JP5867272B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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本発明は、画像処理の対象となる1枚のシートを、一対の第1ローラーとこれよりも搬送方向下流側の一対の第2ローラーとで搬送する画像処理装置に関する。
画像処理装置には、プリンターなどの画像形成装置やスキャナーなどの画像読取装置が含まれ、画像形成装置は、画像形成の対象となる用紙などのシートを搬送するシート搬送装置を備えており、画像読取装置も、画像読取の対象となる原稿用紙などのシートを搬送するシート搬送装置を備えている。
シート搬送装置としては、シート搬送路に沿って搬送方向長さよりも短い間隔をおいて複数の搬送ローラーを配置し、シート搬送方向の上流側のローラーから下流側のローラーにシートを次々に引き渡すことにより搬送する構成がとられる。
シート搬送の具体例には、原稿をその画像読取のタイミングに合わせて読取位置に搬送する、または像担持体への画像形成のタイミングに合わせて用紙を像担持体の転写位置に搬送する、いわゆるレジスト動作がある。
レジスト動作は、搬送方向に沿って第1ローラーと、これよりも下流側の第2ローラーがある場合に、第1ローラーにより1枚のシートを搬送しつつ、そのシートの搬送方向先端を、下流側で停止している一対の第2ローラーに突き当てて、そのシートの先端側に、スキュー(斜行)を補正するためのループを形成した後、一旦第1ローラーを停止し、その後、読取または画像形成のタイミングに合わせて第1ローラーと第2ローラーの双方の回転を開始(搬送再開)するものである。
このようなシート搬送装置では、シートをより安定的に高速搬送するために、従来から第1ローラーを第1モーターによりフィードバック制御し、第2ローラーを第2モーターによりフィードバック制御する回転制御方法が採用されている。
このフィードバック制御を用いれば、搬送中に、実際のモーターの回転量(シートの搬送量に相当)と目標値との偏差を解消しようとして、モーターの回転量が可変制御されるので、本来のシステム速度での搬送から大きく外れることなく搬送することができる。
ところで、レジスト動作においてループが形成されると、下流側の第2ローラーには、ループを解消しようとするシートの腰による復元力が回転方向と同方向に作用するために第2モーターに対する回転負荷が小さくて済む。これに対し、上流側の第1ローラーには、そのシートの復元力が回転方向と逆方向に作用するので、第1モーターに対する回転負荷が大きくなることが生じる。第1と第2モーターに対する回転負荷の差は、シートの種類や大きさ、ローラーの駆動系の負荷などによりその都度、変わる。
第1と第2モーターの回転負荷の差が小さければ、一旦停止している第1と第2ローラーをレジスト動作で搬送再開を行うべく、第1と第2モーターを同時に高速起動した場合に、第1と第2モーターを本来の所定時間で立ち上げを行えるが、回転負荷の差が大きくなると、フィードバック制御を行っていても、回転負荷が大きい方の第1モーターの方が小さい方の第2モーターよりも立ち上がりが遅れることが生じ易くなる。
このように第1モーターの方が第2モーターよりも立ち上がりが遅れて、上流側の第1ローラーの方が下流側の第2ローラーよりも回転速度が遅くなると、搬送再開による高速起動の立ち上がりの途中でシートのループが消失してしまい、第1と第2ローラー間でシートに引っ張り力が生じ、補正されていたスキューが再発したり、第1と第2ローラーの駆動系に大きな負荷がかかって故障の原因になったりするなど好ましくない。
また、上記とは逆に、第2モーターの方が第1モーターよりも回転負荷が大きくなった場合には、立ち上がり時にループが大きくなりすぎ、搬送路でシートの屈曲が生じ易くなる。いずれにしても、モーターの回転速度差によりシート搬送性が低下してしまう。
フィードバック制御される2つのモーターの回転速度差を低減するには、遅い方を本来の搬送速度(システム速度)まで即時に増速すれば良いはずであるが、実際には遅い方のモーターに対して増速を指示してもその増速が追い付いていない状態になり、遅い方のモーターに対して増速を指示するだけでは、モーターの回転速度差を低減できない。
特許文献1には、モーターの回転速度差が所定量以上になった場合に、速い方のモーターを遅い方のモーターに合わせて減速する速度制御方法が開示されている。この速度制御方法をシート搬送制御に用いれば、高速起動の立ち上がり時にモーターの回転速度差が低減して、シートのループ量の安定化を図ることができる。
特許4561828号公報
しかしながら、特許文献1の速度制御方法のように、速い方のモーターを遅い方のモーターに合わせて減速すると、その速度差の分だけ、搬送再開後にモーターの立ち上がりに要する時間が長くなり、システム速度のときよりもシートの搬送に遅れが生じてしまう。
シートの搬送に遅れが生じると、搬送再開後のシートが読取位置または転写位置に到達するタイミングもシステム速度による搬送の場合より遅れることになる。そうなると、搬送される原稿の先端と読取開始タイミングがずれて読取画像の先端ずれが生じたり、用紙に対して転写画像が搬送方向にずれて転写ずれが生じたりして、画質劣化につながる。
このような問題は、レジスト動作の場合に限られず、例えば1枚のシート搬送中に第1と第2ローラーの一方のローラーに対する負荷が何らかの要因により変動したような場合に、両方のローラーの回転速度を、遅れが生じた方のローラーの回転速度に合わせる構成をとれば、同様に生じ得る。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、搬送用の第1ローラーと第2ローラーを回転駆動する第1のモーターと第2モーターをフィードバック制御する構成において、シート搬送性をより向上することが可能な画像処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、画像処理の対象となる1枚のシートを、一対の第1ローラーと当該第1ローラーよりも搬送方向下流側の一対の第2ローラーとで搬送する画像処理装置であって、前記一対の第1ローラーを回転させる第1モーターと、前記一対の第2ローラーを回転させる第2モーターと、前記第1モーターと第2モーターを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記シートの搬送中に、前記第1モーターによるシートの搬送量P1とこれと同時刻の前記第2モーターによるシートの搬送量P2を検出し、前記搬送量P1<P2の場合には、前記搬送量P1とその本来の目標値との差分である第1偏差に、前記第1モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正をかけると共に、前記搬送量P2とその本来の目標値との差分である第2偏差に、前記第2モーターによるシートの搬送量が小さくなる方向に作用する補正をかけ、前記搬送量P1>P2の場合には、前記第1偏差に、前記第1モーターによるシートの搬送量が小さくなる方向に作用する補正をかけると共に、前記第2偏差に、前記第2モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正をかける補正処理を行い、前記補正処理後の第1偏差と第2偏差がなくなるようにフィードバック制御を行うことを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記補正処理の開始以降に、当該補正を禁止する所定条件が満たされると、当該補正を禁止して、当該補正を施していない第1偏差と第2偏差なるように前記フィードバック制御を行うとしても良い。
ここで、前記制御手段は、前記第1モーターと第2モーターが停止しているときに、前記シートの搬送方向先端が前記一対の第ローラー同士の接触している部分に当接すると共に、当該シートの搬送方向後端側の部分が前記一対の第ローラー間に介在した状態で、前記第1モーターと第2モーターの起動に伴って、前記補正を開始するとしても良い。
ここで、前記所定条件は、前記起動開始により前記シートの搬送が開始されてからの当該シートの搬送量が所定の搬送量に達したことであるとしても良い。
また、前記所定条件は、前記起動開始により搬送が開始された前記シートの搬送方向後端が前記第1ローラーを通過したことであるとしても良い。
さらに、前記第2ローラーよりもシート搬送方向下流に第3ローラーが設けられており、前記所定条件は、前記起動開始により搬送が開始された前記シートの搬送方向先端が前記第3ローラーに到達したことであるとしても良い。
また、前記補正は、前記シートの、前記第1ローラーと第2ローラーの間に存するシート部分に、ループが形成された状態で開始されるとしても良い。
さらに、前記所定条件は、前記搬送量P1とP2の差分を相対偏差Eとしたとき、前記補正開始以降に、所定値Ea(<0)≦E≦所定値Eb(>0)の関係を満たしたときであるとしても良い。
また、前記制御手段は、前記第1モーターと第2モーターの回転数を検出する検出手段を備え、前記所定条件は、前記検出された第1モーターと第2モーターの回転数がその目標値を含む所定範囲内に入ったことであるとしても良い。
さらに、前記制御手段は、前記第1モーターをフィードバック制御するための第1フィードバックループと、前記第2モーターをフィードバック制御するための第2フィードバックループと、前記搬送量P1とP2の差分である偏差Eを第1ゲインで増幅して、前記第1フィードバックループに、前記搬送量P1<P2の場合に前記第1モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正値を戻し、前記搬送量P1>P2の場合に当該搬送量が小さくなる方向に作用する補正値を戻すことにより、前記第1偏差に補正をかける第1偏差フィードバックループと、前記偏差Eを第2ゲインで増幅して、前記第2フィードバックループに、前記搬送量P1<P2の場合に前記第2モーターによるシートの搬送量が小さくなる方向に作用する補正値を戻し、前記搬送量P1>P2の場合に当該搬送量が大きくなる方向に作用する補正値を戻すことにより、前記第2偏差に補正をかける第2偏差フィードバックループと、を備え、前記搬送量P1<P2の場合には、前記第1ゲイン<第2ゲインの関係になり、前記搬送量P1>P2の場合には、前記第2ゲイン<第1ゲインの関係になるように、前記第1ゲインと第2ゲインを切り替えるとしても良い。
また、前記第1モーターと第2モーターのうち、負荷の大きい方と小さい方のモーターが予め決められており、前記制御手段は、前記第1モーターをフィードバック制御するための第1フィードバックループと、前記第2モーターをフィードバック制御するための第2フィードバックループと、前記搬送量P1とP2の差分である偏差Eを第1ゲインで増幅して、前記第1フィードバックループに、前記搬送量P1<P2の場合に前記第1モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正値を戻し、前記搬送量P1>P2の場合に当該搬送量が小さくなる方向に作用する補正値を戻すことにより、前記第1偏差に補正をかける第1偏差フィードバックループと、前記偏差Eを第2ゲインで増幅して、前記第2フィードバックループに、前記搬送量P1<P2の場合に前記第2モーターによるシートの搬送量が小さくなる方向に作用する補正値を戻し、前記搬送量P1>P2の場合に当該搬送量が大きくなる方向に作用する補正値を戻すことにより、前記第2偏差に補正をかける第2偏差フィードバックループと、を備え、前記負荷の小さい方のモーターが前記第1モーターである場合には、前記第2ゲイン<第1ゲインの関係を有し、前記負荷の小さい方のモーターが前記第2モーターである場合には、前記第1ゲイン<第2ゲインの関係を有するとしても良い。
さらに、前記制御手段は、前記第1モーターと第2モーターの出力が上限か否かを判断する判断手段を備え、前記第1モーターと第2モーターが停止しているときに、前記シートの搬送方向先端が前記一対の第ローラー同士の接触している部分に当接すると共に当該シートの搬送方向後端側の部分が前記一対の第ローラー間に介在した状態で、前記第1モーターと第2モーターの起動に伴って、前記補正を開始し、前記搬送量P1<P2の場合、前記第1モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正値をE1としたとき、前記起動開始直後に前記第1モーターの出力が上限である場合に、前記補正値E1を第1の値に維持し、その後、前記第1モーターの出力が上限未満に低下すると、前記補正値E1を前記第1の値よりも前記シートの搬送量が増加する方向に作用する第2の値に切り替え、前記搬送量P1>P2の場合、前記第2モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正値をE2としたとき、前記起動開始直後に前記第2モーターの出力が上限である場合に、前記補正値E2を第1の値に維持し、その後、前記第2モーターの出力が上限未満に低下すると、前記補正値E2を前記第1の値よりも前記シートの搬送量が増加する方向に作用する第2の値に切り替えるとしても良い。
さらに、前記制御手段は、前記第1モーターと第2モーターが停止しているときに、前記シートの搬送方向先端が前記一対の第ローラー同士の接触している部分に当接すると共に、当該シートの搬送方向後端側の部分が前記一対の第ローラー間に介在した状態で、前記第1モーターを回転駆動して、前記第1ローラーにより搬送される前記シートの、前記第1ローラーと第2ローラーの間に存するシート部分に、基準よりも小さな所定の大きさのループを形成させる第1ループ形成動作を行い、当該第1ループ形成動作が終了すると、前記第1モーターの回転を継続しつつ前記第2モーターの回転駆動を開始した後、前記シート部分に前記基準の大きさのループを形成させる第2ループ形成動作を前記補正と共に実行するとしても良い。
また、前記第2ローラーは、像担持体への画像形成のタイミングに合わせて前記シートを前記像担持体の転写位置に搬送するレジストローラー、または前記シートをその画像読取のタイミングに合わせて読取位置に搬送するレジストローラーであり、前記第1ローラーは、前記レジストローラーに向けて前記シートを搬送する搬送ローラーであるとしても良い。
上記のようにすれば、第1ローラーと第2ローラーうち、一方が他方よりも搬送に遅れが生じている場合に、目標値に対する大小に関わらず、第1ローラーと第2ローラーのそれぞれのシートの搬送量が相互に近づく方向に歩み寄るように第1モーターと第2モーターが制御される。
従って、従来のように速い方のモーターの回転速度を遅い方に合わせる制御方法を用いるよりも、本来のシステム速度によるシート搬送に近づけることができ、シート搬送性を向上することができる。
実施の形態1に係るプリンターの全体の構成を示す図である。 レジスト動作のタイミングチャートを示す図である。 モーター制御部の回路構成を示すブロックである。 実施の形態の回路構成におけるモーター速度と用紙ループ量の時間推移の様子を示す図である。 比較例1の回路構成におけるモーター速度と用紙ループ量の時間推移の様子を示す図である。 比較例2の回路構成におけるモーター速度と用紙ループ量の時間推移の様子を示す図である。 モーター制御部によるフィードバック制御の内容を示すフローチャートである。 変形例1に係る回路構成の一部を抜き出して示す図である。 変形例2に係る回路構成を示す図である。 変形例3に係る回路構成を示す図である。 実施の形態2に係るモーター制御部の回路構成を示す図である。 実施の形態2に係るフィードバック制御の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートである。 実施の形態3に係るモーター制御部の回路構成を示す図である。 実施の形態3に係るフィードバック制御の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートである。 (a)は、実施の形態4におけるモーター回転速度が時間経過に伴って増減している様子を示す図であり、(b)は、用紙搬送量を示すパルスカウントが時間経過に伴って増加している様子を示す図であり、(c)は、増幅部のゲインが時間経過に伴って上下に切り替わっていく様子を示す図である。 実施の形態4に係るモーター制御部の回路構成を示す図である。 実施の形態4に係るフィードバック制御の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートである。 実施の形態5に係るフィードバック制御の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートである。 実施の形態6に係るレジスト動作のタイミングチャートを示す図である。 実施の形態6に係るモーター制御部の回路構成を示す図である。 実施の形態6に係るフィードバック制御の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートである。
