JP6091004B2 - 電力系統安定化システム、方法及びサーバ - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統の安定化運用を行う電力系統安定化システム、方法及びサーバに関する。
今後電力系統には、再生可能エネルギーをはじめとする天候によって出力が変動する電源(出力変動型電源)が大量導入される予定である。また、近年、世界各国で電力自由化が進み、設備投資が抑制され、既存の送電線に流れる電力潮流が増加している(重潮流化している)。重潮流の状態で潮流変動が大きくなると、電力系統の安定度(系統安定度)が悪化する可能性があり、電力系統の事故(系統事故)発生時には電力の安定供給が困難になる。そのため、このような現象に対応可能な電力系統安定化システムが求められている。
従来の電力系統安定化システムは、事故発生後に、緊急の制御を行う方式(事後制御方式)であり高コストであった。例えば、電源遮断制御(電制)や負荷遮断制御(負制)や調相制御があった。しかし、事後制御方式は、系統データの計測に高速で信頼性の高い計測装置および通信ネットワークが必要であるため、コストが高くなるという課題があった。
本技術分野の背景技術として、特許文献1には、電力系統監視制御対象の送電線事故が安定領域Aの場合に、送電線の受電端の有効電力潮流を安定領域Aから不安定領域Bになる直前まで増加させ、安定領域Aで送電を監視維持し、安定領域Aで突発的に負荷が急変して事故が生じても発電機は平衡状態にあり、事故が解決すれば、直ちに発電機は運転を開始することで、停電時間を少なくして経済的であると共に、電力の供給に対する信頼性を確保することができることが記載されている。
また、非特許文献1には、以下の3つの条件を満足する最大通過可能電力量を該当送電線の運用目標としている。(1)送電線の熱容量最大限度を最大通過可能電力量の最大値とする。(2)系統事故発生時に母線電圧が許容値以内に入るような最大の送電線有効電力潮流を最大通過可能電力量の最大値とする。(3)系統事故発生時に特定の母線間の位相差が許容値以内に入るような最大の送電線有効電力潮流を最大通過可能電力量の最大値とするという内容が記載されている。
電力市場では、特許文献1および非特許文献1に示されるように、送電線の熱容量制約や系統事故発生時に母線電圧や母線間の位相差が許容値以内に入るように最大通過可能電力量を該当送電線の運用目標としている。今後は、さらに、系統事故時の過渡安定度が維持できるような最大の送電線有効電力潮流を最大通過可能電力量の最大値とする必要がある。
このように電力系統の運用制約を考慮しつつ経済的な電力市場の運用を実現するための方法として、非特許文献2にあるようにLMP(Locational Marginal Price、地域別限界価格)を利用した電力市場管理方法がある。LMPは、発電限界費用と送電混雑費用と限界損失費用の総和で表され、送電線制約を考慮して電力市場内における電気の卸売価格を決定することができる。LMPは系統接続点毎に設定される電力料金のことであり、系統接続点を電力が通る場合は、LMPが発生することになる。そのため、発電事業者からすれば、電力料金がなるべく高いときに売電することが目的となり、LMPが低いときには送電線に流れる潮流が増加する。一方、LMPが高いときには、送電線に流れる潮流が減少する。
このような電力市場の原理と、電力系統の安定度を維持するための安定化料金をLMPに付加することで、系統に流れる潮流を間接的に制御することができる。
特開2003−348754号公報
PJM Manual 03: Transmission Operations、 Revision: 41 (2012) 混雑緩和におけるLMP手法の検討:P1-2、2004発行
しかし、上記のように系統事故発生時に、電源又は負荷制御によって、発電事業者等が失うコストは大きく、今後再生可能エネルギーが大量に導入された場合には、さらにその影響度は大きくなる可能性が高い。
また、発生する確率の低い事故に対して、当該事業者に事前に発電力抑制の運用対策を課すのは困難である。
上記目的を達成するために、本発明の一態様である電力系統の安定化運用を行う電力系統安定化システムにおいて、 想定事故が発生したときに前記電力系統における潮流変動が大きくなる潮流断面を探索する潮流断面探索部と、前記潮流断面における前記電力系統に接続する機器に対する制御内容を決定する制御内容事前決定部と、前記制御内容を用いて前記電力系統における所定の接続点ごとに安定化料金を決定する安定化料金決定部とを備えることを特徴とする。
また、当該安定化料金を送信又は表示する機能、及び関連する方法発明も含む。
本発明によれば、発電事業者と需要家が電力の売買を行う電力市場において、系統事故発生前に予め電制等に係る制御量並びに損失するコストを求め、当該制御量及びコストに基づいた安定化料金を電気料金に反映することで、事故発生前に間接的に安定化制御を行い、電力系統の安定度を向上することができる。また、想定事故発生時の制御内容と電力料金の関係を明示することで、電力料金の変更理由の透明性を確保する。
電力系統安定化サーバの全体構成と電力市場管理サーバへの出力データの例である。 電力系統安定化サーバのハード構成と電力市場管理サーバと電力系統の全体図の例である。 プログラムデータD8の内容を示す図の例である。 電力系統需給管理サーバ(EMS:Energy Management System)と電力系統安定化サーバの送受信データと、電力系統安定化サーバと電力市場管理サーバの送受信データの一例を示す図である。 電力市場管理サーバ上の電力市場に対する発電事業者と需要家それぞれの送受信データと、発電事業者と需要家間のやりとりの一例を示す図である。 電力系統安定化サーバの処理の全体を示すフローチャートの例である。 潮流断面探索ステップS2の処理の全体を示すフローチャートの例である。 各発電機出力に対する制御内容の計算ステップS3の処理の全体を示すフローチャートの例である。 安定化料金計算ステップS4の処理の全体を示すフローチャートの例である。 潮流変動範囲データD1の一例を示す図である。 想定事故データD4の一例を示す図である。 