JP5866831B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、セパレーションの発生を防止する空気入りバイアスタイヤの構造に関する。
一般に、通常タイヤがパンク等で使用できなくなった時の緊急時の走行用として車に搭載されているTタイプ応急用タイヤ(いわゆる、スペアタイヤ)には、ラジアルタイヤと比較してコストが低い空気入りバイアスタイヤが使用されている。空気入りバイアスタイヤは、カーカスコードをタイヤ周方向に対し斜めに交差させた少なくとも2層のカーカスプライをコード方向を互いに逆方向に交差するように重ねたカーカスを左右一対のビードコアの周りにタイヤ内側から外側へ折り返して巻き上げ、これらの重ねられたカーカス層の両端部を係り止めしている。このようにカーカス層がビードコアの周りに折り返されたバイアス構造のTタイプ応急用タイヤでは、カーカス層の折り返して巻き上げた端部(カーカスターンアップ端部、すなわちTUH)近傍においてカーカスプライの内部でセパレーションに起因する故障が発生することが多い。
図11は、ビード部付近のカーカス層の状態を示す従来図である。図11は、2層のカーカスプライ101および102を重ねたカーカスがビードコア103の周りにタイヤ内側から外側へ折り返して巻き上げた状態を示す図である。タイヤ内側において重なって積層した2層のカーカスプライのうちタイヤ外側にあるカーカスプライ102(102L)は、ビードコア103の周りに折り返された後、カーカスプライ102(102S)となりビードフィラー104の途中の場所105で終端している。また、タイヤ内側において重なって積層した2層のカーカスプライのうちタイヤ内側にあるカーカスプライ101(101L)は、ビードコア103の周りに折り返された後、カーカスプライ102Sの端末部102Eを跨いで、さらに上方へ延びてカーカスプライ102Lと密着して積層し、カーカスプライ102L上の場所106で終端して、この106にカーカスプライ101Sの端末部101Eがある。セパレーションはこれらの端末部101Eや102Eで発生することが多い。
図12は、ビードフィラーのないバイアス構造のTタイプ応急用タイヤにおけるビード部近傍の状態を示す図である。Tタイプ応急用タイヤは、車両に装着しているタイヤが種々の原因で使用することができなくなった際の予備として車両に搭載されているタイヤであり、使用頻度が少ないことから、重量軽減のためにビードフィラーを採用しないこともある。また、ビードフィラーがないことからタイヤサイズも小さくなり保管用のスペースも少なくて済む。図11に示すようなビードフィラーがない場合には、タイヤ内側において重ねられた2層のカーカスプライのうち外側にあるカーカスプライ112(112L)は、ビードコア113の周りに折り返された後、カーカスプライ112(112S)となり、ビードコア113を巻いて延びカーカスプライ112Lと密着してカーカスプライ112L上に端末部112Eを持つ。一方、タイヤ内側において重ねられた2層のカーカスプライのうち内側にあるカーカスプライ111(111L)はビードコア113の周りに折り返された後、カーカスプライ111(111S)となり、カーカスプライ112Sの端末部112Eを超えてカーカスプライ112Lに密着し積層して延び、カーカスプライ102L上に端末部111E持ち終端している。セパレーションはこれらの端末部111Eや112Eで発生することが多い。
このようなカーカスプライの端末部で発生するセパレーションは、タイヤ走行時の転動に伴いカーカスコードの端部間に生じる歪が、コードの端部とゴムの剥離を亀裂へと促進させ、その亀裂が隣接するコード端部の亀裂と繋がることによって発生することが多い。図13はカーカスプライの端末部に発生する亀裂の状態を示す模式図である。図13は一枚のカーカスプライ121の端末部121Eの断面図であり、カーカスプライ121はカーカスコード122を一列に配置し、そのカーカスコード112をゴム引きしている。カーカスコード122−1および122−2間で亀裂124(124−1)、並びにカーカスコード122−3および122−4間で亀裂124(124−2)が発生した場合、さらに内部歪が大きくなりカーカスコード122−2および122−3間でこれらの2つの亀裂124−1および124−2がつながり亀裂が大きくなっていく。この結果カーカスプライ121の端末部121Eでカーカス層のセパレーションが発生する。
特開平07−195915
図13から分かるように、カーカスプライ端末部におけるカーカスコード端部間の距離mが短いと歪が蓄積して内部応力が大きくなり、亀裂同士がつながりやすくなるので、セパレーション発生が増大する。従って、カーカスコード端部間距離mを大きくすると亀裂が発生しにくく、かつ亀裂が伝搬して大きくなりにくく、セパレーションの発生を減少させることができる。しかし、mを大きくするとカーカスの強度が低下しタイヤの強度を維持することができない。mを大きくしたカーカスコードを有するカーカスを用いる場合には、タイヤの強度を保持するためカーカスプライを増やして多層にする必要があるが、タイヤ重量が増大し好ましくない。
そこで、カーカスコードの強度を低下させずにカーカスコード間距離mを大きくさせる方法として図14に示す方法が提案されている。(特許文献1)図14において、一層のカーカスプライ12がビードコア14の周りを内側から外側へ折り返される。(内側のカーカスプライを12A、折り返された外側のカーカスプライを12Bとする。)カーカスプライ12は簾織りされた複数本のカーカスコード18をゴム引き(図示省略)している。折り返された外側のカーカスプライ12Bのカーカスコード18の端部18Aは、隣接するコード同士がタイヤ軸方向(タイヤ幅方向と同じで矢印W方向)へ互い違いになるようにしてタイヤ周方向(矢印S方向)に配列している。すなわち、カーカスコード18の端部18Aはタイヤ周方向にジグザグ状に配列されている。
この結果、カーカスコード18の端部18Aの隣接コード間距離は、ジグザグしていない場合、すなわち平坦な配列のコード間距離Tよりも大きくなる。すなわち、mが増大するので亀裂が発生しにくくなりかつ亀裂の伝搬も起こりにくくなるので、セパレーションを抑制できるというものである。
しかし、この方法では、カーカスコード18をジグザグに変形させたことによる歪がカーカスのゴム層に蓄積して逆に亀裂が発生する可能性が高い。さらに、カーカスコード18をジグザグに加工するための装置や材料が必要になるとともに、ジグザグ量の維持管理が困難であるためコストが大幅に増大すると考えられる。
