO)、ステップS1311に進み、当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、小当たりの数値範囲に含まれているかを判定する。ステップS1213において、当否判定の結果が小当たりであると判定した場合には(S1213:YES)、ステップS1214に進む。
ステップS1214では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2当たりフラグをONにする。その後、ステップS1215に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの小当たりフラグをONにする。ステップS1215を実行した後、ステップS1216に進む。
ステップS1216では、小当たり用の停止図柄設定処理を実行する。小当たり用の停止図柄設定処理では、小当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける小当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS1216を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
ステップS1201において第1当たりフラグがONであると判定した場合(S1201:YES)、または、ステップS1213において、当否判定の結果が小当たりではないと判定した場合には(S1213:NO)、外れ用の停止図柄設定処理を実行する。外れ用の停止図柄設定処理とは、外れとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS1217を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
本第2始動口用の判定処理においては、図21において説明した第1始動口用の判定処理(図21:S813〜S815)とは異なり、リーチ乱数カウンタC3を用いてリーチを発生させる処理を実行しない。本実施形態においては、第2始動口34への遊技球の入球に基づく第2の図柄の変動表示は、第1の図柄の変動表示を停止させることを主な目的としている。したがって、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作して意図的に第2始動口34に遊技球を入球させた場合には、できるだけ遊技球発射ボタン26が操作されたタイミングに近いタイミングで第2の図柄が変動表示から停止表示に移行することが望ましい。従って、第2始動口34への遊技球の入球に基づく第2の図柄が変動表示をしている間に行う演出として、比較的長い時間を要するリーチ演出を実行することは望ましくない。よって、本実施形態のパチンコ機10においては、第2始動口34への遊技球の入球に基づく第2の図柄の変動表示の際にリーチ演出を実行しないようにするため、第2始動口用の判定処理において、リーチ乱数カウンタC3によるリーチを発生させる処理を実行しない。
<第2始動口用の変動時間の設定処理>
次に、第2始動口用の変動時間の設定処理について説明する。第2始動口用の変動時間の設定処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図24:S1104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図26は、第2始動口用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS1301では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS1302に進む。
ステップS1302では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている第2始動口用の変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。なお、本実施形態では、第2始動口用の変動時間の設定処理において参照される第2始動口用の変動時間テーブルに設定されている変動時間は、全て1秒である。上述のように、本実施形態においては、第2始動口34への遊技球の入球に基づく第2の図柄の変動表示は、第1の図柄の変動表示を停止させることを主な目的としている。したがって、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作して意図的に第2始動口34に遊技球を入球させた場合には、できるだけ遊技球発射ボタン26が操作されたタイミングに近いタイミングで第2の図柄が変動表示から停止表示に移行することが望ましい。従って、第2始動口34への遊技球の入球に基づく第2の図柄の変動時間が、比較的短時間である1秒になるように第2始動口用の変動時間テーブルを設定している。ステップS1302を実行した後、ステップS1303に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第2始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
<第2変動停止処理>
次に、第2変動停止処理について説明する。第2変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図18:S507)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図27は、第2変動停止処理を示すフローチャートである。ステップS1401では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1当たりフラグがONであるか否かを判定する。第1当たりフラグは、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」である場合にONにされ、当該第1始動口への遊技球の入球による第1の図柄の変動表示が停止し、停止表示になる際にOFFにされる。ステップS1401において、第1当たりフラグがONではないと判定した場合には(S1401:NO)、ステップS1402に進む。
ステップS1402では、第2図柄表示部37bの変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第2始動口用の変動時間の設定処理(図26)において設定した第2図柄用の変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS1402において、第2図柄表示部37bの変動時間が終了したと判定した場合には(S1402:YES)、ステップS1403に進む。一方、ステップS1402において、第2図柄表示部37bの変動時間が終了していないと判定した場合には(S1402:NO)、本第2変動停止処理を終了する。
ステップS1403では、第2図柄表示部37bの変動を停止する。すなわち、第2図柄表示部37bの第2の図柄を、変動表示している状態から、停止表示に移行する。停止表示させる図柄(停止図柄)の組み合わせは、第2始動口用の判定処理(図25)のステップS1210、ステップS1212、ステップS1216、または、ステップS1217において設定されている。ステップS1403を実行した後、ステップS1404に進む。
ステップS1404では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2変動中フラグをOFFにする。上述のように、第2変動中フラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機として第2図柄表示部37bの第2の図柄が変動を開始する際にONにされ、第2の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップS1404を実行した後、ステップS1405に進む。
ステップS1405では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1変動中フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、第1変動中フラグは、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球を契機として第1図柄表示部37aの第1の図柄が変動を開始する際にONにされ、第1の図柄が変動を停止する際にOFFにされるフラグである。ステップS1405において、第1変動中フラグがONではないと判定した場合には(S1405:NO)、ステップS1406に進む。
ステップS1406では、第2当たりフラグをOFFにする。その後、本第2変動停止処理を終了する。
一方、ステップS1405において、第1変動中フラグがONであると判定した場合には(S1405:YES)、本第2変動停止処理を終了する。
ステップS1401において、第1当たりフラグがONであると判定した場合には(S1401:YES)、ステップS1407に進む。
ステップS1407では、第1図柄表示部37aの変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第1始動口用の変動時間の設定処理(図22)において設定した第1図柄用の変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS1407において、第1図柄表示部37aの変動時間が終了していないと判定した場合には(S1407:NO)、ステップS1402に進む。一方、ステップS1407において、第1図柄表示部37aの変動時間が終了したと判定した場合には(S1407:YES)、ステップS1408に進む。
ステップS1408では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第1当たりフラグをOFFにする。ステップS1408を実行した後、ステップS1409に進む。
ステップS1409では、第2図柄表示部37bの変動を停止する。すなわち、第2図柄表示部37bの第1の図柄を、変動表示している状態から、停止表示に移行する。停止表示させる図柄(停止図柄)の組み合わせは、第2始動口用の判定処理(図25)のステップS1210、ステップS1212、ステップS1216、または、ステップS1217において設定されている。ステップS1409を実行した後、ステップS1410に進む。
ステップS1410では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの第2変動中フラグをOFFにする。その後、本第2変動停止処理を終了する。
<スキップ用コマンドの設定処理>
次に、スキップ用コマンドの設定処理について説明する。スキップ用コマンドの設定処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図24:S1107)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図28は、スキップ用コマンドの設定処理を示すフローチャートである。本スキップ用コマンドの設定処理は、上述したスキップ演出(図11(a)参照)、および、スキップ不能演出(図13(a)参照)を実行するか否かの判定をする処理である。
ステップS1501では、第1図柄表示部37aの変動時間の残時間が1秒以上であるか否かの判定を行う。ステップS1501において、第1図柄表示部37aの変動時間の残時間が1秒以上ではないと判定した場合には(S1501:NO)、そのまま、本スキップ用コマンドの設定処理を終了する。図10および図12において説明したように、スキップ演出およびスキップ不能演出は、第2の図柄の変動時間を用いて行う。上述のように、第2の図柄の変動時間は全て1秒に設定されているため、スキップ演出またはスキップ不能演出を実行するためには1秒を要する。従って、第1図柄表示部37aの変動時間の残時間が1秒より少ない場合には、スキップ演出およびスキップ不能演出のいずれも実行しない。第1図柄表示部37aの変動時間の残時間が1秒より少ない場合には、第1の図柄の変動表示のために設定された演出をそのまま実行する。
一方、ステップS1501において、第1図柄表示部37aの変動時間の残時間が1秒以上であると判定した場合には(S1501:YES)、ステップS1502に進み、第1当たりフラグがONであるか否かの判定を行う。ステップS1502において、第1当たりフラグがONであると判定した場合には(S1502:YES)、ステップS1503に進む。
ステップS1503では、第1スキップ不能コマンドを設定する。第1スキップ不能コマンドは、スキップ不能演出を実行することをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図17:ステップS402)によって、音声発光制御装置90に送信される。ステップS1503を実行した後、本スキップ用コマンドの設定処理を終了する。
ステップS1502において、第1当たりフラグがONではないと判定した場合には(S1502:NO)、ステップS1504に進む。ステップS1504では、第2当たりフラグがONであるか否かの判定を行う。ステップS1504において、第2当たりフラグがONであると判定した場合には(S1504:YES)、ステップS1505に進む。
ステップS1505では、スキップ実行コマンドを設定する。スキップ実行コマンドは、スキップ演出を実行することをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図17:ステップS402)によって、音声発光制御装置90に送信される。ステップS1505を実行した後、本スキップ用コマンドの設定処理を終了する。
ステップS1504において、第2当たりフラグがONではないと判定した場合には(S1504:NO)、ステップS1506に進む。ステップS1506では、第2スキップ不能コマンドを設定する。第2スキップ不能コマンドは、スキップ不能演出を実行することをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図17:ステップS402)によって、音声発光制御装置90に送信される。ステップS1506を実行した後、本スキップ用コマンドの設定処理を終了する。
ここで、ステップS1503で設定した第1スキップ不能コマンドと、ステップS1506において設定した第2スキップ不能コマンドの違いについて説明する。
第1スキップ不能コマンドが設定されるのは以下の場合である。中央側第1始動口33(または右側第1始動口44)に遊技球が入球したことを契機として第1の図柄が変動表示を開始した後に、第2始動口34に遊技球が入球したことを契機として第2の図柄が変動表示を開始した場合であって、第1始動口への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」である場合には、第2の図柄の変動表示が停止表示に移行するタイミングで第1の図柄の変動表示は停止表示には移行せず、第1始動口用の変動時間の設定処理(図22)において設定された変動時間の経過時に停止表示をする。この場合に、第1スキップ不能コマンドを設定し、スキップ演出を実行しない。
第2スキップ不能コマンドが設定されるのは以下の場合である。中央側第1始動口33(または右側第1始動口44)に遊技球が入球したことを契機として第1の図柄が変動表示を開始した後に、第2始動口34に遊技球が入球したことを契機として第2の図柄が変動表示を開始した場合であって、第2始動口への入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が「外れ」である場合(「大当たり」でなく、「小当たり」でもない場合)には、当該第2始動口34への遊技球の入球を契機とする第2の図柄の変動表示が停止表示に移行するタイミングで第1の図柄の変動表示は停止表示には移行しない。この場合に、第2スキップ不能コマンドを設定し、スキップ演出を実行しない。但し、この場合、仮に、第1の図柄が変動表示中に、複数回の第2の図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動口への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が「外れ」である場合には第1の図柄の変動表示は停止表示には移行せず、そのタイミングで第2スキップ不能コマンドが設定されスキップ不能演出が実行されるが、その次に実行された第2始動口への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」または「小当たり」である場合には、スキップ実行コマンドが設定され(S1505)、当該第2始動口34への遊技球の入球を契機とする第2の図柄の変動表示が開始されたタイミングでスキップ演出が実行され、当該第2の図柄が停止表示に移行するタイミングでスキップ演出が終了するとともに、第1の図柄の変動表示は停止表示に移行する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図17:S406)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図29は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS1601では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおけるエンディング期間の開始時にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS1601において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S1601:NO)、ステップS1602に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉処理期間の開始時にONにされ、開閉処理期間の終了時にOFFにされる。
ステップS1602において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(S1602:NO)、ステップS1603に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS1603において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S1603:NO)、ステップS1604に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1604において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S1604:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1604において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S1604:YES)、ステップS1605に進み、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、2R通常大当たりフラグ、小当たりフラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S1605:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1605において、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S1605:YES)、ステップS1606に進み、開閉実行モードフラグをONにする。その後、ステップS1607に進む。
ステップS1607では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、オープニング期間の残り時間を示すタイマーカウンタエリアToに「3000」(すなわち、6.0sec)又は「0」(すなわち、0.0sec)をセットする。なお、タイマーカウンタエリアToは、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられており、タイマーカウンタエリアToにセットされた値は、タイマー割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。オープニング時間設定処理の詳細については後述する。ステップS1607を実行した後、ステップS1608に進む。
ステップS1608では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS402において、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定されたオープニング時間の情報が含まれる。音声発光制御装置90は、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容の演出が実行されるように各種機器を制御する。ステップS1608を実行した後、ステップS1609に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1603において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S1603:YES)、ステップS1610に進む。
ステップS1610では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、タイマーカウンタエリアToの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1610において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S1610:YES)、ステップS1611に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS1612に進む。
ステップS1612では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS1612を実行した後、ステップS1613に進む。
ステップS1613では、今回の開閉実行モードのラウンド数を設定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、2R通常大当たりフラグ)や小当たりフラグを確認するとともに、フラグに対応するラウンド数を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。ラウンド数設定処理の詳細については後述する。S1613を実行した後、ステップS1614に進む。
ステップS1614では、開閉処理コマンドを設定する。設定された開閉処理コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS402において、音声発光制御装置90に送信される。この開閉処理コマンドには、今回の開閉処理期間のラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90は、受信した開閉処理コマンドに基づいて、ラウンド数に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS1614を実行した後、ステップS1615に進む。
ステップS1615では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1602において、開閉処理期間フラグがONである判定した場合には(S1602:YES)、ステップS1616に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数の遊技球が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS1616を実行した後、ステップS1617に進む。
ステップS1617では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」ではないと判定した場合には(S1617:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1617:YES)、ステップS1618に進み、開閉処理期間フラグをOFFにする。ステップS1618を実行した後、ステップS1619に進む。
ステップS1619では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS1619を実行した後、ステップS1620に進む。
ステップS1620では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、エンディング期間の残り時間を示すタイマーカウンタエリアTeに「3000」(すなわち、6.0sec)又は「0」(すなわち、0sec)をセットする。なお、タイマーカウンタエリアTeは、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられており、タイマーカウンタエリアTeにセットされた値は、タイマー割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。エンディング時間設定処理については後述する。ステップS1620を実行した後、ステップS1621に進む。
ステップS1621では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS402において、音声発光制御装置90に送信される。このエンディングコマンドには、設定されたエンディング時間の情報が含まれる。音声発光制御装置90は、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉処理期間に対応した演出を終了させるとともに、エンディング時間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容の演出が実行されるように各種機器を制御する。ステップS1621を実行した後、ステップS1622に進む。
ステップS1622では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1601において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S1601:YES)、ステップS1623に進む。
ステップS1623では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S1620)においてエンディング時間として設定されたタイマーカウンタエリアTeの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1623において、エンディング時間として設定されたタイマーカウンタエリアTeの値が「0」であると判定した場合には(S1623:YES)、ステップS1624に進む。
ステップS1624では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS1625に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、ステップS1626に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS1626を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS1623において、エンディング時間として設定されたタイマーカウンタエリアTeの値が「0」ではないと判定した場合には(S1623:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図29:S1607)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図30は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS1701では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、2R通常大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS1701において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S1701:YES)、ステップS1702に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりであるか否かの判定を行う。具体的には、RAM64に記憶されている2R通常大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS1702を実行した後、ステップS1703に進む。
ステップS1703では、タイマーカウンタエリアToに「3000」(すなわち、6.0sec)をセットする。その後、本オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS1701において今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S1701:YES)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が小当たりである場合、または、ステップS1702において今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりであると判定した場合には(S1702:YES)、ステップS1704に進む。
ステップS1704では、タイマーカウンタエリアToに「0」(すなわち、0.0sec)をセットする。すなわち、第2始動口34への遊技球の入球を契機として今回の開閉実行モードへの移行が行われた場合であって、当該入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が2R通常大当たりまたは小当たりである場合には、実質、オープニング演出は行わない。ステップS1704を実行した後、本オープニング時間設定処理を終了する。
<ラウンド数設定処理>
