以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態は、本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態に係るスキャナー10(本発明の画像読取装置の一例)の概略構成について説明する。スキャナー10は原稿の画像を読み取るものであって、プリンターや複写機、ファクシミリ、又はこれらの機能を備えた複合機などに代表される画像形成装置1(本発明の画像形成装置の一例)と連結されて用いられる。図1に示されるように、スキャナー10は、画像形成装置1の上部に設けられている。なお、本発明は、スキャナー10が搭載された画像形成装置1として実現可能であるが、もちろん、スキャナー10の単体装置としても本発明は実現可能である。
画像形成装置1の下部には、電子写真方式の画像形成部2が設けられている。画像形成部2は、従来周知のものであり、複数の給紙トレイ3、搬送手段4、転写装置5、定着装置6などを備えている。スキャナー10で読み取られた原稿の画像データ(以下「スキャン画像」ともいう。)は、画像形成部2において印刷用紙などに印刷される。画像形成部2では、読み取られたスキャン画像に応じた静電潜像が感光体ドラム7に形成され、その静電潜像に付着されたトナーが転写装置5によって印刷用紙に転写された後に、定着装置において印刷用紙に定着される。これにより、原稿のスキャン画像が印刷用紙に印刷される。なお、画像形成部の構成は従来周知のものであるため、本明細書では画像形成部2の詳細な説明を省略する。
図2に示されるように、スキャナー10は、装置本体12と、自動原稿送り装置13(以下「ADF13」と称する。)と、を備えている。ADF13は、装置本体12の上方に配置されている。本実施形態のスキャナー10は、2つの読取方式によって原稿の画像を読み取る。具体的には、予め定められた位置P1(本発明の第1位置に相当)に後述の光源ユニット19が配置された状態で、ADF13による搬送中の原稿の画像を読み取る移動原稿読取方式(本発明の第1読取方式に相当)と、静止された原稿に対して光源ユニット19を走査させて原稿の画像を読み取る静止原稿読取方式(本発明の第2読取方式に相当)のいずれかの方式で原稿の画像を読み取る。
図2に示されるように、装置本体12の上面には、前記移動原稿読取方式による画像読取時に原稿が通過するガラス板からなる読取窓22と、前記静止原稿読取方式による画像読取時に原稿が載置されるコンタクトガラス21とが設けられている。装置本体12の上面において、読取窓22は左端部に設けられており、コンタクトガラス21は、読取窓22よりも右側に設けられている。
ADF13は、読取窓22を図2における左右方向35の右向き(以下「+X方向」ともいう。)へ通過するように、原稿を移動させるものである。具体的には、ADF13は、原稿セット部11にセットされた原稿を原稿送り用モーター58(図4参照)によって駆動される複数の搬送ローラー対17により順次搬送して、読取面が読取窓22に対向するように原稿を+X方向へ通過させる。ADF13の内部には、移動する原稿を押さえるための原稿押さえ14が設けられている。原稿押さえ14は、読取窓22の上方へ原稿が通過できる間隙を隔てた位置に設けられている。原稿押さえ14は、図2においてスキャナー10の奥行き方向(図2の紙面に垂直な方向)へ延出されている。原稿押さえ14の裏面には、全体が一様に白色にされた白色シート18が貼り付けられている。この白色シート18は、所謂シェーディング補正処理が制御部50によって実行される際に光が照射される部分である。
装置本体12の内部には、光源ユニット19(本発明の露光装置の一例)が設けられている。光源ユニット19は、原稿や白色シート18に光を照射するための複数のLED31と、これらのLED31が実装されたアレイ基板23と、ミラー27と、これらの構成要素を収容するキャリッジ20とを備えている。図3に示されるように、キャリッジ20は奥行き方向へ延出されている。キャリッジ20は装置本体12の内部において、図2における左右方向35へ移動可能なように装置本体12のフレームなどに支持されている。キャリッジ20の移動区間は、概ね装置本体12の内部における左端部から右端部までの区間であり、詳細には、前記移動原稿読取方式による画像読取時に配置される位置P1から前記静止原稿読取方式による画像読取時にコンタクトガラス21の右端を読取可能な位置P3までの区間である。
