<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠(図示略)と、その内枠の前方に配置される前扉枠14と、内枠の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠には遊技盤20が搭載されている。ここで、遊技盤20の構成を図2に基づいて説明する。図2は、遊技盤20の正面図である。
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口21,可変入賞装置22,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)23,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)24,スルーゲート25、可変表示ユニット26、メイン表示部33及び役物用表示部34等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23及び下作動口24への入球が発生すると、それが遊技盤20の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口21への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置22への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口23への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口24への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口23に対する下作動口24の有利性を高める上では、上作動口23に係る払出個数よりも下作動口24に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口23,24に対する可変入賞装置22の有利性を高める上では、各作動口23,24に係る払出個数よりも可変入賞装置22に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口27が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口27を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘28が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口27への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24又はスルーゲート25への遊技球の入球を入賞とも表現する。
上作動口23及び下作動口24は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤20に設置されている。上作動口23及び下作動口24は共に上向きに開放されている。また、上作動口23が上方となるようにして両作動口23,24は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口24には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物24aが設けられている。
電動役物24aの詳細について図3を用いて説明する。図3(a)は電動役物24aが閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)である場合を示し、図3(b)は電動役物24aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)である場合を示している。
上作動口23を構成する作動口ケース23aは、手前側に張り出すとともに正面から見て略台形状をなしており、上辺長<下辺長となっている。このとき、作動口ケース23aの上辺長(すなわち上作動口23の左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さとされ、下辺長は、電動役物24aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物24a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物24aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース23aと電動役物24aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口23,24の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物24aの閉鎖状態では遊技球が下作動口24に入賞できず、電動役物24aが開放されることで下作動口24への入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物24aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、上記のとおり上作動口23の作動口ケース23aが略台形状をなしておりそれが障害となることから、電動役物24aが十分に開放されるまでは下作動口24への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物24aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース23aの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口24に直接入賞することはない。これにより、電動役物24aが極短時間で開放される場合には下作動口24への入賞が極めて困難となり、電動役物24aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口24への入賞が容易となる。
さらにまた、上記のとおり上作動口23と下作動口24とが並設されている、より具体的には上下に並設されているため、電動役物24aが開放状態となった場合には、作動口装置の上方に向けて流下してきた遊技球は、上作動口23及び下作動口24のいずれにも入賞し得る。換言すれば、電動役物24aが開放状態である場合には、後述する発射ハンドル51の操作態様によって、上作動口23への入賞と下作動口24への入賞とを狙い分けることが難しい構成となっている。
なお、上作動口23の作動口ケース23aを上記の如く略台形状とする構成以外にも、上作動口23の作動口ケース23aを上部幅狭、下部幅広の2段構成としたり、上作動口23の左右両側に略ハ字状のガイド片を設けたり、作動口ケース23aの斜め下方に障害釘を植設したりしても良い。
可変入賞装置22は、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口22aを備えているとともに、当該大入賞口22aを開閉する開閉扉22bを備えている。開閉扉22bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置22の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置22が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部33及び役物用表示部34は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材29に設けられている。装飾部材29は、遊技盤20の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材29の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル53と対向しており、さらに窓パネル53との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材29の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材29の前面から露出するようにしてメイン表示部33及び役物用表示部34が設けられている。つまり、メイン表示部33及び役物用表示部34は、前扉枠14の窓パネル53を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部33,34の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部33には、大当たり当選となることで可変入賞装置22が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置22の大入賞口22aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口23への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、上作動口23への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口23への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口23への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、下作動口24への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口24への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部33は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部33にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部34では、スルーゲート25への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート25への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部34にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口24に設けられた電動役物24aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット26には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置31が設けられている。また、可変表示ユニット26には、図柄表示装置31を囲むようにしてセンターフレーム32が配設されている。このセンターフレーム32は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置31の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置31は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置31は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置31には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置31における変動表示は、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置31において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置31において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置22の大入賞口22aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置31では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
ちなみに、いずれかの作動口23,24への入賞に基づいて、メイン表示部33及び図柄表示装置31にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム32の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置31に対応した第1保留ランプ部35が設けられている。遊技球が上作動口23に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部35の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム32の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置31に対応した第2保留ランプ部36が設けられている。遊技球が下作動口24に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部36の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム32の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部35及び第2保留ランプ部36の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム32の下部には、役物用表示部34に対応した第3保留ランプ部37が設けられている。遊技球がスルーゲート25を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部37の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部35〜37が図柄表示装置31の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤20には、内レール部41と外レール部42とが取り付けられており、これら内レール部41と外レール部42とにより誘導レールが構成され、内枠において遊技盤20の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射ハンドル51が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部52が形成されている。窓部52は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル53が嵌め込まれている。窓パネル53は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部52の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部54が窓部52の上方に設けられている。また、表示ランプ部54の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部55が設けられている。
前扉枠14における窓部52の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部56と下側膨出部57とが上下に並設されている。上側膨出部56内側には上方に開口した上皿56aが設けられており、下側膨出部57内側には同じく上方に開口した下皿57aが設けられている。上皿56aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿57aは、上皿56a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿56a及び下皿57aには、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
内枠の背面側には、主制御装置と、音声ランプ制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図4のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65と、を具備している。なお、主制御装置60において主制御基板61などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、当該MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU62が有する機能の一部、例えば、ROM63の機能やRAM64の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、主制御装置60に設けられた停電監視基板65、払出制御装置70及び各種検知センサ67a〜67eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板65には電源及び発射制御装置80が接続されており、MPU62には停電監視基板65を介して電力が供給される。また、各種検知センサ67a〜67eの一部として、一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24及びスルーゲート25などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置60のMPU62において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU62では、上作動口23及び下作動口24への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート25への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU62の出力側には、停電監視基板65、払出制御装置70及び音声ランプ制御装置90が接続されている。払出制御装置70には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM63のコマンド情報記憶エリア63eが参照される。そして、一般入賞口21への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置22への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口23への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口24への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置90には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM63のコマンド情報記憶エリア63eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU62の出力側には、可変入賞装置22の開閉扉22bを開閉動作させる可変入賞駆動部22c、下作動口24の電動役物24aを開閉動作させる電動役物駆動部24b、及びメイン表示部33が接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口22aが開閉されるように、MPU62において可変入賞駆動部22cの駆動制御が実行される。また、電動役物24aの開放状態当選となった場合には、電動役物24aが開閉されるように、MPU62において電動役物駆動部24bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU62においてメイン表示部33における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置22の開閉実行モードに際してはメイン表示部33におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
停電監視基板65は、主制御基板61と電源及び発射制御装置80とを中継し、また電源及び発射制御装置80から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置70は、主制御装置60から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置71により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構81は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置90は、主制御装置60から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット26に設けられた各保留ランプ部35〜37及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部54やスピーカ部55を駆動制御するとともに、表示制御装置100を制御するものである。
表示制御装置100では、音声ランプ制御装置90から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置31の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置90では、主制御装置60から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置31における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
ここで、図柄表示装置31の表示内容について図5に基づいて説明する。図5は図柄表示装置31の表示画面Gを示す図である。
図5(a)に示すように、図柄表示装置31の表示画面Gには、複数の変動表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図5(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせ、具体的にはリーチ外れとなる図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、所定の動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせ、具体的にはリーチ外れとなる図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、所定の動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置31における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置31にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU62は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部33の表示の設定、図柄表示装置31の図柄表示の設定、役物用表示部34の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図6に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置31が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部33の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置31における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口24の電動役物24aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜格納される。RAM64には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア64bが設けられている。そして、この保留球格納エリア64bに、上作動口23又は下作動口24への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。より詳しくは、上作動口23に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口24に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM63における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア63aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図7を用いて説明する。図7に示すように、当否テーブルとしては、図7(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図7(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図7(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図7(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。より詳しくは、上作動口23に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口24に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
ここで、本実施形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置22の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口24の電動役物24aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置22の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置22への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口22aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口22aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口22aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口22aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル51が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口22aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口22aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口22aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置22への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置22への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口22aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置22への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口24の電動役物24aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口24の電動役物24aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物24aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物24aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口24よりも上作動口23への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口23よりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口24への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート25への入賞に基づき役物用表示部34にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部34における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM63における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルの内容について図8を用いて説明する。図8に示すように、振分テーブルとしては、図8(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図8(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図8(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持される大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードではそれまでのモードが維持される非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードがそれまでのモードに維持される。つまり、通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果となった場合には、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが低頻度サポートモードに維持される。そうすると、遊技状態として、電動役物24aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示2R確変大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図8(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口23への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口24への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口23への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口24への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、下作動口24への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口23への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口24への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口23への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードはそれまでのモードが維持されるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物24aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、上作動口23と下作動口24とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口23及び下作動口24のうち、下作動口24への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口24への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。より詳しくは、上作動口23に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口24に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU62では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置31を備え、可変入賞装置22の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置31における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置31の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。なお、本パチンコ機10において大当たり図柄の組み合わせとは、同一の図柄の組み合わせのことをいう。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置31の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図5の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部33の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置31における図柄の変動表示時間とをMPU62において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置31による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート25に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物24aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物24aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物24aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU62では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM63の変動表示時間テーブル記憶エリア63cが用いられる。また、MPU62では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM63の停止結果テーブル記憶エリア63dが用いられる。
<保留球格納エリア64bの構成>
次に、保留球格納エリア64bの構成を、図9を用いてより詳細に説明する。
第1取得情報記憶手段として設けられた第1結果表示部用保留エリアRaは、上作動口23への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の1組の組み合わせが、上作動口23に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本パチンコ機10における第1特別情報に相当する。
また、第2取得情報記憶手段として設けられた第2結果表示部用保留エリアRbは、下作動口24への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の1組の組み合わせが、下作動口24に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本パチンコ機10における第2特別情報に相当する。
ここで、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1結果表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口23への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
C1記憶領域は2バイトで構成されており、0〜599のいずれかの大当たりカウンタC1値が0〜9の下位10ビットを用いて格納されるようになっている。C1記憶領域のうち10〜15の上位6ビットは未使用領域となっている。
C2記憶領域は1バイトで構成されており、0〜29のいずれかの大当たり種別カウンタC2値が0〜4の下位5ビットを用いて格納されるようになっている。C2記憶領域のうち5〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
C3記憶領域は1バイトで構成されており、0〜238のいずれかのリーチ乱数カウンタC3値が0〜7の全8ビットを用いて格納されるようになっている。
保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち上作動口23に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜4のいずれかの値が0〜2の下位3ビットを用いて格納されるようになっている。保留数記憶領域のうち3〜7の上位5ビットは未使用領域となっている。
また、保留球格納エリア64bには、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。総保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜8のいずれかの値が0〜3の下位4ビットを用いて格納されるようになっている。総保留数記憶領域のうち4〜7の上位4ビットは未使用領域となっている。
図6に示す実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEは、各結果表示部用保留エリアRa,Rbの1つ分の記憶エリアと同一構成、すなわち、2バイト構成のC1記憶領域と、1バイト構成のC2記憶領域と、1バイト構成のC3記憶領域とにより構成されている。
<主制御装置60にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置60内のMPU62にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU62では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU62により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種入賞スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて、作動口23,24への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート25への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS104における作動口用の入賞処理及びステップS105におけるスルー用の入賞処理について以下に説明する。
<作動口用の入賞処理>
先ず、作動口用の入賞処理について図11のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口23に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口23に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口23に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口23に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口23に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口24に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口24に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口24に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口24に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口23,下作動口24のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S501にて払出制御装置70に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図12のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS301では、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1加算するとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1加算した第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1加算した第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置90及び表示制御装置100に認識させるとともに、後述する保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。これらの処理については、後に詳細に説明する。その後、本情報取得処理を終了する。
なお、ステップS305及びステップS306の処理により設定された保留コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、上作動口23への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第1保留ランプ部35を点灯させるための処理を実行する。第1保留ランプ部35は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第1始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1保留ランプ部35が点灯され、第1始動保留記憶数RaNが4であれば全ての第1保留ランプ部35が点灯されるようになっている。また、下作動口24への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第2保留ランプ部36を点灯させるための処理を実行する。第2保留ランプ部36は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第2始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第2保留ランプ部36が点灯され、第2始動保留記憶数RbNが4であれば全ての第2保留ランプ部36が点灯されるようになっている。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について図13のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では、遊技球がスルーゲート25に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート25に入賞したと判定した場合には、ステップS402に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。
ステップS401でスルーゲート25に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS402にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球がスルーゲート25に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS403に進み、役物保留記憶数SNを1加算する。続くステップS404では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、第3保留ランプ部37を点灯させるための処理を実行する。第3保留ランプ部37は左側から順次点灯されるようになっており、例えば役物保留記憶数SNが1であれば左端の第3保留ランプ部37が点灯され、役物保留記憶数SNが4であれば全ての第3保留ランプ部37が点灯されるようになっている。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S507の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS508,S509のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置90に対して送信する。
次に、ステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS503では、払出制御装置70より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS504では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置31による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS505では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS506では、下作動口24に設けられた電動役物24aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物24aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部34の表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
続くステップS507では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS508,S509)。つまり、ステップS508では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS509では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS501〜S506の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS504の遊技回制御処理を図15〜図18のフローチャートを参照して説明する。
