JP5875158B2 - 発熱体の搬送方法及び搬送装置、並びに発熱具の製造方法 - Google Patents

発熱体の搬送方法及び搬送装置、並びに発熱具の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粘着性を有するシート状の被搬送物の搬送方法及び搬送装置に関する。
搬送ベルトに支持されて搬送されるシートを下流の工程に受け渡す際に、該搬送ベルトからの該シートの剥離を促進させるための技術が知られている。例えば特許文献1には、搬送ベルトを架け渡すローラを非円筒状にすることで、該ローラの回転によって搬送ベルトを振動させ、その振動によってシートの剥離を促進することが記載されている。非円筒状のローラとしては、軸方向に沿う直径が異なる部分を交互に有するローラが一例として用いられている。
特許文献2には、搬送ベルトの表面に複数の凸部を形成して該表面を凹凸形状にすることで、シートが搬送ベルトに粘着しないようにする技術が記載されている。
特許文献3には、第1及び第2ローラに架け渡された無端の搬送ベルトを備え、第1ローラから前記第2ローラに向かう搬送方向に記録媒体を搬送する装置が記載されている。第2ローラの外周面は、搬送ベルトの内周面に当接する当接領域を有する。更に第2ローラの外周面は、搬送ベルトの内周面に当接することなく、かつ当接領域の半径に搬送ベルトの厚さ分を加えた長さよりも大きい半径を有する大径領域を有する。搬送される記録媒体が第2ローラの位置に到達すると、該記録媒体は大径領域に乗り上げていき搬送ベルトの外周面から剥離されていく。
特開2005−338423号公報 特開2009−83357号公報 特開2008−239309号公報
粘着性を有する被搬送物を搬送ベルトに支持して搬送させる場合、上述した特許文献1及び2に記載の技術を用いても、搬送ベルトからの被搬送物の剥離を確実に行うことは容易ではない。一方、特許文献3には、粘着性を有する被搬送物を搬送させることについては何ら言及されていない。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る被搬送物の搬送方法及び搬送装置を提供することにある。
本発明は、周回する無端ベルトを備えた第1搬送部から、該第1搬送部の下流側に位置する第2搬送部へ、粘着性を有する毎葉のシート状の被搬送物を受け渡して搬送する被搬送物の搬送方法であって、
前記被搬送物の第1搬送部から第2搬送部への受け渡しに際しては、幅方向に複数条に分割された前記無端ベルト間に該被搬送物が架け渡されるように該被搬送物を該無端ベルトに支持するとともに、幅方向に隣り合う該無端ベルト間の位置において周回軌道の内側から外側に向けて該被搬送物を突き出すことで、該無端ベルトから該被搬送物を剥離して第2搬送部へ受け渡す、被搬送物の搬送方法を提供するものである。
また本発明は、周回する無端ベルトを備えており、かつ粘着性を有する毎葉のシート状の被搬送物を該無端ベルトの支持面に支持する第1搬送部と、該第1搬送の下流側に位置する第2搬送部とを有し、該被搬送物を第1搬送部から第2搬送部へ受け渡して搬送する被搬送物の搬送装置であって、
前記無端ベルトは、第1搬送部から第2搬送部への前記被搬送物の受け渡し位置において、幅方向に複数条に分割されて離間しており、
幅方向に隣り合う前記無端ベルト間に、該無端ベルトの前記支持面よりも外側に突出した前記被搬送物の剥離促進手段が設けられている、被搬送物の搬送装置を提供するものである。
本発明によれば、粘着性を有する被搬送物の第1搬送部から第2搬送部への受け渡しを確実に行うことができる。
図1は、本発明の実施に好適に用いられる装置の一例を示す模式図である。 図2は、図1に示す装置における排出部及び被覆部の要部を示す模式図である。 図3は、図2に示す排出部に用いられるローラを示す斜視図である。 図4(a)は、図2に示す排出部における発熱体の受け渡し位置の要部を示す模式図であり、図4(b)は、図3に示すローラに、分割された無端ベルトが巻き掛けられた状態を示す模式図である。 図5(a)及び図5(b)は、受け渡し位置において無端ベルトが分割される状態を示す模式図である。 図6は、排出部の受け渡し位置に設けられている剥離促進手段の別の形態を示す模式図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1は、本発明を発熱具の製造方法に適用した例を示している。発熱具は、発熱体とその全体を被覆する通気性の被覆シートから構成されている。発熱体は、発熱組成物の層(以下「発熱層」とも言う。)が、同一の又は異なる材質の基材シートで挟持された構造を有している。基材シートは親水性繊維を含む繊維シートから構成されている。発熱層は、被酸化性金属粉、電解質及び水を含んでいる含水層である。発熱層は、被酸化性金属粉の酸化反応を利用して熱を生じさせるものである。発熱層が含水状態になっていることに起因して、発熱層を被覆する基材シートも含水状態になっている。その結果、発熱体は水の粘性に起因する粘着性を発現している。
図1に示す装置は、塗料の塗工部20、電解質添加部30、裁断部40、リピッチ部50、排出部60及び被覆部70を備えている。塗工部20はダイコータ21を備えている。第1基材シートの原反ロール1A’から繰り出された連続長尺物からなる第1基材シート1Aの一面には、ダイコータ21によって塗料が塗工される。これによって該一面に塗工層が形成される。塗料は、図示していない調製装置によって予め調製されている。塗料の塗工によって、塗料中の水はその一部が第1基材シート1Aに吸収される。
塗工部20において塗工される塗料は、電解質を含まず、かつ少なくとも被酸化性金属粉及び水を含むものである。必要に応じ反応促進剤が塗料に含まれていてもよい。ここでいう電解質は、被酸化性金属粉に形成された酸化物を溶解させる目的で添加される電解質を意味し、すべての電解質を一切含まないという意味ではない。後述する電解質添加工程で添加する電解質を実質的に含まないということであり、水として水道水を用いた場合に該水道水中に含まれる塩素成分などは、ここでいう電解質ではない。つまり、発熱体に、一定の継続した発熱状態を付与できない電解質は、ここでいう電解質ではない。