キャリッジ20の移動機構としては、例えば、レールによってスライド可能に支持する周知のレール移動機構などが採用可能である。もちろん、キャリッジ20の移動機構は、前記レール移動機構に限られず、キャリッジ20を左右方向35へ移動可能な機構であれば如何なる移動機構であっても適用可能である。キャリッジ20は、装置本体12の内部に設けられたキャリッジ用モーター57(本発明のモーターの一例、図4参照)から駆動力を受けて左右方向35へ移動する。キャリッジ20が移動すると、キャリッジ20内の複数のLED31やミラー27も同方向へ移動する。キャリッジ用モーター57は、入力されたパルス信号に応じて回転するステッピングモーターである。キャリッジ用モーター57は、予め定められたパルス数のパルス信号が入力されることにより、そのパルス数に応じたステップ角(回転角)だけ回転する。このキャリッジ用モーター57は、後述の制御部50のモータードライバー56によって駆動制御される。なお、本実施形態では、キャリッジ用モーター57をステッピングモーターとして説明するが、ステッピングモーターに限られず、励磁状態で静止トルクが生じ、無励磁状態では静止トルクが極めて小さいかゼロとなるモーターであれば如何なるモーターでもあっても適用可能である。
図3に示されるように、光源ユニット19のキャリッジ20には、遮蔽プレート38(本発明の遮蔽部材の一例)が設けられている。遮蔽プレート38は、キャリッジ20の長手方向の一方の端部(本実施形態では手前側の端部)からスキャナー10の手前側へ突出した水平な板状部材である。この遮蔽プレート38は、キャリッジ20の底板と同一面となるように設けられている。遮蔽プレート38は、キャリッジ20と一体に形成されており、例えば、光を透過しない樹脂材料を射出成形して得られる。
遮蔽プレート38には、遮蔽プレート38を貫通する一つのスリット39(本発明の光透過部の一例)が形成されている。スリット39は、キャリッジ20の長手方向と同じ方向に長く延出された細幅形状を有している。遮蔽プレート38が後述の光センサー32の上方に配置されると、光センサー32の発光素子33から出射された光がスリット39を通って遮蔽プレート38の上方へ抜ける。本実施形態では、スリット39は、遮蔽プレート38において特定の位置に形成されている。具体的には、スリット39が光センサー32の光路に到達したときにキャリッジ20が位置P1に配置されるような箇所にスリット39が形成されている。なお、スリット39に代えて、光センサー32の発光素子33からの光を遮蔽プレート38の上方の受光素子34へ案内するミラーなどを本発明の光透過部の一例として採用することも可能である。
装置本体12の内部には、CCD25と、光学レンズ26と、ミラー28,29と、光センサー32(本発明の光センサーの一例)と、制御部50とが設けられている。光学レンズ26及びミラー28,29は、図2において奥行き方向へ延出されている。複数のLED31から照射されて原稿又は白色シート18で反射された反射光は、適宜配置されたミラー27〜29によって光学レンズ26に導かれる。光学レンズ26は、入射した光を集光してCCD25に入射させる。CCD25に光が入射すると、CCD25は受光した光の量(受光量)に応じた電気信号を生成し、この生成された電気信号は原稿の画像データ(スキャン画像)として制御部50に入力される。なお、本実施形態では、撮像素子としてCCD25を用いた例について説明するが、CCD25による読取機構に代えて、CCD25よりも焦点距離の短い密着型のイメージセンサー(CIS: Contact Image Sensor)を用いた読取機構を適用することも可能である。
光センサー32は、キャリッジ20とともに移動する遮蔽プレート38の有無を検知して、光源ユニット19の位置を判定するためのものである。光センサー32は、LEDなどの発光素子33と、フォトトランジスタなどの受光素子34とから構成されている。図2に示されるように、光センサー32はキャリッジ20の移動区間内に設けられており、詳細には、遮蔽プレート38の移動領域よりも下方に発光素子33が配置されており、遮蔽プレート38の移動領域よりも上方であって発光素子33に対向する位置に受光素子34が配置されている。発光素子33から出射された光が受光素子34に入射するまでの光路に物体が無ければ、発光素子33からの光が受光素子34に入射されるため、受光素子34の出力信号(電圧信号)はHIレベルを示す。一方、前記光路に遮蔽プレート38が進入して光が遮られると、発光素子33からの光が受光素子34に入射しなくなるため、受光素子34の出力信号はLOWレベルを示す。本実施形態では、以下において、受光素子34の出力信号がHIレベルの状態を光センサー32のオフ状態と称し、受光素子34の出力信号がLOWレベルの状態を光センサー32のオン状態と称する。なお、光センサー32に代えて、発光素子から出射されて物体から反射した光を受光素子で受光することにより物体の有無や位置を検知する所謂フォトリフレクタを採用することも可能である。
