本実施例では直視型の透過型の液晶表示装置を作製する。金属電極による配線パターンのマスクはたった二枚である。二枚の配線パターンのマスクでディスクリネーションによる光漏れを隠す。
図22のように一つの画素804において、対向基板のラビング方向802で先にラビングされる側と素子基板のラビング方向801で先にラビングされる側と画素電極のエッジにディスクリネーション803による光漏れが出る。ディスクリネーションによる光漏れを隠すことができるレイアウトとする。本実施例を図1〜2を用いて説明する。配向はTN方式、駆動はソースライン反転駆動とする。図3にラビング方向と遮光領域の関係を示す。図1の上面図の鎖線A−A‘と鎖線B−B’で切断したものがは図2のA−A‘と鎖線B−B’で示される断面に対応する。
素子基板は、図1に示すように、行方向に配置されたゲート配線104と、列方向に配置されたソース配線108と、ゲート配線とソース配線の交差部近傍の画素TFTを有する画素部と、nチャネル型TFTやpチャネル型TFTを有する駆動回路とを含む。
第一の半導体層100と第二の半導体層101がパターニングされている。第一の半導体層100はTFT素子の活性層である。第二の半導体層101は後述する保持容量の容量電極として機能する。
ゲート絶縁膜(図示しない)に接するように、遮光膜102、遮光膜を兼ねた容量電極103、ゲート配線104を形成する。遮光膜を兼ねた容量電極103は表示領域において、短絡されている。
第一の層間絶縁膜と第二の層間絶縁膜(図示しない)を形成した後、コンタクトホール105〜107を開ける。次に、パターニングによりソース配線108、遮光膜を兼ねたドレイン電極109、遮光電極110を形成する。
コンタクトホール105により、第一の半導体層100とソース配線108が電気的に接続する。
コンタクトホール106により、第一の半導体層100と遮光膜を兼ねたドレイン電極109が電気的に接続する。
コンタクトホール107により、第二の半導体層101と遮光膜を兼ねたドレイン電極109が電気的に接続する。
さらに、絶縁膜を介さずに、透明画素電極111を形成する。このとき、透明画素電極111が遮光電極110、遮光膜を兼ねたドレイン電極109に重なり合うようにする。
以上の構成により、ゲート配線104、ソース配線108、遮光膜を兼ねたドレイン電極109、遮光電極110により、TFT素子の活性層である第一の半導体層100を外光から保護する。
遮光電極110を設けることで、活性層と、活性層付近にできるディスクリネーションによる光漏れが遮光できる。
透明画素電極111の四隅のうち先にラビングされる側にできる液晶のディスクリネーションを遮光膜を兼ねたドレイン電極107により遮光できる。
さらに、透明画素電極111の直下にある遮光膜を兼ねたドレイン電極109と遮光電極110が0.5〜0.75μm以上と厚い場合は、段差により液晶の配向が乱れて微細な光漏れが生じるときがある。このような光漏れを遮光膜102で遮光できる。
ゲートライン反転駆動すると、横方向電界等により、ゲート配線104とソース配線108に沿ったディスクリネーションが出る。この光漏れは視認性に大きく影響するが、ディスクリネーションができる位置に、遮光膜を兼ねた容量電極103を形成しているため、ディスクリネーションを隠すことができる。遮光膜を兼ねた容量電極103により保持容量の面積を大きくとることができる。
保持容量については、画素毎に設けられた第二の半導体層101と表示領域で短絡された遮光膜を兼ねた容量電極103を電極とする。容量電極103はコンタクトホール107によりドレイン電極109と画素電極111と同電位になる。
ゲート絶縁膜が、容量電極の絶縁膜として機能する。
断面図の図4(A)における遮光電極115と透明画素電極116と、図4(B)における透明画素電極118と半導体層117と、図4(C)において、遮光膜123と透明画素電極122と遮光電極121は隣接する画素のものである。
以上の画素部の構成は5枚のマスクで作製できる。図3に図1の配線パターンによる素子基板の遮光領域112を示す。たった二枚の配線パターンのマスクで遮光するため、光が通る領域123〜126はあるが、ディスクリネーションの出る領域のエッジが隠れている。対向基板の遮光膜を広めに取れば、位置ずれが多少あっても、光漏れが隠せる。また、対向基板の遮光膜を広めにとっても、素子基板の遮光膜に重なり合うため、貼り合わせの位置ずれにより開口率は低下しない。
後述するように、低温ポリシリコンをTFT素子の活性層に用いると、駆動回路TFTと画素TFTを1枚の基板に作製できる。このとき、CMOSの駆動回路を作製するためにはnチャネル型TFTとpチャネル型TFTが必要である。
素子基板の作製工程によっては、p型を付与する不純物元素をドーピングするマスクとして、さらに1枚の追加マスクが必要である。それでも、図1に示す画素構造を有する画素部と駆動回路とを有する素子基板を形成するために必要なマスク数は、6枚とすることができる。
即ち、1枚が、第1の半導体層100及び第2の半導体層101をパターニングするマスク、1枚が、ゲート配線104と遮光膜を兼ねた容量電極103と遮光膜102をパターニングするマスク、1枚がコンタクトホールを形成するマスク、1枚がソース配線108及び遮光膜を兼ねたドレイン電極109、遮光電極110をパターニングするマスク、1枚が透明画素電極111をパターニングするためのマスク、一枚がドーピング用のマスクである。
これにより、nチャネル型TFT、pチャネル型TFT、nチャネル型TFTを有する駆動回路部と、画素TFT114、保持容量113とを有する画素部を同一基板上に形成することができる。本明細書中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
以上のように、図1に示す画素構造とした場合、素子基板においてマスク数を増やすことなくコントラストの良い透過型の液晶表示装置を実現することができる。
本実施例では、実施例1をアクティブマトリクス型液晶表示装置に適用した場合の作成方法例として、画素部のスイッチング素子である画素TFTと、画素部の周辺に設けられる駆動回路(信号線駆動回路、走査線駆動回路等)のTFTを同一基板上に作製する方法について工程に従って説明する。但し、説明を簡単にするために、駆動回路部にはその基本構成回路であるCMOS回路を、画素部の画素TFTにはnチャネル型TFTとを、ある経路に沿った断面により図示することにする。
まず、図5(A)に示すように、コーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスから成る基板400上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜401を形成する。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜401aを10〜200nm(好ましくは50〜100nm)形成し、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化水素化シリコン膜401bを50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成する。本実施例では下地膜401を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造として形成しても良い。