以上の課題を解決するために、本発明は折り返し後のカーカス端部(カーカスターンアップ端部)をタイヤ幅方向で波状の形状を持つゴムシート上にタイヤ周方向に対して配置する。さらに、折り返し後のカーカスコードの端部をタイヤの径方向に対して波状に高さを変化させる。具体的には以下のようにする。
(1)本発明は、二層のカーカスプライが密着して積層したカーカスがビード部の内側から外側へ折り返されたPL:2−0構造の空気入りバイアスタイヤにおいて、折り返された前記二層のカーカスプライのそれぞれの端末部は、前記ビード部近傍のタイヤ内側の前記カーカス上に配置されたゴムシート上に配置されており、前記各カーカスプライの端末部が配置された部分における前記ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みはタイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とする空気入りバイアスタイヤである。また、ビード部にビードフィラーが存在しない場合も含む。
(2)本発明は、二層のカーカスプライが密着して積層したカーカスがビード部の内側から外側へ折り返されたPL:2−0構造の空気入りバイアスタイヤにおいて、折り返された前記二層のカーカスプライのうちの1つのカーカスプライの端末部は、ビードフィラー上に配置されており、当該カーカスプライの端末部が配置された部分におけるタイヤ幅方向のビードフィラーの厚みはタイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とし、さらに、折り返された前記二層のカーカスプライのうちの他の1つのカーカスプライの端末部は、前記ビード部近傍のタイヤ内側の前記カーカス上に配置されたゴムシート上に配置されており、当該カーカスプライの端末部が配置された部分における前記ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みはタイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とする空気入りバイアスタイヤである。
(3)上記(1)および(2)において、本発明はさらに、ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みがタイヤ周方向に周期的に変化する周期数は、4以上50以下であることを特徴とする空気入りバイアスタイヤである。
(4)上記(1)〜(3)において、折り返された二層のカーカスプライの各カーカスコード端部の高さは、タイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とする空気入りバイアスタイヤである。また、各カーカスコード端部の高さがタイヤ周方向に周期的に変化する周期数は、4以上50以下であることを特徴とする。
本発明は、折り返し後のカーカス端部における隣接するカーカスコード同士の距離を実質的に大きくすることによって、カーカスコード間のゴム層に発生する歪を小さくし亀裂発生を防止する。折り返し後のカーカス端部(カーカスターンアップ端部)は、タイヤ幅方向で波状形状を有するゴムシート上に配置されるので、タイヤの周方向に対してカーカス端部(カーカスターンアップ端部)の位置も波状に変化する。従って、通常の平坦なカーカスプライのときのカーカスコード間距離よりもカーカス端部の隣接するコード間距離は大きくなっているので、従来よりもカーカス端部におけるゴム層の歪は小さい。従って亀裂が発生しにくくなり、かつ亀裂が一部に発生しても他のゴム領域に亀裂が伝搬しにくい。この結果セパレーションを防止することができる。
さらに、本発明は折り返し後のカーカス端部の高さ(タイヤ半径方向)が波状に変化していて、カーカス端部の隣接するコード間距離は通常のカーカスコード間距離よりも大きくなるので、従来よりもカーカス端部におけるゴム層の歪は小さい。従って亀裂が発生しにくくなり、かつ亀裂が一部に発生しても他のゴム領域に亀裂が伝搬しにくい。この結果セパレーションを防止することができる。また、周期性を持たせることによって、タイヤの対称性が保持されてタイヤユニフォーミティを良好な状態に維持することができる。
上記の両方を組み合わせることにより、カーカス端部の隣接するコード間距離は通常のカーカスコード間距離よりもさらに大きくなるので、相乗効果でさらに大きな亀裂防止効果およびセパレーション抑制効果が生まれる。
図1は、本発明のゴムシートを配置したタイヤの第1の実施形態を示した図である。 図2は、本発明のゴムシートおよびカーカスプライの状態を模式的に示した図である。 図3は、本発明の第2の実施形態を示す図である。 図4は、ビードフィラーを有する第3の実施形態を示す図である。 図5は、本発明の第4の実施形態を示す図である。 図6は、図5に示した第4の実施形態におけるカーカスコード端部の状態を2次元的(X−Y平面)に示した模式図である。 図7は、本発明の第5の実施形態を示す図である。 図8は第4の実施形態と第1の実施形態を組み合わせた第5の実施形態を示す図である。 図9は、連続するゴムシートを有する第6の実施形態を示す図である。 図10は、本発明の波状のゴムシートおよび波状のカーカスコード端部を有するカーカスプライを配置した空気入りバイアスタイヤを示す図である。 図11は、ビード部付近のカーカス層の状態を示す従来図である。 図12は、ビードフィラーのないバイアス構造のTタイプ応急用タイヤにおけるビード部近傍の状態を示す図である。 図13は、カーカスプライの端末部に発生する亀裂の状態を示す模式図である。 図14は、従来提案されているカーカスコードの状態を示す図である。
図1は、本発明のゴムシートを配置したタイヤの第1の実施形態を示した図である。図1に示すタイヤはビード部においてビードフィラーがない場合を示している。2枚のカーカスプライ21および22は、積層された状態でビードコア23の周りをタイヤ内側からタイヤ外側へ折り返されてタイヤ径方向外側へ延びている。(このようなカーカス構造をPL(プライロック):2−0構造、あるいは単に2−0構造という)カーカスがタイヤの内側にあるとき、すなわちカーカス本体の重なった2枚のカーカスプライのうち、タイヤ内側にあるカーカスプライ(内側カーカスとも言う)を21L、その外側にあるカーカスプライ(外側カーカスとも言う)を22Lとする。(以下、タイヤ本体側にLを添える)また折り返された後の2枚のカーカスプライのうち、タイヤ表面側(タイヤの外側)にあるカーカスプライを21S、タイヤ内側にあるカーカスプライを22Sとする。(以下、折り返された後のタイヤ外側にSを添える)
