JP5866763B2 - モータ駆動制御装置 - Google Patents

モータ駆動制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5866763B2
JP5866763B2 JP2011021162A JP2011021162A JP5866763B2 JP 5866763 B2 JP5866763 B2 JP 5866763B2 JP 2011021162 A JP2011021162 A JP 2011021162A JP 2011021162 A JP2011021162 A JP 2011021162A JP 5866763 B2 JP5866763 B2 JP 5866763B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
rotation speed
signal
control device
drive control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011021162A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012161214A (ja
JP2012161214A5 (ja
Inventor
俊彰 佐藤
俊彰 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2011021162A priority Critical patent/JP5866763B2/ja
Priority to CN201180066569.2A priority patent/CN103348582B/zh
Priority to PCT/JP2011/079155 priority patent/WO2012105131A1/ja
Publication of JP2012161214A publication Critical patent/JP2012161214A/ja
Publication of JP2012161214A5 publication Critical patent/JP2012161214A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5866763B2 publication Critical patent/JP5866763B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/24Vector control not involving the use of rotor position or rotor speed sensors
    • H02P21/32Determining the initial rotor position
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/14Estimation or adaptation of machine parameters, e.g. flux, current or voltage
    • H02P21/18Estimation of position or speed
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/24Vector control not involving the use of rotor position or rotor speed sensors
    • H02P21/26Rotor flux based control
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P1/00Arrangements for starting electric motors or dynamo-electric converters
    • H02P1/02Details
    • H02P1/029Restarting, e.g. after power failure

Description

本発明は、モータ駆動制御装置に関する。
ヒートポンプ装置の室外機は、圧縮機やファン、熱交換器等の様々な機器を備えている。圧縮機やファンの駆動源としては、例えばブラシレスDCモータが用いられる。室外機において熱交換を行なうため、室外機は、ファンの回転によって熱交換器へと空気が送られる構造となっている。
ところで、室外機のファンは、モータの起動前から、風等の影響によって既に回転している場合がある。モータの起動前からファンが回転していれば、室外機内部では熱交換器へと空気が送られている可能性があり、あえてモータを駆動させずともよい場合がある。そこで、起動前におけるモータの回転数を把握することが望まれる。
起動前のモータの回転数を把握する方法としては、例えば特許文献1(特開平7−337080号公報)に開示されているものがある。
ブラシレスDCモータを駆動するブラシレスDCモータ駆動装置においては、低コスト化を促進させるべく、ホールセンサ等のロータ位置センサを用いずにブラシレスDCモータのロータ位置と回転数とを推定してモータ駆動を行う、いわゆるロータ位置センサレス方式の採用が試みられている。しかし、ロータ位置センサレス方式では、一般にモータの起動後でなければロータ位置を推定することができないため、起動していない状態のモータに接続されたファンが例えば風等の影響により既に回転していたとしても、起動前のロータ位置の推定はなされない。従って、ロータ位置センサレス方式では、起動前のファンがどのような回転数で回転しているのかが把握不可能なままとなり、回転状態に応じたモータの駆動制御を行うことができない。
また上記の理由により、ロータ位置センサレス方式においては、モータは回転状態から起動を行なうことで、ブラシレスDCモータ駆動装置に含まれるインバータの過電流や過電圧などの不具合が発生し、最終的にはヒートポンプ装置などを停止させる恐れがある。
一方で、モータの駆動制御を行うにあたり、モータの回転数の把握手段として上記特許文献1の方法を用いることが考えられる。しかし、この方法では、検出回路が複雑でコスト低減が図れず、また、正弦波駆動を行なう制御方式には適用できないため、高効率で低騒音となる高性能なモータの駆動制御を行うことは困難となってしまう。
そこで、本発明の課題は、起動前のモータの回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて高性能なモータの駆動制御を行うことにある。
本発明の第1観点に係るモータ駆動制御装置は、起動前回転数検出部と、センサレス推定部と、制御部と、切換回路とを備える。起動前回転数検出部は、起動前のモータの回転数を検出する。センサレス推定部は、ロータ位置センサレス方式にて起動後のモータのロータ位置を推定すると共に、推定したロータ位置に基づいてモータの回転数を推定する。制御部は、第1回転数信号または第2回転数信号に基づいて、モータの制御を行う。第1回転数信号は、起動前回転数検出部により検出されたモータの回転数を示す信号である。第2回転数信号は、センサレス推定部により推定されたモータの回転数を示す信号である。切換回路は、モータの起動前には第1回転数信号が制御部に入力され、モータの起動後には第2回転数信号が制御部に入力されるように、制御部への信号の切換動作を行う。
そして、制御部は、第1回転数信号及び第2回転数信号に基づいて、センサレス推定部における異常の有無を判断する。
このモータ駆動制御装置によると、モータの起動前には、起動前回転数検出部によって検出された起動前のモータの回転数(つまり、第1回転数信号)が制御部に入力され、モータの起動後には、センサレス推定部によって推定された起動後のモータの回転数(つまり、第2回転数信号)が制御部に入力されるように、切換回路によって制御部への信号の切換が行われる。これにより、制御部は、起動前のモータの回転数を把握でき、更に起動後はロータ位置センサレス方式にて推定されたモータの回転数をモータの制御に利用することができる。従って、モータ駆動制御装置は、起動前のモータの回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて高性能なモータの駆動制御を行うことができる。また、制御部側からすると、制御部にはモータの回転数を表す信号として1つの信号のみが入力されることとなる。そのため、制御部は、モータの回転数を表す信号の入力ポートを1つのみ有することもできる。
また、例えば第1回転数信号から第2回転数信号へと、モータの制御の際に用いられる信号が切り換わった際、切り換わる直前の第1回転数信号は“0rpm”以外の回転数を示していたが、切り換わった直後の第2回転数信号は“0rpm”の回転数を示していたとする。この場合、モータが回転している可能性は高いのに、センサレス推定部はモータの回転数を“0rpm”と判断していることから、制御部は、センサレス推定部に異常があると判断することができる。従って、モータ駆動制御装置は、センサレス推定部の状態に応じて、モータの起動を直ちに停止させたりする制御を行うことができ、高い安全性を保つことができる。
本発明の第2観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点に係るモータ駆動制御装置において、起動前回転数検出部、センサレス推定部及び切換回路は、1つの集積回路パッケージ内にパッケージングされている。
これにより、モータ駆動制御装置自体が非常にコンパクトとなるため、ひいてはモータ駆動制御装置を搭載している室外機等の小型化が図れる。
本発明の第3観点に係るモータ駆動制御装置は、起動前回転数検出部と、センサレス推定部と、制御部とを備える。起動前回転数検出部は、起動前のモータの回転数を検出する。センサレス推定部は、ロータ位置センサレス方式にて起動後のモータのロータ位置を推定すると共に、推定したロータ位置に基づいてモータの回転数を推定する。制御部は、第1回転数信号または第2回転数信号に基づいて、モータの制御を行う。第1回転数信号は、起動前回転数検出部により検出されたモータの回転数を示す信号である。第2回転数信号は、センサレス推定部により推定されたモータの回転数を示す信号である。そして、制御部は、切換手段を有する。切換手段は、モータの起動前には第1回転数信号に基づいてモータを制御し、モータの起動後には第2回転数信号に基づいてモータを制御するように、モータの制御の際に用いる信号の切換動作を行う。
そして、制御部は、第1回転数信号及び第2回転数信号に基づいて、センサレス推定部における異常の有無を判断する。
このモータ駆動制御装置によると、モータの起動前には、起動前回転数検出部によって検出された起動前のモータの回転数(つまり、第1回転数信号)がモータ制御に用いられ、モータの起動後には、センサレス推定部によって推定された起動後のモータの回転数(つまり、第2回転数信号)がモータ制御に用いられるように、制御部の内部において信号の切換が行われる。これにより、制御部は、起動前のモータの回転数を把握でき、更に起動後はロータ位置センサレス方式にて推定されたモータの回転数をモータの制御に利用することができる。従って、モータ駆動制御装置は、起動前のモータの回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて高性能なモータの駆動制御を行うことができる。また、第1観点のように“切換回路”を必要としないため、モータ駆動制御装置自体は、第1観点に比してコンパクトととなり、モータ駆動制御装置を搭載している室外機も、第1観点に比してより小型化が図れるようになる。
また、例えば第1回転数信号から第2回転数信号へと、モータの制御の際に用いられる信号が切り換わった際、切り換わる直前の第1回転数信号は“0rpm”以外の回転数を示していたが、切り換わった直後の第2回転数信号は“0rpm”の回転数を示していたとする。この場合、モータが回転している可能性は高いのに、センサレス推定部はモータの回転数を“0rpm”と判断していることから、制御部は、センサレス推定部に異常があると判断することができる。従って、モータ駆動制御装置は、センサレス推定部の状態に応じて、モータの起動を直ちに停止させたりする制御を行うことができ、高い安全性を保つことができる。
