JP5865789B2 - オートテンショナ - Google Patents

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Description

本発明は、伝動ベルトの張力を調整するオートテンショナに関する。
自動車の補機駆動システム等における伝動ベルトの張力を調整するオートテンショナには、第1円筒部を設けた固定部材と、少なくとも一部分が第1円筒部と径方向の内外に重なって同軸上に配置される第2円筒部を設け、固定部材に対して回動自在に支持されて、ベルトが巻き掛けられるプーリを取り付け可能な回動部材と、径方向の内外に重なる2つの円筒部の内径側に収容され、いずれか一方の端が固定部材に係止され、他方の端が回動部材に係止されて、固定部材に対して回動部材を一方向に回動付勢するコイルばねと、一端に形成された折り曲げ部が固定部材と回動部材のいずれか一方とコイルばねの端面との間に挟持され、他端が自由端とされて、他方の固定部材または回動部材に設けられ、径方向の内外の内側に重なる内側円筒部の内周面に沿って、コイルばねの外周側で円弧状に延在する弾性体と、弾性体に結合され、内側円筒部の内周面に接触する摩擦部材とを備えたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。弾性体は板ばね等の金属で形成され、摩擦部材はナイロン樹脂等を主成分とする合成樹脂で形成されている。
この種のオートテンショナは、回動部材が、ベルト張力を下げるベルト弛み方向に回動する場合と、ベルト張力を高めるベルト張り方向に回動する場合とで、摩擦部材と内側円筒部の内周面との間に発生する摩擦力を異ならせて、回動部材の回動方向に対して非対称なダンピング特性を持たせることができる。すなわち、ベルト弛み方向では摩擦力を大きくしてダンピングを強くすることにより、伝動ベルトの急激な張力の低下による弦振動を防止することができ、ベルト張り方向では摩擦力を小さくてダンピングを弱くすることにより、低下した伝動ベルトの張力を速やかに回復させることができる。
特許文献1に記載されたものは、コイルばねが拡径変形するときの外向きのばね力によって、弾性体に結合された摩擦部材を内側円筒部の内周面に押圧するようにしている。また、特許文献2に記載されたものは、コイルばねが軸方向に伸張するときのばね力によって、弾性体に結合された摩擦部材を内側円筒部の内周面(底壁部)に押圧する機能が付加されている。
なお、上述した非対称ダンピング特性を実現する弾性体と摩擦部材を備えたものではないが、回動部材を一方向に回動付勢するコイルばねのコイル部を外周側から抱持する状態に嵌着された弾性変形可能な円弧状の防振部材を備え、コイルばねの共振現象を防止するようにしたオートテンショナも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特表2009−533619号公報 特開2010−112549号公報 特開2006−170435号公報
特許文献1に記載された非対称ダンピング特性のオートテンショナは、拡径変形するときのコイルばねの外向きのばね力が周方向で不均一となりやすく、この周方向で不均一なばね力によって内側円筒部の内周面に押圧される摩擦部材が偏摩耗する問題がある。このような偏摩耗が進行すると、摩擦部材が弾性体から離脱する恐れもある。
また、特許文献1、2に記載された非対称ダンピング特性のオートテンショナは、例えば自動車エンジンの振動等の強制振動がオートテンショナに作用したときに、コイルばねが共振して折損したり、周辺部品を損傷したりする恐れもある。
