JP5871565B2 - 系統安定化システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統で事故が発生した場合に、電力系統を安定に維持するための制御を行う系統安定化システムに関する。
系統化安定化システムは、事故が発生したことにより過負荷や電圧低下となる電力設備がある場合に、一部の負荷を遮断するなどして電力系統の安定状態を維持させるものである。一例として、特許文献1には、過負荷問題への対応を目的とした系統安定化システム(電力系統安定化制御装置)が記載されている。このシステムは、主に過電流リレー等に基づく簡便な手法を用いて実現されている。また、制御最適化への一手法として潮流計算を実施することで、過負荷となる電力設備を判定し、電力設備における過負荷に対して、複数の制御パターンにおける最適潮流計算を実施することで、最適制御パターンの選択を行う手法についても提案されている。
特開2005−151628号公報
特許文献1に記載された系統安定化システムなどの従来の系統安定化システムで実施している潮流計算は、演算量が大きいため、高機能な計算機をシステムに組み入れる必要があり、コストアップが避けられないという問題があった。
加えて、演算量の関係で、事故が発生してから潮流計算を行って電力系統の安定維持に必要な制御量を算出するまでの所要時間が大きくなり、迅速な制御が難しい。そのため、迅速な制御が必要な場合には、想定される事故ごとに対処方法(制御量)を予め決定しておき、それに従った対処を行う必要がある。しかし、この場合には、事故発生時の実際の系統状態に応じた柔軟な制御ができないという問題があった。
また、上記従来の一般的な系統安定化システムは、主に電力設備の過負荷のみを対象としており、電力系統における擾乱による電圧低下との複合問題に対しては十分な対応が行えないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、安定化制御を従来よりも少ない演算量で行う系統安定化システムを得ることを目的とする。また、事故発生時の迅速な制御と電力系統の状態に応じた柔軟な制御の両立が可能な系統安定化システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電力系統の不安定状態を検出した場合に負荷を遮断して安定化を図る系統安定化システムであって、電力系統内の所定箇所における電流値および電圧値と、電力系統内での発生が想定されるそれぞれの事故の内容とに基づいて、各事故が発生した場合の電力系統状態を示す系統モデルをそれぞれ作成し、さらに、作成した各系統モデルについての潮流値をフロー直流法およびフロー交流法を利用して算出し、算出した潮流値に基づいて、事故発生時に負荷の遮断が必要か否か、および遮断が必要な場合に遮断する負荷を示す対処内容を事故ごとに決定して保持しておき、事故が発生した場合には、保持している対処内容のうち、当該事故に対応する対処内容に従った制御を行うことを特徴とする。
この発明によれば、事前に決定しておく対処内容を少ない演算量で行うことができるとともに、事故が発生した場合の迅速な対応が可能となる、という効果を奏する。加えて、高性能な計算機を使用する必要が無くなるので、装置コストを削減できる、という効果を奏する。
図1は、本発明にかかる系統安定化システムの構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかる系統安定化システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。 図3は、事故ケースの一例を示す図である。 図4は、感度係数の一例を示す図である。 図5は、対処方法テーブルの一例を示す図である。 図6は、実施の形態2にかかる系統安定化システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態3にかかる系統安定化システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。 図8は、実施の形態4にかかる系統安定化システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。 図9は、実施の形態5にかかる系統安定化システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。
以下に、本発明にかかる系統安定化システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる系統安定化システムの構成例を示す図である。この系統安定化システムは、安定化制御装置1および複数の端末装置2(2A〜2G)を含んで構成されている。
