先ず、本願発明に係る光学素子保持装置30を備える投影レンズ機構20を用いる露光装置10の概略的な構成について説明する。図1は、本願発明に係る露光装置の一例としての露光装置10の構成を模式的に示す説明図である。図2は、投影レンズ機構20の構成を模式的に示す斜視図である。
露光装置10は、図1に示すように、光軸方向に沿って出射側から順に、光源11と、コールドミラー12と、露光シャッタ13と、紫外線バンドパスフィルタ14と、インテグレータレンズ15と、コリメータレンズ16と、平面鏡17と、マスクステージ18と、マスクブラインド19と、投影レンズ機構20と、歪補正部21と、投影露光ステージ22と、を有する。この露光装置10は、露光光として紫外線を用いている。
光源11は、露光に用いる露光光としての紫外線の照射のために設けられており、本実施例では、水銀ランプ11aが楕円反射鏡(楕円鏡)11bの第1焦点位置に配置されて構成されている。この光源11(その水銀ランプ11a)は、後述する制御部24による制御下で点灯および消灯される。光源11では、水銀ランプ11aから出射された出射光を、楕円反射鏡11bに反射してコールドミラー12へと進行させる。
コールドミラー12は、入射した光のうち、赤外領域の熱線を透過させるとともに他の波長帯域の光を反射するものであり、入射した光から赤外領域の熱線を分離することができる。このため、光源11からの出射光は、コールドミラー12により赤外領域の熱線が分離されて、露光シャッタ13もしくは紫外線バンドパスフィルタ14へと進行する。
その露光シャッタ13は、コールドミラー12により反射された出射光の透過および遮断の切り替えを可能とすべく、コールドミラー12から紫外線バンドパスフィルタ14へと向かう光路上に出し入れ自在とされている。この露光シャッタ13は、光路上から退避されると後述するように対象ワーク23の露光を可能とし、光路上に位置されると後述する対象ワーク23の露光を停止させる。この露光シャッタ13は、後述する照明系移動機構25(制御部24)による制御下で後述する照明光路に対して出し入れされる。
紫外線バンドパスフィルタ14は、入射した光のうち紫外線のみの透過を許すものであり、本実施例では、波長365nmの水銀のスペクトル線であるi線の透過を許すi線バンドパスフィルタにより構成されている。このため、コールドミラー12により反射された出射光は、紫外線バンドパスフィルタ14により紫外線(i線)の波長帯域のみの光(実際には、i線の波長帯域の近傍の強度が高い光)とされて、インテグレータレンズ15へと進行する。なお、i線以外にも、h線、i線とh線の組み合わせ、またはその間の波長を利用することができる。
インテグレータレンズ15は、入射した光の照度ムラを打ち消して、照射面において周辺部まで均一で明るい照度分布とする。このため、紫外線バンドパスフィルタ14を経て紫外線(i線)の波長帯域のみの光とされた入射光は、インテグレータレンズ15により均一な照度分布とされてコリメータレンズ16へと進行する。なお、このインテグレータレンズ15と紫外線バンドパスフィルタ14とは、配置を逆転させても同様の作用を得ることができる。
コリメータレンズ16は、入射した光を平行光(光束)として出射する。このため、インテグレータレンズ15を経て均一な照度分布とされた出射光は、コリメータレンズ16により平行光とされて平面鏡17へと進行し、その平面鏡17により反射されてマスクステージ18へと進行する。
マスクステージ18は、パターンが形成されたマスク18aを、平面鏡17により反射された出射光の光路上に位置させつつ当該光路の光軸に直交する方向に移動可能に保持する。また、マスクステージ18は、図示は略すが、マスク18aの取り外しが可能とされており、マスク18aとは異なるパターンが形成されたマスクへの交換が可能とされている。マスク18aを含む交換対象とされる各マスクでは、図示は略すが複数のマスク側アライメントマークが設けられている。このため、平面鏡17により反射された出射光は、マスク18aを透過することにより、マスク18aに形成されたパターンの形状に応じたもの(パターンの像)とされて投影レンズ機構20へと進行する。
このことから、露光装置10では、光源11から、コールドミラー12、露光シャッタ13、紫外線バンドパスフィルタ14、インテグレータレンズ15、コリメータレンズ16および平面鏡17を経る光路が、マスク18aを露光光としての紫外線(i線)で照射するための照射光学系1(照明系)として機能する。この照射光学系1は、照明系移動機構25により、マスクステージ18(そこに設けられたマスク)に対して、その平面に沿う方向(後述するX−Y平面に沿う方向)への移動が可能とされている。すなわち、照明系移動機構25は、マスクステージ18(そこに設けられたマスク)に対して、照射光学系1を後述するX軸方向およびY軸方向へと適宜移動させることができる。この照明系移動機構25は、後述する制御部24による制御下で駆動される。
このマスクステージ18と投影レンズ機構20との間に、マスクブラインド19が設けられている。マスクブラインド19は、マスク18aを経た出射光の光路上に進退自在に設けられており、マスク18aのマスクパターンのうち所望の領域のみのパターンの像(以下、マスクパターン像ともいう)を、投影露光ステージ22に載置された後述する対象ワーク23上に適切に形成すべく、マスク18aのマスクパターンに応じて適宜光路上に進出される。このマスクブラインド19では、マスクブラインド駆動機構26により、マスクステージ18に設けられたマスク(18a等)に対して、その平面に沿う方向(後述するX−Y平面に沿う方向)への移動が行われる。このマスクブラインド駆動機構26は、後述する制御部24による制御下で駆動される。このことから、露光装置10では、マスクブラインド19およびマスクステージ18が、マスク(18a等)に対して、照射光学系1からの露光光により照明される領域を設定するマスクステージ機構2として機能する。
投影レンズ機構20は、投影露光ステージ22上の後述する対象ワーク23に、マスク18aに形成されたパターンを適切に露光するためのものであり、マスクステージ18に保持されたマスク18aのマスクパターン像を、適宜変倍して投影露光ステージ22に載置された後述する対象ワーク23の表面に形成する。すなわち、投影レンズ機構20は、投影露光ステージ22に載置された状態の対象ワーク23の表面を結像面として、当該結像面とマスク18aとを光学的に共役な位置関係としている。露光装置10では、上述したように、露光光として紫外線(i線)を用いることから、投影レンズ機構20は、露光光である紫外線(i線)に対して高精度に収差補正されて設定されている。
このため、投影レンズ機構20は、マスク18aを透過した出射光が入射されると、そのマスク18aのマスクパターン像を投影露光ステージ22上の結像面(後述する対象ワーク23上)に適切に形成する。また、投影レンズ機構20では、この投影露光ステージ22上におけるマスクパターン像の大きさ寸法の調節のために、倍率補正することが可能とされている。この投影レンズ機構20における倍率補正(変倍)のための機構(光学素子保持装置30)に関しては、後に詳細に説明する。また、投影レンズ機構20における倍率補正(変倍)の調整は、その投影レンズ機構20に並列されて設けられた投影レンズ駆動制御部27の制御下で行われる。この投影レンズ駆動制御部27は、後述する制御部24からの制御信号に基づき後述する光学素子保持装置30を適宜制御する。