発電機出力に対する制御内容を繰り返し計算によって求めた、発電機出力に対する制御内容データD6の一例を示す図である。 安定化料金換算データD5における事故発生確率と損失と利得の一例を示す図である。 安定化料金換算データD5における制御内容と容量とその損失の一例を示す図である。 安定化料金換算データD5における制御内容を料金換算するために必要な安定化料金換算係数の一例を示す図である。 安定化料金換算データD5における制御内容と安定化料金換算係数を用いて安定化料金に換算する一例を示す図である。 系統接続点毎の安定化料金データD7の一例を示す図である。 電力系統安定化サーバから電力市場管理サーバに安定化料金を送信し、安定化料金を使用することで、間接的な安定化制御を実施した際の効果の一例を示す図である。 本発明の電力系統安定化サーバで算出した安定化料金と電力系統における安定化料金マップと事故発生時コストを表示することで間接的な安定化制御を実施した際の効果の一例を示す画面インターフェースの一例である。 本発明の電力系統安定化サーバで算出した安定化料金による間接的な安定化制御の根拠となる制御内容の一例を示す画面インターフェースの一例である。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。尚、下記はあくまでも実施の例に過ぎず、下記具体的内容に発明自体が限定されることを意図する趣旨ではない。
本実施例では、電力系統安定化サーバ10で発電機出力に対する制御内容データ51と系統接続点毎の安定化料金データ52を算出し、電力市場管理サーバ200に送信する電力系統安定化システムの例について、まず入力と出力と処理からなる全体構成の例を図1で説明し、次に電力系統安定化サーバ10と電力系統100と電力市場管理サーバ200のハード構成を図2で説明する。
図1は、潮流変動範囲データD1と潮流断面探索部35と発電機出力に対する制御内容計算部36と系統接続点毎の安定化料金決定部からなる電力系統安定化サーバ10と電力市場管理サーバ200の構成を示した図である。電力系統安定化サーバ10の最低限の入力データは、潮流変動範囲データD1である。その他の入力データとしてもよいデータに関しては、図2において説明する。電力系統安定化サーバ10の潮流断面探索部35では、潮流変動範囲データD1と予めセットされた系統データD2と発電機データD3と想定事故データD4を用いて、ある設定回数まで繰り返し計算を行い過酷な潮流断面を探索する。また、発電機出力に対する制御内容の計算部36では、潮流断面探索部35の計算結果である過酷な潮流断面と予めセットされた系統データD2と発電機データD3と想定事故データD4を用いて、発電機出力に対する制御内容データD6を計算する。また、系統接続点毎の安定化料金決定部37では、発電機出力に対する制御内容の計算部36の計算結果である発電機出力に対する制御内容データD6と安定化料金換算データD5を用いて系統接続点毎の安定化料金データD7を計算する。前記発電機出力に対する制御内容データD6と安定化料金換算データD5は、発電機出力に対する制御内容データ51と系統接続点毎の安定化料金データ52という情報として、電力市場管理サーバ200に送信される。前記発電機出力に対する制御内容データ51と系統接続点毎の安定化料金データ52の情報を受けた電力市場管理サーバ200は、前記情報に従い、電力市場を管理運営する。なお、電力市場管理サーバ200内に電力系統安定化サーバ10に係る機能構成を有する形態も考えられる。
図2は、電力系統安定化サーバ10と電力系統100と電力市場管理サーバ200と通信ネットワーク300のハード構成を示した図である。電力系統100は、ノード(母線)120および121を介してそれぞれ接続する、発電機110と変圧器130とブランチ140と負荷150のいずれか又は複数で構成される。電力系統100に接続する電力系統需給管理サーバ210は、通信ネットワーク300を介して電力系統安定化サーバ10の通信部13と接続し、データを送受信する。また、電力系統需給管理サーバ210に代わって、発電機110や負荷150などの電力系統に設置される計測通信装置から、通信ネットワーク300を介して電力系統安定化サーバ10の通信部13と接続し、データを送受信してもよい。電力市場管理サーバ200は、通信ネットワーク300を介して電力系統安定化サーバ10の通信部13と接続し、データを送受信する。また、電力市場管理サーバ200は、通信ネットワーク300を介して電力系統100の発電機事業者と需要家150と接続し、データを送受信する。送受信する各種データに関しては、図4および図5にて説明する。
ここで、電力市場管理サーバ200にアクセスする電源110は一つまたは複数の電源を所有する発電所を運営する発電事業者であってもよい。また、電力市場管理サーバ200にアクセスする負荷150は、一つまたは複数の需要家やその他の分散型電源を含む電源やバッテリーや制御機器を含んだ負荷であってもよい。また、電源110と負荷150は、ある範囲の電力系統において各種機器を一括で管理するシステムであってもよい。例えば、地域エネルギー管理システム(CEMS:Community Energy Management System)である。
次に、電力系統安定化サーバ10の構成について説明する。表示部11、キーボードやマウス等の入力部12、通信部13、コンピュータや計算機サーバ(CPU:Central Processing Unit)14、メモリ15、各種データベース(潮流変動範囲データベース21と系統データベース22と発電機データベース23と想定事故データベース24と安定化料金換算データベース25と発電機出力に対する制御内容データベース26と系統接続点毎の安定化料金データベース27とプログラムデータベース28)がバス線40に接続されている。表示部11は、例えば、ディスプレイ装置として構成される。
