JP2017085777A - 保護継電システム、保護継電器、および保護継電器用プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】最適な動作整定値を自動的に設定することができる保護継電システム、保護継電器および保護継電器用プログラムを提供する。
【解決手段】電力系統Eに配置された複数の保護継電器1を有する保護継電システムにおいて、複数の保護継電器1は、ネットワークNを介して接続され、複数の保護継電器1のそれぞれは、電力系統Eに関する情報と、各保護継電器1が有する電力系統Eの運用情報に基づき、保護協調カーブを作成する保護協調カーブ作成部13と、保護協調カーブ作成部13が作成した保護協調カーブと、他の保護継電器1の保護協調カーブの協調がとれているか否かを確認する保護協調確認部20と、保護協調カーブから動作整定値を決定する整定値演算部11と、保護協調カーブや動作整定値を含む整定情報について、ネットワークNを介して他の保護継電器1との間で送受信を行う送受信部30と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、複数の保護継電器を含む保護継電システム、保護継電器、保護継電器用プログラムに関する。
保護継電器を用いて電力システムを保護する保護継電システムは、送電線保護システムや系統安定化制御システムなど、多岐に亘る用途に適用されている。保護継電器は電力系統の電圧や電流等の情報に基づいて事故を検出し、遮断器に対して事故区間を切り離す指令を出力する。
通常、電力系統には複数の保護継電器が設置されている。複数の保護継電器は、電力系統の電源側である上流系から末端負荷側である下流系において、それぞれの保護対象区間を有する。この場合、各保護継電器の保護協調をとることにより、誤遮断や誤不遮断が回避される必要がある。
保護協調をとる方法としては、電力系統の情報に基づいて、各保護継電器の電流−時間特性を示す保護協調カーブを求め、この保護協調カーブが交差しないように保護範囲を設定する方法がある。保護協調カーブを適正に作成することで、電力系統の下流側の保護継電器から遮断器に対する遮断指令を出力するように、動作特性と動作整定値を設定することができる。
特開2000−175346号公報
ところで、保護継電器の動作整定値は、作業者等が手動で算出している。電力系統は大変複雑な構成を有しているため、電力系統全体の協調を満たすような動作整定値の設定には大幅な手間が掛かっている。具体的には、複数の保護継電器の特性、整定範囲に加え、負荷設備の性能等を考慮した上で、上流側および下流側の保護継電器の協調を満たすように複雑な演算を手動で行う必要があった。
さらに、各保護継電器に対して得られた動作整定値の入力も、保護継電器一つ一つについて作業者が手作業で行っていた。電力系統における複数の保護継電器は一箇所に配置されていることは少なく、近年では各保護継電器間の距離は大きくなる一方である。そのため、設定作業にかかる手間は非常に大きかった。また、手作業による入力では、入力ミス等が発生するおそれがあった。さらに、負荷設備の増設や変更がある度に、再計算された動作整定値を手作業で入力必要があり、作業工数が増大していた。
本発明の実施形態は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。その目的は、保護協調が必要な複数の保護継電器について、最適な動作整定値を自動的に設定することができる保護継電システム、保護継電器、保護継電器用プログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の実施形態の保護継電システムは、複数の保護継電器を有する保護継電システムにおいて、前記複数の保護継電器は、ネットワークを介して接続され、前記複数の保護継電器のそれぞれは、前記電力系統に関する情報と、各保護継電器が有する電力系統の運用情報に基づき、保護協調カーブを作成する保護協調カーブ作成部と、前記保護協調カーブ作成部が作成した保護協調カーブと、他の保護継電器の保護協調カーブの協調がとれているか否かを確認する保護協調確認部と、前記保護協調カーブから動作整定値を決定する整定値演算部と、前記保護協調カーブや前記動作整定値を含む整定情報について、前記ネットワークを介して他の保護継電器との間で送受信を行う送受信部と、を有する。
