JP2004054030A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動原稿読取モードと固定原稿読取モードの二つの読取モードを有する画像読取装置において、走査手段による原稿の走査開始までの時間短縮を可能とする。
【解決手段】原稿を載置するためのプラテンと、このプラテンに沿って移動可能に支持され、移動して又は所定の固定位置で停止して原稿の走査を行う走査手段とを備え、前記走査手段が待機する所定の待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に載置された原稿の走査を開始する基準位置を設け、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があるか否かを検出する。ここで、前記プラテン上に原稿が載置されていることを検出した場合には、その旨の信号を出力する。
【選択図】 図5
【解決手段】原稿を載置するためのプラテンと、このプラテンに沿って移動可能に支持され、移動して又は所定の固定位置で停止して原稿の走査を行う走査手段とを備え、前記走査手段が待機する所定の待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に載置された原稿の走査を開始する基準位置を設け、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があるか否かを検出する。ここで、前記プラテン上に原稿が載置されていることを検出した場合には、その旨の信号を出力する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラテン上に載置された静止原稿の読取と、前記プラテン上を搬送される移動原稿の読取が可能な画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動原稿送り装置(以下、「ADF」という)を備える画像読取装置の多くは、原稿を載置するプラテンと、光源、ミラー、レンズ、イメージセンサ等を搭載して光源によって照射された原稿からの反射光をレンズで集光しイメージセンサで光電変換して走査する移動可能な走査手段とを備え、プラテン上に載置された原稿を読み取る固定原稿読取モードとADFによって搬送される原稿を読み取る移動原稿読取モードの二つの異なる読取モードによる原稿読取が可能である。
【0003】
移動原稿読取モードにおいては、走査手段が、プラテン下方の所定の移動原稿読取位置に静止した状態に位置して、搬送される原稿を走査する。そして、この移動原稿読取位置が固定原稿読取モードのときに原稿を載置するプラテン上の原稿載置領域内に設定されている場合、固定原稿読取モードでの原稿の走査が行われた後原稿の置き忘れによりプラテン上に原稿が載置されたままの状態で移動原稿読取モードの原稿を搬送すると、ADFで搬送される原稿はプラテン上に載置されたままの原稿の上を通過することとなる。このため、ADFにより搬送される移動原稿は、プラテン上に載置された原稿によって光路が遮断されてしまうために読取が行われないという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば特開2001−111790号公報には、図6及び図7に示す画像読取装置が開示されている。
【0005】
図6、7において、当該先行技術に係る画像読取装置200は、原稿を載置するためのプラテン28と、このプラテン面上に原稿を搬送する自動文書フィーダ(ADF14)と、プラテン28上に載置された原稿、又はADF14で搬送される原稿の走査を行う走査手段のキャリッジ34とを備えている。プラテン28は、その面上に載置された原稿を走査するための固定ページ走査領域56が設けられており、さらにこの固定ページ走査領域56内には、ADF14で搬送される原稿を読み取るためのADF走査領域58と、プラテン28上に原稿があるか否かを検出するためのページ検出領域60とを設けている。そして、ADF14はその下部にプラテンを覆うプラテンカバー30を備えており、このプラテンカバー30のページ検出領域56に対向する個所には標識46が設けられている。ここで、プラテン28上に原稿が載置されている場合は、この原稿がページ検出領域60をカバーし、キャリッジ34と標識46との間の光路が遮られるため、標識46は検出できないようになっている。そして、ADF14で搬送される原稿の走査を行う時には、プラテン28上の置き忘れ原稿の有無を検出するために、まず、キャリッジ34でページ検出領域60を走査させる。ここでプラテンカバー30の標識46を検出した場合は、プラテン28上に原稿がないと判断してADF14で原稿を搬送させて通常の走査を行い、標識46を検出できなかった場合にはプラテン28上に原稿があると判断してADF14の原稿搬送を停止するように構成している。また、この公報に具体的な記載はないが、ADFで搬送される原稿の走査を行うキャリッジの固定位置と対向するプラテンカバーの所定個所には、光源からの光及び原稿からの反射光を通過させるための開口が形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この画像読取装置では、図7に示したように、固定ページ走査領域56内に載置された原稿の走査に、キャリッジ34を図中の左から右に向けて移動させて行わせている。このため、仮に、キャリッジ34の待機位置(ホームポジション)が、固定ページ走査領域56よりも左側に設定されている場合、ADF14で搬送されている原稿を読み取る際、ページ検出領域60を走査するため、一旦矢印R方向に走査手段を移動させてページ検出領域60を走査した後、逆向きQ方向に移動させてADF走査領域58に移動させる必要があり、走査開始までに所定の時間を必要とする。また、キャリッジ34の待機位置がADF走査領域58内や、当該領域よりも図中右側(ページ検出領域60側)に設定されている場合には、走査開始までの時間は短縮することができるが、固定ページ走査領域56内に載置された原稿の走査開始までに所定の時間を要してしまう。
【0007】
本発明は、搬送されている原稿を走査手段を固定させて走査する移動原稿読取モードとプラテン上に載置された原稿を走査手段を移動させて走査する固定原稿読取モードの何れの読取モードにおいても、走査手段による原稿の走査開始までの時間を短縮することが可能な画像読取装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明に係わる画像読取装置は、請求項1の記載によれば、原稿を載置するためのプラテンと、このプラテンに沿って移動可能に支持され、移動して又は所定の固定位置で停止して原稿の走査を行う走査手段とを備え、前記走査手段が待機する所定の待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に載置された原稿の走査を開始する基準位置を設け、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があるか否かを検出することを特徴としている。
【0009】
これにより、本画像読取装置は、走査手段を待機位置から移動原稿読取位置まで移動している間に前記プラテン上に原稿が載置されているか否かを検出できるので、移動原稿読取モード時の走査開始までの時間を短縮することが可能となる。また、固定原稿読取モード時においては、移動原稿読取位置よりも待機位置に近い個所に原稿の走査を開始する基準位置を設けたので、走査開始までの時間を短縮することを可能としており、何れの読取モードにおいても走査手段による原稿の走査開始までの時間を短縮することが可能になったのである。
【0010】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項2の記載によれば、前記プラテン上に原稿を搬送する自動原稿搬送手段を備え、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があると検出した場合は、前記自動原稿搬送手段により原稿の搬送を停止することを特徴としている。
【0011】
これにより、原稿を搬送しているにもかかわらず原稿の走査ができないという、無駄な動作を防止することができる。
【0012】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項3の記載によれば、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があると検出した場合は、異常を知らせるための信号を出力することを特徴としている。
【0013】
これにより、操作者に対して原稿が載置されたままであることを警告音及び/又はディスプレイ表示によって知らせ、プラテン上の原稿を取り除くことを促すことができる。