表示部11は、例えば、ディスプレイ装置に代えて、またはディスプレイ装置と共に、プリンタ装置または音声出力装置等を用いる構成でもよい。入力部12は、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティング装置、タッチパネル、音声指示装置等の少なくともいずれか一つを備えて構成できる。通信部13、通信ネットワーク300に接続するための回路及び通信プロトコルを備える。CPU14は、プログラムデータベース31から所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行する。CPU14は、一つまたは複数の半導体チップとして構成してもよいし、または、計算サーバのようなコンピュータ装置として構成してもよい。メモリ15は、例えば、RAM(Random Access Memory)として構成され、プログラムデータベース31から読み出されたコンピュータプログラムを記憶したり、各処理に必要な計算結果データ及び画像データ等を記憶したりする。メモリ15に格納された画面データは、表示部11に送られて表示される。表示される画面の例は後述する。
ここで、図3を参照して、プログラムデータベース28の記憶内容を説明する。プログラムデータベース28には、例えば、状態推定計算プログラムP10と潮流計算プログラムP20と潮流断面探索プログラムP30と過渡安定度計算プログラムP40と制御内容計算算プログラムP50と安定化料金計算プログラムP60が格納されている。
図2に戻り、CPU14は、プログラムデータベース28からメモリ15に読み出された計算プログラム(状態推定計算プログラムP10と潮流計算プログラムP20と潮流断面探索プログラムP30と過渡安定度計算プログラムP40と制御内容計算算プログラムP50と安定化料金計算プログラムP60)を実行して、状態推定計算、潮流計算、潮流断面探索、過渡安定度計算、安定化料金計算、表示すべき画像データの指示、各種データベース内のデータの検索等を行う。メモリ15は表示用の画像データ、状態推定計算データ、潮流計算データ、潮流断面探索データ、過渡安定度計算データ、安定化料金計算データ等の計算一時データ及び計算結果データを一旦格納するメモリであり、CPU14によって必要な画像データを生成して表示部11(例えば表示ディスプレイ画面)に表示する。
次に、図4を参照して、電力系統需給管理サーバ210と電力系統安定化サーバ10と電力市場管理サーバ200の通信ネットワーク300を介して送受信する各種データについて説明する。電力系統需給管理サーバ210から電力系統安定化サーバ10には、系統データ50が送信される。系統データ50は、例えば、計測通信装置で計測された電力系統各所の電圧と電流と電圧位相角からなるデータと、各計測情報を識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含む。電力系統安定化サーバ10から電力系統需給管理サーバ210には、発電機出力に対する制御内容データ51が送信される。ただし、送信されなくてもよい。発電機出力に対する制御内容データ51は、例えば、想定事故ケース毎の各発電機出力が増減した際の制御量の増減量からなるデータと、各制御内容を識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含む。電力系統安定化サーバ10から電力市場管理サーバ200には、発電機出力に対する制御内容データ51と系統接続点毎の安定化料金データ52が送信される。発電機出力に対する制御内容データ51は、例えば、想定事故ケース毎の各発電機出力が増減した際の制御量の増減量からなるデータと、各情報を識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含む。系統接続点毎の安定化料金データ52は、発電事業者の一つまたは複数の発電所が電力系統に接続するノードである系統接続点毎に算出した安定化料金データ52と、各情報を識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含む。電力市場管理サーバ200から電力系統安定化サーバ10には、電力価格データ53が送信される。電力価格データ53は、例えば、発電事業者と需要家が電力市場において電力売り入札データ54と電力買い入札データ55をした際に、系統安定度を保つために計算された安定化料金を加味した電力料金の情報と、各情報を識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含む。各情報には事前に固有番号が設定されており、電力系統需給管理サーバ210と電力系統安定化サーバ10と電力市場管理サーバ200では、各機器の固有番号を予め把握している。なお、通信ネットワーク300を介して、各計測通信装置および各機器は、図外のタイムサーバに接続されている。
次に、図5を参照して、電力市場管理サーバ200と発電事業者110と需要家150の通信ネットワーク300を介して送受信する各種データについて説明する。発電事業者110から電力市場管理サーバ200には、電力売り入札データ54が送信される。電力売り入札データ54は、例えば、電力を売りたい時間帯とその価格と電力量からなるデータと、発電事業者を識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含む。また、需要家150から電力市場管理サーバ200には、電力買い入札データ55が送信される。電力売り買いデータ55は、例えば、電力を買いたい時間帯と希望価格と電力量からなるデータと、需要家を識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含む。電力市場管理サーバ200から発電事業者110および需要家150には、電力系統安定化サーバ10において系統安定度を保つために計算された安定化料金を加味した電力料金の情報である電力価格データ53が送信される。電力価格データ53は、例えば、電力の売買価格と電力量からなるデータと、電力市場を識別するための固有番号と、タイムスタンプとを含む。需要家150は発電事業者110から約定された電力価格データ53に基づいた時間帯に電力57を契約した量だけ契約した価格で電力系統100を介して受電する。また、需要家150から発電事業者110には、約定された電力価格データ53に基づいた電力料金をある一定期間ののちに支払う。