島状半導体層402〜406は、非晶質構造を有する半導体膜をレーザー結晶化法や公知の熱結晶化法を用いて作製した結晶質半導体膜で形成する。この島状半導体層402〜406の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜60nm)
の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製するには、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用いる。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザーを用いる場合はパルス発振周波数30Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜400mJ/cm2(代表的には200〜300mJ/cm2)とする。また、YAGレーザーを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数1〜10kHzとし、レーザーエネルギー密度を300〜600mJ/cm2(代表的には350〜500mJ/cm2)とすると良い。
そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を80〜98%として行う。
次いで、島状半導体層402〜406を覆うゲート絶縁膜407を形成する。
ゲート絶縁膜407はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、120nmの厚さの酸化窒化シリコン膜で形成する。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。例えば、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。このようにして作製される酸化シリコン膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
そして、ゲート絶縁膜407上にゲート電極を形成するための第1の導電膜408と第2の導電膜409とを形成する。本実施例では、第1の導電膜408をTaで50〜100nmの厚さに形成し、第2の導電膜409をWで100〜300nmの厚さに形成する。
Ta膜はスパッタ法で形成し、TaのターゲットをArでスパッタする。この場合、Arに適量のXeやKrを加えると、Ta膜の内部応力を緩和して膜の剥離を防止することができる。また、α相のTa膜の抵抗率は20μΩcm程度でありゲート電極に使用することができるが、β相のTa膜の抵抗率は180μΩcm程度でありゲート電極とするには不向きである。α相のTa膜を形成するために、Taのα相に近い結晶構造をもつ窒化タンタルを10〜50nm程度の厚さでTaの下地に形成しておくとα相のTa膜を容易に得ることができる。
W膜を形成する場合には、Wをターゲットとしたスパッタ法で形成する。その他に6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することもできる。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができるが、W中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。このことより、スパッタ法による場合、純度99.9999%のWターゲットを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができる。
なお、本実施例では、第1の導電膜408をTa、第2の導電膜409をWとしたが、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。本実施例以外の組み合わせとしては、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜をWとする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜をAlとする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)で形成し、第2の導電膜をCuとする組み合わせなどがある。
次に、レジストによるマスク410〜417を形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。本実施例ではICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2を混合し、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して行う。基板側(試料ステージ)にも100WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した場合にはW膜及びTa膜とも同程度にエッチングされる。
上記エッチング条件では、レジストによるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部がテーパー部の角度が15〜45°のテーパー形状となる。ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。W膜に対する酸化窒化シリコン膜の選択比は2〜4(代表的には3)であるので、オーバーエッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッチングされることになる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層419〜426(第1の導電層419a〜426aと第2の導電層419b〜426b)を形成する。418はゲート絶縁膜であり、第1の形状の導電層419〜426で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
そして、第1のドーピング処理を行い、n型を付与する不純物元素を添加する。(図5(B))ドーピングの方法はイオンドープ法若しくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリン(P)を用いる。この場合、導電層419〜423がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域427〜431が形成される。第1の不純物領域427〜431には1×1020〜1×1021atomic/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。