本発明の第4観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置であって、センサレス推定部は、モータの制御に関する所定の数式モデルを用いてロータ位置を推定する。
このモータ駆動制御装置によると、ロータ位置推定の際には、モータの制御に関する所定の数式モデルが用いられるため、ロータ位置は精度良く推定され得る。
本発明の第5観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置であって、センサレス推定部は、モータに電流を流すことでロータ位置を推定する。
このモータ駆動制御装置によると、モータに対し通電がなされることで、通電状態における情報(例えばモータに印加される電圧やモータに流れる電流など)を利用することでロータの位置が推定されるため、ロータ位置は精度良く推定され得る。
本発明の第6観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第5観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置において、インバータを更に備える。インバータは、モータに電力を供給する。そして、センサレス推定部は、インバータの制御が行われている時のみ、ロータ位置の推定を行う。
このモータ駆動制御装置によると、インバータの制御が行われている時のみ、ロータ位置が推定されるため、ロータ位置は確実に推定され得る。また、インバータの制御に通常用いられる電圧検出器や電流検出器を、ロータ位置の推定にそのまま用いることができるため、新たな回路を追加することなくモータ駆動制御装置を安価にかつ小型に製造することができる。
本発明の第7観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第6観点のいずれかに係るに係るモータ駆動制御装置において、センサレス推定部は、起動前のモータの回転数を推定できない。
このモータ駆動制御装置では、センサレス推定部は、起動前のモータの回転数を推定できないが、起動前のモータの回転数を把握する機能部は“起動前回転数検出部”として備えられている。そして、モータ制御に用いられるモータ回転数を示す信号は、モータの起動前後で切り替わる。これにより、簡単な構成によって、起動前のモータの回転数を容易に把握でき、更に起動後はロータ位置センサレス方式にて推定されたモータの回転数がモータ制御に利用されることとなる。従って、モータ駆動制御装置は、起動前のモータの回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて精密にモータの駆動制御を行うことができる。
本発明の第8観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第7観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置において、起動前回転数検出部は、モータの制御に関する所定の数式モデルを用いずに、起動前のモータの回転数の検出を行う。
このモータ駆動制御装置によると、起動前回転数検出部は、モータの制御に関する所定の数式モデルを用いるような、所謂ロータ位置センサレス方式でモータの回転数を検出するものではない。そのため、起動前回転数検出部は、モータが起動していなくとも、確実にモータの回転数を検出することができる。
本発明の第9観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第8観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置において、起動前回転数検出部は、モータに電流を流さずに起動前のモータの回転数の検出を行う。
このモータ駆動制御装置によると、起動前回転数検出部は、モータに通電を行ってロータ位置を推定するような、所謂ロータ位置センサレス方式でモータの回転数を検出するものではない。そのため、起動前回転数検出部は、モータが起動していなくとも、確実にモータの回転数を検出することができる。
本発明の第10観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第9観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置において、インバータを更に備える。インバータは、モータに電力を供給する。そして、起動前回転数検出部は、インバータの制御が行われていなくても、起動前のモータの回転数の検出を行う。
このモータ駆動制御装置によると、起動前回転数検出部は、インバータの制御が行われていないモータの起動前においても、確実にモータの回転数を検出することができる。
本発明の第11観点に係るモータ駆動制御装置は、第8観点から第10観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置において、起動前回転数検出部は、起動前のロータ位置を推定し、その結果を用いて起動前のモータの回転数の検出を行う。
このモータ駆動制御装置に係る起動前回転数検出部は、起動前のロータ位置を推定できるセンサレス方式が採用されている。従って、起動前回転数検出部は、モータの起動前においても、確実にモータの回転数を検出することができる。
本発明の第12観点に係るモータ駆動制御装置は、第8観点から第10観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置において、起動前回転数検出部は、起動前のモータに発生する誘起電圧に基づいて、起動前のモータの回転数を検出する。
このモータ駆動制御装置に係る起動前回転数検出部は、起動前であってもモータが回転していれば発生するであろう誘起電圧に基づいて、起動前のモータの回転数を検出する。そのため、比較的簡単な構成にて、起動前のモータの回転数を検出することができる。
本発明の第13観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第12観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置において、制御部は、第1回転数信号が所定回転数未満の場合、モータをロータ位置センサレス方式にて起動させる。そして、制御部は、第1回転数信号が所定回転数以上の場合、モータを起動させない。
ここで、モータ駆動制御装置が、例えばヒートポンプ装置の室外機に含まれるファンモータの駆動制御系として用いられるとする。起動前のモータが風等の影響により既に回転している状態において、その回転数が所定回転数以上であれば、室外機内の熱交換器には既に十分な空気が送られていることとなるため、このモータ駆動制御装置は、あえてモータを起動させない。逆に、回転数が所定回転数未満であれば、仮にモータが回転しているとしても、室外機内の熱交換器に送られている空気の量は不十分であるとして、モータ駆動制御装置はモータを起動させる。このように、起動前のモータの回転数に応じてモータの起動実行が制御されるため、モータの起動による消費電力の量を最小限にとどめることができると共に、当該モータ駆動制御装置が搭載されるヒートポンプ装置としての性能を低下させることもない。また、起動直前の回転状態が限定されるため、突風などの外乱が入ったとしても、モータ電流やモータに印加される電圧の増加が過大となることもなく、過電流や過電圧によってモータ駆動のシステムが停止することもない。
本発明の第14観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第13観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置であって、第1回転数信号から第2回転数信号への信号の切換動作は、センサレス推定部によるロータ位置の推定が可能となった場合に行われる。
このモータ駆動制御装置によると、モータの起動後であり、かつセンサレス推定部によるロータ位置の推定が可能となった場合に、モータの回転数を示す信号の切換動作が行われる。センサレス推定部がロータ位置を推定できるようになったということは、即ち推定したロータ位置に基づいてモータの回転数を推定可能となったことを意味する。従って、モータは、ロータ位置センサレス方式にて、確実に駆動されることとなる。
本発明の第15観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第14観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置であって、第1回転数信号の信号形式は、第2回転数信号の信号形式と同一である。
これにより、モータの回転数を表す信号の切換動作が切換回路によって行われる場合(第1観点)、制御部は、該信号用の入力ポートを1つのみとすることができる。従って、第1回転数信号または第2回転数信号のいずれかが入力された場合であっても、入力された信号に応じて制御方式を変えずに済む。また、上記切換動作が制御部内にて行われる場合(第3観点)、制御部には、第1回転数信号用の入力ポート及び第2回転数信号用の入力ポートが、別々に設けられることになるが、用いる信号に応じて制御方式を変更せずに済む。
本発明の第16観点に係るモータ駆動制御装置は、第1観点から第15観点のいずれかに係るモータ駆動制御装置であって、制御部は、第1回転数信号と第2回転数信号とが異なっている場合に、センサレス推定部に異常があると判断する。
本発明の第17観点に係るモータ駆動制御装置は、第16観点に係るモータ駆動制御装置であって、制御部は、第1回転数信号(FG1)0rpm以外の回転数を示し且つ第2回転数信号が0rpmの回転数を示している場合に、センサレス推定部に異常があると判断する。
本発明の第1観点に係るモータ駆動制御装置によると、起動前のモータの回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて高性能なモータの駆動制御を行うことができる。更に、制御部は、モータの回転数を表す信号の入力ポートを1つのみ有することもできる。
また、センサレス推定部の状態に応じてモータの起動を直ちに停止させたりする制御を行うことができ、高い安全性を保つことができる。
本発明の第2観点に係るモータ駆動制御装置によると、モータ駆動制御装置自体が非常にコンパクトとなるため、ひいてはモータ駆動制御装置を搭載している室外機等の小型化が図れる。
本発明の第3観点に係るモータ駆動制御装置によると、起動前のモータの回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて高性能なモータの駆動制御を行うことができる。また、センサレス推定部の状態に応じてモータの起動を直ちに停止させたりする制御を行うことができ、高い安全性を保つことができる。また、モータ駆動制御装置自体は、第1観点に比してコンパクトととなり、モータ駆動制御装置を搭載している室外機も、第1観点に比してより小型化が図れるようになる。
本発明の第4観点及び第5観点に係るモータ駆動制御装置によると、ロータ位置は精度良く推定され得る。
本発明の第6観点に係るモータ駆動制御装置によると、ロータ位置は確実に推定され得る。また、新たな回路を追加することなく、モータ駆動制御装置を安価にかつ小型に製造することができる。
本発明の第7観点に係るモータ駆動制御装置は、起動前のモータの回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて精密にモータの駆動制御を行うことができる。
本発明の第8観点及び第9観点に係るモータ駆動制御装置によると、起動前回転数検出部は、モータが起動していなくとも、確実にモータの回転数を検出することができる。
本発明の第10観点及び第11観点に係るモータ駆動制御装置によると、起動前回転数検出部は、モータの起動前においても、確実にモータの回転数を検出することができる。
本発明の第12観点に係るモータ駆動制御装置によると、比較的簡単な構成にて、起動前のモータの回転数を検出することができる。
