以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車(不図示)が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にし、遊技球の打ち分けが可能な第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技や小当たり遊技の実行可否が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口122には、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bの状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、遊技領域116に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。なお、ここでは、第2始動口122が閉状態にあるときに、当該第2始動口122への遊技球の入球が不可能であることとしたが、第2始動口122が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成してもよい。
なお、第1始動口120は、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第1遊技領域116aを流下する遊技球の方が第2遊技領域116bを流下する遊技球よりも進入し易い位置に配されている。また、第2始動口122は、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが進入可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bを流下する遊技球の方が第1遊技領域116aを流下する遊技球よりも進入し易い位置に配されている。
さらに、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に第1大入賞口126および第2大入賞口128が設けられている。なお、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。第1大入賞口126には、開閉扉126bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放されて、開閉扉126bが受け皿として機能し、第1大入賞口126への遊技球の入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
また、第2大入賞口128は、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技や後述の小当たり遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、開閉扉128bが受け皿として機能し、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示される等、種々の演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側の原点位置において、複数の構成部材に分割された状態で退避しており、遊技者が視認できないようになっている。そして、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、アクチュエータの駆動により、演出表示部200aの前面にある可動位置まで各構成部材が移動すると、演出表示部200aの前面で各構成部材が合体して、遊技者に大当たりの期待感を付与する。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを押下することにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
図3は、第2大入賞口128を説明するための図である。上記したように、第2遊技領域116bには、第1大入賞口126と第2大入賞口128とが設けられているが、このうち、第2大入賞口128の内部には、特定領域140bが設けられている。
図3(a)に示すように、第2大入賞口128の内部には、導出路128dが設けられており、第2大入賞口128は、当該第2大入賞口128に入球した遊技球が、導出路128dに導かれるように傾斜している。そして、導出路128dには、遊技球が通過可能な孔からなる特定領域140bおよび非特定領域140cが設けられており、第2大入賞口128に入球した遊技球が、特定領域140bおよび非特定領域140cのいずれかを通過して、遊技盤108の背面側に排出されるように構成されている。
そして、第2大入賞口128には、特定領域140bおよび非特定領域140cを開閉する可動部材142が設けられている。この可動部材142は、その可動(スライド)によって、特定領域140bへの遊技球の進入を可能とする状態と、特定領域140bへの遊技球の進入を不可能とする状態とに切り換える。より詳細には、可動部材142が、図3(b)に示す位置に変位すると、非特定領域140cが可動部材142によって塞がれ、遊技球は特定領域140bを通過可能となる。一方、可動部材142が、図3(c)に示す位置に変位すると、特定領域140bが可動部材142によって塞がれ、遊技球は非特定領域140cを通過可能となる。詳しくは後述するが、大役遊技の実行中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、当該大役遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、大役遊技の実行中に特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、当該大役遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されることとなる。
(制御手段の内部構成)
図4は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域140bに遊技球が進入したことを検出する特定領域検出スイッチ140sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126cと、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、第2大入賞口128内に設けられた可動部材142を可動する可動部材駆動ソレノイド142cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128および特定領域140bの開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータや、各遊技機100の近傍に設けられたデータ表示器等に出力されることとなる。ホールコンピュータは、遊技場に設置された複数の遊技機100の遊技情報出力端子板312から出力された遊技進行上の種々の情報、例えば、第1特別図柄表示器160において変動表示が停止されたことを示す信号、第2特別図柄表示器162において変動表示が停止されたことを示す信号、大役遊技の実行を示す大役遊技中信号、小当たり遊技の実行を示す小当たり遊技中信号、時短遊技状態を示す信号等を集計する。また、データ表示器は、1の遊技機100の遊技情報出力端子板312から出力された、第1特別図柄表示器160において変動表示が停止されたことを示す信号、第2特別図柄表示器162において変動表示が停止されたことを示す信号、大役遊技中信号、小当たり遊技中信号、時短遊技状態を示す信号を集計して、例えば、大役遊技の回数、小当たり遊技の回数、変動回数等を表示する。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、発射制御基板320が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板320には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御基板320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330では、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cが協働して、サブメイン、画像制御部、役物制御部、照明制御部、音声制御部として機能する。サブメインは、各種入力コマンドに応じて、実行する演出の内容を決定したり、演出の実行を管理、統括したりする。画像制御部は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景、字幕等の画像データが多数格納されており、画像制御部が、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
また、役物制御部は、サブメインによる演出の管理にしたがってアクチュエータを駆動し、演出役物装置202を可動制御する。照明制御部は演出照明装置204を点灯制御する。また、音声制御部は、上記音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。サブROM330bには、音声出力装置206から出力される音声や楽曲等の音声データが多数格納されており、音声制御部が、音声データをサブROM330bから読み出して、音声出力装置206の音声出力を制御する。
さらに、副制御基板330では、演出操作装置208が押下操作または回転操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する場合がある。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口が開放されるとともに当該大入賞口への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図5は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留について大役抽選を開始する場合には、図5(a)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブル1が参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブル1によれば、大当たり決定乱数が10001〜10263であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は、約1/249となる。
また、高確率遊技状態において、特1保留について大役抽選を開始する場合には、図5(b)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブル1が参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブル1によれば、大当たり決定乱数が10001〜11000であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/65.5となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が高くなる。
また低確率遊技状態において、特2保留について大役抽選を開始する場合には、図5(c)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブル2が参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブル2によれば、大当たり決定乱数が10001〜10263であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が0〜10000、11001〜65535であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/249、小当たり確率は約1/1.01となる。
また、高確率遊技状態において、特2保留について大役抽選を開始する場合には、図5(d)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブル2が参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブル2によれば、大当たり決定乱数が10001〜11000であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合には小当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/65.5、小当たり確率は約1/1.01となる。
図6は、当たり図柄乱数判定テーブルおよび小当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図6(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図6(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルbが選択され、特2保留によって「小当たり」に当選した場合には、図6(c)に示すように、小当たり図柄乱数判定テーブルcが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄と呼び、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄と呼び、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と呼ぶ。
図6(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルa、および、図6(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。一方、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。
また、大役抽選によって「小当たり」に当選した場合には、保留種別に拘わらず、図6(c)に示す小当たり図柄乱数判定テーブルcを参照して小当たり図柄が決定される。この小当たり図柄乱数判定テーブルcによれば、当たり図柄乱数が0〜59であった場合に小当たり図柄として特別図柄Z1が決定され、当たり図柄乱数が60〜79であった場合に小当たり図柄として特別図柄Z2が決定され、当たり図柄乱数が80〜99であった場合に小当たり図柄として特別図柄Z3が決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」または「小当たり」であった場合に参照されることはない。また、小当たり図柄乱数判定テーブルcは、大役抽選結果が「小当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」または「ハズレ」であった場合に参照されることはない。なお、小当たり図柄である特別図柄Z1〜Z3をまとめて単に特別図柄Zともよぶ。
図7(a)は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図であり、図7(b)は変動時間決定テーブルを説明する図である。なお、変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態等ごとに複数設けられているが、ここでは、任意の変動パターン乱数判定テーブルxについて説明する。上記のようにして特別図柄の種別が決定されると、図7(a)に示すような変動パターン乱数判定テーブルと、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球したときに取得した0〜238の範囲の変動パターン乱数とに基づいて、いずれかの変動パターン番号が決定される。この変動パターン番号には、図7(b)に示すように、それぞれ変動時間が対応付けられている。この変動時間というのは、決定された特別図柄を、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示させるまでの時間である。
詳しくは後述するが、特1保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第1特別図柄表示器160に、決定された特別図柄が停止表示される。また、特2保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示される。このとき、ハズレ図柄が第1特別図柄表示器160に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特1保留に基づく大役抽選が実行可能となり、ハズレ図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特2保留に基づく大役抽選が実行可能となる。一方、大当たり図柄が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として大当たりが確定し、大役遊技が実行され、小当たり図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として小当たりが確定し、小当たり遊技が実行されることとなる。
このように、変動時間は、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の時間、換言すれば、大役抽選の結果を確定させるまでの時間を規定するものとなるが、この変動時間を決定するための変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態ごとに複数設けられている。これにより、取得した変動パターン乱数の値が同一であったとしても、選択する変動パターン乱数判定テーブルによって、異なる変動パターン番号、すなわち、変動時間が決定されることとなる。このことからも明らかなように、本実施形態では、変動時間を決定するための変動時間決定条件が、特別図柄、遊技球が入球した始動口の種別(保留種別)、および、遊技状態に対応して設定されており、この変動時間決定条件が、変動パターン乱数判定テーブルによって設定されていると言える。
以上のようにして変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されることとなるが、その詳細については説明を省略する。
図8は、遊技状態、特別図柄の種別、変動時間、保留種別の関係を説明する図である。上述のように、本実施形態では、大当たりの当選確率が低確率に設定された低確率遊技状態、および、低確率遊技状態よりも大当たりの当選確率が高確率に設定された高確率遊技状態のいずれかに設定され、設定されている遊技状態に基づいて遊技が進行する。
図8(a)に示すように、低確率遊技状態において、特1保留に基づいてハズレ図柄が決定された場合、変動時間は3.0秒〜180秒に決定され、特2保留に基づいてハズレ図柄が決定された場合、変動時間は必ず10分に決定される。また、高確率遊技状態において、特1保留に基づいてハズレ図柄が決定された場合、変動時間は10秒に決定され、特2保留に基づいてハズレ図柄が決定された場合、変動時間は0.2秒に決定される。
また、低確率遊技状態において、特2保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合、変動時間は必ず10分に決定され、高確率遊技状態において、特2保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合、変動時間は0.2秒に決定される。なお、上述したように、特1保留に基づいて小当たりに当選することはない。
さらに、低確率遊技状態において、特1保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は60〜180秒に決定され、特2保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は60秒に決定される。また、高確率遊技状態において、特1保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は60秒に決定され、特2保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は0.2秒または30秒に決定される。
詳しくは後述するが、本実施形態では、大役遊技が実行されておらず、かつ、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれにおいても図柄の変動表示が行われていない場合に、第1始動口120および第2始動口122への遊技球の入球に基づく次なる特別図柄の決定処理、すなわち、特1保留および特2保留による大役抽選が実行可能となる。また、第1特別図柄表示器160において図柄が変動表示中であって、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われていない場合に、第2始動口122への遊技球の入球に基づく次なる特別図柄の決定処理、すなわち、特2保留による大役抽選が実行可能となる。さらに、第2特別図柄表示器162において図柄が変動表示中であって、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示が行われていない場合に、第1始動口120への遊技球の入球に基づく次なる特別図柄の決定処理、すなわち、特1保留による大役抽選が実行可能となる。
つまり、特1保留に基づく特別図柄の変動表示と、特2保留に基づく特別図柄の変動表示とは、同時に実行可能となっており、特別図柄の変動表示が終了すると、当該変動表示が終了した保留種別について、次の特別図柄の変動表示が開始される。
しかしながら、大役抽選の結果がハズレであった場合に、変動時間として10分が決定されると、当該保留種別に基づく次なる大役抽選は、遊技状態が変更されない限り、10分が経過するまで実行されなくなる。したがって、図8(b)に示すように、低確率遊技状態においては、変動時間(平均変動時間)が相対的に短い、換言すれば、単位時間当たりの変動回数が多い特1保留が、大役抽選の実質的な対象となり、高確率遊技状態においては、特2保留が大役抽選の実質的な対象となる。
ただし、遊技機100のメインRAM300cがクリアされた場合や、遊技状態が低確率遊技状態に変更された直後等、特2保留に基づく特別図柄の変動表示が行われていないときに第2始動口122に遊技球が入球すると、実質的に大役抽選の対象とはならない特2保留によって大役抽選が行われる。このとき、最初の大役抽選、すなわち、低確率遊技状態に設定された後の特2保留に基づく1回目の大役抽選によって大当たりに当選する場合もある。この場合には、変動時間が60秒に決定されることから、大当たりの当選が確定することとなる。
図9は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技または小当たり遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中および小当たり遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、特別図柄(大当たり図柄および小当たり図柄)の種別ごとに複数設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技または小当たり遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての特別図柄の制御データを示す。
大当たり図柄である特別図柄A〜D、または、小当たり図柄である特別図柄Z1〜Z3が決定されると、図9に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技または小当たり遊技が実行される。大役遊技は、大入賞口が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成され、小当たり遊技は、ラウンド遊技が1回のみ実行される。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技または小当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口の開放回数ごとの第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、制御データとして、特別図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
なお、大当たり図柄である特別図柄A、Bが決定された場合には、いずれも8回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。各大役遊技においては、1〜2回目のラウンド遊技は第2大入賞口128が開放され、その他のラウンド遊技は第1大入賞口126が開放される。そして、特別図柄A、Bが決定された場合には、3〜8回目のラウンド遊技において、第1大入賞口126が最大で29.0秒×1回開放される点で共通する。しかしながら、特別図柄Aが決定された場合には、1〜2回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒×1回しか開放されないのに対して、特別図柄Bが決定された場合には、1回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒×1回開放され、2回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が0.1秒×1回、28.9秒×1回の合計2回、最大で29.0秒開放される。
また、特別図柄Cが決定された場合には、1回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒×1回開放され、2回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が0.1秒×1回、28.9秒×1回の合計2回、最大で29.0秒開放される。
また、特別図柄Dが決定された場合には、1回目および2回目のラウンド遊技が、特別図柄Cが決定された場合と同様に実行され、その後、3〜14回目のラウンド遊技が実行される。この3〜14回目のラウンド遊技では、第1大入賞口126が最大で29.0秒×1回開放される。
このことからも明らかなように、特別図柄Aが決定された場合には、実質的に6回のラウンド遊技分の賞球を獲得することができ、特別図柄Bが決定された場合には、実質的に7回のラウンド遊技分の賞球を獲得することができる。また、特別図柄Cが決定された場合には、実質的に1回のラウンド遊技分の賞球を獲得することができ、特別図柄Dが決定された場合には、実質的に13回のラウンド遊技分の賞球を獲得することができる。
なお、小当たり図柄である特別図柄Z1〜Z3が決定された場合には、第2大入賞口128が0.1秒×2回、1.6秒×1回の合計3回開放される小当たり遊技が行われる。この小当たり遊技によれば、第2大入賞口128が合計で1.8秒開放されるが、遊技球は0.6秒間隔で発射されることから、1回の小当たり遊技によって、3〜4個の遊技球の入球が可能となっている。
また、小当たり図柄である特別図柄Z1が決定された場合には、オープニング時間として1.0秒が決定され、エンディング時間として1.0秒が決定され、小当たり図柄である特別図柄Z2が決定された場合には、オープニング時間として0.3秒が決定され、エンディング時間として1.7秒が決定され、小当たり図柄である特別図柄Z3が決定された場合には、オープニング時間として1.7秒が決定され、エンディング時間として0.3秒が決定される。
図10は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。本実施形態においては、大役遊技が実行された場合、当該大役遊技中における特定領域140bへの遊技球の進入可否に応じて大役遊技の終了後の遊技状態が設定される。
この遊技状態設定テーブルによれば、決定された大当たり図柄の種別を問わず、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、高確率遊技状態に設定されるとともに、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は104回に設定される。これは、高確率遊技状態が、大役抽選結果が104回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、大当たり以外の抽選結果が104回導出(確定)されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
図11は、1〜2回目のラウンド遊技における第2大入賞口128および特定領域140bの開閉態様を説明する図である。図11(a)に示すように、可動部材142は、第2大入賞口128の開放と同時に、特定領域140bを一瞬開放した後、しばらくの間(例えば、3.5秒程度)、特定領域140bを閉鎖状態に維持し、その後、再び特定領域140bを開放した状態に維持する。ここで、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合には、当該大役遊技における1〜2回目のラウンド遊技の開始時に0.1秒のみ第2大入賞口128が開放される。この間に、仮に第2大入賞口128に遊技球が入球したとしても、当該遊技球が特定領域140bに到達するまでには所定の時間を要する。そのため、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに到達したときには、必ず、特定領域140bが閉鎖されており、その結果、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合に、特定領域140bに遊技球が進入することはない。