安定化制御装置1は、各端末装置2を制御して、端末装置2が設置されている地点における電流値や電圧値の情報を収集するとともに、収集した情報に基づいて、事故発生時に遮断する負荷を決定する。各端末装置2は、電流値や電圧値を計測して安定化制御装置1へ通知する機能,電流値や電圧値の計測結果に基づいて事故発生の有無を判定するとともに、事故発生を検出した場合にはそれを安定化制御装置1へ通知する機能,安定化制御装置1からの指示に従って線路を開閉する機能などを有している。図1に示した系統安定化システムでは、端末装置2C〜2Gに対して負荷#1〜#5がそれぞれ接続されており、これらの端末装置2C〜2Gは、事故発生時に安定化制御装置1から指示を受けると、接続されている負荷を遮断して過負荷状態や電圧低下状態の解消を試みる。なお、事故発生の有無は、各端末装置2から通知される測定結果(電流値,電圧値)に基づいて安定化制御装置1が判定するようにしても構わない。各端末装置2は、電流や電圧を自ら測定するのではなく、外部の計器用変成器を利用して電流測定値や電圧測定値を得るようにしてもよい。
次に、本実施の形態の系統安定化システムの動作について、図2〜図5を用いて説明する。
<全体動作の概要>
図2は、実施の形態1にかかる系統安定化システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。本実施の形態の系統安定化システムでは、事前演算、すなわち、事故が発生する前(電力系統が安定している状態)に実行する動作として、安定化制御装置1が、各端末装置2で測定された電流値および電圧値を用いて潮流計算を行い、想定される事故が発生した場合に実施する対処の内容(対処方法)を決定する。また、事後演算、すなわち、事故が発生した後の動作として、事前演算で決定しておいた対処方法のうち、発生した事故の内容に対応する対処方法に従った制御を行う。潮流計算においては、簡便な計算として知られているフロー直流法およびフロー交流法を用いて演算量の削減を図る。
<事前演算>
事故が発生する前の通常時(電力系統が安定している状態)において、安定化制御装置1は、所定のタイミングで事前演算を行う。この事前演算では、まず、端末装置2が設置されている電力系統内の所定箇所における諸量(例えば、電流および電圧の測定値、以下、これらの測定値を系統データと呼ぶ)を端末装置2から収集する(ステップS11)。このステップS11の系統データ収集動作において、端末装置2は、最後に送信した系統データを記憶しておき、最後に送信したものから変更がない場合、その旨を示す情報(通常の系統データよりもデータ量が少ない情報とする)を送信するようにしてもよい。この場合、端末装置2から安定化制御装置1への伝送データ量を低く抑えることができる。また、最後に送信したものから変更が生じている場合にのみ送信するようにして伝送データ量をさらに低く抑えるようにしてもよい。
そして、安定化制御装置1は、各端末装置2からの系統データ収集が完了すると、収集した各系統データに基づいて、電力系統の系統モデルを作成する(ステップS12)。ここで、系統モデルは、電力系統内のノードの接続状態を示す情報であり、電力系統内の負荷や発電機、各線路などの接続状態を示す。安定化制御装置1は、例えば、各ノード間のリアクタンス値をそれぞれ算出し、系統モデルとして保持しておく。
安定化制御装置1は、次に、作成した系統モデルにおいて想定される事故ケースの中のいずれか一つを選択し(ステップS13)、選択した事故ケースに応じて系統モデルを修正する(ステップS14)。事故ケースの一例を図3に示す。図3の例では、線路ごとの複数パターンの地絡事故を事故ケースに含んでいる。図3において、事故ケースの線路名(線路A、線路B、…)の右隣に記載されている1φ1LGなどは、対応する線路で発生しうる地絡事故の種類を示している。例えば、1φ1LGは、3相交流2回線を同時に送電する場合に、6本の送電線のうち、1相1線が地絡した事故を示している。同様に、1φ2LGは、1相2線が地絡した事故を、2φ2LGは2相2線が地絡した事故を示している。他も同様である。
安定化制御装置1は、系統モデルの修正が終了すると、上記のステップS11で収集した系統データを用いて、修正後の系統モデルについての潮流計算を行って電力系統内の所定箇所の潮流値(有効電力および電圧値、以下同様)を算出するとともに、感度係数を求める(ステップS15)。感度係数とは、システムに接続されている各負荷(図1では負荷#1〜負荷#5となる)を遮断した場合の効果(影響量)を示す情報である。このステップS15で求める感度係数は、有効電力と電圧それぞれについて求める。有効電力の感度係数は、例えば、図4に示したような情報(例えば、負荷を遮断することにより変動する有効電力)となる。電圧の感度係数(負荷を遮断した場合の電圧値の変動量)も同様である。また、潮流計算では、簡便な計算方法であるフロー直流法およびフロー交流法を用いる。
安定化制御装置1は、次に、ステップS15を実行して得られた潮流値および感度係数に基づいて、選択中の事故ケースに対する対処方法を決定する(ステップS16)。具体的には、算出した潮流値それぞれについて、予め規定されている許容範囲内かどうかを確認する。すべての潮流値が許容範囲内にある場合、当該事故(ステップS13で選択した事故ケースに対応する事故)の発生時に負荷の遮断は不要と判断する。1つ以上の潮流値が許容範囲外となった場合には、範囲外となった潮流値が範囲内に収まるよう負荷を遮断することに決定する。このとき、潮流値の許容範囲からの逸脱量および感度係数に基づいて、潮流値(有効電力および電圧値)が効率的に許容範囲内に収まるよう、遮断する負荷を選択する。選択する負荷は複数の場合もある。「効率的に」とは、必要以上に多くの負荷を遮断しないように考慮して遮断する負荷を選択することを意味する。別の表現を用いれば、負荷を遮断した場合の影響が最小限となるように考慮して遮断対象の負荷を選択することを意味する。よって、潮流値が許容範囲内にぎりぎり収まるように負荷を選択するのが望ましい。許容範囲外となった潮流値が複数存在する場合には、各逸脱量と感度係数とに基づいて制御対象負荷(遮断する負荷)の組み合わせを決定する。