実施形態の保護継電システムを示すブロック図である。 保護協調カーブの一例を示すグラフである。 保護協調カーブの調整を説明するためのグラフであり、(a)が調整前のグラフ、(b)が調整後のグラフである。 実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
[基本構成]
本実施形態の構成を、図面を参照して説明する。まず、本実施形態の保護継電器が配置される電力系統の構成について、図1を参照して説明する。保護継電システムが有する保護継電器1a、1b、1c、および1dは、保護対象となる電力系統Eに接続されている。電力系統Eは、送電線W、遮断器2a、2b、2c、および2d、変流器3a、3b、3c、および3dを有する。遮断器2a、2b、2c、2dおよび変流器3a、3b、3c、3dは、送電線Wの各端子に接続されている。
送電線Wは、電力を伝達する電線路である。なお、本実施形態における送電線Wは、三相交流であるが、簡略化して単相で図示している。送電線Wの上流側には、ケーブルヘッドCを介して、電力会社が管轄する変電所の保護継電器(不図示)が接続されている。ケーブルヘッドCの下流側には、電力系統Eにおいて最上流側の遮断器である遮断器2aが接続されている。遮断器2aの下流側には、変流器3aが接続されている。保護継電器1aは、遮断器2aと変流器3aに接続されている。変流器3aの下流側には、遮断器2bおよび変流器3bが接続されている。保護継電器1bは、遮断器2bおよび変流器3bに接続されている。
変流器3bの下流側には、遮断器2cと遮断器2dが並列に接続されている。遮断器2cには、変流器3cを介して、例えばモーターや変圧器等の負荷設備4cが接続されている。保護継電器1cは、遮断器2cおよび変流器3cに接続されている。また、遮断器2dには、変流器3dを介して、負荷設備4dが接続されている。保護継電器1dは、遮断器2dおよび変流器3dに接続されている。本実施形態では、保護継電器1cおよび1dが、最下流側の保護継電器である。
なお、保護継電器の個数は、4個に限定されるものではなく複数であれば良い。同様に遮断器および変流器は、保護継電器に対応する個数が設けられていれば良い。また、末端負荷は3以上並列に設けてもよく、その場合には末端負荷の個数と同じ個数の保護継電器等を末端負荷の上流側に設ければ良い。
以上のような電力系統Eにおいて、保護継電器1a、1b、1c、および1dは、ネットワークNを介して接続されている。ネットワークNにより、各保護継電器1a、1b、1cおよび1dは相互に接続され、各保護継電器間でのデータの送受信が可能となるように構成されている。
以下の説明では、保護継電器1a、1b、1c、および1dを区別しない場合には保護継電器1と示す場合がある。同様に、遮断器2a、2b、2c、および2dを遮断器2、変流器3a、3b、3c、および3dを変流器3、と示す場合がある。
保護継電器1は、事故を検出し、遮断器3に遮断指令を出力することにより、電力系統Eを保護する装置である。変流器2は、電流を検出する検出器である。遮断器3は、保護継電器4からの遮断指令に応じて、遮断動作を行う装置である。遮断動作とは、例えば事故時の電流を遮断する動作である。保護継電器1は、変流器2が検出した電流に基づいて、遮断器3を遮断するか否かを判断する機能を有する。
例えば、保護継電器1aは、変流器2aが検出した電流に基づいて、遮断器3aに遮断指令を出力するように構成されている。保護継電器1b、1c、および1dについても、構成は同様である。以上のような保護継電器1としては、例えば、PCM電流作動リレーを用いることができる。
[保護継電器の構成]
次に、保護継電器1の具体的な構成について、図1のブロック図を参照して説明する。図1では、保護継電器1aについて、構成の詳細を示している。他の保護継電器1b、1cおよび1dも同様の構成を有しているため、図示は省略する。なお、以下では保護協調に関する処理部を中心に説明し、通常の保護制御に関する処理部については説明を簡略化する。
通常の保護制御に関する処理部としては、例えば、不図示の事故検出手段と保護出力手段がある。事故検出手段は、変流器2から入力された電流および、不図示の電圧計測手段から入力された電圧から、予め設定された動作特性を満たすか否かの判断を行う処理部である。保護出力手段は、事故検出手段が動作条件を満たす場合、すなわち事故の場合に、遮断器2に対して遮断指令を出力する処理部である。
保護継電器1は、具体的には、CPUやメモリを含み所定のアプリケーションで動作するコンピューターや専用の電子回路で構成されている。保護継電器1には、入力部101や出力部102が接続されている。保護継電器1は、演算部10、保護協調確認部20、送受信部30、記憶部40を有する。
