JP7288805B2 - 発熱体及び発熱具の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発熱体及び発熱具の製造方法に関する。
発熱層を基材シート上に形成し、発熱体を製造する技術が知られている。例えば特許文献1には、基材シート上に発熱組成物及び吸水剤を積層し、該基材シートにおける発熱組成物及び吸水剤の積層面側に、被膜材シートを重ね合わせ、積層包装体を製造することが記載されている。
特許文献2には、基材シート上に塗工した発熱組成物の上に、食塩及び吸収性ポリマーを散布し、クレープ紙を重ね合わせて水蒸気発生部を形成することが記載されている。
特許文献3には、第二の基材シートの一面に発熱層を形成し、該基材シートにおける発熱層の形成面側に保水材及び第一の基材シートをこの順で供給して発熱体を製造することが記載されている。
特開2010-254369号公報 特開2017-225813号公報 特開2017-023307号公報
特許文献1~3に記載された技術では、発熱体の製造工程の途中や、製造された発熱体を後続の工程に搬送しているときに、基材シートにおける発熱層の形成面側に配された別の基材シートが、発熱層上から剥がれたり、ずれたりしてしまうことが生じていた。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る発熱体の製造方法を提供することにある。
本発明は、基材シート並びに該基材シートの一面側に形成され、被酸化性の金属、電解質及び水を含む発熱層を有する発熱体の製造方法であって、前記基材シートの前記一面側に、被酸化性の金属及び水を含む塗料を塗工する塗工工程と、前記塗工工程後に、前記基材シートの前記一面側に、第1の保水材を供給する保水材供給工程と、前記保水材供給工程後に、前記基材シートの前記一面側に、第2の保水材及び親水性繊維を含む保水シートを、配置する保水シート配置工程と、少なくとも前記保水シート配置工程より前に、前記基材シートにおける前記塗料の塗工面側に電解質を添加する電解質添加工程とを備える、発熱体の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、前記発熱体の製造方法により前記発熱体を製造し、前記発熱体が有する前記基材シートにおける前記発熱層とは反対側に被覆シートを配する発熱具の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明によれば、基材シートにおける発熱層の形成面側に配された別の基材シートが、発熱層上から剥がれたり、ずれたりし難い。
図1は、本発明の発熱具の製造方法により製造される発熱具の一例を示す断面模式図である。 図2は、本発明の発熱具の製造方法に用いられる製造装置の一例を示す概略側面図である。 図3は、本発明の発熱具の製造方法により製造された発熱具における保水シート、及び比較例の方法により製造された発熱具におけるクラフト紙の剥離強度の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明をその好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の発熱具の製造方法により製造される発熱具の一例である発熱具100の模式断面図を示す。図1に示す発熱具100は、発熱体10と、該発熱体10の上面を覆う第1被覆シート101と、該発熱体10の下面を覆う第2被覆シート102とを有している。発熱具100が有する発熱体10は、本発明の発熱体の製造方法により製造される発熱体の一例である。
発熱体10は、基材シート11と、発熱層12と、第1の保水材13と、保水シート14とを有している。発熱層12は、基材シート11の一面側に形成されており、被酸化性の金属、電解質3及び水を含んでいる。第1の保水材13及び保水シート14は、発熱層12における基材シート11とは反対側に配されている。第1の保水材13は、少なくともその一部が発熱層12と接するように配されていることが好ましい。第1の保水材13は、発熱層12と混合した状態になっていてもよい。保水シート14は、第2の保水材15と親水性繊維とを含んでいる。
第1の保水材13は、水の保持が可能な材料から構成されている。第1の保水材13を構成する材料としては、高吸収性ポリマー(SAP)、でんぷん、バーミキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、シリカ系多孔質物質、アルミナ、木粉等が挙げられる。高吸収性ポリマーとしては、架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体等が挙げられる。