次に、ラウンド数設定処理について説明する。ラウンド数設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図29:S1613)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図31は、ラウンド数設定処理を示すフローチャートである。ステップS1801では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、2R通常大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS1801において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S1801:YES)、ステップS1802に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が16R確変大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている16R確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS1802において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が16R確変大当たりであると判定した場合には(S1802:YES)、ステップS1803に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。その後、本ラウンド数設定処理を終了する。
一方、ステップS1802において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が16R確変大当たりではないと判定した場合には(S1802:NO)、ステップS1804に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が8R確変大当たりまたは8R通常大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている8R確変大当たりフラグまたは8R通常大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS1804において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が8R確変大当たりまたは8R通常大当たりであると判定した場合には(S1804:YES)、ステップS1805に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。その後、本ラウンド数設定処理を終了する。
一方、ステップS1804において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が8R確変大当たりまたは8R通常大当たりではないと判定した場合(S1804:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当りである場合には、ステップS1806に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「2」をセットする。その後、本ラウンド数設定処理を終了する。
ステップS1801において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S1801:YES)、すなわち、第2始動口34への遊技球の入球を契機として今回の開閉実行モードへの移行が行われた場合であって、当該入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合には、ステップS1807に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「1」をセットする。その後、本ラウンド数設定処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図29:1616)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図32は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS1901では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS1901において、大入賞口36aが開放中ではないと判定した場合には(S1901:NO)、ステップS1902に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1902において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1902:YES)、本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1902において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」ではないと判定した場合には(S1902:NO)、ステップS1903に進む。
ステップS1903では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1タイマーカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマーカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖時間の残時間を計測するためのカウンタとして用いられる。なお、この第1タイマーカウンタエリアT1にセットされた値は、タイマー割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS1903において、第1タイマーカウンタエリアT1の値が「0」ではないと判定した場合には(S1903:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1903において、第1タイマーカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S1903:YES)、ステップS1904に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS1905に進む。
ステップS1905では、入球カウンタ設定処理を実行する。入球カウンタ設定処理では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた入球カウンタエリアPCに、大入賞口36aの1回の開放中(1ラウンド中)に遊技球の入球を許可する値をセットする。入球カウンタ設定処理の詳細については後述する。ステップS1905を実行した後、ステップS1906に進む。
ステップS1906では、開放限度時間設定処理を実行する。開放限度時間設定処理では、大入賞口36aの1回の開放時間の限度である開放限度時間を設定する。具体的には、第1タイマーカウンタエリアT1に開放限度時間に対応する値をセットする。この場合、第1タイマーカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放限度時間の残時間を計測するためのカウンタとして用いられる。上述したように、第1タイマーカウンタエリアT1にセットされた値は、タイマー割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。開放限度時間設定処理の詳細については後述する。ステップS1906を実行した後、ステップS1907に進む。
ステップS1907では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図17:ステップS402)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを認識するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを認識するとともに、液晶表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS1901において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS1901:YES)、ステップS1908に進み、第1タイマーカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマーカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放限度時間の残時間を計測するためのカウンタとして用いられる。ステップS1908において、第1タイマーカウンタエリアT1の値が「0」ではないと判定した場合には(S1908:NO)、ステップS1909に進む。
ステップS1909では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検出センサーの検出状態により判定する。ステップS1909において、遊技球の入球が発生していないと判定した場合には(S1909:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1909において、遊技球の入球が発生していると判定した場合には(S1909:YES)、ステップS1910に進み、入球カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS1911に進む。
ステップS1911では、入球カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1911において、入球カウンタエリアPCの値が「0」ではないと判定した場合には(S1911:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1908において第1タイマーカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合(S1908:YES)、又は、ステップS1911において入球カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S1911:YES)、ステップS1912に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS1913に進む。
ステップS1913では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS1914に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1914において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1914:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1914において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」ではないと判定した場合には(S1914:NO)、ステップS1915に進む。
ステップS1915では、閉鎖時間設定処理を実行する。閉鎖時間設定処理は、大入賞口36aの閉鎖時間を設定するための処理であり、具体的には、第1タイマーカウンタエリアT1に閉鎖時間に対応する値をセットする。この場合、第1タイマーカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖時間の残時間を計測するためのカウンタとして用いられる。本実施形態では、第1タイマーカウンタエリアT1に「1000」(2sec)をセットする。ステップS1915を実行した後、ステップS1916に進む。
ステップS1916では、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。なお、閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図17:ステップS402)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを認識するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを認識するとともに、液晶表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<入球カウンタ設定処理>
次に、入球カウンタ設定処理について説明する。入球カウンタ設定処理は、大入賞口開閉処理のサブルーチン(図31:S1905)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図33は、入球カウンタ設定処理を示すフローチャートである。ステップS2001では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、2R通常大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS2001において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S2001:YES)、ステップS2002に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている2R通常大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS2002において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりではないと判定した場合には(S2002:NO)、ステップS2003に進み、入球カウンタエリアPCに「10」をセットする。その後、本入球カウンタ設定処理を終了する。
ステップS2001において今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S2001:NO)、または、ステップS2002において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりであると判定した場合には(S2002:YES)、ステップS2004に進み、入球カウンタエリアPCに「6」をセットする。すなわち、今回の入球カウンタ設定処理が第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された場合であって、当該入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が2R通常大当たり、または、小当たりである場合には、入球カウンタエリアPCに「6」をセットする。その後、本入球カウンタ設定処理を終了する。
<開放限度時間設定処理>
次に、開放限度時間設定処理設定処理について説明する。開放限度時間設定処理は、大入賞口開閉処理のサブルーチン(図32:S1906)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図34は、開放限度時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS2101では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、2R通常大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS2101において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S2101:YES)、ステップS2102に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている2R通常大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS2102において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりではないと判定した場合には(S2102:NO)、ステップS2103に進み、第1タイマーカウンタエリアT1に「15000」(すなわち、30.0sec)をセットする。その後、本開放限度時間設定処理を終了する。
一方、ステップS2101において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S2101:NO)、または、ステップS2102において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりであると判定した場合には(S2102:YES)、ステップS2104に進み、第1タイマーカウンタエリアT1に「100」(0.2sec)をセットする。すなわち、今回の開放限度時間設定処理が第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された場合であって、当該入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が2R通常大当たり、または、小当たりである場合には、第1タイマーカウンタエリアT1に「100」(0.2sec)をセットする。その後、本開放限度時間設定処理を終了する。
<エンディング時間設定処理>
次に、エンディング時間設定処理について説明する。エンディング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図29:S1620)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図35は、エンディング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS2201では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、2R通常大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS2201において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S2201:YES)、ステップS2202に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている2R通常大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS2202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりではないと判定した場合には(S2202:NO)、ステップS2203に進み、タイマーカウンタエリアTeに「3000」(すなわち、6.0sec)をセットする。その後、本エンディング時間設定処理を終了する。
ステップS2201において今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S2201:NO)、または、ステップS2202において今回の開閉実行モードへの移行の契機が2R通常大当たりであると判定した場合には(S2202:YES)、ステップS2204に進み、タイマーカウンタエリアTeに「0」(0.0sec)をセットする。すなわち、今回のエンディング時間設定処理が第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された場合であって、当該入球を契機として実行された大当たり抽選の抽選結果が2R通常大当たり、または、小当たりである場合には、タイマーカウンタエリアTeに「0」(0.0sec)をセットする。その後、エンディング時間設定処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図29:S1626)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図36は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS2301では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当り種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、2R通常大当たりフラグ)のいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS2301において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S2301:YES)、ステップS2302に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグのいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定する。
ステップS2302において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定した場合には(S2302:YES)、ステップS2303に進む。一方、ステップS2302において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(S2302:NO)、ステップS2307に進む。
ステップS2303では、対応する確変大当たりフラグをOFFにする。具体的には、16R確変大当たりフラグ、8R確変フラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。ステップS2303を実行した後、ステップS2304に進む。
ステップS2304では、RAM64に記憶されている高確率モードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードに移行する。ステップS2304を実行した後、ステップS2305に進む。
ステップS2305では、高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。高確率モードコマンドは、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS2305を実行した後、ステップS2306に進む。
ステップS2306では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップS2302において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(S2302:NO)、ステップS2307に進み、対応する通常大当たりフラグをOFFにする。具体的には、8R通常大当たりフラグ、2R通常大当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。ステップS2307を実行した後、ステップS2308に進む。
ステップS2308では、高確率モードフラグをOFFにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが低確率モードに移行する。ステップS2308を実行した後、ステップS2309に進む。
ステップS2309では、低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。低確率モードコマンドは、当否抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS2309を実行した後、ステップS2310に進む。
ステップS2310では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップS2311に進み、遊技回数カウンタPNCにカウンタ値として100を設定する。ステップS2311を実行した後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップS2301において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S2301:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が小当たりである場合には、ステップS2312に進み、小当たりフラグをOFFにする。ステップS2312を実行した後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図17:S407)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図37は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS2401では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、右側第1始動口44の電動役物44aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS2401において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S2401:NO)、ステップS2402に進む。
ステップS2402では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物44aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS2402において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S2402:NO)、ステップS2403に進む。
ステップS2403では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマーカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマー割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS2403において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S2403:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S2403:YES)、ステップS2404に進む。
ステップS2404では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS2404において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S2404:YES)、ステップS2405に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS2404において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S2404:NO)、ステップS2406に進む。
ステップS2406では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS2406において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S2406:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS2406において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S2406:YES)、ステップS2407に進む。
ステップS2407では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS2408に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS2407において開閉実行モードではなく(S2407:NO)、且つ、ステップS2408において高頻度サポートモードである場合には(S2408:YES)、ステップS2409に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマーカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマーカウンタエリアT2は、タイマー割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS2410に進む。
ステップS2410では、ステップS2409の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS2410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S2410:YES)、ステップS2411に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物44aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS2412に進む。一方、ステップS2410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S2410:NO)、ステップS2411の処理を実行することなく、ステップS2412に進む。
ステップS2412では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS2412において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S2412:YES)、ステップS2413に進む。一方、ステップS2412において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S2412:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS2413では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS2413において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S2413:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS2413において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS2414に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS2415に進む。
ステップS2415では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS2415にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図17:ステップS402)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS2407において開閉実行モードであると判定した場合(S2407:YES)、又は、ステップS2408において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S2408:NO)、ステップS2416に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマーカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS2417に進む。