図15に示す遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ格納エリア64eにおける開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口23,24への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、メイン表示部33が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM64の各種フラグ格納エリア64eにおける変動表示中フラグ格納エリアに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部33が変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口23及び下作動口24のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にてメイン表示部33における変動表示及び図柄表示装置31における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口24に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1保留記憶数RaNを1減算する。続くステップS703では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS706では、RAM64の各種フラグ格納エリア64eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリアに第2結果表示部フラグが記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置90に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口23に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット26の第1保留ランプ部35における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1減算する。続くステップS709では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。続くステップS712では、RAM64の各種フラグ格納エリア64eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリアに第2結果表示部フラグが記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置90に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口24に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット26の第2保留ランプ部36における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS801にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ格納エリア64eに設けられた高確率モードフラグ格納エリアに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS802にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図7(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS803にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図7(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS802又はステップS803の処理の後は、ステップS804にて、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS805〜ステップS812において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS805では、RAM64に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS806にて第1結果表示部用の振分テーブル(図8(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS807にて第2結果表示部用の振分テーブル(図8(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS806又はステップS807の処理の後は、ステップS808にて、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS809にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
当該確変大当たり用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア63dに記憶されている停止結果テーブルを参照することで、ステップS806又はステップS807において振り分けた大当たり結果に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。
続くステップS810では、ステップS806又はステップS807において振り分けた大当たり結果に対応したフラグをRAM64の各種フラグ格納エリア64eにおける対応するエリアに格納する。具体的には、15R確変大当たり結果である場合には15R確変フラグを格納し、明示2R確変大当たり結果である場合には明示2R確変フラグを格納し、非明示2R確変大当たり結果である場合には非明示2R確変フラグを格納する。その後、ステップS814に進む。
一方、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS808にて否定判定をし、ステップS811に進む。ステップS811では、停止結果テーブル記憶エリア63dにおける通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS812にて、RAM64の各種フラグ格納エリア64eにおける通常大当たりフラグ格納エリアに通常大当たりフラグを格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。その後、ステップS814に進む。
また、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS804にて否定判定をし、ステップS813に進む。ステップS813では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。当該外れ時用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア63dにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS814に進む。
ステップS814では、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
変動表示時間の設定処理では、先ずステップS901にて、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU62のレジスタに記憶する。
続くステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置31にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM64に、いずれかの確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903にてROM63の変動表示時間テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS904にて、その変動表示時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905にて変動表示時間テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が長くなる又は各保留記憶数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図17)の説明に戻り、ステップS814の後は、ステップS815にて、RAM64に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS816にて、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS817にて、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。
ステップS816又はステップS817の処理を実行した後は、ステップS818にて種別コマンドを設定する。種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報などが含まれる。
ステップS816〜ステップS818にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、音声ランプ制御装置90では、その受信した変動用コマンド及び種別コマンドをそのまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置31を表示制御する。
その後、ステップS819にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM64に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図15)の説明に戻り、メイン表示部33が変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM64の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図18)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される度に、1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS809,ステップS811又はステップS813のいずれかの処理にてRAM64に記憶したアドレス情報を特定し、そのアドレス情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置90から表示制御装置100に送信され、表示制御装置100では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS505の遊技状態移行処理を図19及び図20のフローチャートを参照して説明する。
図19に示す遊技状態移行処理では、先ずステップS1001にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1002に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1003にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1004にて、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部33におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS1005では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1006にて、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口22aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS1007にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。
ステップS1006又はステップS1007の処理を実行した後は、ステップS1008にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置90から表示制御装置100に送信され、表示制御装置100では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置31を表示制御する。ステップS1009の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1001にて肯定判定をし、ステップS1009にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口22aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部22cを駆動状態とすることで大入賞口22aを開放させる。また、大入賞口22aが開放中である場合には、当該大入賞口22aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部22cの駆動状態を停止し、大入賞口22aを閉鎖させる。なお、開放限度時間及び開放限度個数は、既に説明したように、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとで異なっている。
続くステップS1010では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS1011にてエンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。また、当該エンディングコマンドは、音声ランプ制御装置90から表示制御装置100に送信され、表示制御装置100では当該エンディングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示を終了させる。
その後、ステップS1012では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1101にて、RAM64に、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS1102にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS1103にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1104にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
続くステップS1105では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
ステップS1101にて、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、ステップS1106にて非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合には、ステップS1107にて、高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定し、高頻度サポートフラグが格納されていない場合には、ステップS1108〜ステップS1110の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、ステップS1108では、上記フラグ消去処理を実行する。また、ステップS1109では、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、高確率モードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
また、ステップS1110では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
一方、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、ステップS1107にて肯定判定をし、ステップS1102〜ステップS1105の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、サポートモードが高頻度サポートモードとなるとともに、当該高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
ステップS1106にて非明示2R確変フラグが格納されていないと判定した場合には、通常大当たりフラグが格納されていることに基づいて今回の開閉実行モードが行われたことを意味する。この場合、ステップS1111〜ステップS1114の処理を実行する。つまり、ステップS1111にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1112にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS1113にて、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
続くステップS1114では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
ちなみに、ステップS1105又はステップS1114にて設定された高頻度サポートコマンド及びステップS1110にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90は高頻度サポートコマンド及び低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、高頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが高頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。また、表示制御装置100では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これらについては、後に詳細に説明する。
遊技状態移行処理(図19)の説明に戻り、ステップS1012の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1013にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部33におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。
その後、ステップS1014にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<電役サポート用処理>
次に、ステップS506の電役サポート用処理を図21及び図22のフローチャートを参照して説明する。
図21に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1201にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ格納エリア64eに設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、下作動口24の電動役物24aを開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1202に進み、RAM64の各種フラグ格納エリア64eに設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物24aを開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1203に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1204にて、役物用表示部34における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1205にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で役物用表示部34における絵柄の変動表示が終了される。
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1206にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1207にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1208にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1209にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2役物タイマエリアT2はタイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
続くステップS1210では、ステップS1209の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1211の処理を実行することなくステップS1212に進み、サポート当選である場合には、ステップS1211にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1212に進む。
ステップS1212では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1212にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS1212にて肯定判定をした場合には、ステップS1213にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1214にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1215では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1215にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1216にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS1217では、ステップS1216の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1218にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1202にて肯定判定をし、ステップS1219に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、役物用表示部34における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1220にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で役物用表示部34における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1221では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1222に進み、電動役物24aを開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1301にて電動役物24aが開放中であるか否かを判定する。電動役物24aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部24bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物24aが開放されている場合にはステップS1302に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合にはステップS1303に進み、電動役物24aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
その後、ステップS1304では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS1305にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、ステップS1306にてサポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物24aが開放中でない場合にはステップS1301にて否定判定をし、ステップS1307に進む。ステップS1307では、第2タイマエリアT2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2が「0」である場合には、ステップS1308にて、電動役物24aを開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS1309にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1310にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1311にて第2タイマエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1312にて第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア64bの第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置60から送信された所定のコマンドに基づいて表示制御装置100にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
<保留予告に係る電気的構成について>
先ず、音声ランプ制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について、図23のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置90に設けられた音声ランプ制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、当該MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93と、そのROM93内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンド、高頻度サポートコマンド及び低頻度サポートコマンドといった遊技状態用コマンド(遊技状態用情報)を受信する。また、シフト時コマンド及び後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。
MPU92の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット26に設けられた各保留ランプ部35〜37及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部54やスピーカ部55が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。この場合に、上記各種コマンドのうち、シフト時コマンドを除いた各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100は、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とがそれぞれ搭載された表示制御基板101を備えている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声ランプ制御装置90を経由して主制御装置60から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。上記固定値データの一部は、プログラムROM103の各エリア111〜116に予め記憶されている。これらのエリア111〜116の詳細については、MPU102にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM104の各エリア121〜134に記憶される。これらのエリア121〜134の詳細については、MPU102にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
VDP105は、図柄表示装置31に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP105はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置31に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置31に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置31に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置31の表示内容が変更される。
<主制御装置60にて実行される保留予告に係る処理について>
次に、主制御装置60のMPU62にて実行される保留予告に係る処理について説明する。主制御装置60のMPU62における保留予告に係る処理として、保留予告用の確認処理と、保留コマンドの設定処理とが設定されている。
<保留予告用の確認処理>
先ず、保留予告用の確認処理について説明する。保留予告用の確認処理は、タイマ割込み処理(図10)の一部の処理として設定された情報取得処理(図12)のステップS305において実行される。
図24は、保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。先ずステップS1401では、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbのうち、今回の入賞に係る作動口に対応した保留エリアに記憶されている保留情報の個数の情報を読み出し、かかる保留個数の情報をMPU62のレジスタに記憶する。続くステップS1402では、上作動口23又は下作動口24への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1403では、RAM64に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS1404にて、図7(a)に示す低確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1402にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合には、ステップS1405にて、図7(b)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1402にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1404又はステップS1405の後は、ステップS1406にて、ステップS1402にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1407にて、上作動口23又は下作動口24への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1408では、図8(a)に示す第1結果表示部用の振分テーブル及び図8(b)に示す第2結果表示部用の振分テーブルのうち、今回の入賞に係る作動口に対応したテーブルを参照して、ステップS1407にて把握した大当たり種別判定用の情報が通常大当たり結果として設定された情報又は15R確変大当たり結果として設定された情報のいずれかに含まれているかを特定する。この場合、第1結果表示部用の振分テーブルでは大当たり結果として、通常大当たり結果、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果が設定されているため、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のいずれにも該当しないことが起こり得る。一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは大当たり結果として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されているため、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果のいずれかに該当することとなる。
その後、ステップS1409では、ステップS1407にて把握した大当たり種別用の情報が15R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定するとともに、ステップS1410では、ステップS1407にて把握した大当たり種別用の情報が通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。
その結果、15R確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS1411にてMPU62のレジスタに15R確変大当たり情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。また、通常大当たり結果に対応している場合には、ステップS1412にてMPU62のレジスタに通常大当たり情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。また、15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果のいずれでもない場合、すなわち非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果のいずれかである場合には、ステップS1413にてMPU62のレジスタに2R確変大当たり情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。
一方、ステップS1406にて、ステップS1402において把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応していないと判定した場合には、ステップS1414に進む。ステップS1414では、上作動口23又は下作動口24への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1415では、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、ステップS1414にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。その後、ステップS1416において、ステップS1414にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1417にてMPU62のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
<保留コマンドの設定処理>
次に、保留コマンドの設定処理について説明する。保留コマンドの設定処理は、タイマ割込み処理(図10)の一部の処理として設定された情報取得処理(図12)のステップS306において実行される。この場合に、情報取得処理は上作動口23への入賞が発生した場合に実行されるとともに、下作動口24への入賞が発生した場合にも実行されるが、いずれの場合における情報取得処理であっても保留コマンドの設定処理は実行される。
図25は、保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。当該設定処理では、ステップS1501にて、MPU62のレジスタに15R確変大当たり情報が記憶されているか否かを判定し、ステップS1502にて、MPU62のレジスタに2R確変大当たり情報が記憶されているか否かを判定し、ステップS1503にて、MPU62のレジスタに通常大当たり情報が記憶されているか否かを判定し、ステップS1504にて、MPU62のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定する。その結果、15R確変大当たり情報が記憶されている場合(ステップS1501:YES)にはステップS1505に進み、RAM64に設けられた保留コマンド設定エリアに15R確変対応保留コマンドを設定し、2R確変大当たり情報が記憶されている場合(ステップS1502:YES)にはステップS1506に進み、保留コマンド設定エリアに2R確変対応保留コマンドを設定し、通常大当たり情報が記憶されている場合(ステップS1503:YES)にはステップS1507に進み、保留コマンド設定エリアに通常対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されている場合(ステップS1504:YES)にはステップS1508に進み、リーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されていない場合(ステップS1504:NO)にはステップS1509に進み、その他対応保留コマンドを設定する。
ステップS1505〜ステップS1509のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1510にて、保留個数の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の情報や保留コマンドの種別の情報が含まれているとともに、保留個数の情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS1510では、先ず直前の保留予告用の確認処理(図24)におけるステップS1401にてMPU62のレジスタに記憶された保留個数の情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける保留個数の情報用のビットに対して、上記読み出した保留個数の情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS1505〜ステップS1509のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための情報が含まれる。
その後、ステップS1511では、今回が上作動口23への入賞に係る処理回であるか否かを判定する。上作動口23への入賞に係る処理回でない場合にはそのまま本設定処理を終了する。
上作動口23への入賞に係る処理回である場合には、ステップS1512にて、上作動口の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、既に説明したように、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、上作動口23への入賞に係るものであることを示す情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS1512では、既に設定されている保留コマンドにおける入賞対象の情報用のビットに対して、上作動口の情報、すなわち「1」を格納する。なお、当該ビットには初期値として「0」が格納されており、この場合、そのコマンドは下作動口24への入賞に係るものであることを意味する。ステップS1512の処理が実行されることにより、ステップS1505〜ステップS1509のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドが上作動口23への入賞に係るものであることを特定するための情報が含まれる。その後、本保留コマンドの設定処理を終了する。
保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは、次回の通常処理(図14)におけるステップS501の外部出力処理により、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置90では、保留コマンドをそのまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、その受信した保留コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。当該処理については後に詳細に説明する。
なお、保留コマンドの設定処理の終了に際して、MPU62のレジスタに記憶されている15R確変大当たり情報、2R確変大当たり情報、通常大当たり情報及びリーチ発生情報は消去される。
ちなみに、保留コマンドの設定の仕方は、表示制御装置100において保留コマンドによって、上作動口23への入賞に係るものであるか否か、所定の大当たり結果に対応しているか否か、リーチ発生の有無などを特定することができるのであれば任意である。例えば、15R確変対応保留コマンド、2R確変対応保留コマンド、通常対応保留コマンド、リーチ対応保留コマンド及びその他対応保留コマンドの組み合わせが、上作動口23及び下作動口24のそれぞれ対して個別に設定されているとともに、各保留個数に対応させて個別に設定されている構成とする。そして、保留コマンドの設定処理では、保留予告用の確認処理(図24)における確認結果に応じて一の保留コマンドを選択する構成としてもよい。
<表示制御装置100にて実行されるコマンド対応処理>
次に、表示制御装置100のMPU102にて実行されるコマンド対応処理を、図26のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、音声ランプ制御装置90を経由して主制御装置60から受信したコマンドは、コマンドを受信した際に起動されるコマンド格納処理によりワークRAM104のコマンド格納エリア121に格納される。コマンド対応処理は、MPU102において定期的に(例えば、2msec周期)起動され、コマンド格納エリア121に格納されているコマンドに対応した各種制御を実行するための処理である。なお、コマンド格納エリア121は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
コマンド対応処理では、先ずステップS1601にて、コマンド格納エリア121に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドがオープニングコマンドであるか否かを判定する。オープニングコマンドである場合にはステップS1602〜ステップS1603の処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
ステップS1602では、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア134に設けられた開閉実行フラグ格納エリアに開閉実行フラグを格納する。当該開閉実行フラグは、開閉実行モード中であることを表示制御装置100のMPU102にて特定するための情報であり、開閉実行モードの開始に際してオープニングコマンドの受信を契機として格納され、開閉実行モードの終了に際してエンディングコマンドの受信を契機として消去される。MPU102では、開閉実行フラグが格納されている場合、図柄表示装置31における表示内容を開閉実行モードに対応したものとするとともに、後述するように保留予告の設定や実行を開閉実行モードに対応したものとする。
続くステップS1603では、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア134に設けられた第1予告条件成立フラグ格納エリアに第1予告条件成立フラグが格納されている場合には、それを消去した後に、本コマンド対応処理を終了する。
第1予告条件成立フラグは、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態に設定されている状況であるか否かをMPU102にて特定するための情報であり、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報を契機として保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、当該保留予告を実行すべき状態の終了条件が成立した場合に消去される情報である。
ちなみに、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア134には、第1予告条件成立フラグ格納エリアの他に、第2予告条件成立フラグを格納するための第2予告条件成立フラグ格納エリアが設けられている。当該第2予告条件成立フラグは、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態に設定されている状況であるか否かをMPU102にて特定するための情報であり、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報を契機として保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、当該保留予告を実行すべき状態の終了条件が成立した場合に消去される情報である。
上記のとおりオープニングコマンドを受信した場合には、格納されている第1予告条件成立フラグを消去するようにしたことにより、上作動口23に係る保留情報について保留予告を実行すべき状態が設定されている状況は、開閉実行モードへの移行に際して解消される。これにより、開閉実行モードへの移行に対応した遊技回の途中に上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されたとしても、その状態は開閉実行モードが実行される場合に解除される。よって、上作動口23に係る保留情報を契機とした保留予告を実行すべき状態が開閉実行モードの終了直後に開始されることが規制される。
その一方、オープニングコマンドを受信したとしても、第2予告条件成立フラグは消去されない。したがって、下作動口24に係る保留情報を契機として保留予告を行うように設定されている状況は、開閉実行モードが実行される場合に解消されない。これにより、開閉実行モードへの移行に対応した遊技回の途中において下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されたとしても、その状態は開閉実行モードが実行される場合に解除されない。よって、下作動口24に係る保留情報を契機とした保留予告を実行すべき状態が開閉実行モードの終了直後に開始されることは規制されない。
今回の読み出し対象のコマンドがオープニングコマンドでない場合には、ステップS1604にて、今回の読み出し対象のコマンドがエンディングコマンドであるか否かを判定する。エンディングコマンドである場合には、ステップS1605にて、ワークRAM104から開閉実行フラグを消去した後に、本コマンド対応処理を終了する。
今回の読み出し対象のコマンドがエンディングコマンドでない場合には、ステップS1606にて、今回の読み出し対象のコマンドが高頻度サポートコマンドであるか否かを判定する。高頻度サポートコマンドである場合には、ステップS1607にて、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア134に設けられたサポートフラグ格納エリア(サポート特定用情報記憶手段)にサポートフラグ(サポート特定用情報)を格納した後に、本コマンド対応処理を終了する。
サポートフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであることを表示制御装置100のMPU102にて特定するための情報であり、高頻度サポートモードへの移行に際して高頻度サポートコマンドの受信を契機として格納され、低頻度サポートモードへの移行に際して低頻度サポートコマンドの受信を契機として消去される。MPU102では、サポートフラグが格納されている場合、後述するように保留予告の設定や実行を高頻度サポートモードに対応したものとする。
今回の読み出し対象のコマンドが高頻度サポートコマンドでない場合には、ステップS1608にて、今回の読み出し対象のコマンドが低頻度サポートコマンドであるか否かを判定する。低頻度サポートコマンドである場合には、ステップS1609にて、ワークRAM104からサポートフラグを消去した後に、本コマンド対応処理を終了する。
今回の読み出し対象のコマンドが低頻度サポートコマンドでない場合には、ステップS1610にて、今回の読み出し対象のコマンドが保留コマンドであるか否かを判定する。保留コマンドである場合には、ステップS1611にて保留コマンド対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了し、保留コマンドでない場合には、ステップS1612にて変動表示制御処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
以下、ステップS1611の保留コマンド対応処理及びステップS1612の変動表示制御処理について、詳細に説明する。
<保留コマンド対応処理>
先ず、ステップS1611の保留コマンド対応処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
保留コマンド対応処理では、先ずステップS1701にて、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報の個数と、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報の個数と、それらの合計数をMPU102において特定可能とするための入賞時の更新処理を実行する。図28は入賞時の更新処理を示すフローチャートである。入賞時の更新処理では先ずステップS1801にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口23への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。
上作動口23への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS1802にて第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。当該更新処理では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122に第1保留個数計測手段として設けられた第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。当該第1保留個数カウンタエリアは、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報の個数をMPU102において特定するためのカウンタエリアである。
上作動口23への入賞に基づき送信されたものでない場合、すなわち下作動口24への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS1803にて第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。当該更新処理では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122に第2保留個数計測手段として設けられた第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。当該第2保留個数カウンタエリアは、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報の個数をMPU102において特定するためのカウンタエリアである。