保水シート14に含まれる親水性繊維は、第1の保水材13及び第2の保水材15の何れよりも吸水性が低い繊維であることが好ましい。親水性繊維としては、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等のセルロース系の親水性繊維等が挙げられる。また、親水性繊維は、セルロース系の親水性繊維以外に、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂からなる繊維を界面活性剤等により親水化したものであってもよい。
保水シート14に含まれる第2の保水材15は、水の保持が可能な材料から構成されている。第2の保水材15を構成する材料としては、高吸収性ポリマー(SAP)、でんぷん、バーミキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、シリカ系多孔質物質、アルミナ、木粉等が挙げられ、これらの中でも、保水シート14を発熱層12上から剥がれ難くする観点から、高吸収性ポリマーであることが好ましい。高吸収性ポリマーとしては、架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体等が挙げられる。
第2の保水材15を構成する材料は、第1の保水材13を構成する材料と同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
保水シート14は、第2の保水材15が、均一に分布しているものであってもよいし、偏在しているものであってもよい。第2の保水材15が偏在している場合、保水シート14は、保水シート14の厚み方向において、相対的に第2の保水材15の含有率が高い高保水材含有領域と、相対的に第2の保水材15の含有率が低い低保水材含有領域とを有していることが好ましい。
保水シート14としては、第2の保水材15が、該シートの厚み方向略中央域に相対的に高密度に存在し、該シートの表裏面には、第2の保水材15が、実質的に存在していないか又は相対的に低密度に存在するものを用いることも好ましい。また、その保水シート14は、高吸収性ポリマーの粒子の存在部位を挟んで表裏に親水性の繊維の層を有することが好ましく、高吸収性ポリマーの粒子の存在部位を挟んで架橋セルロース繊維の層を有していることがより好ましい。
斯かる保水シート14としては、例えば特開2017-225813号公報に記載のもの、特許第5296256号公報に記載のもの等を用いることができる。
保水シート14全体における親水性繊維の坪量は、好ましくは10g/m以上、より好ましくは20g/m以上であり、また好ましくは400g/m以下、より好ましくは300g/m以下であり、また好ましくは10g/m以上400g/m以下、より好ましくは20g/m以上300g/m以下である。
保水シート14における、高吸収性ポリマーの粒子の存在部位よりも発熱層12側に配される親水性繊維の坪量は、好ましくは5g/m以上、より好ましくは10g/m以上であり、また好ましくは240g/m以下、より好ましくは180g/m以下であり、また好ましくは5g/m以上240g/m以下、より好ましくは10g/m以上180g/m以下である。
また、保水シート14における、高吸収性ポリマーの粒子の存在部位を基準として発熱層12側とは反対側に配される親水性繊維の坪量は、好ましくは5g/m以上、より好ましくは10g/m以上であり、また好ましくは160g/m以下、より好ましくは120g/m以下であり、また好ましくは5g/m以上160g/m以下、より好ましくは10g/m以上120g/m以下である。
保水シート14全体における第2の保水材15の坪量は、好ましくは5g/m以上、より好ましくは10g/m以上であり、また好ましくは300g/m以下、より好ましくは200g/m以下であり、また好ましくは5g/m以上300g/m以下、より好ましくは10g/m以上200g/m以下である。
発熱層12は、その坪量が、好ましくは200g/m以上、より好ましくは300g/m以上であり、また好ましくは2500g/m以下、より好ましくは2000g/m以下であり、また好ましくは200g/m以上2500g/m以下、より好ましくは300g/m以上2000g/m以下である。当該範囲であれば、発熱具100を薄型化でき、且つ十分な発熱時間を得ることが容易となる。