以下、本発明に係る画像処理装置の実施の形態を、タンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例にして説明する。
<実施の形態1>
〔1〕プリンターの全体構成
図1は、プリンター100の全体の構成を示す図である。
同図に示すように、プリンター100は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部10と、中間転写部20と、給送部30と、定着部40と、全体制御部50を備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色からなるカラーの画像形成を実行する。
画像プロセス部10は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部10Y,10M,10C,10Kを備えている。
作像部10Yは、感光体ドラム11と、その周囲に配設された帯電器12、露光部13、現像部14、一次転写ローラー15、感光体ドラム11を清掃するためのクリーナ16などを備えており、感光体ドラム11上にY色のトナー像を作像する。この構成は、他の作像部10M、10C、10Kについて同様であり、同図では符号を省略している。各感光体ドラム11上にその対応する色のトナー像が作像される。
中間転写部20は、矢印方向に周回走行される中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21を張架する駆動ローラー22と従動ローラー23と、中間転写ベルト21を挟んで駆動ローラー22と対向位置に圧接状態で配置される二次転写ローラー35を備える。
給送部30は、シート搬送装置として機能し、記録用のシートとしての用紙Sを収容する給紙カセット31と、給紙カセット31から用紙Sを搬送路39に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラー32と、繰り出しローラー32により搬送路39に繰り出された用紙Sを矢印Aで示す方向(用紙搬送方向)に搬送する一対の搬送ローラー(第1ローラー)33と、搬送ローラー33よりも用紙搬送方向下流側に配され、搬送ローラー33により搬送されて来た用紙Sを二次転写ローラー35に送り出すタイミングをとるための一対のレジストローラー(第2ローラー)34を備える。
搬送ローラー33は、搬送モーターM1により回転駆動され、レジストローラー34は、レジストモーターM2により回転駆動され、搬送モーターM1とレジストモーターM2は、モーター制御部60により回転制御される。ここでは、搬送モーターM1とレジストモーターM2は、共にDCブラシレスモーターであり、同等の性能を有するものが用いられている。また、回転制御は、フィードバック制御が用いられる。このフィードバック制御の内容については、後述する。
なお、搬送ローラー33とレジストローラー34とは別の二次転写ローラー35などのローラーについては、感光体ドラム11や中間転写ベルト21などと同じ駆動系を介してシステム速度V0で回転駆動されるようになっている。
定着部40は、定着ローラーと加圧ローラーを備え、所定の定着温度で用紙Sを加熱、加圧してトナー像を定着させる。
全体制御部50は、外部の端末装置からの画像信号をY〜K色用のデジタル信号に変換し、作像部10Y〜10K毎に、その露光部13を駆動させるための駆動信号を生成して、その駆動信号により露光部13を駆動させる。これにより各露光部13からレーザビームが出射され、感光体ドラム11が露光走査される。
この露光走査を受ける前に作像部10Y〜10K毎に、その感光体ドラム11が帯電器12により一様に帯電されており、レーザビームの露光により感光体ドラム11上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像部14に設けられた現像ローラー19に担持されている現像剤により現像されて、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。
各感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、一次転写ローラー15により中間転写ベルト21上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト21上の同じ位置に多重転写されるようにタイミングをずらして実行される。
中間転写ベルト21上に多重転写された各色トナー像は、中間転写ベルト21の周回走行により、二次転写ローラー35が中間転写ベルト21に圧接される位置である二次転写位置351に移動する。
上記の作像動作のタイミングに合わせて、給送部30からは、レジストローラー34を介して用紙Sが給送されて来ており、その用紙Sは、周回走行する中間転写ベルト21と二次転写ローラー35の間に挟まれて搬送され、二次転写ローラー35に供給される二次転写電圧により生じる電界による静電力の作用を受けて、二次転写位置351において、中間転写ベルト21上の各色トナー像が一括して用紙Sに二次転写される。
二次転写位置351を通過した用紙Sは、定着部40に搬送され、ここでトナー像が加熱、加圧されて用紙Sに定着された後、排出ローラー対36を介して排出され、収容トレイ37に収容される。
搬送路39に沿って、搬送ローラー33よりも用紙搬送方向下流かつレジストローラー34よりも用紙搬送方向上流の位置には、搬送されている用紙Sを検出するためのタイミングセンサー38が配置されている。
タイミングセンサー38は、用紙Sを1枚ごとに、その用紙Sの用紙搬送方向先端(以下、「用紙の先端」という。)と後端(以下、「用紙の後端」という。)を検出すると、その検出信号を全体制御部50に送るものである。
全体制御部50は、作像動作のタイミングとタイミングセンサー38からの検出信号に基づき、モーター制御部60に対して、搬送モーターM1とレジストモーターM2の回転と停止の指示、レジスト動作の実行指示などを行う。
〔2〕レジスト動作
図2は、レジスト動作のタイミングチャートを示す図である。
同図に示すように、モーター制御部60は、搬送モーターM1の回転駆動により搬送ローラー33が回転しつつ、レジストモーターM2の停止によりレジストローラー34が停止した状態で、タイミングセンサー38からの用紙先端検出信号(ON)を受け付けると(時点t0)、所定時間taの経過時に、搬送モーターM1を停止させる(時点t2)。
この所定時間taは、用紙Sの先端がタイミングセンサー38の検出位置を通過してから、停止中のレジストローラー34に到達して(時点t1)、用紙Sの先端部に所定量の大きさのループを形成するのに要する時間として予め決められた時間である。時点t1〜t2までの時間がループ形成時間に相当し、用紙Sの先端部(搬送ローラー33とレジストローラー34の間に存する用紙部分)にループが形成される(図1の用紙S1参照)。
モーター制御部60は、時点t2から時点t3までの時間tbに、搬送モーターM1とレジストモーターM2の停止により搬送ローラー33とレジストローラー34の両方を停止させて、用紙Sを一旦停止させる。なお、二次転写ローラー35は、搬送ローラー33とレジストローラー34の停止に関わりなく、画像形成開始からシステム速度で回転が継続される。
この時点t3は、作像部10Y〜10Kによる作像動作(画像形成)のタイミングに基づく用紙Sの搬送再開タイミング、すなわち中間転写ベルト21(像担持体に相当)上の1ページ分に相当する画像形成領域の先端が二次転写位置351に到達する時点と、搬送再開された後の用紙Sの先端が二次転写位置351に到達する時点とが一致するように、画像形成のタイミングを基準に決められた用紙Sの搬送再開の開始時を示している。ここでは、全体制御部50から1枚の用紙Sごとに、用紙Sの搬送再開の開始時が到来すると、その旨を示す搬送再開指示信号がモーター制御部60に送信されるようになっている。
モーター制御部60は、全体制御部50からの搬送再開指示信号を受け付けると(時点t3)、搬送モーターM1とレジストモーターM2を起動して、搬送ローラー33とレジストローラー34の両方の回転を開始させ、一旦停止されている用紙Sの搬送を再開し、その用紙Sを二次転写位置351に搬送する。この搬送再開により、停止中の搬送モーターM1とレジストモーターM2の駆動が開始され、位置フィードバック制御が行われる。この際、搬送モーターM1とレジストモーターM2の双方の回転速度が0から立ち上がってシステム速度で落ち着くまでの間に、モーターの回転速度差により用紙Sの搬送量の差が大きくなると、用紙搬送性が低下して、転写ずれなどの問題が生じることになる。
そこで、本実施の形態では、この搬送再開直後の立ち上がりの際に搬送モーターM1とレジストモーターM2の両方に対して回転速度差ができるだけ小さくなるように回転制御を行うことにより、用紙搬送性の低下を抑制するようにしている。
以下、搬送モーターM1とレジストモーターM2の回転制御を、時点t3より前にループ形成と一時停止を行う制御を通常制御といい、時点t3からの搬送再開以降の制御、すなわち1枚の用紙Sを同時に搬送ローラー33とレジストローラー34の両方により搬送する制御を同期制御という。
なお、同期制御は、1枚の用紙Sごとに、その用紙Sの後端が搬送ローラー33を通過するまで継続され、その用紙Sの後端が搬送ローラー33を通過すると解除される。その後、レジストモーターM2が停止される。
通常制御は、搬送モーターM1とレジストモーターM2を別々にフィードバック制御するものであり、基本的に従来と同じであるので、ここでの説明を省略する。以下、同期制御の内容を中心に説明する。
〔3〕モーター制御部60の回路構成
図3は、モーター制御部60の回路構成を示すブロックである。
同図に示すようにモーター制御部60は、位置フィードバック制御部6a,6bと偏差ループ部6cを備える。
〔3−1〕位置フィードバック制御部6aの回路構成
位置フィードバック制御部6aは、減算部61と、加算部62と、増幅部63と、PID制御部64と、搬送量カウント部65を有する。
減算部61は、目標値Ptから搬送量カウント部65の出力値P1を減算して得られた値P1aを加算部62に出力する。
ここで、目標値Ptは、用紙Sの目標の搬送量を示す信号であり、搬送路39上における位置(距離)に相当し、全体制御部50から出力され、所定間隔、例えば数ミリ秒単位で変化、具体的には位置x1,2・・・nと更新されていくものである。
この更新間隔は、搬送中の用紙Sが搬送路39上のどの位置まで搬送されているべきであるかに基づき、画像形成タイミングとの関係から予め決められている、この刻々と変化する(更新される)目標値Ptが位置フィードバック制御の目標値として用いられる。
加算部62は、減算部61の出力値P1aと、偏差ループ部6cの増幅部83の出力値E1を加算して得られた値P1bを増幅部63に出力する。
増幅部63は、加算部62の出力値P1bにゲインG1bを乗算して得られた値Ep1をPID制御部64に出力する。
PID制御部64は、PID(Proportional Integral Differential)制御を用いて、増幅部63の出力値Ep1に基づき搬送モーターM1を駆動制御する。具体的には、搬送モーターM1への平均印加電圧を指示するための制御値、ここではPWMによるデューティー比を可変させて、搬送モーターM1の回転速度を増減させる。なお、搬送モーターM1をフィードバック制御することができるものであれば、PID制御に限られず、別の制御方法、例えばPI制御などを用いるとしても良い。このことは、後述のPID制御部74についても同様である。
また、PID制御部64は、全体制御部50からのON/OFF信号に基づき、搬送モーターM1の回転駆動と停止を切り替える。
搬送モーターM1には、その回転量を示すパルス信号を生成するエンコーダーが設けられており、エンコーダーによるパルス信号(エンコーダーパルス)は、搬送モーターM1の回転中に搬送量カウント部65に向けて出力される。
搬送量カウント部65は、エンコーダーパルスを受信すると、その受信パルス数を累積カウントし、その累積カウント値を用紙Sの搬送量に換算して、その換算値を現在の用紙Sの搬送量P1として出力する。この意味で、エンコーダーパルスは、搬送中の用紙(シート)の搬送量を指標する指標値であり、搬送量カウント部65は、用紙(シート)の搬送量を検出する機能を有するものといえる。
累積カウント値は、1枚の用紙Sごとに、その用紙Sに対する同期制御の開始時(図2の時点t3)に、全体制御部50からのリセット信号に基づき0(ゼロ)にリセットされる。これにより、1枚の用紙Sに対して同期制御の開始から、その用紙Sの実際の搬送量P1を示す信号が搬送量カウント部65から出力されることになる。
出力された搬送量P1を示す信号は、減算部61の減数側の入力(−)にフィードバックされる。このように減算部61と搬送量カウント部65とを接続する回路が位置フィードバック(FB)ループ1を構成する。以下、減算部61の出力値P1aを絶対偏差P1aという。
〔3−2〕位置フィードバック制御部6bの回路構成
位置フィードバック制御部6bは、減算部71,72と、増幅部73と、PID制御部74と、搬送量カウント部75を有する。位置フィードバック制御部6aとの大きな違いは、加算部がなく、2つの減算部を有していることにある。
減算部71は、目標値Ptから搬送量カウント部75の出力値P2を減算して得られた値P2aを減算部72に出力する。
減算部72は、減算部71の出力値P2aから、偏差ループ部6cの増幅部82の出力値E2を減算して得られた値P2bを増幅部73に出力する。
増幅部73は、減算部72の出力値P2bにゲインG2bを乗算して得られた値Ep2をPID制御部74に出力する。
PID制御部74は、PID制御部64と基本的に同じ機能を有し、増幅部73の出力値Ep2に基づきレジストモーターM2を駆動制御する。
具体的には、レジストモーターM2への平均印加電圧を指示するための制御値、ここではPWMによるデューティー比を可変させて、レジストモーターM2の回転速度を増減させる。また、PID制御部74は、全体制御部50からのON/OFF信号に基づき、レジストモーターM2の回転駆動と停止を切り替える。
レジストモーターM2には、その回転数を示すパルス信号を生成するエンコーダーが設けられており、エンコーダーによるパルス信号(エンコーダーパルス)は、レジストモーターM2の回転中に搬送量カウント部75に向けて出力される。
搬送量カウント部75は、エンコーダーパルスを受信すると、その受信パルス数を累積カウントし、その累積カウント値を用紙Sの搬送量に換算して、その換算値を現在の用紙Sの搬送量P2として出力する。
累積カウント値は、1枚の用紙Sごとに、その用紙Sに対する同期制御の開始時に、全体制御部50からのリセット信号に基づき0(ゼロ)にリセットされる。これにより、搬送量カウント部65と同様に、1枚の用紙Sに対して同期制御の開始から、その用紙Sの実際の搬送量P2を示す信号が搬送量カウント部75から出力されることになる。この意味で、搬送量カウント部65と75は、用紙Sの搬送中に同時刻の用紙Sの搬送量P1とP2を検出する機能を有するものといえる。
出力された搬送量P2を示す信号は、減算部71の減数側の入力(−)にフィードバックされる。このように減算部71と搬送量カウント部75とを接続する回路が位置フィードバック(FB)ループ2を構成する。以下、減算部71の出力値P2aを絶対偏差P2aという。
〔3−3〕偏差ループ部6cの回路構成
偏差ループ部6cは、減算部81と、増幅部82,83を有する。
減算部81は、搬送量カウント部75から出力された搬送量P2から、搬送量カウント部65から出力された搬送量P1を減算して得られた値(偏差)Eを示す信号を増幅部82,83に出力する。偏差Eは、搬送量P1とP2の相対的な差分を示すものであるので、以下、絶対偏差と区別するために相対偏差Eという場合がある。
