JP5866186B2 - ワーク分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、板状のワークが複数互いに密着した状態の複数ワークを分離するワーク分離装置に関する。
従来、積層された複数の板状のワークを1枚ずつ吸着して持ち上げる装置としては、例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。この装置は、一番上のワークを吸着して例えば10mm程度持ち上げ反らせた状態で、ワーク相互の隙間にエアブローすることで、2枚目以降のワークも一緒に持ち上げてしまうことを抑制し、ワークの分離を行って1枚取りを可能としている。
特開2003−165082号公報
ところで、上記した従来の装置は、ワークとして比較的大きな定尺材に対しては1枚取りが容易であるが、ロボットで保持した状態のワークに対して曲げ加工を行うような場合には、ワークは外形加工を実施した後などの半製品であって比較的小物であり、ワークを反らせての1枚取りは困難なものとなる。
そこで、本発明は、ワークの分離を容易に行えるようにすることを目的としている。
本発明は、板状のワークが複数互いに密着した状態の複数ワークの上面である一方の面を保持する第1保持部としての上部吸着パッドと、この上部吸着パッドにより前記複数ワークを前記一方の面から保持した状態で、前記複数ワークの下面である他方の面を保持して前記上部吸着パッドから離反する方向に移動可能な第2保持部としての下部吸着パッドを有することを特徴とする。
本発明によれば、第1保持部によりワークを一方の面から保持した状態で、第2保持部により複数ワークの他方の面を保持して第1保持部から離反する方向に移動させることで、小物や板厚が厚いワークであってもワークの分離を容易に行うことができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係わるワーク分離装置を示す図4のA−A断面図、(b)は、(a)の状態からシリンダ駆動により下部吸着パッドを上部吸着パッドから離反させることで、ワークの分離作業を行っている状態を示す作用説明図である。 ワーク分離装置の外観を示す斜視図である。 図1のワーク分離装置に、ロボットハンドの吸着パッドで保持したワークを載置台に搬送して載置した状態を示す作用説明図である。 図3の状態から、載置台上のワークを上部吸着パッドにより吸着している状態を示す作用説明図である。 図4の状態から、下部吸着パッドを載置台とともに下降させてワークの分離作業を行っている状態を示す、図1(b)と同様の作用説明図である。 ワークを複数積層配置している素材台の斜視図である。 ワークの分離作業を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係わるワーク分離装置は、図2にその全体を示しているが、ワークWを載置する載置部としての載置台1を基台3上に備えている。基台3は、周囲四方にて上下方向に延設される4本の支柱3a,3b,3c,3dと、これら各支柱3a〜3d相互を下部にて互いに連結する下部連結材3e,3f,3g,3hと、各支柱3a〜3d相互を上部にて互いに連結する上部連結材3i,3j,3k,3mとを備えている。なお、図2では、支柱3aと図1に示す支柱3dとを連結する上部連結材3mは図示されていない。
この内、上部連結材3j,3k,3mには、これら各上部連結材3j,3k,3mの上部及び両側部をそれぞれ覆うカバー部材3J,3K,3Mを設けている。
そして、上記した4本の上部連結材3i,3j,3k,3mで囲まれたほぼ正方形状の空間を閉塞するようにして載置台1を配置している。載置台1は、ほぼ正方形状や長方形状のパネル状で、上部連結材3iに対応する一側縁1aが上部連結材3i上に載置された状態であり、他の3方の側縁1b,1c,1dは、カバー部材3J,3K,3Mの内側に位置して上記した空間内に入り込むように構成している。
上部連結材3i上に載置された状態の一側縁1aは、2つのヒンジ部材5によって上部連結材3iに連結されており、これにより載置台1は、図2に示すほぼ水平な状態と、図5に示す側縁1c側が下方に変位して上記空間内に入り込んだ傾斜状態との間を回動可能である。
上記した載置台1の、上部連結材3i上に載置された状態の一側縁1aと反対側に位置する側縁1cの下部には、図1に示すように分離シリンダ7のピストンロッド9の先端(上端)を、連結具11を介して回動可能に連結している。分離シリンダ7は、図2に示すように、その下部を、基台3の下部連結材3gに、取付具13の回動支持ピン14を介して回動可能に連結している。したがって、載置台1は、分離シリンダ7の駆動によって上記した図2のほぼ水平な状態と、図5の傾斜状態との間を回動可能となる。
また、支柱3c付近の上部連結材3k(カバー部材3K)に沿った位置の載置台1には、第2保持部としての下部吸着パッド15を複数取り付けている。この複数の下部吸着パッド15は、図2に示すように載置台1の表面から上方に突出している。一方、載置台1の表面の他のほぼ全域には、複数の載置台吸着パッド17を、載置台1の表面から上方に突出させた状態で配置している。この載置台吸着パッド17の先端(上端)位置と下部吸着パッド15の先端(上端)位置とは上下方向がほぼ同等となっている。
さらに、載置台1の表面における下部吸着パッド15の近傍には、ワークWを検出するワークセンサ19を設置している。
ここで、支柱3c付近のカバー部材3Kは除去してあって上部連結材3kが外部に露出しており、この露出している上部連結材3kに、第1保持部としての上部吸着パッド21を設けている。上部吸着パッド21は、複数の下部吸着パッド15に対向する位置に複数設けてあり、上部シリンダ23によって、図1,4,5に示すワークWを吸着する吸着位置と、図2,3に示すワークWを吸着しない非吸着位置との間を移動変位する。
上部シリンダ23は、取付板24の載置台1と反対側に設けてある取付ブラケット25に、連結ピン27を介して上部を回転可能に連結している。取付板24は、上部連結材3k上にて設けてある取付部材29の図1中で紙面手前側の端部に取り付けている。
上部シリンダ23のピストンロッド31の先端(上端)は、連結ピン33を介して連結アーム35の一端に回転可能に連結している。一方、上部吸着パッド21は、一対のパッド保持具37の先端側に設けてある支持具38に保持固定し、一対のパッド保持具37の基端側は、取付部材29に回動支持ピン39を介して回動可能に連結している。
そして、上記した連結アーム35の他端を一対のパッド保持具37の長手方向ほぼ中間位置に回転可能に連結している。したがって、上部シリンダ23を駆動してピストンロッド31を進退移動させることにより、連結アーム35を介して一対のパッド保持具37が回動支持ピン39を中心として回転する。これにより、上部吸着パッド21が図1,4,5に示すワークWを吸着する吸着位置と、図2,3に示すワークWを吸着しない非吸着位置との間を移動変位する。
ワークWは、複数の吸着パッド41を備える図示しないロボットによって搬送される。この図示しないロボットのアーム先端には脱着機構43を介して吸着ハンド45を着脱可能に取り付け、吸着ハンド45の先端に複数の吸着パッド41を保持させている。
本実施形態では、図6に示す素材台47上に積層してある複数のワークWに対し、上記したロボットの吸着パッド41によって最上部の1枚のワークWを吸着する。そして、その吸着したワークWを、例えば図示しない曲げロボットのグリッパに受け渡し、グリッパで保持したワークWを図示しない例えばプレスブレーキに搬送供給して曲げ加工を行う。
ここで、ロボットの吸着パッド41により最上部の1枚のワークWを吸着する際に、最上部の1枚のワークWにその下部のワークWが密着して、2枚あるいは3枚など複数同時に持ち上げてしまうことがある。1枚保持した状態か複数枚保持した状態かは、図6の素材台47の上部に設置してあるセンサ49が検出して判断する。
その際、本実施形態では、吸着パッド41で保持してしまった複数のワークWを、図3に示すように載置台1の支柱3cに対応する角部上に搬送して載置台吸着パッド17及び下部吸着パッド15上に載置する。その際、載置台吸着パッド17及び下部吸着パッド15により、複数のワークWのうち最下部のワークWの下面を、図1(a)のように吸着させる。
なお、本実施形態では、吸着パッド41で保持してしまった複数のワークWを複数ワークWaとする。また、この複数ワークWaの吸着パッド41で吸着している側を一方の面とし、複数ワークWaの載置台吸着パッド17及び下部吸着パッド15で吸着している側を他方の面とする。
複数ワークWaを載置台1に載置する際には、上部吸着パッド21は、図3に示すように上部シリンダ23が後退駆動して載置台1から離反して開放した状態となっている。この開放状態から、複数ワークWaを載置台1に載置した後、上部シリンダ23が前進駆動して図1(a)、図4に示すように、上部吸着パッド21を複数ワークWaの上面(一方の面)に吸着させる。
そして、上記図1(a)、図4の状態から分離シリンダ7を駆動してピストンロッド9を後退させると、載置台1が、上部連結材3iに対応する一側縁1a側を支点として、下部吸着パッド15で吸着した側の側縁1cが下方に移動するよう回転し、図5に示す傾斜した状態となる。このとき、載置台1に取り付けてある下部吸着パッド15も下方に移動するので、下部吸着パッド15で吸着している複数ワークWaのうち最下部のワークWも一緒に下方に移動して上部のワークWから分離される。
分離の際には、上部吸着パッド21と下部吸着パッド15とでワークWの縁部(側縁1c)を吸着しているので、該縁部側からこれと反対側の縁部(一側縁1a)に向けて徐々に引き剥がされ、分離作業が効率よくなされる。また、この際、上部吸着パッド21と下部吸着パッド15とが互いに対向する位置にあるので、引き剥がす方向の力を複数ワークWaに効率よく付与でき、より確実に分離作業を行うことができる。
次に、上記した分離作業の手順を図7に示すフローチャートに基づき説明する。まず、図6に示す素材台47に積層してある複数ワークWaに対し、ロボットの吸着パッド41によって最上部の1枚のワークWを吸着して持ち上げる。そして、持ち上げたワークWが1枚であるかどうかを、図6のセンサ49によって検出する(ステップS1)。
ここで、持ち上げたワークWが1枚である場合には、この吸着している1枚のワークWを、図示しない曲げロボットのグリッパに受け渡し(ステップS2)、曲げロボットは、グリッパで保持した1枚のワークWを図示しない例えばプレスブレーキに搬送供給して曲げ加工を行う。
一方、前記ステップS1で、吸着パッド41によって持ち上げたワークWが1枚ではなく複数の場合には、この持ち上げた複数のワークW(複数ワークWa)を図3のように載置台1の角部上に搬送して(ステップS3)、複数ワークWaの下面を載置台吸着パッド17及び下部吸着パッド15に吸着させる。その後、前述したように上部吸着パッド21により複数ワークWaの上面を吸着させた状態で、分離シリンダ7を後退駆動して図1(b)、図5のように分離作業を実施する(ステップS4)。
分離した後は、吸着ハンド45を図6の素材台47まで移動させて、吸着パッド41で把持しているワークWが1枚であるかどうかを、センサ49により再度検出する(ステップS5)。センサ49の検出結果が1枚の場合には、前述したようにこの1枚のワークWを、図示しない曲げロボットのグリッパに受け渡す(ステップS2)。
センサ49の検出結果が1枚でない場合には、載置台1上のワークセンサ19によってワークWの検出を行う(ステップS6)。このときワークWが検出されて載置台1上にワークWが残ったままでは分離作業ができないので、吸着パッド41で吸着している複数ワークWaは分離作業を行わず別の場所に搬送移動移動して吸着を解除する(ステップS7)。上記ステップS6で、ワークWが検出されず載置台1上にワークWが残っていない場合には、ステップS3に戻って複数ワークWaを載置台1へ搬送し、その後はステップS4の分離作業以降の動作を繰り返す。
前記ステップS2で、1枚のワークWを、図示しない曲げロボットのグリッパに受け渡した後は、前記ステップS6と同様に、載置台1上のワークセンサ19によってワークWの検出を行う(ステップS8)。ここで、載置台1上にワークWがある場合には、前記ステップS6にて載置台1上にワークWがある場合も同様にして、吸着ハンド45を載置台1の角部上に移動させて(ステップS9)、載置台1上のワークWを吸着パッド41で吸着して持ち上げる(ステップ10)。