ちなみに、本パチンコ機10では主制御装置60のRAM64に対してパチンコ機10の電源遮断中においてバックアップ電力が供給されるのに対して、表示制御装置100のワークRAM104に対してバックアップ電力が供給されない。そうすると、上作動口23又は下作動口24への入賞に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源遮断が発生すると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して表示制御装置100では保留情報が0個であると把握されることとなる。この場合に、表示制御装置100において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、実際に保留記憶されている保留情報の数と、表示制御装置100において把握している数が一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記のように主制御装置60は保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、表示制御装置100では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成とすることで、上記のような不都合の発生が抑制される。
ステップS1802又はステップS1803の処理を実行した後は、ステップS1804にて合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。当該更新処理では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122に合計個数計測手段として設けられた合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。当該合計保留個数カウンタエリアは、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報の個数と下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報の個数との和をMPU102において特定するためのカウンタエリアである。ステップS1804の処理を実行した後に、本更新処理を終了する。
保留コマンド対応処理(図27)の説明に戻り、ステップS1701にて入賞時の更新処理を実行した後は、ステップS1702に進む。ステップS1702では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口23又は下作動口24のいずれの入賞に係るものであるかを特定し、上作動口23への入賞に係るものである場合には合計保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報が2個以上の保留情報に対応した情報であるか否かを判定するとともに、下作動口24への入賞に係るものである場合には第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報が2個以上の保留情報に対応した情報であるか否かを判定する。
ステップS1702の条件を満たしていない場合には、ステップS1703にて、図柄表示装置31において1遊技回分の図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。1遊技回分の図柄の変動表示が実行されていない場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。一方、ステップS1702の条件を満たしている場合、又はステップS1702の条件を満たしてないが1遊技回分の図柄の変動表示が実行されている場合(ステップS1703:YES)には、ステップS1704以降の処理を実行する。
つまり、今回の読み出し対象となった保留コマンドに係る保留情報についての遊技回が実行されるよりも前に他の保留情報に係る遊技回が実行されない状況では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに係る保留情報が即座に遊技回の開始対象となるため保留予告を実行する余地がない。したがって、かかる状況では、保留予告を行う上での各種設定を行わないようにしている。
ステップS1704では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが15R確変対応保留コマンド、2R確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドのいずれかであるかを判定する。上記大当たり対応の保留コマンドのいずれかである場合には、ステップS1705にて、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報を特定するとともに当該コマンドが上作動口23又は下作動口24のいずれの入賞に係るものであるかを特定する。そして、ワークRAM104に設けられた消去用カウンタエリア123における上作動口23に対応した第1消去用カウンタエリア及び下作動口24に対応した第2消去用カウンタエリアのうち、今回の読み出し対象となったコマンドに対応した消去用カウンタエリアに対して、上記特定した保留個数の情報を特定する。
続くステップS1706では、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア134における大当たり保留フラグ格納エリアに大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。ここで、大当たり保留フラグとは、主制御装置60の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり結果となる保留情報が含まれている場合に、それを表示制御装置100のMPU102にて特定するための情報である。
また、消去用カウンタエリア123における第1消去用カウンタエリアは、第1結果表示部用保留エリアRaに大当たり結果に対応した保留情報が記憶されている場合に、当該保留情報が遊技回の開始対象となり第1結果表示部用保留エリアRaから消去されるタイミングを特定するための計測手段である。当該第1消去用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報(すなわち、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報)について新たに遊技回が開始されるたびに1減算されるように更新される。また、消去用カウンタエリア123における第2消去用カウンタエリアは、第2結果表示部用保留エリアRbに大当たり結果に対応した保留情報が記憶されている場合に、当該保留情報が遊技回の開始対象となり第2結果表示部用保留エリアRbから消去されるタイミングを特定するための計測手段である。当該第2消去用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報(すなわち、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報)について新たに遊技回が開始されるたびに1減算されるように更新される。そして、大当たり保留フラグが格納されている状況において第1消去用カウンタエリア及び第2消去用カウンタエリアに記憶されている情報の両方が初期値である「0」となっている場合に、大当たり保留フラグの消去処理が実行される。
大当たり保留フラグが格納されている場合には、ステップS1706にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。一方、大当たり保留フラグが格納されていない場合には、ステップS1707に進む。ステップS1707では、ワークRAM104に大当たり保留フラグを格納する。その後、ステップS1709に進む。
一方、ステップS1704において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが大当たり対応の保留コマンドのいずれでもないと判定した場合には、ステップS1708にて、ワークRAM104に大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。大当たり保留フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了し、大当たり保留フラグが格納されていない場合にはステップS1709に進む。
上記のように大当たり保留フラグが格納されている場合には、今回の読み出し対象の保留コマンドがいずれであったとしても、保留予告を行う上での各種設定を行わないようにした。これにより、既に主制御装置60の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに大当たり結果に対応した保留情報が記憶されている状況において、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づき新たな保留情報が取得されたとしても、保留予告を行う上での各種設定は行われない。
ステップS1709では、ワークRAM104に第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかの予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS1709にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。つまり、既に上作動口23への入賞に係る保留情報又は下作動口24への入賞に係る保留情報のいずれかについて保留予告を行うように既に設定されている状況においては、新たに保留コマンドを受信したとしても、保留予告を行う上での新たな設定は行われない。
第1予告条件成立フラグ及び第2予告条件成立フラグのいずれもが格納されていない場合には、ステップS1710にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが、上作動口23への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口23への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS1711にて、ワークRAM104に開閉実行フラグが格納されているか否かを判定するとともに、ステップS1712にて、ワークRAM104にサポートフラグが格納されているか否かを判定する。
その結果、開閉実行フラグが格納されている場合には、ステップS1711にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。また、開閉実行フラグが格納されていない場合であってもサポートフラグが格納されている場合には、ステップS1712にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。つまり、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードである場合には、上作動口23及び下作動口24のうち上作動口23への入賞に基づく保留コマンドを受信したとしても、保留予告を行う上での各種設定は行われない。
一方、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口23への入賞に基づき送信されたものであっても開閉実行モード及び高頻度サポートモードのいずれでもない場合には、ステップS1713に進む。また、今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口24への入賞に基づき送信されたものである場合には、開閉実行モードや高頻度サポートモードであるか否かに関係なく、ステップS1713に進む。
ステップS1713では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが15R確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドのいずれかであるか否かを判定する。これらコマンドのいずれかである場合には、ステップS1714にて第1設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。一方、これらコマンドのいずれでもない場合には、ステップS1715にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが2R確変対応保留コマンド又はリーチ対応保留コマンドのいずれかであるか否かを判定する。これらコマンドのいずれかである場合にはステップS1716にて第2設定処理を実行した後に本保留コマンド対応処理を終了し、これらコマンドのいずれでもない場合にはそのまま本保留コマンド対応処理を終了する。
以下、ステップS1714の第1設定処理及びステップS1716の第2設定処理について説明する。先ず、ステップS1714の第1設定処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1901では、保留予告発生抽選処理を実行する。保留予告発生抽選処理では、ワークRAM104の抽選用カウンタエリア124から保留予告発生抽選用のカウンタ値(数値情報)を読み出す。ここで、抽選用カウンタエリア124は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、コマンド対応処理(図26)が起動される度に、すなわち約2msec周期で1加算される構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、保留予告発生抽選処理では、プログラムROM103の抽選用テーブル記憶エリア111に記憶されている抽選用テーブルを参照して、上記読み出した保留予告発生抽選用のカウンタ値が保留予告発生当選に対応しているか否かを判定する。保留予告発生当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、大当たり対応設定処理の場合には7/10の確率で保留予告発生当選となるように抽選用テーブルが設定されている。
続くステップS1902では、上記ステップS1901における抽選処理の結果が、保留予告発生当選か否かを判定する。保留予告発生当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。保留予告発生当選である場合には、ステップS1903に進む。
ステップS1903では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが通常対応保留コマンドであるか否かを判定する。通常対応保留コマンドである場合には、ステップS1904にて、通常大当たりに対応した予告用図柄の決定処理を実行する。通常大当たりに対応した予告用図柄の決定処理では、今回の保留予告を行う上で用いる図柄の種類を、非特定図柄に相当する主図柄である偶数番号が付された図柄の中から決定するための処理を実行する。
ここで、本パチンコ機10では、既に説明したとおり、主制御装置60では、各遊技回における図柄の変動表示に関して、各遊技回における大当たり当選の有無、大当たり当選である場合には大当たり結果の種別、大当たり当選でない場合にはリーチ発生の有無、及び各遊技回における変動表示時間を決定するものとしており、各遊技回の終了に際して最終停止表示される図柄の種類や、当該最終停止表示がされるまでの変動表示パターンは表示制御装置100において決定される。この場合に、表示制御装置100のMPU102では、ワークRAM104に設けられた図柄更新用カウンタエリア125及び図柄情報取得用エリア126を用いて、上記最終停止表示される図柄の種類を決定するようにしている。
詳細には、図柄更新用カウンタエリア125には、上図柄列用のカウンタエリアと、中図柄列用のカウンタエリアと、下図柄列用のカウンタエリアとが設けられており、これらカウンタエリアには、図柄表示装置31の各図柄列Z1〜Z3に設定されている図柄の数に対応したカウンタ値が設定されている。つまり、上図柄列Z1及び下図柄列Z3には、既に説明したように、主図柄及び副図柄の総数として、18個の図柄が設定されていることに対応させて、上図柄列用のカウンタエリア及び下図柄列用のカウンタエリアには、「0〜17」の数値範囲が設定されている。また、中図柄列Z2には、主図柄と副図柄の総数として、20個の図柄が設定されていることに対応させて、中図柄列用のカウンタエリアには、「0〜19」の数値範囲が設定されている。各図柄列用のカウンタエリアは、それぞれ異なる周期でカウンタ値の更新がなされている。そして、所定の周期(例えば、2msec)で、各図柄列用のカウンタエリアにおいて更新されている情報が全て取得され、その取得された情報は図柄情報取得用エリア126に格納される。
この場合、図柄情報取得用エリア126には、通常大当たり用エリアと、15R確変大当たり用エリアと、リーチ用エリアと、完全外れ用エリアと、が設定されている。そして、各図柄列用のカウンタエリアの全てから取得された情報が、通常大当たり結果、15R確変大当たり結果、リーチ、完全外れのいずれかに対応しているか否かが判定され、図柄情報取得用エリア126のうち対応するエリアの情報が更新される。保留予告と関係しない遊技回について最終停止表示させる図柄の種類を決定する際には、図柄情報取得用エリア126の上記各エリアの中から、各遊技回における遊技結果に応じたエリアが参照されて、その参照したエリアに記憶されている情報に対応した図柄の組み合わせが所定の有効ラインに停止表示されるように、図柄表示装置31が表示制御される。
通常大当たりに対応した予告用図柄の決定処理の説明に戻り、当該決定処理では、上記図柄情報取得用エリア126における通常大当たり用エリアを参照する。そして、続くステップS1906にて、当該通常大当たり用エリアに記憶されている図柄の種類の情報を、予告用図柄の種類情報として、ワークRAM104に設けられた予告用図柄の種類情報記憶エリア127に記憶させる。
一方、ステップS1903にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが15R確変対応保留コマンドであると判定した場合には、ステップS1905にて、15R確変大当たりに対応した予告用図柄の決定処理を実行する。当該処理では、上記図柄情報取得用エリア126における15R確変大当たり用エリアを参照する。そして、続くステップS1906にて、当該15R確変大当たり用エリアに記憶されている図柄の種類の情報を、予告用図柄の種類情報として、予告用図柄の種類情報記憶エリア127に記憶させる。
ステップS1906の処理を実行した後は、ステップS1907にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口23への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口23への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS1908にてワークRAM104に第1予告条件成立フラグを格納する。続くステップS1909では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における合計保留個数カウンタエリアに格納されている情報を、ワークRAM104に設けられた保留予告用カウンタエリア128の情報として設定する。その後、本設定処理を終了する。これにより、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態に設定される。当該状態が、本パチンコ機10において、上作動口23に係る保留情報を契機とした特別報知状態に相当する。
一方、今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口24への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS1910にてワークRAM104に第2予告条件成立フラグを格納する。続くステップS1911では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第2保留個数カウンタエリアに格納されている情報を保留予告用カウンタエリア128の情報として設定する。その後、本設定処理を終了する。これにより、下作動口24に係る保留情報を契機として、保留予告を実行すべき状態に設定される。当該状態が、本パチンコ機10において、下作動口24に係る保留情報を契機とした特別報知状態に相当する。
保留予告用カウンタエリア128は、保留予告を行うように設定した場合にその保留予告をその後に何回の遊技回に亘って実行するかをMPU102にて特定するための計測手段である。当該保留予告用カウンタエリア128に設定された保留個数の情報は、後述するように新たに遊技回が開始されるたびに1減算されるように更新され、更新後において保留予告用カウンタエリア128に記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、その時点で格納されている予告条件成立フラグが消去される。この場合に、上記のとおり、上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告が開始される場合と、下作動口24に係る保留情報を実行の契機として保留予告が開始される場合とで、保留予告用カウンタエリア128に設定される情報が異なっている。これら設定される情報の相違による作用については、後に説明する。
次に、ステップS1716の第2設定処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、保留予告発生抽選処理を実行する。保留予告発生抽選処理の処理内容は、ステップS1901にて説明した処理内容と同様である。但し、抽選用テーブル記憶エリア111に記憶されている抽選用テーブルは、保留予告発生当選となる確率が、第2設定処理の場合の方が第1設定処理(図29)の場合よりも低くなるように設定されている。かかる第1設定処理の場合の保留予告発生当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、1/10の確率で保留予告発生当選となるように抽選用テーブルが設定されている。
続くステップS2002では、上記ステップS2001における抽選処理の結果が、保留予告発生当選か否かを判定する。保留予告発生当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。保留予告発生当選である場合には、ステップS2003に進む。
ステップS2003では、リーチに対応した予告用図柄の決定処理を実行する。当該処理では、上記図柄情報取得用エリア126におけるリーチ用エリアを参照する。そして、続くステップS2004にて、当該リーチ用エリアに記憶されているリーチ図柄の種類の情報を、予告用図柄の種類情報として、予告用図柄の種類情報記憶エリア127に記憶させる。
その後、ステップS2005にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口23への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口23への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS2006にてワークRAM104に第1予告条件成立フラグを格納する。続くステップS2007では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における合計保留個数カウンタエリアに格納されている情報を、ワークRAM104における保留予告用カウンタエリア128の情報として設定する。その後、本設定処理を終了する。
一方、今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口24への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS2008にてワークRAM104に第2予告条件成立フラグを格納する。続くステップS2009では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第2保留個数カウンタエリアに格納されている情報を保留予告用カウンタエリア128の情報として設定する。その後、本設定処理を終了する。
<変動表示制御処理>
次に、ステップS1612の変動表示制御処理について、図31のフローチャートを参照して説明する。
変動表示制御処理では、主制御装置60から送信された変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置31において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置60から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。また、変動表示制御処理では、保留予告を行うための設定が行われたことに伴って、変動表示パターンを適宜修正する処理を実行する。
図31のフローチャートに示すように、ステップS2101にて、図柄表示装置31において1遊技回分の図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。1遊技回分の図柄の変動表示が行われていない場合にはステップS2102にて、主制御装置60から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS2103にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
一方、1遊技回分の図柄の変動表示が行われている場合には、ステップS2104にて、主制御装置60から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合にはステップS2105にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS2106にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
以下、ステップS2103の変動開始用処理、ステップS2105の変動中用処理及びステップS2106の変動終了用処理について、詳細に説明する。
<変動開始用処理>
先ずステップS2103の変動開始用処理について説明する。変動開始用処理は、主制御装置60から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、図柄表示装置31における図柄の変動表示を開始させるための処理である。
図32のフローチャートに示すように、ステップS2201にて、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置60は変動用コマンドを送信する場合には種別コマンドも送信する。したがって、ステップS2201では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、15R確変大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS2201では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU102のレジスタに記憶する。
続くステップS2202では、ワークRAM104に予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS2203にて、保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する。
保留予告に対応した停止結果設定処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
保留予告に対応した停止結果設定処理では、先ずステップS2301にて、予告用図柄の種類情報記憶エリア127から、予告用図柄の種類情報を読み出す。続くステップS2302では、MPU102のレジスタに記憶されている情報から、今回の遊技回において15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果が発生するか否かを判定する。
15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果が発生する場合には、ステップS2303にて今回の遊技回において保留予告に対応した演出を実行可能か否かを判定する。具体的には、今回の大当たり結果の種別と、現状設定されている予告用図柄の種類情報とが一致するか否かを判定する。例えば、今回の大当たり結果の種別が15R確変大当たり結果であり予告用図柄の種類情報が非特定図柄である場合には、今回の遊技回において保留予告に対応した演出を実行できないと判定する。また、今回の大当たりの種別が通常大当たり結果であり予告用図柄の種類情報が特定図柄である場合にも、今回の遊技回において保留予告に対応した演出を実行できないと判定する。
このような状況は、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態が設定されている状況で、下作動口24への入賞が発生し、15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果のうち現状設定されている予告用図柄の種類情報とは異なる大当たり結果に対応した保留情報が取得された場合に発生する。今回の遊技回において保留予告に対応した演出を実行できないと判定した場合(ステップS2303:NO)には、変動開始用処理(図32)におけるステップS2204の保留予告に対応しない停止結果設定処理に進む。これにより、大当たり結果の種別が予告用図柄の種類情報と一致していないにも関わらず、予告用図柄の種類情報に対応した停止結果が表示されてしまうことが規制される。
今回の遊技回において保留予告に対応した演出を実行できると判定した場合(ステップS2303:YES)には、ステップS2304にて、停止ラインの決定処理を実行する。ここで、本パチンコ機10では既に説明したように、図柄表示装置31の表示画面Gに5つの有効ラインL1〜L5が設定されており、15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果となる場合には、いずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組み合わせが停止表示される。また、15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果のいずれにもならない場合であってもリーチ表示となる場合には、いずれかの有効ライン上にリーチ図柄の組み合わせが停止表示される。さらにまた、大当たり結果及びリーチ表示のいずれにもならない場合であっても保留予告を行う場合には、いずれかの有効ライン上に保留予告用の図柄の組み合わせが停止表示される。この場合に、停止ラインの決定処理では、上記各種図柄の組み合わせを停止表示させるための有効ラインを決定するための処理を実行する。
当該停止ラインの決定処理では、ワークRAM104に設けられたライン情報更新用エリア129が用いられる。詳細には、ライン情報更新用エリア129には有効ラインL1〜L5の数に対応させて「0〜4」の数値範囲が設定されており、予め定められた周期で当該数値範囲においてカウンタ値の更新が実行される。停止ラインの決定処理では、その時点でライン情報更新用エリア129に格納されている数値情報を取得する。
続くステップS2305では、図柄の組み合わせの決定処理を実行する。当該処理では、プログラムROM103に設けられた組み合わせ情報テーブル記憶エリア113における組み合わせ情報テーブルを参照し、ステップS2301にて把握した予告用図柄の種類情報に対応した大当たり図柄の組み合わせの情報を特定する。この場合、予告用図柄の種類情報に対応した同一の図柄の組み合わせの情報を特定する。
続くステップS2306では、停止情報のアドレス情報の記憶処理を実行する。具体的には、プログラムROM103には停止情報群記憶手段としての停止情報テーブル記憶エリア112が設けられており、当該停止情報テーブル記憶エリア112には停止情報群としての停止情報テーブルが記憶されている。停止情報テーブルには、各有効ラインの情報に対する各停止図柄の組み合わせの情報がアドレス情報と1対1で対応させて設定されている。ステップS2306における停止情報のアドレスの記憶処理では、ステップS2304にて特定した停止ラインの情報と、ステップS2305にて特定した大当たり図柄の組み合わせの情報とに対応したアドレス情報を停止情報テーブルから読み出し、その読み出した停止情報のアドレス情報を、ワークRAM104に設けられた停止情報アドレスの記憶エリア130に格納する。
ステップS2302にて、大当たり当選が発生しないと判定した場合には、ステップS2307にて、MPU102のレジスタに記憶されている情報から、今回の遊技回においてリーチ表示が発生するか否かを判定する。このリーチ表示が発生する場合とは、明示2R確変大当たり結果又は非明示2R確変大当たり結果が発生する場合が含まれるとともに、外れ結果となる場合であってリーチ発生当選となった場合が含まれる。
リーチ表示が発生する場合にはステップS2308にて、停止ラインの決定処理を実行する。つまり、その時点でライン情報更新用エリア129に格納されている数値情報を取得する。
続くステップS2309では、図柄の組み合わせの決定処理を実行する。当該処理では、組み合わせ情報テーブル記憶エリア113における組み合わせ情報テーブルを参照し、ステップS2301にて把握した予告用図柄の種類情報に対応したリーチ図柄の組み合わせの情報を特定する。この場合、いずれの有効ライン上においても大当たり図柄の組み合わせが停止されないことを条件として、最終停止図柄列、すなわち中図柄列Z2の図柄の種類については、リーチラインが形成される有効ライン上とは異なる停止表示位置においてリーチ図柄の組み合わせを構成している図柄と同種の図柄が停止されるように、ステップS2308にて特定した停止ラインの情報も参照して、リーチ図柄の組み合わせの情報を特定する。例えば、予告用図柄の種類情報が「7」であって停止ラインがL1である場合には、リーチ図柄の組み合わせが上から「7」、「6」、「7」となるように、リーチ図柄の組み合わせの情報を特定する。この場合、中図柄列Z2において有効ラインL3上に「7」の図柄が停止表示されることとなる。リーチ図柄の組み合わせの情報は、組み合わせ情報テーブル記憶エリア113の組み合わせ情報テーブルにおいて、各有効ラインの情報と予告用図柄の種類の情報とに対して1対1で対応させて設定されている。
続くステップS2310では、停止情報のアドレス情報の記憶処理を実行する。つまり、ステップS2308にて特定した停止ラインの情報と、ステップS2309にて特定したリーチ図柄の組み合わせの情報とに対応したアドレス情報を、停止情報テーブル記憶エリア112の停止情報テーブルから読み出し、その読み出した停止情報のアドレス情報を、停止情報アドレスの記憶エリア130に格納する。
ステップS2307にて、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ステップS2311にて、停止ラインの決定処理を実行する。つまり、その時点でライン情報更新用エリア129に格納されている数値情報を取得する。
続くステップS2312では、図柄の組み合わせの決定処理を実行する。当該処理では、組み合わせ情報テーブル記憶エリア113における組み合わせ情報テーブルを参照し、ステップS2301にて把握した予告用図柄の種類情報に対応した完全外れ図柄の組み合わせの情報を特定する。この場合、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないことを条件として、予告用図柄の種類情報に対応した図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示されるように、ステップS2311にて特定した停止ラインの情報も参照して完全外れ図柄の組み合わせの情報を特定する。例えば、予告用図柄の種類情報が「7」であって停止ラインがL1である場合には、完全外れ図柄の組み合わせが上から「7」、「6」と「7」との間の副図柄、「6」と「7」との間の副図柄となるように、完全外れ図柄の組み合わせの情報を特定する。この場合、中図柄列Z2において有効ラインL3上に「7」の図柄が停止表示されるとともに、下図柄列Z3において有効ラインL3上に「7」の図柄が停止表示されることとなる。完全外れ図柄の組み合わせの情報は、組み合わせ情報テーブル記憶エリア113の組み合わせ情報テーブルにおいて、各有効ラインの情報と予告用図柄の種類の情報とに対して1対1で対応させて設定されている。
続くステップS2313では、停止情報のアドレス情報の記憶処理を実行する。つまり、ステップS2311にて特定した停止ラインの情報とステップS2312にて特定した完全外れ図柄の組み合わせの情報とに対応したアドレス情報を、停止情報テーブル記憶エリア112の停止情報テーブルから読み出し、その読み出した停止情報のアドレス情報を、停止情報アドレスの記憶エリア130に格納する。
ステップS2306、ステップS2310又はステップS2313の処理を実行した後は、ステップS2314に進む。ステップS2314では、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア134における予告実行フラグ格納エリアに予告実行フラグを格納する。予告実行フラグとは、図柄表示装置31において保留予告を実行している状況であることを、MPU102にて特定するための情報である。その後、本停止結果設定処理を終了する。
変動開始処理(図32)の説明に戻り、ステップS2202にて、予告条件成立フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS2204にて、保留予告に対応しない停止結果設定処理を実行する。この場合、停止ラインの情報として、ライン情報更新用エリア129にその時点で記憶されている情報を読み出すとともに、図柄の組み合わせの情報として、図柄情報取得用エリア126における通常大当たり用エリア、15R確変大当たり用エリア、リーチ用エリア及び完全外れ用エリアのうち、今回の遊技回の遊技結果に対応したエリアにその時点で記憶されている情報を読み出す。なお、遊技結果が明示2R確変大当たり結果又は非明示2R確変大当たり結果である場合には、リーチ用エリアにその時点で記憶されている情報を読み出す。その後、それら特定した停止ラインの情報及び図柄の組み合わせの情報に対応したアドレス情報を、停止情報テーブル記憶エリア112の停止情報テーブルから読み出し、その読み出したアドレス情報を、停止情報アドレスの記憶エリア130に格納する。
ステップS2203又はステップS2204の処理を実行した後は、ステップS2205にて変動表示パターンの設定処理を実行する。変動表示パターンの設定処理では、プログラムROM103の変動表示パターンテーブル記憶エリア114に設けられた変動表示パターンテーブルを参照して、ステップS2201にてMPU102のレジスタに記憶した変動表示時間の情報と、ステップS2203又はステップS2204にて停止情報アドレスの記憶エリア130に格納した情報との両方に対応した変動表示パターンの情報を特定する。
具体的には、図34に示すように、変動表示パターンテーブルは、各変動表示時間の情報と各停止情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて変動表示パターンの情報が設定されており、さらに各変動表示パターンの情報に対応させてアドレス情報が設定されている。ステップS2205における変動表示パターンの設定処理では、変動表示パターンテーブルにおいて、今回既に特定されている変動表示時間の情報及び停止情報の組み合わせに対応したアドレス情報を特定し、その特定したアドレス情報を、ワークRAM104に設けられたパターン情報アドレスの記憶エリア131に記憶させる。
かかるパターン情報アドレスの記憶エリア131に変動表示パターンのアドレス情報が記憶されることにより、MPU102では当該変動開始用処理とは異なる図示しない内部コマンドの出力処理にて、VDP105に対して内部コマンドを生成し、今回設定された変動表示パターンに対応した図柄の変動表示が行われるように、図柄表示装置31を駆動させる。この場合、内部コマンドの出力処理は所定の周期(例えば、2msec)で繰り返し起動されるものであり、当該内部コマンドの出力処理では、設定された変動表示パターンの情報に応じた内部コマンドを図柄の変動表示の開始からの経過時間に応じて生成し、その生成した内部コマンドをVDP105に出力する。VDP105では、その内部コマンドに応じて画像データをキャラクタROM106から読み出し、その読み出した画像データをビデオRAM107に書き込む。これにより、図柄表示装置31において、今回設定された変動表示パターンに対応した図柄の変動表示が行われる。
なお、変動表示パターンテーブルに記憶されている変動表示パターンの情報には、図柄の変動表示の内容だけでなく、その図柄の変動表示とともに表示される背景画像の情報やリーチ演出が行われる場合におけるリーチ演出の画像の情報も含まれている。したがって、設定されている変動表示パターンに対応した内部コマンドがVDP105に対して出力されることにより、図柄の変動表示とともに背景画像が表示され、さらにはリーチ演出といった各種演出が行われる場合には当該演出画像が表示される。
但し、かかる構成に限定されることはなく、図柄表示パターンの情報(第1表示パターン情報)とその他表示パターンの情報(第2表示パターン情報)とに区別し、図柄表示パターンの情報には図柄の変動表示態様の情報のみが含まれており、その他表示パターンの情報には背景画像の情報やリーチ演出が行われる場合におけるリーチ演出の画像の情報が含まれている構成としてもよい。この場合、後述する変動表示パターンの修正に際しては、図柄表示パターンの情報とその他表示パターンの情報との両方を修正する構成としてもよく、図柄表示パターンの情報のみを修正する構成としてもよい。さらにまた、図柄表示パターンの情報が、第1図柄列としての上図柄列Z1、第2図柄列としての中図柄列Z2、及び第3図柄列としての下図柄列Z3のそれぞれに対して個別に設定されている構成としてもよい。この場合、後述する変動表示パターンの修正に際しては、修正対象となる図柄列の図柄表示パターンの情報のみを修正する構成としてもよい。
変動開始用処理(図32)の説明に戻り、ステップS2205にて変動表示パターンの設定処理を実行した後は、ステップS2206にて変動開始時の更新処理を実行する。当該変動開始時の更新処理については、理解を容易なものとするために、変動中用処理及び変動終了用処理を説明した後に説明する。
<変動中用処理>
次に、変動表示制御処理(図31)におけるステップS2105の変動中用処理について説明する。変動中用処理は、保留予告が実行されている遊技回ではなく且つ保留予告の実行の要因となった保留情報に係る遊技回ではない遊技回の途中で作動口23,24への新たな入賞が発生し、その入賞に基づき取得された保留情報について保留予告の実行条件が成立した場合に、現状の遊技回で保留予告を実行するための処理である。
図35のフローチャートに示すように、ステップS2401にて、今回の遊技回が大当たり発生又はリーチ発生の遊技回であるか否かを判定する。大当たり発生又はリーチ発生の遊技回である場合には、そのまま本変動中用処理を終了する。
大当たり発生又はリーチ発生の遊技回でない場合には、ステップS2402にて、ワークRAM104に予告条件成立フラグが格納されているにも関わらず、当該ワークRAM104に予告実行フラグが格納されていない状況であるか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、既に説明したように、予告条件成立フラグが格納されている状況において変動開始用処理(図32)が実行されることで予告実行フラグが格納される。したがって、予告条件成立フラグが格納されているにも関わらず予告実行フラグが格納されていない状況とは、変動開始用処理が実行された後に、すなわち1遊技回における図柄の変動表示が開始された後に、作動口23,24への新たな入賞が発生し、その入賞に基づき取得された保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立したことを意味する。
予告条件成立フラグが格納されており且つ予告実行フラグが格納されていない状況でない場合には、そのまま本変動中用処理を終了し、予告条件成立フラグが格納されており且つ予告実行フラグが格納されていない状況である場合には、ステップS2403にて、予告用図柄の種類情報記憶エリア127から、予告用図柄の種類情報を読み出す。続くステップS2404では、全図柄列Z1〜Z3が高速変動中であるか否かを判定する。
ここで、本パチンコ機10では、図柄表示装置31において図柄の変動表示が行われる場合、図37の(a)〜(c)に示すように、最初に上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3の全ての図柄列において表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上、不能又は難しくなるように高速変動表示(又は第1速度表示)が行われる。その後、変動開始からT1の期間が経過することで、先ず上図柄列Z1について、当該上図柄列Z1における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示(又は第1速度表示よりも遅い第2速度表示)に切り換えられ、変動開始からT2の期間が経過した場合に上図柄列Z1における変動表示が停止される。また、このように変動開始からT2の期間が経過した場合には、下図柄列Z3について、当該下図柄列Z3における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示に切り換えられ、変動開始からT3の期間が経過した場合に下図柄列Z3における変動表示が停止される。また、このように変動開始からT3の期間が経過した場合には、中図柄列Z2において、当該中図柄列Z2における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示に切り換えられる。そして、変動開始からT4の期間が経過した場合に、中図柄列Z2における変動表示が停止される。
上記構成において、所定のリーチ表示が行われる場合を除いて、上記T1,T2,T3,T4の期間は変動表示パターンテーブル記憶エリア114に記憶されている各変動表示パターンに応じて、より詳細には各変動表示パターンと1対1で対応させて定められている。そして、リーチ演出などは、上記T3の期間の経過後であって、上記T4の期間が経過するまで行われる。
なお、上図柄列Z1の図柄の変動表示が停止されるタイミングと下図柄列Z3の図柄の変動表示速度が切り換えられるタイミングとが同時であることは必須ではなく、両者のタイミングがずれていてもよい。また、同様に、下図柄列Z3の図柄の変動表示が停止されるタイミングと中図柄列Z2の図柄の変動表示速度が切り換えられるタイミングとが同時であることは必須ではなく、両者のタイミングがずれていてもよい。また、上記T1,T2,T3が遊技回の開始に際して記憶されている保留情報の数に応じて、より詳細には遊技回の開始に際して記憶されている保留情報の数と1対1で対応させて定められている構成としてもよい。また、遊技回の開始に際して記憶されている保留情報の数が最大保留個数である場合には、T1,T2,T3のいずれかが「0」に設定されていてもよい。
MPU102では、ワークRAM104に設けられた経過時間計測手段としての経過時間カウンタエリア132を用いて図柄表示装置31における図柄の変動表示の開始からの時間を計測している。詳細には、変動表示が開始された場合には、所定の周期(例えば、2msec)で経過時間カウンタエリア132の加算処理が実行される。また、プログラムROM103に設けられた経過時間テーブル記憶エリア115の経過時間テーブルには、上記T1,T2,T3に対応した各カウンタ値の情報が、遊技回の開始に際して設定され得る変動表示パターンの情報と1対1で対応付けられた状態で記憶されている。そして、ステップS2404では、現状の経過時間カウンタエリア132に記憶されている値が、経過時間テーブル記憶エリア115における上記T1に対応したカウンタ値未満となっているか否かを判定することで、全図柄列Z1〜Z3が高速変動中であるか否かを判定する。
ステップS2404にて、全図柄列Z1〜Z3が高速変動中であると判定した場合には、ステップS2405にて、第1段階修正情報群としての第1段階修正用テーブルを参照する。第1段階修正用テーブルは、プログラムROM103に設けられた修正用情報群記憶手段としての修正用テーブル記憶エリア116に記憶されている。第1段階修正用テーブルは、図36(a)に示すように、大当たり結果となる場合及びリーチ表示が発生する場合を除いた当初の変動表示パターンの情報と予告用図柄の種類情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて第1修正用の変動表示パターンの情報が設定されており、さらに各第1修正用の変動表示パターンの情報に対応させてアドレス情報が設定されている。この場合、第1修正用の変動表示パターンの情報は全て、変動開始からT1の期間が経過した後の変動表示パターンの情報として設定されている。但し、各第1修正用の変動表示パターンの情報は、当初設定されていた変動表示パターンにおける変動表示時間を変更しないように設定されている。