なお、遊技球が第2大入賞口128に噛みこんでしまったり、あるいは、何らかの理由で第2大入賞口128内に長時間に亘って遊技球が滞留してしまったりする等、不測の事態が生じた場合には、特別図柄Aが決定された場合であっても、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入する可能性がある。したがって、本明細書においては、理解を容易にするために、「必ず」、「確実に」という文言を用いて説明しているが、これは、遊技機100の状態が、遊技を進行するにあたって適切な状態に置かれており、かつ、不測の事態が生じていないことを前提とするものであり、物理的な100%を意味するものではない。
これに対して、特別図柄B、C、Dが決定されて大役遊技が実行された場合には、図11(b)に示すように、当該大役遊技における1回目のラウンド遊技の開始時には0.1秒のみ第2大入賞口128が開放されるものの、2回目のラウンド遊技においては、開始時に第2大入賞口128が0.1秒開放され、その後、所定のインターバル時間(2.0秒)を経て、第2大入賞口128が28.9秒開放される。したがって、第2大入賞口128の開放と同時に第2大入賞口128に入球した1〜2個程度の遊技球は、特定領域140bを通過することができない可能性はあるが、2回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128の開放後に第2大入賞口128に入球した遊技球は、確実に特定領域140bを通過することができる。
つまり、特別図柄B、C、Dが決定されて大役遊技が実行された場合には、第2大入賞口128に遊技球を入球させる限り、確実に、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されることとなるが、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合には、大役遊技の終了後に、必ず、低確率遊技状態に設定されることとなる。
ここで、図6で説明したとおり、第2始動口122に遊技球が入球して大当たりに当選した場合には、特別図柄C、Dが決定されるため、大当たりに当選すれば、必ず、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されることとなる。これに対して、第1始動口120に遊技球が入球して大当たりに当選した場合には、特別図柄A、Bがそれぞれ50%の確率で決定されるため、大当たりに当選した場合に、50%の確率で、大役遊技の終了後に低確率遊技状態に設定されることとなる。
なお、図9に示すように、第2大入賞口128の規定数は3個となっている。つまり、特別図柄B、C、Dが決定されて大役遊技が実行された場合に、1、2回目のラウンド遊技中に第2大入賞口128へ入球する遊技球は最大で3個となっており、第2大入賞口128に3個の遊技球が入球した時点で、第2大入賞口128は閉鎖される。
ここで、第2大入賞口128は、開状態に維持されている場合において、第2遊技領域116bを流下する遊技球のほぼ全てが入球可能な位置に配されている。また、遊技者が操作ハンドル112を所定角度回転させた状態に保持している場合、換言すれば、発射操作が継続して検出されている場合、発射制御基板320は、0.6秒間隔で遊技球を発射させるように制御する。したがって、特別図柄B、C、Dが決定されて実行される大役遊技中、遊技者が通常通りに、第2遊技領域116bに向けて遊技球を継続して発射させていれば、2回目のラウンド遊技のうち、2回目の第2大入賞口128の開放(28.9秒の開放開始)後、約1.2秒〜1.8秒程度で3個の遊技球が第2大入賞口128に入球可能となっている。つまり、2回目のラウンド遊技における2回目の第2大入賞口128の最大開放時間は28.9秒に設定されているものの、通常通りに遊技球が発射されれば、約1.2秒〜1.8秒程度で第2大入賞口128が閉鎖されることとなる。
これにより、図11(b)に示すように、特別図柄B、C、Dが決定されて大役遊技が実行された場合の1回目〜2回目のラウンド遊技における第2大入賞口128の開放態様と、特別図柄Zが決定されて小当たり遊技が実行された場合の第2大入賞口128の開放態様とを、遊技者にとって識別困難とすることができる。特に、特別図柄Cが決定されて大役遊技が実行された場合には、第2大入賞口128が開放される2回のラウンド遊技のみが実行され、第1大入賞口126が開放されるラウンド遊技は実行されない。したがって、遊技者は、特別図柄Cが決定されて大役遊技が実行されたのか、小当たり遊技が実行されたのかを容易に判別することができなくなっている。
図12は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
普図抽選では、図12に示すように、当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122の可動片122bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122の可動片122bが閉状態に維持される。
図13(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図13(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態に拘わらず、変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間に亘って普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、図13(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照し、普通電動役物ソレノイド122cが通電制御されて第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、図示のように予め記憶されている。
なお、上記したように、ゲート124および第2始動口122は、いずれも第2遊技領域116bに配されている(図2参照)。そして、ここでは、遊技者が第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けた場合に、発射球数に対する、第2始動口122に遊技球が入球して払い出される賞球数の割合が、80〜100%となるように、普図抽選による当選確率、普通図柄の変動時間、および、第2始動口122の開放時間が設定されている。
図14は、本実施形態の遊技機100にかかる遊技性を説明する図である。なお、図14(b)において、実線の矢印は、規定された通りに遊技を行った場合の遊技状態の遷移を示し、破線の矢印は、不測な事態が生じた場合や、変則的に遊技を行った場合に生じ得る遊技状態の遷移を示している。上記した保留種別ごとの大当たり図柄の決定比率、大役遊技の実行態様をまとめると、図14(a)に示すとおりとなる。すなわち、特1保留によって大当たりに当選した場合には、特別図柄A、Bがそれぞれ50%の確率で決定される。特別図柄Aが決定されると、実質、6回のラウンド遊技分の賞球を獲得することができるが、大役遊技の終了後の遊技状態は低確率遊技状態となる。一方、特別図柄Bが決定されると、実質、7回のラウンド遊技分の賞球を獲得することができ、しかも、大役遊技の終了後の遊技状態は高確率遊技状態となる。これに対して、特2保留によって大当たりに当選した場合には、特別図柄Cが50%、特別図柄Dが50%の確率で決定される。特別図柄Cが決定されると、実質、1回のラウンド遊技分の賞球のみしか獲得することができないが、大役遊技の終了後の遊技状態は高確率遊技状態となる。また、特別図柄Dが決定されると、実質、13回のラウンド遊技分の賞球を獲得することができ、しかも、大役遊技の終了後の遊技状態は高確率遊技状態となる。
そして、図14(b)に示すように、遊技機100の初期状態では、遊技状態が低確率遊技状態に設定されている。遊技状態が低確率遊技状態に設定されている場合には、図8(b)に示すように、特2保留についての変動時間が10分であることから、特2保留に基づく大役抽選は実質的に行われにくく、実質変動対象は特1保留となっている。このように、低確率遊技状態では、特1保留が実質変動対象であることから、遊技者は第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる。なお、遊技者が第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射し続けた場合に、発射球数に対する、第1始動口120に遊技球が入球して払い出される賞球数の割合は、20%となるように設定されている。つまり、第1始動口120および第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定数の賞球が払い出される。そして、第2遊技領域116bに遊技球を流下させた場合において、発射球数に対する、第2始動口122への遊技球の入球によって払い出される賞球数の割合は、第1遊技領域116aに遊技球を流下させた場合において、発射球数に対する、第1始動口120への遊技球の入球によって払い出される賞球数の割合よりも高い。
一方で、この低確率遊技状態において第2遊技領域116bに遊技球を発射させた場合にも、第2始動口122は頻繁に開放される。しかしながら、低確率遊技状態では、ひとたび特2保留について大役抽選が行われると、以後、当該抽選結果が大当たりであった場合を除いて、変動時間が10分に設定されることから、特2保留によって大役抽選がなされることは極めて珍しいといえる。そのため、低確率遊技状態において第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させても、徐々に遊技球が費消されていくだけであり、遊技者は第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させることとなる。
そして、低確率遊技状態において、遊技者が第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させ、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留によって大役抽選が行われる。この大役抽選によって大当たりに当選すると、特別図柄A、Bのいずれかが決定される。特別図柄Aが決定された場合には、6回のラウンド遊技分の賞球を獲得した後、遊技状態が再度、低確率遊技状態に設定され、以後、上記と同様の遊技を繰り返す。一方、特別図柄Bが決定された場合には、7回のラウンド遊技分の賞球を獲得した後、遊技状態が高確率遊技状態に設定され、以後、次の大当たりに当選するか、もしくは、大当たりに再度当選することなく、104回の大役抽選の結果が確定するまでの間、高確率遊技状態が継続する。
ここで、高確率遊技状態においては、特1保留および特2保留のいずれにおいても大役抽選の権利を獲得することができる。つまり、高確率遊技状態では、特1保留および特2保留の双方の変動時間が比較的短い。しかしながら、特1保留による大役抽選では、特別図柄Aが50%の確率で決定されるため、特別図柄Aが決定されると、6回のラウンド遊技分の賞球は獲得することができるものの、以後の遊技状態が低確率遊技状態となってしまう。また、本実施形態では、第1始動口120が第1遊技領域116aに設けられており、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させると、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させた場合よりも、遊技球の費消率が大きくなる。したがって、高確率遊技状態では、実質的な変動対象が特2保留となり、遊技者は、第2遊技領域116bに遊技球を発射させることとなる。
そして、高確率遊技状態において、遊技者が第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させ、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留によって大役抽選が行われる。この大役抽選によって大当たりに当選すると、特別図柄C、Dが決定される。特別図柄C、Dが決定された場合には、遊技状態が高確率遊技状態に再設定され、以後、次の大当たりに当選するか、もしくは、大当たりに再度当選することなく、104回の大役抽選の結果が確定するまでの間、さらに高確率遊技状態が継続する。
また、特2保留について小当たりに当選すると、小当たり遊技が実行される。上記したように、特2保留による大役抽選では、約1/1.01の確率で小当たりに当選するように設定されていることから、高確率遊技状態においては、大当たりに当選しなかった場合に小当たりに当選することとなる。つまり、高確率遊技状態では、常時、小当たり遊技が行われている状態となる。この小当たり遊技では、第1大入賞口126が合計で1.8秒開放され、1回の小当たり遊技中に3〜4個の遊技球が入球する。こうして小当たり遊技中に第2大入賞口128に遊技球が入球すると、例えば、1個の遊技球の入球に対して10個の賞球が払い出される。
このとき、高確率遊技状態において第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けた場合、発射した遊技球数よりも、払い出される賞球数が多くなるように設定されている。つまり、高確率遊技状態においては、小当たり遊技によって獲得可能な賞球数と、第2始動口122に遊技球が入球して獲得する賞球数との合計が、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射した場合の発射球数よりも多くなるように設定されている。したがって、高確率遊技状態は、最大で104回の大役抽選結果が確定するまで継続することから、この間、遊技球は増え続けることとなり、しかも、この間に再度大当たりに当選した場合には、再び、高確率遊技状態が最初から繰り返されることとなる。
従来の所謂ST機と呼ばれる遊技機においても、大当たりに当選すると高確率遊技状態に設定され、所定の高確回数内で再度大当たりに当選しないと、遊技状態が低確率遊技状態に変更されてしまうといった遊技性を備えている。こうした従来の遊技機においては、大当たりに当選したことで実行される大役遊技によって賞球を獲得するのが遊技の目的であるため、高確率遊技状態中であったとしても、早期に大当たりに当選しなければ、徐々に遊技球が減ってしまう。そのため、高確率遊技状態において、なかなか大当たりに当選しないと、大当たりに当選できずに、遊技状態が低確率遊技状態に変更されてしまうといったストレスが強くなるばかりか、遊技球が減っていくことによるストレスが与えられ、遊技の興趣が低下することがある。
これに対して、本実施形態の遊技機100によれば、高確率遊技状態において、小当たり遊技で遊技球を増やすことができるので、仮に、次なる大当たりに当選できずとも、遊技者のストレスを軽減することができる。また、本実施形態における理想的な遊技の進行は、高確回数の残りが少なくなったところで大当たりに当選することである。例えば、高確率遊技状態における104回目、すなわち、最後の大役抽選で大当たりに当選すれば、大当たりに当選するまでの長期間に亘って多量の賞球を獲得することができ、しかも、再度、高確回数が104回に設定される。このように、大当たりに当選したときの高確回数の残りが少なければ少ないほど、遊技者は多量の賞球を獲得することができるといった、これまでにない新規な遊技性がもたらされることから、高確率遊技状態においてなかなか大当たりに当選できないといったストレスを極めて小さくすることができる。
以下に、上記の遊技性を実現するための、主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図15は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理を実行する。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図16は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図17は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域検出スイッチ140sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
また、メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであることを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122c、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図18は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sまたは第2大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−9に処理を移す。
(ステップS540)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定し、遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球を示す大入賞口入球コマンドを副制御基板330に送信するための大入賞口通過処理を実行する。なお、この大入賞口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、特定領域検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、特定領域140bに遊技球が進入して特定領域検出スイッチ140sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS550に処理を移し、特定領域検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS550)
メインCPU300aは、特定領域140bへの遊技球の進入に基づいて特定領域通過処理を実行し、当該スイッチ管理処理を終了する。なお、この特定領域通過処理の詳細については後述する。
図19は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図20は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図21は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて第2始動口122の可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図22は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−19に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新された変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、上記ステップS535−15でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS536)
メインCPU300aは、取得時演出判定処理を行う。この取得時演出判定処理の詳細は後述する。
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、上記ステップS535−19でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満(普通遊技管理フェーズ<04H)であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−23に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図23は、上記取得時演出判定処理(ステップS536)を説明するフローチャートである。
(ステップS536−1)
メインCPU300aは、まず、取得時特別図柄仮判定処理を行う。ここでは、現在の遊技状態に対応する大当たり決定乱数判定テーブルを参照し、上記ステップS535−13で格納した大当たり決定乱数を用いて、大役抽選の結果を仮判定する。そして、この大役抽選の仮判定の結果が大当たりであった場合には、当たり図柄乱数判定テーブルを参照し、上記ステップS535−13で格納した当たり図柄乱数を用いて大当たり図柄を仮判定する。また、大役抽選の仮判定の結果が小当たりであった場合には、当たり図柄乱数判定テーブルを参照し、上記ステップS535−13で格納した当たり図柄乱数を用いて小当たり図柄を仮判定する。なお、大役抽選の仮判定の結果がハズレであった場合には、仮判定結果としてハズレ図柄を導出する。
(ステップS536−3)
メインCPU300aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態であるかを判定する。その結果、高確率遊技状態であると判定した場合にはステップS536−5に処理を移し、高確率遊技状態ではないと判定した場合にはステップS536−7に処理を移す。
(ステップS536−5)
メインCPU300aは、新たに記憶された特1保留または特2保留が変動を開始するときの、高確率遊技状態の実残り回数、すなわち、あと何回で高確率遊技状態が終了するかを確認する。
(ステップS536−7)
メインCPU300aは、現在の遊技状態、および、上記ステップS536−5で確認した実残り回数に対応する変動パターン乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS536−9)
メインCPU300aは、上記ステップS536−7でセットした変動パターン乱数判定テーブルを参照し、上記ステップS535−13で格納した変動パターン乱数を用いて変動パターン番号を仮判定する。
(ステップS536−11)
メインCPU300aは、上記ステップS536−9の仮判定結果に対応する先読み指定コマンドを送信バッファにセットし、当該取得時演出判定処理を終了する。
図24は、主制御基板300における大入賞口通過処理(ステップS540)を説明するフローチャートである。
(ステップS540−1)
メインCPU300aは、上記ステップS500−7で大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、特別遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、特別遊技管理フェーズは、特別遊技の実行処理の段階、すなわち、特別遊技の進行状況を示すものであり、特別遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS540−3)
メインCPU300aは、上記ステップS540−1でロードした特別遊技管理フェーズが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものであるかを判定する。なお、特別遊技管理フェーズは、00H〜08Hの9段階が設けられており、このうち、01H〜08Hが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階に相当する。大役遊技または小当たり遊技は、特別遊技管理フェーズが01H〜08Hである場合に実行されることから、ここでは、現在、大役遊技中または小当たり遊技中であるかを判定することとなる。特別遊技管理フェーズが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものであると判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、特別遊技管理フェーズは、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものではないと判定した場合にはステップS540−7に処理を移す。
(ステップS540−5)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128に適正に遊技球が入球したことを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットし、大入賞口通過処理を終了する。
(ステップS540−7)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が不適切なものであるとして、所定のエラー処理を実行し、大入賞口通過処理を終了する。
図25は、主制御基板300における特定領域通過処理(ステップS550)を説明するフローチャートである。
(ステップS550−1)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、有効期間フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS550−3に処理を移し、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS550−5に処理を移す。
なお、詳しくは後述するが、この有効期間フラグは、特定領域140bへの遊技球の進入を有効なものとみなすか否かを判断するためのものであり、本実施形態においては、大役遊技中における1回目のラウンド遊技の開始時にオンされ、2回目のラウンド遊技の終了から所定時間経過後にオフされる。
(ステップS550−3)
上記ステップS550−1において、有効期間フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU300aは、特定領域進入フラグをオンし、当該特定領域通過処理を終了する。なお、特定領域進入フラグは、大役遊技中において、特定領域140bに有効に遊技球が進入したことを示すものである。また、既に特定領域進入フラグがオンしている場合には、そのまま当該特定領域通過処理を終了する。
(ステップS550−5)
一方、上記ステップS550−1において、有効期間フラグがオンしていないと判定した場合には、メインCPU300aは、エラー処理を実行する。
(ステップS550−7)
メインCPU300aは、エラーが検出されたことを示すエラーコマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
図26は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図26に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」または「05H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」または「06H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」または「07H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」または「08H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図27は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図28は、主制御基板300における特別図柄変動処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610)
メインCPU300aは、特別図柄変動待ち処理を実行する。この特別図柄変動待ち処理については、図29〜図31を用いて後述する。
(ステップS620)
メインCPU300aは、特別図柄変動中処理を実行する。この特別図柄変動中処理については、図32を用いて後述する。
(ステップS630)
メインCPU300aは、特別図柄停止図柄表示処理を実行する。この特別図柄停止図柄表示処理については、図33を用いて後述する。