ステップS2417では、ステップS2416の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS2417において、サポート当選でないと判定した場合には(S2417:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS2417において、サポート当選であると判定した場合には(S2417:YES)、ステップS2418に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS2402において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S2402:YES)、ステップS2419に進み、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS2419において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S2419:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS2419において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S2419:YES)、ステップS2420に進む。
ステップS2420では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS2421に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS2401において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S2401:YES)、ステップS2422に進み、電動役物44aを開閉制御するための電役開閉処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉処理>
次に、電役開閉処理について説明する。電役開閉処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図37:S2422)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図38は、電役開閉処理を示すフローチャートである。ステップS2501では、電動役物44aが開放中であるか否かを判定する。電動役物44aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部44bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物44aが開放されていると判定した場合には(S2501:YES)、ステップS2502に進む。
ステップS2502では、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、電動役物44aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS2502において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S2502:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。すなわち、電動役物44aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉処理を終了する。
ステップS2502において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S2502:YES)、ステップS2503に進み、電動役物44aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマーカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物44aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマーカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物44aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマーカウンタエリアT2を電動役物44aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマーカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS2503を実行した後、ステップS2504に進む。
ステップS2504では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS2505に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS2505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S2505:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS2505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S2505:YES)、ステップS2506に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉処理を終了する。
ステップS2501において、電動役物44aが開放中でないと判定した場合には(S2501:NO)、ステップS2507に進み、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、電動役物44aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS2507において、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S2507:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS2507において、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S2507:YES)、ステップS2508に進み、電動役物44aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS2509に進む。
ステップS2509では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S2509:NO)、ステップS2510に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS2510において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S2510:YES)、ステップS2511に進み、第2タイマーカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
一方、ステップS2509において開閉実行モードであると判定した場合(S2509:YES)、又は、ステップS2510において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S2510:NO)、ステップS2512に進み、第2タイマーカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
<遊技球発射制御処理>
次に、遊技球発射制御処理について説明する。遊技球発射制御処理は、通常処理のサブルーチン(図17:S408)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図39は、遊技球発射制御処理を示すフローチャートである。ステップS2601では、タッチセンサー25aがONになっているか否かを判定する。すなわち、遊技者が操作ハンドル25に触っているか否かの判定をする。ステップS2601において、タッチセンサー25aがONであると判定した場合には(S2601:YES)、ステップS2602に進む。一方、ステップS2601において、タッチセンサー25aがONではないと判定した場合には(S2601:NO)、本遊技球発射制御処理を終了する。
ステップS2602では、遊技球発射ボタン26がONであるか否かを判定する。ステップS2602において、遊技球発射ボタン26がONではないと判定した場合には(S2602:NO)、ステップS2603に進む。
ステップS2603では、操作ハンドル25が原点位置であるか否かの判定を行う。すなわち、操作ハンドル25の回動操作量が0であるか否かの判定を行う。ステップS2603において、操作ハンドル25が原点位置であると判定した場合には(S2603:YES)、本遊技球発射制御処理を終了する。ステップS2603において、操作ハンドル25が原点位置ではないと判定した場合には(S2603:NO)、ステップS2604に進む。
ステップS2604では、ウェイトボタン25bがONであるか否かの判定を行う。ステップS2604において、ウェイトボタンがONであると判定した場合には(S2604:YES)、本遊技球発射制御処理を終了する。一方、ステップS2604において、ウェイトボタンがONではないと判定した場合には(S2604:NO)、ステップS2605に進む。
ステップS2605では、操作ハンドル25の変位量(回動操作量)に応じた発射強度で遊技球を発射するように発射制御装置80に制御信号を送信する。発射制御装置80は、主側MPU62から受信した制御信号に応じた発射強度で、遊技球を遊技領域PAに発射する。ステップS2605を実行した後、本遊技球発射制御処理を終了する。
ステップS2602において、遊技球発射ボタン26がONであると判定した場合には(S2602:YES)、ステップS2606に進む。ステップS2606では、右打ち用の発射強度で遊技球を発射するように発射制御装置80に制御信号を送信する。本実施形態においては、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球を発射するように発射制御装置80に制御信号を送信する。発射制御装置80は、主側MPU62から受信した制御信号に応じた発射強度で、遊技球を遊技領域PAに発射する。その後、本遊技球発射制御処理を終了する。
A5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図40は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
A6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマー割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマー割込み処理について説明する。
図41は、音光側MPU92において実行されるタイマー割込み処理を示すフローチャートである。タイマー割込み処理は、比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行される。以下、タイマー割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2701では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS2701を実行した後、ステップS2702に進む。
ステップS2702では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS2702を実行した後、ステップS2703に進む。
ステップS2703では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS2702のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS2703を実行した後、ステップS2704に進む。
ステップS2704では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS2702のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS2704を実行した後、本タイマー割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマー割込み処理のサブルーチン(図41:S2702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図42は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2801では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2801において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(S2801:YES)、ステップS2402に進み、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理では、受信した保留コマンドに基づいて、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数及び先判定処理の判定結果を把握するとともに、液晶表示装置41の表示面41aに表示された第1保留表示領域Ds1の表示態様を制御するためのコマンドを表示側MPU102に送信する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS2802を実行した後、ステップS2803に進む。一方、ステップS2801において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S2801:NO)、ステップS2802を実行せずに、ステップS2803に進む。
ステップS2803では、主側MPU62から第1変動用コマンドおよび第1種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2803において、主側MPU62から第1変動用コマンドおよび第1種別コマンドを受信していると判定した場合には(S2803:YES)、ステップS2804に進み、第1始動口用コマンド対応処理を実行する。第1始動口用コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS2804を実行した後、ステップS2805に進む。一方、ステップS2803において、主側MPU62から第1変動用コマンドおよび第1種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S2803:NO)、ステップS2804を実行せずに、ステップS2805に進む。
ステップS2805では、主側MPU62から第2変動用コマンドおよび第2種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2805において、主側MPU62から第2変動用コマンドおよび第2種別コマンドを受信していると判定した場合には(S2805:YES)、ステップS2806に進み、第2始動口用コマンド対応処理を実行する。第2始動口用コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS2806を実行した後、ステップS2807に進む。一方、ステップS2805において、主側MPU62から第2変動用コマンドおよび第2種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S2805:NO)、ステップS2806を実行せずに、ステップS2807に進む。
ステップS2807では、主側MPU62からスキップ実行コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2807において、主側MPU62からスキップ実行コマンドを受信していると判定した場合には(S2807:YES)、ステップS2808に進み、スキップ実行コマンド対応処理を実行する。スキップ実行コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS2808を実行した後、ステップS2809に進む。一方、ステップS2807において、主側MPU62からスキップ実行コマンドを受信していないと判定した場合には(S2807:NO)、ステップS2808を実行せずに、ステップS2809に進む。
ステップS2809では、主側MPU62から第1スキップ不能コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2809において、主側MPU62から第1スキップ不能コマンドを受信していると判定した場合には(S2809:YES)、ステップS2810に進み、第1スキップ不能コマンド対応処理を実行する。第1スキップ不能コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS2810を実行した後、ステップS2811に進む。一方、ステップS2809において、主側MPU62から第1スキップ不能コマンドを受信していないと判定した場合には(S2809:NO)、ステップS2809を実行せずに、ステップS2811に進む。
ステップS2811では、主側MPU62から第2スキップ不能コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2811において、主側MPU62から第2スキップ不能コマンドを受信していると判定した場合には(S2811:YES)、ステップS2812に進み、第2スキップ不能コマンド対応処理を実行する。第2スキップ不能コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS2812を実行した後、ステップS2813に進む。一方、ステップS2811において、主側MPU62から第2スキップ不能コマンドを受信していないと判定した場合には(S2811:NO)、ステップS2812を実行せずに、ステップS2813に進む。
ステップS2813では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2813において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S2813:YES)、ステップS2814に進み、オープニング演出設定処理を実行する。オープニング演出設定処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種別やオープニング時間等を特定し、その大当たりの種別やオープニング時間に対応したオープニング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたコマンドを表示側MPU102に送信する。ステップS2814を実行した後、ステップS2815に進む。一方、ステップS2813において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S2813:NO)、ステップS2814を実行せずに、ステップS2815に進む。
ステップS2815では、主側MPU62から開閉処理コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2815において、主側MPU62から開閉処理コマンドを受信していると判定した場合には(S2815:YES)、ステップS2816に進み、ラウンド演出設定処理を実行する。ラウンド演出設定処理では、開閉処理コマンドに含まれているラウンド数の情報や大当たり種別の情報に基づいて、開閉処理期間において実行する演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたコマンドを表示側MPU102に送信する。ステップS2816を実行した後、ステップS2817に進む。一方、ステップS2815において、主側MPU62から開閉処理コマンドを受信していないと判定した場合には(S2815:NO)、ステップS2816を実行せずに、ステップS2817に進む。
ステップS2817では、主側MPU62からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2817おいて、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S2817:YES)、ステップS2818に進み、エンディング演出設定処理を実行する。エンディング演出設定処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれているエンディング時間に関する情報に基づいて、エンディング期間におけるエンディング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたコマンドを表示側MPU102に送信する。ステップS2818を実行した後、ステップS2819に進む。一方、ステップS2817おいて、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S2817:NO)、ステップS2818を実行せずに、ステップS2819に進む。
ステップS2819では、その他の設定処理を実行する。その他の設定処理では、例えば、高確率モードコマンド、低確率モードコマンド、開放コマンド及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示側MPU102に送信する。ステップS2819を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図42:S2802)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図43は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、保留コマンド対応処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、保留コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2901では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。以下では、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼ぶ。ステップS2901を実行した後、ステップS2902に進む。
ステップS2901の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップS2902では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、保留コマンドに含まれる第1保留個数の情報と先判定処理の判定結果とに基づいて、液晶表示装置41の表示面41aに表示された第1保留表示領域Ds1の表示態様を制御するためのコマンドを表示側MPU102に送信する。ステップS2902を実行した後、保留コマンド対応処理を終了する。
<第1始動口用コマンド対応処理>
次に、第1始動口用コマンド対応処理について説明する。第1始動口用コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図42:S2804)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図44は、第1始動口用コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、第1始動口用コマンド対応処理は、第1変動用コマンド及び第1種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、第1始動口(中央側第1始動口33または右側第1始動口44)への遊技球の入球を契機として実行される第1の図柄の変動表示時に実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、第1始動口用コマンド対応処理の具体的な処理について説明する。
ステップS3001では、今回受信した第1変動用コマンドおよび第1種別コマンドを読み出し、当該2つのコマンドから、大当たりの有無、大当たり種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS3002に進む。
ステップS3002では、演出種別の設定処理を実行する。演出種別の設定処理では、ステップS3001において読み出した情報に基づいて、遊技回における予告演出およびリーチ演出の内容を設定する。ステップS3002を実行した後、ステップS3003に進む。
ステップS3003では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、8R通常大当たりである場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れである場合には、第1変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップS3003を実行した後、ステップS3004に進む。
ステップS3004では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している第1変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS3003において特定した液晶用図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップS3004を実行した後、ステップS3005に進む。
ステップS3005では、今回の遊技回において設定された演出種別、液晶用図柄、変動表示パターンの情報を第1始動口用遊技回演出コマンドに設定する。その後、ステップS3006に進み、当該第1始動口用遊技回演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した第1始動口用遊技回演出コマンドに対応した演出内容を液晶表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS3006を実行した後、ステップS3007に進む。
ステップS3007では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定し、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであると判定した場合には、音光側RAM94の第1保留個数カウンタエリアに記憶されている第1保留個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップS3007を実行した後、本第1始動口用コマンド対応処理を終了する。
<第2始動口用コマンド対応処理>
次に、第2始動口用コマンド対応処理について説明する。第2始動口用コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図42:S2806)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図45は、第2始動口用コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、第2始動口用コマンド対応処理は、第2変動用コマンド及び第2種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行される第2の図柄の変動表示時に実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、第2始動口用コマンド対応処理の具体的な処理について説明する。
ステップS3101では、今回受信した第2変動用コマンドおよび第2種別コマンドを読み出し、当該2つのコマンドから、大当たりの有無、大当たり種別、小当たりの有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS3102に進む。
ステップS3102では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、2R通常大当たりである場合には、第2液晶用図柄表示領域41cに、2R通常大当たりに対応した液晶用図柄(キャラクター)に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、小当たりまたは外れである場合には、第2液晶用図柄表示領域41cに、小当たりまたは外れに対応した液晶用図柄(キャラクター)に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップS3102を実行した後、ステップS3103に進む。
ステップS3103では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している第2変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS3102において特定した液晶用図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップS3103を実行した後、ステップS3104に進む。
ステップS3104では、今回の遊技回において設定された演出種別、液晶用図柄、変動表示パターンの情報を第2始動口用遊技回演出コマンドに設定する。その後、ステップS3105に進み、当該第2始動口用遊技回演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した第2始動口用遊技回演出コマンドに対応した演出内容を液晶表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS3105を実行した後、本第2始動口用コマンド対応処理を終了する。
<スキップ実行コマンド対応処理>
次に、スキップ実行コマンド対応処理について説明する。スキップ実行コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図42:S2808)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図46は、スキップ実行コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS3201では、スキップ演出を設定する。具体的には、図11(a)において説明したスキップ演出を、実行する演出として設定する。ステップS3201を実行した後、ステップS3202に進む。
