JP5872092B1 - 放射性物質除去方法及び放射性物質除去システム - Google Patents

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Abstract

【課題】放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行して、当該処理対象物から放射性物質を揮発除去するにあたり、合理的な構成で省エネルギ性の向上を図りながら加熱処理後の処理対象物に含まれる重金属類を無害化することができる放射性物質除去技術を提供する。【解決手段】放射性物質を含む処理対象物X0を加熱室R1で燃焼ガスCに接触させて加熱する加熱処理を実行する放射性物質除去方法において、加熱処理後の処理対象物X1を還元雰囲気に維持された還元室R2に所定の還元時間に亘って保持する還元処理を実行すると共に、還元処理において、加熱処理の排熱を利用して還元室R2で処理対象物X1を還元させる。【選択図】図1

Description

本発明は、放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する放射性物質除去方法、及び、同加熱処理を実行する加熱処理部を備えた放射性物質除去システムに関する。
従来、放射性物質を含む災害廃棄物の焼却に伴って発生する焼却灰や汚染土壌などの処理対象物から放射性セシウムなどの放射性物質を除去する放射性物質除去技術として、焼却灰を塩化化合物などの揮発促進剤を添加した上で加熱する加熱処理を実行することで、処理対象物から放射性物質を揮発除去するものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
このような放射性物質除去技術では、処理対象物を比較的高温に加熱する必要があるため、一般的には、ロータリーキルンなどの直接燃焼式の加熱炉を利用して、処理対象物を加熱炉の内部に形成された加熱室で燃焼ガスに直接接触させて加熱する。
特開2014−174051号公報
上記のような処理対象物には、放射性セシウムなどの放射性物質以外に、鉛、カドミウム、クロム、ヒ素、セレンなどの重金属類などが含まれる場合がある。このような重金属を含む処理対象物を直接燃焼式の加熱炉で燃焼ガスに直接接触させる形態で加熱処理を施すと、鉛、カドミウム、ヒ素などの低沸点重金属類については揮発除去することも可能であるが、クロムやセレンなどの重金属類については、加熱室で燃焼ガスに接触し酸化することで、6価クロムや亜セレン酸などの有害物質に変化し、加熱処理後の処理対象物に溶出可能な状態で残存するという問題があった。
このような重金属類の酸化による有害物質の生成を抑制するために、直接燃焼式の加熱炉における空気比を1未満に低下させることがあるが、重金属類の燃焼ガスとの接触酸化を完全に阻止することができないため、有害物質の生成抑制効果を十分に発揮することができない場合があった。
また、加熱処理後の処理対象物に固化剤などを添加することで、有害物質を封じ込めて不溶化する方法が知られているが、この方法では土壌としての再利用が困難になるという別の問題が生じる。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行して、当該処理対象物から放射性物質を揮発除去するにあたり、合理的な構成で省エネルギ性の向上を図りながら加熱処理後の処理対象物に含まれる重金属類を無害化することができる放射性物質除去技術を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する放射性物質除去方法であって、
前記加熱処理後の処理対象物を還元雰囲気に維持された還元室に所定の還元時間に亘って保持する還元処理を実行すると共に、
前記還元処理において、前記加熱処理の排熱を利用して前記還元室で前記処理対象物を還元させると共に、前記加熱処理の排熱を利用するにあたり、前記還元室を前記加熱室から高温状態の処理対象物が払い出される払出口の直下に配置して、前記加熱室から払い出された高温状態の処理対象物を当該高温状態のまま前記還元室に投入し、
前記還元室に不活性ガスを充填して、当該還元室を前記還元雰囲気に維持すると共に、前記還元室に対する不活性ガスの充填を、前記処理対象物の出口側から供給して前記処理対象物の入口側から排出させる形態で行なう点にある。