そこで、本発明の課題は、内側円筒部の内周面に押圧される摩擦部材の偏摩耗を防止でき、かつ、コイルばねの共振も防止できる非対称ダンピング特性のオートテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、第1円筒部を設けた固定部材と、少なくとも一部分が前記第1円筒部と径方向の内外に重なって同軸上に配置される第2円筒部を設け、前記固定部材に対して回動自在に支持されて、ベルトが巻き掛けられるプーリを取り付け可能な回動部材と、前記径方向の内外に重なる2つの円筒部の内径側に収容され、一端が前記固定部材に係止され、他端が前記回動部材に係止されて、前記固定部材に対して前記回動部材を一方向に回動付勢するコイルばねと、一端が前記固定部材と前記回動部材の一方と前記コイルばねの端面との間に挟持され、他端が自由端とされて、前記固定部材と前記回動部材の他方に設けられ、前記径方向の内外の内側に重なる内側円筒部の内周面に沿って、前記コイルばねの外周側で円弧状に延在する弾性体と、前記弾性体に結合され、前記内側円筒部の内周面に接触する摩擦部材とを備えたオートテンショナにおいて、前記弾性体の内周側で、前記コイルばねの外周側に拡径可能に接触し、前記コイルばねと接触する表面が前記コイルばねよりも軟質な円弧状のバンド部材を設けた構成を採用した。
すなわち、円弧状に延在する弾性体の内周側で、コイルばねの外周側に拡径可能に接触し、このコイルばねと接触する表面がコイルばねよりも軟質な円弧状のバンド部材を設けることにより、拡径変形するときのコイルばねの周方向で不均一な外向きのばね力を、コイルばねと接触する表面がコイルばねよりも軟質なバンド部材を介して均一化して外周側の弾性体に伝播し、弾性体に結合された摩擦部材を周方向で均一な押圧力で内側円筒部の内周面に押圧するようにして、摩擦部材の偏摩耗を防止するとともに、コイルばねの振動を接触するバンド部材で減衰させて、強制振動によるコイルばねの共振も防止するようにした。また、このバンド部材は、回動部材を回動付勢するコイルばねのコイル中心からの傾きを抑制する働きもする。
前記バンド部材は、コイルばねと接触する表面を含む全体がコイルばねよりも軟質な高分子材料で形成されたものとすることができる。例えば、コイルばねがばね鋼等の金属材料で形成されている場合は、これよりも軟質な高分子材料としては、ポリエチレン、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリエステル等の合成樹脂、これらの合成樹脂にガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維等を分散して強化した繊維強化樹脂、および、JIS K6253に準じてタイプAデュロメータで計測されるゴム硬度85〜95°の比較的硬度の高いゴム材料やウレタン等が挙げられる。
前記バンド部材は、前記コイルばねの端面が前記弾性体の前記一端を挟持する側から、前記コイルばねの螺旋形状に沿ってその最初の1巻き以内で、前記コイルばねの外周側に接触するものであればよい。
前記バンド部材の内周面に、前記コイルばねの内周側へ突出する突出部を設け、前記固定部材と前記回動部材の前記一方に係止することにより、バンド部材を安定して係止することができる。
本発明に係るオートテンショナは、円弧状に延在する弾性体の内周側で、コイルばねの外周側に拡径可能に接触し、このコイルばねと接触する表面がコイルばねよりも軟質な円弧状のバンド部材を設けたので、拡径変形するときのコイルばねの周方向で不均一な外向きのばね力を均一化して外周側の弾性体に伝播し、弾性体に結合された摩擦部材を周方向で均一な押圧力で内側円筒部の内周面に押圧するようにして、摩擦部材の偏摩耗を防止できるとともに、コイルばねの振動を減衰させて、強制振動によるコイルばねの共振も防止することができる。また、バンド部材は、回動部材を回動付勢するコイルばねのコイル中心からの傾きを抑制する効果もある。
第1の実施形態のオートテンショナを示す縦断面図 図1のII−II線に沿った断面図 (a)は図1のバンド部材を示す外観斜視図、(b)は(a)のバンド部材をコイルばねに組み付けた状態を示す斜視図 図1の板ばねと摩擦部材を結合する方法を示す斜視図 第2の実施形態のオートテンショナを示す縦断面図 図5のVI−VI線に沿った断面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図4は、第1の実施形態を示す。このオートテンショナは、自動車エンジンのクランクシャフトの動力を補機に伝達する伝動ベルトの張力を調整するものであり、図1および図2に示すように、エンジンブロック(図示省略)に取り付けられる固定部材1に設けた第1円筒部1aと、固定部材1に回動自在に支持され、伝動ベルトが巻き掛けられるプーリ2が取り付けられる回動部材3に設けた第2円筒部3aとが、同軸上で径方向の内外に重ねられ、これらの円筒部1a、3aの内径側に収容されたコイルばね4の一端側が固定部材1に、他端側が回動部材3に係止されて、回動部材3が一方向に回動付勢されている。