ステップS3202では、スキップ演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信したスキップ演出コマンドに対応した演出内容を液晶表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS3202を実行した後、本スキップ実行コマンド対応処理を終了する。
<第1スキップ不能コマンド対応処理>
次に、第1スキップ不能コマンド対応処理について説明する。第1スキップ不能コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図42:S2810)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図47は、第1スキップ不能コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS3301では、変動表示中の第1の図柄の変動時間の残時間情報の読み出しを行う。図12を用いた具体例としては、第2の図柄の変動表示が開始される時刻Tm6から第1の図柄の変動表示が終了する時刻Tm16までの期間に相当する時間情報を読み出す。実際の処理としは、第1の図柄の変動時間である変動時間tc1をカウントするタイマーカウンタの残時間情報を読み出す。ステップS3301を実行した後、ステップS3302に進む。
ステップS3302では、第1の図柄の変動時間の残時間が5秒以上であるか否かの判定をする。ステップS3302において、第1の図柄の変動時間の残時間が5秒以上であると判定した場合には(S3302:YES)、ステップS3303に進む。
ステップS3303では、大当たり時スキップ不能演出を、実行する演出として設定する。本実施形態においては、図13(a)において説明した演出を、実行する演出として設定する。その後、ステップS3304に進み、大当たり時スキップ不能演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した大当たり時スキップ不能演出コマンドに対応した演出内容を液晶表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS3303を実行した後、本第1スキップ不能コマンド対応処理を終了する。
ステップS3302において、第1の図柄の変動時間の残時間が5秒以上ではないと判定した場合には(S3302:NO)、ステップS3305に進む。
ステップS3305では、大当たり告知演出を、実行する演出として設定する。本実施形態においては、図13(b)において説明した演出を、実行する演出として設定する。その後、ステップS3306に進み、大当たり告知演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した大当たり告知演出コマンドに対応した演出内容を液晶表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS3306を実行した後、本第1スキップ不能コマンド対応処理を終了する。
<第2スキップ不能コマンド対応処理>
次に、第2スキップ不能コマンド対応処理について説明する。第2スキップ不能コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図42:S2812)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図48は、第2スキップ不能コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS3401では、外れ時スキップ不能演出を、実行する演出として設定する。本実施形態においては、図13(a)において説明した演出を、実行する演出として設定する。すなわち、ステップS3304(図47)において設定した大当たり時スキップ演出と、ステップS3401で設定する外れ時スキップ不能演出とは同じ演出である。大当たり時と外れ時とで同じスキップ不能演出を実行することで、遊技者に期待感と緊迫感とを付与することができる。ステップS3401を実行した後、ステップS3402に進む。
ステップS3402では、外れ時スキップ不能演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した外れ時スキップ不能演出コマンドに対応した演出内容を液晶表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS3402を実行した後、本第2スキップ不能コマンド対応処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図49は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS3501では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS3502に進む。
ステップS3502では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図50は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS3601では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図51は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、液晶表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS3701では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図50)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が液晶表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が液晶表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S3701)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を液晶表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS3702では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S3701)などによって設定された液晶表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、液晶表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS3703に進む。
ステップS3703では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S3702)によって特定された、液晶表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS3704に進む。
ステップS3704では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S3703)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を液晶表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを液晶表示装置41へ送信する。その後、ステップS3705に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10は、第1の図柄の変動時間を、予め設定された変動時間より短い時間に短縮するので、所定の遊技回において予め設定された変動時間が長い場合に、遊技者が所定の遊技回において遊技に対する集中力が途切れ退屈することを抑制することができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、第1の図柄の変動時間を、予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理の実行を、遊技球発射ボタン26の操作または操作ハンドル25を回動操作して第2始動口34に遊技球を入球させることによって、遊技者が意図的に促すことを可能とするので、遊技者が所望のタイミングで第1の図柄の変動時間を短出する処理の実行を促すことができる。例えば、遊技者が、第1の図柄の変動表示中に実行されている演出を認識した際に、大当たりが期待できないと感じ、第1の図柄の変動表示を早く終了させたい場合に、意図的に第1の図柄の変動時間を短縮させる処理の実行を促し、第1の図柄の変動表示を早く終了させることができる。その結果、遊技者が各遊技回において集中力が途切れ退屈することを抑制することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、遊技球発射ボタン26を備えるので、第1の図柄の変動時間を、予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理の実行を促すために遊技者が行うべき操作を容易にすることができる。
さらに、本実施形態では、第2始動口34は、遊技球の発射強度が最大強度となるように遊技者によって操作ハンドル25が回動操作された場合に、遊技球が入球する位置に配置されているので、遊技者は、操作ハンドル25の容易な操作によって第2始動口34に遊技球を入球させることができる。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25の容易な回動操作によって意図的に第2始動口34に遊技球を入球させることができ、その結果、第1の図柄の変動時間を、予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理の実行を、遊技者が意図的に促すことができる。
さらに、本実施形態では、第1の図柄および第2の図柄が変動表示をしている場合に、停止表示させる第1の図柄の組み合わせ、および、停止表示させる第2の図柄の組み合わせに基づいて、第1の図柄の変動時間を、予め設定された変動時間より短い時間に短縮するか否かを判定する。従って、例えば、第1の図柄が変動中に遊技者が遊技球発射ボタン26を操作して第2始動口34に遊技球を入球させた場合に、第2の図柄の停止表示とともに第1の図柄が停止表示するか否かを認識することによって、遊技者は停止表示する第1の図柄の組み合わせを予測することができる。よって、遊技者に対して、従来とは異なる期待感や遊技性を付与することができる。
さらに、本実施形態では、図8に示すように、第2始動口用の当否テーブルは、低確率用の当否テーブルおよび高確率用の当否テーブルのいずれにおいても、大当たりまたは小当たりとなる確率が、外れとなる確率より高い。すなわち、第1の図柄が変動表示を開始した後に第2の図柄が変動表示を開始した場合において、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理を実行する組み合わせで第2の図柄が停止表示する確率は、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理が実行されない組み合わせで第2の図柄が停止表示する確率よりも高い。よって、高い確率で第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理を実行することができる。
さらに、本実施形態では、第2の図柄が変動表示している期間に第2始動口34への遊技球の入球があった場合に、遊技球の入球を保留するいわゆる保留機能を有さない。従って、第2の図柄の変動表示を開始させるタイミングを遊技者が制御しやすい。その結果、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理を実行させるタイミングを遊技者が制御しやすい構成にすることができる。
さらに、本実施形態では、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行される大当たり抽選において「小当たり」である場合の第2の図柄の変動時間は全て1秒であるとともに、第2図柄の変動時間の期待値は、第1の図柄の変動時間の期待値より短くなるように設定されている。従って、第1の図柄が変動表示を開始した後に第2の図柄が変動表示を開始した場合であっても、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理を実行することができる。
さらに、本実施形態では、第2始動口34は、遊技球の流下する方向に対して、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)より上流に配置されている。従って、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)には遊技球が入球するが第2始動口34には遊技球が入球しない状態にすることが可能であり、遊技者が意図せず第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮する処理が実行されることを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第1の図柄の変動時間が予め設定された変動時間より短い時間に短縮される場合に、変動表示している第1の図柄が停止表示することを示唆する停止表示演出としてスキップ演出を実行するので、遊技者は、第1の図柄の変動時間が予め設定された変動時間より短い時間に短縮されることを認識することができる。
さらに、本実施形態では、第1の図柄が変動表示を開始した後に、第2の図柄が変動表示を開始した場合であって、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮しない場合には、スキップ不能演出を実行するので、遊技者に対して、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮しないことを認識させることができる。
さらに、本実施形態では、第1の図柄が変動表示を開始した後に、第2の図柄が変動表示を開始した場合であって、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮しない場合に、第1の図柄の変動時間の残時間に応じて実行する演出を選択する。具体的には、ステップS3302で説明したように、第1の図柄の変動時間の残時間が5秒以上である場合には大当たり時スキップ不能演出を実行し、第1の図柄の変動時間の残時間が5秒未満である場合には大当たり告知演出を実行するので、第1の図柄が停止表示するタイミングに応じた演出を実行することができ、遊技に抑揚を付与することができ、遊技者に、期待感や緊迫感を与えることができる。
B.第2実施形態:
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態と第1実施形態との相違点は、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1の図柄を変動表示させている場合に第2の図柄の変動表示を開始するにも関わらず、第2の図柄を変動表示させている場合に第1の図柄の変動表示を開始しない点である。その他の点については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同じである。
図52は、第2実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理の一例を説明するタイムチャートである。本例においては、中央側第1始動口33に遊技球が入球するよりも前に、第2始動口34に遊技球が入球した場合について説明する。
時刻Tm1において遊技者が操作ハンドル25の操作を開始すると、遊技球発射機構81によって遊技球が遊技領域PAに発射される。本例においては、遊技者は、中央側第1始動口33に遊技球を入球させるように操作ハンドル25の回動操作量を調整して操作している。
その後、操作ハンドル25の操作による遊技球の発射による中央側第1始動口33への遊技球の入球よりも前に、時刻Tm2において、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作する。遊技者におる遊技球発射ボタン26の操作によって、遊技球が第2始動口34に入球し、時刻Tm3において第2始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出する。その後、中央側第1始動口33に遊技球が入球し、時刻Tm4において、第1始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出する。
第2始動口34への遊技球の入球により、第2図柄表示部37bは、時刻Tm5から時刻Tm6までの間、つまり、変動時間tc1の間、第2の図柄を変動表示させた後、第2の図柄を停止表示する。なお、今回の第2始動口への遊技球の入球を契機として取得された大当たり乱数カウンタC1に基づいて実行された大当たり抽選の結果は、「小当たり」であるとする。
このとき、時刻Tm4において、中央側第1始動口33への遊技球の入球によって第1始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出しているにも関わらず、第2の図柄が変動表示をしている変動時間tc1の間は、第1図柄表示部37aは第1の図柄の変動表示を開始せず、第2の図柄が停止表示した後の時刻Tm7から、変動表示を開始する。なお、本例においては、第1始動口への遊技球の入球を契機として取得された大当たり乱数カウンタC1に基づいて実行された大当たり抽選の結果は、「外れ」であるとする。従って、第1の図柄の変動表示が開始されると同時に、パチンコ機10は、外れ用の第1図柄用演出を開始する。
第1の図柄の変動表示および外れ用の第1図柄用演出が開始されたことを認識した遊技者が、時刻Tm8において遊技球発射ボタン26を操作すると、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球発射機構81から遊技領域PAに遊技球が発射される。時刻Tm8において遊技者が遊技球発射ボタン26を操作することによって遊技領域PAに発射された遊技球が第2始動口34に入球すると、時刻Tm9において、第2始動口用の検出センサーが遊技球の入球を検出する。第2始動口34に遊技球が入球すると、大当たり乱数カウンタC1、種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が取得されるとともに、時刻Tm10において、第2図柄表示部37bが第2の図柄の変動表示を開始する。
第2図柄表示部37bは、時刻Tm10から時刻Tm11までの間、つまり、変動時間tc4(本実施形態においては1秒)の間、第2の図柄を変動表示させた後、第2の図柄を停止表示する。
このとき、上記第1実施形態と同様に、変動表示をしていた第1図柄表示部37aの第1の図柄は、当初設定されていた変動時間tc2が経過していないにも関わらず、第2図柄表示部37bの第2の図柄が停止表示をするタイミング(時刻Tm11)で、第1の図柄を変動表示から停止表示に移行する。結果として、第1図柄表示部37aの第1の図柄と、第2図柄表示部37bの第2の図柄は、ほぼ同時に停止表示をする。そして、時刻Tm12において、可変入賞装置が、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の抽選結果が小当たりであったことを契機として、1回、開放する。
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10が実行する具体的な処理の詳細について説明する。なお、具体的な処理において、第1実施形態との相違点は、第1始動口用の変動開始処理(図19)における処理の内容であり、他の具体的な処理については第1実施形態と同じである。従って、本説明においては、第1始動口用の変動開始処理について説明をし、他の具体的な処理の説明は省略する。
図53は、第2実施形態における第1始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。第1始動口用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図18:S503)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
第2実施形態における第1始動口用の変動開始処理と、第1実施形態における第1始動口用の変動開始処理との違いは、第2実施形態における第1始動口用の変動開始処理においては、ステップS3802において第2変動中フラグがONであるか否かを判定している点である。その他の処理内容については、第1実施形態における第1始動口用の変動開始処理の処理内容と同じである。
第2実施形態における第1始動口用の変動開始処理では、ステップS3802において第2変動中フラグがONであるか否かを判定し、第2変動中フラグがONではないと判定した場合には(S3802:NO)ステップS3803に進み、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(S3802:YES)、本第1始動口用の変動開始処理を終了する。すなわち、第2変動中フラグがONであると判定した場合には、第1の図柄を変動開始させるための処理(ステップS3803〜ステップS3810)を実行しないで第1始動口用の変動開始処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1始動口用の変動開始処理のステップS3802において第2変動中フラグがONであるか否かを判定することによって、第1の図柄を変動表示させている場合に第2の図柄の変動表示を開始するにも関わらず、第2の図柄を変動表示させている場合に第1の図柄の変動表示を開始しない処理を実現している。
以上説明したように、本実施形態では、第1の図柄を変動表示させている場合に第2の図柄の変動表示を開始するにも関わらず、第2の図柄を変動表示させている場合に第1の図柄の変動表示を開始しないので、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球したにも関わらず、第1始動口への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われないといった事象を回避することができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。以下具体的に説明する。
第1実施形態および本実施形態においては、第1始動口用の判定処理(図21)のステップS801の処理からわかるように、第2始動口34への遊技球の入球後に第1始動口へ遊技球が入球した場合、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行される大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」または「小当たり」である場合には、第2当たりフラグがONであるため(S801:YES)、ステップS816に進み、外れ用の停止図柄設定処理が実行される。よって、第1始動口へ遊技球が入球したにも関わらず、第1始動口への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選は実行されない。
すなわち、第1実施形態においては、第2の図柄が変動表示をしている場合に第1の図柄が変動表示を開始した場合、第2の図柄が変動表示を開始する契機となった第2始動口34への入球に基づく大当たり抽選の抽選結果が「大当たり」または「小当たり」である場合には、第2の図柄の変動表示中に第1の図柄が変動表示を開始しても、当該第1の図柄が変動表示を開始する契機となった第1始動口への入球に基づく大当たり抽選は実行されない。
一方、本実施形態においては、第2の図柄を変動表示させている場合に第1の図柄の変動表示を開始しないので、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球したにも関わらず、第1始動口への入球を契機とした大当たり抽選が行われないといった事象を回避することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
C.第3実施形態:
次に、第3実施形態について説明する。上記第2実施形態においては、第1の図柄を変動表示させている場合に第2の図柄の変動表示を開始するにも関わらず、第2の図柄を変動表示させている場合に第1の図柄の変動表示を開始しない処理を実現したが、第3実施形態においては、第2の図柄を変動表示させている場合であって、第2図柄表示部37bが停止表示させる第2の図柄の組み合わせが、大当たり抽選における「大当たり」または「小当たり」に対応する組み合わせである場合のみ、第1の図柄の変動表示を開始しない処理を実現する。このようにすることで、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球したにも関わらず、第1始動口への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われないといった事象を回避するといった第2実施形態と同様の効果を奏するとともに、第2実施形態と比較して、高い頻度で、第1の図柄の変動表示を開始することができる。
以下、第3実施形態におけるパチンコ機10が実行する具体的な処理の詳細について説明する。なお、具体的な処理において、第2実施形態との相違点は、第1始動口用の変動開始処理(図53)における処理の内容であり、他の具体的な処理については第1実施形態および第2実施形態と同じである。従って、本説明においては、第1始動口用の変動開始処理について説明をし、他の具体的な処理の説明は省略する。
図54は、第3実施形態における第1始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。第1始動口用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図18:S503)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
第3実施形態における第1始動口用の変動開始処理と、第2実施形態における第1始動口用の変動開始処理との違いは、第3実施形態における第1始動口用の変動開始処理においては、ステップS3903において第2当たりフラグがONであるか否かを判定している点である。その他の処理内容については、第2実施形態における第1始動口用の変動開始処理の処理内容と同じである。
第3実施形態においては、ステップS3902において、第2実施形態と同様に、第2変動中フラグがONであるか否かを判定する。そして、第2変動中フラグがONではないと判定した場合には(S3902:NO)、ステップS3904に進む。
ステップS3902において、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(S3902:YES)、ステップS3903に進み、第2当たりフラグがONであるか否かを判定する。そして、第2当たりフラグがONではないと判定した場合には(S3903:NO)、ステップS3904に進む。
一方、ステップS3903において、第2当たりフラグがONであると判定した場合には(S3903:YES)、そのまま本第1始動口用の変動開始処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1始動口用の変動開始処理のステップS3902において第2変動フラグがONであるか否かを判定するとともに、第1始動口用の変動開始処理のステップS3903において第2当たりフラグがONであるか否かを判定することによって、第2の図柄を変動表示させている場合であって、第2図柄表示部37bが停止表示させる第2の図柄の組み合わせが、大当たり抽選における「大当たり」または「小当たり」に対応する組み合わせである場合のみ、第1の図柄の変動表示を開始しない処理を実現する。
以上説明したように、本実施形態においては、第2の図柄を変動表示させている場合であって、第2図柄表示部37bが停止表示させる第2の図柄の組み合わせが、大当たり抽選における「大当たり」または「小当たり」に対応する組み合わせである場合のみ、第1の図柄の変動表示を開始しないので、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球したにも関わらず、第1始動口への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われないといった事象を回避するといった第2実施形態と同様の効果を奏するとともに、第2実施形態と比較して、高い頻度で、第1の図柄の変動表示を開始することができる。
D.第4実施形態:
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態におけるパチンコ機10は、異常や不正を検出する構成を備える。具体的には、遊技者によって操作ハンドル25の回動操作量が最大となるように操作された場合、または、遊技球発射ボタン26が操作された場合に、遊技球発射機構81から発射された遊技球が正常に第2始動口34に入球したか否かを判定する。
本実施形態においては、非電動役物34aが開放状態であることを条件として、遊技者によって操作ハンドル25の回動操作量が最大となるように操作された場合、または、遊技球発射ボタン26が操作された場合に、遊技球発射機構81から発射された遊技球が2秒以内に第2始動口34に入球したか否かを判定する。
そして、遊技者によって操作ハンドル25の回動操作量が最大となるように操作された場合、または、遊技球発射ボタン26が操作された場合に、遊技球発射機構81から発射された遊技球が2秒以内に第2始動口34に入球なかった事象が5回連続して発生したときには、異常が発生したと判定する。
また、第2始動口34に遊技球が入球したにも関わらず、非電動役物34aが閉鎖状態に移行しない場合にも異常が発生したと判定する。
このような判定をすることによって、遊技球発射機構81から非電動役物34aまでの遊技球が通過する進路上に異物が存在し正常に遊技球が流通しないといった異常や、遊技者によって操作ハンドル25の回動操作量が最大となるように操作された、または、遊技球発射ボタン26が操作されたにも関わらず、発射制御装置80が正常に発射強度を制御していないといった異常や、第2始動口34に遊技球が入球したにも関わらず非電動役物34aが閉鎖状態に移行せず遊技者が不正に有利な状態となるといった異常や、遊技者によるなんらかの操作によって非電動役物34aの閉鎖が妨げられているといった不正行為等を検出することができる。