塗料の調製は、例えば被酸化性金属粉と反応促進剤とを混合した後、更に水を加えつつ、均一になるまで混合して行うことができる。塗料の調製中に、被酸化性金属の表面が、例えば反応促進剤等によって傷つき該被酸化性金属の酸化が一時的に生じたとしても、塗料中には電解質が含まれていないので、酸化によって形成された酸化被膜の溶解が生じず、それ以上の酸化が妨げられる。したがって、被酸化性金属は電解質と接するまでは実質的な酸化が進行しない。それゆえ、塗料の保管中の酸化反応の進行を抑えることができ、発熱ロスを低減できる。また、塗料に電解質が含まれていないことによって、塗工前や塗工中の塗料の成分は良好な分散性を維持する。例えば、塗工前に塗料を静置しても、該塗料に被酸化性金属の粒子が凝集して凝集物が沈降したり離水したりすることが生じにくい。また塗工工程において、被酸化性金属粉を空気と遮断するための特別の手当は必要ない。
塗料は、被酸化性金属粉100質量部に対して、水を25質量部以上、特に35質量部以上含むことが好ましい。また塗料は、被酸化性金属粉100質量部に対して、水を85質量部以下、特に75質量部以下含むことが好ましい。例えば塗料は、被酸化性金属粉100質量部に対して、水を25質量部以上85質量部以下、特に35質量部以上75質量部以下含むことが好ましい。更に塗料中に含まれている水の割合は、塗料の全体の質量に対して18質量%、特に23質量%以上であることが好ましい。また塗料中に含まれている水の割合は、塗料の全体の質量に対して48質量%以下、特に43質量であることが好ましい。例えば塗料中に含まれている水の割合は18質量%以上48質量%以下、特に23質量%以上43質量%以下であることが好ましい。
図1において、塗工部20の下流に設置されている電解質添加部30は、電解質3の散布装置31を備えている。電解質3は、固体状態又は水溶液の状態で第1基材シート1Aにおける塗工層に向けて散布される。散布された電解質3は、直ちに又は所定の時間にわたって徐々に塗工層中に溶解する。電解質3の添加に際しては、例えば香り成分のカプセルなどの他の固体成分(ただし被酸化性金属の粒子は除く)が共存してもよいが、好ましくは電解質3のみを単独で添加する。その場合、他の固体成分は、先に述べた塗料中に配合される。電解質3を単独で添加することで、それ以外の固体成分の発熱層における分散性が向上するという有利な効果が奏される。特に、電解質3を固体状態で添加することで、水溶液で添加する場合に比較して機器の腐食を抑制でき、また機器及び/又はその周囲への電解質の飛散を抑制できるという有利な効果が奏される。
電解質3を固体状態で添加する場合、その形態に特に制限はない。例えば個々の粒子が目視可能な程度の大きさを有する粒状体でもよく。肉眼では目視不可能な程度の大きさを有する小粒子でもよい。塗料の塗工によって形成された塗工層への円滑な溶解の点からは、電解質を小粒子の集合体としての粉体(粉末)の状態で添加することが好ましい。例えば平均粒子径が50以上1000μm以下、特に100以上800μm以下である粉体の状態で、電解質を添加することが好ましい。平均粒子径は、例えばJIS Z8801の標準ふるいを用いたふるい分け方法によって測定できる。
電解質3を固定状態で添加する場合、その添加装置としては、例えばスクリューフィーダ、電磁フィーダ、オーガ式フィーダなどを用いることができる。なお、電解質3は、発熱体の使用時までに発熱層に対して均一に存していればよく、電解質添加工程において電解質3を塗工層に対し均一に添加しなくてもよい。
なお、本製造方法においては、塗工層と電解質3とが接することで、被酸化性金属の酸化が開始するところ、この酸化を抑制するために、これ以降の製造ラインを非酸化性雰囲気に保つことが好ましい。
塗工層に電解質3が散布されることで発熱層2が形成される。次に、発熱層2の全体を被覆するように、第2基材シート1Bを発熱層2の上に重ねる。先に述べたとおり、第2基材シート1Bは、親水性繊維を含む繊維シートである限り、第1基材シート1Aと同じ材質のものでもよく、あるいは異なる材質のものでもよい。発熱層2の上を第2基材シート1Bによって被覆することで、発熱層2に含まれている水の一部が第2基材シート1Bに染み出し、第2基材シート1Bは含水状態となる。
以上の工程によって、発熱層2が第1基材シート1Aと第2基材シート1Bとによって挟持された構造を有し、かつ連続長尺物からなる発熱体10Aが形成される。この発熱体10Aは裁断部40に搬送され、該裁断部40において幅方向にわたって裁断される。裁断部40は、周面にカッター刃41を有するロータリーダイカッター42とアンビルローラ43とを備えている。発熱体10Aが両部材間を通過することで裁断が行われ、それによって毎葉の発熱体10が得られる。
連続長尺物からなる発熱体10Aの裁断は、発熱体10Aの幅方向に延びるように行われればよく、例えば発熱体10Aの幅方向にわたって直線的に行うことができる。あるいは、裁断線が曲線を描くように裁断を行うことができる。いずれの場合であっても、裁断によってトリムが発生しないような裁断パターンを採用することが好ましい。
毎葉となった発熱体10は、リピッチ部50に配置された搬送ベルト51上に載置される。搬送ベルト51の搬送速度は、裁断部40に設置されたアンビルローラ43の周速よりも高くなっている。その結果、搬送方向において前後隣り合う発熱体10間の距離が広がり、発熱体10は所定の距離を置いて再配置される。