その投影レンズ機構20と投影露光ステージ22との間に、歪補正部21が設けられている。歪補正部21は、投影露光ステージ22上に載置される後述する対象ワーク23における歪みに応じて、投影露光ステージ22上の結像面に形成するマスクパターン像を変形させる。この歪補正部21は、光路に直交する面で見て、任意の方向での倍率を適宜変化させることにより、結像面でのマスクパターン像を任意の方向に伸縮させて、当該マスクパターン像を変形させる。歪補正部21は、例えば、光路方向に複数枚のガラス板を並列し、各ガラス板を適宜湾曲させたり回転させたりする構成とすることで、実現することができる。歪補正部21では、歪補正駆動機構28により任意の方向での倍率を適宜変化させるべく作動される。この歪補正駆動機構28は、後述する制御部24による制御下で駆動される。
このように、露光装置10では、マスクブラインド19、投影レンズ機構20および歪補正部21が、所定のパターンが形成されたマスク18aを透過した露光光としての紫外線を、投影露光ステージ22上の結像面(後述する対象ワーク23上)にマスクパターン像として結像させる投影光学系として機能する。このため、マスクブラインド19、投影レンズ機構20および歪補正部21における光軸が投影光軸PAとなる。
投影露光ステージ22は、マスクパターンの露光のために対象ワーク23が載置される。この投影露光ステージ22は、載置される対象ワーク23の表面を投影レンズ機構20の結像面に一致させて対象ワーク23を保持することができるとともに、保持した対象ワーク23を投影光路に直交する面に沿って移動させることが可能とされている。この投影露光ステージ22による対象ワーク23の保持は、吸着によるものであってもよく、保持爪によるものであってもよい。投影露光ステージ22における対象ワーク23の保持および移動は、本実施例では、後述する制御部24により投影露光ステージ22の内方に設けられたステージ駆動機構29が制御されることで行われる。なお、投影露光ステージ22における対象ワーク23の保持および移動は、手動により行うものであってもよい。本実施例では、対象ワーク23は、プリアライメントされた状態で投影露光ステージ22上に載置される。
その対象ワーク23は、シリコンウエハやガラス基板やプリント基板等に、紫外線(i線)に対して光反応するフォトレジスト等の感光材料が塗布または張り付けられて形成されている。このため、対象ワーク23は、紫外線(i線)の照射により露光可能とされている。対象ワーク23には、図示は略すが、上述した複数のマスク側アライメントマークと一対一で対応されて、複数のワーク側アライメントマークが設けられている。
この露光装置10では、照射光学系1において、光源11から出射された出射光が、コールドミラー12、紫外線バンドパスフィルタ14、インテグレータレンズ15、コリメータレンズ16および平面鏡17を経て、マスクステージ18へと到達することにより、マスクステージ18に保持されたマスク18aを紫外線(i線)で一様に照射する。すると、露光装置10では、投影光学系すなわちマスクブラインド19、投影レンズ機構20および歪補正部21の機能により、投影露光ステージ22上の結像面に、紫外線(i線)によるマスクパターン像が適切に形成される。このことから、露光装置10では、対象ワーク23を結像面に沿う適切な位置とすることにより、対象ワーク23の適切な位置にマスクパターン像を露光することができる。このため、露光装置10では、投影露光ステージ22が、マスク(18a等)に対して、対象ワーク23の位置を調整する位置調整機構3として機能する。
このマスクパターン像に対する対象ワーク23の位置、すなわち光学的に投影光学系(主に、投影レンズ機構20)を経たマスク18aに対する対象ワーク23の位置は、制御部24の制御下で投影露光ステージ22が保持する対象ワーク23を結像面上で適宜移動させることにより、調整する(アライメントする)ことができる。また、露光装置10では、投影レンズ機構20で適切な倍率に調整する(倍率調整)とともに歪補正部21で適切に歪補正することにより、投影露光ステージ22上の対象ワーク23に対するマスクパターン像の大きさを適切なものとすることができ、対象ワーク23にマスクパターン像を適切に露光することができる。
制御部24は、露光装置10の動作を統括的に制御する。制御部24は、上述したように、投影レンズ駆動制御部27における動作を制御することができるとともに、照明系移動機構25、マスクブラインド駆動機構26、歪補正駆動機構28およびステージ駆動機構29の駆動を制御することができる。このため、制御部24は、照射光学系1によるマスクステージ18(そこに設けられたマスク)に対する紫外線(i線)の照明を調整することができ、マスクステージ18に保持されたマスク(18a等)に対するX−Y平面に沿う方向での照射光学系1の位置を調整することができ、そのマスク(18a等)を透過した透過光によるマスクパターン像に対する対象ワーク23の位置(マスク18aに対する対象ワーク23の光学的な位置)を調整することができ、対象ワーク23上におけるマスクパターン像を適宜歪み補正することができ、対象ワーク23上におけるマスクパターン像の大きさ寸法を調整する(倍率補正)ことができる。
次に、本発明に係る露光装置10に用いた投影レンズ機構20に搭載された光学素子保持装置30について、図2から図9を用いて説明する。その投影レンズ機構20は、図2に示すように、全体に筒状を呈する鏡筒31の内方に、図示は略すがレンズや絞り等の複数の光学素子が収容されて構成されている。この鏡筒31は、軸線により投影レンズ機構20の光軸を規定しており、図示は略すが内方における光軸上に複数の光学素子を保持している。鏡筒31は、その光軸を投影光学系の投影光軸PAに一致させて設けられる。このため、以下では、投影レンズ機構20(鏡筒31)における光軸を、投影光軸PAともいう。この鏡筒31は、本実施例では、投影光軸PA(光軸)方向で見た中間位置にフランジ部31aが設けられている。このフランジ部31aは、露光装置10に設けられた保持板(図示せず)への取り付け箇所を構成するものである。鏡筒31は、フランジ部31aを当該保持板に取り付けることにより、投影光軸PAを鉛直方向に沿うものとして露光装置10に設けられる。また、鏡筒31は、本実施例では、収容する複数の光学素子の設定により投影光軸PA方向すなわち鉛直方向で見た下端部31bの径寸法が拡大されている。
その複数の光学素子は、上述したように、マスク18aのマスクパターン像を投影露光ステージ22上の対象ワーク23に適切に形成すべく構成されており、露光光である紫外線(i線)に対して高精度に収差補正されて設定されている。この投影レンズ機構20では、複数の光学素子のうちの一部を構成するレンズを投影光軸PA方向に移動させることにより、対象ワーク23(投影露光ステージ22)上におけるマスクパターン像の大きさ寸法を調節する、すなわち倍率補正することが可能とされている。本実施例では、複数の光学素子のうち、鉛直方向で見て最も下方に位置する可動レンズ32(図4等参照)を投影光軸PA方向に移動させることにより、マスクパターン像の倍率補正を可能とすべく光学的な設定が為されている。このため、複数の光学素子では、可動レンズ32の投影光軸PA方向へと移動しても、波面収差への影響が極めて小さくなる光学的な設定とされている。投影レンズ機構20では、鏡筒31に対して可動レンズ32を投影光軸PA方向に移動させるため、主に倍率補正のために光学素子保持装置30が設けられている。