次に電力系統安定化サーバ10の計算処理内容について説明する。図6は、電力系統安定化サーバ10に格納された潮流変動範囲データD1と、電力系統需給管理サーバから受信したもしくは予めセットもしくは入力された統データD2と発電機データD3と想定事故データD4と安定化料金換算データD5をメモリに読み込み(ステップS1)、潮流変動範囲データD1と系統データD2と発電機データD3と想定事故データD4を用いて、ある設定回数まで繰り返し計算を行い過酷な潮流断面を探索し(ステップS2)、過酷な潮流断面と系統データD2と発電機データD3と想定事故データD4を用いて、発電機出力に対する制御内容データD6を計算し(ステップS3)、発電機出力に対する制御内容データD6と安定化料金換算データD5を用いて系統接続点毎の安定化料金データD7を計算し(ステップS4)、発電機出力に対する制御内容データ51と系統接続点毎の安定化料金データ52という情報として、電力市場管理サーバ200に送信し(ステップS5)、発電機出力に対する制御内容データ51と系統接続点毎の安定化料金データ52という情報を画面に表示して(ステップS6)、計算終了となる。以上の処理の流れを説明する。
まずステップS1では、潮流断面探索と各発電機出力に対する制御内容の計算と安定化料金計算に必要なデータの設定を行う。電力系統安定化サーバ10に格納された潮流変動範囲データD1と、電力系統需給管理サーバから自動で受信し記憶した、もしくは予めセットし記憶された、もしくは入力され記憶された系統データD2と発電機データD3と想定事故データD4と安定化料金換算データD5をメモリに読み込む。なお、各データの入力の際はCPU14によって必要な画像データを生成して表示部11に表示する。入力の際は、補完機能を利用して、大量のデータを設定できるように半手動にしてもよい。自動で入力する場合は、発電事業者や各需要家と契約を結ぶアグリゲータや電力会社や仲介業者の系統管理サーバやCEMSやHEMSを介して間接的にデータを受信し設定してもよい。
ここで、各種データベースについて説明を加える。電力系統安定化サーバ10には、大きく分けて8つのデータベースが格納される。プログラムデータベース28を除く、潮流変動範囲データベース21と系統データベース22と発電機データベース23と想定事故データベース24と安定化料金換算データベース25と発電機出力に対する制御内容データベース26と系統接続点毎の安定化料金データベース27について説明する。
潮流変動範囲データベース21には、各電源や負荷におけるある計測周期内における出力変動の範囲が記憶されている。ここで、図10のデータを参照する。図10は、潮流変動範囲データの一例である。各時刻でこの上下限値が設定されている。
系統データベース22には、電力系統100内に設置された計測通信装置によって計測されたり電力系統の構成情報などの電力系統の情報(系統データ)が記憶されている。前記系統データとは、例えば、ネットワーク構成データとブランチと変圧器に関する定数である正相抵抗と正相リアクタンスと正相キャパシタンスとバンク数とタップ比などや、ブランチと変圧器と発電機と負荷とノードの接続関係が分かるデータや、時間断面毎に、計測通信装置で計測されたデータ、電圧V、電流I、力率が記憶されている。また、状態推定に必要な計測通信装置の計測誤差が記憶されている。電力系統の構成情報や計測データは、電力系統需給管理サーバ210や中央給電指令所のような系統管理サーバを介して受信してもよい。また、前記計測通信装置で計測できない場合は、計画値を予め入力し使用してもかまわない。
発電機データベース23には、発電機110の系統連系地点と定格容量と定格出力と現在出力と発電機モデルと発電機定数と制御系モデルと各計測通信装置の計測値または計画値が記憶されている。
想定事故データベース24には、想定する事故の箇所や機器とその様相が記憶されている。ここで、図11のデータを参照する。図11は、想定事故データの一例である。想定事故は、過酷な順に並んでいてもよい。はじめは、入力手段によって手入力されるが、周期的な過渡安定度計算およびスクリーニング計算により、現在の潮流断面に対する安定度を把握し、過酷なものだけをリストアップしてもよい。
安定化料金換算データベース25には、想定事故の発生確率と発生時の制御による経済的損失と発生時の制御によって得る事のできる社会的な利得リストや、電源遮断制御や負荷遮断制御、調相設備制御などの制御を実施することで生じる経済的損失リストや、各発電機出力が増減した際に発生する制御に対して掛け合わせるとコストとなるコスト換算係数データや、想定事故毎の発電機出力に対する制御内容をコストに換算しさらに安定化料金に換算するためのデータ、が記憶されている。ここで、図13〜16のデータを参照する。図13は、安定化料金換算データD5における事故発生確率と損失と利得の一例である。図14は、安定化料金換算データD5における制御内容と容量とその損失の一例である。図15は、安定化料金換算データD5における制御内容を料金換算するために必要な安定化料金換算係数の一例である。図16は、安定化料金換算データD5における制御内容と安定化料金換算係数を用いて安定化料金に換算する一例である。前記安定化料金換算データは、予め入力しておく必要がある。安定化料金換算方法については、後述する。
発電機出力に対する制御内容データベース26には、各想定事故発生時の各発電機出力の増減時の制御量が記憶されている。ここで、図12のデータを参照する。図12は、各発電機出力に対する想定事故発生時の制御量を算出してプロットした一例である。発電機出力に対する制御内容の計算方法については、後述する。
系統接続点毎の安定化料金データベース27には、系統接続点に対する安定化料金が記憶されている。ここで、図17のデータを参照する。図17は、系統接続点に対する安定化料金リストの一例である。安定化料金の算出方法については、後述する。
ここで、電力系統安定化サーバ10の計算処理内容の説明に戻る。
ステップS2では、過酷な潮流断面の探索を行う。電力系統安定化サーバ10の潮流断面探索部35において、潮流変動範囲データD1と予めセットされた系統データD2と発電機データD3と想定事故データD4を用いて、潮流断面探索プログラムP30を用いて、各種プログラムを設定回数まで繰り返し計算を行い過酷な潮流断面を探索する。