【0014】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項4の記載によれば、前記プラテンを覆い前記基準位置と前記固定位置との間に画像が形成されたカバー手段を備え、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査し、前記カバー手段に形成された画像の検出の有無によって前記プラテン上に載置された原稿の有無を検出することを特徴としている。
【0015】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項5の記載によれば、原稿を載置するためのプラテンと、前記プラテンに沿って移動可能に支持され、移動して又は所定の固定位置で停止して原稿の走査を行う走査手段と、前記固定位置で停止した前記走査手段と対向する位置に形成された開口部を有する前記プラテンを覆うカバー手段を備えた画像読取装置において、前記走査手段が待機する待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に原稿を載置する際の基準である基準位置を設け、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記開口部を検出したか否かに応じて前記プラテン上に載置された原稿の有無を判断することを特徴としている。
【0016】
こうすることで、請求項1に記載の画像読取装置と同様に、移動原稿読取モード及び固定原稿読取モードの何れの読取モード時においても走査手段による原稿の走査開始までの時間を短縮することが可能になったのである。さらに、従来の画像読取装置が備えているカバー手段に形成されている開口部を検出することにより原稿の有無を検出するようにしたので、部品点数の増加やコストの上昇を招くことなく、より精度良く原稿の有無を検出できるようにしたものである。
【0017】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項6の記載によれば、前記プラテンカバー手段を有し、原稿を前記プラテン上に搬送する搬送手段を備え、前記開口部を検出しない場合は前記プラテン上に載置された原稿があることを判断し、前記搬送手段による原稿の搬送を停止させるための信号を出力することを特徴としている。
【0018】
こうすることで、原稿を搬送しているにもかかわらず原稿の走査ができないという、無駄な動作を防止することができる。
【0019】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項7の記載によれば、原稿を載置するためのプラテンと、このプラテンに沿って移動可能に支持され、所定の待機位置から所定の固定位置まで移動しこの移動の間に前記プラテンを走査した後、前記固定位置で停止して原稿の走査を行う読取モード、又は前記待機位置と前記固定位置の間に設定された基準位置を基準に載置された原稿の走査を前記プラテンに沿って移動しながら行う読取モードの何れかの読取モードで原稿の走査を行う走査手段と、前記待機位置から前記固定位置までの移動の間のプラテン走査によって得られた信号から前記プラテン上に原稿があるか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像読取装置の実施の形態例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る画像読取装置Aは、給紙トレイ11上に載置された原稿を搬送するためのADF2と読取装置1を備えている。読取装置1は、コピー機やプリンタ等の画像形成装置100に接続され、読取装置1は、ADF2により搬送される移動原稿の走査を行う移動原稿読取モードと、プラテン上に載置された原稿の走査を行う固定原稿読取モードとの二つのモードで走査ができるように構成されている。
【0022】
ADF2は、読取装置1上面のプラテン面を開閉するように読取装置1に対してヒンジ手段により開閉自在に取り付けられている。
【0023】
読取装置1は、箱状のケーシング9を有し、このケーシング9の上面21には、透明な板状のガラス等で構成されたプラテン20が取り付けられている。
【0024】
プラテン20の(図1中)左端部近傍には固定原稿読取モードで読み取る原稿を載置する際に基準となる基準位置Yが設定されており、ケーシング9で形成された段差に原稿の端部を突き当てて、基準位置Yに原稿の端部を合わせるように原稿を載置する。
【0025】
ケーシング9内には、原稿を走査する(読み取る)ための読取ユニット3(走査手段)が収容されており、この読取ユニット3は、プーリやタイミングベルト等一般の駆動伝達手段を介して、正逆転可能なパルスモータで構成されるモータPM1の駆動により図中点線で示す待機位置Hからプラテン20の右端近傍までケーシング9の上面21(及びプラテン20)に沿って移動可能に支持されている。また、ケーシング9内には、待機位置Hに読取ユニット3が到達したことを検出する待機位置センサ90と、読取装置1全体を制御するための制御基板13が配設されている。
【0026】
読取ユニット3には、原稿に光を照射するための光源7と、原稿から反射された画像光を反射するためのミラー(反射手段)6と、このミラー6を介して入射した画像光を集光し結像するレンズ(集光手段)10と、このレンズ10の結像位置に配設され画像光を光電変換するCCDなどからなるイメージセンサが設置されたセンサユニット4と、このセンサユニット4が支持されアナログデジタル変換(A/D変換)素子などが取り付けられたセンサ基板14とが支持されている。
【0027】
光源7で照射された原稿からの画像光は、ミラー6で反射された後、レンズ10でセンサユニット4のイメージセンサ上に集光結像され光電変換される。イメージセンサにより出力されたアナログ信号は、センサ基板14上でデジタル信号に変換された後、ケーブル22を介して制御基板13に送信され、この制御基板13上でライン間補正等の画像処理が施されて画像形成装置100に転送される。
【0028】
原稿の走査において、固定原稿読取モードの場合は、読取ユニット3を待機位置Hから図中右方向に移動させ、原稿走査開始位置である基準位置Yに読取ユニット3が位置したときにセンサユニット4(各イメージセンサ)を駆動させて原稿の走査を開始し、原稿の長さに応じた距離だけ読取ユニット3を移動させながら原稿の走査を行う。
【0029】
移動原稿読取モードの場合は、読取ユニット3を移動させて移動原稿読取位置(固定位置)Xに固定してADF2で移動原稿読取位置Xに搬送される原稿の走査を行う。
【0030】
待機位置H、基準位置Y、移動原稿読取位置Xは、待機位置Hと移動原稿読取位置Xの間に基準位置Yが設定された位置関係となっている。
【0031】
なお、待機位置Hは、画像読取装置1の電源が切られているとき、及び電源が投入されているが原稿の走査を行っていないとき(待機時)等に読取ユニット3を保持している位置である。
【0032】
また、基準位置Yと移動原稿読取位置Xとの間の距離は、読み取られる原稿のうち最小原稿の長さよりも短く設定されている。したがって、基準位置Yを基準にプラテン20上に原稿を載置すると、移動原稿読取位置Xのプラテン20は、この原稿によって覆われてしまうようになっている。
【0033】
次に、ADF2は、複数の原稿を載置するための給紙トレイ11と、この給紙トレイ11に載置された原稿を給送する搬送部37と、搬送経路35を搬送されながらプラテン20の上方で読み取られた原稿を収容する排紙トレイ12と、給紙トレイ11上の原稿の有無を検出するエンプティセンサ91と、給送されてきた原稿の先端を検出する先端検知センサ92と、搬送部37を駆動するモータPM2、PM3とを備えている。
【0034】
搬送部37は、給紙トレイ11上に載置された原稿を繰出すピックアップローラ30と、このピックアップローラ30により繰出された原稿を一枚に分離し給送する給紙ローラ31と、給送された原稿の斜行の修正を行うと共に、さらに、下流側に搬送するレジストローラ対32と、原稿をプラテン20に向けて搬送する第1搬送ローラ33と、第2搬送ローラ34と、読み取られた原稿を排紙トレイ12に向けて搬送する排紙ローラ対36とで構成されている。
【0035】
給紙ローラ31、ピックアップローラ30及びレジストローラ対32は、ギヤやプーリなどの公知の駆動伝達手段を介してモータPM2の駆動により回転駆動される。第1搬送ローラ33、第2搬送ローラ34、及び排紙ローラ36は、ギヤやプーリなどの公知の駆動伝達手段を介してモータPM3で回転駆動される。
【0036】
また、ADF2の底面には、ADF2を読取装置1に対して閉じた時にプラテン20に対する衝撃を緩衝するために、スポンジ等で構成された緩衝部材42が取り付けられている。この緩衝部材42には、均一な白色シートで構成されたプラテン20の一部を覆う第2カバー部材47が取り付けられている。また、原稿を搬送する搬送経路を形成しているガイド部材48は、均一な白色シートで構成され、プラテン20の図中左側一部を覆う第1カバー部材46とを備えている。