続くステップS2406では、ステップS2403にて特定した予告用図柄の種類情報とパターン情報アドレスの記憶エリア131に記憶されている情報との組み合わせに対応した第1修正用のアドレス情報(第1修正用情報)を第1段階修正用テーブルから特定し、その特定したアドレス情報を、ワークRAM104に設けられた修正情報アドレスの記憶エリア133に格納する。
修正情報アドレスの記憶エリア133に、第1修正用のアドレス情報が記憶されることにより、MPU102では経過時間カウンタエリア132の情報に基づき変動開始から上記T1の期間が経過したと判定してからは、今回設定された第1修正用の変動表示パターンの情報に対応した図柄の変動表示が行われるように、VDP105に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないことを条件として、予告用図柄の種類情報に対応した図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。
なお、第1段階修正用テーブルに記憶されている第1修正用の変動表示パターンの情報には、図柄の変動表示の内容だけでなく、その図柄の変動表示とともに表示される背景画像の情報やリーチ演出が行われる場合におけるリーチ演出の画像の情報も含まれている。したがって、設定されている第1修正用の変動標示パターンに対応した内部コマンドがVDP105に対して出力されることにより、図柄の変動表示とともに背景画像が表示され、さらにはリーチ演出といった各種演出が行われる場合には当該演出画像が表示される。これは、後述する第2修正用の変動表示パターンの情報及び第3修正用の変動表示パターンの情報についても同様である。
その後、ステップS2407にてワークRAM104に予告実行フラグを格納した後に、本変動中用処理を終了する。
ステップS2404にて、全図柄列Z1〜Z3が高速変動中でないと判定した場合には、ステップS2408にて下図柄列Z3が高速変動中であるか否かを判定する。具体的には、現状の経過時間カウンタエリア132に記憶されている値が経過時間テーブル記憶エリア115における上記T2に対応したカウンタ値未満となっているか否かを判定する。
下図柄列Z3が高速変動中であると判定した場合には、ステップS2409にて、停止情報アドレスの記憶エリア130に記憶されている情報に基づいて、上図柄列Z1の停止図柄の種類情報を把握する。この場合、停止図柄の種類情報として、主図柄が1個の場合と2個の場合とが存在するが、1個の場合にはそれを判定対象の図柄として特定し、2個の場合にはその両方を判定対象の図柄として特定する。
続くステップS2410では、ステップS2409にて特定した判定対象の図柄について修正条件が成立しているか否かを判定する。当該修正条件は、予告用図柄の種類情報が特定図柄、すなわち奇数番号の図柄である場合には、判定対象の図柄がいずれであっても修正条件が成立していると判定されるように設定されているとともに、予告用図柄の種類情報が非特定図柄、すなわち偶数番号の図柄である場合には、判定対象の図柄が非特定図柄である場合にのみ修正条件が成立していると判定されるように設定されている。
上記のように修正条件が設定されていることにより、保留予告を実行すべき条件の成立の要因となった保留情報に係る遊技回において非特定図柄によって大当たり結果が発生する又はリーチ表示が発生するにも関わらず、当該遊技回よりも前の保留予告に係る遊技回において特定図柄により保留予告が実行されてしまうことが防止される。特定図柄により保留予告が実行された場合、遊技者は、最終的に同一の特定図柄の組み合わせが有効ライン上に停止することとなる確変大当たり結果の発生を期待するものと考えられ、それにも関わらず最終的に非特定図柄によりリーチ図柄の組み合わせや大当たり図柄の組み合わせが表示された場合には上記期待感を損ね、遊技続行への意欲を減退させてしまうことが懸念されるが、本パチンコ機10における構成によればこれを防止することができる。その一方、最終的に特定図柄によりリーチ図柄の組み合わせや大当たり図柄の組み合わせが表示される場合には、それよりも前の保留予告に係る遊技回において非特定図柄により保留予告が実行されたとしても、遊技者にとっては最終的に非特定図柄から特定図柄に昇格したものと捉えることができ、上記のような遊技続行への意欲の減退を招かないものと考えられる。
なお、上記修正条件を、予告用図柄の種類情報が特定図柄、すなわち奇数番号の図柄である場合には、判定対象の図柄が特定図柄である場合にのみ修正条件が成立していると判定されるとともに、予告用図柄の種類情報が非特定図柄、すなわち偶数番号の図柄である場合には、判定対象の図柄が非特定図柄である場合にのみ修正条件が成立していると判定されるように設定してもよい。この場合、保留予告を実行すべき条件の成立の要因となった保留情報に係る遊技回において非特定図柄によって大当たり結果が発生する又はリーチ表示が発生する場合には非特定図柄によって保留予告が行われることとなり、保留予告を実行すべき条件の成立の要因となった保留情報に係る遊技回において特定図柄によって大当たり結果が発生する又はリーチ表示が発生する場合には特定図柄によって保留予告が行われることとなる。
ステップS2410にて修正条件が成立していないと判定した場合には、そのまま本変動中用処理を終了し、修正条件が成立していると判定した場合には、ステップS2411に進む。
ステップS2411では、修正用テーブル記憶エリア116に記憶されている第2段階修正情報群としての第2段階修正用テーブルを参照する。第2段階修正用テーブルは、図36(b)に示すように、大当たり結果となる場合及びリーチ表示が発生する場合を除いた当初の変動表示パターンの情報と判定対象の図柄の種類情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて第2修正用の変動表示パターンの情報が設定されており、さらに各第2修正用の変動表示パターンの情報に対応させてアドレス情報が設定されている。この場合、第2修正用の変動表示パターンの情報は全て、変動開始からT2の期間が経過した後の変動表示パターンの情報として設定されている。但し、各第2修正用の変動表示パターンの情報は、当初設定されていた変動表示パターンにおける変動表示時間を変更しないように設定されている。
続くステップS2412では、ステップS2410にて修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄の種類情報とパターン情報アドレスの記憶エリア131に記憶されている情報との組み合わせに対応した第2修正用のアドレス情報(第2修正用情報)を第2段階修正用テーブルから特定し、その特定したアドレス情報を、修正情報アドレスの記憶エリア133に格納する。
なお、2個の図柄が判定対象となった場合においていずれの図柄についても修正条件が成立する場合には、特定図柄に該当する側の図柄を上記修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄とするように構成されている。但し、これに限定されることはなく、非特定図柄に該当する側の図柄を上記修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄とするように構成してもよい。また、付されている数字が小さい側の図柄又は大きい側の図柄が、上記修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄とするように構成してもよい。
修正情報アドレスの記憶エリア133に第2修正用のアドレス情報が記憶されることにより、MPU102では経過時間カウンタエリア132の情報に基づき変動開始から上記T2の期間が経過したと判定してからは、今回設定された第2修正用の変動表示パターンの情報に対応した図柄の変動表示が行われるように、VDP105に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないことを条件として、上記修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。
その後、ステップS2413にてワークRAM104に予告実行フラグを格納した後に、本変動中用処理を終了する。
ステップS2408にて、下図柄列Z3が高速変動中でないと判定した場合には、ステップS2414にて中図柄列Z2が高速変動中であるか否かを判定する。具体的には、現状の経過時間カウンタエリア132に記憶されている値が、経過時間テーブル記憶エリア115における上記T3に対応したカウンタ値未満となっているか否かを判定する。
中図柄列Z2が高速変動中でないと判定した場合には、そのまま本変動中用処理を終了する。中図柄列Z2が高速変動中であると判定した場合には、ステップS2415にて、停止情報アドレスの記憶エリア130に記憶されている情報に基づいて、上図柄列Z1の停止図柄の種類情報と、下図柄列Z3の種類情報とを把握する。この場合、上図柄列Z1の停止図柄の種類情報として主図柄が1個の場合と2個の場合とが存在するが、1個の場合にはそれを上図柄列Z1の判定対象の図柄として特定し、2個の場合にはその両方を上図柄列Z1の判定対象の図柄として特定する。また、下図柄列Z3の停止図柄の種類情報として主図柄が1個の場合と2個の場合とが存在するが、1個の場合にはそれを下図柄列Z3の判定対象の図柄として特定し、2個の場合にはその両方を下図柄列Z3の判定対象の図柄として特定する。
続くステップS2416では、ステップS2415にて特定した判定対象の図柄について修正条件が成立しているか否かを判定する。当該修正条件は、上図柄列Z1の判定対象の図柄と下図柄列Z3の判定対象の図柄とに、同一種の共通の図柄が存在していない場合には修正条件が成立していると判定されないように設定されている。また、同一種の共通の図柄が存在している場合であっても、予告用図柄の種類情報が特定図柄、すなわち奇数番号の図柄である場合には、上記同一種の共通の図柄がいずれであっても修正条件が成立していると判定されるように設定されているとともに、予告用図柄の種類情報が非特定図柄、すなわち偶数番号の図柄である場合には、上記同一種の共通の図柄が非特定図柄である場合にのみ修正条件が成立していると判定されるように設定されている。
同一種の共通の図柄が存在している場合に修正条件が成立していると判定することで、既に説明した態様の保留予告を行うことが可能となる。また、上記のように予告用図柄の種類情報との関係で修正条件が成立しているか否かを判定することで、ステップS2410において説明した作用効果と同様の作用効果を奏することができる。なお、予告用図柄の種類情報との関係に係る修正条件を、ステップS2410において説明した別パターンのようにしてもよい。
ステップS2416にて修正条件が成立していないと判定した場合には、そのまま本変動中用処理を終了し、修正条件が成立していると判定した場合には、ステップS2417に進む。
ステップS2417では、修正用テーブル記憶エリア116に記憶されている第3段階修正情報群としての第3段階修正用テーブルを参照する。第3段階修正用テーブルは、図36(c)に示すように、大当たり結果となる場合及びリーチ表示が発生する場合を除いた当初の変動表示パターンの情報と判定対象の図柄の種類情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて第3修正用の変動表示パターンの情報が設定されており、さらに各第3修正用の変動表示パターンの情報に対応させてアドレス情報が設定されている。この場合、第3修正用の変動表示パターンの情報は全て、変動開始からT3の期間が経過した後の変動表示パターンの情報として設定されている。但し、各第3修正用の変動表示パターンの情報は、当初設定されていた変動表示パターンにおける変動表示時間を変更しないように設定されている。
続くステップS2418では、ステップS2416にて修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄の種類情報とパターン情報アドレスの記憶エリア131に記憶されている情報との組み合わせに対応した第3修正用のアドレス情報(第3修正用情報)を第3段階修正用テーブルから特定し、その特定したアドレス情報を、修正情報アドレスの記憶エリア133に格納する。
修正情報アドレスの記憶エリア133に第3修正用のアドレス情報が記憶されることにより、MPU102では経過時間カウンタエリア132の情報に基づき変動開始から上記T3の期間が経過したと判定してからは、今回設定された第3修正用の変動表示パターンの情報に対応した図柄の変動表示が行われるように、VDP105に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図柄の変動表示が停止される場合には、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないことを条件として、上記修正条件が成立しているとされた判定対象の図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。
その後、ステップS2419にてワークRAM104に予告実行フラグを格納した後に、本変動中用処理を終了する。
なお、変動中用処理について、大当たり発生の遊技回及びリーチ発生の遊技回の両方において保留予告用の変動表示パターンの修正が行われない構成であることは必須ではなく、例えば、大当たり発生の遊技回においては保留予告用の変動表示パターンの修正は行われないが、リーチ発生の遊技回においては保留予告用の変動表示パターンの修正が行われ得る構成としてもよい。また、ステップS2410及びステップS2416の処理を実行することにより、既に高速変動表示が終了している図柄列の停止図柄の種類と予告用図柄の種類とを比較し、予告用図柄が通常大当たり結果に対応した非特定図柄であって停止図柄が確変大当たり結果に対応した特定図柄である場合には、変動表示パターンを修正しないように構成したが、これに限定されることはなく、予告用図柄が通常大当たり結果に対応した非特定図柄であって停止図柄が確変大当たり結果に対応した特定図柄であっても変動表示パターンを修正する構成としてもよい。
<変動表示パターンが修正されて保留予告が実行される場合の様子>
ここで、図37のタイミングチャートを参照して、変動表示パターンが修正されて保留予告が実行される場合の様子について説明する。
図37(A)は、全図柄列Z1〜Z3が高速変動中である場合に、保留予告の実行条件が成立した場合を示す。この場合、変動開始のタイミングであるt1のタイミングからT1の期間が経過するt2のタイミングまでに保留予告の実行条件が成立している。かかる状況では、t1のタイミングからt2のタイミングまで当初の変動表示パターンに基づいて図柄の変動表示が行われ、t2のタイミング以降は修正用の変動表示パターンに基づいて図柄の変動表示が行われる。
図37(B)は、上図柄列Z1では高速変動が行われていないが、中図柄列Z2及び下図柄列Z3では高速変動が行われている場合に、保留予告の実行条件が成立した場合を示す。この場合、T1の期間が経過するt2のタイミングからT2の期間が経過するt3のタイミングまでに保留予告の実行条件が成立している。かかる状況では、t1のタイミングからt3のタイミングまで当初の変動表示パターンに基づいて図柄の変動表示が行われ、t3のタイミング以降は修正用の変動表示パターンに基づいて図柄の変動表示が行われる。
図37(C)は、上図柄列Z1及び下図柄列Z3では高速変動が行われていないが、中図柄列Z2では高速変動が行われている場合に、保留予告の実行条件が成立した場合を示す。この場合、T2の期間が経過するt3のタイミングからT3の期間が経過するt4のタイミングまでに保留予告の実行条件が成立している。かかる状況では、t1のタイミングからt4のタイミングまで当初の変動表示パターンに基づいて図柄の変動表示が行われ、t4のタイミング以降は修正用の変動表示パターンに基づいて図柄の変動表示が行われる。
なお、図37(A)〜(C)は当初の変動表示パターンがいずれも同一の場合を例示しているが、図37(A)〜(C)のいずれにおいても、変動開始(t1のタイミング)から変動終了(t5のタイミング)までの期間であるT4は同一となっている。
<変動終了用処理>
次に、変動表示制御処理(図31)におけるステップS2106の変動終了用処理について説明する。
図38のフローチャートに示すように、ステップS2501にて、最終停止表示コマンドの出力処理を実行する。これにより、最終停止表示コマンドがVDP105に出力され、今回の遊技回における停止結果の図柄が最終停止表示される。
続くステップS2502では、ワークRAM104に予告実行フラグが格納されているか否かを判定する。予告実行フラグが格納されていない場合には、そのまま本変動終了用処理を終了し、予告実行フラグが格納されている場合にはステップS2503にて当該予告実行フラグを消去した後に、本変動終了用処理を終了する。
<保留予告の具体的な態様>
次に、本パチンコ機10における保留予告の具体的な態様について説明する。図39は、保留予告の具体的な態様を説明するための説明図である。なお、図39には、下作動口24に係る保留情報が契機となって保留予告を実行すべき状態が設定されているとともに当該契機となった保留情報に係る遊技回において特定図柄の「7」の図柄により大当たり結果が発生する場合であって、当該最後の遊技回までの保留予告に係る遊技回が2回である場合を示す。
図39(a)は、保留予告に係る各遊技回の全てにおいて、遊技回の開始当初から保留予告用の変動表示パターンが設定されている場合を示す。この場合、図39(a―1)に示す最初の遊技回における図柄の停止結果は、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないが、今回の保留予告の予告用図柄である「7」の図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。
また、図39(a―2)に示す次の遊技回における図柄の停止結果も、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないが、今回の保留予告の予告用図柄である「7」の図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。但し、最初の遊技回と次の遊技回とで、「7」の図柄が停止表示される位置が異なっている。これにより、保留予告における図柄の停止態様が多様化されている。
なお、これに限定されることはなく、保留予告に係る最終の遊技回を除いて、保留予告に際しては保留予告用の図柄が常に同じ停止表示位置に停止表示される構成としてもよい。また、この場合に、図39(a―1)に示すように、中図柄列Z2及び下図柄列Z3については、保留予告用の図柄が同一の有効ライン上に停止表示される構成としてもよい。これは他のパターンにおいても同様である。
その後、図39(a―3)に示す最終の遊技回では、「7」の図柄による大当たり図柄の組み合わせが1の有効ライン上に停止表示される。つまり、図39(a)に示すパターンでは、保留予告に係る全ての遊技回において予告用図柄は「7」の図柄に統一される。
図39(b)は、保留予告に係る各遊技回の最初の遊技回において、遊技回の途中から保留予告用の変動表示パターンが設定されている場合を示す。この場合、図39(b−1)に示す最初の遊技回における図柄の停止結果は、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないが、当初の変動表示パターンにおいて上図柄列Z1の停止図柄又は下図柄列Z3の停止図柄に対応している「3」の図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。
また、図39(b−2)に示す次の遊技回における図柄の停止結果は、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないが、今回の保留予告の予告用図柄である「7」の図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。
その後、図39(b−3)に示す最終の遊技回では、「7」の図柄による大当たり図柄の組み合わせが1の有効ライン上に停止表示される。つまり、図39(b)に示すパターンでは、保留予告に係る全ての遊技回において予告用図柄は、特定図柄に統一される。
図39(c)も図39(b)と同様に、保留予告に係る各遊技回の最初の遊技回において、遊技回の途中から保留予告用の変動表示パターンが設定されている場合を示す。この場合、図39(c−1)に示す最初の遊技回における図柄の停止結果は、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないが、当初の変動表示パターンにおいて上図柄列Z1の停止図柄又は下図柄列Z3の停止図柄に対応している「6」の図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。
また、図39(c−2)に示す次の遊技回における図柄の停止結果は、全ての有効ライン上において大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせが停止されないが、今回の保留予告の予告用図柄である「7」の図柄が全図柄列Z1〜Z3において表示画面G内の停止表示位置に停止表示される。
その後、図39(c−3)に示す最終の遊技回では、「7」の図柄による大当たり図柄の組み合わせが1の有効ライン上に停止表示される。つまり、図39(c)に示すパターンでは、保留予告に係る最初の遊技回から次の遊技回において、停止結果が非特定図柄から特定図柄に昇格したと遊技者に期待させることができる。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始用処理(図32)におけるステップS2206の変動開始時の更新処理について説明する。
図40のフローチャートに示すように、先ずステップS2601にて、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。続くステップS2602では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。当該第1変動用コマンドは、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報が遊技回の開始対象となった場合に主制御装置60から送信されるコマンドである。
第1変動用コマンドである場合(ステップS2602:YES)には、ステップS2603にて、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第1保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。続くステップS2604では、ワークRAM104の消去用カウンタエリア123における第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上であるか否かを判定する。
第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上でない場合には、ステップS2605〜ステップS2607の処理を実行することなくステップS2613に進む。第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上である場合には、ステップS2605にて、第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が1減算されるように、当該第1消去用カウンタエリアの情報を更新する。
その後、ステップS2606にて第1消去用カウンタエリアの値及び第2消去用カウンタエリアの値の両方が「0」となっているか否かを判定する。両方が「0」となっている場合には、ステップS2607にて大当たり保留フラグを消去した後に、ステップS2613に進み、いずれか一方でも「0」となっていない場合には、ステップS2607の処理を実行することなくステップS2613に進む。
一方、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドでない場合(ステップS2602:NO)、すなわち今回受信した変動用コマンドが第2変動用コマンドである場合には、ステップS2608にて、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第2保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。続くステップS2609では、ワークRAM104の消去用カウンタエリア123における第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上であるか否かを判定する。
第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上でない場合には、ステップS2610〜ステップS2612の処理を実行することなくステップS2613に進む。第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上である場合には、ステップS2610にて、第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が1減算されるように、当該第2消去用カウンタエリアの情報を更新する。
その後、ステップS2611にて第1消去用カウンタエリアの値及び第2消去用カウンタエリアの値の両方が「0」となっているか否かを判定する。両方が「0」となっている場合には、ステップS2612にて大当たり保留フラグを消去した後に、ステップS2613に進み、いずれか一方でも「0」となっていない場合には、ステップS2612の処理を実行することなくステップS2613に進む。
大当たり保留フラグとは、既に説明したように、主制御装置60の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり結果に対応した保留情報が含まれている場合に格納されるフラグである。また、第1消去用カウンタエリアには大当たり結果に対応した保留情報が記憶されている場合に、第1結果表示部用保留エリアRaにおいてその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための情報が記憶される。また、第2消去用カウンタエリアには大当たり結果に対応した保留情報が記憶されている場合に、第2結果表示部用保留エリアRbにおいてその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための情報が記憶される。よって、第1消去用カウンタエリアの値及び第2消去用カウンタエリアの値の両方が初期値としての「0」となる場合とは、主制御装置60の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり結果に対応した保留情報が含まれていないことを意味し、この場合には大当たり保留フラグが消去される。
変動開始時の更新処理において、ステップS2613では、ワークRAM104に第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。なお、既に説明したとおり、いずれか一方の予告条件成立フラグが格納されている状況では、保留コマンド対応処理(図27)のステップS1709にて肯定判定されて新たな保留予告の設定は行われないため、第1予告条件成立フラグ及び第2予告条件成立フラグの両方が同時に格納されている状況は発生しない。
第1予告条件成立フラグ及び第2予告条件成立フラグの両方が格納されていない場合には、そのまま本更新処理を終了する。第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグのいずれか一方が格納されている場合には、ステップS2614にて、ワークRAM104の保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が1減算されるように、当該保留予告用カウンタエリア128の情報を更新する。
その後、ステップS2615にて、保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのまま本更新処理を終了し、「0」となっている場合には、ステップS2616にて、現状格納されている予告条件成立フラグを消去した後に、本更新処理を終了する。ちなみに、予告条件成立フラグの消去が行われた場合の遊技回では、保留予告に対応した演出が実行される。また、この予告条件成立フラグの消去が行われた場合の遊技回が終了することで、本パチンコ機10では特別報知状態が解除されることとなる。
<保留予告が実行されるように設定された状態が解除される場合について>
既に説明したように、第1予告条件成立フラグとは、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納されるフラグであり、第2予告条件成立フラグとは、下作動口24に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納されるフラグである。また、保留予告用カウンタエリア128に対しては、第1予告条件成立フラグが格納される場合、その時点で第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに格納されている保留情報の総個数の情報が設定され、第2予告条件成立フラグが格納される場合、その時点で第2結果表示部用保留エリアRbに格納されている保留情報の個数の情報が設定される。そして、保留予告用カウンタエリア128に記憶されている情報は、遊技回が新たに開始される度に1減算されるように更新される。
つまり、第1予告条件成立フラグが格納されている状況において保留予告用カウンタエリア128の情報が初期値としての「0」となる場合とは、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき条件が成立した場合に第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに格納されていた保留情報の総個数分の遊技回が開始対象となったことを意味し、この場合には第1予告条件成立フラグが消去される。一方、第2予告条件成立フラグが格納されている状況において保留予告用カウンタエリア128の情報が初期値としての「0」となる場合とは、下作動口24に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき条件が成立した場合に第2結果表示部用保留エリアRbに格納されていた保留情報の個数分の遊技回が開始対象となったことを意味し、この場合には第2予告条件成立フラグが消去される。
上記処理構成による作用効果について以下に説明する。図41は、上作動口23への入賞に係る保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立し、当該保留情報を実行の契機として保留予告が行われる場合の様子を示すタイミングチャートである。図41(a)は遊技回の実行状況を示し、図41(b)は上作動口23への入賞状況を示し、図41(c)は下作動口24への入賞状況を示し、図41(d)は上作動口23に係る保留情報の個数を示し、図41(e)は下作動口24に係る保留情報の個数を示し、図41(f)は第1予告条件成立フラグの格納状況を示し、図41(g)は保留予告用カウンタエリア128のカウンタ値を示す。
先ず、上作動口23への入賞に係る保留情報を実行の契機として保留予告が開始され、当該保留情報に係る遊技回を含めて保留予告に対応した演出が実行される場合について説明する。
所定の遊技回が実行されている状況においてt1のタイミングで上作動口23への入賞が発生することで、上作動口23に係る保留情報が新たに取得される。この場合、上作動口23に係る保留情報は既に1個記憶されているため、当該保留情報の個数は2個となる。また、下作動口24に係る保留情報は既に1個記憶されているため、上作動口23に係る保留情報と下作動口24に係る保留情報とを合わせた合計の個数は3個である。このt1のタイミングで取得された保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立することにより、第1予告条件成立フラグが格納されるとともに、保留予告用カウンタエリア128には上記合計個数である3個の情報が設定される。
その後、t2のタイミングで、それまで実行されていた遊技回が終了し、t3のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合に、本パチンコ機10では既に説明したとおり、上作動口23に係る保留情報よりも下作動口24に係る保留情報の方が遊技回の開始対象として優先されるとともに、上記のとおりt3のタイミングにおいて下作動口24に係る保留情報が記憶されている。したがって、t3のタイミングでは、下作動口24に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始され、これにより下作動口24に係る保留情報の個数が0個となる。また、保留予告用カウンタエリア128の値が1減算されて「2」となる。その後、t4のタイミングで、t3のタイミングにて開始された遊技回が終了される。かかる遊技回においてはその開始に際して第1予告条件成立フラグが格納されているため、当該遊技回の終了に際して保留予告に対応した停止結果が表示される。
その後、t5のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合、下作動口24に係る保留情報が記憶されていないため、上作動口23に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始され、これにより上作動口23に係る保留情報の個数が1減算されて1個となる。また、保留予告用カウンタエリア128の値が1減算されて「1」となる。その後、t6のタイミングで、t5のタイミングにて開始された遊技回が終了される。かかる遊技回においてはその開始に際して第1予告条件成立フラグが格納されているため、当該遊技回の終了に際して保留予告に対応した停止結果が表示される。
その後、t7のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合、下作動口24に係る保留情報が記憶されていないため上作動口23に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始され、これにより上作動口23に係る保留情報の個数が1減算されて0個となる。また、保留予告用カウンタエリア128の値が1減算されて「0」となり、それに伴って第1予告条件成立フラグが消去される。
ここで、t1のタイミングにおいて上作動口23に係る保留情報が取得されてからt7のタイミングまでに保留情報が取得されておらず、さらに記憶されている保留情報の個数はt7のタイミングで0個となっている。したがって、t7のタイミングにおいて遊技回の開始対象となった保留情報は、今回の保留予告について実行の契機となった保留情報である。また、今回の遊技回の開始に際しては第1予告条件成立フラグが格納されているため、t8のタイミングでは、保留予告に対応した停止結果が表示されて、t7のタイミングで開始された遊技回が終了される。
また、保留予告用カウンタエリア128の値は、t7のタイミングで遊技回が開始されることで減算されて、その結果として「0」となっている。したがって、今回の保留予告では、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回の前の遊技回まで保留予告が実行されるとともに、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回ではそれまでの保留予告に対応した演出が実行される。
なお、上記のような状況は、保留予告を実行すべき条件が成立してからその契機となった保留情報に係る遊技回が開始されるまでに、上作動口23に係る保留情報が新たに取得された場合であっても同様に発生する。
次に、上作動口23への入賞に係る保留情報を実行の契機として保留予告が開始され、当該保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回において保留予告に対応した演出が終了され、当該保留情報に係る遊技回が保留予告に対応した演出対象の遊技回に含まれない場合について説明する。
所定の遊技回が実行されている状況においてt9のタイミングで上作動口23への入賞が発生することで、上作動口23に係る保留情報が新たに取得される。この場合、上作動口23に係る保留情報は既に1個記憶されているため、当該保留情報の個数は2個となる。また、下作動口24に係る保留情報は記憶されていないため、上作動口23に係る保留情報と下作動口24に係る保留情報とを合わせた合計の個数は2個である。このt9のタイミングで取得された保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立することにより、第1予告条件成立フラグが格納されるとともに、保留予告用カウンタエリア128には上記合計個数である2個の情報が設定される。
その後、t10のタイミングで、それまで実行されていた遊技回が終了し、t11のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合、下作動口24に係る保留情報が記憶されていないため、上作動口23に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始され、これにより上作動口23に係る保留情報の個数が1減算されて1個となる。また、保留予告用カウンタエリア128の値が1減算されて「1」となる。
その後、t12のタイミングで下作動口24への入賞が発生することで、下作動口24に係る保留情報が新たに取得され、下作動口24に係る保留情報の個数が1個となる。その後、t13のタイミングで、t11のタイミングにて開始された遊技回が終了される。かかる遊技回においてはその開始に際して第1予告条件成立フラグが格納されているため、当該遊技回の終了に際して保留予告に対応した停止結果が表示される。
その後、t14のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合、上作動口23に係る保留情報が記憶されているものの、遊技回の開始対象として優先される下作動口24に係る保留情報が記憶されているため、当該下作動口24に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始される。これにより、下作動口24に係る保留情報の個数が0個となる。また、保留予告用カウンタエリア128の値が1減算されて「0」となり、それに伴って第1予告条件成立フラグが消去される。
その後、t15のタイミングで下作動口24への入賞が発生することで、下作動口24に係る保留情報が新たに取得され、下作動口24に係る保留情報の個数が1個となる。なお、このタイミングでは予告条件成立フラグが格納されていないため当該保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得るが、ここでは保留予告の実行の契機として設定されない。その後、t16のタイミングで、t14のタイミングにて開始された遊技回が終了される。かかる遊技回においてはその開始に際して第1予告条件成立フラグが格納されているため、当該遊技回の終了に際して保留予告に対応した停止結果が表示される。
その後、t17のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合、上作動口23に係る保留情報が記憶されているものの、遊技回の開始対象として優先される下作動口24に係る保留情報が記憶されているため、当該下作動口24に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始される。これにより、下作動口24に係る保留情報の個数が0個となる。その後、t18のタイミングで、t17のタイミングにて開始された遊技回が終了される。かかる遊技回においてはその開始に際して予告条件成立フラグが格納されていないため、当該遊技回の終了に際して保留予告に対応した停止結果は表示されない。
その後、t19のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合、下作動口24に係る保留情報が記憶されていないため上作動口23に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始され、これにより、上作動口23に係る保留情報の個数が1減算されて0個となる。
ここで、t9のタイミングにおいて上作動口23に係る保留情報が取得されてからt19のタイミングまでに上作動口23に係る保留情報が取得されておらず、さらに上作動口23に係る保留情報の個数はt19のタイミングで0個となっている。したがって、t19のタイミングにおいて遊技回の開始対象となった保留情報は、今回の保留予告について実行の契機となった保留情報である。但し、第1予告条件成立フラグはt14のタイミングで既に消去されており、今回の遊技回の開始に際して第1予告条件成立フラグが格納されていないため、t20のタイミングでは、保留予告に対応した停止結果が偶然選択されない限り、保留予告に対応しない停止結果が表示されて、t19のタイミングで開始された遊技回が終了される。
つまり、今回の保留予告では、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前に、保留予告を実行すべき状態が解除され、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回ではそれまでの保留予告に対応した演出が実行されない。さらにまた、保留予告を実行すべき条件が成立している状態は、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回の2回前の遊技回が開始される場合に解除されているため、保留予告に対応した演出が実行される遊技回と、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回とは連続していない。
次に、下作動口24への入賞に係る保留情報を実行の契機として保留予告が開始される場合について説明する。
下作動口24に係る保留情報は既に説明したとおり遊技回の開始対象として優先して選択されるため、下作動口24への入賞に係る保留情報を実行の契機として保留予告が開始される場合には、当該保留情報が遊技回の開始対象となるまでに実行される遊技回の回数はその時点で記憶されている下作動口24に係る保留情報の個数に応じて確定される。したがって、下作動口24に係る保留情報が保留予告の実行の契機として設定される場合には、保留予告を実行すべき状態が、当該状態の設定の時点で記憶されている下作動口24に係る保留情報の個数分の遊技回に亘って維持される構成とすることで、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回を含めて保留予告に対応した演出が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
下作動口24に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が、上作動口23に対応した第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報よりも優先して当否抽選が行われる。これにより、遊技の状況などに応じて上作動口23への入球を期待して発射操作を行ったり、下作動口24への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
また、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されているとともに当否判定の対象となっていない保留情報又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているとともに当否判定の対象となっていない保留情報に応じた保留予告が、当該保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回において実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、上作動口23及び下作動口24への入賞を発生させる遊技と、当該入賞に基づき取得された保留情報の当否判定結果を当該保留情報に係る遊技回において確認する遊技だけでなく、複数の保留情報が保留記憶されている場合には当否判定の対象となる順番が後の保留情報について、当否判定の対象となった場合の結果を保留予告の内容に応じて予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
さらに、上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告を開始する場合には、当該保留情報が取得された時点における上作動口23に係る保留情報の保留個数と下作動口24に係る保留情報の保留個数とを合計した分の回数の遊技回だけ保留予告に対応した演出が実行される。例えば、上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告を開始した場合に当該保留情報が遊技回の開始対象となるまで保留予告を実行すべき状態が維持される構成を想定すると、当該保留情報が遊技回の開始対象となるよりも前のタイミングで下作動口24への入賞が連続した場合、当該下作動口24に係る保留情報は遊技回の開始対象として優先して選択されるため、それだけ保留予告に対応した演出が実行される遊技回が継続されることとなる。保留予告に係る演出が必要以上に継続してしまうと、せっかく保留予告を行うようにしたにも関わらず遊技者が保留予告に必要以上に慣れてしまい、保留予告を行うようにした効果が十分に発揮されないおそれがある。これに対して、本実施形態に係る上記構成によれば、このような不都合を生じさせることはない。よって、下作動口24に係る保留情報が遊技回の開始対象として優先されるようにした効果及び保留予告を行うようにした効果を好適に発揮することができる。
上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告が開始された場合には、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbにその時点で記憶されている保留情報の数と同数の回数分の遊技回が行われた場合に、今回の保留予告を実行すべき状態が解除される。これにより、下作動口24に係る保留情報の新たな取得が行われない場合には、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回を含めて各遊技回にて保留予告に対応した演出が実行されることとなり、当該実行の契機となった保留情報についての保留予告を良好に行うことができる。
下作動口24への入賞が発生し易くなる高頻度サポートモードである状況において上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告が行われる構成を想定すると、保留予告を実行すべき状態において下作動口24に係る保留情報の新たな取得が連続し、これら新たに取得された保留情報が遊技回の開始対象となったことに基づいて保留予告を実行すべき状態の解除条件が成立する状況が発生し易くなる。これに対して、高頻度サポートモードである場合には上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となることが制限されるため、上記のような状況が発生する頻度が低減される。その一方、高頻度サポートモードであっても下作動口24に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となり得るため、保留予告を通じた遊技の注目度の向上を高頻度サポートモード中であっても図ることができる。
上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となる場合には、保留予告用カウンタエリア128に第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の合計数の情報が設定される。一方、下作動口24に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となる場合には、保留予告用カウンタエリア128に第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数の情報が設定される。そして、保留予告用カウンタエリア128に設定されている数値情報は遊技回が開始される度に1減算されるように更新され、上作動口23に係る保留情報を実行の契機とした保留予告を実行すべき状態及び下作動口24に係る保留情報を実行の契機とした保留予告を実行すべき状態のいずれであっても、保留予告用カウンタエリア128が初期値となっている場合にその状態が解除される。これにより、いずれの保留予告を実行すべき状態であっても、保留予告用カウンタエリア128の構成や当該カウンタエリア128を更新する処理構成などが解除タイミングを判定するための構成として兼用されるため、構成の簡素化を図りつつ、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
上作動口23に係る保留情報又は下作動口24に係る保留情報のいずれかが契機となって保留予告を実行すべき状態が設定されている場合には、当該状態の設定の契機となった保留情報よりも後に取得された保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態が新たに設定されない。これにより、それぞれ異なる保留情報を契機とした保留予告を実行すべき状態が重複して設定されることはない。したがって、上作動口23に係る保留情報を契機とした保留予告を実行すべき状態及び下作動口24に係る保留情報を契機とした保留予告を実行すべき状態のいずれであってもその解除タイミングを判定するために保留予告用カウンタエリア128を兼用するようにしたとしても、処理上の問題が生じない。