この実施形態では、固定部材1の第1円筒部1aが内側に重ねられた内側円筒部とされており、弾性体としての金属製の板ばね5が第1円筒部1aの内周面に沿って、コイルばね4の外周側で円弧状に延在して、一端側に内向きの折り曲げ部5aを形成され、他端側が自由端とされている。一端側の折り曲げ部5aは、回動部材3のコイルばね係止部とコイルばね4の端面4aとの間に挟持されている。また、板ばね5の外周側には円弧状の摩擦部材6が一体に結合され、拡径変形するコイルばね4の外向きのばね力によって、摩擦部材6が第1円筒部1aの内周面に押圧されるようになっている。
前記固定部材1は、先端側が回動部材3の第2円筒部3aの内側に重なる内側円筒部としての第1円筒部1aと、第1円筒部1aの内側に形成された内筒部1bと、第1円筒部1aと内筒部1bを連結する環状の底壁部1cと、第1円筒部1aの外周面に形成されたエンジンブロック取り付け用のフランジ部1dとからなり、内筒部1bに軸部材7が内嵌固定されている。軸部材7の先端には、回動部材3を抜け止めする外向きのフランジ部7aが形成されている。
前記回動部材3は、第1円筒部1aの外側に重なる第2円筒部3aと、第2円筒部3aの内側に形成された内筒部3bと、第2円筒部3aと内筒部3bを連結する環状の底壁部3cと、プーリ2が取り付けられるプーリ支持部3dとからなり、内筒部3bがブッシュ8を介して、軸部材7に回動自在に支持されている。また、底壁部3cの内側面には、コイルばね4を沿わせる螺旋面9が形成され、この螺旋面9の周方向段差部に形成された螺旋段差面9aが、前記コイルばね係止部とされている。底壁部3cの外側面には、オートテンショナの内部をシールするキャップ体10が取付けられている。
前記コイルばね4はばね鋼で形成され、一端側が固定部材1の底壁部1c側に係止され、他端側の端面4aが回動部材3のコイルばね係止部としての螺旋段差面9aに、板ばね5の折り曲げ部5aを挟持するように係止されている。図示は省略するが、コイルばね4の一端側は、固定部材1の底壁部1cまたは内筒部1bに形成された溝や孔に嵌め込まれて係止されている。
前記コイルばね4の外周側に延在する板ばね5の内周側には、コイルばね4の外周側に拡径可能に接触するバンド部材11が配設されている。このバンド部材11は、コイルばね4の拡径変形による周方向に沿う外向きのばね力を板ばね5に伝播できるように所定の硬度と圧縮強度を有し、同時にコイルばね4の共振を吸収できる減衰特性を有する。このような特性を満足するために、バンド部材11は、コイルばね4との接触面を含む全体が、ばね鋼で形成されたコイルばね4よりも軟質なものであり、具体的には、ポリエチレン、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリエステル等の合成樹脂、これらの合成樹脂にガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維等を分散して強化した繊維強化樹料、または、JIS K6253に準じてタイプAデュロメータで計測されるゴム硬度85〜95°の比較的硬度の高いゴム材料やウレタン等を含めた高分子材料で形成される。なかでも、前記繊維強化樹脂の高分子材料が好ましい。
図3(a)、(b)に示すように、前記バンド部材11は円弧状に形成され、その内周面の1個所に突出部11aが設けられ、板ばね5の折り曲げ部5aを挟持するコイルばね4の端面4a側から、コイルばね4の螺旋形状に沿ってその最初の1巻き以内で、コイルばね4の外周側に接触するように組み付けられる。
図2に示すように、前記バンド部材11の突出部11aはコイルばね4の内周側へ突出し、板ばね5の折り曲げ部5aを挟持する側の回動部材3の内筒部3bに係止されている。また、この突出部11aの係止位置は、コイルばね4の端面4aが板ばね5の折り曲げ部5aを挟持する周方向位置から、コイルばね4が周回して延びる方向に80°〜100°、実施例では約90°の周方向位置とされている。