(入力部)
入力部101には、動作整定値を決定するために必要な電力系統Eに関する情報の入力を行う入力装置と、入力された情報を保護継電器1に通知するインターフェースが含まれる。入力部101は、例えば作業者が保護継電器1への操作要求を入力する機能を有する。入力装置としては、例えば、タッチパネル(出力部102の表示装置に設置されているものを含む)、マウス、およびキーボードなどを用いることができる。
電力系統Eに関する情報としては、電力会社によって定められる短絡電流、変流器比(CT比)、保護継電器1の特性、限時要素,瞬時要素,時間整定等の整定範囲がある。また、電力系統Eに関する情報には、負荷設備の情報である、負荷設備の突入(始動電流)の有無、励磁電流、定格電流等の情報も含まれている。
(出力部)
出力部102には、保護継電器1からの情報を出力するインターフェースと、出力された情報に基づいてユーザに操作内容の確認や選択をさせる画面を表示する表示装置が含まれる。出力部102は、例えば保護継電器1の状態を一覧や図で示したり、システムや作業者の操作に対する警報を表示する機能を有する。表示装置としては、例えば、液晶表示パネルなどの表示画面を持つディスプレイを用いることができる。
(演算部)
演算部10は、動作整定値を演算する処理部である。演算部10は、動作整定値の算出にあたり、入力部101を介して作業者が入力した情報に加え、各保護継電器1が有する電力系統Eの電流値、電圧値、および開閉器の状態等の電力系統Eの運用情報を用いる。演算部10は、整定値演算部11、短絡電流算出部12、保護協調カーブ作成部13、保護協調カーブ調整部14を有する。
整定値演算部11は、限時要素、瞬時要素、動作要素等の動作整定値を算出する処理部である。整定値演算部11は、後述する保護協調カーブから、保護協調を満足する動作整定値を抽出し決定する機能を有する。整定値演算部11は、決定した動作整定値を整定情報として記憶部40および送受信部30に出力する。短絡電流算出部12は、各電圧系における最大短絡電流と、最小短絡電流とを算出する処理部である。
保護協調カーブ作成部13は、短絡電流算出部12の計算結果、入力部101を介して入力された情報、および保護継電器1が有する電力系統の運用情報を用いて、保護継電器1の電流−時間特性を表した保護協調カーブを作成する。また、下流側の保護継電器1においては、保護協調カーブ作成部13は、電力系統に関する情報として、上流側の保護継電器の整定情報を用いる。保護協調カーブ作成部13が作成する保護協調カーブの一例を、図2に示す。保護協調カーブ作成部13は、作成した保護協調カーブを保護協調確認部20に出力する。
図2では、例として、保護継電器1aと保護継電器1bの保護協調カーブを図示している。表中範囲Aに示す短絡電流は、任意の事故点で発生した短絡事故による最大短絡電流値と最小短絡電流値の範囲である。この範囲Aにおいて、保護継電器1bは、保護継電器1aよりも短時間で動作するように設定されている。このように、保護協調カーブは、下流側の保護継電器から上流側の保護継電器の順に遮断されるように設定されることが好ましい。各保護継電器1の保護協調カーブが交差する場合、短絡電流によっては上流側の保護継電器が先に遮断されるケースが生じる。このような状態を、保護協調がとれていないと捉えることができる。
保護協調カーブ調整部14は、例えば下流側における他の保護継電器1の保護協調確認部20が、保護協調カーブ作成部13が作成した保護協調カーブが、上流側の保護継電器の保護協調カーブと保護協調がとれていないと判断した場合に、上流側の保護継電器1の保護協調カーブを調整する処理部である。例えば、保護継電器1cの保護協調確認部20が、保護継電器1cの保護協調カーブ作成部13が作成した保護協調カーブが、保護継電器1bの保護協調カーブと保護協調がとれていないと判断した場合を想定する。その場合、保護継電器1bの保護協調カーブ調整部14は、保護継電器1cからの出力を受けて、保護継電器1bの保護協調カーブを調整する。
なお、最上流の保護継電器1aについては、電力会社により動作整定値が予め定められている場合が多く、動作整定値の調整が不要となる。従って、保護協調カーブ調整部14を設けない構成とすることもできる。保護協調カーブ調整部が14保護協調カーブを調整する例を、図3を用いて説明する。