次に、図5(C)に示すように第2のエッチング処理を行う。同様にICPエッチング法を用い、エッチングガスにCF4とCl2とO2を混合して、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF電力(13.56MHz)を供給し、プラズマを生成して行う。基板側(試料ステージ)には50WのRF(13.56MHz)電力を投入し、第1のエッチング処理に比べ低い自己バイアス電圧を印加する。このような条件によりW膜を異方性エッチングし、かつ、それより遅いエッチング速度で第1の導電層であるTaを異方性エッチングして第2の形状の導電層433〜440(第1の導電層433a〜440aと第2の導電層433b〜440b)を形成する。432はゲート絶縁膜であり、第2の形状の導電層433〜437で覆われない領域はさらに20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
W膜やTa膜のCF4とCl2の混合ガスによるエッチング反応は、生成されるラジカルまたはイオン種と反応生成物の蒸気圧から推測することができる。WとTaのフッ化物と塩化物の蒸気圧を比較すると、Wのフッ化物であるWF6が極端に高く、その他のWCl5、TaF5、TaCl5は同程度である。従って、CF4とCl2の混合ガスではW膜及びTa膜共にエッチングされる。しかし、この混合ガスに適量のO2を添加するとCF4とO2が反応してCOとFになり、FラジカルまたはFイオンが多量に発生する。その結果、フッ化物の蒸気圧が高いW膜のエッチング速度が増大する。一方、TaはFが増大しても相対的にエッチング速度の増加は少ない。また、TaはWに比較して酸化されやすいので、O2を添加することでTaの表面が酸化される。Taの酸化物はフッ素や塩素と反応しないためさらにTa膜のエッチング速度は低下する。従って、W膜とTa膜とのエッチング速度に差を作ることが可能となりW膜のエッチング速度をTa膜よりも大きくすることが可能となる。
そして、図6(A)に示すように第2のドーピング処理を行う。この場合、第1のドーピング処理よりもドーズ量を下げて高い加速電圧の条件としてn型を付与する不純物元素をドーピングする。例えば、加速電圧を70〜120keVとし、1×1013/cm2のドーズ量で行い、図5(B)で島状半導体層に形成された第1の不純物領域の内側に新な不純物領域を形成する。ドーピングは、第2の形状の導電層433〜437を不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電層433a〜437aの下側の領域にも不純物元素が添加されるようにドーピングする。こうして、第1の導電層433a〜437aと重なる第3の不純物領域441〜445と、第1の不純物領域と第3の不純物領域との間の第2の不純物領域446〜450とを形成する。n型を付与する不純物元素は、第2の不純物領域で1×1017〜1×1019atoms/cm3の濃度となるようにし、第3の不純物領域で1×1016〜1×1018atoms/cm3の濃度となるようにする。
そして、図6(B)に示すように、pチャネル型TFTを形成する島状半導体層403に一導電型とは逆の導電型の第4の不純物領域454〜456を形成する。第2の形状の導電層434を不純物元素に対するマスクとして用い、自己整合的に不純物領域を形成する。このとき、nチャネル型TFTを形成する島状半導体層402、404、405、406はレジストマスク451〜453で全面を被覆しておく。不純物領域454〜456にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、ジボラン(B2H6)を用いたイオンドープ法により、そのいずれの領域においても不純物濃度を2×1020〜2×1021atoms/cm3となるようにする。
以上の工程により、それぞれの島状半導体層に不純物領域が形成される。島状半導体層と重なる導電層433〜436がTFTのゲート電極として機能する。
また、439は信号線、440は走査線、437は容量配線、438は駆動回路内の配線として機能する。
こうして導電型の制御を目的として図6(C)に示すように、それぞれの島状半導体層に添加された不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜600℃で行うものであり、本実施例では500℃で4時間の熱処理を行う。ただし、433〜440に用いた配線材料が熱に弱い場合には、配線等を保護するため層間絶縁膜(シリコンを主成分とする)を形成した後で活性化を行うことが好ましい。
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体層を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
次いで、第1の層間絶縁膜457は酸化窒化シリコン膜から100〜200nmの厚さで形成する。その上に有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜458を形成する。次いで、コンタクトホールを形成するためのエッチング工程を行う。
そして、駆動回路部において島状半導体層のソース領域とコンタクトを形成するソース配線459〜461、ドレイン領域とコンタクトを形成するドレイン配線462〜464を形成する。また、画素部においては、ソース配線465、遮光膜を兼ねたドレイン電極466〜467と468を形成する。遮光膜を兼ねたドレイン電極468は隣接する画素に形成されたものである(図7)。図7において、図1と同一の要素は括弧内に対応する数字を示している。図7の鎖線A−A‘、B−B’は図1の上面図の切断線の鎖線A−A‘、B−B’と対応している。
遮光膜を兼ねたドレイン電極466は画素TFTの活性層に相当する島状半導体層467に、遮光膜を兼ねたドレイン電極467は保持容量505を形成する島状半導体層431と電気的な接続が形成される。なお、遮光膜を兼ねたドレイン電極468は隣り合う画素のものである。
その後、透明導電膜を全面に形成し、フォトマスクを用いたパターニング処理およびエッチング処理により透明画素電極469〜471を形成する。透明画素電極470は、遮光膜を兼ねたドレイン電極466に重なるように形成される。
また、画素TFT504の遮光膜を兼ねたドレイン電極467と重なる部分を設け、保持容量505の電極として機能する島状半導体膜406に電位が与えられる。
透明導電膜の材料は、酸化インジウム(In2O3)や酸化インジウム酸化スズ合金(In2O3―SnO2;ITO膜)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用いて形成して用いることができる。このような材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特にITO膜のエッチングは残渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するために酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)を用いても良い。酸化インジウム酸化亜鉛合金は表面平滑性に優れ、ITO膜に対して熱安定性にも優れているので、容量電極を兼ねたドレイン電極466〜468にAlを用いても、表面で接触するAlとの腐蝕反応を防止できる。同様に、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるためにガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)などを用いることができる。