増幅部82は、減算部81から出力される偏差EにゲインG2aを乗算して得られた偏差E2を出力する。出力された偏差E2を示す信号は、減算部72の減数側の入力(−)にフィードバックされる。このように減算部81から増幅部82を介して減算部72を接続する回路が偏差フィードバック(FB)ループ2を構成する。
増幅部83は、減算部81から出力された偏差EにゲインG1aを乗算して得られた偏差E1を出力する。出力された偏差E1を示す信号は、加算部62の一方の入力(+)にフィードバックされる。このように減算部81から増幅部83を介して加算部62を接続する回路が偏差フィードバック(FB)ループ1を構成する。上記のゲインG1a,G2aなどは、増幅のための予め決められた係数である。なお、増幅部82,83は、そのゲインが、通常制御のときには0に、同期制御のときには、0以外の所定値(通常値)に切り替えられるようになっている。ゲインが0に切り替えられると、偏差E1,E2が0になり、偏差Eがフィードバックされなくなる(フィードバックの無効)。このゲインの切り替えは、増幅部82,83に入力される全体制御部50からの制御切替信号の指示により実行される。
〔3−4〕回路動作説明
(1)通常制御
上記の回路構成において、通常制御の際にレジストモーターM2が停止した状態で、搬送モーターM1だけを回転制御するときには(図2の時点t2以前)、増幅部82,83のゲインが0に切り替えられることにより、偏差E1,E2が0になり、偏差Eの影響を受けることなくフィードバック制御が行われる。
このフィードバック制御は、従来と同じであるので詳細は省略するが、概略すれば搬送モーターM1に対して、減算部61の出力値P1a(目標値Ptと実際の搬送量P1との差分)が0になるように、搬送モーターM1の回転速度が増減される。
(2)同期制御
同期制御は、搬送モーターM1とレジストモーターM2の双方の起動に伴って開始され(図2の時点t3)、搬送モーターM1とレジストモーターM2が起動により立ち上がり、停止中の用紙Sの搬送が再開される。また、同期制御の開始と共に増幅部82,83のゲインが上記の通常値に切り替えられる。
同期制御では、位置フィードバック制御により、搬送路39上の位置xが時間と共に変化する目標値Ptに対して用紙Sの実際の搬送量が一致するように、搬送モーターM1とレジストモーターM2の回転速度が制御される。
具体的に1枚の用紙Sに対して、仮に、ある時点Aで目標値Ptに対して、搬送モーターM1による用紙Sの実際の搬送量P1と、レジストモーターM2による用紙Sの実際の搬送量P2の両方が一致していれば、同時刻における減算部61,71から出力される絶対偏差P1a,P2aは、0になり、減算部81の出力値(相対偏差)Eも0になって、加算部62,減算部72の出力値P1b,P2bも0になり、増幅部63,73の出力値Ep1,Ep2も0になる。
この場合、同時刻における用紙Sの目標の搬送量と実際の搬送量とが一致しているので、理想状態といえ、PID制御部64,74は、搬送モーターM1とレジストモーターM2に対し、現在の速度を維持する指示を行う。
一方、1枚の用紙Sに対し、ある時点Bで搬送量P1が目標値Ptに達しておらず(用紙Sの搬送が遅れており)、搬送量P2が目標値Ptにまで達していないが搬送量P1よりも目標値Ptに近い状態(やや遅れ気味)になっている場合には(特に、立ち上がり時に多い)、次のようになる。
すなわち、目標値Ptと搬送量P1,P2を仮に数値で、Pt=10、P1=7、P2=9、E=2、各増幅部のゲインを1とすれば、位置フィードバック制御部6aでは、減算部61から出力される絶対偏差P1aが3になり、加算部62からの出力値P1bが5になり、増幅部63の出力値Ep1が5になる。
PID制御部64は、出力値Ep1が正の値で大きくなるほど、搬送モーターM1に対し回転速度をより大きく増速する指示を行い、出力値Ep1が負の値でその絶対値が大きくなるほど、回転速度をより大きく減速する指示を行う。このことは、PID制御部74についても同様である。
上記の例では、出力値Ep1=+5であるので、これに相当する分だけ、PID制御部64は、現在よりも回転速度をさらに増速する指示を行う。
一方、位置フィードバック制御部6bでは、減算部71から出力される絶対偏差P2aが1、減算部72の出力値P2bが−1、増幅部73の出力値Ep2が−1になる。
この場合、PID制御部74は、レジストモーターM2に対し、出力値Ep1=−1に相当する分だけ、現在よりも回転速度を減速する指示を行う。
このように搬送モーターM1に対して増速を指示するのに対して、レジストモーターM2に対して減速を指示するのは、用紙Sの搬送が遅れ気味かつ両モーターによる搬送量に差が生じている場合に、その搬送量の差をできるだけ抑制するためである。
すなわち、絶対偏差P1a、P2aだけを見れば、それぞれ(+)になっているので、搬送モーターM1とレジストモーターM2の双方を増速することになるが、搬送モーターM1とレジストモーターM2を対比すると、ループ形成された用紙Sの腰による復元力の作用により、搬送モーターM1の方がレジストモーターM2よりも回転負荷が大きくなっている。このことは、増速に対してレジストモーターM2の方が搬送モーターM1よりも余裕があるといえ、従って、余裕のある方のレジストモーターM2については増速を行い易いが、余裕のない方の搬送モーターM1については増速を指示しても、レジストモーターM2と同等まで加速できず、どうしてもレジストモーターM2よりも遅れが生じ易い。
搬送モーターM1の方がレジストモーターM2よりも用紙Sの搬送が遅れているということは、下流側のレジストローラー34の方が上流側の搬送ローラー33よりも搬送速度が速くなっていることを意味する。そうなれば、搬送再開時のモーターの立ち上がり時に用紙Sのループが解消して用紙Sに引っ張り力が作用することが多くなり、引っ張り力が大きくなると、用紙Sが搬送ローラー33とレジストローラー34の一方でスリップして搬送性が低下してしまう。
そこで、遅い方の搬送モーターM1に対しては、絶対偏差P1a(=+3)に相対偏差E(=+2)を加算した値P1b(=+5)に相当する分だけ、さらなる増速を指示しつつ、レジストモーターM2に対しては、搬送モーターM1との搬送量の差を低減するために、絶対偏差P2a(=+1)から相対偏差E(=+2)を差し引いた値P2b(=−1)に相当する分だけ減速を指示するものである。
これにより、時点Bにおいて、遅い方の搬送モーターM1に対して、さらなる増速が指示されつつ、レジストモーターM2に対して、相対偏差Eの分だけ少し減速が指示されることになり、遅い方と速い方のモーターによる用紙Sの搬送量が近づくように相互に歩み寄る方向に制御されることになる。
この制御により、時点Bの直後の時点Cで、仮にPt=20、P1=18、P2=19、偏差E=1になっていれば、絶対偏差P1aが2、増幅部63の出力値Ep1が3、絶対偏差P2aが1、増幅部73の出力値Ep2が0になる。時点Cでは、時点Bのときよりも、搬送モーターM1とレジストモーターM2のそれぞれによる用紙Sの搬送量の差が低減されるようになる。
同期制御の開始から時間経過に連れて時点B、C・・と各時点でフィードバックによる上記の歩み寄る制御が繰り返されるごとに、用紙Sの搬送量の差が低減されつつ用紙Sの搬送量が目標値Ptに追随して目標値Ptに近づくように制御される。
このように遅い方の搬送モーターM1に対して、その絶対偏差P1aに相対偏差Eを加算することは、絶対偏差P1aに、搬送モーターM1による用紙Sの搬送量が大きくなる方向に作用する補正をかけ、レジストモーターM2に対して、その絶対偏差P2aから相対偏差Eを差し引くことは、絶対偏差P2aに、レジストモーターM2による用紙Sの搬送量が小さくなる方向に作用する補正をかける補正処理を行うことに相当し、加算部62の出力値P1bと減算部72の出力値P2bは、それぞれ補正処理後の偏差に相当する。
なお、上記の値P1b,P2b、Ep1,Ep2は、位置フィードバックループにおける偏差信号を表すものといえるので、以下、偏差P1b〜Ep2ということとする。
〔3−5〕レジスト動作でのモーター速度と用紙ループ量の時間推移の説明
図4は、本実施の形態の回路構成におけるレジスト動作でのモーター速度と用紙ループ量の時間推移の様子を示す図であり、図5は、比較例1の回路構成におけるモーター速度と用紙ループ量の時間推移の様子を示す図であり、図6は、比較例2の回路構成におけるモーター速度と用紙ループ量の時間推移の様子を示す図である。各図とも、(a)がモーター速度を、(b)が用紙ループ量を示しており、モーター速度V0は、システム速度を示し、時点t1〜t3は、図2の時点t1〜t3に対応している。
ここで、比較例1の回路構成とは、図3に示す回路から偏差ループ部6cを削除したフィードバック回路に相当し、比較例2の回路構成は、上記の特許文献1に示す構成(速い方のモーターを遅い方のモーターの速度に合わせる構成)に相当する。
図4(a)に示すように本実施の形態では、搬送モーターM1とレジストモーターM2は、搬送再開時(t3)からの立ち上がり速度が、破線で示す理想(目標値)に対してやや遅れ気味に推移しているが(Xaで示す範囲)、搬送モーターM1とレジストモーターM2の速度差がほとんどないことがわかる。
これは、立ち上がり開始からの同期制御において、搬送モーターM1による用紙Sの搬送量P1とレジストモーターM2による用紙Sの搬送量P2が、絶対偏差P1a,P2aに対して相対偏差Eの分だけ、相互に歩み寄る方向に補正されているからである。
この補正が効いていることは、図5(a)に示す比較例1の回路構成によるモーター速度の時間推移と比較すれば、より明らかになる。
すなわち、図5(a)に示す搬送再開(時点t3)からのモーターの立ち上がりを見ると(Yaで示す範囲)、レジストモーターM2の回転速度は、破線で示す理想(目標)とほぼ一致しているが、搬送モーターM1の回転速度は、レジストモーターM2よりも遅れており、モーターの速度差が大きくなっていることが判る。モーターの速度差が大きくなれば、それだけ搬送量の差も大きくなる。
比較例1の回路構成の場合、相対偏差Eが加味されないので、搬送モーターM1については、増速が絶対偏差P1aの分だけになり、相対偏差Eがさらに増速に寄与する実施の形態の回路構成よりも増速が行われない。これに対し、レジストモーターM2については、絶対偏差P2aを解消すべく目標に向けて増速されてしまうので、モーターの回転速度差が大きくなったものである。
このように立ち上がり時にモーターの回転速度差が生じると、図5(b)に示すように用紙ループ量が搬送再開から徐々に少なくなり、用紙ループ量がなくなると(Ybで示す部分)、用紙Sに引っ張り力が作用してスリップを起こすおそれが生じる。
これに対し、本実施の形態の回路構成では、図4(b)に示すように搬送再開以降、用紙ループ量が理想値(基準値)で略一定に維持されており(Xbで示す部分)、モーターの立ち上がり時に用紙Sに引っ張り力が作用することがなく、用紙搬送性を良好に維持することができる。
本実施の形態でも図4(a)に示すように搬送再開以降には、レジストモーターM2についても搬送モーターM1についても用紙Sの搬送が目標に対して遅れ気味になっており(Xaで示す範囲)、その搬送遅れを取り戻す必要がある。
搬送遅れを取り戻すことは、位置FBループ1,2が担当する。すなわち、搬送量P1,P2の差が少なくなってくると、相対偏差Eによる搬送量の歩み寄りの作用も働かなくなっていき、搬送遅れのその遅れ分が目標値Ptとの差分である絶対偏差P1a,P2aに現れるようになるので、その絶対偏差を解消しようとして、搬送モーターM1とレジストモーターM2が増速されることになる。この増速は、主にモーターの立ち上がりが終了して増速に余裕が出たときに行われ(Xcで示す部分)、システム速度V0よりも一時的に速くなり、絶対偏差が解消されると(時点t4)、時点t4以降ではシステム速度V0で安定するようになる。
これにより、搬送再開時からの用紙Sの搬送量、すなわち搬送路39上での搬送位置が目標値Ptに追い付くようになり、作像タイミングに対してずれることなく、用紙Sを二次転写位置351に搬送することができる。
上記の搬送遅れを取り戻すことは、比較例1でも位置フィードバック制御により、図5(a)に示すようにモーターの立ち上がりの終了後に、搬送モーターM1の増速(Ycで示す部分)により行われる。この搬送モーターM1の増速により、用紙Sから消失したループが回復し、搬送遅れも解消するが、搬送モーターM1の立ち上がりが遅れた分、システム速度V0に落ちつくまでの時間が、実施の形態における時点t4よりも大幅に遅い時点5になり、その途中でスリップが起きるなど用紙搬送性が安定しないことが多くなる。
一方、比較例2では、速い方のモーターの回転速度を遅い方のモーターに合わせるようにしているので、図6(a)に示すようにモーターの立ち上がり時(Zaで示す範囲)に、搬送モーターM1とレジストモーターM2の回転速度が理想(目標)よりも遅れているが、モーターの回転速度差は小さくなる。このことから図6(b)に示すように搬送再開直後では、用紙ループ量が略一定になっており(Zbで示す部分)、安定している。
ところが、搬送モーターM1とレジストモーターM2の回転速度を遅い方に合わせるために、比較例2でも比較例1と同様に、用紙搬送が本来よりも大幅に遅れてしまう。
プリンター100など画像形成装置は、小型化の要請から搬送路長も短縮される傾向にあり、搬送路39上において用紙搬送方向にレジストローラー34から二次転写ローラー35までの距離も短縮化される傾向にある。
従って、レジスト動作において搬送再開時から用紙搬送が遅れ気味になり、それが比較例1や2のように長く続くと、その搬送遅れを取り戻すべく、立ち上がり後の搬送モーターM1をできるだけ増速しても、その遅れを取り戻す前に用紙Sが二次転写位置351に到達してしまうことが多くなる。
そのようになると、用紙Sの二次転写位置351への本来(目標)の到達タイミングよりも用紙Sの到達が遅れて、中間転写ベルト21上のトナー像が二次転写位置351に到達するタイミングに対してずれてしまい、転写ずれが生じることになる。
本実施の形態では、レジスト動作において用紙Sの搬送再開以降に、二次転写位置351への本来の到達タイミングに対して用紙Sの到達タイミングがずれる(遅れたり進んだりする)ことがなく、かつ、用紙Sのループ消失などの搬送性に支障が出ない範囲内で搬送モーターM1とレジストモーターM2による搬送量にできるだけ差が生じないように、搬送モーターM1とレジストモーターM2を回転制御することにより、スリップなどによる用紙Sの搬送性を低下させることなく、用紙Sが二次転写位置351に到達する前までに搬送遅れを取り戻して、転写ずれの発生を防止することができる。
上記のゲインG1a,G2aを大きくすると、相対偏差E1,E2が大きくなり、絶対偏差P1a,P2aに対する補正量が大きくなる。この補正量が大きくなれば、搬送モーターM1による用紙Sの搬送量P1とレジストモーターM2による用紙Sの搬送量P2との差分がより小さくなる(両者の歩み寄り量がより大きくなる)方向に作用し、搬送量の差をより低減できる。このことは、ゲインG1b,G2bについても同様である。
ところが、補正量を大きくしすぎると、歩み寄り量が大きくなりすぎて、速い方と遅い方のモーターの回転速度が逆転するおそれもあることから、このような逆転の生じない範囲内でゲインG1a〜G2bを実験などから適した値が予め決められる。
なお、上記では、搬送モーターM1とレジストモーターM2による用紙の搬送が目標値Ptよりも遅れている場合を例にしたが、仮に進んでいる場合もあり得、進んでいる場合も上記の遅れている場合と同様に、相対偏差により絶対偏差を補正することにより両モーターによる用紙Sの搬送量が歩み寄りつつ、その補正が時間経過と共に繰り返し実行されることにより、用紙の搬送が目標値Ptにより近づくようになる。
用紙Sの搬送が目標値Ptよりも進んでいる場合、搬送モーターM1とレジストモーターM2を同時に減速する制御をとることもできるが、両モーターの回転速度の低下率が必ずしも同じになるとはいえない。両モーターの回転速度の低下率に差が生じ、その差が大きくなれば、搬送量の差が大きくなってシートのループ消失などが生じ易くなり、シート搬送性が低下してしまう。