この光学素子保持装置30は、可動レンズ32を投影光軸PA方向に関して調整可能に保持するものであり、投影レンズ機構20の鏡筒31における下端部31bに設けられている。その下端部31bでは、図4に示すように、可動レンズ32の上方に隣接されて静止レンズ33が設けられている。この静止レンズ33は、投影レンズ機構20における複数の光学素子のうち、可動レンズ32を除いて鉛直方向で見て最も下方に位置する。静止レンズ33は、環状を呈する静止レンズ保持枠34に固定され、その静止レンズ保持枠34が鏡筒31(その下端部31b)の内方で内鍔部31c上に載せられて固定されることにより、投影光軸PA上に設けられている。その静止レンズ33の静止レンズ保持枠34への固定は、本実施例では、図示は略すが接着によるものとされている。また、内鍔部31cは、鏡筒31の下端部31bの内周面から、軸線(投影光軸PA)に直交する方向(以下、径方向ともいう)に沿って内側へ向けて突出されて形成されている。
光学素子保持装置30は、可動レンズ32を保持する可動レンズ保持枠35を3つのガイド機構部40で鏡筒31(その下端部31b)に取り付けるとともに、その可動レンズ保持枠35に対して3つの駆動機構部50で投影光軸PA方向へと押す力を付与する構成とされている(図3から図5等参照)。可動レンズ保持枠35は、投影光軸PAに直交する面で見て可動レンズ32を取り囲むことが可能な環状を呈し、鏡筒31の下端部31bにおける内鍔部31cの下方の空間に挿入することが可能な大きさ寸法とされている(図4参照)。その可動レンズ保持枠35では、内方に可動レンズ32が固定されている(図4等参照)。この可動レンズ32の可動レンズ保持枠35への固定は、本実施例では、図示は略すが接着によるものとされている。
光学素子保持装置30では、図5に示すように、3つのガイド機構部40と3つの駆動機構部50とが、投影光軸PAを中心とする回転方向で見て、互いに等しい間隔で設けられている。また、光学素子保持装置30では、本実施例では、投影光軸PAを中心とする回転方向で見て、ガイド機構部40と駆動機構部50とが交互に等間隔で配置されている。ここで、3つのガイド機構部40はいずれも等しい構成であるとともに、3つの駆動機構部50はいずれも等しい構成であることから、以下では、1つのガイド機構部40および1つの駆動機構部50の構成について説明し、それぞれ残りの2つに関しては省略する。
そのガイド機構部40は、図2から図4に示すように、鏡筒31の下端部31bの外周面に設けられたガイド用凹所31dに設けられている。このガイド用凹所31dは、下端部31bの外周面を部分的に径方向の内側へ向けて凹ませて形成されており、下側(鉛直方向下側)に凹所開口31eと凹所フランジ箇所31fとが設けられている。その凹所開口31eは、ガイド用凹所31dの内方を部分的に径方向に貫通して設けられている。凹所フランジ箇所31fは、凹所開口31eの下端縁部と連続しつつ投影光軸PAに直交する平面を規定すべく設けられている。ガイド機構部40は、図6および図7に示すように、一対の引張バネ41と、筒側引張バネ取付部42(筒側軸方向弾性部材取付部)と、枠側バネ取付部43(枠側弾性部材取付部)と、一対の板バネ44と、一対の枠側板バネ固定板45と、筒側板バネ取付部46(筒側径方向弾性部材取付部)と、一対の筒側板バネ固定板47と、を有する。
一対の引張バネ41は、無負荷状態において最も縮まり、一端41aと他端41bとの間隔を広げる動作に抗する弾性力を発揮するものである。この一対の引張バネ41は、本実施例では、引張コイルバネにより構成されている。両引張バネ41は、明確な図示は略すが一端41aと他端41bとが鉤状とされており、円柱形状箇所へと引っ掛けることが可能とされている。両引張バネ41は、可動レンズ32が固定された可動レンズ保持枠35を、鏡筒31(その下端部31b)に対して鉛直方向に弾性的に吊り下げて取り付けるために設けられている。このため、各引張バネ41は、投影光軸PA方向に沿って設けられ、軸方向弾性部材として機能する。各引張バネ41の一端41aを鏡筒31の下端部31b(そのガイド用凹所31d)に取り付けるために、筒側引張バネ取付部42が設けられている。
その筒側引張バネ取付部42は、全体に直方体形状を呈し、一対の取付開口42aと一対の吊下箇所42bとを有する。この筒側引張バネ取付部42は、両取付開口42aに挿入されたネジ部材42cが、鏡筒31の下端部31bのガイド用凹所31dに設けられたネジ穴(図示せず)に噛み合いにより固定されることにより、そのガイド用凹所31dに取り付けられる。この筒側引張バネ取付部42では、2つの吊下箇所42bのそれぞれで引張バネ41の一端41aを保持することが可能とされている。両吊下箇所42bは、本実施例では、引張バネ41の一端41aの受け入れを可能に筒側引張バネ取付部42の下端に設けられたスリット42d(図6に一方のみを図示している)と、そのスリット42dへ向けて筒側引張バネ取付部42に取り付けられた円柱状の軸部材42eと、により構成されている。両吊下箇所42bでは、図示は略すが、スリット42dの内方において、挿入された鉤状の一端41aに軸部材42eが引っ掛けられている。このため、筒側引張バネ取付部42では、一対の引張バネ41を吊り下げるように鏡筒31の下端部31bのガイド用凹所31dに取り付けることができる。その各引張バネ41の他端41bを可動レンズ保持枠35に取り付けるために、枠側バネ取付部43が設けられている。
その枠側バネ取付部43は、全体に直方体形状を呈する部材が可動レンズ保持枠35の外周面に倣って湾曲されて形成されている。枠側バネ取付部43は、径方向に沿って設けられた一対のネジ部材43a(図7に一方のみを図示している)により、可動レンズ保持枠35の外周面に径方向の外側から固定されている。この枠側バネ取付部43には、円柱状を呈する一対の軸部材43bが取り付けられている。枠側バネ取付部43は、鏡筒31(その下端部31b)内おける可動レンズ保持枠35の投影光軸PA回りの回転姿勢を調整することにより、凹所開口31e内に存在することが可能な位置に設けられており、その状態において各軸部材43bが筒側引張バネ取付部42の対応する吊下箇所42b(その軸部材42e)の鉛直方向の下方の位置に存在することが可能とされている。各軸部材43bには、それぞれが対応する引張バネ41の他端41bが引っ掛けられる。その枠側バネ取付部43には、一対の板バネ44が取り付けられる。
その両板バネ44は、無負荷状態で平らとなる板状を呈し、湾曲させる動作に抗する弾性力を発揮するものである。この両板バネ44は、鏡筒31(その下端部31b)に鉛直方向に吊り下げて取り付けられる可動レンズ保持枠35と、その取付箇所とされた鏡筒31(その下端部31b)とを、径方向に沿って掛け渡して設けられる。板バネ44は、可動レンズ保持枠35と鏡筒31(その下端部31b)との径方向での移動を規制しつつ投影光軸PA方向(軸線方向)への相対的な移動を許容する。このため、各板バネ44は、径方向弾性部材として機能する。この2つの板バネ44は、本実施例では、投影光軸PA方向で並列しつつ対を為して設けられる。この一対の板バネ44は、径方向で見た内側端部が枠側バネ取付部43に固定される。