リピッチ部50において前後間のピッチが広まった発熱体10は、排出部60に搬送される。排出部60にはフライトコンベアが備えられている。フライトコンベアは、回転軸が互いに平行になるように配置されている複数のローラ61と、各ローラ61間に架け渡された無端ベルト62とを有している。無端ベルト62は、図1中、矢印方向に周回するようになされている。無端ベルト62の周回軌道は、その一部に、被搬送物の支持面が鉛直方向下方を向く部位62aを有している。発熱体10は、この部位62aを搬送される。つまり発熱体10はつり下げられた状態で搬送される。このような状態での搬送を実現するために、下方を向く部位62aの位置には、周回軌道の内部にサクションボックス63が設置されている。また、無端ベルト62には透孔64(後述する図4(a)参照)が設けられている。これによって、サクションボックス63を起動することで、該透孔を通じて周回軌道の外部から内部へ向けて空気が吸引されるように構成されている。この吸引によって、被搬送物である発熱体10は、無端ベルト62の支持面に吸引支持された状態で前記部位62aを搬送される。
発熱体10をつり下げた状態で搬送することは、フライトコンベアを欠陥品の排出装置として用いる場合に有利である。詳細には、フライトコンベアよりも上流のいずれかの位置に欠陥検出用のセンサ(図示せず)を配置しておく。そして該センサによって発熱体10の欠陥を検出する。前記部位62aには排出ポイントを設けておき、検出された欠陥品がフライトコンベアにおける前記排出ポイントに到達したら、当該排出ポイントにおけるサクションボックス63による空気の吸引を吹き出しに切り替える。これによって欠陥品を落下させることができ、製造ラインから容易に排出することができる。
排出部60を通過してきた発熱体10は、被覆部70の無端ベルト71に受け渡される。この受け渡しは、排出部60から被覆部70への発熱体10の受け渡しの際に、無端ベルト62の透孔64(後述する図4(a)参照)を通じて行っていた吸引を停止することで行われる(この点については後ほど詳述する)。
排出部60から被覆部70へ受け渡された発熱体10は、その各面に連続長尺物からなる第1被覆シート4と、同じく連続長尺物からなる第2被覆シート5が配置され、これらの被覆シート4,5によってその全体が被覆される。詳細には、被覆部70に配置された無端ベルト71の支持面に第1被覆シート4が配置され、その上に発熱体10が間欠的に配置される。更に発熱体10の全体を被覆するように第2被覆シート5が重ね合わされる。この被覆状態を保ちつつ、発熱体10は、被覆部70の備える無端ベルト71によって封止部(図示せず)に導入される。封止部は、周面にシール凸部を有する第1のローラ(図示せず)と、同じく周面にシール凸部を有する第2のローラ(図示せず)とを備えている。封止部においては、発熱体10の前後左右から延出している第1及び第2被覆シート4,5の延出部が、ヒートシールによって接合される。この接合は、発熱体10を取り囲む連続した気密の接合であるか、又は発熱体10を取り囲む不連続の接合である。このようにして、発熱体が第1被覆シート4及び第2被覆シート5によって被覆されてなる発熱具(図示せず)が得られる。この発熱具はその複数個が一方向に連結された状態の連続長尺物になっている。この連続長尺物を、発熱体10間の位置において、幅方向にわたって裁断する。
以上の方法においては、排出部60から被覆部70へ発熱体10を受け渡すときに、発熱体10が排出部60の無端ベルト62に吸引保持された状態で搬送され、しかも発熱体10は湿潤した含水状態になっており水の粘性に起因した粘着性を有しているので、前記の吸引を解除しただけでは無端ベルト62から剥離しない場合がある。そこで本実施形態においては、被搬送物である発熱体10の排出部60(つまり第1搬送部)から被覆部70(つまり第2搬送部)への受け渡しに際して、幅方向に複数条に分割された無端ベルト間に発熱体10が架け渡されるように該発熱体10を該無端ベルトに支持している。これとともに、幅方向に隣り合う該無端ベルト間の位置において無端ベルトの周回軌道の内側から外側に向けて発熱体10を突き出して、該無端ベルトからの発熱体10の剥離を促進して被覆部70へ受け渡すようにしている。発熱体10の剥離を促進させるために、排出部60には剥離促進手段が設けられている。このことを図2ないし図4を参照しながら説明する。
図2には、排出部60及び被覆部70の要部が示されている。排出部60を周回する無端ベルト62は、周回軌道のうち、被搬送物の支持面が鉛直方向下方を向く部位62aにおいて、被搬送物である発熱体10をつり下げた状態で被覆部70に向けて搬送する。前記部位62aは、サクションエリア62Sとリリースエリア62Rとで構成される。サクションエリア62Sにおいては、サクションボックス63の吸引機構が起動しており、発熱体10は無端ベルト62の支持面に吸引保持されている。リリースエリア62Rは、サクションエリア62Sよりも発熱体搬送方向下流側であって、サクションボックス63のうちの空気の吹き出しを行う部分から、ローラ61Aまでのエリアを指す。リリースエリア62Rにおいては、無端ベルトに設けられた透孔64(図4参照(a))を通じて周回軌道の内側から外側に向けて空気が吹き出されている。空気の吹き出しによって無端ベルト62からの前記被搬送物の剥離を促進する。この空気の吹き出しとともに、被覆部70における受け渡し位置Aに設置されたサクションボックス72も起動しておき、該被覆部70に設置された無端ベルト71を通じて外部から内部へ向けて空気を吸引し、無端ベルト62から剥離した発熱体10の無端ベルト71への乗り移りを円滑にする。この目的のために無端ベルト71は通気性を有していることが好ましい。例えば、無端ベルト62と同様に透孔(図示しない)を設けることができる。
リリースエリア62Rの搬送方向における長さは、無端ベルト62と無端ベルト71との対向領域よりも短いことが好ましい。リリースエリア62Rの長さをこれよりも短くすることで、発熱体10が被覆部70へ乗り移る前に排出部60から離脱してしまう不都合を効果的に防止することができる。
