JP5870942B2 - ナックルの製造方法 - Google Patents

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本発明は、車輪を回転可能に支持するナックルに関する。
ナックルは、例えば、特許文献1に知られているように、ハブ、ベアリングを介して車輪を回転可能に支持するとともに、路面からの入力をショックアブソーバやサスペンションアーム等の被連結部材に伝達する部材である。ナックルは、鍛造あるいは鋳造によって製造され、被連結部材の取付金具を取り付けるための取付部が切削加工によって形成される。
特開2011−168199号公報
ナックルは、ショックアブソーバから取付部に大きな入力が働く。この取付部が座ぐり加工によって形成されている場合には、取付部とショックアブソーバのブラケットとの間で生じる応力が座ぐり周縁部に集中しやすい。座ぐり周縁部は、ブラケットが取り付けされる平坦座面の周縁から立ち上がり壁が形成される部位であり、所定の曲率で断面円弧状(R形状と呼ぶ)に形成されている。このように座ぐり周縁部をR形状に形成していても、ショックアブソーバからナックルに大きな入力が働いた場合には、座ぐり周縁部の特定箇所に応力が集中する。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、座ぐり周縁部における応力集中を適切に抑制できるナックルを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の特徴は、座ぐり加工によって連結用孔(42)の周囲に平坦座面(43)が形成された取付部(40)を有し、前記取付部にショックアブソーバ等の被連結部材(100)の取付金具(110)が取り付けられるとともに、車輪を回転可能に支持するナックルの製造方法において、
前記平坦座面の周縁から立ち上がり壁(44)が形成される部位となる座ぐり周縁部(45)が、前記平坦座面の終端部(L1)の曲率中心(O)を通り前記平坦座面に対して直交する平面で切断した断面において円弧状に形成されるとともに、その円弧の曲率半径(r)が周方向位置によって異なるように前記座ぐり加工を行うことにある。
本発明の製造方法が適用されるナックルは、座ぐり加工によって連結用孔の周囲に平坦座面が形成された取付部を有しており、この取付部にショックアブソーバ等の被連結部材の取付金具が取り付けられる。この平坦座面の周縁には、立ち上がり壁が形成される。この平坦座面の周縁から立ち上がり壁が形成される部位が座ぐり周縁部である。座ぐり周縁部は、平坦座面の終端部の曲率中心(平坦座面の終端位置を結んだ円弧状ラインの曲率中心)を通り平坦座面に対して直交する平面で切断した断面において円弧状に形成される。ナックルの取付部と被連結部材の取付金具との間で生じる応力集中は、この座ぐり周縁部に発生しやすく、また、座ぐり周縁部の周方向位置によって、その程度が相違する。そこで、本発明のナックルの製造方法においては、座ぐり周縁部における上記断面形状の円弧の曲率半径が、周方向位置によって異なるように座ぐり加工を行う。従って、応力集中の程度が大きな部位については、応力集中の程度が小さな部位に比べて座ぐり周縁部の曲率半径の大きい立ち上がり壁を形成することにより、座ぐり周縁部における応力集中を適切に抑制できる。つまり、ナックルの座ぐり周縁部を周方向にバランスよく補強することができる。これにより、質量増加、他部品との干渉などの問題を極力抑えてナックルを補強することができる。
尚、座ぐり周縁部は、平坦座面の全周にわたって形成される必要はなく、平坦座面の周囲の一部に形成されていればよい。また、本発明のナックルは、操舵輪に取り付けられるナックル(ステアリングナックル)であってもよいし、非操舵輪に取り付けられるナックル(キャリア)であってもよい。
本発明の他の特徴は、断面円弧状に形成された前記座ぐり周縁部は、前記曲率半径が大きくなる部位ほど、前記立ち上がり壁の前記平坦座面からの高さ(H)が高くなっていることにある。