本構成によれば、加熱処理後の処理対象物に対して上記還元処理を実行するので、加熱処理後の処理対象物に含まれる6価クロムや亜セレン酸などの有害物質を還元させて無害化することができる。更に、上記還元処理では、還元室で処理対象物を還元させるために、上記加熱処理の排熱を利用するので、還元室に当該排熱以外の別の熱を与える構成を省略又は簡略化して、合理的な構成で省エネルギ性の向上を図ることができる。
従って、本発明により、放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行して、当該処理対象物から放射性物質を揮発除去するにあたり、
合理的な構成で省エネルギ性の向上を図りながら加熱処理後の処理対象物に含まれる重金属類を無害化することができる放射性物質除去方法を実現することができる。
更に、本構成によれば、加熱室から払い出された高温状態の処理対象物は加熱室での加熱処理の排熱を保有しているものと言える。そして、その処理対象物を高温状態のまま還元室に投入することで、当該処理対象物の保有熱により還元室で処理対象物を還元させることができる。
本発明の第特徴構成は、前記還元室として、前記加熱処理後の処理対象物を収容し当該収容した処理対象物を前記還元時間経過後に払い出すバッチ式還元室を複数設け、
前記複数のバッチ式還元室に対して前記加熱処理後の処理対象物を順次払い出す点にある。
本構成によれば、比較的構成が簡素な上記バッチ式還元室を、加熱処理後の処理対象物を還元処理するための還元室として採用することで、更なる構成の合理化を図ることができる。更に、そのバッチ式還元室を複数配置し、当該複数のバッチ式還元室に対して加熱処理後の処理対象物を順次払い出すことで、加熱室から略連続的に払い出される高温状態の処理対象物を、加熱室から払い出されてからバッチ式還元室に投入されるまでの滞留時間を極力無くした状態で略連続的に、上記バッチ式還元室に投入することができる。よって、加熱処理の排熱である加熱室から払い出された処理対象物の保有熱を、滞留時間による放熱を抑制した状態で有効に還元室に伝達することができる。
本発明の第特徴構成は、前記還元室として、前記加熱処理後の処理対象物が前記還元時間に亘って搬送される連続式還元室を設けた点にある。
本構成によれば、処理対象物を略連続的に投入可能な上記連続式還元室を、加熱処理後の処理対象物を還元処理するための還元室として採用することで、加熱室から略連続的に払い出される高温状態の処理対象物を、加熱室から払い出されてから連続式還元室に投入されるまでの滞留時間を極力無くした状態で略連続的に、上記連続式還元室に投入することができる。よって、加熱処理の排熱である加熱室から払い出された処理対象物の保有熱を、滞留時間による放熱を抑制した状態で還元室での還元に利用することができる。
本発明の第特徴構成は、前記還元処理において、前記加熱処理の排熱を利用するにあたり、前記還元室に供給される不活性ガスを前記加熱処理の排熱で予熱する点にある。
本構成によれば、還元室に窒素ガスなどの不活性ガスを充填することで、還元室を低酸素状態の還元雰囲気に維持することができる。更に、還元室に供給される不活性ガスを加熱処理の排熱で予熱することで、不活性ガスの保有熱により還元室で処理対象物を還元させることができる。即ち、この場合には、還元室に供給される不活性ガスが加熱処理の排熱を還元室に伝達する熱伝達媒体として機能するため、別の熱伝達媒体を利用する構成を省略又は簡略化して、更なる構成の合理化を図ることができる。
本発明の第特徴構成は、放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する加熱処理部を備えた放射性物質除去システムであって、
前記加熱処理部から払い出された処理対象物を還元雰囲気に維持された還元室に保持する還元処理部を備えると共に、
前記還元処理部が、前記加熱処理の排熱を利用して前記還元室で前記処理対象物を還元させると共に、前記加熱処理の排熱を利用するにあたり、前記還元室を前記加熱室から高温状態の処理対象物が払い出される払出口の直下に配置して、前記加熱室から払い出された高温状態の処理対象物を当該高温状態のまま前記還元室に投入するように構成され、