以上のようにして、nチャネル型TFT501、pチャネル型TFT502、nチャネル型TFT503を有する駆動回路部と、画素TFT504、保持容量505とを有する画素部を同一基板上に形成することができる。本明細書中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
駆動回路部のnチャネル型TFT501はチャネル形成領域468、ゲート電極を形成する導電層433と重なる第3の不純物領域441(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される第2の不純物領域446(LDD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する第1の不純物領域427を有している。
pチャネル型TFT502にはチャネル形成領域469、ゲート電極を形成する導電層434と重なる第4の不純物領域456、ゲート電極の外側に形成される第4の不純物領域455、ソース領域またはドレイン領域として機能する第4の不純物領域454を有している。nチャネル型TFT503にはチャネル形成領域470、ゲート電極を形成する導電層435と重なる第3の不純物領域443(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される第2の不純物領域448(LDD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する第1の不純物領域429を有している。
画素部の画素TFT504にはチャネル形成領域471、ゲート電極を形成する導電層436と重なる第3の不純物領域444(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される第2の不純物領域449(LDD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する第1の不純物領域430を有している。また、保持容量505の一方の電極として機能する半導体層431には第1の不純物領域と同じ濃度で、半導体層445には第3の不純物領域と同じ濃度で、半導体層450には第2の不純物領域と同じ濃度で、それぞれn型を付与する不純物元素が添加されており、容量配線437とその間の絶縁層(ゲート絶縁膜と同じ層)とで保持容量を形成している。
本実施例は、ブラックマトリクスを用いることなく、画素電極間の隙間を遮光することができるように、画素電極の端部をゲート線や遮光膜を兼ねた容量電極と重なるように配置されている。さらに画素電極に接して遮光性の電極を形成している。
また、本実施例で示す工程に従えば、アクティブマトリクス基板の作製に必要なフォトマスクの数を6枚(島状半導体層パターン、第1配線パターン(ソース線、ゲート配線、遮光膜を兼ねた容量電極、遮光膜)、第2配線パターン(ソース配線、ドレイン電極、遮光膜)、コンタクトホールパターン、透明画素電極パターン、nチャネル領域のマスクパターン)とすることができる。その結果、工程を短縮し、製造コストの低減及び歩留まりの向上に寄与することができる。
本実施例では、実施例2で作製したアクティブマトリクス基板から、アクティブマトリクス型液晶表示装置を作製する工程を以下に説明する。説明には図8を用いる。図8の鎖線A−A‘と鎖線B−B’は、図1の上面図を鎖線A−A‘と鎖線B−B’で切断した断面に対応している。
まず、実施例2に従い、図7の状態のアクティブマトリクス基板を得た後、図8のアクティブマトリクス基板上に、感光性樹脂によりスペーサ515を形成する。
スペーサの配置は任意に決定すれば良いが、例えば図8で示すように遮光膜を兼ねたドレイン電極(466)上に位置が合うように対向基板に配置すると良い。また、駆動回路部のTFT上にその位置を合わせてスペーサを対向基板上に配置してもよい。このスペーサは駆動回路部の全面に渡って配置しても良いし、ソース配線およびドレイン配線を覆うようにして配置しても良い。
スペーサ515形成後に、配向膜506を形成しラビング処理を行う。
一方、対向基板507を用意する。対向基板507には遮光膜を形成する。実施例1の図1〜2の基板を用いた場合、少なくとも図2の透光領域123〜126を遮光する必要があるため、遮光領域123〜126に対し、1〜1.5μm広めに遮光膜を形成する。
さらに、カラーフィルタ層508、509、オーバーコート層510を形成する。三原色のカラーフィルタ層のうち、二色が図示されている。各色のカラーフィルタ層はアクリル樹脂に顔料を混合したもので1〜3μmの厚さで形成する。これは感光性材料を用い、マスクを用いて所定のパターンに形成することができる。オーバーコート層510は光硬化型または熱硬化型の有機樹脂材料で形成し、例えば、ポリイミドやアクリル樹脂などを用いる。
オーバーコート層510を形成した後、対向電極512をパターニングにより形成し、配向膜513を形成した後ラビング処理を行う。
そして、画素部と駆動回路部が形成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とをシール剤513で貼り合わせる。アクティブマトリクス基板と対向基板のラビング方向が互いに直交するように貼り合わせることで液晶の配向がTN方式となる。シール剤513にはフィラーが混入されていて、このフィラーとスペーサ515によって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、両基板の間に液晶514を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。液晶514には公知の液晶材料を用いれば良い。このようにして図8に示すアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。
なお、上記の行程により作成されるTFTはトップゲート構造であるが、ボトムゲート構造のTFTやその他の構造のTFTに対しても本発明は適用され得る。
また、液晶材料の代わりにエレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)材料を用いた自発光型の画像表示装置であるEL表示装置に対しても本発明は適用され得る。
本発明の一例を図9の画素TFTの上面図を用いて説明する。実施例1の画素部のレイアウトに比べて、透明画素電極316をソース配線302の上方にオーバーラップさせることができるため、開口率が高くできる。