【0037】
図2は、ADF2と読取装置1の移動原稿読取位置X近傍の拡大図を示す。
【0038】
ADF2には、原稿が搬送される搬送経路35を形成しているガイド部材48、49が配設され、このガイド部材48、49の上面を覆うように、透明なシートで形成されるガイドシート55が掛け渡されている。さらに、ガイド部材48、49の間には、ガイドシート55の上方面と接する位置にガイド部材45が配設され、このガイド部材45の下方面は均一な白色面となっている。
【0039】
そして、給紙トレイ11から給/搬送されてきた原稿は、第1、第2搬送ローラ33、34の回転により、ガイドシート55の上面に沿って搬送され、ガイド部材45とガイドシート55との間の搬送経路を通過した後、排紙ローラ36の回転により排紙トレイ12上に排出される。
【0040】
このように、ADF2で搬送される原稿は、プラテン20に接することなくプラテン20の上方を搬送されるようになっている。
【0041】
また、ガイド部材48の下面には、基準位置Yから移動原稿読取位置X近傍までのプラテン20面を覆っている第1カバー部材46が取り付けられている。この第1カバー部材46の図中左側上面はガイド部材48に固定され、他方の図中右側面は固定されていない自由端となっており、この先端はプラテン20の上面に接している。
【0042】
また、緩衝部材42に取り付けられた第2カバー部材47は、プラテン20の上面に接した状態でプラテン20を覆っている。
【0043】
さらに、第1カバー部材46と第2カバー部材47との間には、何れのカバー部材でもプラテン20面を覆っていない開口部41があり、この開口部41を介して、移動原稿読取位置Xに固定された読取ユニット3によって、ADF2で搬送されている原稿の走査を行うことができるようになっている。開口部41の幅(図中左右方向、原稿搬送方向の長さ)は、光源7からの光及び原稿で反射され読取ユニット3に入射する反射光(画像光)が通過でき、かつ、原稿の有無を検出する走査においてこの開口部41を確実に検出できる程度の長さが必要で、本実施例では5mm程度としている。
【0044】
なお、固定原稿読取モードで読み取るためにプラテン20上に載置された原稿は、第1、第2カバー部材46、47とプラテン20との間に挟まれた状態で保持され、この原稿によって開口部41が覆われてしまう。そのため、仮に、プラテン20上に原稿が載置された状態(置き忘れられた状態)で移動原稿読取モードにより原稿の走査を行っても、光源7からの光がプラテン上に載置された原稿で遮られてしまい、ADF2で搬送されている原稿に光が当らないため当該原稿の走査を行うことはできない。
【0045】
ここで、本発明の読取装置におけるプラテン20上に載置された原稿を検出するための構成について説明する。図3は、読取装置1のプラテン20を上方から見た平面図を示す。図3(a)は、プラテン20上に原稿がない状態を示す。図3(b)は、プラテン上に原稿Pが載置された状態を示している。
【0046】
図中の符号W1は、第1カバー部材46で覆われた第1領域、符号W2は、第2カバー部材47で覆われた第2領域、符号W3は、開口部41に対向し、何れのカバー部材にも覆われていない第3領域である。
【0047】
プラテン20上に原稿が無い状態で読取ユニット3を移動させプラテン20の走査を行うと、第1、第2領域W1、W2においては各カバー部材を走査することとなり、第3領域W3においてはガイド部材45を走査することとなる。
【0048】
走査において、ガイド部材45は、第1、第2カバー部材46、47に比較してプラテン20面から離れているので、第3領域W3で各センサに入射する光は、第1、第2領域W1、W2で各センサに入射する光に比較し輝度が小さくなる。そのため、第3領域W3で各センサに入射された光に対応して出力される信号は、第1、第2領域W1、W2で各センサに入射された光に対応して出力される信号に比較して低くなり、この信号の差によって開口部41を検出することができる。
【0049】
よって、プラテン20上に原稿がない場合は、読取ユニット3を待機位置Hから移動原稿読取位置Xまで移動させながら、プラテン20を走査させることで、第3領域の図中左側領域W3a全面で開口部41を検出することができる。
【0050】
図3(b)に示すように、プラテン20上に原稿Pが載置されると、領域W3の少なくとも一部が原稿Pにより覆われてしまうため、読取ユニット3を待機位置Hから移動原稿読取位置Xまで移動させながらプラテン20を走査させても、開口部41の一部を検出することができない。
【0051】
例えば、領域W3の図中左側領域W3a中に原稿サイズに関わらず確実に原稿で覆われてしまう領域W4(点線で示す)を設定し、この領域W4で開口部41が検出された場合はプラテン20上に原稿が載置されておらず、開口部41が検出されない場合は、プラテン20上に原稿が載置された状態と判断することができる。なお、この領域W4の大きさは、開口部41の少なくとも一部の検出によって原稿の有無の判断ができれば特に制約はないが、領域が大きいと原稿の有無の判断に時間がかかってしまい小さいと精度を欠くため、適度な広さを設定すればよい。また、この領域W4の位置は、例えばプラテン20上に載置する原稿の基準位置(主走査方向における原稿の基準位置、例えばセンター基準)などの読取装置の設計内容やADF2の原稿搬送経路の設計内容等に応じて任意に設定することができる。
【0052】
上記したように、本実施の形態例においては、読取ユニット3の移動原稿読取位置Xの近傍で得られた信号により原稿の有無を判断することで、移動原稿読取モードにおける走査を妨げる原稿をより精度よく検出することができる。また、従来より用いられていたプラテンカバーに形成されている開口部を用いることにより、部品点数、コストの増加を招くことがない。
【0053】
ここで、本発明における読取装置1の制御装置の構成について図に基づいて説明する。
【0054】
図4は、画像読取装置Aの制御装置の構成例のブロック図を示す。図4において、CPU(判断手段)51はバスライン50を通して、モータドライバ54、ADF制御部55、センサ基板14、画処理部57、インタフェース58、インバータ59と接続され、さらに、インタフェース58を介して画像形成装置100と接続されている。この画像形成装置100には図示しない、CPU51、ROM52、RAM53、さらに移動原稿読取モードや固定原稿読取モードなどの走査モードを選択するモード選択キーやスタートスイッチなどを有する操作部61とを備えている。また、CPU51にはROM52とRAM53が接続されており、ROM52の所定領域には読取装置1を制御するプログラムが記憶されており、RAM53は、画像データ等を一時的に記憶するために用いられている。
【0055】
CPU51は、インバータ59を駆動させて光源7を点灯させ、この光源7で照射された原稿からの画像光をセンサユニット4を駆動させてアナログ信号に変換し、A/Dコンバータ56でデジタル信号に変換した後、画処理部57でライン間補正やガンマ補正などの画処理を施し、インタフェース58を介してデジタルデータ(画像データ)として画像形成装置100に転送する。
【0056】
また、CPU51はモータドライバ54を駆動して、モータPM1を動作させることで、読取ユニット3を移動させる。さらに、CPU51は、ADF制御部55、モータドライバ60、61を介してADF2に配設されたエンプティセンサ91、先端検知センサ92からの信号に応じてモータPM2、3を駆動させて搬送部37を動作させて原稿の搬送を行う。
【0057】
さらに、本発明の画像読取装置Aにおける読取動作をフローチャートに基づいて説明する。
【0058】
図5は、原稿を走査する動作を説明するフローチャートを示す。
【0059】
まず、操作者によって走査する原稿を給紙トレイ11上又はプラテン20上にセットした後、画像形成装置100の操作部61を介して、スタートキーが押されると画像走査ルーチンがスタートする。
【0060】
まずCPU51は、エンプティセンサ91が「ON」か、否かを判断し(ステップS1)、肯定判断の時(エンプティセンサ91が「ON」で、給紙トレイ11上に原稿が載置された状態)は、ADF2で搬送されている原稿を読み取る移動原稿読取モードで原稿の走査を行い、否定判断の時(エンプティセンサ91が「OFF」で、給紙トレイ11上に原稿が載置されていない状態)は、プラテン20上に載置された原稿を読取ユニット3を移動しつつ走査する固定原稿読取モードになる。
【0061】
本実施例では、移動原稿読取モードと固定原稿読取モードとの走査モードの切り替をエンプティセンサ91の信号によって行ったが、画像形成装置100の操作部61で選択するようにしても、又は、読取装置1に走査方式の選択を行える操作部を設け、この操作部を介して選択するようにしてもよい。
【0062】