なお本実施形態では、リリースエリア62Rにおいて、空気の吹き出しを行っているところ、該リリースエリア62Rは、空気の吸引及び吹き出しの両方を行わないエリアであっても構わない。また無端ベルト62の要部を示す図4(a)に記載されているとおり、無端ベルト62Aに設けられる透孔64と、無端ベルト62Bに設けられる透孔64とは、発熱体10の搬送方向を中心に対称に配置されていることが好ましい。
受け渡し位置Aにおける空気の吹き出しによる発熱体10の剥離の促進に加えて、本実施形態においては、上述した剥離促進手段を用いた剥離の促進も行っている。この剥離促進手段として、本実施形態においては、排出部60に配置された無端ベルト62を架け渡すための複数のローラ61のうち、受け渡し位置Aに配置されたローラ61Aを採用している。このローラ61Aは、図3に示すとおり、その軸方向に沿って小径部65と大径部66とを交互に有している。このローラ61Aにおける大径部66が前記剥離促進手段としての役割を果たす。
大径部66が剥離促進手段としての役割を果たす様子を、図4(a)を参照しながら説明する。同図は、排出部60における発熱体10の受け渡し位置Aの要部を示している。受け渡し位置Aにおいては、無端ベルト62が、幅方向に複数条に分割されている。すなわち第1無端ベルト62A及び第2無端ベルト62Bに分割されている。各無端ベルト62A,62Bは、ローラ61Aにおける小径部65に巻き掛けられている。ローラ61Aにおける大径部66にはベルトは巻き掛けられていない。したがって2条の無端ベルト62A,62Bは、大径部66の幅の分だけ離間している。これらの無端ベルト62A,62Bによって搬送される発熱体10は、両ベルト62A,62B間に架け渡されるように両ベルト62A,62Bの支持面Sに支持される。
図4(b)には、ローラ61Aに無端ベルト62A,62Bが巻き掛けられた状態が示されている。同図に示すとおり、ローラ61Aにおける大径部66の半径は、小径部65の半径と無端ベルト62A,62Bの厚みとの和よりも大きくなされている。その結果、大径部66は、無端ベルト62A,62Bの支持面よりも外側に突出している。したがって、無端ベルト62A,62B間に架け渡された状態で搬送されてきた発熱体10が、ローラ61Aの位置を通過するときには、無端ベルト62A,62B間から外側に突出した大径部66を乗り越えることになる。その結果、発熱体10は、幅方向に隣り合う無端ベルト62A,62B間の位置において周回軌道の内側から外側に向けて突き出される。つまり、強制的に無端ベルト62A,62Bから剥離される。
大径部66はその径が大きくなっていることに起因して、その周速が無端ベルト62A,62Bの搬送速度よりも高くなっている。この速度差を利用することによっても、無端ベルト62A,62Bから発熱体10が強制的に剥離される。
以上のとおり、本実施形態においては、ローラ61Aにおける大径部66を発熱体10の剥離促進手段として用いることで、発熱体10を無端ベルト62A,62Bの支持面Sから強制的に剥離している。この剥離を一層促進させるために、大径部66のうち発熱体10の接触面、すなわち大径部66の周面66Aを、凹凸形状にすることが好適である。この接触面を凹凸形状にすることで、大径部66と発熱体10との接触面積を減らすことができる。接触面積の減少は、発熱体10を大径部66へ貼り付きにくくして、発熱体10の剥離を一層促進させる観点から有利である。大径部66の周面66Aを凹凸形状にするためには、例えば機械加工により該周面66Aに溝を形成したり、該周面66Aに対してサンドブラスト処理などを行えばよい。
無端ベルト62A,62Bの支持面Sの性状を工夫することによっても、該ベルト62A,62Bからの発熱体10の剥離を促進させることができる。具体的には支持面Sを撥水性にすることで、湿潤した状態になっている発熱体10が無端ベルト62A,62Bに貼り付きにくくなるので、発熱体10の剥離が促進される。無端ベルト62A,62Bの支持面Sを撥水性にするためには、これらのベルト62A,62Bの構成材料として、例えばポリウレタンやシリコン樹脂を用いることができる。あるいは、支持面Sにフッ素樹脂等を用いた撥水加工を施してもよい。
本実施形態においては、排出部60の無端ベルト62は、その周回軌道のうち、少なくとも受け渡し位置A及びその近傍の位置において、幅方向に複数条に分割されていればよい。周回軌道におけるその他の位置においては、各条の無端ベルトは間隔を置いて分割されていてもよい。あるいは各条の無端ベルトが幅方向において密着しており見掛け上1条のベルトの形態をなしており、受け渡し位置Aに近接するに連れて、図5(a)に示すとおり、各条の無端ベルト62A,62B間の距離Dが漸増するようにしてもよい。図5(a)に示す構成を採用すると、無端ベルト62A,62B間が離間した状態において、両ベルト62A,62B間に、種々の機構Mを配置することができるという利点がある。この機構Mとしては、例えば発熱体10の欠陥を検知するセンサ等が挙げられる。
図5(a)に示す実施形態においては、発熱体10は幅方向に沿って一個だけ配置されているが、これに代えて図5(b)に示すとおり、無端ベルトを幅方向に3条以上に分割し、発熱体10を幅方向に沿って複数個同時に配置してもよい。この場合、無端ベルトの周回軌道のうち、発熱体10の受け渡し位置とそれ以外の位置とにおいて、分割された各条の無端ベルト62A,62B,62Cの離間距離が異なるように、各条の無端ベルト62A,62B,62Cに、発熱体10の搬送方向に対して角度をつけることで、幅方向に複数個配置された発熱体10間の幅方向の間隔を調整することができる。