図3(a)は、保護継電器1bの保護協調カーブと、保護継電器1cの保護協調カーブに交差点が存在し、保護協調がとれていない場合を示している。この場合、保護継電器1cの保護協調確認部20は保護協調がとれていないと判断し、保護継電器1bにその旨を出力する。すると、保護継電器1bの保護協調カーブ調整部14は、図3(b)に示すように、保護継電器1aの保護協調カーブとの保護協調を満足することが可能な範囲で、保護継電器1bの保護協調カーブを移動させる。以上のような処理を行うことで、保護継電システム全体において、保護協調がとれるか否かが再検討される。
(保護協調確認部)
保護協調確認部20は、保護協調カーブ作成部13が作成した保護協調カーブが、他の保護継電器1の保護協調カーブと保護協調がとれているか否かを判断する処理部である。保護協調確認部20は、例えば複数の保護協調カーブにおいて、交差点が存在するか否かを判断する。交差点が存在しない場合には保護協調がとれていると判断し、保護協調カーブを、整定値演算部11に出力する。一方、交差点が存在する場合には、保護協調がとれていないと判断し、その旨を出力部102に出力する。
(送受信部)
送受信部30は、保護協調確認部20から入力された保護協調カーブや整定値演算部11が演算した動作整定値等の整定情報について、送受信を行う処理部である。送受信部30は、ネットワークNを介して、整定情報を他の保護継電器1の送受信部30に送信する。同様に、他の保護継電器1の送受信部30が送信した整定情報を、ネットワークNを介して受信する。送受信部30は、受信した整定情報を、記憶部40に出力する。
(記憶部)
記憶部40は、本実施形態の処理に必要な各種の情報を記憶する記憶部である。すなわち、記憶部40は、保護協調カーブおよび動作整定値等の整定情報を記憶する。記憶部40が記憶する整定情報には、送受信部30が受信した他の保護継電器1に関するものも含む。記憶部40に記憶された保護協調カーブおよび動作整定値は、入力部101からの操作要求を受けて、出力部102に表示することができる。また、動作整定値は、不図示の事故検出手段に出力される。事故検出手段の動作整定値を更新することにより、事故検出手段の動作特性を変化させることが可能となっている。
[作用]
以上のような構成を有する保護システムの動作を、図4のフローチャートを参照して説明する。まず、作業者は、入力部101を介して、動作整定値を決定するために必要な情報を保護継電器1に入力する(ステップS01)。具体的には、最上流側の保護継電器1aに、短絡電流、CT比、電力会社によって定められる動作整定値を入力する。また、負荷4cおよび4dが設けられている最下流側の保護継電器1cおよび1dに、それぞれの負荷設備の情報を入力する。
保護継電器1aの保護協調カーブ作成部13は、入力された情報等に基づいて、保護協調カーブを作成する。保護協調確認部20は、電力会社が管轄する変電所の保護継電器の保護協調カーブと、保護継電器1aの保護協調カーブについて、保護協調がとれているか否かを確認する(ステップS02)。保護継電器1aの保護協調確認部20が、保護協調がとれていないと判断した場合(ステップS02のNo)、出力部にその旨が表示される。
最上流側の保護継電器1aの動作整定値は、電力会社により予め決定されている。そのため、変電所の保護継電器と保護協調がとれないという事態が、現実に発生する可能性は極めて低い。ただし、作業者による情報の入力ミス等があった場合には、保護協調がとれないケースも考えられる。そのため、出力部102にエラーを表示し、作業者に入力された情報の確認を促す。
一方、保護継電器1aの保護協調確認部20が、保護協調がとれていると判断した場合(ステップS02のYes)、整定情報が記憶部40に記憶される。また、保護継電器1aの送受信部30は、ネットワークNを介して、保護継電器1bの送受信部30に整定情報を送信する(ステップS03)。保護継電器1bの送受信部30は、保護継電器1aから受信した整定情報を演算部10に出力する。保護協調カーブ作成部13は、入力された整定情報に基づき、保護継電器1bの保護協調カーブを作成する(ステップS04)。保護協調カーブ作成部13は、算出した保護協調カーブを保護協調確認部20に出力する。
保護継電器1bの保護協調確認部20は、保護継電器1aの保護協調カーブと、保護継電器1bの保護協調カーブとが、保護協調がとれているか否かを判断する(ステップS05)。保護継電器1bの保護協調確認部20が、保護協調がとれていないと判断した場合(ステップS05のNo)、保護継電器1bの出力部102にその旨が表示される(ステップS06)。この場合、作業者は、保護協調がとれていなくても、電力系統Eに影響が出ないか否かを確認する。
例えば、4階建てのビルを想定した場合、4階から順次一階ずつ遮断されていくことが好ましいとする。しかし、複数の保護継電器1間で保護協調がとれていない場合には、4階のみを遮断すれば良い事故であっても、4階および3階が同時に遮断されるケースが生じることになる。この場合、例えば3階に重要設備がある場合には、保護協調がとれていないと電力系統Eに影響が出る。ただし、この重要設備を1階等に移動することで、保護協調がとれておらず遮断範囲が必要以上に拡大されたとしても、電力系統Eに影響が出ることがない。
以上のように、電力系統E側で設備の配置等を変更することにより、保護協調がとれていない場合でも、電力系統Eに影響が出ないように設定することができる。電力系統Eに影響が出ない場合には、入力部101を介してその旨を入力し、ステップS07に進む。なお、保護協調がとれない場合、または、電力系統Eに影響が出る場合に、処理を中止するよう設定しても良い。
一方、保護継電器1bの保護協調確認部20が、保護協調がとれていると判断した場合(ステップS05のYes)、整定値演算部11は、保護協調カーブに基づいて動作整定値を決定する。そして、決定された動作整定値と保護協調カーブを含む整定情報が記憶部40に記憶される。また、保護継電器1bの送受信部30は、ネットワークNを介して、保護継電器1cおよび1dの送受信部30に整定情報を送信する(ステップS07)。
なお、保護継電器1aと1bの間で保護協調がとれていない場合、保護継電器1bが保護継電器1aと1bの双方の整定情報を、保護継電器1cおよび1dに送信する構成としても良い。保護協調がとれていない場合には、保護継電器1aの保護協調カーブを考慮して保護協調カーブを作成することが好ましいからである。
保護継電器1cおよび1dの送受信部30は、保護継電器1bから受信した整定情報をそれぞれの演算部10に出力する。保護協調カーブ作成部13は、入力された整定情報に基づき、保護継電器1cおよび1dの保護協調カーブを作成する(ステップS08)。保護協調カーブ作成部13は、作成した保護協調カーブを保護協調確認部20に出力する。
保護継電器1cおよび1dの保護協調確認部20は、保護継電器1bの保護協調カーブと、保護継電器1cおよび1dの保護協調カーブとが、保護協調がとれているか否かをそれぞれ判断する(ステップS09)。保護継電器1cおよび1dのうち、少なくとも一方の保護協調確認部20が、保護協調がとれていないと判断した場合(ステップS09のNo)、保護協調確認部20は、送受信部30を介してその旨を保護継電器1bに出力する。すると、保護継電器1bの保護協調カーブ調整部14は、保護継電器1bの保護協調カーブを調整し、保護協調の再検討を行う。
なお、保護協調の再検討を行った後も、保護協調がとれない場合には、出力部102にその旨を表示する。可能であれば、電力系統E側で設備の配置等を変更し、保護協調がとれない場合であっても電力系統Eに影響が出ないようにすると良い。また、保護協調がとれない場合や、電力系統Eに影響が出る場合に、処理を中止するよう設定しても良い。
一方、保護継電器1cおよび1dの保護協調確認部20が、協調が取れていると判断した場合(ステップS09のYes)、整定値演算部11は、保護協調カーブに基づいてそれぞれの動作整定値を決定する。そして、決定された動作整定値と保護協調カーブを含む整定情報が記憶部40に記憶される。次に、保護継電器1a〜1dは、送受信部を介して、各保護継電器1の整定情報を他の保護継電器1に送信する(ステップS10)。この処理により、保護継電器1a〜1dの全てにおいて、他の保護継電器1の整定情報が記憶部40に保存され、各保護継電器1においてそれらの整定情報が利用可能となる。なお、記憶された全ての保護継電器1の整定情報を用いて、各保護継電器1の保護協調確認部20が、他の保護継電器1の整定情報の保護協調を再度確認する処理を行うこともできる。
[効果]
(1)本実施形態の保護継電システムは、電力系統Eに配置された複数の保護継電器1を有する保護継電システムにおいて、複数の保護継電器1は、ネットワークNを介して接続され、複数の保護継電器1のそれぞれは、電力系統Eに関する情報と、保護継電器1が有する電力系統Eの運用情報に基づき、保護協調カーブを作成する保護協調カーブ作成部13と、保護協調カーブ作成部13が作成した保護協調カーブと、他の保護継電器1の保護協調カーブの協調がとれているか否かを確認する保護協調確認部20と、保護協調カーブから動作整定値を決定する整定値演算部11と、保護協調カーブや動作整定値を含む整定情報について、ネットワークNを介して他の保護継電器1との間で送受信を行う送受信部30と、を有する。
本実施形態では、各保護継電器1がネットワークNに接続されており、保護協調確認部20が、作成された保護協調カーブについて他の保護継電器1と保護協調がとれているか否かを確認する。このため、各保護継電器1が、上流側又は下流側の他の保護継電器1との保護協調を考慮した上で動作整定値を決定することができる。すなわち、保護協調が必要な複数の保護継電器について、最適な動作整定値を自動的に設定することができる保護継電システムを提供することができる。
また、送受信部30により、他の保護継電器1との間で整定情報の送受信が行われる。そのため、各保護継電器1が決定した整定情報を、電力系統Eに接続されている全ての保護継電器1で共有することができる。従って、作業者は各保護継電器1において、全ての保護継電器1の整定情報を把握でき、電力系統E全体の保護協調を確認することが可能となる。以上より、例えば作業者同士が連絡を取り合って、他の保護継電器1の整定情報を把握するというような作業を行う必要がなくなり、作業性が向上する。
さらに、複数の保護継電器1それぞれが整定値の演算を行うことが可能となる。従って、複数の保護継電器1を統括する制御装置等が不要となる。また、いずれかの保護継電器1において故障等の問題が生じたとしても、他の保護継電器1は運用を続けることが可能となる。以上のような自立分散型の保護継電システムにより、より確実な保護制御を行うことが可能となる。
(2)複数の保護継電器は、電力系統Eの上流側および下流側に配置され、下流側の保護継電器1の保護協調カーブ作成部13は、電力系統に関する情報として、上流側の保護継電器1の整定情報を用いて保護協調カーブを作成する。
上流側の保護継電器1の整定情報を加味した上で、下流側の保護継電器1の保護協調カーブを作成することにより、より確実に保護協調を満足する動作整定値を決定することが可能となる。
(3)複数の保護継電器1は、電力系統Eの上流側および下流側に配置され、複数の保護継電器1のそれぞれは、保護協調カーブ作成部13が作成した保護協調カーブを調整する保護協調カーブ調整部14をさらに有し、上流側の保護協調カーブ調整部14は、下流側の保護協調確認部20が、下流側の保護協調カーブ作成部13が作成した保護協調カーブが、上流側の保護継電器1の保護協調カーブと保護協調がとれていないと判断した場合に、上流側の保護継電器1の保護協調カーブを調整する。
下流側の保護継電器1は、上流側の保護継電器1の整定情報を用いて保護協調カーブを作成する。そのため、保護協調がとれない場合には、上流側の保護協調カーブを調整し、再度下流側の保護協調カーブを作成することで、保護協調がとれる可能性がある。従って、保護協調カーブ調整部14を用いて、保護協調の再検討を行うことで、最適な動作整定値を自動的に設定することが可能となる。
(4)複数の保護継電器1のそれぞれは、電力系統Eに関する情報を入力する入力部101を更に有する。
従来では、負荷設備の増設や変更がある度に、作業者が手作業により動作整定値を演算し、入力していた。しかし、本実施形態の保護継電システムでは、入力部101を介して負荷設備の情報を入力するだけで各保護継電器1が自動的に動作整定値を演算する。従って、動作整定値の変更作業の手間を低減することが可能となる。
[他の実施形態]
保護継電器は、CPUを含むコンピュータを所定のプログラムで制御することによって実現できる。この場合のプログラムは、コンピュータのハードウェアを物理的に活用することで、上記のような処理を実現するものである。このため、上記の処理を実行する方法、プログラム及びプログラムを記録した記録媒体も、実施形態の一態様である。また、ハードウェアで処理する範囲、プログラムを含むソフトウェアで処理する範囲をどのように設定するかは、特定の態様には限定されない。たとえば、上記の各部のいずれかを、それぞれの処理を実現する回路として構成することも可能である。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
E 電力系統
N ネットワーク
W 送電線
C ケーブルヘッド
1a、1b、1c、1d 保護継電器
2a、2b、2c、2d 遮断器
3a、3b、3c、3d 変流器
4c、4d 負荷設備
10 演算部
11 整定値演算部
12 短絡電流算出部
13 保護協調カーブ作成部
14 保護協調カーブ調整部
20 保護協調確認部
30 送受信部
40 記憶部
101 入力部
102 出力部

Claims (6)

  1. 電力系統に配置された複数の保護継電器を有する保護継電システムにおいて、
    前記複数の保護継電器は、ネットワークを介して接続され、
    前記複数の保護継電器のそれぞれは、
    前記電力系統に関する情報と、各保護継電器が有する電力系統の運用情報に基づき、保護協調カーブを作成する保護協調カーブ作成部と、
    前記保護協調カーブ作成部が作成した保護協調カーブと、他の保護継電器の保護協調カーブの協調がとれているか否かを確認する保護協調確認部と、
    前記保護協調カーブから動作整定値を決定する整定値演算部と、
    前記保護協調カーブや前記動作整定値を含む整定情報について、前記ネットワークを介して他の保護継電器との間で送受信を行う送受信部と、
    を有することを特徴とする保護継電システム。
  2. 前記複数の保護継電器は、電力系統の上流側および下流側に配置され、
    下流側の前記保護継電器の保護協調カーブ作成部は、前記電力系統に関する情報として、上流側の保護継電器の整定情報を用いて保護協調カーブを作成することを特徴とする請求項1記載の保護継電システム。
  3. 前記複数の保護継電器は、電力系統の上流側および下流側に配置され、
    前記複数の保護継電器のそれぞれは、
    前記保護協調カーブ作成部が作成した保護協調カーブを調整する保護協調カーブ調整部をさらに有し、
    上流側の前記保護協調カーブ調整部は、下流側の前記保護協調確認部が、下流側の保護協調カーブ作成部が作成した保護協調カーブが、上流側の保護継電器の保護協調カーブと保護協調がとれていないと判断した場合に、上流側の保護継電器の保護協調カーブを調整することを特徴とする請求項1又は2記載の保護継電システム。
  4. 前記複数の保護継電器のそれぞれは、前記電力系統に関する情報を入力する入力部を更に有することを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の保護継電システム。
  5. 電力系統に関する情報と、各保護継電器が有する電力系統の運用情報に基づき、保護協調カーブを作成する保護協調カーブ作成部と、
    前記保護協調カーブ作成部が作成した保護協調カーブと、他の保護継電器の保護協調カーブの協調がとれているか否かを確認する保護協調確認部と、
    前記保護協調カーブから動作整定値を決定する整定値演算部と、
    前記保護協調カーブや前記動作整定値を含む整定情報について、ネットワークを介して他の保護継電器との間で送受信を行う送受信部と、
    前記保護協調カーブ作成部が作成した保護協調カーブを調整する保護協調カーブ調整部と、を有し、
    前記保護協調カーブ調整部は、他の保護継電器の前記保護協調確認部が保護協調がとれていないと判断した旨の信号に基づき、自端の保護継電器の保護協調カーブを調整することを特徴とする保護継電器。
  6. 保護継電器が有するコンピュータに、
    電力系統に関する情報と、各保護継電器が有する電力系統の運用情報に基づき、保護協調カーブを作成する保護協調カーブ作成処理と、
    作成した保護協調カーブと、他の保護継電器の保護協調カーブの協調がとれているか否かを確認する保護協調確認処理と、
    前記保護協調カーブから動作整定値を決定する整定値演算処理と、
    前記保護協調カーブや前記動作整定値を含む整定情報について、ネットワークを介して他の保護継電器との間で送受信を行う送受信処理と、
    を実行させることを特徴とする保護継電器用プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109412120A (zh) * 2017-08-16 2019-03-01 国家电网公司 实现配电线路全线电流速断保护的电抗器参数的确定方法
WO2024105742A1 (ja) * 2022-11-14 2024-05-23 日本電信電話株式会社 遮断装置、給電システム、制御装置、整定値決定方法、及びプログラム
WO2024105741A1 (ja) * 2022-11-14 2024-05-23 日本電信電話株式会社 制御装置、給電制御システム、整定値決定方法、及びプログラム

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