座ぐり周縁部は、その断面が円弧状に形成されるが、立ち上がり壁の終端(頂部)における平坦座面に対する傾斜角度が小さいと、座ぐり加工時にバリが発生しやすい。そこで、本発明においては、曲率半径が大きくなる部位ほど立ち上がり壁の平坦座面からの高さが高くなるように座ぐり周縁部を形成している。これにより、本発明によれば、立ち上がり壁の終端傾斜角度を、座ぐり周縁部の周方向位全体にわたって所定角度以上にすることができるため、バリの発生を抑制することができる。
本発明の他の特徴は、切削加工用の刃具(T)を、前記連結用孔の径方向外側に向けて、かつ、前記平坦座面から離れるように設定した円弧状経路(LR)に沿って移動させることで、前記刃具を径方向外側に移動させた方向の部位の前記曲率半径が最大となるように、前記座ぐり周縁部を形成することにある。
本発明によれば、切削加工用の刃具を、連結用孔の径方向外側に向けて、かつ、平坦座面から離れるように設定した円弧状経路に沿って移動させることで、刃具の側面に形成された刃により座ぐり周縁部の立ち上がり壁を切削して形成する。このように刃具を移動させると、刃具を径方向外側に移動させた方向の部位の曲率半径(平坦座面の終端部の曲率中心を通り平坦座面に対して直交する平面で切断した断面における曲率半径)が最大となる。従って、座ぐり周縁部において、最も補強したい部位に向かって刃具を移動させることにより、その部位の曲率半径を最も大きくすることができる。このため、刃具を交換しなくても、曲率半径が周方向位置によって異なる座ぐり周縁部を簡単に形成することができ、低コストにて実施することができる。
尚、上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るナックルと、ナックルに連結されるショックアブソーバの連結部を示した斜視図である。 下側アブソーバ取付部の断面図である。 下側アブソーバ取付部の正面図である。 下側アブソーバ取付部のラインA、ラインBにて切断した切断面の一部を表す図である。 下側アブソーバ取付部の側面図である。 刃具による切削加工を説明する説明図である。 刃具の移動経路を表す説明図である。 比較例における下側アブソーバ取付部の正面図である。 比較例における刃具による切削加工を説明する説明図である。 比較例における刃具による切削加工を説明する説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係るナックルについて図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るナックル1と、ナックル1に連結されるショックアブソーバ100の連結部を示した斜視図である。
ナックル1は、中央に形成される支持部10と、支持部10の上方に形成される第1アーム部20と、支持部10の側方に形成される第2アーム部50とを一体的に備えている。ナックル1は、鋳造あるいは鍛造によって形成される。従って、他部品を取り付ける取付面など加工精度が要求される部位には、鋳造または鍛造後に切削加工などの機械加工が施される。尚、支持部10、第2アーム部50については、従来のものと変わらなく特徴的事項を有さないため、以下、簡単な説明に留める。
支持部10は、車輪を回転可能に支持する部位であって、中央に大径の円孔11が貫通して形成されている。円孔11には、車輪に連結される車軸(図示略)が挿通される。円孔11の周囲には、ベアリング(図示略)を取り付けるベアリング取付面12が形成されている。このベアリング取付面12には、ベアリング締結孔13が円孔11の上方と下方とにそれぞれ2つずつ形成されており、ベアリング締結孔13にベアリング取付ボルト(図示略)を挿通してベアリングがナックル1に取り付けられるようになっている。これにより、支持部10は、円孔11に挿通された車軸をベアリングを介して回転可能に支持する。
