JP5872416B2 - 薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜太陽電池の造方法に関し、特にカルコパイライト型の薄膜太陽電池において単位電池を直列接続するコンタクト電極部をレーザ照射により形成した薄膜太陽電池の造方法に関する。
従来、モリブデン等の第1電極層と、透明電極(TCO:Transparent Conducting Oxides)からなる第2電極層と、の間にカルコパイライト型の光吸収層を有する単位電池を、電気的に直列接続してなる薄膜太陽電池が知られている。単位電池同士は、いわゆるコンタクト電極により電気的に接続される。コンタクト電極は、第2電極層のTCOが用いられることが多い。このような薄膜太陽電池は、例えば、次の手順で製造される。まず、モリブデン(Mo)の第1電極層を形成し、第1電極層をパターニング(P1)して単位電池となる領域であるセル毎に分離する。そして、その上に積層された光吸収層をパターニング(P2)して第1電極層に達する溝を形成する。そして、第2電極層を形成するために光吸収層の上から透明電極材料(TCO)を積層する。P2で形成された溝に充填されたTCOはセル同士の電気的な接続を図るコンタクト電極として機能する。そして、第2電極層をパターニング(P3)して単位電池毎に分離するために第1電極層に達する溝を形成する。薄膜太陽電池の各層のパターニングは、メカニカルなスクライブまたはレーザスクライブにより行われる。なお、各層のパターニングは、膜の種類に応じて前記P1,P2,P3のように区別されている。
一方、前記の一般的な方法とは異なる方法で形成されたコンタクト電極部が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の技術は、カルコパイライト型のCIGS(Cu(In,Ga)Se2)光吸収層の一部にレーザ光を照射して光吸収層自体を改質させてコンタクト電極部とするものである。特許文献1に記載の技術によれば、レーザ光を照射した一部分のCu/In比率が、他の部分の光吸収層のCu/In比率よりも高くなることで、導電率が向上し、電極として機能する。また、第1電極層がモリブデン(Mo)からなる場合には、レーザ光が照射された光吸収層は、第1電極層からMoを取り込み、Moが再結晶化するので、導電率が高くなる。したがって、光電変換効率が高く、経年変化がなく、信頼性の高い太陽電池を得ることができる。
特開2007−109842号公報
図1(a)を参照しながら薄膜太陽電池の製造における課題を説明する。薄膜太陽電池100において、コンタクト電極部6の材料に関わらず、複数の単位電池10に分割するために第2電極層7をパターニング(P3)して、第2電極層7および光吸収層4が積層された部分を分割する際に、この分割ライン(上部スクライブ溝8)とコンタクト電極部6との間の領域(幅d23の領域)は、発電に寄与しないデッドスペースとなっている。そのため、分割ラインをコンタクト電極部6にできるだけ近づければ発電効率を高めることが可能である。
一方、特許文献1に記載の技術でコンタクト電極部6を形成した場合、パターニングP2の加工をレーザ光の照射により行った部分の表面を可視光カメラで撮影した画像(可視光画像)を観察すると、レーザ光の跡(加工ライン)が残っていることが分かる(図4において、パターニングP2による加工ライン参照)。ところが、目視可能な加工ラインの幅方向の両端部およびその内側だけが、レーザ照射により導電率が向上した領域の範囲と一致するわけではなく、実際には、加工ラインの縁の外側まで広い範囲で導電率が向上する。よって、特許文献1に記載の技術でコンタクト電極部6を形成した場合、分割ラインをコンタクト電極部6に近づけ過ぎると、導電率が向上した光吸収層4の部分が隣の単位電池に残る場合が生じる。
このように導電率が向上した光吸収層4の部分(図1(a)においてコンタクト電極部6)が仮に、上部スクライブ溝8(分割ライン)を超えて隣接する単位電池10に残っていたとしたら、その単位電池10において、導電率が向上した光吸収層4の部分によって第1電極層2と第2電極層7とをつなぐバイパスが形成され、並列抵抗(シャント抵抗)が低下し、短絡が生じてしまう。そのため、単位電池10となる領域であるセルにおいて導電率が向上した範囲を特定し、導電率が向上した光吸収層4の部分が隣の単位電池10に残らないようにして第2電極層7をパターニング(P3)し、分割する必要がある。しかしながら、レーザ光の照射により加工された表面を撮影した可視光画像では、導電率が向上した光吸収層の部分の範囲を特定することが困難であり、導電率が向上した範囲を特定するには破壊検査が必要であった。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、単位電池となるセルにおいて導電率が向上した範囲を破壊することなく特定することができる薄膜太陽電池の造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本願発明者らは、薄膜太陽電池において光吸収層のパターニングP2をレーザスクライブで行って光吸収層を改質するときのレーザの影響について種々検討を行った。その結果、P2のレーザスクライブ時にレーザ照射した部分を含む所定領域をフォトルミネセンス法で測定することで、表面のレーザ加工ラインからは視認できないレーザの影響範囲を特定できることを見出した。