スキャナー10による原稿画像の読み取りは、以下の手順で行われる。前記移動原稿読取方式による画像読取では、原稿の画像読取指示(本発明の画像読取要求に相当)が操作パネルなどから入力されると、予め定められた位置P2(本発明の第2位置に相当)に配置されていた光源ユニット19が、読取窓22へ向けて光を照射することができる位置P1へ向けて移動される。ここで、位置P2は、光源ユニット19の移動区間に定められた位置であって、前記静止原稿読取方式による画像読取を開始するときの基準となる位置である。本実施形態では、位置P1は光センサー32の左側に定められており、位置P2は光センサー32の右側に定められている。光源ユニット19が位置P1に配置されると、光源ユニット19の複数のLED31から搬送中の原稿へ向けて光が照射される。その後、ADF13によって原稿が読取窓22を左右方向35の右向き(+X方向)へ搬送される。そのときに原稿から反射された反射光がミラー27〜29及び光学レンズ26を介してCCD25に導かれ、CCD25にて電気信号が生成されて読み取られる。一方、前記静止原稿読取方式による画像読取では、原稿の読取指示が入力されると、位置P2に配置されていた光源ユニット19が左右方向35の右向き(+X方向)へ移動される。そして、その移動過程において複数のLED31からコンタクトガラス21に載置された原稿へ向けて光が照射される。そして、原稿から反射された反射光がミラー27〜29及び光学レンズ26を介してCCD25に導かれ、CCD25にて電気信号が生成されて読み取られる。なお、本実施形態のスキャナー10は、前記移動原稿読取方式による画像読取時における光源ユニット19の移動制御に特徴を有している。この移動制御については後段で詳細に説明する。
制御部50は、スキャナー10を統括的に制御するものであり、図4に示されるように、CPU51とROM52とRAM53からなる演算部54、モータードライバー56(本発明の移動制御手段の一例)、及びセンサー処理部59などを有している。演算部54では、CPU51によってROM52に格納された所定のプログラムにしたがった処理が実行される。これにより、スキャナー10が予め定められた動作をする。
モータードライバー56及びセンサー処理部59は、例えば、集積回路(ASIC)などの電子回路や内部メモリなどで構成されている。モータードライバー56は、演算部54からの指示信号に基づいてキャリッジ用モーター57を駆動制御することによりキャリッジ20の移動や位置を制御し、原稿送り用モーター58を駆動制御することにより搬送ローラー対17の回転を制御する。センサー処理部59は、光センサー32の受光素子34から入力された出力信号をデジタル信号に変換する。演算部54は、センサー処理部59で変換された信号に基づいて受光素子34からの出力信号がLOWレベルであるかHIレベルであるかを判定して、光センサー32がオン状態であるかオフ状態であるかを判定する。なお、モータードライバー56及びセンサー処理部59は、必ずしも集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものに限られず、例えば、CPU51によって所定のプログラムが実行されることで実現されてもよい。
本実施形態では、スキャナー10の電源が投入された直後に、制御部50によって予め定められた初期動作が実行される。具体的には、制御部50によってキャリッジ用モーター57が駆動制御されて、キャリッジ20を位置P2へ移動させる制御が実行される。詳細には、図5(A)に示される位置にキャリッジ20が配置されている場合は、まず、キャリッジ20が−X方向へ移動される(図5(B)参照)。キャリッジ20の遮蔽プレート38の左端部40が光センサー32の光路に進入すると、光センサー32がオン状態となる。制御部50は、図5(C)に示されるように、光センサー32がオン状態になったタイミングで、キャリッジ用モーター57を一旦停止させる。このときにキャリッジ20が配置された位置P0(本発明の第3位置に相当)は、スキャナー10において位置P2を決定するための基準となる位置であり、一般にホームポジションとも呼ばれている。