ここで、図7を参照して、潮流断面探索ステップS2の処理フローを説明する。
ステップS201では、初期潮流断面の設定を行う。ステップS1で記憶した系統データD2と潮流計算に必要な有効電力P、無効電力Q、電圧V、電圧の位相δ、の計測可能な値と計測誤差を用いて、状態推定プログラムP10および潮流計算プログラムP20の計算により、計測時刻における系統の初期潮流断面を計算し、記憶する。なお、状態推定計算とは、変電所、発電所、送電線をはじめとした電力送配電機器の観測データ、ならびに接続データをもとに、観測データ中の異常データの有無を判定と除去を行い特定の時間断面におけるもっともらしい系統状態を推定する計算機能のことである。ここで、状態推定計算は、例えば、Lars Holten, Anders Gjelsvlk, Sverre Adam, F. F. Wu, and Wen-Hs Iung E. Liu, Comparison of Different Methods for State Estimation, IEEE Transaction on Power Systems, Vol. 3 (1988), p.1798-1806の各種方法などに即して行う。また、潮流計算では、系統データベース22の潮流計算に必要な各ノード120の電圧Vと負荷の出力指令値PとQを用いて、電力系統100中の発電機ノードと同期調相機と無効電力補償装置をPV指定し、変電所ノードと負荷ノードをPQ指定し、電力系統100中に予め設定したスラックノードに予め設定したノード電圧Vと位相角θを指定し、系統データベース25から作成したアドミタンス行列Yijと共に、ニュートンラプソン法を用いて、潮流計算を実施し、計算結果を記憶する。なお、潮流計算手法は、交流法を基本とするが、直流法やフロー法などを用いてもよい。なお、各計測通信装置によって計測した現在の潮流状態を基に潮流計算をする場合は、各計測通信装置で計測した電圧Vと電流Iと力率cosφから、PとQを求める。
ステップS202では、ステップS203〜ステップS210の繰り返し計算回数をカウントし、事前に入力されたもしくはデータベースに記述された設定回数まで繰り返し完了されたかどうかを判定する。前記カウントが設定回数以内の場合には、ステップS203へ進み、設定回数より大きい場合には、ステップS211へ進む。
ステップS203では、潮流変動の設定を行う。潮流変動とは、再生可能エネルギーを代表する出力変動型電源や負荷の計測周期間の出力変動のことである。図10に示すような各接続ノードの機器に関する出力変動範囲データD1の上下限値のいずれかをランダムに選択し、初期潮流断面から潮流変動した状態を設定する。この各接続ノードは、潮流変動を生じる出力変動型電源や負荷が接続されるノードに限られる。ここで、ランダムに選択するために、乱数を用いる。乱数は、プログラム上で使用するため、疑似乱数であるメルセンヌ・ツイスタなどを用いる。ステップS203〜ステップS210の繰り返し計算は、疑似乱数を用いたモンテカルロ法で実施することで、計算量を削減することができる。
ステップS204では、ステップS205〜ステップS209の繰り返し計算した想定事故を記憶し、事前に入力されたもしくはデータベースに記述された想定事故が全て選択されたかどうかを判定する。前記想定事故が全て選択された場合には、ステップS210へ進み、まだ全て選択されていない場合には、ステップS205へ進む。
ステップS205では、想定事故の選択を実施する。図11に示す想定事故データD4のリストから、優先される事故の順番で選択する。再度、ステップS204から想定事故の選択の必要が生じた場合、次の事故を選択する。
ステップS206では、過渡安定度計算プログラムP40を用いて過渡安定度計算を実施する。ステップS201で計算された状態推定と潮流計算の結果と、ステップS1でメモリ15に読み出された、想定事故データと、系統データと、発電機データを使用して、過渡安定度計算を行う。計算結果をメモリ15に保存する。前記過渡安定度計算とは、電力系統の事故に対する過渡安定性を計算する手法である。過渡安定度計算の方法は、PRABHA KUNDUR、The EPRI Power System Engineering Series、Power System Stability and Control、EPRI、(1994)に記載の計算方法などに即して行う。
ステップS207では、ステップS206の過渡安定度計算の結果である発電機内部相差角などが予め設定された閾値を逸脱しているか評価することで、過渡安定かどうかを評価している。過渡安定である場合には、ステップS210に進み、過渡不安定である場合には、ステップS208に進む。
ステップS208では、一時制御内容をメモリ15に保存した後に、再度過渡安定度計算を実施し過渡安定とするために、ステップS206の処理に戻る。
ステップS209では、過渡安定となった想定事故に対する制御内容を決定し、メモリ15に保存する。その後、ステップS204に戻り、全想定事故を選択終了となるまで、上記計算を繰り返す。
ステップS210では、ステップS204の全想定事故を選択終了となった時に、ステップS210に進み、制御内容をメモリ15に保存する。ここで、計算された制御内容と1ステップ前に計算された制御内容を比較して制御量が大きいものの制御内容と潮流変動条件をメモリ15に保存し、ステップS202に戻る。
ステップS211では、ステップS202で設定回数まで繰り返し計算が終了した時に、動作し、それまでにステップS210において保存された最も制御量が大きく最も過酷な制御内容と潮流変動条件をメモリ15に保存し、保存された初期潮流断面に潮流変動が生じた場合の発電機出力に対する制御内容を、発電機出力に対する制御内容データD6に保存する。
以上で、図6のステップS2の処理が終了となる。
