<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aの詳細について図5を用いて説明する。図5(a)は電動役物34aが閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)である場合を示し、図5(b)は電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)である場合を示している。
上作動口33を構成する作動口ケース33aは、手前側に張り出すとともに正面から見て略台形状をなしており、上辺長<下辺長となっている。このとき、作動口ケース33aの上辺長(すなわち上作動口33の左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さとされ、下辺長は、電動役物34aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物34a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース33aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口33,34の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放されることで下作動口34への入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、上記のとおり上作動口33の作動口ケース33aが略台形状をなしておりそれが障害となることから、電動役物34aが十分に開放されるまでは下作動口34への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース33aの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口34に直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には下作動口34への入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口34への入賞が容易となる。
さらにまた、上記のとおり上作動口33と下作動口34とが並設されている、より具体的には上下に並設されているため、電動役物34aが開放状態となった場合には、作動口装置の上方に向けて流下してきた遊技球は、上作動口33及び下作動口34のいずれにも入賞し得る。換言すれば、電動役物34aが開放状態である場合には、後述する発射ハンドル54の操作態様によって、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とを狙い分けることが難しい構成となっている。
なお、上作動口33の作動口ケース33aを上記の如く略台形状とする構成以外にも、上作動口33の作動口ケース33aを上部幅狭、下部幅広の2段構成としたり、上作動口33の左右両側に略ハ字状のガイド片を設けたり、作動口ケース33aの斜め下方に障害釘を植設したりしても良い。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図6のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図7に基づいて説明する。図7は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図7(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図7(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、共通用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM204には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。そして、この保留球格納エリア232に、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図9を用いて説明する。図9に示すように、当否テーブルとしては、図9(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図9(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図9(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図9(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルの内容について図10を用いて説明する。図10に示すように、振分テーブルとしては、図10(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図10(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図10(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持される大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードではそれまでのモードが維持される非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードがそれまでのモードに維持される。つまり、通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果となった場合には、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが低頻度サポートモードに維持される。そうすると、遊技状態として、電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図10(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードはそれまでのモードが維持されるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物34aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、上作動口33と下作動口34とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図7の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<保留球格納エリア232の構成>
次に、保留球格納エリア232の構成を、図11を用いてより詳細に説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。ここで、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1結果表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
C1記憶領域は2バイトで構成されており、0〜599のいずれかの大当たりカウンタC1値が0〜9の下位10ビットを用いて格納されるようになっている。C1記憶領域のうち10〜15の上位6ビットは未使用領域となっている。
C2記憶領域は1バイトで構成されており、0〜29のいずれかの大当たり種別カウンタC2値が0〜4の下位5ビットを用いて格納されるようになっている。C2記憶領域のうち5〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
C3記憶領域は1バイトで構成されており、0〜238のいずれかのリーチ乱数カウンタC3値が0〜7の全8ビットを用いて格納されるようになっている。
保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち上作動口33に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜4のいずれかの値が0〜2の下位3ビットを用いて格納されるようになっている。保留数記憶領域のうち3〜7の上位5ビットは未使用領域となっている。
また、保留球格納エリア232には、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。総保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜8のいずれかの値が0〜3の下位4ビットを用いて格納されるようになっている。総保留数記憶領域のうち4〜7の上位4ビットは未使用領域となっている。
図8に示す実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEは、各結果表示部用保留エリアRa,Rbの1つ分の記憶エリアと同一構成、すなわち、2バイト構成のC1記憶領域と、1バイト構成のC2記憶領域と、1バイト構成のC3記憶領域とにより構成されている。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS104における作動口用の入賞処理及びステップS105におけるスルー用の入賞処理について以下に説明する。
<作動口用の入賞処理>
先ず、作動口用の入賞処理について図13のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S501にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図14のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS301では、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに、後述する保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。これらの処理については、後に詳細に説明する。その後、本情報取得処理を終了する。
なお、ステップS305及びステップS306の処理により設定された保留コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、上作動口33への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第1保留ランプ部45を点灯させるための処理を実行する。第1保留ランプ部45は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第1始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1保留ランプ部45が点灯され、第1始動保留記憶数RaNが4であれば全ての第1保留ランプ部45が点灯されるようになっている。また、下作動口34への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。第2保留ランプ部46は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第2始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第2保留ランプ部46が点灯され、第2始動保留記憶数RbNが4であれば全ての第2保留ランプ部46が点灯されるようになっている。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について図15のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には、ステップS402に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
ステップS401でスルーゲート35に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS402にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球がスルーゲート35に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS403に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS404では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM204の電役保留エリア233の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、第3保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。第3保留ランプ部47は左側から順次点灯されるようになっており、例えば役物保留記憶数SNが1であれば左端の第3保留ランプ部47が点灯され、役物保留記憶数SNが4であれば全ての第3保留ランプ部47が点灯されるようになっている。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S507の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS508,S509のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS503では、払出制御装置97より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS504では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS505では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS506では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部44の表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
続くステップS507では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS508,S509)。つまり、ステップS508では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS509では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS501〜S506の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS504の遊技回制御処理を図17〜図21のフローチャートを参照して説明する。
図17に示す遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS703では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS706では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS709では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS712では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS801にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS802にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図9(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS803にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図9(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS802又はステップS803の処理の後は、ステップS804にて、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS805〜ステップS811において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS805では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS806にて第1結果表示部用の振分テーブル(図10(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS807にて第2結果表示部用の振分テーブル(図10(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS806又はステップS807の処理の後は、ステップS808にて、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS809にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
確変大当たり用の停止結果設定処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS901にて、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。ここで、既に説明したように、第1結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果の複数種類の遊技結果が設定されているが、第2結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、15R確変大当たり結果の1種類のみが設定されている。したがって、今回の遊技回が上作動口33への遊技球の入賞に基づくものであり、第1結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、ステップS901にて否定判定をする場合もあれば、肯定判定をする場合もある。一方、今回の遊技回が下作動口34への遊技球の入賞に基づくものであり、第2結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、ステップS901にて必ず肯定判定をする。
ステップS901にて、否定判定をした場合には、ステップS902にて、上記振り分けた遊技結果が明示2R確変大当たり結果であるか否かを判定する。明示2R確変大当たり結果である場合には、ステップS903にて、停止結果テーブル記憶エリア224における明示2R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS904にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS905にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における明示2R確変フラグ格納エリア(明示高確率対応情報記憶手段)に明示2R確変フラグ(明示高確率対応情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS906にて、停止結果テーブル記憶エリア224における非明示2R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS907にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS908にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における非明示2R確変フラグ格納エリア(非明示高確率対応情報記憶手段)に非明示2R確変フラグ(非明示高確率対応情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS909にて、停止結果テーブル記憶エリア224における15R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS910にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS911にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における15R確変フラグ格納エリア(高確率対応特別情報記憶手段)に15R確変フラグ(高確率対応特別情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
変動開始処理(図19)の説明に戻り、ステップS809の処理を実行した後は、ステップS813に進む。一方、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS808にて否定判定をし、ステップS810に進む。ステップS810では、停止結果テーブル記憶エリア224における通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS811にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における通常大当たりフラグ格納エリア(低確率対応特別情報記憶手段)に通常大当たりフラグ(低確率対応特別情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。その後、ステップS813に進む。
また、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS804にて否定判定をし、ステップS812に進む。ステップS812では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。当該外れ時用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア224における外れ時用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS813に進む。
ステップS813では、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
変動表示時間の設定処理では、先ずステップS1001にて、RAM204の抽選カウンタ用バッファ231における変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶する。
続くステップS1002では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、いずれかの確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1002にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1002にて肯定判定をする。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS1004にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS1002にて否定判定をした場合には、ステップS1005にて変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS1006にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が長くなる又は各保留記憶数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図19)の説明に戻り、ステップS813の後は、ステップS814にて、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS815にて、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS816にて、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。
ステップS815又はステップS816の処理を実行した後は、ステップS817にて種別コマンドを設定する。種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報などが含まれる。
ステップS815〜ステップS817にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、音声ランプ制御装置82では、その受信した変動用コマンド及び種別コマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS818にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図17)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図21)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図12)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS809,ステップS810又はステップS812のいずれかの処理にてRAM204に記憶したアドレス情報を特定し、そのアドレス情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS505の遊技状態移行処理を図22及び図23のフローチャートを参照して説明する。
図22に示す遊技状態移行処理では、先ずステップS1101にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1102に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1103にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1104にて、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS1105では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1106にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS1107にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。
ステップS1106又はステップS1107の処理を実行した後は、ステップS1108にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。ステップS1109の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS1101にて肯定判定をし、ステップS1109にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。なお、開放限度時間及び開放限度個数は、既に説明したように、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとで異なっている。
続くステップS1110では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS1111にてエンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。また、当該エンディングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該エンディングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示を終了させる。
その後、ステップS1112では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1201にて、RAM204に、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS1202にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS1203にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1204にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
続くステップS1205では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
ステップS1201にて、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、ステップS1206にて非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合には、ステップS1207にて、高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定し、高頻度サポートフラグが格納されていない場合には、ステップS1208〜ステップS1210の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、ステップS1208では、上記フラグ消去処理を実行する。また、ステップS1209では、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、高確率モードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
また、ステップS1210では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
一方、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、ステップS1207にて肯定判定をし、ステップS1202〜ステップS1205の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、サポートモードが高頻度サポートモードとなるとともに、当該高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
ステップS1206にて非明示2R確変フラグが格納されていないと判定した場合には、通常大当たりフラグが格納されていることに基づいて今回の開閉実行モードが行われたことを意味する。この場合、ステップS1211〜ステップS1214の処理を実行する。つまり、ステップS1211にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1212にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS1213にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
続くステップS1214では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
ちなみに、ステップS1205又はステップS1214にて設定された高頻度サポートコマンド及びステップS1210にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は高頻度サポートコマンド及び低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、高頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが高頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。また、表示制御装置212では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これらについては、後に詳細に説明する。
遊技状態移行処理(図22)の説明に戻り、ステップS1112の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1113にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。
その後、ステップS1114にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<電役サポート用処理>
次に、ステップS506の電役サポート用処理を図24及び図25のフローチャートを参照して説明する。
図24に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1301にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、下作動口34の電動役物34aを開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1302に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1303に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1304にて、役物用表示部44における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1305にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1306にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1307にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1308にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1309にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2役物タイマエリアT2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1310では、ステップS1309の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1311の処理を実行することなくステップS1312に進み、サポート当選である場合には、ステップS1311にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1312に進む。
ステップS1312では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1312にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS1312にて肯定判定をした場合には、ステップS1313にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされる。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1314にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1315では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1315にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1316にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS1317では、ステップS1316の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1318にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1302にて肯定判定をし、ステップS1319に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、役物用表示部44における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1320にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1321では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1322に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1401にて電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物34aが開放されている場合にはステップS1402に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合にはステップS1403に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