図1のタイヤの場合には、タイヤ重量を低減したり、タイヤサイズを小さくしたりするために、ビードコア23の上側にはビードフィラーはない。このようなタイヤはTタイプ応急タイヤとして使用されている。ビードコア23の上部近傍にタイヤ径方向に略三形状の形状(あるいは、山形形状)をしたゴムシート25が配置されている。ゴムシート25はカーカスプライ22Lに貼着している。折り返されたカーカスプライのうちタイヤの内側に配置されるカーカスプライ22Sは、ビードフィラー23を巻き上げてカーカスプライ22Lと密着してタイヤ径方向外側へ延びて、さらに、ビードコア23より上側に配置されたゴムシート25の下端部25Bでゴムシート25に接触し、ゴムシート25上の略三形状(あるいは、山形形状)の斜面に密着して延び、ゴムシート25上で終端する。すなわち、カーカスプライ22Sの端末部22Eはゴムシート25上にある。言い換えるとカーカスプライ22Sの端末部22Eが配置される場所にゴムシート25を配置する。
タイヤ径方向に対して略三角形状(あるいは、山形形状)のゴムシート25はタイヤ周方向へ連続して環状に配置されているとともに、タイヤ周方向にゴムシートの高さを変化させる波状の構造となっている。すなわち、略三形状(あるいは、山形形状)のゴムシート25の高さ(タイヤ幅方向)をpとすると、このpの高さ(ゴム層の厚みでもある)がタイヤ周方向に周期的に変化しながら、タイヤ周方向に環状につながっている。
図2は、このゴムシートおよびカーカスプライの状態を模式的に示した図である。タイヤの周方向をX、タイヤの径方向をY、タイヤの幅方向をZとすると、これらの軸とゴムシート25の関係は図2に示すようになる。図2に示すようにタイヤ周方向にゴムシート25は波状になっており、ゴムシートの厚みp(上のゴムシート25の高さ(タイヤ幅方向)pと同じ)が周期的に変化する。図2にはY方向のゴムシート25の形状は記載されていないが、ゴムシート25のY方向の形状は、図1に示したように略三角形形状(あるいは山形形状)となっている。
このゴムシート25上にカーカスプライ22Sが密着して乗っている。カーカスプライ22SはY方向に延びているので、図2においてはカーカスプライ22Sの断面22Fのみが示されている。従って、カーカスプライ22Sはタイヤの周方向に波状に変化しているゴムの曲面に沿って密着して乗っているので、カーカスプライ22Sはタイヤの周方向に伸びている。ゴムシート25のタイヤの周方向の表面形状がasinθのサインカーブの波状とする(ここでaは波の最大振幅であり、ゴムシートの最大厚さをpmax、最小厚さをpminとすれば2a=pmax−pminとなる)と、このタイヤの周方向の距離2πに対してゴムシートの表面の周方向の長さkは、波の長さであるから
k=∫(0〜2π){√(1+acosx)}dx
となり平坦な場合の長さ(2π)よりかなり長くなる。(たとえばa=1とすれば0〜2πの正弦波の曲線の長さは約7.64となり、直線距離2π(=6.28)の約1.22倍となる。(振幅や周期を変化させたゴムシートを配置すれば、kをさらに大きくすることができる。)
このことから、カーカスプライ22Sは波状のゴムシート25上でタイヤの周方向へ伸びていることが分かる。従って、カーカスプライ内のカーカスコードも波状のゴムシート25上でタイヤの周方向へ伸びている。すなわち、カーカスコード29の間隔m1(たとえば、カーカスコード29−1とカーカスコード29−2の間の距離)も平坦なカーカスプライのときのカーカスコード間距離m0より大きくなる。仮にこのカーカスプライ22Sの断面22Fがカーカスプライ22Sの端末部22Eと一致しているとすると、カーカスコード間の距離も通常よりもかなり大きくなっている。この結果、カーカスコード間の亀裂が生じにくくなるとともにカーカスコード間の亀裂の伝搬も起こりにくくなり、セパレーションの発生を抑制できる。実際のカーカスプライの端末部22Eは必ずしも一平面上にあるわけではないので、図2に示すカーカスプライ22Sの断面22Fと一致はしないが、一致しない場合でも実際のカーカスプライ端末部22Eのカーカスコード間距離は一致する場合(22Fに示す場合)よりも長くなるので、上述した効果は大きくなる方向となる。
このように本発明のゴムシートを用いることにより、カーカスプライ端末部22Eのカーカスコード端部間距離を大きくするだけで、他の大部分のカーカスコード間距離は変化しないようにできる。従ってカーカス層の強度は従来と変わりなく、カーカスプライ端末部に発生するセパレーションを防止することができる。
積層したカーカスプライのタイヤ内側のカーカスプライ21Lがビードコア23の周りで折り返されたカーカスプライ21Sは、カーカスプライ22Sと積層した状態でタイヤ径方向外側に伸び、カーカスプライ22Sの端末部22Eを跨いで略三角形状のゴムシート25に密着しながらその斜面を下り、ゴムシート25の上端部25Tでその下のカーカスプライ22Lと接触し密着しながらさらにタイヤ径方向外側に伸びる。ゴムシート25のタイヤ径方向外側にはもう1つのゴムシート27がカーカスプライ22Lに貼着されている。このゴムシート27も略三角形形状(あるいは山形形状)をしている。折り返されたカーカスプライ21Sはこのゴムシート27の斜面に密着しながら延びてゴムシート27上で終端する。すなわち、ゴムシート27上にカーカスプライ21Sの端末部21Eがある。逆に言えば、カーカスプライ21Sの端末部21Eがゴムシート27上に配置されるようにゴムシート27をカーカスプライ22Lに貼着する。
このゴムシート27もゴムシート25と同様にタイヤ周方向に波状の形状で配置されている。このように2層目のカーカスプライ21Sの端末部21Eもゴム層の厚みがタイヤ周方向に周期的に変化した波状の形状のゴムシート27上に配置されているので、ゴムシート25の場合と同様にカーカスプライ端末部21Eで露出したカーカスコード端部間距離は平坦なカーカスプライのカーカスコード間距離よりも長くなる。この結果、カーカスプライ21Sの端末部21Eについてもカーカスコード間の亀裂が生じにくくなるとともにカーカスコード間の亀裂の伝搬も起こりにくくなり、この部分のセパレーションの発生を抑制できる。
ゴムシートに周期性を持たせることによって、タイヤの対称性が保持されてタイヤユニフォーミティを良好な状態に維持することができる。特にゴムシートの波状の周期が4以上であれば、このゴムシート上に配置されるカーカスプライ端末部における隣接するカーカスコード端部間距離を長くできるので効果が大きい。波状の周期が3以下であれば隣接するカーカスコード間距離の変化は小さいので効果は小さい。また、ゴムシートの波状の周期は50以下が望ましい。周期が50を超えるとゴムシートの幅方向の厚み変化に合わせてカーカスプライ端末をゴムシート上に貼ることが困難となり、カーカス端末とゴムシートとの間に隙間が残る場合がある。この状態で走行すると、カーカス端末のセパレーションが発生してしまう可能性がある。