これに対し、本実施の形態のように両者が歩み寄る制御をとれば、用紙Sの搬送量に差が生じ難くなり、シート搬送性を向上しつつ位置フィードバック制御により搬送量(搬送位置)を目標値Ptにより近づけることができる。
〔3−6〕制御フロー
図7は、モーター制御部60によるフィードバック制御の内容を示すフローチャートであり、1枚の用紙Sに対する制御の内容を示している。ここで、当該フィードバック制御は、用紙Sの給送が開始されて搬送モーターM1の駆動が開始される時期に達すると、全体制御部50からのON/OFF信号におけるオン(動作)信号をPID64が受け付けることにより開始される。このオン信号は、繰り出しローラー32と搬送ローラー33との間の搬送路39近辺に配置される搬送センサー(不図示)による用紙Sの先端検出を契機に全体制御部50から発せられる。
同図に示すように、搬送モーターM1の回転を開始させる(ステップS1)。なお、この時点から、後述のステップS4までの間は、図2に示す通常制御の区間に相当し、全体制御部50からPID74に対するオン信号がまだ発せられていないためにレジストモーターM2が停止したままであり、かつ全体制御部50からの制御切替信号により増幅部82,83のゲインG1a,G2aが0に切り替えられた状態になっている。
搬送モーターM1の回転により搬送ローラー33が回転して、搬送ローラー33により用紙Sが、停止状態のレジストローラー34に向けて搬送される。搬送される用紙Sの先端がレジストローラー34に到達した後、その用紙Sの先端部にループが形成される。
搬送モーターM1の回転開始以降に、搬送モーターM1の停止指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS2)。この判断は、全体制御部50から搬送モーターM1に対するオフ(停止)信号を受信したか否かにより行われる。このオフ信号は、用紙Sの先端部に所定の大きさのループが形成されると(図2の時点t2)、全体制御部50からPID64に対して送信される。所定の大きさのループが形成されたことは、タイミングセンサー38のオンから時間ta(図2)が経過したことにより判断される。
搬送モーターM1の停止指示を受け付けたことを判断すると(ステップS2で「Yes」)、搬送モーターM1を停止させる(ステップS3)。
次に、搬送モーターM1とレジストモーターM2の駆動開始指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS4)。この判断は、全体制御部50から搬送モーターM1とレジストモーターM2に対するオン(動作)信号を受信したか否かにより行われる。このオン信号は、同期制御の開始時(図2の時点t3)に全体制御部50からPID64,74に送信される信号である。なお、このオン信号と共にリセット信号も全体制御部50から搬送量カウント部65,75に対して送信されるようになっており、このリセット信号により、搬送量カウント部65,75の双方の累積カウント値が0にリセットされる。また、全体制御部50からの制御切替信号により増幅部82,83のゲインG1a,G2aが通常値に戻される。
搬送モーターM1とレジストモーターM2の駆動開始指示を受け付けたことを判断すると(ステップS4で「Yes」)、搬送モーターM1とレジストモーターM2の回転動作を開始させる(ステップS5)。これにより同期制御が開始される。
そして、現在の偏差Eを計算する(ステップS6)。偏差Eは、(搬送量P2−P1)の式により計算される。なお、この時点での目標値Pt、搬送量P1,P2が一時的に記憶され、記憶された目標値Pt、搬送量P1,P2はステップS6までの処理に用いられるが、ステップS11の次にS6に戻ってルーチンが一巡すると、再度、ステップS6においてその時点での目標値Pt、搬送量P1,P2に更新されるようになっている。
偏差E1とE2を計算する(ステップS7)。偏差E1は、(偏差E×ゲインG1a)の式により計算され、偏差E2は、(偏差E×ゲインG2a)の式により計算される。
そして、偏差Ep1とEp2を計算する(ステップS8)。偏差Ep1は、〔(目標値Pt−搬送量P1+偏差E1)×G1b〕の式により計算され、偏差Ep2は、〔(目標値Pt−搬送量P2−偏差E1)×G2b〕の式により計算される。この意味で、偏差Ep1,Ep2は、絶対偏差P1a,P2aに相対偏差E1,E2による補正がかけられた後の補正処理後の第1偏差,第2偏差に相当する。
計算された偏差Ep1の大きさに基づきPID制御による搬送モーターM1に対する制御値を決定し、決定された制御値を搬送モーターM1に出力する(ステップS9)。
続いて、計算された偏差Ep2の大きさに基づきPID制御によるレジストモーターM2に対する制御値を決定し、決定された制御値をレジストモーターM2に出力する(ステップS10)。これにより、搬送モーターM1とレジストモーターM2に、制御値に基づく駆動電流が流れることになり、搬送モーターM1とレジストモーターM2の回転速度が制御され、両モーターによる用紙Sの搬送量が上記の歩み寄る方向に調整される。
そして、搬送モーターM1の停止指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS11)。この判断は、全体制御部50から搬送モーターM1に対するオフ(停止)信号を受信したか否かにより行われる。このオフ信号は、1枚の用紙Sごとに、同期制御の終了、具体的にはその用紙Sが搬送ローラー33を通過した時点で全体制御部50から出力される。用紙Sが搬送ローラー33を通過したことの判断は、上記の搬送センサーにより用紙Sの後端が検出されてから所定時間が経過したことを計時することにより行われる。
搬送モーターM1の停止指示を受け付けていないことを判断すると(ステップS11で「No」)、ルーチンが一巡してステップS6に戻り、その時点の目標値Pt、搬送量P1,P2の値に基づいてステップS6〜S11までの処理を実行する。
搬送モーターM1の停止指示を受け付けたことが判断されるまで、ステップS6〜S11を繰り返し実行する。この繰り返し間隔は、時間経過に連れて更新される目標値Ptの更新間隔に相当し、例えば数ミリ秒など予め決められている。目標値Ptが1回、更新されるごとに、ステップS6〜S11の1回の処理が実行され、その1回の処理を、その時点での相対偏差による絶対偏差の1回の補正とすると、ステップS6〜S11の繰り返し回数がフィードバック制御の累積回数になる。
ステップS6〜S11の処理が、絶対偏差P1a,P2aに相対偏差E1,E2による補正がかけられた後の補正処理後の偏差P1b、P2b(第1偏差,第2偏差)がなくなるようにフィードバック制御することに相当する。
搬送モーターM1の停止指示を受け付けたことを判断すると(ステップS11で「Yes」)、搬送モーターM1を停止させる(ステップS12)。なお、これに伴い、増幅部82,83のゲインG1a,G2aが0に戻される。これにより、同期制御が終了する。
次に、レジストモーターM2の停止指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS13)。この判断は、全体制御部50からレジストモーターM2に対するオフ(停止)信号を受け付けたか否かにより行われる。このオフ信号は、用紙Sがレジストローラー34を通過した時点で全体制御部50から出力される。用紙Sがレジストローラー34を通過したことの判断は、タイミングセンサー38により用紙Sの後端が検出されてから所定時間が経過したことを計時することにより行われる。
レジストモーターM2の停止指示を受け付けたことを判断すると(ステップS13で「Yes」)、レジストモーターM2を停止させて(ステップS14)、当該フィードバック制御を終了する。
以上、説明したように本実施の形態では、同期制御において、搬送モーターM1とレジストモーターM2による用紙Sの搬送量に差が生じている場合に、両者の搬送量が歩み寄るように搬送モーターM1とレジストモーターM2の回転量を制御することにより、用紙Sの搬送量の差を低減することができると共に、位置フィードバックにより用紙Sの搬送量が目標値Ptに対してずれないようにすることができ、もってレジスト動作における用紙Sの搬送性をより向上することができるようになる。
また、搬送モーターM1とレジストモーターM2としてDCブラシレスモーターを用いており、これとは別の種類のモーター、例えばステッピングモーターを用いるとした場合にステップ駆動による振動や騒音が大きくなったり、瞬間的な負荷変動による脱調を防止すべく出力トルクを過大に設定せざるを得ずに消費電力が大きくなったりすることが生ぜず、低振動化、低騒音化、省エネ化を図ることができる。
なお、上記では通常制御について説明を省略したが、例えば図3の回路構成を通常制御に兼用する構成をとることもできる。すなわち、通常制御のときにだけ、偏差E1,E2がゼロになるようにゲインG1a,G2aを0に切り替えて、相対偏差Eを全く加味しない構成にすることが考えられる。この構成とは別に、例えば通常制御用の回路を別途設けて、使用すべき回路を制御ごとに切り替える構成をとることもできる。
(3−7)実施の形態1の変形例1
上記の図3に示す回路構成では、増幅部82から出力される偏差E2を減算部72に入力する構成としたが、本変形例では、加算部に入力する構成としており、この点が上記の構成と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
図8は、本変形例1に係る回路構成の一部を示す図であり、位置フィードバック制御部6bと偏差ループ部6cの一部を抜き出して示したものである。
同図に示すように、減算部71と増幅部73の間に加算部721が設けられる共に、加算部721に偏差E2を出力する増幅部821のゲインG2aがマイナスの係数に設定されている。加算部721が図3の減算部72に対応し、増幅部821が図3の増幅部82に対応している。
増幅部821に入力される偏差Eは、ゲインG2aがマイナスのために、入力と出力の極性(正負)が反転された状態で、加算部721に入力され、加算部721で絶対偏差P2aに加算されるので、結果的に偏差P2bの大きさは、図3の回路構成と同じになり、レジスト動作において用紙Sの搬送再開後における用紙Sの搬送量の差を抑制することにより、用紙Sの搬送性を向上することができるという上記と同様の効果を得られる。
(3−8)実施の形態1の変形例2
図9は、本変形例2に係る回路構成を示す図である。
同図に示すように、位置フィードバック制御部6aは、加算部120と、増幅部63と、PID制御部64と、搬送量カウント部65と、減算部121を有し、位置フィードバック制御部6bは、減算部71と、増幅部73と、PID制御部74と、搬送量カウント部75と、加算部122を有し、図3の加算部62と減算部72が設けられていない。
減算部121は、増幅部83の出力値E1から搬送量カウント部65の出力値である搬送量P1を差し引いた値を加算部120に出力するものである。加算部120は、目標値Ptに減算部121の出力値を加算した値を偏差P1bとして出力する。
加算部122は、搬送量カウント部75から出力される搬送量P2に増幅部82の出力値E2を加算した値を減算部71に出力するものである。減算部71は、目標値Ptから加算部122の出力値を減算した値を偏差P2bとして出力する。
図9の回路構成では、図3の回路構成のように目標値Ptと搬送量P1,P2から絶対偏差P1a,P2aを求めた後、求めた絶対偏差と相対偏差Eから偏差P1b,P2bを求めることを行っていないが、搬送量と目標値と相対偏差のそれぞれの加減の順序が異なるだけであり、求められる偏差P1b,P2b自体は、実施の形態1と同じ値になる。
このことから、本変形例の回路も図3の回路と同様に、絶対偏差に相対偏差による補正をかける処理を行う回路であるといえる。このことは、次に説明する変形例3(図10)に示す回路についても同様である。
偏差P1b、P2bは、絶対偏差P1,P2に相対偏差Eが加味された値であり、搬送モーターM1とレジストモーターM2による用紙Sの搬送量が相互に歩み寄るように両モーターが調整されることは、図3の回路構成と同様であり、本変形例2の回路構成をとる場合でも、用紙Sの搬送性を向上することができる。
(3−9)実施の形態1の変形例3
図10は、本変形例3に係る回路構成を示す図である。
同図に示すように、減算部61と増幅部63の間に、図3の加算部62に代えて減算部131が設けられ、減算部71と増幅部73の間に、図3の減算部72に代えて加算部132が設けられ、偏差ループ部6cでは図3の減算部81に代えて、減算部81に対して入力(減数側と被減数側)の正負が反対に接続される減算部133が設けられている。
減算部133の入力側の正負の極性に合うように、減算部131と加算部132を配置したものであり、実質、図3の回路構成と変わりはなく、本変形例3の構成をとる場合でも、上記と同様に用紙Sの搬送性を向上することができる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、レジスト動作により搬送再開された用紙Sの後端がレジストローラー34を通過するまで同期制御が継続されるとしたが、本実施の形態2では、同期制御の開始以降に所定条件が満たされると、同期制御を解除して、相対偏差Eを用いずに絶対偏差P1a,P2aだけを用いるフィードバック制御(図5に示すグラフの制御に相当)に切り替えるとしており、この点で実施の形態1と異なっている。
図11は、実施の形態2に係るモーター制御部260の回路構成を示す図である。
同図に示すように減算部61,71とは別に、目標値Ptを入力する条件判断部200が設けられており、条件判断部200は、目標値Ptに基づき、増幅部82,83に対し、同期制御を禁止するために、ゲインG1a,G2aを0に切り替える指示Z1,Z2を行う。この切り替えを実行できるように、本実施の形態2の増幅部82,83は、切替指示Z1,Z2により、ゲインG1a,G2aを通常値(0以外の値)とゼロ(0)とを切り替え可能な構成のものが用いられている。
増幅部82,83は、ゲインG1a,G2aがゼロに切り替えられると、出力をゼロにするようになっており、加算部62の出力が絶対偏差P1aのままになり、減算部72の出力が絶対偏差P2aのままになる。すなわち、相対偏差Eが全く加味されなくなり(相対偏差Eの作用が全く効かなくなり)、絶対偏差P1a,P2aだけを用いて位置フィードバック制御が実行される。このことは、相対偏差による絶対偏差の補正を禁止することを意味する。この位置フィードバック制御を以下、非同期制御という。
非同期制御で絶対偏差だけを用いるということは、レジスト動作による搬送再開(同期制御の開始)以降、刻一刻と変化する目標値Ptだけを見て用紙の搬送量が制御することを意味するので、非同期制御は、図5に示すようにモーターの回転速度差が生じ易い制御といえる。
一方、同期制御は、搬送モーターM1とレジストモーターM2を用紙Sの搬送量が相互に歩み寄るように制御するので、用紙Sの搬送再開から、特にモーターの立ち上がり時における回転負荷による回転速度差に起因して生じるループ消失などによる用紙搬送性の低下を防止するのに大きな効果を奏する。
ところが、同期制御は、例えば搬送量P1,P2が共に目標値Ptに追い付いていなくても、速い方のモーターが相対偏差Eの分、絶対偏差だけを用いる非同期制御よりも、用紙の搬送量が小さくなるように制御されてしまうので、それだけ目標値Ptに追い付くのに時間がかかることになり、位置制御の精度(目標位置への追随性)だけを見ると非同期制御の方が効果的になる。
この用紙搬送性と位置制御の精度をより効果的に得るには、モーターの立ち上がり時に同期制御を用い、立ち上がりが完了して、モーターに回転負荷に対する余裕ができると、非同期制御に切り替えれば良い。
そこで、本実施の形態2では、この切り替えに適したタイミングを用紙の搬送再開からの所定の搬送量で規定して、搬送再開から目標値Ptが所定の搬送量に相当するPtzに至ると、同期制御から非同期制御への切り替えの所定条件(相対偏差による絶対偏差の補正を禁止する所定条件)を満たしたとして、条件判断部200から切り替え指示Z1,Z2が増幅部82,83に出力され、増幅部82,83のゲインG1a,G2aが0に切り替えられることにより、同期制御(上記の補正)を禁止して、非同期制御に切り替えられるようにしている。
目標値Ptzは、非同期制御に切り替えた方が良いと想定される、搬送再開からの搬送量に相当する値を予め実験などから決めることができる。