また、支持部10には、ブレーキキャリパ(図示略)を取り付けるための2つのキャリパ取付部14a,14bが形成されている。各キャリパ取付部14a,14bにはキャリパ取付孔15が貫通して形成されており、キャリパ取付ボルト(図示略)をキャリパ取付孔15に挿通してブレーキキャリパがナックル1に取り付けられるようになっている。また、支持部10には、車輪のスリップを検出するABSセンサ(図示略)を取り付けるためのABSセンサ取付部16が形成されている。ABSセンサ取付部16には、センサ取付孔17が形成されており、センサ取付ボルト(図示略)をセンサ取付孔17に挿通してABSセンサがナックル1に取り付けられるようになっている。また、支持部10には、その底部18に図示しないロアアーム連結部が形成されており、ボールジョイントを介してロアアームと連結できるようになっている。
第1アーム部20は、支持部10から連続的に延設された略三角形の板状体であって、ストラット式サスペンションのショックアブソーバ100を連結する部位である。第1アーム部20は、ナックル1が車両に装着された状態で表現すると、支持部10から車幅方向内側に斜め上方に連続的に延設され、その板面が車両前後方向に向くような位置関係にて設けられる。第1アーム部20には、三角形の上方頂点位置に配置された上側アブソーバ取付部30と、上側アブソーバ取付部30の下方であって三角形の下方頂点位置に配置された下側アブソーバ取付部40が形成されている。上側アブソーバ取付部30は、第1アーム部20の表面と裏面とから突出した略円柱体状に形成されるとともに、その円柱体の中央に上連結用貫通孔31が形成されている。この上連結用貫通孔31の周囲は、平坦面となるように切削加工が施されている。これにより、上側アブソーバ取付部30は、表面側と裏面側とにそれぞれリング状の平坦座面32を突出して備える。
上側アブソーバ取付部30および下側アブソーバ取付部40は、第1アーム部20の表面側と裏面側とに対称に形成されるため、以下、図1に表される面を表面側として、表面側について説明し、裏側面についての説明は省略する。
第1アーム部20における下辺位置には、上側に比べて肉厚の厚い厚肉部41が形成されている。この厚肉部41の先端は、三角形の下方頂点位置よりも車幅方向内側に向けて円弧状に突出するように延設されている。この厚肉部41の先端には、下連結用貫通孔42が形成されており、その下連結用貫通孔42の周囲が座ぐり加工により切削されている。この座ぐり加工によって切削された部位が下側アブソーバ取付部40となる。下側アブソーバ取付部40においては、下連結用貫通孔42の周囲にリング状の平坦座面43が形成される。これにより、平坦座面43の周縁に立ち上がり壁44が形成されることになる。立ち上がり壁44は、平坦座面43が厚肉部41の先端まで形成されているため、平坦座面43の全周ではなく、支持部10側の周縁に形成される。この平坦座面43の周縁から立ち上がり壁44が形成される部位を座ぐり周縁部45と呼ぶ。この座繰り周縁部45の形状は、本発明の特徴部分であるため、その詳細については、ナックル1の全体説明のあとに述べる。
この上側アブソーバ取付部30と下側アブソーバ取付部40にショックアブソーバ100が連結される。ショックアブソーバ100の下端には、ブラケット110(取付金具)が固定されて設けられている。ブラケット110には、対となる取付片111、112が形成されている。2つの取付片111,112は、ショックアブソーバ100の径外方に突き出て平行に配置されており、それぞれ、上連結用貫通孔113と下連結用貫通孔114とが形成されている。取付片111,112の互いに向かい合う面において、上連結用貫通孔113の周囲および下連結用貫通孔114の周囲が平坦に形成され、それぞれ、ナックル1の上側アブソーバ取付部30の平坦座面32および下側アブソーバ取付部40の平坦座面43と当接する合わせ面となっている。ナックル1は、ブラケット110の向かい合う取付片111,112の間に、上側アブソーバ取付部30と下側アブソーバ取付部40とを挿入し、上連結用貫通孔113と上連結用貫通孔31、および、下連結用貫通孔114と下連結用貫通孔42を整合した状態でボルト締めを行うことにより、上側アブソーバ取付部30および下側アブソーバ取付部40が取付片111,112により両側から締め付けられる。こうして、ナックル1にショックアブソーバ100の下端が堅く連結される。