また、既に保留予告の実行の契機として設定されている保留情報が記憶されている状況では、その後に記憶された保留情報について保留予告の実行の契機として設定されないことにより、保留予告の実行の契機となる保留情報が重複して存在することはなく、保留予告を実行する上での契機となる保留情報が明確となる。保留予告の契機となる保留情報が重複して存在すると、一方の保留情報に係る保留予告の実行に際して他の保留情報を考慮する必要が生じるため、処理などが煩雑なものとなるおそれがあるが、上記重複が生じないようにすることで、このような事態が生じないようにすることができる。
遊技回の途中において作動口23,24への新たな入賞が発生した場合には、その入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告が、その遊技回において行われることがある。これにより、保留予告が行われる場合には、作動口23,24への入賞が発生してからそれについての保留予告が行われるまでの時間を早めることが可能となり、遊技者にとっては保留予告を確認する機会が高められる。
図柄の変動表示が行われている途中においてその遊技回で保留予告を行う状況となったとしても、その遊技回において既に決定されている図柄の変動表示時間が変更されないようにした。これにより、図柄の変動表示が行われている途中であってもその遊技回で保留予告を行う状況となり得るようにした構成において、各遊技回を消化するのに要する時間が変動してしまうことが抑えられる。また、保留予告が行われる遊技回においてその遊技回の当初から保留予告用の図柄の変動表示パターンが設定される場合、保留予告の実行の契機として設定された保留情報の内容を反映することなく変動表示時間が決定されるようにした。これにより、保留予告が行われ得るようにした構成において、保留予告の実行の契機となるように設定されている保留情報の内容に応じて各遊技回を消化するのに要する時間が変動してしまうことが抑えられる。
例えば、保留予告が行われる場合、通常よりも長い変動表示時間が選択される構成又は通常よりも短い変動表示時間が選択される構成とすると、保留予告が行われる状況では各遊技回を消化するのに要する時間が長くなる又は短くなる。そうすると、遊技領域に設けられた釘の角度及び向きの調整の仕方に応じて、作動口23,24への入賞が比較的発生し易くなっている遊技ホールと、作動口23,24への入賞が比較的発生しづらくなっている遊技ホールとで、単位時間当たりの遊技回の消化率に差異が生じてしまうおそれがある。つまり、前者の遊技ホールでは、保留予告の実行の契機となる保留情報が記憶されるタイミングにおいて既に複数の保留情報が記憶されている可能性が高く、一方、後者の遊技ホールでは当該可能性が低い。この場合、通常よりも長い変動表示時間が選択されるとすると、前者の遊技ホールにおける単位時間当たりの遊技回の消化率は後者の遊技ホールよりも低下し、通常よりも短い変動表示時間が選択されるとすると、前者の遊技ホールにおける単位時間当たりの遊技回の消化率は後者の遊技ホールよりも向上してしまう。これに対して、変動表示時間に影響を与えることなく保留予告が行われるようにすることで、単位時間当たりの遊技回の消化率に影響を与えることなく、保留予告を行うようにしたことによる効果を得ることができる。
大当たり当選に対応した保留情報が第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている状況では、その後に記憶された保留情報について保留予告の実行の契機として設定されないようにした。これにより、保留予告を実行している状況において、保留予告の実行の契機として設定されている保留情報とは異なる保留情報に係る遊技回で大当たり結果となる状況が発生しないようにすることができる。
保留コマンドに大当たり乱数カウンタC1の値の情報や大当たり種別カウンタC2の値の情報が含まれている構成においては、主制御装置60と音声ランプ制御装置90とを電気的に接続する信号線(具体的には、複数の信号線の両端に共通のコネクタが設けられたコネクタユニット)や、音声ランプ制御装置90と表示制御装置100とを電気的に接続する信号線(具体的には、複数の信号線の両端に共通のコネクタが設けられたコネクタユニット)を不正に外し、主制御装置60における現状の大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が行われることが想定される。また、かかる不正行為以外にも、上記信号線に対して不正な基板を接続し、主制御装置60における現状の大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が行われることが想定される。このように、大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値が取得されてしまうと、大当たり当選や15R確変大当たり結果となるタイミングで不正に始動入賞させる不正行為又は始動入賞が発生したと誤検知させる不正行為が行われてしまい、遊技ホールに多大な不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値をそのまま保留コマンドとして送信するのではなく、主制御装置60において特定した結果の情報を保留コマンドとして送信する構成とすることで、上記不正行為の発生を阻止することが可能となる。
開閉実行モードでは、開閉実行モードに移行する前までサポートモードが低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであったかに関わらず、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される。この場合、開閉実行モードにおいて下作動口24への入賞が多数発生してしまうことが抑えられ、それに伴って、例えば開閉実行モードにおける出球率が下作動口24への入賞頻度に応じて変動してしまうことが抑えられる。
但し、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報が遊技回の開始対象となった場合よりも下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報が遊技回の開始対象となった場合の方が遊技者にとって有利な遊技結果が生じ易い構成において、開閉実行モードにてサポートモードが低頻度サポートモードに設定される構成の場合、開閉実行モード中に下作動口24への入賞が発生しづらく、開閉実行モードが発生する前のタイミングにおいて下作動口24への入賞に係る保留情報が記憶されていないと、開閉実行モードの終了直後において上作動口23への入賞に係る保留情報が遊技回の開始対象となる可能性が高くなる。
ここで、本パチンコ機10では、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報が遊技回の開始対象となった方が上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報が遊技回の開始対象となるよりも遊技者にとって有利である。そうすると、遊技者にとっては、開閉実行モードの終了直後において下作動口24への入賞に係る保留情報ではなく、上作動口23への入賞に係る保留情報が遊技回の開始対象となることは好ましくない。
これに対して、サポートモードが高頻度サポートモードである状況において下作動口24への入賞に係る保留情報について保留報知を行うようにすることで、保留報知を確認した遊技者は、当該保留報知に係る保留情報に基づいて開閉実行モードが開始される前までに下作動口24への入賞に係る保留情報を極力多く記憶させておこうとするものと考えられる。つまり、本構成によれば、下作動口24への入賞が発生するように発射ハンドル51を操作するという能動的な遊技と、当否抽選の結果を確認するという受動的な遊技とが相互に関連した斬新な遊技を提供することが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態が設定された場合に当該状態が解除されるための条件が上記第1の実施形態と異なっている。当該異なる解除条件とするための構成について以下に説明する。
図42は、本実施形態における第1設定処理を示すフローチャートである。なお、当該第1設定処理は、上記第1の実施形態と同様に、表示制御装置100のMPU102における保留コマンド対応処理(図27)のステップS1714にて実行される。
図42に示すように先ずステップS2701では、保留予告発生抽選処理を実行する。当該処理は、上記第1の実施形態におけるステップS1901と同様である。続くステップS2702では、上記ステップS2701における抽選処理の結果が、保留予告発生当選か否かを判定する。保留予告発生当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。保留予告発生当選である場合には、ステップS2703に進む。
ステップS2703では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが通常対応保留コマンドであるか否かを判定し、通常対応保留コマンドである場合にはステップS2704にて通常大当たりに対応した予告用図柄の決定処理を実行する一方、通常対応保留コマンドでない場合にはステップS2705にて15R確変大当たりに対応した予告用図柄の決定処理を実行する。そして、ステップS2704又はステップS2705の処理を実行した後は、ステップS2706にて予告用図柄の種類情報を記憶するための処理を実行する。これらステップS2703〜ステップS2706の処理は、上記第1の実施形態におけるステップS1903〜ステップS1906と同様である。
ステップS2706の処理を実行した後は、ステップS2707にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口23への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口23への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS2708にてワークRAM104に第1予告条件成立フラグを格納する。
続くステップS2709では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第1保留個数カウンタエリアに格納されている情報を、ワークRAM104に設けられた保留予告用カウンタエリア128の情報として設定する。つまり、上記第1の実施形態では、第1予告条件成立フラグを格納する場合、その格納の契機となった保留情報が取得された時点での保留情報の合計数に対応した情報が保留予告用カウンタエリア128に対して設定される構成としたが、本実施形態では、第1予告条件成立フラグの格納の契機となった保留情報が取得された時点での上作動口23に係る保留情報の個数に対応した情報が保留予告用カウンタエリア128に対して設定される。
その後、ステップS2710にて、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122に回数制限用計測手段として設けられた回数制限用カウンタエリアに対して、プログラムROM103に予め記憶された回数制限情報を設定し、本設定処理を終了する。これにより、上作動口23に係る保留情報を契機として、保留予告を実行すべき状態に設定される。当該状態が、本実施形態において、上作動口23に係る保留情報を契機とした特別報知状態に相当する。
ここで、回数制限情報とは、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態に設定された状況において、当該保留予告を実行すべき状態が継続され得る上限の遊技回数を定めた情報である。詳細は後述するが、保留予告を実行すべき状態は、その設定後において回数制限情報に対応した回数の遊技回が消化された場合、当該状態の契機となった保留情報が遊技回の開始対象となるよりも前のタイミングであっても解除される。
回数制限情報について具体的には、同時に保留記憶され得る保留上限数以上の数に対応した数値情報として設定されている。本パチンコ機10では、上作動口23に係る保留情報及び下作動口24に係る保留情報の両方を合わせた保留上限数は8個であるため、回数制限情報は8以上の数に対応した数値情報として設定されている。より具体的には、回数制限情報は、上記保留上限数よりも所定の追加数分大きな数値情報となるように、「10」の数となる数値情報として設定されている。
一方、今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口24への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS2711にてワークRAM104に第2予告条件成立フラグを格納する。続くステップS2712では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第2保留個数カウンタエリアに格納されている情報を保留予告用カウンタエリア128の情報として設定する。その後、本設定処理を終了する。これにより、上作動口23に係る保留情報を契機として、保留予告を実行すべき状態に設定される。当該状態が、本実施形態において、下作動口24に係る保留情報を契機とした特別報知状態に相当する。
つまり、第2予告条件成立フラグが格納される場合には、上記第1の実施形態と同様に、第2予告条件成立フラグの格納の契機となった保留情報が取得された時点での下作動口24に係る保留情報の個数に対応した情報が保留予告用カウンタエリア128に対して設定され、回数制限用カウンタエリアに対する回数制限情報の設定は行われない。
次に、本実施形態における第2設定処理について、簡単に説明する。なお、当該第2設定処理は、上記第1の実施形態と同様に、表示制御装置100のMPU102における保留コマンド対応処理(図27)のステップS1716にて実行される。
本実施形態における第2設定処理では、上記第1の実施形態における第2設定処理(図30)と同様に、ステップS2001〜ステップS2004の処理を実行する。但し、ステップS2005にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口23への入賞に基づき送信されたものであると判定した場合には、ステップS2006〜ステップS2007の処理に代えて、上記第1設定処理(図42)におけるステップS2708〜ステップS2710と同様の処理を実行する。一方、ステップS2005にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口24の入賞に基づき送信されたものであると判定した場合には、ステップS2008〜ステップS2009と同様の処理を実行する。
次に、本実施形態における変動開始時の更新処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。当該変動開始時の更新処理は、上記第1の実施形態と同様に、表示制御装置100のMPU102における変動開始用処理(図32)のステップS2206にて実行される。
ステップS2801では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における回数制限用カウンタエリアに記憶されている回数制限情報が1減算されるように、当該回数制限用カウンタエリアの情報を更新する。続くステップS2802では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。
第1変動用コマンドである場合(ステップS2802:YES)には、ステップS2803にて、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第1保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。続くステップS2804では、大当たり保留フラグ消去用の処理を実行する。当該処理は、上記第1の実施形態におけるステップS2604〜ステップS2607の処理と同様である。
続くステップS2805では、ワークRAM104に第1予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。第1予告条件成立フラグが格納されていない場合には、そのまま本更新処理を終了する。第1予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS2806にて、ワークRAM104の保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が1減算されるように、当該保留予告用カウンタエリア128の情報を更新する。
その後、ステップS2807にて、回数制限用カウンタエリアに記憶されている値が「0」となっているか否かを判定するとともに、ステップS2808にて、保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が「0」となっているか否かを判定する。その結果、回数制限用カウンタエリアに記憶されている値が「0」ではなく(ステップS2807:NO)且つ保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が「0」ではない場合(ステップS2808:NO)には、そのまま本更新処理を終了する。
一方、回数制限用カウンタエリアに記憶されている値が「0」である場合(ステップS2807:YES)又は保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が「0」である場合(ステップS2808:YES)には、ステップS2809にてワークRAM104から第1予告条件成立フラグを消去した後に、本更新処理を終了する。ちなみに、第1予告条件成立フラグの消去が行われた場合の遊技回では、保留予告に対応した演出が実行される。すなわち、この第1予告条件成立フラグの消去が行われた場合の遊技回が終了することで、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態が解除されることとなる。
ステップS2802にて、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドでなはく第2変動用コマンドであると判定した場合には、ステップS2810に進む。ステップS2810では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第2保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。続くステップS2811では、大当たり保留フラグ消去用の処理を実行する。当該処理は、上記第1の実施形態におけるステップS2609〜ステップS2612の処理と同様である。
続くステップS2812では、ワークRAM104に第2予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。第2予告条件成立フラグが格納されていない場合には、そのまま本更新処理を終了する。第2予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS2813にて、ワークRAM104の保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が1減算されるように、当該保留予告用カウンタエリア128の情報を更新する。
その後、ステップS2814にて、保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が「0」となっているか否かを判定する。その結果、「0」となっていない場合にはそのまま本更新処理を終了し、「0」となっている場合にはステップS2815にて第2予告条件成立フラグを消去した後に、本更新処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態は、当該状態の設定の契機となった保留情報に係る遊技回が終了した場合に解除される。また、当該状態の設定の契機となった保留情報に係る遊技回が行われていなくても、保留予告を実行すべき状態となってから、回数制限情報に対応した回数の遊技回が行われた場合にも解除される。解除条件として後者の条件が設定されていることにより、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態が設定された後に、下作動口24に係る保留情報の新たな取得が連続したとしても、回数制限情報に対応した回数の遊技回が行われることで当該保留予告を実行すべき状態が解除されるため、保留予告に係る演出が必要以上に継続してしまうことが抑制される。
また、回数制限情報は、既に説明したとおり、同時に記憶保持され得る保留上限数以上の数に対応した数値情報として設定されている。つまり、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態が設定されたタイミングにおいて保留記憶されている保留情報の合計数が3個又は8個のいずれであったとしても、回数制限情報として「10」に対応した数値情報が設定される。これにより、下作動口24に係る保留情報の新たな取得が行われない場合には、保留予告を実行すべき状態の設定の契機となった保留情報に係る遊技回を含めて各遊技回にて保留予告に対応した演出が実行されることとなり、当該設定の契機となった保留情報についての保留予告を良好に行うことができる。
また、1種類の回数制限情報のみが予め記憶されている構成であるため、プログラムROM103に必要な記憶容量を抑えながら、上記のような優れた効果を奏することができる。
さらにまた、上記解除条件として前者の条件が設定されていることにより、保留予告を実行すべき状態の設定の契機となった保留情報に係る遊技回が行われた場合には、現状設定されている保留予告を実行すべき状態が解除されることとなる。これにより、回数制限情報が保留上限数以上の数に対応した数値情報として設定された構成において、保留予告を実行すべき状態が、その設定の契機となった保留情報に係る遊技回よりも後の遊技回にまで亘って継続してしまうことが防止される。よって、回数制限情報に対応した回数の遊技回が行われるよりも前のタイミングで、設定の契機となった保留情報に係る遊技回が開始された場合には、今回の保留予告がいずれの遊技回について行われたかが遊技者にとって明確なものとなる。
下作動口24に係る保留情報は遊技回の開始対象として優先されるため、保留予告を実行すべき状態が下作動口24に係る保留情報を契機として設定された場合には、当該保留情報が遊技回の開始対象となるまでに実行される遊技回の回数はその時点で記憶されている下作動口24に係る保留情報の個数に応じて確定される。したがって、下作動口24に係る保留情報を契機として設定される場合には、保留予告を実行すべき状態が、当該状態の設定の時点で記憶されている下作動口24に係る保留情報の個数分の遊技回に亘って維持される構成とすることで、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回を含めて保留予告に対応した演出が実行される。
なお、上述した作用効果以外にも、上記第1の実施形態と共通する構成についての作用効果は本実施形態においても同様に奏する。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態が設定された場合に当該状態が解除されるための条件が上記第1の実施形態と異なっている。当該異なる解除条件とするための構成について以下に説明する。
図44は、本実施形態における第1設定処理を示すフローチャートである。なお、当該第1設定処理は、上記第1の実施形態と同様に、表示制御装置100のMPU102における保留コマンド対応処理(図27)のステップS1714にて実行される。
図44に示すように先ずステップS2901では、保留予告発生抽選処理を実行する。当該処理は、上記第1の実施形態におけるステップS1901と同様である。続くステップS2902では、上記ステップS2901における抽選処理の結果が、保留予告発生当選か否かを判定する。保留予告発生当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。保留予告発生当選である場合には、ステップS2903に進む。
ステップS2903では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口23への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口23への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS2904にて通常大当たりに対応した予告用図柄の決定処理を実行する。当該処理では、今回の保留予告を行う上で用いる図柄の種類を、非特定図柄に相当する主図柄である偶数番号が付された図柄の中から決定するための処理を実行する。そして、ステップS2905では、予告用図柄の種類情報を記憶するための処理を実行する。これらステップS2904及びステップS2905の処理内容は、上記第1の実施形態におけるステップS1904及びステップS1906と同様である。
その後、ステップS2906にて、ワークRAM104に第1予告条件成立フラグを格納するとともに、ステップS2907にて、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第1保留個数カウンタエリアに格納されている情報を、ワークRAM104に設けられた保留予告用カウンタエリア128の情報として設定する。その後、本設定処理を終了する。これにより、上作動口23に係る保留情報を契機として、保留予告を実行すべき状態に設定される。当該状態が、本実施形態において、上作動口23に係る保留情報を契機とした特別報知状態に相当する。
つまり、本実施形態では、保留予告を実行すべき状態が、上作動口23に係る保留情報を契機として設定される場合には、通常対応保留コマンド及び15R確変対応保留コマンドのいずれを受信していたとしても、非特定図柄が予告用図柄として設定される。したがって、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態では、その設定の契機となった保留情報よりも前の遊技回において非特定図柄を用いた保留予告に対応した図柄の組み合わせが停止表示され、特定図柄を用いた保留予告に対応した図柄の組み合わせは停止表示されない。
また、上記第1の実施形態では、第1予告条件成立フラグを格納する場合、その格納の契機となった保留情報が取得された時点での保留情報の合計数に対応した情報が保留予告用カウンタエリア128に対して設定される構成としたが、本実施形態では、第1予告条件成立フラグの格納の契機となった保留情報が取得された時点での上作動口23に係る保留情報の個数に対応した情報が保留予告用カウンタエリア128に対して設定される。
今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口24への入賞に基づき送信されたものである場合(ステップS2903:NO)には、ステップS2908にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが通常対応保留コマンドであるか否かを判定し、通常対応保留コマンドである場合にはステップS2909にて通常大当たりに対応した予告用図柄の決定処理を実行する一方、通常対応保留コマンドでない場合にはステップS2910にて15R確変大当たりに対応した予告用図柄の決定処理を実行する。そして、ステップS2909又はステップS2910の処理を実行した後は、ステップS2911にて予告用図柄の種類情報を記憶するための処理を実行する。これらステップS2908〜ステップS2911の処理は、上記第1の実施形態におけるステップS1903〜ステップS1906と同様である。
その後、ステップS2912にて、ワークRAM104に第2予告条件成立フラグを格納するとともに、ステップS2913にて、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第2保留個数カウンタエリアに格納されている情報を、ワークRAM104に設けられた保留予告用カウンタエリア128の情報として設定する。その後、本設定処理を終了する。これにより、下作動口24に係る保留情報を契機として、保留予告を実行すべき状態に設定される。当該状態が、本実施形態において、下作動口24に係る保留情報を契機とした特別報知状態に相当する。
つまり、保留予告を実行すべき状態が、下作動口24に係る保留情報を契機として設定される場合には、上作動口23に係る保留情報を契機として設定される場合と異なり、通常対応保留コマンドを受信している場合には非特定図柄が予告用図柄として設定されるとともに、15R確変対応保留コマンドを受信している場合には特定図柄が予告用図柄として設定される。また、第2予告条件成立フラグが格納される場合には、上記第1の実施形態と同様に、第2予告条件成立フラグの格納の契機となった保留情報が取得された時点での下作動口24に係る保留情報の個数に対応した情報が保留予告用カウンタエリア128に対して設定される。
次に、本実施形態における第2設定処理について、簡単に説明する。なお、当該第2設定処理は、上記第1の実施形態と同様に、表示制御装置100のMPU102における保留コマンド対応処理(図27)のステップS1716にて実行される。
本実施形態における第2設定処理では、上記第1設定処理とほぼ同様の処理を実行する。但し、読み出し対象となった保留コマンドが下作動口24への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS2908〜ステップS2911の処理に代えて、上記第1の実施形態における第2設定処理(図30)のステップS2003〜ステップS2004の処理を実行する点で相違する。
次に、本実施形態における変動開始用処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。当該変動開始用処理は、上記第1の実施形態と同様に、表示制御装置100のMPU102における変動表示制御処理(図31)のステップS2103にて実行される。
ステップS3001では、上記第1の実施形態におけるステップS2201と同様に、今回受信した変動用コマンド及び種別コマンドから、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU102のレジスタに記憶する。
続くステップS3002では、ワークRAM104に予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。予告条件成立フラグが格納されていない場合には、ステップS3003に進み、保留予告に対応しない停止結果設定処理を実行する。当該保留予告に対応しない停止結果設定処理は、上記第1の実施形態におけるステップS2204と同様である。
予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS3004〜ステップS3006にて各種判定を行う。このうち、ステップS3004では、今回格納されている予告条件成立フラグが第1予告条件成立フラグであるか否かを判定する。また、ステップS3005では、今回受信した変動用コマンドが第2変動用コマンドであるか否かを判定する。また、ステップS3006では、ステップS3001にて把握した結果が、大当たり当選に対応した把握結果又はリーチ発生に対応した把握結果のいずれかであるか否かを判定する。
その結果、今回格納されている予告条件成立フラグが第1予告条件成立フラグではなく第2予告条件成立フラグである場合(ステップS3004:NO)、今回受信した変動用コマンドが第2変動用コマンドではなく第1変動用コマンドである場合(ステップS3005:NO)、又はステップS3001にて把握した結果が大当たり当選及びリーチ発生のいずれにも対応していない場合(ステップS3006:NO)には、ステップS3007にて保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する。当該保留予告に対応した停止結果設定処理は、上記第1の実施形態における保留予告に対応した停止結果設定処理(図33)とほぼ同様の処理を実行する。
但し、本実施形態では上記のとおり保留予告を実行すべき状態が上作動口23に係る保留情報を契機として設定された場合、当該契機となった保留情報が15R確変大当たり結果に対応していたとしても予告用図柄は非特定図柄に設定される。したがって、保留予告を実行すべき状態が解除されることなく、当該状態の設定の契機となった保留情報が遊技回の開始対象となった場合に、現状設定されている予告用図柄を用いた大当たり図柄の組み合わせを停止表示させると、遊技結果は15R確変大当たり結果であるにも関わらず通常大当たり結果に対応した図柄の組み合わせが停止表示されることとなってしまう。これに対して、保留予告に対応した停止結果設定処理では、上記第1の実施形態と同様に、ステップS2303にて、上記状況が発生していないか否かを確認し、上記状況が発生している場合には、ステップS3003の保留予告に対応しない停止結果設定処理に移行される構成となっている。
一方、変動開始用処理では、上記のとおりステップS3005及びステップS3006の処理が実行されるため、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態が設定されている状況で、下作動口24への入賞が発生し、15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果に対応した保留情報が取得された場合には、保留予告に対応した停止結果設定処理は実行されない。したがって、本実施形態におけるステップS2303においては、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態が設定されている状況で下作動口24への入賞が発生し、15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果のうち現状設定されている予告用図柄の種類情報とは異なる大当たり結果に対応した保留情報が取得された状況であるか否かという内容は判定対象に含まれていない。
変動開始用処理の説明に戻り、今回格納されている予告条件成立フラグが第1予告条件成立フラグであり(ステップS3004:YES)、今回受信した変動用コマンドが第2変動用コマンドであり(ステップS3005:YES)、さらにステップS3001にて把握した結果が大当たり当選又はリーチ発生のいずれかに対応している場合(ステップS3006:YES)には、ステップS3008に進む。ステップS3008では、ワークRAM104から第1予告条件成立フラグを消去する。その後、ステップS3003に進み、保留予告に対応しない停止結果設定処理を実行する。
つまり、本実施形態では、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態は、下作動口24に係る保留情報であって大当たり当選又はリーチ発生に対応している保留情報が遊技回の開始対象となることで、設定の契機となった保留情報が遊技回の開始対象となるよりも前のタイミングであったとしても解除される。
ステップS3003又はステップS3007の処理を実行した後は、ステップS3009にて、変動表示パターンの設定処理を実行する。当該処理は、上記第1の実施形態におけるステップS2205と同様である。その後、ステップS3010にて、変動開始時の更新処理を実行した後に、本変動開始用処理を終了する。
次に、本実施形態における変動開始時の更新処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3101では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。第1変動用コマンドである場合(ステップS3101:YES)には、ステップS3102にて、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第1保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。続くステップS3103では、大当たり保留フラグ消去用の処理を実行する。当該処理は、上記第1の実施形態におけるステップS2604〜ステップS2607の処理と同様である。
続くステップS3104では、ワークRAM104に第1予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。第1予告条件成立フラグが格納されていない場合には、そのまま本更新処理を終了する。第1予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS3105にて、ワークRAM104の保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が1減算されるように、当該保留予告用カウンタエリア128の情報を更新する。
その後、ステップS3106にて、保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が「0」となっているか否かを判定する。その結果、「0」となっていない場合にはそのまま本更新処理を終了し、「0」となっている場合にはステップS3107にて第1予告条件成立フラグを消去した後に、本更新処理を終了する。
一方、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドではなく第2変動用コマンドであると判定した場合には、ステップS3108に進む。ステップS3108では、ワークRAM104の各種保留個数カウンタエリア122における第2保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。続くステップS3109では、大当たり保留フラグ消去用の処理を実行する。当該処理は、上記第1の実施形態におけるステップS2609〜ステップS2612の処理と同様である。
続くステップS3110では、ワークRAM104に第2予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。第2予告条件成立フラグが格納されていない場合には、そのまま本更新処理を終了する。第2予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS3111にて、ワークRAM104の保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が1減算されるように、当該保留予告用カウンタエリア128の情報を更新する。
その後、ステップS3112にて、保留予告用カウンタエリア128に記憶されている値が「0」となっているか否かを判定する。その結果、「0」となっていない場合にはそのまま本更新処理を終了し、「0」となっている場合にはステップS3113にて第2予告条件成立フラグを消去した後に、本更新処理を終了する。
次に、保留予告を実行すべき状態が上作動口23に係る保留情報を契機として設定された場合における、保留予告に対応した演出の内容、及び当該保留予告を実行すべき状態が解除される様子について、図47のタイミングチャートを参照しながら説明する。図47(a)は遊技回の実行状況を示し、図47(b)は第1予告条件成立フラグの格納状況を示し、図47(c)は保留予告用カウンタエリア128のカウンタ値を示し、図47(d)は上作動口23に係る保留情報の個数を示し、図47(e)は下作動口24への入賞状況を示し、図47(f)は下作動口24に係る保留情報の個数を示す。また、図47(A)〜(G)は各遊技回において表示画面Gに表示される停止結果を示す。
先ず、上作動口23への入賞に係る保留情報を実行の契機として保留予告が開始され、当該保留情報に係る遊技回を含めて保留予告に対応した演出が実行される場合について説明する。
既に第1予告条件成立フラグが格納されている状況であって所定の遊技回が実行されている状況においてt1のタイミングで下作動口24への入賞が発生することで、下作動口24に係る保留情報が新たに取得され、下作動口24に係る保留情報の個数は1個となる。その後、t2のタイミングで、それまで実行されていた遊技回が終了される。当該遊技回は、第1予告条件成立フラグが格納されている状況において開始された遊技回であるため、図47(A)に示すように、終了に際して保留予告に対応した停止結果として、非特定図柄の一種である「2」の図柄による保留予告に対応した図柄の組み合わせが停止表示される。
その後、t3のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合に、本パチンコ機10では既に説明したとおり、上作動口23に係る保留情報よりも下作動口24に係る保留情報の方が遊技回の開始対象として優先されるとともに、上記のとおりt1のタイミングにおいて下作動口24に係る保留情報が記憶されている。したがって、t3のタイミングでは、下作動口24に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始され、これにより下作動口24に係る保留情報の個数が0個となる。一方、第1予告条件成立フラグが格納されている状況において下作動口24に係る保留情報が遊技回の開始対象となっているため、保留予告用カウンタエリア128の値は減算されることなくそのまま維持される。
その後、t4のタイミングで、それまで実行されていた遊技回が終了される。当該遊技回は、第1予告条件成立フラグが格納されている状況において開始された遊技回であるため、図47(B)に示すように、終了に際して保留予告に対応した停止結果として、非特定図柄の一種である「2」の図柄による保留予告に対応した図柄の組み合わせが停止表示される。
その後、t5のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合に、下作動口24に係る保留情報が記憶されていないため、上作動口23に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始され、これにより上作動口23に係る保留情報の個数が1減算されて0個となる。また、保留予告用カウンタエリア128の値が1減算されて「0」となり、それに伴って第1予告条件成立フラグが消去される。つまり、t5のタイミングで開始対象となった保留情報は、保留予告を実行すべき状態の設定の契機となった保留情報である。
その後、t6のタイミングで、それまで実行されていた遊技回が終了される。この場合、保留予告を実行すべき状態の設定の契機となった保留情報であって今回の遊技回の開始対象となった保留情報は15R確変大当たり結果に対応しているため、遊技回の終了に際して、図47(C)に示すように、特定図柄の一種である「7」の図柄による大当たり図柄の組み合わせが停止表示される。
上記のように保留予告を実行すべき状態の設定の契機となった保留情報よりも前に開始対象となった保留情報に係る遊技回では非特定図柄を用いて保留予告に対応した演出が行われ、保留予告を実行すべき状態の設定の契機となった保留情報に係る遊技回では特定図柄による大当たり図柄の組み合わせが停止表示される場合、保留予告を実行すべき状態において停止表示される図柄の種類が異なることとなる。但し、非特定図柄により保留予告に対応した演出が行われた後に、最終的に特定図柄による大当たり図柄の組み合わせが停止表示される構成であるため、遊技者は通常大当たり結果から15R確変大当たり結果に昇格したかのように認識する。
なお、保留予告を実行すべき状態の設定の契機となった保留情報が通常大当たり結果に対応している状況において、その契機となった保留情報に係る遊技回を含めて保留予告に対応した演出が実行される場合には、当該契機となった保留情報に係る遊技回では、保留予告用の非特定図柄と同一の図柄による大当たり図柄の組み合わせが停止表示されることとなる。
次に、上作動口23への入賞に係る保留情報を実行の契機として保留予告が開始され、当該保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回において保留予告に対応した演出が終了される場合について説明する。
既に第1予告条件成立フラグが格納されている状況であって所定の遊技回が実行されている状況においてt7のタイミングで下作動口24への入賞が発生することで、下作動口24に係る保留情報が新たに取得され、下作動口24に係る保留情報の個数は1個となる。その後、t8のタイミングで、それまで実行されていた遊技回が終了される。当該遊技回は、第1予告条件成立フラグが格納されている状況において開始された遊技回であるため、図47(D)に示すように、終了に際して保留予告に対応した停止結果として、非特定図柄の一種である「2」の図柄による保留予告に対応した図柄の組み合わせが停止表示される。
その後、t9のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合に、上記のとおりt7のタイミングにおいて下作動口24に係る保留情報が記憶されているため、t9のタイミングでは、下作動口24に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始され、これにより下作動口24に係る保留情報の個数が0個となる。一方、第1予告条件成立フラグが格納されている状況において下作動口24に係る保留情報が遊技回の開始対象となっているため、保留予告用カウンタエリア128の値は減算されることなくそのまま維持される。
但し、上記遊技回の開始対象となった下作動口24に係る保留情報は、大当たり結果に対応した保留情報ではないが、リーチ発生に対応した保留情報である。既に説明したとおり、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態において、下作動口24に係る保留情報であって大当たり結果又はリーチ発生に対応した保留情報が遊技回の開始対象となった場合には、解除条件が成立したものとして、現状設定されている保留予告を実行すべき状態が解除される。したがって、t9のタイミングで第1予告条件成立フラグが消去される。
その後、t9のタイミングで開始された遊技回が実行されている状況においてt10のタイミングで下作動口24への入賞が発生することで、下作動口24に係る保留情報が新たに取得され、下作動口24に係る保留情報の個数は1個となる。その後、t11のタイミングで、それまで実行されていた遊技回が終了される。この場合、上記のとおり、遊技回の開始対象となった下作動口24に係る保留情報は、大当たり結果に対応した保留情報ではないが、リーチ発生に対応した保留情報であるため、図47(E)に示すように、外れリーチの停止結果が表示される。
その後、t12のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合に、上記のとおりt10のタイミングにおいて下作動口24に係る保留情報が記憶されているため、t12のタイミングでは、下作動口24に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始され、これにより下作動口24に係る保留情報の個数が0個となる。
その後、t13のタイミングで、それまで実行されていた遊技回が終了される。この場合、既に保留予告を実行すべき状態が解除されているとともに、新たに保留予告を実行すべき状態が設定されてもおらず、さらに遊技回の開始対象となった下作動口24に係る保留情報は、大当たり結果及びリーチ発生のいずれにも対応していない。したがって、t13のタイミングでは、図47(F)に示すように、保留予告に対応した図柄の組み合わせ、外れリーチの停止結果、及び大当たり図柄の組み合わせのいずれも表示されずに、単なる外れ結果が表示される。
その後、t14のタイミングで新たに遊技回が開始される。この場合に、下作動口24に係る保留情報が記憶されていないため、上作動口23に係る保留情報を開始対象として遊技回が開始され、これにより上作動口23に係る保留情報の個数が1減算されて0個となる。また、当該t14のタイミングで開始対象となった保留情報は、t7のタイミングにおいて設定された保留予告を実行すべき状態の設定の契機となった保留情報であるが、当該保留予告を実行すべき状態はt9のタイミングで既に解除されている。
その後、t15のタイミングで、それまで実行されていた遊技回が終了される。この場合、今回の遊技回の開始対象となった保留情報は通常大当たり結果に対応している。したがって、遊技回の終了に際して、図47(G)に示すように、非特定図柄の一種である「6」の図柄による大当たり図柄の組み合わせが停止表示される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回で大当たり図柄の組み合わせが停止表示されないようにしたくても、上作動口23に係る保留情報よりも下作動口24に係る保留情報が優先して消化される構成においては、下作動口24への入賞に基づき通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応した保留情報が取得された場合には当該保留情報が優先して消化されるため、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態では不可能である。この場合に、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態において、下作動口24に係る保留情報を契機とした遊技回で通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果となる状況となった場合には当該保留予告を実行すべき状態が解除される。これにより、大当たり図柄の組み合わせが停止表示される遊技回を挟んで保留予告を実行すべき状態が継続することはなく、保留予告を実行すべき状態は大当たり図柄の組み合わせが停止表示される遊技回を契機として解除される。よって、保留予告を実行すべき状態は、大当たり図柄の組み合わせが停止表示される遊技回を契機として終了されるものであると遊技者に認識させることができ、遊技者は保留予告の対象が何であるかが認識し易くなる。