図12は、本実施の形態に係るフィードバック制御の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートであり、実施の形態1と異なる部分だけを示している。
同図に示すように、ステップS6とS7の間にステップS111〜S113が実行される処理構成になっており、ステップS111では、同期制御から非同期制御への切り替えの所定条件を満たしたか否かを判断する。この判断は、条件判断部200が行う。
所定条件を満たしていないことを判断すると(ステップS111で「No」)、増幅部82,83に対して、ゲインG1aとG2aが初期値(同期制御に適した値)になるようにゲインの切替指示を行い(ステップS112)、ステップS7に移る。これにより、同期制御が実行される。ステップS7以降の処理が実行され、ルーチンが一巡して、再度、ステップS6を介してステップS111に戻ったときに、まだ所定条件を満たしていない場合には、同様にステップS111、S112からS7に移り、S7以降の処理が実行される。所定条件を満たしたことが判断されるまで、S6、S111、S112、S7以降の処理が繰り返し実行され、同期制御が継続される。
用紙Sの搬送再開から搬送量が所定の搬送量に達することにより目標値PtがPtzに至ると、所定条件を満たしたとして(ステップS111で「Yes」)、増幅部82,83に対して、ゲインG1aとG2aが0になるようにゲインの切替指示を行い(ステップS113)、ステップS7に移る。これ以降、非同期制御が実行される。
このようにレジスト動作による搬送再開以降に同期制御から非同期制御に切り替える処理を行うことにより、用紙搬送性と搬送位置精度をより向上させることが可能になる。
上記では、用紙の搬送量として目標値Ptを所定条件に用いるとしたが、これに限られず、例えば実際の搬送量P1,P2を用いて、用紙Sの搬送再開以降、搬送中に搬送量P1,P2が所定の搬送量に達したことを、所定条件を満たしたと判断する構成をとることもできる。
また、用紙Sの搬送量に代えて、搬送再開からの経過時間を用いることもできる。この場合、搬送再開から非同期制御への切り替え時期に適すると想定される所定時間を予め求めておき、その所定時間の経過時に所定条件を満たしたと判断する構成とすれば良い。
所定の搬送量や経過時間を、搬送される用紙Sのサイズや種類などに応じて、異なる値に予め設定する構成をとることもできる。用紙Sのサイズや種類などによっては、ループ形成時の用紙Sにおける腰の強さによる搬送モーターM1とレジストモーターM2に対する負荷が異なる場合もあり、そのような場合に、両モーターの搬送再開時からの立ち上がり速度も変わることがあり得るので、非同期制御への切り替えタイミングをより適したタイミングに設定することが可能になる。
さらに、搬送再開から所定時間が経過したこと、かつ、相対偏差Eが負側所定値Ea(負の値)以上で正側所定値Eb(正の値)以下の範囲内に入ったことを、所定条件とすることもできる。相対偏差Eが0に近くなることは、搬送モーターM1による搬送量P1とレジストモーターM2による搬送量P2の差分が小さくなることであり、その差分が同期制御を実行し続ける必要のない範囲内に入った場合、ここでは負側所定値Ea≦相対偏差E≦正側所定値Ebの関係を満たした場合に、非同期制御に切り替えるものである。
所定値Ea,Ebは、切り替えタイミングに適した値を予め実験などから決めることができる。ここで、所定時間を所定条件に入れているのは、次の理由による。
すなわち、相対偏差Eは、最初に大きく、徐々に小さくなって収束する場合もあるが、搬送再開直後にその時々での負荷変動により大、小、大のように変動する場合もあり得る。このような変動が生じる場合を想定すると、相対偏差Eだけを条件にすると、大から小になったときに同期制御から非同期制御に切り替えられるが、その切り替え直後に相対偏差Eが大きくなった場合、その時点では非同期制御になっており、モーターの回転速度差を抑制できなくなるおそれが生じるからである。
所定時間は、上記のような相対偏差Eの大きな変動が生じなくなる、例えば搬送再開からモーターの立ち上がり直後までに要すると想定される時間などを予め決めておくことができる。なお、上記のような相対偏差Eの変動がほとんど生じないような構成では、所定時間を所定条件から除外して、相対偏差Eの大きさだけを条件としても良い。
このように相対偏差Eの大きさを所定条件に用いる場合、上記の用紙Sの搬送量や搬送再開からの経過時間を用いる場合に比べて、用紙Sのサイズなどを検出する必要がなくなり、それだけ制御をより簡素化することができる。
さらに、上記に代えて、用紙Sの後端が搬送ローラー33を通過した時点を、所定条件を満たしたときとすることもできる。用紙Sの後端が搬送ローラー33を通過すれば、モーターの回転速度差の問題が生じなくなるからである。用紙Sの後端が搬送ローラー33を通過した時点の判断は、当該用紙Sの搬送再開から用紙Sの後端が搬送ローラー33を通過するまでに要すると想定される時間に搬送される用紙Sの所定の搬送量を予め求めておき、用紙Sの搬送量P1が搬送再開から所定の搬送量に達したことを判断することにより行うことができる。また、これとは別に、搬送路39上の、搬送ローラー33の近辺かつ搬送ローラー33よりも搬送方向下流の位置に、用紙Sの後端を検出するセンサーを配置し、そのセンサーが用紙Sの後端を検出したことを、用紙Sの後端が搬送ローラー33を通過したことの判断とすることもできる。
また、これに代えて、用紙Sの先端がレジストローラー34よりも搬送方向下流側のローラー、ここでは二次転写ローラー35(第3ローラー)に到達する時点またはその直前を、所定条件を満たしたときとすることもできる。用紙Sの先端が二次転写ローラー35に到達した後、二次転写ローラー35により搬送が開始された以降も、レジストモーターM2に対して同期制御を継続していると、レジストモーターM2によるレジストローラー34と、システム速度で回転している二次転写ローラー35との回転速度差が大きくなるおそれがあり、これを防止することができる。
用紙Sの先端が二次転写ローラー35に到達した時点またはその直前に至ったことの判断は、用紙Sの搬送再開から用紙Sの先端が二次転写ローラー35に到達または直前位置に到達するまでに要すると想定される時間に搬送される用紙Sの所定の搬送量を予め求めておき、用紙Sの搬送量P2が搬送再開から所定の搬送量に達したことを判断することにより行うことができる。また、搬送路39上の、二次転写ローラー35の近辺かつ二次転写ローラー35よりも搬送方向上流の位置に、用紙Sの先端を検出するセンサーを配置し、そのセンサーが用紙Sの先端を検出したことを、用紙Sの先端が二次転写ローラー35に到達またはその直前に達したことの判断とすることもできる。
<実施の形態3>
上記実施の形態1では、用紙Sの搬送量(搬送位置)をフィードバックする位置FBループ1,2を備える回路構成をとったが、本実施の形態3では、これに加えて、モーターの速度をフィードバック制御する速度ループを回路に組み込むとしており、この点で実施の形態1と異なっている。
図13は、実施の形態3に係るモーター制御部360の回路構成を示す図である。
同図に示すように、位置フィードバック制御部6aには、回転数変換部301,減算部302,増幅部303および加算部304を備える速度フィードバックループ300aが設けられ、位置フィードバック制御部6bには、回転数変換部311,減算部312,増幅部313および加算部314を備える速度フィードバックループ300bが設けられている。また、モーター制御部360には、増幅部82,83にゲインの切り替え指示を出力する条件判断部321も設けられている。
モーター制御部360には、用紙搬送量の目標値Ptだけでなく、モーター回転数(回転速度に相当)の目標値Ntが全体制御部50から入力されている。この目標値Ntは、システム速度V0に相当する値である。
回転数変換部301は、搬送モーターM1から出力されるエンコーダーパルスを搬送モーターM1の回転数に変換して、回転数N1を示す信号を減算部302に出力すると共に条件判断部321に出力する。
減算部302は、モーター回転数の目標値Ntから、回転数変換部301の出力である実際の回転数N1を減算した値N1aを示す信号を増幅部303に出力する。
N1aは、搬送モーターM1の、目標値Ntとの回転速度差(速度変動量)を示している。ここで、速度変動量N1aは、搬送モーターM1の回転速度が目標値Ntよりも遅い場合に正の値になり、速い場合に負の値になり、同じ場合に0になる。
増幅部303は、搬送モーターM1の速度変動量N1aを所定のゲインG1cにより増幅した値N1bを加算部304に出力する。
加算部304は、増幅部63の出力値である偏差Ep1と速度変動量N1bを加算した値Ep1aをPID制御部64に出力する。速度変動量N1bが正の場合、EP1aは、偏差Ep1よりも大きな値になり、Ep1だけの場合に対し、搬送モーターM1による用紙Sの搬送量が増加する方向に補正される。
速度変動量N1bが正の場合には、搬送モーターM1の実際の回転速度が目標値Ntよりも遅く、搬送モーターM1による用紙Sの搬送も目標値Ptより遅れている状態になっていることが多いので、用紙Sの搬送量をより増加する方向に補正することにより、搬送位置を目標値Ptにより近づけつつ搬送モーターM1の回転速度を目標値Ntに近づけることができる。
一方、速度変動量N1bが負の場合、EP1aは、偏差Ep1よりも小さな値になり、Ep1だけの場合に対し、搬送モーターM1による用紙Sの搬送量が低減する方向に補正される。搬送モーターM1の実際の回転速度が目標値Ntよりも速く、搬送モーターM1による用紙Sの搬送量が目標値Ptより進んでいる状態になっていることが多いので、用紙Sの搬送量を低減する方向に補正することにより、搬送位置を目標値Ptにより近づけつつ搬送モーターM1の回転速度を目標値Ntに近づけることができる。
回転数変換部311は、レジストモーターM2から出力されるエンコーダーパルスをレジストモーターM2の回転数に変換して、回転数N2を示す信号を減算部312に出力すると共に条件判断部321に出力する。
減算部312、増幅部313、加算部314は、上記の減算部302、増幅部303、加算部304と同様の機能を有するものであり、ここでの説明は省略するが、レジストモーターM2の、目標値Ntとの回転速度差を示す速度変動量N2bが正の場合、EP2aは、偏差Ep2よりも大きな値になり、Ep2だけの場合に対し、レジストモーターM2による用紙Sの搬送量が増加する方向に補正される。
逆に、速度変動量N2bが負の場合、EP2aは、偏差Ep2よりも小さな値になり、Ep2だけの場合に対し、レジストモーターM2による用紙Sの搬送量が低減する方向に補正される。この補正により、レジストモーターM2の実際の回転速度と目標値Ntとの差分が加味され、用紙Sの搬送位置を目標値Ptにより近づけつつレジストモーターM2の回転速度を目標値Ntに近づけることができる。
条件判断部321は、回転数N1とN2を入力して、回転数N1,N2の両方が上限と下限の間の適正変動範囲(所定範囲)内に収まると、これを同期制御から非同期制御の切り替えの所定条件として、増幅部82,83に対し切り替え指示Z1,Z2を出力する。この切り替え指示Z1,Z2により同期制御から非同期制御に切り替えられることは、実施の形態2と同じである。
図14は、本実施の形態3に係るフィードバック制御の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートであり、実施の形態1と異なる部分だけを示している。
同図に示すように、ステップS6の次に、所定条件として、搬送モーターM1の回転数N1とレジストモーターM2の回転数N2とが目標値Ntを含む所定範囲内に入っているか否かを判断する(ステップS21)。この判断は、条件判断部321が行う。
所定範囲内に入っていないことを判断すると(ステップS21で「No」)、増幅部82,83に対して、ゲインG1aとG2aが初期値(同期制御に適した値)になるようにゲインの切替指示を行い(ステップS22)、ステップS24に移る。これにより、同期制御が実行される。
ステップS24では、相対偏差E1,E2を求める処理を実行する。この処理は、図7のステップS7と同じである。
そして、偏差Ep1aとEp2aを求める処理を実行する(ステップS25)。この処理は、位置フィードバック制御部6a,6bにより実行される。
求められた偏差Ep1aに基づき搬送モーターM1に対して制御値を出力すると共に(ステップS26)、偏差Ep2aに基づきレジストモーターM2に対して制御値を出力して(ステップS27)、ステップS11に移る。ステップS26,S27は、図7に示すステップS9,S10のEp1,Ep2がEp1a,Ep2aに代わったものであり、その処理方法は、基本的に図7と同じである。
一方、回転数N1とN2が所定範囲内に入っていることを判断すると(ステップS21で「Yes」)、増幅部82,83に対して、ゲインG1aとG2aが0になるようにゲインの切替指示を行い(ステップS23)、ステップS24に移る。これ以降、非同期制御に切り替わることになる。
このように構成すれば、搬送モーターM1とレジストモーターM2の実際の回転数を用いて、同期制御から非同期制御を切り替えることができるようになり、モーターの速度安定性をより重視したい構成に適用する場合に特に有効になる。
なお、図14では、モーターの回転数N1とN2が所定範囲内に収まれば、所定条件を満たしたと判断する構成例を説明したが、これに限られない。例えば、所定条件に、実施の形態2のような所定時間の経過をさらに加えることもできる。
具体的には、ステップS21とS23の間に、搬送再開からの所定時間の経過を判断するステップを介在させ、回転数N1とN2が所定範囲内にあるが(ステップS21で「Yes)、所定時間が経過していなければ、ステップS22に移り、所定時間が経過していれば、その場合にだけステップS23に移る構成をとることもできる。
<実施の形態4>
上記実施の形態1では、増幅部82,83のゲインG1a,G2aを固定値とし、実施の形態2〜3では、ゲインG1a,G2aを初期値と0とを切り替える構成としたが、本実施の形態4では、ゲインG1a,G2aをその絶対値が時間経過に伴って相互に近づくように可変するとしており、この点で上記の実施の形態と異なっている。
図15は、実施の形態4におけるゲインG1a,G2aの切り替わりの様子を説明するための図であり、(a)がモーター回転速度と時間の関係を、(b)が用紙搬送量を示すパルスカウントと時間の関係を、(c)が偏差FBゲイン(G1a,G2a)と時間の関係をそれぞれ示している。なお、偏差ゲインは、絶対値で示されている。
図15(a)に示すように搬送モーターM1とレジストモーターM2の回転速度(搬送速度)は、搬送再開からの立ち上がり時に、一方が速く、他方が遅くなることが交互に繰り返されている。モーターの回転速度が速ければ、それだけ単位時間当たりの用紙Sの搬送量(距離)も大きくなるので、図15(b)に示すように搬送モーターM1による用紙搬送量P1とレジストモーターM2による用紙搬送量P2も一方が大きく、他方が小さくなることが交互に繰り返されながら増加している。
偏差FBゲイン(G1a,G2a)は、搬送モーターM1とレジストモーターM2のうち、用紙Sの搬送が進んでいる方のモーターに対して、搬送量が小さくなる方向の補正をかけ、用紙Sの搬送が遅れている方のモーターに対して、搬送量が大きくなる方向の補正をかけるものである。偏差FBゲインを大きくすれば、それだけ補正値が大きくなり、用紙Sの搬送が進んでいる方のモーターに対して、より搬送量が小さく抑えられ、用紙Sの搬送が遅れている方のモーターに対して、より搬送量が大きく増加する方向に働く。
ところが、遅れている方のモーターに対して搬送量をより増加、すなわち増速させようと指示しても、実際にはモーターの加速性能限界付近にあると指示通りに増速され難く、増速よりも、進んでいる方のモーターに対して搬送量を抑制、すなわち減速させることの方が比較的容易である。
そこで、本実施の形態4では、図15(c)に示すように時間t11〜t12、t12〜t13などの区間に示すように、用紙Sの搬送が進んでいる方のモーターに対する偏差ゲインを、遅れている方のモーターに対する偏差ゲインよりも大きくなるように大小を切り替えることにより、そのゲインの差分だけ進み側をより遅れ方向にシフトさせるようにして、モーターの回転速度差をより低減しようとしている。