ステップS16の処理が終了すると、全ての事故ケースについて処理が終了したかどうか、すなわち、上記のステップS13〜S16をすべての事故ケースについて実行し、想定される全ての事故について対処方法を決定したかどうかを確認する(ステップS17)。対処方法が未決定の事故ケースが存在している場合(ステップS17:No)、対処方法が未決定の事故ケースについて、ステップS13〜S16を実行する。対処方法が未決定の事故ケースが存在していない場合(ステップS17:Yes)、事前演算を終了する。
図5は、事前演算を実行して得られる情報の一例を示す図であり、事故ケースごとの対処方法(遮断する負荷、または負荷の遮断が不要であること、を示す対処内容)をテーブル化したもの(以下、対処方法テーブルと呼ぶ)である。安定化制御装置1は、この対処方法テーブルを保持しておき、事故が発生した場合には、テーブルの内容に従った制御を実施する。例えば、線路Aで1φ1LG事故が発生した場合には、負荷#11を遮断する制御、すなわち、負荷#11の遮断指示を端末装置2に対して行う。線路Bで1φ1LG事故が発生した場合には、何も行わない。
なお、安定化制御装置1は、例えば一定周期ごとに、上述した事前演算を行い、図5に示した対処方法テーブルを更新する。対処方法テーブルを定期的に更新することにより、対処方法テーブル作成時の電力系統状態(特に、負荷の状態)と事故発生時の電力系統状態のずれが大きくなるのを抑えることができ、事故発生時に行う制御(対処方法)の精度を向上させることができる。
<事後演算>
端末装置2は、上述した電力系統の電圧,電流を所定のタイミングで測定し、その結果得られた系統データを安定化制御装置1へ送信する動作と平行して、電力系統で事故が発生していないかどうか確認する動作を実行している。また、事故の発生を検出した場合には、発生した事故の種別(事故ケース)を示す情報を含んだ起動信号を安定化制御装置1へ送信する。これに伴って、安定化制御装置1では事後演算が開始となる。
安定化制御装置1は、上述した事前演算を所定のタイミングで(例えば一定周期ごとに)行うとともに、事故の発生を示す信号(起動信号)が送信されてこないかどうか監視している。そして、起動信号を受信すると(ステップS21)、起動信号の内容を確認して起動判定を行う(ステップS22)。起動判定では、負荷を遮断する制御が必要か否かを判定する。具体的には、起動信号が示している事故の内容(事故ケース)と、上記の事前演算で作成した対処方法テーブル(図5参照)とを確認して、その後に実施する動作を決定する。例えば、図5に示した内容の対処方法テーブルを保持しており、かつ起動信号が「線路B 1φ1LG」を示している場合、「制御対象」が「なし」となっているので、負荷の遮断が不要と判断する(ステップS22:No)。一方、「制御対象」が「なし」以外の事故ケースでは(ステップS22:Yes)、「制御対象」に登録されている負荷の遮断を指示するための制御指令を端末装置2へ送信する(ステップS23)。この結果、事故の発生に伴う不具合(過負荷や電圧低下など)が解消される。
なお、上記説明では、フロー直流法およびフロー交流法を使用して潮流値を算出することとしたが、電力系統が過負荷状態か否かのみを監視する仕様の系統安定化システムの場合、フロー直流法のみで必要な潮流値を算出可能である。フロー直流法のみで潮流値を算出する場合、フロー交流法も使用する場合と比較して、演算量をさらに削減することができる。
このように、本実施の形態の系統安定化システムにおいて、安定化制御装置は、事故が発生する前の処理として、電力系統内の所定箇所の系統データ(電流測定値,電圧測定値)を収集して系統モデルを作成し、さらに、電力系統で想定される事故の種別(事故ケース)に応じて系統モデルを修正するとともに、演算量が少ない簡便な計算方法(フロー直流法、フロー交流法)を用いて潮流計算を行い、その結果得られた潮流値、および感度係数に基づいて、事故ケースごとの対処方法を決定しておき、事故が発生した場合には、事前に決定しておいた事故ケースごとの対処方法に従って、負荷を遮断する制御を実施することとした。これにより、事前に決定しておく対処方法を少ない演算量で行うことができるとともに、事故が発生した場合の迅速な対応が可能となる。加えて、デジタルリレー等に使用されている、処理能力がそれほど高くない計算機(従来の潮流計算で必要とされていた計算機よりも性能が低い計算機)を安定化制御装置の計算機として使用でき、装置コストの削減が可能となる。また、潮流値として有効電力および電圧値を算出し、有効電力と電圧値それぞれの感度係数を求め、有効電力よび電圧値がそれぞれの許容範囲内におさまるようにしたので、過負荷と電圧低下の複合問題にも対処できる。
実施の形態2.