また、設定の契機となった上作動口23に係る保留情報が遊技回の開始対象となるまでは保留予告を実行すべき状態が継続される構成に比べ、下作動口24に係る保留情報として、少なくとも通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応した保留情報が取得された場合には保留予告を実行すべき状態が解除されるため、上作動口23に係る保留情報よりも下作動口24に係る保留情報が優先して消化される構成において、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態が必要以上に継続してしまうことが抑えられる。
また、保留予告を実行すべき状態が途中で解除される契機が、大当たり図柄の組み合わせが停止表示される遊技回であることにより、当該解除が発生した場合に遊技者はそれまでの保留予告が当該大当たり図柄の組み合わせが停止表示される遊技回であると違和感なく認識することとなる。
上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態が設定された場合には、保留予告に対応した演出として、非特定図柄及び特定図柄のうち、非特定図柄を用いた保留予告に対応した図柄の組み合わせが停止表示されることとなる。当該保留予告に対応した演出として特定図柄を用いた保留予告に対応した図柄の組み合わせが停止表示される構成を想定すると、通常大当たり結果に対応した保留情報が下作動口24への入賞に基づき取得された場合、特定図柄を用いた保留予告に対応した演出が実行された遊技回の後の遊技回において通常大当たり結果となる。そうすると、特定図柄を用いた保留予告に対応した演出を視認することで15R確変大当たり結果の発生を期待していた遊技者にとっては、期待に反して通常大当たり結果が発生することとなり、保留予告の実行を通じた遊技意欲の向上を好適に図れなくなるおそれがある。これに対して、上記のように保留予告に対応した演出が非特定図柄を用いて行われることで、上記のような不都合を生じさせることなく、保留予告を良好に行うことができる。
上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態において、下作動口24に係る保留情報を契機とした遊技回でリーチ表示が行われる状況となった場合にも当該保留予告を実行すべき状態が解除される。リーチ表示となる保留情報は通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果となる保留情報よりも高頻度で取得されるため、保留予告を実行すべき状態の解除条件として、上記条件が設定されていることにより、保留予告を実行すべき状態に設定されている状況が長期間に亘って継続されることが抑えられる。
また、上記条件の成立によって保留予告を実行すべき状態が途中で解除されたとしても、その契機はリーチ表示が行われる遊技回であるため、遊技者はそれまでの保留予告の対象が当該リーチ表示が行われる遊技回であると違和感なく認識することとなる。
なお、上述した作用効果以外にも、上記第1の実施形態と共通する構成についての作用効果は本実施形態においても同様に奏する。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、その構成の適用対象として例示していない実施形態に適用してもよい。
(1)上記第1の実施形態において、上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となった場合には、その時点で第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の合計数に対してマイナス1個分の数値情報が保留予告用カウンタエリア128にセットされる構成としてもよい。本構成では、上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となった場合であって、当該状態において下作動口24に係る保留情報が新たに取得されなかった場合には、保留予告の実行の契機となった上作動口23に係る保留情報に対して直前の順番の保留情報に係る遊技回まで保留予告が実行されることとなる。したがって、本構成であっても、保留予告を実行すべき状態が長期間に亘って継続してしまうことを抑えながら、下作動口24に係る保留情報の新たな取得が行われない場合には、保留予告の実行の契機となった上作動口23に係る保留情報についての保留予告を良好に行うことができる。
また、下作動口24に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となった場合においても、その時点で第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数に対してマイナス1個分の数値情報が保留予告用カウンタエリア128にセットされる構成としてもよい。
(2)上記第1の実施形態において、上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となった場合には、その時点で第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の合計数に対してプラス基準個数分の数値情報が保留予告用カウンタエリア128にセットされる構成としてもよい。当該基準個数は、1個又は2個であってもよく、3個以上であってもよい。
本構成では、上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となった場合であって、かかる状態において下作動口24に係る保留情報が新たに取得されたとしても、その取得された保留情報の個数が基準個数分の範囲内であれば、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回を含めて保留予告に対応した演出を実行することができる。また、下作動口24に係る保留情報の新たに取得された個数が基準個数分を超えた場合には、保留予告を実行すべき状態は、その状態の設定に際して記憶されている保留情報の合計数と上記基準個数との和の数分の遊技回が実行された場合に解除されるため、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回となるまで保留予告を実行すべき状態が維持される構成に比べ、当該状態が長期間に亘って継続してしまうことを抑えることができる。
また、上記構成においては、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回となった場合又は当該遊技回が終了した場合に、今回の保留予告を実行すべき状態を解除する構成とするとよい。これにより、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回よりも後の遊技回においてまで保留予告が実行されてしまうことが抑えられる。当該構成を具体化する上では、保留予告の実行の契機となった保留情報が遊技回の開始対象となったか否かを計測するためのカウンタエリアを別途設け、当該カウンタエリアにおいて計測されている情報に基づいて、保留予告の実行の契機となった保留情報が遊技回の開始対象となったと判定した場合には、保留予告用カウンタエリア128の情報が初期値となっていなくても予告条件成立フラグを消去する構成が考えられる。
なお、下作動口24に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となった場合においても、その時点で第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数に対してプラス基準個数分の数値情報が保留予告用カウンタエリア128にセットされる構成としてもよい。
(3)上記第1の実施形態において、上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態となった場合には、その時点で第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の数に対応した数値情報が保留予告用カウンタエリア128にセットされる構成としてもよい。
例えば上記第1の実施形態と同様に、上作動口23に係る保留情報を実行の契機とした保留予告の設定や実行が、高頻度サポートモードでは行われず低頻度サポートモードにおいて行われる構成とすることで、上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態に設定されたタイミングにおいて、下作動口24に係る保留情報は保留記憶されておらず、上作動口23に係る保留情報のみが保留記憶されている頻度が高いものと考えられる。このような事情において、上記のように保留予告用カウンタエリア128に対して上作動口23に係る保留情報の数に対応した数値情報をセットするようにしたとしても、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態において下作動口24に係る保留情報が新たに取得されなかった場合には、その設定の契機となった上作動口23に係る保留情報に対応した遊技回を含めて保留予告が実行されることとなる頻度は高いものと考えられる。
その一方、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態において下作動口24に係る保留情報が新たに取得された場合には、保留予告を実行すべき状態は、その状態の設定に際して記憶されている上作動口23に係る保留情報の数に対応した数分の遊技回が実行された場合に解除されるため、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回となるまで保留予告を実行すべき状態が維持される構成に比べ、当該状態が長期間に亘って継続してしまうことを抑えることができる。
なお、上記「保留情報の数に対応した数値情報」は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の数に対してマイナス1個分の数値情報であってもよく、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の数に対してプラス基準個数分の数値情報であってもよい。後者の場合には、基準個数が1個又は2個であってもよく、3個以上であってもよい。また、後者の場合には、保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回となった場合又は当該遊技回が終了した場合に、今回の保留予告を実行すべき状態を解除する構成としてもよい。
(4)上記各実施形態において、上作動口23に係る保留情報を実行の契機とした保留予告の設定や実行が、高頻度サポートモードでは行われない構成に代えて、上作動口23に係る保留情報を実行の契機とした保留予告の設定や実行の頻度が、低頻度サポートモードに比べ低くなる構成としてもよい。例えば、上作動口23に係る保留情報を保留予告の実行の契機として設定するか否かの抽選を行う場合に、設定当選となる確率が、高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも低く設定されている構成としてもよい。
(5)上記各実施形態において、高頻度サポートモードである状況及び低頻度サポートモードである状況のいずれであっても、上作動口23に係る保留情報が保留予告の実行の契機として同様に設定される構成としてもよい。高頻度サポートモードでは、上作動口23に係る保留情報を実行の契機として設定された保留予告を実行すべき状態において、下作動口24に係る保留情報の取得が連続して発生し易くなるが、上記第1の実施形態と同様に、保留予告を実行すべき状態が所定回数の遊技回が実行された場合には解除されるようにすることで、当該状態が長期間に亘って継続してしまうことを抑えることができる。また、保留予告を実行すべき状態が長期間に亘って継続してしまうことを抑えるためには、上記第2の実施形態や上記第3の実施形態における構成を適用してもよい。
(6)上記第1の実施形態において、保留予告を実行すべき状態となった場合には、遊技回が1回行われる毎に保留予告用カウンタエリア128の情報が1加算されるように更新される構成としてもよい。この場合、上作動口23に係る保留情報が実行の契機となっている場合には、当該カウンタエリア128の情報が、保留予告を実行すべき状態の設定に際して各結果表示部用保留エリアRa,Rbに記憶されている保留情報の合計数に対応した情報となっている場合に当該保留予告を実行すべき状態が解除される構成とするとよい。また、下作動口24に係る保留情報が実行の契機となっている場合には、当該カウンタエリア128の情報が、保留予告を実行すべき状態の設定に際して第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数に対応した情報となっている場合に当該保留予告を実行すべき状態が解除される構成とするとよい。当該構成であっても、保留予告用カウンタエリア128の構成や当該カウンタエリア128を更新する処理構成が、上作動口23に係る保留情報を実行の契機とした保留予告及び下作動口24に係る保留情報を実行の契機とした保留予告の両方において、解除タイミングを判定するための構成として兼用される。
(7)上記各実施形態において、上作動口23に係る保留情報が実行の契機となった場合に参照される保留予告用カウンタエリアと下作動口24に係る保留情報が実行の契機となった場合に参照される保留予告用カウンタエリアとが、個別に設けられている構成としてもよい。この場合、上作動口23に係る保留情報を実行の契機とした保留予告と、下作動口24に係る保留情報を実行の契機とした保留予告とが重複して設定される構成としても、各保留予告を実行すべき状態の解除タイミングを個別に把握することができる。
(8)上記各実施形態において、保留予告を実行すべき状態に設定されていたとしても、各遊技回においてその遊技回で保留予告を実行するか否かの個別抽選が行われ、個別抽選において当選となった遊技回においてのみ保留予告に対応した演出が実行される構成としてもよい。また、本構成を上記第1の実施形態に対して適用する場合、上作動口23に係る保留情報を実行の契機として保留予告を実行すべき状態に設定された場合には、保留予告に対応した演出が実行される遊技回が、当該状態の設定の時点で各結果表示部用保留エリアRa,Rbに記憶されている保留情報の合計数分行われた場合、又は保留予告の実行の契機となった保留情報に係る遊技回が行われた場合に、当該保留予告を実行すべき状態が解除される構成としてもよい。この場合であっても、保留予告を実行すべき状態が長期間に亘って継続してしまうことを抑えながら、上作動口23に係る保留情報を実行の契機とした保留予告を良好に実行することができる。
(9)上記各実施形態において、下作動口24に係る保留情報が保留予告の実行の契機として設定されない構成としてもよい。
(10)上記各実施形態において、保留予告用カウンタエリア128に設定された数値情報が1減算されるように更新されるタイミングは、遊技回の開始時である構成に限定されることはなく、遊技回の終了時であってもよい。当該構成を上記第1の実施形態に対して適用する場合、遊技回の終了時に、保留予告用カウンタエリア128に設定されている数値情報を1減算されるように更新するとともに、更新後において保留予告用カウンタエリア128の数値情報が初期値となっている場合に、保留予告を実行すべき状態が解除される構成とするとよい。
また、遊技回の開始時に保留予告用カウンタエリア128に設定されている数値情報を1減算されるように更新する構成においては、更新後において保留予告用カウンタエリア128の数値情報が初期値となっている場合には、その遊技回において保留予告に対応した演出が実行されない構成としてもよい。この場合、遊技回の開始時に、すなわち当否抽選が行われた場合に、保留予告を実行すべき状態が解除されることとなる。
(11)上記第2の実施形態において、回数制限情報は「10」の数となる数値情報に限定されることはなく、「8」の数といったように保留上限数と同一の数となる数値情報としてもよく、「9」の数といったように保留上限数に1プラスした数となる数値情報としてもよい。また、「10」以上の数といったように保留上限数に2プラスした数以上となる数値情報としてもよい。これらの場合であっても、回数制限情報は保留上限数以上となるため、当該構成について上記第2の実施形態と同様の効果を奏する。
また、回数制限情報は、保留上限数に対して1マイナスした数となる数値情報としてもよい。本構成では、保留情報が保留上限数分記憶されている状況において上作動口23に係る保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態となった場合であって、当該状態において下作動口24に係る保留情報が新たに取得されなかった場合には、上記契機となった保留情報に係る遊技回に対して直前の遊技回まで保留予告が実行されることとなる。つまり、上記契機となった保留情報に係る遊技回は、保留予告に対応した演出が実行される遊技回に含まれないが、当該遊技回の直前の遊技回では保留予告に対応した演出が実行されるため、保留予告が上記契機となった保留情報について行われていたものであると遊技者に認識させることは可能である。
なお、保留上限数は8個に限定されることはなく、複数であれば任意であり、さらに上作動口23に係る保留情報の保留上限数と、下作動口24に係る保留情報の保留上限数とが同一であることに限定されることはなく、両者が異なっていてもよい。この場合であっても、回数制限情報を、保留上限数に対して1マイナスした数以上となる数値情報として設定することで、既に説明したような効果を奏することができる。
(12)上記第2の実施形態において、回数制限用カウンタエリアに設定された数値情報が1減算されるように更新されるタイミングは、遊技回の開始時である構成に限定されることはなく、遊技回の終了時であってもよい。当該構成を適用する場合、遊技回の終了時に、回数制限用カウンタエリアに設定されている数値情報を1減算されるように更新するとともに、更新後において回数制限用カウンタエリアの数値情報が初期値となっている場合に、保留予告を実行すべき状態が解除される構成とするとよい。
また、遊技回の開始時に回数制限用カウンタエリアに設定されている数値情報を1減算されるように更新する構成においては、更新後において回数制限用カウンタエリアの数値情報が初期値となっている場合には、その遊技回において保留予告に対応した演出が実行されない構成としてもよい。この場合、遊技回の開始時に、すなわち当否抽選が行われた場合に、保留予告を実行すべき状態が解除されることとなる。
(13)上記第2の実施形態において、保留情報の記憶数について連続する複数の記憶数で区分けして複数の数値範囲を設定し、それら各数値範囲に対して個別に回数制限情報が設定されている構成としてもよい。この場合、各回数制限情報を、対応する数値範囲において最大の記憶数に対して1マイナスした数以上となる数値情報として設定するとともに、含まれる記憶数が相対的に小さい数値範囲の方が、含まれる記憶数が相対的に大きい数値範囲よりも、設定されている回数制限情報が小さい数となる構成とするとよい。これにより、保留予告を実行すべき状態に、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された場合に、下作動口24に係る保留情報の新たな取得が行われない状況では上記契機となった保留情報に係る遊技回へと続くように保留予告を実行することができるとともに、下作動口24に係る保留情報の新たな取得が連続して行われる状況では、保留予告を実行すべき状態を、上記契機となった保留情報が取得されたタイミングにおける保留記憶数に応じて適切に解除することができる。
また、想定される保留情報の記憶数に対して1対1で対応させて回数制限情報が設定されている構成としてもよい。この場合、回数制限情報を予め記憶しておくのに必要な記憶容量はそれだけ増加するものの、上記「保留予告を実行すべき状態を、上記契機となった保留情報が取得されたタイミングにおける保留記憶数に応じて適切に解除することができる。」という効果を高めることができる。
(14)上記第3の実施形態において、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態は、下作動口24に係る保留情報が通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応している場合には解除されるが、下作動口24に係る保留情報がリーチ発生に対応している場合には解除されない構成としてもよい。当該構成は、変動開始用処理(図45)においてステップS3004〜ステップS3008の処理を実行しないようにしたとしても、上記第1の実施形態におけるコマンド対応処理(図26)のように、オープニングコマンドを受信している場合(ステップS1601:YES)には第1予告条件成立フラグを消去する構成(ステップS1603)とすることで、実現することができる。なお、この場合に、第1予告条件成立フラグが消去されるタイミングは、開閉実行モードの開始時であることに限定されることはなく、開閉実行モードの途中や、開閉実行モードの終了時であってもよい。
(15)上記第3の実施形態において、変動開始用処理(図45)のステップS3006では、リーチ発生か否かのみを判定し、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果のいずれかであるかという判定は行わない構成としてもよい。この場合であっても、上記第1の実施形態におけるコマンド対応処理(図26)のように、オープニングコマンドを受信している場合(ステップS1601:YES)には第1予告条件成立フラグを消去する構成(ステップS1603)とすることで、上作動口23に係る保留情報が契機となって設定された保留予告を実行すべき状態は、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応した下作動口24に係る保留情報を開始対象として遊技回が行われた場合に解除される。
(16)大当たり結果に対応した保留情報が既に記憶されている状況であっても、新たに取得された保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態に設定され得る構成としてもよい。当該構成において、上記各実施形態のように保留予告を実行すべき状態の設定に際して保留予告発生抽選処理が実行される構成を適用する場合、上作動口23に係る保留情報及び下作動口24に係る保留情報のいずれが契機となって保留予告を実行すべき状態に設定されたとしても、契機となった保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回で大当たり結果となることが起こり得る。これに対して、大当たり結果に対応した遊技回が行われる場合又は大当たり結果に対応した遊技回が行われた場合には、現状設定されている保留予告を実行すべき状態が解除されるようにすることで、大当たり結果となる遊技回を挟んで保留予告を実行すべき状態が継続されることが防止される。
また、上記大当たり結果に対応した遊技回を契機として保留予告を実行すべき状態が解除される構成の作用効果に着目した場合、遊技回の開始対象として下作動口24に係る保留情報が優先されるのではなく、上作動口23に係る保留情報及び下作動口24に係る保留情報のいずれであっても取得順序に即して遊技回の開始対象となる構成や、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報と下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報とが区別されない構成や、作動口が1種類しかない構成や、保留情報が取得される条件が作動口23,24への入賞が発生することではなく、遊技者により手動操作される操作部が操作されたことに基づき保留情報が取得される構成(すなわち、スロットマシン又はスロットマシンとパチンコ機とが融合した遊技機)に対して、上記大当たり結果に対応した遊技回を契機として保留予告を実行すべき状態が解除される構成を適用してもよい。
(17)上記第3の実施形態において、下作動口24に係る保留情報として、大当たり結果又はリーチ表示に対応した保留情報が取得されたタイミングで、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態が解除される構成としてもよい。この場合、保留予告に対応した演出が実行される遊技回に対して、大当たり結果となる遊技回やリーチ表示となる遊技回が連続しなくなることがあり得るが、保留予告を実行すべき状態が解除されるタイミングを早めることができる。
(18)保留予告を実行すべき状態の解除条件として、上記各実施形態における条件に代えて、以下の条件を適用してもよい。つまり、上作動口23に係る保留情報が契機となって設定された保留予告を実行すべき状態は、下作動口24に係る保留情報が新たに取得されたタイミングで解除される構成としてもよい。この場合、保留予告を実行すべき状態が解除されるタイミングを早めることができる。
(19)上作動口23に係る保留情報が契機となって設定された保留予告を実行すべき状態の解除条件として、第1の実施形態における条件と上記第3の実施形態における条件とを組み合わせて適用してもよい。また、上記第2の実施形態における条件と上記第3の実施形態における条件とを組み合わせて適用してもよい。これらの場合、保留予告を実行すべき状態の解除条件が段階的に設定された構成となり、当該状態の解除をより良好に行うことができる。
(20)上記第3の実施形態のように、保留予告を実行すべき状態が上作動口23に係る保留情報を契機として設定された場合、非特定図柄を用いて保留予告に対応した演出が実行される構成を、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態に対して適用してもよい。
(21)上記第3の実施形態において、上作動口23に係る保留情報を契機として設定された保留予告を実行すべき状態であっても、特定図柄を用いて保留予告に対応した演出が実行され得る構成としてもよい。
(22)上記各実施形態において、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づき保留情報が取得された場合には、その保留情報に係る大当たり乱数カウンタC1の値の情報や大当たり種別カウンタC2の値の情報を含む保留コマンドが、音声ランプ制御装置90や表示制御装置100といったサブ側の制御装置に主制御装置60から送信される構成とするとともに、上記各実施形態における保留予告用の確認処理といった先特定手段としての機能をサブ側の制御装置が有する構成としてもよい。
この場合、高頻度サポートモードにおいて上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されないようする上では、高頻度サポートモードにおいては大当たり乱数カウンタC1の値の情報や大当たり種別カウンタC2の値の情報を含む保留コマンドが主制御装置60から送信されないようにする構成としてもよく、上記各実施形態のように、高頻度サポートモードにおいては上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報を保留予告の実行の契機として設定する処理がサブ側の制御装置にて実行されないようにする構成としてもよい。
(23)上記各実施形態では、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告の設定や実行が、開閉実行モードにおいては行われないようにしたが、これに限定されることはなく、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告の設定や実行が、開閉実行モードにおいて行われ得る構成としてもよい。
(24)上記各実施形態では、先特定に対応した保留予告用の確認処理が、作動口23,24への入賞に基づき取得された情報が保留情報として第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納された後に、実行される構成としたが、これに限定されることはなく、保留予告用の確認処理が、作動口23,24への入賞に基づき情報が取得された後であって当該情報が保留情報として第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納される前に実行される構成としてもよい。
(25)上記各実施形態において、第1始動入球部としての上作動口23と、第2始動入球部としての下作動口24とが上下に並設された構成としたが、これに限定されることはなく、両者の位置関係が逆であってもよく、両者が左右に離間されていてもよい。
また、上記各実施形態では、同一態様(同一の回動量)で発射ハンドル51を操作した場合に、第1始動入球部及び第2始動入球部のそれぞれに遊技球が入賞し得るようにこれら第1始動入球部及び第2始動入球部を並設したが、これに限定されることはなく、同一態様で発射ハンドル51を操作したとしても、第1始動入球部及び第2始動入球部のそれぞれに遊技球が入賞しづらいように、第1始動入球部と第2始動入球部との位置関係を設定してもよい。この場合、第1始動入球部への遊技球の入賞を狙った第1発射操作と、第2始動入球部への遊技球の入賞を狙った第2発射操作とが個別に設定され、遊技者にとっては第1始動入球部への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル51を操作することができるとともに、第2始動入球部への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル51を操作することができる。また、始動入球部の数は2個に限定されることはなく例えば3個以上であってもよい。
(26)下作動口24を開放状態と閉鎖状態とで切り換える構成としては、電動役物24aによるものに限定されることはなく、下作動口24を遊技盤20から遊技領域に対して出没可能に設け、遊技領域に突出した状態では下作動口24に遊技球が入賞可能となり、遊技領域から没した状態では下作動口24への遊技球の入賞が困難となる構成としてもよい。
(27)上記各実施形態では、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果に対応した保留情報については、大当たり当選に対応していることを示す保留予告の実行の契機として設定されない構成としたが、これらの大当たり結果に対応した保留情報であっても、大当たり当選に対応していることを示す保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。
(28)上記各実施形態では、既に保留予行の実行の契機として設定されている保留情報が第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納されている場合には、その状況において作動口23,24への入賞に基づき取得された保留情報が新たに保留予告の実行の契機として設定されない構成としたがこれに限定されることはなく当該保留情報が新たに保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。
(29)上記各実施形態では、低確率モードにおける当選情報の全部が高確率モードにおける当選情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける当選情報の一部が、高確率モードにおける当選情報に含まれる構成としてもよい。
(30)保留予告の実行態様は上記各実施形態におけるものに限定されない。
例えば、各遊技回の図柄表示装置31における図柄の停止結果を通じて保留予告を行うのではなく、図柄の変動表示の開始時や中間付近における表示態様を特別態様とすることで保留予告を行う構成としてもよい。例えば、図柄の変動表示の中間付近で保留予告用キャラクタを表示することで、保留予告を行う構成としてもよい。当該構成を、上記第3の実施形態に対して適用する場合、上記保留予告用キャラクタとして、非特定図柄に対応したキャラクタを表示するようにするとよい。
また、図柄表示装置31の表示画面に、保留情報の最大保留個数に対応した個別表示領域を設定し、これら個別表示領域のうち、主制御装置60に保留記憶されている保留情報の数と対応する数の個別表示領域において個別表示を行うことで保留情報の数を明示する構成においては、かかる個別表示領域における個別表示の態様を保留情報の内容に対応した態様とすることで、保留予告を行う構成としてもよい。
(31)上記各実施形態では、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果に対応していない保留情報であっても保留予告の実行の契機として設定され得る構成としたが、これに限定されることはなく、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応している保留情報以外の保留情報は保留予告の実行の契機として設定されない構成としてもよい。なお、本構成においては、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果に対応していない保留情報に係る遊技回において、所定の確率で、保留予告用に設定されている演出が行われる構成とすることで、保留予告用に設定されている演出が行われた場合にそれが大当たり結果に対応しているものか否かを遊技者に推測させることが可能となる。
(32)上記各実施形態において、上作動口23に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類と下作動口24に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類とが完全に同一となる構成としてもよく、完全に異なる構成としてもよい。完全に同一となる構成とする場合として具体的には、上作動口23に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類として、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果を設定しない構成としてもよく、下作動口24に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類として、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果を設定してもよい。
また、上記構成において、上作動口23への入賞に基づき払い出される遊技球の数と下作動口24への入賞に基づき払い出される遊技球の数とを同一とすることにより、上作動口23への入賞により遊技者に付与される特典と、下作動口24への入賞により遊技者に付与される特典とが同一となる構成としてもよい。
また、大当たり結果として、開閉実行モードが発生しないまま高確率モードや高頻度サポートモードに移行することとなる大当たり結果を設定してもよい。また、通常遊技状態よりも不利な遊技状態を設定するとともに、当否抽選による当否結果として上記不利な遊技状態となる当否結果を設定してもよい。
(33)上記各実施形態において、保留個数は、第1結果表示部用保留エリアRaが4個であり、第2結果表示部用保留エリアRbが4個である構成に限定されることはなく、各3個又は各5個以上であってもよく、両保留個数が異なる構成としてもよい。
(34)上記各実施形態における各時間の計測の方法は任意であり、またカウンタエリアを用いた所定の値のカウントの仕方は加算式であっても減算式であってもよい。また、主制御装置60などにおける停電の監視の仕方も任意である。また、各開閉実行モードにおけるラウンド数も任意である。
また、上記各実施形態において、可変入賞装置22などへの遊技球の入賞に対する遊技球の付与の構成は遊技球を直接払い出す構成に限定されることはなく、仮想遊技媒体を記憶する機能を有する構成においては、当該仮想遊技媒体を付与する構成としてもよい。
また、上記各実施形態において、図柄表示装置31が不具備であり、当否抽選などの抽選結果が可動式の装飾部材により教示される構成としてもよい。
また、上記各実施形態において、下作動口24に設けられた電動役物24aのサポートモードとして、低頻度サポートモードの代わりに、電動役物24aが開放状態とならないサポート不可モードを設定してもよい。また、電動役物24aが閉鎖状態である状況であっても下作動口24への遊技球の入賞が発生し得る構成としてもよい。
(35)上記各実施形態において、主制御装置60のRAM64に設けられた保留球格納エリア64bには、上作動口23用の保留エリアとして第1結果表示部用保留エリアRaと、下作動口24用の保留エリアとして第2結果表示部用保留エリアRbとが設けられていたが、これに代えて、保留情報を格納可能なエリアを上作動口23と下作動口24との総保留個数分備えるとともに、各エリアには、上作動口23及び下作動口24のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアが設定された共通保留エリアを備える構成としてもよい。当該共通保留エリアの各エリアとしては、例えば、各エリアを1バイトなどの記憶領域として構成し、当該記憶領域の所定のビット部分を上作動口23及び下作動口24のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアとして設定する構成が考えられる。この場合であっても、本パチンコ機10は、第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段を備えた構成となる。
(36)上記各実施形態において、上作動口23への入賞に係る保留情報と下作動口24への入賞に係る保留情報とで、大当たり乱数カウンタや大当たり種別カウンタについてそれぞれ異なるカウンタを用いる構成としてもよい。
(37)上記各実施形態において、図柄表示装置31にて図柄の変動表示が行われている場合に、その図柄の変動表示が、上作動口23への入賞に係るものか、下作動口24への入賞に係るものかを表示するための始動対応表示領域が図柄表示装置31の表示画面において設定される構成としてもよい。この場合、当該始動対応表示領域は、上作動口23及び下作動口24のそれぞれに1対1で対応させて設定されていてもよく、上作動口23及び下作動口24に対して共通の領域を設定し、当該領域における表示内容により、いずれの作動口への入賞に係るものかを表示する構成としてもよい。
(38)非明示2R確変大当たり結果に対応した開閉実行モードにおいて開閉される可変入賞装置と、15R確変大当たり結果に対応した開閉実行モード及び通常大当たり結果に対応した開閉実行モードにおいて開閉される可変入賞装置とを個別に設ける構成としてもよい。
また、当否抽選モードが高確率モードである場合と低確率モードである場合とで、当否抽選で大当たり当選となった場合に振り分けられる大当たり結果の種別を異ならせてもよい。
(39)上記各実施形態では、当否抽選モードの高確率モードと低確率モードとの間の移行が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果が発生することを契機として行われる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、高確率モードにおいて予め定められた所定回数の遊技回が消化された場合に低確率モードに移行する構成としてもよい。また、例えば、低確率モードにおいて予め定められた所定回数の遊技回が消化された場合に高確率モードに移行する構成としてもよい。
また、大当たり抽選とは別の抽選契機が成立した場合に当否抽選モードの移行抽選を行い、当該移行抽選において昇格当選となった場合に低確率モードから高確率モードとなり、当該移行抽選において転落当選となった場合に高確率モードから低確率モードとなる構成としてもよい。
(40)保留予告が行われることとなる報知手段は、図柄表示装置31に限定されることはなく、図柄表示装置31とは別に設けられた表示装置の表示画面において保留予告が行われる構成としてもよく、可動式に設けられた装飾部材を所定の予告態様とすることで保留予告が行われる構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで保留予告が行われる構成としてもよく、スピーカ部からの音の出力によって保留予告が行われる構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組み合わせによって保留予告が行われる構成としてもよい。
(41)上記各実施形態において、主制御装置60にて保留予告を行うか否かを決定し、保留予告を行う旨の決定がなされた場合にのみ保留コマンドが主制御装置60から送信される構成としてもよい。本構成において、既に保留予告を行うように設定されている状況では新たに保留情報が記憶されたとしても当該保留情報について新たに保留予告を行うための設定が行われないようにする処理を、表示制御装置100ではなく主制御装置60にて行う構成としてもよい。
(42)上記各実施形態において、大当たり当選に対応した保留情報が保留記憶されている状況では新たに保留情報が記憶されたとしても当該保留情報について保留予告を行うための設定が行われないようにする処理を、表示制御装置100ではなく主制御装置60にて行う構成としてもよい。具体的には、主制御装置60において保留情報に大当たり当選が含まれているか否かを判定するようにし、大当たり当選が含まれている場合には保留コマンドを送信しない構成としてもよい。
(43)上記各実施形態では、相対的に有利な所定遊技状態として15R確変大当たり結果に対応した状態が設定されており、相対的に不利な所定遊技状態として通常大当たり結果に対応した状態が設定されている構成としたが、これに限定されることはない。例えば、開閉実行モード後の電動役物24aにおいて高頻度サポートモードが継続される遊技回数の違いにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。また、開閉実行モード後の高確率モードが継続される遊技回数の違いにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。また、開閉実行モード後に電動役物24aが高頻度サポートモードになるか否かにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。
(44)上記各実施形態では、主制御装置60において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部33における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置60において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置60では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。但し、変動時間コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置31において図柄の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとする必要がある。
(45)上記各実施形態では、主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置90により表示制御装置100が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置100が音声ランプ制御装置90を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置90と表示制御装置100とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置90,100が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置90又は表示制御装置100の機能が主制御装置60に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置90及び表示制御装置100の両方の機能が主制御装置60に集約された構成としてもよい。
(46)保留予告を行うようにすることで、遊技回の開始対象となる順番が後の保留情報についての遊技結果を保留予告の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され遊技の多様化が図られるという顕著な効果に着目した場合、保留予告が実行される構成を必須とすればよく、保留予告を実行すべき状態の解除条件といった他の構成は任意である。
(47)高頻度サポートモードにおいては上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されることを制限することで、保留予告を良好に行うことができることに着目した場合、当該構成を必須とすればよく、保留予告を実行すべき状態の解除条件といった他の構成は任意である。
(48)高頻度サポートモードにおいては下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されるようにすることで、開閉実行モードへの移行に対して遊技者が好適に対処できることに着目した場合、当該構成を必須とすればよく、保留予告を実行すべき状態の解除条件といった他の構成は任意である。
(49)保留予告を実行すべき状態の設定が遊技回の途中で行われた場合には、その遊技回から保留予告が行われ得るようにすることで、保留予告が実行される頻度が高められることに着目した場合、当該構成を必須とすればよく、保留予告を実行すべき状態の解除条件といった他の構成は任意である。
(50)保留予告を実行すべき状態が既に設定されている場合には、当該状態の設定の契機となった保留情報よりも後に取得された保留情報を契機として保留予告を実行すべき状態が新たに設定されないようにすることで、保留予告の実行の契機となる保留情報が重複して存在することはなく保留予告を実行する上での契機となる保留情報が明確となることに着目した場合、当該構成を必須とすればよく、保留予告を実行すべき状態の解除条件といった他の構成は任意である。
(51)大当たり当選に対応した保留情報が既に記憶されている状況では、その後に記憶された保留情報について保留予告の実行の契機として設定されないようにすることで、保留予告を実行している状況において実行の契機となった保留情報とは異なる保留情報に係る遊技回で大当たり結果となる状況が発生しないようにすることができることに着目した場合、当該構成を必須とすればよく、保留予告を実行すべき状態の解除条件といった他の構成は任意である。
(52)保留予告に対応した演出が行われる遊技回において、保留予告の実行の契機として設定された保留情報の内容を反映することなく変動表示時間が決定されるようすることで、各遊技回を消化するのに要する時間を変動させることなく保留予告を行うことができることに着目した場合、当該構成を必須とすればよく、保留予告を実行すべき状態の解除条件といった他の構成は任意である。
(53)大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値をそのまま保留コマンドとして送信するのではなく、主制御装置60において特定した結果の情報を保留コマンドとして送信する構成とすることで、所定の不正行為の発生を阻止することが可能となることに着目した場合、当該構成を必須とすればよく、保留予告を実行すべき状態の解除条件といった他の構成は任意である。
(54)上記各実施形態とは異なる他のタイプの遊技機、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、それら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS801〜ステップS813の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記情報取得手段により取得され前記取得情報記憶手段に記憶される又は前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置60のMPU62における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果が所定の特定結果であったことに基づいて特別報知状態に設定する状態設定手段(表示制御装置100のMPU102における第1設定処理及び第2設定処理を実行する機能)と、
前記特別報知状態に設定されている状況であって、その設定が行われる場合に前記先特定手段による特定対象となった特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて、当該特定対象となった特別情報についての前記先特定手段の特定結果に対応した特別報知が実行されるように所定の報知手段(図柄表示装置31)を制御する報知制御手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能)と、
前記特別報知状態に設定されている場合、その設定が行われる場合に前記先特定手段の特定対象となった特別情報の前記付与判定のタイミング又はその判定結果の報知タイミングに対応した特定タイミングとなっていない状況であっても、予め定められた解除条件が成立したことに基づいて、前記特別報知状態を解除する解除手段(第1の実施形態:表示制御装置100のMPU102における図40に示す変動開始時の更新処理を実行する機能、第2の実施形態:表示制御装置100のMPU102における図43に示す変動開始時の更新処理を実行する機能、第3の実施形態:表示制御装置100のMPU102におけるステップS3008の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に対応した特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