図16は、実施の形態4に係るモーター制御部460の回路構成を示す図である。
同図に示すように相対偏差Eを入力するゲイン設定部400が設けられており、ゲイン設定部400は、相対偏差E、すなわち搬送量P1とP2の差分の大きさに基づき、増幅部82,83に対し、ゲインG1a,G2aの大きさを設定する指示Z1,Z2を行う。この設定は、図15(c)に示す偏差ゲインの切り替えに相当し、ゲインの切り替えを実行できるように、本実施の形態の増幅部82,83は、ゲインG1a,G2aを指示された大きさの値に設定可能な構成のものが用いられている。
図17は、実施の形態4に係るフィードバック制御の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートであり、実施の形態1と異なる部分だけを示している。
同図に示すように、ステップS5とS6の間にステップS31が実行され、ステップS6とS7の間にステップS32〜S38が実行される構成になっている。
ステップS31では、ゲインG1aを初期値G1に設定すると共にゲインG2aを初期値G2(<G1)に設定する。この設定は、同期制御の開始時にゲイン設定部400が増幅部82,83に対し、初期値G1,G2の設定を指示することにより行われる。同期制御の開始時には、いずれのモーターの搬送量が大きいか判らないので、ここでは初期値G2<G1としているが、逆の関係であっても良い。
そして、相対偏差Eを求めた後(ステップS6)、偏差Eが0以下であるか否かを判断する(ステップS32)。相対偏差E≦0ということは、搬送モーターM1による用紙Sの搬送量P1がレジストモーターM2による用紙Sの搬送量P2よりも大きいまたは同じであることを意味し、偏差E>0ということは、レジストモーターM2による搬送量P2が搬送モーターM1による搬送量P1よりも大きい、すなわちレジストモーターM2が搬送モーターM1よりも回転量が多いことを意味している。
相対偏差E≦0ではない、すなわちE>0であることを判断すると(ステップS32で「No」)、現在のゲインG1a>G2aであるか否かを判断する(ステップS36)。ステップS31でG1a>G2aに設定されたので、ここではゲインG1a>G2aとして(ステップS36で「Yes」)、ゲインG1a,G2aに対して乗算するための係数Z1=Zb,Z2=Zaを設定する(ステップS37)。ここで、係数Zaは、絶対値で1よりも大きい値であり、Zbは、Zaの逆数である。
ステップS38では、設定した係数Z1,Z2を現在のゲインG1a,G2aに乗算してなる値を、新たなゲインG1a,G2aに設定し直して、ステップS7に移る。この新たなゲインを設定し直すことは、ゲイン設定部400が、増幅部83に対して現在のゲインG1aに係数Z1を乗算した値を新たなゲインG1aとして設定し直し、かつ、増幅部82に対して現在のゲインG2aに係数Z2を乗算した値を新たなゲインG2aとして設定し直すことを指示することにより行われる。
Z2(=Za)が1より大きい値であるので、レジストモーターM2に対するゲインG2aがより大きな値に更新され、搬送モーターM1に対するゲインG1aがより小さな値に更新される(図15(c)の時点t11参照)。
用紙Sの搬送量が多い方のレジストモーターM2の回転が目標値Ptと搬送量P2との差分である絶対偏差P2aに対して必要とされる増速量よりも、ゲインG2aを適用した相対偏差E2の分だけ、減速される方向に調整されつつ、搬送量が少ない方の搬送モーターM1の回転が目標値Ptと搬送量P1との差分である絶対偏差P1aに対して必要とされる増速量よりも、ゲインG1aを適用した相対偏差E1の分だけ、さらに増速される方向に調整されることにより、モーターの回転速度差が低減される。
ステップS7以降の処理を実行した後、ステップS11からS6に戻り、S32が再度実行されるときにも、相対偏差E>0であれば(ステップS32で「No」)、ステップS36に移るが、この時点でゲインG1a≦G2aの場合(ステップS36で「No」)、ステップS37,S38をスキップして(実行せず)、ステップS7に移る。これは、図15(c)の時点t11〜t12間に相当する。
なお、ゲインG1a>G2aであれば(ステップS36で「Yes」)、再度、ステップS37,S38を実行した後、ステップS7に移る。
ルーチンが一巡するごとに、ステップS6〜S11が繰り返し実行され、その都度、相対偏差E>0であれば(ステップS32で「No」)、ステップS36以降の処理が実行される。この実行の繰り返しにより、ゲインG1a<G2aの関係が維持されれば、レジストモーターM2の回転が絶対偏差P2aに対して必要とされる増速量よりも減速される方向に調整されつつ、搬送モーターM1の回転が絶対偏差P1aに対して必要とされる増速量よりも、さらに増速される方向に調整されることが継続されるが、この回転速度の増減調整により、やがて搬送モーターM1による搬送量P1がレジストモーターM2による搬送量P2以上になると、相対偏差Eが0以下になる。
相対偏差E≦0になったことを判断すると(ステップS32で「Yes」)、現時点でゲインG1a<G2aであるか否かを判断する(ステップS33)。ここでは、直前のステップS38でG1a<G2aの関係になっているとして(ステップS33で「Yes」)、係数Z1=Za,Z2=Zbを設定する(ステップS34)。
そして、設定した係数Z1,Z2を現在のゲインG1a,G2aに乗算してなる値を、新たなゲインG1a,G2aに設定し直して(ステップS35)、ステップS7に移る。このゲインを設定し直す方法は、上記のステップS38と同じである。
Z1(=Za)が1より大きい値であるので、搬送モーターM1に対するゲインG1aがより大きな値に更新され、レジストモーターM2に対するゲインG2aがより小さな値に更新される(図15(c)の時点t12参照)。
時点t12以前とは、搬送モーターM1とレジストモーターM2による用紙Sの搬送量の大小が入れ替わったために、時点t12以降には、用紙Sの搬送量が多くなっている方の搬送モーターM1の回転が絶対偏差P1aに対して必要とされる増速量よりも、ゲインG1aを適用した相対偏差E1の分だけ、減速される方向に調整されつつ、搬送量が少なくなっている方のレジストモーターM2の回転が絶対偏差P2aに対して必要とされる増速量よりも、ゲインG2aを適用した相対偏差E2の分だけ、さらに増速される方向に調整されることになり、両モーターによる用紙Sの搬送量の差が低減されるようになる。
ステップS35に続いてステップS7以降の処理を実行した場合に、ステップS11からS6に戻り、S32が再度実行されるときに相対偏差E≦0であれば(ステップS32で「Yes」)、ステップS33に移るが、この時点でゲインG1a≧G2aの場合(ステップS33で「No」)、ステップS34,S35をスキップして、ステップS7に移る。これは、図15(c)の時点t12〜t13間に相当する。
なお、ゲインG1a<G2aであれば(ステップS33で「Yes」)、再度、ステップS34,S35を実行した後、ステップS7に移る。
ルーチンの一巡ごとに、相対偏差E≦0であれば(ステップS32で「Yes」)、ステップS33以降の処理が実行される。この実行の繰り返しにより、ゲインG1a>G2aの関係が維持されれば、搬送モーターM1が絶対偏差P2aに対して必要とされる増速量よりも相対偏差E1の分だけ、減速される方向に調整されつつ、レジストモーターM2が絶対偏差P2aに対して必要とされる増速量よりも相対偏差E2の分だけ、さらに増速される方向に調整されることが継続されるが、この回転速度の増減調整により、やがてレジストモーターM2による搬送量P2が搬送モーターM1による搬送量P1よりも大きくなると、相対偏差E>0になる。
相対偏差E>0になると(ステップS32で「No」)、再度、ステップS36〜S38の処理が実行されて、上記同様にレジストモーターM2が絶対偏差P2aに対して必要とされる増速量よりも相対偏差E2の分だけ、減速される方向に調整されつつ、搬送モーターM1が絶対偏差P1aに対して必要とされる増速量よりも、相対偏差E1の分だけ、さらに増速される速度調整に切り替えられる(図15(c)の時点t13参照)。
同期制御が実行されている間(図15(c)の時点t0以降)、用紙Sの搬送量P1,P2の大小が入れ替わることにより、ゲインG1a,G2aの大小が交互に切り替えられるようになり、両モーターによる用紙Sの搬送量の差が時間経過に連れて低減されていくことになる。
なお、上記ではゲインG1a,G2aを可変するとしたが、これに限られない。
例えば、装置構成により、回転負荷が小さいために進む傾向にあるモーターと、回転負荷が大きいために遅れる傾向にあるモーターとが固定化されているような場合には、予め進み側のモーターに対するゲインを、遅れ側のモーターに対するゲインよりも高めに設定しておく構成をとることもできる。このようにすれば、ゲインをダイナミックに切り替える制御が不要になり、それだけ回路構成を簡素化することができる。
<実施の形態5>
上記実施の形態4では、ゲインG1a,G2aを用紙Sの搬送量に応じて切り替えるとしたが、本実施の形態5では、搬送モーターM1とレジストモーターM2の出力が上限であるか否かに応じて切り替えるとしており、この点で実施の形態4と異なっている。
図18は、実施の形態5に係るフィードバック制御の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートであり、実施の形態4と異なる部分だけを示している。
同図に示すように、ステップS6とS7の間に、図17に示すステップS32〜S38に代えて、ステップS41〜S47が実行され、ステップS5とS6の間には、図17に示すステップS31が実行されない構成になっている。
ステップS41では、ステップS6で求められた相対偏差Eが0以下であるか否かを判断する。相対偏差E≦0ということは、搬送モーターM1がレジストモーターM2に対して回転量が大きい(進んでいる)または同じであることを意味し、偏差E>0ということは、搬送モーターM1がレジストモーターM2に対して遅れていることを意味している。
相対偏差E>0であることを判断すると(ステップS41で「No」)、遅れている方の搬送モーターM1の出力値が上限域に入っているか否かを判断する(ステップS45)。ここで、出力値とは、搬送モーターM1へ印加する平均電圧に相当するデューティー比のことであり、出力値の上限域とは、デューティー比が搬送モーターM1の立ち上がり時以外の通常搬送時においてシステム速度V0を維持するのに適していると想定される基準範囲を超える範囲であり、例えばデューティー比が0〜100〔%〕の範囲で可変可能としたとき、基準範囲を30〜80〔%〕、上限域を80〔%〕以上とすることができる。
搬送モーターM1の出力値が上限域に入っていることを判断すると(ステップS45で「Yes」)、搬送モーターM1に対するゲインG1aをG1iに設定して(ステップS46)、ステップS7に移る。一方、上限域に入っていない、すなわち上限域よりも下(上限未満)であることを判断すると(ステップS45で「No」)、ゲインG1aをG1uに設定して(ステップS47)、ステップS7に移る。
ここで、ゲインG1iとG1uは、G1iよりもG1uの方が搬送モーターM1による搬送量P1をより増加させる作用を有する関係にある。ここでは、ゲインの絶対値の大きい方が小さい方よりも搬送量の増加作用が大きくなる構成が採用されており、絶対値でG1i<G1uの関係になっている。
このように搬送モーターM1の出力値が上限域に入っているか否かにより搬送モーターM1に対するゲインG1aを大小に切り替えるのは、次の理由による。
すなわち、上記のように搬送再開からのモーターの立ち上がり時に、搬送モーターM1による用紙Sの搬送量P1とレジストモーターM2による用紙Sの搬送量P2に差分があれば、両者が歩み寄るように調整される。ところが、遅れている方のモーターについては増速に余裕がない場合が多く、逆に進んでいる方のモーターについては減速を行い易いことから、進み側と遅れ側の中間よりも遅れ側に片寄る傾向が強くなり、結果的に立ち上がりが進むに連れて用紙Sの搬送量が目標値Ptに対して遅れ気味になることが多くなる。
用紙Sの搬送量が遅れ気味になった状態で、立ち上がりの途中で遅れている方のモーターに増速の余裕が出て、遅れている方のモーターのさらなる増速により搬送量P1,P2に差がほとんどなくなると(同期がとれてくると)、相対偏差Eの影響がほとんどなくなる。その後は、位置FBループ1,2により、目標値Ptに追い付くべく、両モーターがシステム速度V0よりも速く回転して、それまでの遅れを取り戻す動作が行われる。
この動作は、一時的にモーターの回転速度がシステム速度V0よりも高速側にオーバーシュートする動作を伴い(図4のXc参照)、通常のシステム速度V0による用紙Sの搬送よりも駆動音が大きくなり、オーバーシュートしている時間が長くなると、人によっては騒音に聞こえる場合があり得る。
そこで、遅い方のモーターに増速の余裕が出てきた時点、上記では搬送モーターM1の出力値が上限未満になった時点で、搬送モーターM1に対するゲインG1aをそれまでのG1i(初期値)よりも大きいG1uに切り替えて、搬送モーターM1をより加速させることにより、初期値G1iを維持する場合よりも同期をより早くとれるようにする。
同期を早くとれると、それまでの遅れを取り戻す動作の開始を、初期値G1iを維持する場合よりも早く開始でき、遅れを取り戻す動作を早く開始できれば、それだけオーバーシュートしている時間が短くて済み、騒音に聞こえるといったことが回避され易くなるからである。
搬送再開から時間経過に連れてステップS6〜S11の処理が繰り返し実行され、立ち上がり開始直後は搬送モーターM1の出力が上限域に入るためにゲインG1aがG1iに設定されるが(S45で「Yes」、S46)、立ち上がりの途中で搬送モーターM1の出力が上限未満になり搬送モーターM1に余裕が出て来るとゲインG1aがG1uに切り替わり(S45で「No」、S47)、搬送モーターM1がより増速されるように調整されることにより、ゲインG1aを初期値G1iに維持する場合よりも搬送量の遅れの取り戻しを早期に開始することができるようになる。
ステップS41において相対偏差E≦0であることを判断すると(ステップS41で「Yes」)、遅れている方のレジストモーターM2の出力値が上限域に入っているか否かを判断する(ステップS42)。この出力値の上限域は、搬送モーターM1に対する上限域と基本的に同じものであり、レジストモーターM2に対するデューティー比が立ち上がり時以外の通常搬送時においてシステム速度V0を維持するのに適していると想定される基準範囲を超える範囲に相当する。
レジストモーターM2の出力値が上限域に入っていることを判断すると(ステップS42で「Yes」)、レジストモーターM2に対するゲインG2aをG2iに設定して(ステップS43)、ステップS7に移る。一方、上限域に入っていない、すなわち上限未満であることを判断すると(ステップS42で「No」)、ゲインG2aをG2uに設定して(ステップS44)、ステップS7に移る。
ゲインG2iとG2uは、G2iよりもG2uの方がレジストモーターM2による搬送量P2をより増加させる作用を有する関係にあり、ゲインG1iとG1uの場合と同様にゲインの絶対値の大きい方が小さい方よりも搬送量の増加作用が大きくなる構成が採用されており、絶対値でG2i<G2uの関係になっている。
搬送再開から時間経過に連れてステップS6〜S11の処理が繰り返し実行され、立ち上がり開始直後にレジストモーターM2の出力が上限域に入れば、ゲインG2aがG2iに設定される(S42で「Yes」、S43)。そして、立ち上がりの途中でレジストモーターM2の出力が上限未満になり、レジストモーターM2に余裕が出て来るとゲインG2aがG2uに切り替わり(S42で「No」、S44)、遅れている方のレジストモーターM2がより増速されるように調整される。
これにより、搬送モーターM1が遅れている場合と同様に、レジストモーターM2に対するゲインG2aを初期値G2iに維持する場合よりも搬送量の遅れの取り戻しを早期に開始することができるようになり、遅れている方の搬送モーターM1またはレジストモーターM2の立ち上がり終了後のオーバーシュートによる駆動音の発生を低減できる。
<実施の形態6>
上記実施の形態では、レジスト動作において、用紙Sの先端部にループを形成した後、搬送ローラー33を一旦停止させる構成例を説明したが、本実施の形態6では、ループを形成せずに搬送ローラー33を一旦停止させるとしており、この点が異なっている。