その後は、上記吸着して持ち上げたワークWが、1枚であるかどうかを、前記ステップS5にて図6のセンサ49により検出する。その後は前述したように、検出結果が1枚であれば、この1枚のワークWをグリッパ式ロボットに受け渡し(ステップS2)、複数であれば、載置台1上にワークWがあるかどうかを検出する(ステップS6)。
以上説明したように、本実施形態によれば、上部吸着パッド21により複数ワークWaを一方の面から保持した状態で、下部吸着パッド15により複数ワークWaの他方の面を保持しつつ下部吸着パッド15を上部吸着パッド21から離反する方向に移動させるようにしている。これにより、板状のワークWが複数互いに密着した状態の複数ワークWaの分離が可能となり、小物のワークWであってもあるいは板厚が厚いワークWであっても、複数ワークWaの分離を行ってワークの1枚取りを容易に行うことができる。
また、本実施形態では、上部吸着パッド21及び下部吸着パッド15は、板状のワークWの縁部近傍を吸着保持しているため、この吸着保持している縁部側からこれと反対側の縁部に向けて徐々に引き剥がされ、分離作業を効率よく行うことができる。
また、本実施形態では、下部吸着パッド15が設けられて複数ワークWaを載置する載置台1を有し、この載置台1は、板状のワークWの縁部近傍を保持する上部吸着パッド21及び下部吸着パッド15と反対側の端部を支点として、これら上部、下部各吸着パッド21,15が互いに離反する方向に回動可能である。このため、載置台1を下方に単に上部吸着パッド21から離反する方向に移動させるだけで、ワークWの分離作業を容易に行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、載置台1を、上部吸着パッド21及び下部吸着パッド15が互いに接近離反する方向に基台3に対して回動可能に設け、この基台3に、上部吸着パッド21及び下部吸着パッド15を設けている。このため、載置台1、上部吸着パッド21及び下部吸着パッド15を、基台3に一体的に設けてワークWの分離装置あるいは1枚取り装置として、ユニット化することができる。
なお、上記した実施形態では、上部吸着パッド21及び下部吸着パッド15など、ワークWを吸引して保持するものを使用しているが、ワークWが鋼などの磁性材料であれば、磁石により保持するものであってもよい。
W ワーク
Wa 複数ワーク
1 載置台(載置部)
3 基台
15 下部吸着パッド(第2保持部)
21 上部吸着パッド(第1保持部)

Claims (4)

  1. 板状のワークが複数互いに密着した状態の複数ワークの上面である一方の面を保持する第1保持部としての上部吸着パッドと、
    この上部吸着パッドにより前記複数ワークを前記一方の面から保持した状態で、前記複数ワークの下面である他方の面を保持して前記上部吸着パッドから離反する方向に移動可能な第2保持部としての下部吸着パッドと、
    を有することを特徴とするワーク分離装置。
  2. 前記第2保持部は、前記複数ワークの一縁部に沿って複数設けられ、
    前記第1保持部は、複数の前記第2保持部に対向して複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワーク分離装置。
  3. 板状のワークが複数互いに密着した状態の複数ワークを載置する載置部と、
    前記複数ワークの一方の面を保持する第1保持部と、
    前記載置部に設けられ、前記載置部に載置された前記複数ワークの他方の面を保持する第2保持部と、
    を有し、
    前記第1保持部及び前記第2保持部は、前記載置部に載置された前記複数ワークの一縁部近傍を保持し、
    前記載置部は、前記一縁部近傍を保持する前記第1保持部及び前記第2保持部と反対側の端部を支点として、前記第1保持部と前記第2保持部とが互いに離反する方向に回動可能であることを特徴とするワーク分離装置。
  4. 前記載置部を、前記第1保持部と前記第2保持部とが互いに接近離反する方向に基台に対して回動可能に設け、前記基台に、前記第1保持部を設けたことを特徴とする請求項3に記載のワーク分離装置。
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