発熱具100は、例えば図2に示す製造装置100Aによって好適に製造することができる。図2に示す製造装置100Aは、ダイコータ21を有する塗工部20と、電解質の散布装置31を有する電解質添加部30と、第1の保水材の散布装置41を有する保水材供給部40と、保水シート配置部50と、ロータリーダイカッター62及びアンビルロール63を有する第1裁断部60と、リピッチ部70と、被覆部80と、封止部90と、第2裁断部95とを備えている。
本発明の発熱具の製造方法の好ましい一実施態様について、製造装置100Aを用いて、発熱具100を製造する方法を例に説明する。本実施態様の発熱具100の製造方法では、まず発熱体10を製造し、該発熱体10を加工することで発熱具100を製造している。発熱体10を製造する方法は、基材シート11並びに該基材シート11の一面側に形成され、被酸化性の金属、電解質及び水を含む発熱層12を有する発熱体10の製造方法であり、塗工工程と、電解質添加工程と、保水材供給工程と、保水シート配置工程とをこの順で備えている。
塗工工程においては、基材シート11の一面側に被酸化性の金属及び水を含む塗料を塗工する。具体的には、基材シート11の原反ロール11Aから繰り出された帯状の基材シート11を、無端ベルト22によって塗工部20に搬送する。そして、搬送された基材シート11の一面側に、ダイコータ21によって、被酸化性の金属及び水を含む塗料を塗工し、基材シート11の一面側に塗工層2を形成する。
電解質添加工程においては、基材シート11における一面側、即ち基材シート11における前記塗料の塗工面側に電解質3を添加する。具体的には、塗工層2が形成された基材シート11を無端ベルト22によって電解質添加部30に搬送する。そして、搬送された基材シート11上に形成された塗工層2に向かって、電解質の散布装置31から電解質3を散布する。塗工層2に電解質3が添加されることにより、基材シート11の一面側に発熱層12が形成される。散布される電解質3は、固体状態でもよいし、液体状態でもよいが、本実施態様では、固体状態であることが好ましい。
保水材供給工程においては、基材シート11の一面側に第1の保水材13を供給する。具体的には、塗工層2が形成された基材シート11を無端ベルト22によって保水材供給部40に搬送する。そして、塗工工程によって形成された塗工層2に向かって、第1の保水材13の散布装置41から第1の保水材13を散布する。
保水シート配置工程においては、基材シート11の一面側に保水シート14を配置する。具体的には、保水材供給工程を経た基材シート11を無端ベルト22によって保水シート配置部50に搬送する。そして、保水シート14の原反ロール(不図示)から繰り出された帯状の保水シート14を、基材シート11の一面側に重ね合わせる。
このようにして、連続長尺物からなる発熱体10Aが形成されたら、該発熱体10Aを第1裁断部60において、幅方向にわたって裁断する。第1裁断部60が備えるロータリーダイカッター62は、周面にカッター刃61を有しており、該ロータリーダイカッター62とアンビルロール63との間を発熱体10Aが通過することで裁断が行われ、それによって毎葉の発熱体10が得られる。
連続長尺物からなる発熱体10Aの裁断は、発熱体10Aの幅方向に延びるように行われればよく、例えば発熱体10Aの幅方向にわたって直線的に行うことができる。あるいは、裁断線が曲線を描くように裁断を行うことができる。いずれの場合であっても、裁断によってトリムが発生しないような裁断パターンを採用することが好ましいが、楕円や流線形等の所望の形状に切り抜いてもよい。
以上の工程を経て製造された発熱体10は、図1に示すように、基材シート11の一面側に発熱層12及び第1の保水材13を有しており、且つ発熱層12における基材シート11とは反対側の面に保水シート14が配されている。保水シート14は、上述のように、第2の保水材15を含んでいる。したがって、発熱体10においては、第1の保水材13と保水シート14が有する第2の保水材15との間で、水の受け渡しが行われ易くなっており、水の存在により表面張力が働き、その結果、保水シート14が第1の保水材13を介して発熱層12上に貼り付いた状態が維持され易く、保水シート14が発熱層12上から剥がれ難くなっている。そのため、基材シート11の搬送中や保水シート配置工程において保水シート14がずれたり、剥がれたりし難いので、発熱体10を安定して製造することができる。また、発熱体10を後続の工程に搬送し発熱具100を製造する際にも、保水シート14がずれたり、剥がれたりし難いので、発熱具100を安定して製造することができる。