実施例4は直視型の透過型の液晶表示装置である。赤色、青色、緑色のカラーフィルタが形成されている。比視感度が高い緑色のカラーフィルタが形成された画素では、ディスクリネーションによる光漏れが赤色、青色の画素に比べはっきりと見えてしまう。このため、画素の比視感度に応じて、遮光領域の面積を変えている。
実施例1では容量電極を遮光膜としていたため、遮光領域の面積は各画素において、同一にしなければならなかった。実施例4においては、透明画素電極に直接に接するドレイン電極を遮光膜とするため、画素の表示色に応じて遮光領域の面積を変えることができる。
実施例1と同様に、たった二枚の金属膜の配線パターンのマスクで、ディスクリネーションを効率的に隠すレイアウトとする。
ラビング方向は左右対称の視野角特性を得るために、基板の一辺に対し45°の角度とする。配向はTN方式である。ラビング方向とディスクリネーションの関係から遮光領域を設定する。ラビング方向と遮光領域の関係を図10に示す。
素子基板は、図9に示すように、行方向に配置されたゲート配線311と、列方向に配置されたソース配線302と、ゲート配線とソース配線の交差部近傍の画素TFTを有する画素部と、nチャネル型TFTやpチャネル型TFTを有する駆動回路とを含む。
ただし、図9におけるゲート配線は、行方向に配置されたゲート電極303と接続したものを指している。また、ゲート配線311は第二の層間絶縁膜上に接して設けられたものである。
第一の半導体層300と第二の半導体層301がパターニングされている。第一の半導体層300はTFT素子の活性層である。第二の半導体層301は後述する保持容量の容量電極として機能する。
ゲート絶縁膜(図示しない)に接するように、ソース配線302とゲート電極303を形成する。
第一の層間絶縁膜と第二の層間絶縁膜(図示しない)を形成した後、第一の半導体層300、第二の半導体層301、ソース配線302に達するコンタクトホール304〜308、317を開ける。次にパターニングにより、接続電極309、ドレイン電極310、ゲート配線311、容量接続電極312、遮光膜を兼ねたドレイン電極313〜314、青表示の画素の遮光膜315を形成する。
コンタクトホール304とコンタクトホール305により、接続電極309を介して、第一の半導体層300とソース配線302が電気的に接続する。
コンタクトホール306により、第一の半導体層300と遮光膜を兼ねたドレイン電極313〜314が電気的に接続する。コンタクトホール317とドレイン電極313〜314が電気的に接続する。
コンタクトホール307により、第二の半導体層301と容量接続電極312が電気的に接続する。
コンタクトホール308により、ゲート電極303とゲート配線311が電気的に接続する。
さらに、絶縁膜を介さずに、透明画素電極316をドレイン電極310、容量接側電極312、遮光膜を兼ねたドレイン電極313〜314、青表示の画素の遮光膜315に重なり合うように形成する。
これにより、容量接続電極312は透明画素電極315と電気的に接続して、保持容量の電極として機能する第二の半導体層301に電位を与える。ゲート電極303と島状の半導体層301により保持容量ができる。ゲート絶縁膜が保持容量の絶縁膜として機能する。
ゲート配線311、接続電極309、ドレイン電極310、遮光膜を兼ねたドレイン電極313〜314により、TFT素子の活性層である第一の半導体層300を外光から保護する。光による素子の劣化、光電流による電位の変動を防止できる。
ドレイン電極310、遮光膜を兼ねたドレイン電極313〜314は第一の層間絶縁膜と第二の層間絶縁膜を間に挟んで、ソース配線302の上方に形成されている。これにより、素子基板の先にラビングされる側にできるディスクリネーションを隠すことができる。
さらに、本実施例においては各画素の表示色に応じて、遮光膜を兼ねたドレイン電極313〜314の面積を変えている。
緑色(波長555nm)の比視感度を1とすると、赤色(波長650nm)の比視感度は0.11、青色(波長450nm)の比視感度は0.04である。単一波長で比較して、青色に対し赤は約3倍、緑は約25倍の明るさで見える。比視感度の波長依存性を図24に示す。
つまり、比視感度の高い緑色を表示する画素については光漏れが目立ちやすいのでコントラストを優先して、確実にディスクリネーションを遮光できるように、遮光膜を兼ねたドレイン電極313の面積を広くする。赤色を表示する画素については遮光膜を兼ねた遮光電極314を狭い幅で設ける。青色については明るさを優先してのため青表示の画素の遮光膜315を一部のみ形成する。
本実施例では比視感度のみを考慮して各色の遮光電極の面積を決定したが、比視感度とカラーフィルタの透過率の両方を考慮して遮光電極の面積を決めても良い。比視感度と光源の波長分布の両方を考慮して遮光電極の面積を決めても良い。
以上の画素のレイアウトにより、たった二枚の配線パターンのマスクにより、液晶のディスクリネーションによる光漏れを効率良く隠すことができる。
図10に素子基板の遮光領域318を示す。たった二枚の配線パターンのマスクで遮光するため、光が通る領域はあるが、ディスクリネーションの出る領域のエッジが隠れているため、対向基板の遮光膜のアライメントが多少ずれても、光漏れが隠せる。また、対向基板の遮光膜を広めにとっても、素子基板の遮光領域に比べ、遮光領域の面積が小さいため、アライメントがずれても、対向基板の遮光領域が素子基板の遮光領域に重なり合い、開口率は低下しない。
ディスクリネーションによる光漏れが目立たないようにし、かつ、明るさを損なわないようにするため、比視感度に応じて、赤表示の画素328の開口率と、緑表示の画素329の開口率と、青表示の画素330の開口率が変わる。
図9の素子基板の断面図を図11に示す。図11(A)の鎖線E−E‘、鎖線F−F’、鎖線G−G‘は、図9を鎖線E−E‘、鎖線F−F’、鎖線G−G‘で切断したものを示す。図11は実施例2の図6(C)で示される基板に対し、以下の工程を追加し、作製したものである。図11(A)により説明する。
まず、第1の層間絶縁膜323を酸化窒化シリコン膜で100〜200nmの厚さで形成する。その上に有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜324を形成する。次いで、コンタクトホールを形成するためのエッチング工程を行う。
そして、駆動回路部において島状半導体層のソース領域とコンタクトを形成するソース配線328〜330、ドレイン領域とコンタクトを形成するドレイン配線331〜333を形成する。
また、画素部においては、接続電極309、ドレイン電極310、ゲート配線311、容量接続電極312、遮光膜を兼ねたドレイン電極313〜314を形成する。膜厚は0.3μm〜0.75μmが望ましい。
接続電極309は、ソース配線302と第一の半導体層300と電気的に接続する。図示してはいないが、ゲート配線311はゲート電極303とコンタクトホールにより電気的に接続する。容量接続電極312は第二の半導体層301と電気的に接続する。