以下、上記の異常や不正を検出する具体的な処理の詳細を説明する。なお、本説明においては、第1実施形態と相違する処理についてのみ説明をし、第1実施形態と同じである処理については説明を省略する。
図55は、第4実施形態におけるパチンコ機10が実行する通常処理(主制御)を示すフローチャートである。本実施形態における通常処理と、第1実施形態における通常処理(図17)との相違点は、サブルーチンとして実行される遊技球発射制御処理(S4008)の処理内容と、新たに、異常検出処理が追加されたことである。通常処理におけるその他の処理内容については、第1実施形態と同じである。ステップS4009の異常検出処理は、上述したように、パチンコ機10における異常や不正を検出するための処理である。
図56は、第4実施形態における遊技球発射制御処理を示すフローチャートである。遊技球発射制御処理は、通常処理のサブルーチン(図55:S4008)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態における遊技球発射制御処理と、第1実施形態における遊技球発射制御処理との相違点は、本実施形態においては、ステップS4106の処理と、ステップS4108の処理とが新たに追加されたことである。以下、本実施形態における遊技球発射制御処理について、処理の最初から順に説明する。
ステップS4101において、タッチセンサー25aがONであると判定した場合には(S4101:YES)、ステップS4102に進む。一方、ステップS4101において、タッチセンサー25aがONではないと判定した場合には(S4101:NO)、本遊技球発射制御処理を終了する。
ステップS4102では、遊技球発射ボタン26がONであるか否かを判定する。ステップS4102において、遊技球発射ボタン26がONではないと判定した場合には(S4102:NO)、ステップS4103に進む。
ステップS4103では、操作ハンドル25が原点位置であるか否かの判定を行う。すなわち、操作ハンドル25の回動操作量が0であるか否かの判定を行う。ステップS4103において、操作ハンドル25が原点位置であると判定した場合には(S4103:YES)、本遊技球発射制御処理を終了する。ステップS4103において、操作ハンドル25が原点位置ではないと判定した場合には(S4103:NO)、ステップS4104に進む。
ステップS4104では、ウェイトボタン25bがONであるか否かの判定を行う。ステップS4104において、ウェイトボタンがONであると判定した場合には(S4104:YES)、本遊技球発射制御処理を終了する。一方、ステップS4104において、ウェイトボタンがONではないと判定した場合には(S4104:NO)、ステップS4105に進む。
ステップS4105では、操作ハンドル25の変位量(回動操作量)に応じた発射強度で遊技球を発射するように発射制御装置80に制御信号を送信する。発射制御装置80は、主側MPU62から受信した制御信号に応じた発射強度で、遊技球を遊技領域PAに発射する。ステップS4105を実行した後、ステップS4106に進む。
ステップS4106では、操作ハンドル25の回動操作量が最大であるか否かを判定する。ステップS4106において、操作ハンドル25の回動操作量が最大ではないと判定した場合には(S4106:NO)、本遊技球発射制御処理を終了する。ステップS4106において、操作ハンドル25の回動操作量が最大であると判定した場合には(S4106:YES)、ステップS4108に進む。
一方、4102において、遊技球発射ボタン26がONであると判定した場合には(S4102:YES)、ステップS4107に進む。ステップS4107では、右打ち用の発射強度で遊技球を発射するように発射制御装置80に制御信号を送信する。本実施形態においては、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球を発射するように発射制御装置80に制御信号を送信する。発射制御装置80は、主側MPU62から受信した制御信号に応じた発射強度で、遊技球を遊技領域PAに発射する。その後、本遊技球発射制御処理を終了する。ステップS4107を実行した後、ステップS4108に進む。
ステップS4108では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの最大発射強度フラグをONにする。最大発射強度フラグは、遊技球を最大発射強度で発射するように制御信号が送信された場合にONにされるフラグである。ステップS4108を実行した後、本遊技球発射制御処理を終了する。
次に、異常検出処理(主制御)について説明する。
図57は、異常検出処理を示すフローチャートである。異常検出処理は、通常処理のサブルーチン(図55:S4009)として主制御装置60のMPU62によって実行される。また、上述のように、異常検出処理は、第4実施形態において新たに追加された処理である。
ステップS4201では、パチンコ機10の管理者によって、異常検出をリセットするリセット操作が行われたか否かを判定する。具体的には、異常検出をリセットするリセットボタンが管理者によって操作されたか否かを判定する。ステップS4201において、リセット操作が行われていないと判定した場合には(S4201:NO)、ステップS4202に進む。
ステップS4202では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの異常検出開始フラグがONであるか否かを判定する。異常検出開始フラグは、遊技球発射機構81から最大発射強度で遊技球が発射された場合にONにされるフラグであり、遊技球発射機構81から発射された遊技球が第2始動口34に所定時間以内に入球するか否かを判定するために用いられる。ステップS4202において、異常検出開始フラグがONではないと判定した場合には(S4202:NO)、ステップS4203に進む。
ステップS4203では、非電動役物34aが開放状態であるか否かの判定を行う。具体的には、非電動役物34aに設けられている開放閉鎖検出センサーによって、非電動役物34aの開放状態または閉鎖状態を検出する。ステップS4203において、非電動役物34aが開放状態ではないと判定した場合には(S4203:NO)、本異常検出処理を終了する。一方、ステップS4203において、非電動役物34aが開放状態であると判定した場合には(S4203:YES)、ステップS4204に進む。
ステップS4204では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの最大発射強度フラグがONであるか否かを判定する。ステップS4204において、最大発射強度フラグがONではないと判定した場合には(S4204:NO)、本異常検出処理を終了する。一方、ステップS4204において、最大発射強度フラグがONであると判定した場合には(S4204:YES)、ステップS4205に進む。
ステップS4205では、遊技球発射機構81から遊技球が発射されたか否かを検出する。パチンコ機10には、遊技球発射機構81へ遊技球を供給するための発射レールが設けられている。また、発射レール上には、遊技球を検出するための発射球検出センサーが設けられている。発射球検出センサーは、発光部と受光部とを有する光学式のセンサーからなり、発射直前の遊技球を遊技球発射機構81に保持する保持部材により遊技球が保持されている状況では発射球検出信号としてHIレベルの信号を出力し、保持部材により遊技球が保持されていない状況では発射球検出信号としてLOWレベルの信号を出力する。したがって、発射球検出センサーによって、発射レール上に遊技球が供給されたこと、及びその供給された遊技球が発射されたことを特定することが可能となる。なお、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。また、発射球検出センサーは、光学式のセンサーに限定されることはなく、他の検出方式のセンサーであってもよい。ステップS4205において、遊技球発射機構81からの遊技球の発射を検出した場合には(S4205:YES)、ステップS4206に進む。
ステップS4206では、異常検出時間設定処理を実行する。具体的にはタイマーカウンタTdに1000(2.0sec)を設定する。異常検出時間設定処理は、遊技球が最大発射強度で遊技球発射機構81から発射されて第2始動口34に入球するまでの所要時間の閾値(Td)を定める処理である。後述の処理において、所要時間が当該閾値以上であった場合には、後述する検出カウンタCdの値を1加算する。本実施形態においては、当該閾値(Td)として2秒を設定する。すなわち、遊技球が最大発射強度で遊技球発射機構81から発射されて第2始動口34に入球するまでの所要時間が2秒以上である場合には検出カウンタCdの値を1増加させる。ステップS4206を実行した後、ステップS4207に進む。
ステップS4207では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの異常検出開始フラグをONにする。ステップS4207を実行した後、本異常検出処理を終了する。
ステップS4202において、異常検出開始フラグがONであると判定した場合には(S4202:YES)、ステップS4208に進む。ステップS4208では、タイマーカウンタTdが0であるか否かを判定する。ステップS4208において、タイマーカウンタTdが0ではないと判定した場合には(S4208:NO)、ステップS4209に進む。
ステップS4209では、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検出センサーの検出状態により判定する。ステップS4209において、第2始動口34に遊技球が入球していないと判定した場合には(S4209:NO)、本異常検出処理を終了する。ステップS4209において、第2始動口34に遊技球が入球したと判定した場合には(S4209:YES)、ステップS4210に進む。
ステップS4210では、検出カウンタCdの値を0にリセットする。検出カウンタCdは、遊技球が最大発射強度で遊技球発射機構81から発射されて第2始動口34に入球するまでの所要時間が2秒以上である場合に値を1増加させるカウンタである。遊技球が最大発射強度で遊技球発射機構81から発射されて第2始動口34に入球するまでの所要時間が2秒未満であった場合、検出カウンタCdの値は0にリセットされる。ステップS4210を実行した後、ステップS4211に進む。
ステップS4211では、非電動役物34aが閉鎖状態であるか否かを判定する。ステップS4211において、非電動役物34aが閉鎖状態であると判定した場合には(S4211:YES)、ステップS4212に進む。
ステップS4212では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの異常検出開始フラグおよび最大強度発射フラグをOFFにする。ステップS4212を実行した後、本異常検出処理を終了する。
ステップS4208において、タイマーカウンタTdが0であると判定した場合には(S4208:YES)、ステップS4213に進む。ステップS4213では、検出カウンタCdの値を1加算する。その後、ステップS4214に進む。
ステップS4214では、検出カウンタCdの値が5であるか否かの判定を行う。ステップS4214において、検出カウンタCdの値が5ではないと判定した場合には(S4214:NO)、本異常検出処理を終了する。
ステップS4211において、非電動役物34aが閉鎖状態ではないと判定した場合(S4211:NO)、または、ステップS4214において、検出カウンタCdが5であると判定した場合には(S4214:YES)、ステップS4215に進む。すなわち、第2始動口34に遊技球が入球したにも関わらず非電動役物34aが閉鎖しない場合、または、遊技球が最大発射強度で遊技球発射機構81から発射されて第2始動口34に入球するまでの所要時間が2秒以上であった場合が、連続で5回発生した場合には、ステップS4215に進む。
ステップS4215では、異常発生コマンドを設定する。異常発生コマンドは、異常が発生したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図17:ステップS402)によって、音声発光制御装置90に送信される。ステップS4215を実行した後、ステップS4212に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの異常検出開始フラグおよび最大強度発射フラグをOFFにする。ステップS4212を実行した後、本異常検出処理を終了する。
ステップS4201において、リセット操作が行われたと判定した場合には(S4201:YES)、ステップS4216に進む。ステップS4216では、検出カウンタCdの値を0にリセットする。その後、本異常検出処理を終了する。
次に、コマンド対応処理(音声発光制御)について説明する。コマンド対応処理は、タイマー割込み処理のサブルーチン(図41:S2702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図58は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。第4実施形態におけるコマンド対応処理と、第1実施形態におけるコマンド対応処理との相違点は、第4実施形態におけるコマンド対応処理に異常発生コマンドに関する処理であるステップS4319と、ステップS4320が追加された点である。コマンド対応処理における他の処理は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
ステップS4319では、主側MPU62から常発生コマンドを受信したか否かの判定を行う。ステップS4319において、異常発生コマンドを受信したと判定した場合には(S4319:YES)、ステップS4320に進む。
ステップS4320では、異常発生コマンド対応処理を実行する。具体的には、各種ランプ47、スピーカー46、および、液晶表示装置41を作動させることによって、パチンコ機10に異常が発生したことを報知する。ステップS4320を実行した後、ステップS4321に進み、その他の設定処理を実行する。その後、本コマンド対応処理を終了する。
一方、ステップS4319において、異常発生コマンドを受信していないと判定した場合には(S4319:NO)、ステップS4320を実行せずに、ステップS4321に進む。第4実施形態においては、このようにしてコマンド対応処理を実行する。
以上説明したように、第4実施形態におけるパチンコ機10は、遊技者によって操作ハンドル25の回動操作量が最大となるように操作された場合、または、遊技球発射ボタン26が操作された場合に、遊技球発射機構81から発射された遊技球が2秒以内に第2始動口34に入球なかった事象が5回連続して発生したときには、異常が発生したと判定する。
また、第2始動口34に遊技球が入球したにも関わらず、非電動役物34aが閉鎖状態に移行しない場合にも異常が発生したと判定する。
このような判定をすることによって、遊技球発射機構81から非電動役物34aまでの遊技球が通過する進路上に異物が存在し正常に遊技球が流通しないといった異常や、遊技者によって操作ハンドル25の回動操作量が最大となるように操作された、または、遊技球発射ボタン26が操作されたにも関わらず、発射制御装置80が正常に発射強度を制御していないといった異常や、第2始動口34に遊技球が入球したにも関わらず非電動役物34aが閉鎖状態に移行せず遊技者が不正に有利な状態となるといった異常や、遊技者によるなんらかの操作によって非電動役物34aの閉鎖が妨げられているといった不正行為等を検出することができる。
なお、本実施形態においては、遊技者によって操作ハンドル25の回動操作量が最大となるように操作された場合、または、遊技球発射ボタン26が操作された場合に、遊技球発射機構81から発射された遊技球が2秒以内に第2始動口34に入球なかった事象が5回連続して発生したときには、異常が発生したと判定するとしたが、遊技球発射機構81から発射された遊技球が2秒以内に第2始動口34に入球なかった事象が1回発生した場合に、異常が発生したと判定してもよい。この場合、早期に不正や異常を検出することができる。また、異常発生と判定する閾値としての、遊技球発射機構81から発射された遊技球が2秒以内に第2始動口34に入球なかった事象の継続回数は、5回や1回に限定されることなく、任意の数に設定することができる。
タイマーカウンタTdの値についても、本実施形態においては2秒としたが、他の値を設定してもよい。例えば、パチンコ機10の正常な状態において、遊技球が最大発射強度で遊技球発射機構81から発射されて第2始動口34に入球するまでの所要時間として取りうる最大値を基準として、タイマーカウンタTdを設定することができる。
E.変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1:
上記実施形態において、第1の図柄が変動表示している期間に第2始動口34へ遊技球を入球させると、第1の図柄の変動時間が短縮されて第1の図柄が停止表示する可能性があることを案内する案内演出を実行してもよい。例えば、当該案内演出を、遊技が実行されていない期間に行われる演出であるデモ動画として実行してもよいし、第1の図柄の変動表示中に実行する遊技回演出として実行してもよい。このような案内演出を実行することによって、第1の図柄が変動表示している期間に第2始動口34へ遊技球を入球させると、第1の図柄の変動時間が短縮されて第1の図柄が停止表示する可能性があることを遊技者に認識させることができるとともに、パチンコ機10の特徴を早期に遊技者に認識させることができる。
E2.変形例2:
上記実施形態では、図9(b)において説明したように、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別は、2R通常大当たりのみを設定したが、16R確変大当たり、8R確変大当たり等、他の大当たり種別を設定してもよいし、これら複数種類の大当たり種別を設定してもよい。さらに、第1実施形態においては、当該2R通常大当たりにおける可変入賞装置36の開閉実行モードは低頻度入賞モードであったが、高頻度入賞モードに設定してもよいし、複数種類の大当たり種別を設定し、各大当たり種別に対して、高頻度入賞モードまたは低頻度入賞モードとを組み合わせ、各大当たり種別について、遊技者に対する有利の度合いに差をつけてもよい。
E3.変形例3:
上記第1実施形態において、図4(b)に示したように、第1液晶用図柄表示領域41bは第2液晶用図柄表示領域41cよりも相対的に大きく表示したが、これらの領域の大きさが変化する構成を採用してもよい。例えば、第1の図柄と第2の図柄とが同時に変動表示している場合に、第1液晶用図柄表示領域41bまたは第2液晶用図柄表示領域41cの少なくとも一方の大きさを、各領域に表示される液晶用図柄が示す大当たり抽選の抽選結果に基づいて決定してもよい。すなわち、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)および第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された大当たり乱数カウンタC1に基づいて決定してもよい。
より具体的には、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて取得された大当たり乱数カウンタC1に基づく大当たり抽選の抽選結果が、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された大当たり乱数カウンタC1に基づく大当たり抽選の抽選結果よりも遊技者にとって有利である場合には、第1液晶用図柄表示領域41bを第2液晶用図柄表示領域41cより大きく表示し、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された大当たり乱数カウンタC1に基づく大当たり抽選の抽選結果が、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて取得された大当たり乱数カウンタC1に基づく大当たり抽選の抽選結果よりも遊技者にとって有利である場合には、第2液晶用図柄表示領域41cを第1液晶用図柄表示領域41bより大きく表示してもよい。
このようにすることで、表示面41aに表示された第1液晶用図柄および第2液晶用図柄を認識した遊技者に対して、各図柄に対応する大当たり抽選の結果や遊技者に対する有利の度合いについて推測させ、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
また、遊技者に対して有利である方の大当たり抽選に対応した液晶用図柄表示領域を、他方の液晶用図柄表示領域より大きく表示するので、遊技者に対して、有利である方の大当たり抽選に対応した液晶用図柄に注目させることができ、期待感を付与することができる。結果として、遊技の興趣向上を図ることができる。
E4.変形例4:
上記第1実施形態においては、第1始動口用の判定処理(図21)のステップS801に示すように、第2当たりフラグがONである場合には(S801:YES)、ステップS816に進み、第1の図柄の停止図柄を設定する処理として、外れ用の停止図柄設定処理が実行される。すなわち、先に第2始動口34に遊技球が入球し、その後に第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球した場合であって、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が大当たり、または、小当たりである場合には、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球したことを契機とした大当たり抽選の当否判定は実行されずに、外れ用の停止図柄設定処理が実行される。
そこで、本変形例として、先に第2始動口34に遊技球が入球し、その後に第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球した場合であって、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合のみ、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球したことを契機とした大当たり抽選の当否判定は実行されない構成とする。すなわち、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合には、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球したことを契機とした大当たり抽選の当否判定が実行される構成とする。以下、変形例4における第1始動口用の判定処理について説明する。
図59は、変形例4における第1始動口用の判定処理を示すフローチャートである。本変形例における第1始動口用の判定処理と、第1実施形態における第1始動口用の判定処理との相違点は、本変形例の第1始動口用の判定処理には、ステップS801aが追加されている点である。変形例4における第1始動口用の判定処理では、ステップS801において第2当たりフラグがONであると判定した場合であって(S801:YES)、小当たりフラグがONである場合には(S801a:YES)、ステップS802以降の処理が実行される。
上記第1実施形態において説明したように、第2当たりフラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が大当たり、または、小当たりである場合にONになるフラグである。小当たりフラグは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合にONになるフラグである。
よって、本変形例における第1始動口用の判定処理においては、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合には、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球したことを契機とした大当たり抽選の当否判定が実行される構成とすることができる。
本変形例における第1始動口用の判定処理を採用した場合、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)に遊技球が入球したことを契機とした大当たり抽選の抽選結果が大当たりであって、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合には、遊技状態移行処理(図29)のステップS1605において、開閉実行モードへの移行の有無の判定において、いずれの抽選結果を契機として開閉実行モードに移行するかを決定する処理が必要になる。従って、例えば、先に図柄の変動が終了する方の始動口への入球に基づいた大当たり抽選の抽選結果を契機として開閉実行モードへ移行することを決定してもよい。そして同時に、開閉実行モードの移行の契機とならなかった方の大当たり抽選の抽選結果に基づく大当たりフラグ、または、小当たりフラグをOFFにする。このようにすることで、本変形例における第1始動口用の判定処理を実現することができる。
E5.変形例5:
上記第1実施形態の第1始動口用の変動時間の設定処理(図22)においては、第1の図柄の変動時間を決定するに当たり、ステップS902およびステップS904を実行することによって、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果に基づいて決定したが、さらに、第2始動口34への入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果に基づいて第1の図柄の変動時間を決定してもよい。
具体的には、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かの判定処理、および、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果が小当たりであるか否かの判定処理を、第1始動口用の変動時間の設定処理に加え、第1始動口(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)への入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果と第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選の抽選結果との組み合わせ毎に、変動時間テーブルを設定することによって、本変形例を実現することができる。
E6.変形例6:
上記第1実施形態においては、スキップ用コマンドの設定処理(図28)を、主制御装置60の主側MPU62において実行したが、音声発光制御装置90の音光側MPU92において実行してもよい。この場合、ステップS1501、ステップS1502、ステップS1504における判定処理において必要な情報を、音光側MPU92が、主制御装置60から取得して各判定処理に用いればよい。このような構成によれば、スキップ用コマンドの設定処理に相当する処理を音声発光制御装置90の音光側MPU92において実行することができる。
E7.変形例7:
上記実施形態においては、第1変動停止処理は図23に示す処理態様、第2変動停止処理は図27に示す処理態様としたが、これら2つの処理態様として他の処理態様を採用してもよい。
図60は、変形例7における第1変動停止処理を示すフローチャートである。また、図61は、変形例7における第2変動停止処理を示すフローチャートである。
本変形例における第1変動停止処理と第1実施形態における第1変動停止処理との相違点は、本変形例においては、ステップS1011として第2図柄表示部の変動を停止する処理と、ステップS1012として第2変動中フラグをOFFにする処理とが追加されている点である。
また、本変形例における第2変動停止処理と第1実施形態における第2変動停止処理との相違点は、本変形例においては、ステップS1411として第1図柄表示部の変動を停止する処理と、ステップS1412として第1変動中フラグをOFFにする処理とが追加されている点である。
このような処理態様を採用すると、第1の図柄と第2の図柄とを同時に停止させる処理を実行する場合に、第1の図柄を停止させる処理と、第2の図柄を停止させる処理とを同じスレッド内における一連の処理として実行するため、第1の図柄と第2の図柄とを、より精度良く同時に停止させることが可能となる。
E8.変形例8:
上記第1実施形態においては、遊技回制御処理は図18に示す処理態様としたが、遊技回制御処理として他の処理態様を採用してもよい。
図62は、変形例8における遊技回制御処理を示すフローチャートである。変形例8における遊技回制御処理では、第1実施形態の遊技回制御処理において実行していた第1変動停止処理(図18:S504)のサブルーチンと第2変動停止処理(図18:S507)のサブルーチンとの2つのサブルーチンからなる処理に対応する機能を、図62に示すように、ステップS508における変動停止処理として1つのサブルーチンで実行する。このようにすることで、処理の簡易化を実現することができる。
図63は、本変形例における遊技回制御処理のサブルーチンである変動停止処理(図62:S508)を示すフローチャートである。変動停止処理は、主制御装置60のMPU62によって実行される。
ステップS4401では、第1変動中フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第1の図柄が変動表示中であるか否かを判定する。ステップS4401において、第1変動中フラグがONであると判定した場合には(S4401:YES)、ステップS4402に進む。
ステップS4402では、第1図柄表示部37aが表示する第1の図柄の変動時間が終了したか否かを判定する。ステップS4402において、第1図柄表示部37aが表示する第1の図柄の変動時間が終了したと判定した場合には(S4402:YES)、ステップS4403に進み、第1図柄表示部37aが表示する第1の図柄の変動を停止する。その後、ステップS4404に進む。
ステップS4404では、第1変動中フラグをOFFにする。その後、ステップS4405に進み、第1当たりフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第1の図柄の変動表示に対応する大当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS4405において、第1当たりフラグがONであると判定した場合には(S4406:YES)、ステップS4406に進む。
ステップS4406では、第1当たりフラグをOFFにする。その後、ステップS4407に進む。