本発明の第13観点に係るモータ駆動制御装置によると、起動前のモータの回転数に応じてモータの起動実行が制御されるため、モータの起動による消費電力の量を最小限にとどめることができる。また、当該モータ駆動制御装置が搭載されるヒートポンプ装置としての性能を低下させることもない。更に、起動直前の回転状態が限定されるため、突風などの外乱が入ったとしても、モータ電流やモータに印加される電圧の増加が過大となることもなく、過電流や過電圧によってモータ駆動のシステムが停止することもない。
本発明の第14観点に係るモータ駆動制御装置によると、モータは、ロータ位置センサレス方式にて、確実に駆動されることとなる。
本発明の第15観点に係るモータ駆動制御装置によると、制御部は、入力された第1回転数信号または第2回転数信号に応じて制御方式を変えたり、モータの制御に用いる第1回転数信号または第2回転数信号に応じて制御方式を変更したりせずに済む。
第1実施形態に係るモータ駆動制御装置が採用されたシステムの全体の構成と、モータ駆動制御装置の内部構成とを示したブロック図。 ヒートポンプ装置の室外機の構成を簡単に示す図。 起動前回転数検出部の構成の一例を簡単に示す図。 センサレス制御回路の構成の一例を表すブロック図。 第1実施形態に係るモータ駆動制御装置の動作を説明するためのフロー図。 第1実施形態に係る変形例1Fのモータ駆動制御装置の構成を簡単に示す図。 第2実施形態に係るモータ駆動制御装置が採用されたシステムの全体の構成と、モータ駆動制御装置の内部構成とを示したブロック図。
以下、本発明に係るモータ駆動制御装置について、図面を用いて詳述する。
<第1実施形態>
(1)概要
図1は、ブラシレスDCモータ51と、このブラシレスDCモータ51を駆動するための本実施形態に係るモータ駆動制御装置20とを含むモータ駆動制御システム100全体の構成図である。ブラシレスDCモータ51は、ヒートポンプ装置の室外機10(図2参照)に含まれる機器の1つである室外ファン15の駆動源として用いられるファンモータである。モータ駆動制御装置20は、該室外機10内に搭載されている。
(1−1)室外機
ここで、室外機10について、図2を用いて簡単に説明する。ここではヒートポンプ装置として、ヒートポンプ式給湯器の室外機を例として説明を行なう。室外機10は、主として、圧縮機11、水熱交換器12、膨張弁13、蒸発器14及び室外ファン15等の様々な機器を有している。圧縮機11、水熱交換器12、膨張弁13及び蒸発器14は、順次接続されて冷凍サイクルを構成している。圧縮機11は、冷凍サイクル内を循環する冷媒を圧縮する。水熱交換器12には、室外機10と接続された貯湯タンクユニット(図示せず)から送られてくる水が通る熱交換水路16が設けられており、熱交換水路16中を流れる水と冷媒との間で熱交換を行うことができる。膨張弁13は、電気的に制御される電動弁であって、冷凍サイクル内を循環する冷媒を減圧する。蒸発器14は、冷媒サイクル内の冷媒と空気との間で熱交換を行わせ、冷媒を蒸発させるためのものである。室外ファン15は、例えばプロペラファンであって、回転により室外機10外部からの空気を蒸発器14に案内する。
このような室外機10では、圧縮機11を駆動して冷媒を循環させることにより、水熱交換器12を凝縮器として機能させ、熱交換水路16中を通る水を加熱することができる。
(1−2)モータ
次に、ブラシレスDCモータ51について説明する。本実施形態に係るブラシレスDCモータ51は、3相モータであり、ステータ52と、ロータ53とを備えている。ステータ52は、スター結線されたU相、V相及びW相の駆動コイルLu,Lv,Lwを含む。各駆動コイルLu,Lv,Lwの一方端は、それぞれインバータ25から延びるU相、V相及びW相の各配線の駆動コイル端子TU,TV,TWに接続されている。各駆動コイルLu,Lv,Lwの他方端は、互いに端子TNとして接続されている。これら3相の駆動コイルLu,Lv,Lwは、ロータ53が回転することによりその回転速度とロータ53の位置に応じた誘起電圧を発生させる。
ロータ53は、N極及びS極からなる2極の永久磁石を含み、ステータ52に対し回転軸を中心として回転する。ロータ53の回転は、この回転軸と同一軸心上にある出力軸(図示せず)を介して室外ファン15に出力される。
以下では、ブラシレスDCモータ51を、ファンモータ51と記載する。
(2)モータ駆動制御装置の構成
次いで、本時実施形態に係るモータ駆動制御装置20の構成について説明する。本実施形態に係るモータ駆動制御装置20は、図1に示すように、整流部21と、平滑コンデンサ22と、電圧検出部23と、電流検出部24と、インバータ25と、ゲート駆動回路26と、起動前回転数検出部27と、センサレス制御回路28(センサレス推定部に相当)と、マイクロコンピュータ29(制御部に相当)と、切換回路30とを備える。
モータ駆動制御装置20を構成するこれらの機能部は、例えば1枚のプリント基板上に実装されている。特に、本実施形態においては、ゲート駆動回路26、起動前回転数検出部27、センサレス制御回路28及び切換回路30は、1つの集積回路パッケージpa1内にパッケージングされている。即ち、各機能部26,27,28,30は、1つのICやHICで構成されている。
(2−1)整流部
整流部21は、4つのダイオードD1a,D1b,D2a,D2bによってブリッジ状に構成されている。具体的には、ダイオードD1aとD1b、D2aとD2bは、それぞれ互いに直列に接続されている。ダイオードD1a,D2aの各カソード端子は、共に平滑コンデンサ22のプラス側端子に接続されており、整流部21の正側出力端子として機能する。ダイオードD1b,D2bの各アノード端子同士は平滑コンデンサ22のマイナス側端子に接続されており、整流部21の負側出力端子として機能する。ダイオードD1a,D1b同士の接続点及びダイオードD2a,D2b同士の接続点は、それぞれ商用電源91に接続されている。即ち、ダイオードD1a,D1b同士の接続点、及びダイオードD2a,D2b同士の接続点は、それぞれ整流部21の入力の役割を担っている。
このような構成を有する整流部21は、商用電源91から出力される交流電圧を整流することで直流電源を生成し、これを平滑コンデンサ22に供給する。
(2−2)平滑コンデンサ
平滑コンデンサ22は、一端が整流部21の正側出力端子に接続され、他端が整流部21の負側出力端子に接続されている。平滑コンデンサ22は、整流部21から供給された直流電源、つまりは整流部21によって整流された電圧を平滑する。以下、説明の便宜上、平滑コンデンサ22による平滑後の電圧を“平滑後電圧Vfl”という。この平滑後電圧Vflは、直流電源に係る電圧よりも更にリップルの低い電圧となっており、平滑コンデンサ22の後段、即ち出力側に接続されたインバータ25に印加される。
なお、コンデンサの種類としては、電解コンデンサやセラミックコンデンサ、タンタルコンデンサ等が挙げられるが、本実施形態においては、平滑コンデンサ22として電解コンデンサが採用される場合を例に採る。
(2−3)電圧検出部
電圧検出部23は、平滑コンデンサ22の出力側に接続されており、平滑コンデンサ22の両端電圧、即ち平滑後電圧Vflの値を検出するためのものである。特に、電圧検出部23は、ファンモータ51の起動後に電圧検出動作を行う。
このような電圧検出部23は、図示してはいないが、例えば互いに直列に接続された2つの抵抗が平滑コンデンサ22に並列接続され、平滑後電圧Vflを分圧することで構成される。2つの抵抗同士の接続点の電圧値は、センサレス制御回路28に入力される。
(2−4)電流検出部
電流検出部24は、平滑コンデンサ22及びインバータ25の間であって、かつ平滑コンデンサ22の負側出力端子側に接続されている。電流検出部24は、ファンモータ51の起動後、ファンモータ51に流れるモータ電流Imを検出する。
このような電流検出部24は、図示してはいないが、例えばシャント抵抗及び該抵抗の両端の電圧を増幅させるオペアンプを用いた増幅回路で構成される。電流検出部24によって検出されたモータ電流は、センサレス制御回路28に入力される。
(2−5)インバータ
インバータ25は、平滑コンデンサ22の出力側に接続されている。インバータ25は、図1に示すように、複数の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、単にトランジスタという)Q3a,Q3b,Q4a,Q4b,Q5a,Q5b及び複数の還流用ダイオードD3a,D3b,D4a,D4b,D5a,D5bを含む。トランジスタQ3aとQ3b、Q4aとQ4b、Q5aとQ5bは、それぞれ互いに直列に接続されており、各ダイオードD3a〜D5bは、各トランジスタQ3a〜Q5bに、トランジスタのコレクタ端子とダイオードのカソード端子が、また、トランジスタのエミッタ端子とダイオードのアノード端子が接続されるよう、並列接続されている。インバータ25は、平滑コンデンサ22からの平滑後電圧が印加され、かつゲート駆動回路26により指示されたタイミングで各トランジスタQ3a〜Q5bがオン及びオフを行うことで、ファンモータ51を駆動するための駆動電圧SU,SV,SWを生成する。この駆動電圧SU,SV,SWは、各トランジスタQ3aとQ3b、Q4aとQ4b、Q5aとQ5bの各接続点NU,NV,NWからファンモータ51に出力される。即ち、インバータ25は、ファンモータ51に電力を供給する。
特に、本実施形態に係るインバータ25は、起動前のファンモータ51の回転数がどのような回転数であるのかに応じて、ファンモータ51を起動したり起動を見合わせたりする。具体的に、起動前のファンモータ51の回転数が所定回転数未満である場合には、センサレス制御回路28から起動開始を示すゲート制御電圧Gu,Gx,Gv,Gy,Gw,Gzが送られてくるため、インバータ25は、駆動電圧SU,SV,SWをファンモータ51に出力する。これにより、ファンモータ51は起動し出す。しかし、起動前のファンモータ51の回転数が所定回転数以上の場合には、ゲート駆動回路26から起動開始を示すゲート制御電圧Gu,Gx,Gv,Gy,Gw,Gzが送られてこないため、インバータ25は、駆動電圧SU,SV,SWをファンモータ51に出力しない。これにより、ファンモータ51は起動をしないままの状態を保つ。
これは、起動前の時点で、室外ファン15が風等の影響を受けており既にファンモータ51が十分な回転数で回転しているのであれば、室外ファン15の回転によって蒸発器14には十分な空気が送られていることが想定される。このような場合にはヒートポンプ装置の蒸発器14としての機能が損なわれないため、インバータ25は、あえてファンモータ51に駆動信号SU,SV,SWを出力せずとも良い。しかし、起動前のファンモータ51の回転数が十分でない(起動前のファンモータ51が回転していない場合を含む)のであれば、蒸発器14には十分な空気が送られていないこととなる。すなわち、蒸発器14として十分機能できない恐れがあるため、インバータ25は、ファンモータ51に駆動信号SU,SV,SWを出力してファンモータ51を起動させるのである。
(2−6)ゲート駆動回路
ゲート駆動回路26は、センサレス制御回路28からの指令電圧Vpwmに基づき、インバータ25の各トランジスタQ3a〜Q5bのオン及びオフの状態を変化させる。具体的には、ゲート駆動回路26は、センサレス制御回路28によって決定されたデューティを有する駆動電圧SU,SV,SWがインバータ25からファンモータ51に出力されるように、各トランジスタQ3a〜Q5bのゲートに印加するゲート制御電圧Gu,Gx,Gv,Gy,Gw,Gzを生成する。生成されたゲート制御電圧Gu,Gx,Gv,Gy,Gw,Gzは、それぞれのトランジスタQ3a〜Q5bのゲート端子に印加される。
(2−7)起動前回転数検出部
起動前回転数検出部27は、入力がファンモータ51のW相の駆動コイル端子TWと接続されており、出力が切換回路30に接続されている。即ち、起動前回転数検出部27は、インバータ25よりも後段側に位置していると言える。この起動前回転数検出部27は、主に起動前においてファンモータ51が回転している際に、該モータ51から発生する誘起電圧Vwnに基づいて、起動前のファンモータ51の回転数を検出する。