その枠側バネ取付部43では、投影光軸PA方向で見た両端(上端面および下端面)のそれぞれに枠側板バネ固定板45が設けられる。この一対の枠側板バネ固定板45は、枠側バネ取付部43の上端面または下端面に適合する大きさ寸法の板状を呈する。両枠側板バネ固定板45は、枠側バネ取付部43(その上端面または下端面)との間に対応する板バネ44の内側端部を介在させた状態で、当該枠側バネ取付部43(その上端面または下端面)に取り付けられる。この両枠側板バネ固定板45は、それぞれ一対のネジ部材45a(図6では上端面側で対を為す2つのみを図示している)が、貫通された状態で枠側バネ取付部43の上端面または下端面に設けられたネジ穴(図示せず)に噛み合いにより固定されることにより、板バネ44の内側端部とともに枠側バネ取付部43に取り付けられる。その一対の板バネ44の径方向で見た外側端部を鏡筒31(その下端部31b)に固定するために、筒側板バネ取付部46が設けられている。
その筒側板バネ取付部46は、取付本体部46aに一対の脚部46bが設けられて構成されている。その取付本体部46aは、直方体形状を呈する。その取付本体部46aには、径方向に貫通する一対の固定作業穴46cと、図示は略すが投影光軸PA方向で見た両端(上端面および下端面)から投影光軸PA方向に沿って設けられた4つのネジ穴と、が設けられている。一対の固定作業穴46cは、鏡筒31(その下端部31b)の外方から、一対のネジ部材43a(図7に一方のみを図示している)による枠側バネ取付部43の可動レンズ保持枠35への取り付けを可能とする。
一対の脚部46bは、筒側板バネ取付部46を凹所フランジ箇所31fに取り付けるために設けられている。この一対の脚部46bは、投影光軸PAおよび径方向に直交する方向(回転方向)で見た取付本体部46aの両端から当該方向へ突出されて設けられており、その取付本体部46aよりも投影光軸PA方向で凹所フランジ箇所31f側(鉛直方向下側)へと突出されている。各脚部46bには、図示は略すが投影光軸PA方向に沿って設けられた貫通穴が設けられている。
筒側板バネ取付部46は、一対の脚部46bが凹所フランジ箇所31f上に配置された状態において、2つのネジ部材46dが各脚部46bの貫通穴を通して、凹所フランジ箇所31fに設けられたネジ穴(図示せず)に噛み合いにより固定されることにより、凹所フランジ箇所31fに取り付けられる。その筒側板バネ取付部46では、取付本体部46aの投影光軸PA方向で見た両端(上端面および下端面)のそれぞれに筒側板バネ固定板47が設けられる。
この一対の筒側板バネ固定板47は、取付本体部46aの上端面または下端面に適合する大きさ寸法の板状を呈する。両筒側板バネ固定板47は、取付本体部46a(その上端面または下端面)との間に対応する板バネ44の外側端部を介在させた状態で、当該取付本体部46a(その上端面または下端面)に取り付けられる。この両筒側板バネ固定板47は、それぞれ一対のネジ部材47aが貫通された状態で取付本体部46aの上端面または下端面に設けられたネジ穴(図示せず)に噛み合いにより固定されることにより、板バネ44の外側端部とともに取付本体部46aすなわち筒側板バネ取付部46に取り付けられる。
これにより、一対の板バネ44は、鏡筒31(その下端部31b)の外側に存在する凹所フランジ箇所31fから、凹所開口31eを経て、鏡筒31(その下端部31b)の内側に配置された可動レンズ保持枠35(枠側バネ取付部43)へと、径方向に沿って掛け渡される。ここで、本実施例では、投影レンズ機構20(鏡筒31)における光軸および投影光軸PAが、鉛直方向に沿うものとされていることから、径方向に沿う一対の板バネ44は、水平面に沿って存在されており、水平方向で鏡筒31(その下端部31b)と可動レンズ保持枠35とを掛け渡している。
このように、ガイド機構部40は、鏡筒31の下端部31bに対して、可動レンズ32が固定された可動レンズ保持枠35を、一対の引張バネ41により投影光軸PA方向で吊り下げて支持しているとともに、一対の板バネ44を径方向に突っ張らせて支持している。そのガイド機構部40は、上述したように、鏡筒31の下端部31bにおいて、可動レンズ保持枠35を取り囲むように、投影光軸PAを中心とする回転方向で見て等しい間隔で3箇所に設けられている(図5参照)。そして、ガイド機構部40は、当該回転方向で見た位置が異なることを除くと、互いに等しい構成とされている。
このことから、光学素子保持装置30では、3つのガイド機構部40における一対の引張バネ41の吊り下げ支持により、鏡筒31の下端部31bの内方において可動レンズ保持枠35を投影光軸PAに直交する面に沿う状態で保持することができる。また、光学素子保持装置30では、3つのガイド機構部40における一対の板バネ44の突っ張り支持により、その下端部31bの内方において可動レンズ保持枠35を投影光軸PAに直交する水平面に沿う状態であることを維持しつつ、その可動レンズ保持枠35を水平面に沿う方向で見て下端部31bの内方における中心位置すなわち投影光軸PA上で保持することができる。さらに、光学素子保持装置30では、各ガイド機構部40において、一対の板バネ44が水平面に沿って設けられているとともに一対の引張バネ41が鉛直方向(投影光軸PA方向)に沿って設けられていることから、各板バネ44と各引張バネ41とが鉛直方向(投影光軸PA方向)への変位を許容することができるので、その下端部31bに対して可動レンズ保持枠35が投影光軸PA方向(各引張バネ41により最も上側へと吊り上げられた状態から鉛直方向下側)へ移動することを可能とすることができる。ついで、光学素子保持装置30では、3つのガイド機構部40の一対の板バネ44により、その下端部31b内で可動レンズ保持枠35を径方向で突っ張り支持していることから、投影光軸PA方向への変位(移動)に拘らず可動レンズ保持枠35が下端部31bの中心位置(投影光軸PA上)に存在することを維持することができる。
よって、光学素子保持装置30では、3つのガイド機構部40により、投影光軸PA方向(鉛直方向)への移動を許容しつつ鏡筒31の下端部31bの中心位置(投影光軸PA上)で可動レンズ保持枠35を保持することができる。換言すると、光学素子保持装置30では、3つのガイド機構部40により、鉛直方向上側(投影光軸PA方向で静止レンズ33側)へと押し上げつつ可動レンズ保持枠35を保持しているとともに、その可動レンズ保持枠35の投影光軸PA方向で凹所フランジ箇所31f側(鉛直方向下側)への移動を許容している。このため、各ガイド機構部40では、鏡筒31(その下端部31b)に対する可動レンズ保持枠35の保持位置を形成するとともに、その保持位置を光軸方向(投影光軸PA方向)に変位可能としている。この光学素子保持装置30では、その可動レンズ保持枠35を投影光軸PA方向に変位(移動)させるべく駆動機構部50が設けられている(図2から図4参照)。