また、特別報知状態に設定された場合には、その設定の契機となった特別情報の付与判定のタイミング又はその判定結果の報知タイミングに対応する特定タイミングとなっていない状況であっても、予め定められた解除条件が成立したことに基づいて、現状設定されている特別報知状態が解除される。これにより、特別報知状態が継続すると好ましくない状況が発生した場合などには、現状設定されている特別報知状態が解除されることとなり、特別報知を良好に行うことができる。
特徴A2.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口23)及び第2始動入球部(下作動口24)と、
を備え、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部又は前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、前記予め定められた取得条件が成立したとして、前記特別情報を取得するものであり、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報から順に前記付与判定を行うものであり、
さらに、前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得された第1特別情報が記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主制御装置60のMPU62におけるデータ設定処理を実行する機能)を備え、
前記解除手段は、少なくとも前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合において、前記特定タイミングとなっていない状況であっても予め定められた解除条件が成立したことに基づいて、前記特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらに第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報は第1特別情報として記憶されるとともに、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報は第2特別情報として記憶される。そして、第2特別情報は、付与判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
ここで、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合には当該第1特別情報の付与判定のタイミング又はその判定結果の報知タイミングに対応した特定タイミングとなるまで当該特別報知状態が継続する構成を想定すると、上記のとおり第1特別情報よりも第2特別情報の方が付与判定に際して優先される構成であるため、当該第1特別情報が付与判定となるよりも前に第2特別情報の取得が連続した場合にはそれだけ特別報知状態が継続することとなる。そうすると、特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続することが想定され、せっかく特別報知を行うようにしたにも関わらず遊技者が特別報知に必要以上に慣れてしまい特別報知を行うようにした効果が十分に発揮されないおそれがある。これに対して、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合には、上記特定タイミングとなっていない状況であっても、予め定められた解除条件が成立したことに基づいて当該特別報知状態が解除されるため、特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続されることが抑えられる。よって、上記のような不都合を生じさせることなく、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴A3.前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって設定された前記特別報知状態において前記第2特別情報が新たに取得されたことに基づいて、前記特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第1特別情報が契機となって特別報知状態に設定された場合において、第2特別情報の取得が連続したとしても特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続されることが抑えられる。
特徴A4.前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって設定された前記特別報知状態において、予め定められた回数(回数制限情報に対応した回数)分の前記付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に、前記特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合には、予め定められた回数分の付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に当該特別報知状態が解除されるため、第2特別情報が連続したとしても特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続されることが抑えられる。また、本構成では付与判定又はその判定結果の報知が予め定められた回数分行われたか否かを監視することで解除条件の成立の有無が判断されるため、当該判断に係る構成の簡素化が図られる。
特徴A5.前記予め定められた回数は、前記特別報知状態の設定が行われた場合に既に記憶されている特別情報の数がいずれであっても、その設定の契機となった特別情報よりも前に前記取得情報記憶手段に記憶されていた特別情報の数以上となるように設定されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合であってそれ以降に第2特別情報が新たに取得されなかった場合には、少なくとも特別報知状態の設定の契機となった第1特別情報に対して直前の順番の特別情報が付与判定の対象となった場合まで又はその判定結果の報知が行われた場合まで特別報知状態が継続される。これにより、特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続してしまうことを抑えながら、第2特別情報の新たな取得が行われない場合には、特別報知状態の設定の契機となった第1特別情報についての特別報知を良好に行うことができる。
特徴A6.前記予め定められた回数は、前記特別報知状態の設定が行われた場合に既に記憶されている特別情報の数に因らず一定の数として設定されていることを特徴とする特徴A4又はA5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合に既に記憶されている特別情報の数がいずれの数であっても、解除条件の成立の有無を判断するための数値情報は一定となるため、当該数値情報を予め記憶しておくのに必要な記憶容量の削減が図られる。
特徴A7.前記予め定められた回数は、前記規定数よりも1少ない数以上の数として設定されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合に既に記憶されている特別情報の数がいずれの数であっても、当該特別報知状態の設定後において第2特別情報が新たに取得されなかった場合には、少なくとも特別報知状態の設定の契機となった第1特別情報に対して直前の順番の特別情報が付与判定の対象となった場合まで又はその判定結果の報知が行われた場合まで特別報知状態が継続される。これにより、解除条件の成立の有無を判断するための数値情報を予め記憶しておくのに必要な記憶容量の削減を図り且つ特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続してしまうことを抑えながら、第2特別情報の新たな取得が行われない場合には、特別報知状態の設定の契機となった第1特別情報についての特別報知を良好に行うことができる。
特徴A8.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、当該付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置100のMPU102における変動表示制御処理を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記特別報知状態に設定されている状況では、前記遊技回用動作に関連付けた状態で前記特別報知が行われるようにするものであり、
前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって設定された前記特別報知状態において予め定められた回数分の遊技回が行われた場合に、前記特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴A4乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
遊技回用動作が行われている状況において特別報知が行われる構成において、第2特別情報が付与判定に際して優先されることによる効果、及び特別報知を行うようにした効果を良好に奏することができる。
なお、前記報知制御手段は、前記特別報知状態に設定されている状況では、前記遊技回用動作の態様を特別態様とすることで前記特別報知が行われるようにする構成としてもよい。
また、前記報知手段として、表示画面を有する表示手段を備え、各遊技回では、前記遊技回用動作として、前記付与判定手段により付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により付与判定が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の変動表示が終了される構成においては、前記報知制御手段は、前記特別報知状態に設定されている状況では、前記絵柄の変動表示の停止結果を特別態様とすることで前記特別報知が行われるようにする構成としてもよい。
特徴A9.前記第2始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、それよりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置60のMPU62における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記第2モードである場合、前記第1特別報知を契機として前記特別報知状態の設定が行われることを制限する制限手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS1712の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
第2モードである状況において第1特別情報を契機として特別報知状態の設定が行われる頻度が所定の頻度で行われる構成を想定すると、当該第1特別情報についての特別報知が開始されたにも関わらず、当該第1特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が連続し、これら新たに取得された第2特別情報が付与判定の対象となったことに基づいて特別報知状態の解除条件が成立する状況が発生し易くなる。これに対して、特徴A9によれば、第2モードである場合には第1特別情報を契機として特別報知状態の設定が行われることが制限されるため、上記のような状況が発生する頻度が低減される。
特徴A10.前記制限手段は、前記第2モードである場合、前記第1特別情報を契機として前記特別報知状態の設定が行われることを制限する一方、前記第2特別情報を契機として前記特別報知状態の設定が行われることを制限しないものであることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、第2モードである場合には、第1特別情報を契機として特別報知状態の設定が行われることが制限される反面、第2特別情報を契機として特別報知状態の設定が行われることは制限されない。これにより、第2モードであっても特別報知が実行され得るようにすることができ、上記特徴A9の効果を奏しながら、特別報知を通じた遊技の注目度の向上を第2モード中であっても図ることができる。
特徴A11.前記解除手段は、
前記特定タイミングとなったことに基づいて、前記特別報知状態を解除する第1解除手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS2808にて肯定判定をしてステップS2809の処理を実行する機能)と、
前記特定タイミングとなっていない状況であっても、前記予め定められた解除条件が成立したことに基づいて、前記特別報知状態を解除する第2解除手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS2807にて肯定判定をしてステップS2809の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、予め定められた解除条件が成立していない状況では、特定タイミングとなるまで特別報知状態が継続されることで、設定の契機となった特別情報についての特別報知を良好に行うことができる。その一方、予め定められた解除条件が成立していない状況では、特別報知状態がいつまでも継続されるのではなく特定タイミングとなることで特別報知状態が解除されるため、設定の契機となった特別情報について特別報知を行う上で好ましいタイミングで特別報知状態が解除されることとなる。
特に、上記特徴A6又はA7にて限定した構成を備えた遊技機に対して本特徴A11の構成を適用することで、上記特徴A6又はA7の構成に基づく作用効果を奏しながら、予め定められた解除条件が成立していない状況では、設定の契機となった特別情報について特別報知を行う上で好ましいタイミングで特別報知状態が解除されることとなる。
特徴A12.前記解除手段は、前記特別報知状態の設定の契機となった特別情報よりも前に前記付与判定の対象となる特別情報の内容が所定内容(通常大当たり結果、15R確変大当たり結果又はリーチ表示となる内容)であることに基づいて、前記特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、特別報知状態の設定の契機となった特別情報よりも前に付与判定の対象となる特別情報の内容に応じて特別報知状態が解除される。したがって、例えば設定の契機となった特別情報よりも順番が前の特別情報についての付与判定タイミング又はその判定結果の報知タイミングを挟んで特別報知状態が継続されると遊技者にとって特別報知の対象が何であるかを認識しづらくなるような状況においては、特定タイミングとなっていなくても特別報知状態が解除される。これにより、特別報知を良好に行うことができる。
特徴A13.前記解除手段は、前記先特定手段による特定結果が前記所定の特定結果となる特別情報が、前記特別報知状態の設定の契機となった特別情報よりも前に前記付与判定の対象となる特別情報として前記取得情報記憶手段に記憶されていることに基づいて、前記特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、特別報知状態の設定の契機となり得る特別情報が、現状設定されている特別報知状態の設定の契機となった特別情報よりも前に付与判定の対象となる場合又は付与判定の対象となった場合には、特別報知状態が解除される。したがって、特別報知状態が継続されると遊技者にとって特別報知の対象が何であるかを認識しづらくなるような状況においては、特定タイミングとなっていなくても特別報知状態が解除されるため、特別報知を良好に行うことができる。
特徴A14.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、当該付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置100のMPU102における変動表示制御処理を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記特別報知状態に設定されている状況では、前記遊技回用動作に関連付けた状態で前記特別報知が行われるようにするものであることを特徴とする特徴A12又はA13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、遊技回用動作に関連付けた状態で特別報知が行われる構成において、上記特徴A12等の構成に基づく作用効果を奏することができる。
特徴A15.前記解除手段は、前記特別報知状態の設定の契機となった特別情報に係る遊技回よりも前の遊技回で前記付与対応結果となる遊技回用動作が行われたことに基づいて又は当該付与対応結果となる遊技回用動作が行われることに先立って、前記特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、付与対応結果となる遊技回用動作を挟んで特別報知状態が継続されないことにより、遊技者にとって特別報知の対象が何であるかを認識しづらくなるといった状況が生じづらくなり、特別報知を良好に行うことができる。また、特定タイミングとなっていなくても特別報知状態が解除される契機が、付与対応結果となる遊技回用動作であることにより、当該解除が発生した場合に遊技者はそれまでの特別報知が当該付与対応結果となる遊技回用動作であると違和感なく認識することとなる。この点からも本構成によれば、特別報知を良好に行うことができる。
特徴A16.前記状態設定手段は、前記先特定手段による特定結果がその特定対象となった特別情報が前記付与情報に対応しているとする特定結果となり、且つ状態設定抽選手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告発生抽選処理を実行する機能)の抽選結果が当選結果となった場合、前記特別報知状態に設定するものであることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、特別報知状態の設定が不規則に行われることとなり、当該設定について多様化が図られる。また、本構成においては、付与情報に対応している特別情報であっても特別報知状態の設定の契機とならないことが起こり得るため、特別報知状態の設定の契機となった特別情報に係る遊技回よりも前の遊技回において付与対応結果となる遊技回用動作が行われ得るが、上記特徴A15の構成を備えていることにより、かかる状況であっても特別報知を良好に行うことができる。
特徴A17.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口23)及び第2始動入球部(下作動口24)と、
を備え、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部又は前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、前記予め定められた取得条件が成立したとして、特別情報を取得するものであり、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報から順に前記付与判定を行うものであり、
さらに、前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得された第1特別情報が記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主制御装置60のMPU62におけるデータ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A14乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらに第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報は第1特別情報として記憶されるとともに、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報は第2特別情報として記憶される。そして、第2特別情報は、付与判定に際して、取得タイミングに関係なく第1特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ遊技の注目度を高められる。
ここで、第2特別情報が取得タイミングに関係なく付与判定に際して第1特別情報よりも優先される構成においては、第1特別情報を契機として特別報知状態の設定が行われたタイミングでは、特定タイミングとなるまでにどのような種類の特別情報に係る遊技回が実行されるかは不明である。そうすると、特定タイミングとなるまでに、遊技者にとって特別報知の対象が何であるかが認識しづらくなる遊技回が実行されるおそれがある。これに対して、上記特徴A12等に限定した構成を備えていることにより、上記のように遊技者によって特別報知の対象が何であるかを認識しづらくなる状況においては、特定タイミングとなっていなくても特別報知状態が解除されるため、特別報知を良好に行うことができる。
特徴A18.前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態に設定されている状況で新たに取得された第2特別情報に係る遊技回において前記付与対応結果となる遊技回用動作が行われたことに基づいて又は前記付与対応結果となる遊技回用動作が行われることに先立って、前記特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
取得タイミングに関係なく付与判定に際して第2特別情報よりも第1特別情報が優先される構成においては、第1特別情報が契機となって設定された特別報知状態において付与対応結果に対応した第2特別情報が取得されることが想定される。これに対して、特徴A18によれば、第1特別情報が契機となって設定された特別報知状態において新たに取得された第2特別情報に係る遊技回で付与対応結果となる場合には、その遊技回を挟んで特別報知状態が継続されることはない。これにより、遊技者にとって特別報知の対象が何であるかを認識しづらくなるといった状況が生じづらくなり、特別報知を良好に行うことができる。
また、特定タイミングとなっていなくても特別報知状態が解除される契機が、付与対応結果となる遊技回用動作であることにより、当該解除が発生した場合に遊技者はそれまでの特別報知が当該付与対応結果となる遊技回用動作であると違和感なく認識することとなる。この点からも本構成によれば、特別報知を良好に行うことができる。
特徴A19.前記付与情報を予め記憶する付与情報記憶手段(主制御装置60の当否テーブル記憶エリア63a及び振分テーブル記憶エリア63b)を備え、当該付与情報記憶手段は前記付与情報として第1付与情報と第2付与情報とを予め記憶しており、
前記特典付与手段は、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記第1付与情報に対応している第1付与対応結果となったことに基づいて、遊技状態を第1所定遊技状態に移行させる第1状態移行手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS1111〜ステップS1114の処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記第2付与情報に対応している第2付与対応結果となったことに基づいて、遊技状態を前記第1所定遊技状態よりも遊技者に有利な第2所定遊技状態に移行させる第2状態移行手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS1102〜ステップS1105の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1付与情報に対応している特別情報が前記付与判定の対象となることで行われる遊技回の報知結果の態様として第1報知結果が設定されているとともに、前記第2付与情報に対応している特別情報が前記付与判定の対象となることで行われる遊技回の報知結果として第2報知結果が設定されており、
前記報知制御手段は、少なくとも前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合において前記特別報知を行う場合、前記遊技回用動作の態様を、前記第1報知結果及び前記第2報知結果のうち前記第1報知結果に対応した特別態様とする特別態様設定手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS2904の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A17又はA18に記載の遊技機。
特徴A19の遊技機では、付与判定の結果が付与対応結果となったことに基づいて移行する遊技状態として、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とが設定されていることにより、遊技の多様化が図られる。また、第1所定遊技状態への移行が発生することとなる遊技回において第1報知結果となり、第2所定遊技状態への移行が発生することとなる遊技回において第2報知結果となることで、付与判定の結果を遊技者が認識し易くなる。
この場合に、少なくとも第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合、遊技回用動作の態様を第1報知結果及び第2報知結果のうち第1報知結果に対応した特別態様とすることで特別報知が行われる。当該特別報知として、遊技回用動作の態様を第2報知結果に対応した態様とする構成を想定すると、第2報知結果に対応した特別報知が行われた後であって特定タイミングとなるよりも前に第1報知結果となる遊技回が行われた場合、第2報知結果に対応した特別報知を確認して第2所定遊技状態への移行を期待していた遊技者にとっては、期待に反して第2所定遊技状態よりも不利な第1所定遊技状態に移行することとなり、特別報知を通じた遊技意欲の向上を好適に図れなくおそれがある。これに対して、上記のように遊技回用動作の態様を第1報知結果に対応した特別態様とすることで特別報知が行われるため、上記のような不都合を生じさせることなく、特別報知を良好に行うことができる。
なお、「特別態様設定手段」は、少なくとも前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合において前記特別報知を行う場合、遊技回の報知結果の態様を、前記第1報知結果及び前記第2報知結果のうち前記第1報知結果に対応した特別報知結果とする構成としてもよい。
特徴A20.前記付与情報を予め記憶する付与情報記憶手段(主制御装置60の当否テーブル記憶エリア63a及び振分テーブル記憶エリア63b)を備え、当該付与情報記憶手段は前記付与情報として第1付与情報と第2付与情報とを予め記憶しており、
前記特典付与手段は、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記第1付与情報に対応している第1付与対応結果となったことに基づいて、遊技状態を第1所定遊技状態に移行させる第1状態移行手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS1111〜ステップS1114の処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記第2付与情報に対応している第2付与対応結果となったことに基づいて、遊技状態を前記第1所定遊技状態よりも遊技者に有利な第2所定遊技状態に移行させる第2状態移行手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS1102〜ステップS1105の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、前記第1付与情報に対応している特別情報が前記付与判定の対象となることで行われる遊技回の報知結果の態様を第1報知結果とするとともに、前記第2付与情報に対応している特別情報が前記付与判定の対象となることで行われる遊技回の報知結果の態様を第2停止結果とするものであり、
前記報知制御手段は、前記特別報知を行う場合、前記遊技回用動作の態様を、前記第1報知結果及び前記第2報知結果のうち前記第1報知結果に対応した特別態様とする特別態様設定手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS2904の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A14乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20の遊技機では、付与判定の結果が付与対応結果となったことに基づいて移行する遊技状態として、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とが設定されていることにより、遊技の多様化が図られる。また、第1所定遊技状態への移行が発生することとなる遊技回において第1報知結果となり、第2所定遊技状態への移行が発生することとなる遊技回において第2報知結果となることで、付与判定の結果を遊技者が認識し易くなる。
この場合に、少なくとも第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合、遊技回用動作の態様を第1報知結果及び第2報知結果のうち第1報知結果に対応した特別態様とすることで特別報知が行われる。当該特別報知として、遊技回用動作の態様を第2報知結果に対応した態様とする構成を想定すると、第2報知結果に対応した特別報知が行われた後であって特定タイミングとなるよりも前に第1報知結果となる遊技回が行われた場合、第2報知結果に対応した特別報知を確認して第2所定遊技状態への移行を期待していた遊技者にとっては、期待に反して第2所定遊技状態よりも不利な第1所定遊技状態に移行することとなり、特別報知を通じた遊技意欲の向上を好適に図れなくおそれがある。これに対して、上記のように遊技回用動作の態様を第1報知結果に対応した特別態様とすることで特別報知が行われるため、上記のような不都合を生じさせることなく、特別報知を良好に行うことができる。
なお、「特別態様設定手段」は、前記特別報知を行う場合、遊技回の報知結果の態様を、前記第1報知結果及び前記第2報知結果のうち前記第1報知結果に対応した特別報知結果とする構成としてもよい。
特徴A21.前記所定の報知手段は、複数の変動表示領域(図柄列Z1〜Z3)のそれぞれにおいて複数種の絵柄を予め定められた順序で変動表示する絵柄表示手段であり、
前記遊技回制御手段は、前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記複数の変動表示領域において絵柄の変動表示が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示し前記複数の変動表示領域における絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記絵柄の変動表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御するものであり、
さらに、前記第1報知結果は、一の有効ライン上に、前記複数の変動表示領域において変動表示される絵柄によって形成される第1付与対象絵柄の組み合わせが停止表示される態様として設定されているとともに、前記第2報知結果は、一の有効ライン上に、前記複数の変動表示領域において変動表示される絵柄によって形成される第2付与対象絵柄の組み合わせが停止表示される対象として設定されており、
前記特別態様設定手段は、前記絵柄の変動表示において、前記第1付与対象絵柄の組み合わせを構成する絵柄を用いた特別態様が表示されるようにすることで前記特別報知を行わせるものであることを特徴とする特徴A19又はA20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、各遊技回にて絵柄の変動表示が行われる遊技機において、上記特徴A19又は上記特徴A20の構成に対応したものとして説明した作用効果を奏することができる。
特徴A22.前記報知制御手段は、前記特別報知状態の設定の契機となった特別情報よりも前に前記付与判定の対象となる特別情報に係る遊技回の停止結果の態様を、前記特別態様として、前記複数の絵柄表示手段において変動表示される絵柄によって形成される組み合わせであって、前記付与対象絵柄の組み合わせと異なる特別報知対象絵柄の組み合わせが前記有効ライン上又は当該有効ライン上とは異なる位置に停止表示される態様とするものであり、
前記特別態様設定手段は、前記第1付与対象絵柄の組み合わせを構成する絵柄を用いて構成された特別報知対象絵柄の組み合わせを停止表示させることで前記特別報知を行わせるものであることを特徴とする特徴A21に記載の遊技機。
特徴A22によれば、特別報知を行う場合には特別報知対象絵柄の組み合わせが停止表示されるため、特別報知が行われる場合の態様が明確となり、特別報知が行われていることを遊技者が認識し易くなる。かかる遊技機において、上記特徴A19又は上記特徴A20の構成に対応したものとして説明した作用効果を奏することができる。
なお、上記特徴A18乃至A22のいずれか1において、上記第1所定遊技状態及び第2所定遊技状態を以下の遊技状態としてもよい。つまり、前記移行判定手段は、前記移行対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率移行判定手段と低確率移行判定手段とを備えており、前記第1所定遊技状態は、前記移行判定が行われる場合、前記高確率移行判定手段及び前記低確率移行判定手段のうち、前記低確率移行判定手段により前記移行判定が行われる遊技状態であり、前記第2所定遊技状態は、前記移行判定が行われる場合、前記高確率移行判定手段及び前記低確率移行判定手段のうち、前記高確率移行判定手段により前記移行判定が行われる遊技状態である構成とすることで、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで有利性に差を設けてもよい。
また、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球し易い開放状態と入球し難い閉鎖状態とに切り換わり可能な可変入球手段と、当該可変入球手段を開放状態とした後に閉鎖状態に切り換える可変入球制御を実行する可変入球制御手段と、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に遊技球を付与する付与手段と、を備え、前記第1状態移行手段による前記第1所定遊技状態への遊技状態の移行が発生する場合、前記可変入球手段における前記開放状態と前記閉鎖状態との切り換え回数が予め定められた回数となるまで前記可変入球制御手段による前記可変入球制御が行われるとともに前記第1所定遊技状態への移行が行われ、前記第2状態移行手段による前記第2所定遊技状態への遊技状態の移行が発生する場合、前記可変入球手段における前記開放状態と前記閉鎖状態との切り換え回数が予め定められた回数となるまで前記可変入球制御手段による前記可変入球制御が行われるとともに前記第2所定遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。
特徴A23.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて複数の変動表示領域において絵柄の変動表示が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した停止結果とし前記複数の変動表示領域における絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記絵柄の変動表示が行われるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置100のMPU102における変動表示制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記付与情報に対応している特別情報が付与判定の対象となることで行われる遊技回の停止結果の態様を、一の有効ライン上に、前記複数の絵柄表示領域において変動表示される絵柄によって形成される付与対象絵柄の組み合わせが停止表示される態様とするものであり、
さらに各遊技回の表示態様に、一部の変動表示領域における絵柄の変動表示を停止させることで、前記付与対象絵柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ絵柄を前記有効ライン上に停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において残りの変動表示領域において絵柄の変動表示を行わせるリーチ表示態様が含まれており、
前記解除手段は、前記特別報知状態に設定されている状況であって、その設定の契機となった特別情報に係る遊技回よりも前の遊技回において前記リーチ表示態様が行われたこと又は当該リーチ表示態様が行われる状況となったことに基づいて、前記特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴A12乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A23によれば、リーチ変動表示が行われる遊技回を挟んで特別報知状態が継続されないことにより、遊技者にとって特別報知の対象が何であるかを認識しづらくなるといった状況が生じづらくなり、特別報知を良好に行うことができる。また、特定タイミングとなっていなくても特別報知状態が解除される契機が、リーチ変動表示が行われる遊技回であることにより、当該解除が発生した場合に遊技者はそれまでの特別報知の対象が当該リーチ変動表示となる遊技回であると違和感なく認識することとなる。この点からも本構成によれば、特別報知を良好に行うことができる。
なお、上記特徴A17にて限定した構成を備えている場合には、前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態に設定されている状況であって、新たに取得された第2特別情報に係る遊技回において前記リーチ変動表示が行われたことに基づいて又は前記リーチ変動表示が行われる遊技回に先立って、現状設定されている特別報知状態を解除する構成としてもよい。この場合、第1特別情報が契機となって設定された特別報知状態において第2特別情報の取得が連続することで特定タイミングとなることが先送りされたとしても、リーチ変動表示に対応した第2特別情報が新たに取得されたことに基づいて特別報知状態が解除される。そして、リーチ変動表示となる特別情報は所定の頻度で取得されるため、特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続されることが抑えられる。
特徴B1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口23、下作動口24)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、それら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS801〜ステップS813の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口23)と第2始動入球部(下作動口24)とが設けられており、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報から順に前記付与判定を行うものであり、
さらに、前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得された第1特別情報が記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主制御装置60のMPU62におけるデータ設定処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得され前記取得情報記憶手段に記憶される又は前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置60のMPU62における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果が所定の特定結果であったことに基づいて特別報知状態に設定する状態設定手段(表示制御装置100のMPU102における第1設定処理及び第2設定処理を実行する機能)と、
前記特別報知状態に設定されている状況であって、その設定が行われた場合に前記先特定手段による特定対象となった特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて、当該特定対象となった特別情報についての前記先特定手段の特定結果に対応した特別報知が実行されるように所定の報知手段(図柄表示装置31)を制御する報知制御手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能)と、
前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合において、その設定が行われた場合に既に記憶されている特別情報の数に対応した回数分の前記付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に当該特別報知状態を解除する解除手段(表示制御装置100のMPU102における変動開始時の更新処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらに第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報は第1特別情報として記憶されるとともに、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報は第2特別情報として記憶される。そして、第2特別情報は、付与判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
また、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の付与判定結果を確認する遊技だけでなく、少なくとも取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
ここで、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合には当該第1特別情報について付与判定が行われるまで当該特別報知状態が継続する構成を想定すると、上記のとおり第1特別情報よりも第2特別情報の方が付与判定に際して優先される構成であるため、当該第1特別情報が付与判定となるよりも前に第2特別情報の取得が連続した場合にはそれだけ特別報知状態が継続することとなる。そうすると、特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続することが想定され、せっかく特別報知を行うようにしたにも関わらず遊技者が特別報知に必要以上に慣れてしまい特別報知を行うようにした効果が十分に発揮されないおそれがある。これに対して、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合には、その設定が行われた場合に既に記憶されている特別情報の数に対応した回数分の付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に当該特別報知状態が解除されるため、第2特別情報の取得が連続したとしても特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続されることが抑えられる。よって、上記のような不都合を生じさせることなく、上記各効果を好適に発揮することができる。
特徴B2.前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合には、その設定の契機となった特別情報よりも前に前記取得情報記憶手段に記憶されていた特別情報の数以上であって当該特別情報の数に対応した回数分の前記付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に当該特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合であってそれ以降に第2特別情報が新たに取得されなかった場合には、少なくとも特別報知状態の設定の契機となった第1特別情報に対して直前の順番の特別情報が付与判定の対象となった場合まで又はその判定結果の報知が行われた場合まで特別報知状態が継続される。これにより、特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続してしまうことを抑えながら、第2特別情報の新たな取得が行われない場合には、特別報知状態の設定の契機となった第1特別情報についての特別報知を良好に行うことができる。
特徴B3.前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合には、その設定が行われた場合に既に取得されている特別情報の数と同数の回数分の前記付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に当該特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第2特別情報の新たな取得が行われない場合には、特別報知状態の設定の契機となった第1特別報知について付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合までを含めて特別報知状態が継続されることとなり、当該特別報知状態の設定の契機となった第1特別情報についての特別報知を良好に行うことができる。また、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合において第2特別情報の取得が連続したとしても、当該特別報知状態はその設定が行われた場合に既に取得されている特別情報の数と同数の回数分の付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に解除されるため、特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続してしまうことを抑えることができる。
特徴B4.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、当該付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置100のMPU102における変動表示制御処理を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記特別報知状態に設定されている状況では、前記遊技回用動作に関連付けた状態で前記特別報知が行われるようにするものであり、
前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合には、その設定が行われた場合に既に記憶されている特別情報の数に対応した回数分の遊技回が行われた場合に当該特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
遊技回用動作が行われている状況において特別報知が行われる構成において、第2特別情報が付与判定に際して優先されることによる効果、及び特別報知を行うようにした効果を良好に奏することができる。
なお、前記報知制御手段は、前記特別報知状態に設定されている状況では、前記遊技回用動作の態様を特別態様とすることで前記特別報知が行われるようにする構成としてもよい。
また、前記報知手段として、表示画面を有する表示手段を備え、各遊技回では、前記遊技回用動作として、前記付与判定手段により付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により付与判定が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該付与判定の判定結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の変動表示が終了される構成においては、前記報知制御手段は、前記特別報知状態に設定されている状況では、前記絵柄の変動表示の停止結果を特別態様とすることで前記特別報知が行われるようにする構成としてもよい。
特徴B5.前記第2始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、それよりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置60のMPU62における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記第2モードである場合、前記第1特別報知を契機として前記特別報知状態の設定が行われることを制限する制限手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS1712の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
第2モードである状況において第1特別情報を契機として特別報知状態の設定が行われる頻度が所定の頻度で行われる構成を想定すると、当該第1特別情報についての特別報知が開始されたにも関わらず、当該第1特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が連続し、これら新たに取得された第2特別情報が付与判定の対象となったことに基づいて特別報知状態の解除条件が成立する状況が発生し易くなる。これに対して、特徴B5によれば、第2モードである場合には第1特別情報を契機として特別報知状態の設定が行われることが制限されるため、上記のような状況が発生する頻度が低減される。