そこで、本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法は、第1電極層と光吸収層と第2電極層とが積層された複数の単位電池を電気的に直列接続してなる薄膜太陽電池の製造方法であって、前記薄膜太陽電池は、隣り合う2つの前記単位電池となる領域であって前記第1電極層が膜面方向に分離された2つの領域である2つのセルのうち一方のセルに含まれる前記第1電極層と、他方のセルに積層される前記第2電極層とを電気的に接続するコンタクト電極部を備え、前記コンタクト電極部は、前記2つのセルで共有していた前記光吸収層の一部分に対してレーザ光が照射されることで当該部分の光吸収層が改質してその導電率を向上させて形成されたものであり、前記コンタクト電極部が形成された部分を含む所定領域を狙って外部の光源からの光を走査して前記所定領域のフォトルミネセンスを測定するステップと、前記測定された発光強度が所定の閾値以下に低下した領域を、前記光吸収層の導電率が向上した領域であるものとして特定するステップと、を有することを特徴とする。
本願発明者らは、レーザ光を照射した一部分の光吸収層において導電率が向上した範囲と、フォトルミネセンスによる測定結果である発光強度が低下した範囲と、の相関を確かめた。そのため、レーザ光により光吸収層を改質してコンタクト電極部とした薄膜太陽電池をフォトルミネセンス法で測定することで、光吸収層のパターニングP2によるレーザスクライブ時のレーザの影響範囲を特定することができる。したがって、本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法は、フォトルミネセンス法で所定領域に亘って走査測定した発光強度に基づいて、表面のレーザ加工ラインからは視認できないレーザの影響範囲を特定することができる。さらに、薄膜太陽電池の製造方法は、単位電池となるセルにおいて導電率が向上した範囲を破壊することなく特定することができる。
また、本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法において、前記フォトルミネセンスを測定するステップは、前記第1電極層を分離するためのパターニングの溝と、前記第2電極層を単位電池毎に分離するためのパターニングの溝の形成予定線またはその形成された溝と、の間の予め定められた領域に亘って前記フォトルミネセンスを測定することが好ましい。
また、本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法は、第1電極層と光吸収層と第2電極層とが積層された複数の単位電池を電気的に直列接続してなる薄膜太陽電池の製造方法であって、基板上に前記第1電極層を形成するステップと、前記単位電池となる領域毎に前記第1電極層を膜面方向に分離するステップと、前記分離された第1電極層に前記光吸収層を積層するステップと、前記光吸収層の上に前記第2電極層を形成するステップと、前記第2電極層を形成するステップの前または後において、前記単位電池となる領域であって前記第1電極層が分離されて隣り合う2つのセルの間で共有している前記光吸収層の一部分に対してレーザ光を照射することで当該部分の光吸収層を改質させてその導電率が向上した当該部分をコンタクト電極部として形成することで、前記コンタクト電極部を介して一方のセルの前記第1電極層と他方のセルに積層された前記第2電極層とを電気的に接続させるステップと、前記コンタクト電極部が形成された部分を含む所定領域を狙って外部の光源からの光を走査して前記所定領域のフォトルミネセンスを測定するステップと、前記測定された発光強度が所定の閾値以下に低下した領域を、前記光吸収層の導電率が向上した領域であるものとして特定するステップと、前記特定された導電率が向上した領域が前記一方のセルに対応した前記単位電池に残らないように前記第2電極層を単位電池毎に分離するためのパターニングの溝の形成予定線の位置を決定するステップと、前記決定された位置で、前記第2電極層を、前記2つのセルの間で共有していた前記光吸収層と共に分離するステップと、を有することを特徴とする。
このようにすることで、薄膜太陽電池の製造方法によれば、単位電池となるセルにおいて導電率が向上した光吸収層の部分が、隣接する単位電池に残らないので、その単位電池では並列抵抗(シャント抵抗)が低下せず、短絡を防止することができる。
本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法によれば、単位電池となるセルにおいて導電率が向上した範囲を破壊することなく特定することができる。また、本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法によれば、単位電池における短絡を防止しつつ、発電に寄与しないデッドスペースを低減して発電効率を高めることができる。