図29は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第1のフローチャートであり、図30は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第2のフローチャートである。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、中断中フラグがオンしているかを判定する。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、第1特別図柄表示器160において、最終的に大当たり図柄が停止表示される特別図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示される場合がある。この場合、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されると、小当たり遊技が実行されるが、この間、第1特別図柄表示器160における特別図柄の変動時間が中断され、小当たり遊技の終了後に、第1特別図柄表示器160における特別図柄の変動表示が再開される。中断中フラグは、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されたときに、第1特別図柄表示器160において大当たり図柄が最終的に停止表示される特別図柄の変動表示中であった場合にオンされる。ここでは、中断中フラグがオンしていると判定した場合にはステップS610−3に処理を移し、中断中フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160における特別図柄の変動表示を再開するための処理を実行し、図30のステップS610−51に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、特1保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特1保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610−51に処理を移す。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特1保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特1保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中である、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610−51に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610−9に処理を移す。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特1保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において特別図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、特別図柄の変動表示中であると判定した場合にはステップS610−13に処理を移し、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合にはステップS610−15に処理を移す。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162に最終的に停止表示される特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS610−19に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS610−15に処理を移す。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−15における大役抽選の結果が大当たりであった場合、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−15における大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ用の特別図柄判定データをセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、第2特別図柄表示器162において最終的に大当たり図柄が停止表示される特別図柄の変動表示が行われている場合、第1特別図柄表示器160においては、必ず、ハズレ図柄が停止表示される特別図柄の変動表示のみが行われることとなる。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、上記ステップS610−17またはステップS610−19で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−23)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−25)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−17でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルおよび現在の遊技状態を参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタにセーブする。なお、ハズレ図柄がセーブされている場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
(ステップS610−27)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、特別図柄1表示図柄カウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−29)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、大役抽選が所定回数実行されたところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
(ステップS610−31)
メインCPU300aは、高確回数が0になるまでの残り回数(実残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−51)
図30に示すように、メインCPU300aは、特2保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特2保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610−53に処理を移し、特2保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610−79に処理を移す。
(ステップS610−53)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、特2保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特2保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610−79に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610−55に処理を移す。
(ステップS610−55)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特2保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特2保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−57)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において特別図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、特別図柄の変動表示中であると判定した場合にはステップS610−59に処理を移し、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合にはステップS610−61に処理を移す。
(ステップS610−59)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS610−65に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS610−61に処理を移す。
(ステップS610−61)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−63)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−61における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであった場合、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄または小当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−61における大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ用の特別図柄判定データをセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−65)
メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、第1特別図柄表示器160において最終的に大当たり図柄が停止表示される特別図柄の変動表示が行われている場合、第2特別図柄表示器162においては、必ず、ハズレ図柄が停止表示される特別図柄の変動表示のみが行われることとなる。
(ステップS610−67)
メインCPU300aは、上記ステップS610−63またはステップS610−65で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−69)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−71)
メインCPU300aは、上記ステップS610−61における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−63でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルおよび現在の遊技状態を参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタにセーブする。
(ステップS610−73)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄2表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS610−75)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、大役抽選が所定回数実行されたところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
(ステップS610−77)
メインCPU300aは、上記ステップS610−75で更新されたカウンタ値(高確回数が0になるまでの残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−79)
メインCPU300aは、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるかを判定する。その結果、低確率遊技状態であると判定した場合には、ステップS610−81に処理を移し、低確率遊技状態ではない、すなわち、高確率遊技状態であると判定した場合には、ステップS610−83に処理を移す。
(ステップS610−81)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特1保留に基づく図柄の変動表示中または停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中または停止表示中であると判定した場合には当該特別図柄変動待ち処理を終了し、変動表示中および停止表示中のいずれでもないと判定した場合にはステップS610−85に処理を移す。
(ステップS610−83)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において特1保留に基づく図柄の変動表示中または停止表示中(停止表示時間の計時中)であり、かつ、第2特別図柄表示器162において特2保留に基づく図柄の変動表示中または停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、特1保留および特2保留の双方が、変動表示中または停止表示中であると判定した場合には当該特別図柄変動待ち処理を終了し、特1保留および特2保留の双方が、変動表示中および停止表示中のいずれでもないと判定した場合にはステップS610−85に処理を移す。
(ステップS610−85)
メインCPU300aは、客待ち状態の時間を計時するための客待ちタイマをセットする。
(ステップS610−87)
メインCPU300aは、客待ち状態の開始を伝達するためのデモコマンドを送信バッファにセットし、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図31は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理(ステップS611)を説明するフローチャートである。
(ステップS611−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610でセーブされた特別図柄判定データ(特別図柄の種別)をロードする。
(ステップS611−3)
メインCPU300aは、現在設定されている遊技状態を確認する。
(ステップS611−5)
メインCPU300aは、現在設定されている遊技状態が高確率遊技状態であるかを判定する。その結果、高確率遊技状態であると判定した場合にはステップS611−7に処理を移し、高確率遊技状態ではない、すなわち、低確率遊技状態であると判定した場合にはステップS611−9に処理を移す。
(ステップS611−7)
メインCPU300aは、高確回数が0になるまでの、実際の残り回数(実残り回数)を確認する。
(ステップS611−9)
メインCPU300aは、上記ステップS611−7で確認した実残り回数が1であれば、上記ステップS611−1でロード、確認した特別図柄の種別に基づいて、高確中最終回専用変動パターン乱数判定テーブルをセットする。なお、本実施形態では、高確回数が104回に設定されるが、実残り回数が1になったとき、すなわち、高確率遊技状態における最後の特別図柄の変動表示の開始時には、高確中最終回専用変動パターン乱数判定テーブルを参照して変動パターン番号が決定される。また、上記ステップS611−7で確認した実残り回数が1以外であれば、上記ステップS611−1でロード、確認した特別図柄の種別、上記ステップS611−3で確認した現在の遊技状態、および、保留種別に基づいて、対応する変動パターン乱数判定テーブルを選択してセットする。
(ステップS611−11)
メインCPU300aは、上記ステップS611−9でセットした変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−9またはステップS610−55で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS611−13)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットし、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図32は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。なお、処理対象識別値というのは、以下の各処理を実行する際に、特1保留にかかる処理を実行するのか、特2保留にかかる処理を実行するのかを識別するためのものであり、処理対象識別値として「00H」がセットされている場合には、特1保留にかかる処理が実行され、処理対象識別値として「01H」がセットされている場合には、特2保留にかかる処理が実行される。なお、特別図柄変動中処理および特別図柄停止図柄表示処理の説明で登場する各種のカウンタやタイマには、特1保留用と特2保留用とが設けられており、以下のステップS620−5〜ステップS620−23の処理では、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値に対応する処理対象(カウンタやタイマ等)についてなされるものである。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、処理対象の保留が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において変動表示中であるかを判定する。その結果、変動表示中であれば、ステップS620−5に処理を移し、変動表示中でなければ、ステップS620−25に処理を移す。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−9に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−13に処理を移す。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、上記ステップS610−23またはステップS610−69で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、上記ステップS620−9で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−19に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−13に処理を移す。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−17に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合にはステップS620−25に処理を移す。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、ステップS620−25に処理を移す。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−21またはS610−67で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620−23)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットする。
(ステップS620−25)
メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS620−27に処理を移す。
(ステップS620−27)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「01H」をセットし、ステップS620−3に処理を移す。
図33は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、メインRAM300cにセットされた処理対象識別値に対応する保留種別にかかる特別図柄が、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示中であるかを判定する。その結果、停止表示中であると判定した場合にはステップS630−5に処理を移し、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS630−37に処理を移す。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、上記ステップS620−23でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS630−37に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、大役抽選の結果がハズレであるかを判定する。その結果、ハズレであると判定した場合にはステップS630−35に処理を移し、ハズレではないと判定した場合にはステップS630−11に処理を移す。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、変動表示中の特別図柄があるかを判定する。その結果、変動表示中の特別図柄があると判定した場合にはステップS630−13に処理を移し、変動表示中の特別図柄はないと判定した場合にはステップS630−23に処理を移す。
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、停止表示中の特別図柄が小当たり図柄であるかを判定する。その結果、小当たり図柄であると判定した場合にはステップS630−15に処理を移し、小当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS630−21に処理を移す。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、変動表示中の特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS630−17に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS630−21に処理を移す。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、中断中フラグをオンする。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、最終的に大当たり図柄が停止表示される特別図柄の変動表示を中断する変動中断処理を実行する。ここでは、変動時間の残り時間や、特別図柄にかかる情報を一時的に所定の記憶領域に退避させる処理を行う。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、変動表示中の特別図柄を強制停止させる図柄強制停止処理を行う。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、遊技状態を更新する遊技状態更新処理を行う。ここでは、停止表示中の特別図柄が大当たり図柄である場合に遊技状態を初期状態に設定し、停止表示中の特別図柄が小当たり図柄である場合には、そのまま次の処理に移る。
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−27)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−25でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−29)
メインCPU300aは、上記ステップS630−25でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630−31)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−33)
メインCPU300aは、大役遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、小当たり遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「05H」に更新して、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技または小当たり遊技が開始されることとなる。
(ステップS630−35)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−37)
メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS630−39に処理を移す。
(ステップS630−39)
メインCPU300aは、処理対象識別値に01Hを加算し、ステップS630−3に処理を移す。
図34は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」、「05H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、上記ステップS630−29でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、大入賞口の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を確認し、1回目のラウンド遊技の開始であるか、すなわち、第2大入賞口128の開放開始であるかを判定する。その結果、1回目のラウンド遊技が開始すると判定した場合にはステップS640−9に処理を移し、1回目のラウンド遊技の開始ではないと判定した場合にはステップS640−11に処理を移す。
(ステップS640−9)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオンする。
(ステップS640−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「02H」または「06H」)に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図35は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、不図示の可動部材制御テーブルをセットするとともに、当該テーブルを参照して、可動部材駆動ソレノイド142cの通電制御を行う。
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−13に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641−13)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図36は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」、「06H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口は閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を確認し、2回目のラウンド遊技の終了であるか、すなわち、第2大入賞口128が閉鎖されるかを判定する。その結果、2回目のラウンド遊技が終了すると判定した場合にはステップS650−13に処理を移し、2回目のラウンド遊技の終了ではないと判定した場合にはステップS650−15に処理を移す。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオフする有効期間フラグオフタイマをセットする。なお、有効期間フラグオフタイマは、ステップS400−9のタイマ更新処理でタイマ割込処理の度に減算されていき、0になると有効期間フラグがオフになる。
(ステップS650−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「03H」または「07H」)に更新する。
(ステップS650−17)
メインCPU300aは、大入賞口が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図37は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新する。なお、特別遊技管理フェーズが07Hである場合、すなわち、小当たり遊技の制御中は、小当たり遊技のラウンド遊技回数が「1」であることから、上記ステップS660−3で必ずYESと判定され、当該ステップに処理が移行することはない。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「04H」または「08H」)に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図38は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には高確率遊技状態に設定し、特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には低確率遊技状態に設定する。また、遊技状態を高確率遊技状態に設定した場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を「104」にセットする。なお、この処理は、大役遊技が実行された場合にのみ行われ、小当たり遊技が実行された場合には、当該処理を行うことはない。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
図39は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
図39に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図40は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
図41は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
図42は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間に亘って、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
図43は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
図44は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、上記ステップS730−9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
図45は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
図46は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
図47は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図48は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、低確率遊技状態において実行される、大役抽選の抽選結果を示唆または報知する変動演出と、高確率遊技状態において実行される演出について説明する。