前記固定部材1側と回動部材3側のコイルばね4の端部には、コイルばね4のねじり変形で発生するモーメントによって荷重がかかるため、コイルばね4にはこれを倒す外力が作用する。このコイルばね4の倒れは、コイルばね4の端面4aから80°〜100°の周方向位置で最も大きくなるので、バンド部材11の突出部11aをこの周方向位置を中心として設けることが好ましい。
前記バンド部材11は、拡径変形するときのコイルばね4の周方向で不均一な外向きのばね力を均一化して外周側の板ばね5に伝播し、板ばね5に結合された摩擦部材6を周方向で均一な押圧力で内側円筒部としての第1円筒部1aの内周面に押圧して、摩擦部材6の偏摩耗を防止するとともに、コイルばね4の振動を減衰させて、強制振動によるコイルばね4の共振を防止する。また、バンド部材11は、回動部材3を回動付勢するコイルばね4のコイル中心からの傾きも抑制する。
図4に示すように、前記板ばね5は、円弧状の一端側に折り曲げ部5aが設けられ、他端側に長円形の貫通孔5bが設けられている。摩擦部材6は、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、超高分子量ポリエチレン、ポリアセタール、ポリアリレート等の合成樹脂を主成分として円弧状に形成され、幅方向の一端側に内向きの鍔部6aが設けられ、周方向の一端側に長円形の内向きの突起部6bが設けられている。摩擦部材6は、板ばね5の外周側から組み付けられ、鍔部6aを板ばね5の一方の幅端面に沿わせて、突起部6bを板ばね5の貫通孔5bに嵌め込むことにより、板ばね5に一体に結合される。なお、板ばね5をインサート部材として、摩擦部材6を射出成形してもよい。
以下に、図2に基づいて、上述したオートテンショナの作動を説明する。前記プーリ2に巻き掛けられる伝動ベルトの張力が増加した場合は、回動部材3がコイルばね4の付勢力に抗して時計回りのベルト弛み方向へ回動し、コイルばね4の端面4aと螺旋段差面9aに挟持された板ばね5の折り曲げ部5aも時計回りに回動する。このとき、板ばね5は時計回りに回動する折り曲げ部5aによって、摩擦部材6の摩擦抵抗に抗して周方向に圧縮されるので、摩擦部材6を第1円筒部1aの内周面に押圧する力が大きくなる。したがって、回動部材3のベルト弛み方向への回動が強いダンピングで減衰し、伝動ベルトの急激な張力の低下による弦振動を防止することができる。同時に、コイルばね4の拡径変形による周方向に沿う外向きのばね力が、バンド部材11によって均一化されて外周側の板ばね5に伝播し、板ばね5に結合された摩擦部材6を周方向で均一な押圧力で内側円筒部としての第1円筒部1aの内周面に押圧し、高いダンピングを発生させる。
前記伝動ベルトの張力が減少した場合は、回動部材3がコイルばね4の付勢力によって反時計回りのベルト張り方向へ回動し、コイルばね4の端面4aと螺旋段差面9aに挟持された折り曲げ部5aも反時計回りに回動する。このとき、板ばね5は反時計回りに回動する折り曲げ部5aによって、摩擦部材6の摩擦抵抗に抗して周方向に引っ張られるので、摩擦部材6を第1円筒部1aの内周面に押圧する力が小さくなる。したがって、回動部材3のベルト張り方向への回動には弱いダンピングしか作用せず、伝動ベルトの張力を速やかに回復させることができる。このように、このオートテンショナは、ベルト弛み方向とベルト張り方向とで非対称なダンピング特性を有する。
図5および図6は、第2の実施形態を示す。このオートテンショナも、クランクシャフトの動力を補機に伝達する伝動ベルトの張力を調整するものであり、エンジンブロックに取り付けられる固定部材1、固定部材1に回動自在に支持された回動部材3、回動部材3を一方向に回動付勢するコイルばね4、板ばね5、摩擦部材6およびバンド部材11とからなる基本的な部品構成は、第1の実施形態のものと同じである。