図19は、本実施の形態6に係るレジスト動作のタイミングチャートを示す図である。
同図に示すように、レジストモーターM2の停止によりレジストローラー34が停止している状態で、搬送モーターM1により回転駆動される搬送ローラー33により1枚の用紙Sが搬送され、その用紙Sの先端がタイミングセンサー38により検出されてから(時点t0)、所定時間tcの経過時である時点t1で搬送モーターM1が停止される。
この所定時間tcは、用紙Sの先端がタイミングセンサー38により検出されてから、一対のレジストローラー34のニップ(ローラー同士の接触している部分)に到達するまでに要すると想定される時間であり、予め決められている。なお、時点t1では、まだ用紙Sの先端部にはループが形成されていない。
搬送モーターM1が停止後、時点t2に至ると、搬送モーターM1の回転が再開され、停止していた用紙Sの、搬送ローラー33による搬送が再開される。時点t2は、作像部10Y〜10Kによる作像動作のタイミングに基づく用紙Sの搬送再開タイミングに相当する。
時点t2で搬送モーターM1の立ち上がりが開始され、搬送ローラー33による用紙Sの搬送が再開されるが、まだレジストモーターM2が停止しているので、用紙Sの先端がレジストローラー34により止められつつ、レジストローラー34によりも搬送方向上流側に位置する搬送ローラー33の搬送力を受けて、用紙Sの先端部にループが形成され始め、ループ量が増加していく(時点t2以降)。なお、同図のループ量のグラフは、時間経過に伴ってループ量が増加する様子を模式的に示したものであり、必ずしも比例直線になるとは限らない。
用紙Sに形成されるループ量が所定の大きさのQ1に達した時点t3に至ると、レジストモーターM2の回転駆動が開始される。搬送モーターM1の立ち上がり開始(時点t2)から時間tdだけ遅れてレジストモーターM2の立ち上がりが開始されることになる。
これにより、搬送ローラー33とレジストローラー34の両方による用紙Sの搬送が開始される(同期制御)。ループ量がQ1に達したことの判断は、搬送モーターM1に対する目標値Pt1の大きさにより判断される。
レジストモーターM2の立ち上がり開始時である時点t3では、先行して搬送モーターM1の立ち上がりが開始されているので、搬送モーターM1の方がレジストモーターM2よりも回転速度が速いはずであるが、レジストローラー34の回転が開始されたことから、用紙Sのループ量の増加率が時点t3を境に低下傾向になる。やがて、両モーターの立ち上がりが終了して、両モーターに対する位置フィードバック制御により、後述のように用紙Sの搬送量P1と、搬送量P2にループ量Q2(基準値に相当)を加算した量とが同じになると、ループ量がQ2で安定する(時点t4以降)。用紙Sの先端が二次転写位置351に到達するまでの間にループ量がQ2で安定するように位置フィードバック制御が実行される。
図20は、本実施の形態6に係るモーター制御部660の回路構成を示す図である。
同図に示すように、モーター制御部660は、ループ量調整部600を有すると共に、偏差ループ部6cに、実施の形態1に係る減算部81に代えて、3つの信号を入力する減算部604が設けられ、さらに、目標値Ptが搬送モーターM1用のPt1とレジストモーターM2用のPt2とで独立して、個別に減算部61,71に入力される構成になっており、これらの点が実施の形態1に係るモーター制御部60と異なっている。
目標値Pt1,Pt2を独立して設けているのは、上記のように同期制御の開始を、搬送モーターM1が先行して回転している状態でレジストモーターM2の回転が開始された時点で行うとしており、両方のモーターの回転開始時期がずれているので、両方のモーターが同時に回転を開始して同期制御が始まる実施の形態1のように共通の目標値Ptを用いることができないからである。
ループ量調整部600は、ループ量判断部601と、ループ量出力部602と、ゲイン切替部603を備える。
ループ量判断部601は、搬送モーターM1の回転開始後、ループ量出力部602から随時、出力される用紙Sに対する目標値Pt1とPt2の差分を示す信号Prを受信して、受信したPrの大きさに基づいて、用紙Sに形成されるループ量の大きさを判断する。
なお、目標値Pt1とPt2は、それぞれ上記のように時間経過に連れて変化するが、目標値Pt2については、時点t3まではレジストモーターM2が停止しているので、0のままであり、Prは実質、Pt1に等しくなる。
ここでは、差分Pr(=目標値Pt1)の大きさとループ量の大きさが対応付けされたループ量対応情報が予め記憶されており、ループ量判断部601は、ループ量対応情報を参照して、1枚の用紙Sに対する搬送モーターM1の回転再開(図19の時点t2)から、受信した差分Pr(=目標値Pt1)がループ量Q1に対応する搬送量に達すると(図19の時点t3)、ループ形成信号をゲイン切替部603と全体制御部50に出力する。
ゲイン切替部603は、ループ量判断部601からループ形成信号を受信するまでは、増幅部82,83に対してゲインG1a,G2aを0に設定するように指示しており、ループ形成信号を受信すると、ゲインG1a,G2aを通常値に戻す指示を行う。増幅部82,83は、ゲイン切替部603からの指示によりゲインG1a,G2aを切り替え可能なものが用いられている。本実施の形態では、ゲインの切替指示をゲイン切替部603が実行するので、実施の形態1のように全体制御部50からの制御切替信号による切替指示を受け付ける構成にはなっていない。
時点t3まではゲインG1a,G2aが0になるので、相対偏差E1,E2も0になり、搬送モーターM1だけが回転しているときは(時点t2〜t3間)、絶対偏差P1aが相対偏差E1の影響を受けない状態、すなわち目標値Pt1と搬送量P1の差分だけをなくすように位置フィードバック制御が実行される。レジストモーターM2の回転開始時(時点t3)以降は、ゲインG1a,G2aが通常値に戻されるので、相対偏差Eの影響を受けながら位置フィードバック制御が実行される。
全体制御部50では、ループ量判断部601からループ形成信号を受信すると、ループ量Q1の第1ループが完了したとして、モーター制御部660のPID制御部74に対してオン(動作)信号を出力すると共に、搬送量カウント部75に対してリセット信号を出力して、搬送量P2のカウントをリセットする指示を行う。時点t3で、搬送量P1とP2とがループ量Q1に相当する量だけ一時的に差が生じた状態になる。
なお、時点t3でのPID制御部74と搬送量カウント部75へのON動作とリセット信号の出力に先行して、時点t2で既に、PID制御部64と搬送量カウント部65へのON動作とリセット信号が出力されている。
時点t3におけるレジストモーターM2の回転指示により、レジストモーターM2の立ち上がりが開始され、レジストローラー34による用紙Sの搬送が開始されつつ、搬送量カウント部75からは、レジストモーターM2の回転開始から出力されるエンコーダーパルスのパルス数により搬送量P2を示す信号が出力される。
ループ量出力部602は、時点t2以降、出力される用紙Sに対する目標値Pt1とPt2を示す信号を受信して、これらの差分Pr(=Pt1−Pt2)を求める減算部605を有しており、求めた差分Prを示す信号を減算部604とループ量判断部601に出力する。なお、上記のように時点t2〜t3間では、目標値Pt2=0になるので、実質、Pr=Pt1になる。
目標値Pt2は、目標値Pt1よりも遅れて時点t3を起点に0から変化していくので、目標値Pt1とPt2の差分Prは、時点t3では用紙Sのループ量Q1を表し、時点t3以降では、その時々における用紙Sのループ量を表すものといえ、換言するとループ量の大きさは、目標値Pt1とPt2の変化量により決まることになる。従って、時点t3以降の搬送モーターM1とレジストモーターM2の両方が回転している状態において、時点t3以降にループ量がQ1から徐々に増えて時点t4で基準値Q2に至るように、目標値Pt1とPt2が変化していく構成をとれば、時点t4以降にループ量が目標のループ量(基準値Q2)で安定した状態になる。
減算部604では、現時点での実際の用紙Sの搬送量P1,P2とループ量に相当するPrの3つの信号が入力され、搬送量P2とPrの加算値からP1を差し引いた値を示す信号を相対偏差Eとして、増幅部82,83に出力する。
減算部604にPrを入力するのは、用紙Sのループ量をQ2で安定させるためである。すなわち、Prを入力しなければ、レジストモーターM2の回転が開始する時点t3では、既にループ量Q1の第1ループが完了しており、ループ量Q1が用紙Sの搬送量P1,P2の差分になり、これを0にすべく偏差ループが作用してしまい、理想のループ量Q2を得られなくなるからである。
減算部604にPrを入力しつつ、同期制御において用紙Sの搬送中に用紙Sの搬送量P2にPrを加算した値が搬送量P1に等しくなる関係が維持されるように、目標値Pt1,Pt2の時間経過に伴う変化量を設定することにより、搬送中の用紙Sのループ量を搬送量Prに相当する理想(基準)のループ量Q2で安定させることが可能になる。
なお、第1ループから第2ループに段階的に切り替えるのは、形成されるループ量が過多になるのを防止するためである。
すなわち、レジストモーターM2の回転開始前に第1ループではなく第2ループを形成するとすれば、レジストモーターM2の回転を開始する時点(図19の時点t3)では、既に搬送モーターM1の方が先行して回転を開始している。
従って、時点t3でレジストモーターM2の回転開始から、レジストモーターM2による搬送量P2が搬送モーターM1の搬送量P1に追い付くまでの間、形成されるループ量が理想値のループ量Q2から、さらに増え続けることになる(図19の時点t3〜t4間に相当)。このように用紙Sのループ量が理想値のQ2よりも大きくなると、これをQ2まで戻す必要が生じる共に、ループ量が大きくなりすぎるとその撓んだ用紙部分が屈曲するなど、用紙Sの搬送性が低下するおそれが生じることもあるからである。
なお、用紙Sのループ量を上記のように段階的に切り替えなくても、ループ量の過多が発生することがないような構成においては、段階的な切り替えに代えて、時点t3までの間に理想(目標)のループ量Q2を形成しておく制御をとるとしても良い。
レジストモーターM2の回転開始時(t3)からレジストモーターM2の立ち上がりにより、システム速度V0に向けて増速されるが、上記のようにレジストモーターM2は、用紙Sのループに起因する負荷が少なく、搬送モーターM1よりも立ち上がりが早い。
このため、搬送モーターM1による用紙Sの搬送量P1とレジストモーターM2による用紙Sの搬送量P2の差は、比較的短い時間で少なくなっていく。搬送量P1とP2の差がPr相当になると、相対偏差Eが0になる。レジストモーターM2の回転開始時以降、位置FBループ1、2により、搬送量P1,P2が目標値Ptに追随しつつ相対偏差Eもなくなるように位置フィードバック制御が行われる。
これにより、搬送再開後の用紙Sに形成されるループ量が理想のループ量Q2を維持しつつ、作像動作のタイミングに合わせて用紙Sを二次転写位置351に搬送することができるようになる。
図21は、実施の形態6に係るフィードバック制御の内容の一部だけを抜き出して示すフローチャートであり、実施の形態1と異なる部分だけを示している。
同図に示すように、ステップS61〜S69がステップS7の前に実行されるようになっており、図7に示すステップS1〜S5に代えて、ステップS61〜S68が実行され、図7に示すステップS6に代えて、ステップS69、S70が実行される構成になっている。
ステップS61では、1枚の用紙Sの搬送再開のために、全体制御部50からのON/OFF信号の指示に基づき、搬送モーターM1を駆動開始し、レジストモーターM2を停止した状態とする。これは、図19に示す時点t2での動作に相当し、用紙Sの搬送が再開される。なお、搬送量カウント部65の搬送量P1もリセットされる。
そして、増幅部82,83のゲインG1a,G2aを0に設定する(ステップS62)。この設定は、ゲイン切替部603により実行される。
現在の偏差Ep1を計算する(ステップS63)。偏差Ep1は、〔(目標値Pt1−搬送量P1)×G1b〕の式により計算される。
計算された偏差Ep1の大きさに基づきPID制御による搬送モーターM1に対する制御値を決定し、決定された制御値を搬送モーターM1に出力する(ステップS64)。
そして、目標値Pt1とPt2の差分Prを計算し(ステップS65)、ステップS66に移る。なお、上記のように時点t2〜t3間では、Pt2=0なので、Prは実質、Pt1に等しくなる。
計算した差分(ループ量)Prが所定の大きさのQ1に達したか否かを判断する(ステップS66)。この判断は、ループ量判断部601が担当する。
ループ量がQ1に達していないことを判断すると(ステップS66で「No」)、ステップS63に戻り、S63〜S65の処理を実行する。
ループ量がQ1に達していることを判断するまで、ステップS63〜S66の処理を繰り返し実行し(第1ループ形成動作)、ループ量がQ1に達したことを判断すると(ステップS66で「Yes」)、ループ量判断部601からループ形成信号を受信した全体制御部50からのON/OFF信号の指示に基づき、レジストモーターM2の回転駆動を開始する(ステップS67)(時点t3)。これにより、レジストモーターM2による用紙Sの搬送が開始される。なお、この駆動開始の指示と共に、全体制御部50は、搬送量カウント部75に対してリセット信号を出力し、搬送量P2をリセットさせる。
次に、増幅部82,83のゲインG1a,G2aを通常値に戻す設定を行う(ステップS68)。この設定は、ゲイン切替部603により実行される。なお、ステップS67〜S68の処理は、時点t3に達したときに、用紙搬送の工程において略同時とみなして差支えのない時間、例えば数マイクロ秒程度の時間で実行される。
ステップS69では、現時点、すなわち搬送モーターM1とレジストモーターM2の両方が回転している状態における目標値Pt1とPt2の差分Prを計算して、ステップS70に移る。
ステップSS70では、相対偏差Eを計算し、その後にステップS7に移る。なお、相対偏差Eは、(搬送量P2−P1+Pr)の式により計算される。
ステップS7以降は、実施の形態1と同様に、計算された相対偏差Eと、絶対偏差P1a,P2aに基づき、搬送モーターM1とレジストモーターM2が目標値Pt1,Pt2に追随するようにして位置フィードバック制御される。この際、相対偏差Eに搬送量Prが加味されているので、搬送再開された用紙Sは、時点t4以降では搬送ローラー33とレジストローラー34の間に存する用紙部分にループ量Q2のループが形成されつつ(第2ループ形成動作)、相対偏差Eによる絶対偏差の補正に基づくフィードバック制御により二次転写位置351に搬送され、画像形成の用に供されることになる。
このように搬送再開時に本来(理想)のループが形成されていなくても、理想のループ量Q2のループを形成しつつ、実施の形態1と同様に搬送モーターM1とレジストモーターM2による用紙Sの搬送量が上記の歩み寄る方向に調整されることにより、用紙Sを安定走行させて用紙の搬送性を向上することができる。
また、本実施の形態においても、上記のいずれかの所定条件が満たされたときに、同期制御を非同期制御に切り替える(相対偏差による絶対偏差の補正を禁止する)構成をとることもできる。
なお、本発明は、画像形成装置や画像処理装置を含む画像処理装置に限られず、モーターをフィードバック制御する制御方法であるとしてもよい。また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。さらに、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態1では、位置フィードバック制御により、搬送モーターM1とレジストモーターM2の立ち上がり時の回転速度差による用紙Sの搬送量の差を低減するとしたが、立ち上がり時に限られることもない。
例えば、用紙搬送中に、個別に制御される2つのモーターのいずれかに、予定していない回転負荷が作用した場合に、負荷により遅れ気味になった一方のモーターと、これよりも遅れの程度が少ない他方のモーターに対して、双方のモーターによる搬送量P1,P2が相互に歩み寄るように制御することにより、用紙Sとローラーとがスリップして搬送ずれが起きたり、大きな撓みの発生による用紙Sが屈曲したりするなどの用紙Sの搬送性低下を抑制することができる。