その駆動機構部50は、図2から図4に示すように、鏡筒31の下端部31bの外周面に設けられた駆動用凹所31gに設けられている。この駆動用凹所31gは、下端部31bの外周面を部分的に径方向の内側へ向けて凹ませて形成されており、下側(鉛直方向下側)に凹所開口31hと凹所フランジ箇所31iとが設けられている。その凹所開口31hは、駆動用凹所31gの内方を部分的に径方向に貫通して設けられており、凹所フランジ箇所31iは、凹所開口31hの下端縁部と連続しつつ投影光軸PAに直交する平面を規定すべく設けられている。駆動機構部50は、図8および図9に示すように、駆動部51と、駆動取付部52と、被押当部53と、検出部54と、検出取付部55と、を有する。
その駆動部51は、駆動本体部51aと、それを貫通して設けられた長尺な駆動軸51bとを有する。駆動部51は、投影レンズ駆動制御部27の制御下で駆動本体部51aが駆動されることにより、その駆動本体部51aからの駆動軸51bの突出量、すなわち駆動本体部51aに対する駆動軸51bの伸長方向での移動量を調整することができる。本実施例では、駆動部51は、静止摩擦と動摩擦との差異を利用して駆動軸51bを回転させることにより、その回転量に応じて駆動軸51bの突出量を調整する構成とされている。詳細には、駆動部51は、図示は略すが、駆動軸51bの伸長方向に直交する方向から当該駆動軸51bを2つの保持部材で挟みつつ保持しており、その保持した状態の両保持部材を駆動軸51bの伸長方向および挟み方向に直交する方向であって互いに異なる側へとずらすように移動することが可能とされている。この駆動部51では、図示は略すが、両保持部材をゆっくりとずらすように移動させることで、駆動軸51bを回転させつつ突出量を変化させ、その後両保持部材を高速で元の位置へと移動させることで、駆動軸51bが回転することを防止しつつ両保持部材のずれを解消し、その動作を繰り返すことにより駆動軸51bの一方向への突出量を調整することが可能とされている。また、駆動部51では、図示は略すが、両保持部材をずらす方向を逆転させることにより、駆動軸51bの他方向への突出量を調整することが可能とされている。この駆動部51では、駆動軸51bを突出させることに伴い、その先端で押す力を付与することができる。この押す力の大きさの設定に関しては後述する。駆動部51では、取り付けのための固定筒部51cが設けられている。この固定筒部51cは、駆動軸51bを回転可能に取り巻きつつ駆動本体部51aに固定されており、外周面にネジ溝が設けられている。この駆動部51を鏡筒31の下端部31b(その駆動用凹所31g)に取り付けるために、駆動取付部52が設けられている。
その駆動取付部52は、取付板部分52aと固定板部分52bとを有する。取付板部分52aは、駆動用凹所31gに宛がうことが可能とされた板状を呈し、図示は略すが一対の取付穴が設けられている。この取付板部分52aは、両取付穴に挿入されたネジ部材52cが、鏡筒31の下端部31bの駆動用凹所31gに設けられたネジ穴(図示せず)に噛み合いにより固定されることにより、その駆動用凹所31gに取り付けられる。その取付板部分52aの下端から、径方向の外側へと突出されて固定板部分52bが設けられている。その固定板部分52bは、板状を呈し、直交方向へと貫通するネジ穴52d(図9参照)を有する。このネジ穴52dは、駆動部51の固定筒部51cの挿入が可能とされており、その外周面に設けられたネジ溝との噛み合いが可能とされたネジ溝が内周面に形成されている。この駆動取付部52は、固定板部分52bが水平面に沿って存在するように、取付板部分52aが駆動用凹所31gに取り付けられ、その固定板部分52bのネジ穴52dに駆動部51の固定筒部51cが噛み合いにより固定されることで、駆動軸51bを投影光軸PA方向(鉛直方向)に沿わせつつ駆動部51を鏡筒31の下端部31b(その駆動用凹所31g)に取り付けることができる。その駆動部51からの駆動力を可動レンズ保持枠35に伝達するために被押当部53が設けられている。
その被押当部53は、駆動用凹所31gに取り付けられて鏡筒31の下端部31bの外方に存在する駆動部51における駆動軸51bの投影光軸PA方向の凹所フランジ箇所31i側(鉛直方向下側)への移動に伴う押す力を、駆動用凹所31gの凹所開口31hを経て、その下端部31bの内方に設けられた可動レンズ保持枠35に伝達するものである。被押当部53は、本実施例では、取付片53aと被押当片53bとを有する。その取付片53aは、全体に直方体形状を呈する部材が可動レンズ保持枠35の外周面に倣って湾曲されて形成されている。取付片53aは、径方向に沿って設けられたネジ部材53c(図9参照)により、可動レンズ保持枠35の外周面に径方向の外側から固定されている。
被押当片53bは、取付部分53dと被押当部分53eとを有する。取付部分53dは、取付片53a(その外側面)に宛がうことが可能とされた板状を呈し、一対の取付穴53fが設けられている。この取付部分53dは、両取付穴53fに挿入されたネジ部材53gが、取付片53aに設けられたネジ穴(図示せず)に噛み合いにより固定されることにより、その取付片53aに取り付けられる。その取付部分53dの上端に被押当部分53eが設けられている。その被押当部分53eは、取付部分53dの上端から径方向の外側へと突出された板状を呈する。
この被押当部53では、鏡筒31(その下端部31b)内おいて3つのガイド機構部40に可動レンズ保持枠35が適切に保持されると、その可動レンズ保持枠35に取り付けられた取付片53aが凹所開口31e内に存在することが可能な位置に設けられており、その状態において取付片53aに取り付けられた被押当片53bが駆動用凹所31gに存在することが可能とされている。このとき、被押当片53bの被押当部分53eは、駆動取付部52を介して駆動用凹所31gに取り付けられた駆動部51の駆動軸51bの鉛直方向(投影光軸PA方向)下方に存在するものとされている。この被押当部53の投影光軸PA方向での位置を検出するために検出部54が設けられている。
その検出部54は、検出本体部54aと、そこから突出されて設けられた長尺な検出突起54bとを有する。検出部54は、投影レンズ駆動制御部27の制御下で検出本体部54aが駆動されることにより、先端が突き当たるまで検出突起54bを検出本体部54aから突出させて当該検出突起54bの突出量を検出するとともに、その検出した突出量を示す検出信号を投影レンズ駆動制御部27に出力することができる。この検出部54では、取り付けのための固定筒部54cが設けられている。この固定筒部54cは、検出突起54bを突出方向への移動を可能に取り巻きつつ検出本体部54aに固定されており、外周面にネジ溝(図示せず)が設けられている。この検出部54を鏡筒31の下端部31b(その駆動用凹所31g)に取り付けるために、検出取付部55が設けられている。
その検出取付部55は、取付板部分55aと固定板部分55bとを有する。取付板部分55aは、駆動用凹所31gに宛がうことが可能とされた板状を呈し、図示は略すが一対の取付穴が設けられている。この取付板部分55aは、両取付穴に挿入されたネジ部材55cが、鏡筒31の下端部31bの駆動用凹所31gに設けられたネジ穴(図示せず)に噛み合いにより固定されることにより、その駆動用凹所31gに取り付けられる。その取付板部分55aの中間位置から、径方向の外側へと突出されて固定板部分55bが設けられている。その固定板部分55bは、板状を呈し、直交方向へと貫通するネジ穴(図示せず)を有する。このネジ穴は、図示は略すが検出部54の固定筒部54cの挿入が可能とされており、その外周面に設けられたネジ溝との噛み合いが可能とされたネジ溝が内周面に設けられて形成されている。この検出取付部55は、固定板部分55bが水平面に沿って存在するように、取付板部分55aが駆動用凹所31gに取り付けられ、その固定板部分55bのネジ穴(図示せず)に検出部54の固定筒部54cが噛み合いにより固定されることで、検出突起54bを投影光軸PA方向(鉛直方向)に沿わせつつ検出部54を鏡筒31の下端部31b(その駆動用凹所31g)に取り付けることができる。