本発明に係る薄膜太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。 本発明に係る薄膜太陽電池の評価方法の流れを模式的に示すフローチャートである。 本発明に係る薄膜太陽電池のパターニングの一例を示す図である。 本発明に係る薄膜太陽電池のPL測定結果の一例を示すグラフである。 本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法にて作成したパターニングの位置とPL測定結果との関係を示す説明図である。
本発明に係る薄膜太陽電池の評価方法および製造方法を実施するための形態を、いくつかの具体例を示した図面と共に詳細に説明する。各図面が示す部材の厚さ、幅、大きさや間隔等の位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。以下では、1.薄膜太陽電池の評価方法の概要、2.薄膜太陽電池の構造、3.薄膜太陽電池の製造方法、4.薄膜太陽電池の評価方法の一例、の各節に分節してこの順番で図面を参照しながら説明する。
[1.薄膜太陽電池の評価方法の概要]
ここでは、本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の評価方法の概要について図1〜図3を参照して説明する。薄膜太陽電池の評価方法は、図1(a)に示すような薄膜太陽電池100を対象とした評価方法である。薄膜太陽電池100は、複数(図1(a)では3個)の単位電池10を電気的に直列接続してなる。この薄膜太陽電池100は図2(a)〜図2(h)の概略断面図で示す製造工程によって製造される。なお、薄膜太陽電池100の構造および製造方法の詳細については後記する。
本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の評価方法の流れについて図3を参照(適宜図1参照)して説明する。薄膜太陽電池の評価方法は、単位電池同士を接続する部分にレーザを照射する(ステップS1)ことを前提としている。ステップS1は、特許文献1に記載の技術でコンタクト電極部6(図1参照)を形成することを意味する。すなわち、ステップS1では、薄膜太陽電池の製造工程にて、第1電極(第1電極層2:図1参照)と第2電極(第2電極層7:図1参照)との間に位置するCIGS光吸収層(光吸収層4:図1参照)の一部にレーザ光を照射して光吸収層4自体を改質させてコンタクト電極部6を形成する。このコンタクト電極部6を形成する工程は、第2電極層7を形成するステップの前に行ってもよいし、第2電極層7を形成するステップの後に行ってもよい。
次に、公知のフォトルミネセンス測定装置(以下、PL測定装置という)を用いて、薄膜太陽電池100において単位電池10(図1参照)同士を接続する所定領域のフォトルミネセンスを測定する(ステップS2)。
ここで、フォトルミネセンス(以下、適宜PLともいう)について簡単に説明する。PLは、半導体にバンドギャップ以上のエネルギーの光を照射し、キャリアを励起し、そのキャリアが再結合する際に、生じる光を観測する測定法である。キャリアが再結合する際に発生する光はバンドギャップ相当の光であるため、半導体のバンドギャップ測定に用いられる。また、次のような用いられ方もある。例えば、キャリアが再結合する際に発生する光は、バンドギャップ内に再結合中心となる欠陥準位がある場合、その準位を介しての発光となるため、発光波長が長波長化するので、この現象を利用して欠陥準位の検出のために用いられる。また、例えば、キャリアが再結合する際に発生する光は、欠陥が様々な準位に存在する場合、非発光性の遷移となるので、この現象を利用して欠陥が様々な準位に存在するかどうかの検出のために用いられる。そのため、PLによれば、半導体の品質が正常のときに本来得られるべき波長の発光強度を調べることで、その半導体の品質が低下していないか、または欠陥が存在するかといった調査に用いることができる。
薄膜太陽電池において光吸収層のパターニングP2をレーザスクライブで行うときにレーザ光を照射した一部分の光吸収層が改質によって導電率が高くなる現象について、本願発明者らは、導電率が向上するという改質は、光吸収層の半導体特性が劣化したことを表すと考えた。そして、レーザ照射で狙った光吸収層の一部分の周囲に半導体的な品質低下として、フォトルミネセンス法で得られる発光強度の低下を観測した。つまり、光吸収層において導電率が向上した範囲と、フォトルミネセンスによる測定結果である発光強度が低下した範囲と、の相関を確かめた。そのため、本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の評価方法では、前記ステップS2において、薄膜太陽電池100の所定領域のフォトルミネセンスを測定する。