移動原稿読取モードではまず、モータPM1を駆動させ、待機位置Hで待機している読取ユニット3の移動を開始する(ステップS2)。そして、センサユニット4を駆動させ、移動しながらプラテン20の走査を行う(ステップS3)。読取ユニット3が移動原稿読取位置Xまで移動した後、モータPM1の駆動を停止させ、読取ユニット3の移動が終了する。読取ユニット3は移動原稿読取位置Xで停止する(ステップS4)。
【0063】
そして、CPU51は、待機位置Hから移動原稿読取位置Xまでの移動の間に行ったプラテン20の走査によって得られた信号を用いて、例えば領域W4で得られた信号を用いて、開口部41を検出したか否か(プラテン20上に原稿があるか否か)の判断をする(ステップS5)。
【0064】
否定判断の場合、すなわち開口部41が検出できなかった場合は、プラテン20上に原稿が載置されていると判断し、その旨の信号、つまり原稿が載置されていることを知らせる信号(以下、「異常信号」という)を出力する(ステップS6)。
【0065】
この異常信号を受けて、画像読取装置は、例えば、画像形成装置100の操作部61のパネルを介してプラテン上に原稿が載置されている旨を操作者に知らせ、原稿を取り除くよう促すことができる。そして、ADF2に原稿の搬送を停止させる信号を出力し、ADF制御部55を介してADF2の原稿搬送を停止させ(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0066】
ステップ5において肯定判断(開口部41を検出)した場合は、プラテン20上に原稿がないこと判断したこととなる。CPU51は、ADF制御部55、モータドライバ60、61を介してPM2、PM3を駆動させて原稿の搬送を行い、先端検知センサ92が原稿の先端を検知してから所定時間後、センサユニット4を駆動させて原稿の走査を行う(ステップS8)。そして、原稿の走査が終了したら、モータPM1を逆回転駆動させて読取ユニット3を待機位置Hまで移動させる。待機位置センサ90で読取ユニット3が検出された後、モータPM1の駆動を停止して、一連の動作が終了する。
【0067】
次に、ステップS1で否定判断がされた場合、すなわち操作者によって原稿がプラテン20上に載置され、読取ユニット3を移動させつつ原稿を走査する固定原稿読取モードの場合について説明する。
【0068】
まず、モータドライバ54を介してモータPM1を駆動させて、待機位置Hで待機している読取ユニット3を、図1中右方向(移動原稿読取位置X方向)に移動させる(ステップS9)。そして、読取ユニット3が基準位置Yに達するタイミングでセンサユニット4を駆動させて原稿の走査を開始し、原稿の長さに応じた距離移動しながら走査を行う(ステップS10)。そして、走査が終了したらモータPM1の駆動を停止して読取ユニット3の移動を終了させる。そしてモータPM1を逆回転駆動させて読取ユニット3を待機位置Hまで移動させる。待機位置センサ90で読取ユニット3が検出されたらモータPM1の駆動を停止して、一連の動作が終了する。
【0069】
さらに、本実施の形態例では、プラテン20をカバーするカバー手段に形成した開口部41を検出することで原稿の有無を検出するようにしたが、第1カバー部材46に走査手段で走査できる画像を形成し、この画像を検出したか否かにより原稿の有無を検出するようにしてもよい。
【0070】
また、本実施の形態例では、上位装置の画像形成装置100に接続された画像読取装置Aの例を示したが、ファックスや、パーソナルコンピュータに接続して使用されるスキャナ、さらに複写機などに接続された画像読取装置にも適用できる。
【0071】
さらにまた、本実施の形態例では、光源、ミラー、レンズ、イメージセンサ等が収容された一体型の読取ユニットの例を示したが、レンズとイメージセンサを画像読取装置内の所定位置に固定し、光源とミラーを搭載した第1光学ユニットと、第1光学ユニットからの反射光を反射するミラーを搭載した第2光学ユニットを備え、これらの各光学ユニットを一定速度比で移動させて原稿の走査を行う、いわゆるミラー移動型の画像読取装置にも適用できる。また、密着型イメージセンサ(CIS)を用いた画像読取装置にも適用できる。
【0072】
以上詳しく説明したように、本画像読取装置は、原稿を載置するためのプラテンと、このプラテン上に載置された原稿を移動しながら又は所定の固定位置で停止して原稿の操作を行う走査手段を備え、この走査手段が待機する待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に載置された原稿の走査を開始する基準位置を設け、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があるか否かを検出するようにしたものである。
【0073】
これによって、所定の固定位置で停止させて原稿の走査を行う場合は、走査手段が待機位置から読取走査を行う固定位置までの移動の間に、プラテン上に原稿が載置されているか否かの検出が可能となり、走査手段を移動させながら原稿の走査を行う場合は、走査手段の待機位置からより近い位置に走査を開始する基準位置を設けたので走査開始までの時間を短縮することが可能となったものである。したがって何れの読取方法においても、走査開始までの時間を短縮することが実現したものである。
【0074】
また、原稿を載置するためのプラテンと、前記プラテンに沿って移動可能に支持され、移動して又は所定の固定位置で停止して原稿の走査を行う走査手段と、前記固定位置で停止した前記走査手段と対向する位置に形成された開口部を有する前記プラテンを覆うカバー手段を備えた画像読取装置において、前記走査手段が待機する待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に原稿を載置する際の基準である基準位置を設け、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記開口部を検出したか否かに応じて前記プラテン上に載置された原稿の有無を判断するようにしたものである。
【0075】
これによって、従来より用いられていたプラテンカバー手段に形成されている開口部を用いることで、部品点数及びコストの増加を招くことがなく、原稿の有無の判断を行うことが可能となったものである。さらに、この開口部は原稿の走査を行う走査手段の固定位置と対向する個所に設定されているので、この固定位置により近い個所で検出した信号を用いて原稿の有無を判断できるので、より高い精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取装置の形態例の側面図を示す。
【図2】本発明に係る画像読取装置の原稿読取位置X近傍の拡大図を示す。
【図3】プラテンを上方から見た平面図を示す。
(a)部は、プラテン上に原稿がない状態を示す。
(b)部は、プラテン上に原稿が載置された状態を示す。
【図4】本発明に係る読取装置の制御構成のブロック図を示す。
【図5】本発明に係る原稿を走査する動作を説明するフローチャートを示す。
【図6】従来技術に係る画像読取装置の側面図を示す。
【図7】従来技術に係るプラテンを上方から見た平面図を示す。
【符号の説明】
1 読取装置
2 ADF(自動原稿搬送手段)
3 読取ユニット(走査手段)
4 センサユニット
20 プラテン
37 搬送部(搬送手段)
41 開口部
42 緩衝部材
46 第1カバー部材(カバー手段)
47 第2カバー部材(カバー手段)
51 CPU(判断手段)
PM2、PM3 モータ
W1 第1領域
W2 第2領域
W3 第3領域
W4 領域
H 待機位置
X 移動原稿読取位置(固定位置)
Y 基準位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラテン上に載置された静止原稿の読取と、前記プラテン上を搬送される移動原稿の読取が可能な画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動原稿送り装置(以下、「ADF」という)を備える画像読取装置の多くは、原稿を載置するプラテンと、光源、ミラー、レンズ、イメージセンサ等を搭載して光源によって照射された原稿からの反射光をレンズで集光しイメージセンサで光電変換して走査する移動可能な走査手段とを備え、プラテン上に載置された原稿を読み取る固定原稿読取モードとADFによって搬送される原稿を読み取る移動原稿読取モードの二つの異なる読取モードによる原稿読取が可能である。
【0003】
移動原稿読取モードにおいては、走査手段が、プラテン下方の所定の移動原稿読取位置に静止した状態に位置して、搬送される原稿を走査する。そして、この移動原稿読取位置が固定原稿読取モードのときに原稿を載置するプラテン上の原稿載置領域内に設定されている場合、固定原稿読取モードでの原稿の走査が行われた後原稿の置き忘れによりプラテン上に原稿が載置されたままの状態で移動原稿読取モードの原稿を搬送すると、ADFで搬送される原稿はプラテン上に載置されたままの原稿の上を通過することとなる。このため、ADFにより搬送される移動原稿は、プラテン上に載置された原稿によって光路が遮断されてしまうために読取が行われないという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば特開2001−111790号公報には、図6及び図7に示す画像読取装置が開示されている。