図6には、これまで説明してきた実施形態と異なる実施形態が示されている。同図に示す実施形態は、排出部の受け渡し位置Aに設けられている剥離促進手段の構造が、これまで説明してきた実施形態と異なっている。詳細には、本実施形態の剥離促進手段は、同図に示すとおり剥離爪部材67から構成されている。剥離爪部材67は、受け渡し位置Aにおいて分割されて幅方向に隣り合う無端ベルト62A,62B間に配置されている。剥離爪部材67は、無端ベルト62A,62B間において、それらの支持面Sよりも外側に突出している。搬送されてきた発熱体10がこの突出した部位に到達すると、発熱体が該部位を乗り越える。この乗り越えによって発熱体10は無端ベルト62A,62Bの支持面Sから強制的に剥離される。剥離爪部材67は、発熱体10との接触面が凹凸形状になっており、該発熱体10との接触面積が低減されるようになっていてもよい。剥離爪部材67は、例えば無端ベルト62A,62Bの周回軌道内に設置された保持具(図示せず)によって保持することができる。
剥離促進手段としての剥離爪部材67は、無端ベルト62と無端ベルト71との対向領域であって、かつリリースエリア62Rの区間内の下流側に設けることが好ましい。リリースエリア62Rの区間内であれば、剥離促進手段の位置は、図2に示す実施形態のようにサクションボックス63よりも下流であってもよく、あるいは図6に示す実施形態のようにサクションボックス(図示せず)の途中であってもよい。
以上の方法においては、発熱体10を構成する部材の一つである第1及び第2基材シート1A,1Bとして、例えば、(イ)高吸収性ポリマーの粒子と親水性繊維とが均一に混合した状態の1枚のシートを用いることができる。また第1及び第2基材シート1A,1Bとしては、(ロ)高吸収性ポリマーの粒子が、該基材シートの厚み方向略中央域に主として存在しており、かつ該基材シートの表面には該粒子が実質的に存在していない構造を有するワンプライのものを用いることができる。更に第1及び第2基材シート1A,1Bとしては、(ハ)親水性繊維を含む同一の又は異なる繊維シート間に、高吸収性ポリマーの粒子が配置された2枚の繊維シートの重ね合わせ体を用いることもできる。これら種々の形態をとり得る基材シートのうち、発熱層の含水率のコントロールを容易に行い得る観点から、基材シートとして(ロ)の形態のものを用いることが好ましい。
繊維シートからなる第1及び第2基材シート1A,1Bに含まれる親水性繊維としては、天然繊維及び合成繊維のいずれをも用いることができる。基材シート1A,1Bの構成繊維として親水性繊維を用いることで、発熱層に含まれる被酸化性金属粉との間で水素結合が形成されやすくなり、発熱層の保形性が良好になるという利点がある。また、親水性繊維を用いることで、基材シート1A,1Bの吸水性ないし保水性が良好になり、発熱層の含水率をコントロールしやすくなるという利点もある。これらの観点から、親水性繊維としてはセルロース繊維を用いることが好ましい。セルロース繊維としては化学繊維(合成繊維)及び天然繊維を用いることができる。
セルロースの化学繊維としては、例えばレーヨン及びアセテートを用いることができる。一方、天然のセルロース繊維としては、各種の植物繊維、例えば木材パルプ、非木材パルプ、木綿、麻、麦藁、ヘンプ、ジュート、カポック、やし、いぐさ等を用いることができる。これらのセルロース繊維のうち、太い繊維を容易に入手できる等の観点から、木材パルプを用いることが好ましい。セルロース繊維として太い繊維を用いることは、基材シートの吸水性ないし保水性や、発熱層の保持性等の観点から有利である。
上述の各種の親水性繊維は、その繊維長が0.5以上6mm以下、特に0.8以上4mm以下であることが、湿式法又は乾式法での基材シートの製造が容易である点から好ましい。
基材シートには、上述の親水性繊維に加え、必要に応じて熱融着性繊維を配合してもよい。この繊維の配合によって、湿潤状態での基材シートの強度を高めることができる。熱融着性繊維の配合量は、基材シートにおける繊維の全量に対して0.1以上10質量%以下、特に0.5以上5質量%以下であることが好ましい。
繊維シートからなる基材シート1A,1Bには、上述のとおり高吸収性ポリマーの粒子が含まれていてもよい。基材シート1A,1Bにおける高吸収性ポリマーの粒子の存在位置については先に述べたとおりである。高吸収性ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収・保持できかつゲル化し得るヒドロゲル材料を用いることが好ましい。粒子の形状は、球状、塊状、ブドウ房状、繊維状等であり得る。粒子の粒径は、1以上1000μm以下、特に10以上500μm以下であることが好ましい。高吸収性ポリマーの具体例としては、デンプン、架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体などが挙げられる。高吸収性ポリマーの粒子は、基材シート1A,1Bに含まれる繊維材料に接合されていることが好ましい。接合には、例えば高吸収性ポリマーの粒子を湿潤させることで生ずる粘性を利用することができる。また、繊維材料からなるウェブに対し、重合性モノマー及び/又は該モノマーの重合進行物を含有する液状体を付着させ、重合させて形成した高吸収性ポリマーの粒子を用いたものでもよい。この高吸収性ポリマーの粒子は、繊維材料に接合された状態になっている。
各基材シート1A,1Bに占める高吸収性ポリマーの割合は、10質量%以上70質量%以下、特に20質量%以上55質量%以下であることが、基材シート1A,1Bの吸水性ないし保水性を好適なものとする観点及び発熱層の含水率のコントロールの観点から好ましい。なお、この割合は、基材シート1A,1B上に発熱組成物の層が形成される前の乾燥状態にある該基材シート1A,1Bについて測定された値である。
各基材シート1A,1Bは、その坪量が好ましくは10g/m2以上、より好ましくは35g/m2以上であり、また、好ましくは200g/m2以下、より好ましくは150g/m2以下である。基材シート1A,1Bの坪量をこの範囲内に設定することで、湿潤状態における基材シート1A,1Bの強度を十分に確保することができ、また基材シート1A,1Bの吸水性ないし保水性を好適なものとすることができる。一方、基材シート1A,1Bに含まれる高吸収性ポリマーの坪量は、好ましくは5g/m2以上、より好ましくは10g/m2以上であり、また、好ましくは150g/m2以下、より好ましくは100g/m2以下である。高吸収性ポリマーの坪量をこの範囲内に設定することで、基材シート1A,1Bの吸水性ないし保水性を一層好適なものとすることができる。また、発熱組成物の層の含水率を一層コントロールしやすくなる。これらの坪量は、基材シート1A,1B上に発熱層が形成される前の乾燥状態にある該基材シート1A,1Bについて測定された値である。
発熱層に含まれる被酸化性金属粉としては、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。被酸化性金属の粒子の粒径は、例えば0.1μm以上300μm以下程度とすることができる。発熱層は、被酸化性金属粉に加えて電解質及び水を含んでいる。また反応促進剤を含んでいてもよい。反応促進剤としては、水分保持剤として作用するほかに、被酸化性金属への酸素保持/供給剤としての機能も有しているものを用いることが好ましい。反応促進剤としては例えば活性炭(やし殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、シリカ等が挙げられる。電解質としては、被酸化性金属の粒子の表面に形成された酸化物の溶解が可能なものが用いられる。その例としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属の硫酸塩、炭酸塩、塩化物又は水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点からアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属の塩化物が好ましく用いられ、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄が好ましく用いられる。
基材シート1A,1Bの坪量が先に述べた範囲であることを条件として、発熱体における被酸化性金属の量は、坪量で表して好ましくは100g/m2以上、より好ましくは200g/m2以上であり、また、好ましくは3,000g/m2以下、より好ましくは1,500g/m2以下であることが、十分な発熱量を確保する観点から望ましい。発熱体における反応促進剤の量は、好ましくは4g/m2以上、より好ましくは8g/m2以上であり、また、好ましくは300g/m2以下、より好ましくは80g/m2以下、特に好ましくは50g/m2以下であることが、長時間にわたり安定な発熱を維持する観点から望ましい。同様の理由によって、発熱体における電解質の量は、好ましくは4g/m2以上、より好ましくは5g/m2以上であり、また、好ましくは80g/m2以下、より好ましくは40g/m2以下、特に好ましくは30g/m2以下である。
第1被覆シート4及び第2被覆シート5は、それらのうちの少なくとも一方が通気性を有している。通気性を有している被覆シートにおける通気度(JIS P8117 B型、以下、通気度というときにはこの方法の測定値を言う)は、好ましくは1秒/(100ml・6.42cm2)以上、より好ましくは10秒/(100ml・6.42cm2)以上であり、また、好ましくは50,000秒/(100ml・6.42cm2)以下、より好ましくは40,000秒/(100ml・6.42cm2)以下である。他方の被覆シートも通気性を有している場合には、その通気度は前記通気度よりも低いことが好ましい。例えばその通気度は、前記通気度よりも低いことを条件として、好ましくは200秒/(100ml・6.42cm2)以上、より好ましくは300秒/(100ml・6.42cm2)以上であり、また、好ましくは150,000秒/(100ml・6.42cm2)以下、より好ましくは100,000秒/(100ml・6.42cm2)以下である。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、被搬送物として湿潤状態にあり粘着性を有するシート状ものである発熱体を例にとり本発明を説明したが、液体によって湿潤し、それに起因して粘着性を有する毎葉のシート状物である限り、被搬送物の種類に制限はない。
また前記実施形態においては、排出部60においてフライトコンベアを用い、支持面Sが鉛直方向下方を向いている状態の無端ベルト62に発熱体10を支持させて搬送させたが、これに代えて支持面Sが鉛直方向上方を向いている状態の無端ベルトに発熱体を支持させて搬送させてもよい。
また前記実施形態においては、排出部60に配置された無端ベルト62は2条に分割するものであったが、これに代えて無端ベルト62を3条以上に分割させてもよい。その場合には、図4(b)に示すローラ61Aに設ける小径部65と大径部66の数を、無端ベルト62の分割数に応じて増加させればよい。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の被搬送物の搬送方法及び搬送装置を開示する。
<1> 周回する無端ベルトを備えた第1搬送部から、該第1搬送部の下流側に位置する第2搬送部へ、粘着性を有する毎葉のシート状の被搬送物を受け渡して搬送する被搬送物の搬送方法であって、
前記被搬送物の第1搬送部から第2搬送部への受け渡しに際しては、幅方向に複数条に分割された前記無端ベルト間に該被搬送物が架け渡されるように該被搬送物を該無端ベルトに支持するとともに、幅方向に隣り合う該無端ベルト間の位置において周回軌道の内側から外側に向けて該被搬送物を突き出して、該無端ベルトからの該被搬送物の剥離を促進して第2搬送部へ受け渡す、被搬送物の搬送方法。
<2> 第1搬送部においては、支持面が鉛直方向下方を向いている状態の前記無端ベルトに前記被搬送物が支持されて、該被搬送物が第1搬送部から第2搬送部への受け渡し位置まで搬送される前記<1>に記載の搬送装置。