本実施態様では、第2の保水材15として高吸収性ポリマーを用い、保水シート配置工程において、保水シート14に含まれる親水性繊維が、基材シート11の一面側に配された第1の保水材13と接するように、保水シート14を配置することが好ましい。高吸収性ポリマーを含む保水シート14を用いて、該保水シート14の親水性繊維が第1の保水材13と接するように保水シート配置工程を行うことにより、製造された発熱体1において、第1の保水材13と第2の保水材15との間に、親水性繊維が配されることになる。保水シート14に含まれる親水性繊維は、第1の保水材13及び第2の保水材15の何れよりも吸水性が低いので、第1の保水材13と第2の保水材15との間に空隙が確保され易く、自由度が確保できることによって、機械力による保水シート14の剥がれがより生じ難くなる。
また、保水シート14として、保水シート14の厚み方向において、相対的に第2の保水材15の含有率が高い高保水材含有領域と、相対的に第2の保水材15の含有率が低い低保水材含有領域を有するシートを用いる場合、保水シート配置工程において、保水シート14における低保水材含有領域側を、基材シート11の一面側に向けて、保水シート14を配置することが好ましい。これにより、第1の保水材13と第2の保水材15とが密着し難くなり、第1の保水材13及び第2の保水材15が水を吸収したときにゲルブロッキングが生じることを防ぎ易く、保水シート14と発熱層12との間で水分が移行し易くなる。保水シート14及び発熱層12間で水分が移行し易くなることに加え、保水シート14の親水性繊維が第1の保水材13の水分と親和性をもっていることにより、保水シート14と第1の保水材13との間の接着性が維持され易くなり、保水シート14が発熱層12上から剥がれることを一層防止し易くなる。
また、保水シート配置工程に供する前の保水シート14、即ち、基材シート11の一面側に配置される前の保水シート14は、発熱層12よりも水分量が少ないことが好ましい。これにより、保水シート14が基材シート11の一面側に配置され、保水シート14が発熱層12に当接したときに、発熱層12から保水シート14へ水分が素早く移動し易くなるため、保水シート14が発熱層12上から剥がれることを一層防止し易くなる。
本発明においては、電解質添加工程は少なくとも保水シート配置工程よりも前に行われればよく、塗工工程と、電解質添加工程と、保水材供給工程と、保水シート配置工程とをこの順で行う必要は必ずしも無い。
塗工層2に電解質3が添加され易くし、基材シート11の一面側に発熱層12が形成され易くする観点から、電解質塗工工程は、保水材供給工程と同時又は保水材供給工程よりも前に行うことが好ましい。電解質添加工程を、保水材供給工程よりも前に行う場合、電解質3は固体状態で散布することが好ましい。電解質塗工工程と保水材供給工程とを同時に行う場合、電解質3と第1の保水材13とを混合した組成物を、基材シート11の一面側に散布してもよい。
また、保水シート14が発熱層12上から剥がれ難くするために、保水シート配置工程よりも前に、予め、保水シート14及び基材シート11の何れか一方又は両方に接着剤を塗布してもよい。接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤を用いることができる。ホットメルト接着剤としては、例えばスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)等のブロックコポリマー系のホットメルト接着剤が挙げられる。保水シート14に接着剤を塗布する場合、接着剤は、保水シート14における発熱層12と対向する面側に塗布することが好ましい。基材シート11に接着剤を塗布する場合、接着剤は、基材シート11における発熱層12が配されている側と同じ面側に塗布することが好ましい。
接着剤を、基材シート11における発熱層12が配されている側と同じ面側に塗布する態様としては、発熱層12上に接着剤を塗布する態様、基材シート11が発熱層12から延出した延出部を有し、該延出部に接着剤を塗布する態様、並びに前記延出部及び発熱層12上に接着剤を塗布する態様が含まれる。
発熱層12上に接着剤を塗布する態様には、発熱層12上に配された第1の保水材13上に接着剤を塗布する態様も含まれる。
前記延出部に接着剤を塗布する態様においては、該延出部に塗布された接着剤を介して、該延出部を保水シート14又は第1被覆シート101に接合する。