【0005】
図6、7において、当該先行技術に係る画像読取装置200は、原稿を載置するためのプラテン28と、このプラテン面上に原稿を搬送する自動文書フィーダ(ADF14)と、プラテン28上に載置された原稿、又はADF14で搬送される原稿の走査を行う走査手段のキャリッジ34とを備えている。プラテン28は、その面上に載置された原稿を走査するための固定ページ走査領域56が設けられており、さらにこの固定ページ走査領域56内には、ADF14で搬送される原稿を読み取るためのADF走査領域58と、プラテン28上に原稿があるか否かを検出するためのページ検出領域60とを設けている。そして、ADF14はその下部にプラテンを覆うプラテンカバー30を備えており、このプラテンカバー30のページ検出領域56に対向する個所には標識46が設けられている。ここで、プラテン28上に原稿が載置されている場合は、この原稿がページ検出領域60をカバーし、キャリッジ34と標識46との間の光路が遮られるため、標識46は検出できないようになっている。そして、ADF14で搬送される原稿の走査を行う時には、プラテン28上の置き忘れ原稿の有無を検出するために、まず、キャリッジ34でページ検出領域60を走査させる。ここでプラテンカバー30の標識46を検出した場合は、プラテン28上に原稿がないと判断してADF14で原稿を搬送させて通常の走査を行い、標識46を検出できなかった場合にはプラテン28上に原稿があると判断してADF14の原稿搬送を停止するように構成している。また、この公報に具体的な記載はないが、ADFで搬送される原稿の走査を行うキャリッジの固定位置と対向するプラテンカバーの所定個所には、光源からの光及び原稿からの反射光を通過させるための開口が形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この画像読取装置では、図7に示したように、固定ページ走査領域56内に載置された原稿の走査に、キャリッジ34を図中の左から右に向けて移動させて行わせている。このため、仮に、キャリッジ34の待機位置(ホームポジション)が、固定ページ走査領域56よりも左側に設定されている場合、ADF14で搬送されている原稿を読み取る際、ページ検出領域60を走査するため、一旦矢印R方向に走査手段を移動させてページ検出領域60を走査した後、逆向きQ方向に移動させてADF走査領域58に移動させる必要があり、走査開始までに所定の時間を必要とする。また、キャリッジ34の待機位置がADF走査領域58内や、当該領域よりも図中右側(ページ検出領域60側)に設定されている場合には、走査開始までの時間は短縮することができるが、固定ページ走査領域56内に載置された原稿の走査開始までに所定の時間を要してしまう。
【0007】
本発明は、搬送されている原稿を走査手段を固定させて走査する移動原稿読取モードとプラテン上に載置された原稿を走査手段を移動させて走査する固定原稿読取モードの何れの読取モードにおいても、走査手段による原稿の走査開始までの時間を短縮することが可能な画像読取装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明に係わる画像読取装置は、請求項1の記載によれば、原稿を載置するためのプラテンと、このプラテンに沿って移動可能に支持され、移動して又は所定の固定位置で停止して原稿の走査を行う走査手段とを備え、前記走査手段が待機する所定の待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に載置された原稿の走査を開始する基準位置を設け、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があるか否かを検出することを特徴としている。
【0009】
これにより、本画像読取装置は、走査手段を待機位置から移動原稿読取位置まで移動している間に前記プラテン上に原稿が載置されているか否かを検出できるので、移動原稿読取モード時の走査開始までの時間を短縮することが可能となる。また、固定原稿読取モード時においては、移動原稿読取位置よりも待機位置に近い個所に原稿の走査を開始する基準位置を設けたので、走査開始までの時間を短縮することを可能としており、何れの読取モードにおいても走査手段による原稿の走査開始までの時間を短縮することが可能になったのである。
【0010】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項2の記載によれば、前記プラテン上に原稿を搬送する自動原稿搬送手段を備え、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があると検出した場合は、前記自動原稿搬送手段により原稿の搬送を停止することを特徴としている。
【0011】
これにより、原稿を搬送しているにもかかわらず原稿の走査ができないという、無駄な動作を防止することができる。
【0012】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項3の記載によれば、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があると検出した場合は、異常を知らせるための信号を出力することを特徴としている。
【0013】
これにより、操作者に対して原稿が載置されたままであることを警告音及び/又はディスプレイ表示によって知らせ、プラテン上の原稿を取り除くことを促すことができる。
【0014】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項4の記載によれば、前記プラテンを覆い前記基準位置と前記固定位置との間に画像が形成されたカバー手段を備え、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査し、前記カバー手段に形成された画像の検出の有無によって前記プラテン上に載置された原稿の有無を検出することを特徴としている。
【0015】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項5の記載によれば、原稿を載置するためのプラテンと、前記プラテンに沿って移動可能に支持され、移動して又は所定の固定位置で停止して原稿の走査を行う走査手段と、前記固定位置で停止した前記走査手段と対向する位置に形成された開口部を有する前記プラテンを覆うカバー手段を備えた画像読取装置において、前記走査手段が待機する待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に原稿を載置する際の基準である基準位置を設け、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記開口部を検出したか否かに応じて前記プラテン上に載置された原稿の有無を判断することを特徴としている。
【0016】
こうすることで、請求項1に記載の画像読取装置と同様に、移動原稿読取モード及び固定原稿読取モードの何れの読取モード時においても走査手段による原稿の走査開始までの時間を短縮することが可能になったのである。さらに、従来の画像読取装置が備えているカバー手段に形成されている開口部を検出することにより原稿の有無を検出するようにしたので、部品点数の増加やコストの上昇を招くことなく、より精度良く原稿の有無を検出できるようにしたものである。
【0017】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項6の記載によれば、前記プラテンカバー手段を有し、原稿を前記プラテン上に搬送する搬送手段を備え、前記開口部を検出しない場合は前記プラテン上に載置された原稿があることを判断し、前記搬送手段による原稿の搬送を停止させるための信号を出力することを特徴としている。
【0018】
こうすることで、原稿を搬送しているにもかかわらず原稿の走査ができないという、無駄な動作を防止することができる。
【0019】