<3> 周回する無端ベルトを備えており、かつ粘着性を有する毎葉のシート状の被搬送物を該無端ベルトの支持面に支持する第1搬送部と、該第1搬送の下流側に位置する第2搬送部とを有し、該被搬送物を第1搬送部から第2搬送部へ受け渡して搬送する被搬送物の搬送装置であって、
前記無端ベルトは、第1搬送部から第2搬送部への前記被搬送物の受け渡し位置において、幅方向に複数条に分割されて離間しており、
幅方向に隣り合う前記無端ベルト間に、該無端ベルトの前記支持面よりも外側に突出した前記被搬送物の剥離促進手段が設けられている、被搬送物の搬送装置。
<4> 前記無端ベルトを架け渡す複数のローラのうち、前記受け渡し位置に配置されたローラが、その軸方向に沿って小径部と大径部とを交互に有し、
前記小径部に、分割された各条の無端ベルトが巻き掛けられており、
前記大径部の半径が、前記小径部の半径と前記無端ベルトの厚みとの和よりも大きくなされており、
前記大径部を前記剥離促進手段として用いる前記<3>に記載の搬送装置。
<5> 前記受け渡し位置において幅方向に隣り合う前記無端ベルト間に、該無端ベルトの支持面よりも外方に突出した剥離爪部材が配置されており、
前記剥離爪部材を前記剥離促進手段として用いる、前記<3>に記載の搬送装置。
<6> 前記剥離促進手段における前記被搬送物との接触面が凹凸形状になっている前記<3>ないし<5>のいずれか1に記載の搬送装置。
<7> 前記無端ベルトの支持面が撥水性になっている前記<3>ないし<6>のいずれか1に記載の搬送装置。
<8> 前記無端ベルトが、ポリウレタン又はシリコン樹脂で構成されている前記<7>に記載の搬送装置。
<9> 前記無端ベルトの支持面に、フッ素樹脂等を用いた撥水加工が施されている前記<7>に記載の搬送装置。
<10> 前記無端ベルトは、幅方向において3条以上に分割されており、その周回軌道のうち、前記受け渡し位置とそれ以外の位置とにおいて各条の無端ベルトの離間距離が異なるように各条の無端ベルトに角度がついている前記<3>ないし<9>のいずれか1に記載の搬送装置。
<11> 第1搬送部においては、支持面が鉛直方向下方を向いている状態の前記無端ベルトに前記被搬送物が支持されて、該被搬送物が前記受け渡し位置まで搬送される前記<3>ないし<10>のいずれか1に記載の搬送装置。
<12> 前記無端ベルトに透孔が設けられており、該透孔を通じて周回軌道の外側から内側に向けて空気が吸引されるように構成されており、搬送中の前記被搬送物が、空気の吸引によって該無端ベルトの支持面に吸引支持される前記<11>に記載の搬送装置。
<13> 前記無端ベルトに透孔が設けられており、前記受け渡し位置においては、該透孔を通じて周回軌道の内側から外側に向けて空気が吹き出すように構成されており、空気の吹き出しによって該無端ベルトからの前記被搬送物の剥離を促進する前記<11>又は<12>に記載の搬送装置。
<14> 前記無端ベルトの支持面のうち鉛直方向下方を向いている部位は、サクションエリアとリリースエリアとで構成され、
前記サクションエリアにおいては、前記無端ベルトの周回軌道の外側から内側に向けて空気が吸引されており、
前記リリースエリアは、前記サクションエリアよりも発熱体搬送方向下流側であって、かつ前記無端ベルトの周回軌道の内側から外側に向けて空気が吹き出す位置から前記剥離促進手段までのエリアであり、
前記リリースエリアの搬送方向における長さが、第1搬送部と第2搬送部との対向領域よりも短くなっている前記<11>ないし<13>のいずれか1に記載の搬送装置。
<15> 隣り合う前記無端ベルトの間に、被搬送物の欠陥を検知するセンサが設けられている前記<3>ないし<14>のいずれか1に記載の搬送装置。
<16> 前記被搬送物は、親水性繊維を有する基材シートと、少なくとも被酸化性金属粉、電解質、水を含む発熱層と、を備える、前記<1>又は<2>に記載の搬送方法。
<17> 前記基材シートに、高吸収性ポリマーが含まれる、前記<1>、<2>又は<16>のいずれか1に記載の搬送方法。
<18> 前記高吸収性ポリマーの割合が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは70質量%以下、より好ましくは55質量%以下である、前記<17>記載の搬送方法。
<19> 前記基材シートの坪量が好ましくは10g/m2以上、より好ましくは35g/m2以上であり、また、好ましくは200g/m2以下、より好ましくは150g/m2以下である前記<16>ないし<18>のいずれか1に記載の搬送方法。
<20> 前記高吸収性ポリマーの坪量が、好ましくは5g/m2以上、より好ましくは10g/m2以上であり、また、好ましくは150g/m2以下、より好ましくは100g/m2以下である前記<17>ないし<19>のいずれか1に記載の搬送方法。
<21> 前記被酸化性金属の量が、坪量で表して好ましくは100g/m2以上、より好ましくは200g/m2以上であり、また、好ましくは3,000g/m2以下、より好ましくは1,500g/m2以下である前記<16>ないし<20>のいずれか1に記載の搬送方法。
<22> 前記発熱層に反応促進剤を含む前記<16>ないし<21>のいずれか1に記載の搬送方法。
<23> 前記反応促進剤の量が、好ましくは4g/m2以上、より好ましくは8g/m2以上であり、また、好ましくは300g/m2以下、より好ましくは80g/m2以下、特に好ましくは50g/m2以下である前記<22>に記載の搬送方法。
<24> 前記電解質の量が、好ましくは4g/m2以上、より好ましくは5g/m2以上であり、また、好ましくは80g/m2以下、より好ましくは40g/m2以下、特に好ましくは30g/m2以下である前記<16>ないし<23>のいずれか1に記載の搬送方法。
1A 第1基材シート
1B 第2基材シート
10 発熱体(被搬送物)
10A 連続長尺物からなる発熱体