(演出の一例)
図49は、リーチなし変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。上記のように、低確率遊技状態に設定されている場合に、主制御基板300において大役抽選が行われると、特別図柄の変動表示中、すなわち、特別図柄の変動時間に亘って、大役抽選の結果を報知する変動演出が実行される。なお、この変動演出は、遊技状態が低確率遊技状態に設定されている場合に、特1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われると実行されるが、特2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われた場合や、遊技状態が高確率遊技状態に設定されている場合に実行されることはない。
この変動演出においては、演出表示部200aにおいて種々の背景画像が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)される。そして、最終的に演出表示部200aに停止表示された演出図柄210a、210b、210cの組み合わせ表示態様によって、大役抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。なお、変動演出中は、演出表示部200aに表示される画像に伴って、音声出力装置206から音声が出力されるとともに、演出照明装置204が点灯制御され、また、演出役物装置202が可動制御される。
本実施形態の変動演出は、リーチなし変動パターン、リーチ変動パターンに大別される。リーチなし変動パターンの変動演出では、演出表示部200aに背景画像(図示を省略)が表示されるとともに、この背景画像に演出図柄210a、210b、210cが重畳して変動表示される。例えば、図49(a)に示すように、大役抽選結果がハズレであったことを示す組み合わせで演出図柄210a、210b、210cが停止表示されているとする。この状態で、新たに特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示の開始に伴って、図49(b)に示すように、3つの演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)を開始する。なお、図中下向きの矢印は、演出図柄210a、210b、210cが縦方向にスクロール表示されていることを示している。
そして、図49(c)に示すように、まず、演出図柄210aが停止表示され、その後、図49(d)に示すように、演出図柄210aと異なる図柄(態様)で演出図柄210cが停止表示される。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、図49(e)に示すように、演出図柄210bが停止表示され、このとき停止表示されている3つの演出図柄210a、210b、210cの組み合わせによって、大役抽選結果が遊技者に報知される。
なお、本実施形態では、大当たり当選時には、3つの演出図柄210a、210b、210cが全て同一の図柄(態様)で停止表示され、その後に大役遊技が実行される。一方、大役抽選結果がハズレであった場合には、3つの演出図柄210a、210b、210cが全て同一の図柄(態様)で停止表示されることはない。
図50は、リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。リーチ変動パターンの変動演出は、リーチなし変動パターンの変動演出と同様に、特別図柄の変動表示の開始に伴って、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始され、図50(a)に示すように、演出図柄210aがまず停止表示される。その後、図50(b)に示すように、演出図柄210aと同一の図柄(態様)で演出図柄210cが停止表示される。
このように、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cが特定態様(同一の図柄(態様))、所謂「リーチ態様」で表示されると、図50(c)に示すように、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cに重畳して「リーチ」と表示される。その後、図50(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの形状を、特定態様になる前と異にして変動表示が継続される。そして、その後、演出表示部200aには、図50(e)に示すように、所定の動画(リーチ発展演出)が再生表示されるとともに、最終的に、演出図柄210a、210b、210cが停止表示されて大役抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
(演出決定テーブルの一例)
次に、上記の変動演出の態様の決定方法について説明する。図51は、低確時変動演出決定テーブルを説明する図である。図51に示すように、変動パターンコマンドを受信すると、0〜249の範囲から演出乱数を取得するとともに、取得した乱数値と、低確時変動演出決定テーブルとに基づいて、1の変動演出の実行態様(パターン)が決定される。このとき決定される変動演出の実行パターンには、演出表示部200aに表示する画像パターン等が対応付けられており、主制御基板300で決定された変動パターン番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致する変動演出の実行態様が決定されるように予め設計されている。
ここで、上記したように、第1始動口120への遊技球の入球に起因して特別図柄が決定された場合、すなわち、特1保留によって特別図柄が決定された場合、変動時間の計時中に第1特別図柄表示器160において図柄を変動表示させるとともに、変動時間が経過すると、決定された特別図柄を第1特別図柄表示器160に停止表示させる処理(以下、「第1変動処理」という)が実行される。同様に、第2始動口122への遊技球の入球に起因して特別図柄が決定された場合、すなわち、特2保留によって特別図柄が決定された場合、変動時間の計時中に第2特別図柄表示器162において図柄を変動表示させるとともに、変動時間が経過すると、決定された特別図柄を第2特別図柄表示器162に停止表示させる第2変動処理が実行される。
なお、低確率遊技状態における変動対象である特1保留については、大役抽選の結果が大当たりもしくはハズレとなる。したがって、以下では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示の開始から停止表示の終了までを第1変動処理とする。一方、高確率遊技状態における変動対象である特2保留については、大役抽選でほぼ小当たりに当選することになる。したがって、以下では、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始から停止表示の終了までを第2変動処理と言うこともあれば、図柄の停止表示後に実行される小当たり遊技が終了するまで、すなわち、一連の特別遊技が終了するまでの全ての処理を第2変動処理という場合もある。
上記のとおり、遊技状態が低確率遊技状態に設定されている場合の変動対象は特1保留である。本実施形態では、低確率遊技状態に設定されている場合、変動演出は、変動対象である特1保留すなわち第1変動処理についてのみ実行され、実質変動対象外である特2保留すなわち第2変動処理については実行されない。ただし、実質変動対象外である特2保留についても、大役抽選が行われるとともに、この大役抽選で大当たりに当選する可能性もある。そこで、低確率遊技状態に設定されている場合、第2変動処理中であるか否かを、次のように報知する。
図52は、低確率遊技状態に設定されている場合における特2保留による大役抽選の結果の報知態様を説明する図である。例えば、低確率遊技状態において、第1変動処理および第2変動処理が同時並行して実行されている場合には、図52(a)〜(c)に示すように、特1保留に基づく変動演出が実行される。このとき、第1変動処理と同時並行して第2変動処理が実行されていると、図52に示すように、演出表示部200aの右下部にミニ図柄211が表示される。
このミニ図柄211は、四角と丸の2つの図柄の組み合わせからなり、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中、図52(a)、(b)に示すように、所定間隔で点滅を繰り返している。そして、第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されると、図52(c)に示すように、ミニ図柄211が停止表示されることとなる。なお、ミニ図柄211は、第2変動処理中であるか否かを報知するものであるが、変動演出における演出図柄210a、210b、210cのように、大役抽選の結果に応じて、停止表示態様を異ならせてもよい。
このように、低確率遊技状態においては、第1変動処理と第2変動処理とが同時並行して実行されている場合、第1変動処理についてのみ変動演出が実行され、第2変動処理についての変動演出は実行されない。そのため、変動演出が実行されない第2変動処理において、第2特別図柄表示器162に大当たり図柄が停止表示された際に、遊技者が大当たりに当選したことに気付かず、不利益を被る可能性がある。
図53は、低確率遊技状態に設定されている場合の第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162の図柄の変動表示の一例を説明する図である。なお、以下では、最終的にハズレ図柄が停止表示される第1変動処理または第2変動処理をハズレ変動と呼び、最終的に大当たり図柄が停止表示される第1変動処理または第2変動処理を大当たり変動と呼ぶ。
例えば、第1変動処理が実行されており、メインRAM300cに特1保留が2つ記憶されているとする。このとき、第2変動処理が実行されなかった場合や、第2変動処理がハズレ変動であった場合には、図53(a)に示すように、ハズレ変動1〜3の3回の第1変動処理が連続して実行される。しかしながら、例えば、ハズレ変動1の途中で、図53(b)に示すように、大当たり変動の第2変動処理が開始されたとする。また、この大当たり変動は、変動時間が60秒であり、ハズレ変動1、2の終了後も大当たり変動が継続し、ハズレ変動3の途中で、第2特別図柄表示器162に大当たり図柄が停止表示されるとする。
副制御基板330においては、低確率遊技状態に設定されているときに、大当たり変動の第2変動処理が実行されると、第2特別図柄表示器162の変動時間の残り時間(以下、「特2大当たり待ち時間」と呼ぶ)を常時監視する。そして、第1変動処理の開始時には、当該第1変動処理の変動時間が、特2大当たり待ち時間未満であるか、すなわち、当該第1変動処理が、大当たり変動(第2変動処理)よりも先に終了するかを判定している。このとき、図53に示すハズレ変動2のように、第1変動処理が、大当たり変動(第2変動処理)よりも先に終了すると判定すると、通常通りに変動演出が実行される。
一方、ハズレ変動3のように、第1変動処理の変動時間が、特2大当たり待ち時間未満である場合、すなわち、当該第1変動処理よりも大当たり変動(第2変動処理)が先に終了する場合には、変動演出を開始することなく、所定の待機演出を実行する。具体的に説明すると、主制御基板300においては、第1変動処理および第2変動処理が同時並行して実行されている場合に、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれか一方に大当たり図柄が停止表示されると、いずれか他方にハズレ図柄が強制停止表示される(図53(c))。
そのため、上記のハズレ変動3の開始とともに変動演出を開始してしまうと、変動演出が突如として打ち切られた直後に、大役遊技が開始されることとなり、遊技者に不信感や疑念を抱かせるおそれがある。また、変動演出が打ち切られた直後に大役遊技が実行されるため、大役遊技が実行されていることに遊技者が気付かず、遊技球の発射を停止させる等、遊技者に不利益を生じさせる可能性もある。そこで、本実施形態では、ハズレ変動3の開始時には、変動演出を実行することなく、大役遊技が後に開始することを示唆する待機演出を実行することで、上記の不信感等を遊技者に抱かせたり、あるいは、遊技者に不利益を生じさせたりすることがないようにしている。
図54は、待機演出の一例を説明する図である。例えば、図54(a)、(b)に示すように、図53のハズレ変動2についての変動演出が実行されているとする。このハズレ変動2に係る変動演出では、演出表示部200aにおいて演出図柄210a、210b、210cが所定時間変動表示された後に、ハズレを報知する態様で停止表示される。そして、主制御基板300において図53のハズレ変動3が開始されると、副制御基板330において待機演出が実行され、図54(c)に示すように、演出表示部200aに「激熱準備中」と表示される。このように、演出表示部200aにおける「激熱準備中」の表示は、第2特別図柄表示器162に大当たり図柄が停止表示されるまで継続する。なお、こうした待機演出中は、演出図柄210a、210b、210cを変動表示させてもよいし、非表示としてもよい。
そして、第2特別図柄表示器162に大当たり図柄が停止表示したところで待機演出が終了となり、図54(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが大当たりを報知する態様で停止表示(確定表示)され、以後、大役遊技の開始に合わせて、大役演出が実行されることとなる。
以上説明したように、低確率遊技状態において、大当たり図柄が停止表示される第2変動処理中に、大当たり図柄以外の図柄が停止表示される第1変動処理が開始する場合、第1変動処理の変動時間が、第2変動処理において大当たり図柄が停止表示されるまでの残り時間(特2大当たり待機時間)よりも短ければ、第1変動処理中に変動演出を実行する。一方、第1変動処理の変動時間が、第2変動処理において大当たり図柄が停止表示されるまでの残り時間(特2大当たり待機時間)よりも長ければ、第1変動処理中、待機演出を実行する。これにより、大役遊技の開始が遊技者に示唆されることとなり、遊技者が大役遊技の開始に気付かずに不利益を被るといった事態が回避される。また、変動演出が途中で打ち切られることもないため、遊技者に不信感を生じさせることもない。
次に、高確率遊技状態に設定されている場合に実行される演出について説明する。なお、低確率遊技状態に設定されているときに大当たりに当選し、大役遊技後に最初に高確率遊技状態に移行する所謂初当たり時には、遊技者が演出モードを選択することができる。本実施形態では、チャージモードおよびシナリオモードの2種類の演出モードが設けられており、高確率遊技状態が終了するまで、遊技者が選択した演出モードに対応した演出が実行されるが、ここでは、遊技者がチャージモードを選択した場合に実行される演出について詳述し、シナリオモードについては説明を省略する。
図55は、高確率遊技状態に設定されている場合の演出の一例を説明する図である。高確率遊技状態(チャージモード)においては、図55(a)に示すように、演出表示部200aの中央に、背景画像としてキャラクタ画像220が表示される。ここでは、背景画像として表示されるキャラクタ画像220が複数種類用意されており、演出表示部200aの左側には、各キャラクタ画像220に対応するアイコン画像222(図中、符号222a、222b、222cで示す)が表示される。
さらに、演出表示部200aの右下部には、合計払出数表示部224が設けられており、遊技者が獲得した賞球数、より詳細には、大入賞口に遊技球が入球して払い出された賞球数を積算した合計払出数が表示される。なお、上記したように、本実施形態では、高確率遊技状態に設定されている場合、遊技者が第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させると、小当たり遊技が頻繁に実行され、この小当たり遊技によって獲得賞球数が徐々に増加していく。この合計払出数表示部224には、低確率遊技状態から高確率遊技状態への変更契機となる大役遊技の開始時から、遊技状態が最終的に低確率遊技状態に変更されるまでの間、大役遊技および小当たり遊技中に大入賞口に遊技球が入球して払い出された合計払出数が表示される。
そして、演出表示部200aに表示されるキャラクタ画像220は、合計払出数表示部224に表示される合計払出数に応じて切り替わる。具体的には、副制御基板330においては、合計払出数が算出されており、算出した合計払出数が閾値を超えると、演出表示部200aの中央に表示されるキャラクタ画像220が変更される。例えば、図55(c)に示すように、演出表示部200aに表示されるキャラクタ画像220が、キャラクタA〜Eの5種類設けられており、各キャラクタA〜Eに、合計払出数がそれぞれ対応付けられている。副制御基板330においては、合計払出数を常時確認しており、合計払出数が閾値を超えると、現在の合計払出数に対応するキャラクタ画像220を演出表示部200aに表示するように制御する。このとき、例えば、図55(b)に示すように、既に演出表示部200aに表示されたキャラクタ画像220に対応するアイコン画像222には、×が表示される。
また、本実施形態では、高確率遊技状態に設定されている場合に、遊技者が演出操作装置208を操作することで、好みの出力音声(楽曲)を選択できるようにしている。このとき、図55(c)に示すように、合計払出数が多くなるにつれて、選択可能な出力音声(楽曲)が徐々に増えていくように設定されている。
なお、本実施形態では、演出表示部200aの右端に、主制御基板300のメインRAM300cに記憶されている特2保留に対応する保留表示画像228(図中、符号228a〜228d、228xで示す)が表示される。上記のように、主制御基板300のメインRAM300cには第2特図保留記憶領域が設けられており、この第2特図保留記憶領域の第1〜4記憶部に特2保留が記憶される。第1記憶部に特2保留が記憶されている場合には、保留表示画像228aが表示され、第1記憶部および第2記憶部に特2保留が記憶されている場合には、保留表示画像228a、228bが表示され、第1記憶部〜第3記憶部に特2保留が記憶されている場合には、保留表示画像228a、228b、228cが表示され、第1記憶部〜第4記憶部に特2保留が記憶されている場合には、保留表示画像228a、228b、228c、228dが表示される。つまり、保留表示画像228は、主制御基板300のメインRAM300cに記憶されている特2保留数の増減を報知するものとなっている。
また、特2保留が読み出されて第2変動処理が実行されると、読み出された特2保留に対応する保留表示画像228xが表示される。つまり、保留表示画像228xは、現在、第2変動処理が実行されていることを示すものとなっており、保留表示画像228a〜228dよりも表示面積が大きくなっている。詳しくは後述するが、保留表示画像228は、表示色を異にする複数の表示パターンが設けられており、他の演出との兼ね合いで表示パターンが決定されることとなる。
さらに、演出表示部200aの右最下部には、報知残り回数表示部226が設けられており、この報知残り回数表示部226に、高確率遊技状態における残りの大役抽選可能回数が表示される。ただし、報知残り回数表示部226に表示される回数は、主制御基板300で管理されている実際の残り回数(実残り回数)と必ずしも一致するものではない。すなわち、報知残り回数表示部226に表示される報知残り回数は、高確率遊技状態から低確率遊技状態に変更されるまでの特別図柄の決定もしくは停止表示の実残り回数に基づいて決定されるが、この報知残り回数は、主制御基板300で管理されている実残り回数の範囲内の回数となっている。
つまり、報知残り回数表示部226には、実残り回数よりも少ない回数が報知残り回数として表示される場合がある。このように、実残り回数と報知残り回数とを意図的に異ならせることにより、遊技者に緊張感や期待感を与える演出を実現可能とする。
そして、演出表示部200aの中央下部には、リール表示部230が設けられ、第2変動処理のたびに、リール表示部230に3つの図柄が変動表示および停止表示されるリール演出が実行される。このリール表示部230に停止表示される図柄態様は複数設けられており、リール表示部230に停止表示される図柄態様によって、遊技中のさまざまな示唆や報知がなされる。以下に、実残り回数と報知残り回数との間に差分が生じている場合の演出について詳述する。
図56は、高確率遊技状態における演出サイクルを説明する図である。遊技状態が低確率遊技状態に設定されているときに、大当たり図柄として特別図柄Bが決定され、大役遊技中に第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに進入したとする。この場合、図56(a)に示すように、大役遊技の終了後に遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確回数すなわち高確率遊技状態の実残り回数は104回に設定される。このとき、大役遊技が終了し、高確率遊技状態における特別遊技(変動処理)の再開に伴って、報知残り回数表示部226には、報知残り回数として「100」と表示される。
つまり、低確率遊技状態から高確率遊技状態に移行した最初の時点(以下、「初当たり時」と呼ぶ)、換言すれば、実残り回数が最大回数(104回)となる高確率遊技状態の設定直後においては、報知残り回数が、最大回数(104回)よりも少ない回数で表示される。このとき、実残り回数と報知残り回数との差分は4回であるが、この4回というのは、特1保留数の上限数を想定したものである。つまり、実残り回数が最大回数(104回)となる高確率遊技状態の設定直後においては、最大回数(104回)よりも特1保留の上限数だけ少ない回数が、報知残り回数として表示されることとなる。
上記したように、低確率遊技状態に設定されている場合には、特1保留のみが実質変動対象であることから、第1始動口120に遊技球を入球させて大役抽選の権利を受けるのが本来の遊技性となっている。このとき、特1保留は4つを上限として記憶されるとともに、記憶されている特1保留が順次読み出されて大役抽選が行われる。一方、高確率遊技状態に設定されている場合には、特2保留が実質変動対象となる。しかしながら、特1保留では小当たりに当選することがなく、また、特1保留によって大当たりに当選した場合には、以後の遊技状態が低確率遊技状態となる特別図柄Aが50%の確率で決定されてしまう。これに対して、特2保留では、必ず、大当たりまたは小当たりに当選するとともに、大当たりに当選した場合には、以後の遊技状態が高確率遊技状態となる特別図柄C、Dのいずれかのみが決定される。
このように、大役抽選は、第1始動口120に遊技球が入球した場合よりも、第2始動口122に遊技球が入球した場合の方が遊技者に有利であり、高確率遊技状態では、第2始動口122に遊技球を入球させるのが本来の遊技性となっている。
ところが、低確率遊技状態では、遊技者が第1始動口120に遊技球を入球させるべく遊技を行っていることから、初当たり時には特1保留が記憶されている可能性が高い。初当たり時に特1保留が記憶されていると、大役遊技の終了後、高確率遊技状態における特別遊技が再開されたときに、特1保留および特2保留の双方が読み出されて大役抽選が行われ、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162の双方で、同時に図柄の変動表示が行われる。
ここで、高確率遊技状態では、特1保留が読み出されて大役抽選が実行されたときの変動時間(ハズレ時)は10秒であり、特2保留が読み出されて大役抽選が実行されたときの変動時間(小当たり時)は0.2秒である(図8参照)。そして、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれか一方で小当たり図柄または大当たり図柄が停止表示された場合には、いずれか他方にはハズレ図柄が強制停止表示される。そのため、高確率遊技状態における特別遊技が再開されたときに特1保留が記憶されていると、第2特別図柄表示器162において小当たり図柄が停止表示された時点で、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄が停止表示される。
このように、高確率遊技状態では、104回の大役抽選を受けることができるように設定されているものの、例えば特1保留が上限数の4つ記憶されている場合には、実質的な大役抽選の回数は100回となる。こうした状況下で、報知残り回数表示部226に、実残り回数と同数の報知残り回数を表示すると、遊技者に損失感を与えかねない。
また、本実施形態では、特別図柄の変動表示、すなわち、大役抽選が行われるたびに、主制御基板300で管理される実残り回数が1ずつ減算されていくが、これに合わせて、報知残り回数表示部226に表示される報知残り回数も1ずつ減算されていく。ところが、高確率遊技状態における特別遊技が再開されたときに特1保留が記憶されている場合には、特1保留による大役抽選と、特2保留による大役抽選とが同時に行われるため、実残り回数は、図56(a)に示すように2ずつ減少する。このとき、実残り回数と同様に、報知残り回数も2ずつ減少させると、遊技者に不信感を与えることになり兼ねない。
そこで、本実施形態では、実残り回数よりも報知残り回数を少ない回数で表示することを前提とし、特2保留が読み出されて大役抽選が実行されるのに伴って、報知残り回数を減ずる。一方で、特1保留が読み出されて大役抽選が実行される場合であって、報知残り回数が実残り回数よりも多い場合には、報知残り回数表示部226に表示中の報知残り回数を維持する。つまり、報知残り回数表示部226に表示された報知残り回数は、一部のケースを除き、特2保留による大役抽選が行われた場合にのみ更新され、特1保留による大役抽選が行われた場合には更新されないようにしている。
このようにすることで、初当たり時に特1保留が4つ記憶されている場合には、図56(a)に示すように、特1保留および特2保留がそれぞれ4回読み出された時点、つまり、実残り回数が96回になったところで、実残り回数と報知残り回数とが一致することとなる。これにより、初当たり時に特1保留が記憶されていたとしても、遊技者に与える不信感や損失感が低減され、遊技の興趣低下を抑制することができる。
そして、高確率遊技状態において再度大当たりに当選することなく、換言すれば、大当たり図柄以外の図柄が104回決定されると、遊技状態が低確率遊技状態に変更される。したがって、この場合には、以後、実残り回数と報知残り回数との間に差異が生じることなく、報知残り回数が1となった後に、遊技状態が低確率遊技状態に変更されることとなる。
なお、上記したように、高確率遊技状態では特2保留が実質変動対象となるが、特2保留によって大役抽選が行われた場合、決定される図柄は、小当たり図柄としての特別図柄Z1、Z2、Z3か、大当たり図柄としての特別図柄C、Dとなる。図56(b)に示すように、大役抽選によって特別図柄Z1が決定されると、主制御基板300において変動パターン番号が決定され、決定された変動パターン番号に対応する変動時間に亘って、特別図柄の変動表示が行われる。その後、特別図柄Z1が、一定時間、第2特別図柄表示器162に停止表示されると、小当たり遊技が実行される。
ここで、実残り回数が104〜2回であるときに、小当たり図柄として特別図柄Z1が決定された場合に選択される変動パターン番号、すなわち、変動時間は、1つのみとなっている。また、特別図柄の停止表示時間は、図柄の種別や遊技状態等に拘わらず、常に一定となっている。したがって、特別図柄Z1が決定された場合、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始から、特別図柄Z1の停止表示後に実行される小当たり遊技が終了するまでの期間を1サイクルとした場合、この1サイクルに要する時間は常に一定(本実施形態では6.0秒)となる。
また、実残り回数が104〜2回であるときに、小当たり図柄として特別図柄Z2、Z3が決定された場合にも、特別図柄Z1が決定された場合と同じ変動パターン番号のみが選択されるように設計されている。なお、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技は3種類設けられており、決定された小当たり図柄に応じて、第2大入賞口128の開閉制御がなされる。これら3種類の小当たり遊技は、図56(b)〜(d)に示すように、オープニング時間とエンディング時間が互いに異なることから、小当たり遊技中の大入賞口の開閉タイミングが異なっている。ただし、いずれの小当たり遊技においても、第2大入賞口128が最初に開放されてから最終的に閉鎖されるまでに要する時間や開閉態様は同一であり、しかも、小当たり遊技の開始(オープニング)から終了(エンディング)までに要する時間も、同じ時間に設定されている。したがって、特別図柄Z1、Z2、Z3のいずれが決定された場合にも、1サイクルに要する時間は一定(6.0秒)となっている。
また、図56(e)に示すように、実残り回数が104〜2回であるときに、大当たり図柄として特別図柄Cが決定された場合にも、小当たり図柄が決定された場合と同じ変動パターン番号が選択される。また、特別図柄Cが決定されて実行される大役遊技のオープニング時間およびエンディング時間は、小当たり図柄である特別図柄Z1が決定された場合に実行される小当たり遊技と等しい。したがって、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる発射操作を遊技者が継続して行っていれば、特別図柄Cが決定された場合の変動表示の開始から大役遊技の終了までの1サイクルに要する時間も、小当たり図柄が決定された場合の1サイクルに要する時間とほぼ等しくなる。なお、図56(f)に示すように、特別図柄Dが決定された場合には、第2大入賞口128が開放された後に、第1大入賞口126が開放されることとなる。