つまり、制御部50は、光センサー32の受光素子34からの出力信号に基づいて光センサー32がオン状態になったことを判定し、そのときにキャリッジ20が位置P0に到達したと判定して、キャリッジ20を位置P0で停止させる。本実施形態では、位置P0から+X方向へ所定距離隔てられた位置に位置P2が設定されている。言い換えると、位置P2から位置P1側(−X方向)へ所定距離隔てられた位置に位置P0が設定されている。次に、制御部50は、キャリッジ20を+X方向へ前記所定距離だけ移動させる(図5(D)参照)。このとき、制御部50は、位置P0から位置P2までの距離に応じたパルス数のパルス信号をキャリッジ用モーター57に出力する。このパルス信号を受けたキャリッジ用モーター57は、前記パルス信号に応じたステップ角だけ回転する。これにより、キャリッジ20は位置P2まで移動されて位置P2で停止する(図5(E)参照)。
なお、スキャナー10の電源が投入された直後に、図5(A)に示される位置にキャリッジ20が配置されておらず、例えば、図5(C)に示されるような位置にキャリッジ20が配置されていた場合は、光センサー32が当初からオン状態となる。この場合は、前記初期動作ができないため、キャリッジ20を少なくとも遮蔽プレート38の幅長さだけ+X方向へ移動させて、遮蔽プレート38を光センサー32の光路から外してから、前記初期動作が実行される。
前記初期動作が完了した時点で、画像読取指示が入力されていなければ、スキャナー10は待機状態となる。ここで、前記待機状態とは、電源が投入されているが、省電力のためにキャリッジ用モーター57及び原稿送り用モーター28を無励磁にしている状態のことである。上述したように、キャリッジ用モーター57はステッピングモーターであるため、無励磁では静止トルクが極めて小さくなり、可変リラクタンス型のステッピングモーターの場合は静止トルクがゼロになる。この場合、前記初期動作後に位置P2にキャリッジ20が配置されたとしても、スキャナー10に振動が与えられたり揺らされたりして、キャリッジ20が図6(A)に示されるように−X方向へずれたり、図6(B)に示されるように+X方向へずれたりする場合がある。このように、左右方向35へキャリッジ20がずらされた状態で、前記移動原稿読取方式による画像読取指示が入力されると、位置P2からではなく、ずらされた位置からキャリッジ20が位置P1へ向けて移動される。このときの移動は、従来であれば、制御部50によって、位置P2から位置P1までの距離に対応するパルス数のパルス信号がキャリッジ用モーター57に出力されることによって実現されていた。このため、前記移動後にキャリッジ20が停止する位置は、位置P1ではなく、位置P1から左右方向35へずれた位置となり、このようにずれた位置から移動中の原稿へ向けて光を照射しても、十分な反射光を得ることができず、原稿の画像を正確に読み取ることはできない。本実施形態では、制御部50により後述する移動制御が行われることによって、待機状態のときにキャリッジ20が位置P2からずらされていても、前記移動原稿読取方式による画像読取指示が入力された後に、キャリッジ20が位置P1に正確に配置される。なお、図6(C)に示されるように、前記待機状態のときにキャリッジ20が−X方向へ大きくずらされた場合は、光センサー32がオン状態となる。この場合は、前記初期動作が行われて、キャリッジ20が位置P2に移動される。
次に、図7のフローチャート及び図8の模式図を参照して、制御部50によって実行されるキャリッジ20の移動制御の手順の一例について説明する。図7中のS1、S2、…は処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、各ステップにおける処理は、演算部54のCPU51がROM52内のプログラムを実行することにより行われ、或いはモータードライバー56によって実行される。