その後、ステップS1404では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1405にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、サポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物34aが開放中でない場合にはステップS1401にて否定判定をし、ステップS1407に進む。ステップS1407では、第2タイマエリアT2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2が「0」である場合には、ステップS1408にて、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS1409にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1410にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1411にて第2タイマエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1412にて第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232の第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて表示制御装置212にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
<保留予告に係る電気的構成について>
先ず、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図26のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242は、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンド、高頻度サポートコマンド及び低頻度サポートコマンドといった遊技状態用コマンド(遊技状態用情報)を受信する。また、シフト時コマンド及び後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。この場合に、上記各種コマンドのうち、シフト時コマンドを除いた各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してプログラムROM253及びワークRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU252は、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。上記固定値データの一部は、プログラムROM253の各エリア311〜315に予め記憶されている。これらのエリア311〜315の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリア321〜329に記憶される。これらのエリア321〜329の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<主制御装置81にて実行される保留予告に係る処理について>
次に、主制御装置81のMPU202にて実行される保留予告に係る処理について説明する。主制御装置81のMPU202における保留予告に係る処理として、上作動口に係る保留予告用の確認処理と、下作動口に係る保留予告用の確認処理と、保留コマンドの設定処理とが設定されている。
<上作動口に係る保留予告用の確認処理>
先ず、上作動口に係る保留予告用の確認処理について説明する。上作動口に係る保留予告用の確認処理は、タイマ割込み処理(図12)の一部の処理として設定された情報取得処理(図14)のステップS305において実行される。この場合に、情報取得処理は上作動口33への入賞が発生した場合に実行されるとともに、下作動口34への入賞が発生した場合にも実行される。上作動口に係る保留予告用の確認処理は、上作動口33への入賞が発生した場合の情報取得処理におけるステップS305において実行される。
図27は、上作動口に係る保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。先ずステップS1501では、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の個数の情報を読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。続くステップS1502では、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1503では、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS1504にて、図9(a)に示す低確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1502にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合には、ステップS1505にて、図9(b)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1502にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1504又はステップS1505の後は、ステップS1506にて、ステップS1502にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1507にて、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1508では、図10(a)に示す第1結果表示部用の振分テーブルを参照して、ステップS1507にて把握した大当たり種別判定用の情報が通常大当たり結果として設定された情報又は15R確変大当たり結果として設定された情報のいずれかに含まれているかを特定する。
その後、ステップS1509では、ステップS1507にて把握した大当たり種別用の情報が15R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定するとともに、ステップS1510では、ステップS1507にて把握した大当たり種別用の情報が通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。
その結果、15R確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS1511にてMPU202のレジスタに確変大当たり情報を記憶する。また、通常大当たり結果に対応している場合には、ステップS1512にてMPU202のレジスタに通常大当たり情報を記憶する。また、15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果のいずれでもない場合、すなわち非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果のいずれかである場合には、ステップS1513にてMPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶する。
ステップS1511、ステップS1512又はステップS1513の処理を実行した後は、ステップS1514に進む。ステップS1514では、ステップS1502にて把握した大当たり判定用の情報が、低確率モード及び高確率モードの両方において大当たり当選となる情報である共通当選情報であるか否かを判定する。ここで、既に説明したように、本パチンコ機10では、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。したがって、上記共通当選情報は、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群と一致し、具体的には、図9(a)に示すように、「7」又は「307」である。
ステップS1514の処理について詳細には、ステップS1502にて把握した大当たり判定用の情報が「7」であるか否かを先ず判定し、「7」である場合にはステップS1514にて肯定判定をする。また、「7」でない場合には、次に「307」であるか否かを判定する。そして、「307」である場合にはステップS1514にて肯定判定をし、「307」でない場合にはステップS1514にて否定判定をする。
ステップS1514にて否定判定をした場合には、そのまま本確認処理を終了する。ステップS1514にて肯定判定をした場合には、ステップS1515にてMPU202のレジスタに共通情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。
一方、ステップS1506にて、ステップS1502において把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応していないと判定した場合には、ステップS1516に進む。ステップS1516では、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1517では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、ステップS1516にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。その後、ステップS1518において、ステップS1516にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1519にてMPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
<下作動口に係る保留予告用の確認処理>
次に、下作動口に係る保留予告用の確認処理について説明する。下作動口に係る保留予告用の確認処理は、下作動口34への入賞が発生した場合の情報取得処理(図14)におけるステップS305において実行される。
図28は、下作動口に係る保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。先ずステップS1601では、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の個数の情報を読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。続くステップS1602では、下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1603では、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS1604にて、図9(a)に示す低確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1602にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合には、ステップS1605にて、図9(b)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1602にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1604又はステップS1605の後は、ステップS1606にて、ステップS1602にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1607にて、下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1608では、図10(b)に示す第2結果表示部用の振分テーブルを参照して、ステップS1607にて把握した大当たり種別判定用の情報が通常大当たり結果として設定された情報又は15R確変大当たり結果として設定された情報のいずれに含まれているかを特定する。その後、ステップS1609では、ステップS1607にて把握した大当たり種別用の情報が通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。通常大当たり結果に対応している場合には、ステップS1610にてMPU202のレジスタに通常大当たり情報を記憶した後に、本確認処理を終了し、確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS1611にてMPU202のレジスタに確変大当たり情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。
一方、ステップS1606にて否定判定をした場合には、ステップS1612に進む。ステップS1612では、下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS1613では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、ステップS1612にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。その後、ステップS1614において、ステップS1612にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1615にて、MPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
<保留コマンドの設定処理>
次に、保留コマンドの設定処理について説明する。保留コマンドの設定処理は、タイマ割込み処理(図12)の一部の処理として設定された情報取得処理(図14)のステップS306において実行される。この場合に、情報取得処理は上作動口33への入賞が発生した場合に実行されるとともに、下作動口34への入賞が発生した場合にも実行されるが、いずれの場合における情報取得処理であっても保留コマンドの設定処理は実行される。
図29は、保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。先ずステップS1701では、MPU202のレジスタに通常大当たり情報又は確変大当たり情報のいずれかが記憶されているか否かを判定する。通常大当たり情報又は確変大当たり情報のいずれかが記憶されている場合には、ステップS1702にて、それが確変大当たり情報であるか否かを判定する。確変大当たり情報である場合には、ステップS1703にて、RAM204に設けられた保留コマンド設定エリアに、確変対応保留コマンドを設定し、通常大当たり情報である場合には、ステップS1704にて、RAM204の保留コマンド設定エリアに、通常対応保留コマンドを設定する。
一方、ステップS1701にて、通常大当たり情報及び確変大当たり情報の両方が記憶されていないと判定した場合には、ステップS1705に進み、MPU202のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定する。リーチ発生情報が記憶されている場合には、ステップS1706にて、RAM204の保留コマンド設定エリアに、リーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されていない場合には、ステップS1707にて、RAM204の保留コマンド設定エリアに、その他対応保留コマンドを設定する。
ステップS1703、ステップS1704、ステップS1706又はステップS1707のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1708にて、保留個数の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の情報や保留コマンドの種別の情報が含まれているとともに、保留個数の情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS1708では、先ず直前の保留予告用の確認処理(図27又は図28)におけるステップS1501又はステップS1601にてMPU202のレジスタに記憶された保留個数の情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける保留個数の情報用のビットに対して、上記読み出した保留個数の情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS1703、ステップS1704、ステップS1706又はステップS1707のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための情報が含まれる。
その後、ステップS1709では、今回が上作動口33への入賞に係る処理回であるか否かを判定し、上作動口33への入賞に係る処理回である場合には、ステップS1710にて、上作動口の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、既に説明したように、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、上作動口33への入賞に係るものであることを示す情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS1710では、既に設定されている保留コマンドにおける入賞対象の情報用のビットに対して、上作動口の情報、すなわち「1」を格納する。なお、当該ビットには初期値として「0」が格納されており、この場合、そのコマンドは下作動口34への入賞に係るものであることを意味する。ステップS1710の処理が実行されることにより、ステップS1703、ステップS1704、ステップS1706又はステップS1707のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドが上作動口33への入賞に係るものであることを特定するための情報が含まれる。
続くステップS1711では、MPU202のレジスタに共通情報が記憶されているか否かを判定する。共通情報が記憶されていない場合には、そのまま本設定処理を終了する。共通情報が記憶されている場合には、ステップS1712にて、共通情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、既に説明したように、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、共通情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS1712では、既に設定されている保留コマンドにおける共通情報用のビットに対して「1」を格納する。なお、当該ビットには初期値として「0」が格納されており、この場合、そのコマンドは共通情報を含まないものであることを意味する。ステップS1712の処理が実行されることにより、ステップS1703、ステップS1704、ステップS1706又はステップS1707のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、共通情報が含まれる。その後、本設定処理を終了する。
一方、今回が上作動口33への入賞に係る処理回でない場合には、ステップS1709にて否定判定をし、そのまま本設定処理を終了する。この場合、ステップS1703、ステップS1704、ステップS1706又はステップS1707のいずれかの処理にて設定された保留コマンドには、その保留コマンドが下作動口34への入賞に係るものであることを特定するための情報が含まれる。また、共通情報は含まれない。
保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは、次回の通常処理(図16)におけるステップS501の外部出力処理により、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。当該処理については後に詳細に説明する。
なお、保留コマンドの設定処理の終了に際して、MPU202のレジスタに記憶されている確変大当たり情報、通常大当たり情報及びリーチ発生情報は消去される。
ちなみに、保留コマンドの設定の仕方は、表示制御装置212において保留コマンドによって、上作動口33への入賞に係るものであるか否か、所定の大当たり結果に対応しているか否か、リーチ発生の有無、上作動口33への入賞に係るものであって所定の大当たり結果に対応している場合にはそれが共通当選情報に対応しているか否か、などを特定することができるのであれば任意である。
例えば、確変対応保留コマンド、通常対応保留コマンド、リーチ対応保留コマンド及びその他対応保留コマンドの組み合わせが、上作動口33及び下作動口34のそれぞれ対して個別に設定されているとともに、各保留個数に対応させて個別に設定されており、さらには上作動口33に対応しているものについては共通当選情報を含むものと含まないものとが個別に設定されている構成とする。そして、保留コマンドの設定処理では、保留予告用の確認処理(図27又は図28)における確認結果に応じて一の保留コマンドを選択する構成としてもよい。
<表示制御装置212にて実行されるコマンド対応処理>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行されるコマンド対応処理を、図30のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信したコマンドは、コマンドを受信した際に起動されるコマンド格納処理によりワークRAM254のコマンド格納エリア321に格納される。コマンド対応処理は、MPU252において定期的に(例えば、2msec周期)起動され、コマンド格納エリア321に格納されているコマンドに対応した各種制御を実行するための処理である。なお、コマンド格納エリア321は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
コマンド対応処理では、先ずステップS1801にて、コマンド格納エリア321に格納されているコマンドであって今回の読み出し対象のコマンドがオープニングコマンドであるか否かを判定する。オープニングコマンドである場合にはステップS1802〜ステップS1804の処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
ステップS1802では、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた開閉実行フラグ格納エリア(開閉特定用情報記憶手段)に開閉実行フラグ(開閉特定用情報)を格納する。当該開閉実行フラグは、開閉実行モード中であることを表示制御装置212のMPU252にて特定するための情報であり、開閉実行モードの開始に際してオープニングコマンドの受信を契機として格納され、開閉実行モードの終了に際してエンディングコマンドの受信を契機として消去される。MPU252では、開閉実行フラグが格納されている場合、図柄表示装置41における表示内容を開閉実行モードに対応したものとするとともに、後述するように保留予告の設定や実行を開閉実行モードに対応したものとする。
続くステップS1803では、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられた第1予告条件成立フラグ格納エリア(第1報知条件成立情報記憶手段)に第1予告条件成立フラグ(第1報知条件成立情報)が格納されている場合には、それを消去する。当該第1予告条件成立フラグは、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について保留予告を行うように設定されている状況であるか否かをMPU252にて特定するための情報であり、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される情報である。
ちなみに、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322には、第1予告条件成立フラグ格納エリアの他に、第2予告条件成立フラグ(第2報知条件成立情報)を格納するための第2予告条件成立フラグ格納エリア(第2報知条件成立情報記憶手段)が設けられている。当該第2予告条件成立フラグは、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について保留予告を行うように設定されている状況であるか否かをMPU252にて特定するための情報であり、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される情報である。
続くステップS1804では、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322から、保留予告の演出内容を決定するために記憶されているフラグを消去する。かかるフラグの詳細については後に説明する。
上記のとおりオープニングコマンドを受信した場合には、格納されている第1予告条件成立フラグを消去するようにしたことにより、上作動口33への入賞に係る保留情報について保留予告を行うように設定されている状況は、開閉実行モードへの移行に際して解消される。これにより、上作動口33への入賞に基づき格納された保留情報についての保留予告が開閉実行モードを跨いで実行されなくなる。
その一方、オープニングコマンドを受信したとしても、第2予告条件成立フラグは消去されない。したがって、下作動口34への入賞に係る保留情報について保留予告を行うように設定されている状況は、開閉実行モードへの移行に際して解消されない。これにより、下作動口34への入賞に基づき格納された保留情報についての保留予告は開閉実行モードを跨いで実行され得る。
今回の読み出し対象のコマンドがオープニングコマンドでない場合には、ステップS1805にて、今回の読み出し対象のコマンドがエンディングコマンドであるか否かを判定する。エンディングコマンドである場合には、ステップS1806にて、ワークRAM254から開閉実行フラグを消去した後に、本コマンド対応処理を終了する。
今回の読み出し対象のコマンドがエンディングコマンドでない場合には、ステップS1807にて、今回の読み出し対象のコマンドが高頻度サポートコマンドであるか否かを判定する。高頻度サポートコマンドである場合には、ステップS1808にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322に設けられたサポートフラグ格納エリア(サポート特定用情報記憶手段)にサポートフラグ(サポート特定用情報)を格納した後に、本コマンド対応処理を終了する。
サポートフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであることを表示制御装置212のMPU252にて特定するための情報であり、高頻度サポートモードへの移行に際して高頻度サポートコマンドの受信を契機として格納され、低頻度サポートモードへの移行に際して低頻度サポートコマンドの受信を契機として消去される。MPU252では、サポートフラグが格納されている場合、後述するように保留予告の設定や実行を高頻度サポートモードに対応したものとする。
今回の読み出し対象のコマンドが高頻度サポートコマンドでない場合には、ステップS1809にて、今回の読み出し対象のコマンドが低頻度サポートコマンドであるか否かを判定する。低頻度サポートコマンドである場合には、ステップS1810にて、ワークRAM254からサポートフラグを消去した後に、本コマンド対応処理を終了する。
今回の読み出し対象のコマンドが低頻度サポートコマンドでない場合には、ステップS1811にて、今回の読み出し対象のコマンドが保留コマンドであるか否かを判定する。保留コマンドである場合には、ステップS1812にて保留コマンド対応処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了し、保留コマンドでない場合には、ステップS1813にて変動表示制御処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
以下、ステップS1812の保留コマンド対応処理及びステップS1813の変動表示制御処理について、詳細に説明する。
<保留コマンド対応処理>
先ず、ステップS1812の保留コマンド対応処理について、図31のフローチャートを参照して説明する。
保留コマンド対応処理では、先ずステップS1901にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドのいずれかであるかを判定する。
確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドのいずれかである場合には、ステップS1902にて、今回受信したコマンドに含まれる保留個数の情報を特定するとともに今回受信したコマンドが上作動口33又は下作動口34のいずれの入賞に係るものであるかを特定する。そして、ワークRAM254に設けられた消去用カウンタエリア323における上作動口33に対応した第1消去用カウンタエリア及び下作動口34に対応した第2消去用カウンタエリアのうち今回受信したコマンドに対応した消去用カウンタエリアに対して、上記特定した保留個数の情報を設定する。
続くステップS1903では、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における第1大当たり保留フラグ格納エリア(第1大当たり保留情報記憶手段)に第1大当たり保留フラグ(第1大当たり保留情報)が格納されているか否かを判定するとともに、各種フラグ格納エリア322における第2大当たり保留フラグ格納エリア(第2大当たり保留情報記憶手段)に第2大当たり保留フラグ(第2大当たり保留情報)が記憶されているか否かを判定する。
ここで、第1大当たり保留フラグとは、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報の中に、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果となる保留情報が含まれている場合に、それを表示制御装置212のMPU252にて特定するための情報である。また、第2大当たり保留フラグとは、主制御装置81の第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている保留情報の中に、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果となる保留情報が含まれている場合に、それを表示制御装置212のMPU252にて特定するための情報である。
また、消去用カウンタエリア323における第1消去用カウンタエリアは、第1大当たり保留フラグを格納した場合にその第1大当たり保留フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該第1消去用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報(すなわち、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報)について新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新され、更新後において第1消去用カウンタエリアに記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、第1大当たり保留フラグの消去処理が実行される。
また、消去用カウンタエリア323における第2消去用カウンタエリアは、第2大当たり保留フラグを格納した場合にその第2大当たり保留フラグを消去するタイミングを特定するための計測手段である。当該第2消去用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報(すなわち、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報)について新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新され、更新後において第2消去用カウンタエリアに記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、第2大当たり保留フラグの消去処理が実行される。
第1大当たり保留フラグ又は第2大当たり保留フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1903にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。一方、第1大当たり保留フラグ及び第2大当たり保留フラグのいずれもが格納されていない場合には、ステップS1904に進む。ステップS1904では、今回受信した保留コマンドが上作動口33又は下作動口34のいずれの入賞に係るものであるかを特定し、上作動口33への入賞に係るものである場合には第1大当たり保留フラグを格納し、下作動口34への入賞に係るものである場合には第2大当たり保留フラグを格納する。
上記のように第1大当たり保留フラグ又は第2大当たり保留フラグが格納されている場合には、確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしてもステップS1903にて肯定判定をし、保留予告を行う上での各種設定を行う大当たり対応設定処理(ステップS1909)を実行しないようにした。これにより、既に主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応した保留情報が記憶されている状況において、上作動口33又は下作動口34への新たな入賞に基づき取得した保留情報が通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応していたとしても、保留予告を行う上での各種設定は行われない。
ステップS1904にて第1大当たり保留フラグ又は第2大当たり保留フラグを格納した後は、ステップS1905にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかの予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS1905にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。つまり、既に上作動口33への入賞に係る保留情報又は下作動口34への入賞に係る保留情報のいずれかについて保留予告を行うように既に設定されている状況においては、新たに確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしても、保留予告を行う上での新たな設定は行われない。
第1予告条件成立フラグ及び第2予告条件成立フラグのいずれもが格納されていない場合には、ステップS1906にて、今回の読み出し対象となった確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドが、上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS1907にて、ワークRAM254に開閉実行フラグが格納されているか否かを判定するとともに、ステップS1908にて、ワークRAM254にサポートフラグが格納されているか否かを判定し、さらにステップS1909にて、今回の読み出し対象となった確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドに共通情報が含まれているか否かを判定する。
その結果、開閉実行フラグが格納されている場合には、ステップS1907にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。また、開閉実行フラグが格納されていない場合であってもサポートフラグが格納されている場合には、ステップS1907にて否定判定をするとともにステップS1908にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。また、開閉実行フラグ及びサポートフラグの両方が格納されていない場合であっても共通情報が含まれていない場合には、ステップS1907及びステップS1908の両方にて否定判定をするとともにステップS1909にて否定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。つまり、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードである場合には、上作動口33及び下作動口34のうち上作動口33への入賞に基づく確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしても、保留予告を行う上での各種設定は行われない。さらには、上作動口33への入賞に基づく確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしても、その保留コマンドの送信に係る保留情報が、低確率モード及び高確率モードの両方において大当たり当選となる共通当選情報に対応していない場合には、保留予告を行う上での各種設定は行われない。
一方、今回の読み出し対象となった確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドが、下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS1910にて大当たり対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。また、今回の読み出し対象となった確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドが、上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ワークRAM254に開閉実行フラグ及びサポートフラグの両方が格納されていない場合であって、係る保留コマンドに共通情報が含まれている場合に、ステップS1910にて大当たり対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、大当たり対応設定処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