このような起動前回転数検出部27の構成の一例を、図3に簡単に示す。図3では、起動前回転数検出部27が、フィルタ27a、コンパレータ27b及び演算部27cで構成されている場合を示している。フィルタ27aは例えばローパスフィルタであり、回転しているファンモータ51の駆動コイルLwにて発生した誘起電圧Vwnが入力され、この誘起電圧Vwnからノイズ成分及び高調波成分を除去する。コンパレータ27bには、フィルタ27a通過後の誘起電圧Vwnと所定の電圧値を有するリファレンス電圧Vrefとが入力される。コンパレータ27bは、入力されたこれらの電圧の大小に基づき、誘起電圧Vwnに基づくパルス電圧を出力する。演算部27cには、このパルス電圧が入力され、該電圧の周波数を演算してファンモータ51の回転数を演算する。このようにして求められた起動前のファンモータ51の回転数を示す回転数信号は、該モータ51の回転数に応じた周期を有するパルス信号、または信号の周波数は固定であるが該モータ51の回転数に応じたデューティを有するパルス信号となっている。当該回転数信号は、切換回路30を介してマイクロコンピュータ29に入力される。
以上のように、本実施形態に係る起動前回転数検出部27は、比較的簡単な構成によって、ファンモータ51の回転数を検出する。即ち、起動前回転数検出部27は、ロータ位置センサレス方式におけるモータ駆動の際に用いられるような、ファンモータ51の制御に関する所定の数式モデルやファンモータ51への通電を行わずして、ファンモータ51の回転数の検出を行う構成となっている。従って、起動前回転数検出部27は、ファンモータ51が起動していない状態、つまりはインバータ25の制御が行われていない場合において、ファンモータ51の回転数の検出ができる構成となっている。従って、起動していないファンモータ51が風等の影響により回転しているような、後述するロータ位置センサレス方式ではロータ位置の推定ができない場合においても、起動前回転数検出部27はその回転数を検出することができる。
しかし、その反面、本実施形態に係る起動前回転数検出部27は、上述したような比較的簡単な構成であるため、ファンモータ51が実際に起動しその回転数がある程度高くなると、回転数を精度良く検出することはできない。従って、本実施形態に係る起動前回転数検出部27は、後述するようにロータ位置センサレス方式にてファンモータ51を駆動するからこそ、起動前のファンモータ51の回転数検知のために設けられた機能部であると言える。
以下では、説明の便宜上、起動前のファンモータ51の回転数を示す信号を、“第1回転数信号FG1”と記載する。
(2−8)センサレス制御回路
センサレス制御回路28は、インバータ25の前段側における電圧検出部23、電流検出部24と接続されていると共に、ゲート駆動回路26、マイクロコンピュータ29及び切換回路30とも接続されている。センサレス制御回路28は、ファンモータ51をロータ位置センサレス方式にて駆動させる回路である。
具体的には、センサレス制御回路28は、ロータ位置センサレス方式にて起動後のファンモータ51のロータ位置を推定すると共に、推定したロータ位置に基づいてファンモータ51の回転数を推定する。以下、起動後のファンモータ51の回転数を示す信号を、“第2回転数信号FG2”と記載する。第2回転数信号FG2は、切換回路30を介してマイクロコンピュータ29に入力される。また、センサレス制御回路28は、マイクロコンピュータ29から回転数指令Vfgを含む運転指令が送られてくると、この運転指令、推定したロータ位置及び回転数、電圧検出部23及び電流検出部24の各検出結果に基づいて、ロータ位置センサレス方式により駆動電圧SU,SV,SWのデューティを決定する。従って、センサレス制御回路28による制御結果(指令電圧Vpwm)は、ゲート駆動回路26によるゲート制御電圧Gu,Gx,Gv,Gy,Gw,Gzの生成の際に用いられる。
ここで、ロータ位置センサレス方式とは、ファンモータ51の特性を示す各種パラメータ、ファンモータ51起動後の平滑後電圧Vfl(即ち、電圧検出部23の検出結果)、ファンモータ51のモータ電流Im(即ち、電流検出部24の検出結果)、ファンモータ51の制御に関する所定の数式モデル等を用いて、ロータ位置及び回転数の推定、回転数に対するPI制御、モータ電流に対するPI制御等を行う方式である。ファンモータ51の特性を示す各種パラメータとしては、使用されるファンモータ51の巻線抵抗、インダクタンス成分、誘起電圧、極数などが挙げられる。
図4は、数式モデルを考慮してロータ位置センサレス制御を行うセンサレス制御回路28の構成の一例を簡単に示している。図4のセンサレス制御回路28は、主として、モータモデル演算部28a、ロータ位置推定部28b、回転数推定部28c、LPF28d、回転数制御部28e及び電流制御部28fにより構成されている。モータモデル演算部28aは、ファンモータ51の特性を示す各種パラメータをモータモデルとして用いて、モータ51への指令電圧、推定したロータ位置及び推定した回転数から、モータ電流の理想値を演算する。ロータ位置推定部28bは、この理想値と、電流検出部24によって実際に検出されたモータ電流Imとの間で減算処理された結果を入力として、現時点でのロータ位置を推定する。回転数推定部28cは、推定されたロータ位置を用いて、現時点でのファンモータ51の回転数を推定する。各推定部28b,28cにおける推定結果は、モータ電流の理想値と実際のモータ電流Imとの差分を“0”にするべく補正処理が行われ、モータモデルの補正がなされる。LPF28dは、推定された回転数からノイズ成分及び高調波成分を除去する。LPF28dから出力されたファンモータ51の回転数は、波形成形部28gによって所望の第2回転数信号FG2となり、切換回路30を介してマイクロコンピュータ29に出力される。当該第2回転数信号FG2は、第1回転数信号FG1と同様、ファンモータ51の回転数に応じた周期を有するパルス信号、または信号の周波数は固定であるが該モータ51の回転数に応じたデューティを有するパルス信号となっている。
また、LPF28dから出力されたファンモータ51の回転数は、マイクロコンピュータ29から送られてきた運転指令に含まれる回転数指令Vfgとの間で減算処理が行われる。回転数制御部28eは、減算処理の結果が入力されると、回転数に対してPI制御を行う。電流制御部28fは、回転数制御部28eによる制御結果であるd軸トルク電流指令Id*と、例えばq軸電流指令Iqが“0”となるような指令“Iq*=0”と、電圧検出部23により検出された平滑後電圧Vflとに基づいて電流制御を行い、これらの指令に基づいた電流となるような指令電圧Vpwmを生成する。モータ電流が“0”なるようにPI制御を行う。このような電流制御部28fの制御により、駆動電圧SU,SV,SWのデューティを含む指令電圧Vpwmが生成され、ゲート駆動回路26に入力される。また、指令電圧Vpwmはモータモデル演算部28aに入力され、モータモデルの更なる補正がなされる。
このような構成を有するセンサレス制御回路28は、マイクロコンピュータ29及びゲート駆動回路26等によってインバータ25の制御が行われている時のみ、ロータ位置の推定を行うと言うことができる。インバータ25の制御が行われている場合とは、即ちファンモータ51が起動指令によって起動し、駆動中であることに相当する。言い換えれば、センサレス制御回路28は、ファンモータ51の起動前においては、ファンモータ51の回転数を推定することができない。何故ならば、上述したように、ロータ位置センサレス方式では、推定したロータ位置を回転数の推定に利用するため、起動前のファンモータ51においてはロータ位置を推定することができないからである。
また、本実施形態に係るセンサレス制御回路28は、図4では図示していないが、切換回路30の切換動作の制御も行う。切換回路30の切換動作については、「(2−10)切換回路30」にて説明する。
(2−9)マイクロコンピュータ
マイクロコンピュータ29は、図1に示すように、主として、切換回路30及びセンサレス制御回路28と接続されている。また、図示してはいないが、マイクロコンピュータ29は、室外機10の各機器を統括して制御する室外機側制御部とも接続されている。
マイクロコンピュータ29は、ファンモータ51の回転数に基づいてファンモータ51の制御を行い、起動指令及び回転数指令Vfgを含む運転指令をセンサレス制御回路28に出力する。特に、マイクロコンピュータ29は、図1に示すように、ファンモータ51の回転数信号の入力用のポートとして、1つの回転数入力ポートpo1を有している。そのため、マイクロコンピュータ29には、起動前回転数検出部27から出力された第1回転数信号FG1及びセンサレス制御回路28から出力された第2回転数信号FG2のいずれか1つが入力されることとなり、第1回転数信号FG1または第2回転数信号FG2に基づいて、ファンモータ51を制御する。
−起動時の制御−
ここで、マイクロコンピュータ29がファンモータ51を起動する際の制御について説明する。ファンモータ51の起動前には、マイクロコンピュータ29には、必ず第1回転数信号FG1が入力される。そこで、ファンモータ51の起動前、マイクロコンピュータ29は、第1回転数信号FG1と所定回転数とを比較し、起動前のファンモータ51の回転数が所定回転数以上か否かを判断する。第1回転数信号FG1に示される回転数が所定回転数以上であれば、既に風等の影響によりファンモータ51が十分な回転数で回転しており、あえてファンモータ51を起動させずとも蒸発器14には十分な空気が送られていることから、マイクロコンピュータ29は、ファンモータ51を起動させないままの状態を保つ。つまり、この場合には、マイクロコンピュータ29からセンサレス制御回路28へは、ファンモータ51の起動指令を含む運転指令が送られないため、インバータ25の各トランジスタQ3a〜Q5bは、オフの状態を保ったままとなる。逆に、第1回転数信号FG1が所定回転数未満であれば、現時点においては蒸発器14には十分な空気が送られていないこととなるため、マイクロコンピュータ29は、ファンモータ51を起動させる。この場合には、マイクロコンピュータ29からセンサレス制御回路28へは、ファンモータ51の起動指令及び回転数指令Vfgを含む運転指令が送られ、インバータ25の各トランジスタQ3a〜Q5bは異なるタイミングでオン及びオフし出す。
上述した所定回転数は、ファンモータ51、室外ファン15及び蒸発器14の特性等に基づいて、机上計算やシミュレーション、実験等によって予め適宜な値に設定されていることとする。
−ロータ位置センサレス運転時における制御−
ファンモータ51が起動した後、やがてマイクロコンピュータ29に入力される回転数信号は第1回転数信号FG1ではなく第2回転数信号FG2となり、マイクロコンピュータ29は、第2回転数信号FG2に基づいてファンモータ51の運転指令を出力することとなる。
また、マイクロコンピュータ29は、入力される回転数信号が切り換わる前後を含め、各回転数信号FG1,FG2が表すその時々の回転数を監視することで、センサレス制御回路28の状態を判断することも可能である。例えば、マイクロコンピュータ29に入力される回転数信号が第1回転数信号FG1から第2回転数信号FG2に切り換わった際に、切り換わる直前の第1回転数信号FG1は“0rpm”以外の回転数を示していたが、切り換わった直後の第2回転数信号FG2が“0rpm”を示しているとする。この場合、マイクロコンピュータ29は、センサレス制御回路28側に異常があると判断する。なぜなら、ファンモータ51が回転している可能性は高いのに、センサレス制御回路28は回転数を“0rpm”と判断しているからである。
このように、センサレス制御回路28が異常な状態であることを判断した場合には、マイクロコンピュータ29は、ファンモータ51の起動を直ちに停止する旨の運転指令をセンサレス制御回路28に送り、ファンモータ51の駆動を停止させてもよい。更に、マイクロコンピュータ29は、センサレス制御回路28が異常である旨を、室外機側制御部や室外機10の外部に向けて発報してもよい。
(2−10)切換回路
切換回路30は、起動前回転数検出部27、センサレス制御回路28及びマイクロコンピュータ29と接続されたスイッチで構成されている。切換回路30は、センサレス制御回路28からの切換動作の制御に基づき、マイクロコンピュータ29への回転数信号の切換動作を行う。