その後、透明導電膜を全面に形成し、フォトマスクを用いたパターニング処理およびエッチング処理により透明画素電極316を形成する。膜厚は100nm〜1400nmが望ましい。透明画素電極316は、画素TFT321のドレイン電極310に重なるように形成される。透明画素電極316により保持容量322の電極として機能する島状半導体膜301に電位が与えられる。
透明導電膜の材料は、酸化インジウム(In2O3)や酸化インジウム酸化スズ合金(In2O3―SnO2;ITO膜)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用いて形成して用いることができる。このような材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特にITO膜のエッチングは残渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するために酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)を用いても良い。酸化インジウム酸化亜鉛合金は表面平滑性に優れ、ITO膜に対して熱安定性にも優れているので、ドレイン電極316にAlを用いても、表面で接触するAlとの腐蝕反応を防止できる。同様に、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるためにガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)などを用いることができる。
また、図11(B)により説明すると、本実施例において、遮光膜を兼ねたドレイン電極313〜314の面積を画素の表示色に応じて変えている点が特徴である。ソース配線325〜327付近にできるディスクリネーションによる光漏れを隠すために、表示色の比視感度が高い緑においては、広い面積の遮光膜を兼ねたドレイン電極313を用いる。表示色の比視感度が緑に比べ低い赤においては、やや狭い面積の遮光膜を兼ねたドレイン電極314を用いる。青表示の画素においては、開口率を優先し、強く光漏れが認識される部分のみに遮光膜を形成する。
以上のようにして、nチャネル型TFT、pチャネル型TFT、nチャネル型TFTを有する駆動回路部と、画素TFT321、保持容量322とを有する画素部を同一基板上に形成することができる。本明細書中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
低温ポリシリコンをTFT素子の活性層に用いると、駆動回路TFTと画素TFTを1枚の基板に作製できる。このとき、CMOSの駆動回路を作製するためにはnチャネル型TFTとpチャネル型TFTが必要である。
実施例2と本実施例の素子基板の作製工程によると、図9〜11に示す画素構造を有する画素部と、駆動回路とを有する素子基板を形成するために必要なマスク数は6枚でよい。
即ち、1枚目が、第1の半導体層300及び第2の半導体層301をパターニングするマスク、2枚目が、ソース配線302及びゲート電極303をパターニングするマスク、3枚目がp型を付与する不純物のドーピングマスク、4枚目が第1の半導体層300と第2の半導体層301とソース配線302とゲート電極303とにそれぞれ達するコンタクトホールを形成するマスク、5枚目は、接続電極309、ドレイン電極310、ゲート配線311、容量接続電極312、遮光膜を兼ねたドレイン電極313〜314、遮光膜315をパターニングするマスク、6枚目は透明画素電極316をパターニングするためのマスクである。
以上のように、図9〜11に示す画素構造とした場合、遮光膜を形成するために素子基板のマスク数を増加させることなく、コントラストの良い透過型の液晶表示装置を実現することができる。対向基板には遮光膜を補助的に形成すればよいので、貼り合わせの位置ずれによる光漏れ、開口率の低下はそれほど起こらない。
さらに、実施例1に比べ画素電極をソース配線に重なり合うように形成できるため、開口率が高くできる。かつ、表示色の比視感度に応じて遮光領域を決定するため、開口率の低下を抑えて、コントラストを確保できる。
実施例5は本発明の別形態を示す。投射型の透過型の液晶表示装置に本発明を適用した例を示す。
実施例4と同様に、ソース配線に透明画素電極が重なり合うため、実施例1に比べ、開口率が高くなる。
ラビング方向は投射型の装置の光学系の光軸合わせを容易にするために、基板の一辺に対し45°の角度とする。このため、45°方向にラビングしたときに出るディスクリネーションに合わせて遮光領域を設定した。
素子基板は、図12及び図13に示すように、行方向に配置されたゲート配線211と、列方向に配置された遮光膜を兼ねたソース配線202と、ゲート配線とソース配線の交差部近傍の画素TFTを有する画素部と、nチャネル型TFTやpチャネル型TFTを有する駆動回路とを含む。
ただし、図12及び図13におけるゲート配線は、行方向に配置された遮光膜を兼ねたゲート電極203と接続したものを指している。また、ゲート配線は第二の層間絶縁膜上に接して設けられたものである。
第一の半導体層200と第二の半導体層201がパターニングされている。第一の半導体層200はTFT素子の活性層である。第二の半導体層201は後述する保持容量の容量電極として機能する。
ゲート絶縁膜(図示しない)に接するように、遮光膜を兼ねたソース配線202と遮光膜を兼ねたゲート電極203を形成する。液晶のディスクリネーションは後述する透明画素電極214のエッジ付近と、透明画素電極214の四隅のうち素子基板の先にラビングされる側に強く出る傾向がある。このため遮光膜を兼ねたソース配線202と遮光膜を兼ねたゲート電極203が透明画素電極のエッジを覆い、かつ、透明画素電極の四隅のうちディスクリネーションのでやすい場所を遮光できるような形状にする。
第一の層間絶縁膜と第二の層間絶縁膜(図示しない)を形成した後、コンタクトホール204〜208を開けて、接続電極209、ドレイン電極210、ゲート配線211、容量接続電極212、遮光電極213を形成する。
コンタクトホール204とコンタクトホール205により、接続電極209を介して、第一の半導体層200とソース配線202が電気的に接続する。
コンタクトホール206により、第一の半導体層200とドレイン電極210が電気的に接続する。
コンタクトホール207により、第二の半導体層201と容量接続電極212が電気的に接続する。
コンタクトホール208により、遮光膜を兼ねたゲート電極203とゲート配線211が電気的に接続する。
さらに、絶縁膜を介さずに、透明画素電極214を、遮光電極213、容量接続電極212、ドレイン電極120に重なり合うように形成する。
これにより、容量接続電極212は透明画素電極214と電気的に接続して、保持容量の電極として機能する第二の半導体層201に電位を与える。遮光膜を兼ねたゲート電極203と第二のの半導体層201により保持容量ができる。ゲート絶縁膜が保持容量の絶縁膜として機能する。
ゲート配線211、接続電極209、ドレイン電極210により、TFT素子の活性層である第一の半導体層200を外光から保護する。光による素子の劣化、光電流による電位の変動を防止できる。