大当たり対応設定処理では、先ずステップS2001にて、予告条件成立抽選処理を実行する。予告条件成立抽選処理では、ワークRAM254の成立抽選用カウンタエリア324から予告条件成立抽選用のカウンタ値(数値情報)を読み出す。ここで、成立抽選用カウンタエリア324は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、コマンド対応処理(図30)が起動される度に、すなわち約2msec周期で1インクリメントされる構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、予告条件成立抽選処理では、プログラムROM253の成立抽選用テーブル記憶エリア(成立抽選用情報群記憶手段)311に記憶されている成立抽選用テーブル(成立抽選用情報群)を参照して、上記読み出した予告条件成立抽選用のカウンタ値が予告条件成立当選に対応しているか否かを判定する。予告条件成立当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、大当たり対応設定処理の場合に7/10の確率で予告条件成立当選となるように成立抽選用テーブルが設定されている。
続くステップS2002では、上記ステップS2001における抽選処理の結果が、予告条件成立当選か否かを判定する。予告条件成立当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。予告条件成立当選である場合には、ステップS2003に進む。
ステップS2003では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが通常対応保留コマンドであるか否かを判定する。通常対応保留コマンドである場合には、ステップS2004にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における通常大当たり予告フラグ格納エリア(通常大当たり予告情報記憶手段)に通常大当たり予告フラグ(通常大当たり予告情報)を格納し、確変対応保留コマンドである場合には、ステップS2005にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における確変大当たり予告フラグ格納エリア(確変大当たり予告情報記憶手段)に確変大当たり予告フラグ(確変大当たり予告情報)を格納する。
通常大当たり予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において(すなわち、保留予告の実行が許可された状態である場合において)、当該条件成立の契機となった保留情報が通常大当たり結果に対応していることをMPU252にて特定するための情報である。そして、当該フラグは、通常大当たり結果に対応した保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
また、確変大当たり予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において(すなわち、保留予告の実行が許可された状態である場合において)、当該条件成立の契機となった保留情報が15R確変大当たり結果に対応していることをMPU252にて特定するための情報である。そして、当該フラグは、15R確変大当たり結果に対応した保留情報について保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
ステップS2004又はステップS2005の処理を実行した後は、ステップS2006にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS2007にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグを格納する。続くステップS2008では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報を、ワークRAM254に設けられた保留予告用カウンタエリア325における上作動口33に対応した第1保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、本設定処理を終了する。
第1保留予告用カウンタエリアは、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報を保留予告の実行の契機として設定した場合に、その設定に係る保留情報がいずれの遊技回における保留情報に対応しているかをMPU252にて特定するための計測手段である。当該第1保留予告用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新され、更新後において第1保留予告用カウンタエリアに記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、第1予告条件成立フラグが消去されて、保留予告を行うように設定した状態が解除される。
一方、今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS2009にて、ワークRAM254に第2予告条件成立フラグを格納する。続くステップS2010では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報を、ワークRAM254の保留予告用カウンタエリア325における下作動口34に対応した第2保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、本設定処理を終了する。
第2保留予告用カウンタエリアは、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報を保留予告の実行の契機として設定した場合に、その設定に係る保留情報がいずれの遊技回における保留情報に対応しているかをMPU252にて特定するための計測手段である。当該第2保留予告用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報について新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新され、更新後において第2保留予告用カウンタエリアに記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、第2予告条件成立フラグが消去されて、保留予告を行うように設定した状態が解除される。
保留コマンド対応処理(図31)の説明に戻り、今回の読み出し対象となった保留コマンドが確変対応保留コマンド及び通常対応保留コマンドのいずれでもないと判定した場合には、ステップS1911にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドがリーチ対応保留コマンドであるか否かを判定する。リーチ対応保留コマンドでない場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。
ステップS1911にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドがリーチ対応保留コマンドであると判定した場合には、ステップS1912にて、ワークRAM254に第1大当たり保留フラグ又は第2大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかの大当たり保留フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、既に説明したように、確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信した場合であっても第1大当たり保留フラグ又は第2大当たり保留フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了するようにした。つまり、本パチンコ機10では、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応した保留情報が既に記憶されている状況においては、保留予告を行うように設定されている状況であるか否かに関係なく、上作動口33又は下作動口34への新たな入賞が発生したとしても保留予告を行う上での各種設定は行われない。
ステップS1912にて、第1大当たり保留フラグ及び第2大当たり保留フラグのいずれもが格納されていないと判定した場合には、ステップS1913にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかの予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS1913にて肯定判定をし、そのまま保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、既に説明したように、確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信した場合であっても第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグが格納されている場合には、そのまま本保留コマンド対応処理を終了するようにした。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞に係る保留情報又は下作動口34への入賞に係る保留情報のいずれかについて保留予告を行うための設定がなされている状況においては、上作動口33又は下作動口34への新たな入賞が発生したとしても保留予告を行う上での各種設定は行われない。
第1予告条件成立フラグ及び第2予告条件成立フラグのいずれもが格納されていない場合には、ステップS1914にて、今回の読み出し対象となったリーチ対応保留コマンドが、上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS1915にて、ワークRAM254に開閉実行フラグが格納されているか否かを判定するとともに、ステップS1916にて、ワークRAM254にサポートフラグが格納されているか否かを判定する。
その結果、開閉実行フラグが格納されている場合には、ステップS1915にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。また、開閉実行フラグが格納されていない場合であってもサポートフラグが格納されている場合には、ステップS1915にて否定判定をするとともにステップS1916にて肯定判定をし、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、既に説明したように、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードである場合には、上作動口33及び下作動口34のうち上作動口33への入賞に基づく確変対応保留コマンド又は通常対応保留コマンドを受信したとしても、保留予告を行う上での各種設定は行われない。つまり、本パチンコ機10では、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードである場合には、上作動口33及び下作動口34のうち上作動口33への新たな入賞が発生したとしても保留予告を行う上での各種設定は行われない。
一方、今回の読み出し対象となったリーチ対応保留コマンドが、下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS1917にてリーチ対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。また、今回の読み出し対象となったリーチ対応保留コマンドが、上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ワークRAM254に開閉実行フラグ及びサポートフラグの両方が格納されていない場合に、ステップS1917にてリーチ対応設定処理を実行した後に、本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、リーチ対応設定処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
リーチ対応設定処理では、先ずステップS2101にて、予告条件成立抽選処理を実行する。予告条件成立抽選処理の処理内容は、ステップS2001にて説明した処理内容と同様である。但し、成立抽選用テーブル記憶エリア311に記憶されている成立抽選用テーブルは、予告条件成立当選となる確率が、リーチ対応設定処理の場合の方が大当たり対応設定処理(図32)の場合よりも低くなるように設定されている。かかるリーチ対応設定処理の場合における予告条件成立当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、1/10の確率で予告条件成立当選となるように成立抽選用テーブルが設定されている。
続くステップS2102では、上記ステップS2101における抽選処理の結果が、予告条件成立当選か否かを判定する。予告条件成立当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。予告条件成立当選である場合には、ステップS2103に進む。
ステップS2103では、今回の設定に係る保留予告を実際に行う場合における態様を、予め定められている複数種類の態様のうち、いずれの態様とするかを振り分けるための振分抽選処理を実行する。当該態様としては、通常大当たり結果に対応した保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合に選択され得る通常推測態様と、15R確変大当たり結果に対応した保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合に選択され得る確変推測態様とが設定されている。
振分抽選処理の内容について詳細には、先ずワークRAM254の振分抽選用カウンタエリア326から振分抽選用のカウンタ値(数値情報)を読み出す。当該振分抽選用カウンタエリア326は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、コマンド対応処理(図30)が起動される度に、すなわち約2msec周期で1インクリメントされる構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、振分抽選処理では、プログラムROM253の振分抽選用テーブル記憶エリア(振分抽選用情報群記憶手段)312に記憶されている振分抽選用テーブル(振分抽選用情報群)を参照して、上記読み出した振分抽選用のカウンタ値が上記通常推測態様及び上記確変推測態様のうちいずれに対応しているかを判定する。通常推測態様となる確率及び確変推測態様となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、それぞれ1/2の確率で振り分けられるように振分抽選用テーブルが設定されている。
続くステップS2104では、上記ステップS2103における抽選処理の結果が、通常推測態様であるか否かを判定する。通常推測態様である場合には、ステップS2105にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における通常推測予告フラグ格納エリア(通常推測予告情報記憶手段)に通常推測予告フラグ(通常推測予告情報)を格納する。また、通常推測態様でない場合には、ステップS2106にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における確変推測予告フラグ格納エリア(確変推測予告情報記憶手段)に確変推測予告フラグ(確変推測予告情報)を格納する。
通常推測予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において、保留予告を実際に行う場合における態様を通常推測態様とすべきことをMPU252にて特定するための情報である。そして、当該フラグは、通常推測態様に係る保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる条件の成立の契機となった保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
また、確変推測予告フラグとは、保留予告を実行すべき条件が成立している状況において、保留予告を実際に行う場合における態様を確変推測態様とすべきことをMPU252にて特定するための情報である。そして、当該フラグは、確変推測態様に係る保留予告を実行すべき条件が成立した場合に格納され、かかる条件の契機となった保留情報について保留予告を終了すべき条件が成立した場合に消去される。
ステップS2105又はステップS2106の処理を実行した後は、ステップS2107にて、今回の読み出し対象となった保留コマンドが上作動口33への入賞に基づき送信されたものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS2108にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグを格納する。続くステップS2109では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報を保留予告用カウンタエリア325における第1保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、本設定処理を終了する。
一方、今回の読み出し対象となった保留コマンドが下作動口34への入賞に基づき送信されたものである場合には、ステップS2110にて、ワークRAM254に第2予告条件成立フラグを格納する。続くステップS2111では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報を保留予告用カウンタエリア325における第2保留予告用カウンタエリアに対して設定する。その後、本設定処理を終了する。
ここで、上記のように保留コマンド対応処理が実行されることにより、保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る条件が、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とで異なっている。つまり、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されるためには、その保留情報が、開閉実行モード中ではなく且つ高頻度サポートモードでない状況において取得された保留情報である必要があるのに対して、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報についてはこのような条件は設定されていない。さらには、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応している場合には、それが低確率モード及び高確率モードのいずれにおいても大当たり当選となる共通当選情報に対応している場合にのみ、保留予告の実行の契機として設定されるのに対して、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報についてはこのような条件は設定されていない。以上の構成により、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定される状況と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定される状況とを異ならせることができる。
<変動表示制御処理>
次に、ステップS1813の変動表示制御処理について以下に説明する。変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。また、変動表示制御処理では、保留予告を行うための設定が行われたことに伴って、図柄の変動表示中に保留予告用の画像を表示させる処理を実行する。
図34のフローチャートに示すように、ステップS2201にて、図柄表示装置41にて1遊技回分の図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。1遊技回分の図柄の変動表示が行われていない場合にはステップS2202にて、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS2203にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
一方、1遊技回分の図柄の変動表示が行われている場合には、ステップS2204にて、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合には、ステップS2205にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS2206にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
以下、ステップS2203の変動開始用処理及びステップS2205の変動中用処理について、詳細に説明する。なお、ステップS2206の変動終了用処理では、VDP255に対して最終停止表示コマンドを出力することで、今回の遊技回における停止結果の図柄を最終停止表示させる。
<変動開始用処理>
先ずステップS2203の変動開始用処理について説明する。変動開始用処理は、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、図柄表示装置41における図柄の変動表示を開始させるための処理である。
図35のフローチャートに示すように、ステップS2301にて、今回の読み出し対象となった変動用コマンドから、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は変動用コマンドを送信する場合に種別コマンドも送信する。そこでステップS2301では、今回の読み出し対象となった変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS2301では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU252のレジスタに記憶する。
続くステップS2302では、変動表示パターンの設定処理を実行する。当該変動表示パターンの設定処理では、プログラムROM253における変動表示パターンテーブル記憶エリア(変動表示パターン情報群記憶手段)313に記憶された変動表示パターンテーブル(変動表示パターン情報群)から、ステップS2301にて把握した情報に対応した変動表示パターンを選択し、その選択した変動表示パターンのアドレス情報を、ワークRAM254に設けられたパターン情報アドレスの記憶エリア327に記憶させる。
かかるパターン情報アドレスの記憶エリア327に変動表示パターンのアドレス情報が記憶されることにより、MPU252では当該変動開始用処理とは異なる図示しない内部コマンドの出力処理にて、VDP255に対して内部コマンドを生成し、今回設定された変動表示パターンに対応した図柄の変動表示が行われるように、図柄表示装置41を駆動させる。この場合、内部コマンドの出力処理は所定の周期(例えば、2msec)で繰り返し起動されるものであり、当該内部コマンドの出力処理では、設定された変動表示パターンの情報に応じた内部コマンドを図柄の変動表示の開始からの経過時間に応じて生成し、その生成した内部コマンドをVDP255に出力する。VDP255では、その内部コマンドに応じて画像データをキャラクタROM256から読み出し、その読み出した画像データをビデオRAM257に書き込む。これにより、図柄表示装置41において、今回設定された変動表示パターンに対応した図柄の変動表示が行われる。
なお、変動表示パターンテーブルに記憶されている変動表示パターンの情報には、図柄の変動表示の内容だけでなく、その図柄の変動表示とともに表示される背景画像の情報やリーチ演出が行われる場合におけるリーチ演出の画像の情報も含まれている。したがって、設定されている変動表示パターンに対応した内部コマンドがVDP255に対して出力されることにより、図柄の変動表示とともに背景画像が表示され、さらにはリーチ演出といった各種演出が行われる場合には当該演出画像が表示される。
ステップS2302にて変動表示パターンの設定処理を実行した後は、ステップS2303にて予告演出の設定処理を実行する。ここで、予告演出の設定処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。
予告演出の設定処理では、先ずステップS2401にて、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。第1予告条件成立フラグ及び第2予告条件成立フラグの両方が格納されていない場合には、そのまま本設定処理を終了する。
第1予告条件成立フラグ又は第2予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS2402にて、ワークRAM254に通常大当たり予告フラグ又は確変大当たり予告フラグが格納されているか否かを判定する。通常大当たり予告フラグ又は確変大当たり予告フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS2403にて大当たり対応発生抽選処理を実行し、通常大当たり予告フラグ及び確変大当たり予告フラグの両方が格納されていない場合には、ステップS2404にて外れ対応発生抽選処理を実行する。
これら大当たり対応発生抽選処理及び外れ対応発生抽選処理では、ワークRAM254の発生抽選用カウンタエリア328から発生抽選用のカウンタ値(数値情報)を読み出す。ここで、発生抽選用カウンタエリア328は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、コマンド対応処理(図30)が起動される度に、すなわち約2msec周期で1インクリメントされる構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、各発生抽選処理では、プログラムROM253の発生抽選用テーブル記憶エリア(発生抽選用情報群記憶手段)314に記憶されている発生抽選用テーブル(発生抽選用情報群)を参照して、上記読み出した発生抽選用のカウンタ値が発生当選に対応しているか否かを判定する。
この場合に、発生抽選用テーブルとして、大当たり対応発生抽選処理にて参照されるテーブルと、外れ対応発生抽選処理にて参照されるテーブルとが設定されている。大当たり対応発生抽選処理にて参照される発生抽選用テーブルは、図37(a)に示すように、発生当選となるカウンタ値が「0〜89」に設定されているとともに、外れ結果となるカウンタ値が「90〜99」に設定されている。つまり、9/10の確率で発生当選となるように設定されている。また、発生当選となるカウンタ値のうち「0〜44」は確定当選に対応しており、「45〜89」は非確定当選に対応している。詳細は後に説明するが、確定当選となった場合と非確定当選となった場合とで、保留予告の演出内容が異なっている。
一方、外れ対応発生抽選処理にて参照される発生抽選用テーブルは、図37(b)に示すように、発生当選となるカウンタ値が「0〜49」に設定されているとともに、外れ結果となるカウンタ値が「50〜99」に設定されている。つまり、1/2の確率で発生当選となるように設定されている。また、大当たり対応発生抽選処理にて参照される発生抽選用テーブルでは、発生当選として、確定当選と非確定当選との2パターンが設定されていたが、外れ対応発生抽選処理にて参照される発生抽選用テーブルでは、発生当選として、非確定当選の1パターンのみが設定されている。
ステップS2403又はステップS2404の処理を実行した後は、ステップS2405にて、上記発生抽選処理の結果が発生当選であるか否かを判定する。発生当選でない場合には、そのまま本設定処理を終了する。発生当選である場合には、ステップS2406にて、その発生当選が、確定当選及び非確定当選のうち確定当選であるか否かを判定する。確定当選である場合には、ステップS2407〜ステップS2409の確定当選対応の演出設定処理を実行し、非確定当選である場合には、ステップS2410〜ステップS2412の非確定当選対応の演出設定処理を実行する。
確定当選対応の演出設定処理では、先ずステップS2407にて、ワークRAM254に確変大当たり予告フラグ及び通常大当たり予告フラグのうち、確変大当たり予告フラグが格納されているか否かを判定する。確変大当たり予告フラグが格納されている場合には、ステップS2408にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における確変確定演出フラグ格納エリア(確変確定演出情報記憶手段)に確変確定演出フラグ(確変確定演出情報)を格納した後に、本設定処理を終了する。また、確変大当たり予告フラグが格納されていない場合、すなわち通常大当たり予告フラグが格納されている場合には、ステップS2409にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における通常確定演出フラグ格納エリア(通常確定演出情報記憶手段)に通常確定演出フラグ(通常確定演出情報)を格納した後に、本設定処理を終了する。
確変確定演出フラグは、所定の遊技回において保留予告を行う場合に、その保留予告にて確変確定演出を行う旨をMPU252にて特定するための情報である。確変確定演出とは、保留予告の実行の契機として設定された保留情報に係る遊技回において、15R確変大当たり結果が確実に発生することを遊技者に報知するための演出である。当該確変確定演出フラグは、演出実行対象となった遊技回において当該フラグに対応した演出の設定が行われた場合に消去される。
また、通常確定演出フラグは、所定の遊技回において保留予告を行う場合に、その保留予告にて通常確定演出を行う旨をMPU252にて特定するための情報である。通常確定演出とは、保留予告の実行の契機として設定された保留情報に係る遊技回において、通常大当たり結果が確実に発生することを遊技者に報知するための演出である。当該通常確定演出フラグは、演出実行対象となった遊技回において当該フラグに対応した演出の設定が行われた場合に消去される。
一方、非確定当選対応の演出設定処理では、先ずステップS2410にて、ワークRAM254に確変大当たり予告フラグ、通常大当たり予告フラグ、確変推測予告フラグ及び通常推測予告フラグのうち、確変大当たり予告フラグ又は確変推測予告フラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。
確変大当たり予告フラグ又は確変推測予告フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS2411にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における確変推測演出フラグ格納エリア(確変推測演出情報記憶手段)に確変推測演出フラグ(確変推測演出情報)を格納した後に、本設定処理を終了する。また、確変大当たり予告フラグ及び確変推測予告フラグのいずれもが格納されていない場合、すなわち通常大当たり予告フラグ又は通常推測予告フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS2412にて、ワークRAM254の各種フラグ格納エリア322における通常推測演出フラグ格納エリア(通常推測演出情報記憶手段)に通常推測演出フラグ(通常推測演出情報)を格納した後に、本設定処理を終了する。
確変推測演出フラグは、所定の遊技回において保留予告を行う場合に、その保留予告にて確変推測演出を行う旨をMPU252にて特定するための情報である。確変推測演出とは、保留予告の実行の契機として設定された保留情報に係る遊技回において、15R確変大当たり結果が発生する可能性があることを遊技者に報知するための演出である。当該確変推測演出フラグは、演出実行対象となった遊技回において当該フラグに対応した演出の設定が行われた場合に消去される。
また、通常推測演出フラグは、所定の遊技回において保留予告を行う場合に、その保留予告にて通常推測演出を行う旨をMPU252にて特定するための情報である。通常推測演出とは、保留予告の実行の契機として設定された保留情報に係る遊技回において、通常大当たり結果が発生する可能性があることを遊技者に報知するための演出である。当該通常推測演出フラグは、演出実行対象となった遊技回において当該フラグに対応した演出の設定が行われた場合に消去される。
変動開始用処理(図35)の説明に戻り、ステップS2303にて予告演出の設定処理を実行した後は、ステップS2304にて、今回の読み出し対象となった変動用コマンドが、第1変動用コマンド及び第2変動用コマンドのうち第1変動用コマンドであるか否かを判定する。つまり、今回の読み出し対象となった変動用コマンドが、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbのうち、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が遊技回の開始対象となり、すなわち上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が遊技回の開始対象となり、送信されたものか否かを判定する。
第1変動用コマンドである場合には、ステップS2305にて第1フラグ消去処理を実行した後に、本変動開始用処理を終了し、第2変動用コマンドである場合には、ステップS2306にて第2フラグ消去処理を実行した後に、本変動開始用処理を終了する。
ここで、第1フラグ消去処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。
第1フラグ消去処理では、先ずステップS2501にて、ワークRAM254に第1大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。第1大当たり保留フラグが格納されていない場合には、ステップS2502〜ステップS2504の処理を実行することなくステップS2505に進む。第1大当たり保留フラグが格納されている場合には、ステップS2502にて、消去用カウンタエリア323における第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が1ディクリメントされるように、当該第1消去用カウンタエリアの情報を更新する。
その後、ステップS2503にて第1消去用カウンタエリアの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS2504にて第1大当たり保留フラグを消去した後に、ステップS2505に進み、「0」となっていない場合には、ステップS2504の処理を実行することなくステップS2505に進む。
第1大当たり保留フラグとは、既に説明したように、主制御装置81の第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が含まれている場合に格納されるフラグであり、第1消去用カウンタエリアには第1結果表示部用保留エリアRaに大当たり当選に対応した保留情報が記憶されている場合にその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための情報が記憶される。さらにまた、保留コマンド対応処理(図31)ではステップS1903の処理が実行される前のタイミングでステップS1902の処理を実行するようにしたことにより、第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が複数含まれている場合には、開始対象が後の順番となる大当たり当選に対応した保留情報の順番の情報が第1消去用カウンタエリアに記憶されることとなる。よって、第1消去用カウンタエリアの情報が初期値としての「0」となる場合とは、第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報の中に、大当たり当選に対応した保留情報が含まれていないことを意味し、この場合には第1大当たり保留フラグが消去される。
第1フラグ消去処理において、ステップS2505では、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。第1予告条件成立フラグが格納されていない場合には、そのまま本消去処理を終了する。第1予告条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS2506にて、保留予告用カウンタエリア325における第1保留予告用カウンタエリアに記憶されている値が1ディクリメントされるように、当該第1保留予告用カウンタエリアの情報を更新する。
その後、ステップS2507にて第1保留予告用カウンタエリアの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS2508にて第1予告条件成立フラグを消去するとともに、ステップS2509にて予告初期化処理を実行した後に、本消去処理を終了する。予告初期化処理では、ワークRAM254に通常大当たり予告フラグ、確変大当たり予告フラグ、通常推測予告フラグ又は確変推測予告フラグのいずれかが格納されている場合に、その格納されているフラグを消去する処理である。一方、第1保留予告用カウンタエリアの値が「0」となっていない場合には、ステップS2508及びステップS2509の処理を実行することなく本消去処理を終了する。