具体的には、切換回路30は、ファンモータ51の起動前には、起動前回転数検出部27から出力される第1回転数信号FG1がマイクロコンピュータ29に入力されるように、マイクロコンピュータ29における回転数入力ポートpo1と起動前回転数検出部27における第1回転数信号FG1の出力ポートとを接続状態とし、回転数入力ポートpo1とセンサレス制御回路28における第2回転数信号FG2の出力ポートとを非接続状態にする。逆に、ファンモータ51の起動後であって、かつセンサレス制御回路28から回転数信号の切換指令がなされた場合には、切換回路30は、センサレス制御回路28から出力される第2回転数信号FG2がマイクロコンピュータ29に入力されるように、回転数入力ポートpo1とセンサレス制御回路28における第2回転数信号FG2の出力ポートとを接続状態にし、回転数入力ポートpo1と起動前回転数検出部27における第1回転数信号FG1の出力ポートとを非接続状態にする。
このように、本実施形態においては、簡易な構成である切換回路30により、マイクロコンピュータ29へは、第1回転数信号FG1または第2回転数信号FG2のいずれか一方が入力されるようになっている。そのため、本実施形態では、第1回転数信号FG1及び第2回転数信号FG2は、既に述べているように共にパルス信号であって、第1回転数信号FG1の信号形式は、第2回転数信号FG2の信号形式と同一となっている。
−回転数信号の切換動作−
ここで、切換回路30が回転数入力ポートpo1の接続先を起動前回転数検出部27側からセンサレス制御回路28側へと切り換えるタイミングについて説明する。切換回路30は、ファンモータ51が起動した後であってかつ所定のタイミングに、マイクロコンピュータ29に入力される回転数信号を第1回転数信号FG1から第2回転数信号FG2へと切り換えるが、この「所定のタイミング」としては、以下の3つのパターンが考えられる。
(パターンA)先ず、起動直後にロータ位置及び回転数の検出がなされる。その検出結果に応じて、センサレス制御回路28は、ファンモータ51に対し強制通電を行い、ロータ53の位置を所定位置に固定させる。この動作により、センサレス制御回路28は、ロータ位置を推定できるようになる。切換回路30は、センサレス制御回路28によるロータ位置の推定動作が可能となったタイミングで、回転数信号の切換動作を行う。
(パターンB)上述したパターンAにおけるロータ位置及び回転数の検出がなされることなく、センサレス制御回路28は、ファンモータ51に対し強制通電を行い、ロータ位置を所定位置に固定させる。この動作により、センサレス制御回路28は、ロータ位置を推定できるようになるため、切換回路30は、センサレス制御回路28によるロータ位置の推定動作が可能となったタイミングで、回転数信号の切換動作を行う。
(パターンC)風等の影響により既に回転している状態のファンモータ51が、あえて起動したとする。この際、既に回転している該モータ51の回転数等の状態により、センサレス制御回路28は、ロータ位置及び回転数の検出が可能な場合がある。この場合には、ファンモータ51に対する強制通電を行わずとも、センサレス制御回路28は、ロータ位置を推定できる。従って、切換回路30は、センサレス制御回路28によるロータ位置の推定動作が可能となったタイミングで、回転数信号の切換動作を行う。
上記パターンA〜Cをまとめると、本実施形態では、センサレス制御回路28によるロータ位置の推定が可能となった場合に、切換回路30は、第1回転数信号FG1から第2回転数信号FG2への回転数信号の切換動作を行うと言える。ファンモータ51が起動し、その後該モータ51の駆動状態が安定すれば、ロータ位置の推定が可能となるため、センサレス制御回路28は、第2回転数信号FG2を出力することが可能となるからである。
なお、パターンA〜Cのどのパターンが採用されるかは、室外ファン15を搭載する室外機10の仕様等に応じて、適宜決定されると良い。
(3)動作
次に、本実施形態のモータ駆動制御装置20の動作について、図5を用いて説明する。図5は、モータ駆動制御装置20が行う動作を示すフロー図である。初めに、切換回路30は、マイクロコンピュータ29の回転数入力ポートpo1と起動前回転数検出部27における第1回転数信号FG1の出力ポートとを接続している状態であるとする。
ステップS1〜S2:マイクロコンピュータ29が、室外ファン15の運転開始指示を室外機10の室外機側制御部から取得した場合(ステップS1のYes)、起動前回転数検出部27は、ファンモータ51が起動する前である現時点での該モータ51の回転数を検出する(ステップS2)。これにより、マイクロコンピュータ29には、切換回路30を介して第1回転数信号FG1が入力される。
ステップS3〜S4:マイクロコンピュータ29は、ステップS2の第1回転数信号FG1を所定回転数と比較する(ステップS3)。第1回転数信号FG1が所定回転数以上であれば(ステップS4のYes)、マイクロコンピュータ29は、現時点においてはファンモータ51を起動させないと判断する(ステップS4)。この場合、インバータ25からは、駆動電圧SU,SV,SWがファンモータ51に出力されない。
ステップS5:ステップS2の動作から所定時間が経過する毎に、ステップS2以降の動作が繰り返される。つまり、ステップS2においてファンモータ51を起動させないと判断された場合には、起動前回転数検出部27による起動前のファンモータ51の回転数の検出動作がリトライされる。
ステップS6:ステップS3において、第1回転数信号FG1が所定回転数未満であれば(ステップS3のNo)、マイクロコンピュータ29は、ファンモータ51を起動させると判断する。この場合、マイクロコンピュータ29は、起動指令及び回転数指令Vfgを含む運転指令をセンサレス制御回路28に出力し、インバータ25からは、駆動電圧SU,SV,SWがファンモータ51に出力され、ファンモータ51は起動し出す。
ステップS7〜S8:センサレス制御回路28においてロータ位置の推定が可能となるまで(ステップS7のNo)、切換回路30は、マイクロコンピュータ29の回転数入力ポートpo1と起動前回転数検出部27側とを接続する状態を保つ。センサレス制御回路28においてロータ位置の推定が可能となれば(ステップS7のYes)、マイクロコンピュータ29には第1回転数信号FG1ではなく第2回転数信号FG2が入力されるように、切換回路30は、マイクロコンピュータ29の回転数入力ポートpo1の接続先を起動前回転数検出部27側からセンサレス制御回路28側へと切り換える(ステップS8)。
ステップS9:ステップS6で起動したファンモータ51は、センサレス制御回路28により、ロータ位置センサレス駆動される。
ステップS10〜S12:室外ファン15の駆動停止指示を取得するまでは(ステップS10のNo)、ファンモータ51は、センサレス制御回路28により、ステップS9に係るロータ位置センサレス駆動が継続される。インバータ25による駆動電圧SU,SV,SWのファンモータ51への出力が停止され、ファンモータ51は駆動を停止する(S11)。マイクロコンピュータ29には第2回転数信号FG2ではなく第1回転数信号FG1が入力されるように、切換回路30は、マイクロコンピュータ29の回転数入力ポートpo1の接続先をセンサレス制御回路28側から起動前回転数検出部27側へと切り換える(S12)。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態に係るモータ駆動制御装置20によると、ファンモータ51の起動前には、起動前回転数検出部27によって検出された起動前のファンモータ51の回転数(つまり、第1回転数信号FG1)がマイクロコンピュータ29に入力される。ファンモータ51の起動後には、センサレス制御回路28によって推定された起動後のファンモータ51の回転数(つまり、第2回転数信号FG2)がマイクロコンピュータ29に入力される。このように、切換回路30によって、マイクロコンピュータ29に入力される回転数信号が切り換えられる。従って、マイクロコンピュータ29は、起動前のファンモータ51の回転数を容易に把握でき、更に起動後はロータ位置センサレス方式にて推定されたファンモータ51の回転数をファンモータ51の制御に利用することができる。従って、モータ駆動制御装置20は、起動前のファンモータ51の回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて高性能なファンモータ51の駆動制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ29側からすると、マイクロコンピュータ29にはファンモータ51の回転数を表す信号として1つの回転数信号(つまり、第1回転数信号FG1または第2回転数信号FG2)のみが入力されることとなる。そのため、マイクロコンピュータ29は、ファンモータ51の回転数を表す信号の入力ポートを、1つのみ有することもできる。
(4−2)
また、本実施形態においては、起動前回転数検出部27、センサレス制御回路28及び切換回路30が、1つの集積回路パッケージ内にパッケージングされている。これにより、モータ駆動制御装置20自体が非常にコンパクトとなるため、ひいてはモータ駆動制御装置20を搭載している室外機10の小型化が図れる。
(4−3)
また、本実施形態に係るモータ駆動制御装置20によると、ファンモータ51が起動している場合において、センサレス制御回路28によるロータ位置の推定の際には、ファンモータ51の制御に関する所定の数式モデルが用いられる。そのため、ロータ位置は精度良く推定され得る。
(4−4)
即ち、本実施形態に係るモータ駆動制御装置20によると、インバータ25の制御が行われている時のみ、センサレス制御回路28によるロータ位置が推定されるため、ロータ位置は確実に推定され得る。また、インバータ25の制御に通常用いられる電圧検出部23及び電流検出部24を、ロータ位置の推定にそのまま用いることができるため、新たな回路を追加することなくモータ駆動制御装置20を安価にかつ小型に製造することができる。
(4−5)
また、本実施形態では、センサレス制御回路28は、起動前のファンモータ51の回転数を推定できないが、起動前のファンモータ51の回転数を把握する機能部は“起動前回転数検出部27”として備えられている。そして、マイクロコンピュータ29によるモータ制御にて用いられる回転数信号FG1,FG2は、ファンモータ51の起動前後で切り替わる。これにより、簡単な構成によって、起動前のファンモータ51の回転数(つまり、第1回転数信号FG1)を容易に把握でき、更に起動後はロータ位置センサレス方式にて推定されたモータの回転数(つまり、第2回転数信号FG2)がモータ制御に利用されることとなる。従って、モータ駆動制御装置20は、起動前のファンモータ51の回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて高性能なファンモータ51の駆動制御を行うことができる。
(4−6)
また、本実施形態に係る起動前回転数検出部27は、ファンモータ51の制御に関する所定の数式モデルを用いずに、起動前のファンモータ51の回転数の検出を行う。即ち、起動前回転数検出部27は、数式モデルを用いるような、所謂ロータ位置センサレス方式でファンモータ51の回転数を検出するものではない。そのため、起動前回転数検出部27は、ファンモータ51が起動していなくとも、確実にファンモータ51の回転数を検出することができる。
(4−7)
更に、本実施形態に係る起動前回転数検出部27は、ファンモータ51に通電を行ってロータ位置を推定するような、所謂ロータ位置センサレス方式でモータの回転数を検出するものではない。そのため、起動前回転数検出部27は、ファンモータ51が起動していなくとも、確実にファンモータ51の回転数を検出することができる。
(4−8)
更に、本実施形態に係る起動前回転数検出部27は、インバータ25の制御が行われていないファンモータ51の起動前においても、確実にファンモータ51の回転数を検出することができる。
(4−9)
具体的に、本実施形態に係る起動前回転数検出部27は、起動前であってもファンモータ51が回転していれば発生するであろう誘起電圧Vwnに基づいて、起動前のファンモータ51の回転数を検出する。そのため、比較的簡単な構成にて、起動前のファンモータ51の回転数を検出することができる。
(4−10)