このように、高確率遊技状態においては、特2保留に基づいて大役抽選が行われると、6.0秒を1サイクルとして遊技が進行する。そして、本実施形態では、1サイクルに要する時間に対応する6.0秒の演出パターンや、複数サイクルに要する時間、つまり6.0秒×n(nは任意の数値)の演出パターンが複数設けられており、これら複数の演出パターンの中からいずれかの演出パターンを選択して、演出が実行制御される。より詳細には、通常、図55(a)、(b)に示す演出が実行されているが、予め設定された演出実行条件が成立すると、1サイクルを基準としたサイクル演出が実行制御される。
図57は、報知残り回数と実残り回数との差分発生状態を説明する図である。上記したように、高確率遊技状態に設定された直後は、実残り回数が104回に設定されるのに対して、報知残り回数は100回と表示されることから、実残り回数と報知残り回数との間に差分が発生した差分発生状態となる。そして、初当たり時に特1保留が4つ記憶されている場合には、図示のように、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示が同時に行われることから、実残り回数および報知残り回数が96回となったところで、差分発生状態が解消される。
この状態で、大役抽選によって特別図柄Cが決定され、大役遊技中に第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに進入すると、大役遊技の終了後に遊技状態の再設定がなされ、実残り回数が再度104回に設定される。
例えば、図57に示すように、実残り回数が59回となったところで、大役抽選によって特別図柄Cが決定され、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入すると、図示のように、実残り回数が104回に再設定される。このとき、大役遊技における第2大入賞口128の開閉態様は、小当たり遊技における第2大入賞口128の開閉態様と識別するのが困難であるため、遊技者は、第2大入賞口128の開閉を見ただけでは、実残り回数が104回に再設定されたことに気付くのは難しい。したがって、特別図柄Cが決定されたときの1サイクル中に、大当たりの当選を報知するような演出を実行することなく、そのまま報知残り回数を減算していくことで、遊技者に気付かれないうちに、報知残り回数と実残り回数との間に、46回の差分を生じさせる。
ここで、大当たり当選時の遊技状態が高確率遊技状態である場合、つまり、高確率遊技状態で大当たりに当選する、所謂、連荘状態では、遊技者は、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させており、本来の遊技性に則って遊技が行われていれば、連荘状態での大当たり当選時に特1保留が記憶されていることはない。また、上記のように、初当たり時に記憶されていた特1保留は、特2保留と同時に読み出されて消化されている。したがって、連荘状態では、大当たり当選時に生じた差分が特1保留によって縮まる可能性は低く、46回の差分発生状態が継続することとなる。
そして、その後、実残り回数が76回となったところで、大役抽選によって再び特別図柄Cが決定され、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入すると、図示のように、実残り回数が104回に再設定される。この場合にも、大当たりの当選を報知するような演出を実行することなく、そのまま報知残り回数を減算していくと、遊技者に気付かれないうちに、報知残り回数と実残り回数との間に、75回の差分が生じることとなる。
本実施形態では、上記のようにして実残り回数と報知残り回数との間に差分が生じた状態において、報知残り回数が恰も増加したかのような印象を遊技者に抱かせるべく、上乗せ演出が実行される。
図58は、上乗せ演出とサイクルとの関係を説明する図である。本実施形態では、遊技者が第2遊技領域116bに向けて遊技球を継続的に発射している場合、特2保留が途切れることなく遊技を進行することができるように設計されている。したがって、高確率遊技状態においては、図58(a)に示すように、基本的に、6.0秒の1サイクルが間を空けずに繰り返されている。
そして、報知残り回数と実残り回数との間に差分が生じている状態で実行される上乗せ演出は、通常パターン(パターン1〜3)および特別パターンの合計4種類の実行パターンが設けられている。通常パターン(パターン1〜3)および特別パターンは、いずれも1サイクル演出用、2サイクル演出用、3サイクル演出用が設けられている。
1サイクル演出は、図58(b)に示すように、1サイクルに要する時間、すなわち、6.0秒で構成されている。また、複数サイクル演出は、2サイクル演出が、図58(c)に示すように、2サイクルに要する時間(12.0秒)で構成され、3サイクル演出が、図58(d)に示すように、3サイクルに要する時間(18.0秒)で構成されている。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態では上乗せガセ演出が設けられており、この上乗せガセ演出についても、図58(e)〜(g)に示すように、1サイクル上乗せガセ演出、2サイクル上乗せガセ演出、3サイクル上乗せガセ演出の3種類が設けられている。これらの1サイクル演出および複数サイクル演出は、主制御基板300において小当たり図柄(大当たり図柄)が決定され、第2特別図柄表示器162において特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って実行制御される。ただし、これら1サイクル演出および複数サイクル演出は、その実行可否が、特2保留の記憶時に抽選により決定され、抽選によって当選した場合に限って実行される。こうした各演出の抽選に関しては、後で詳述する。
図59は、1サイクル上乗せ演出および1サイクル上乗せガセ演出の一例を説明する図である。例えば、図59(a)に示すように、高確率遊技状態用の演出が実行されているときに、通常パターンの1サイクル上乗せ演出または1サイクル上乗せガセ演出が実行されるとする。この場合、特別図柄の変動表示の開始に伴って、図59(b)に示すように、演出表示部200aに「継続確定」、「残念」、「NEXT」、「上乗せ」と記されたルーレットを模した画像が表示されるとともに、ルーレットが回転する画像が表示される。
そして、上乗せ演出では、図59(c)に示すように、「上乗せ」と表示された領域が最終的に識別表示されるとともに、図59(d)に示すように、演出表示部200aに、「上乗せ+n(nは上乗せ回数、ここでは20)」と表示される。ここまでが1サイクル上乗せ演出であり、図59(d)に示す状態で、主制御基板300における1サイクルがちょうど終了するように構成されている。
また、上記のようにして1サイクル中に上乗せ演出が実行された場合には、上乗せ演出に続いて加算演出が実行される。この加算演出は、報知残り回数表示部226に表示されている報知残り回数に、上乗せ演出で表示された上乗せ回数nを加算表示する演出である。例えば、図59(d)に示すように、上乗せ回数nが20回であり、加算演出の開始時に報知残り回数表示部226に表示されている報知残り回数が「29」であったとする。この場合には、上乗せ回数nの加算前の「29」から、図59(e)に示すように、上乗せ回数nの加算後の「49」になるまで、報知残り回数表示部226の表示数値を一定速度で更新表示する。
このとき、上乗せ回数nが小さい場合には、報知残り回数表示部226における表示数値の更新速度を遅くし、上乗せ回数nが大きい場合には、報知残り回数表示部226における表示数値の更新速度を早くする。例えば、上乗せ回数n<10であれば、3フレーム(1フレーム=約33mm秒)ごとに表示数値を「1」加算し、10≦上乗せ回数n<30であれば、2フレームごとに表示数値を「1」加算し、30≦上乗せ回数nであれば、1フレームごとに表示数値を「1」加算する。
このようにすることで、上乗せ回数nが小さい場合でも、報知残り回数が多数回復したかのような印象を遊技者に付与し、また、上乗せ回数nが大きい場合には、無駄に加算演出が長期化するのを防止することができる。なお、上記したように、1サイクルは約6秒であるのに対して、この加算演出は、最長でも2秒程度であり、必ず、1サイクル中に完結する。また、1サイクル(第2変動処理)の開始とともに加算演出が行われた場合には、加算演出が終了してから当該1サイクルが終了するまでの間に、十分な時間が担保される。
1サイクルに要する時間は、基本的に6秒程度と考えられるが、遊技領域116において球詰まり等が発生し、小当たり遊技中に多量の遊技球が第2大入賞口128に入球して、第2大入賞口128の最大開放時間の経過前に小当たり遊技が終了する可能性もある。このように、小当たり遊技に要する時間が想定よりも短いと、1サイクルに要する時間が短くなり、結果、上乗せ演出が1サイクルの範囲内に収まりきらないおそれがある。
この場合、想定よりも短時間となったサイクルの次のサイクルの開始時に、本来終了しているはずの上乗せ演出が継続した状態となる。このような状況下で、次サイクルで上乗せ演出等、何らかの別の演出を開始する決定がなされてしまうと、先に実行された上乗せ演出のうち、1サイクルからはみ出してしまった部分を強制的に終了せざるを得なくなってしまう。
そこで、本実施形態では、1サイクル中に余裕をもって終了可能な加算演出を、上乗せ演出に続いて実行するとともに、上乗せ演出に要するサイクル数に、加算演出用の1サイクルを加えた複数のサイクルに亘って演出の実行を記憶(予約)する。そして、複数のサイクルに亘って演出の実行が予約されると、その最初の1サイクルの開始とともに、予約した演出の全てを、以後のサイクル(第2変動処理)の実行可否に拘わらず、時間管理の下で垂れ流すように実行する。
例えば、2サイクル上乗せ演出を実行する場合には、加算演出を加味して3サイクルに跨って演出の実行情報を記憶(予約)する。そして、2サイクル上乗せ演出の実行情報が記憶された最初のサイクルの開始とともに、2サイクル上乗せ演出および加算演出の実行データをセットする。その結果、仮に、特2保留が記憶されておらず、主制御基板300において以後の第2変動処理が行われなかったとしても、上乗せ演出および加算演出が予定通りに実行されることとなる。
そして、1サイクルが開始するときに、当該サイクルに対応する演出の実行情報が記憶(予約)されている場合には、上乗せ演出を実行するか否かを決定する抽選等を新たに実行しないようにする。これにより、主制御基板300における1サイクルの時間の変動を、上乗せ演出に付加した加算演出用のサイクルで吸収することが可能となる。
なお、上乗せガセ演出では、図59(f)に示すように、「残念」と表示された領域が最終的に識別表示されるとともに、演出表示部200aがブラックアウトし、その後、図59(g)に示すように、上乗せガセ演出の実行前と同様の演出に復帰することとなる。
また、上乗せ演出が実行された場合には、図59(d)に示すように、リール演出において、リール表示部230に「上乗せ」と表示される。一方、上乗せガセ演出が実行された場合には、図59(g)に示すように、リール演出において、所定の図柄(ここでは「$」)が停止表示される。
図60は、複数サイクル上乗せ演出の一例を説明する図である。例えば、図60(a)に示すように、高確率遊技状態用の演出が実行されているときに、3サイクル上乗せ演出の実行が抽選により決定されたとする。すると、特別図柄の変動表示の開始に伴って、図60(b)に示すようにルーレット画像が演出表示部200aに表示される。そして、ルーレットが回転するとともに、所定時間が経過すると、図60(c)に示すように、4つの領域のうち「NEXT」と表示された領域が識別表示される。この3サイクル上乗せ演出では、演出の開始から図60(c)に示す演出の状態までが1サイクル目に相当する。
その後、図60(d)に示すように、再び、ルーレットの4つの領域が全て表示されるとともに、再度ルーレットが回転する。そして、所定時間が経過すると、図60(e)に示すように、再び、4つの領域のうち「NEXT」と表示された領域が識別表示される。ここでは、図60(d)から図60(e)に示す演出の状態、すなわち、2回目のルーレットの回転開始から停止までが2サイクル目に相当する。
その後、図60(f)に示すように、再び、ルーレットの4つの領域が全て表示されるとともに、再度ルーレットが回転する。そして、所定時間が経過すると、図60(g)に示すように、今度は4つの領域のうち「上乗せ」と表示された領域が識別表示され、その後、図60(h)に示すように、「上乗せ+20」と演出表示部200aに表示されて、3サイクル上乗せ演出が終了となる。ここでは、図60(f)から図60(h)に示す演出の状態、すなわち、3回目のルーレットの回転開始から演出の終了までが3サイクル目に相当する。
そして、上記のようにして3サイクル上乗せ演出が終了すると、図60(i)に示すように、報知残り回数表示部226に表示されている報知残り回数に、上乗せ回数nを加算表示する加算演出が実行される。
なお、ここでは、3サイクル上乗せ演出について説明したが、2サイクル上乗せ演出は、ルーレットの回転および停止が1回少ない点のみが上記と異なっている。また、ここでは図示を省略しているが、複数サイクル演出中に、第2変動処理が実行されている場合には、所定のタイミングで、所定の図柄がリール表示部230に表示される。
さらには、複数サイクル演出中も報知残り回数表示部226は表示されており、複数サイクル演出中、第2変動処理が開始されるたびに、報知残り回数表示部226に表示される報知残り回数が減算表示されることとなる。なお、ここでは、通常パターンの上乗せ演出として、ルーレット画像が表示される場合(パターン1)について説明したが、パターン2、3は、上記と演出の内容が異なっている。
図61は、特別パターンの上乗せ演出の一例を説明する図である。特別パターンの上乗せ演出が開始されると、例えば、図61(a)に示すように、3つの爆弾が演出表示部200aに表示される。その後、図61(b)に示すように、爆弾が爆発するとともに、図61(c)に示すように、演出表示部200aに、「上乗せ+n(nは上乗せ回数、ここでは10)」と表示される。この特別パターンの上乗せ演出では、演出の開始から図61(c)に示す演出の状態までが1サイクル目に相当し、この1サイクル目が第2変動処理の開始とともに実行された場合には、リール表示部230に「上乗せ」と表示される。
その後、図61(d)に示すように、残りの2つの爆弾が演出表示部200aに表示されるとともに、図61(e)に示すように爆弾が爆発し、図61(f)に示すように、演出表示部200aに、「上乗せ+n(nは上乗せ回数、ここでは20)」と表示される。ここでは、図61(d)から図61(f)に示す演出の状態までが2サイクル目に相当し、この2サイクル目が第2変動処理と同期している場合には、リール表示部230に「上乗せ」と表示される。
さらに、図61(g)に示すように、残りの1つの爆弾が演出表示部200aに表示されるとともに、図61(h)に示すように爆弾が爆発し、図61(i)に示すように、演出表示部200aに、「上乗せ+n(nは上乗せ回数、ここでは30)」と表示される。ここでは、図61(g)から図61(i)に示す演出の状態までが3サイクル目に相当し、この3サイクル目が第2変動処理と同期している場合には、リール表示部230に「上乗せ」と表示される。
そして、図61(j)に示すように、報知残り回数表示部226に、3サイクル中に表示された3回の上乗せ回数nの合計が加算表示される。特別パターンの上乗せ演出が終了すると、上記と同様に、加算演出が実行される。ただし、この特別パターンの上乗せ演出では、上乗せ回数nが小出しに複数回表示され得る。上乗せ回数nが複数回表示された場合にも、加算演出は最後に行われるだけであり、この場合には、複数回表示された上乗せ回数nの合計数が、まとめて加算表示されることとなる。
なお、ここでは、3サイクル演出で構成される特別パターンの上乗せ演出について説明したが、1サイクル演出では爆弾が1回のみ爆発し、2サイクル演出では爆弾が2回爆発する点が上記と異なっている。
以上のように、通常パターンの上乗せ演出では、上乗せ回数nが1回のみ表示されるのに対して、特別パターンの上乗せ演出では、上乗せ回数nが連続的に複数回小出しにして表示され得る。換言すれば、通常パターンでは、1サイクルもしくは複数サイクルの間に上乗せ演出が1回のみ実行されるのに対して、特別パターンでは、上乗せ回数nを報知する上乗せ演出が複数回連続して実行されるとも言える。
なお、上乗せ演出を特別パターンとすることを決定した場合には、上乗せ演出の実行回数を決定する。このとき、上乗せ演出を複数回実行することが決定されると、各上乗せ演出で報知される上乗せ回数nの合計が、実残り回数と報知残り回数との差分の範囲内となるように、上乗せ演出の実行回数分だけ決定される。さらに、上乗せ演出を複数回実行する場合、相対的に後に報知される上乗せ回数nを、先に報知される上乗せ回数n以上に決定することで、徐々に遊技者の期待感を高めるように制御がなされている。以下に、上乗せ演出等の各演出の決定処理について説明する。
図62(a)は、合計上乗せ回数決定テーブルを説明する図であり、図62(b)は、上乗せ演出パターン決定テーブルを説明する図であり、図62(c)は、上乗せ演出開始タイミング決定テーブルを説明する図である。高確率遊技状態に設定されている場合には、特2保留が記憶されるたびに、上乗せ演出等の各演出の実行可否や実行パターン、あるいは開始タイミングが決定される。具体的には、特2保留が記憶されると、まず、図62(a)に示す合計上乗せ回数決定テーブルを参照して合計上乗せ回数(T)が決定される。なお、合計上乗せ回数(T)というのは、上乗せ演出で報知される上乗せ回数nの合計数である。この合計上乗せ回数決定テーブルによれば、差分(S)ごとに、図示のように合計上乗せ回数(T)の選択比率が設定されている。
例えば、差分(S)<6の場合には、合計上乗せ回数(T)が必ず「0」となり、差分(S)=11であれば、合計上乗せ回数(T)は240/250の確率で「0」となり、10/250の確率で「11」となる。この合計上乗せ回数決定テーブルによれば、差分(S)が大きい場合の方が、小さい場合に比べて、相対的に大きな合計上乗せ回数(T)が選択されやすいように選択比率が設定されている。
上記の合計上乗せ回数決定テーブルを参照して合計上乗せ回数(T)が決定されると、次に、上乗せ演出パターン決定テーブルを参照して上乗せ演出の実行パターンが決定される。上記したように、上乗せ演出の実行パターンは、パターン1〜3の通常パターンと、特別パターンとが設けられているが、この上乗せ演出パターン決定テーブルでは、これら上乗せ演出の実行パターンに加えて、図62(b)に示すように、上乗せガセ演出(図中、ガセパターン)の実行と、いずれのサイクル演出も実行しないことを示す「不実行」とが、先に決定された合計上乗せ回数(T)に応じて、それぞれ所定の比率で選択される。
詳細には、合計上乗せ回数(T)<1の場合、すなわち、合計上乗せ回数(T)=0の場合には、240/250の確率で「不実行」が決定され、10/250の確率で「ガセパターン」が決定される。一方、合計上乗せ回数(T)が1以上に決定されている場合には、上乗せ演出の実行パターンとして、必ず、パターン1〜3または特別パターンが決定される。なお、ここでは、通常パターン(パターン1〜3)に比べて、特別パターンの方が、合計上乗せ回数(T)の期待値が高くなるように、選択比率が設定されている。
より詳細には、上乗せ演出のパターン3および特別パターンは、合計上乗せ回数(T)が40以上の場合にのみ決定されるように、選択比率の設定がなされている。したがって、上乗せ演出が、パターン3または特別パターンで実行された場合には、必ず、40回以上の上乗せが報知されることとなる。
そして、上記の上乗せ演出パターン決定テーブルを参照して「不実行」が決定された場合には、サイクル演出を実行しないため、特2保留の記憶時に実行される、サイクル演出に係る決定処理が終了となる。また、詳しい説明は省略するが、「ガセパターン」は、パターン1〜3および特別パターンそれぞれに対応する4種類の実行パターンが設けられており、「ガセパターン」が決定された場合には、さらに、いずれの実行パターンとするかを決定する抽選処理が行われる。
また、「ガセパターン」、「パターン1〜3」、「特別パターン」のいずれかが決定された場合には、上乗せ演出開始タイミング決定テーブルを参照して、上乗せ演出の開始タイミングが決定される。上乗せ演出開始タイミング決定テーブルによれば、図62(c)に示すように、現時点の報知残り回数(H)に応じて、上乗せ演出の開始タイミングの選択比率が図示のように設定されている。
ここで、本実施形態では、サイクル演出の開始タイミングは、上乗せ演出の実行可否等を決定する処理の実行契機となった特2保留を基準保留として設定されている。例えば、2つの特2保留がメインRAM300cに記憶された状態で、新たに3つ目の特2保留が記憶され、この3つ目の特2保留の記憶時に、サイクル演出の実行が決定されたとする。この場合、メインRAM300cに記憶された3つ目の特2保留が基準保留となる。この基準保留は、現時点(記憶時)から3G(ゲーム)後に図柄の変動表示を開始することとなるが、この基準保留に係る図柄の変動表示の、さらに何G後に上乗せ演出を開始するかが決定される。
上乗せ演出開始タイミング決定テーブルによれば、現在の報知残り回数(H)に応じて、図示のように0〜8G後のいずれかが決定される。例えば、上記のように、メインRAM300cに記憶された3つ目の特2保留が基準保留となり、上乗せ演出の開始タイミングとして5G後が決定された場合には、今から3G後の基準保留のさらに5G後に上乗せ演出が開始されることになる。ここでは、特2保留が最大で4つ記憶され、上乗せ演出の開始タイミングは最大で8G後であることから、上乗せ演出は、最大で現時点から12G後に開始されることになる。なお、ここでいう「0G後」というのは、基準保留に係る図柄の変動表示の開始時を示している。
図63(a)は、サイクル数決定テーブルを説明する図であり、図63(b)は、上乗せ演出回数決定テーブルを説明する図であり、図63(c)は、前兆状態決定テーブルを説明する図である。上記のようにして上乗せ演出の実行パターンが「ガセパターン」、「パターン1〜3」に決定された場合には、次に、サイクル数決定テーブルを参照してサイクル数を決定する。図63(a)に示すように、サイクル数決定テーブルによれば、合計上乗せ回数(T)ごとに、1〜3サイクルのいずれかが決定されるように選択比率が設定されている。なお、合計上乗せ回数(T)が大きい場合の方が小さい場合よりも、相対的に大きなサイクル数が高確率で決定されるように設定されている。
一方、上乗せ演出の実行パターンが「特別パターン」に決定された場合には、上乗せ演出回数決定テーブルを参照して上乗せ演出の実行回数を決定する。図63(b)に示すように、上乗せ演出回数決定テーブルによれば、合計上乗せ回数(T)ごとに、上乗せ演出の実行回数として1〜3回のいずれかが決定されるように選択比率が設定されている。なお、合計上乗せ回数(T)が大きい場合の方が小さい場合よりも、相対的に大きな上乗せ演出の実行回数が高確率で選択されるように設定されている。
なお、詳しい説明は省略するが、上乗せ演出の実行パターンが「特別パターン」に決定された場合であって、上乗せ演出の実行回数が2回もしくは3回に決定されると、先に決定されている合計上乗せ回数(T)を2回もしくは3回に小分けにする処理が行われる。この処理では、まず、1つ目の上乗せ回数が、不図示の小分けテーブルを参照して決定される。この小分けテーブルによれば、先に決定されている合計上乗せ回数(T)よりも、所定数以上小さいいずれかの値が選択されるように選択比率の設定がなされている。
そして、上乗せ演出の実行回数が2回の場合には、合計上乗せ回数(T)から先に決定した1つ目の上乗せ回数nを減算した値を、2つ目の上乗せ回数nとする。また、上乗せ演出の実行回数が3回の場合には、合計上乗せ回数(T)から先に決定した1つ目の上乗せ回数nを減算した値(残数)に基づいて、再び、小分けテーブルを参照して2つ目の上乗せ回数nを決定する。この場合に参照する小分けテーブルにおいても、残数よりも所定数だけ小さいいずれかの値が選択されるように選択比率の設定がなされている。そして、合計上乗せ回数(T)から、先に決定した1つ目および2つ目の上乗せ回数nを減算して、3つ目の上乗せ回数nを決定する。
このように、上乗せ演出の実行パターンが「特別パターン」に決定された場合には、上乗せ演出の実行回数を決定するとともに、上乗せ演出を複数回実行する場合には、各上乗せ演出で報知される上乗せ回数nの合計(合計上乗せ回数(T))が、実残り回数と報知残り回数との差分(S)の範囲内となるように、上乗せ演出の実行回数分だけ上乗せ回数nを決定することとなる。
そして、上乗せ演出の開始タイミングが1〜8G後に決定された場合には、基準保留に係る図柄の変動表示の開始後、上乗せ演出の開始直前までの期間を、前兆状態とするか否か、また、前兆状態とする場合には、いずれの状態とするかが、前兆状態決定テーブルを参照して決定される。具体的には、本実施形態では、前兆状態に設定されていない状態を通常状態とした場合に、演出の出現率を通常状態と異にする3種類の前兆状態(前兆1〜3)が設けられている。これら3種類の前兆状態では、それぞれ、リール演出をはじめとする所定の予告演出の出現率や出現パターンが異なるように設定されている。図63(c)に示すように、前兆状態決定テーブルによれば、合計上乗せ回数(T)に応じて、図示のように前兆状態の選択比率が設定されている。
図64(a)は、リール停止パターンの一例を説明する図であり、図64(b)〜(d)はリール停止パターン決定テーブルを説明する図である。上記したように、高確率遊技状態においては、第2変動処理、すなわち、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示に合わせてリール演出が実行される。このリール演出では、演出表示部200aの中央下部に表示されるリール表示部230に所定の図柄が停止表示される。このリール表示部230に停止表示される図柄のパターン、すなわち、リール停止パターンは多数設けられているが、このうち、代表的なリール停止パターンを図64(a)に示す。
図示のリール停止パターンのうち、パターン1は、第2変動処理において小当たりに当選したことを報知するものであり、パターン2は、第2変動処理において特別図柄Dが決定されたこと、すなわち、多量の賞球を獲得可能な大当たりに当選したことを報知するものである。また、パターン3は、以後に上乗せ演出が実行される可能性を示唆するものであり、パターン4は、報知残り回数が上乗せされることを報知するものである。
このように、演出表示部200aのリール表示部230に図柄を停止表示させるリール演出は、上乗せ演出が実行されるか否かを示唆したり、大役抽選の結果を報知したりする役割を担っている。そのため、上乗せ演出等、他の演出の実行中であるか否かに拘わらず、必ず、1回の第2変動処理に対して、1回のリール演出が実行されることとなる。
副制御基板330のサブROM330bには、前兆状態ごとにリール停止パターンの選択比率が設定されたリール停止パターン決定テーブルが多数設けられている。そして、第2変動処理の開始時には、主制御基板300で決定された特別図柄の種別や上乗せ演出の実行可否等に応じていずれかのテーブルを選択し、選択したテーブルを参照してリール停止パターンを決定する。
例えば、主制御基板300において第2変動処理が実行された際に、特別図柄D以外の特別図柄が決定され、かつ、当該第2変動処理(サイクル)が上乗せ演出の対象となっていない場合、より厳密には、当該サイクルにおいて、上乗せ回数nが報知されない場合には、図64(b)に示すリール停止パターン決定テーブルが参照される。このリール停止パターン決定テーブルによれば、現在設定されている前兆状態の種類に拘わらず、パターン1またはパターン3が決定される。なお、前兆状態が「通常」に設定されている場合には、パターン3の選択比率が極めて低く、「前兆1」→「前兆2」→「前兆3」の順で、パターン3の選択比率が高くなっている。
ここで、図63(c)からも明らかなように、「前兆3」は、合計上乗せ回数(T)が40回以上の場合にのみ設定され、「前兆2」は、合計上乗せ回数(T)が20回以上の場合にのみ設定される。そして、図64(b)に示すように、前兆状態が「前兆3」や「前兆2」に設定されている場合には、リール停止パターンとして「パターン3」が高確率で選択される。したがって、リール表示部230にパターン3の図柄が頻繁に停止するほど、上乗せ演出に対する遊技者の期待感が高められることとなる。
また、主制御基板300において第2変動処理が実行された際に、特別図柄D以外の特別図柄が決定され、かつ、当該第2変動処理(サイクル)が上乗せ演出の対象となっている場合、より厳密には、当該サイクルにおいて、上乗せ回数nが報知される場合には、図64(c)に示すリール停止パターン決定テーブルが参照される。このリール停止パターン決定テーブルによれば、現在設定されている前兆状態の種類に拘わらず、必ず、パターン4が決定される。
また、主制御基板300において第2変動処理が実行された際に、特別図柄Dが決定された場合には、上乗せ演出の実行可否に拘わらず、図64(d)に示すリール停止パターン決定テーブルが参照される。このリール停止パターン決定テーブルによれば、現在設定されている前兆状態の種類に拘わらず、必ず、パターン2が決定される。以上のように、第2変動処理の開始時には、大役抽選の結果や、上乗せ演出の実行可否、さらには、現在設定されている前兆状態の種別に応じて、リール演出が実行されることとなる。以下に、上乗せ演出およびリール演出の流れについて、一例を用いて説明する。
図65は、上乗せ演出の開始タイミングおよび前兆状態の一例を説明する図である。例えば、図65(a)に示すように、高確率遊技状態の実残り回数が95回、報知残り回数表示部226に表示されている報知残り回数が25回の状態で、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示が開始されたとする。この状況で、特2保留(図中、保留1〜3と示す)が記憶されるたびに、合計上乗せ回数(T)を決定するとともに、決定した合計上乗せ回数(T)に基づいて、上乗せ演出の実行パターン(実行可否)を決定する処理が行われる。このとき、上乗せ演出の不実行が決定されると、上乗せ演出に関する処理は終了となる。ここでは、保留1〜3の全てについて、上乗せ演出の不実行が決定されたとする。