第1予告条件成立フラグとは、既に説明したように、第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合に格納されるフラグであり、第1保留予告用カウンタエリアには第1結果表示部用保留エリアRaに保留予告の実行の契機として設定された保留情報が記憶されている場合にその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための情報が記憶される。よって、第1保留予告用カウンタエリアの情報が初期値としての「0」となる場合とは、第1結果表示部用保留エリアRaにおいて保留予告の実行の契機として設定された保留情報が既に遊技回の開始対象となったことを意味し、この場合には第1予告条件成立フラグが消去される。
なお、変動開始用処理(図35)のステップS2306における第2フラグ消去処理では、第1フラグ消去処理と同様の処理を実行する。すなわち、ステップS2501に対応した処理では、第2大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定し、ステップS2502に対応した処理では、消去用カウンタエリア323における第2消去用カウンタエリアを更新する処理を実行し、ステップS2503に対応した処理では、第2消去用カウンタエリアが「0」であるか否かを判定し、ステップS2504に対応した処理では、第2大当たり保留フラグを消去する処理を実行する。また、ステップS2505に対応した処理では、第2予告条件成立フラグが格納されているか否かを判定し、ステップS2506に対応した処理では、保留予告用カウンタエリア325における第2保留予告用カウンタエリアを更新する処理を実行し、ステップS2507に対応した処理では、第2保留予告用カウンタエリアが「0」であるか否かを判定し、ステップS2508に対応した処理では、第2予告条件成立フラグを消去する処理を実行し、ステップS2509に対応した処理では、予告初期化処理と同様の処理を実行する。
ここで、図35に示す変動開始用処理では、既に説明したように、予告演出の設定処理が実行された後に第1フラグ消去処理又は第2フラグ消去処理が実行される。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が保留予告の実行の契機として設定された場合には、当該実行の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に開始対象となった遊技回で保留予告が行われ得るだけでなく、当該実行の契機となった保留情報に係る遊技回においても上記保留予告と連続性を有する演出が実行され得る。この場合、実行の契機となった保留情報に係る遊技回における上記演出は、その遊技回における遊技結果を予測させる遊技回対応予告に相当する。つまり、本パチンコ機10では、保留予告を実行するための構成を利用して、遊技回対応予告を実行することができるとともに、かかる遊技回対応予告を保留予告に対して連続性を有するものとすることができる。
<変動中用処理>
次に、変動表示制御処理(図34)におけるステップS2205の変動中用処理について図39及び図40を参照して説明する。変動中用処理は、図柄の変動表示中に保留予告用の画像を表示させるための処理である。なお、図39は変動中用処理を示すフローチャートであり、図40(a)〜(d)は予告演出の内容を説明するための説明図である。
図39のフローチャートに示すように、ステップS2601にて、予告演出の実行タイミングであるか否かを判定する。MPU252では、ワークRAM254に設けられた経過時間計測手段(又は経過期間計測手段)としての経過時間カウンタエリア329を用いて図柄表示装置41における図柄の変動表示の開始からの時間を計測している。詳細には、変動表示が開始された場合に、所定の周期(例えば、2msec)で経過時間カウンタエリア329の加算処理が実行される。なお、遊技回の終了に際して、経過時間カウンタエリア329の情報は初期値としての「0」に初期化される。また、プログラムROM253に設けられた経過時間テーブル記憶エリア315の経過時間テーブルには、予告演出の実行タイミングに対応したカウンタ値が設定されている。なお、当該カウンタ値は、遊技回の途中のタイミングとして設定されている。ステップS2601では、現状の経過時間カウンタエリア329に記憶されている値が、経過時間カウンタエリア329に記憶されている値が、経過時間テーブル記憶エリア315に記憶された値を超えているか否かを判定する。
ステップS2601にて、予告演出の実行タイミングでないと判定した場合には、そのまま本変動中用処理を終了する。一方、予告演出の実行タイミングであると判定した場合には、ステップS2602以降の処理を実行する。
ステップS2602では、ワークRAM254に確変確定演出フラグが格納されているか否かを判定し、確変確定演出フラグが格納されている場合には、ステップS2603にて、確変確定キャラクタを設定した後に、本変動中用処理を終了する。ステップS2603にて確変確定キャラクタが設定されることにより、MPU252における内部コマンドの出力処理では、図柄表示装置41にて確変確定キャラクタの画像が表示されるように、VDP255に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図40(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面では、確変確定キャラクタとして、「確!!」の文字が付されたキャラクタが表示される。なお、ステップS2603の実行に際して、確変確定演出フラグの消去処理が実行される。
確変確定演出フラグが格納されていない場合には、ステップS2604にて、ワークRAM254に通常確定演出フラグが格納されているか否かを判定し、通常確定演出フラグが格納されている場合には、ステップS2605にて、通常確定キャラクタを設定した後に、本変動中用処理を終了する。ステップS2605にて通常確定キャラクタが設定されることにより、MPU252における内部コマンドの出力処理では、図柄表示装置41にて通常確定キャラクタの画像が表示されるように、VDP255に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図40(b)に示すように、図柄表示装置41の表示画面では、通常確定キャラクタとして、「通!!」の文字が付されたキャラクタが表示される。なお、ステップS2605の実行に際して、通常確定演出フラグの消去処理が実行される。
通常確定演出フラグが格納されていない場合には、ステップS2606にて、ワークRAM254に確変推測演出フラグが格納されているか否かを判定し、確変推測演出フラグが格納されている場合には、ステップS2607にて、確変推測キャラクタを設定した後に、本変動中用処理を終了する。ステップS2607にて確変推測キャラクタが設定されることにより、MPU252における内部コマンドの出力処理では、図柄表示装置41にて確変推測キャラクタの画像が表示されるように、VDP255に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図40(c)に示すように、図柄表示装置41の表示画面では、確変推測キャラクタとして、「確?」の文字が付されたキャラクタが表示される。なお、ステップS2607の実行に際して、確変推測演出フラグの消去処理が実行される。
確変推測演出フラグが格納されていない場合には、ステップS2608にて、ワークRAM254に通常推測演出フラグが格納されているか否かを判定し、通常推測演出フラグが格納されていない場合には、そのまま本変動中用処理を終了する。一方、通常推測演出フラグが格納されている場合には、ステップS2609にて、通常推測キャラクタを設定した後に、本変動中用処理を終了する。
ステップS2609にて通常推測キャラクタが設定されることにより、MPU252における内部コマンドの出力処理では、図柄表示装置41にて通常推測キャラクタの画像が表示されるように、VDP255に対して内部コマンドを生成して出力する。これにより、図40(d)に示すように、図柄表示装置41の表示画面では、通常推測キャラクタとして、「通?」の文字が付されたキャラクタが表示される。なお、ステップS2609の実行に際して、通常推測演出フラグの消去処理が実行される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が、上作動口33に対応した第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報よりも優先して当否抽選が行われる。これにより、遊技の状況などに応じて上作動口33への入球を期待して発射操作を行ったり、下作動口34への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
また、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されているとともに当否判定の対象となっていない保留情報又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているとともに当否判定の対象となっていない保留情報に応じた保留予告が、当該保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回において実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、上作動口33及び下作動口34への入賞を発生させる遊技と、当該入賞に基づき取得された保留情報の当否判定結果を当該保留情報に係る遊技回において確認する遊技だけでなく、複数の保留情報が保留記憶されている場合には当否判定の対象となる順番が後の保留情報について、当否判定の対象となった場合の結果を保留予告の内容に応じて予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
さらにまた、図41に示すように、下作動口34への入賞が発生し易くなる高頻度サポートモードである場合には、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されない。当否抽選に際して優先される側である下作動口34への入賞が発生し易い状況において第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報についての保留予告が所定の頻度で行われる構成を想定すると、以下の問題1及び問題2の発生が懸念される。
(問題1)第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が行われたにも関わらず、当該保留情報が当否抽選の対象となるよりも前のタイミングで下作動口34への入賞が継続し、上記保留予告の実行の契機となった保留情報が当否抽選の対象となるタイミングが保留予告の実行タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、保留予告がどの保留情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、その一方、それを明確にする上では保留予告の態様に制約が生じ得る。さらには、下作動口34への入賞が所定回数に亘って継続した場合には、保留予告を一旦中止し、その後に下作動口34への入賞が所定期間に亘って発生しなかった場合には再開させる構成や、下作動口34への入賞が所定回数に亘って継続した場合には、保留予告の態様を変更する構成も考えられるが、この場合、下作動口34への入賞頻度などを監視し、それに応じて保留予告の態様を変更する必要が生じ、処理負荷の増大化が懸念される。
(問題2)高頻度サポートモードにおいて、第1結果表示用保留エリアRaに記憶されている保留情報が15R確変大当たり結果に対応している旨の保留予告が行われた場合、遊技者にとっては、発射ハンドル54の操作を停止して下作動口34への入賞が発生しないようにすることで、その15R確変大当たり結果を即座に発生させた方が有利である。その一方、高頻度サポートモードであって高確率モードにおいて、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が通常大当たり結果に対応している旨の保留予告が行われた場合、遊技者にとっては、下作動口34への入賞が繰り返されて、上記保留予告の実行の契機となった保留情報が当否抽選の対象とならないようにしながら、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報により15R確変大当たり結果を発生させる方が有利である。つまり、高頻度サポートモードにおいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報についての保留予告が所定の頻度で行われると、遊技者にとって有利な結果となるように発射ハンドル54の操作態様を変更することが可能となる。しかしながら、高頻度サポートモードにおける下作動口34への入賞の発生のし易さは、遊技領域における釘38の調整次第で変化させることができ、そうすると、遊技ホール毎に上記発射ハンドル54の操作態様を変更することの効果が異なるものとなり好ましくない。
これに対して、高頻度サポートモードである場合には、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されないようにしたことで、上記問題1及び問題2の発生を抑えつつ、保留予告を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
図41に示すように、高頻度サポートモードであっても、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報について保留予告が実行されるようにした。これにより、高頻度サポートモードであっても保留予告が実行され得るようにすることができ、上記問題1及び問題2の発生を抑えつつ、保留予告を通じた遊技の注目度の向上を高頻度サポートモード中であっても図ることができる。
図41に示すように、高確率モードであって高頻度サポートモードである場合には第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されないようにしたのに対して、高確率モードであって低頻度サポートモードである場合には第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されるようにした。これにより、上記問題1及び問題2の発生を抑えつつ、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行される機会を高めることができる。
図41に示すように、開閉実行モードである場合に、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が保留予告の実行の契機として設定されないようにした。これにより、例えば開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに変更された場合に、その際にワークRAM254に記憶されている第1予告条件成立フラグの消去処理を実行しなくても、開閉実行モードにおいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報についての保留予告が高頻度サポートモード中に実行されないようにすることができる。
図41に示すように、開閉実行モードである場合に、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得るようにした。これにより、例えば開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに変更された場合に、その際にワークRAM254に第2予告条件成立フラグが格納されていれば、開閉実行モードにおいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報についての保留予告を高頻度サポートモードの開始直後から行うことが可能となる。
開閉実行モードに移行する場合、ワークRAM254に第1予告条件成立フラグが記憶されている場合にはそれを消去するようにした。これにより、低頻度サポートモードにおいてワークRAM254に第1予告条件成立フラグが格納されており、その状態で下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否抽選の対象となり、15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果が発生した場合には、上記第1予告条件成立フラグが消去され、開閉実行モードの終了後における高頻度サポートモードにおいて、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されないようにすることができる。
第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が共通当選情報とは異なる当選情報に対応している場合には、当該保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告(すなわち、確変確定キャラクタ又は通常確定キャラクタを用いた保留予告)が実行されないようにするとともに、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が共通当選情報に対応している場合には上記制限が行われない。これにより、例えば、高確率モードであって低頻度サポートモードである状況において、保留予告として、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が15R確変大当たり結果に対応している旨の内容を報知した後に、下作動口34への入賞により取得された保留情報により通常大当たり結果が発生したとしても、上記保留予告に係る保留情報は共通当選情報に対応しているため、その後に、上記保留予告に係る保留情報が当否抽選の対象となることで15R確変大当たり結果が発生することとなる。よって、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が行われた場合に、その保留予告の内容がその後の遊技結果と矛盾するという不都合の発生が抑制される。
特に、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否抽選に際して優先される構成においては、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告を行った後に下作動口34への入賞が発生すると、上記保留予告に係る保留情報よりも先に下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否抽選の対象となる。そうすると、保留予告が行われた後であって当該保留予告に係る保留情報が当否抽選の対象となる前の段階において、当否抽選モードが切り換わってしまうことが起こり易い。これに対して、上記のとおり、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が共通当選情報に対応している場合にのみ、当該保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告が実行されるため、保留予告の内容がその後の遊技結果と矛盾するという不都合の発生が抑制される。
高確率モードにおいて大当たり当選となる複数種類の当選情報に、低確率モードにおいて大当たり当選となる複数種類の当選情報の全てが含まれており、当該低確率モードに係る当選情報の全てが共通当選情報に対応している。これにより、上記効果を奏するようにしながら、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行される機会を高めることができる。
第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報については、それが共通当選情報とは異なる当選情報に対応している場合であっても、当該保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告(すなわち、確変確定キャラクタ又は通常確定キャラクタを用いた保留予告)が実行され得るようにした。これにより、上記効果を奏するようにしながら、保留予告が実行される機会を高めることができる。
特に、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否抽選に際して優先される構成においては、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告を行った後に新たに取得された保留情報が、上記保留予告に係る保留情報よりも先に当否抽選の対象となることはない。したがって、保留予告が行われた後であって当該保留予告に係る保留情報が当否抽選の対象となる前の段階において、当否抽選モードが切り換わってしまうことが起こりにくい。このような事情において、上記のとおり第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が共通当選情報とは異なる当選情報に対応している場合であっても、当該保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告が実行され得るようにしたことにより、保留予告が実行される機会を好適に高めることができる。
当選情報に対応した保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている状況では下作動口34への入賞に基づき新たに保留情報が取得されたとしても、当該保留情報について保留予告を行うように設定されることはない。かかる状況であっても新たに保留予告を行うように設定され得る構成を想定すると、例えば高確率モードにおいて保留予告として第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が当選情報に対応している旨の内容を報知した後に、当該保留情報よりも先に当否抽選の対象となった保留情報の遊技結果に基づき低確率モードに切り換わり、上記保留予告に係る保留情報が当選情報に対応しなくなってしまうおそれがある。これに対して、当選情報に対応した保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている状況では下作動口34への入賞に基づき新たに保留情報が取得されたとしても、当該保留情報について保留予告を行うように設定されることはないため、上記のような事態が発生してしまうことが抑えられる。
主制御装置81から音声ランプ制御装置82に送信される保留コマンドに、大当たり乱数カウンタC1の値の情報や大当たり種別カウンタC2の値の情報が含まれている構成においては、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線(具体的には、複数の信号線の両端に共通のコネクタが設けられたコネクタユニット)を不正に外し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が行われることが想定される。また、かかる不正行為以外にも、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線に対して不正な基板を接続し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が行われることが想定される。このように、大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値が取得されてしまうと、大当たり当選や15R確変大当たり結果となるタイミングで不正に始動入賞させる不正行為又は始動入賞が発生したと誤検知させる不正行為が行われてしまい、遊技ホールに多大な不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値をそのまま送信するのではなく、主制御装置81において特定した結果の情報を送信する構成とすることで、上記不正行為の発生を阻止することが可能となる。
この場合に、保留情報が共通当選情報に対応しているか否かの判定が、主制御装置81において行われる。例えば、当該判定を表示制御装置212にて行う構成においては、当否抽選を行う機能を有さない表示制御装置212にて共通当選情報を予め記憶しておく必要が生じる。これに対して、上記のように主制御装置81において保留情報が共通当選情報に対応しているか否かの判定を行うことで、表示制御装置212にて共通当選情報を予め記憶しておく必要が生じない。よって、主制御装置81と表示制御装置212との協働により保留予告を行うようにした構成において、表示制御装置212において予め記憶しておく情報量の削減が図られる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81のMPU202にて実行される、上作動口に係る保留予告用の確認処理(上記第1の実施形態では、図27)の処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における当該確認処理について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
先ずステップS2701では、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の個数の情報を読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。続くステップS2702では、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS2703では、ステップS2702にて把握した大当たり判定用の情報が、低確率モード及び高確率モードの両方において大当たり当選となる情報である共通当選情報であるか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。したがって、上記共通当選情報は、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群と一致し、具体的には、図9(a)に示すように、「7」又は「307」である。ステップS2703の処理について詳細には、ステップS2702にて把握した大当たり判定用の情報が「7」であるか否かを先ず判定し、「7」である場合にはステップS2703にて肯定判定をする。また、「7」でない場合には、次に「307」であるか否かを判定する。そして、「307」である場合にはステップS2703にて肯定判定をし、「307」でない場合にはステップS2703にて否定判定をする。
ステップS2703にて肯定判定をした場合には、ステップS2704にて、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS2705では、図10(a)に示す第1結果表示部用の振分テーブルを参照して、ステップS2704にて把握した大当たり種別判定用の情報が通常大当たり結果として設定された情報又は15R確変大当たり結果として設定された情報のいずれかに含まれているかを特定する。
その後、ステップS2706では、ステップS2704にて把握した大当たり種別用の情報が15R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定するとともに、ステップS2707では、ステップS2704にて把握した大当たり種別用の情報が通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。その結果、15R確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS2706にて肯定判定をし、ステップS2708にてMPU202のレジスタに確変大当たり情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。また、通常大当たり結果に対応している場合には、ステップS2706にて否定判定をするとともにステップS2707にて肯定判定をし、ステップS2709にてMPU202のレジスタに通常大当たり情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。また、15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果のいずれでもない場合、すなわち非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果のいずれかである場合には、ステップS2706及びステップS2707の両方で否定判定をし、ステップS2710にてMPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。
一方、ステップS2703にて、ステップS2702において把握した大当たり判定用の情報が共通当選情報に対応していないと判定した場合には、ステップS2711に進む。ステップS2711では、上作動口33への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3によって更新された情報から取得した情報を把握する。
続くステップS2712では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、ステップS2711にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。その後、ステップS2713において、ステップS2711にて把握したリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS2714にてMPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、上作動口に係る保留予告用の確認処理の処理構成を上記第1の実施の形態よりも簡素なものとすることができる。これにより、MPU202の処理負荷の軽減が図られる。
但し、本実施の形態では、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報についてはその確認処理(図42)にて共通当選情報であるか否かが判定されることとなる。したがって、当否抽選モードが高確率モードである状況においては、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応したものであったとしても、保留情報がそれらの遊技結果に対応している旨を示す保留コマンドが表示制御装置212に送信されないことが起こり得る。よって、本実施の形態では、第1結果表示部用保留エリアRaに通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応した保留情報が記憶されている状況において、上作動口33又は下作動口34への新たな入賞に基づき取得した保留情報が通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応している場合に、かかる保留情報が保留予告の実行の契機として設定されることがあり得る。
なお、本実施の形態では、表示制御装置212のMPU252における保留コマンド対応処理(図31)にて、ステップS1902〜ステップS1904及びステップS1912の処理を実行しない構成としてもよく、第1フラグ消去処理(図38)にて、ステップS2501〜ステップS2504の処理を実行しない構成としてもよい。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81のMPU202において実行される、上作動口に係る保留予告用の確認処理(上記第2の実施の形態では、図42)の処理構成が上記第2の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における当該確認処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上記第2の実施の形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
先ずステップS2801では、高頻度サポートモード又は開閉実行モードのいずれかであるかを判定する。高頻度サポートモード及び開閉実行モードのいずれでもない場合には、ステップS2802以降の処理を実行する。ここで、ステップS2802〜ステップS2815の各処理は、上記第2の実施の形態におけるステップS2701〜ステップS2714の各処理と同一であるため説明は省略する。
一方、高頻度サポートモード又は開閉実行モードのいずれかである場合には、ステップS2801にて肯定判定をし、そのまま本確認処理を終了する。これにより、高頻度サポートモード又は開閉実行モードである状況で上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得された場合、当該保留情報の取得に対して設定される保留コマンドの種類は、その他対応保留コマンドのみとなる。そして、表示制御装置212のMPU252では、上記第1の実施の形態と同様に、その他対応保留コマンドを受信した場合には、その保留コマンドに係る保留情報を保留予告の実行の契機として設定しない。
以上詳述した本実施の形態によれば、主制御装置81のMPU202から表示制御装置212のMPU252にサポートモードが何れであるかを認識させるための情報や開閉実行モードであるか否かの情報を送信することなく、さらには表示制御装置212のMPU252における保留コマンド対応処理(図31)にて、ステップS1907、ステップS1908、ステップS1915及びステップS1916の処理を実行することなく、高頻度サポートモード中及び開閉実行モード中に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されないようにすることができる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81のMPU202にて実行される保留コマンドの対応処理(上記第1の実施の形態では、図29)の処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における当該対応処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
ステップS2901では、今回が上作動口33への入賞に係る処理回であるか否かを判定し、ステップS2902では、高頻度サポートモード又は開閉実行モードのいずれかであるか否かを判定する。その結果、今回が下作動口34への入賞に係る処理回である場合、又は今回が上作動口33への入賞に係る処理回であって高頻度サポートモード及び開閉実行モードのいずれでもない場合には、ステップS2903以降の処理を実行する。ここで、ステップS2903〜ステップS2914の各処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS1701〜ステップS1712の各処理と同一であるため説明は省略する。
一方、今回が上作動口33への入賞に係る処理回であって、高頻度サポートモード又は開閉実行モードのいずれかである場合には、ステップS2901及びステップS2902の両方にて肯定判定をする。この場合、ステップS2909に進み、MPU202のレジスタに大当たり情報やリーチ発生情報が記憶されているか否かに関係なく、その他対応保留コマンドをサブ側の制御装置への送信対象として設定する。その後、ステップS2910以降の処理を実行した後に、本設定処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、高頻度サポートモード又は開閉実行モードである状況で上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得された場合、当該保留情報の取得に対して設定される保留コマンドの情報は、その他対応保留コマンドのみとなる。そして、表示制御装置212のMPU252では、上記第1の実施の形態と同様に、その他対応保留コマンドを受信した場合には、その保留コマンドに係る保留情報を保留予告の実行の契機として設定しない。よって、主制御装置81のMPU202から表示制御装置212のMPU252にサポートモードが何れであるかを認識させるための情報や開閉実行モードであるか否かの情報を送信することなく、さらには表示制御装置212のMPU252における保留コマンド対応処理(図31)にて、ステップS1907、ステップS1908、ステップS1915及びステップS1916の処理を実行することなく、高頻度サポートモード中及び開閉実行モード中に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されないようにすることができる。
<第5の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、保留予告の実行の契機として設定されている保留情報に係る遊技回よりも先に開始対象となった遊技回の途中で保留予告用のキャラクタを表示することにより保留予告を行う構成としたが、本実施の形態では、かかる保留予告の演出内容が上記第1の実施の形態と異なっている。以下に、本実施の形態において上記第1の実施の形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