この駆動機構部50は、3つのガイド機構部40により鏡筒31の下端部31b内で可動レンズ保持枠35が保持された状態において、その可動レンズ保持枠35に取り付けられて下端部31bの凹所開口31eから下端部31bの外方の駆動用凹所31gへと突出された被押当部53の被押当片53bの上端面に、駆動部51の駆動軸51bの先端を押し当てるとともに、検出部54の検出突起54bの先端を突き当てて設けられている。このため、本実施例では、駆動部51の駆動軸51b(その先端)が押当箇所として機能するとともに、被押当部53の被押当片53bの上端面が被押当箇所として機能する。駆動機構部50は、上述したように、鏡筒31の下端部31bにおいて、可動レンズ保持枠35を取り囲むように、投影光軸PAを中心とする回転方向で見て等しい間隔で3箇所に設けられている(図5参照)。そして、駆動機構部50は、当該回転方向で見た位置が異なることを除くと、互いに等しい構成とされている。
この光学素子保持装置30では、各駆動機構部50において、可動レンズ保持枠35に固定した被押当部53の被押当片53bの上端面に、鉛直方向(投影光軸PA方向)の上側から下側へ向けて駆動部51の駆動軸51bの先端を押し当てていることにより、その被押当部53の被押当片53b(その上端面)に鉛直方向下側へ向けて押す力(押当力)を付与することができる。ここで、光学素子保持装置30では、上述したように、3つのガイド機構部40により、鉛直方向上側(投影光軸PA方向で静止レンズ33側)へと押し上げつつ可動レンズ保持枠35を保持しているとともに、その可動レンズ保持枠35の投影光軸PA方向で凹所フランジ箇所31f側(鉛直方向下側)への移動を許容している。このため、光学素子保持装置30では、3つの駆動部51における駆動軸51bで鉛直方向下側へと押す力が、6つの引張バネ41(3箇所で対を為す引張バネ41)と6つの板バネ44(3箇所で対を為す板バネ44)とによる鉛直方向上側へと持ち上げる力から、可動レンズ32が固定された可動レンズ保持枠35の重量(正確には、そこに取り付けられた3つの枠側バネ取付部43や3つの被押当部53を含む)を減算した大きさよりも大きくなるように設定している。これにより、光学素子保持装置30では、駆動部51の駆動軸51b(その先端)を投影光軸PA方向へと変位させることにより、鏡筒31の下端部31bの内方で可動レンズ保持枠35を投影光軸PA方向へと移動させることができ、投影光軸PA方向で見た可動レンズ保持枠35の位置すなわちそこに固定された可動レンズ32の位置を調整することができる。このとき、光学素子保持装置30では、上述したように、3つのガイド機構部40により、鏡筒31の下端部31bの中心位置(投影光軸PA上)で可動レンズ保持枠35を保持していることから、投影光軸PA方向での位置に拘らず可動レンズ保持枠35すなわち可動レンズ32が鏡筒31の下端部31bの中心位置(投影光軸PA上)に存在することを維持することができる。
また、各駆動機構部50では、それぞれに設けられた検出部54の検出突起54bの先端を、被押当部53の被押当片53bの上端面に突き当てていることから、被押当部53の被押当片53bの上端面の投影光軸PA方向での位置を検出することができる。本実施例では、投影レンズ駆動制御部27は、制御部24から投影レンズ機構20における可動レンズ32の変位のための制御信号(指令)を受けると、その制御信号が示す変位量だけ各駆動機構部50の駆動部51の駆動軸51bを変位させて、その駆動軸51bの先端による被押当片53bの上端面への投影光軸PA方向での押当位置を変化させる。この可動レンズ32の変位は、投影レンズ機構20における光軸調整(調芯)のための投影光軸PAに対する傾斜の調整や、投影レンズ機構20における倍率補正のための投影光軸PA方向への平行移動のために行われる。この投影光軸PA方向での押当位置を変化させる際、投影レンズ駆動制御部27は、各駆動機構部50において、検出部54からの検出信号に基づき被押当部53(その被押当片53b)の投影光軸PA方向での位置(変位量)を、受けた制御信号に応じる位置(変位量)とすべく、駆動部51における駆動軸51bの変位量を補正する。このため、投影レンズ駆動制御部27は、各駆動機構部50における被押当箇所(押当位置)の投影光軸PA方向での位置を個別に駆動制御する駆動機構制御部として機能するとともに、投影レンズ機構20における倍率を変更する倍率補正駆動機構として機能する。
このため、光学素子保持装置30では、投影レンズ駆動制御部27が制御部24から投影レンズ機構20における倍率補正のための制御信号を受けると、その投影レンズ駆動制御部27が各検出部54から検出信号に基づく補正を行いつつ各駆動部51を駆動制御することにより、各駆動軸51b(その先端)による被押当片53bの上端面への投影光軸PA方向での押当位置を変化させて、鏡筒31の下端部31b内において可動レンズ保持枠35すなわち可動レンズ32を投影光軸PA方向へと適宜移動させる。これにより、投影レンズ機構20における倍率補正を行うことができる。
また、光学素子保持装置30では、投影レンズ駆動制御部27が制御部24から各駆動機構部50における駆動軸51b(その先端)による被押当片53b(その上端面)への投影光軸PA方向での押当位置の変化のための制御信号を受けると、その投影レンズ駆動制御部27が各検出部54から検出信号に基づく補正を行いつつ各駆動部51を駆動制御することにより押当位置を変化させて、鏡筒31の下端部31b内において可動レンズ保持枠35すなわち可動レンズ32の投影光軸PAに対する傾斜を調整することができる。このため、光学素子保持装置30では、可動レンズ32における光軸を、投影レンズ機構20の光軸(投影光軸PA)に一致させる(調芯する)ことができる。
このように、本発明に係る光学素子保持装置30では、各ガイド機構部40における両引張バネ41の吊り下げ支持により保持した可動レンズ保持枠35を、各駆動機構部50の駆動部51により鉛直方向下方へと押し下げることで、可動レンズ保持枠35を投影光軸PA方向へと移動させることができるので、簡易な構成で可動レンズ32を投影光軸PA方向へと移動させることができる。
また、光学素子保持装置30では、各ガイド機構部40における両板バネ44による可動レンズ保持枠35の突っ張り支持により、その可動レンズ保持枠35すなわち可動レンズ32の投影光軸PA方向への移動に拘らず当該可動レンズ保持枠35(可動レンズ32)が鏡筒31の下端部31bの中心位置(投影光軸PA上)に存在することを維持することができるので、極めて高い精度で可動レンズ32の移動による倍率補正を行うことができる。
さらに、光学素子保持装置30では、各ガイド機構部40が、両引張バネ41による吊り下げ支持と両板バネ44による突っ張り支持とにより、鉛直方向上側(投影光軸PA方向で静止レンズ33側)へと押し上げつつ可動レンズ保持枠35を保持するとともに、その可動レンズ保持枠35の投影光軸PA方向で凹所フランジ箇所31f側(鉛直方向下側)への移動を許容するものであることから、簡易な構成とすることができる。