ステップS4407では、第2変動中フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第2の図柄が変動表示中であるか否かを判定する。ステップS4407において、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(S4407:YES)、ステップS4408に進む。一方、ステップS4407において、第2変動中フラグがONではないと判定した場合には(S4407:NO)、本変動停止処理を終了する。
ステップS4408では、第2図柄表示部37bが表示する第2の図柄の変動を停止する。その後、ステップS4409に進み、第2変動中フラグをOFFにする。ステップS4409を実行した後、本変動停止処理を終了する。
一方、ステップS4401において、第1変動中フラグがONではないと判定した場合(S4401:NO)、ステップS4402において、第1図柄表示部37aにおける第1の図柄の変動表示時間が終了していないと判定した場合(S4402:NO)、又は、ステップS4405において、第1当たりフラグがONではないと判定した場合には(S4405:NO)、ステップS4410に進む。
ステップS4410では、第2変動中フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第2の図柄が変動表示中であるか否かを判定する。ステップS4410において、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(S4410:YES)、ステップS4411に進む。
ステップS4411では、第2図柄表示部37bが表示する第2の図柄の変動時間が終了したか否かを判定する。ステップS4411において、第2図柄表示部37bが表示する第2の図柄の変動時間が終了したと判定した場合には(S4411:YES)、ステップS4412に進み、第2図柄表示部37bが表示する第2の図柄の変動を停止する。その後、ステップS4413に進む。
ステップS4413では、第2変動中フラグをOFFにする。その後、ステップS4414に進み、第2当たりフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第2の図柄の変動表示に対応する大当たり抽選の抽選結果が大当たり、又は小当たりであるか否かを判定する。ステップS4414において、第2当たりフラグがONであると判定した場合には(S4414:YES)、ステップS4415に進む。
ステップS4415では、第2当たりフラグをOFFにする。その後、ステップS4416に進む。
ステップS4416では、第1変動中フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、第1の図柄が変動表示中であるか否かを判定する。ステップS4416において、第1変動中フラグがONであると判定した場合には(S4416:YES)、ステップS4417に進む。一方、ステップS4416において、第1変動中フラグがONではないと判定した場合には(S4416:NO)、本変動停止処理を終了する。
ステップS4417では、第1図柄表示部37aが表示する第1の図柄の変動を停止する。その後、ステップS4418に進み、第1変動中フラグをOFFにする。ステップS4418を実行した後、本変動停止処理を終了する。
ステップS4410において、第2変動中フラグがONではないと判定した場合(S4410:NO)、ステップS4411において、第2図柄表示部37bにおける第2の図柄の変動表示時間が終了していないと判定した場合(S4411:NO)、又は、ステップS4414において、第2当たりフラグがONではないと判定した場合には(S4414:NO)、本変動停止処理を終了する。
上記第1実施形態においては、第1の図柄の変動時間が終了するか否かの判定処理、および、第2の図柄の変動時間が終了するか否かの判定処理を、第1変動停止処理(図18:S504)および第2変動停止処理(図18:S507)の各処理において各々1回ずつ実行していた。本変形例のように、第1実施形態の遊技回制御処理において実行していた第1変動停止処理(図18:S504)のサブルーチンと第2変動停止処理(図18:S507)のサブルーチンとを、変動停止処理として1つのサブルーチンで実行することで、第1変動停止処理および第2変動停止処理の各処理において実行していた第1の図柄の変動時間が終了するか否かの判定、第2の図柄の変動時間が終了するか否かの判定を、変動停止処理の中で1回ずつ実行すればよくなり、処理の簡易化を実現することができる。
E9.変形例9:
上記実施形態においては、スキップ演出やスキップ不能演出を実行したが、その他、種々の演出を実行してもよい。例えば、第2始動口34に遊技球を入球させて第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮することを遊技者に促すスキップ促進演出を実行してもよい。
図64は、スキップ促進演出の一例を示す説明図である。本実施形態におけるスキップ促進演出は、「スキップ!」と言う文字を表示面41aに表示させることによって、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮させることができる可能性があることを示唆する演出である。このような演出を実行することによって、第2始動口34に遊技球を入球させて第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮することを遊技者に促す。第1の図柄が表示変動中にスキップ促進演出を実行することによって、遊技球発射ボタン26の操作、または、最大の回動操作量での操作ハンドル25の操作によって、第2始動口34に遊技球を入球させることを遊技者に促すことができる。
E10.変形例10:
上記実施形態においては、スキップ演出やスキップ不能演出を実行したが、その他、種々の演出を実行してもよい。例えば、以下に説明するスキップ抑制演出を実行してもよい。
第1の図柄の変動時間の残時間が短い場合に遊技者が遊技球発射ボタン26を操作した場合、当該操作によって遊技球が第2始動口34に入球することによる第2の図柄の変動表示および停止表示が、現在進行中である第1の図柄の変動表示の次に実行される第1の図柄の変動表示時に実行される可能性がある。この場合、現在進行中である第1の図柄の変動表示に対する変動時間の短縮が実行されるのではなく、次回に実行される第1の図柄の変動表示に対する変動時間の短縮が実行される可能性があり、第1の図柄の変動時間の短縮が遊技者の意図しないタイミングで実行されてしまう虞がある。
そこで、第1始動口への遊技球の入球によって第1の図柄が変動表示を開始した後のタイミングであって、予め設定された第1の図柄の変動時間の残時間が、予め設定した閾値としての時間tlよりも短くなったタイミングで、遊技者に対して第1の図柄の変動時間を短縮することを目的として第2始動口34に遊技球を入球させない方が良いことを示唆する演出であるスキップ抑制演出を実行してもよい。
閾値として設定する時間tlとして、例えば、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作した時点(例えば、図10の時刻Tm7)から第2始動口34への遊技球の入球を契機とする大当たり抽選が小当たりであり可変入賞装置36の動作が開始される時点(例えば、図10の時刻Tm11)までの時間に相当する時間的長さ(以下、時間tlaとも呼ぶ)を適用することができる。すなわち、第1始動口への遊技球の入球によって第1の図柄が変動表示を開始した後のタイミングであって、予め設定された第1の図柄の変動時間の残時間が時間tlaより短くなったタイミングで、スキップ抑制演出を実行する。
図65は、スキップ抑制演出の一例を示す説明図である。本実施形態におけるスキップ抑制演出は、女性キャラクターが、第1の図柄の変動時間を短縮することを目的として第2始動口34に遊技球を入球させない方が良いことを示唆する演出である。
このように、スキップ抑制演出を実行することによって、現在進行中である第1の図柄の変動表示中に第2始動口34に遊技球を入球させることによって、次回に実行される第1の図柄の変動表示に対する変動時間の短縮が実行され、第1の図柄の変動時間の短縮が遊技者の意図しないタイミングで実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、上記の説明ではスキップ抑制演出を実行することによって、遊技者が第1の図柄の変動時間を短縮することを目的として第2始動口34に遊技球を入球させることを抑制したが、スキップ抑制演出による効果を、上記変形例9において説明したスキップ促進演出によって実現することも可能である。
具体的には、第1始動口への遊技球の入球によって第1の図柄が変動表示を開始したタイミングでスキップ促進演出を繰り返し実行する。その後、予め設定された第1の図柄の変動時間の残時間が、予め設定した閾値としての時間tlよりも短くなったタイミングで、繰り返し実行していたスキップ促進演出を停止する。スキップ促進演出が繰り返し実行されることによって第2始動口34に遊技球を入球させて第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮することを促されていたにも関わらず、突然、スキップ促進演出の実行が停止した場合、遊技者は、第2始動口34に遊技球を入球させて第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮することをやめておいた方が良いと解釈する。結果として、遊技者が第1の図柄の変動時間を短縮することを目的として第2始動口34に遊技球を入球させることを抑制することができ、スキップ促進演出を用いてスキップ抑制演出と同様の効果を奏することができる。
なお、閾値として設定する時間tlとして、上記説明したtlaの他に、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作した時点(例えば、図10の時刻Tm7)から第2の図柄が変動表示を開始する時点(例えば、図10の時刻Tm9)までの時間的長さ(以下、時間tlbとも呼ぶ)や、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作した時点(例えば、図10の時刻Tm7)から第2始動口34の検出センサが遊技球の入球を検出する時点(例えば、図10の時刻Tm8まで)までの時間的長さ(以下、時間tlcとも呼ぶ)を適用することができる。
E11.変形例11:
上記変形例10で説明したように、繰り返し実行していたスキップ促進演出を第1の図柄の変動時間の残時間が時間tlよりも短くなった時点で停止するといった態様でスキップ促進演出を用いた場合、遊技者は、繰り返し実行されていたスキップ促進演出が停止したことを認識することによって、第1の図柄の変動時間の残時間が短く第1の図柄の変動表示の終了が近いと推測するようになる。スキップ促進演出の実行・停止によるこのような遊技者の心理の変化を利用することによって、以下のような演出を実行することができる。
図66は、変形例11におけるスキップ促進演出を実行するタイミングを示すタイムチャートである。
パチンコ機10は、第1の図柄の変動表示中に実行されるリーチ演出として、通常のリーチ演出と、大当たり抽選に当選する可能性が通常のリーチ演出の実行時より高いことを示唆するスーパーリーチ演出と、大当たり抽選に当選する可能性がスーパーリーチ演出より高いことを示唆するスペシャルリーチ演出とを実行することが可能である。すなわち、リーチ演出の後にスーパーリーチ演出が実行される場合には、リーチ演出のみが実行される場合よりも大当たり抽選に当選する確率が高く、スーパーリーチ演出の後にスペシャルリーチ演出が実行される場合には、リーチ演出とスーパーリーチ演出のみが実行される場合よりも大当たり抽選に当選する確率が高い。
図66に示すように、本変形例においては、第1の図柄の変動表示中に実行されるリーチ演出、スーパーリーチ演出が終了する所定時間前まで繰り返しスキップ促進演出を実行し、各リーチ演出の終了までの残時間が時間tldより短くなった時点でスキップ促進演出の実行を停止する。以下、タイムチャートを時系列に沿って説明する。
遊技者は、リーチ演出が実行されたことを認識すると、当該遊技回における大当たり抽選に当選する可能性が高いと推測し期待感を抱く。その後、リーチ演出の実行中に、繰り返し実行されていたスキップ促進演出が停止したことを認識すると、第1の図柄の変動表示が終了してしまうと推測する。その結果、遊技者は、第1の図柄用演出がスーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出へ発展しないと推測する。換言すれば、遊技者は、当該遊技回における大当たり抽選に当選する可能性が低いと推測し、喪失感を抱くとともに、心理的に落胆した状態となる。
しかし、その後、スーパーリーチ演出が実行されたことを認識すると、遊技者は、当該遊技回における大当たり抽選に当選する可能性が低いと推測していたにも関わらずその推測が覆ったことにより、再び期待感を抱くとともに、意外性を感じ、心境に抑揚が生じる。
その後、スーパーリーチ演出が実行され遊技者が再び期待感を抱いた状況であるにも関わらず、その後、スパーリーチ演出の実行中に、繰り返し実行されていたスキップ促進演出が停止したことを認識すると、遊技者は、再び、第1の図柄の変動表示が終了してしまうと推測する。その結果、遊技者は、第1の図柄用演出がスペシャルリーチ演出へ発展しないと推測し、再び、喪失感を抱くとともに、心理的に落胆した状態となる。
しかし、その後、スペシャル演出が実行されたことを認識すると、遊技者は、当該遊技回における大当たり抽選に当選する可能性が低いと推測していたにも関わらず、再び、その推測が覆ったことにより、さらなる意外性や、期待感を抱き、より一層、心境に抑揚が生じる。その後、遊技者は、抽選結果告知演出が実行されることによって、当該遊技回における大当たり抽選の抽選結果を知ることとなる。抽選結果告知演出においては、大当たり又は外れが告知される。
このように、スキップ促進演出の実行・停止のタイミングを工夫することによって、遊技者に期待感や、喪失感を付与することができ、遊技者の心境に抑揚を付与することができる。結果として、遊技の興趣向上を図ることができる。
E12.変形例12:
遊技盤30の構成として他の構成を採用してもよい。例えば、スルーゲート35aや中央側第1始動口33の配置位置は図3に示した配置位置に限定されない。
図67は、遊技盤30の構成として他の一例(例1)を示す説明図である。図67に示した遊技盤30においては、中央側第1始動口33は、スルーゲート35aを入球(通過)した遊技球が入球する位置に配置されている。より具体的には、中央側第1始動口33は、スルーゲート35aの直下に配置される。
遊技盤30をこのような構成とすることで、遊技球がスルーゲート35aに入球後に中央側第1始動口33に入球した場合に、非電動役物34aが開放し第2始動口34への遊技球の入球が可能な状態となり、遊技者は、遊技球を第2始動口34に入球させることができる。その結果、中央側第1始動口33への遊技球の入球を条件として第2始動口34へ遊技球を入球させるといった遊技性を実現することができる。よって、中央側第1始動口33に遊技球を入球させることを目的とせず主に第2始動口34へ遊技球を入球させることを目的とした遊技を遊技者が実行することを抑制することができる。
E13.変形例13:
遊技盤30の構成として、上記実施形態および上記変形例12の他に以下の構成を採用してもよい。
図68は、遊技盤30の構成として他の一例(例2)を示す説明図である。図68に示した遊技盤30においては、スルーゲート35aは、右側第1始動口44の流下に配置されている。遊技盤30をこのような構成とすることで、常に遊技盤30の右側に遊技球が流通するように操作ハンドル25の操作または遊技球発射ボタン26の操作をすることで、中央側第1始動口33、スルーゲート35a、第2始動口34、スルーゲート35bおよび右側第1始動口44に入球させることが可能となり、遊技をより簡易にすることができる。
E14.変形例14:
さらに、遊技盤30の構成として、例えば、遊技盤30に遊技球を振り分ける振り分け機構を設けてもよい。
図69は、振り分け機構150を備える遊技盤30の構成を示す説明図である。図69に示した遊技盤30においては、振り分け機構150に入球した遊技球が、スルーゲート35aと中央側第1始動口33とに交互に振り分けられる構成となっている。
図70は、振り分け機構150が遊技球を振り分ける様子を示す説明図である。図70(a)に示すように、一の遊技球PB1が入球部151から振り分け機構150に入球すると、遊技球PB1は羽根部152と接触する。遊技球PB1と接触することによって羽根部152は軸部153を中心にして所定の角度だけ時計回りに回転し、遊技球PB1を出球部154に振り分ける。その後、図70(b)に示すように、出球部154に振り分けられた遊技球PB1は、出球部154から出球するとともに中央側第1始動口33に入球する。また、図70(b)に示すように、羽根部152は、図70(a)の状態とは異なり、所定角度だけ時計回りに回転した状態となる。
図70(c)に示すように、この状態で他の遊技球PB2が入球部151から振り分け機構150に入球すると、遊技球PB2は羽根部152と接触する。遊技球PB2と接触することによって羽根部152は軸部153を中心にして所定の角度だけ反時計回りに回転し、遊技球PB2を出球部155に振り分ける。その後、図70(d)に示すように、出球部155に振り分けられた遊技球PB2は、出球部155から出球するとともにスルーゲート35aに入球する。また、図70(d)に示すように、羽根部152は、図70(a)の状態に戻る。このように振り分け機構150は、図70(a)〜図70(d)の動作を繰り返すことによって、入球部151から入球した遊技球を、スルーゲート35aと中央側第1始動口33とに交互に振り分ける。
遊技盤30をこのような構成とすることで、遊技者は、振り分け機構150へ遊技球を入球させることで、スルーゲート35aおよび中央側第1始動口33に入球させることができ、その結果、第2始動口34に遊技球を入球させることができる。すなわち、中央側第1始動口33への遊技球の入球を条件として第2始動口34へ遊技球を入球させるといった遊技性を実現することができる。よって、中央側第1始動口33に遊技球を入球させることを目的とせず主に第2始動口34へ遊技球を入球させることを目的とした遊技を遊技者が実行することを抑制することができる。
E15.変形例15:
遊技盤30の構成として、操作ハンドル25が操作された場合には遊技球発射機構81から発射された遊技球が到達できない領域であって、遊技球発射ボタン26が操作された場合には遊技球発射機構81から発射された遊技球が到達可能な特定領域SPAが、遊技領域PAに含まれる構成としてもよい。
図71は、変形例15における遊技盤30の構成の一例を示す説明図である。図71には、遊技球発射ボタン26が操作された場合に遊技球発射機構81から発射された遊技球が遊技領域PAを流通する軌跡Tr1と、操作ハンドル25が最大の回動操作量で操作された場合に遊技球発射機構81から発射された遊技球が遊技領域PAを流通する軌跡Tr2とを示した。図示するように、軌跡Tr1は、軌跡Tr2より、遊技領域PAの上部に位置している。また、上述の特定領域SPAは、軌跡Tr1を含むが軌跡Tr2を含まない領域をいう。本変形例におけるパチンコ機10は、このような特定領域SPAを遊技領域PAに含む構成である。
換言すれば、本変形例のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球発射機構81が発射する遊技球の発射強度は、操作ハンドル25が操作されることによっては遊技球発射機構81が発射することができない遊技球の発射強度である。より具体的には、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球発射機構81が発射する遊技球の発射強度は、操作ハンドル25が操作されることによって遊技球発射機構81が発射することができる遊技球の最大の発射強度よりも大きい。
さらに、本変形例においては、図示するように、特定領域SPAに第2始動口34および非電動役物34aを設ける。すなわち、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球発射機構81が発射する遊技球は第2始動口34に入球可能であるが、操作ハンドル25が操作されることによって遊技球発射機構81が発射する遊技球は第2始動口34に入球不可能である。
このような構成を採用することにより、第2始動口34に遊技球を入球させるためには遊技球発射ボタン26の操作が必須となるという新たな遊技性を創出することができる。より具体的には、第1の図柄が変動表示中に、第2始動口34に遊技球を入球させることによって第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮させるためには、遊技球発射ボタン26を操作して第2始動口34へ遊技球を入球させることが必須となるといった新たな遊技性を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
E16.変形例16:
パチンコ機10の構成として、操作ハンドル25が操作されることによって遊技球発射機構81が発射する遊技球が誘導レール31から放出可能であるように構成されているにも関わらず、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球発射機構81が発射する遊技球が誘導レール31から放出されないように構成されているとしてもよい。
具体的には、遊技球発射機構81から発射され誘導レール31から放出された遊技球が流通する領域を流通領域と定義した場合、操作ハンドル25は、当該操作ハンドル25が操作されることによって遊技球発射機構81が発射する遊技球が、誘導レール31から流通領域に放出可能であるように構成されている。一方、遊技球発射ボタン26は、当該遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球発射機構81が発射する遊技球が、誘導レール31から流通領域へ放出されないように構成されている。
さらに、パチンコ機10は、以下に説明する構成を備えるとしてもよい。
図72は、変形例16における遊技盤30の構成の一例を示す説明図である。図示するように、本変形例におけるパチンコ機10は、遊技球発射機構81によって発射された遊技球であって、誘導レール31から流通領域に放出されなかった遊技球を誘導する誘導手段として、振り分け機構34bと誘導レール34cとを備える。また、本変形例におけるパチンコ機10は、誘導レール34cを流通した遊技球が入球可能な位置に第2始動口34dを備える。
遊技球発射機構81によって発射された遊技球であって、誘導レール31から流通領域に放出されなかった遊技球は、遊技球発射機構81から発射された時とは逆方向に誘導レール31を流通し、振り分け機構34bによって誘導レール34cに振り分けられ、その後、第2始動口34dに入球する。
図73は、遊技球発射機構81から発射された遊技球が第2始動口34dに入球するまでの様子を示す説明図である。
図73(a)に示すように、遊技球発射機構81から発射された遊技球PBは、誘導レール31を、流通領域の方向に向かって流通する。
図73(b)に示すように、遊技球PBは、振り分け機構34bが設置されている位置を通過する際、誘導レール31を閉鎖している振り分け機構34bを、遊技球発射機構81から付与された推進力によって誘導レール31を開放する方向に回動させ、誘導レール31を流通領域の方向に流通する。振り分け機構34bは、遊技球PBが通過した後は、再び、誘導レール31を閉鎖する方向に回動する。誘導レール31から流通領域に放出されなかった遊技球PBは、誘導レール31を、遊技球発射機構81から発射された時とは逆方向に流通する。
図73(c)に示すように、誘導レール31から流通領域に放出されずに、誘導レール31を遊技球発射機構81から発射された時とは逆方向に流通する遊技球PBは、振り分け機構34bによって誘導レール34cに振り分けられ、その後、第2始動口34dに入球する。
このような構成を採用することによって、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球発射機構81が発射する遊技球が誘導レール31から放出されないといった新たな遊技性を創出することができる。
また、誘導レール31から流通領域に放出されなかった遊技球を誘導する振り分け機構34bおよび誘導レール34cを備えるとともに、振り分け機構34bおよび誘導レール34cによって誘導された遊技球が入球可能な第2始動口34dを備えるので、第2始動口34dに遊技球を入球させるために、誘導レール31から流通領域に遊技球が放出しないように操作ハンドル25または遊技球発射ボタン26を操作するといった新たな遊技性を創出することができる。
さらに、通常の遊技機においては、構造上、誘導レール31は、遊技者から見えないように構成されている。よって、遊技球発射機構81から発射され誘導レール31を流通した後に、誘導レール31を逆方向に流通し、振り分け機構34bおよび誘導レール34cを流通して第2始動口34dに入球する遊技球の動作は遊技者からは見えない。従って、例えば、第1の図柄が変動表示中に、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作することによって遊技球発射機構81から発射された遊技球を第2始動口34dに入球させ、第1の図柄の変動時間を予め設定された変動時間より短い時間に短縮させた場合、遊技球発射機構81から発射され第2始動口34dに入球するまでの遊技球の工程は遊技者からは視認できないので、あたかも遊技球発射ボタン26自体に、第1の図柄の変動表示を停止表示に移行させる機能が備わっているかのように遊技者に認識させることが可能であり、新たな遊技性を創出するとともに、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本変形例においては、誘導レール31から放出されなかった遊技球を第2始動口34dに入球させるまでの誘導手段として振り分け機構34bおよび誘導レール34cを設けたが、誘導手段として、誘導レール31上に凹部を形成してもよい。そして、当該凹部の内部に第2始動口34dを設けてもよい。誘導レール31から放出されなかった遊技球は、誘導レール31を逆方向に流通し、凹部に落下することによって第2始動口34dに誘導され、その後、第2始動口34に入球する。このようにすることで、振り分け機構34bおよび誘導レール34cを省略することができ、構造を簡易化することができる。
E17.変形例17:
上記実施形態および変形例においては、遊技球発射ボタン26の操作によって遊技球発射機構81から遊技球が発射される構成は、主側MPU62によって実行されるプログラム制御処理(遊技球発射制御処理)によって実現したが、遊技球発射ボタン26の操作によって遊技球発射機構81から遊技球が発射される構成を機械的構造によって実現してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26と、操作ハンドル25が回動することによって動作する内部ギアとが、複数のギア等を介して機械的に接続されている構成を採用することができる。そして、遊技球発射ボタン26が操作された場合には、内部ギアが動作することによって、所定の発射強度で遊技球発射機構81から遊技球が発射される。このような構成を採用することによって、遊技球発射ボタン26の操作に関わるプログラム制御処理を簡易化または省略することができる。
一例として、遊技球発射ボタン26が操作された場合には、内部ギアが、操作ハンドル25を最大の回動操作量で操作したときよりも大きく動作することによって、操作ハンドル25が操作さえた場合の最大発射強度よりも強い発射強度で遊技球発射機構81から遊技球が発射されるように構成してもよい。このように構成することによって、上記変形例15における遊技球発射ボタン26の操作に関わるプログラム制御処理を簡易化または省略することができる。
E18.変形例18:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
F.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴A1]
第1の図柄表示手段(第1図柄表示部37a)に表示される第1の図柄を、第1の入球部(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいた第1の変動条件の成立を契機として変動表示させるとともに、前記第1の図柄を変動表示させる時間である変動時間として予め設定された第1の変動時間の経過時に、前記第1の図柄を停止表示させる第1図柄制御手段(主側MPU62、音光側MPU92)と、
第2の図柄表示手段(第2図柄表示部37b)に表示される第2の図柄を、第2の入球部(第2始動口34)への遊技球の入球に基づいた第2の変動条件の成立を契機として変動表示させるとともに、前記第2の図柄を変動表示させる時間である変動時間として予め設定された第2の変動時間の経過時に、前記第2の図柄を停止表示させる第2図柄制御手段(主側MPU62、音光側MPU92)と、
前記第1の図柄の変動時間を前記第1の変動時間より短い時間に短縮する変動時間短縮処理を実行する変動時間短縮手段(ステップS504を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記変動時間短縮手段は、
前記第1の図柄および前記第2の図柄が変動表示をしている場合に、前記第2図柄制御手段が停止表示させる前記第2の図柄の組み合わせに基づいて、前記変動時間短縮処理を実行するか否かを判定する(ステップS801、ステップS1001)
ことを特徴する遊技機。
特徴A1によれば、第1の図柄の変動時間を第1の変動時間より短い時間に短縮する変動時間短縮処理を実行するので、例えば、所定の遊技回において予め設定された第1の変動時間が長い場合に、変動時間短縮処理が実行されることにより、遊技者が当該所定の遊技回において遊技に対する集中力が途切れ退屈することを抑制することができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機であって、
前記変動時間短縮手段は、
前記第1の図柄および前記第2の図柄が変動表示をしている場合に、前記第1図柄制御手段が停止表示させる前記第1の図柄の組み合わせに基づいて、前記変動時間短縮処理を実行するか否かを決定する(ステップS1201)
ことを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、変動時間短縮手段は、第1の図柄および第2の図柄が変動表示をしている場合に、第1図柄制御手段が停止表示させる第1の図柄の組み合わせに基づいて、変動時間短縮処理を実行するか否かを決定する。よって、変動時間短縮処理が実行される場合と、されない場合とで、第1図柄制御手段が停止表示させる第1の図柄の組み合わせが異なる。従って、遊技者は、変動時間短縮処理が実行されるか否かを認識することによって、第1図柄制御手段が停止表示させる第1の図柄の組み合わせを予測することができ、従来とは異なる期待感や遊技性を付与することができる。