また、この発明に係わる画像読取装置は、請求項7の記載によれば、原稿を載置するためのプラテンと、このプラテンに沿って移動可能に支持され、所定の待機位置から所定の固定位置まで移動しこの移動の間に前記プラテンを走査した後、前記固定位置で停止して原稿の走査を行う読取モード、又は前記待機位置と前記固定位置の間に設定された基準位置を基準に載置された原稿の走査を前記プラテンに沿って移動しながら行う読取モードの何れかの読取モードで原稿の走査を行う走査手段と、前記待機位置から前記固定位置までの移動の間のプラテン走査によって得られた信号から前記プラテン上に原稿があるか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像読取装置の実施の形態例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る画像読取装置Aは、給紙トレイ11上に載置された原稿を搬送するためのADF2と読取装置1を備えている。読取装置1は、コピー機やプリンタ等の画像形成装置100に接続され、読取装置1は、ADF2により搬送される移動原稿の走査を行う移動原稿読取モードと、プラテン上に載置された原稿の走査を行う固定原稿読取モードとの二つのモードで走査ができるように構成されている。
【0022】
ADF2は、読取装置1上面のプラテン面を開閉するように読取装置1に対してヒンジ手段により開閉自在に取り付けられている。
【0023】
読取装置1は、箱状のケーシング9を有し、このケーシング9の上面21には、透明な板状のガラス等で構成されたプラテン20が取り付けられている。
【0024】
プラテン20の(図1中)左端部近傍には固定原稿読取モードで読み取る原稿を載置する際に基準となる基準位置Yが設定されており、ケーシング9で形成された段差に原稿の端部を突き当てて、基準位置Yに原稿の端部を合わせるように原稿を載置する。
【0025】
ケーシング9内には、原稿を走査する(読み取る)ための読取ユニット3(走査手段)が収容されており、この読取ユニット3は、プーリやタイミングベルト等一般の駆動伝達手段を介して、正逆転可能なパルスモータで構成されるモータPM1の駆動により図中点線で示す待機位置Hからプラテン20の右端近傍までケーシング9の上面21(及びプラテン20)に沿って移動可能に支持されている。また、ケーシング9内には、待機位置Hに読取ユニット3が到達したことを検出する待機位置センサ90と、読取装置1全体を制御するための制御基板13が配設されている。
【0026】
読取ユニット3には、原稿に光を照射するための光源7と、原稿から反射された画像光を反射するためのミラー(反射手段)6と、このミラー6を介して入射した画像光を集光し結像するレンズ(集光手段)10と、このレンズ10の結像位置に配設され画像光を光電変換するCCDなどからなるイメージセンサが設置されたセンサユニット4と、このセンサユニット4が支持されアナログデジタル変換(A/D変換)素子などが取り付けられたセンサ基板14とが支持されている。
【0027】
光源7で照射された原稿からの画像光は、ミラー6で反射された後、レンズ10でセンサユニット4のイメージセンサ上に集光結像され光電変換される。イメージセンサにより出力されたアナログ信号は、センサ基板14上でデジタル信号に変換された後、ケーブル22を介して制御基板13に送信され、この制御基板13上でライン間補正等の画像処理が施されて画像形成装置100に転送される。
【0028】
原稿の走査において、固定原稿読取モードの場合は、読取ユニット3を待機位置Hから図中右方向に移動させ、原稿走査開始位置である基準位置Yに読取ユニット3が位置したときにセンサユニット4(各イメージセンサ)を駆動させて原稿の走査を開始し、原稿の長さに応じた距離だけ読取ユニット3を移動させながら原稿の走査を行う。
【0029】
移動原稿読取モードの場合は、読取ユニット3を移動させて移動原稿読取位置(固定位置)Xに固定してADF2で移動原稿読取位置Xに搬送される原稿の走査を行う。
【0030】
待機位置H、基準位置Y、移動原稿読取位置Xは、待機位置Hと移動原稿読取位置Xの間に基準位置Yが設定された位置関係となっている。
【0031】
なお、待機位置Hは、画像読取装置1の電源が切られているとき、及び電源が投入されているが原稿の走査を行っていないとき(待機時)等に読取ユニット3を保持している位置である。
【0032】
また、基準位置Yと移動原稿読取位置Xとの間の距離は、読み取られる原稿のうち最小原稿の長さよりも短く設定されている。したがって、基準位置Yを基準にプラテン20上に原稿を載置すると、移動原稿読取位置Xのプラテン20は、この原稿によって覆われてしまうようになっている。
【0033】
次に、ADF2は、複数の原稿を載置するための給紙トレイ11と、この給紙トレイ11に載置された原稿を給送する搬送部37と、搬送経路35を搬送されながらプラテン20の上方で読み取られた原稿を収容する排紙トレイ12と、給紙トレイ11上の原稿の有無を検出するエンプティセンサ91と、給送されてきた原稿の先端を検出する先端検知センサ92と、搬送部37を駆動するモータPM2、PM3とを備えている。
【0034】
搬送部37は、給紙トレイ11上に載置された原稿を繰出すピックアップローラ30と、このピックアップローラ30により繰出された原稿を一枚に分離し給送する給紙ローラ31と、給送された原稿の斜行の修正を行うと共に、さらに、下流側に搬送するレジストローラ対32と、原稿をプラテン20に向けて搬送する第1搬送ローラ33と、第2搬送ローラ34と、読み取られた原稿を排紙トレイ12に向けて搬送する排紙ローラ対36とで構成されている。
【0035】
給紙ローラ31、ピックアップローラ30及びレジストローラ対32は、ギヤやプーリなどの公知の駆動伝達手段を介してモータPM2の駆動により回転駆動される。第1搬送ローラ33、第2搬送ローラ34、及び排紙ローラ36は、ギヤやプーリなどの公知の駆動伝達手段を介してモータPM3で回転駆動される。
【0036】
また、ADF2の底面には、ADF2を読取装置1に対して閉じた時にプラテン20に対する衝撃を緩衝するために、スポンジ等で構成された緩衝部材42が取り付けられている。この緩衝部材42には、均一な白色シートで構成されたプラテン20の一部を覆う第2カバー部材47が取り付けられている。また、原稿を搬送する搬送経路を形成しているガイド部材48は、均一な白色シートで構成され、プラテン20の図中左側一部を覆う第1カバー部材46とを備えている。
【0037】
図2は、ADF2と読取装置1の移動原稿読取位置X近傍の拡大図を示す。
【0038】
ADF2には、原稿が搬送される搬送経路35を形成しているガイド部材48、49が配設され、このガイド部材48、49の上面を覆うように、透明なシートで形成されるガイドシート55が掛け渡されている。さらに、ガイド部材48、49の間には、ガイドシート55の上方面と接する位置にガイド部材45が配設され、このガイド部材45の下方面は均一な白色面となっている。
【0039】
そして、給紙トレイ11から給/搬送されてきた原稿は、第1、第2搬送ローラ33、34の回転により、ガイドシート55の上面に沿って搬送され、ガイド部材45とガイドシート55との間の搬送経路を通過した後、排紙ローラ36の回転により排紙トレイ12上に排出される。
【0040】
このように、ADF2で搬送される原稿は、プラテン20に接することなくプラテン20の上方を搬送されるようになっている。
【0041】
また、ガイド部材48の下面には、基準位置Yから移動原稿読取位置X近傍までのプラテン20面を覆っている第1カバー部材46が取り付けられている。この第1カバー部材46の図中左側上面はガイド部材48に固定され、他方の図中右側面は固定されていない自由端となっており、この先端はプラテン20の上面に接している。
【0042】
また、緩衝部材42に取り付けられた第2カバー部材47は、プラテン20の上面に接した状態でプラテン20を覆っている。
【0043】
さらに、第1カバー部材46と第2カバー部材47との間には、何れのカバー部材でもプラテン20面を覆っていない開口部41があり、この開口部41を介して、移動原稿読取位置Xに固定された読取ユニット3によって、ADF2で搬送されている原稿の走査を行うことができるようになっている。開口部41の幅(図中左右方向、原稿搬送方向の長さ)は、光源7からの光及び原稿で反射され読取ユニット3に入射する反射光(画像光)が通過でき、かつ、原稿の有無を検出する走査においてこの開口部41を確実に検出できる程度の長さが必要で、本実施例では5mm程度としている。
【0044】
なお、固定原稿読取モードで読み取るためにプラテン20上に載置された原稿は、第1、第2カバー部材46、47とプラテン20との間に挟まれた状態で保持され、この原稿によって開口部41が覆われてしまう。そのため、仮に、プラテン20上に原稿が載置された状態(置き忘れられた状態)で移動原稿読取モードにより原稿の走査を行っても、光源7からの光がプラテン上に載置された原稿で遮られてしまい、ADF2で搬送されている原稿に光が当らないため当該原稿の走査を行うことはできない。
【0045】
ここで、本発明の読取装置におけるプラテン20上に載置された原稿を検出するための構成について説明する。図3は、読取装置1のプラテン20を上方から見た平面図を示す。図3(a)は、プラテン20上に原稿がない状態を示す。図3(b)は、プラテン上に原稿Pが載置された状態を示している。
【0046】
図中の符号W1は、第1カバー部材46で覆われた第1領域、符号W2は、第2カバー部材47で覆われた第2領域、符号W3は、開口部41に対向し、何れのカバー部材にも覆われていない第3領域である。