図2において、タイヤ周方向においてゴムシート25の最も厚い部分A(pmaxとなる部分)の100%モジュラスをMa、ゴムシート25の最も薄い部分B(pminとなる部分)の100%モジュラスをMbとしたとき、MaをMbより小さくすることにより、厚い部分に応力が集中することを防止することができる。好適にはMb/Ma>1.5、もっと好適にはMb/Ma>3.0とすると効果が大きくなる。ここで100%モジュラスとは、JIS K6251に準拠し測定する値をいう。
また、タイヤ周方向においてゴムシート25の最も厚い部分Aにおけるゴムシートの厚みpmaxおよびゴムシート25の最も薄い部分Bにおけるゴムシートの厚みpminの関係が、0.025≦pmin/pmax≦0.5を満足することにより、耐久性の良いカーカスを実現できる。pmin/pmax>0.5の場合には、カーカスコード間の距離が充分に大きくないことから耐久性に対して効果的でなく、pmin/pmax<0.025の場合には、ゴムシート25の厚みが厚い部分に配置されるカーカスコード端部にのみ歪が集中し耐久性が悪化してしまう。
ゴムシートを構成するゴムは、特に限定されるものではなく、天然ゴム、合成ゴム、合成エラストマー組成物、あるいはこれらの混合ゴムや混合物等でも良い。また、カーカスの折り返し端部に配置されるゴムシートの60℃損失係数tanδが0.25以下となっていることが望ましい。60℃Tanδが0.25よりも大きいと、ゴムシートとカーカスコードコンパウンドの発熱性が同等以上となってしまい、耐久性が悪化してしまう。もっと好適には0.2以下である。尚、本発明で言う60℃の損失係数tanδは、たとえば、東洋精機製作所(株)製や(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用い、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件下で測定する。
応急用タイヤ(テンポラリータイヤ)では、図1に示す場合とは逆に、外側カーカスプライ22Sの端末部22Eが内側カーカス21Sの端末部21Eよりも高い逆ステップ構造を取る場合があるが、その場合でもそれぞれの端末部に本発明の波状シートを配置させることによって、図1におけるカーカスプライ端末部の配置の場合と同様に、カーカスプライ端末部で発生するセパレーションを抑制することができる。
図3は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、ビード部にビードフィラーが存在しビードフィラー上にカーカスプライ端末部が存在する状態を示す図である。ビードフィラーの役割は、カーカスをビードコアに固定するとともにその部分の形状を整え、ビード部全体の剛性を高め、さらにビード部のリムへの取り付け安定性を高めることである。従って通常のタイヤでは当然のことであるが応急用タイヤでもビードフィラーを有する場合もある。本発明の第2の実施形態では、図3に示すように、ビード部20はビードコア23およびビードフィラー24で構成される。2枚のカーカスプライが積層したカーカスはビードコア23の周りで折り返されて、折り返された下層のカーカスプライ22Sはビードフィラー24上で終端している。カーカスプライ22Sの端末部22Eが貼着しているビードフィラー24の部分24Eの形状は、タイヤ周方向に対して波状に変化している。すなわち、24Eにおけるビードフィラーのタイヤ幅方向厚さqがタイヤ周方向に対して周期的に変化している。従って、この部分24Eに密着しているカーカスプライ端末部22Eもタイヤ周方向に波状に変化しているので、カーカスプライ端末部22Eで露出しているカーカスコードのコード間距離は平坦な場合に比較して大きくなっている。このことは波状に変化しているゴムシート上に配置されたカーカスプライ端末部の場合と同様である。この結果、カーカスプライ22Sの端末部22Eにおいてカーカスコード間の亀裂が生じにくくなるとともにカーカスコード間の亀裂の伝搬も起こりにくくなり、この部分のカーカスプライ端末部のセパレーションの発生を抑制できる。
また、ビードフィラーのタイヤ幅方向厚さqに周期性を持たせることによって、タイヤの対称性も保持されてタイヤユニフォーミティを良好な状態に維持することができる。特にビードフィラーのタイヤ幅方向厚さqの波状の周期が4以上であれば、このビードフィラー上に配置されるカーカスプライ端末部における隣接するカーカスコード端部間距離をセパレーション発生が抑制できる程度に長くできるので効果が大きい。しかし、波状の周期が3以下であれば隣接するカーカスコード間距離の変化は小さいのでその効果は小さい。さらに、ビードフィラーのタイヤ幅方向厚さqの波状の周期は50以下が望ましい。周期が50を超えると、カーカスプライ端末をビードフィラーの幅方向の厚みの変化に合わせて貼ることが困難となり、カーカス端末とビードフィラーの間に隙間が残る場合がある。その状態で走行すると、カーカス端末セパレーションが発生してしまう可能性がある。
図3に示す実施形態では、折り返されたカーカスプライ22S上に積層したカーカスプライ21Sはカーカスプライ端末部22Eを越えてビードフィラーに密着しながらビードフィラー上端24Tからカーカスプライ22Lに密着しさらにその上側に配置された略三角形状(あるいは山形形状)のゴムシート28上で終端している。逆に言えばカーカスプライ21Sの端末部21Eがゴムシート28上に配置されるように、ゴムシート28がカーカスプライ22Lに貼着される。このゴムシート28も第1の実施形態と同様にゴムシートの厚みがタイヤの周方向に周期的に波状に変化しているので、カーカスプライ21Sの端末部21Eで露出するカーカスコード端部の距離は、平坦な状態の時よりも大きくなる。この結果カーカスプライ21Sの端末部21Eにおいてカーカスコード間の亀裂が生じにくくなるとともにカーカスコード間の亀裂の伝搬も起こりにくくなり、この部分のセパレーションの発生を抑制できる。
尚上述した第2の実施形態ではビードフィラー自体の厚みをタイヤ周方向へ周期的に変化させているが、カーカスプライ22Sの端末部22Eが配置される場所においてビードフィラーにゴムシートを貼着し、このゴムシートのタイヤ幅方向厚みをタイヤ周方向に周期的に変化させても上述したことと同様の効果が得られる。また、通常の厚みが変化してないビードフィラーを使用することができるというメリットもある。