本実施態様では、上述の各工程を経て製造された発熱体10を、後続の工程により加工して発熱具100を製造している。
具体的には、第1裁断部60により切断されて、毎葉となった発熱体10はリピッチ部70において搬送方向の前後におけるピッチが変更され、前後隣り合う発熱体10間が所定の距離を置いて再配置される。このようなリピッチの機構としては従来公知のものを特に制限なく用いることができる。
リピッチされた発熱体10は、被覆部80に搬送され、連続長尺物からなる第1の被覆シート101と、同じく連続長尺物からなる第2の被覆シート102によってその全体が被覆される。第1の被覆シート101は、発熱体10における発熱層12の形成されている側を被覆する。第2の被覆シート102は、発熱体10における発熱層12が形成されていない側、即ち、発熱体10が有する基材シート11における発熱層12とは反対側を被覆する。この被覆状態を保ちつつ、発熱体10は、被覆部80の備える無端ベルト81により封止部90に導入される。封止部90は、周面にシール凸部92を有する第1のロール91と、同じく周面にシール凸部92を有する第2のロール93とを備えている。両ロール91,93は、その軸方向が平行になるように、かつ各ロール91,93のシールバー92,92が互いに当接するか、又は両者間に所定のクリアランスが生じるような位置関係で配置されている。封止部90においては、発熱体10の前後左右から延出している第1及び第2の被覆シート101,102の延出部が、ヒートシールによって接合される。この接合は、発熱体10を取り囲む連続した気密の接合であるか、又は発熱体10を取り囲む不連続の接合である。
このようにして、複数の発熱具が一方向に連結された状態の連続長尺物が得られる。この連続長尺物を第2裁断部95において、その幅方向にわたって裁断する。第2裁断部95は、カッター刃96を有するロータリーダイカッター97とアンビルロール98とを備えている。連続長尺物が両部材間を通過することで裁断が行われ、それによって発熱具100が得られる。裁断においては、先に述べた第1裁断部60における発熱体10の裁断線が例えば直線状である場合には、本裁断部95における裁断線も直線とすることが好ましい。また、第1裁断部60における発熱体10の裁断線が曲線である場合には、本裁断部95における裁断線もそれに倣った曲線とすることが好ましい。
以下、本実施態様で用いられる各部材について詳述する。
基材シート11及び第2の被覆シート102は、通気性を有する通気性シートであってもよいし、通気性を有しない非通気性シートであってもよい。通気性シートとしては、例えば透湿性は有するが透水性を有さない合成樹脂製の多孔性シートを用いることが好適である。具体的には、ポリエチレンまたはポリプロピレンに炭酸カルシウム等を含有させ延伸したフィルムを用いることができる。かかる多孔性シートを用いる場合には、多孔性シートの外面にニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、及び、スパンボンド不織布から選択される1種又は2種以上の不織布を始めとする各種の繊維シートをラミネートして、通気性シートの風合いを高めてもよい。非通気性シートとしては、一層又は複数層の合成樹脂製のフィルムや、該一層又は複数層の合成樹脂製のフィルムを用いることができる。かかるフィルムを用いる場合には、該フィルムの外面にニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、及びスパンボンド不織布から選択される1種又は2種以上の不織布を始めとする各種の繊維シートをラミネートして、非通気性シートの風合いを高めることもできる。具体的には、ポリエチレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムからなる二層フィルム、ポリエチレンフィルムと不織布とからなるラミネートフィルム、ポリエチレンフィルムとパルプシートからなるラミネートフィルムなどが用いられるが、ポリエチレンフィルムとパルプシートからなるラミネートフィルムが殊更に好ましい
第1の被覆シート101は、通気性シートである。
保水シート14は、通気性を有していることが好ましい。保水シート14の通気度は、水分を含んだ状態の通気度で500秒/100mL以下であることが好ましく、通気性、蒸気の通しやすさを考慮すると、300秒/100mL以下であることがより好ましく、100秒/100mL以下であることがさらに好ましい。