【0047】
プラテン20上に原稿が無い状態で読取ユニット3を移動させプラテン20の走査を行うと、第1、第2領域W1、W2においては各カバー部材を走査することとなり、第3領域W3においてはガイド部材45を走査することとなる。
【0048】
走査において、ガイド部材45は、第1、第2カバー部材46、47に比較してプラテン20面から離れているので、第3領域W3で各センサに入射する光は、第1、第2領域W1、W2で各センサに入射する光に比較し輝度が小さくなる。そのため、第3領域W3で各センサに入射された光に対応して出力される信号は、第1、第2領域W1、W2で各センサに入射された光に対応して出力される信号に比較して低くなり、この信号の差によって開口部41を検出することができる。
【0049】
よって、プラテン20上に原稿がない場合は、読取ユニット3を待機位置Hから移動原稿読取位置Xまで移動させながら、プラテン20を走査させることで、第3領域の図中左側領域W3a全面で開口部41を検出することができる。
【0050】
図3(b)に示すように、プラテン20上に原稿Pが載置されると、領域W3の少なくとも一部が原稿Pにより覆われてしまうため、読取ユニット3を待機位置Hから移動原稿読取位置Xまで移動させながらプラテン20を走査させても、開口部41の一部を検出することができない。
【0051】
例えば、領域W3の図中左側領域W3a中に原稿サイズに関わらず確実に原稿で覆われてしまう領域W4(点線で示す)を設定し、この領域W4で開口部41が検出された場合はプラテン20上に原稿が載置されておらず、開口部41が検出されない場合は、プラテン20上に原稿が載置された状態と判断することができる。なお、この領域W4の大きさは、開口部41の少なくとも一部の検出によって原稿の有無の判断ができれば特に制約はないが、領域が大きいと原稿の有無の判断に時間がかかってしまい小さいと精度を欠くため、適度な広さを設定すればよい。また、この領域W4の位置は、例えばプラテン20上に載置する原稿の基準位置(主走査方向における原稿の基準位置、例えばセンター基準)などの読取装置の設計内容やADF2の原稿搬送経路の設計内容等に応じて任意に設定することができる。
【0052】
上記したように、本実施の形態例においては、読取ユニット3の移動原稿読取位置Xの近傍で得られた信号により原稿の有無を判断することで、移動原稿読取モードにおける走査を妨げる原稿をより精度よく検出することができる。また、従来より用いられていたプラテンカバーに形成されている開口部を用いることにより、部品点数、コストの増加を招くことがない。
【0053】
ここで、本発明における読取装置1の制御装置の構成について図に基づいて説明する。
【0054】
図4は、画像読取装置Aの制御装置の構成例のブロック図を示す。図4において、CPU(判断手段)51はバスライン50を通して、モータドライバ54、ADF制御部55、センサ基板14、画処理部57、インタフェース58、インバータ59と接続され、さらに、インタフェース58を介して画像形成装置100と接続されている。この画像形成装置100には図示しない、CPU51、ROM52、RAM53、さらに移動原稿読取モードや固定原稿読取モードなどの走査モードを選択するモード選択キーやスタートスイッチなどを有する操作部61とを備えている。また、CPU51にはROM52とRAM53が接続されており、ROM52の所定領域には読取装置1を制御するプログラムが記憶されており、RAM53は、画像データ等を一時的に記憶するために用いられている。
【0055】
CPU51は、インバータ59を駆動させて光源7を点灯させ、この光源7で照射された原稿からの画像光をセンサユニット4を駆動させてアナログ信号に変換し、A/Dコンバータ56でデジタル信号に変換した後、画処理部57でライン間補正やガンマ補正などの画処理を施し、インタフェース58を介してデジタルデータ(画像データ)として画像形成装置100に転送する。
【0056】
また、CPU51はモータドライバ54を駆動して、モータPM1を動作させることで、読取ユニット3を移動させる。さらに、CPU51は、ADF制御部55、モータドライバ60、61を介してADF2に配設されたエンプティセンサ91、先端検知センサ92からの信号に応じてモータPM2、3を駆動させて搬送部37を動作させて原稿の搬送を行う。
【0057】
さらに、本発明の画像読取装置Aにおける読取動作をフローチャートに基づいて説明する。
【0058】
図5は、原稿を走査する動作を説明するフローチャートを示す。
【0059】
まず、操作者によって走査する原稿を給紙トレイ11上又はプラテン20上にセットした後、画像形成装置100の操作部61を介して、スタートキーが押されると画像走査ルーチンがスタートする。
【0060】
まずCPU51は、エンプティセンサ91が「ON」か、否かを判断し(ステップS1)、肯定判断の時(エンプティセンサ91が「ON」で、給紙トレイ11上に原稿が載置された状態)は、ADF2で搬送されている原稿を読み取る移動原稿読取モードで原稿の走査を行い、否定判断の時(エンプティセンサ91が「OFF」で、給紙トレイ11上に原稿が載置されていない状態)は、プラテン20上に載置された原稿を読取ユニット3を移動しつつ走査する固定原稿読取モードになる。
【0061】
本実施例では、移動原稿読取モードと固定原稿読取モードとの走査モードの切り替をエンプティセンサ91の信号によって行ったが、画像形成装置100の操作部61で選択するようにしても、又は、読取装置1に走査方式の選択を行える操作部を設け、この操作部を介して選択するようにしてもよい。
【0062】
移動原稿読取モードではまず、モータPM1を駆動させ、待機位置Hで待機している読取ユニット3の移動を開始する(ステップS2)。そして、センサユニット4を駆動させ、移動しながらプラテン20の走査を行う(ステップS3)。読取ユニット3が移動原稿読取位置Xまで移動した後、モータPM1の駆動を停止させ、読取ユニット3の移動が終了する。読取ユニット3は移動原稿読取位置Xで停止する(ステップS4)。
【0063】
そして、CPU51は、待機位置Hから移動原稿読取位置Xまでの移動の間に行ったプラテン20の走査によって得られた信号を用いて、例えば領域W4で得られた信号を用いて、開口部41を検出したか否か(プラテン20上に原稿があるか否か)の判断をする(ステップS5)。
【0064】
否定判断の場合、すなわち開口部41が検出できなかった場合は、プラテン20上に原稿が載置されていると判断し、その旨の信号、つまり原稿が載置されていることを知らせる信号(以下、「異常信号」という)を出力する(ステップS6)。
【0065】
この異常信号を受けて、画像読取装置は、例えば、画像形成装置100の操作部61のパネルを介してプラテン上に原稿が載置されている旨を操作者に知らせ、原稿を取り除くよう促すことができる。そして、ADF2に原稿の搬送を停止させる信号を出力し、ADF制御部55を介してADF2の原稿搬送を停止させ(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0066】
ステップ5において肯定判断(開口部41を検出)した場合は、プラテン20上に原稿がないこと判断したこととなる。CPU51は、ADF制御部55、モータドライバ60、61を介してPM2、PM3を駆動させて原稿の搬送を行い、先端検知センサ92が原稿の先端を検知してから所定時間後、センサユニット4を駆動させて原稿の走査を行う(ステップS8)。そして、原稿の走査が終了したら、モータPM1を逆回転駆動させて読取ユニット3を待機位置Hまで移動させる。待機位置センサ90で読取ユニット3が検出された後、モータPM1の駆動を停止して、一連の動作が終了する。
【0067】
次に、ステップS1で否定判断がされた場合、すなわち操作者によって原稿がプラテン20上に載置され、読取ユニット3を移動させつつ原稿を走査する固定原稿読取モードの場合について説明する。
【0068】
まず、モータドライバ54を介してモータPM1を駆動させて、待機位置Hで待機している読取ユニット3を、図1中右方向(移動原稿読取位置X方向)に移動させる(ステップS9)。そして、読取ユニット3が基準位置Yに達するタイミングでセンサユニット4を駆動させて原稿の走査を開始し、原稿の長さに応じた距離移動しながら走査を行う(ステップS10)。そして、走査が終了したらモータPM1の駆動を停止して読取ユニット3の移動を終了させる。そしてモータPM1を逆回転駆動させて読取ユニット3を待機位置Hまで移動させる。待機位置センサ90で読取ユニット3が検出されたらモータPM1の駆動を停止して、一連の動作が終了する。
【0069】
さらに、本実施の形態例では、プラテン20をカバーするカバー手段に形成した開口部41を検出することで原稿の有無を検出するようにしたが、第1カバー部材46に走査手段で走査できる画像を形成し、この画像を検出したか否かにより原稿の有無を検出するようにしてもよい。