図45は、本実施の形態における音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成を説明するためのブロック図である。
音声ランプ制御装置82の音声ランプ制御基板241には、上記第1の実施の形態と同様に、ROM243及びRAM244を内蔵したMPU242が搭載されている。ROM243には、表示制御装置212に出力するための各種コマンドが記憶されたコマンド情報記憶エリア331と、保留予告を実行するか否かを抽選する上で参照される発生抽選用テーブル記憶エリア332と、が設定されている。また、RAM244には、各保留ランプ部45〜47の発光制御を行う上で用いられる保留カウンタエリア333と、上記保留予告を実行するか否かを抽選する上での抽選用取得情報を生成するための発生抽選用カウンタエリア334と、が設定されている。
表示制御装置212の表示制御基板251には、上記第1の実施の形態と同様に、プログラムROM253及びワークRAM254を内蔵したMPU252が搭載されているとともに、VDP255、キャラクタROM256及びビデオRAM257が内蔵されている。本実施の形態におけるワークRAM254には、MPU252において上作動口33の保留個数及び下作動口34の保留個数をカウントするための保留カウンタエリア335が設けられている。
また、ビデオRAM257には、第1保留表示用エリア341と、第2保留表示用エリア342と、が設けられている。
ここで、本実施の形態では、図46に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gにおける左下側に第1保留表示領域Gaが設定されているとともに、右下側に第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
ビデオRAM257の第1保留表示用エリア341には、第1保留表示領域Gaにおける第1〜第4単位保留表示領域Ga1〜Ga4と1対1で対応するように、第1単位エリア342、第2単位エリア343、第3単位エリア344、第4単位エリア345が設定されている。第1保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、各単位エリア342〜345に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア342〜345に対応した単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
また、第2保留表示用エリア351には、第2保留表示領域Gbにおける第1〜第4単位保留表示領域Gb1〜Gb4と1対1で対応するように、第1単位エリア352、第2単位エリア353、第3単位エリア354、第4単位エリア355が設定されている。第1保留表示領域Gbの各単位保留表示領域Gb1〜Gb4では、各単位エリア352〜355に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア352〜355に対応した単位保留表示領域Gb1〜Gb4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
次に、音声ランプ制御装置82のMPU242及び表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告の設定用の処理について以下に説明する。
先ず、音声ランプ制御装置82のMPU242にて実行される増加コマンド用処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。なお、増加コマンド用処理は、主制御装置81から保留コマンドを受信した場合に起動される。
ステップS3001では、今回受信した保留コマンドが、15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果に対応していることを示す大当たり対応保留コマンドであるか否かを判定する。ここで、本実施の形態では、主制御装置81のMPU202は、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得された場合、当該保留情報が低確率モード及び高確率モードのいずれにおいても当選情報となる共通当選情報に対応している場合に大当たり対応保留コマンドを送信する。一方、下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得された場合、当該保留情報が現状の当否抽選モードにおいて設定されている当選情報に対応している場合に大当たり対応保留コマンドを送信する。
大当たり対応保留コマンドである場合には、ステップS3002にて保留予告を実行するか否かの抽選を行うための発生抽選処理を実行する。発生抽選処理では、先ず、RAM244の発生抽選用カウンタエリア334から発生抽選用のカウンタ値を読み出す。ここで、発生抽選用カウンタエリア334は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、例えば2msec周期といった所定の周期で1インクリメントされる構成となっているとともに、最大値に達した後0に初期化される構成となっている。そして、発生抽選処理では、ROM243の発生抽選用テーブル記憶エリア332に記憶されている発生抽選用テーブルを参照して、上記読み出した発生抽選用のカウンタ値が発生当選に対応しているか否かを判定する。発生当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、2/3の確率で発生当選となるように発生抽選用テーブルが設定されている。
続くステップS3003では、上記発生抽選処理の結果が発生当選であるか否かを判定する。発生当選である場合には、ステップS3004にてMPU242のレジスタに当選情報を記憶する。その後、ステップS3005に進む。
一方、今回受信した保留コマンドが大当たり対応保留コマンドではなくステップS3001にて否定判定をした場合、又はステップS3002における発生抽選処理の結果が非当選でありステップS3003にて否定判定をした場合には、ステップS3004にて当選情報を記憶することなく、ステップS3005に進む。
ステップS3005では、今回受信した保留コマンドが上作動口33への入賞に係るものであるか否かを判定する。上作動口33への入賞に係るものである場合には、ステップS3006にて、RAM244の保留カウンタエリア335に保留記憶されている音声側第1保留記憶数IaN1を1インクリメントする。当該音声側第1保留記憶数IaN1は第1保留ランプ部45に対応しており、音声側第1保留記憶数IaN1に応じて第1保留ランプ部45が点灯制御される。
続くステップS3007では、MPU242のレジスタに当選情報が記憶されているか否かを判定する。当選情報が記憶されている場合には、ステップS3008にて、ROM243のコマンド情報記憶エリア331から上側報知用増加コマンドを読み出し、その読み出した上側報知用増加コマンドを表示制御装置212に送信した後に、本増加コマンド用処理を終了する。当選情報が記憶されていない場合には、ステップS3009にて、コマンド情報記憶エリア331から上側非報知用増加コマンドを読み出し、その読み出した上側非報知用増加コマンドを表示制御装置212に送信した後に、本増加コマンド用処理を終了する。
一方、今回受信した保留コマンドが下作動口34への入賞に係るものである場合には、ステップS3010にて、RAM244の保留カウンタエリア335に保留記憶されている音声側第2保留記憶数IbN1を1インクリメントする。当該音声側第2保留記憶数IbN1は第2保留ランプ部46に対応しており、音声側第2保留記憶数IbN1に応じて第2保留ランプ部46が点灯制御される。
続くステップS3011では、MPU242のレジスタに当選情報が記憶されているか否かを判定する。当選情報が記憶されている場合には、ステップS3012にて、コマンド情報記憶エリア331から下側報知用増加コマンドを読み出し、その読み出した下側報知用増加コマンドを表示制御装置212に送信した後に、本増加コマンド用処理を終了する。当選情報が記憶されていない場合には、ステップS3013にて、コマンド情報記憶エリア331から下側非報知用増加コマンドを読み出し、その読み出した下側非報知用増加コマンドを表示制御装置212に送信した後に、本増加コマンド用処理を終了する。
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
ステップS3101では、音声ランプ制御装置82からいずれかの増加コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれかの増加コマンドを受信している場合には、ステップS3102にて、上作動口33への入賞に係る増加コマンドである上側報知用増加コマンド又は上側非報知用増加コマンドのいずれかであるか否かを判定する。
上作動口33への入賞に係る増加コマンドである場合には、第1保留表示領域Gaへの保留表示の設定処理として、ステップS3103〜ステップS3108の処理を実行する。つまり、ステップS3103にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア335に保留記憶されている表示側第1保留記憶数IaN2を1インクリメントする。当該表示側第1保留記憶数IaN2は、ビデオRAM257の第1保留表示用エリア341に対応しており、増加コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、第1保留表示用エリア341における表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位エリア342〜345に対して保留表示情報の設定が行われる。
その後、ステップS3104にて、ワークRAM254に開閉実行フラグが格納されているか否かを判定するとともに、ステップS3105にて、ワークRAM254にサポートフラグが格納されているか否かを判定する。開閉実行フラグは、上記第1の実施の形態と同様に、開閉実行モードが開始される場合に格納され、開閉実行モードが終了される場合に消去される。また、サポートフラグは、上記第1の実施の形態と同様に、高頻度サポートモードが開始される場合に格納され、低頻度サポートモードに移行する場合に消去される。
開閉実行フラグ及びサポートフラグの両方が格納されていない場合には、ステップS3106に進む。ステップS3106では、今回受信した増加コマンドが上側報知用増加コマンドであるか否かを判定する。上側報知用増加コマンドである場合には、ステップS3107にて、当たり情報の設定処理を実行する。具体的には、第1保留表示用エリア341における第1単位エリア342〜第4単位エリア345のうち、上記ステップS3103にて1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位エリアに対して当たり情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。例えば、表示側第1保留記憶数IaN2が1であれば、第1単位エリア342に対して当たり情報が格納されるように内部コマンドを出力し、表示側第1保留記憶数IaN2が4であれば、第4単位エリア345に対して当たり情報が格納されるように内部コマンドを出力する。単位エリアに当たり情報が格納されることにより、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「当」の画像が表示される。その後ステップS3113に進む。
また、開閉実行フラグが格納されておりステップS3104にて肯定判定をした場合、サポートフラグが格納されておりステップS3105にて肯定判定をした場合、又はステップS3106において上側報知用増加コマンドでないと判定した場合には、ステップS3108にて、外れ情報の設定処理を実行する。具体的には、第1保留表示用エリア341における第1単位エリア342〜第4単位エリア345のうち、上記ステップS3103にて1インクリメントした表示側第1保留記憶数IaN2に対応した単位エリアに対して外れ情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに外れ情報が格納されることにより、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「●」の画像が表示される。その後ステップS3113に進む。
一方、ステップS3102にて、下作動口34への入賞に係る増加コマンドであると判定した場合には、第2保留表示領域Gbへの保留表示の設定処理として、ステップS3109〜ステップS3112の処理を実行する。つまり、ステップS3109にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア335に保留記憶されている表示側第2保留記憶数IbN2を1インクリメントする。当該表示側第2保留記憶数IbN2は、ビデオRAM257の第2保留表示用エリア351に対応しており、増加コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、第2保留表示用エリア351における表示側第2保留記憶数IbN2に対応した単位エリア352〜355に対して保留表示情報の設定が行われる。
続くステップS3110では、今回受信した増加コマンドが下側報知用増加コマンドであるか否かを判定する。下側報知用増加コマンドである場合には、ステップS3111にて、当たり情報の設定処理を実行する。具体的には、第2保留表示用エリア351における第1単位エリア352〜第4単位エリア355のうち、上記ステップS3109にて1インクリメントした表示側第2保留記憶数IbN2に対応した単位エリアに対して当たり情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに当たり情報が格納されることにより、第2保留表示領域Gbの対応する単位保留表示領域Gb1〜Gb4において「当」の画像が表示される。その後ステップS3113に進む。
また、ステップS3110において下側報知用増加コマンドでないと判定した場合には、ステップS3112にて、外れ情報の設定処理を実行する。具体的には、第2保留表示用エリア351における第1単位エリア352〜第4単位エリア355のうち、上記ステップS3109にて1インクリメントした表示側第2保留記憶数IbN2に対応した単位エリアに対して外れ情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに外れ情報が格納されることにより、第2保留表示領域Gbの対応する単位保留表示領域Gb1〜Gb4において「●」の画像が表示される。その後ステップS3113に進む。
ステップS3101において増加コマンドを受信していないと判定した場合、又はステップS3107〜ステップS3108,ステップS3111〜ステップS3112のいずれかの処理を実行した後は、ステップS3113にて、主制御装置81から送信され音声ランプ制御装置82にて中継されたシフト時コマンドを受信したか否かを判定する。
シフト時コマンドを受信していない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS3114にて、今回受信したシフト時コマンドに上作動口33に対応した情報が含まれているか否かを判定する。上作動口33に対応した情報が含まれている場合にはステップS3115にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア335に保留記憶されている表示側第1保留記憶数IaN2を1ディクリメントする。
続くステップS3116では、第1シフト処理を実行する。当該第1シフト処理は、第1保留表示用エリア341の第1単位エリア342〜第4単位エリア345に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。具体的には、第1単位エリア342の保留表示情報をクリアするとともに、第2単位エリア343→第1単位エリア342、第3単位エリア344→第2単位エリア343、第4単位エリア345→第3単位エリア344といった具合に各単位エリア342〜345内の保留表示情報がシフトされる。その後、本保留予告制御処理を終了する。
一方、今回受信したシフト時コマンドに上作動口33に対応した情報が含まれていない場合には、ステップS3114にて否定判定をし、ステップS3117に進む。ステップS3117では、ワークRAM254の保留カウンタエリア335に保留記憶されている表示側第2保留記憶数IbN2を1減算する。
続くステップS3118では、第2シフト処理を実行する。当該第2シフト処理は、第2保留表示用エリア351の第1単位エリア352〜第4単位エリア355に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1単位エリア352の保留表示情報をクリアするとともに、第2単位エリア353→第1単位エリア352、第3単位エリア354→第2単位エリア353、第4単位エリア355→第3単位エリア354といった具合に各単位エリア352〜355内の保留表示情報がシフトされる。その後、本保留予告制御処理を終了する。
次に、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbにて行われる保留予告の様子について、図49を用いて説明する。
図49(a)は、下作動口34のサポートモードが低頻度サポートモードにおいて、上作動口33への入賞に係る保留情報について第1保留表示領域Gaにて保留予告が行われる場合を示している。この場合、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、大当たり当選となることを把握することができる。このように保留予告が行われることにより、遊技者にとっては、図柄表示装置41にて実行される各遊技回の変動表示だけでなく、第1保留表示領域Gaにも注目することとなる。
図49(b)は、下作動口34のサポートモードが高頻度サポートモードにおいて、下作動口34への入賞に係る保留情報について第2保留表示領域Gbにて保留予告が行われる場合を示している。この場合、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、大当たり当選となることを把握することができる。このように保留予告が行われることにより、遊技者にとっては、図柄表示装置41にて実行される各遊技回の変動表示だけでなく、第2保留表示領域Gbにも注目することとなる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の数が第1保留表示領域Gaにおける表示を通じて教示されるとともに、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数が第2保留表示領域Gbにおける表示を通じて教示される。この場合に、第1保留表示領域Gaにおける各単位保留表示領域Ga1〜Ga4の表示の態様を保留予告用の態様とすることで保留予告が行われるとともに、第2保留表示領域Gbにおける各単位保留表示領域Gb1〜Gb4の表示の態様を保留予告用の態様とすることで保留予告が行われるため、保留予告の実行の契機として設定されている保留情報が遊技回の開始対象となるタイミングを遊技者が明確に把握することができる。
かかる構成において、高頻度サポートモードでは、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されないようにした。これにより、上記第1の実施の形態と同様に、既に説明した問題1及び問題2の発生を抑えつつ、保留予告を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が共通当選情報とは異なる当選情報に対応している場合には、当該保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告が実行されることはなく、その一方、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が共通当選情報に対応している場合には上記制限が行われない。これにより、高確率モードであって低頻度サポートモードである状況において、保留予告として、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応している旨の内容を報知した後に、下作動口34への入賞により取得された保留情報により通常大当たり結果が発生したとしても、上記保留予告に係る保留情報は共通当選情報に対応しているため、その後に、上記保留予告に係る保留情報が当否抽選の対象となった場合には15R確変大当たり結果が発生することとなる。よって、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が行われた場合に、その保留予告の内容がその後の遊技結果と矛盾するという不都合の発生が抑制される。
なお、保留予告の態様は、上記のものに限定されることはなく、例えば、15R確変大当たり結果に対応した保留情報については15R確変大当たり結果であることを示す態様で保留予告用の画像が表示されるとともに、通常大当たり結果に対応した保留情報については通常大当たり結果であることを示す態様で保留予告用の画像が表示される構成としてもよい。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記各実施の形態において、サポートモードが低頻度サポートモードである状況では、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報、すなわち第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が、保留予告の実行の契機として設定されることが制限される構成としてもよい。この場合、上作動口33及び下作動口34のうち上作動口33への入賞が発生し易い低頻度サポートモードでは、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定され、上作動口33及び下作動口34のうち下作動口34への入賞が発生し易い高頻度サポートモードでは、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定される。
(2)上記各実施の形態において、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得された場合には、その保留情報に係る大当たり乱数カウンタC1の値の情報や大当たり種別カウンタC2の値の情報を含む保留コマンドが、音声ランプ制御装置82や表示制御装置212といったサブ側の制御装置に主制御装置81から送信される構成とするとともに、上記第1の実施の形態における保留予告用の確認処理といった先判定手段としての機能をサブ側の制御装置が有する構成としてもよい。
この場合、高頻度サポートモードにおいて上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されないようする上では、高頻度サポートモードにおいては大当たり乱数カウンタC1の値の情報や大当たり種別カウンタC2の値の情報を含む保留コマンドが主制御装置81から送信されないようにする構成としてもよく、上記第1の実施の形態のように、高頻度サポートモードにおいては上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報を保留予告の実行の契機として設定する処理がサブ側の制御装置にて実行されないようにする構成としてもよい。
また、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が共通当選情報とは異なる当選情報である場合に、その保留情報が大当たり当選に対応していることを示す保留予告の実行が制限されるようにする上では、サブ側の制御装置に共通当選情報を予め記憶させておき、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が共通当選情報に対応しているか否かの判定をサブ側の制御装置において行うようにしてもよい。
(3)上記各実施の形態では、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告の設定や実行が、開閉実行モードにおいては行われないようにしたが、これに限定されることはなく、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告の設定や実行が、開閉実行モードにおいて行われ得る構成としてもよい。本構成を上記第5の実施の形態に適用した場合、開閉実行モード中において、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告が実行され得るとともに、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告が実行され得る。
(4)上記各実施の形態では、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告の設定や実行が、高頻度サポートモードでは行われない構成としたが、これに代えて、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報についての保留予告の設定や実行の頻度が、低頻度サポートモードに比べ低くなる構成としてもよい。例えば、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報を保留予告の実行の契機として設定するか否かの抽選を行う場合に、設定当選となる確率が、高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも低く設定されている構成としてもよい。この場合、上記各実施の形態よりも、既に説明した問題1及び問題2の発生を抑制する効果が低減されるものの、上記設定が高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとで同様に行われる構成に比べれば、上記問題1及び問題2の発生を抑制することが可能となる。
(5)上記各実施の形態では、先判定に対応した保留予告用の確認処理(上記第1の実施の形態では、図27及び図28)が、作動口33,34への入賞に基づき取得された情報が保留情報として第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納された後に、実行される構成としたが、これに限定されることはなく、保留予告用の確認処理が、作動口33,34への入賞に基づき情報が取得された後であって当該情報が保留情報として第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納される前に、実行される構成としてもよい。
(6)上記各実施の形態において、第1始動入球部としての上作動口33と、第2始動入球部としての下作動口34とが上下に並設された構成としたが、これに限定されることはなく、両者の位置関係が逆であってもよく、両者が左右に離間されていてもよい。
また、上記各実施の形態では、第1始動入球部と第2始動入球部とを同一態様(同一の回動量)で発射ハンドル54を操作した場合に、第1始動入球部及び第2始動入球部のそれぞれに遊技球が入賞し得るようにこれら第1始動入球部及び第2始動入球部を並設したが、これに限定されることはなく、同一態様で発射ハンドル54を操作したとしても、第1始動入球部及び第2始動入球部のそれぞれに遊技球が入賞しづらいように、第1始動入球部と第2始動入球部との位置関係を設定してもよい。この場合、第1始動入球部への遊技球の入賞を狙った第1発射操作と、第2始動入球部への遊技球の入賞を狙った第2発射操作とが個別に設定され、遊技者にとっては第1始動入球部への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル54を操作することができるとともに、第2始動入球部への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル54を操作することができる。
また、始動入球部の数は2個に限定されることはなく、例えば3個以上であってもよい。
(7)下作動口34を開放状態と閉鎖状態とで切り換える構成としては、電動役物34aによるものに限定されることはなく、下作動口34を遊技盤24から遊技領域に対して出没可能に設け、遊技領域に突出した状態では下作動口34に遊技球が入賞可能となり、遊技領域から没した状態では下作動口34への遊技球の入賞が困難となる構成としてもよい。
(8)上記各実施の形態では、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果に対応した保留情報については、大当たり当選に対応していることを示す保留予告の実行の契機として設定されない構成としたが、これらの大当たり結果に対応した保留情報であっても、大当たり当選に対応していることを示す保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。この場合、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果を含め、大当たり当選に対応した保留情報が保留記憶されている状況では、当該保留情報よりも後に取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されない構成としてもよい。
また、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果を含め大当たり当選に対応した保留情報については、それが共通当選情報である場合に、大当たり当選に対応していることを示す保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。
(9)上記各実施の形態では、既に保留予行の実行の契機として設定されている保留情報が第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納されている場合には、その状況において作動口33,34への入賞に基づき取得された保留情報が新たに保留予告の実行の契機として設定されない構成としたが、これに限定されることはなく、かかる保留情報が新たに保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、低確率モードにおける当選情報の全部が、高確率モードにおける当選情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける当選情報の一部が、高確率モードにおける当選情報に含まれる構成としてもよい。この場合、上記各実施の形態と異なり、低確率モードにおける当選情報の一部が、共通当選情報に相当することとなる。
(11)保留予告を行う態様は、上記第1の実施の形態のように演出キャラクタを用いる態様や、上記第5の実施の形態のように第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbを用いる態様に限定されることはない。例えば、図柄表示装置41において図柄の変動表示が行われた場合の停止結果の態様によって保留予告が行われる構成としてもよい。
この場合、停止結果の態様は任意であるが、例えば、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果における任意の一の停止態様に対応した図柄の組み合わせを構成する図柄が、通常大当たり結果や15R確変大当たり結果における停止態様が停止表示されないようにしながら(すなわち、一の有効ライン上に成立しないようにしながら)、複数の絵柄表示領域としての各図柄列Z1〜Z3のそれぞれにおいて停止表示される態様としてもよい。
また、本構成においては、通常大当たり結果に対応した保留情報が保留予告の実行の契機として設定されている場合には、通常大当たり結果における停止態様に対応した図柄の組み合わせを構成する図柄が、通常大当たり結果における停止態様が停止表示されないようにしながら、各図柄列Z1〜Z3のそれぞれにおいて停止表示される態様とするとともに、15R確変大当たり結果に対応した保留情報が保留予告の実行の契機として設定されている場合には、15R確変大当たり結果における停止態様に対応した図柄の組み合わせを構成する図柄が、15R確変大当たり結果における停止態様が停止表示されないようにしながら、各図柄列Z1〜Z3のそれぞれにおいて停止表示される態様としてもよい。
(12)上記各実施の形態では、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果に対応していない保留情報であっても保留予告の実行の契機として設定され得る構成としたが、これに限定されることはなく、通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応している保留情報以外の保留情報は保留予告の実行の契機として設定されない構成としてもよい。なお、本構成においては、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果に対応していない保留情報に係る遊技回において、所定の確率で、保留予告用に設定されている演出が行われる構成とすることで、保留予告用に設定されている演出が行われた場合にそれが大当たり結果に対応しているものか否かを遊技者に推測させることが可能となる。
(13)上記各実施の形態では、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報については、共通当選情報とは異なる当選情報であっても保留予告の実行の契機として設定され得る構成としたが、これに限定されることはなく、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報であっても、共通当選情報とは異なる当選情報である場合には、保留予告の実行の契機として設定されることが制限される構成としてもよい。この場合、第2結果表示部用保留エリアRbに既に当選情報に対応した保留情報が記憶されている状況において新たに取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る構成としたとしても、高確率モードにおいて保留予告として第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が当選情報に対応している旨の内容を報知した後に、当該保留情報よりも先に当否抽選の対象となった保留情報の遊技結果に基づき低確率モードに切り換わり、上記保留予告に係る保留情報が当選情報に対応しなくなってしまうといった事態の発生が抑えられる。
(14)上記各実施の形態では、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が共通当選情報とは異なる当選情報である場合、当該保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告が行われない構成としたが、これに代えて、保留情報が当選情報に対応していることを示す保留予告が行われる頻度が、共通当選情報とは異なる当選情報に対応している場合には共通当選情報に対応している場合に比べ低くなる構成としてもよい。例えば、大当たり対応発生抽選処理(ステップS2403)を行う場合に、当選情報に対応していることを示す保留予告が行われる確率を、共通当選情報とは異なる当選情報に対応している保留情報の方が共通当選情報に対応している保留情報よりも低く設定されている構成としてもよい。この場合、高確率モードにおいて保留予告として第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が当選情報に対応している旨の内容を報知した後に、当該保留情報よりも先に当否抽選の対象となった保留情報の遊技結果に基づき低確率モードに切り換わり、上記保留予告に係る保留情報が当選情報に対応しなくなってしまうといった事態が、上記第1の実施の形態よりも発生し易くなるが、当選情報に対応している旨の保留予告が共通当選情報に対応している保留情報及び共通当選情報とは異なる当選情報に対応している保留情報のいずれであっても同様に行われる構成に比べれば、上記事態の発生を抑制することが可能となる。
(15)上記第1の実施の形態において、上作動口33に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類と下作動口34に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類とが完全に同一となる構成としてもよく、完全に異なる構成としてもよい。完全に同一となる構成とする場合として具体的には、上作動口33に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類として、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果を設定しない構成としてもよく、下作動口34に係る当否抽選及び振分抽選による大当たり結果の種類として、明示2R確変大当たり結果及び非明示2R確変大当たり結果を設定してもよい。このように完全に同一となる構成とした場合、保留予告用の確認処理を、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報に対して実行する場合と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報に対して実行する場合とで共通のものとすることができる。
また、上記構成において、上作動口33への入賞に基づき払い出される遊技球の数と下作動口34への入賞に基づき払い出される遊技球の数とを同一とすることにより、上作動口33への入賞により遊技者に付与される特典と、下作動口34への入賞により遊技者に付与される特典とが同一となる構成としてもよい。
また、大当たり結果として、開閉実行モードが発生しないまま高確率モードや高頻度サポートモードに移行することとなる大当たり結果を設定してもよい。また、通常遊技状態よりも不利な遊技状態を設定するとともに、当否抽選による当否結果として上記不利な遊技状態となる当否結果を設定してもよい。
(16)上記各実施の形態において、保留個数は、第1結果表示部用保留エリアRaが4個であり、第2結果表示部用保留エリアRbが4個である構成に限定されることはなく、各3個又は各5個以上であってもよく、両保留個数が異なる構成としてもよい。
(17)上記各実施の形態における各時間の計測の方法は任意であり、またカウンタエリアを用いた所定の値のカウントの仕方は加算式であっても減算式であってもよい。また、主制御装置81などにおける停電の監視の仕方も任意である。また、各開閉実行モードにおけるラウンド数も任意である。
また、上記各実施の形態において、可変入賞装置32などへの遊技球の入賞に対する遊技球の付与の構成は遊技球を直接払い出す構成に限定されることはなく、仮想遊技媒体を記憶する機能を有する構成においては、当該仮想遊技媒体を付与する構成としてもよい。
また、上記各実施の形態において、図柄表示装置41が不具備であり、当否抽選などの抽選結果が可動式の装飾部材により教示される構成としてもよい。
また、上記各実施の形態において、下作動口34に設けられた電動役物34aのサポートモードとして、低頻度サポートモードの代わりに、電動役物34aが開放状態とならないサポート不可モードを設定してもよい。また、電動役物34aが閉鎖状態である状況であっても下作動口34への遊技球の入賞が発生し得る構成としてもよい。
(18)上記各実施の形態において、主制御装置81のRAM204に設けられた保留球格納エリア232には、上作動口33用の保留エリアとして第1結果表示部用保留エリアRaと、下作動口34用の保留エリアとして第2結果表示部用保留エリアRbとが設けられていたが、これに代えて、保留情報を格納可能なエリアを上作動口33と下作動口34との総保留個数分備えるとともに、各エリアには、上作動口33及び下作動口34のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアが設定された共通保留エリアを備える構成としてもよい。当該共通保留エリアの各エリアとしては、例えば、各エリアを1バイトなどの記憶領域として構成し、当該記憶領域の所定のビット部分を上作動口33及び下作動口34のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアとして設定する構成が考えられる。この場合であっても、本パチンコ機10は、第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段を備えた構成となる。
(19)上記第1の実施の形態において、上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とで、大当たり乱数カウンタや大当たり種別カウンタについてそれぞれ異なるカウンタを用いる構成としてもよい。
(20)上記第1の実施の形態において、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われている場合に、その図柄の変動表示が、上作動口33への入賞に係るものか、下作動口34への入賞に係るものかを表示するための始動対応表示領域が図柄表示装置41の表示画面において設定される構成としてもよい。この場合、当該始動対応表示領域は、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに1対1で対応させて設定されていてもよく、上作動口33及び下作動口34に対して共通の領域を設定し、当該領域における表示内容により、いずれの作動口への入賞に係るものかを表示する構成としてもよい。
(21)非明示2R確変大当たり結果に対応した開閉実行モードにおいて開閉される可変入賞装置と、15R確変大当たり結果に対応した開閉実行モード及び通常大当たり結果に対応した開閉実行モードにおいて開閉される可変入賞装置とを個別に設ける構成としてもよい。
また、当否抽選モードが高確率モードである場合と低確率モードである場合とで、当否抽選で大当たり当選となった場合に振り分けられる大当たり結果の種別を異ならせてもよい。
(22)上記各実施の形態では、当否抽選モードの高確率モードと低確率モードとの間の移行が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果が発生することを契機として行われる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、高確率モードにおいて予め定められた所定回数の遊技回が消化された場合に低確率モードに移行する構成としてもよい。また、例えば、低確率モードにおいて予め定められた所定回数の遊技回が消化された場合に高確率モードに移行する構成としてもよい。
また、大当たり抽選とは別の抽選契機が成立した場合に当否抽選モードの移行抽選を行い、当該移行抽選において昇格当選となった場合に低確率モードから高確率モードとなり、当該移行抽選において転落当選となった場合に高確率モードから低確率モードとなる構成としてもよい。
(23)保留予告が行われることとなる報知手段は、図柄表示装置41に限定されることはなく、図柄表示装置41とは別に設けられた表示装置の表示画面において保留予告が行われる構成としてもよく、可動式に設けられた装飾部材を所定の予告態様とすることで保留予告が行われる構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで保留予告が行われる構成としてもよく、スピーカ部からの音の出力によって保留予告が行われる構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組み合わせによって保留予告が行われる構成としてもよい。
(24)保留予告を実行する旨の情報が設定された場合(具体的には、予告条件成立フラグが記憶された場合)には、保留予告を実行する旨の設定に係る保留情報についての遊技回が行われるまで、各遊技回において必ず保留予告が行われる構成としてもよい。
(25)上記各実施の形態において、主制御装置81にて保留予告を行うか否かを決定し、保留予告を行う旨の決定がなされた場合にのみ保留コマンドが主制御装置81から送信される構成としてもよい。本構成において、既に保留予告を行うように設定されている状況では新たに保留情報が記憶されたとしても当該保留情報について新たに保留予告を行うための設定が行われないようにする処理を、表示制御装置212ではなく主制御装置81にて行う構成としてもよい。
(26)上記各実施の形態において、大当たり当選に対応した保留情報が保留記憶されている状況では新たに保留情報が記憶されたとしても当該保留情報について保留予告を行うための設定が行われないようにする処理を、表示制御装置212ではなく主制御装置81にて行う構成としてもよい。具体的には、主制御装置81において保留情報に大当たり当選が含まれているか否かを判定するようにし、大当たり当選が含まれている場合には保留コマンドを送信しない構成としてもよい。
(27)上記各実施の形態では、相対的に有利な所定遊技状態として15R確変大当たり結果に対応した状態が設定されており、相対的に不利な所定遊技状態として通常大当たり結果に対応した状態が設定されている構成としたが、これに限定されることはない。例えば、開閉実行モード後の電動役物34aにおいて高頻度サポートモードが継続される遊技回数の違いにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。また、開閉実行モード後の高確率モードが継続される遊技回数の違いにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。また、開閉実行モード後に電動役物34aが高頻度サポートモードになるか否かにより、相対的に有利な所定遊技状態と不利な所定遊技状態とが設定されている構成としてもよい。
(28)上記各実施の形態では、主制御装置81において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43,301における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置81において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置81では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動開始コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。但し、変動時間コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置41において図柄の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとする必要がある。
(29)上記各実施の形態において、高頻度サポートモードにおいては上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されることを制限することで、既に説明した問題1及び問題2の発生を抑えることができることに着目すれば、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が、共通当選情報とは異なる当選情報と対応している場合であっても、当選情報に対応している旨の保留予告が行われことが制限されない構成としてもよい。
また、上記構成であっても、高頻度サポートモードにおいては上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されることを制限することにより、当該制限を行わない構成に比べれば、高確率モードにおいて保留予告として第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が当選情報に対応している旨の内容を報知した後に、当該保留情報よりも先に当否抽選の対象となった保留情報の遊技結果に基づき低確率モードに切り換わり、上記保留予告に係る保留情報が当選情報に対応しなくなってしまうといった事態の発生を抑制することが可能となる。
なお、本構成においては、低確率モードにおける当選情報が高確率モードにおける当選情報に含まれない構成としてもよい。
(30)上記各実施の形態において、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が共通当選情報とは異なる当選情報に対応している場合には、当選情報に対応している旨の保留予告が行われることを制限することにより、高確率モードにおいて保留予告として第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が当選情報に対応している旨の内容を報知した後に、当該保留情報よりも先に当否抽選の対象となった保留情報の遊技結果に基づき低確率モードに切り換わり、上記保留予告に係る保留情報が当選情報に対応しなくなってしまうといった事態の発生を抑制することが可能となることに着目すれば、高頻度サポートモードであっても、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されることが制限されない構成としてもよい。
(31)上記(30)の構成とした場合、下作動口34への入賞に係る保留情報が上作動口33への入賞に係る保留情報よりも当否抽選に際して優先される構成であることは必須ではなく、上作動口33への入賞に係る保留情報が優先される構成としてもよく、上作動口33への入賞であるか下作動口34への入賞であるかに関係なく、入賞順序で当否抽選対象となる構成としてもよい。また、上作動口33と下作動口34とで個別に保留情報が保留記憶される構成に限定されることはなく、いずれの作動口に入賞したとしても、入賞発生元がいずれであるかを識別することなく同一の保留エリアに保留情報が記憶される構成としてもよい。また、単一の作動口のみが設けられている構成としてもよい。
(32)上記(30)の構成とした場合、下作動口34の電動役物34aを不具備として、下作動口34への遊技球の入賞のし易さが、遊技状態に応じて変動しない構成としてもよい。
(33)上記各実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(34)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
(35)上記第1〜第5の実施の形態の特徴的な構成や、上記他の実施の形態の構成を、遊技への注目度を良好に高めることができるという効果が生じるのであれば、任意の組み合わせで相互に適用してもよい。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を予め定められた所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記第2始動入球部を、前記第1始動入球部よりも遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、前記第1始動入球部よりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部を前記非受入状態と前記受入状態とで切り換える切換モードとして、第1切換モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切換モードよりも前記受入状態になり易い第2切換モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第1規定数を上限として記憶する第1取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第2規定数を上限として記憶する第2取得情報記憶手段(第2結果表示部用保留エリアRb)と、
を備えており、
前記移行判定手段は、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記移行判定を行うものであり、
さらに、前記第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている特別情報よりも早いタイミングで取得された特別情報が前記第1取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して前記移行判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるデータ設定処理を実行する機能)と、
前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段(図柄表示装置41)にて実行されるように、当該報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置212のMPU252におけるコマンド対応処理を実行する機能)と、
前記切換モードが前記第2切換モードである場合、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報について前記特別報知が実行されることを制限する報知実行制限手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1908及びステップS1916の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1の遊技機では、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して移行判定が行われ、当該特別情報が移行情報であると判定されたことに基づいて、遊技状態が所定遊技状態に移行する。
この場合に、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらにそれぞれに対応させて第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段とが設けられている。そして、第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報は、移行判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
また、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されているとともに移行判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の移行判定結果を確認する遊技だけでなく、少なくとも第1取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には移行判定の対象となる順番が後の特別情報について、移行判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は推測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
さらにまた、第2始動入球部が受入状態となり易くなる第2切換モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が実行されることが制限される。移行判定に際して優先される側である第2始動入球部への入球が発生し易い状況において第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成を想定すると、当該所定の特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該所定の特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記特別報知に係る所定の特別情報が移行判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、特別報知がどの特別情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、一方、それを明確にする上では特別報知の報知態様に制約が生じ得る。これに対して、上記のとおり第2切換モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が実行されることを制限することで、上記のような不都合の発生を抑えつつ、遊技の注目度を高めることが可能となる。
以上より、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、「所定遊技状態」は1種類の遊技状態に限定されることはなく、所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成も含まれる。所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成においては、「移行情報」も複数種類設定するとともに、「移行判定手段」は所定遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させるか否かの移行判定を行う構成とするとよい。
また、「報知実行制限手段」は、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行を第2切換モードでは不可とする構成だけでなく、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行を、第1切換モードである場合に比べ第2切換モードである場合には低頻度となるようにする構成も含まれる。但し、特別報知の実行を不可とした場合には、切換モードが第2切換モードである状況で、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が行われることが確実に規制され、上記特徴A1の作用効果をより顕著なものとすることができる。
特徴A2.前記報知制御手段は、
前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるように、当該報知手段を制御する第1報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における第1予告条件成立フラグが格納されている状況において予告演出の設定処理及び変動中用処理を実行する機能等)と、
前記第2取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるように、当該報知手段を制御する第2報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における第2予告条件成立フラグが格納されている状況において予告演出の設定処理及び変動中用処理を実行する機能等)と、
を備えており、
前記報知実行制限手段は、前記切換モードが前記第2切換モードである場合には前記第1報知制御手段の制御による前記特別報知の実行を制限するとともに、少なくとも前記第2切換モードである場合には前記第2報知制御手段の制御による前記特別報知の実行を制限しないものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第2切換モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が実行されることが制限される反面、第2取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が実行されることは制限されない。これにより、第2切換モードであっても特別報知が実行され得るようにすることができ、上記特徴A1の効果を奏しながら、特別報知を通じた遊技の注目度の向上を第2切換モード中であっても図ることができる。
特徴A3.前記移行判定手段は、前記移行対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率移行判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS803の処理を実行する機能)と低確率移行判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS802の処理を実行する機能)とを備えており、前記状態移行手段による前記所定遊技状態への遊技状態の移行が行われることに基づき、前記高確率移行判定手段及び前記低確率移行判定手段のうち一方において前記移行判定が行われる状態から他方において前記移行判定が行われる状態への切り換わりが生じる構成であることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
高確率移行判定手段と低確率移行判定手段とが設定されている場合、所定の特別情報が一方の移行判定手段にて移行判定が行われた場合には移行対応結果となるが、他方の移行判定手段にて移行判定が行われた場合には移行対応結果とならない状況が生じ得る。この場合に、第1取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該所定の特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記特別報知に係る所定の特別情報が移行判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうと、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報の移行判定結果に基づき移行判定を行う対象が切り換わり、上記特別報知に係る所定の特別情報が当初は移行対応結果に相当する情報であったが、その後に移行対応結果に相当しない情報となってしまうことが想定される。そうすると、既に実行されている上記特別報知の内容が実際の移行判定結果の内容と一致しないことが生じ得る。また、このような状況が生じた場合には、特別報知の内容を修正する構成も考えられるが、この場合、特別報知の内容を設定しなおす必要が生じ、処理負荷の増大化を招くおそれがある。これに対して、上記特徴A1の構成を備え、第2始動入球部への入球が発生し易くなる第2切換モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が実行されることを制限することで、上記のような不都合の発生を抑えることができる。
特徴A4.遊技状態として、前記切換モードが前記第2切換モードであるとともに、前記高確率移行判定手段により前記移行判定が行われる第1高確率対応状態と、前記切換モードが前記第1切換モードであるとともに、前記高確率移行判定手段により前記移行判定が行われる第2高確率対応状態とが設定されており、
前記報知実行制限手段は、前記第1高確率対応状態である場合、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報について前記特別報知が実行されることを制限するものであり、前記第2高確率対応状態である場合、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報について前記特別報知が実行されることを制限しないものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技状態として、第1高確率対応状態と第2高確率対応状態とが設定されていることにより、遊技の多様化が図られ、遊技への注目度を高めることが可能となる。この場合に、第1取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について特別報知が実行されることが、第1高確率対応状態では制限されるのに対して、第2高確率対応状態では制限されない。これにより、上記特徴A1の作用効果を奏しながら、第1取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について特別報知が実行される機会を高めることができる。
特徴A5.前記切換モードが前記第1切換モードである状況であっても前記第2始動入球部に遊技球が入球し得る構成であり、
遊技状態として、前記高確率移行判定手段により前記移行判定が行われる高確率対応状態と、前記低確率移行判定手段により前記移行判定が行われる低確率対応状態とが設定されており、
前記移行情報として、前記低確率移行判定手段による前記移行判定及び前記高確率移行判定手段による前記移行判定のいずれにおいても前記移行対応結果となる共通移行情報が設定されており、
前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報が前記移行情報に対応していることを示す内容の前記特別報知が実行されることを制限するとともに、当該所定の特別情報が前記共通移行情報に対応している場合には、当該制限を行わない移行情報対応制限手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1909の処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
特徴A5の遊技機では、切換モードが第1切換モードである状況であっても第2始動入球部に遊技球が入球し得る構成であるため、第2始動入球部への入球が発生する頻度が適度なものとなる。
この場合に、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報が当選情報に対応していることを示す特別報知が実行されることが制限されるとともに、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報に対応している場合には当該制限が行われない。これにより、高確率対応状態又は低確率対応状態において、特別報知として、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が移行情報に対応している旨の内容を報知した後に、第2始動入球部への入球により取得された特別情報の移行判定結果に基づき高確率対応状態及び低確率対応状態のうちの一方から他方に遊技状態が切り換わったとしても、上記特別報知に係る特別情報は依然として移行情報に対応しており、上記特別報知の報知内容は依然として正しいものとなる。よって、第1切換モードである状況であっても第2始動入球部に遊技球が入球し得る構成において、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報についての特別報知を良好に行うことができる。
特徴A6.前記低確率移行判定手段において参照される移行情報は複数種類設定されているとともに、前記高確率移行判定手段において参照される移行情報は前記低確率移行判定手段において参照される移行情報よりも多種類となるように設定されており、
前記高確率移行判定手段において参照される移行情報に前記低確率移行判定手段において参照される移行情報の全てが含まれるように設定されていることにより、当該低確率移行判定手段において参照される移行情報の全てが前記共通移行情報に対応していることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、上記特徴A5の効果を奏するようにしながら、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が実行される機会を高めることができる。
特徴A7.前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行情報に対応しているか否かの判定を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先判定手段(主制御装置81のMPU202における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先判定手段により前記所定の特別情報が前記移行情報に対応していると判定されたことに基づき、契機情報を契機情報記憶手段(ワークRAM254)に記憶させる記憶実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2007〜ステップS2008及びステップS2009〜ステップS2010の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記報知制御手段は、前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されている状況において、当該契機情報が記憶される場合に前記先判定手段の判定対象となった特別情報が前記移行情報に対応していることを示す内容の特別報知が、当該特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるようにするものであり、
前記移行情報対応制限手段は、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記共通移行情報とは異なる移行情報であると前記先判定手段により判定された場合には、前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されることを制限し、当該所定の特別情報が前記共通移行情報であると前記先判定手段により判定された場合には、当該制限を行わないものであることを特徴とする特徴A5又はA6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、契機情報記憶手段に契機情報が記憶されることが制限されるため、当該所定の特別情報が移行情報に対応していることを示す内容の特別報知が実行されることを制限することができる。
特徴A8.前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて判定する先判定手段(主制御装置81のMPU202における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先判定手段による判定結果が特定の判定結果であることに基づいて、契機情報を契機情報記憶手段(ワークRAM254)に記憶させる記憶実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2007〜ステップS2008、ステップS2009〜ステップS2010、ステップS2108〜ステップS2109及びステップS2110〜ステップS2111の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記報知制御手段は、前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されている状況において、当該契機情報が記憶される場合に前記先判定手段により判定された情報に対応した特別報知が、当該契機情報が記憶される場合に前記先判定手段の判定対象となり前記特別報知の実行の契機となった特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるようにするものであり、
前記報知実行制限手段は、前記切換モードが前記第2切換モードである場合には、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報を対象として前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されることを制限するものであることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、切換モードが第2切換モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報を契機として、契機情報記憶手段に契機情報が記憶されることが制限されるため、第2切換モードである場合に第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報について特別報知が実行されることを制限することができる。
特徴A9.前記取得情報記憶手段、前記移行判定手段及び前記受入制御手段を少なくとも有する主制御手段(主制御装置81)と、当該主制御手段とは別に設けられ、前記報知制御手段、前記契機情報記憶手段及び前記記憶実行手段を少なくとも有する副制御手段(表示制御装置212)と、を備え、
前記主制御手段は、前記記憶実行手段において前記契機情報を前記契機情報記憶手段に記憶させるか否かを判定する場合に必要な情報を出力する出力手段(主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及びステップS501の処理を実行する機能)を備えており、
さらに、前記主制御手段が前記報知実行制限手段を備えているとともに、
当該報知実行制限手段は、前記切換モードが前記第2切換モードである場合には、前記記憶実行手段において前記契機情報記憶手段に前記契機情報を記憶させることとなり得る情報が前記出力手段から出力されないように制限するものであることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、切換モードが第2切換モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報についての特別報知の実行が、当該切換モードの設定を行う機能を有する主制御手段において制限される。例えば、当該制限を副制御手段にて行う構成においては、切換モードが第1切換モードと第2切換モードとの間で変更される場合に、主制御手段から副制御手段にその旨の情報を出力する必要が生じる。これに対して、上記のように主制御手段において制限を行う構成とすることで、主制御手段から副制御手段に切換モードの情報を出力する必要が生じない。よって、主制御手段と副制御手段との協働により特別報知を行うようにした構成において、主制御手段から副制御手段へ出力される情報量の削減が図られる。
特徴A10.前記取得情報記憶手段、前記移行判定手段、前記受入制御手段及び前記先判定手段を少なくとも有する主制御手段(主制御装置81)と、当該主制御手段とは別に設けられ、前記報知制御手段、前記契機情報記憶手段及び前記記憶実行手段を少なくとも有する副制御手段(表示制御装置212)と、を備え、
前記主制御手段は、前記先判定手段の判定結果の情報を前記副制御手段に出力する先判定結果出力手段(主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及びステップS501の処理を実行する機能)を備えており、
前記記憶実行手段は、前記先判定結果出力手段から出力された情報が、前記先判定手段の判定結果が前記特定の判定結果であることを示す情報であることに基づき、前記契機情報を前記契機情報記憶手段に記憶させるものであり、
さらに、前記主制御手段が前記報知実行制限手段を備えているとともに、
当該報知実行制限手段は、前記切換モードが前記第2切換モードである場合には、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報に対する前記先判定手段の判定結果が前記特定の判定結果となったことを示す情報が前記先判定結果出力手段から出力されないように制限するものであることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A10によれば、主制御手段は、特別報知を行うための制御を副制御手段に実行させる上で、特別情報をそのまま副制御手段に出力するのではなく、当該特別情報が移行判定の対象となった場合における判定結果を特定し、その特定した結果の情報を副制御手段に出力する。したがって、仮に、特別報知を行うための制御を副制御手段に実行させる上で必要な情報が、主制御手段から副制御手段に向けた出力途中などにおいて不正に取得されたとしても、その不正に取得された情報は特別情報そのものではなく、上記特定した結果の情報となる。数値情報を用いて移行判定を行う遊技機においては、現状、更新されている数値情報を不正に取得することで、不正に所定遊技状態に移行させようとする行為が想定される。この場合に、特別情報をそのまま出力する構成においては、当該特別情報が不正に取得された場合には、その取得した特別情報に基づいて、現状、更新されている数値情報が不正に特定されてしまうことが懸念される。これに対して、上記のとおり、特別情報そのものではなく上記特定した結果の情報が出力されるため、上記不正行為が行われる可能性を抑えつつ、既に説明した優れた効果を奏することができる。
この場合に、切換モードが第2切換モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報についての特別報知の実行が、当該切換モードの設定を行う機能を有する主制御手段において制限される。例えば、当該制限を副制御手段にて行う構成においては、切換モードが第1切換モードと第2切換モードとの間で変更される場合に、主制御手段から副制御手段にその旨の情報を出力する必要が生じる。これに対して、上記のように主制御手段において制限を行う構成とすることで、主制御手段から副制御手段に切換モードの情報を出力する必要が生じない。よって、主制御手段と副制御手段との協働により特別報知を行うようにした構成において、主制御手段から副制御手段へ出力される情報量の削減が図られる。
なお、「当該報知実行制限手段は、前記切換モードが前記第2切換モードである場合には、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報に対する前記先判定手段の判定結果が前記特定の判定結果となったことを示す情報が前記先判定結果出力手段から出力されないように制限する」には、「前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報に対する前記先判定手段による判定結果が前記特定の判定結果とならないように制限する」構成も含まれる。
特徴A11.前記先判定手段は、前記切換モードが前記第1切換モードである場合及び前記第2切換モードである場合のいずれであっても前記先判定を行うものであり、
前記報知実行制限手段は、前記切換モードが前記第2切換モードである場合には、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報に対する前記先判定手段による判定結果が前記特定の判定結果となったとしても、そのことを示す情報が前記先判定結果出力手段から出力されないように制限するものであることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、先判定手段による移行判定が第1切換モード及び第2切換モードのいずれであっても同様の態様で行われるようにしながら、上記特徴A10の作用効果を奏することができる。
特徴A12.前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球し易い第1状態と入球し難い第2状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
当該可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り換える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81のMPU202における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に遊技球を付与する付与手段(払出装置96、払出制御装置97)と、
を備え、
前記可変入球制御手段は、前記状態移行手段による前記所定遊技状態への遊技状態の移行が発生する場合、前記可変入球手段における前記第1状態と前記第2状態との切り換え回数が予め定められた回数となるまで前記可変入球制御を行う構成であり、
前記可変入球制御が行われたことに基づいて、前記切換モードが変更される構成であり、
前記報知実行制限手段は、前記可変入球制御手段により前記可変入球制御が行われる状態である場合には、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報を対象として前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されることを制限するものであることを特徴とする特徴A8乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、可変入球制御が行われている状態において、第1取得情報記憶手段に係る特別情報を対象として契機情報が契機情報記憶手段に記憶されることが制限される。これにより、例えば、可変入球制御が行われた後に切換モードが第2切換モードに変更された場合に、その際に契機情報記憶手段に記憶されている契機情報の消去処理を実行しなくても、可変入球制御が行われている状態において第1取得情報記憶手段に記憶された特別情報についての特別報知が第2切換モード中に行われることを制限することができる。
特徴A13.前記先判定手段は、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて判定するとともに、前記第2取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて判定するものであり、
前記記憶実行手段は、前記第1取得情報記憶手段に係る前記所定の特別情報に対する前記先判定手段の判定結果が前記特定の判定結果であることに基づき、前記契機情報として第1契機情報(第1予告条件成立フラグ)を前記契機情報記憶手段に記憶させるとともに、前記第2取得情報記憶手段に係る前記所定の特別情報に対する前記先判定手段の判定結果が前記特定の判定結果であることに基づき、第2契機情報(第2予告条件成立フラグ)を前記契機情報記憶手段に記憶させるものであり、
前記報知制御手段は、
前記契機情報記憶手段に前記第1契機情報が記憶されている状況において、当該第1契機情報が記憶される場合に前記先判定手段により判定された判定結果の情報に対応した特別報知が、当該第1契機情報が記憶される場合に前記先判定手段の判定対象となった特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるようにする第1報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における第1予告条件成立フラグが格納されている状況において予告演出の設定処理及び変動中用処理を実行する機能等)と、
前記契機情報記憶手段に前記第2契機情報が記憶されている状況において、当該第2契機情報が記憶される場合に前記先判定手段により判定された判定結果の情報に対応した特別報知が、当該第2契機情報が記憶される場合に前記先判定手段の判定対象となった特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるようにする第2報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における第2予告条件成立フラグが格納されている状況において予告演出の設定処理及び変動中用処理を実行する機能等)と、
を備えており、
前記報知実行制限手段は、前記可変入球制御手段により前記可変入球制御が行われる状態である場合、前記契機情報記憶手段に前記第1契機情報が記憶されることを制限するとともに、前記第2契機情報が記憶されることを制限しないものであることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、可変入球制御が行われた後に切換モードが第2切換モードに変更された場合に、その際に特別情報記憶手段に第2特別情報が記憶されていれば、可変入球制御が行われている状態において第2取得情報記憶手段に記憶された特別情報についての特別報知を第2切換モードの開始直後から行うことが可能となる。
特徴A14.前記契機情報が記憶されているか否かを判定する契機情報判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1905、ステップS1913の処理を実行する機能)と、
前記契機情報が記憶されていると判定されている間は、前記特別報知の実行の契機となった特別情報よりも後に前記情報取得手段により取得された特別情報が前記特別報知の実行の契機となる情報として設定されないように規制する契機情報規制手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1905にて肯定判定をした後の処理を実行する機能、ステップS1913にて肯定判定をした後の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A8乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、既に特別報知を行うように設定されている状況では新たに特別情報が記憶されたとしても、当該特別情報について新たに特別報知を行うように設定されることはない。これにより、特別報知の実行の契機となる特別情報が第1取得情報記憶手段に重複して記憶されることはなく、特別報知を行う上での契機となる特別情報が明確となる。特別報知の実行の契機となる特別情報が第1取得情報記憶手段に重複して記憶されると、例えば、一方の特別情報に係る特別報知の実行に際して他の特別情報を考慮する必要が生じるため、処理などが煩雑なものとなるおそれがあるが、上記重複が生じないようにすることで、このような事態が生じないようにすることが可能となる。
なお、本特徴A14において限定した構成により上記のような顕著な作用効果を奏する点に鑑みれば、上記特徴A8において「報知実行制限手段」の機能を備えない構成に対して、本特徴A14において限定した構成を適用してもよい。
特徴A15.前記先判定手段は、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて判定するとともに、前記第2取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて判定するものであり、
前記記憶実行手段は、前記第1取得情報記憶手段に係る前記所定の特別情報に対する前記先判定手段の判定結果が前記特定の判定結果であることに基づき、前記契機情報として第1契機情報(第1予告条件成立フラグ)を前記契機情報記憶手段に記憶させるとともに、前記第2取得情報記憶手段に係る前記所定の特別情報に対する前記先判定手段の判定結果が前記特定の判定結果であることに基づき、第2契機情報(第2予告条件成立フラグ)を前記契機情報記憶手段に記憶させるものであり、
前記報知制御手段は、
前記契機情報記憶手段に前記第1契機情報が記憶されている状況において、当該第1契機情報が記憶される場合に前記先判定手段により判定された判定結果の情報に対応した特別報知が、当該第1契機情報が記憶される場合に前記先判定手段の判定対象となった特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるようにする第1報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における第1予告条件成立フラグが格納されている状況において予告演出の設定処理及び変動中用処理を実行する機能等)と、
前記契機情報記憶手段に前記第2契機情報が記憶されている状況において、当該第2契機情報が記憶される場合に前記先判定手段により判定された判定結果の情報に対応した特別報知が、当該第2契機情報が記憶される場合に前記先判定手段の判定対象となった特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるようにする第2報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における第2予告条件成立フラグが格納されている状況において予告演出の設定処理及び変動中用処理を実行する機能等)と、
を備えており、
前記契機情報判定手段は、前記第1契機情報又は前記第2契機情報のいずれかが記憶されているか否かを判定するものであり、
前記契機情報規制手段は、前記第1契機情報又は前記第2契機情報のいずれかが記憶されていると判定されている間は、その記憶されている契機情報が記憶される場合に契機となった特別情報よりも後に前記情報取得手段により取得された特別情報が前記特別報知の実行の契機となる情報として設定されないように規制するものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、第1取得情報記憶手段及び第2取得情報記憶手段の両方を含めて、特別報知の実行の契機となる特別情報が重複して記憶されることはなく、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報が、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報よりも移行判定に際して優先される構成であっても、特別報知を行う上での契機となる特別情報が明確となる。
特徴A16.前記移行情報に対応した特別情報が前記第1取得情報記憶手段又は前記第2取得情報記憶手段に記憶されているか否かを判定する移行情報判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1903、ステップS1912の処理を実行する機能)と、
前記移行情報に対応した特別情報が前記第1得情報記憶手段又は前記第2取得情報記憶手段のいずれかに記憶されていると判定されている間は、当該特別情報が記憶された後に前記情報取得手段により取得された特別情報が前記特別報知の実行の契機となる情報として設定されないように規制する移行情報規制手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1903にて肯定判定をした後の処理を実行する機能、ステップS1912にて肯定判定をした後の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、移行情報に対応した特別情報が第1取得情報記憶手段に記憶されている状況では新たに特別情報が記憶されたとしても、当該特別情報について特別報知を行うように設定されることはない。これにより、特別報知を実行している状況において当該特別報知の実行の契機となっている特別情報とは異なる特別情報で所定遊技状態の移行が発生しづらくなる。
なお、本特徴A16において限定した構成により上記のような顕著な作用効果を奏する点に鑑みれば、上記特徴A1において「報知実行制限手段」の機能を備えない構成に対して、本特徴A16において限定した構成を適用してもよい。
特徴A17.前記報知手段は、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示手段であり、
前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに先立って又は前記移行判定手段により前記移行判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の変動表示が開始され、前記移行判定の判定結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記第1取得情報記憶手段又は前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の変動表示が行われるように前記絵柄表示手段を制限する遊技回制御手段(表示制御装置212のMPU252における変動表示制御処理を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記特別報知の実行の契機として設定されている特別情報よりも前に前記移行判定の対象となった特別情報に係る遊技回の絵柄の変動表示が行われている状況において、前記表示画面の表示態様が特別態様となるようにすることで前記特別報知を行わせるものであることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17の遊技機では、遊技者は、絵柄表示手段における絵柄の変動表示の態様を視認することで、各遊技回の移行判定結果を把握する。この場合に、絵柄の変動表示中における表示画面の表示態様を特別態様とすることで、特別報知が行われる。これにより、遊技者にとっては各遊技回の移行判定結果を把握しようとして絵柄表示手段の表示画面を注目していれば、自ずと特別報知を確認することができ、特別報知が行われたにも関わらず、それが見逃されてしまうことが抑制される。
かかる構成において、移行判定に際して優先される側である第2始動入球部への入球が発生し易い状況において第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成を想定すると、特別報知の実行の契機となっている特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、絵柄の変動表示中に特別態様となる遊技回が多数回に亘って継続されてしまうおそれがある。そうすると、当該特別態様が何を報知しているのか遊技者にとって分かりづらくなってしまうおそれがあり、その一方、それを明確にする上では特別態様の内容に制約が生じ得る。これに対して、上記特徴A1の構成を備え、第2切換モードである場合には第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が実行されることが制限されるため、上記のような不都合の発生を抑えることが可能となる。
特徴A18.前記報知手段は、前記第1規定数に対応した個別表示領域(第1保留表示領域Gaにおける第1〜第4単位保留表示領域Ga1〜Ga4)を備え、これら第1規定数の個別表示領域のうち、前記第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報であって前記移行判定の対象となっていない特別情報の数と対応する数の個別表示領域において個別表示が行われる構成であり、
前記報知制御手段は、前記複数の個別表示領域のうち、前記特別報知の実行の契機として設定されている特別情報に対応した個別表示領域における前記個別表示の態様が特別態様となるようにすることで前記特別報知を行わせるものであることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が個別表示領域における表示を通じて教示される。この場合に、当該個別表示領域における個別表示の態様が特別態様となるようにすることで特別報知が行われるため、特別報知の実行の契機として設定されている特別情報が移行判定の対象となるタイミングを遊技者が明確に把握することができる。
かかる構成において、移行判定に際して優先される側である第2始動入球部への入球が発生し易い状況において第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成を想定すると、特別報知の実行の契機となっている特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、例えば第2始動入球部への入球により取得された特別情報の移行判定結果に基づき、移行判定に際して参照される移行情報の種類が切り換わってしまうことが想定される。そうすると、特別報知の実行の契機となっている特別情報が当初は移行対応結果に相当する情報であったが、その後に移行対応結果に相当しない情報となってしまうことが想定される。この場合、既に実行されている特別態様が実際の移行判定結果の内容と一致しないことが生じ得る。また、このような状況が生じた場合には、特別態様の内容を修正する構成も考えられるが、この場合、特別態様の内容を設定しなおす必要が生じ、処理負荷の増大化を招くおそれがある。これに対して、上記特徴A1の構成を備え、第2切換モードである場合には第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が実行されることが制限されるため、上記のような不都合の発生を抑えることが可能となる。
特徴A19.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を予め定められた所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記第2始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、それよりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第1規定数を上限として記憶する第1取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第2規定数を上限として記憶する第2取得情報記憶手段(第2結果表示部用保留エリアRb)と、
を備えており、
前記移行判定手段は、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記移行判定を行うものであり、
さらに、前記第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている特別情報よりも早いタイミングで取得された特別情報が前記第1取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して前記移行判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるデータ設定処理を実行する機能)と、
前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段(図柄表示装置41)にて実行されるように、当該報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置212のMPU252におけるコマンド対応処理を実行する機能)と、
前記第2モードである場合、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報について前記特別報知が実行されることを制限する報知実行制限手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1908及びステップS1916の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A19の遊技機では、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して移行判定が行われ、当該特別情報が移行情報であると判定されたことに基づいて、遊技状態が所定遊技状態に移行する。
この場合に、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらにそれぞれに対応させて第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段とが設けられている。そして、第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報は、移行判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
また、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されているとともに移行判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の移行判定結果を確認する遊技だけでなく、少なくとも第1取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には移行判定の対象となる順番が後の特別情報について、移行判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は推測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
さらにまた、第2始動入球部が受入状態となり易くなる第2モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が実行されることが制限される。移行判定に際して優先される側である第2始動入球部への入球が発生し易い状況において第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成を想定すると、当該所定の特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該所定の特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記特別報知に係る所定の特別情報が移行判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、特別報知がどの特別情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、一方、それを明確にする上では特別報知の報知態様に制約が生じ得る。これに対して、上記のとおり第2モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が実行されることを制限することで、上記のような不都合の発生を抑えつつ、遊技の注目度を高めることが可能となる。
以上より、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、「所定遊技状態」は1種類の遊技状態に限定されることはなく、所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成も含まれる。所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成においては、「移行情報」も複数種類設定するとともに、「移行判定手段」は所定遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させるか否かの移行判定を行う構成とするとよい。
また、「報知実行制限手段」は、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行を第2モードでは不可とする構成だけでなく、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行を、第1モードである場合に比べ第2モードである場合には低頻度となるようにする構成も含まれる。但し、特別報知の実行を不可とした場合には、第2モードである状況で、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が行われることが確実に規制され、上記特徴A19の作用効果をより顕著なものとすることができる。
また、本特徴A19の構成に対して、上記特徴A2乃至A18のいずれか1にて限定した構成を適用することで、本特徴A19に係る発明はより効果的なものとなる。この場合、「切換モード」を「制御モード」とし、「第1切換モード」を「第1モード」とし、「第2切換モード」を「第2モード」として適用するとよい。
特徴A20.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を予め定められた所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記第2始動入球部を、前記第1始動入球部よりも遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、前記第1始動入球部よりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部を前記非受入状態と前記受入状態とで切り換える切換モードとして、第1切換モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切換モードよりも前記受入状態になり易い第2切換モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第1規定数を上限として記憶する第1取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第2規定数を上限として記憶する第2取得情報記憶手段(第2結果表示部用保留エリアRb)と、
を備えており、
前記移行判定手段は、前記第1取得情報記憶手段又は前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記移行判定を行うものであり、
さらに、前記第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている特別情報よりも早いタイミングで前記情報取得手段により取得された特別情報が前記第1取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して前記移行判定手段による前記移行判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるデータ設定処理を実行する機能)と、
前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて判定する先判定手段(主制御装置81のMPU202における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先判定手段による判定結果が特定の判定結果であることに基づいて、契機情報を契機情報記憶手段に記憶させる記憶実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2007〜ステップS2008、ステップS2009〜ステップS2010、ステップS2108〜ステップS2109及びステップS2110〜ステップS2111の処理を実行する機能)と、
前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されている状況において、当該契機情報が記憶される場合に前記先判定手段により判定された判定結果の情報に対応した特別報知が、当該契機情報が記憶される場合に前記先判定手段の判定対象となり前記特別報知の実行の契機となった特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるように、当該報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置212のMPU252におけるコマンド対応処理を実行する機能)と、
前記切換モードが前記第2切換モードである場合には、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報を対象として前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されることを制限する報知実行制限手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1908及びステップS1916の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A20の遊技機では、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して移行判定が行われ、当該特別情報が移行情報であると判定されたことに基づいて、遊技状態が所定遊技状態に移行する。
この場合に、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらにそれぞれに対応させて第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段とが設けられている。そして、第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報は、移行判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
また、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されているとともに移行判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の移行判定結果を確認する遊技だけでなく、少なくとも第1取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には移行判定の対象となる順番が後の特別情報について、移行判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は推測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
さらにまた、第2始動入球部が受入状態となり易くなる第2切換モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が実行されることが制限される。移行判定に際して優先される側である第2始動入球部への入球が発生し易い状況において第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成を想定すると、当該所定の特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該所定の特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記特別報知に係る所定の特別情報が移行判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、特別報知がどの特別情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、一方、それを明確にする上では特別報知の報知態様に制約が生じ得る。これに対して、上記のとおり第2切換モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が実行されることを制限することで、上記のような不都合の発生を抑えつつ、遊技の注目度を高めることが可能となる。
以上より、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、「所定遊技状態」は1種類の遊技状態に限定されることはなく、所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成も含まれる。所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成においては、「移行情報」も複数種類設定するとともに、「移行判定手段」は所定遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させるか否かの移行判定を行う構成とするとよい。
また、「報知実行制限手段」は、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行を第2切換モードでは不可とする構成だけでなく、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行を、第1切換モードである場合に比べ第2切換モードである場合には低頻度となるようにする構成も含まれる。但し、特別報知の実行を不可とした場合には、切換モードが第2切換モードである状況で、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が行われることが確実に規制され、上記特徴A20の作用効果をより顕著なものとすることができる。
また、本特徴A20の構成に対して、上記特徴A2乃至A18のいずれか1にて限定した構成を適用することで、本特徴A20に係る発明はより効果的なものとなる。
特徴A21.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を予め定められた所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記第2始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、それよりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第1規定数を上限として記憶する第1取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第2規定数を上限として記憶する第2取得情報記憶手段(第2結果表示部用保留エリアRb)と、
を備えており、
前記移行判定手段は、前記第1取得情報記憶手段又は前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記移行判定を行うものであり、
さらに、前記第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている特別情報よりも早いタイミングで前記情報取得手段により取得された特別情報が前記第1取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して前記移行判定手段による前記移行判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるデータ設定処理を実行する機能)と、
前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて判定する先判定手段(主制御装置81のMPU202における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先判定手段による判定結果が特定の判定結果であることに基づいて、契機情報を契機情報記憶手段に記憶させる記憶実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2007〜ステップS2008、ステップS2009〜ステップS2010、ステップS2108〜ステップS2109及びステップS2110〜ステップS2111の処理を実行する機能)と、