実施の形態2の系統安定化システムについて説明する。なお、システムの構成は実施の形態1(図1参照)と同様とする。
実施の形態1で説明した系統安定化システムでは、図2に示した事前演算フローおよび事後演算フローに従った動作(事前演算および事後演算)を実行することにより、系統事故の発生に伴う過負荷状態や電圧低下状態を解消することができる。しかしながら、事前演算を実行して対処方法テーブルを作成してから実際に系統事故が発生するまでの経過時間が大きくなると、最適な制御を行うことができなくなるおそれがある。すなわち、対処方法テーブルが示している制御対象負荷を遮断しても不具合が解消されない場合や、必要以上に多くの負荷を遮断してしまう場合が考えられる。よって、事故発生時の制御(事後演算フローに従った制御)は、事故が発生する直前に作成・更新された対処方法テーブルに従って行う、または、事故発生後に収集された系統データに基づいて対処方法を決定するのが望ましい。このような事情を考慮して、本実施の形態の系統安定化システムでは、図6に示した手順で事後演算を実行し、上記問題を改善する。以下、本実施の形態にかかる事後演算の詳細について説明する。
図6は、実施の形態2にかかる系統安定化システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。事前演算も併せて記載しているが、この事前演算は図2に示した実施の形態1の事前演算と同一である。事後演算は、図2に示した事後演算に対してステップS24〜S29を追加したものである。ここでは、追加したステップS24〜S29について説明を行い他のステップについては説明を省略する。
事後演算において、安定化制御装置1は、事故発生時点で保持していた対処方法テーブルに従った制御(ステップS21〜S23)が終了すると、次に、各端末装置2に対して、現時点の系統データ(電流値,電圧値)の送信を指示して系統データを収集する(ステップS24)。そして、収集した系統データを使用して系統モデルの作成、および潮流計算を行い、潮流値および感度係数を求める(ステップS25,S26)。これらのステップS25およびS26の動作は、事前演算に含まれているステップS12およびS15と同様である。
安定化制御装置1は、さらに、対処方法を決定し(ステップS27)、決定した対処方法の内容に従った制御指令を送信する(ステップS28)。これらのステップS27およびS28の動作は、事前演算に含まれているステップS16、および上述したステップS23と同様である。ただし、ステップS27で決定した対処方法(制御対象の負荷)が、その時点で保持している対処方法テーブルに登録されている対処方法(制御対象の負荷)と一致している場合、制御指令信号を送信しなくてもよい(ステップS28を省略してよい)。また、ステップS28では、ステップS27で決定した対処方法で制御対象としなかった負荷が遮断された状態、すなわち、遮断する必要のない負荷が遮断された状態であれば、この遮断されている負荷の再接続を指示する制御指令も併せて送信する。
ステップS28が終了すると、安定化制御装置1は、監視時間が終了したかどうか、例えば、起動信号を受信して事後演算を開始してからの経過時間が規定値に達しているかどうかを確認し(ステップS29)、監視時間が終了していない場合(ステップS29:No)、ステップS24に戻って処理を継続する。一方、監視時間が終了した場合には(ステップS29:Yes)、動作を終了する。監視時間は、例えば、システムの構成(規模)に基づいて決定する。