第2アーム部50には、その先端にタイロッド連結部51が形成されている。タイロッド連結部51には、貫通孔52が形成されており、図示しないタイロッドの先端のボールジョイントから突き出たスタッドボルトを貫通孔52に挿通することにより、ボールジョイントを介してタイロッドがナックル1に連結されるようになっている。タイロッドは、ドライバーの操舵操作に伴うラックバーの軸方向変位によって揺動変位される。このタイロッドの揺動変位に伴ってナックル1が回され車輪が転舵される。
このように、ナックル1は、車輪を回転可能に支持する機能、路面からの入力をサスペンション部材(ショックアブソーバ100、ロアアーム)に伝達する機能、操舵操作力が入力されて車輪を転舵する機能、センサ等の他部品を保持する機能を備えている。また、ナックル1は、被連結部材を取り付ける部分が切削加工により平坦に形成されている。
次に、下側アブソーバ取付部40における座ぐり周縁部45について説明する。座ぐり周縁部45は、図2に示すように、ブラケット110が取り付けされる平坦座面43の周縁から立ち上がり壁44が形成される部位であり、平坦座面43の終端位置を結んだ円弧状のラインL1(図3参照)の曲率中心Oを通り平坦座面43に対して直交する平面で切断した断面において円弧状に形成されている。この断面形状における円弧の曲率半径を曲率半径rと呼ぶ。尚、本実施形態においては、平坦座面43の終端位置を結んだ円弧状のラインL1(図3参照)の曲率中心Oは、下連結用貫通孔42の中心と同じ位置となっているが、必ずしも下連結用貫通孔42の中心と同じ位置になる必要はない。ナックル1は、ショックアブソーバ100との連結部分に大きな入力が働き、特に、下側アブソーバ取付部40における座ぐり周縁部45に応力が集中しやすい。この応力集中によって高ひずみが発生しやすくなる。また、座ぐり周縁部45における応力集中は、周方向の位置によって異なる。座ぐり周縁部45の曲率半径rを大きくすることにより、応力集中を抑制して、ひずみを低減することができるが、座ぐり周縁部45の周方向全体にわたって曲率半径rを大きくしてしまうと、後述するいろいろなディメリットを招いてしまう。そこで、本実施形態では、座ぐり周縁部45を、周方向の位置によって曲率半径rが異なるように形成する。つまり、座ぐり周縁部45の周方向において、入力に対して最も強度の弱い部分について曲率半径rを他の部分よりも大きくすることにより応力集中を抑制して、ひずみを低減する。
図3は、下側アブソーバ取付部40の正面図であり、図4(a),(b)は、下側アブソーバ取付部40を図3のラインA、ラインBにて切断した切断面(ラインL1の曲率中心Oを通り平坦座面43に対して直交する平面で切断した切断面)の一部を表す。この例では、図3における範囲Sが最も強度の弱い部分(応力集中する部分)であるため、範囲Sにおける曲率半径rを他の範囲における曲率半径rよりも大きくしている。なお、曲率半径rは、ラインL1の曲率中心Oを通り平坦座面43に対して直交する平面で切断した断面における円弧状ラインの曲率半径をいう。
ナックル1の切削加工を行うための刃具として、図6に示すように、先端形状が平坦なエンドミルが使用される。この刃具Tが回転軸TSを中心に回転することにより、刃具Tの側面に形成された刃によって立ち上がり壁44が切削により形成され、刃具Tの正面に形成された刃によって平坦座面43が切削により形成される。刃具Tは、コーナー部TCが円弧状に形成されているため、切削後に刃具Tを真上(平坦座面43に対して垂直方向)に抜くことにより、座ぐり周縁部45が刃具Tのコーナー部TCと同じ曲率半径の円弧状に形成される。この場合には、座ぐり周縁部45の曲率半径rは、周方向に一様となり、部分的に曲率半径rが異なるようにならない。そこで、本実施形態においては、加工機の刃具Tを、刃具Tの回転軸TSを平坦座面43に対して直交する方向に向けたまま、図7に示すように、図3のラインBに沿い下連結用貫通孔42の径方向外側に向かう方向(図3の矢印b方向)であって、かつ、平坦座面43から上方に離れるように描かれた円弧状経路LRに沿って移動させる。