ステップS3では、制御内容計算プログラムP50を用いて、各発電機出力が変化した場合の制御内容の計算を行う。ステップS2で保存された初期潮流断面に潮流変動が生じた場合の潮流断面と、初期潮流断面に潮流変動が生じた場合の発電機出力に対する制御内容と、ステップS1でメモリ15に読み出された、想定事故データと、系統データと、発電機データを使用して、制御内容計算プログラムP50および各種プログラムを設定の発電機出力変動範囲まで繰り返し計算を行い、各発電機出力に対する制御内容を計算する。
ここで、図8を参照して、各発電機出力に対する制御内容の計算ステップS3の処理フローを説明する。
ステップS301では、ステップS2で保存された初期潮流断面に潮流変動が生じた場合の潮流断面をメモリ15に読み出す。
ステップS302では、ステップS303〜ステップS310の繰り返し計算に対して、発電機が全て選択されたかをカウントし、事前に入力されたもしくはデータベースに記述された全ての発電機に対する繰り返し計算が完了されたかどうかを判定する。前記カウントにより全ての発電機が選択完了した場合には、ステップS302は終了となり、選択すべき発電機がある場合には、ステップS303へ進む。
ステップS303では、全ての発電機に対する繰り返し計算が完了されるまでデータベースに設定された順番通りに発電機の選択を行う。
ステップS304では、ステップS305〜ステップS310の繰り返し計算した想定事故を記憶し、事前に入力されたもしくはデータベースに記述された想定事故が全て選択されたかどうかを判定する。前記想定事故が全て選択された場合には、ステップS302へ進み、まだ全て選択されていない場合には、ステップS305へ進む。
ステップS305では、想定事故の選択を実施する。図11に示す想定事故データD4のリストから、優先される事故の順番で選択する。再度、ステップS304から想定事故の選択の必要が生じた場合、次の事故を選択する。
ステップS306では、予め設定された設定範囲内で発電機出力を予め設定された変動幅で変更が完了したかを判定する。すべての変動幅まで変更が完了している場合にはステップS304に戻り、変更が完了していない場合にはステップS307に進む。
ステップS307では、予め設定された設定範囲内で発電機出力を予め設定された変動幅で変更を行う。変動幅には上下限値があるため、増加方向と減少方向にそれぞれ変更する。
ステップS308は、過渡安定度計算プログラムP40を用いて過渡安定度計算を実施する。ステップS2で計算された状態推定と潮流計算の結果と、ステップS1でメモリ15に読み出された、想定事故データと、系統データと、発電機データを使用して、過渡安定度計算を行う。計算結果をメモリ15に保存する。前記過渡安定度計算とは、電力系統の事故に対する過渡安定性を計算する手法である。過渡安定度計算の方法は、ステップS2と同様である。
ステップS309では、ステップS308の過渡安定度計算の結果である発電機内部相差角などが予め設定された閾値を逸脱しているか評価することで、過渡安定かどうかを評価している。過渡安定である場合には、ステップS309に進み、過渡不安定である場合には、ステップS310に進む。
ステップS310では、一時制御内容をメモリ15に保存した後に、再度過渡安定度計算を実施し過渡安定とするために、ステップS308の処理に戻る。
ステップS311では、過渡安定となった各発電機出力に対する制御内容を決定し、メモリ15および発電機出力に対する制御内容データD6に保存する。その後、ステップS306に戻り、予め設定された設定範囲内で変更終了となるまで、上記計算を繰り返す。また、ステップS304とステップS302の繰り返し計算が終了するまで上記計算を繰り返す。
以上で、図8のステップS3の処理が終了となる。ここで、発電機出力に対する制御内容は図12のように保存され、画面でみることができ、電力市場管理サーバ200に送信される。また、発電機出力に対する制御内容はCPU14によって必要な数値データや画像データの一方または両方を生成して表示部11に表示する。また、図12のように保存された発電機出力に対する制御内容は、(1)式のように対象となる発電機出力の変化量に対する想定事故発生時の制御量の総和として計算される。
ここで、Ptは各発電機出力、iは想定事故の種類、Fi(Pt)は各発電機出力に対する想定事故iの制御量、Fsum(Pt)はFi(Pt)の総和、である。
次に、ステップS4では、安定化料金計算プログラムP60を用いてステップS5の計算結果である発電機出力に対する制御内容を安定化料金に換算する計算を行う。ステップS1で保存された安定化料金換算データD5と、ステップS1でメモリ15に読み出された、系統データと、発電機データと、ステップS3で保存された発電機出力に対する制御内容データD6、を使用して、安定化料金計算プログラムP60を系統データと発電機データからわかる系統接続点数の最大まで繰り返し計算を行い、系統接続点毎の安定化料金を計算し保存する。なお、以下では系統接続点毎に当該安定化料金を計算するフローを説明するが、系統接続点毎だけでなく、ある系統接続エリアに対して決定しても良い。
ここで、図9を参照して、系統接続点毎の安定化料金の計算ステップS4の処理フローを説明する。
ステップS401では、ステップS3で保存された発電機出力に対する制御内容をメモリ15に読み出し、ステップS402〜ステップS406の繰り返し計算に対して、発電機が全て選択されたかをカウントし、事前に入力されたもしくはデータベースに記述された全ての発電機に対する繰り返し計算が完了されたかどうかを判定する。前記カウントにより全ての発電機が選択完了した場合には、ステップS401は終了となり、選択すべき発電機がある場合には、ステップS402へ進む。
ステップS402では、全ての発電機に対する繰り返し計算が完了されるまでデータベースに設定された順番通りに発電機の選択を行う。
ステップS403では、(2)式で示すコスト換算係数Kiと(3)式で示す発電機jのコストCostjの計算を行う。