スキャナー10の電源が投入されると(S1)、制御部50は、ステップS2〜S6までの処理を行うことにより、前記初期動作を実行する。具体的には、まず、受光素子34からの出力信号に基づいて、光センサー32がオン状態であるかどうかを判定する(S2)。ここで、光センサー32がオン状態であると判定されると、遮蔽プレート38が光センサー32の光路に進入した位置に配置されていると判断できる。この場合は、制御部50は、キャリッジ用モーター57を駆動制御して、キャリッジ20を+X方向へ所定量だけ移動させる(S3)。具体的には、遮蔽プレート38を光路から確実に外すために、少なくとも遮蔽プレート38の幅長さだけ+X方向へ移動させる。一方、光センサー32がオフ状態であると判定された場合は、キャリッジ20を−X方向へ移動させる(S4)。このとき、制御部50は、ステップS5においてキャリッジ20が位置P0に到達したと判定されるまで、キャリッジ20の−X方向への移動を継続する。次に、制御部50は、キャリッジ20が位置P0に到達したかどうかを判定する(S5)。具体的には、制御部50は、遮蔽プレート38が光センサー32の光路に進入したことにより、光センサー32の状態がオフ状態からオン状態に変化したかどうかによって判定する。キャリッジ20が位置P0に到達したと判定された場合は、キャリッジ20の移動を一旦停止した後に、キャリッジ20を位置P2まで移動させる(S6)。このときの移動は、位置P0から位置P2までの距離に応じたパルス数のパルス信号をキャリッジ用モーター57に出力することによって行われる。なお、制御部50は、パルス信号をキャリッジ用モーター57に出力したことで、キャリッジ20が位置P2に到達したものと判定する。
続いて、ステップS7において、制御部50は、原稿の画像を読み取るための読取要求である画像読取指示が入力されたかどうかを判定する。ここで画像読取指示が入力されていないと判定されると、スキャナー10における電力の消費量を抑制するために、キャリッジ用モーター57及び原稿送り用モーター58を無励磁にする(S8)。キャリッジ用モーター57及び原稿送り用モーター58が無励磁にされたことにより、スキャナー10は、画像読取指示の入力を待ち受ける待機状態となる。なお、スキャナー10が待機状態にあるときに、光センサー32がオン状態となった場合は、キャリッジ20が図6(C)に示される位置まで移動したと判定して、再びステップS3以降の処理が行われて前記初期動作が実行される(S9→S3)。また、ステップS9において、光センサー32がオン状態となっていないと判断した場合、制御部50は処理を前記ステップS7に移行させる。
一方、ステップS7において、画像読取指示が入力されたと判定されると、次のステップS10において、入力された画像読取指示が前記移動原稿読取方式による画像読取指示(以下「移動原稿読取指示」という。)であるかどうかが判定される(S10)。かかる判定は、例えば、原稿セット部11に設けられたシートセンサーなどによって原稿セット部11における原稿が検知された状態で画像読取指示が入力されたかどうかによって判定可能である。入力された画像読取指示が前記移動原稿読取指示ではないと判定された場合は、その画像読取指示を前記静止原稿読取方式による画像読取指示(以下「静止原稿読取指示」という。)であると判定して、コンタクトガラス21に載置された原稿に対して、従来周知の前記静止原稿読取方式による画像読取が実行される(S15)。一方、入力された画像読取指示が前記移動原稿読取指示である場合は、制御部50は、キャリッジ用モーター57を駆動制御して、図8(A)及び(B)に示されるように、キャリッジ20を位置P1へ向けて−X方向へ移動させる(S11)。
キャリッジ20が位置P1へ向けて−X方向へ移動されると、その移動過程において、図8(C)に示されるように、遮蔽プレート38の左端部40が光センサー32の光路に進入する。このとき、受光素子34の出力信号がHIレベルからLOWレベルに変化して、光センサー32がオフ状態からオン状態となる。このときキャリッジ20は位置P0に到達しているが、キャリッジ20の位置P1側への移動が継続される。更にキャリッジ20が位置P1側へ移動されて、スリット39が光センサー32の光路に到達すると、受光素子34の出力信号がLOWレベルから再びHIレベルに変化して、光センサー32がオン状態からオフ状態となる。本実施形態では、ステップ12において、制御部50は、キャリッジ20が位置P1に到達したかどうかを判定する。具体的には、キャリッジ20が位置P1へ向けて移動制御されているときに、制御部50は、光センサー32の受光素子34の出力信号がHIレベルからLOWレベルに変化したことと、更にLOWレベルからHIレベルに変化したことの2つの変化があったときに、キャリッジ20が位置P1に到達したと判定する。
ステップS12においてキャリッジ20が位置P1に到達したと判定されると、すぐにキャリッジ用モーター57の駆動を停止して、キャリッジ20の移動を停止させる(S13)。これにより、キャリッジ20が位置P1に配置される。つまり、光源ユニット19が前記移動原稿読取方式による画像読取が可能な位置に配置される。このとき、キャリッジ用モーター57は無励磁にされないので、静止トルクが作用して、キャリッジ20が位置P1からずれることはない。