次に、PL測定装置による測定結果に基づいて、測定した所定領域のうち、発光強度が所定の閾値以下に低下した領域を、光吸収層4(図1参照)の導電率が向上した領域であるものとして特定する(ステップS3)。例えば、この段階にて、薄膜太陽電池の評価方法を終了してもよい。本実施形態では、さらに、ステップS3で特定された、導電率が向上した領域の位置に基づいて、導電率が向上した部位が隣の単位電池10(図1参照)にかからないように第2電極(第2電極層7:図1参照)の分割位置を決定する(ステップS4)こととした。
また、本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の評価方法は、後記するように、第2電極(第2電極層7:図1参照)を形成する前においても適用することができる。つまり、薄膜太陽電池の評価方法は、薄膜太陽電池の製造条件を決めるために、薄膜太陽電池の設計の段階で用いることができる。
[2.薄膜太陽電池の構造]
ここでは、本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の評価方法にて対象とする薄膜太陽電池100の構造について図1(a)の断面図を参照して説明する。薄膜太陽電池100は、複数(図1(a)では3個)の単位電池10を電気的に直列接続してなる。単位電池10を並べた方向をX方向、紙面に垂直な方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。単位電池10は、主たる構成要素として、第1電極層2と、光吸収層4と、第2電極層7とが、Z方向に積層されてなる。
図1(a)に示す例では、単位電池10は、基板1と、第1電極層2と、光吸収層4と、バッファ層5と、第2電極層7とがこの順番に積層されている。また、隣り合う2つの単位電池10は、上部スクライブ溝8により分離されており、コンタクト電極部6を介して、3つの単位電池10が直列接続されている。図1(a)において太い実線は電流Iを示す。なお、薄膜太陽電池100の構成要素のサイズを示す記号の説明については後記する。
基板1は、特に限定されないが例えばソーダライムガラス等で構成されている。第1電極層2は、例えばモリブデン(Mo)等で構成されている。光吸収層4は、銅・インジウム・ガリウム・セレンを含んで構成されている。バッファ層5は、光吸収層4よりも充分に薄く、InS、ZnS、ZnO、CdS等のn型の半導体で形成された高抵抗の層である。
コンタクト電極部6は、隣り合う単位電池10を直列接続するものであって、第1電極層2と第2電極層7とを接続する。コンタクト電極部6は、光吸収層4のCu/In比率よりも、Cu/In比率が大きくなるように形成されており、p型半導体である光吸収層4に対してp+(プラス)型または導電体の特性を示す。
第2電極層7は、例えば、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO:Aluminum-doped Zinc Oxide)等のTCOで構成されている。
発電層(第1電極層2から第2電極層7までの各層を合わせたもの)の膜厚は、例えば2〜3μm程度であり、光吸収層4は例えば1μm程度である。
[3.薄膜太陽電池の製造方法]
次に、本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の製造方法について図2を参照(適宜図1および図3参照)して説明する。ここで、図2(a)〜図2(f)のように光吸収層4の上に第2電極層7が積層される前の状態においては、図1(a)に示す単位電池10とは構造が異なっているので、この単位電池10に対応する領域のことをセルと呼ぶこととする。また、図2の断面模式図に記載した一方のセルおよび他方のセルは、特許請求の範囲の記載に対応している。
まず、図2(a)に示す基板1上に、例えばモリブデン(Mo)をスパッタ源としてスパッタリング等によって成膜することで、図2(b)に示すように、第1電極層2を積層する。次に、セル毎に例えばレーザスクライブによって第1電極層2を厚さ方向において貫通する下部スクライブ溝3を形成することで、第1電極層2をパターニング(P1)して膜面方向に分割する。
ここで、レーザスクライブに用いるレーザとしては、例えば波長が256nmであるエキシマレーザや、波長が355nmであるYAGレーザの第3高調波などを用いることができる。また、第1電極層2のパターニングP1におけるレーザの加工ラインの幅(下部スクライブ溝3の幅WP1:図1(a)参照)は、絶縁を確保することができる所定幅、例えば60〜100nm程度とする。
次に図2(d)に示すように、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)をスパッタリングや蒸着等で付着させ、プリカーサと呼ばれる層を形成する。このプリカーサを炉に投入し、H2Seガスの雰囲気中で400〜600℃程度の温度でアニールすることにより、光吸収層4を得る。このアニールの工程は、通常、気相セレン化もしくは、単に、セレン化と呼ばれる。
なお、光吸収層4を形成する工程には、Cu、In、Ga、Seを蒸着にて形成したあとアニールを行う方法など、いくつかの技術が開発されている。ここでは、気相セレン化を用いて説明したが、本発明において、光吸収層4を形成する工程は、これに限定されるものではない。
次に図2(e)に示すように、InS、ZnS、ZnO、CdS等のn型の半導体を光吸収層4上に積層することでバッファ層5を形成する。バッファ層5を形成するための一般的なプロセスとしては、スパッタリング等のドライプロセスや、CBD(ケミカル・バス・デポジション)等のウェットプロセスを用いることができる。
次に図2(f)に示すように、例えば、バッファ層5の上から光吸収層4にレーザ光を照射することにより、レーザ光を照射した一部分の光吸収層4の改質を行い、この一部分をコンタクト電極部6として形成する(図3のステップS1参照)。
コンタクト電極部6を形成するために用いるレーザとしては、図2(c)に示すレーザスクライブに用いるレーザを流用し、レーザ出力等を適宜調整することができる。図2(f)に示すように、コンタクト電極部6の表面(図2(f)において上面)はレーザ加工により焼かれて削り取られ、断面視で凹形状となり、凹形状の底部はバッファ層5の表面よりも低くなっている。ただし、第1電極層2に達するような溝にはなっていない。なお、レーザ光は、バッファ層5にも照射されるが、バッファ層5自体が光吸収層4に比べて極めて薄く形成されておりバッファ層5の有無による影響はみられない。
次に図2(g)に示すように、バッファ層5の上に、例えばAZO等の透明電極(TCO)をスパッタリング等で形成することで、第2電極層7を形成する。これにより、コンタクト電極部6を介して一方のセルの第1電極層2と他方のセルに積層された第2電極層7とを電気的に接続させる。このときバッファ層5の溝、すなわちコンタクト電極部6の上部にもTCOが積層されるが、この積層されたTCOは第1電極層2に達することはなく、第1電極層2と、第2電極層7との接続を実質的に担うのは、コンタクト電極部6である。これにより、コンタクト電極部6を介して一方のセルの第1電極層2と、他方のセルに積層された第2電極層7とを電気的に接続させる。
なお、上記製造例では、第2電極層7を形成する前にコンタクト電極部6を形成することとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2電極層7を形成した後で、第2電極層7の上からレーザ照射することでコンタクト電極部6を形成するようにしてもよい。すなわち、一方のセルの第1電極層2と、他方のセルに積層された第2電極層7と、を電気的に接続させるステップは、第2電極層7を形成するステップの後に行うこともできる。
次に、TCOまでの各層が積層された状態の薄膜太陽電池を、成膜のための容器等から取り出し、PL測定装置を用いて、セルとセルとを接続するコンタクト電極部6が形成された部分を含む所定領域を狙って外部の光源からの光を走査して所定領域のフォトルミネセンスを測定する(図3のステップS2参照)。PL測定装置は、光源として、YAGレーザの第2高調波(532nm)、He−Cdレーザ、Arレーザ等を用いることができる。
本実施形態では、フォトルミネセンスを測定するステップでは、第1電極層2を分離するためのパターニングP1の溝である下部スクライブ溝3と、第2電極層7を単位電池毎に分離するためのパターニングP3の溝である上部スクライブ溝8の形成予定線またはその形成された上部スクライブ溝8との間の予め定められた領域に亘ってフォトルミネセンスを測定する。この測定結果である発光強度に基づいて、光吸収層表面のレーザ加工ラインからは可視光画像(顕微鏡像)では視認できないレーザの影響範囲を特定することができる。
次に、PL測定装置による測定結果に基づいて、測定した所定領域のうち、発光強度が所定の閾値以下に低下した領域を、光吸収層4の導電率が向上した領域であるものとして特定する(図3のステップS3参照)。なお、発光強度が所定の閾値以下に低下した領域についての具体例は後記する。
ここで、図1を参照すると、図1(a)に示す薄膜太陽電池100の上部スクライブ溝8の位置に比べて、図1(b)に示す薄膜太陽電池200の上部スクライブ溝8の位置は、コンタクト電極部6に近づいている。このようにすることで、薄膜太陽電池200は、薄膜太陽電池100と比べて、発電に寄与しないデッドスペース(幅d23の領域)を低減して発電効率を高めることができる。ただし、薄膜太陽電池200において、導電率が向上した領域が隣の単位電池10(右の単位電池)に残らないような位置に上部スクライブ溝8を設けていなければ、隣の単位電池10において第1電極層2と第2電極層7とをつなぐバイパスが形成され、並列抵抗(シャント抵抗)が低下し、短絡が生じてしまう。そのため、本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の製造方法では、図3のステップS3に続いて、この特定された、導電率が向上した領域の位置に基づいて、当該領域が隣のセル(図2において一方のセル)に残らないように上部スクライブ溝8の形成予定線の位置を決定する(図3のステップS4参照)。
そして、図2(h)に示すように、レーザスクライブまたは金属針等によるメカニカルスクライブによって、第2電極層7をパターニング(P3)して、決定された位置(上部スクライブ溝8の形成予定線の位置)で単位電池に分離するために第1電極層2の上面に達するように上部スクライブ溝8を形成する。これにより、分割ラインの位置にあった、第2電極層7と、バッファ層5と、プリカーサ(光吸収層4)とが除去され、各単位電池10に分割される。
[4.薄膜太陽電池の評価方法の一例]
ここでは、本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の評価方法の具体例について図4〜図6を参照して説明する。図4は、本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の評価方法に用いた薄膜太陽電池(以下、サンプルともいう)の表面を可視光カメラ(顕微鏡)で撮影した可視光画像写真を示す図である。図4においてX軸の方向は、図1において単位電池10を並べた方向であるが、都合により、図1とは反対向きに配置した。つまり、図4においてY軸の向きとは、図1において紙面の裏から表への向きに配置されている。具体的には、図4に示すパターニングP2の加工ラインは、図1(a)において2つ図示されたコンタクト電極部6のうちの一方(例えば左側)のコンタクト電極部6に対応している。同様に、図4に示すパターニングP3の加工ラインは、図1(a)において2つ図示された上部スクライブ溝8のうちの一方(例えば左側)の上部スクライブ溝8に対応している。なお、図4の画像においては、パターニングP2の加工ラインよりも右側の位置に、パターニングP1の加工ラインが形成されている。
図4に示すサンプルを説明するために、図1(a)に示す薄膜太陽電池100の構成要素のサイズを示す記号について説明する。WP1は、第1電極層2のパターニングP1における溝(下部スクライブ溝3)の幅を表す。WP2は、光吸収層4のパターニングP2における溝(レーザスクライブ加工ライン)の幅を表す。WP3は、第2電極層7のパターニングP3における溝(上部スクライブ溝8)の幅を表す。各層のパターニングの幅の値は特に限定されないが、0.1mm以下のサイズに加工できることが知られている。
また、図1(a)において、d12は、パターニングP1における溝の幅方向の端部(縁)からパターニングP2における溝の幅方向の端部(縁)までの幅を表す。d23は、パターニングP2における溝の幅方向の端部からパターニングP3における溝の幅方向の端部までの幅を表す。WC1、WC2、WC3は、図1(a)において左の単位電池10の幅、中央の単位電池10の幅、右の単位電池10の幅をそれぞれ表す。また、図1(a)において、Fは、本願発明者らが、Fの値を一定値に保持して、レーザスクライブ加工ラインを幅方向に左右にふって幅d12や幅d23を変化させて多数の薄膜太陽電池を作製してその性能を確かめたときの基準幅を示す。このうちの1つのサンプルについての顕微鏡写真を図4に示した。
図4に示すパターニングP2の加工ラインの幅は、図1(a)において例えば左側のコンタクト電極部6の幅(溝の幅WP2)に対応している。図4に示すパターニングP3の加工ラインの幅は、図1(a)において例えば左側の上部スクライブ溝8の幅(溝の幅WP3)に対応している。このうち、図4に示すパターニングP2の加工ラインについては、一見ラインの幅方向の端部と見えるラインの外側にも、膜がやや白く見える領域が延びているが、視覚的に最も明確にコントラストが得られるラインの縁を目測にて決定し、これを例えば溝の幅WP2とした。図4に示す画像の一例では、パターニングP2の加工ラインの幅方向における左端部と、パターニングP3の加工ラインの幅方向における右端部との間隔が、加工ラインの幅の3倍程度になっている。なお、図4に示す画像のX軸方向の実寸は約0.5mmである。
製造したサンプル(図4参照)について、図4の画像にほぼ一致した領域のフォトルミネセンスを測定した。このときの測定条件は次の通りである。すなわち、PL測定装置において、照射したレーザ光の波長は532nmである。サンプル(薄膜太陽電池)からの発光については、1000〜1500nmの波長の光についての発光強度を積算した。また、測定ポイントは、図4に示すパターニングP2の加工ラインを挟んで周囲の400μmに渡り2μm間隔の200ポイントとした。なお、レーザ光の照射径は5μm程度であり、測定間隔よりも広いが、発光強度は5μm径での積分値となるので、測定結果は概ね測定間隔の2μmに追従するものと考えられる。
このときの測定結果を図5に示す。図5のグラフの横軸は、図4の画像のX軸方向の長さを示し、図5のグラフの縦軸は、1000〜1500nmの波長の光について積算した発光強度(Integrated intensity)を対数目盛りで示している。図5において、各測定ポイントの発光強度を菱形のドットで示す。なお、Integrated intensity(counts)は、PL測定結果のグラフにおいて一般的に用いられている。
図5に示すように、Xの値が100〜150nm付近の発光強度は、その周囲の発光強度より低く、また、Xの値が250nm付近の発光強度は、その周囲の発光強度より低くなっている。また、発光強度の各ドットを繋げた全体の形状は、アルファベットの「W」の形状に類似している。そして、このW字形状の中において、左側のV字形状の谷底は、右側のV字形状の谷底よりも広くなっている。また、このW字形状の中の左側のV字形状は、右側のV字形状よりも急峻な傾斜角の形状となっていることが分かる。
図6は、図5に示すPL測定結果と、同一サンプルのレーザ顕微鏡写真(図4)とを重ねた図を示す。図6において、グラフにおける測定箇所と、重ねた写真の位置とは、同一サンプルではあるものの、必ずしも同一箇所を表しているわけではない。しかしながら、発光強度の各ドットを繋げたW字形状の中において、左側のV字形状がパターニングP3の加工ラインにほぼ一致し、右側のV字形状の中心がパターニングP2の加工ラインにほぼ一致することが分かる。
そして、図6に示す本発明の実施例(P2のレーザスクライブ)において、P2の加工ラインとして顕微鏡で見られるラインの幅方向の内側においては、発光強度がほぼ0であるが、パターニングP1側(パターニングP2の加工ラインよりも図中右側)の発光強度の立ち上がりの位置を観察すると、パターニングP2の加工ラインの端部からの発光強度の立ち上がりは、パターニングP3の加工ラインの端部の立ち上がりに比べて緩やかである。この緩やかな立ち上がりこそ、顕微鏡で観察される加工ラインの縁の外側に、レーザ影響範囲が広がっていることを如実に示す結果であると言える。
このようにP2のレーザスクライブにおいて顕微鏡で観察される加工ラインの縁の外側の発光強度が低下する要因は、光吸収層4における半導体特性の劣化であると考えられる。薄膜太陽電池の発電領域(単位電池)に、このような発光低下エリアが存在すると、隣接する単位電池とのリークが発生する等の影響を及ぼしてしまう。しかしながら、本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の評価方法および製造方法では、PL測定結果に基づいて導電率が向上した範囲を特定し、その領域の位置に基づいて、導電率が向上した部位が隣の単位電池10にかからないように第2電極層7の分割位置を決定するので、隣接する単位電池とのリークの発生を防止することができる。
図6に示す例では、発光強度の所定の閾値は、例えば数百〜数千(counts)の範囲で決めることができる。その具体的な数値は、サンプルの製造条件に応じて適宜設計変更することができる。図6において、パターニングP3の加工ラインの左側の領域のようにレーザスクライブの影響がほとんど無い領域では、発光強度が10000(counts)近くの値なので、所定の閾値を、一例として1000(counts)とすることもできる。この場合、発光強度が所定の閾値(この場合には、1000(counts))以下に低下した領域とは、Xの値が、およそ110〜140μmの範囲と、およそ190〜290μmの範囲と、およそ350〜390μmの範囲との3箇所となる。ただし、レーザスクライブによるパターニングP2の加工ラインは、Xの値がおよそ240μmの位置を中心としているので、およそ190〜290μmの範囲だけが、レーザ光の照射によって光吸収層4の導電率が向上した範囲であると特定することかできる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池の評価方法は、レーザ光により光吸収層を改質してコンタクト電極部とした薄膜太陽電池をフォトルミネセンス法で所定領域に亘って走査測定した発光強度に基づいて、表面のレーザ加工ラインからは視認できないレーザの影響範囲を特定することができる。そのため、薄膜太陽電池の評価方法によれば、単位電池となるセルにおいて導電率が向上した範囲を破壊することなく特定することができる。その結果、非破壊検査であるため、評価用のサンプルを別途作成することなく、製造した薄膜太陽電池を直接評価することができる。そのため、製造した薄膜太陽電池の導電率向上の範囲等の評価結果と、その薄膜太陽電池の性能とを一対一で比較することができる。さらに、評価に用いた薄膜太陽電池を他の検査工程や品質管理の工程等において用いることができる。
また、本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法によれば、単位電池における短絡を防止しつつ、発電に寄与しないデッドスペースを低減して発電効率を高めることができる。
以上、本発明の薄膜太陽電池の評価方法および製造方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではない。例えば、薄膜太陽電池100の構造は、図1に例示したものに限定されず、例えば、層間や最表面に、必要に応じてアルカリパッシベーション膜や反射防止膜などを介在さてもよいし、あるいは光吸収層の上に設けたバッファ層を除外して作製したものであっても構わず、これらの場合でも同様の評価が可能である。