この実施形態では、前記回動部材3の第2円筒部3aが内側に重ねられた内側円筒部とされており、第2円筒部3aの内周面に沿ってコイルばね4の外周側で円弧状に延在する板ばね5の一端側に形成された折り曲げ部5aが、固定部材1のコイルばね係止部とコイルばね4の端面4aとの間に挟持されている。また、板ばね5の外周側には円弧状の摩擦部材6が一体に結合され、拡径変形するコイルばね4の外向きのばね力によって、摩擦部材6が第2円筒部3aの内周面に押圧されるようになっている。
前記固定部材1は、回動部材3の第2円筒部3aの外側に重なる第1円筒部1aと、第1円筒部1aの内側に形成された内筒部1bと、第1円筒部1aと内筒部1bを連結する環状の底壁部1cとからなり、内筒部1bに軸部材7が内嵌固定されている。また、底壁部1cの内側面には、コイルばね4を沿わせる螺旋面9が形成され、この螺旋面9の周方向段差部に形成された螺旋段差面9aが、前記コイルばね係止部とされている。軸部材7の先端には、回動部材3を抜け止めする外向きのフランジ部7aが形成されている。
前記回動部材3は、第1円筒部1aの内側に先端側が重なる第2円筒部3aと、第2円筒部3aの内側に形成された内筒部3bと、第2円筒部3aと内筒部3bを連結する環状の底壁部3cと、プーリ2が取り付けられるプーリ支持部3dとからなり、内筒部3bがブッシュ8を介して、軸部材7に回動自在に支持されている。底壁部3cの外側面には、オートテンショナの内部をシールするキャップ体10が取付けられている。
前記コイルばね4はばね鋼で形成され、一端側が回動部材3の底壁部3c側に係止され、他端側の端面4aが固定部材1のコイルばね係止部としての螺旋段差面9aに、板ばね5の折り曲げ部5aを挟持するように係止されている。図示は省略するが、コイルばね4の一端側は、回動部材3の底壁部3cまたは内筒部3bに形成された溝や孔に嵌め込まれて係止されている。
前記コイルばね4の外周側に延在する板ばね5の内周側には、コイルばね4の外周側に拡径可能に接触するバンド部材11が配設されている。このバンド部材11も、第1の実施形態のものと同様に、全体がコイルばね4よりも軟質である前述の高分子材料で円弧状に形成され、その内周面の1個所に突出部11aが設けられており、図示は省略するが、板ばね5の折り曲げ部5aを挟持するコイルばね4の端面4a側から、コイルばね4の螺旋形状に沿ってその最初の1巻き以内で、コイルばね4の外周側に接触するように組み付けられている。
図6に示すように、前記バンド部材11の突出部11aはコイルばね4の内周側へ突出し、板ばね5の折り曲げ部5aを挟持する側の固定部材1の内筒部1bに係止されている。この突出部11aの係止位置も、コイルばね4の端面4aが板ばね5の折り曲げ部5aを挟持する周方向位置から、コイルばね4が周回して延びる方向に80°〜100°、実施例では約90°の周方向位置とされている。なお、バンド部材11の突出部11aの係止位置をこのように設定した理由は、前述の通りである。
前記バンド部材11は、第1の実施形態のものと同様に、拡径変形するときのコイルばね4の周方向で不均一な外向きのばね力を均一化して外周側の板ばね5に伝播し、板ばね5に結合された摩擦部材6を周方向で均一な押圧力で内側円筒部としての第1円筒部1aの内周面に押圧するとともに、コイルばね4の振動を減衰させて、強制振動によるコイルばね4の共振を防止する。また、回動部材3を回動付勢するコイルばね4のコイル中心からの傾きも抑制する。
前記板ばね5は、第1の実施形態のものと同様に、折り曲げ部5aと反対側の他端側に貫通孔が設けられ、摩擦部材6は、周方向の一端側に設けられた内向きの突起部が、板ばね5の貫通孔に外周側から嵌め込まれて、板ばね5に一体に結合されている。
以下に、図6に基づいて、上述したオートテンショナの作動を説明する。前記伝動ベルトの張力が増加した場合は、回動部材3が時計回りのベルト弛み方向へ回動する。このとき、折り曲げ部5aを固定部材1の螺旋段差面9aに固定された板ばね5は、第2円筒部3aから摩擦部材6に負荷される時計回りの摩擦力によって、周方向に圧縮されるので、摩擦部材6を第2円筒部3aの内周面に押圧する力が大きくなる。したがって、回動部材3のベルト弛み方向への回動が強いダンピングで減衰し、伝動ベルトの急激な張力の低下による弦振動を防止することができる。同時に、コイルばね4の拡径変形による周方向に沿う外向きのばね力が、バンド部材11によって均一化されて外周側の板ばね5に伝播し、板ばね5に結合された摩擦部材6を周方向で均一な押圧力で内側円筒部としての第1円筒部1aの内周面に押圧し、高いダンピングを発生させる。