前記塗料に含まれる被酸化性の金属としては、酸化反応熱を生ずる金属が用いられ、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、及びカルシウムから選ばれる1種又は2種以上の粉末や繊維が挙げられる。中でも、取扱い性、安全性、製造コスト、保存性及び安定性の点から鉄が好ましく、特に鉄粉が好ましい。鉄粉としては、例えば、還元鉄粉、及びアトマイズ鉄粉などが挙げられる。
前記塗料は、被酸化性の金属及び水以外に、炭素成分を含んでいてもよい。炭素成分は、保水能、酸素供給能、及び触媒能の少なくとも1つの機能を有するものであり、この3つを兼ね備えているものが好ましい。炭素成分として、例えば、活性炭、アセチレンブラック、及び黒鉛から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、湿潤時に酸素を吸着しやすいことや、発熱層12中の水分を一定に保てる観点から、活性炭が好ましく用いられる。より好ましくは、椰子殻炭、木粉炭及びピート炭から選ばれる1種又は2種以上の微細な粉末状物又は小粒状物が用いられる。中でも、発熱体10の水分量を所望の範囲に保ちやすいことから、木粉炭が好ましい。
前記塗料には、炭素成分以外に同様の機能、すなわち保水能等を有する他の成分を含有させてもよい。そのような成分としては、例えばバーミキュライト、おがくず及びシリカゲルから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これら他の成分が前記塗料中に含まれている場合、これら他の成分と炭素成分との合計量に対する炭素成分の割合は、90質量%以上であることが発熱層12中の水分を制御する点で好ましく、95質量%以上であることが更に好ましく、98質量%以上であることが一層好ましい。
電解質3は、塗工層2に添加されたときに、被酸化性金属の反応効率を上げ、酸化反応を持続させる反応促進が目的で用いられる。電解質3を用いることにより、被酸化性金属の酸化被膜を破壊して、酸化反応を促進することができる。
電解質3としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属の硫酸塩、及び塩化物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点から、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、第1塩化鉄、第2塩化鉄等の各種塩化物、及び硫酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施態様に基づき説明したが、本発明は上述した各実施態様に制限されず、適宜変更可能である。
例えば、本発明において製造される発熱具の形態は、図1に示す形態に限られるものではない。具体的には、第2の被覆シート側が外側になるように、発熱具を二つ折りし、該二つ折りした発熱具の外縁部をシールして、立体形状に変形可能としたものであってもよい。このような形態の発熱具は、例えば、以下のように製造することができる。
第1及び第2被覆シート101,102により発熱体10の全体を被覆し、複数の発熱具100の連続長尺物を製造した後に、該連続長尺物を幅方向に二つ折りする。このとき、該連続長尺物を二つ折りし易くする観点から、該連続長尺物の二つ折り部を挟んだ両側に、発熱体10が配されていることが好ましい。
そして、二つ折りした連続長尺物における互いに対向する部分をシールする。シールする方法としては、熱シール、超音波シール、レーザーシール等が挙げられる。二つ折りした連続長尺物をシールするときは、発熱体10よりも搬送方向の前側及び後側の部分においてシールすることが好ましい。
その後、例えば第2裁断部95によって、二つ折りした連続長尺物を切断し、個々の発熱具を切り出す。このとき、二つ折りした連続長尺物におけるシール部よりも搬送方向の前側及び後側の部分において切断することが好ましい。このようにして製造された発熱具は、発熱具における互いに対向する面どうしが離れるように該発熱具を変形させることで、カップ形状等の立体形状に変形させることができる。
また保水シート14は、2枚の繊維シート間に、第2の保水材15が配された構成であってもよい。前記繊維シートは、親水性繊維からなるものであることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