図3におけるラインL1は、平坦座面43の終端位置を表す。このラインL1は、平坦座面43の切削加工が終了したときの刃具Tのコーナー部TCの開始点(図7に示す刃具Tの平坦面の終端位置Pend)を周方向に結んだラインと一致する。従って、平坦座面43の切削加工が終了した位置から、従来のように刃具Tを真上(平坦座面43に対して鉛直方向)に移動させるのではなく、刃具Tを上記のように斜め上方に円弧状経路LR(図7参照)に沿って移動させる。この刃具Tの移動によって、座ぐり周縁部45の曲率半径rは、座ぐり周縁部45がラインBと交差する位置Pbにおいて最大となり(図4(b))、位置Pbから周方向に離れる位置ほど小さくなる。この場合、位置Pbにおいては、刃具Tの移動経路(円弧状経路LR)と同一の曲率半径rに加工される。このように加工機の刃具Tの移動経路を設定しておくことで、曲率半径rが周方向位置によって異なった座ぐり周縁部45を形成することができる。
また、座ぐり周縁部45においては、立ち上がり壁44が平坦座面43に対してほぼ鉛直(傾斜角がほぼ90°)となる程度にまで、平坦座面43と厚肉部41の表面との間の段差H(立ち上がり壁44の平坦座面43からの高さH)を設けることによりバリが発生しないようにすることができる。そのため、座ぐり周縁部45においては、図5(図3の矢印Y方向から見た図)に示すように、曲率半径rが大きくなる部位ほど、立ち上がり壁44の平坦座面43からの高さHが高くなっている。これにより、立ち上がり壁44の終端における平坦座面43に対する傾斜角度を、座ぐり周縁部45の周方向位置において一様に所定角度(本実施形態においては約90°)を維持することができ、座ぐり周縁部45のバリの発生を抑制することができる。
以上説明した本実施形態のナックル1は、座ぐり周縁部45における曲率半径rを周方向位置によって異なるように形成したため、座ぐり周縁部45に発生する応力集中を適切に抑制できる。つまり、座ぐり周縁部45において応力が集中しやすい部位の曲率半径rを他の部位に比べて大きくすることにより、ナックル1の質量を必要以上に増やすことなく応力集中を抑制することができる。また、座ぐり周縁部45における強度を増やしたい部分に向けて刃具Tを斜め上方に円弧状に移動させることにより、簡単に座ぐり周縁部45の曲率半径rを設定することができるため、多種類の刃具T(コーナー部TCの曲率半径の異なる刃具T)を用意して使い分ける必要がない。また、平坦座面43の形成工程の終了時に、そのまま刃具Tを所定の経路に沿って移動させるだけで、所定の曲率半径rを有する座ぐり周縁部45を形成することができるため、適正な強度を有する下側アブソーバ取付部40を簡単に形成することができる。また、曲率半径rが大きくなる部位ほど、立ち上がり壁44の平坦座面43からの高さHが高くなるように厚肉部41の肉厚を設定しているため、バリ取り工程を省略することができる。
ここで、本実施形態のナックル1の優れた点を一層明確にするために、本発明を実施しない比較例について説明する。
<比較例1>
ひずみの低減方法として、一般的に肉盛りが行われる。この場合、図8(従来のナックルの下側アブソーバ取付部40’の側面図)のラインL0で表される最弱断面方向へ肉盛りすることにより(図8において符号Dで示す部分が肉盛り部)、ひずみを低減することができる。しかし、この方法では、ナックルの質量の増加率に対して対策効果が小さい。また、周辺部との隙間が減少するため、他部品との干渉等を招くおそれがある。また、肉盛りしたことにより、ナックルの剛性が上がってしまい、サスペンションの振動特性、騒音特性の悪化を招くおそれがある。
<比較例2>