前記還元室に不活性ガスを充填して、当該還元室を前記還元雰囲気に維持すると共に、前記還元室に対する不活性ガスの充填を、前記処理対象物の出口側から供給して前記処理対象物の入口側から排出させる形態で行なうように構成されている点にある。
本構成によれば、前述の第1特徴構成を有する放射性物質除去方法が有する各処理を実行するための各処理部を備えているので、当該放射性物質除去方法と同様の作用効果を奏し、放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行して、当該処理対象物から放射性物質を揮発除去するにあたり、合理的な構成で省エネルギ性の向上を図りながら加熱処理後の処理対象物に含まれる重金属類を無害化することができる放射性物質除去システムを実現することができる。
第1実施形態の処理システムの概略構成図 第2実施形態の処理システムの概略構成図
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態について図1に基づいて説明する。
図1に示す放射性物質除去システム100(以下、「本システム100」と呼ぶ。)は、放射性セシウム(放射性物質の一例)を含む汚染土壌などの処理対象物X0から放射性セシウムを揮発除去するための放射性物質除去方法を実施するためのシステムとして構成されている。よって、本システム100には、当該処理対象物X0を加熱室R1で燃焼ガスCに接触させて加熱する加熱処理を実行する加熱処理部1が設けられている。
尚、加熱処理が施される処理対象物X0には、セシウム揮発促進剤が予め添加されている。このようなセシウム揮発促進剤の種類や加熱条件等については、公知技術を採用でき、例えば、無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物と塩化化合物をセシウム揮発促進剤として添加すれば、加熱処理において比較的低温の900℃以上1200℃以下、好ましくは950℃以上1100℃以下、且つ比較的短時間の120分以下、好ましくは30分以上60分以下の加熱により、主灰中の放射性セシウムを良好に揮発させることができる。
上記加熱処理部1は、直接燃焼式のロータリーキルンで構成されており、基端部を覆う供給側ケーシング11と先端側を覆う排出側ケーシング13との間で回転駆動可能に横架され、内部に加熱室R1を形成する円筒状のキルン本体12を備える。そして、供給側ケーシング11に設けられた投入ホッパ14から加熱室R1の基端側に投入された処理対象物X0が、キルン本体12の回転駆動により、当該キルン本体12の内部に形成された加熱室R1を基端側から先端側に向けて搬送される。同時に、この加熱室R1では、排出側ケーシング13に設けられたバーナ16から吹き込まれた燃料Fが燃焼用空気供給口18から供給された燃焼用空気Aを利用して燃焼し、高温状態の燃焼ガスCが生成される。
これにより、加熱室R1では、処理対象物X0を燃焼ガスCに直接接触させて加熱する加熱処理が実行されることになる。
加熱室R1で加熱処理が施された加熱処理後の処理対象物X1は、キルン本体12の先端部からそれを覆う排出側ケーシング13の内部に落下し、当該排出側ケーシング13の底部に形成された払出口15より、当該払出口15に設けられたシャッター30が開放されたタイミングで払い出される。尚、この払出口15から払い出された加熱処理後の処理対象物X1は、その直前まで燃焼ガスCに晒され加熱処理が施されていたことから、当該加熱処理の排熱を保有して高温状態に維持されている。
一方、加熱室R1において処理対象物X0から揮発除去された放射性セシウムを含む排ガスEは、供給側ケーシング11の天井部に形成された排気口19から排ガス管路31に排出される。この排ガス管路31に排出された放射性セシウムを含む排ガスEは、図示は省略するが、適宜冷却された後に、バグフィルタなどの乾式集塵手段や湿式スクラバのような湿式捕集手段に供給されて、放射性セシウムやそれが付着した粉塵が分離除去される。その後、排ガスEは、必要に応じて脱硝処理のような高度処理が行われた上で、大気中へと排気される。
以上のような直接燃焼式の加熱処理部1では、加熱室R1において処理対象物X0に含まれる3価クロムやセレンなどの重金属が燃焼ガスCに直接接触して酸化することで、6価クロムや亜セレン酸などの有害物質が生成され、その有害物質が加熱処理後の処理対象物X1と共に払出口15から払い出されるという問題がある。
そこで、本システム100及びそれが実施する放射性物質除去方法では、合理的な構成で省エネルギ性の向上を図りながら加熱処理後の処理対象物X1に含まれる重金属類を無害化するための特徴を有しており、その詳細について以下に説明を加える。
本システム100には、加熱処理部1の払出口15から払い出された加熱処理後の処理対象物X1を還元雰囲気に維持された還元室R2に所定の還元時間に亘って保持する還元処理を実行する還元処理部2が設けられている。
尚、還元雰囲気とは、還元室R2に投入された処理対象物X1の還元が促される低酸素且つ高温(例えば300℃以上)の雰囲気を示す。
また、上記還元雰囲気において、還元室R2の酸素濃度は、5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下が好適であり、この低酸素状態を維持するべく、還元室R2には、窒素ガスなどの不活性ガスIが不活性ガス管路25を通じて充填されている。還元室R2を通流した排ガスEは還元室排ガス管路26を通じて排ガス管路31に排出される。この還元室排ガス管路26には、還元室R2から排出された排ガスEの酸素濃度を検出する酸素センサ27が設けられており、この酸素センサ27の検出結果に基づいて不活性ガス管路25に設けられた流量調整弁28を制御することで、還元室R2から排出される排ガスEの酸素濃度即ち還元室R2の酸素濃度が所望の酸素濃度に維持される。
更に、上記所定の還元時間とは、上記還元雰囲気において有害物質が無害化されるまでに必要な時間を示し、例えば、30分〜60分程度に設定される。
そして、還元処理部2が実行する還元処理では、加熱処理部1における加熱処理の排熱を利用して、還元室R2で処理対象物X1を高温に維持して還元させることで、合理的な構成で省エネルギ性の向上を図るように構成されている。
具体的には、上記還元室R2を加熱室R1から高温状態の処理対象物X1が払い出される払出口15の直下に配置することにより、加熱室R1から払い出された高温状態の処理対象物X1を当該高温状態のまま還元室R2に投入して、当該還元室R2で処理対象物X1を還元させるように構成されている。このことで、処理対象物X1自身が熱伝達媒体として機能して、加熱室R1における加熱処理の排熱が、加熱室R1から払い出された処理対象物X1の保有熱として還元室R2に伝達され、結果、還元室R2で処理対象物X1が比較的高温に維持されることになる。
このような還元処理部2では、加熱室R1から払い出されてから還元室R2に投入されるまでの滞留時間が長くなると、その滞留時間における放熱量が増加して、還元室R2で処理対象物X1を高温に維持することができなくなる場合がある。よって、加熱室R1から略連続的に払い出される高温状態の処理対象物X1を放熱の原因となる滞留時間を極力無くした状態で略連続的に還元室R2に投入することが望まれる。
そこで、還元室R2として、加熱処理後の処理対象物X1を収容し当該収容した処理対象物X1を上記還元時間経過後に払い出すバッチ式還元室20a,20bが複数設けられている。
即ち、払出口15の直下には、当該払出口15から払い出された処理対象物X1の供給先を、夫々のバッチ式還元室20a,20bに通じる夫々の分岐管路21に順次切替可能な切替ダンパー22が設けられている。更に、バッチ式還元室20a,20bの底部には、開閉可能なシャッター24が配置されている。
よって、切替ダンパー22の切替えに伴ってバッチ式還元室20a,20bに投入された処理対象物X1は、当該バッチ式還元室20a,20bにおいて上記還元時間の間滞留して還元処理が施され、その後にシャッター24が開放されることで、還元処理後の無害化された処理対象物X2が払い出されることになる。このことで、加熱室R1から払出口15を介して略連続的に払い出される高温状態の処理対象物X1は、略連続的に上記バッチ式還元室20a,20bの何れかに投入されて還元処理が施されることになる。
更に、還元処理部2が実行する還元処理では、加熱室R1から払い出された高温状態の処理対象物X1を当該高温状態のまま還元室R2に投入する構成以外にも、加熱処理部1における加熱処理の排熱を利用して、還元室R2で処理対象物X1を還元させる構成を有している。
具体的には、不活性ガス管路25を通じて還元室R2に供給される不活性ガスIを、加熱室R1から排ガス管路31に排出された高温状態の排ガスEとの熱交換により加熱する熱交換器32が設けられている。このことで、加熱室R1から排出された排ガスE及び還元室R2に供給される不活性ガスIが熱伝達媒体として機能して、加熱室R1における加熱処理の排熱が排ガスE及び不活性ガスIの保有熱として還元室R2に伝達され、結果、還元室R2で処理対象物X1が比較的高温に維持されることになる。
尚、加熱室R1から払い出された加熱処理後の処理対象物X1には、当該加熱室R1から払い出された直後に還元室R2に投入されて比較的高温で保持されるため、6価クロムや亜セレン酸などの有害物質を無害化することに加えて、ダイオキシン類等の有機ハロゲン化合物についても、還元、脱ハロゲン化して無害化することが期待できる。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態について図2に基づいて説明する。
尚、図2に示す放射性物質除去システム200(以下、「本システム200」と呼ぶ。)は、上述した第1実施形態に対して、還元処理に関する構成のみが異なる。よって、他の同様の構成については、図面において同じ符号を付すとともに、詳細な説明は割愛する場合がある。
本システム200には、上述した第1実施形態と同様に、加熱処理部1の払出口15から払い出された加熱処理後の処理対象物X1を還元雰囲気に維持された還元室R2に所定の還元時間に亘って保持する還元処理を実行する還元処理部4が設けられている。
更に、上記還元室R2を加熱室R1から高温状態の処理対象物X1が払い出される払出口15の直下に配置することにより、加熱室R1から払い出された高温状態の処理対象物X1を当該高温状態のまま還元室R2に投入して、当該還元室R2で処理対象物X1を還元させるように構成されている。
このような還元室R2を設けた本システム200では、加熱室R1から略連続的に払い出される高温状態の処理対象物X1を放熱の原因となる滞留時間を極力無くした状態で略連続的に還元室R2に投入するために、還元室R2として、加熱処理後の処理対象物X1が上記還元時間に亘って搬送される連続式還元室40が設けられている。
具体的には、還元処理部4は、スクリュー式コンベアで構成されている。このことにより、円筒状のコンベア本体41内に連続式還元室40が形成され、その連続式還元室40に投入された高温状態の処理対象物X1が、同連続式還元室40に横架されたスクリュー42の回転駆動により、上記還元時間に亘って基端側から先端側に向けて搬送されながら還元処理が施され、先端側の排出部44から還元処理後の無害化された処理対象物X2が払い出されることになる。
尚、連続式還元室40への処理対象物X1の投入部及び排出部には、ロータリーバルブ45,46が設けられている。これにより、不活性ガス管路25を通じて連続式還元室40に供給された不活性ガスIが当該連続式還元室40に滞留し易くなり、当該連続式還元室40が好適に低酸素状態に維持される。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、還元室R2での還元処理において、加熱室R1での加熱処理の排熱を利用して還元室R2で処理対象物X1を還元させるための構成として、加熱室R1から払い出された高温状態の処理対象物X1を当該高温状態のまま還元室R2に投入する構成に加えて、還元室R2に供給される不活性ガスIを加熱室R1から排出された排ガスEとの熱交換により予熱する構成を採用したが、高温状態の処理対象物X1を当該高温状態のまま還元室R2に投入するだけで還元室R2で処理対象物X1が十分高温に維持される場合などにおいて、かかる不活性ガスIを予熱する構成を適宜省略しても構わない。また、加熱室R1での加熱処理の排熱を利用して還元室R2で処理対象物X1を還元させるための構成としては、例えば、加熱室R1から排出された排ガスEを熱源として還元室R2を加熱する構成など、上記以外の構成を採用することができる。