起動前のファンモータ51が風等の影響により既に回転している状態において、その回転数が所定回転数以上であれば、室外機10内の蒸発器14には既に十分な空気が送られており、熱交換を行なうことができる状態であるため、本実施形態に係るモータ駆動制御装置20は、あえてファンモータ51を起動させない。逆に、回転数が所定回転数未満であれば、仮にファンモータ51が回転しているとしても、室外機10内の蒸発器14に送られている空気の量は不十分であるとして、モータ駆動制御装置20はファンモータ51を起動させる。このように、起動前のファンモータ51の回転数に応じてファンモータ51の起動実行が制御されるため、ファンモータ51の起動による消費電力の量を最小限にとどめることができる。そして、当該モータ駆動制御装置20が搭載されるヒートポンプ装置としての性能を低下させることもない。また、起動直前の回転状態が限定されるため、突風などの外乱が入ったとしても、モータ電流や駆動電圧の増加が過大となることもなく、過電流や過電圧によってモータ駆動制御システム100が停止することもない。
(4−11)
第1回転数信号FG1から第2回転数信号FG2への信号の切換動作は、ファンモータ51の起動後であり、かつセンサレス制御回路28によるロータ位置の推定が可能となった場合に行われる。センサレス制御回路28がロータ位置を推定できるようになったということは、即ち推定したロータ位置に基づいてファンモータ51の回転数を推定可能となったことを意味する。従って、ファンモータ51は、ロータ位置センサレス方式にて、確実に駆動されることとなる。
(4−12)
第1回転数信号FG1の信号形式は、第2回転数信号FG2の信号形式と同一である。これにより、マイクロコンピュータ29は、該信号用の入力ポートを1つのみとすることができる。従って、第1回転数信号FG1または第2回転数信号FG2のいずれかが入力された場合であっても、入力された信号に応じて制御方式を変えずに済む。
(4−13)
本実施形態に係るマイクロコンピュータ29は、第1回転数信号FG1及び第2回転数信号FG2に基づいて、センサレス制御回路28における異常の有無を判断することができる。従って、モータ駆動制御装置20は、センサレス制御回路28の状態に応じて、ファンモータ51の起動を直ちに停止させたりする制御を行うことができ、高い安全性を保つことができる。
(4−14)
モータ51は、ヒートポンプ装置の室外機10に含まれる機器の1つである室外ファン15の駆動源である。このモータ駆動制御装置20によると、室外ファン15が風等の影響により起動前から回転していても、起動前のファンモータ51の回転数を容易に把握することができ、かつ起動後も精密にファンモータ51の駆動制御を行うことができる。
(5)変形例
(5−1)変形例1A
上記第1実施形態では、センサレス制御回路28は、ファンモータ51の起動後のロータ位置の推定を、ファンモータ51の制御に関する所定の数式モデルを用いて行うと説明した。しかし、センサレス制御回路28は、駆動中のファンモータ51に対しロータ位置検出用の電流を流すことで、ロータ位置を推定してもよい。この手法であれば、ロータ位置は、通電状態における情報(例えば駆動電圧やモータ電流など)の利用により、精度良く推定され得る。
(5−2)変形例1B
また、上記第1実施形態では、起動前回転数検出部27が、ファンモータ51における誘起電圧Vwmを用いてファンモータ51の回転数を検出すると説明した。しかし、起動前回転数検出部27は、起動前のファンモータ51におけるロータ位置を推定し、その結果を用いて起動前のファンモータ51の回転数の検出を行ってもよい。つまり、この場合の起動前回転数検出部27は、所謂ロータ位置センサレス方式のように起動前にはファンモータ51の回転数を検出できないような構成なのではなく、起動前のロータ位置を推定できるセンサレス方式が採用されている。これにより、起動前回転数検出部27は、ファンモータ51の起動前においても、確実にファンモータ51の回転数を検出することができる。
尚、上述したセンサレス方式により起動前のロータ位置を推定する手法としては、例えば特許文献1(平7−337080号公報)の図3に示されるように、従来から良く知られている手法がある。このセンサレス方式では、ファンモータ51の各相における端子間電圧(即ち、各相に発生する誘起電圧)を用いて、ロータ位置の検出を行っている。
(5−3)変形例1C
上記第1実施形態では、図3に示すように、起動前回転数検出部27は、1相分の誘起電圧のみを用いて、起動前のファンモータ51の回転数の検出を行っていた。しかし、起動前のファンモータ51の回転数の検出において用いられる誘起電圧は、1相分ではなく、2相分や3相分全てであってもよい。また、図3では、起動前のファンモータ51の回転数の検出においては、W相の誘起電圧が用いられていたが、W相の代わりにU相やV相の誘起電圧が用いられても良いし、上記第1実施形態に係る検出方式に限定されるものではない。
(5−4)変形例1D
上記第1実施形態では、第1回転数信号FG1及び第2回転数信号FG2が、パルス信号であると説明した。しかし、第1回転数信号FG1及び第2回転数信号FG2は、回転数が電圧値となって現れている、直流電圧信号であってもよい。
(5−5)変形例1E
上記第1実施形態では、切換回路30がスイッチで構成されると説明した。しかし、切換回路30は、スイッチではなく、論理回路等で構成されていてもよい。
(5−6)変形例1F
上記第1実施形態では、モータ駆動制御装置20が、ファンモータ51のみを駆動する場合について説明した。しかし、上述したモータ駆動制御装置は、図6に示すように、ファンモータ51が圧縮機用モータ61と並列に接続された構成において、各モータ51,61を駆動制御する場合にも適用することができる。
図6は、ファンモータ51及び圧縮機用モータ61が並列に接続された場合の、モータ駆動制御装置120を含むシステム200の構成図である。なお、図6では、構成を簡単にするため、整流部131及び各インバータ125,133の内部の詳細な構成は省略しているが、整流部131及び各インバータ125,133の内部の構成は、図1と同様である。
モータ駆動制御装置120は、ファンモータ51側の構成として、第1平滑コンデンサ122、電圧検出部123、電流検出部124、ファン用インバータ125及びファンモータ側の駆動用IC126を備える。第1平滑コンデンサ122、電圧検出部123、電流検出部124、ファン用インバータ125は、上述した第1実施形態に係る平滑コンデンサ22、電圧検出部23、電流検出部24、インバータ25と同様である。ファンモータ51側の駆動用IC126内部の構成は、図1に示した集積回路パッケージpa1内と同一である。即ち、駆動用IC126は、上記第1実施形態に係るゲート駆動回路26、起動前回転数検出部27、センサレス制御回路28及び切換回路30と同様の構成からなる。
そして、モータ駆動制御装置120は、圧縮機11の駆動源である圧縮機用モータ61側の構成として、圧縮機用インバータ133、及び圧縮機用モータ61側の駆動用IC136を備える。更に、モータ駆動制御装置120は、圧縮機11及び室外ファン15に共通する構成として、商用電源91に接続された整流部131と、第2平滑コンデンサ132とを有する。
整流部131は、商用電源91と接続されており、商用電源91からの交流の電圧を整流する。第2平滑コンデンサ132は、第1平滑コンデンサ122及びファン用インバータ125に対し並列に接続されており、整流部131から供給される直流電源を平滑する。第2平滑コンデンサ132によって平滑された電圧は、圧縮機用インバータ133に供給されると共に、ファン側である第1平滑コンデンサ122側にも供給される。圧縮機用インバータ133は、圧縮機用モータ61を駆動するための駆動電圧を生成し、該モータ61に出力する。圧縮機用モータ61側の駆動用IC136は、圧縮機用インバータ133内の各トランジスタを駆動するためのゲート駆動回路、ロータ位置を推定するロータ位置推定回路、及びロータ位置に基づいて圧縮機用モータ61をセンサレス制御するセンサレス制御回路を有する。
また、モータ駆動制御装置120は、ファンモータ51及び圧縮機用モータ61を統括制御するマイクロコンピュータ130を有する。マイクロコンピュータ130は、図6に示すように、ファンモータ制御系130aと圧縮機用モータ制御系130bとして機能する。ファンモータ制御系130aは、上記第1実施形態に係るマイクロコンピュータ29と同様の制御を行う。圧縮機用モータ制御系130bは、圧縮機用モータ61に対して駆動開始や停止等の運転指令を行う。
(5−7)変形例1G
また、上記第1実施形態では、第1回転数信号FG1から第2回転数信号FG2への切換動作を、起動前/起動後として説明してきたが、一度所定回転数で駆動した後に駆動を停止し、減速途中の回転中に再起動を行なう場合においても、本方式に係る切換動作を適用できることは、言うまでもない。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、マイクロコンピュータ29に入力されるファンモータ51の回転数信号FG1,FG2が、モータ51の起動前と起動後とで、切換回路30によってハード的に切り換えられる場合について説明した。本実施形態では、回転数信号の切換動作がハード的な構成によってではなく、ソフト的な構成によって行われる場合について説明する。
(1)構成
図7は、ブラシレスDCモータであるファンモータ51と、このファンモータ51を駆動するための本実施形態に係るモータ駆動制御装置220とを含むモータ駆動システム300全体の構成図である。モータ駆動制御装置220は、整流部221と、平滑コンデンサ222と、電圧検出部223と、電流検出部224と、インバータ225と、ゲート駆動回路226と、起動前回転数検出部227と、センサレス制御回路228(センサレス推定部に相当)と、マイクロコンピュータ229(制御部に相当)とを備える。即ち、本実施形態に係るモータ駆動制御装置220は、上記第1実施形態に係るモータ駆動制御装置20において、切換回路30を備えていない構成となっている。モータ駆動制御装置220を構成するこれらの機能部は、例えば1枚のプリント基板に実装されている。ゲート駆動回路226、起動前回転数検出部227及びセンサレス制御回路228は、例えば1つの集積回路パッケージpa201内にパッケージングされており、1つのICやHICで構成されている。
なお、整流部221、平滑コンデンサ222、電圧検出部223、電流検出部224、インバータ225、ゲート駆動回路226、起動前回転数検出部227及びセンサレス制御回路228は、図1に示した上記第1実施形態に係る整流部21、平滑コンデンサ22、電圧検出部23、電流検出部24、インバータ25、ゲート駆動回路26、起動前回転数検出部27及びセンサレス制御回路28それぞれと同様である。そのため、以下では、これらの機能部の説明は省略し、上記第1実施形態とは異なる部分、つまりはマイクロコンピュータ229についてのみ説明する。
(1−1)マイクロコンピュータ
マイクロコンピュータ229は、起動前回転数検出部227及びセンサレス制御回路228と直接接続されており、起動前回転数検出部227の検出結果である第1回転数信号FG1とセンサレス制御回路228の検出結果である第2回転数信号FG2とが入力されるようになっている。即ち、マイクロコンピュータ229は、回転数信号の入力用のポートとして、2つの回転数入力ポートpo11,po12を有している。
このようなマイクロコンピュータ229は、上記第1実施形態に係るマイクロコンピュータと同様、ファンモータ51の起動前には第1回転数信号FG1に基づいて該モータ51の起動を行うべきか否かを判定する制御を行い、ファンモータ51の起動後には第2回転数信号FG2に基づいて該モータ51の制御を行う。そのため、マイクロコンピュータ229は、ファンモータ51の制御の際に用いる回転数信号の切換動作を行う切換手段229aを有している。尚、切換手段229aが第1回転数信号FG1から第2回転数信号FG2へと回転数信号を切り換えるタイミングは、上記第1実施形態に係る「−回転数信号の切換動作−」にて説明したタイミングが挙げられる。