また、切削加工機の刃具T(エンドミル)を取り替えて座ぐり周縁部45の曲率半径rを大きくすることによりひずみを低減することもできる。この場合、図9に示すように、コーナー部TCの曲率半径rtが、実施形態で用いた刃具Tの曲率半径rtよりも大きい刃具T’を選択することにより、座ぐり周縁部45のひずみを低減することができる。しかし、コーナー部TCの曲率半径rtの大きな刃具T’を用いた場合、バリを発生させないようにするためには、図9に示すように、平坦座面43と厚肉部41の表面との間の段差Hを座ぐり周縁部45の周方向全体にわたって大きくする必要がある。従って、座ぐり周縁部45の外側に必要以上に駄肉を設ける必要が生じる。この場合には、重量、コストが増加するだけでなく、周辺部との隙間が減少する。また、刃具のコーナー部TCの曲率半径rtが大きくなることで、切削抵抗が大きくなり、タクトタイムが増えてしまい生産コストが増加する。また、刃具の種類が増えることで、隣接する他車種生産ラインとで刃具の付け間違えの発生するおそれがある。
また、図10に示すように、同一の刃具T’(コーナー部TCの曲率半径rtの大きな刃具)を使用して他の切削必要部60(この例では、浮きボス60の平坦座面)を切削加工する場合には、他部位と刃具T’が当たらないようにする領域が増えてしまい(図中に破線で示した領域Xが増加する領域)、ナックルの設計自由度が減少する。このため、複数種類の刃具を用いた加工をせざるを得なくなり、刃具の交換時間によるコストアップを招いてしまう。
これに対して、本実施形態のナックル1によれば、こうした課題を解決することができる。従って、周辺部品との干渉、質量増加、振動・騒音特性、生産性を配慮しつつ、座ぐり周縁部45に発生する応力集中を抑制できる。また、少ない種類(例えば、1種類)の刃具Tを共通に使って、ナックル1の他の取付面の切削加工を行うことができる。
以上、本実施形態のナックルについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、ショックアブソーバ100との連結部(下側アブソーバ取付部40)を座ぐり加工により形成し、その座ぐり周縁部45における曲率半径rを座ぐり周縁部45の周方向で異なるようにしているが、必ずしも、ショックアブソーバ100との連結部に適用する必要はなく、ブレーキキャリパ、サスペンションアーム、タイロッドなどの被連結部材を取り付けるための取付部が座ぐり加工されている場合には、それらの任意の座ぐり周縁部に適用することもできる。
また、本実施形態のナックルは、操舵輪を回転可能に保持するナックル(ステアリングナックル)であるが、非操舵輪を回転可能に保持するナックル(キャリア)に本発明を適用することもできる。
1…ナックル、10…支持部、30…上側アブソーバ取付部、40…下側アブソーバ取付部、41…厚肉部、42…下連結用貫通孔、43…平坦座面、44…立ち上がり壁、45…座ぐり周縁部、100…ショックアブソーバ、110…ブラケット、H…段差、LR…円弧状経路、r…曲率半径、T…刃具、TC…コーナー部。

Claims (3)

  1. 座ぐり加工によって連結用孔の周囲に平坦座面が形成された取付部を有し、前記取付部にショックアブソーバ等の被連結部材の取付金具が取り付けられるとともに、車輪を回転可能に支持するナックルの製造方法において、
    前記平坦座面の周縁から立ち上がり壁が形成される部位となる座ぐり周縁部が、前記平坦座面の終端部の曲率中心を通り前記平坦座面に対して直交する平面で切断した断面において円弧状に形成されるとともに、その円弧の曲率半径が周方向位置によって異なるように前記座ぐり加工を行うことを特徴とするナックルの製造方法
  2. 断面円弧状に形成された前記座ぐり周縁部は、前記曲率半径が大きくなる部位ほど、前記立ち上がり壁の前記平坦座面からの高さが高くなっていることを特徴とする請求項1記載のナックルの製造方法
  3. 切削加工用の刃具を、前記連結用孔の径方向外側に向けて、かつ、前記平坦座面から離れるように設定した円弧状経路に沿って移動させることで、前記刃具を径方向外側に移動させた方向の部位の前記曲率半径が最大となるように、前記座ぐり周縁部を形成することを特徴とする請求項1または2記載のナックルの製造方法
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