ここで、fiは想定事故の発生確率、Ldは電制や負制などの各制御内容によって失われる経済的なコスト(例えば電制することによって、発電機会を失うことで経済的損失が生じる)、Lidは前記電制や負制の各制御内容を実施することで防止できる被害発生時のコスト(利得)、iは想定事故の種類、Kiはコスト換算係数、である。fiが不明の場合は統計データから求められる統計値によって事前に設定されるが、統計データがない場合には、全ての想定事故の発生確率を同一値としてもよい。また、LdおよびLidは、予め系統データ内の設備に対して設定しておく。fiとLdとLidは図13に示されるようなリストとして、予め入力・記憶されている。また、図13の損失を計算するために必要な各制御内容に対する損失は、図14に示されるようなリストとして、予め入力・記憶されている。また、PtとKi(Pt)の関係は、図15に示すように計算することができる。図15は、画面でみることもでき、制御内容の透明性確保の一つの証拠として電力市場管理サーバ200に送信される。
ここで、Kiはコスト換算係数、Ptは各発電機出力、Ki(Pt)はPtにおけるコスト換算係数、Fi(Pt)は各発電機出力に対する想定事故iの制御量、jは各発電機の種類、Costjは発電機jにおけるコスト、である。
次に、ステップS404では、(4)式で示す料金設定係数ajによって安定化料金PPSSj(発電機jのPrice of Power Ssytem Stabilizationを、PPSSjと略した)の計算を行い、メモリ15に保存される。ajの大きさは電力系統安定化システムの必要性に応じて重みを変更することが可能である。また、ajは、基本的に正の値をとる。この理由は、電力市場の原理を利用するためである。LMPを利用した電力料金設定では、系統接続点を電力が通る場合は、LMPが発生することになる。そのため、 LMPが低いとき(送電コストが安いとき)には送電線に流れる潮流が増加し、一方、LMPが高いとき(送電コストが高いとき)には送電線に流れる潮流が減少する。つまり、安定化料金を電力料金に付加する際には、安定化料金がマイナスであればLMPは安くなることになり、発電事業者の売電量は増え、送電線に流れる潮流が増大する。また、安定化料金がプラスであれば電力料金は高くなり、系統安定度が悪化していた送電線に流れる潮流が減少する。そのため、発電事業者は,LMPが高い送電線を介して電力供給するのではなく、LMPが低い送電線を介して電力供給をしようと考えるため、系統安定度の余裕がない送電線に流れる潮流は減少し、系統安定度に余裕のある送電線に流れる潮流が増加することとなり、系統安定度悪化を防止する効果がある。
ここで、ajは発電機jの料金設定係数、Costjは発電機jにおけるコスト、PPSSjは発電機jの安定化料金、である。Costjに対するPPSSjは図16のように示され、この直線の傾きがajとなる。
ステップS405では、ステップS404で求めた発電機j毎に算出されたPPSSjに関して、発電機を集約した発電所の接続ノード(系統接続点)に対して合計を算出する。なお、安定化料金に換算するまえから、系統接続点に集約されて、安定化料金に換算されてもよい。PPSSjは図17のようにリストとして、系統接続点毎の安定化料金データベースD7に保存され、画面でみることもでき、電力市場管理サーバ200に保存される。
ステップS405の処理を実施後、ステップS401に戻って、全ての発電機を選択完了したところで、図9のステップS4の処理が終了となる。
なお、以上のステップS1〜S4の間の繰り返し計算において、無限ループが発生しないように、ある程度の回数のループが回った場合には、強制的にループの外にでるように設定しておく。
ここで、図6の電力系統安定化サーバの処理の全体を示すフローチャートの説明に戻る。
ステップS5では、ステップS1〜S4までで求めた発電機出力に対する制御内容データD6と系統接続点毎の安定化料金データD7を電力市場管理サーバ200に送信する。この安定化料金を送信後、電力市場管理サーバ200で電力市場の電力の売買価格が変更されると、図18に示すように事故発生時コストが時間経過後に低下するという効果が得られる。これにより系統安定度を向上することができる。
ステップS6では、ステップS1〜S4までで求めた発電機出力に対する制御内容データD6と系統接続点毎の安定化料金データD7を系統安定化サーバ10および電力市場管理サーバ200において表示する。
ここで、ステップS6の電力系統安定化サーバにおける、表示方法を説明する。ここでは、ディスプレイ画面への表示を説明する。
図19を用いて系統状態(ステータス)310と安定化料金リスト320と電力系統の安定化料金マップ330と事故発生時コスト340のディスプレイ画面の一例を説明する。いつ安定化料金を送信し、どのように事故発生時コストが低下したかを時系列的に表示することによって、簡単に効果を確認可能である。また、安定化料金マップを表示することで、現状の系統の安定度が悪化している地域および安定化料金が、直感的に把握し易くなる利点がある。ここでは、画面への出力例を示したが、書類等に印刷可能なフォーマットのデータとしてユーザに提供してもよい。
次に、図20を用いて系統状態(ステータス)310と各発電機出力に対する制御内容350と各発電機出力に対するコスト換算係数360のディスプレイ画面の一例を説明する。前記安定化料金の換算経過を表示することによって、系統安定度の厳しさの把握と安定化料金の透明性の確保が可能である。ここでは、画面への出力例を示したが、書類等に印刷可能なフォーマットのデータとしてユーザに提供してもよい。
なお、本発明によって算出した安定化料金は、LMPに適用した場合について説明を行ったが、LMP以外にも、全体の需給バランスに基づいて電力価格を決定し、混雑が発生する場合には、地域間の混雑に応じて各地域価格を決定する仕組みであるNord Poolシステムや、発電事業者の発電機の需給計画にも活用できると考えられる。
10:電力系統安定化サーバ
11:表示部
12:入力部
13:通信部
14:CPU
15:メモリ
21:潮流変動範囲データ(潮流変動範囲データベース)
22:系統データ(系統データベース)
23:発電機データ(発電機データベース)
24:想定事故データ(想定事故データベース)
25:安定化料金換算データ(安定化料金換算データベース)
26:発電機出力に対する制御内容データ(発電機出力に対する制御内容データベース)
27:系統接続点毎の安定化料金データ(系統接続点毎の安定化料金データベース)
28:プログラムデータ(プログラムデータベース)
35:潮流断面探索部
36:発電機出力に対する制御内容の計算部
37:系統接続点毎の安定化料金決定部
40:バス線
50:系統データ
51:発電機出力に対する制御内容データ
52:系統接続点毎の安定化料金データ
53:電力価格
54:電力売り入札
55:電力買い入札
56:電力料金
57:電力
100:電力系統
110、110a、110b:電源(発電事業者)
120a〜120c、121a〜121c:ノード(母線)
130a〜130c:変圧器
140a〜140c:ブランチ(線路)
150:負荷(需要家)
200:電力市場管理サーバ
210:電力系統需給管理サーバ
220:発電事業者
300:通信ネットワーク

Claims (14)

  1. 電力系統の安定化運用を行う電力系統安定化システムにおいて、
    想定事故が発生したときに前記電力系統における潮流変動が大きくなる潮流断面を探索する潮流断面探索部と、
    前記潮流断面における前記電力系統に接続する機器に対する制御内容を決定する制御内容事前決定部と、
    前記制御内容を用いて前記電力系統における所定の接続点ごとに安定化料金を決定する安定化料金決定部と、
    を備え
    前記安定化料金決定部は、前記制御内容によって生じるコストに基づいて、安定化料金を決定すること
    を特徴とする電力系統安定化システム。
  2. 請求項1に記載の電力系統安定化システムおいて、
    前記制御内容事前決定部で決定する制御内容は、各想定事故における電源及び/又は負荷遮断制御量の総和であること
    を特徴とする電力系統安定化システム。
  3. 請求項1又は2に記載の電力系統安定化システムおいて、
    前記制御内容は、前記潮流断面から各発電機出力の増減量に応じて変化すること
    を特徴とする電力系統安定化システム。
  4. 請求項1又は3の何れかに記載の電力系統安定化システムおいて、
    前記制御内容事前決定部で決定する制御内容は、想定事故が発生したときの各発電機の過渡安定度に基づいて求めること
    を特徴とする電力系統安定化システム
  5. 請求項4に記載の電力系統安定化システムおいて、
    前記過渡安定度は、各発電機の内部相差角が予め設定された閾値の範囲内外かについて評価すること
    を特徴とする電力系統安定化システム
  6. 請求項に記載の電力系統安定化システムおいて、
    前記コストが増加したとき安定化料金は増加し、前記コストが減少したとき安定化料金は減少すること
    を特徴とする電力系統安定化システム。
  7. 請求項又はの何れかに記載の電力系統安定化システムおいて、
    前記コストは、想定事故の発生確率、前記制御内容によって失われる経済的なコスト、前記制御内容を実施することで防止できるコスト及び前記制御内容における前記制御量に基づいて決定すること
    を特徴とする電力系統安定化システム。
  8. 請求項1に記載の電力系統安定化システムおいて、
    前記安定化料金は、系統の接続点ごとに、接続される単数又は複数の発電機を纏めて求めること
    を特徴とする電力系統安定化システム
  9. 請求項1に記載の電力系統安定化システムおいて、
    前記電力系統の接続点ごとにおける安定化料金を電力管理サーバに送信する
    ことを特徴とする電力系統安定化システム。
  10. 請求項1に記載の電力系統安定化システムおいて、
    前記電力系統の接続点ごとにおける安定化料金を表示する安定化料金表示部を更に備えること
    を特徴とする電力系統安定化システム。
  11. 請求項1に記載の電力系統安定化システムおいて、
    前記電力系統の潮流が混雑した場合、混雑状況に応じて、所定の電力価格から前記安定化料金に基づいて修正することを特徴とする電力系統安定化システム。
  12. 電力系統の潮流変動を抑制する制御を行う電力系統安定化方法において、
    想定事故が発生したときに前記電力系統における潮流変動が大きくなる潮流断面を探索する潮流断面探索ステップと、
    前記潮流断面における前記電力系統に接続する機器に対する制御内容を決定する制御内容事前決定ステップと、
    前記制御内容を用いて前記電力系統における所定の接続点ごとに安定化料金を決定する安定化料金決定ステップと、
    を含み、
    前記安定化料金決定ステップは、前記制御内容によって生じるコストに基づいて、安定化料金を決定すること
    を特徴とする電力系統安定化方法。
  13. 電力系統の安定化運用を行う電力系統安定化サーバにおいて、
    想定事故が発生したときに前記電力系統における潮流変動が大きくなる潮流断面を探索する潮流断面探索部と、
    前記潮流断面における前記電力系統に接続する機器に対する制御内容を決定する制御内容事前決定部と、
    前記制御内容を用いて前記電力系統における所定の接続点ごとに安定化料金を決定する安定化料金決定部と、
    を備え、
    前記安定化料金決定部は、前記制御内容によって生じるコストに基づいて、安定化料金を決定すること
    を特徴とする電力系統安定化サーバ。
  14. 電力系統の安定化運用を行う電力系統安定化システムにおいて、
    想定事故が発生したときに前記電力系統における潮流変動が大きくなる潮流断面を探索する潮流断面探索部と、
    前記潮流断面における前記電力系統に接続する機器に対する制御内容を決定する制御内容事前決定部と、
    前記制御内容を用いて前記電力系統における所定の接続点ごとに安定化料金を決定する安定化料金決定部と、
    前記安定化料金に基づいて電力料金を含む電力価格データを作成する電力市場管理サーバと、を備え、
    前記安定化料金決定部は、前記制御内容によって生じるコストに基づいて、安定化料金を決定し、
    前記電力価格データに基づいて系統の運用管理を行うことを特徴とする電力系統安定化システム。
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