図4は、ビードフィラーを有する第3の実施形態を示す図である。第3の実施形態では、ビードフィラーを有しているが、折り返されたカーカスプライ22Sは、ビードフィラー24上では終端せずにビードフィラー上端24Tより上側に配置されたゴムシート25上で終端している。また、折り返されたカーカスプライ21Sは、カーカスプライ22Sと積層した状態でカーカスプライ22Sの端末部22Eを越え、ゴムシート25に密着して上方へ延び、さらにゴムシート25の上側(タイヤ径方向外側)に配置されたゴムシート27上で終端している。ゴムシート25およびゴムシート27は略三角形状(あるいは山形形状)をしていてカーカスプライ22Lに貼着されている。逆に言えば、カーカスプライ22Sの端末部22Eおよびカーカスプライ21Sの端末部21Eは、それぞれゴムシート25およびゴムシート27上に配置されるように、ゴムシート25およびゴムシート27がカーカスプライ22Lに貼着されている。ゴムシート25およびゴムシート27は、その厚みがタイヤ周方向へ波状に周期的に変化するように配置されている。従って、カーカスプライ22Sの端末部22Eで露出するカーカスコード間距離およびカーカスプライ21Sの端末部21Eで露出するカーカスコード間距離は、平坦な場合に比較して大きくなっている。この結果、カーカスプライ22Sの端末部22Eおよびカーカスプライ21Sの端末部21Eにおいてカーカスコード間の亀裂が生じにくくなるとともにカーカスコード間の亀裂の伝搬も起こりにくくなり、この部分でのセパレーションの発生を抑制できる。図4に示す第3の実施形態は、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせたものと考えることもできる。また、第3の実施形態では、(波状にタイヤ幅方向の厚さ(幅)が変化しない)通常のビードフィラーを使用することができる。
図5は、本発明の第4の実施形態を示す図である。図5において、カーカスコード31Lがビードコア33の周りで内側から外側へ折り返され、折り返されたカーカスコード31Sは端部31Eで終端している。カーカスコードの状態を見やすくするためにカーカスコードを被うゴム層は図示していない。カーカスコード31Sの端部31Eは折り返されたカーカスプライの端末部と同位置にある。図5において、Z方向がタイヤ幅方向、Y方向がタイヤの径方向、X方向がビードコア方向、すなわちタイヤの周方向である。本発明の第4の実施形態では、図5に示すように折り返されたカーカスプライのカーカスコード端部31Eの径方向(Y方向)高さをタイヤの周方向(X方向)に対して波状に周期的に変化させる。
図6は、図5に示した第4の実施形態におけるカーカスコード端部の状態を2次元的(X−Y平面)に示した模式図である。図6において、図5と同様にY方向がタイヤの径方向、X方向がタイヤの周方向である。図6に示すように、カーカスコード31Sの端部31Eはタイヤ周方向(X方向)に波状に周期的に変化する。同様にカーカスプライ35の端末部35Eも波状に周期的に変化する。タイヤ径方向(Y方向)のカーカスコード31Sの高さの最低になる所37を結んだ線をD線とすれば、このD線の方向はタイヤ周方向(X方向)となる。従ってD線は円形である。このD線からカーカスコード端部31Eまでの長さをgとすれば、gを(タイヤ径方向における)カーカスコード31Sの31Eの高さと考えることができる。gの最小値は0であり、gの最大値をgmaxとすれば、gがタイヤ周方向に対して0〜gmaxの間で周期的に変化している。たとえばこの波の形状は正弦波や三角波である。この波の形状が正弦波であれば、
g=(gmax/2)[1+sin{(x/R0)/T}] となる。
ここでxはタイヤ周方向(X方向)の長さ、Tは周期である。R0はgmax/2の位置におけるタイヤ中心からの距離(すなわち、半径)である。
このようにカーカスコード端部が波状に高さを変化させると隣接するカーカスコード端部間の距離は変化していないときのカーカスコード端部間の距離よりも大きくなる。すなわち、図5において、カーカスコード端部31E(31E−1)と隣接するカーカスコード端部31E(31E−2)の距離m2は、カーカスコード端部の高さが変化しない時のカーカスコード端部間距離m0よりも大きい。(このm0は平坦なカーカスプライ内のカーカスコード間距離に等しい。)隣接するカーカスコード端部間の高さの差(たとえば、カーカスコード端部31E−1とカーカスコード端部31E−2の高さの差)をhとすれば、m2=(m0+h1/2となり、m2はm0よりかなり大きくなることが分かる。この結果、カーカスプライの端末部31Eにおいてカーカスコード間の亀裂が生じにくくなるとともにカーカスコード間の亀裂の伝搬も起こりにくくなり、この部分のセパレーションの発生を抑制できる。特に波状の周期が4以上であれば、隣接するカーカスコード間距離を長くできるので効果が大きい。波状の周期が3以下であれば隣接するカーカスコード間距離の変化は小さいので効果は小さくなる。また、カーカスコード端部高さの波状の周期は、50以下が望ましい。波状の周期が50を超えるとカーカスプライ端末の変化が急になり、カーカスプライ端末をゴムシートまたはビードフィラーに貼ることが困難となり、カーカスプライ端末とゴムシートまたはビードフィラーとの間に隙間が残る場合がある。この状態で走行するとカーカス端末のセパレーションが発生してしまう。尚、カーカスコード端部を結ぶ曲線は一般には直線ではないので、m2は必ずしも一定でなく、隣接するm2は一般に異なっている。
応急用タイヤ(テンポラリータイヤ)では、図1等に示す場合とは逆に、外側カーカスプライ22Sの端末部22Eが内側カーカス21Sの端末部21Eよりも高い逆ステップ構造を取る場合があるが、その場合でもそれぞれのカーカスプライの端末部においてカーカスコード端部の高さをタイヤ周方向に対して周期的に波状に変化させることによって、図1の場合のカーカスプライ端末部の配置の場合と同様に、カーカスプライ端末部で発生するセパレーションを抑制することができる。
第4の実施形態を第1〜3の実施形態のそれぞれと組み合わせる(これを第5の実施形態とする)ことにより、カーカスプライの端末部におけるカーカスコード端部間距離をさらに大きくできる。すなわち、タイヤ周方向へタイヤ幅方向の厚みが変化するゴムシート上でカーカスコード端部が配置され、かつそのカーカスコード端部のタイヤ径方向の高さがタイヤ周方向に対して変化しているので、カーカスコード端部間距離は上記のm1やm2よりも大きくなる。図7は、本発明の第5の実施形態を示す図である。図7において、カーカスコード41Lがビードコア43の周りでタイヤ内側から外側へ折り返され、折り返されたカーカスコード41Sは端部41Eで終端している。カーカスコードの状態を見やすくするためにカーカスコードを被うゴム層は図示していない。カーカスコード41Sの端部41Eは折り返されたカーカスプライの端末部と同位置にある。図5において、Z方向がタイヤ幅方向、Y方向がタイヤの径方向、X方向がビードコア方向、すなわちタイヤの周方向である。本発明の第5の実施形態では、カーカスプライ端末部、すなわちカーカスコード端部41Eがタイヤ周方向に波状に変化しているゴムシート上にあり、しかも折り返されたカーカスプライのカーカスコード端部41Eの径方向(Y方向)高さはタイヤの周方向(X方向)に対して波状に周期的に変化している。