そして、この状況で、さらに特2保留(図中、保留4と示す)が記憶されたとする。このとき、3サイクル上乗せ演出(上乗せ回数n=40)の実行が決定されるとともに、その開始タイミングが7G後に決定されると、実残り回数=84〜82回(報知残り回数=14〜12回)のサイクルについて、3サイクル上乗せ演出の実行情報が記憶(予約)される。また、実残り回数=81回のサイクルについて、加算演出の実行情報が記憶(予約)される。
さらに、上記のようにして上乗せ演出の実行が決定された場合には、基準保留となった保留4に係るサイクルから、3サイクル上乗せ演出の対象に決定されたサイクルの1つ前のサイクルまで、前兆状態の設定が行われる。この例では、上乗せ回数nが40回であることから、前兆状態は通常、前兆1〜3のいずれかに設定されることとなる。このようにして前兆状態の設定がなされたら、以後、実残り回数=94〜85回の各サイクルの開始時に、設定中の前兆状態に応じてリール停止パターンが決定され、各第2変動処理中にリール演出が実行される。なお、本実施形態では、上乗せ演出が2つ以上同時に予約されることはないため、この間は、特別図柄Dが決定されない限り(14R大当たり)、上乗せ演出等、遊技者に遊技利益を報知するような演出が実行されることはない。そして、実残り回数=84回の状態で、第2変動処理が主制御基板300で開始されると、副制御基板330において3サイクル上乗せ演出および加算演出が実行されることとなる。
なお、図65(b)に示すように、保留4が記憶されたとき、3サイクル上乗せガセ演出の実行が決定されるとともに、その開始タイミングが4G後に決定されると、実残り回数=87〜85回(報知残り回数=17〜15回)のサイクルについて、3サイクル上乗せガセ演出の実行情報が記憶(予約)される。また、報知残り回数=21〜18回のサイクルについて前兆状態の設定が行われるが、この場合には、前兆状態として「通常」もしくは「前兆1」が設定される。
このように、以後に実行されるいずれかの図柄の変動表示を、上乗せ演出を開始する特定変動に予め決定し、特定変動の開始前の所定期間を前兆状態とする。そして、前兆状態中であるか否かに応じて、リール停止パターンの選択比率、すなわち、所定の演出の出現頻度を異ならせる。特に、本実施形態のように、特定変動の開始前の所定期間を、複数種類の前兆状態のいずれかに設定するとともに、設定されている前兆状態の種類に応じて、リール停止パターン、すなわち、出現させる演出を決定することで、長期に亘って期待感や緊張感を遊技者に付与することができる。
ここで、上記したとおり、上乗せ演出の実行パターンは4種類設けられており、このうち、パターン3または特別パターンの上乗せ演出が実行された場合には、上乗せ回数nが必ず40回以上となる。このように、パターン3または特別パターンの上乗せ演出が実行され、大きな上乗せ回数nが報知された直後は、図65(c)に示すように、報知残り回数も大きな値に回復している。報知残り回数や実残り回数、すなわち、高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行するまでの残りの変動回数には上限(104回)が設けられていることから、報知残り回数が大きな値であれば、上乗せ演出が実行されたとしても、遊技者に報知される上乗せ回数nは当然に小さくなる。そのため、パターン3または特別パターンの上乗せ演出が実行された直後は、演出に対する遊技者の期待感が低下することとなり、こうした場合にも他の場合と同様に上乗せ演出を実行すると、演出効果が低下してしまう。
そこで、パターン3または特別パターンの上乗せ演出が実行された直後は、一定期間に亘って専用演出を実行し、演出表示部200aに専用のムービーを再生表示したり、専用のBGMを出力したりする。ここでは、上乗せ演出の対象となったサイクルの終了後、12サイクルが終了するまでの間、専用演出を実行するとともに、この間を演出制限状態として上乗せ演出を不実行とする。これにより、上乗せ演出の余韻を残し、遊技者に優越感や満足感を与えつつ、不要な演出の出現による倦怠感や煩わしさを払拭することができる。
また、既に説明したように、高確率遊技状態においては、特2保留数や、第2変動処理中であるか否かを遊技者に報知するべく、保留表示画像228が演出表示部200aに表示される保留表示演出が実行される(図55(a)、(b)参照)。本実施形態では、保留表示画像228の表示パターンが複数種類設けられており、保留表示画像228の表示パターンによっても、上乗せ演出の実行可否を示唆するようにしている。
図66は、保留表示画像228の表示パターンの決定タイミングを説明する図である。また、図67(a)は、最終保留表示パターン決定テーブルを説明する図であり、図67(b)は、1つ前保留表示パターン決定テーブルを説明する図である。上記のとおり、上乗せ演出の実行可否等は特2保留の記憶時に決定されるが、上乗せ演出の実行が決定された場合には、その開始タイミングが、未だに記憶されていない特2保留、すなわち、将来記憶される特2保留に基づく図柄の変動表示の開始時となり得る。この場合には、上乗せ演出が開始される特2保留に対応する保留表示画像228の表示パターンも同時に決定する。なお、以下では、上乗せ演出等、1サイクル演出または複数サイクル演出の対象となる保留を演出対象保留と呼び、特に、演出対象保留のうち、1サイクル演出または複数サイクル演出が開始される保留を演出開始対象保留と呼ぶ。
保留表示画像228の表示パターンの決定の流れについて、上記の例を用いて詳述する。すなわち、図66(a)に示す保留4が記憶されたときに、7G後、すなわち、実残り回数=84回のサイクルの開始時に、3サイクル上乗せ演出を開始することが決定されたとする。この時点では、3サイクル上乗せ演出が開始される演出開始対象保留(保留Z)は未だ記憶されていないが、演出開始対象保留(保留Z)に対応する保留表示画像228の表示パターンを、保留4の記憶時点で予め決定する処理が行われる。
サブROM330bには、図67(a)に示す最終保留表示パターン決定テーブル、および、図67(b)に示す1つ前保留表示パターン決定テーブルが記憶されている。上乗せ演出の実行が決定され、かつ、その上乗せ演出が開始される演出開始対象保留が決定されると、まず、最終保留表示パターン決定テーブルを参照して、保留表示画像228の表示パターンが決定される。
なお、この最終保留表示パターン決定テーブルで決定される保留表示画像228の表示パターンは、保留表示画像228xとして最終的に表示される表示パターンを決定するものである。保留表示画像228の表示パターンは、白、青、黄、緑、黒、赤、虹の7色の表示パターンが設けられており、各表示パターンの選択比率が、合計上乗せ回数(T)に応じて図示のように設定されている。
したがって、図66(a)に示す保留Zに対応する保留表示画像228xの表示パターンは、保留4が記憶されたときに決定された合計上乗せ回数(T)に基づいて、最終保留表示パターン決定テーブルを参照して決定されることとなる。このようにして決定された保留Zに対応する保留表示画像228xの表示パターンは、サブRAM330cに記憶(予約)される。
その後、図66(b)に示すように、実残り回数=87回の図柄の変動表示中に、保留X、Yが記憶されるとともに、この状態で3つ目の特2保留として保留Zが記憶されたとする。この場合には、保留Zに対応する保留表示画像228として、3つ目の特2保留であることを示す保留表示画像228cを表示することになる(図55(a)、(b)参照)。保留Zに対応する保留表示画像228としては、保留表示画像228xの表示パターンは予め決定されているものの、保留表示画像228a〜228cの表示パターンは決定されていない。そこで、保留Zが記憶された際には、図67(b)に示す1つ前保留表示パターン決定テーブルを参照して、保留表示画像228a、228b、228cを決定する。
1つ前保留表示パターン決定テーブルによれば、保留表示画像228の1つ後の表示パターン(図中縦軸に示す)ごとに、保留表示画像228の1つ前の表示パターン(図中横軸に示す)の選択比率が設定されている。この1つ前保留表示パターン決定テーブルでは、時系列で後の表示パターンに基づいて、その1つ前の表示パターンを決定する。例えば、予め保留表示画像228xの表示パターンが決定されていれば、保留表示画像228xの表示パターンに基づいて保留表示画像228aの表示パターンを決定し、次いで、保留表示画像228aの表示パターンに基づいて保留表示画像228bの表示パターンを決定するといった具合に、相対的に後に表示される保留表示画像228から前に表示される保留表示画像228へと遡るようにして表示パターンを決定していく。
例えば、上記の保留Zについては、保留Zの記憶時に、最終的に表示される保留表示画像228xの表示パターンが記憶(予約)されている。したがって、まず、保留表示画像228xの表示パターンに基づいて保留表示画像228aの表示パターンを決定し、次いで、保留表示画像228aの表示パターンに基づいて保留表示画像228bの表示パターンを決定し、保留表示画像228bの表示パターンに基づいて保留表示画像228cの表示パターンを決定することとなる。
仮に、保留表示画像228xの表示パターンが「緑」に決定されていると、1つ前保留表示パターン決定テーブルにより、保留表示画像228aの表示パターンは、200/250の確率で「白」、30/250の確率で「青」、10/250の確率で「黄」、10/250の確率で「緑」となる。そして、保留表示画像228aの表示パターンが「黄」に決定されたとすると、この保留表示画像228aの表示パターンに基づいて、保留表示画像228bの表示パターンが決定される。この場合、保留表示画像228bの表示パターンは、200/250の確率で「白」、45/250の確率で「青」、5/250の確率で「黄」となる。そして、保留表示画像228bの表示パターンが「白」に決定されたとすると、この保留表示画像228bの表示パターンに基づいて、保留表示画像228cの表示パターンが決定される。この場合、保留表示画像228cの表示パターンは、必ず「白」に決定される。
このように、保留Zの保留表示画像228の表示パターンのうち、保留表示画像228xは、保留4の記憶時に最終保留表示パターン決定テーブルを参照して決定される。そして、保留Zの記憶時には、先に決定されている保留表示画像228xの表示パターンに基づき、1つ前保留表示パターン決定テーブルを参照して保留表示画像228aが決定される。さらに、保留Zが2〜4つ目の特2保留としてメインRAM300cに記憶された場合には、さらに1つ前保留表示パターン決定テーブルを参照し、1つ後に表示される保留表示画像228の表示パターンに基づいて、1つ前に表示される保留表示画像228の表示パターンを繰り返し決定することとなる。
なお、図67(a)に示すように、合計上乗せ回数(T)に応じて、各表示パターンの選択比率を設定することにより、保留表示画像228の表示パターンによって合計上乗せ回数(T)が示唆されるようにしている。ここでは、白→青→黄→緑→黒→赤→虹の順で信頼度が高くなるように設計されており、信頼度が高くなるほど、より大きな合計上乗せ回数(T)が報知されやすくなっている。そして、1つ前保留表示パターン決定テーブルにおいては、保留表示画像228dから保留表示画像228xへと移行する過程で信頼度が低下することがないように、1つ後の表示パターンの信頼度以下の表示パターンのみが決定されるように選択比率が設定されている。
ここでは、保留Zが、上乗せ演出の演出開始対象保留に決定された場合について説明したが、保留Zが、上乗せガセ演出の演出開始対象保留に決定された場合も、保留表示画像228の表示パターンは上記と同様に決定される。
ここで、図66(a)において、保留4が記憶された際には、保留Zに対応する保留表示画像228xの表示パターンが決定されるが、保留4に対応する保留表示画像228の表示パターンも決定しなければならない。このとき、保留4は、4つ目の特2保留としてメインRAM300cに記憶されており、また、演出開始対象保留ではないことから、保留4の記憶時には、保留4に対応する保留表示画像228x、228a〜228dの表示パターンを決定することになる。
この保留4については、まず、最終保留表示パターン決定テーブルを参照して、保留表示画像228xの表示パターンを決定する。このとき、保留4は、演出開始対象保留に決定されていないため、合計上乗せ回数(T)は「0」である(T<10)として、表示パターンが決定される。したがって、保留4に対応する保留表示画像228xは、245/250の確率で「白」、4/250の確率で「青」、1/250の確率で「黄」に決定されることとなる。このようにして、保留表示画像228xの表示パターンが決定されると、続いて、1つ前保留表示パターン決定テーブルを参照して、保留表示画像228a〜228dの表示パターンが上記と同様に決定されることとなる。
以上のように、特2保留が記憶されたときに、当該特2保留よりも後に記憶される他の特2保留が演出開始対象保留に決定される場合、つまり、自身が基準保留となり、その後のいずれかの特2保留が演出開始対象保留に決定される場合がある。この場合には、基準保留の記憶時に、演出開始対象保留に対応する保留表示画像228xの表示パターンが決定、記憶されるとともに、基準保留に対応する保留表示画像228x、228a〜228dの表示パターンが決定、記憶されることとなる。
また、特2保留が記憶されたときに、当該特2保留が演出開始対象保留に決定される場合、つまり、基準保留と演出開始対象保留とが同じ場合もある。例えば、図66(a)の保留4が記憶されたときに、上乗せ演出の開始タイミングが0G後に決定されると、保留4の図柄の変動表示の開始とともに上乗せ演出が開始される。この場合にも、保留4に対応する保留表示画像228xの表示パターンが、最終保留表示パターン決定テーブルを参照して決定される。このとき、合計上乗せ回数(T)が大きいほど、より信頼度の高い表示パターンが決定されることとなる。
図68は、特2保留の有無と複数サイクル演出との関係を説明する図である。上記のように、1サイクル演出は6.0秒で構成され、2サイクル演出は12.0秒で構成され、3サイクル演出は18.0秒で構成されている。そして、各サイクル演出は、特別図柄の変動表示の開始に伴って実行されることから、図68(a)に示すように、特2保留が途切れなければ、小当たり遊技の終了タイミング、すなわち、1サイクルの終了タイミングと、各サイクル演出の終了タイミングとはほぼ一致する。
しかしながら、例えば、第2始動口122に遊技球が一定期間に亘って入球せずに、1サイクルの終了時点で、特2保留が記憶されていないこともあり得る。具体的には、図68(b)に示すように、2サイクル演出が、特別図柄の変動表示の開始に伴って実行されたとする。このとき、特別図柄の停止表示後に実行される小当たり遊技が終了した時点で、特2保留が記憶されておらず、主制御基板300において客待ち状態に移行すると、特別図柄の変動表示や小当たり遊技が行われていない状態でも、2サイクル演出が継続して実行されることとなる。このように、複数サイクル演出が実行された場合には、必ずしも、演出の終了タイミングが、1サイクルの終了タイミングと一致するとは限らないが、演出の終了タイミングと1サイクルの終了タイミングとにずれが生じたとしても、特段の問題が生じることはない。
なお、例えば、図68(c)に示すように、2サイクル演出の開始後、主制御基板300において特2保留が途切れて一旦客待ち状態に移行し、その後、当該2サイクル演出が実行されている間に、新たに特2保留が記憶されて特別図柄の変動表示が開始されたとする。この場合、2回目の特別図柄の変動表示は、もともと演出対象保留に設定されているため、当該2回目の特別図柄の変動表示の開始時に、新たに1サイクル演出や複数サイクル演出の実行可否の抽選が行われることはない。したがって、複数サイクル演出の実行中に特別図柄の変動表示が開始されたとしても、実行中の複数サイクル演出が中断されてしまうといった事態が生じることもない。
また、図68(c)に示すように、複数サイクル演出の実行中に特2保留が途切れてしまうと、特別図柄の変動表示中、停止表示中、小当たり遊技中に、複数サイクル演出が終了する。この場合には、複数サイクル演出の終了後に、演出表示部200aの背景画像が通常背景(図55(a)、(b))に復帰し、そのままの状態で、主制御基板300における現在のサイクルが終了するのを待つことになる。このように、1サイクルの終了タイミングとサイクル演出の終了タイミングとの間にずれが生じても、違和感は小さいことから、特段の措置を講じる必要はない。
しかしながら、例えば、図68(d)に示すように、複数サイクル演出中に実行された大役抽選で大当たりに当選し、特別図柄Dが決定されて14R大役遊技が実行されることもある。具体的には、演出開始対象保留に係る1サイクルの開始とともに2サイクル演出が実行されたとする。このとき、演出開始対象保留の次の特2保留(演出対象保留)が記憶されておらず、図示のように客待ち状態となった後に、特2保留(演出対象保留)が記憶され、この特2保留(演出対象保留)に係る第2変動処理で特別図柄Dが決定されたとする。
特別図柄Dが決定された場合の変動時間は一律30秒に設定されており、複数サイクル演出に要する最長の時間よりも長い。そのため、複数サイクル演出中に特別図柄Dが決定された場合には、複数サイクル演出の終了後、必ず、所定時間以上、変動時間が残されている。本実施形態では、特別図柄Dが決定されたときの演出の実行状況に拘わらず、遊技者に違和感を生じさせることがなく、また、大役遊技が実行されていることに遊技者が気付かず、不利益を生じさせることがないように、特殊演出を実行することとしている。
図69は、特殊演出の一例を説明する図である。例えば、演出開始対象保留の図柄の変動表示の開始とともに、2サイクル上乗せ演出が開始され、まず、図69(a)、(b)に示すように、1サイクル目の演出が実行されたとする。このとき、特2保留が記憶されておらず、客待ち状態になったとしても、図69(c)〜(e)に示すように、2サイクル上乗せ演出は垂れ流されるように継続する。そして、2サイクル上乗せ演出のうち、2サイクル目の演出が実行されている間に新たに特2保留が記憶され、第2変動処理が開始されたとする。このとき、特別図柄Dが決定されると、特殊演出が実行されることになるが、特殊演出は、実行中の演出が終了するのを待って行われる。
例えば、図69(c)に示すように、ルーレットの回転中に特別図柄Dが決定されたとしても、即座に特殊演出が開始されることはなく、実行中の2サイクル上乗せ演出が終了するまで、特殊演出の実行が待機状態となる。そして、図69(e)に示すように、2サイクル上乗せ演出が終了すると、図69(f)に示すように、演出表示部200aが突如としてブラックアウトする。その後、図69(g)、(h)に示すように、心拍を示す画像が所定期間に亘って演出表示部200aに表示されるとともに、画像に合わせて心音が出力される。
その後、図69(i)に示すように、演出表示部200aにボタン押下を促す画像が表示されるとともに、演出操作装置208の操作有効期間に設定される。そして、操作有効期間中に演出操作装置208の押下操作が検出されると、図69(j)に示すように、演出表示部200aに「777」と表示される。このように、特殊演出は、遊技機100が恰も電断したかのような印象を遊技者に与える内容となっており、突如として実行されたとしても、特段の違和感を遊技者に与えないように構成されている。
なお、例えば、図68(d)において、特別図柄Dが決定された第2変動処理の開始時に、2サイクル上乗せ演出を強制終了させ、第2変動処理と同期して特殊演出を実行することも考えられる。しかしながら、実行中の演出を強制終了させると、少なからず遊技者に違和感を与えることになるため、本実施形態では、実行中の演出が終了してから特殊演出を実行するようにしている。ところが、実行中の演出が終了するのを待って特殊演出を開始することとした場合、第2変動処理の開始タイミングによって、特殊演出の実行時間にばらつきが生じてしまう。そこで、特殊演出を複数のパートで構成し、実行時間を適宜調整できるようにしている。
図70は、特殊演出の構成を説明する図である。図70(a)に示すように、特殊演出は、固定尺パート、尺吸収パートおよび微調整パートの3つのパートに区分けされている。固定尺パートは、演出表示部200aがブラックアウトするパート(図69(f))であり、この固定尺パートに要する時間は固定的に設定されている。尺吸収パートは、心拍を示す画像が表示されるとともに、画像に合わせて心音が出力されるパート(図69(g)、(h))である。この尺吸収パートは、1回分の心拍および心音が出力される心音演出を繰り返すことで構成されており、1回の心音演出の構成時間は固定的である。また、微調整パートは、演出操作装置208の操作有効期間(図69(i))と、演出操作装置208の押下操作検出により「777」と表示する大当たり確定演出(図69(j))とで構成される。
特殊演出を実行する場合には、特殊演出の開始から、第2変動処理(サイクル)が終了するまでの残り時間を確認し、残り時間に応じて、心音演出の挿入数を決定する。特殊演出の最長時間は、特別図柄Dが決定された場合の変動時間(30秒)であり、特殊演出の基本構成は、例えば、図70(a)に示すように、心音演出が5回挿入された構成となっている。つまり、特殊演出は、固定尺パート、5回の心音演出からなる尺吸収パート、微調整パートの3つのパートで30秒となるように設計されている。
そして、特殊演出を開始する際に、第2変動処理の残り時間(変動時間)に応じて、例えば、図70(b)に示すように、心音演出の挿入数を3回に減らす等、特殊演出の構成時間が、第2変動処理の残り時間と合致するように演出の実行データをセットする。なお、心音演出の構成時間自体は固定的であるため、心音演出の挿入数の調整だけでは、特殊演出の構成時間を、第2変動処理の残り時間と完全に一致させるのは困難である。そのため、最終的には、微調整パートにおける大当たり確定演出、すなわち、演出表示部200aにおける「777」の表示時間で微調整がなされることとなる。
以上のように、本実施形態では、大当たり図柄(特別図柄D)が決定された場合に実行される演出に、1または複数の演出(固定演出)で構成される尺吸収パートを含む特殊演出が含まれている。この特殊演出は、所定数の演出で構成される尺吸収パートを含むとともに、大当たり図柄(特別図柄D)が決定されたときに設定される変動時間に合わせて構成されている。一方、大当たり図柄(特別図柄D)以外の特別図柄が決定された場合に、主制御基板300で設定される変動時間(詳細には1サイクル)よりも長時間の構成であって、第2特別図柄表示器162における次の図柄の変動表示中も継続し得る複数サイクル演出を実行することがある。
そして、複数サイクル演出の実行中に大当たり図柄(特別図柄D)が決定されると、大当たり図柄(特別図柄D)が停止表示されるまでの図柄の変動表示中、複数サイクル演出を最後まで実行するとともに、複数サイクル演出に続いて特殊演出を開始する。このとき、特殊演出において、複数サイクル演出の終了時もしくは特殊演出の開始時における変動時間の残り時間に応じて、尺吸収パートにおける演出の挿入可否あるいは挿入数を異ならせる。
より詳細には、複数サイクル演出が実行されていない状態で大当たり図柄(特別図柄D)が決定されると、大当たり図柄(特別図柄D)が停止表示されるまでの図柄の変動表示中、所定数の演出で構成される尺吸収パートを含む特殊演出を実行する。一方、複数サイクル演出の実行中に大当たり図柄(特別図柄D)が決定された場合には、複数サイクル演出の終了時もしくは特殊演出の開始時における変動時間(あるいは1サイクル)の残り時間に応じて、尺吸収パートにおける演出を所定数未満として特殊演出を実行する。
このように、1サイクルよりも長時間の構成からなる複数サイクル演出を用意しておき、1サイクルの終了後も演出を継続させれば、特2保留が途切れたとしても演出は途切れないため、遊技者の倦怠感を低減することができる。一方で、こうした構成を採用すると、上記のように、複数サイクル演出が実行されている状態で特別図柄Dが決定された際に、演出の整合性がとれなくなるおそれがある。ここでは、複数サイクル演出の終了を待って特殊演出を実行するとともに、尺吸収パートにおける演出の挿入可否や挿入数で構成時間を調整することから、違和感がなく大当たりの当選を遊技者に報知することができ、大役抽選の結果と演出との間の整合性を担保することが可能となる。
次に、報知残り回数が所定回数以下になった場合に実行される演出について説明する。本実施形態では、報知残り回数が所定回数以下になると、上記した上乗せ演出や上乗せガセ演出の実行が制限され、所定の演出が実行される。
図71は、報知残り回数が実残り回数よりも少ない状態で、報知残り回数が所定回数以下になった場合の演出を説明する図であり、図72は、報知残り回数が実残り回数と等しい状態で、報知残り回数が所定回数以下になった場合の演出を説明する図である。本実施形態では、報知残り回数が4以下になると、実残り回数に拘わらず、3サイクル終了前演出が実行される。例えば、図71(a)に示すように、実残り回数と報知残り回数との間に40回の差分(S)が生じた状態で、報知残り回数が4回になったとする。この状態から第2変動処理が開始されるたびに、報知残り回数が3、2、1、0と減算されていき、実残り回数が43、42、41、40と減算されていく。
なお、以下の各図に示される実残り回数および報知残り回数は、第2変動処理の開始直前の回数を示しており、実残り回数および報知残り回数は、第2変動処理の開始とともに、図示の数値から1減算した値に更新される。例えば、実残り回数が44回、報知残り回数が4回の状態で第2変動処理が実行されると、その第2変動処理の開始時に実残り回数が43回、報知残り回数が3回に更新され、当該第2変動処理中の報知残り回数は「3」と表示されることとなる。
そして、実残り回数が44回、報知残り回数が4回の状態で第2変動処理が開始されると、この第2変動処理の開始に伴って3サイクル終了前演出が実行される。この3サイクル終了前演出は、図71(b)に示すように、まず、演出表示部200aに「当」、「継続」、「終了」とそれぞれ記された3つの絵柄232(図中、232a、232b、232cと示す)が表示される。その後、図71(c)に示すように、絵柄232が演出表示部200aの画面中央にゆっくりと吸い込まれていき、演出表示部200aから消去されたところで、図71(d)に示すように、演出操作装置208の押下操作を促す画像が表示される。
そして、演出操作装置208の押下操作が検出されるか、もしくは、所定の操作有効時間が経過すると、図71(e)に示すように、「継続」と記された絵柄232bが演出表示部200aに大きく表示される。ここまでの一連の演出が3サイクル終了前演出であり、報知残り回数が4回の状態で実行される第2変動処理の開始とともに、3サイクル分(約18秒)の時間を要して実行される。なお、この3サイクル終了前演出も他の複数サイクル演出と同様に、特2保留の記憶状況とは無関係に、第2変動処理の開始とともに実行される。つまり、図71(a)において、実残り回数が43回もしくは42回となった状態で特2保留が記憶されておらず、主制御基板300で第2変動処理が実行されなかったとしても、3サイクル終了前演出はサイクルと非同期で実行されることとなる。
また、ここでは図示を省略しているが、この3サイクル終了前演出中も報知残り回数表示部226が表示されており、第2変動処理が実行されるたびに、報知残り回数表示部226に表示される報知残り回数は減算表示されていく。具体的には、3サイクル終了前演出の開始とともに、報知残り回数表示部226に表示される報知残り回数が「3」となり、その後、3サイクル終了前演出中に第2変動処理が行われるたびに、報知残り回数表示部226に表示される報知残り回数が「2」、「1」と減算されていく。
その後、実残り回数が41回、報知残り回数が1回となった状態で第2変動処理が開始されると、この第2変動処理の開始に伴って最終上乗せ演出(1サイクル演出)が実行される。この最終上乗せ演出では、図71(f)に示すように、通常の上乗せ演出と同様、上乗せ回数n(ここではn=40)が演出表示部200aに表示される。なお、最終上乗せ演出の開始とともに、報知残り回数表示部226に表示される報知残り回数は「0」に更新されている。また、ここでは、差分(S)の全てを上乗せ回数nとして報知しているが、この最終上乗せ演出で報知する上乗せ回数nは、差分(S)の範囲内であればよく、必ずしも、差分(S)の全てを上乗せ回数nとして報知するものではない。
このようにして最終上乗せ演出が実行されると、図71(g)に示すように、次の1サイクルの開始とともに加算演出が実行され、報知残り回数表示部226における報知残り回数が加算表示されることとなる。なお、その後、報知残り回数が4回になると、再度、3サイクル終了前演出が実行され、このとき、実残り回数と報知残り回数との間に差分(S)が生じている限り、最終上乗せ演出が繰り返し行われることとなる。
一方、図72(a)に示すように、実残り回数と報知残り回数との間に差分(S)が発生していない場合にも、報知残り回数が4回となった状態で第2変動処理が開始されるのに伴い、3サイクル終了前演出が実行される。ただし、この場合には、報知残り回数(実残り回数)が1回となった状態で第2変動処理(最終サイクル)が開始されるのと同時に、終了演出が実行される。
ここで、主制御基板300においては、高確率遊技状態に設定されている場合に、実残り回数に応じた変動パターン乱数判定テーブルを参照して変動パターン番号、すなわち、変動時間を決定している。高確率遊技状態において小当たり図柄が決定された場合、実残り回数が、高確率遊技状態の最終回に相当する回数、すなわち、「1」であれば、1サイクルの時間が15.0秒となるように変動時間が決定される。つまり、実残り回数(報知残り回数)が4、3、2回である場合に開始される1サイクルの時間は、いずれも6.0秒となり、実残り回数(報知残り回数)が1回である場合に開始される1サイクルの時間は15.0秒となる。