その後、ADF13によって原稿が搬送されて、搬送中の原稿に対して、従来周知の前記移動原稿読取方式による画像読取が実行される(S14)。
ステップS14及びステップS15における画像読取が終了すると、制御部50は、次の画像読取指示が入力されているかどうかを判定する(S16)。ここで、次の画像読取指示が入力されていると判定されると、ステップS10以降の手順にしたがった処理が繰り返される。一方、次の画像読取指示が入力されていないと判定された場合は、ステップS3に戻って、ステップS3以降の手順にしたがった処理が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態のスキャナー10では、移動中の光学ユニット19のキャリッジ20が制御部50によって位置P2に到達したと判定されたことを条件に、モータードライバー56によってキャリッジ用モーター57の駆動が停止されて、キャリッジ20が位置P2で停止される。このとき、制御部50によってキャリッジ用モーター57が無励磁にされて、スキャナー10が待機状態となる。キャリッジ用モーター57が無励磁にされた場合、キャリッジ20の移動方向へ振動や揺れが加えられるとキャリッジ20が移動方向へずれることになる。しかし、スキャナー10では、前記移動原稿読取方式による画像読取指示(移動原稿読取指示)が入力されたときに、キャリッジ用モーター57が制御部50によって励磁されて、キャリッジ20が位置P1へ向けて移動される。そして、制御部50によって、光センサー32の出力信号に基づいて、位置P1にキャリッジ20が到達したと判定されたことを条件に、キャリッジ20は位置P1に停止される。このように構成されているため、スキャナー10の待機状態においてキャリッジ用モーター57が無励磁にされるので、スキャナー10における電力消費量を低減することが可能になる。また、光学ユニット19が位置P2からずれていたとしても、複数のセンサーを設けることなく、簡単な機構でしかも簡単な制御によって、前記移動原稿読取方式による画像読取時に配置される位置P1に光学ユニット19を正確に移動させることが可能になる。また、位置P1への移動過程において、キャリッジ20の移動量をカウントする必要がないため、カウント値を記憶するための記憶領域を確保する必要がない。
なお、上述の実施形態では、スキャナー10が待機状態のときにキャリッジ用モーター57が無励磁にされる場合のキャリッジ20の移動制御について説明したが、前記待機状態におけるキャリッジ用モーター57の励磁状態に関わらず、本発明はスキャナー10のどのような状態においても適用可能である。
[第2実施形態]
以下、図9乃至図11を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態が上述の第1実施形態と異なるところは、遮蔽プレート38に形成されたスリット38に加えて、更に2つのスリット41,42が遮蔽プレート38に形成されている点と、図11に示されるフローチャートの手順にしたがった処理が制御部50によって実行される点であり、その他の部分については上述の第1実施形態と共通する。したがって、以下においては上述の第1実施形態と異なる点について説明し、共通する部分については上述の第1実施形態で示した符号と同じ番号の符号を示すことによりその詳細な説明を省略する。
スキャナー10の待機状態において、電力消費量の更なる低減のために、キャリッジ用モーター57を無励磁にするだけでなく、更に光センサー32を断電することが考えられる。しかしながら、上述の第1実施形態に示された構成では、待機状態のときに光センサー32を断電すると以下の問題が生じるおそれがある。例えば、図9(A)に示されるように、前記待機状態において、キャリッジ20が位置P2から位置P1側へずらされて、遮蔽プレート38のスリット39が光センサー32の光路に進入した位置に配置される場合がある。前記移動原稿読取指示が入力されると、待機状態が解除されて、光センサー32が通電され、キャリッジ用モーター57が駆動可能なように励磁される。このとき、スリット39が光センサー32の光路に進入している場合は、図9(B)に示されるように、光センサー32はオフ状態となる。つまり、実際は、位置P1側へ大きくずらされて光センサー32の直上にキャリッジ20が配置されているにもかかわらず、光センサー32はオフ状態となってしまう。この場合、制御部50は、キャリッジ20が光センサー32の直上に配置されていることを認識することができない。そのため、制御部50によって、上述のステップS11以降の処理が実行される。この場合、図9(C)及び(D)に示されるように、キャリッジ20が−X方向へ過剰に移動されてしまい、光源ユニット19が装置本体12の内壁や他の構成要素に衝突して破損するおそれがある。