遮光膜を兼ねたソース配線202、遮光膜を兼ねたゲート電極203の形状に特徴を持たせ、透明画素電極214の四隅のうち先にラビングされる側で強く出る光漏れを確実に隠すことができる。視認性に大きく影響するディスクリネーションを隠す。つまり、遮光膜を兼ねたソース配線202を列方向に伸びる配線形状に加えて、三角状の突起形状にして、ディスクリネーションが出る位置を遮光する。また、遮光膜を兼ねたゲート電極203の一部を三角状にして、ディスクリネーションを遮光する。また、遮光膜を兼ねたゲート電極203の一部をゲート配線211と、透明画素電極214の間隙に形成して、ディスクリネーションによる光漏れを遮光する。
ソース配線202とゲート電極203は同一層に形成されているため、ショートを防ぐ間隙がある。この間隙はソースライン反転駆動により、強くディスクリネーションが出る領域である。このため、絶縁膜を介して遮光電極213を形成する。
以上の画素のレイアウトにより、たった二枚の配線パターンのマスクにより、液晶のディスクリネーションによる光漏れを効率良く隠すことができる。
図14に図12の素子基板の遮光領域215を示す。たった二枚の配線パターンのマスクで遮光するため、光が通る領域はあるが、ディスクリネーションの出る領域のエッジが隠れているため、対向基板の遮光膜のアライメントが多少ずれても、光漏れが隠せる。また、対向基板の遮光膜を広めにとっても、素子基板の遮光領域の内側に対向基板の遮光領域が存在するため、アライメントがずれても、対向基板の遮光領域が素子基板の遮光領域に重なり合い、開口率の低下を防げる。
図12及び図13の素子基板の断面図を図15に示す。図15の鎖線H−H‘、鎖線I−I’、鎖線J−J’は、図12及び図13を鎖線H−H‘、鎖線I−I’、鎖線J−J’で切断したものを示す。図15は実施例2の図6(C)で示される基板に対し、以下の工程を追加し、作製したものである。図15(A)により説明する。
まず、第1の層間絶縁膜215を酸化窒化シリコン膜で100〜200nmの厚さで形成する。その上に有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜216を形成する。次いで、コンタクトホールを形成するためのエッチング工程を行う。
そして、駆動回路部において島状半導体層のソース領域とコンタクトを形成するソース配線217〜219、ドレイン領域とコンタクトを形成するドレイン配線220〜222を形成する。
また、画素部においては、接続電極209、ドレイン電極210、ゲート配線211、容量接続電極212を形成する。膜厚は0.3μm〜0.75μmが望ましい。
接続電極209は、遮光膜を兼ねたソース配線202と第一の半導体層200と電気的に接続する。図示してはいないが、ゲート配線211は遮光膜を兼ねたゲート電極203とコンタクトホールにより電気的に接続する。容量接続電極212は第二の半導体層201と電気的に接続する。
その後、透明導電膜を全面に形成し、フォトマスクを用いたパターニング処理およびエッチング処理により透明画素電極214を形成する。膜厚は100nm〜1400nmが望ましい。透明画素電極214は、画素TFT222のドレイン電極210に重なるように形成される。また、保持容量223の電極として機能する島状半導体膜201に電位が与えられる。
透明導電膜の材料は、酸化インジウム(In2O3)や酸化インジウム酸化スズ合金(In2O3―SnO2;ITO膜)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用いて形成して用いることができる。このような材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特にITO膜のエッチングは残渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するために酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)を用いても良い。酸化インジウム酸化亜鉛合金は表面平滑性に優れ、ITO膜に対して熱安定性にも優れているので、ドレイン電極210にAlを用いても、表面で接触するAlとの腐蝕反応を防止できる。同様に、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるためにガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)などを用いることができる。
また、図15(B)により説明すると、本実施例において、ゲート電極203を、ゲート配線211と透明画素電極214の間隙に形成し、ゲート電極203をディスクリネーションによる光漏れを遮光する膜としている。第一の層間絶縁膜215と第二の層間絶縁膜216が、透明画素電極214とゲート電極203の間にある。
以上のようにして、nチャネル型TFT、pチャネル型TFT、nチャネル型TFTを有する駆動回路部と、画素TFT222、保持容量223とを有する画素部を同一基板上に形成することができる。本明細書中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
低温ポリシリコンをTFT素子の活性層に用いると、駆動回路TFTと画素TFTを1枚の基板に作製できる。このとき、CMOSの駆動回路を作製するためにはnチャネル型TFTとpチャネル型TFTが必要である。
実施例2と本実施例の素子基板の作製工程によると、図12〜15に示す画素構造を有する画素部と、駆動回路とを有する素子基板を形成するために必要なマスク数は6枚でよい。さらに、実施例1に比べ画素電極をソース配線に重なり合うように形成できるため、開口率が高くできる。
即ち、1枚目が、第1の半導体層200及び第2の半導体層201をパターニングするマスク、2枚目が、遮光膜を兼ねたソース配線202及び遮光膜を兼ねたゲート電極203をパターニングするマスク、3枚目がp型を付与する不純物のドーピングマスク、4枚目がコンタクトホールを形成するマスク、5枚目は接続電極209、ドレイン電極210、ゲート配線211、容量接続電極212、遮光電極213をパターニングするマスク、6枚目は透明画素電極214をパターニングするためのマスクである。
以上のように、図12〜15に示す画素構造とした場合、遮光膜を形成するために素子基板のマスク数を増加させることなく、コントラストの良い透過型の液晶表示装置を実現することができる。対向基板には遮光膜を補助的に形成すればよいので、貼り合わせの位置ずれによる光漏れ、開口率の低下を防げる。
本実施例では、実施例2で示したアクティブマトリクス基板のTFTの半導体層を形成する結晶質半導体層の他の作製方法について示す。本実施例では特開平7−130652号公報で開示されている触媒元素を用いる結晶化法を適用することもできる。以下に、その場合の例を説明する。
実施例2と同様にして、ガラス基板上に下地膜、非晶質半導体層を25〜80nmの厚さで形成する。例えば、非晶質シリコン膜を55nmの厚さで形成する。そして、重量換算で10ppmの触媒元素を含む水溶液をスピンコート法で塗布して触媒元素を含有する層を形成する。触媒元素にはニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)などである。この触媒元素を含有する層170は、スピンコート法の他にスパッタ法や真空蒸着法によって上記触媒元素の層を1〜5nmの厚さに形成しても良い。
そして、結晶化の工程では、まず400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い、非晶質シリコン膜の含有水素量を5atom%以下にする。そして、ファーネスアニール炉を用い、窒素雰囲気中で550〜600℃で1〜8時間の熱アニールを行う。以上の工程により結晶質シリコン膜から成る結晶質半導体層を得ることができる。
このうようにして作製された結晶質半導体層から島状半導体層を作製すれば、実施例2と同様にしてアクティブマトリクス基板を完成させることができる。しかし、結晶化の工程においてシリコンの結晶化を助長する触媒元素を使用した場合、島状半導体層中には微量(1×1017〜1×1019atoms/cm3程度)の触媒元素が残留する。勿論、そのような状態でもTFTを完成させることが可能であるが、残留する触媒元素を少なくともチャネル形成領域から除去する方がより好ましかった。この触媒元素を除去する手段の一つにリン(P)によるゲッタリング作用を利用する手段がある。
この目的におけるリン(P)によるゲッタリング処理は、図6(C)で説明した活性化工程で同時に行うことができる。ゲッタリングに必要なリン(P)の濃度は高濃度n型不純物領域の不純物濃度と同程度でよく、活性化工程の熱アニールにより、nチャネル型TFTおよびpチャネル型TFTのチャネル形成領域から触媒元素をその濃度でリン(P)を含有する不純物領域へ偏析させることができる。その結果その不純物領域には1×1017〜1×1019atoms/cm3程度の触媒元素が偏析した。このようにして作製したTFTはオフ電流値が下がり、結晶性が良いことから高い電界効果移動度が得られ、良好な特性を達成することができる。
なお、本実施例は、実施例1乃至5のいずれか一と自由に組み合わせることが可能である。
本発明を実施して形成されたCMOS回路や画素部は様々な半導体装置(アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ、アクティブマトリクス型ECディスプレイ)に用いることができる。即ち、それら半導体装置を表示部に組み込んだ電子機器全てに本願発明を実施できる。以下の装置にセンサーを組み込み、消費電力低減のため、外部の明るさを検出して、暗いところでは、輝度を落とすようにしても良い。
図18(A)は携帯電話であり、本体9001、音声出力部9002、音声入力部9003、表示装置9004、操作スイッチ9005、アンテナ9006から構成されている。本願発明は音声出力部9002、音声入力部9003、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9004に適用することができる。
図18(B)はビデオカメラであり、本体9101、表示装置9102、音声入力部9103、操作スイッチ9104、バッテリー9105、受像部9106から成っている。本願発明は音声入力部9103、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9102、受像部9106に適用することができる。
図18(C)はモバイルコンピュータ或いは携帯型情報端末であり、本体9201、カメラ部9202、受像部9203、操作スイッチ9204、表示装置9205で構成されている。本願発明は受像部9203、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9205に適用することができる。
図18(D)はヘッドマウントディスプレイであり、本体9301、表示装置9302、アーム部9303で構成される。本願発明は表示装置9302に適用することができる。また、表示されていないが、その他の信号制御用回路に使用することもできる。
図18(E)はテレビであり、本体9401、スピーカー9402、表示装置9403、受信装置9404、増幅装置9405等で構成される。実施例5で示す液晶表示装置や、実施例6または7で示すEL表示装置は表示装置9403に適用することができる。
図18(F)は携帯書籍であり、本体9501、表示装置9502、9503、記憶媒体9504、操作スイッチ9505、アンテナ9506から構成されており、ミニディスク(MD)やDVDに記憶されたデータや、アンテナで受信したデータを表示するものである。表示装置9502、9503は直視型の表示装置であり、本発明はこの適用することができる。
図18(A)はパーソナルコンピュータであり、本体9601、画像入力部9602、表示装置9603、キーボード9604で構成される。
図18(B)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体9701、表示装置9702、スピーカ部9703、記録媒体9704、操作スイッチ9705で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。
図18(C)はデジタルカメラであり、本体9801、表示装置9802、接眼部9803、操作スイッチ9804、受像部(図示しない)で構成される。
図18(A)はフロント型プロジェクターであり、表示装置9901、スクリーン9902で構成される。本発明は表示装置やその他の信号制御回路に適用することができる。
図18(B)はリア型プロジェクターであり、本体10001、投射装置10002、ミラー10003、スクリーン10004で構成される。本発明は表示装置やその他の信号制御回路に適用することができる。
なお、図18(C)は、図18(A)及び図18(B)中における投射装置9901、10002の構造の一例を示した図である。投射装置9901、10002は、光源光学系10101、ミラー10102、10104〜10106、ダイクロイックミラー10103、プリズム10107、液晶表示装置10108、位相差板10109、投射光学系10110で構成される。投射光学系10110は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図18(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
また、図18(D)は、図18(C)中における光源光学系10201の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系10201は、リフレクター10211、光源10212、レンズアレイ10213、10214、偏光変換素子10215、集光レンズ10216で構成される。なお、図18(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。