その他、マイクロコンピュータ229は、上記第1実施形態に係るマイクロコンピュータ29と同様の制御を行う。加えて、マイクロコンピュータ229は、例えばセンサレス制御回路228がファンモータ51の回転数検出時及びロータ位置固定時に第2回転数信号FG2として“0rpm”を出力した場合にも、センサレス制御回路228に異常があると判断することができる。第2回転数信号FG2の値が“0rpm”であるということは、即ちロータ位置の推定が不可能であったことを示すからである。
また、ファンモータ51に対し強制通電がなされている場合には、センサレス制御回路228から出力される第2回転数信号FG2は、強制通電に相当する周波数を示す値であることができる。この場合には、マイクロコンピュータ229は、第2回転数信号FG2から、ファンモータ51は現在強制通電中であることを知ることができる。
(2)特徴
(2−1)
本実施形態に係るモータ駆動制御装置220によると、ファンモータ51の起動前には、起動前回転数検出部227によって検出された起動前のファンモータ51の回転数(つまり、第1回転数信号FG1)がモータ制御に用いられ、ファンモータ51の起動後には、センサレス制御回路228によって推定された起動後のファンモータ51の回転数(つまり、第2回転数信号FG2)がモータ制御に用いられるように、マイクロコンピュータ229内部において信号の切換が行われる。これにより、マイクロコンピュータ229は、起動前のファンモータ51の回転数を容易に把握でき、更に起動後はロータ位置センサレス方式にて推定されたファンモータ51の回転数をモータの制御に利用することができる。従って、起動前のファンモータ51の回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて高性能なファンモータ51の駆動制御を行うことができる。
また、上記第1実施形態のように“切換回路30”を必要としないため、モータ駆動制御装置220自体は、上記第1実施形態に比してコンパクトとなることができ、モータ駆動制御装置220を搭載している室外機10も、上記第1実施形態に比してより小型化が図れる可能性がある。
(2−2)
また、本実施形態に係るモータ駆動制御装置220においても、センサレス制御回路228によるロータ位置の推定の際には、ファンモータ51の制御に関する所定の数式モデルが用いられる。そのため、ロータ位置は精度良く推定され得る。
(2−3)
つまり、本実施形態においても、インバータ225の制御が行われている時のみ、センサレス制御回路228によるロータ位置が推定されるため、ロータ位置は確実に推定され得る。また、インバータ225の制御に通常用いられる電圧検出部223及び電流検出部224を、ロータ位置の推定にそのまま用いることができるため、新たな回路を追加することなくモータ駆動制御装置220を安価にかつ小型に製造することができる。
(2−4)
また、本実施形態においても、センサレス制御回路228は、起動前のファンモータ51の回転数を推定できないが、起動前のファンモータ51の回転数を把握する機能部は“起動前回転数検出部227”として備えられている。そして、マイクロコンピュータ229によるモータ制御にて用いられる回転数信号FG1,FG2は、ファンモータ51の起動前後で切り替わる。これにより、簡単な構成によって、起動前のファンモータ51回転数である第1回転数信号FG1を容易に把握でき、更に起動後はロータ位置センサレス方式にて推定されたモータの回転数である第2回転数信号FG2がモータ制御に利用されることとなる。従って、モータ駆動制御装置220は、起動前のファンモータ51の回転数を把握しつつ、起動後はロータ位置センサレス方式にて高性能なファンモータ51の駆動制御を行うことができる。
(2−5)
また、本実施形態においても、起動前回転数検出部227は、ファンモータ51の制御に関する所定の数式モデルを用いずに、起動前のファンモータ51の回転数の検出を行う。そのため、起動前回転数検出部227は、ファンモータ51が起動していなくとも、確実にファンモータ51の回転数を検出することができる。
(2−6)
更に、本実施形態においても、起動前回転数検出部227は、ファンモータ51に電流を流さずに、起動前のファンモータ51の回転数の検出を行う。そのため、起動前回転数検出部227は、ファンモータ51が起動していなくとも、確実にファンモータ51の回転数を検出することができる。
(2−7)
更に、本実施形態においても、起動前回転数検出部227は、インバータ225の制御が行われていないファンモータ51の起動前においても、確実にファンモータ51の回転数を検出することができる。
(2−8)
本実施形態においても、起動前回転数検出部227は、ファンモータ51にて発生する誘起電圧Vwnに基づいて、起動前のファンモータ51の回転数を検出する簡単な構成となっている。
(2−9)
本実施形態においても、起動前のファンモータ51が風等の影響により既に回転している状態において、その回転数が所定回転数以上であれば、室外機10内の蒸発器14には既に十分な空気が送られていることとなるため、モータ駆動制御装置220は、あえてファンモータ51を起動させない。逆に、回転数が所定回転数未満であれば、仮にファンモータ51が回転しているとしても、室外機10内の蒸発器14に送られている空気の量は不十分であるとして、モータ駆動制御装置220はファンモータ51を起動させる。従って、起動前のファンモータ51の回転数に応じて該モータ51の起動実行が制御されるため、ファンモータ51の起動による消費電力の量を最小限にとどめることができる。そして、当該モータ駆動制御装置220が搭載されるヒートポンプ装置としての性能を低下させることもない。また、起動直前の回転状態が限定されるため、突風などの外乱が入ったとしても、モータ電流やモータ51に印加される電圧の増加が過大となることもなく、過電流や過電圧によってシステム300が停止することもない。
(2−10)
切換手段229aによる第1回転数信号FG1から第2回転数信号FG2への信号の切換動作は、ファンモータ51の起動後であり、かつセンサレス制御回路228によるロータ位置の推定が可能となった場合に行われる。センサレス制御回路228がロータ位置を推定できるようになったということは、即ち推定したロータ位置に基づいてファンモータ51の回転数を推定可能となったことを意味するため、ファンモータ51は、ロータ位置センサレス方式にて、確実に駆動されることとなる。
(2−11)
本実施形態においても、第1回転数信号FG1の信号形式は、第2回転数信号FG2の信号形式と同一であることが好ましい。マイクロコンピュータ229は、用いる回転数信号に応じて制御方式を変更せずに済むからである。
(2−12)
本実施形態においても、マイクロコンピュータ229は、第1回転数信号FG1及び第2回転数信号FG2に基づいて、センサレス制御回路228における異常の有無を判断することができる。従って、モータ駆動制御装置220は、センサレス制御回路228の状態に応じて、ファンモータ51の起動を直ちに停止させたりする制御を行うことができ、高い安全性を保つことができる。
(2−13)
モータ51は、ヒートポンプ装置の室外機10に含まれる機器の1つである室外ファン15の駆動源である。従って、室外ファン15が風等の影響により起動前から回転していても、起動前のファンモータ51の回転数は容易に把握され、かつ起動後も高性能なファンモータ51の駆動制御が行われる。
(3)変形例
(3−1)変形例2A
上記第2実施形態においても、上記第1実施形態に係る変形例1Aと同様、センサレス制御回路228は、駆動中のファンモータ51に対しロータ位置検出用の電流を強制的に流すことで、ロータ位置を推定してもよい。この手法を用いても、ロータ位置は精度良く推定され得る。
(3−2)変形例2B
上記第2実施形態においても、上記第1実施形態に係る変形例1Bと同様、起動前回転数検出部227は、起動前のファンモータ51におけるロータ位置を推定し、その結果を用いて起動前のファンモータ51の回転数の検出を行ってもよい。これにより、起動前回転数検出部227は、ファンモータ51の起動前においても、確実にファンモータ51の回転数を検出することができる。
(3−3)変形例2C
上記第2実施形態においても、上記第1実施形態に係る変形例1Cと同様、起動前のファンモータ51の回転数の検出において用いられる誘起電圧は、1相分ではなく、2相分や3相分全てであってもよい。また、W相の誘起電圧Vwnの代わりにU相やV相の誘起電圧が用いられても良いし、上記第2実施形態に係る検出方式に限定されるものではない。
(3−4)変形例2D
上記第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様、第1回転数信号FG1及び第2回転数信号FG2は、ファンモータ51の回転数に応じた周期を有するパルス信号、または信号の周波数は固定であるが該モータ51の回転数に応じたデューティを有するパルス信号であることができる。また、第1回転数信号FG1及び第2回転数信号FG2は、回転数が電圧値となって現れている直流電圧信号であることもできる。
(3−5)変形例2E
上記第2実施形態に係るモータ駆動制御装置220は、上記第1実施形態に係る変形例1Fと同様、ファンモータ51が圧縮機用モータ61と並列に接続された構成にも適用できる。
(3−6)変形例2F
上記第2実施形態では、マイクロコンピュータ229にて第1回転数信号FG1と第2回転数信号FG2との切り替えが行われ、当該マイクロコンピュータ229にてファンモータ51の制御が行なわれる場合を示した。しかし、当該マイクロコンピュータ229よりも更に上位の制御手段(図示していないマイクロコンピュータや制御回路。例えば室外制御部)に、切り替えた結果としての回転数信号を伝達する構成であっても良い。
(3−7)変形例2G
また、上記第2実施形態では、第1回転数信号FG1から第2回転数信号FG2への切換動作を、起動前/起動後として説明してきたが、一度所定回転数で駆動した後に駆動を停止し、減速途中の回転中に再起動を行なう場合においても、本方式に係る切換動作を適用できることは、言うまでもない。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
10 室外機
14 蒸発器
15 室外ファン
20 モータ駆動制御装置
21 整流部
22 平滑コンデンサ
23 電圧検出部
24 電流検出部
25 インバータ
26 ゲート駆動回路
27 起動前回転数検出部
28 センサレス制御回路
29 マイクロコンピュータ
30 切換回路
51 モータ
100 モータ駆動制御システム
61 圧縮機用モータ
特開平7−337080号公報

Claims (17)

  1. 起動前のモータ(51)の回転数を検出する起動前回転数検出部(27)と、
    ロータ位置センサレス方式にて起動後の前記モータのロータ位置を推定すると共に、推定した前記ロータ位置に基づいて前記モータの回転数を推定するセンサレス推定部(28)と、
    前記起動前回転数検出部(27)により検出された前記モータの回転数を示す第1回転数信号(FG1)、または前記センサレス推定部(28)により推定された前記モータの回転数を示す第2回転数信号(FG2)に基づいて、前記モータの制御を行う制御部(29)と、
    前記モータの起動前には前記第1回転数信号(FG1)が前記制御部に入力され、前記モータの起動後には前記第2回転数信号(FG2)が前記制御部に入力されるように、前記制御部(29)への信号の切換動作を行う切換回路(30)と、
    を備え
    前記制御部(29)は、前記第1回転数信号(FG1)及び前記第2回転数信号(FG2)に基づいて、前記センサレス推定部(28)における異常の有無を判断する、モータ駆動制御装置(20)。
  2. 前記起動前回転数検出部(27)、前記センサレス推定部(28)及び前記切換回路(30)は、1つの集積回路パッケージ内にパッケージングされている、
    請求項1に記載のモータ駆動制御装置(20)。
  3. 起動前のモータ(51)の回転数を検出する起動前回転数検出部(227)と、
    ロータ位置センサレス方式にて起動後の前記モータのロータ位置を推定すると共に、推定した前記ロータ位置に基づいて前記モータの回転数を推定するセンサレス推定部(228)と、