実残り回数と報知残り回数との間に差分(S)が生じていない場合の3サイクル終了前演出においても、図72(b)〜(d)に示すように、3つの絵柄232が演出表示部200aの画面中央に吸い込まれた後に、演出操作装置208の押下操作を促す画像が表示される。ここでまでは、差分(S)が生じている場合と同様であるが、差分(S)が発生していない場合には、演出操作装置208の押下操作が検出されるか、もしくは、所定の操作有効時間が経過すると、図72(e)に示すように、「終了」と記された絵柄232cが演出表示部200aに大きく表示される。
その後、約15.0秒の最終サイクルの開始とともに終了演出が実行されるが、この終了演出では、図72(f)に示すように、扉が閉じる画像に重畳して「終了」と表示され、図72(g)に示すように、高確率遊技状態が終了するまでの合計払出数と、大役抽選の回数(特別図柄の変動表示の回数)とが表示されることとなる。
なお、図72(a)に示すように、高確率遊技状態に設定されている場合、主制御基板300においては、変動処理の開始時に実残り回数が減算され、実残り回数が0になったところで、遊技状態が即座に低確率遊技状態に変更される。したがって、遊技状態は、最終サイクルの開始時に低確率遊技状態に移行しており、終了演出が終了すると、演出表示部200aの背景画像が低確率遊技状態用の背景画像に移行する。その後、本来の遊技性に則り、特1保留が記憶されて第1変動処理が開始されると(図72(a)のT1)、これに合わせて、上述の低確時変動演出が実行されることとなる。
以上のように、実残り回数が4回となったところで3サイクル終了前演出を実行するとともに、実残り回数が1回となった最終サイクルにおいて終了演出を実行する。このとき、第2変動処理が特殊変動となって最終サイクルの時間が15.0秒に設定され、15.0秒に亘って終了演出が実行される。このように、高確率遊技状態の最終回の1サイクルの時間を長時間とすることで、高確率遊技状態が終了し、低確率遊技状態に移行することを明確に遊技者に報知するようにしている。
ところが、本実施形態では、第1変動処理と第2変動処理とが同時並行して行われるため、高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行するタイミングでは、イレギュラーなケースが発生し得る。このように、遊技状態の移行期にイレギュラーなケースが発生すると、大役抽選の結果や遊技状態等が明確に報知されず、遊技者に不利益を生じさせるおそれがあることから、以下の対策が採られている。
図73は、低確率遊技状態に移行して最初の第1変動処理で大当たりに当選した場合の演出の流れを説明する図である。上記したように、実残り回数が4回となった状態で3サイクル終了前演出が実行され、実残り回数が1回となった状態で終了演出が実行されたとする。この場合、高確率遊技状態における最終サイクルの開始時、すなわち、実残り回数が1回となった状態での第2変動処理の開始時に、遊技状態が低確率遊技状態に移行する。そして、図中T2に示すように、最終サイクルの途中で特1保留が記憶されると、低確率遊技状態の下で第1変動処理が実行される。
この第1変動処理は、低確率遊技状態にて実行されることから、変動対象としてなされるものであり、このとき、大役抽選で大当たりに当選すると、変動時間が60〜180秒に設定される(図8参照)。また、最終サイクルに係る第2変動処理で小当たりに当選していると、第2特別図柄表示器162における特別図柄の停止表示後に小当たり遊技が実行される。主制御基板300においては、大当たり図柄が停止表示される図柄の変動表示中に、小当たり遊技が実行された場合、小当たり遊技の開始から終了までの間、図柄の変動表示(変動時間の減算)が中断される。
したがって、最終サイクルのうち、小当たり遊技が実行されている間は、図中クロスハッチングで示すように、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示が中断される。そして、最終サイクルが終了すると、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示(変動時間の減算)が再開され、最終的に変動時間が経過して第1特別図柄表示器160に大当たり図柄が停止表示されると、大役遊技が実行されることとなる。
ここで、大当たりに当選した第1変動処理の開始時は最終サイクル中であり、終了演出が実行されている。この場合、第1変動処理の開始とともに終了演出を強制終了させて、大当たり用の低確時変動演出を実行することも可能であるが、実行中の演出を強制終了させることは、遊技者に誤解や違和感、さらには不信感を与えることになり望ましくない。一方で、第1変動処理の変動時間は長時間に設定されることから、終了演出後に何ら演出を実行しないこととすると、遊技者が大当たりの当選に気付かずに、高確率遊技状態の終了とともに遊技を終了させてしまい、多大な不利益を被るおそれがある。
そこで、終了演出が終了してから第1変動処理が終了するまでの間、演出表示部200aに「激熱準備中」と表示される待機演出を実行する(図54(c)参照)。この待機演出は、既に説明したように、低確率遊技状態において、大当たりの第2変動処理が実行されているときに、ハズレの第1変動処理が実行される場合であって、この第1変動処理の変動時間が、第2変動処理の残り時間(特2大当たり待機時間)よりも長い場合に実行されるものと同じである。
つまり、大当たり図柄以外の図柄が停止表示される第2変動処理(サイクル)中に、大当たり図柄が停止表示される第1変動処理が開始する場合であって、かつ、第2変動処理(サイクル)の終了後も第1変動処理が継続する場合、第2変動処理(サイクル)が終了してから、第1変動処理が終了するまでの間に、待機演出を実行することとなる。すなわち、本実施形態では、第1変動処理および第2変動処理のいずれか一方の変動処理が、大当たり図柄を停止表示させるものであり、第1変動処理および第2変動処理のいずれか他方の変動処理が、大当たり図柄以外の図柄を停止表示させるものであって、一方の変動処理中に他方の変動処理が終了する場合、他方の変動処理が終了してから、一方の変動処理が終了するまでの間に、待機演出が実行される。
このように、高確率遊技状態の終了後、即座に待機演出が実行されることにより、遊技者が大当たりの当選に気付かずに不利益を被るといった事態が回避される。また、終了演出が途中で打ち切られることもないため、遊技者に違和感や不信感等を生じさせることもない。
図74は、高確率遊技状態の終了直前に第1変動処理が行われた場合の演出の流れを説明する図である。本来の遊技性に則って遊技者が遊技を行っている場合、高確率遊技状態の終了直前に特1保留が記憶されることはなく、高確率遊技状態における最後の4回の変動処理は第2変動処理になる。そのため、上記の3サイクル終了前演出および終了演出は、最後の4回の変動処理が全て第2変動処理となることを前提として設計されている。しかしながら、遊技者が誤って、あるいは、意図的に第1始動口120に遊技球を入球させるおそれもある。高確率遊技状態の終了直前に第1変動処理が実行されてしまうと、3サイクル終了前演出および終了演出を実行するための4サイクルが適切に確保できなくなり、高確率遊技状態の終了や低確率遊技状態への移行を遊技者が認識しにくくなってしまう。そこで、高確率遊技状態の終了直前に第1変動処理が行われた場合、その実行タイミングに応じて、次のように演出を制御する。
例えば、図74(a)に示すように、3回の第2変動処理に跨って3サイクル終了前演出が実行されており、このとき、3サイクル終了前演出が実行される3回目のサイクル(第2変動処理)中に、図中クロスハッチングで示すハズレ変動の第1変動処理が開始されたとする。この場合、第1変動処理は、高確率遊技状態で開始されることから、変動時間が10秒に設定され、この第1変動処理の開始とともに遊技状態が低確率遊技状態に移行する。
そして、3サイクル終了前演出が実行される3回目のサイクル(第2変動処理)において小当たり図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されると、これと同時に、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄が強制停止表示される。3サイクル終了前演出の終了時点で、遊技状態は既に低確率遊技状態となっており、変動対象は特1保留(第1変動処理)に切り替わっている。そのため、本来、終了演出の実行対象となるべき第2変動処理は、実質変動対象外となり、変動時間が10分に設定されることになる。つまり、本来、終了演出の実行対象となるべき第2変動処理が、第1変動処理によって消化されてしまい、終了演出に対応する第2変動処理が消滅したと言える。
したがって、この場合には、終了演出を不実行とし、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162に特別図柄が同時に停止表示されたときに、特1保留がさらに記憶されていれば、第1変動処理の開始に伴って低確時変動演出を実行する。本実施形態では、高確率遊技状態の終了を報知する演出を、3サイクル終了前演出と終了演出とに分割しており、これらのいずれか一方の演出のみでも、高確率遊技状態の終了を遊技者が把握できる構成としている。したがって、上記のような不測の事態が発生した場合には、終了演出を不実行とすることで、遊技者に違和感や不信感を与えないようにしている。
また、例えば、図74(b)に示すように、3サイクル終了前演出が実行される2回目のサイクル(第2変動処理)中に、図中クロスハッチングで示すハズレの第1変動処理が開始されたとする。この場合、第1変動処理は、高確率遊技状態で開始されることから、変動時間が10秒に設定される。そして、3サイクル終了前演出が実行される2回目のサイクル(第2変動処理)において小当たり図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されると、これと同時に、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄が強制停止表示される。この状態では、実残り回数が1回残っていることから、第2変動処理(最終サイクル)が特殊変動で実行される。
この場合、本来、3サイクル終了前演出の実行対象となるべき第2変動処理が、第1変動処理によって消化されてしまい、3サイクル終了前演出に対応する第2変動処理が消滅したと言える。したがって、この場合には、最終サイクルの開始とともに、3サイクル終了前演出を強制終了させ、終了演出を実行する。ここでは、終了演出の実行時間が、本来の設計通りに担保されることから、終了演出を優先して、高確率遊技状態の終了を確実に遊技者に報知することとしている。
また、例えば、図74(c)に示すように、3サイクル終了前演出が実行され、実残り回数が1回となったときに、特1保留および特2保留のいずれも記憶されていない待機状態となることもある。この場合には、3サイクル終了前演出の最後の画像が演出表示部200aにループ表示される。そして、この状態で特2保留が記憶されて第2変動処理が実行されれば、最終サイクル中に終了演出が実行されることになるが、第1変動処理が実行された場合には、図示のように、終了演出を実行することなく、第1変動処理の開始とともに、演出表示部200aの背景画像を低確率遊技状態用の背景画像に切り替える。
なお、この第1変動処理の開始時は、遊技状態が高確率遊技状態であることから、実質変動対象外のものとして扱われ、以後の第1変動処理に合わせて、低確時変動演出が実行されることとなる。
以上のように、高確率遊技状態の終了直前の4回の変動処理それぞれを演出対象変動処理とし、これら4回の演出対象変動処理に跨って、3サイクル終了前演出(第1の演出)および終了演出(第2の演出)が設けられた連続演出が実行される。このとき、4回の演出対象変動処理が全て、第2特別図柄表示器162において図柄を変動表示させる第2変動処理であった場合、4回目(最終回)以外の演出対象変動処理中に3サイクル終了前演出(第1の演出)を実行するとともに、4回目(最終回)の演出対象変動処理中に終了演出(第2の演出)を実行する。一方、図74(a)に示すように、4回目(最終回)の演出対象変動処理が、第1特別図柄表示器160において図柄を変動表示させる第1変動処理であり、他の演出対象変動処理が全て第2変動処理であった場合、4回目以外(1〜3回目)の演出対象変動処理中に3サイクル終了前演出(第1の演出)を実行するとともに、終了演出(第2の演出)を不実行とする。
また、図74(b)に示すように、4回の演出対象変動処理に第1変動処理が含まれ、かつ、4回目(最終回)の演出対象変動処理が第2変動処理であった場合、4回目(最終回)の演出対象変動処理を除く、第2変動処理の演出対象変動処理中に3サイクル終了前演出(第1の演出)を実行するとともに、4回目(最終回)の演出対象変動処理中に終了演出(第2の演出)を実行する。
これにより、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162の2つの図柄表示部において図柄が変動表示される遊技機において、連続演出の開始後に、予期せぬ図柄の変動表示が行われたとしても、演出の整合性が担保され、演出効果の低下を抑制することができる。
以下に、上記の各演出を実行するための副制御基板330における制御処理について説明する。なお、以下では、理解を容易にするために、各処理についての説明の順番が前後する場合がある。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図75は、副制御基板330におけるサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000−1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図76は、副制御基板330におけるサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。なお、ここでは、1秒間に30回のサブタイマ割込み処理が実行されるものとする。
(ステップS1100−1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100−3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100−5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
サブCPU330aは、各種演出の経過時間を計時するとともに、演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。このタイムスケジュール管理処理については後述する。
(ステップS1100−7)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
図77は、上記コマンド解析処理のうち、回数コマンドを受信した際に実行される回数コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、回数コマンドは、主制御基板300において、図29のステップS610−31、および、図30のステップS610−77でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図15参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1210−1)
回数コマンドを受信すると、サブCPU330aは、実残り回数カウンタのカウンタ値を、受信した回数コマンドが示す、主制御基板300で管理されている実残り回数に更新し、当該回数コマンド受信処理を終了する。これにより、主制御基板300で大役抽選が行われるたびに更新される実残り回数を、副制御基板330において把握することが可能となる。
図78は、上記コマンド解析処理のうち、遊技状態変化指定コマンドを受信した際に実行される遊技状態変化指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、遊技状態変化指定コマンドは、主制御基板300において、図38のステップS670−5でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図15参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1220−1)
遊技状態変化指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、受信した遊技状態変化指定コマンドを解析し、遊技状態が低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更されたか、つまり、初当たりによって遊技状態が高確率遊技状態に設定されるかを判定する。その結果、遊技状態が低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更されたと判定した場合にはステップS1220−3に処理を移し、遊技状態は低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更されていないと判定した場合には当該遊技状態変化指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1220−3)
サブCPU330aは、報知残り回数をカウントする報知残り回数カウンタのカウンタ値を100に更新するとともに、更新したカウンタ値に対応する報知残り回数(H)を報知残り回数表示部226に表示する。これにより、初当たり時には、報知残り回数表示部226に、報知残り回数として最初に100回と表示されることとなる。
(ステップS1220−5)
サブCPU330aは、実残り回数と報知残り回数(H)との差分(S)を4に更新して、当該遊技状態変化指定コマンド受信処理を終了する。
図79は、上記コマンド解析処理のうち、先読み指定コマンドを受信した際に実行される先読み指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、先読み指定コマンドは、主制御基板300において、図23のステップS536−11でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図15参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1230−1)
先読み指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるかを判定する。その結果、低確率遊技状態であると判定した場合にはステップS1230−3に処理を移し、低確率遊技状態ではないと判定した場合にはステップS1230−5に処理を移す。
(ステップS1230−3)
サブCPU330aは、低確率遊技状態において所定の保留表示画像228を表示するための低確時保留表示処理を実行し、当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1230−5)
サブCPU330aは、特2保留用の先読み指定コマンドを受信したかを判定する。その結果、特2保留用の先読み指定コマンドであると判定した場合にはステップS1230−7に処理を移し、特2保留用の先読み指定コマンドではないと判定した場合には、当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1230−7)
サブCPU330aは、受信した先読み指定コマンドが、14R大当たり用の先読み指定コマンドであるか、つまり、新たに記憶された当該保留が、特別図柄Dが決定される保留であるかを判定する。その結果、当該保留が14R大当たりであると判定した場合にはステップS1230−11に処理を移し、当該保留は14R大当たりではないと判定した場合にはステップS1230−9に処理を移す。
(ステップS1230−9)
サブCPU330aは、当該保留についての演出の予約がなされているか、つまり、当該保留が演出対象保留に設定されているかを判定する。その結果、当該保留についての演出の予約がなされていると判定した場合にはステップS1232に処理を移し、当該保留についての演出の予約はなされていないと判定した場合にはステップS1231に処理を移す。
(ステップS1231)
サブCPU330aは、当該保留を基準保留とする上乗せ演出の実行可否を決定する上乗せ演出抽選処理を実行し、ステップS1232に処理を移す。なお、この上乗せ演出抽選処理については後述する。
(ステップS1230−11)
サブCPU330aは、当該保留についての演出の予約がなされているか、つまり、当該保留が演出対象保留に設定されているかを判定する。その結果、当該保留についての演出の予約がなされていると判定した場合にはステップS1230−13に処理を移し、当該保留についての演出の予約はなされていないと判定した場合にはステップS1230−15に処理を移す。
(ステップS1230−13)
サブCPU330aは、当該保留が読み出されて第2変動処理が実行された場合に、先に実行が予約されている演出に続いて特殊演出を実行するための実行情報をセット(予約)し、ステップS1232に処理を移す。
(ステップS1230−15)
サブCPU330aは、14R大当たり演出の実行パターンを決定するとともに、決定した実行パターンの実行情報をセット(予約)する。これにより、当該保留に係る第2変動処理の開始とともに、当該保留の記憶時に予約された実行パターンで14R大当たり演出が実行されることとなる。
(ステップS1230−17)
サブCPU330aは、当該保留よりも先に第2変動処理が実行される保留(手前保留)が記憶されている場合に、これら手前保留に係る第2変動処理中に実行する予告演出や示唆演出の実行可否等を決定する手前保留演出抽選処理を実行する。この処理で演出の実行が決定されると、手前保留に対応付けて演出の実行情報がセット(予約)される。
(ステップS1232)
サブCPU330aは、当該保留等の保留表示画像228の表示パターンを決定する入賞時保留表示処理を実行し、当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。この入賞時保留表示処理については後述する。
図80は、副制御基板330における上記の上乗せ演出抽選処理(S1231)を説明するフローチャートである。
(ステップS1231−1)
サブCPU330aは、当該保留の消化時、すなわち、当該保留に係る第2変動処理の実行時が、演出制限状態に設定されているかを判定する。なお、演出制限状態は、例えば、上記したパターン3や特別パターンの上乗せ演出後の12G間、すなわち、専用演出が実行されている期間中に設定される。具体的には、専用演出の実行が決定されると、その時点で、演出制限状態となる第2変動処理(サイクル)が設定される。なお、ここでは詳細な説明は省略するが、例えば、報知残り回数が所定数以下になった場合や、所定のサイクル演出が実行された後の一定期間を演出制限状態に設定してもよい。当該保留に係る第2変動処理の実行時が演出制限状態に設定されていると判定した場合には当該上乗せ演出抽選処理を終了し、当該保留に係る第2変動処理の実行時が演出制限状態に設定されていないと判定した場合にはステップS1231−3に処理を移す。
(ステップS1231−3)
サブCPU330aは、合計上乗せ回数決定テーブル(図62(a))を参照し、現在の差分(S)に基づいて、合計上乗せ回数(T)を抽選により決定、記憶する。
(ステップS1231−5)
サブCPU330aは、上乗せ演出パターン決定テーブル(図62(b))を参照し、上記ステップS1231−3で決定した合計上乗せ回数(T)に基づいて、上乗せ演出(上乗せガセ演出を含む)の実行可否ならびに実行パターンを抽選により決定、記憶する。
(ステップS1231−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1231−5において、上乗せ演出(上乗せガセ演出を含む)の実行が決定されたかを判定する。その結果、上乗せ演出の実行が決定されたと判定した場合にはステップS1231−9に処理を移し、上乗せ演出の実行は決定されなかったと判定した場合には当該上乗せ演出抽選処理を終了する。
(ステップS1231−9)
サブCPU330aは、上乗せ演出開始タイミング決定テーブル(図62(c))を参照し、現在の報知残り回数(H)に基づいて、上乗せ演出の開始タイミングを決定、記憶する。
(ステップS1231−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1231−5で決定された上乗せ演出の実行パターンが特別パターンであるかを判定する。その結果、特別パターンであると判定した場合にはステップS1231−13に処理を移し、特別パターンではないと判定した場合にはステップS1231−29に処理を移す。
(ステップS1231−13)
サブCPU330aは、上乗せ演出回数決定テーブル(図63(b))を参照し、上記ステップS1231−3で決定した合計上乗せ回数(T)に基づいて、上乗せ演出の実行回数を抽選により決定、記憶する。
(ステップS1231−15)
サブCPU330aは、合計上乗せ回数(T)を、上記ステップS1231−13で決定した実行回数分だけ小分けにする合計上乗せ回数分割処理を行う。なお、この合計上乗せ回数分割処理は、上記のとおり小分けテーブルを参照して実行される。
(ステップS1231−17)
サブCPU330aは、上乗せ演出を複数回実行する場合、上記ステップS1231−15で小分けされた上乗せ回数nを、相対的に後に報知される上乗せ数が、先に報知される上乗せ数以上となるように昇順に並び替える。
(ステップS1231−19)
サブCPU330aは、上記の決定のとおりに上乗せ演出の実行情報をセット(予約)する。
(ステップS1231−21)
サブCPU330aは、上乗せ演出の最終の演出対象保留の次の保留を専用演出の演出開始対象保留とする実行情報をセット(予約)する。
(ステップS1231−23)
サブCPU330aは、専用演出の演出開始対象保留から12G間を演出制限状態に設定する。
(ステップS1231−25)
サブCPU330aは、前兆状態決定テーブル(図63(c))を参照し、上記ステップS1231−3で決定した合計上乗せ回数(T)に基づいて、前兆状態を抽選により決定する前兆状態決定処理を行う。また、ここでは、前兆状態として前兆1〜3が決定された場合に、演出開始対象保留の1つ前の保留までを、決定した前兆1〜3に設定する処理が行われる。
(ステップS1231−27)
サブCPU330aは、上乗せ演出の最終の演出対象保留の次の保留を、加算演出の演出対象保留とする実行情報をセット(予約)する。
(ステップS1231−29)
また、上乗せ演出の実行パターンが特別パターン以外に決定された場合、サブCPU330aは、サイクル数決定テーブル(図63(a))を参照し、上記ステップS1231−3で決定した合計上乗せ回数(T)に基づいて、サイクル数を抽選により決定、記憶する。
(ステップS1231−31)
サブCPU330aは、上記の決定のとおりに上乗せ演出の実行情報をセット(予約)する。
(ステップS1231−33)
サブCPU330aは、上乗せ演出の実行パターンがパターン3であるかを判定する。その結果、パターン3であると判定した場合にはステップS1231−21に処理を移し、パターン3ではないと判定した場合にはステップS1231−25に処理を移す。
図81は、副制御基板330における上記の入賞時保留表示処理(S1232)を説明するフローチャートである。
(ステップS1232−1)
サブCPU330aは、当該保留が上乗せ演出の基準保留に決定されたか、すなわち、上記ステップS1231において、当該保留よりも後に記憶されるいずれかの保留を演出開始対象保留とする上乗せ演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、当該保留が上乗せ演出の基準保留に決定されたと判定した場合にはステップS1232−3に処理を移し、当該保留は上乗せ演出の基準保留に決定されていないと判定した場合にはステップS1232−9に処理を移す。
(ステップS1232−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1231−3(図80参照)で決定された合計上乗せ回数(T)をロードする。
(ステップS1232−5)
サブCPU330aは、最終保留表示パターン決定テーブル(図67(a))を参照し、上記ステップS1232−3でロードした合計上乗せ回数(T)に基づいて、演出開始対象保留の最終保留表示パターンを決定する。
(ステップS1232−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1232−5で決定した最終保留表示パターンを、演出開始対象保留に対応付けて記憶(予約)する。
(ステップS1232−9)
サブCPU330aは、当該保留に対応する保留表示パターンが記憶されていないか、つまり、当該保留の記憶前に、当該保留についての最終保留表示パターンが予約されていないかを判定する。その結果、当該保留について最終保留表示パターンの予約がなされていないと判定した場合にはステップS1232−11に処理を移し、当該保留について最終保留表示パターンの予約がなされていると判定した場合にはステップS1232−15に処理を移す。
(ステップS1232−11)
サブCPU330aは、最終保留表示パターン決定テーブル(図67(a))を参照して、演出開始対象保留の最終保留表示パターンを決定する。なお、当該保留が基準保留となり、かつ、演出開始対象保留に決定された場合、すなわち、上記ステップS1231−9において0G後が決定された場合には、上記ステップS1231−3で決定した合計上乗せ回数(T)に基づいて、最終保留表示パターンが決定され、その他の場合には、合計上乗せ回数(T)<10として、最終保留表示パターンが決定される。
(ステップS1232−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1232−11で決定した最終保留表示パターンを、当該対象保留に対応付けて記憶(予約)する。