[特徴A3]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記変動時間短縮処理が実行される組み合わせ(大当たりおよび小当たり)で前記第2の図柄が停止表示する確率が、前記変動時間短縮処理が実行されない組み合わせで前記第2の図柄が停止表示する確率よりも高くなるように設定されている(図8:第2始動口用の当否テーブル)
ことを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、高い確率で変動時間短縮処理を実行することができる。
[特徴A4]
特徴A1から特徴A3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動時間短縮手段は、
前記第1の図柄が変動表示を開始した後に、前記第2の図柄が変動表示を開始した場合であって、
前記第1図柄制御手段が停止表示させる前記第1の図柄の組み合わせが特定の条件を満たさないとともに、前記第2図柄制御手段が停止表示させる前記第2の図柄の組み合わせが前記特定の条件を満たす場合に前記変動時間短縮処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、第1の図柄の組み合わせが特定の条件を満たした場合、または、第2の図柄の組み合わせが特定の条件を満たした場合に実行される所定の処理がある場合に、第1の図柄と第2の図柄のいずれもが特定の条件を満たして所定の処理の実行条件が競合することを回避することができる。
[特徴A5]
特徴A1から特徴A4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の変動条件は、
前記第2の図柄が変動表示していない期間における前記第2の入球部への入球に基づいて成立する一方、
前記第2の図柄が変動表示している期間における前記第2の入球部への入球に基づいては成立しない
ことを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、第2の変動条件は、第2の図柄が変動表示していない期間における第2の入球部への入球に基づいて成立する一方、第2の図柄が変動表示している期間における第2の入球部への入球に基づいては成立しない。換言すれば、第2の図柄が変動表示している期間に第2の入球部への遊技球の入球があった場合に、当該遊技球の入球を保留するいわゆる保留機能を有さない。従って、第2の変動条件を成立させるタイミングを遊技者が制御しやすい。その結果、変動時間短縮処理を実行させるタイミングを遊技者が制御しやすい構成にすることができる。
[特徴A6]
特徴A1から特徴A5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動時間短縮手段は、前記変動表示をしている前記第2の図柄が停止表示するタイミングを契機として、前記変動表示をしている前記第1の図柄を停止表示させることによって、前記第1の図柄の変動時間を前記第1の変動時間より短い時間に短縮する前記変動時間短縮処理を実行し、
前記第1の変動時間は、予め設定された複数の変動時間の中から抽選によって決定され、
前記第2の変動時間は、予め設定された複数の変動時間の中から抽選によって決定され、
前記抽選によって決定される前記第2の変動時間の期待値は、前記抽選によって決定される前記第1の変動時間の期待値より短い
ことを特徴とする遊技機。
仮に、第2の変動時間が第1の変動時間より長い場合、第1の図柄が変動表示を開始した後に第2の図柄が変動表示を開始した場合には、第2の図柄が停止表示するよりも先に第1の図柄が停止表示してしまうので、第2の図柄が停止表示するタイミングを契機として、変動表示をしている第1の図柄を停止表示させることによって、第1の図柄の変動時間を第1の変動時間より短い時間に短縮する変動時間短縮処理を実行することができない。
特徴A6によれば、抽選によって決定される第2の変動時間の期待値は、抽選によって決定される第1の変動時間の期待値より短いので、第1の図柄が変動表示を開始した後に第2の図柄が変動表示を開始した場合であっても、変動時間短縮処理を実行することができる。
[特徴A7]
特徴A1から特徴A6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の入球部(第2始動口34)は、遊技球の流下する方向に対して、前記第1の入球部(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)より上流に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
第2の入球部が第1の入球部より下流に配置された場合において、第1の入球部に遊技球が入球する状態である場合には、第2の入球部にも遊技球が入球しやすい状態となり、遊技者が意図しない変動時間短縮処理が実行されてしまう。
特徴A7によれば、第2の入球部は、遊技球の流下する方向に対して、第1の入球部より上流に配置されているので、第1の入球部には遊技球が入球するが第2の入球部には遊技球が入球しない状態にすることが可能であり、遊技者が意図しない変動時間短縮処理が実行されることを抑制することができる。
[特徴A8]
特徴A1から特徴A7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の入球部への遊技球の入球を制限するとともに、特定の入球条件が成立した場合にのみ、前記第2の入球部への遊技球の入球を可能とする入球制限機構(非電動役物34a)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴A8によれば、入球制限機構を備えるので、第2の入球部への遊技者の意図しない遊技球の入球を抑制することができる。
[特徴A9]
特徴A1から特徴A8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記第1の図柄が変動表示をしている場合であって、前記変動時間短縮手段が前記変動時間短縮処理を実行する場合に、
前記演出実行手段は、
変動表示している前記第1の図柄が停止表示することを示唆する停止表示演出(スキップ演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A9によれば、停止表示演出を実行するので、遊技者は、変動時間短縮処理が実行されることを認識することができる。
[特徴A10]
特徴A1から特徴A9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の変動条件が成立して前記第1の図柄が変動表示を開始した場合には、前記第1の演出(第1図柄用演出)を実行し、
前記第1の変動条件が成立して前記第1の図柄が変動表示を開始した後に、前記第2の変動条件が成立して前記第2の図柄が変動表示を開始した場合であって、前記変動時間短縮手段が前記変動時間短縮処理を実行しないと判定した場合には、第2の演出(スキップ不能演出、大当たり告知演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A10によれば、変動時間短縮手段が変動時間短縮処理を実行しないと判定した場合には、第2の演出を実行するので、遊技者に対して、変動時間短縮処理が実行されないことを認識させることができる。
[特徴A11]
特徴A10に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1の図柄が変動表示をしている場合であって、前記第2の演出(スキップ不能演出、大当たり告知演出)を実行する場合に、
前記第2の演出として実行する演出を、前記第1の変動時間の残時間に応じて、予め設定された複数の演出の中から選択する(ステップS3302)
ことを特徴とする遊技機。
特徴A11によれば、第2の演出として実行する演出を、第1の変動時間の残時間に応じて、予め設定された複数の演出の中から選択するので、第1の図柄が停止表示するタイミングに応じた演出を実行することができ、演出に抑揚や物語性を付与することができる。また、第1の変動時間よりも第2の演出に必要な時間の方が短いために第2の演出を途中で終了させるといった事象や、第2の演出が終了しても第1の変動時間が余るといった事象を抑制することが可能であり、第2の演出を遊技者にとって違和感のない演出として実行することができる。
[特徴A12]
特徴A1から特徴A11のいずれか一つに記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の図柄が変動表示している期間に前記第2の入球部へ入球させると前記第1の図柄が停止表示する可能性があることを案内する案内演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A12によれば、案内演出を実行するので、遊技者は、第1の図柄が変動表示している期間に第2の入球部へ入球させると第1の図柄が停止表示する可能性があることを認識することができる。
<特徴B群>
特徴B群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴B1]
第1の図柄表示手段(第1図柄表示部37a)に表示される第1の図柄を、第1の入球部(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいた第1の変動条件の成立を契機として変動表示させるとともに、前記第1の図柄を変動表示させる時間である変動時間として予め設定された第1の変動時間の経過時に、前記第1の図柄を停止表示させる第1図柄制御手段(主側MPU62、音光側MPU92)と、
第2の図柄表示手段(第2図柄表示部37b)に表示される第2の図柄を、第2の入球部(第2始動口34)への遊技球の入球に基づいた第2の変動条件の成立を契機として変動表示させるとともに、前記第2の図柄を変動表示させる時間である変動時間として予め設定された第2の変動時間の経過時に、前記第2の図柄を停止表示させる第2図柄制御手段(主側MPU62、音光側MPU92)と、
前記第1の図柄の変動時間を前記第1の変動時間より短い時間に短縮する変動時間短縮処理を実行する変動時間短縮手段(ステップS504を実行する機能)と、
前記変動時間短縮手段による前記変動時間短縮処理の実行を、遊技者が意図的に促すことを可能とする短縮促進手段(最大発射強度で遊技球を発射させた場合に入球可能な位置に第2始動口34が設けられている遊技盤30の構成、遊技球発射ボタン26)と、
備えることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1の図柄の変動時間を第1の変動時間より短い時間に短縮する変動時間短縮処理を実行するので、例えば、所定の遊技回において予め設定された第1の変動時間が長い場合に、変動時間短縮処理が実行されることにより、遊技者が当該所定の遊技回において遊技に対する集中力が途切れ退屈することを抑制することができる。また、変動時間短縮処理の実行を遊技者が意図的に促すことを可能とするので、遊技者が所望のタイミングで変動時間短縮処理の実行を促すことができる。例えば、所定の遊技回において遊技者が大当たりが期待できないと感じ、当該所定の遊技回を早く終了させたい場合に、遊技者が意図的に変動時間短縮処理の実行を促し、当該所定の遊技回を早く終了させることができる。その結果、遊技者が各遊技回において集中力が途切れ退屈することを抑制することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機であって、
前記変動時間短縮手段は、
前記第1の図柄および前記第2の図柄が変動表示をしている場合に、前記第2図柄制御手段が停止表示させる前記第2の図柄の組み合わせに基づいて、前記変動時間短縮処理を実行するか否かを判定し、
前記短縮促進手段は、前記第2の変動条件の成立を遊技者が意図的に促すことを可能とする
ことを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、変動時間短縮処理の実行を遊技者が意図的に促すことを可能とする仕組みを簡易にすることができる。すなわち、第2の変動条件の成立を遊技者が意図的に促すことを可能にすることで、第2図柄制御手段による第2の図柄の変動表示が促される。その結果、第2図柄制御手段が停止表示させる第2の図柄の組み合わせに基づいて、変動時間短縮処理の実行が促される。
[特徴B3]
特徴B2に記載の遊技機であって、
遊技者が遊技球を発射するために操作する操作手段(操作ハンドル25)を備え、
前記短縮促進手段は、前記遊技者による前記操作を補助する操作補助手段(遊技球発射ボタン26)を含み、
前記操作補助手段は、遊技者が操作することによって、前記操作手段の操作によって発射される遊技球の発射強度を、前記第2の入球部へ遊技球が入球する確率が高くなる発射強度に調整する発射強度調整処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、操作補助手段を備えるので、変動時間短縮手段による変動時間短縮処理の実行を遊技者が意図的に促すために遊技者が行うべき操作を容易にすることができる。
[特徴B4]
特徴B1から特徴B3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者が遊技球を発射するために操作する操作手段を備え、
前記第2の入球部は、前記遊技球の発射強度が最大強度となるように前記遊技者によって前記操作手段が操作された場合に、前記最大強度で発射された遊技球が入球する位置に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、第2の入球部は、遊技球の発射強度が最大強度となるように遊技者によって操作手段が操作された場合に、当該遊技球が入球する位置に配置されているので、遊技者は、操作手段の容易な操作によって第2の入球部に遊技球を入球させることができる。すなわち、遊技者は、操作手段の容易な操作によって意図的に第2の入球部に遊技球を入球させることができ、その結果、変動時間短縮手段による変動時間短縮処理の実行を、遊技者が意図的に促すことができる。
なお、上記特徴A群、特徴B群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、各種遊技状態に応じて様々な演出が行われる。例えば、各遊技回においては、当該遊技回における図柄の変動時間に応じた演出が実行される。
しかしながら、所定の遊技回における図柄の変動時間が長い場合には、遊技者が遊技に対する集中力が切れ退屈してしまい、遊技の興趣が低下してしまうといった問題がある。
ここで、上記のような遊技機においては、遊技の興趣低下の抑制、および、遊技の興趣のさらなる向上を目的として、技術の向上が望まれている。
<特徴C群>
特徴C群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴C1]
第1の入球部への遊技球の入球を契機として、第1図柄表示装置(第1図柄表示部37a)が表示する第1の図柄を変動表示させる第1図柄制御手段(主側MPU62、音光側MPU92)と、
第2の入球部への遊技球の入球を契機として、第2図柄表示装置(第2図柄表示部37b)が表示する第2の図柄を変動表示させる第2図柄制御手段(主側MPU62、音光側MPU92)と、
を備える遊技機であって、
前記第2図柄制御手段は、前記第1図柄制御手段が前記第1の図柄を変動表示させている場合に前記第2の図柄の変動表示を開始するにも関わらず、
前記第1図柄制御手段は、前記第2図柄制御手段が前記第2の図柄を変動表示させている場合に前記第1の図柄の変動表示を開始することを禁止する(第2実施形態および第3実施形態における第1始動口用の変動開始処理)
ことを特徴とする遊技機。
第1の図柄の変動表示と第2の図柄の変動表示との間に相関がある所定の処理を実行する場合において、第2の図柄が変動表示している場合に第1の図柄の変動表示が開始されると、当該所定の処理の実行に困難性が生じる場合や、遊技機の遊技性に問題が生じる場合がある。
特徴C1によれば、第2図柄制御手段は、第1図柄制御手段が第1の図柄を変動表示させている場合に第2の図柄の変動表示を開始するにも関わらず、第1図柄制御手段は、第2図柄制御手段が第2の図柄を変動表示させている場合に第1の図柄の変動表示を開始することを禁止する。すなわち、第1の図柄が変動表示中に第2の図柄の変動表示が開始される場合はあるが、第2の図柄の変動表示中に第1の図柄の変動表示は開始されない構成とすることができ、当該所定の処理の実行に関する困難性および遊技機の遊技性に関する問題を回避することができる。
[特徴C2]
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記第1図柄制御手段は、
前記第2図柄制御手段が前記第2の図柄を変動表示させている場合であって、前記第2図柄制御手段が停止表示させる前記第2の図柄の組み合わせが特定の条件を満たす組み合わせである場合のみ、前記第1の図柄の変動表示を開始することを禁止する(第3実施形態における第1始動口用の変動開始処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、第1図柄制御手段は、第1の図柄の変動表示を開始することを禁止する場合を、第2図柄制御手段が前記第2の図柄を変動表示させている場合であって、前記第2図柄制御手段が停止表示させる前記第2の図柄の組み合わせが特定の条件を満たす組み合わせである場合のみに限定するので、その他の場合は、第2図柄制御手段が第2の図柄を変動表示させている場合に第1の図柄の変動表示を開始することができる。従って、第2図柄制御手段が第2の図柄を変動表示させている全ての場合に第1の図柄の変動表示を開始することを禁止する制御と比較して、高い頻度で第1の図柄の変動表示を開始することができる。
[特徴C3]
特徴C1または特徴C2に記載の遊技機であって、
前記第1図柄制御手段は、
前記第1の図柄を変動表示させている場合において、前記第2の入球部への遊技球の入球を契機として、前記第1の図柄を停止表示させる(第1変動停止処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、第2の入球部への遊技球の入球を契機として第1の図柄を停止表示させることができる。例えば、所定の遊技回において予め設定された第1の図柄の変動時間が長い場合に、遊技者が第2の入球部へ遊技球を入球させることによって第1の図柄を停止表示させることができ、遊技者が当該所定の遊技回において集中力が途切れ退屈することを抑制することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴C4]
特徴C1から特徴C3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の入球部(第2始動口34)は、
遊技者が意図的に遊技球を入球させることを可能とする位置に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴C4によれば、遊技者が意図的に第2の図柄を変動表示させることができる。また、第1の図柄を変動表示させている場合において、第2の入球部への入球を契機として、第1の図柄を停止表示させることができるので、遊技者は、意図的に第1の図柄を停止表示させることができる。
[特徴C5]
特徴C1から特徴C4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者が前記第2の入球部へ意図的に遊技球を入球させることを補助する補助手段(遊技球発射ボタン26)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴C5によれば、補助手段を備えるので、遊技者が第2の入球部へ意図的に遊技球を入球させることを容易にする。また、第1の図柄を変動表示させている場合において、第2の入球部への遊技球の入球を契機として、第1の図柄を停止表示させることができるので、補助手段は、遊技者が意図的に第1の図柄を停止表示させることを容易にする。
なお、上記特徴C群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、種々の処理が追加・改良されている。
しかしながら、種々の処理を追加・改良にともない、所定の処理を実行する際に困難性が生じたり、遊技性に問題を引き起こすといった問題がある。
ここで、上記問題を回避するために、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴D群>
特徴D群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴D1]
第1の入球部への遊技球の入球を契機として、第1の図柄の変動表示を開始する第1図柄表示手段(第1図柄表示部37a)と、
第2の入球部への遊技球の入球を契機として、第2の図柄の変動表示を開始する第2図柄表示手段(第2図柄表示部37b)と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1の図柄が変動表示を開始するとともに、前記第2の図柄が変動表示を開始する場合に、
前記第2の図柄の変動表示が開始されてから前記第1の図柄が停止表示するまでの時間に基づいて、前記第2の図柄の変動表示の開始を契機として実行する演出を決定する(ステップS1501、ステップS3302)
ことを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、第2の図柄の変動表示が開始されてから第1の図柄が停止表示するまでの時間に応じて、種々の演出を実行することができる。また、第2の図柄の変動表示の開始を契機として実行する演出を決定するので、遊技者に対して、第2の図柄の変動表示の開始を認識させることができる。結果として、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴D2]
特徴D1に記載の遊技機であって、
前記第1図柄表示手段は、
前記第1の図柄が変動表示をしている場合において、前記第2の入球部への遊技球の入球を契機として前記第1の図柄を停止表示させる(第1変動停止処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴D2によれば、第2の入球部への遊技球の入球を契機として第1の図柄を停止表示させる遊技機において、遊技者に対して、第2の図柄の変動表示の開始を認識させるとともに、第1の図柄の停止表示を認識させる演出を実行することができる。従って、当該演出を実行することによって、第2の入球部への遊技球の入球、第2の図柄の変動表示の開始、および、第1の図柄の停止表示を、遊技者に強く認識させることができる。
[特徴D3]
特徴D1または特徴D2に記載の遊技機であって、
前記第2の入球部は、遊技者が意図的に遊技球を入球させることを可能とする位置(最大発射強度で遊技球を発射させた場合に入球可能な位置)に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴D3によれば、第2の入球部は、遊技者が意図的に遊技球を入球させることを可能とする位置に配置されているので、遊技者は意図的に第2の図柄の変動表示を開始させることができる。そして特徴D1において演出実行部が決定した演出が実行されることによって、遊技者に対して、意図的に第2の入球部へ入球させることによって第2の図柄の変動表が開始されたことを認識させることができる。
[特徴D4]
特徴D1から特徴D3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者が前記第2の入球部へ意図的に遊技球を入球させることを補助する補助手段(遊技球発射ボタン26)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴D4によれば、遊技者が第2の入球部へ意図的に遊技球を入球させることを補助する補助手段を備えるので、遊技者は第2の入球部へ意図的に遊技球を入球させやすくなり、第2の図柄の変動表示を意図的に開始させやすくなる。そして特徴D1において演出実行部が決定した演出が実行されることによって、遊技者に対して、意図的に第2の入球部へ遊技球を入球させることによって第2の図柄の変動表示が開始されたことを認識させることができる。
[特徴D5]
特徴D1から特徴D4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の図柄が変動表示中に前記第2の図柄が変動表示を開始した場合、
前記演出実行手段は、
前記第2の図柄の変動表示が開始されてから前記第1の図柄が停止表示するまでの時間に基づいて実行する前記演出として、変動表示している前記第1の図柄が停止表示することを示唆する停止表示演出(スキップ演出)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴D5によれば、停止表示演出を実行することによって、遊技者に対して、第2の図柄の変動表示の開始を認識させるとともに、第1の図柄が停止表示を認識させることができる。
<特徴E群>
特徴E群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴E1]
第1の入球部への遊技球の入球を契機として第1の特別情報を取得するとともに、第2の入球部への遊技球の入球を契機として第2の特別情報を取得する情報取得手段と、
前記第1の特別情報に基づいて、第1の図柄を表示する第1の図柄表示手段(第1図柄表示部37a)と、
前記第2の特別情報に基づいて、第2の図柄を表示する第2の図柄表示手段(第2図柄表示部37b)と、
前記第1の特別情報に基づいて、前記第1の図柄に対応した画像である第1表示画像(第1液晶用図柄表示領域41bに表示する画像)を表示するとともに、前記第2の特別情報に基づいて、前記第2の図柄に対応した画像(第2液晶用図柄表示領域41cに表示する画像)である第2表示画像を表示する画像表示手段と、
を備える遊技機であって、
前記画像表示手段は、
前記第1の図柄と前記第2の図柄とが変動表示をしている場合に、前記第1表示画像または前記第2表示画像の少なくとも一方の表示画像を表示する大きさを、当該表示画像に対応した前記特別情報(大当たり乱数カウンタC1の値)に基づいて決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、第1表示画像または第2表示画像の少なくとも一方の表示画像を表示する大きさを、当該表示画像に対応した特別情報に基づいて決定するので、画像表示手段に表示された表示画像を認識した遊技者に対して、当該表示画像に対応する特別情報の内容について推測させ、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
[特徴E2]
特徴E1に記載の遊技機であって、
前記画像表示手段は、
前記第1の図柄と前記第2の図柄とが変動表示をしている場合に、前記第1表示画像または前記第2表示画像の少なくとも一方の表示画像を表示する大きさを、当該表示画像に対応した前記特別情報についての前記遊技者に対する有利の度合いに基づいて決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴E2によれば、第1表示画像または第2表示画像の少なくとも一方の表示画像を表示する大きさを、当該表示画像に対応した特別情報についての遊技者に対する有利の度合いに基づいて決定するので、画像表示手段に表示された表示画像を認識した遊技者に対して、表示画像に対応した特別情報についての遊技者に対する有利の度合いについて推測させ、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴E3]
特徴E1または特徴E2に記載の遊技機であって、
前記画像表示手段は、
前記第1の図柄と前記第2の図柄とが変動表示をしている場合に、
前記第1の特別情報が前記第2の特別情報より遊技者に対して有利である場合には、前記第1表示画像を前記第2表示画像より大きく表示し、
前記第2の特別情報が前記第1の特別情報より遊技者に対して有利である場合には、前記第2表示画像を前記第1表示画像より大きく表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴E3によれば、遊技者に対して有利である方の特別情報に対応した表示画像を、他方の表示画像より大きく表示するので、遊技者に対して、有利である方の特別情報に対応した表示画像に注目させることができ、期待感を付与することができる。結果として、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴E4]
特徴E1から特徴E3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の図柄と前記第2の図柄とが変動表示をしている場合に、
前記第1の図柄表示手段は、前記第2の入球部への遊技球の入球を契機として、前記第1の図柄を停止表示させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴E4によれば、第2の入球部への遊技球の入球を契機として、第1の図柄を停止表示させるので、遊技者は第2の入球部へ遊技球を入球させることによって第1の図柄の変動表示を短時間で停止表示させることができる。またその際、第1表示画像または第2表示画像の少なくとも一方の表示画像を表示する大きさを、当該表示画像に対応した特別情報に基づいて決定するので、画像表示手段に表示された表示画像を認識した遊技者に対して、当該表示画像に対応する特別情報の内容について推測させ、遊技者に期待感を付与することができる。
なお、上記特徴D群、特徴E群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、各種遊技状態に応じて様々な演出が行われる。
ここで、上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴F群>
特徴F群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴F1]
遊技球を遊技領域に発射する遊技球発射手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(第2始動口34)と、
前記入球部への遊技球の入球を検出する検出手段と、
前記遊技球発射手段によって所定の発射条件を満たす発射強度で遊技球が発射されたにも関わらず、前記検出手段によって前記入球部への遊技球の入球が検出されなかった場合に信号を出力する信号出力手段(第4実施形態における異常検出処理)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、信号出力手段が出力した信号に基づいて遊技機の状態を検出することができる。例えば、所定の発射条件を満たす発射強度で発射された遊技球が入球しやすい位置に入球部を設けている場合には、信号出力手段が出力した信号に基づいて遊技機の異常や、不正な遊技を検出することができる。仮に、信号出力手段から出力された信号を受信した場合には、遊技球発射手段が遊技球の発射強度を正常に制御していないといった事象や、入球部またはその周辺が不正または異常によって正常な状態ではなく入球部への遊技球の入球が妨げられているといった事象など、種々の遊技機の状態を検出することができる。