このような用紙搬送中の制御としては、例えば、一対の搬送ローラー33が2組以上、用紙搬送方向に間隔をおいて配置される場合に、いずれか2つの組の搬送ローラーを個別に回転させる2つのモーターに対して適用することが考えられる。
また、上記実施の形態1では、レジスト動作において用紙Sの先端が、停止中のレジストローラー34のニップに当接している状態で用紙Sの搬送再開を行う場合の例について説明したが、これに限られない。例えば、停止中のレジストローラー34のニップを用紙Sの先端が少し通過している状態など用紙Sの先端側の部分が当該ニップに介在している状態で、搬送再開するような場合にも適用することができる。
(2)上記実施の形態1では、用紙Sの搬送量P1,P2を搬送モーターM1,レジストモーターM2のエンコーダーから出力されるエンコーダーパルス(回転量)を用いて検出するとしたが、これに限られない。例えば、搬送ローラー33とレジストローラー34の実際の回転量を搬送量の指標値として検出して、検出した回転量から用紙Sの搬送量を検出する構成をとることができる。
また、用紙Sの実際の搬送量P1,P2と、時間経過に伴って搬送位置(搬送距離)が更新されていく目標値Ptに基づき、位置フィードバック制御により用紙Sを搬送させるとしたが、位置フィードバック制御に限られない。
例えば、レジスト動作以外の用紙Sの搬送中に、何らかの負荷変動により用紙の搬送性が低下すると想定される構成に、上記のフィードバック制御を適用する場合には、フィードバック制御の対象をモーターの回転速度とすることもできる。
2つのモーターの回転速度を負荷変動が生じてもその速度差が大きくならないように安定させることができれば、その速度差が大きくなることにより搬送中の用紙Sに2つのローラー間に存する用紙部分に引っ張り力がかかったり、過大なループ発生により用紙Sが屈曲したりすることを防止することができる。モーターの回転速度に時間を乗じると搬送距離になることから、モーターの回転速度を搬送量の指標値として捉え、モーターの回転速度に基づき用紙(シート)の搬送量を検出する構成をとることができる。
(3)上記実施の形態では、搬送モーターM1とレジストモーターM2として、DCブラシレスモーターを用いる構成例を説明したが、フィードバック制御の対象となり得るものであれば、モーターの種類は、これに限られない。例えば、ブラシモーターなど直流モーター一般に適用することができる。
また、上記実施の形態において増幅部を設けない回路構成をとることもできる。この回路構成をとる場合、増幅部に代えてスイッチを設け、相対偏差Eを加味する同期制御ではスイッチを閉にして、相対偏差Eを加味しない非同期制御に切り替える場合には、スイッチを閉から開に切り替える構成をとることができる。
(4)上記実施の形態では、画像形成装置の一例としてのタンデム型のカラープリンター100に設けられる給紙カセット31から繰り出された用紙Sの搬送にフィードバック制御を用いる構成例を説明したが、これに限られない。画像形成装置としては、例えば複写機やファクシミリ装置、複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)等などに適用できる。
また、タンデム型のカラープリンターの場合、感光体ドラム11と中間転写ベルト21を像担持体、二次転写位置351を像担持体の転写位置と捉えて、この転写位置に画像形成のタイミングに合わせて用紙Sをレジストローラー34により搬送する構成となるが、例えば、1つの感光体ドラム上に形成された画像を直接、用紙に転写するモノクロの画像形成装置の場合、感光体ドラムが像担持体、感光体ドラムの転写位置を像担持体の転写位置と捉えることもできる。
さらに、画像形成装置に限られず、スキャナーなどの画像読取装置にセットされた原稿の読取位置への搬送に適用することもできる。
具体的には、原稿トレイにセットされた原稿を1枚ずつ搬送路に繰り出して、繰り出された原稿を一対の第1ローラー(搬送ローラー33に相当)と、これよりも搬送方向下流側の一対の第2ローラー(レジストローラー34に相当)により、画像読取のタイミングに合わせて読取位置に搬送し、搬送される原稿が読取位置を通過する際にその原稿の画像を光学的に読み取る画像読取装置において、第1ローラーを回転駆動する第1モーター(搬送モーターM1に相当)と第2ローラーを回転駆動する第2モーター(レジストモーターM2に相当)をそれぞれフィードバック制御する場合に、上記と同様の制御方法をとることができる。
すなわち、画像処理の対象となる用紙や原稿などの1枚のシートを、一対の第1ローラーと、当該第1ローラーよりもシート搬送方向下流側かつ当該第1ローラーとの間隔が当該シートの搬送方向長さよりも短い位置に配される一対の第2ローラーとで搬送する構成であり、一対の第1ローラーを回転させる第1モーターと、一対の第2ローラーを回転させる第2モーターと、第1モーターと第2モーターをフィードバック制御する制御手段を備える画像形成装置や画像読取装置などを含む画像処理装置一般に適用可能である。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、画像処理の対象となる用紙や原稿などの1枚のシートを搬送する第1ローラーと第2ローラーを回転させる第1モーターと第2モーターをフィードバック制御する画像処理装置に広く適用することができる。
6a、6b 位置フィードバック制御部
6c 偏差ループ部
33 搬送ローラー
34 レジストローラー
38 タイミングセンサー
39 搬送路
60、260,360、460、660 モーター制御部
61、71、72、81、121、131、133、604 減算部
62、721、122、132、304、314 加算部
63、73、82、83、303、313、821 増幅部
65、75 搬送量カウント部
100 プリンター(画像形成装置)
200、321 条件判断部
301、311 回転数変換部
400 ゲイン設定部
601 ループ量判断部
602 ループ量出力部
E、E1、E2 相対偏差
Ep1、Ep2、P1b、P2b 偏差
M1 搬送モーター
M2 レジストモーター
P1、P2 用紙の搬送量
P1a、P2a 絶対偏差
Pt 目標値(搬送量)
Nt 目標値(回転速度)
S 用紙

Claims (14)

  1. 画像処理の対象となる1枚のシートを、一対の第1ローラーと当該第1ローラーよりも搬送方向下流側の一対の第2ローラーとで搬送する画像処理装置であって、
    前記一対の第1ローラーを回転させる第1モーターと、
    前記一対の第2ローラーを回転させる第2モーターと、
    前記第1モーターと第2モーターを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記シートの搬送中に、前記第1モーターによるシートの搬送量P1とこれと同時刻の前記第2モーターによるシートの搬送量P2を検出し、
    前記搬送量P1<P2の場合には、前記搬送量P1とその本来の目標値との差分である第1偏差に、前記第1モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正をかけると共に、前記搬送量P2とその本来の目標値との差分である第2偏差に、前記第2モーターによるシートの搬送量が小さくなる方向に作用する補正をかけ、
    前記搬送量P1>P2の場合には、前記第1偏差に、前記第1モーターによるシートの搬送量が小さくなる方向に作用する補正をかけると共に、前記第2偏差に、前記第2モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正をかける補正処理を行い、
    前記補正処理後の第1偏差と第2偏差がなくなるようにフィードバック制御を行うことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記補正処理の開始以降に、当該補正を禁止する所定条件が満たされると、当該補正を禁止して、当該補正を施していない第1偏差と第2偏差なるように前記フィードバック制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記第1モーターと第2モーターが停止しているときに、前記シートの搬送方向先端が前記一対の第ローラー同士の接触している部分に当接すると共に、当該シートの搬送方向後端側の部分が前記一対の第ローラー間に介在した状態で、前記第1モーターと第2モーターの起動に伴って、前記補正を開始することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記所定条件は、
    前記起動開始により前記シートの搬送が開始されてからの当該シートの搬送量が所定の搬送量に達したことであることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記所定条件は、
    前記起動開始により搬送が開始された前記シートの搬送方向後端が前記第1ローラーを通過したことであることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  6. 前記第2ローラーよりもシート搬送方向下流に第3ローラーが設けられており、
    前記所定条件は、
    前記起動開始により搬送が開始された前記シートの搬送方向先端が前記第3ローラーに到達したことであることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  7. 前記補正は、
    前記シートの、前記第1ローラーと第2ローラーの間に存するシート部分に、ループが形成された状態で開始されることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記所定条件は、
    前記搬送量P1とP2の差分を相対偏差Eとしたとき、
    前記補正開始以降に、所定値Ea(<0)≦E≦所定値Eb(>0)の関係を満たしたときであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  9. 前記制御手段は、
    前記第1モーターと第2モーターの回転数を検出する検出手段を備え、
    前記所定条件は、
    前記検出された第1モーターと第2モーターの回転数がその目標値を含む所定範囲内に入ったことであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記第1モーターをフィードバック制御するための第1フィードバックループと、
    前記第2モーターをフィードバック制御するための第2フィードバックループと、
    前記搬送量P1とP2の差分である偏差Eを第1ゲインで増幅して、前記第1フィードバックループに、前記搬送量P1<P2の場合に前記第1モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正値を戻し、前記搬送量P1>P2の場合に当該搬送量が小さくなる方向に作用する補正値を戻すことにより、前記第1偏差に補正をかける第1偏差フィードバックループと、
    前記偏差Eを第2ゲインで増幅して、前記第2フィードバックループに、前記搬送量P1<P2の場合に前記第2モーターによるシートの搬送量が小さくなる方向に作用する補正値を戻し、前記搬送量P1>P2の場合に当該搬送量が大きくなる方向に作用する補正値を戻すことにより、前記第2偏差に補正をかける第2偏差フィードバックループと、
    を備え、
    前記搬送量P1<P2の場合には、前記第1ゲイン<第2ゲインの関係になり、前記搬送量P1>P2の場合には、前記第2ゲイン<第1ゲインの関係になるように、前記第1ゲインと第2ゲインを切り替えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記第1モーターと第2モーターのうち、負荷の大きい方と小さい方のモーターが予め決められており、
    前記制御手段は、
    前記第1モーターをフィードバック制御するための第1フィードバックループと、
    前記第2モーターをフィードバック制御するための第2フィードバックループと、
    前記搬送量P1とP2の差分である偏差Eを第1ゲインで増幅して、前記第1フィードバックループに、前記搬送量P1<P2の場合に前記第1モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正値を戻し、前記搬送量P1>P2の場合に当該搬送量が小さくなる方向に作用する補正値を戻すことにより、前記第1偏差に補正をかける第1偏差フィードバックループと、
    前記偏差Eを第2ゲインで増幅して、前記第2フィードバックループに、前記搬送量P1<P2の場合に前記第2モーターによるシートの搬送量が小さくなる方向に作用する補正値を戻し、前記搬送量P1>P2の場合に当該搬送量が大きくなる方向に作用する補正値を戻すことにより、前記第2偏差に補正をかける第2偏差フィードバックループと、
    を備え、
    前記負荷の小さい方のモーターが前記第1モーターである場合には、前記第2ゲイン<第1ゲインの関係を有し、前記負荷の小さい方のモーターが前記第2モーターである場合には、前記第1ゲイン<第2ゲインの関係を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記制御手段は、
    前記第1モーターと第2モーターの出力が上限か否かを判断する判断手段を備え、
    前記第1モーターと第2モーターが停止しているときに、前記シートの搬送方向先端が前記一対の第ローラー同士の接触している部分に当接すると共に当該シートの搬送方向後端側の部分が前記一対の第ローラー間に介在した状態で、前記第1モーターと第2モーターの起動に伴って、前記補正を開始し、
    前記搬送量P1<P2の場合、前記第1モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正値をE1としたとき、前記起動開始直後に前記第1モーターの出力が上限である場合に、前記補正値E1を第1の値に維持し、その後、前記第1モーターの出力が上限未満に低下すると、前記補正値E1を前記第1の値よりも前記シートの搬送量が増加する方向に作用する第2の値に切り替え、
    前記搬送量P1>P2の場合、前記第2モーターによるシートの搬送量が大きくなる方向に作用する補正値をE2としたとき、前記起動開始直後に前記第2モーターの出力が上限である場合に、前記補正値E2を第1の値に維持し、その後、前記第2モーターの出力が上限未満に低下すると、前記補正値E2を前記第1の値よりも前記シートの搬送量が増加する方向に作用する第2の値に切り替えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記制御手段は、
    前記第1モーターと第2モーターが停止しているときに、前記シートの搬送方向先端が前記一対の第ローラー同士の接触している部分に当接すると共に、当該シートの搬送方向後端側の部分が前記一対の第ローラー間に介在した状態で、前記第1モーターを回転駆動して、前記第1ローラーにより搬送される前記シートの、前記第1ローラーと第2ローラーの間に存するシート部分に、基準よりも小さな所定の大きさのループを形成させる第1ループ形成動作を行い、
    当該第1ループ形成動作が終了すると、前記第1モーターの回転を継続しつつ前記第2モーターの回転駆動を開始した後、前記シート部分に前記基準の大きさのループを形成させる第2ループ形成動作を前記補正と共に実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  14. 前記第2ローラーは、
    像担持体への画像形成のタイミングに合わせて前記シートを前記像担持体の転写位置に搬送するレジストローラー、または前記シートをその画像読取のタイミングに合わせて読取位置に搬送するレジストローラーであり、
    前記第1ローラーは、
    前記レジストローラーに向けて前記シートを搬送する搬送ローラーであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
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