前記伝動ベルトの張力が減少した場合は、回動部材3がコイルばね4の付勢力によって反時計回りのベルト張り方向へ回動する。このとき、折り曲げ部5aを螺旋段差面9aに固定された板ばね5は、第2円筒部3aから摩擦部材6に負荷される反時計回りの摩擦力によって、周方向に引っ張られるので、摩擦部材6を第2円筒部3aの内周面に押圧する力が小さくなる。したがって、回動部材3のベルト張り方向への回動には弱いダンピングしか作用しない。このように、このオートテンショナも、ベルト弛み方向とベルト張り方向とで非対称なダンピング特性を有する。
上述した各実施形態では、バンド部材は、コイルばねと接触する表面を含むように、部分的にコイルばねよりも軟質な材料で形成することもでき、この場合は、例えば、金属製の芯材の少なくともコイルばねと接触する側の表面を、コイルばねよりも軟質な高分子材料で被覆することができる。
上述した各実施形態では、弾性体を金属製の板ばねとし、その一端側にコイルばねの端面で挟持される折り曲げ部を形成したが、弾性体は合成樹脂製の円弧状スリーブ等とすることもでき、その一端側に突出部や膨出部等を形成して、コイルばねの端面で挟持することもできる。
上述した各実施形態では、自動車エンジンのクランクシャフトの動力を補機に伝達する伝動ベルトの張力を調整するものとしたが、本発明に係るオートテンショナは、他のベルト伝達機構の伝動ベルトの張力を調整するものにも採用することができる。
1 固定部材
1a 第1円筒部
1b 内筒部
1c 底壁部
1d フランジ部
2 プーリ
3 回動部材
3a 第2円筒部
3b 内筒部
3c 底壁部
3d プーリ支持部
4 コイルばね
4a 端面
5 板ばね
5a 折り曲げ部
5b 貫通孔
6 摩擦部材
6a 鍔部
6b 突起部
7 軸部材
7a フランジ部
8 ブッシュ
9 螺旋面
9a 螺旋段差面(コイルばね係止部)
10 キャップ体
11 バンド部材
11a 突出部

Claims (4)

  1. 第1円筒部を設けた固定部材と、
    少なくとも一部分が前記第1円筒部と径方向の内外に重なって同軸上に配置される第2円筒部を設け、前記固定部材に対して回動自在に支持されて、ベルトが巻き掛けられるプーリを取り付け可能な回動部材と、
    前記径方向の内外に重なる2つの円筒部の内径側に収容され、一端が前記固定部材に係止され、他端が前記回動部材に係止されて、前記固定部材に対して前記回動部材を一方向に回動付勢するコイルばねと、
    一端が前記固定部材と前記回動部材の一方と前記コイルばねの端面との間に挟持され、他端が自由端とされて、前記固定部材と前記回動部材の他方に設けられ、前記径方向の内外の内側に重なる内側円筒部の内周面に沿って、前記コイルばねの外周側で円弧状に延在する弾性体と、
    前記弾性体に結合され、前記内側円筒部の内周面に接触する摩擦部材とを備えたオートテンショナにおいて、
    前記弾性体の内周側で、前記コイルばねの外周側に拡径可能に接触し、前記コイルばねと接触する表面が前記コイルばねよりも軟質な円弧状のバンド部材を設けたことを特徴とするオートテンショナ。
  2. 前記バンド部材が、前記コイルばねよりも軟質な高分子材料で形成されたものである請求項1に記載のオートテンショナ。
  3. 前記バンド部材が、前記コイルばねの端面が前記弾性体の前記一端を挟持する側から、前記コイルばねの螺旋形状に沿ってその最初の1巻き以内で、前記コイルばねの外周側に接触するものである請求項1または2に記載のオートテンショナ。
  4. 前記バンド部材の内周面に、前記コイルばねの内周側へ突出する突出部を設け、前記突前記固定部材と前記回動部材の前記一方に係止するようにした請求項1乃至3のいずれかに記載のオートテンショナ。
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