【0070】
また、本実施の形態例では、上位装置の画像形成装置100に接続された画像読取装置Aの例を示したが、ファックスや、パーソナルコンピュータに接続して使用されるスキャナ、さらに複写機などに接続された画像読取装置にも適用できる。
【0071】
さらにまた、本実施の形態例では、光源、ミラー、レンズ、イメージセンサ等が収容された一体型の読取ユニットの例を示したが、レンズとイメージセンサを画像読取装置内の所定位置に固定し、光源とミラーを搭載した第1光学ユニットと、第1光学ユニットからの反射光を反射するミラーを搭載した第2光学ユニットを備え、これらの各光学ユニットを一定速度比で移動させて原稿の走査を行う、いわゆるミラー移動型の画像読取装置にも適用できる。また、密着型イメージセンサ(CIS)を用いた画像読取装置にも適用できる。
【0072】
以上詳しく説明したように、本画像読取装置は、原稿を載置するためのプラテンと、このプラテン上に載置された原稿を移動しながら又は所定の固定位置で停止して原稿の操作を行う走査手段を備え、この走査手段が待機する待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に載置された原稿の走査を開始する基準位置を設け、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があるか否かを検出するようにしたものである。
【0073】
これによって、所定の固定位置で停止させて原稿の走査を行う場合は、走査手段が待機位置から読取走査を行う固定位置までの移動の間に、プラテン上に原稿が載置されているか否かの検出が可能となり、走査手段を移動させながら原稿の走査を行う場合は、走査手段の待機位置からより近い位置に走査を開始する基準位置を設けたので走査開始までの時間を短縮することが可能となったものである。したがって何れの読取方法においても、走査開始までの時間を短縮することが実現したものである。
【0074】
また、原稿を載置するためのプラテンと、前記プラテンに沿って移動可能に支持され、移動して又は所定の固定位置で停止して原稿の走査を行う走査手段と、前記固定位置で停止した前記走査手段と対向する位置に形成された開口部を有する前記プラテンを覆うカバー手段を備えた画像読取装置において、前記走査手段が待機する待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に原稿を載置する際の基準である基準位置を設け、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記開口部を検出したか否かに応じて前記プラテン上に載置された原稿の有無を判断するようにしたものである。
【0075】
これによって、従来より用いられていたプラテンカバー手段に形成されている開口部を用いることで、部品点数及びコストの増加を招くことがなく、原稿の有無の判断を行うことが可能となったものである。さらに、この開口部は原稿の走査を行う走査手段の固定位置と対向する個所に設定されているので、この固定位置により近い個所で検出した信号を用いて原稿の有無を判断できるので、より高い精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取装置の形態例の側面図を示す。
【図2】本発明に係る画像読取装置の原稿読取位置X近傍の拡大図を示す。
【図3】プラテンを上方から見た平面図を示す。
(a)部は、プラテン上に原稿がない状態を示す。
(b)部は、プラテン上に原稿が載置された状態を示す。
【図4】本発明に係る読取装置の制御構成のブロック図を示す。
【図5】本発明に係る原稿を走査する動作を説明するフローチャートを示す。
【図6】従来技術に係る画像読取装置の側面図を示す。
【図7】従来技術に係るプラテンを上方から見た平面図を示す。
【符号の説明】
1 読取装置
2 ADF(自動原稿搬送手段)
3 読取ユニット(走査手段)
4 センサユニット
20 プラテン
37 搬送部(搬送手段)
41 開口部
42 緩衝部材
46 第1カバー部材(カバー手段)
47 第2カバー部材(カバー手段)
51 CPU(判断手段)
PM2、PM3 モータ
W1 第1領域
W2 第2領域
W3 第3領域
W4 領域
H 待機位置
X 移動原稿読取位置(固定位置)
Y 基準位置
Claims (7)
- 原稿を載置するためのプラテンと、
このプラテンに沿って移動可能に支持され、移動して又は所定の固定位置で停止して原稿の走査を行う走査手段とを備え、
前記走査手段が待機する所定の待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に載置された原稿の走査を開始する基準位置を設け、
前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があるか否かを検出することを特徴とする画像読取装置。 - 前記プラテン上に原稿を搬送する自動原稿搬送手段を備え、前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があると検出した場合は、前記自動原稿搬送手段による原稿の搬送を停止することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
- 前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記プラテン上に載置された原稿があると検出した場合は、異常を知らせるための信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
- 前記プラテンを覆い前記基準位置と前記固定位置との間に画像が形成されたカバー手段を備え、
前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査し、前記カバー手段に形成された画像の検出の有無によって前記プラテン上に載置された原稿の有無を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 原稿を載置するためのプラテンと、
前記プラテンに沿って移動可能に支持され、移動して又は所定の固定位置で停止して原稿の走査を行う走査手段と、
前記固定位置で停止した前記走査手段と対向する位置に形成された開口部を有する前記プラテンを覆うカバー手段を備えた画像読取装置において、
前記走査手段が待機する待機位置と前記固定位置との間に、前記プラテン上に原稿を載置する際の基準である基準位置を設け、
前記走査手段が前記待機位置から前記固定位置まで移動して走査することにより、前記開口部を検出したか否かに応じて前記プラテン上に載置された原稿の有無を判断することを特徴とする画像読取装置。 - 前記プラテンカバー手段を有し、前記プラテン上に原稿を搬送する搬送手段を備え、
前記開口部を検出しない場合は前記プラテン上に載置された原稿があることを判断し、前記搬送手段による原稿の搬送を停止させるための信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。 - 原稿を載置するためのプラテンと、
このプラテンに沿って移動可能に支持され、所定の待機位置から所定の固定位置まで移動しこの移動の間に前記プラテンを走査した後、前記固定位置で停止して原稿の走査を行う読取モード、又は前記待機位置と前記固定位置の間に設定された基準位置を基準に載置された原稿の走査を前記プラテンに沿って移動しながら行う読取モードの何れかの読取モードで原稿の走査を行う走査手段と、
前記待機位置から前記固定位置までの移動の間のプラテン走査によって得られた信号から前記プラテン上に原稿があるか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴とする画像読取装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013183232A (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-12 | Kyocera Document Solutions Inc | 画像読取装置、画像形成装置 |
JP2016192723A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置 |
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-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002212721A patent/JP2004054030A/ja active Pending
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