(2)上記実施形態では、加熱処理部1を燃焼ガスCが処理対象物X0に対向して流れる対向流方式のロータリーキルンで構成したが、並行流方式に構成しても構わない。また、加熱処理部1としては、処理対象物X0が投入された加熱室R1において、当該処理対象物X0が燃焼ガスCに直接接触して加熱される直接燃焼式のものであれば、ストーカ炉や流動床炉などの別の加熱炉で構成しても構わない。
(3)上記第1実施形態では、還元室R2としてバッチ式還元室20a,20bを複数設け、それら複数のバッチ式還元室20a,20bに対して加熱処理後の処理対象物X1を順次払い出すことで、略連続的な還元処理を実行可能としたが、別に、単一のバッチ式還元室を設けて、還元処理をバッチ式に実行しても構わない。
(4)上記第2実施形態では、還元処理部4を、内部に加熱処理後の処理対象物X1が還元時間に亘って搬送される連続式還元室40を形成したスクリュー式コンベアで構成したが、連続式還元室40を形成可能なものであれば、還元処理部4を耐熱ベルト式コンベアなど別の形態の搬送手段で構成しても構わない。
(5)上記実施形態では、還元室R2で処理対象物X1を還元させるために必要な熱源の全てを、加熱室R1における加熱処理の排熱を利用して確保したが、別に、排熱以外の熱源を利用して還元室R2を加熱可能な加熱手段を追加して、その加熱手段により必要な熱源の一部を確保しても構わない。
1 加熱処理部
2,4 還元処理部
20a,20b バッチ式還元室
40 連続式還元室
100,200 放射性物質除去システム
C 燃焼ガス
I 不活性ガス
R1 加熱室
R2 還元室
X0、X1,X2 処理対象物

Claims (5)

  1. 放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する放射性物質除去方法であって、
    前記加熱処理後の処理対象物を還元雰囲気に維持された還元室に所定の還元時間に亘って保持する還元処理を実行すると共に、
    前記還元処理において、前記加熱処理の排熱を利用して前記還元室で前記処理対象物を還元させると共に、前記加熱処理の排熱を利用するにあたり、前記還元室を前記加熱室から高温状態の処理対象物が払い出される払出口の直下に配置して、前記加熱室から払い出された高温状態の処理対象物を当該高温状態のまま前記還元室に投入し、
    前記還元室に不活性ガスを充填して、当該還元室を前記還元雰囲気に維持すると共に、前記還元室に対する不活性ガスの充填を、前記処理対象物の出口側から供給して前記処理対象物の入口側から排出させる形態で行なう放射性物質除去方法。
  2. 前記還元室として、前記加熱処理後の処理対象物を収容し当該収容した処理対象物を前記還元時間経過後に払い出すバッチ式還元室を複数設け、
    前記複数のバッチ式還元室に対して前記加熱処理後の処理対象物を順次払い出す請求項1に記載の放射性物質除去方法。
  3. 前記還元室として、前記加熱処理後の処理対象物が前記還元時間に亘って搬送される連続式還元室を設けた請求項1に記載の放射性物質除去方法。
  4. 記還元処理において、前記加熱処理の排熱を利用するにあたり、前記還元室に供給される不活性ガスを前記加熱処理の排熱で予熱する請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射性物質除去方法。
  5. 放射性物質を含む処理対象物を加熱室で燃焼ガスに接触させて加熱する加熱処理を実行する加熱処理部を備えた放射性物質除去システムであって、
    前記加熱処理部から払い出された処理対象物を還元雰囲気に維持された還元室に保持する還元処理部を備えると共に、
    前記還元処理部が、前記加熱処理の排熱を利用して前記還元室で前記処理対象物を還元させると共に、前記加熱処理の排熱を利用するにあたり、前記還元室を前記加熱室から高温状態の処理対象物が払い出される払出口の直下に配置して、前記加熱室から払い出された高温状態の処理対象物を当該高温状態のまま前記還元室に投入するように構成され、
    前記還元室に不活性ガスを充填して、当該還元室を前記還元雰囲気に維持すると共に、前記還元室に対する不活性ガスの充填を、前記処理対象物の出口側から供給して前記処理対象物の入口側から排出させる形態で行なうように構成されている放射性物質除去システム。
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