従って、カーカスコード端部41E(41E−1)と隣接するカーカスコード端部41E(41E−2)の距離m3は、ゴムシートがない場合のカーカスコード端部間距離m0やm2よりも大きく、またゴムシートがある場合のカーカスコード端部間距離m1よりも大きい。この結果、カーカスプライの端末部においてカーカスコード間の亀裂が生じにくくなるとともにカーカスコード間の亀裂の伝搬も起こりにくくなり、この部分のセパレーションの発生を抑制できる。以上のように、波状のゴムシート上に波状に高さが変化しているカーカスコード端部が乗っているので、本発明はこれらの両方の相乗効果を持たせることができる。尚、カーカスコード端部を結ぶ曲線は同一平面上にはないので、m3は必ずしも一定でなく、隣接するm3は一般に異なっている。
図8は第4の実施形態と第1の実施形態を組み合わせた第5の実施形態を示す図である。図8(a)に示すように、ビードフィラーのないバイアスタイヤ(たとえば、応急用タイヤ)のビードコア上側に配置された2つのゴムシート65および67の上に、折り返されたカーカスプライ62Sの端末部62Eおよびカーカスプライ61Sの端末部61Eがそれぞれ配置されている。ゴムシート65および67の厚みはタイヤ周方向に波状に周期的に変化している。また、カーカスプライ62Sの端末部62Eおよびカーカスプライ61Sの端末部61Eのタイヤ径方向高さはタイヤ周方向に波状に周期的に変化していて、従ってそれぞれのカーカスコードの端部のタイヤ径方向高さはタイヤ周方向に波状に周期的に変化している。このように、ゴムシート65および67の厚みとカーカスコード端部のタイヤ径方向高さが同時にタイヤ周方向に波状に周期的に変化しているので、隣接するカーカスコードの端部間距離は単独で変化している場合に比較してさらに大きくなっている。この結果、カーカスプライの端末部においてカーカスコード間の亀裂がさらに生じにくくなるとともにカーカスコード間の亀裂の伝搬もさらに起こりにくくなり、この部分のセパレーションの発生をさらに抑制できる。
図8(a)のカーカスプライ61Sの端末部61Eにおけるカーカスコード69の状態を拡大して示した模式図が図8(b)である。また、図8(a)のカーカスプライ62Sの端末部62Eにおけるカーカスコード71の状態を拡大して示した図が図8(c)である。図8(b)において、カーカスコード69の端部69Eを結んで得られる周期曲線の振幅をF、カーカスコード端の下限高さ(タイヤ径方向高さの最も低い部分の高さで最低高さと言っても良い)をJminとする。この振幅Fは0.5〜5mmの間に存在することが望ましい。振幅Fが0.5mmより小さいとカーカスコード端部同士の距離が充分でなく耐久性向上に寄与しなくなる。振幅Fが5mm以上であると一部のカーカスコード端部に応力が集中しすぎて、耐久性効果が低下する。このことは、カーカスプライ62Sにおいても同様である。さらに、第2および第3の実施形態と第4の実施形態を組み合わせた場合にも同様に言えることである。また、図8(c)において、カーカスコード端部71Eの上限高さ(タイヤ径方向高さの最も高い部分の高さで、最高高さと言っても良い)をNmaxとする。この上部(=トレッド側)に設置されたカーカス折り返し部のコード端の下限高さJminが、下部(=ビード部側)に設置されたカーカス折り返し部のコード端の上限高さNmaxより5mm以上高いことが望ましい。JminをNmaxより5mm以上離すことで、1層目のカーカスプライと2層目のカーカスプライ端末部の干渉を防ぐことができる。
図1において、カーカス折り返し端部に配置されるゴムシート25の下端25Bは、下部に設置されたカーカスプライ22Sの端末部22Eの平均高さ(タイヤ径方向)より5〜20mm、好適には8〜12mm、もっと好適には約10mm低い位置(タイヤ半径方向内側)にあることが望ましく、ゴムシート27の上端27Tは、上部に設置されたカーカスプライ21Sの端末部21Eの平均高さ(タイヤ径方向)より5〜20mm、好適には8〜12mm、もっと好適には約10mm高い位置にあることが望ましい。上記の範囲内にあれば、カーカスプライ端末部を確実にゴムシート上に配置させることができるので、耐久性を確保することができる。また、ゴムシート領域を広くしすぎるとゴムシートによる重量増加が問題となるので好ましくない。これらの条件を満たせばゴムシートがタイヤ径方向に連続していても良いし、あるいは分離していても良い。このことは、図1に示す第1の実施形態だけでなく、他の実施形態においても同様である。
図9は、連続するゴムシートを有する第6の実施形態を示す図である。これまで示したゴムシートは2枚のカーカスプライ端末部それぞれに対応して分離していたが、図9に示すゴムシート39は連続している。すなわち、折り返されたカーカスプライ22の端末部22Eおよびカーカスプライ21の端末部21Eは同じゴムシート39上に配置されている。ゴムシートはできるだけ少ない方が軽量化の点からは望ましいが、カーカスプライ端末部に発生するセパレーションを防止するには本発明のゴムシートを配置することが必要である。そこで、ゴムシートの配置する範囲を上述のように設定し、その上でできるだけゴムシート量を少なくするようにする。たとえば、2枚のカーカスプライ端末部の距離が小さいときにはゴムシートを図9のように連続させた方が良い。2枚のカーカスプライ端末部の距離が大きいときには、図1などに示したようにゴムシートを分離した方が良い。
図10は、本発明の波状のゴムシートおよび波状のカーカスコード端部を有するカーカスプライを配置した空気入りバイアスタイヤを示す図である。図10に示す空気入りバイアスタイヤ50は、右半分を示しており、中心軸O−O’に対して左右対称形である。空気入りバイアスタイヤ50は、二層のカーカスプライ45(45L)および46(46L)が密着して積層したカーカス層44がトレッド部47からサイドウォール部54側へトロイド状に延伸し、さらにビード部側へ延びてビード部5のビードコア56でタイヤ内側から外側へ折り返してタイヤ径方向外側のサイドウォール部54の方へ延びている。