前記課題を解決するために、第2実施形態では、図10に示されるように、遮蔽プレート38に3つのスリット39,41,42(いずれも本発明の光透過部の一例)が形成されている。スリット41,42は、スリット39と同じ形状であり、スリット39が形成されている位置から、+X方向へ一定間隔おきにスリット41及びスリット42が連続して形成されている。
以下、図11のフローチャート及び図10の模式図を参照して、制御部50によって実行されるキャリッジ20の移動制御の手順の一例について説明する。図11中のS21、S22、…は処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、各ステップにおける処理は、演算部54のCPU51がROM52内のプログラムを実行することにより行われ、或いはモータードライバー56によって実行される。
スキャナー10の電源が投入されると、制御部50は、上述のステップS1からステップS10の手順にしたがった処理を実行する。ステップS10において、入力された画像読取指示が前記移動原稿読取指示であると判定された場合は、制御部50は、光センサー32がオン状態であるかどうかを判定する(S21)。ここで、光センサー32がオン状態であると判定されると、遮蔽プレート38が光センサー32の光路に進入した位置に配置されていると判断できるので、この場合は、制御部50は、キャリッジ用モーター57を駆動制御して、キャリッジ20を+X方向へ所定量だけ移動させる(S24)。その後、制御部50は、ステップS25〜S26の処理を実行して、キャリッジ20を位置P2まで移動させてから、図7のステップS11以降の処理を順次実行する。なお、ステップS21は図7のステップS2と同じ処理であり、また、ステップS24〜S27は図7のステップS3〜S6と同じ処理であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
ステップS21において、光センサー32がオフ状態であると判定された場合は、制御部50は、キャリッジ用モーター57を駆動制御して、キャリッジ20を位置P1へ向けて−X方向へ移動させる(S22)。このとき、図10(A)及び(B)に示されるように、スリット39が光センサー32の光路にある場合にキャリッジ20が−X方向へ移動されると、図10(C)及び(D)に示されるように、スリット39及びスリット41、場合によってはスリット42が光センサー32の光路を順次通過することにより、受光素子34からHIレベルとLOWレベルとが交互に現れるパルス波形の信号(以下「パルス波形信号」という。本発明の第3出力値に相当)が出力される。ステップS23では、制御部50は、ステップS22による移動制御を開始した直後に、受光素子34から前記パルス波形信号が出力されたかどうかを判定する(S23)。なお、この判定を行う場合の制御部50が本発明の判定手段に相当する。ステップS23において、前記パルス波形信号が出力されたと判定されると、キャリッジ20が光センサー32の直上に配置されていると判定できるので、この場合は、ステップS24〜S27の処理が実行されて、キャリッジ20が位置P2まで移動される(図10(E)及び(F)参照)。その後、制御部50は、図7のステップS11以降の処理を順次実行する。一方、ステップS23において、受光素子34から前記パルス波形信号が出力されていないと判定された場合は、ステップS24〜S27の処理を行わずに、図7のステップS11以降の処理を順次実行する。
このように構成されているため、スキャナー10の待機状態において、光源ユニット19のキャリッジ20が光センサー32の直上の位置までずらされており、スリット39が光センサー32の光路に進入していたとしても、制御部50は、キャリッジ20が位置P2から−X方向へずらされた位置に配置されていることを認識することができる。そのため、キャリッジ20を位置P2まで戻す移動制御を行うことによって、キャリッジ20が−X方向へ過剰に移動されることを防止することができ、光源ユニット19が装置本体12の内壁や他の構成要素に衝突して破損することを防止することができる。