本実施態様の発熱具100の製造方法により、図1に示す構成の発熱具100を製造し、第1の保水材13として高吸収性ポリマーを用いた。また第1の保水材13の坪量は、55g/mであった。保水シート14としては、2枚の繊維シート間に、第2の保水材15が配された構成であるものを用いた。発熱層12側に配された繊維シートの坪量は20g/mであり、発熱層12とは反対側に配された繊維シートの坪量は30g/mであり、第2の保水材15の坪量は、70g/mであった。第2の保水材15としては高吸収性ポリマーを用いた。発熱層12の質量は発熱具1個当たり4.6gであった。発熱層を構成する塗料組成は塗料を100質量%とした場合、鉄粉58質量%、活性炭5質量%、水36質量%であった。保水シート14は、保水シート配置工程に供する前の状態では、坪量どうしを比較したときに、発熱層12よりも水分量が少なかった。
〔比較例1〕
保水シート14に代えて、クラフト紙を用いた以外は、実施例1と同様にして発熱具を製造した。
〔剥離強度の測定方法〕
実施例1及び比較例1の発熱具から、第1の被覆シート101を取り除き、長手方向の長さ49mm、幅方向の長さ24.5mmの平面視略矩形形状の発熱体の長手方向の一端から1cmに亘る領域において、保水シート14又はクラフト紙を剥離する。こうして、一部が剥離された発熱体を、その長手方向が引張方向となるように該剥離した保水シート14又はクラフト紙の片端をプッシュプルゲージ(アイコーエンジニアリング株式会社製CPUゲージMODEL-9500)に装着した後、該プッシュプルゲージに装着した該片端を300mm/minの引張速度で引っ張り、発熱層12から保水シート14又はクラフト紙と発熱層12を剥離し、このときの剥離強度のピーク値を測定する。測定は5回行い、それらの測定値の平均値を吸収体の剥離強度とする。
〔評価〕
実施例1及び比較例1について、剥離強度を測定した結果を図3に示す。図3に示すように、実施例1は、比較例1に比して保水シート14の剥離強度が大きく向上している。したがって、本発明の発熱具の製造方法により製造された発熱具は、保水シート14が発熱層12上から剥がれたりずれたりし難いことがわかる。
3 電解質
10 発熱体
11 基材シート
12 発熱層
13 第1の保水材
14 保水シート
15 第2の保水材

Claims (7)

  1. 基材シート並びに該基材シートの一面側に形成され、被酸化性の金属、電解質及び水を含む発熱層を有する発熱体の製造方法であって、
    前記基材シートの前記一面側に、前記被酸化性の金属及び水を含む塗料を塗工する塗工工程と、
    前記塗工工程後に、前記基材シートの前記一面側に、第1の保水材を供給する保水材供給工程と、
    前記保水材供給工程後に、前記基材シートの前記一面側に、第2の保水材及び親水性繊維を含む保水シートを、配置する保水シート配置工程と、
    少なくとも前記保水シート配置工程より前に、前記基材シートにおける前記塗料の塗工面側に前記電解質を添加する電解質添加工程とを備えており、
    前記保水シート配置工程よりも前に、前記保水シート及び前記基材シートの何れか一方又は両方に接着剤を塗布する、発熱体の製造方法。
  2. 前記保水シートは、前記第2の保水材として高吸収性ポリマーを含んでおり、
    前記保水シート配置工程において、前記親水性繊維が第1の保水材と接するように、前記保水シートを配置する、請求項1に記載の発熱体の製造方法。
  3. 前記保水シートは、厚み方向において、第2の保水材の含有率が高い高保水材含有領域と第2の保水材の含有率が低い低保水材含有領域とを有しており、
    前記保水シート配置工程において、前記低保水材含有領域側を、前記基材シートの前記一面側に向けて、前記保水シートを配置する、請求項1又は2に記載の発熱体の製造方法。
  4. 前記保水シート配置工程に供する前の状態では、前記保水シートは、前記発熱層よりも水分量が少ない、請求項1~3の何れか1項に記載の発熱体の製造方法。
  5. 前記電解質添加工程は、前記保水材供給工程と同時に行うか、又は前記前記保水材供給工程よりも前に、前記電解質を添加して行う請求項1~4の何れか1項に記載の発熱体の製造方法。
  6. 請求項1~の何れか1項に記載の発熱体の製造方法により前記発熱体を製造し、
    前記基材シートにおける前記発熱層とは反対側に被覆シートを配する発熱具の製造方法。
  7. 前記被覆シート側が外側になるように前記発熱具を二つ折り返す、請求項に記載の発熱具の製造方法。
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