トレッド部47において、カーカス層44の上側(タイヤ外周側)にはベルト層48が積層され、カーカス層44の下側(タイヤ内周側)には、インナーライナーが配置されている。図50に示す空気入りバイアスタイヤにおいて、ビード部51にはビードフィラーがなくテンポラリータイヤとしても使える軽量化したタイヤとなっている。2層のカーカスプライを積層したカーカス層44はビードコア56を折り返して、ビードコア上側の56の部分で、カーカスプライ46Sがタイヤ内側のカーカス層(カーカス本体側)のカーカスプライ46Lと密着する。その上側においてカーカスプライ46Lにゴムシート52が貼着し配置されている。
このゴムシート52は上述したように、タイヤ周方向に対してゴム層の厚みが周期的に変化し、またタイヤ半径方向には略三角形形状(あるいは山形形状)をしている。折り返されたカーカスプライ46Sはこのゴムシート52に密着しながら、このゴムシート52上で終端する。すなわち、カーカスプライ46Sの端末部46Eがゴムシート52上に配置されている。カーカスプライ46Sの外側に積層しているカーカスプライ45Sは、このカーカスプライ46Sの端末部46Eを超えてさらにタイヤ半径外側へ延びて、ゴムシート52の上端でカーカスプライ46Lの部分57と密着する。ゴムシート52の上側にもゴムシート53がカーカスプライ46Lに貼着し配置されている。このゴムシート53も上述したように、タイヤ周方向に対してゴム層の厚みが周期的に変化し、またタイヤ半径方向には略三角形形状(あるいは山形形状)をしている。カーカスプライ45Sはこのゴムシート53の下端でゴムシート53と密着しながら延びてゴムシート53上で終端する。すなわち、カーカスプライ45Sの端末部45Eがゴムシート53上に配置されている。
一方、カーカスプライ45Sの端末部45Eにおけるカーカスコード端部およびカーカスプライ46Sの端末部46Eにおけるカーカスコード端部の高さもタイヤ周方向へ波状に周期的に変化している。このように波状に厚みを変化したゴムシートの上に、波状に高さを変化したカーカスコード端部が配置されているので、2つの相乗効果によりカーカスコード端部間距離が、従来のカーカスコード間距離よりも長くなっている。この結果、カーカスプライ端末部でカーカスコードに起因する亀裂が発生しにくくなり、また亀裂が一部で発生しても亀裂の伝搬が生じにくいので、セパレーションの発生を防止することができる。このことは、ビード部51にビードフィラーが存在する場合でも同様である。また、ビード部51にビードフィラーが存在する場合に、ビード部51に近い所に配置された52をなくし、ビードフィラー自体のタイヤ幅方向の厚みをタイヤ周方向へ周期的に変化させて、この変化した部分にカーカスプライ46Sの端末部46Eを配置することでも同様の効果を実現できる。さらに、通常のビードフィラー上に波状のゴムシートを貼着して、このゴムシート上にカーカスプライ46Sの端末部46Eを配置することでも同様の効果を実現できる。
評価タイヤとしてT145/70D17のテンパータイヤを使用した。図1に示すように、ビードフィラーがないビード部のビードコアをタイヤ内側から外側へ2枚のカーカスプライが折り返し、それぞれのカーカスプライの端末部が分離した2つのゴムシート上に配置された構造のバイアスタイヤを用いた。2つのゴムシートの波の周期Tおよび損失係数tanδは同じである。またカーカスコードの端部の振幅(径方向)は同じである。JATMA指定の荷重および低空気圧条件(規定の80%)にてドラム試験を実施し、タイヤが故障するまでの走行距離を測定した。従来例の走行距離に対する指数評価を行ない、走行距離指数が105以上を効果ありと評価した。またカーカス間の故障発生がないことも判定基準とした。評価結果を表1に示す。従来例はカーカス間の故障(セパレーション)が発生したが、本発明の波状のゴムシートを設置しカーカスコードを波状にしたものはすべての条件で走行距離指数は100を超え、かつカーカス間の故障はなかった。従って、波状のゴムシートを配置し、かつカーカスコードを波状にしたものは効果のあることが確かめられた。
以上説明した様に、カーカスコード端部がゴムシート上に配置されるように、タイヤ周方向に対してゴムシート厚み(タイヤ幅方向厚み)を波状に周期的に変化させたゴムシートをタイヤビード部の近傍に配置し、さらにカーカスコード端部の高さ(タイヤ径方向)をタイヤ周方向に対して波状に周期的に変化させたカーカスプライを2枚有するバイアスタイヤは、カーカスコード端部から発生する亀裂から生じるセパレーション故障もなく信頼性に優れている。
尚、明細書のある部分に記載し説明した内容を記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることも言うまでもない。さらに、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
本発明の波状ゴムシートを有する空気入りタイヤは、テンポラリータイヤだけでなく、種々の空気入りタイヤにも使用できる。
12・・・カーカスプライ、14・・・ビードコア、18・・・カーカスコード、
20・・・ビード部、21・・・カーカスプライ、22・・・カーカスプライ、
23・・・ビードコア、24・・・ビードフィラー、25・・・ゴムシート、
27・・・ゴムシート、28・・・ゴムシート、29・・・カーカスコード、
31・・・カーカスコード、33・・・ビードコア、35・・・カーカスプライ、
39・・・ゴムシート、41・・・カーカスコード、43・・・ビードコア、
44・・・カーカス層、45・・・カーカスプライ、46・・・カーカスプライ、
47・・・トレッド部、48・・・ベルト層、49・・・インナーライナー、
50・・・空気入りバイアスタイヤ、51・・・ビード部、52・・・ゴムシート、
53・・・ゴムシート、54・・・サイドウォール部、56・・・ビードコア、
61・・・カーカスプライ、62・・・カーカスプライ、65・・・ゴムシート、
67・・・ゴムシート、69・・・カーカスコード、71・・・カーカスコード、
101・・・カーカスプライ、102・・・カーカスプライ、103・・・ビードコア、
104・・・ビードフィラー、111・・・カーカスプライ、
112・・・カーカスプライ、113・・・ビードフィラー、
121・・・カーカスプライ、122・・・カーカスコード、124・・・亀裂

Claims (13)