このように、本実施の形態の系統安定化システムにおいて、安定化制御装置は、事故の発生を示す起動信号を端末装置から受信すると、まず、事前演算で作成した対処方法テーブルに従った制御を行い、さらに、最新の系統データを収集してこの収集した系統データに基づき、対処方法を再決定し、必要に応じて負荷の遮断制御および/または再接続制御を行う。これにより、事故が発生した場合の迅速な対応と、事故発生時の電力系統の状態に応じた柔軟な制御の両立が可能となる。すなわち、事前演算で作成しておいた対処方法テーブルが事故発生時の状態に即したものであれば、最適な制御を短時間で行うことができ、また、仮に、対処方法テーブルが事故発生時の状態に即したものではなくても、最新の系統データを用いて対処方法を再決定し、追加制御を行うので、電力系統の状態変化に追随させた制御ができる。
また、対処方法を決定する際に必要な潮流計算として、演算量が少ない計算方法(フロー直流法、フロー交流法)を使用しているので、追加制御を行うまでの所要時間を短くすることができ、状態変化に高精度に追随させることができる。
また、事前演算における潮流計算でもフロー直流法,フロー交流法を使用するので、従来使用されていた潮流計算方法と比較して演算量を大幅に削減できる。この結果、デジタルリレー等に使用されている、処理能力がそれほど高くない計算機を安定化制御装置の計算機として使用でき、装置コストの削減が可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3の系統安定化システムについて説明する。なお、システムの構成は実施の形態1(図1参照)と同様とする。
図7は、実施の形態3にかかる系統安定化システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。なお、実施の形態1,2で説明した制御動作(図2,図6参照)と同じ処理については、同じステップ番号を付して説明を省略する。
図示したように、本実施の形態の系統安定化システムにおける事前演算は、実施の形態1,2と同様である。また、事後演算は、実施の形態2の事後演算(図6参照)からステップS25およびS26を削除し、ステップS27をステップS27aに置き換えたものである。ステップS27aでは、事前演算のステップS13〜S15を実行して得られた感度係数と、ステップS24で収集した系統データとに基づいて対処方法を決定する。このステップS27aでは、電力系統内の所定箇所の系統データが許容範囲を逸脱しているかどうか確認し、許容範囲を逸脱している系統データが存在する場合には、逸脱量と感度係数とに基づいて、対処方法(遮断する負荷)を決定する。なお、許容範囲を逸脱している系統データが存在しない場合、対処方法は決定しない。ステップS28は、ステップS27aで対処方法(遮断する負荷)を決定した場合に実行する。
このように、本実施の形態の系統安定化システムにおいて、安定化制御装置は、事前演算で決定しておいた制御(対処方法テーブルに従った制御)を行った後の制御において使用する感度係数として、事前演算で算出済みの感度係数を使用することとした。これにより、事故発生後に実施する追加制御にかかる演算量を低く抑えることができる。また、追加制御を実施するまでの所要時間を短縮できる。
実施の形態4.
実施の形態4の系統安定化システムについて説明する。なお、システムの構成は実施の形態1(図1参照)と同様とする。
図8は、実施の形態4にかかる系統安定化システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。なお、実施の形態1〜3で説明した制御動作(図2,図6,図7参照)と同じ処理については、同じステップ番号を付して説明を省略する。
本実施の形態の系統安定化システムが行う事前演算は、実施の形態1〜3で説明した事前演算からステップS16を削除し、対処方法テーブルを作成しないようにしたものである。また、事後演算は、実施の形態3で説明した事後演算(図7参照)からステップS23を削除し、対処方法テーブルに従った制御を行わないようにしたものである。
このような制御とすることにより、事前演算および事後演算にかかる演算量を実施の形態3よりもさらに削減することができる。
実施の形態5.