特徴B6.前記制限手段は、前記第2モードである場合、前記第1特別情報を契機として前記特別報知状態の設定が行われることを制限する一方、前記第2特別情報を契機として前記特別報知状態の設定が行われることを制限しないものであることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第2モードである場合には、第1特別情報を契機として特別報知状態の設定が行われることが制限される反面、第2特別情報を契機として特別報知状態の設定が行われることは制限されない。これにより、第2モードであっても特別報知が実行され得るようにすることができ、上記特徴B5の効果を奏しながら、特別報知を通じた遊技の注目度の向上を第2モード中であっても図ることができる。
特徴B7.前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合において、その設定が行われた場合に前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報及び前記第2特別情報の合計数に対応した回数分の前記付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に当該特別報知状態を解除するとともに、前記第2特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合において、その設定が行われた場合に前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第2特別情報の数に対応した回数分の前記付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に当該特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、第2特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合、解除条件の成立の有無を特定する上で参照される数値情報が相違する点を除き、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合と同様の構成で特別報知状態の設定の解除が行われる。また、このように同様の構成で特別報知状態の設定の解除が行われる構成であったとしても、第2特別情報は付与判定に対して第1特別情報よりも優先されるため、特別報知状態の設定の解除タイミングは、新たな第1特別情報の取得や新たな第2特別情報の取得が発生したとしても、それに影響を受けることはなく、契機となった第2特別情報について好適に特別報知を行うことができる。
特徴B8.前記特別報知状態に設定されている状況において、前記付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に計測情報の更新が行われる計測手段(保留予告用カウンタエリア128)を備え、
前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合には、その設定が行われた場合に前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報及び前記第2特別情報の合計数に対応した回数分の更新が前記計測手段に対して行われたことに基づいて当該特別報知状態を解除するとともに、前記第2特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合には、その設定が行われた場合に前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第2特別情報の数に対応した回数分の更新が前記計測手段に対して行われたことに基づいて当該特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、第1特別情報が契機となって特別報知状態が設定された場合、及び第2特別情報が契機となって特別報知状態が設定された場合のいずれであっても、計測手段の更新回数を通じて解除タイミングが判定される。つまり、いずれの特別報知状態であっても、計測手段や計測手段を更新する処理構成が解除タイミングを判定するための構成として兼用される。これにより、構成の簡素化を図りつつ、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴B9.前記第1特別情報又は前記第2特別情報のいずれかが契機となって前記特別報知状態が設定されている間は、当該特別報知状態の設定の契機となった特別情報よりも後に前記情報取得手段により取得された特別情報を契機として前記特別報知状態が新たに設定されないように規制する設定規制手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS1709の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、それぞれ異なる特別情報を契機として特別報知状態が重複して設定されることはない。したがって、第1特別情報を契機とした特別報知状態及び第2特別情報を契機とした特別報知状態のいずれであってもその解除タイミングを判定するために計測手段を兼用するようにしたとしても、処理上の問題が生じない。
特徴B10.前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合に、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報及び前記第2特別情報の合計数に対応した数値情報を計測手段に設定するとともに、前記第2特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合に、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第2特別情報の数に対応した数値情報を前記計測手段に設定する数値情報設定手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS1909、ステップS1911、ステップS2007及びステップS2009の処理を実行する機能)と、
前記特別報知状態の設定が行われている状況において前記付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に前記計測手段に記憶されている数値情報を1数値分更新する更新手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS2614の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記解除手段は、前記計測手段にて計測されている情報が、初期値に対応した数値情報となっている場合に前記特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴B8又はB9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、第1特別情報を契機として特別報知状態が設定された場合、及び第2特別情報を契機として特別報知状態が設定された場合のいずれであっても、計測手段にて計測されている情報が初期値に対応した数値情報であるか否かを判定することで、その設定されている特別報知状態の解除タイミングであるか否かを判定することができる。よって、処理構成の簡素化を図りつつ、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴B11.前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合において、その設定が行われた場合に前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報及び前記第2特別情報の合計数に対応した回数分の前記付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に当該特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記特徴B1の作用効果を奏することができる。
特徴B12.前記解除手段は、前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合において、その設定が行われた場合に前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報の数に対応した回数分の前記付与判定が行われた場合又はその判定結果の報知が行われた場合に当該特別報知状態を解除するものであることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記特徴B1の作用効果を奏することができる。
特徴B13.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
当該遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口23、下作動口24)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、それら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS801〜ステップS813の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、当該付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(図柄表示装置31)を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置100のMPU102における変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口23)と第2始動入球部(下作動口24)とが設けられており、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報から順に前記付与判定を行うものであり、
さらに、前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得された第1特別情報が記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主制御装置60のMPU62におけるデータ設定処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得され前記取得情報記憶手段に記憶される又は前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置60のMPU62における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果が所定の特定結果であったことに基づいて特別報知状態に設定する状態設定手段(表示制御装置100のMPU102における第1設定処理及び第2設定処理を実行する機能)と、
前記特別報知状態に設定されている状況において、当該特別報知状態の設定が行われる場合に前記先特定手段により特定された情報に対応した特別報知が、当該特別報知状態の設定の契機となった特別情報に係る遊技回よりも前の遊技回の前記遊技回用動作が行われている状況において実行されるように前記報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能)と、
前記第1特別情報が契機となって前記特別報知状態の設定が行われた場合において、その設定が行われた場合に既に記憶されている特別情報の数に対応した回数分、前記特別報知の実行に係る遊技回が行われた場合に、当該特別報知状態を解除する解除手段(表示制御装置100のMPU102における変動開始時の更新処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B13によれば、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらに第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報は第1特別情報として記憶されるとともに、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報は第2特別情報として記憶される。そして、第2特別情報は、付与判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
また、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別報知が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の付与判定結果を確認する遊技だけでなく、少なくとも取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
ここで、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合には当該第1特別情報について付与判定が行われるまで当該特別報知状態が継続する構成を想定すると、上記のとおり第1特別情報よりも第2特別情報の方が付与判定に際して優先される構成であるため、当該第1特別情報が付与判定となるよりも前に第2特別情報の取得が連続した場合にはそれだけ特別報知状態が継続することとなる。そうすると、特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続することが想定され、せっかく特別報知を行うようにしたにも関わらず遊技者が特別報知に必要以上に慣れてしまい特別報知を行うようにした効果が十分に発揮されないおそれがある。これに対して、第1特別情報が契機となって特別報知状態の設定が行われた場合には、その設定が行われた場合に既に記憶されている特別情報の数に対応した回数分、特別報知の実行に係る遊技回が行われた場合に当該特別報知状態が解除されるため、第2特別情報の取得が連続したとしても特別報知状態に設定されている状況が長期間に亘って継続されることが抑えられる。よって、上記のような不都合を生じさせることなく、上記各効果を好適に発揮することができる。
なお、本特徴B13に対して、上記特徴B2乃至B12のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
特徴C1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、それら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS801〜ステップS813の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、当該付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(図柄表示装置31)を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置100のMPU102における変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記情報取得手段により取得され前記取得情報記憶手段に記憶される又は前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置60のMPU62における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段により特定された情報に対応した特別報知が、前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行されるようにする報知制御手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記報知制御手段は、前記遊技回用動作が行われている状況であって当該遊技回用動作中の所定の期間において前記先特定手段により前記特定が行われたことに基づき、その特定された情報に対応した特別報知が、当該遊技回用動作の終了タイミングまでに行われるようにする期間対応実行手段(表示制御装置100のMPU102における変動中用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
また、遊技回用動作が行われている状況において新たに特別情報が取得された場合には、その特別情報についての特別報知が、その遊技回用動作の終了タイミングまでに行われることがある。これにより、特別報知が行われる場合には、特別情報が取得されてからそれについての特別報知が行われるまでの時間を早めることが可能となり、遊技者にとっては特別報知を確認する機会が高められる。
さらにまた、遊技回用動作が行われている状況において新たに特別情報が取得され、その特別情報についての特別報知がその遊技回用動作の終了タイミングまでに行われる場合、当該遊技回用動作中における所定の期間であれば当該特別報知が行われる。これにより、遊技回用動作を進行させながら当該遊技回用動作が行われている状況で特別報知を実行するための設定を行う場合に、処理の煩雑化などが抑えられる。
特徴D1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応している否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、それら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS801〜ステップS813の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記情報取得手段により取得され前記取得情報記憶手段に記憶される又は前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置60のMPU62における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果が所定の特定結果であったことに基づいて契機情報を記憶する契機情報記憶手段(表示制御装置100のワークRAM104における予告条件成立フラグを記憶する機能)と、
前記契機情報が記憶されている状況において、当該契機情報が記憶される場合に前記先特定手段により特定された情報に対応した特別報知が、当該契機情報が記憶される場合に前記先特定手段の特定対象となり前記特別報知の実行の契機となった特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて所定の報知手段にて実行されるようにする報知制御手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能及び変動中用処理を実行する機能)と、
前記契機情報が記憶されている間は、前記特別報知の実行の契機となった特別情報よりも後に前記情報取得手段により取得された特別情報が前記特別報知の実行の契機となる情報として設定されないように規制する契機情報規制手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS1709の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
また、既に特別報知を行うように設定されている状況では新たに特別情報が記憶されたとしても、当該特別情報について新たに特別報知を行うように設定されることはない。これにより、特別報知の契機となる特別情報が取得情報記憶手段に重複して記憶されることはなく、特別報知を行う上での契機となる特別情報が明確となる。特別報知の契機となる特別情報が取得情報記憶手段に重複して記憶されると、例えば、一方の特別情報に係る特別報知の実行に際して他の特別情報を考慮する必要が生じるため、処理などが煩雑なものとなるおそれがあるが、上記重複が生じないようにすることで、このような事態が生じないようにすることが可能となる。
特徴E1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS801〜ステップS813の処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を予め定められた所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記情報取得手段により取得され前記取得情報記憶手段に記憶される又は前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置60のMPU62における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段により特定された情報に対応した特別報知が、前記所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて所定の報知手段にて実行されるようにする報知制御手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能及び変動中用処理を実行する機能)と、
前記移行情報に対応した特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されている間は、当該特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶された後に前記情報取得手段により取得された特別情報が前記特別報知の実行の契機となる情報として設定されないように規制する移行情報対応規制手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS1706及びステップS1708の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
また、移行情報に対応した特別情報が記憶されている状況では新たに特別情報が記憶されたとしても、当該特別情報について特別報知を行うように設定されることはない。これにより、特別報知を実行している状況において当該特別報知の実行の契機となっている特別情報とは異なる特別情報に係る遊技回で所定遊技状態の移行が発生しないようにすることができる。
特徴F1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、それら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS801〜ステップS813の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記情報取得手段により取得され前記取得情報記憶手段に記憶される又は前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置60のMPU62における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果が所定の特定結果であったことに基づいて特別報知状態に設定する状態設定手段(表示制御装置100のMPU102における第1設定処理及び第2設定処理を実行する機能)と、
前記特別報知状態に設定されている状況であって、その設定が行われる場合に前記先特定手段による特定対象となった特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて、当該特定対象となった特別情報についての前記先特定手段の特定結果に対応した特別報知が実行されるように所定の報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に対応した特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
特徴F2.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、当該付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置100のMPU102における変動表示制御処理を実行する機能)を備え、
当該遊技回制御手段は、各遊技回において前記遊技回用動作が行われる場合における動作継続時間を決定する動作継続時間決定手段(主制御装置60のMPU62における変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、各遊技回の前記遊技回用動作が行われる場合、前記動作継続時間決定手段が決定した動作継続時間が経過することで当該遊技回用動作が最終停止される構成であり、
前記動作継続時間決定手段は、前記特別報知状態に設定されている状況においてその設定の契機となった特別情報よりも前に開始対象となった特別情報に係る遊技回の前記動作継続時間を決定する場合に、前記契機となった特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映することなく前記動作継続時間を決定するものであることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、特別報知状態の設定の契機となった特別情報が付与判定の対象となった場合における判定結果が反映されることなく各遊技回における動作継続時間が決定されるため、特別報知が行われ得るようにした構成において特別報知に係る特別情報の内容に応じて各遊技回を消化するのに要する時間が変動してしまうことが抑えられる。
特徴F3.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、当該付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置100のMPU102における変動表示制御処理を実行する機能)を備え、
当該遊技回制御手段は、
前記遊技回用動作が行われる場合の動作継続時間の情報を予め記憶するとともに、それぞれ動作継続時間が異なるように前記動作継続時間の情報を複数種類記憶した動作継続時間情報記憶手段(主制御装置60のROM63における変動表示時間テーブル記憶エリア63c)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記遊技回用動作が開始される場合に、その付与判定の対象となる特別情報の内容に基づいて、前記動作継続時間情報記憶手段に記憶されている複数種類の前記動作継続時間の情報の中から、一の動作継続時間の情報を選択する動作継続時間選択手段(主制御装置60のMPU62における変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記遊技回用動作を開始させ、前記動作継続時間選択手段により選択された前記動作継続時間の情報に対応した動作継続時間が経過することで当該遊技回用動作を最終停止させる動作制御手段(主制御装置60のMPU62における変動終了処理を実行する機能等)と、
を備えており、
前記動作継続時間選択手段は、前記動作継続時間の情報の選択対象となっている特別情報よりも後のタイミングで前記付与判定の対象となる特別情報が当該付与判定の対象となった場合における判定結果を反映することなく、前記動作継続時間の情報の選択を行うものであることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F3によれば、特別報知状態の設定の契機となった特別情報が付与判定の対象となった場合における判定結果が反映されることなく各遊技回における動作継続時間が決定されるため、特別報知が行われ得るようにした構成において特別報知に係る特別情報の内容に応じて各遊技回を消化するのに要する時間が変動してしまうことが抑えられる。
特徴G1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行うとともに、その付与判定の結果に基づいて、遊技者に特典が付与されるようにする主制御手段(主制御装置60)と、
当該主制御手段から出力された情報に基づいて、所定の報知手段を制御する副制御手段(表示制御装置100)と、
を備えている遊技機において、
前記主制御手段は、
所定の乱数情報を更新する乱数情報更新手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS103の処理を実行する機能)と、
前記取得条件が成立したことに基づいて、前記乱数情報更新手段によって更新された結果の乱数情報を特別情報として取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62における変動開始処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与させる特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得され前記取得情報記憶手段に記憶される又は前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置60のMPU62における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段が特定した結果の情報を前記副制御手段に出力する結果出力手段(主制御装置60のMPU62における保留コマンドの設定処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記副制御手段は、前記結果出力手段から出力された情報に基づいて、前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるように、前記所定の報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1の遊技機では、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に対応した特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について、付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
また、付与判定を実行するための機能などを主制御手段が有するとともに、特別報知を行うように所定の報知手段を制御する機能などを副制御手段が有する構成においては、各制御手段への機能の分散化が図られ、主制御手段が全ての機能を有する構成に比べ、主制御手段の処理負荷の軽減が図られる。
さらにまた、主制御手段は、特別報知を行うための制御を副制御手段に実行させる上で、特別情報をそのまま副制御手段に出力するのではなく、当該特別情報が付与判定の対象となった場合における判定結果を特定し、その特定した結果の情報を副制御手段に出力する。したがって、仮に、特別報知を行うための制御を副制御手段に実行させる上で必要な情報が、主制御手段から副制御手段に向けた出力途中などにおいて不正に取得されたとしても、その不正に取得された情報は特別情報そのものではなく、上記特定した結果の情報となる。乱数情報を用いて抽選を行う遊技機においては、現状、更新されている乱数情報を不正に取得することで、不正に特典を得ようとする行為が想定される。この場合に、特別情報をそのまま出力する構成においては、当該特別情報が不正に取得された場合には、その取得した特別情報に基づいて、現状、更新されている乱数情報が不正に特定されてしまうことが懸念される。これに対して、上記のとおり、特別情報そのものではなく上記特定した結果の情報が出力されるため、上記不正行為が行われる可能性を抑えつつ、既に説明した優れた効果を奏することができる。
特徴H1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口23、下作動口24)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球し易い第1状態と入球し難い第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置22)と、
当該可変入球手段を第1状態とした後に第2状態に切り換える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置60のMPU62における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に遊技球を付与する付与手段(払出制御装置70、払出装置71)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS801〜ステップS813の処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を予め定められた所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記状態移行手段による前記所定遊技状態への遊技状態の移行が行われることにより、前記可変入球手段において前記第1状態と前記第2状態との切り換えが行われる回数が予め定められた回数となるまで前記可変入球制御が行われるとともに、当該可変入球制御が行われる状態では前記移行判定が行われない遊技機において、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口23)と第2始動入球部(下作動口24)とが設けられており、
前記第2始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、それよりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置60のMPU62における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)とを有しているとともに、前記可変入球制御手段により前記可変入球制御が行われる状態では前記第1モードに設定するものであり、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第1規定数を上限として記憶する第1取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第2規定数を上限として記憶する第2取得情報記憶手段(第2結果表示部用保留エリアRb)と、
を備えており、
前記移行判定手段は、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記移行判定を行うものであるとともに、
前記第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が前記移行判定手段の判定対象となった場合よりも前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が前記移行判定手段の判定対象となった場合の方が、遊技者にとって有利な遊技結果が生じ易いように構成されており、
さらに、前記第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている特別情報よりも早いタイミングで取得された特別情報が前記第1取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して前記移行判定が行われるようにする優先手段(主制御装置60のMPU62におけるデータ設定処理を実行する機能)と、
少なくとも前記第2モードである状況において、前記第2取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるように、当該報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H1の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられているとともに、第2始動入球部は非受入状態と受入状態とで切り換えられる構成であるため、遊技球の入球態様に変化が与えられている。この場合に、可変入球手段に対する可変入球制御が行われる状態では、その前まで第2始動入球部の制御モードがいずれのモードであったかに関わらず第1モードに設定される。これにより、可変入球手段に対する可変入球制御が行われる状態において第2始動入球部への入球が高頻度で発生することが抑えられ、これに伴って当該状態における出球率が極端に高くなることが抑えられる。
また、第1始動入球部及び第2始動入球部のそれぞれに対応させて第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段とが設けられており、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が移行判定の対象となった場合よりも第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が移行判定の対象となった場合の方が、遊技者にとって有利な遊技結果が生じ易いように構成されている。したがって、遊技者は第1始動入球部及び第2始動入球部のうち第2始動入球部への入球を期待して遊技を行うものと考えられる。
特に、第2始動入球部は、非受入状態と受入状態とで切り換えられるとともに、制御モードとして第1モードとそれよりも受入状態になり易い第2モードとが設定されており、さらには第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報は、移行判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報よりも優先される。これにより、遊技者にとっては、第2始動入球部の制御モードの状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
また、第2取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報であって移行判定の対象となっていない特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の移行判定結果を確認する遊技だけでなく、少なくとも第2取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には移行判定の対象となる順番が後の特別情報について、移行判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は推測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。
特に、上記のように第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が移行判定の対象となった場合の方が遊技者にとって有利な遊技結果が生じ易く、さらには可変入球手段に対する可変入球制御が行われる状態ではその前まで第2始動入球部の制御モードがいずれのモードであったかに関わらず第1モードに設定される構成である。かかる構成において、第2モードである状況で第2取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が移行情報に対応している旨の内容の特別報知が行われた場合には、当該特別報知を確認した遊技者は、可変入球制御が行われる状態が終了した直後から第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が移行判定の対象となるようにすべく、可変入球制御が行われる状態が開始される前までに第2始動入球部への入球を発生させて第2取得情報記憶手段にできる限り多くの特別情報を記憶させておこうとするものと考えられる。つまり、本構成によれば、発射操作を行うという能動的な遊技と、移行判定の結果を確認するという受動的な遊技とが相互に関連した斬新な遊技を提供することが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、「所定遊技状態」は1種類の遊技状態に限定されることはなく、所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成も含まれる。所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成においては、「移行情報」も複数種類設定するとともに、「移行判定手段」は所定遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させるか否かの移行判定を行う構成とする。
また、前記遊技領域には、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な抽選契機入球部(スルーゲート25)を備えており、前記受入制御手段は、前記抽選契機入球部への入球が発生したことに基づき前記第2始動入球部を受入状態とするか否かの抽選を行う受入抽選手段を備え、当該受入抽選手段の抽選結果が受入当選となったことに基づき前記第2始動入球部を前記受入状態とするものである構成としてもよい。この場合、可変入球制御が行われる状態が終了した直後に第2モードに設定されるとしても、受入抽選手段の抽選結果が受入当選とならない限り第2始動入球部が受入状態とならない。したがって、可変入球制御が行われる状態が開始される前までに第2始動入球部への入球を発生させて第2取得情報記憶手段にできる限り多くの特別情報を記憶させておくことの遊技者にとっての有利性が高められ、それに伴って、第2モードである状況で第2取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が移行情報に対応している旨の内容の特別報知が行われることの遊技者にとっての有利性が高められる。
特徴I1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口23、下作動口24)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS801〜ステップS813の処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を予め定められた所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口23)と第2始動入球部(下作動口24)とが設けられており、
前記第2始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、それよりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置60のMPU62における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)とを有しているとともに、前記可変入球制御手段により前記可変入球制御が行われる状態では前記第1モードに設定するものであり、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第1規定数を上限として記憶する第1取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第2規定数を上限として記憶する第2取得情報記憶手段(第2結果表示部用保留エリアRb)と、
を備えており、
前記移行判定手段は、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記移行判定を行うものであり、
さらに、前記第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている特別情報よりも早いタイミングで取得された特別情報が前記第1取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して前記移行判定が行われるようにする優先手段(主制御装置60のMPU62におけるデータ設定処理を実行する機能)と、
前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるように、当該報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置100のMPU102における保留予告に対応した停止結果設定処理を実行する機能)と、
前記第2モードである場合、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報について前記特別報知が実行されることを制限する報知実行制限手段(表示制御装置100のMPU102におけるステップS1712の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1の遊技機では、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して移行判定が行われ、当該特別情報が移行情報であると判定されたことに基づいて、遊技状態が所定遊技状態に移行する。
この場合に、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらにそれぞれに対応させて第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段とが設けられている。そして、第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報は、移行判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
また、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されているとともに移行判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の移行判定結果を確認する遊技だけでなく、少なくとも第1取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には移行判定の対象となる順番が後の特別情報について、移行判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は推測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
さらにまた、第2始動入球部が受入状態となり易くなる第2モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が実行されることが制限される。移行判定に際して優先される側である第2始動入球部への入球が発生し易い状況において第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成を想定すると、当該所定の特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該所定の特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記特別報知に係る所定の特別情報が移行判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、特別報知がどの特別情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、一方、それを明確にする上では特別報知の報知態様に制約が生じ得る。これに対して、上記のとおり第2モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が実行されることを制限することで、上記のような不都合の発生を抑えつつ、遊技の注目度を高めることが可能となる。
以上より、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、「所定遊技状態」は1種類の遊技状態に限定されることはなく、所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成も含まれる。所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成においては、「移行情報」も複数種類設定するとともに、「移行判定手段」は所定遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させるか否かの移行判定を行う構成とするとよい。
また、「報知実行制限手段」は、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行を第2モードでは不可とする構成だけでなく、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行を、第1モードである場合に比べ第2モードである場合には低頻度となるようにする構成も含まれる。但し、特別報知の実行を不可とした場合には、第2モードである状況で、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が行われることが確実に規制され、上記特徴I1の作用効果をより顕著なものとすることができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に基づいて前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に基づいて前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、23…第1始動入球部としての上作動口、24…第2始動入球部としての下作動口、31…報知手段としての図柄表示装置、60…主制御装置、62…移行判定手段及び優先手段などの機能を有するMPU、63…ROM、64…RAM、81…発射手段としての遊技球発射機構、100…表示制御装置、102…報知制御手段及び解除手段などの機能を有するMPU、103…プログラムROM、104…ワークRAM、105…VDP、128…計測手段としての保留予告用カウンタエリア、Ra…取得情報記憶手段を構成する第1結果表示部用保留エリア、Rb…取得情報記憶手段を構成する第2結果表示部用保留エリア。