光学素子保持装置30では、各駆動機構部50が、各ガイド機構部40による投影光軸PA方向で静止レンズ33側(鉛直方向上側)への押し上げに抗して、移動方向である投影光軸PA方向(鉛直方向下側)へと可動レンズ保持枠35を押し下げて当該可動レンズ保持枠35を投影光軸PA方向(鉛直方向下側)に移動させるものであることから、簡易な構成とすることができる。
光学素子保持装置30では、鏡筒31の下端部31bの中心位置(投影光軸PA上)で投影光軸PA方向へと移動可能に可動レンズ保持枠35を保持するガイド機構部40が投影光軸PAを中心とする回転方向で等間隔に設けられているとともに、その可動レンズ保持枠35を投影光軸PA方向で凹所フランジ箇所31f側(鉛直方向下側)へと押す駆動機構部50が投影光軸PAを中心とする回転方向で等間隔に設けられていることから、より高精度に可動レンズ保持枠35を投影光軸PA方向に移動させることができる。
光学素子保持装置30では、3つのガイド機構部40と3つの駆動機構部50とが、投影光軸PAを中心とする回転方向で見て等しい間隔で交互に設けられていることから、より高精度に可動レンズ保持枠35を投影光軸PA方向に移動させることができる。
光学素子保持装置30では、投影レンズ機構20(鏡筒31)における軸線(投影光軸PA)を鉛直方向とし、鏡筒31の下端部31b内で各ガイド機構部40の両引張バネ41と両板バネ44とで鉛直方向上側へと押し上げつつ可動レンズ保持枠35を保持し、その可動レンズ保持枠35を各駆動機構部50で鉛直方向下方へ向けて押し下げることで、可動レンズ保持枠35を投影光軸PA方向に移動させる構成であることから、駆動部51における駆動軸51bで鉛直方向下側へと押す力を、6つの引張バネ41と6つの板バネ44とによる鉛直方向上側へと持ち上げる力から、可動レンズ32が固定された可動レンズ保持枠35の重量を減算した大きさよりも大きく設定すればよいので、各駆動機構部50(駆動部51)における押す力を小さなものとすることができ、各駆動機構部50(駆動部51)の構成を簡易なものとすることができる。このことは、露光装置10では、投影レンズ機構20が極めて大きな構成であり、そこに用いられる光学素子も極めて大きな構成とされることから、倍率補正のために投影光軸PA方向に移動させるレンズ(可動光学素子)も極めて大きく重いものとなってしまうことから、特に効果的である。
光学素子保持装置30では、各ガイド機構部40が、両引張バネ41による吊り下げ支持と両板バネ44による突っ張り支持とにより、鉛直方向上側(投影光軸PA方向で静止レンズ33側)へと押し上げつつ可動レンズ保持枠35を保持するとともに、その可動レンズ保持枠35の投影光軸PA方向で凹所フランジ箇所31f側(鉛直方向下側)への移動を許容するものであることから、可動レンズ32が固定された可動レンズ保持枠35の重量を、投影光軸PAを中心とする回転方向で見て均等に設けられた6つの引張バネ41と6つの板バネ44とに分散することができるので、1つ1つの引張バネ41や板バネ44における負担を軽減しつつ安定して可動レンズ保持枠35を保持することができる。
光学素子保持装置30では、各駆動機構部50に検出部54が設けられているとともに、その検出部54からの検出信号に基づいてそれぞれが対応する駆動部51における駆動軸51bの変位量を補正することから、より精度よく可動レンズ保持枠35を投影光軸PA方向に移動させることができる。
光学素子保持装置30では、各駆動機構部50に設けられた検出部54が、可動レンズ保持枠35に固定された被押当部53の被押当片53bの上端面の投影光軸PA方向での位置を検出するものであることから、実際の可動レンズ保持枠35の投影光軸PA方向での位置を直接補正することができるので、より精度よく可動レンズ保持枠35を投影光軸PA方向に移動させることができる。
光学素子保持装置30では、各駆動機構部50の検出部54が、変位量の検出のための検出突起54bを、可動レンズ保持枠35の移動方向となる投影光軸PA方向(鉛直方向)に沿わせて設けられているので、より精度よく可動レンズ保持枠35の投影光軸PA方向での位置を検出することができる。
光学素子保持装置30では、鏡筒31の下端部31bの凹所開口31eから下端部31bの外方の駆動用凹所31gへと突出させるように、可動レンズ保持枠35から径方向で突出させて当該可動レンズ保持枠35に取り付けた被押当部53で被押当箇所を形成していることから、簡易な構成で、駆動部51の駆動軸51bの先端および検出部54の検出突起54bの先端を鉛直方向下側へ向けて当てるものとすることができる。このため、構成の複雑化を招くことなく、駆動部51における駆動軸51bの投影光軸PA方向の凹所フランジ箇所31i側(鉛直方向下側)への移動に伴う押す力を可動レンズ保持枠35に伝達することができるとともに、その被押当箇所(押当位置)の投影光軸PA方向での位置を検出することができる。
光学素子保持装置30では、各駆動機構部50において、駆動部51と検出部54とを個別に鏡筒31の下端部31bの駆動用凹所31gに取り付けていることから、駆動部51または検出部54のメンテナンス(保守、点検、交換)を個別に行うことができるので、メンテナンス作業を容易なものとすることができるとともに、メンテナンスに要するコストの上昇を抑制することができる。
光学素子保持装置30では、3つのガイド機構部40において、投影光軸PAを中心とする回転方向で対を為して引張バネ41が設けられているとともに、その中間位置において2枚の板バネ44が投影光軸PA方向で対を為して構成されていることから、各ガイド機構部40における可動レンズ保持枠35を保持する構成を当該回転方向の中心に関して対称とすることができるので、よりバランスよく(偏りなく)可動レンズ保持枠35を保持することができる。
光学素子保持装置30では、3つのガイド機構部40における可動レンズ保持枠35の突っ張り支持のために投影光軸PA方向に直交して設けた板バネ44を用いていることから、簡易な構成で、鏡筒31の下端部31bの内方において可動レンズ保持枠35を水平面に沿う方向で見て下端部31bの内方における中心位置で保持することができるとともに、その状態を維持しつつ可動レンズ保持枠35(可動レンズ32)の投影光軸PA方向への移動を許容することができる。
光学素子保持装置30では、3つのガイド機構部40における可動レンズ保持枠35の突っ張り支持のために投影光軸PA方向に直交して設けた板バネ44を、その投影光軸PA方向で並列させて用いていることから、簡易な構成で、鏡筒31の下端部31bの内方における中心位置での保持をより確実なものとすることができるとともに、その状態をより確実に維持しつつ可動レンズ保持枠35(可動レンズ32)の投影光軸PA方向への移動を許容することができる。
光学素子保持装置30では、各ガイド機構部40がガイド用凹所31dの内方(下端部31bの外径よりも内側)に配置されているとともに、各駆動機構部50が検出部54を除くと駆動用凹所31gの内方(下端部31bの外径よりも内側)に配置されていることから、投影レンズ機構20の大きさ寸法の増大を抑制することができる。