実施の形態1〜4では、オンラインで取得した系統データを用いて事前演算を行い、事後演算で必要な情報(対処方法テーブル,感度係数)を算出するようにしていたが、図9に示したように、事前演算をオフライン演算で行うようにすることも可能である(ステップS31)。オフライン演算においても、潮流値をフロー直流法およびフロー交流法にて算出する。本実施の形態によれば、事前演算にかかる演算量を低く抑えることができる。
以上のように、本発明は、電力系統の安定度を維持するための系統安定化システムとして有用である。
1 安定化制御装置
2A〜2G 端末装置

Claims (9)

  1. 電力系統の不安定状態を検出した場合に負荷を遮断して安定化を図る系統安定化システムであって、
    電力系統内の所定箇所における電流値および電圧値と、電力系統内での発生が想定されるそれぞれの事故の内容とに基づいて、各事故が発生した場合の電力系統状態を示す系統モデルをそれぞれ作成し、さらに、作成した各系統モデルについての潮流値をフロー直流法およびフロー交流法を利用して算出し、算出した潮流値に基づいて、事故発生時に負荷の遮断が必要か否か、および遮断が必要な場合に遮断する負荷、を示す対処内容を事故ごとに決定して保持しておき、
    前記遮断する負荷を決定する場合、まず、前記潮流値に基づいて、複数存在する負荷それぞれを個別に遮断した場合の有効電力の影響量を示す第1の感度係数および電圧の影響量を示す第2の感度係数を算出し、次に、当該第1の感度係数および当該第2の感度係数に基づいて遮断する負荷を決定し、
    事故が発生した場合には、保持している対処内容のうち、当該事故に対応する対処内容に従った制御を行うことを特徴とする系統安定化システム。
  2. 前記対処内容を事故ごとに決定して保持しておく処理を定期的に実行することを特徴とする請求項1に記載の系統安定化システム。
  3. 電力系統の不安定状態を検出した場合に負荷を遮断して安定化を図る系統安定化システムであって、
    電力系統内の所定箇所における電流値および電圧値と、電力系統内での発生が想定されるそれぞれの事故の内容とに基づいて、各事故が発生した場合の電力系統状態を示す系統モデルをそれぞれ作成し、さらに、作成した各系統モデルについての潮流値をフロー直流法およびフロー交流法を利用して算出し、算出した潮流値に基づいて、事故発生時に負荷の遮断が必要か否か、および遮断が必要な場合に遮断する負荷、を示す対処内容を事故ごとに決定して保持しておき、
    前記遮断する負荷を決定する場合、まず、前記潮流値に基づいて、複数存在する負荷それぞれを個別に遮断した場合の有効電力の影響量を示す第1の感度係数および電圧の影響量を示す第2の感度係数を算出し、次に、当該第1の感度係数および当該第2の感度係数に基づいて遮断する負荷を決定し、
    事故が発生した場合には、保持している対処内容のうち、当該事故に対応する対処内容に従った制御を行い、さらに、電力系統内の所定箇所における電流値および電圧値に基づいて、追加制御が必要かどうかを判定し、追加制御が必要な場合には、負荷を追加遮断する制御または遮断済みの負荷を再接続する制御を行うことを特徴とする系統安定化システム。
  4. 追加制御の内容を決定する際に必要な潮流値を、フロー直流法およびフロー交流法を利用して算出することを特徴とする請求項に記載の系統安定化システム。
  5. 前記対処内容を事故ごとに決定して保持しておく処理を定期的に実行することを特徴とする請求項またはに記載の系統安定化システム。
  6. 前記追加制御として負荷を追加遮断する場合には、遮断する負荷を、電力系統が安定している状態において算出済みの第1の感度係数および第2の感度係数に基づいて決定することを特徴とする請求項3、4または5に記載の系統安定化システム。
  7. 電力系統の不安定状態を検出した場合に負荷を遮断して安定化を図る系統安定化システムであって、
    電力系統内の所定箇所における電流値および電圧値と、電力系統内での発生が想定されるそれぞれの事故の内容とに基づいて、各事故が発生した場合の電力系統状態を示す系統モデルをそれぞれ作成し、さらに、作成した各系統モデルについての潮流値をフロー直流法およびフロー交流法を利用して算出し、算出した潮流値に基づいて、複数存在する負荷それぞれを個別に遮断した場合の有効電力の影響量を示す第1の感度係数および電圧の影響量を示す第2の感度係数を事故ごとに算出して保持しておき、
    事故が発生した場合、電力系統内の所定箇所における電流値および電圧値と、保持している第1の感度係数および第2の感度係数とに基づいて、負荷の遮断が必要か否かの判定を行い、遮断が必要な場合には、さらに、遮断する負荷を決定し、決定した負荷の遮断を行うことを特徴とする系統安定化システム。
  8. 前記第1の感度係数および前記第2の感度係数を事故ごとに算出して保持しておく処理を定期的に実行することを特徴とする請求項に記載の系統安定化システム。
  9. 電力系統が過負荷状態か否かのみを監視して不安定状態を検出する場合、前記潮流値を前記フロー直流法のみを利用して算出することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の系統安定化システム。
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