(ステップS1232−15)
サブCPU330aは、当該保留が最初に演出表示部200aに表示される際の表示位置、すなわち、保留表示画像228x、228a〜228dのいずれで表示されるかを確認する。
(ステップS1232−17)
サブCPU330aは、1つ前保留表示パターン決定テーブル(図67(b))を参照し、当該処理で最後に決定された当該保留の表示パターンに基づいて、その1つ前に表示される保留表示パターンを決定する。なお、当該保留について最終保留表示パターンの予約がなされている場合には、予約されている最終保留表示パターンに基づいて、1つ前の保留表示パターンが決定される。
(ステップS1232−19)
サブCPU330aは、上記ステップS1232−17で決定した1つ前保留表示パターンを、当該保留の表示位置と対応付けて記憶(予約)する。
(ステップS1232−21)
サブCPU330aは、当該保留の保留表示画像228が最初に表示される表示位置まで、全表示位置の保留表示パターンの決定が終了したかを判定する。その結果、全表示位置の保留表示パターンの決定が終了したと判定した場合にはステップS1232−23に処理を移し、全表示位置の保留表示パターンの決定は終了していないと判定した場合にはステップS1232−17に処理を移す。
(ステップS1232−23)
サブCPU330aは、当該保留について、現在の表示位置について決定された保留表示パターンで保留表示画像228を表示する保留表示開始処理を実行し、当該入賞時保留表示処理を終了する。
図82は、上記コマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した際に実行される変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動パターンコマンドは、主制御基板300において、図31のステップS611−13でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図15参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1250−1)
変動パターンコマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、現在の遊技状態が高確率遊技状態であるかを判定する。その結果、高確率遊技状態であると判定した場合にはステップS1251に処理を移し、高確率遊技状態ではないと判定した場合にはステップS1250−3に処理を移す。
(ステップS1251)
上記ステップS1250−1において、高確率遊技状態であると判定した場合には、サブCPU330aは、高確時演出決定処理を実行し、ステップS1250−29に処理を移す。なお、この高確時演出決定処理については後述する。
(ステップS1250−3)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドが、特1保留用のコマンドであるか、すなわち、特1保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるかを判定する。その結果、特1保留用のコマンドであると判定した場合にはステップS1250−11に処理を移し、特1保留用のコマンドではないと判定した場合にはステップS1250−5に処理を移す。
(ステップS1250−5)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドが大当たり用の変動パターンコマンドであるか、すなわち、低確率遊技状態において実質変動対象外の特2保留によって大当たりに当選したかを判定する。そして、大当たり用の変動パターンコマンドであると判定した場合にはステップS1250−7に処理を移し、大当たり用の変動パターンコマンドではないと判定した場合にはステップS1250−29に処理を移す。
(ステップS1250−7)
サブCPU330aは、大当たり待機フラグをオンする。
(ステップS1250−9)
サブCPU330aは、受信した特2保留用の変動パターンコマンドに基づいて、特2大当たり待ち時間を所定のカウンタにセットする。ここでは、特2大当たり待ち時間として、主制御基板300で設定された変動時間と同じ時間がセットされ、以後、サブタイマ割込み処理のたびに、上記ステップS1100−5で減算される。
(ステップS1250−11)
サブCPU330aは、大当たり待機フラグがオンしているかを判定する。その結果、大当たり待機フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1250−13に処理を移し、大当たり待機フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1250−17に処理を移す。
(ステップS1250−13)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドを解析し、当該変動時間が、現在の特2大当たり待ち時間よりも短いかを判定する。その結果、当該変動時間が、特2大当たり待ち時間よりも短いと判定した場合にはステップS1250−17に処理を移し、当該変動時間は、特2大当たり待ち時間よりも短くないと判定した場合にはステップS1250−15に処理を移す。
(ステップS1250−15)
サブCPU330aは、待機演出を実行するための演出データをセットし、ステップS1250−29に処理を移す。これにより、低確率遊技状態において、第2特別図柄表示器162に大当たり図柄が停止表示されることで、第1変動処理が強制終了となる場合、この第1変動処理の開始に伴って待機演出が実行されることとなる(図53参照)。
(ステップS1250−17)
サブCPU330aは、現在、高確率遊技状態の最終サイクル中であるか、つまり、高確率遊技状態における最終サイクルが特2保留によって実行されている最中であるかを判定する。その結果、最終サイクル中であると判定した場合にはステップS1250−19に処理を移し、最終サイクル中ではないと判定した場合にはステップS1250−23に処理を移す。
(ステップS1250−19)
サブCPU330aは、主制御基板300において開始された当該変動処理(第1変動処理)が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりの第1変動処理であると判定した場合にはステップS1250−21に処理を移し、大当たりの第1変動処理ではないと判定した場合にはステップS1250−29に処理を移す。
(ステップS1250−21)
サブCPU330aは、最終サイクルに係る特殊変動の終了後に待機演出を実行するための演出データをセットし、ステップS1250−29に処理を移す。これにより、低確率遊技状態における1回目の第1変動処理が終了演出中に開始され、かつ、当該第1変動処理において大当たりに当選する場合、終了演出に続いて待機演出が実行されることとなる(図73参照)。
(ステップS1250−23)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドを解析する。
(ステップS1250−25)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得するとともに、低確時変動演出決定テーブル(図51)を参照して、当該取得した演出乱数および上記ステップS1250−23における解析結果に基づいて、変動演出の実行パターンを決定する。
(ステップS1250−27)
サブCPU330aは、上記ステップS1250−25で決定された変動演出を実行するための実行データをセットする。
(ステップS1250−29)
サブCPU330aは、上記各処理で決定された演出を所望のタイミングで実行するためのタイムテーブルのデータをセットし、当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。これにより、上記ステップS1300のタイムスケジュール管理処理において、タイムテーブルにセットされたデータにしたがって演出が実行されることとなる。
図83は、上記の高確時演出決定処理(ステップS1251)を説明するフローチャートである。
(ステップS1251−1)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドが、特2保留用のコマンドであるか、すなわち、高確率遊技状態において特2保留に基づく図柄の変動表示が開始されるかを判定する。その結果、特2保留用のコマンドであると判定した場合にはステップS1251−9に処理を移し、特2保留用のコマンドではない(特1保留用のコマンドである)と判定した場合にはステップS1251−3に処理を移す。
(ステップS1251−3)
サブCPU330aは、実残り回数と報知残り回数との差分(S)を1減算する差分更新処理を実行する。なお、差分(S)が0の場合には、そのまま次のステップに処理を移す。
(ステップS1251−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−3で更新した差分(S)が0の場合、報知残り回数(H)を1減算するとともに、報知残り回数表示部226に表示されている報知残り回数を減算表示する報知残り回数更新処理を実行する。なお、詳しい説明は省略するが、差分(S)が1以上の場合、基本的には報知残り回数(H)を更新することなく、次のステップに処理を移すが、上乗せ演出中や上乗せ演出の実行が予定されている場合等、差分(S)が変化すると演出の整合性を担保出来なくなる場合には、差分(S)が1以上であっても、報知残り回数(H)を更新することもある。
(ステップS1251−7)
サブCPU330aは、高確率遊技状態において第1変動処理が実行された場合に生じる演出の不整合を解消するためのイレギュラー処理を実行し、当該高確時演出決定処理を終了する。ここでは、例えば、上記ステップS1251−5において報知残り回数(H)が1から0に更新された場合、つまり、高確率遊技状態における最後の変動処理が第1変動処理となった場合に、図74(c)に示すように、低確率遊技状態用の背景画像を演出表示部200aに表示する処理を行う。
(ステップS1251−9)
サブCPU330aは、報知残り回数(H)を、現在の値から1減算する。
(ステップS1251−11)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドが、14R大当たり用の変動パターンコマンドであるか、つまり、特別図柄D用の変動パターンコマンドであるかを判定する。その結果、14R大当たり用の変動パターンコマンドであると判定した場合には、ステップS1252に処理を移し、14R大当たり用の変動パターンコマンドではないと判定した場合にはステップS1251−13に処理を移す。
(ステップS1252)
サブCPU330aは、特殊演出を実行するための特殊演出実行処理を行い、ステップS1251−21に処理を移す。この特殊演出実行処理については後述する。
(ステップS1251−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−9で更新した報知残り回数(H)が0よりも大きいかを判定する。その結果、報知残り回数(H)>0であると判定した場合にはステップS1253に処理を移し、報知残り回数(H)>0ではないと判定した場合にはステップS1251−15に処理を移す。
(ステップS1253)
サブCPU330aは、主制御基板300において開始された第2変動処理(特2保留)が演出開始対象保留に決定されている場合に、予約されているサイクル演出を実行するための変動開始時演出処理を行い、ステップS1251−21に処理を移す。なお、この変動開始時演出処理の詳細は後述する。
(ステップS1251−15)
サブCPU330aは、実残り回数が0よりも大きいかを判定する。その結果、実残り回数が0よりも大きいと判定した場合にはステップS1251−17に処理を移し、実残り回数は0よりも大きくない(実残り回数=0)と判定した場合にはステップS1254に処理を移す。
(ステップS1251−17)
サブCPU330aは、最終上乗せ演出を実行するための最終上乗せ演出実行処理を行う。ここでは、現在の差分(S)の範囲内で上乗せ回数nを抽選で決定するとともに、決定した上乗せ回数nを報知する最終上乗せ演出の実行を決定する。
(ステップS1251−19)
サブCPU330aは、最終上乗せ演出の対象となる第2変動処理の次の第2変動処理について、加算演出の実行情報を予約する。
(ステップS1254)
一方、上記ステップS1251−15において、実残り回数>0ではないと判定した場合には、終了演出を実行するための終了演出処理を行う。この終了演出処理については後述する。
(ステップS1251−21)
サブCPU330aは、現在表示中の保留表示画像228をシフト表示する保留シフト表示処理を行う。ここでは、保留表示画像228aを保留表示画像228xにシフトし、保留表示画像228b〜228dを保留表示画像228a〜228cにシフトさせる処理を行う。サブRAM330cには、各特2保留の記憶時に、表示位置ごとの表示パターンが記憶(予約)される(図81参照)。ここでは、シフト後の保留表示画像228を、サブRAM330cの記憶情報(予約情報)に基づいて、各特2保留の記憶時に予約された表示パターンで表示する処理が行われる。
(ステップS1251−23)
サブCPU330aは、リール演出におけるリール停止パターンを決定するリール停止パターン決定処理を行う。ここでは、受信した変動パターンコマンド、すなわち、主制御基板300で決定された特別図柄の種別と、上乗せ演出における演出対象保留に設定されているか否か等に応じて、リール停止パターン決定テーブルをセットする(図64(b)〜(d)参照)。そして、セットしたリール停止パターン決定テーブルを参照し、現在の前兆状態に基づいて、いずれかのリール停止パターンを決定する。
(ステップS1251−25)
サブCPU330aは、現在の前兆状態に基づき、上記のサイクル演出やリール演出とは別に設けられた、上乗せ演出の実行可否等を示唆する予告演出や示唆演出等の実行パターンを決定する。
(ステップS1251−27)
サブCPU330aは、上記各処理で決定された演出を実行するための演出データをセットし、当該高確時演出決定処理を終了する。
図84は、上記の特殊演出実行処理(ステップS1252)を説明するフローチャートである。
(ステップS1252−1)
サブCPU330aは、当該第2変動処理について、14R大当たり演出の予約がなされているかを判定する。その結果、14R大当たり演出の予約がなされていると判定した場合にはステップS1252−3に処理を移し、14R大当たり演出の予約はなされていないと判定した場合にはステップS1252−7に処理を移す。なお、14R大当たり演出の予約がなされている場合としては、特殊演出以外の所定パターンの14R大当たり演出の予約のみがなされている場合と、上乗せ演出(ガセ上乗せ演出)と特殊演出との双方の予約がなされている場合とがある。
(ステップS1252−3)
サブCPU330aは、予約されている演出に特殊演出があるかを判定する。その結果、特殊演出があると判定した場合にはステップS1252−9に処理を移し、特殊演出はないと判定した場合にはステップS1252−5に処理を移す。
(ステップS1252−5)
サブCPU330aは、予約されている14R大当たり演出の実行情報に基づいて演出データをセットし、当該特殊演出実行処理を終了する。
(ステップS1252−7)
サブCPU330aは、現在、複数サイクル演出の実行中であるかを判定する。その結果、複数サイクル演出の実行中であると判定した場合にはステップS1252−9に処理を移し、複数サイクル演出の実行中ではないと判定した場合にはステップS1252−15に処理を移す。
(ステップS1252−9)
サブCPU330aは、実行中の複数サイクル演出または予約されている演出が終了してから当該サイクルが終了するまでの時間を導出する。
(ステップS1252−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1252−9で導出した時間から、特殊演出における尺吸収パートの固定演出の挿入数を決定する。
(ステップS1252−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1252−9で導出した時間と、上記ステップS1252−11で決定した尺吸収パートにおける固定演出の挿入数とから、微調整パートの演出時間を決定する。
(ステップS1252−15)
また、複数サイクル演出が実行されていない場合(ステップS1252−7におけるNO)には、サブCPU330aは、14R大当たり演出の実行パターンを決定する。
(ステップS1252−17)
サブCPU330aは、上記の各ステップで決定された演出を実行するための演出データをセットし、当該特殊演出実行処理を終了する。
この特殊演出実行処理により、予約されたサイクル演出がすべて終了した後に、特殊演出が実行されることとなる(図68(d)参照)。
図85は、上記の変動開始時演出処理(ステップS1253)を説明するフローチャートである。
(ステップS1253−1)
サブCPU330aは、報知残り回数(H)が「3」であるかを判定する。その結果、報知残り回数(H)が「3」であると判定した場合にはステップS1253−3に処理を移し、報知残り回数(H)は「3」ではないと判定した場合にはステップS1253−5に処理を移す。
(ステップS1253−3)
サブCPU330aは、3サイクル終了前演出を実行するための3サイクル終了前演出実行処理を実行し、当該変動開始時演出処理を終了する。ここでは、実残り回数と報知残り回数(H)との差分が0でない場合、「継続」と記された絵柄232bが停止表示される演出データをセットする(図71(e)参照)。一方、実残り回数と報知残り回数(H)との差分が0である場合、「終了」と記された絵柄232cが停止表示される演出データをセットする(図72(e)参照)。
(ステップS1253−5)
サブCPU330aは、当該変動が演出開始対象保留に係る変動処理であるかを判定する。その結果、演出開始対象保留に係る変動処理であると判定した場合にはステップS1253−7に処理を移し、演出開始対象保留に係る変動処理ではないと判定した場合には当該変動開始時演出処理を終了する。
(ステップS1253−7)
サブCPU330aは、予約されている実行情報に基づいてサイクル演出に係る演出データをセットする。
(ステップS1253−9)
サブCPU330aは、開始するサイクル演出が上乗せガセ演出であるかを判定する。その結果、上乗せガセ演出であると判定した場合には当該変動開始時演出処理を終了し、上乗せガセ演出ではないと判定した場合には、ステップS1253−11に処理を移す。
(ステップS1253−11)
サブCPU330aは、加算演出で加算する加算回数(K)として、これから開始する上乗せ演出の合計上乗せ回数(T)をセットする。
(ステップS1253−13)
サブCPU330aは、加算演出の開始時の報知残り回数である加算演出開始時報知残り回数(SH)として、現在の報知残り回数(H)をセットし、当該変動開始時演出処理を終了する。なお、図示は省略するが、ここで加算演出開始時報知残り回数(SH)がセットされた後、加算演出が開始されるまでの間に第2変動処理が実行されると、図83のステップS1251−9において、報知残り回数(H)が減算されるのと同時に、加算演出開始時報知残り回数(SH)も減算される。
図86は、上記の終了演出処理(ステップS1254)を説明するフローチャートである。
(ステップS1254−1)
サブCPU330aは、3サイクル終了前演出中であるかを判定する。その結果、3サイクル終了前演出中であると判定した場合にはステップS1254−3に処理を移し、3サイクル終了前演出中ではないと判定した場合にはステップS1254−5に処理を移す。
(ステップS1254−3)
サブCPU330aは、実行中の3サイクル終了前演出を強制終了させる。
(ステップS1254−5)
サブCPU330aは、終了演出を実行するための演出データをセットし、当該終了演出処理を終了する。
この終了演出処理によれば、高確率遊技状態における最終サイクル(特殊変動)の開始とともに終了演出が開始される。また、例えば、3サイクル終了前演出中に第1変動処理が行われた場合には、図74(b)に示すように、3サイクル終了前演出が強制終了となり、終了演出が実行されることとなる。
図87は、副制御基板330における上記のタイムスケジュール管理処理(S1300)を説明するフローチャートである。
(ステップS1300−1)
サブCPU330aは、タイムテーブルを参照し、現在の変動時間(または1サイクルの開始からの経過時間)に対応するタイムデータに基づいてフラグをオンオフするフラグ制御処理を実行する。
(ステップS1300−3)
サブCPU330aは、現在の変動時間(または1サイクルの開始からの経過時間)に対応するタイムデータに基づいて、各種演出デバイスにコマンドを送信する演出制御処理を実行する。これにより、各種演出デバイスにおいて予め設定されたタイミングで演出が開始されることとなる。
(ステップS1300−5)
サブCPU330aは、タイムテーブルを参照し、現在、加算演出の実行期間であるかを判定する。その結果、加算演出の実行期間であると判定した場合にはステップS1301に処理を移し、加算演出の実行期間ではないと判定した場合には当該タイムスケジュール管理処理を終了する。
(ステップS1301)
サブCPU330aは、上乗せ演出で報知された上乗せ回数nを、報知残り回数表示部226に表示されている報知残り回数(H)に加算するための加算演出実行処理を行い、当該タイムスケジュール管理処理を終了する。この加算演出実行処理について、図88を用いて説明する。
図88は、副制御基板330における加算演出実行処理を説明するフローチャートである。
(ステップS1301−1)
サブCPU330aは、加算演出の開始タイミングであるかを判定する。その結果、加算演出の開始タイミングであると判定した場合にはステップS1301−3に処理を移し、加算演出の開始タイミングではないと判定した場合にはステップS1301−13に処理を移す。
(ステップS1301−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1253−11でセットされた加算回数(K)をロードする。
(ステップS1301−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1253−13でセットされた加算演出開始時報知残り回数(SH)、もしくは、上記ステップS1253−13でセットされた後、上記ステップS1251−9で更新された加算演出開始時報知残り回数(SH)をロードする。
(ステップS1301−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1301−3でロードした加算回数(K)に、上記ステップS1301−5でロードした加算演出開始時報知残り回数(SH)を加算し、更新後報知残り回数(A)を算出、記憶する。
(ステップS1301−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1301−3でロードした加算回数(K)に基づいて、報知残り回数表示部226における表示数値の更新速度を決定する。
(ステップS1301−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1301−9で決定した更新速度で、表示数値を更新表示する演出データをセットし、当該加算演出実行処理を終了する。
(ステップS1301−13)
サブCPU330aは、加算演出中に変動パターンコマンドを受信したかを判定する。その結果、変動パターンコマンドを受信したと判定した場合にはステップS1301−15に処理を移し、変動パターンコマンドは受信していないと判定した場合にはステップS1301−21に処理を移す。
(ステップS1301−15)
サブCPU330aは、加算回数(K)を、現在の値から「1」減算する。つまり、ここでは、加算演出中に変動処理が実行された場合に、加算回数(K)を「1」減算することとなる。
(ステップS1301−17)
サブCPU330aは、上記ステップS1301−15で更新した加算回数(K)に、上記ステップS1301−5でロードした加算演出開始時報知残り回数(SH)を加算し、更新後報知残り回数(A)を算出、記憶する。
(ステップS1301−19)
サブCPU330aは、上記ステップS1301−17で更新した更新後報知残り回数(A)が、現在、報知残り回数表示部226に表示されている報知残り回数(H)と一致するかを判定する。その結果、更新後報知残り回数(A)=報知残り回数(H)と判定した場合にはステップS1301−25に処理を移し、更新後報知残り回数(A)=報知残り回数(H)ではないと判定した場合にはステップS1301−21に処理を移す。
(ステップS1301−21)
サブCPU330aは、上記ステップS1301−9で決定した更新速度で報知残り回数表示部226の表示数値を更新表示する更新表示処理を実行する。
(ステップS1301−23)
サブCPU330aは、上記ステップS1301−21で更新表示された報知残り回数表示部226の報知残り回数(H)と、更新後報知残り回数(A)とが一致するかを判定する。その結果、更新後報知残り回数(A)=報知残り回数(H)と判定した場合にはステップS1301−25に処理を移し、更新後報知残り回数(A)=報知残り回数(H)ではないと判定した場合には、当該加算演出実行処理を終了する。
(ステップS1301−25)
サブCPU330aは、加算演出終了処理を実行し、当該加算演出実行処理を終了する。これにより、加算演出が終了となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態の遊技性は一例にすぎない。上記実施形態では、第1始動口120を、常時遊技球が入球可能な所謂、固定始動口で構成し、第2始動口122を、遊技球の入球容易性が可変となる所謂、可変始動口で構成したが、例えば、第1始動口120を可変始動口で構成してもよいし、第2始動口122を固定始動口で構成してもよい。
また、上記実施形態における特別図柄の種別や決定確率は一例に過ぎない。特に、上記実施形態では、高確率遊技状態に設定されている場合に、遊技球の発射球数よりも、払い出される賞球数が多くなるように、小当たり遊技の実行頻度が設定されることとした。しかしながら、本発明は、一般的にST機と呼ばれる遊技機や、ループ機と呼ばれる遊技機にも広く適用可能である。
また、上記実施形態では、高確率遊技状態および低確率遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行することとした。しかしながら、遊技状態の具体的な内容は上記実施形態に限らない。さらには、上記実施形態では、特定領域140bへの遊技球の進入可否によって、大役遊技後の遊技状態が設定されることとした。しかしながら、例えば、大役抽選で決定される大当たり図柄に、大役遊技の終了後の遊技状態を予め対応付けておき、決定された大当たり図柄の種別に応じて、大役遊技の終了後の遊技状態を設定してもよい。
いずれにしても、始動条件の成立により複数種類の図柄の中からいずれかの図柄を決定し、図柄が決定されると、図柄を停止表示させるまでの時間である変動時間を設定し、第1始動領域への遊技球の進入に起因して図柄が決定された場合、変動時間の計時中に第1図柄表示部において図柄を変動表示させるとともに、変動時間が経過すると、図柄決定手段によって決定された図柄を第1図柄表示部に停止表示させる第1変動処理を実行し、第2始動領域への遊技球の進入に起因して図柄が決定された場合、変動時間の計時中に第2図柄表示部において図柄を変動表示させるとともに、変動時間が経過すると、図柄決定手段によって決定された図柄を第2図柄表示部に停止表示させる第2変動処理を実行し、第1図柄表示部または第2図柄表示部に所定の大当たり図柄が停止表示されると、遊技者に所定の遊技利益を付与し、図柄の変動表示中に演出を制御すればよい。
また、上記実施形態の演出の内容は一例に過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、自由に設計可能であることは言うまでもない。
なお、上記実施形態における第1始動口120内の領域が本発明の第1始動領域に相当し、第2始動口122内の領域が本発明の第2始動領域に相当する。
また、上記実施形態において、図29のステップS610−17、ステップS610−19、図30のステップS610−63、ステップS610−65の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の図柄決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図29のステップS610−23、図30のステップS610−69の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の変動時間設定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図17のステップS400−9の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の計時手段に相当する。
また、上記実施形態における第1特別図柄表示器160が本発明の第1図柄表示部に相当し、第2特別図柄表示器162が本発明の第2図柄表示部に相当し、図32および図33の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の図柄表示手段に相当する。
また、上記実施形態において、図34〜図37に示す処理を実行するメインCPU300aが、本発明の遊技利益付与手段に相当する。
また、上記実施形態におけるサブCPU330aが、本発明の演出制御手段に相当する。