前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されている状況において、当該契機情報が記憶される場合に前記先判定手段により判定された判定結果の情報に対応した特別報知が、当該契機情報が記憶される場合に前記先判定手段の判定対象となり前記特別報知の実行の契機となった特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるように、当該報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置212のMPU252におけるコマンド対応処理を実行する機能)と、
前記第2モードである場合には、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報を対象として前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されることを制限する報知実行制限手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1908及びステップS1916の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A21の遊技機では、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して移行判定が行われ、当該特別情報が移行情報であると判定されたことに基づいて、遊技状態が所定遊技状態に移行する。
この場合に、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらにそれぞれに対応させて第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段とが設けられている。そして、第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報は、移行判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
また、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されているとともに移行判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の移行判定結果を確認する遊技だけでなく、少なくとも第1取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には移行判定の対象となる順番が後の特別情報について、移行判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は推測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
さらにまた、第2始動入球部が受入状態となり易くなる第2モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が実行されることが制限される。移行判定に際して優先される側である第2始動入球部への入球が発生し易い状況において第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成を想定すると、当該所定の特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該所定の特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記特別報知に係る所定の特別情報が移行判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、特別報知がどの特別情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、一方、それを明確にする上では特別報知の報知態様に制約が生じ得る。これに対して、上記のとおり第2モードである場合には、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報について特別報知が実行されることを制限することで、上記のような不都合の発生を抑えつつ、遊技の注目度を高めることが可能となる。
以上より、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、「所定遊技状態」は1種類の遊技状態に限定されることはなく、所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成も含まれる。所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成においては、「移行情報」も複数種類設定するとともに、「移行判定手段」は所定遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させるか否かの移行判定を行う構成とするとよい。
また、「報知実行制限手段」は、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行を第2モードでは不可とする構成だけでなく、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行を、第1モードである場合に比べ第2モードである場合には低頻度となるようにする構成も含まれる。但し、特別報知の実行を不可とした場合には、第2モードである状況で、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について特別報知が行われることが確実に規制され、上記特徴A21の作用効果をより顕著なものとすることができる。
また、本特徴A21の構成に対して、上記特徴A2乃至A18のいずれか1にて限定した構成を適用することで、本特徴A21に係る発明はより効果的なものとなる。この場合、「切換モード」を「制御モード」とし、「第1切換モード」を「第1モード」とし、「第2切換モード」を「第2モード」として適用するとよい。
特徴B1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を予め定められた所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記移行判定手段は、前記移行対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率移行判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS803の処理を実行する機能)と低確率移行判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS802の処理を実行する機能)とを備え、
遊技状態として、前記高確率移行判定手段により前記移行判定が行われる高確率対応状態と、前記低確率移行判定手段により前記移行判定が行われる低確率対応状態とが設定されているとともに、
前記移行情報として、前記低確率移行判定手段による前記移行判定及び前記高確率移行判定手段による前記移行判定のいずれにおいても前記移行対応結果となる共通移行情報が設定されており、
さらに、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるように、当該報知手段を制御する報知制御手段(表示制御装置212のMPU252におけるコマンド対応処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報が前記移行情報に対応していることを示す内容の特別報知が実行されることを制限するとともに、当該所定の特別情報が前記共通移行情報に対応している場合には、当該制限を行わない移行情報対応制限手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1909の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1の遊技機では、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して移行判定が行われ、当該特別情報が移行情報であると判定されたことに基づいて、遊技状態が所定遊技状態に移行する。
この場合に、取得情報記憶手段に記憶されているとともに移行判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の移行判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には移行判定の対象となる順番が後の特別情報について、移行判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は推測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
また、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報が移行情報に対応していることを示す内容の特別報知が実行されることが制限されるとともに、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報に対応している場合には当該制限が行われない。これにより、特別報知として、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が移行情報に対応している旨の内容を報知した後に、当該所定の特別情報よりも先に移行判定の対象となった特別情報の移行判定結果に基づき高確率対応状態及び低確率対応状態のうちの一方から他方に遊技状態が切り換わったとしても、上記特別報知に係る特別情報は依然として移行情報に対応しており、上記特別報知の報知内容は依然として正しいものとなる。よって、特別報知を良好に行うことができることに起因して、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、「所定遊技状態」は1種類の遊技状態に限定されることはなく、所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成も含まれる。所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成においては、「移行情報」も複数種類設定するとともに、「移行判定手段」は所定遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させるか否かの移行判定を行う構成とするとよい。
また、「移行情報対応制限手段」は、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報について特別報知が実行されることを不可とする構成だけでなく、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている特別情報についての特別報知の実行が、共通移行情報に対応している場合に比べ共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には低頻度となるようにする構成も含まれる。但し、特別報知の実行を不可とした場合には、共通移行情報とは異なる移行情報に対応している所定の特別情報について、当該特別情報が移行情報に対応していることを示す内容の特別報知が行われることが確実に規制され、上記特徴B1の作用効果をより顕著なものとすることができる。
特徴B2.前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第1規定数を上限として記憶する第1取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を、第2規定数を上限として記憶する第2取得情報記憶手段(第2結果表示部用保留エリアRb)と、
を備えており、
前記移行判定手段は、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報のそれぞれに対して前記移行判定を行うものであり、
さらに、前記第2取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている特別情報よりも早いタイミングで取得された特別情報が前記第1取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して前記移行判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるデータ設定処理を実行する機能)を備えており、
前記報知制御手段は、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段のうち、少なくとも前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報について前記特別報知が行われるようにするものであり、
前記移行情報対応制限手段は、前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報が前記移行情報に対応していることを示す内容の前記特別報知が実行されることを制限するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、始動入球部として第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、さらにそれぞれに対応させて第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段とが設けられている。そして、第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報は、移行判定に際して、特別情報の取得タイミングに関係なく第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
ここで、上記のように第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報が移行判定に際して優先される構成においては、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該所定の特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記特別報知に係る所定の特別情報が移行判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうと、第2始動入球部への入球により取得された特別情報の移行判定結果に基づき移行判定を行う対象が切り換わり、上記特別報知に係る所定の特別情報が当初は移行対応結果に相当する情報であったが、その後に移行対応結果に相当しない情報となってしまうことが想定される。そうすると、既に実行されている上記特別報知の内容が実際の移行判定結果の内容と一致しないことが生じ得る。また、このような状況が生じた場合には、特別報知の内容を修正する構成も考えられるが、この場合、特別報知の内容を設定しなおす必要が生じ、処理負荷の増大化を招くおそれがある。これに対して、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報が移行情報に対応していることを示す内容の特別報知が実行されることが制限されるため、上記のような不都合の発生を抑えることができる。
特徴B3.前記報知制御手段は、
前記第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるように、当該報知手段を制御する第1報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における第1予告条件成立フラグが格納されている状況において予告演出の設定処理及び変動中用処理を実行する機能等)と、
前記第2取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合における判定結果を反映する特別報知が、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるように、当該報知手段を制御する第2報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における第2予告条件成立フラグが格納されている状況において予告演出の設定処理及び変動中用処理を実行する機能等)と、
を備えており、
前記移行情報対応制限手段は、前記第2取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報に対しては前記制限を行わないものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第1取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報について特別報知が実行されることが制限される反面、第2取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報について特別報知が実行されることが制限されない。これにより、上記特徴B1の作用効果を奏しながら、特別報知が実行される機会を高めることができる。
特徴B4.前記移行情報に対応した特別情報が、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段のうち少なくとも前記第2取得情報記憶手段に記憶されているか否かを判定する移行情報判定手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1903、ステップS1912の処理を実行する機能)と、
前記移行情報に対応した特別情報が、前記第1取得情報記憶手段及び前記第2取得情報記憶手段のうち少なくとも前記第2取得情報記憶手段に記憶されていると前記移行情報判定手段により判定されている間は、当該特別情報が記憶された後に、前記第1始動入球部及び前記第2始動入球部のうち少なくとも前記第2始動入球部への入球に基づき前記情報取得手段により取得された特別情報が前記特別報知の実行の契機として設定されないように規制する移行情報規制手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1903にて肯定判定をした後の処理を実行する機能、ステップS1912にて肯定判定をした後の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、移行情報に対応した特別情報が第2取得情報記憶手段に記憶されている状況では第2始動入球部への入球に基づき新たに特別情報が記憶されたとしても、当該特別情報について特別報知を行うように設定されることはない。かかる状況であっても新たに特別報知を行うように設定され得る構成を想定すると、特別報知として、第2取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が移行情報に対応している旨の内容を報知した後に、当該所定の特別情報よりも先に移行判定の対象となった特別情報の移行判定結果に基づき高確率対応状態及び低確率対応状態のうちの一方から他方に遊技状態が切り換わり、上記特別報知に係る特別情報が移行情報に対応しなくてなってしまうおそれがある。これに対して、本特徴B4の構成によれば、このような事態が発生してしまうことを抑えることができる。
特徴B5.前記低確率移行判定手段において参照される移行情報は複数種類設定されているとともに、前記高確率移行判定手段において参照される移行情報は前記低確率移行判定手段において参照される移行情報よりも多種類となるように設定されており、
前記高確率移行判定手段において参照される移行情報に前記低確率移行判定手段において参照される移行情報の全てが含まれるように設定されていることにより、当該低確率移行判定手段において参照される移行情報の全てが前記共通移行情報に対応していることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、上記特徴B1の作用効果を奏するようにしながら、特別報知が実行される機会を高めることができる。
特徴B6.前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行情報に対応しているか否かの判定を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先判定手段(主制御装置81のMPU202における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先判定手段により前記所定の特別情報が前記移行情報に対応していると判定されたことに基づき、契機情報を契機情報記憶手段(ワークRAM254)に記憶させる記憶実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2007〜ステップS2008及びステップS2009〜ステップS2010の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記報知制御手段は、前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されている状況において、当該契機情報が記憶される場合に前記先判定手段の判定対象となった特別情報が前記移行情報に対応していることを示す内容の特別報知が、当該特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段にて実行されるようにするものであり、
前記移行情報対応制限手段は、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記共通移行情報とは異なる移行情報であると前記先判定手段により判定された場合には、前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されることを制限し、当該所定の特別情報が前記共通移行情報であると前記先判定手段により判定された場合には、当該制限を行わないものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、契機情報記憶手段に契機情報が記憶されることが制限されるため、当該所定の特別情報が移行情報に対応していることを示す特別報知が実行されることを制限することができる。
特徴B7.前記取得情報記憶手段、前記移行判定手段及び前記先判定手段を少なくとも有する主制御手段(主制御装置81)と、当該主制御手段とは別に設けられ、前記報知制御手段、前記契機情報記憶手段及び前記記憶実行手段を少なくとも有する副制御手段(表示制御装置212)と、を備え、
前記主制御手段は、前記先判定手段の判定結果の情報を前記副制御手段に出力する先判定結果出力手段(主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及びステップS501の処理を実行する機能)を備えており、
前記記憶実行手段は、前記先判定結果出力手段から出力された情報が、前記先判定手段により前記所定の特別情報が前記移行情報に対応していると判定されたことを示す情報であることに基づき、前記契機情報を前記契機情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、主制御手段は、特別報知を行うための制御を副制御手段に実行させる上で、特別情報をそのまま副制御手段に出力するのではなく、当該特別情報が移行判定の対象となった場合における判定結果を特定し、その特定した結果の情報を副制御手段に出力する。したがって、仮に、特別報知を行うための制御を副制御手段に実行させる上で必要な情報が、主制御手段から副制御手段に向けた出力途中などにおいて不正に取得されたとしても、その不正に取得された情報は特別情報そのものではなく、上記特定した結果の情報となる。数値情報を用いて移行判定を行う遊技機においては、現状、更新されている数値情報を不正に取得することで、不正に所定遊技状態に移行させようとする行為が想定される。この場合に、特別情報をそのまま出力する構成においては、当該特別情報が不正に取得された場合には、その取得した特別情報に基づいて、現状、更新されている数値情報が不正に特定されてしまうことが懸念される。これに対して、上記のとおり、特別情報そのものではなく上記特定した結果の情報が出力されるため、上記不正行為が行われる可能性を抑えつつ、既に説明した優れた効果を奏することができる。
この場合に、移行情報が共通移行情報に対応しているか否かの判定が、主制御手段において行われる。例えば、当該判定を副制御手段にて行う構成においては、移行判定を行う機能を有さない副制御手段にて共通移行情報を予め記憶しておく必要が生じる。これに対して、上記のように主制御手段において移行情報が共通移行情報に対応しているか否かの判定を行うことで、副制御手段にて共通移行情報を予め記憶しておく必要が生じない。よって、主制御手段と副制御手段との協働により特別報知を行うようにした構成において、副制御手段において予め記憶しておく情報量の削減が図られる。
特徴B8.前記報知手段は、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示手段であり、
前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに先立って又は前記移行判定手段により前記移行判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の変動表示が開始され、前記移行判定の判定結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の変動表示が終了されることを遊技回の1回として、前記第1取得情報記憶手段又は前記第2取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の変動表示が行われるように前記絵柄表示手段を制限する遊技回制御手段(表示制御装置212のMPU252における変動表示制御処理を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記特別報知の実行の契機として設定されている特別情報よりも前に前記移行判定の対象となった特別情報に係る遊技回の絵柄の変動表示が行われている状況において、前記表示画面の表示態様が特別態様となるようにすることで前記特別報知を行わせるものであることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8の遊技機では、遊技者は、絵柄表示手段における絵柄の変動表示の態様を視認することで、各遊技回の移行判定結果を把握する。この場合に、絵柄の変動表示中における表示画面の表示態様を特別態様とすることで、特別報知が行われる。これにより、遊技者にとっては各遊技回の移行判定結果を把握しようとして絵柄表示手段の表示画面を注目していれば、自ずと特別報知を確認することができ、特別報知が行われたにも関わらず、それが見逃されてしまうことが抑制される。
特徴B9.前記報知手段は、前記規定数に対応した個別表示領域(第1保留表示領域Gaにおける第1〜第4単位保留表示領域Ga1〜Ga4)を備え、これら規定数の個別表示領域のうち、前記第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報であって前記移行判定の対象となっていない特別情報の数と対応する数の個別表示領域において個別表示が行われる構成であり、
前記報知制御手段は、前記複数の個別表示領域のうち、前記特別報知の実行の契機として設定されている特別情報に対応した個別表示領域における前記個別表示の態様が特別態様となるようにすることで前記特別報知を行わせるものであることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第1取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が個別表示領域における表示を通じて教示される。この場合に、当該個別表示領域における個別表示の態様が特別態様となるようにすることで特別報知が行われるため、特別報知の実行の契機として設定されている特別情報が移行判定の対象となるタイミングを遊技者が明確に把握することができる。
特徴B10.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記移行判定を順次行う移行判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理を実行する機能)と、
当該移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を予め定められた所定遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記移行判定手段は、前記移行対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率移行判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS803の処理を実行する機能)と低確率移行判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS802の処理を実行する機能)とを備え、
遊技状態として、前記高確率移行判定手段により前記移行判定が行われる高確率対応状態と、前記低確率移行判定手段により前記移行判定が行われる低確率対応状態とが設定されているとともに、
前記移行情報として、前記低確率移行判定手段による前記移行判定及び前記高確率移行判定手段による前記移行判定のいずれにおいても前記移行対応結果となる共通移行情報が設定されており、
さらに、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記移行情報に対応しているか否かの先判定を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先判定手段(主制御装置81のMPU202における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先判定手段により前記所定の特別情報が前記移行情報に対応していると判定されたことに基づき、契機情報を契機情報記憶手段(ワークRAM254)に記憶させる記憶実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS2007〜ステップS2008及びステップS2009〜ステップS2010の処理を実行する機能)と、
前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されている状況において、当該契機情報が記憶される場合に前記先判定手段の判定対象となった特別情報が前記移行情報に対応していることを示す内容の特別報知が、当該特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする報知制御手段(表示制御装置212のMPU252におけるコマンド対応処理を実行する機能)と、
前記先判定手段により前記所定の特別情報が前記共通移行情報とは異なる移行情報であると判定された場合には、前記契機情報記憶手段に前記契機情報が記憶されることを制限し、前記先判定手段により前記所定の特別情報が前記共通移行情報であると判定された場合には、前記制限を行わない移行情報対応制限手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS1909の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B10の遊技機では、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に対して移行判定が行われ、当該特別情報が移行情報であると判定されたことに基づいて、遊技状態が所定遊技状態に移行する。
この場合に、取得情報記憶手段に記憶されているとともに移行判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、始動入球部への遊技球の入球を発生させる遊技と、当該入球に基づき取得された特別情報の移行判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には移行判定の対象となる順番が後の特別情報について、移行判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は推測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高められる。
また、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報について特別報知が実行されることが制限されるとともに、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が共通移行情報に対応している場合には当該制限が行われない。これにより、特別報知として、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が移行情報に対応している旨の内容を報知した後に、当該所定の特別情報よりも先に移行判定の対象となった特別情報の移行判定結果に基づき高確率対応状態及び低確率対応状態のうちの一方から他方に遊技状態が切り換わったとしても、上記特別報知に係る特別情報は依然として移行情報に対応しており、上記特別報知の報知内容は依然として正しいものとなる。よって、特別報知を良好に行うことができることに起因して、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、「所定遊技状態」は1種類の遊技状態に限定されることはなく、所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成も含まれる。所定遊技状態として複数種類の遊技状態が設定されている構成においては、「移行情報」も複数種類設定するとともに、「移行判定手段」は所定遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させるか否かの移行判定を行う構成とするとよい。
また、「移行情報対応制限手段」は、取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が共通移行情報とは異なる移行情報に対応している場合には、当該所定の特別情報について特別報知が実行されることを不可とする構成だけでなく、共通移行情報に対応している場合に比べ低頻度とする構成も含まれる。但し、特別報知の実行を不可とした場合には、共通移行情報とは異なる移行状態に対応している所定の特別情報について特別報知が行われることが確実に規制され、上記特徴B10の作用効果をより顕著なものとすることができる。
また、本特徴B10の構成に対して、上記特徴B2乃至B9のいずれか1にて限定した構成を適用することで、本特徴B10に係る発明はより効果的なものとなる。
上記特徴A群の発明及び上記特徴B群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、大当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。また、抽選結果がいわゆる大当たり遊技状態への移行当選である場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後などにおいて、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動入球部に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば4個)を上限として保留記憶されるようになっているパチンコ遊技機がある。保留記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、前記保留記憶された情報を用いて当たり抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される。
上記構成の遊技機における遊技は、始動入球部への入球が発生するように遊技球を発射させるという遊技と、始動入球部への入球が発生した場合にその抽選結果が当たりか否かを確認するという遊技とからなると言える。そして、前者の遊技に関しては、保留記憶の上限に至るまでは始動入球部への入球が発生するか否かに遊技者は注目するとともに、後者の遊技に関しては、絵柄の変動表示の態様が、大当たり遊技状態への移行当選に対応した停止結果となり易いものであるか否かに遊技者は注目する。
ここで、遊技機においては、遊技の多様化を図ることで、遊技への注目度を高める必要がある。かかる遊技の多様化を図る上では、上記のように遊技球を発射させるという遊技においては遊技領域における遊技球の流下態様を多様化させる方法が考えられ、上記のように1遊技回毎に抽選結果が当たりか否かを確認するという遊技においては1遊技回毎に行われる表示演出の表示パターンを多様化する方法が考えられる。
しかしながら、前者については遊技領域の広さは限られているため遊技の多様化を図ろうとしても限界があり、後者については1遊技回毎の表示パターンを多様化したとしても、遊技への注目度を高めるという点においてやはり限界がある。したがって、遊技への注目度を高める上で未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。