また、薄膜太陽電池の評価方法を、薄膜太陽電池の製造条件を決めるために、薄膜太陽電池の設計の段階で用いる場合、前記実施形態のように、第2電極層7を積層してからフォトルミネセンスを測定する方法の他に、コンタクト電極部6を形成した後で第2電極層7を積層する前に、成膜のための容器等から取り出し、PL測定装置を用いて、セルとセルとを接続する所定領域のフォトルミネセンスを測定するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、PL測定における発光強度の所定の閾値を1つだけ挙げたが、評価のための閾値を2つ以上設定してもよい。例えば、2つの閾値を設定し、それらを第1閾値TH1、第2閾値TH2、ただしTH1<TH2とし、第2閾値TH2の値は、許容できる上限値とする。そして、測定結果の発光強度をMとすると、次の式(1)〜式(3)の3つの場合が生じる。
M<TH1 … 式(1)
TH1<M<TH2 … 式(2)
TH2<M … 式(3)
よって、測定の結果、式(3)を満たす範囲については許容できないものとして不採用とし、式(1)を満たす測定結果により導電率が向上した範囲を特定して作製した薄膜太陽電池を標準品質仕様、式(2)を満たす測定結果により導電率が向上した範囲を特定して作製した薄膜太陽電池を高品質仕様とすることができる。
同様に閾値を3つ設定するときには、それらの最大値を予め定めた許容可能値としておけば、標準品質仕様、第1高品質仕様、第2高品質仕様の薄膜太陽電池とすることができる。閾値を4つ以上設定する場合も同様な仕様で作製することができる。
100,200 薄膜太陽電池
1 基板
2 第1電極層
3 下部スクライブ溝
4 光吸収層
5 バッファ層
6 コンタクト電極部
7 第2電極層
8 上部スクライブ溝
10 単位電池

Claims (3)

  1. 第1電極層と光吸収層と第2電極層とが積層された複数の単位電池を電気的に直列接続してなる薄膜太陽電池の製造方法であって、
    前記薄膜太陽電池は、隣り合う2つの前記単位電池となる領域であって前記第1電極層が膜面方向に分離された2つの領域である2つのセルのうち一方のセルに含まれる前記第1電極層と、他方のセルに積層される前記第2電極層とを電気的に接続するコンタクト電極部を備え、
    前記コンタクト電極部は、前記2つのセルで共有していた前記光吸収層の一部分に対してレーザ光が照射されることで当該部分の光吸収層が改質してその導電率を向上させて形成されたものであり、
    前記コンタクト電極部が形成された部分を含む所定領域を狙って外部の光源からの光を走査して前記所定領域のフォトルミネセンスを測定するステップと、
    前記測定された発光強度が所定の閾値以下に低下した領域を、前記光吸収層の導電率が向上した領域であるものとして特定するステップと、
    を有することを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 前記フォトルミネセンスを測定するステップは、
    前記第1電極層を分離するためのパターニングの溝と、前記第2電極層を単位電池毎に分離するためのパターニングの溝の形成予定線またはその形成された溝と、の間の予め定められた領域に亘って前記フォトルミネセンスを測定することを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  3. 第1電極層と光吸収層と第2電極層とが積層された複数の単位電池を電気的に直列接続してなる薄膜太陽電池の製造方法であって、
    基板上に前記第1電極層を形成するステップと、
    前記単位電池となる領域毎に前記第1電極層を膜面方向に分離するステップと、
    前記分離された第1電極層に前記光吸収層を積層するステップと、
    前記光吸収層の上に前記第2電極層を形成するステップと、
    前記第2電極層を形成するステップの前または後において、前記単位電池となる領域であって前記第1電極層が分離されて隣り合う2つのセルの間で共有している前記光吸収層の一部分に対してレーザ光を照射することで当該部分の光吸収層を改質させてその導電率が向上した当該部分をコンタクト電極部として形成することで、前記コンタクト電極部を介して一方のセルの前記第1電極層と他方のセルに積層された前記第2電極層とを電気的に接続させるステップと、
    前記コンタクト電極部が形成された部分を含む所定領域を狙って外部の光源からの光を走査して前記所定領域のフォトルミネセンスを測定するステップと、
    前記測定された発光強度が所定の閾値以下に低下した領域を、前記光吸収層の導電率が向上した領域であるものとして特定するステップと、
    前記特定された導電率が向上した領域が前記一方のセルに対応した前記単位電池に残らないように前記第2電極層を単位電池毎に分離するためのパターニングの溝の形成予定線の位置を決定するステップと、
    前記決定された位置で、前記第2電極層を、前記2つのセルの間で共有していた前記光吸収層と共に分離するステップと、
    を有することを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
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