  1. 二層のカーカスプライが密着して積層したカーカスが、ビードコアおよびビードフィラーから構成されるビード部の内側から外側へ折り返されたPL:2−0構造の空気入りバイアスタイヤにおいて、前記ビード部において折り返された前記二層のカーカスプライのそれぞれの端末部は、前記ビード部近傍のタイヤ内側の前記カーカス上に配置されたゴムシート上に配置されており、前記各カーカスプライの端末部が配置された部分における前記ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みはタイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とする空気入りバイアスタイヤ。
  2. 二層のカーカスプライが密着して積層したカーカスがビード部の内側から外側へ折り返されたPL:2−0構造の空気入りバイアスタイヤにおいて、
    ビード部にはビードフィラーがないことを特徴とし、および
    前記ビード部において折り返された前記二層のカーカスプライのそれぞれの端末部は、前記ビード部近傍のタイヤ内側の前記カーカス上に配置されたゴムシート上に配置されており、前記各カーカスプライの端末部が配置された部分における前記ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みはタイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とする空気入りバイアスタイヤ。
  3. 二層のカーカスプライが密着して積層したカーカスがビード部の内側から外側へ折り返されたPL:2−0構造の空気入りバイアスタイヤにおいて、折り返された前記二層のカーカスプライのうちの1つのカーカスプライの端末部は、ビードフィラー上に配置されており、当該カーカスプライの端末部が配置された部分におけるタイヤ幅方向のビードフィラーの厚みはタイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とし、折り返された前記二層のカーカスプライのうちの他の1つのカーカスプライの端末部は、前記ビード部近傍のタイヤ内側の前記カーカス上に配置されたゴムシート上に配置されており、当該カーカスプライの端末部が配置された部分における前記ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みはタイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とする空気入りバイアスタイヤ。
  4. ビードフィラーのタイヤ幅方向の厚みがタイヤ周方向に周期的に変化する周期数は、4以上50以下であることを特徴とする、請求項3に記載の空気入りバイアスタイヤ。
  5. 二層のカーカスプライが密着して積層したカーカスがビード部の内側から外側へ折り返されたPL:2−0構造の空気入りバイアスタイヤにおいて、折り返された前記二層のカーカスプライのうちの1つのカーカスプライの端末部は、ビードフィラーに貼り合わせたゴムシート上に配置されており、当該カーカスプライの端末部が配置された部分における前記ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みはタイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とし、折り返された前記二層のカーカスプライのうちの他の1つのカーカスプライの端末部は、前記ビード部近傍のタイヤ内側の前記カーカス上に配置されたゴムシート上に配置されており、当該カーカスプライの端末部が配置された部分における前記ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みはタイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とする空気入りバイアスタイヤ。
  6. ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みがタイヤ周方向に周期的に変化する周期数は、4以上50以下であることを特徴とする、請求項1〜5に記載の空気入りバイアスタイヤ。
  7. 前記ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みが最大である部分の100%モジュラス(Ma)および前記ゴムシートのタイヤ幅方向の厚みが最小である部分(B)の100%モジュラス(Mb)の比は、Mb/Ma>1.5であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの項に記載の空気入りバイアスタイヤ。
  8. カーカスの折返し端部に配置されるゴムシートのタイヤ幅方向における最大厚みをd、最小厚みをeとしたとき、0.025≦e/d≦0.5であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかの項に記載の空気入りバイアスタイヤ。
  9. カーカスの折り返し端部に配置されるゴムシートの60℃損失係数tanδが0.25以下となっていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかの項に記載の空気入りバイアスタイヤ。
  10. 折り返された二層のカーカスプライの各カーカスコード端部の高さは、タイヤ周方向に周期的に変化していることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかの項に記載の空気入りバイアスタイヤ。
  11. 前記各カーカスコード端部の高さがタイヤ周方向に周期的に変化する周期数は、4以上50以下であることを特徴とする、請求項10に記載の空気入りバイアスタイヤ。
  12. 折り返された二層のカーカスプライの各カーカスコード端部の高さの変化する振幅は0.5〜5mmであり、折り返された二層のカーカスプライのうちタイヤ半径外側にカーカスプライの端末部を有するカーカスプライのカーカスコード端部の下限高さは、折り返された二層のカーカスプライのうちタイヤ半径内側にカーカスプライの端末部を有するカーカスプライのカーカスコード端部の上限高さより5mm以上高いことを特徴とする、請求項10または11に記載の空気入りバイアスタイヤ。
  13. 折り返された二層のカーカスプライの端末部が配置されるゴムシートのうちタイヤ半径方向内側に配置されるゴムシートの下端は、当該ゴムシートに配置されるカーカスプライの端末部平均高さよりも5〜20mm低く、折り返された二層のカーカスプライの端末部が配置されるゴムシートのうちタイヤ半径方向外側に配置されるゴムシートの上端は、当該ゴムシートに配置されるカーカスプライの端末部平均高さよりも5〜20mm高いことを特徴とする、請求項10〜12のいずれかの項に記載の空気入りバイアスタイヤ。
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