20 塗工部
30 電解質添加部
40 第1裁断部
50 リピッチ部
60 排出部(第1搬送部)
62 無端ベルト
61,61A ローラ
62A,62B 分割された無端ベルト
65 小径部
66 大径部
67 剥離爪部材
70 被覆部(第2搬送部)
A 受け渡し位置
S 支持面

Claims (10)

  1. 被酸化性金属粉、電解質及び水を含む発熱層が、第1基材シート及び親水性繊維を含む繊維シートから構成されている第2基材シートで挟持された発熱体の搬送方法であって、
    連続長尺物からなる前記発熱体を幅方向にわたって裁断して毎葉の発熱体を得、
    透孔が設けられているとともに支持面が撥水性になっており且つ周回する無端ベルトを備えた第1搬送部において、前記第2基材シートが含水状態になっている粘着性の前記発熱体を、該透孔を通じた吸引を行いながら搬送し、更に該発熱体を該第1搬送部ら該第1搬送部の下流側に位置する第2搬送部へ受け渡して搬送
    前記発熱体の第1搬送部から第2搬送部への受け渡しに際しては、前記吸引を解除するか又は前記透孔から前記発熱体に向けて空気の吹き出しを開始し、次いで、幅方向に複数条に分割された前記無端ベルト間に架け渡されて、該無端ベルト上に、含水状態になっている前記第2基材シートが配されるように該無端ベルトに支持された前記発熱体を、幅方向に隣り合う該無端ベルト間の位置において周回軌道の内側から外側に向けて突き出すことで、該無端ベルトから該発熱体を剥離して第2搬送部へ受け渡す、発熱体の搬送方法。
  2. 第1搬送部においては、支持面が鉛直方向下方を向いている状態の前記無端ベルトに前記発熱体が支持されて、該発熱体が第1搬送部から第2搬送部への受け渡し位置まで搬送される請求項1に記載の搬送方法
  3. 被酸化性金属粉、電解質及び水を含む発熱層が、第1基材シート及び親水性繊維を含む繊維シートから構成されている第2基材シートで挟持された発熱体を備えた発熱具の製造方法であって、
    連続長尺物からなる前記発熱体を幅方向にわたって裁断して毎葉の発熱体を得、
    透孔が設けられているとともに支持面が撥水性になっており且つ周回する無端ベルトを備えた第1搬送部において、前記第2基材シートが含水状態になっている粘着性の前記発熱体を、該透孔を通じた吸引を行いながら搬送し、更に該発熱体を該第1搬送部から該第1搬送部の下流側に位置する第2搬送部へ受け渡して搬送し、
    前記発熱体の第1搬送部から第2搬送部への受け渡しに際しては、前記吸引を解除するか又は前記透孔から前記発熱体に向けて空気の吹き出しを開始し、次いで、幅方向に複数条に分割された前記無端ベルト間に架け渡されて、該無端ベルト上に、含水状態になっている前記第2基材シートが配されるように該無端ベルトに支持された前記発熱体を、幅方向に隣り合う該無端ベルト間の位置において周回軌道の内側から外側に向けて突き出すことで、該無端ベルトから該発熱体を剥離して第2搬送部へ受け渡し、
    受け渡された前記発熱体の各面に被覆シートが配置され、該被覆シートによって該発熱体の全体を被覆して前記発熱具となす、発熱具の製造方法。
  4. 被酸化性金属粉、電解質及び水を含む発熱層が、第1基材シート及び親水性繊維を含む繊維シートから構成されている第2基材シートで挟持された発熱体の搬送装置であって、
    周回する無端ベルトを備えており、かつ粘着性を有する毎葉のシート状の前記発熱体を該無端ベルトの支持面に支持する第1搬送部と、該第1搬送の下流側に位置する第2搬送部と発熱体を第1搬送部から第2搬送部へ受け渡す該発熱体の排出部を備えており、
    前記無端ベルトは、第1搬送部から第2搬送部への前記発熱体の受け渡し位置において、幅方向に複数条に分割されて離間しており、
    幅方向に隣り合う前記無端ベルト間に、該無端ベルトの前記支持面よりも外側に突出した前記発熱体の剥離促進手段が設けられており、
    前記無端ベルトは前記支持面が撥水性になっており且つ透孔が設けられており、該透孔を通じて周回軌道の内側から外側に向けて空気が吹き出すように構成されており、該透孔からの空気の吹き出し位置が、前記剥離促進手段よりも搬送方向の上流側に存在している、発熱体の搬送装置。
  5. 前記無端ベルトを架け渡す複数のローラのうち、前記受け渡し位置に配置されたローラが、その軸方向に沿って小径部と大径部とを交互に有し、
    前記小径部に、分割された各条の無端ベルトが巻き掛けられており、
    前記大径部の半径が、前記小径部の半径と前記無端ベルトの厚みとの和よりも大きくなされており、
    前記大径部を前記剥離促進手段として用いる請求項に記載の搬送装置。
  6. 前記受け渡し位置において幅方向に隣り合う前記無端ベルト間に、該無端ベルトの支持面よりも外方に突出した剥離爪部材が配置されており、
    前記剥離爪部材を前記剥離促進手段として用いる、請求項に記載の搬送装置。
  7. 前記剥離促進手段における前記発熱体との接触面が凹凸形状になっている請求項4ないし6のいずれか一項に記載の搬送装置。
  8. 前記無端ベルトは、幅方向において3条以上に分割されており、前記受け渡し位置に向けて搬送方向の上流から下流にかけて各条の無端ベルトの離間距離が広がるように、各条の無端ベルトが前記発熱体の搬送方向に対して角度がついている請求項ないし7のいずれか一項に記載の搬送装置。
  9. 第1搬送部においては、支持面が鉛直方向下方を向いている状態の前記無端ベルトに前記発熱体が支持されて、該発熱体が前記受け渡し位置まで搬送される請求項ないし8のいずれか一項に記載の搬送装置。
  10. 記透孔を通じて周回軌道の外側から内側に向けて空気が吸引されるように構成されており、搬送中の前記発熱体が、空気の吸引によって該無端ベルトの支持面に吸引支持される請求項9に記載の搬送装置。
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