[特徴F2]
特徴F1に記載の遊技機であって、
特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記入球部(第2始動口34)は、前記情報取得手段が当該入球部への遊技球の入球を契機として前記特別情報を取得することとなる入球部である
ことを特徴とする遊技機。
遊技球の入球を契機として特別情報を取得する入球部に関わる不正や異常は重大であり、そのような不正や異常は早期に検出することが望ましい。特徴F2によれば、信号出力手段が出力した信号に基づいて、遊技球の入球を契機として特別情報を取得する入球部に関する不正や異常を早期に検出することができる。
[特徴F3]
特徴F1または特徴F2に記載の遊技機であって、
前記信号出力手段は、
前記遊技球発射手段が前記所定の発射条件を満たす発射強度で遊技球を発射してから所定時間以内に前記検出手段が前記入球部への遊技球の入球を検出しなかった場合に、前記信号を出力する(ステップS4206、ステップS4208)
ことを特徴とする遊技機。
特徴F3によれば、信号出力手段は、遊技球発射手段が所定の発射条件を満たす発射強度で遊技球を発射してから所定時間以内に検出手段が入球部への遊技球の入球を検出しなかった場合に信号を出力するので、当該信号に基づいて、さらに早期に不正や異常を検出することができる。
[特徴F4]
特徴F1または特徴F2に記載の遊技機であって、
前記信号出力手段は、
前記遊技球発射手段が前記所定の発射条件を満たす発射強度で遊技球を発射してから所定時間以内に前記検出手段が前記入球部への遊技球の入球を検出しなかった回数に基づいて、前記信号を出力する(ステップS4215)
ことを特徴とする遊技機。
特徴F4によれば、遊技球発射手段が所定の発射条件を満たす発射強度で発射した遊技球が入球部に入球しない場合も正常状態において起こり得る遊技機において、有効に不正や異常を検出することができる。
[特徴F5]
特徴F1から特徴F4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技球発射手段に遊技球を発射させるために遊技者が回動操作する操作手段であって、遊技者による前記操作手段の回動操作量に応じた発射強度で前記遊技球発射手段に遊技球を発射させる操作手段(操作ハンドル25)を備え、
前記所定の発射条件を満たす発射強度は、前記回動操作量が最も大きくなるように遊技者が前記操作手段を回動操作した場合に前記遊技球発射手段が発射する遊技球の発射強度と同等の発射強度である
ことを特徴とする遊技機。
特徴F5によれば、回動操作量が最も大きくなるように遊技者が操作手段を回動操作した場合に遊技球発射手段が発射する遊技球の発射強度と同等の発射強度で発射された遊技球が入球しやすい位置に入球部を設けている場合に、信号出力手段が出力した信号に基づいて遊技機の異常や、不正な遊技を検出することができる。
[特徴F6]
特徴F1から特徴F5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技球発射手段に遊技球を発射させるために遊技者が操作する補助操作手段であって、遊技者による前記補助操作手段の操作によって所定の発射強度で前記遊技球発射手段に遊技球を発射させる補助操作手段(遊技球発射ボタン26)を備え、
前記所定の発射条件を満たす発射強度は、遊技者が前記補助操作手段を操作した場合に前記遊技球発射手段が発射する遊技球の発射強度である
ことを特徴とする遊技機。
特徴F6によれば、遊技者が補助操作手段を操作した場合に遊技球発射手段が発射する遊技球の発射強度で発射された遊技球が入球しやすい位置に入球部を設けている場合に、信号出力手段が出力した信号に基づいて遊技機の異常や、不正な遊技を検出することができる。
なお、上記特徴F群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、種々の処理や構造に関する改良が行われる。
しかしながら、これら処理や構造の改良にともない、遊技機の不具合が生じたり、遊技者による不正を防ぐことができなくなるといった問題がある。
このような遊技機において、遊技の興趣向上を図りつつ、遊技の健全性を向上させるために、遊技機の不具合や遊技者による不正等を速やかに検出できることが好ましい。
<特徴G群>
特徴G群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴G1]
第1の図柄表示手段(第1図柄表示部37a)に表示される第1の図柄を、第1の入球部(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいた第1の変動条件の成立を契機として変動表示させる第1図柄制御手段(主側MPU62、音光側MPU92)と、
第2の図柄表示手段(第2図柄表示部37b)に表示される第2の図柄を、第2の入球部(第2始動口34)への遊技球の入球に基づいた第2の変動条件の成立を契機として変動表示させる第2図柄制御手段(主側MPU62、音光側MPU92)と、
前記第2の入球部への遊技球の入球を制限するとともに、第3の入球部(スルーゲート35a)に遊技球が入球した場合に、前記第2の入球部への遊技球の入球を可能とする入球制限機構(非電動役物34a)と、
を備える遊技機であって、
前記第1の入球部は、前記第3の入球部に入球した遊技球が入球する位置に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、遊技球が第3の入球部に入球後に第1の入球部に入球した場合に、入球制限機構が第2の入球部への遊技球の入球を可能とする状態となり、遊技球を第2の入球部に入球させることが可能となる。その結果、第1の入球部への遊技球の入球を条件として第2の入球部へ遊技球を入球させることができるといった新たな遊技性を創出することができる。
[特徴G2]
特徴G1に記載の遊技機であって、
前記第1の入球部は、前記第3の入球部の直下に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴G2によれば、第3の入球部に入球した遊技球を第1の入球部に案内する案内流路や、その他、第3の入球部に入球した遊技球を第1の入球部に入球させるための構成を備えることなく、第3の入球部に入球した遊技球を第1の入球部に入球させる構成とすることができる。
[特徴G3]
特徴G1または特徴G2に記載の遊技機であって、
前記第1図柄制御手段は、前記第1の図柄を変動表示させる時間である変動時間として予め設定された第1の変動時間の経過時に前記第1の図柄を停止表示させ、
前記第2図柄制御手段は、前記第2の図柄を変動表示させる時間である変動時間として予め設定された第2の変動時間の経過時に前記第2の図柄を停止表示させ、
前記遊技機は、前記第1の図柄の変動時間を前記第1の変動時間より短い時間に短縮する変動時間短縮処理を実行する変動時間短縮手段を備え、
前記変動時間短縮手段は、前記第1の図柄および前記第2の図柄が変動表示をしている場合に、前記第2図柄制御手段が停止表示させる前記第2の図柄の組み合わせに基づいて、前記変動時間短縮処理を実行するか否かを判定する
ことを特徴する遊技機。
特徴G3によれば、第1の図柄の変動時間を第1の変動時間より短い時間に短縮する変動時間短縮処理を実行するので、例えば、所定の遊技回において予め設定された第1の変動時間が長い場合に、変動時間短縮処理が実行されることにより、遊技者が当該所定の遊技回において遊技に対する集中力が途切れ退屈することを抑制することができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。さらに、特徴G1の構成により、第1の図柄および第2の図柄を変動表示させるためには、第1の入球部への遊技球の入球を条件として第2の入球部へ遊技球を入球させることが条件となる。従って、本特徴G3に記載の変動時間短縮処理が実行されるためには、第1の入球部へ遊技球を入球させてから第2の入球部へ遊技球を入球させることを条件とすることができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴G4]
特徴G1から特徴G3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記変動時間短縮手段は、
前記第1の図柄および前記第2の図柄が変動表示をしている場合に、前記第1図柄制御手段が停止表示させる前記第1の図柄の組み合わせに基づいて、前記変動時間短縮処理を実行するか否かを決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴G4によれば、変動時間短縮手段は、第1の図柄および第2の図柄が変動表示をしている場合に、第1図柄制御手段が停止表示させる第1の図柄の組み合わせに基づいて、変動時間短縮処理を実行するか否かを決定する。よって、変動時間短縮処理が実行される場合と、されない場合とで、第1図柄制御手段が停止表示させる第1の図柄の組み合わせが異なる。従って、遊技者は、変動時間短縮処理が実行されるか否かを認識することによって、第1図柄制御手段が停止表示させる第1の図柄の組み合わせを予測することができ、従来とは異なる期待感や遊技性を付与することができる。
<特徴H群>
特徴H群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴H1]
第1の操作手段(操作ハンドル25)と、
第2の操作手段(遊技球発射ボタン26)と、
前記第1の操作手段または前記第2の操作手段が操作された場合に、遊技領域に遊技球を発射する遊技球発射手段(発射制御装置80、遊技球発射機構81)と、
を備える遊技機であって、
前記遊技領域は、
前記第1の操作手段が操作された場合に前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が到達できない領域であって、前記第2の操作手段が操作された場合に前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が到達可能な特定の領域(特定領域SPA)を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、遊技領域は、第1の操作手段が操作された場合に遊技球発射手段によって発射された遊技球が到達できない領域であって、第2の操作手段が操作された場合に遊技球発射手段によって発射された遊技球が到達可能な特定の領域を含むので、当該特定の領域を利用することによって新たな遊技性を創出することができる。特定の領域は、第2の操作手段を操作することによって遊技球を発射した場合にのみ到達する領域であることから、第2の操作手段の操作が必須となるような遊技性を創出することができる。
[特徴H2]
特徴H1に記載の遊技機であって、
前記第1の操作手段は、
回動可能な回動操作部を備え、
前記遊技球発射手段は、
前記回動操作部の回動操作量に応じた発射強度で遊技球を前記遊技領域に発射する
ことを特徴とする遊技機。
特徴H2によれば、第1の操作手段は回動操作部を備える。従って、例えば、第2の操作手段を回動操作とは異なる操作によって遊技球発射手段に遊技球を発射させる構成とした場合、第1の操作手段と第2の操作手段との操作方法が異なることで、多様な操作性を備えた遊技性を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴H3]
特徴H1または特徴H2に記載の遊技機であって、
前記特定の領域には、
前記第2の操作手段が操作された場合に前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が入球可能な特定の入球部(図71:第2始動口34)が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
特徴H3によれば、特定の領域には特定の入球部が設けられているので、第2の操作手段を操作することによって特定の入球部に遊技球を入球させるという遊技性を創出することができる。換言すれば、特定の入球部に遊技球を入球させるためには第2の操作手段の操作が必須となる遊技性を創出することができる。
[特徴H4]
特徴H3に記載の遊技機であって、
特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記特定の入球部は、前記情報取得手段が当該特定の入球部への遊技球の入球を契機として前記特別情報を取得することとなる入球部である
ことを特徴とする遊技機。
特徴H4によれば、特定の入球部は、情報取得手段が当該特定の入球部への遊技球の入球を契機として特別情報を取得することとなる入球部であるので、当該特定の入球部へ遊技球を入球させることを、当該遊技機の遊技性における重要な要素にすることができる。その結果、特定の入球部へ遊技球を入球させるための第2の操作手段の操作が当該遊技機の主要な特徴であると遊技者に認識させることができる。
[特徴H5]
特徴H3または特徴H4に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部であって、前記特定の入球部とは異なる所定の入球部(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)と、
前記所定の入球部への遊技球の入球を契機として、第1の図柄の変動表示を開始する第1図柄表示手段(第1図柄表示部37a)と、
前記特定の入球部への遊技球の入球を契機として、第2の図柄の変動表示を開始する第2図柄表示手段(第2図柄表示部37b)と、
を備え、
前記第1図柄表示手段は、
前記第1の図柄および前記第2の図柄が変動表示している場合に、前記第2図柄表示手段が前記第2の図柄を停止表示させることを契機として、前記第1の図柄を停止表示させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴H5によれば、第1の図柄が変動表示をしている場合に、遊技者が第2の操作手段を操作して特定の入球部に遊技球を入球させると、第2の図柄が変動表示を開始し、その後、停止表示に移行する。その際に、第1の図柄も変動表示から停止表示に移行する。従って、第1の図柄が変動表示をしている場合に、遊技者が第2の操作手段を操作することによって第1の図柄を停止表示させるといった新たな遊技性を創出することができる。
<特徴I群>
特徴I群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴I1]
第1の操作手段(操作ハンドル25)と、
第2の操作手段(遊技球発射ボタン26)と、
前記第1の操作手段または前記第2の操作手段が操作された場合に、遊技領域に遊技球を発射する遊技球発射手段(発射制御装置80、遊技球発射機構81)と、
を備える遊技機であって、
前記第2の操作手段が操作されることによって前記遊技球発射手段が発射する遊技球の発射強度は、前記第1の操作手段が操作されることによっては前記遊技球発射手段が発射することができない遊技球の発射強度である
ことを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、第2の操作手段が操作されることによって遊技球発射手段が発射する遊技球の発射強度は、第1の操作手段が操作されることによっては遊技球発射手段が発射することができない遊技球の発射強度であるので、例えば、第2の操作手段が操作された場合にのみ遊技球発射手段が出力する発射強度で発射された遊技球のみが関与可能な役物や入球部などの遊技要素を設けることによって、新たな遊技性を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴I2]
特徴I1に記載の遊技機であって、
前記第2の操作手段が操作されることによって前記遊技球発射手段が発射する遊技球の発射強度は、前記第1の操作手段が操作されることによって前記遊技球発射手段が発射することができる遊技球の最大の発射強度よりも大きい
ことを特徴とする遊技機。
特徴I2によれば、第2の操作手段が操作されることによって、第1の操作手段が操作されることによって遊技球発射手段が発射することができる遊技球の最大の発射強度よりも大きい発射強度で遊技球を発射することができるので、例えば、第2の操作手段が操作されることによって、第1の操作手段が操作されることによって遊技球発射手段が発射することができる遊技球の最大の発射強度よりも大きい発射強度で発射された遊技球のみが関与可能な役物や入球部を設けることによって、新たな遊技性を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴I3]
特徴I1または特徴I2に記載の遊技機であって、
前記第1の操作手段は、
回動可能な回動操作部を備え、
前記遊技球発射手段は、
前記回動操作部の回動操作量に応じた発射強度で遊技球を前記遊技領域に発射する
ことを特徴とする遊技機。
特徴I3によれば、第1の操作手段は回動操作部を備える。従って、例えば、第2の操作手段を回動操作とは異なる操作によって遊技球発射手段に遊技球を発射させる構成とした場合、第1の操作手段と第2の操作手段との操作方法が異なることで、多様な操作性を備えた遊技性を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴I4]
特徴I1から特徴I3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技領域は、
前記第1の操作手段が操作された場合に前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が到達できない領域であって、前記第2の操作手段が操作された場合に前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が到達可能な特定の領域(特定領域SPA)を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴I4によれば、遊技領域は、第1の操作手段が操作された場合に遊技球発射手段によって発射された遊技球が到達できない領域であって、第2の操作手段が操作された場合に遊技球発射手段によって発射された遊技球が到達可能な特定の領域を含むので、当該特定の領域を利用することによって新たな遊技性を創出することができる。特定の領域は、第2の操作手段を操作することによって遊技球を発射した場合にのみ到達する領域であることから、第2の操作手段の操作が必須となるような遊技性を創出することができる。
[特徴I5]
特徴I4に記載の遊技機であって、
前記特定の領域には、
前記第2の操作手段が操作された場合に前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が入球可能な特定の入球部(図71:第2始動口34)が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
特徴I5によれば、特定の領域には特定の入球部が設けられているので、第2の操作手段を操作することによって特定の入球部に遊技球を入球させるという遊技性を創出することができる。換言すれば、特定の入球部に遊技球を入球させるためには第2の操作手段の操作が必須となる遊技性を創出することができる。
[特徴I6]
特徴I5に記載の遊技機であって、
特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記特定の入球部は、前記情報取得手段が当該特定の入球部への遊技球の入球を契機として前記特別情報を取得することとなる入球部である
ことを特徴とする遊技機。
特徴I6によれば、特定の入球部は、情報取得手段が当該特定の入球部への遊技球の入球を契機として特別情報を取得することとなる入球部であるので、当該特定の入球部へ遊技球を入球させることを、当該遊技機の遊技性における重要な要素にすることができる。その結果、特定の入球部へ遊技球を入球させるための第2の操作手段の操作が当該遊技機の主要な特徴であると遊技者に認識させることができる。
[特徴I7]
特徴I5または特徴I6に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部であって、前記特定の入球部とは異なる所定の入球部(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)と、
前記所定の入球部への遊技球の入球を契機として、第1の図柄の変動表示を開始する第1図柄表示手段(第1図柄表示部37a)と、
前記特定の入球部への遊技球の入球を契機として、第2の図柄の変動表示を開始する第2図柄表示手段(第2図柄表示部37b)と、
を備え、
前記第1図柄表示手段は、
前記第1の図柄および前記第2の図柄が変動表示している場合に、前記第2図柄表示手段が前記第2の図柄を停止表示させることを契機として、前記第1の図柄を停止表示させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴I7によれば、第1の図柄が変動表示をしている場合に、遊技者が第2の操作手段を操作して特定の入球部に遊技球を入球させると、第2の図柄が変動表示を開始し、その後、停止表示に移行する。その際に、第1の図柄も変動表示から停止表示に移行する。従って、第1の図柄が変動表示をしている場合に、遊技者が第2の操作手段を操作することによって第1の図柄を停止表示させるといった新たな遊技性を創出することができる。
<特徴J群>
特徴J群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴J1]
遊技球を発射する遊技球発射手段と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を誘導する第1の誘導手段(図72:誘導レール31)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球であって、前記第1の誘導手段から放出された遊技球が流通する流通領域と、
前記遊技球発射手段によって発射された遊技球であって、前記第1の誘導手段から前記流通領域に放出されなかった遊技球を誘導する第2の誘導手段(図72:振り分け機構34b、誘導レール34c)と、
前記第2の誘導手段によって誘導された遊技球が入球可能な特定の入球部(図72:第2始動口34d)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、遊技球発射手段によって発射された遊技球であって、第1の誘導手段から流通領域に放出されなかった遊技球を誘導する第2の誘導手段と、第2の誘導手段によって誘導された遊技球が入球可能な特定の入球部とを備えるので、例えば、演出、役物の作動、抽選処理など、当該遊技機の遊技性に関与する遊技要素を当該入球部への入球を契機として実行することによって新たな遊技性を創出することができる。
[特徴J2]
特徴J1に記載の遊技機であって、
特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記特定の入球部は、前記情報取得手段が当該特定の入球部への遊技球の入球を契機として前記特別情報を取得することとなる入球部である
ことを特徴とする遊技機。
特徴J2によれば、特定の入球部は、情報取得手段が当該特定の入球部への遊技球の入球を契機として特別情報を取得することとなる入球部であるので、当該特定の入球部へ遊技球を入球させることを、当該遊技機の遊技性における重要な要素にすることができる。
[特徴J3]
特徴J1または特徴J2に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部であって、前記流通領域に設けられた所定の入球部(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)と、
前記所定の入球部への遊技球の入球を契機として、第1の図柄の変動表示を開始する第1図柄表示手段(第1図柄表示部37a)と、
前記特定の入球部への遊技球の入球を契機として、第2の図柄の変動表示を開始する第2図柄表示手段(第2図柄表示部37b)と、
を備え、
前記第1図柄表示手段は、
前記第1の図柄および前記第2の図柄が変動表示している場合に、前記第2図柄表示手段が前記第2の図柄を停止表示させることを契機として、前記第1の図柄を停止表示させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴J3によれば、第1の図柄が変動表示をしている場合に、特定の入球部に遊技球を入球させると、第2の図柄が変動表示を開始し、その後、停止表示に移行する。その際に、第1の図柄も変動表示から停止表示に移行する。従って、第1の図柄が変動表示をしている場合に、特定の入球部に遊技球を入球させることによって第1の図柄を停止表示させるといった新たな遊技性を創出することができる。
<特徴K群>
特徴K群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴K1]
第1の操作手段(操作ハンドル25)と、
第2の操作手段(遊技球発射ボタン26)と、
前記第1の操作手段または前記第2の操作手段が操作された場合に、遊技球を発射する遊技球発射手段(発射制御装置80、遊技球発射機構81)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球を誘導する第1の誘導手段(誘導レール31)と、
前記遊技球発射手段から発射された遊技球であって、前記第1の誘導手段から放出された遊技球が流通する流通領域と、
を備える遊技機であって、
前記第1の操作手段は、当該第1の操作手段が操作されることによって前記遊技球発射手段が発射する遊技球が前記第1の誘導手段から放出可能であるように構成されているにも関わらず、
前記第2の操作手段は、当該第2の操作手段が操作されることによって前記遊技球発射手段が発射する遊技球が前記第1の誘導手段から放出されないように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、第2の操作手段が操作されることによって遊技球発射手段が発射する遊技球が第1の誘導手段から放出されないように構成されているので、第2の操作手段の操作を契機として発射された遊技球が関与可能な役物や入球部を設けることによって、新たな遊技性を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴K2]
特徴K1に記載の遊技機であって、
前記第1の操作手段は、
回動可能な回動操作部を備え、
前記遊技球発射手段は、
前記回動操作部の回動操作量に応じた発射強度で遊技球を遊技領域に発射する
ことを特徴とする遊技機。
特徴K2によれば、第1の操作手段は回動操作部を備える。従って、例えば、第2の操作手段を回動操作とは異なる操作によって遊技球発射手段に遊技球を発射させる構成とした場合、第1の操作手段と第2の操作手段との操作方法が異なることで、多様な操作性を備えた遊技性を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴K3]
特徴K1または特徴K2に記載の遊技機であって、
前記遊技球発射手段によって発射された遊技球であって、前記第1の誘導手段から前記流通領域に放出されなかった遊技球を誘導する第2の誘導手段(図72:振り分け機構34b、誘導レール34c)と、
前記第2の誘導手段によって誘導された遊技球が入球可能な特定の入球部(第2始動口34d)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴K3によれば、第1の誘導手段から流通領域に放出されなかった遊技球を誘導する第2の誘導手段と、第2の誘導手段によって誘導された遊技球が入球可能な特定の入球部とを備えるので、特定の入球部に遊技球を入球させるために、第1の誘導手段から流通領域に遊技球が放出しないように第1の操作手段または第2の操作手段を操作するといった新たな遊技性を創出することができる。
[特徴K4]
特徴K3記載の遊技機であって、
特別情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記特定の入球部は、前記情報取得手段が当該特定の入球部への遊技球の入球を契機として前記特別情報を取得することとなる入球部である
ことを特徴とする遊技機。
特徴K4によれば、特定の入球部は、情報取得手段が当該特定の入球部への遊技球の入球を契機として特別情報を取得することとなる入球部であるので、当該特定の入球部へ遊技球を入球させることを、当該遊技機の遊技性における重要な要素にすることができる。その結果、特定の入球部に遊技球を入球させるために、第1の誘導手段から流通領域に遊技球が放出しないように当該遊技機を操作することが当該遊技機の主要な特徴であると遊技者に認識させることができる。
[特徴K5]
特徴K3または特徴K4に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部であって、前記流通領域に設けられた所定の入球部(中央側第1始動口33、右側第1始動口44)と、
前記所定の入球部への遊技球の入球を契機として、第1の図柄の変動表示を開始する第1図柄表示手段(第1図柄表示部37a)と、
前記特定の入球部への遊技球の入球を契機として、第2の図柄の変動表示を開始する第2図柄表示手段(第2図柄表示部37b)と、
を備え、
前記第1図柄表示手段は、
前記第1の図柄および前記第2の図柄が変動表示している場合に、前記第2図柄表示手段が前記第2の図柄を停止表示させることを契機として、前記第1の図柄を停止表示させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴K5によれば、第1の図柄が変動表示をしている場合に、特定の入球部に遊技球を入球させると、第2の図柄が変動表示を開始し、その後、停止表示に移行する。その際に、第1の図柄も変動表示から停止表示に移行する。従って、第1の図柄が変動表示をしている場合に、特定の入球部に遊技球を入球させることによって第1の図柄を停止表示させるといった新たな遊技性を創出することができる。
なお、上記特徴G群、特徴H群、特徴I群、特徴J群、特徴K群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、種々の処理や構造に関する改良が行われる。
ここで、上記のような遊技機においては、新たな遊技性の創出を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記特徴A群から特徴K群に含まれる一又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する取得手段と、前記始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。