光学素子保持装置30では、駆動機構部50が、投影光軸PAを中心とする回転方向で見て可動レンズ保持枠35を取り巻いて3箇所に設けられているとともに、それぞれが個別に投影光軸PA方向での押当位置の調整が可能であることから、鏡筒31の下端部31b内において可動レンズ32(可動レンズ保持枠35)の投影光軸PAに対する傾斜を調整して調芯することができるとともに、その調芯した状態を維持したまま可動レンズ32(可動レンズ保持枠35)の投影光軸PA方向への移動による倍率補正を行うことができる。
光学素子保持装置30を備える投影レンズ機構20を用いる露光装置10では、極めて高い精度で可動レンズ32の移動による投影レンズ機構20の倍率補正を行うことができるので、極めて高い精度で所定のマスクパターン像を対象ワーク23上に形成することができる。このため、多層化、高密度化、微細化を実現することができる。
したがって、本発明に係る光学素子保持装置30では、簡単な構成で、極めて高い精度で光学素子(可動レンズ32)を移動させることができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係る光学素子保持装置の一例としての光学素子保持装置30について説明したが、光軸を鉛直方向に規定する鏡筒に設けられ入射された光を結像させる光学系における可動光学素子の調整を可能とする光学素子保持装置であって、前記可動光学素子を保持する可動光学素子保持部材と、前記鏡筒に対する前記可動光学素子保持部材の保持位置を形成すべく該可動光学素子保持部材を取り囲んで少なくとも3つ設けられ、前記保持位置を光軸方向に変位可能なガイド機構部と、前記鏡筒に対して前記可動光学素子保持部材を光軸方向へと移動させるべく該可動光学素子保持部材を取り囲んで少なくとも3つ設けられる駆動機構部と、を備え、前記ガイド機構部は、前記鏡筒に対して前記可動光学素子保持部材を吊り下げるべく前記鏡筒と前記可動光学素子保持部材とを光軸方向で掛け渡す軸方向弾性部材と、光軸に直交する径方向での前記鏡筒と前記可動光学素子保持部材との相対的な移動を規制すべく前記鏡筒と前記可動光学素子保持部材とを前記径方向で掛け渡す径方向弾性部材と、を有し、前記各駆動機構部は、前記鏡筒を基準とし鉛直方向下方へ向けて前記可動光学素子保持部材に押当箇所を押し当てるとともに、該押当箇所を前記軸方向に移動可能とする駆動部を有し、前記各駆動機構部では、3つの前記駆動部による前記鏡筒を基準として前記可動光学素子保持部材に付与する押下力が、前記各軸方向弾性部材と前記各径方向弾性部材とによる鉛直方向上方への押上力から、前記可動光学素子を保持した前記可動光学素子保持部材の重量を減算したものよりも大きく設定されている光学素子保持装置であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、光学素子保持装置30においてガイド機構部40が3つ設けられていたが、投影光軸PAを中心とする回転方向で見て可動レンズ保持枠35を取り巻くように3つ以上設けられていればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、光学素子保持装置30において駆動機構部50が3つ設けられていたが、投影光軸PAを中心とする回転方向で見て可動レンズ保持枠35を取り巻くように3つ以上設けられていればよく、上記した実施例に限定されるものではない。また、駆動機構部50は、ガイド機構部40に等しい個数でなくてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、光学素子保持装置30の各駆動機構部50において、検出部54が駆動用凹所31gからはみ出す大きさ寸法のものが用いられていたが、要求される精度で被押当箇所(押当位置)(上記した実施例では被押当部53(その被押当部分53e(その上端面)))の投影光軸PA方向での位置を検出することができるものであれば、駆動用凹所31g内に収まる大きさ寸法であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、光学素子保持装置30において、複数の光学素子のうち、鉛直方向で見て最も下方に位置する可動レンズ32(図4等参照)を投影光軸PA方向に移動させるものとされていたが、マスクパターン像の倍率補正を行うことを可能とすべく複数の光学素子のうちの一部を構成する光学素子(レンズ)を可動光学素子(可動レンズ)として投影光軸PA方向に移動させる構成としてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、投影レンズ機構20の鏡筒31において、径寸法が拡大された下端部31bに光学素子保持装置30が設けられていたが、倍率補正のために可動光学素子を光軸方向(上記した実施例では投影光軸PA方向)に移動させるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、各ガイド機構部40における軸方向弾性部材が、対を為して設けられた引張コイルバネである引張バネ41により構成されていたが、可動レンズ32が固定された可動レンズ保持枠35を、鏡筒31(その下端部31b)に対して鉛直方向に弾性的に吊り下げて取り付けるために投影光軸PA方向に沿って設けられていればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、各ガイド機構部40における径方向弾性部材が、投影光軸PA方向で並列しつつ対を為して設けられた板バネ44により構成されていたが、可動レンズ保持枠35と鏡筒31(その下端部31b)との径方向での移動を規制しつつ投影光軸PA方向(光軸方向)への相対的な移動を許容すべく可動レンズ保持枠35と鏡筒31(その下端部31b)とを径方向に沿って掛け渡して設けられていればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、被押当箇所(押当位置)が、可動レンズ保持枠35に設けられ取付片53aと被押当片53bとで構成された3つの被押当部53により形成されていたが、各駆動機構部50の駆動部51の押当箇所(上記した実施例では駆動軸51b(その先端))を鉛直方向の上方から下方へ向けて押し当てられるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、各駆動機構部50における被押当箇所(押当位置)の投影光軸PA方向での位置を個別に駆動制御する駆動機構制御部が、制御部24からの制御信号に基づき光学素子保持装置30(その各駆動機構部50の駆動部51)を制御する投影レンズ駆動制御部27により構成されていたが、制御部24を駆動機構制御部として直接光学素子保持装置30(その各駆動機構部50の駆動部51)を制御する構成としてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、光学素子保持装置30が、露光装置10に設けられた投影レンズ機構20に用いていたが、鏡筒の内方において可動光学素子を光軸方向に移動させるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
以上、本発明の光学素子保持装置および露光装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。