    前記起動前回転数検出部(227)により検出された前記モータの回転数を示す第1回転数信号(FG1)、または前記センサレス推定部(228)により推定された前記モータの回転数を示す第2回転数信号(FG2)に基づいて、前記モータの制御を行う制御部(229)と、
    を備え、
    前記制御部(229)は、前記モータの起動前には前記第1回転数信号(FG1)に基づいて前記モータを制御し、前記モータの起動後には前記第2回転数信号(FG2)に基づいて前記モータを制御するように、前記モータの制御の際に用いる信号の切換動作を行う切換手段(229a)を有し、前記第1回転数信号(FG1)及び前記第2回転数信号(FG2)に基づいて、前記センサレス推定部(228)における異常の有無を判断する、モータ駆動制御装置(220)。
  4. 前記センサレス推定部(28,228)は、前記モータの制御に関する所定の数式モデルを用いて前記ロータ位置を推定する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  5. 前記センサレス推定部(28,228)は、前記モータに電流を流すことで前記ロータ位置を推定する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  6. 前記モータに電力を供給するインバータ(25,225)、
    を更に備え、
    前記センサレス推定部(28,228)は、前記インバータの制御が行われている時のみ、前記ロータ位置の推定を行う、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  7. 前記センサレス推定部(28,228)は、起動前の前記モータの回転数を推定できない、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  8. 前記起動前回転数検出部(27,227)は、前記モータの制御に関する所定の数式モデルを用いずに、起動前の前記モータの回転数の検出を行う、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  9. 前記起動前回転数検出部(27,227)は、前記モータに電流を流さずに起動前の前記モータの回転数の検出を行う、
    請求項1から8のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  10. 前記モータに電力を供給するインバータ(25,225)、
    を更に備え、
    前記起動前回転数検出部(27,227)は、前記インバータの制御が行われていなくても、起動前の前記モータの回転数の検出を行う、
    請求項1から9のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  11. 前記起動前回転数検出部(27,227)は、起動前の前記ロータ位置を推定し、その結果を用いて起動前の前記モータの回転数の検出を行う、
    請求項8から10のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  12. 前記起動前回転数検出部(27,227)は、起動前の前記モータに発生する誘起電圧に基づいて、起動前の前記モータの回転数を検出する、
    請求項8から10のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  13. 前記制御部(29,229)は、
    前記第1回転数信号(FG1)が所定回転数未満の場合、前記モータをロータ位置センサレス方式にて起動させ、
    前記第1回転数信号(FG1)が前記所定回転数以上の場合、前記モータを起動させない、
    請求項1から12のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  14. 前記第1回転数信号(FG1)から前記第2回転数信号(FG2)への信号の前記切換動作は、前記センサレス推定部による前記ロータ位置の推定が可能となった場合に行われる、
    請求項1から13のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  15. 前記第1回転数信号(FG1)の信号形式は、前記第2回転数信号(FG2)の信号形式と同一である、
    請求項1から14のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置(20,220)。
  16. 前記制御部は、前記第1回転数信号(FG1)と前記第2回転数信号(FG2)とが異なっている場合に、前記センサレス推定部(28,228)に異常があると判断する、
    請求項1から15のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置(20)。
  17. 前記制御部は、前記第1回転数信号(FG1)が0rpm以外の回転数を示し且つ前記第2回転数信号(FG2)が0rpmの回転数を示している場合に、前記センサレス推定部(28,228)に異常があると判断する、
    請求項16に記載のモータ駆動制御装置(20)。
JP2011021162A 2011-02-02 2011-02-02 モータ駆動制御装置 Expired - Fee Related JP5866763B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011021162A JP5866763B2 (ja) 2011-02-02 2011-02-02 モータ駆動制御装置
CN201180066569.2A CN103348582B (zh) 2011-02-02 2011-12-16 电机驱动控制装置
PCT/JP2011/079155 WO2012105131A1 (ja) 2011-02-02 2011-12-16 モータ駆動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011021162A JP5866763B2 (ja) 2011-02-02 2011-02-02 モータ駆動制御装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012161214A JP2012161214A (ja) 2012-08-23
JP2012161214A5 JP2012161214A5 (ja) 2014-05-15
JP5866763B2 true JP5866763B2 (ja) 2016-02-17

Family

ID=46602361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011021162A Expired - Fee Related JP5866763B2 (ja) 2011-02-02 2011-02-02 モータ駆動制御装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5866763B2 (ja)
CN (1) CN103348582B (ja)
WO (1) WO2012105131A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5590179B2 (ja) * 2012-09-28 2014-09-17 ダイキン工業株式会社 消費電力削減装置
JP5858058B2 (ja) * 2014-01-10 2016-02-10 ダイキン工業株式会社 モータ制御装置
CN104767438B (zh) * 2015-03-24 2018-03-06 苏州佳世达电通有限公司 马达控制方法及应用其的马达模组及散热装置
CN107196572B (zh) * 2017-07-25 2019-06-11 温州大学 一种基于永磁同步电机转子初始位置检测装置及方法
FR3135845A1 (fr) * 2022-05-18 2023-11-24 Safran Electrical & Power Dispositif de contrôle pour une machine tournante triphasée synchrone à aimants permanents

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0732627B2 (ja) * 1987-02-19 1995-04-10 松下電器産業株式会社 ブラシレスモ−タの保護装置
JP3698051B2 (ja) * 2000-11-24 2005-09-21 松下電器産業株式会社 モータ駆動装置
JP3690341B2 (ja) * 2001-12-04 2005-08-31 ダイキン工業株式会社 ブラシレスdcモータ駆動方法およびその装置
JP3672876B2 (ja) * 2002-02-26 2005-07-20 株式会社東芝 ベクトル制御インバータ装置及び回転駆動装置
JP4406552B2 (ja) * 2003-10-30 2010-01-27 日立アプライアンス株式会社 電動機の制御装置
JP2008022590A (ja) * 2006-07-10 2008-01-31 Nachi Fujikoshi Corp サーボモータ監視装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN103348582A (zh) 2013-10-09
JP2012161214A (ja) 2012-08-23
CN103348582B (zh) 2016-02-10
WO2012105131A1 (ja) 2012-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101678323B1 (ko) 모터 구동 제어 장치
JP5539928B2 (ja) モータ駆動装置、それを用いたファン制御装置およびヒートポンプ装置
US20150311845A1 (en) Motor drive device and electric compressor
JP5858058B2 (ja) モータ制御装置
JP5866763B2 (ja) モータ駆動制御装置
WO2008010595A1 (fr) Dispositif de commande de dispositif électrique rotatif procédé de commande de dispositif électrique rotatif, et programme de commande de dispositif électrique rotatif
US8754603B2 (en) Methods, systems and apparatus for reducing power loss in an electric motor drive system
JP2012161214A5 (ja)
JP5157267B2 (ja) ブラシレスdcモータの制御方法およびその制御装置
CN102739131B (zh) 电动机驱动装置以及使用该电动机驱动装置的热泵装置
JP6463966B2 (ja) モータ駆動装置およびモータ駆動用モジュール並びに冷凍機器
JP2014007916A (ja) モータ制御装置
JP5422435B2 (ja) ブラシレスモータの駆動装置および駆動方法
WO2021200389A1 (ja) モータ制御装置、モータシステム及びモータ制御方法
JP2012161213A (ja) モータ駆動装置
JP2018023182A (ja) 永久磁石同期モータの定数同定装置及び定数同定方法
CN107482965B (zh) 同步电动机的控制装置
JP5056106B2 (ja) モータ駆動用インバータ制御装置および該装置を用いた機器
JP2021164191A (ja) モータ制御装置、モータシステム及びモータ制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151221

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5866763

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees