JP5862534B2 - ユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クランクケースを第1クランクケース半体と協働して構成する第2クランクケース半体を一体に有して後輪の側方まで延出されるケース主体と、Vベルト式無段変速機を少なくとも収容する変速機室を前記ケース主体との間に形成して該ケース主体に締結されるケースカバーと、減速ギヤ機構を収容するギヤ室を前記ケース主体との間に形成するようにして該ケース主体の後部に締結されるギヤカバーとで構成される伝動ケースの前記ケース主体に、第1クランクケース半体を締結するための複数の第1クランクケース半体用締結孔から成る第1締結孔群、前記ケースカバーを締結するための複数のケースカバー用締結孔から成る第2締結孔群ならびに前記ギヤカバーを締結するための複数のギヤカバー用締結孔から成る第3締結孔群を穿孔加工するためのユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法に関する。
ユニットスイング式エンジン用伝動ケースを、後輪の側方まで延出されるケース主体と、Vベルト式無段変速機を少なくとも収容する変速機室をケース主体との間に形成するケースカバーと、減速ギヤ機構を収容するギヤ室をケース主体との間に形成するギヤカバーとを相互に締結することで構成し、サイズの異なる伝動ケースに対して、前記ケース主体の機械加工時に用いる複数のケース加工用位置決め部、前記ケース主体に前記ケースカバーを組み付ける際に用いる複数のベルト室組立用位置決め部、ならびに前記ケース主体に前記ギヤカバーを組み付ける際に用いる複数のギヤ室組立用位置決め部の少なくとも1つを同一座標位置とすることで、サイズの異なる伝動ケースの生産加工設備を共用化してコストダウンを図るようにしたものが、特許文献1で知られている。
特開2001−179556号公報
ところで、伝動ケースのケース主体に、ケースカバーおよびギヤカバーを締結するための締結孔を穿孔加工するにあたっては、加工テーブル上に位置決め載置されたケース主体に、複数の刃具を有するNC加工機や多軸加工機等の加工機を用いるのが一般的であり、上記特許文献1で開示された技術を用いれば、異なるサイズのケース主体に対して複数のケース加工用位置決め部を同一座標とすることで、加工テーブルの共用化を図ることができる。しかるに上記特許文献1で開示されるものでは、ケースカバーおよびギヤカバーを締結するためにケース主体に設けられる複数の締結孔の座標位置が、サイズの異なるケース主体では異なるので、サイズの異なるケース主体毎に、大幅な加工座標の設定変更作業や、大がかりな刃具交換作業が必要となる可能性があり、生産性向上の面で課題がある。特に、伝動ケースにおけるケース主体の締結面は、第1クランクケース半体、ケースカバーおよびギヤカバーを締結するために少なくとも3面必要であるので、生産性への影響はより顕著となる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、タイヤサイズに応じた複数種類の伝動ケースのケース主体の生産性向上を図ることを可能としたユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、クランクケースを第1クランクケース半体と協働して構成する第2クランクケース半体を一体に有して後輪の側方まで延出されるケース主体と、Vベルト式無段変速機を少なくとも収容する変速機室を前記ケース主体との間に形成して該ケース主体に締結されるケースカバーと、減速ギヤ機構を収容するギヤ室を前記ケース主体との間に形成するようにして該ケース主体の後部に締結されるギヤカバーとで構成される伝動ケースの前記ケース主体に、第1クランクケース半体を締結するための複数の第1クランクケース半体用締結孔から成る第1締結孔群、前記ケースカバーを締結するための複数のケースカバー用締結孔から成る第2締結孔群ならびに前記ギヤカバーを締結するための複数のギヤカバー用締結孔から成る第3締結孔群を穿孔加工するためのユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法において、タイヤ径の異なる複数種類の後輪にそれぞれ対応した複数のケース主体のうち特定のタイヤ径の後輪に対応した特定のケース主体と、他のケース主体とで、第1締結孔群を穿孔加工する際の加工座標と、第2締結孔群または第3締結孔群を穿孔加工する際の加工座標とを同一に設定することを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記特定のタイヤ径よりも大きなタイヤ径を有する後輪に対応させた前記他のケース主体と、前記特定のケース主体とで、第3締結孔群を穿孔加工する際の加工座標を同一に設定することを第2の特徴とする。
本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記特定のタイヤ径よりも小さなタイヤ径を有する後輪に対応させた前記他のケース主体と、前記特定のケース主体とで、第2締結孔群を穿孔加工する際の加工座標を同一に設定することを第3の特徴とする。
本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、第1〜第3締結孔群を穿孔加工する際の位置決めを果たすための複数の加工位置決め孔を、それらの加工位置決め孔の少なくとも1つが,前記特定のケース主体と、前記他のケース主体の少なくとも1つとの間で同一座標位置となるようにして、前記特定のケース主体および前記他のケース主体に設けることを第4の特徴とする。
本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記特定のケース主体と、前記他のケース主体の少なくとも1つとの間で異なる座標位置となる前記加工位置決め孔を、当該加工位置決め孔に嵌入するようにして加工テーブルに植設する位置決めピンが前記特定のケース主体および前記他のケース主体のいずれとも非干渉となる位置に配置することを第5の特徴とする。
本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記特定のケース主体と、前記他のケース主体とで、第1クランクケース半体を締結するための第1締結面、前記ケースカバーを締結するための第2締結面、ならびに前記ギヤカバーを締結するための第3締結面を、第1、第2および第3締結孔群の加工時に載置する加工テーブルに対して同一平面に設定することを第6の特徴とする。
さらに本発明は、第1〜第6の特徴の構成のいずれかに加えて、前記クランクケースにシリンダブロックおよびシリンダヘッドを締結するための複数のスタッドボルト締結孔を、前記特定のケース主体および前記他のケース主体の第2クランクケース半体に同一座標で設けることを第7の特徴とする。
なお実施の形態の第1のケース主体44Aが本発明の特定のケース主体に対応し、実施の形態の第2および第3のケース主体44B,44Cが本発明の他のケース主体に対応する。
本発明の第1の特徴によれば、特定のケース主体と、他のケース主体とで、第1締結孔群を穿孔加工する際の加工座標と、第2締結孔群または第3締結孔群を穿孔加工する際の加工座標とを同一に設定したので、タイヤ径の異なる後輪にそれぞれ対応した複数種類の伝動ケースにおけるケース主体の穿孔加工を行うにあたって、同一の加工座標および同一の刃具で多くの締結孔を穿孔加工することが可能となり、加工機を共用化して生産性の向上を図ることができる。また第1締結孔群の加工座標を同一とすることで、第2クランクケース半体に締結される第1クランクケース半体を複数のユニットスイング式エンジンで共用化することができる。さらに第2締結孔群または第3締結孔群の加工座標を同一とすることで、ケースカバーまたはギヤカバーの共用化を図ることができ、しかもケースカバーまたはギヤカバーの共用化によって伝動ケース内に収容される部品を含む多くの部品の共用化を図り易くなり、コスト低減を図ることが可能となる。
また本発明の第2の特徴によれば、特定のタイヤ径よりも大きなタイヤ径を有する後輪に対応させた他のケース主体および特定のケース主体間で第3締結孔群の加工座標を同一とすることにより、タイヤ径に合わせてケース主体の前後長ならびにVベルト式無段変速機のベルト長を主として設計変更するだけで、タイヤ径に対応させた伝動ケースを構成することができ、Vベルト式無段変速機の一部を構成する駆動および従動プーリや、減速ギヤ機構の構成部品を共用化することが可能となる。
本発明の第3の特徴によれば、特定のタイヤ径よりも小さなタイヤ径を有する後輪に対応させた他のケース主体および特定のケース主体間で第2締結孔群の加工座標を同一とすることにより、タイヤ径に合わせてギヤ室や減速ギヤ機構を主として設計変更するだけで、タイヤ径に対応させた伝動ケースを構成することができ、ケース主体およびケースカバー間の変速機室に収容されるVベルト式無段変速機を共用化することができる。しかもタイヤ径を小さく設定すると、伝動ケースが地面に近くなり易いが、前記ギヤ室や前記減速ギヤ機構の設計変更によってバンク角が確保できるように後輪の車軸の位置を調整すればよく、小径の後輪にも容易に対応させることができる。
本発明の第4の特徴によれば、複数の加工位置決め孔の少なくとも1つを、特定のケース主体と、他のケース主体の少なくとも1つとの間で同一座標位置とすることで、加工テーブル上の位置決めピンを共用化することができる。
本発明の第5の特徴によれば、ケース主体相互間で座標が異なる加工位置決め孔を、当該加工位置決め孔に嵌入するようにして加工テーブルに植設する位置決めピンがいずれのケース主体とも干渉することがない位置に配置するので、各ケース主体の加工テーブル上での加工時に位置決めピンの着脱・交換作業が不要となり、生産性の更なる向上を図ることができる。
本発明の第6の特徴によれば、特定ケース主体および他のケース主体にそれぞれ設けられる第1〜第3締結面を加工テーブルに対して同一平面に設定するので、同一座標である締結孔群の締結孔の深さを異なるケース主体間で一致させることができる。
さらに本発明の第7の特徴によれば、クランクケースにシリンダブロックおよびシリンダヘッドを締結するために第2クランクケース半体に設ける複数のスタッドボルト締結孔の座標が、特定のケース主体および他のケース主体で同一であるので、生産性のより一層の向上が可能となるとともに、シリンダブロックおよびシリンダヘッドの共用化も容易となり、より一層の低コスト化を図ることができる。
ユニットスイング式エンジンの横断平面図である。 第1のケース主体を図1の2−2線矢視方向から見た図である。 第1のケース主体を図1の3−3線矢視方向から見た図である。 第2のケース主体を図2と同一方向から見た図である。 第2のケース主体を図3と同一方向から見た図である。 第3のケース主体を図2と同一方向から見た図である。 第3のケース主体を図3と同一方向から見た図である。 第1締結孔群の加工座標が同一であることを示すために第1および第2のケース主体を重ねて図2と同一方向から見た図である。 クランクシャフトの中心軸線を基準とした状態で第1締結孔群の加工座標が同一であることを示すために第1および第3のケース主体を重ねて図2と同一方向から見た図である。 伝動軸の中心軸線を基準とした状態で第3締結孔群の加工座標が同一であることを示すために第1および第3のケース主体を重ねて図2と同一方向から見た図である。 第2締結孔群の加工座標が同一であることを示すために第1および第2のケース主体を重ねて図3と同一方向から見た図である。 クランクシャフトの中心軸線を基準とした状態で第2締結孔群の加工座標が異なることを示すために第1および第3のケース主体を重ねて図3と同一方向から見た図である。 伝動軸の中心軸線を基準とした状態で第2締結孔群の加工座標が異なることを示すために第1および第3のケース主体を重ねて図3と同一方向から見た図である。 加工テーブル上でのケース主体の加工を説明するための簡略化した断面図である。 図1の15−15線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付の図1〜図15を参照しながら説明する。なお以下の説明で、前後、左右および上下は、ユニットスイング式エンジンを備える鞍乗り型車両に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。
先ず図1において、このユニットスイング式エンジンは、鞍乗り型車両たとえば自動二輪車に用いられるものであり、自動二輪車の車体フレームに揺動可能に支承され、後輪WRが、ユニットスイング式エンジンが備える伝動ケース11の後端部と、前記伝動ケース11の後端部との間に前記後輪WRを挟むようにしてエンジン本体13のクランクケース14に連設されたアーム12の後端部とで軸支される。
前記ユニットスイング式エンジンのエンジン本体13は、クランクケース14と、該クランクケース14に結合されるシリンダブロック15と、該シリンダブロック15に結合されるシリンダヘッド16と、該シリンダヘッド16に結合されるヘッドカバー17とを備え、シリンダブロック15に設けられるシリンダボア18にピストン19が摺動可能に嵌合される。前記クランクケース14にはクランクシャフト20が回転自在に支承されており、該クランクシャフト20に前記ピストン19が連接される。
前記クランクケース14は、右側の第1クランクケース半体21ならびに左側の第2クランクケース半体22Aが結合されて成り、第1クランクケース半体21を回転自在に貫通するクランクシャフト20の右側端部にはアウターロータ23が固定され、該アウターロータ23とともに発電機25を構成するようにしてアウターロータ23で囲繞されるインナーステータ24が、第1クランクケース半体21に締結される支持板26に固定される。
第1クランクケース半体21には、前記発電機25を囲む筒状の発電機カバー27が結合されており、この発電機カバー27の右側にラジエータ28が配設される。前記クランクシャフト20には、前記ラジエータ28に冷却風を流通させるための冷却ファン29が、前記発電機25および前記ラジエータ28間に配置されるようにして固定される。
ところで、前記ピストン19の頂部を臨ませてシリンダブロック15およびシリンダヘッド16間に形成される燃焼室30への吸気を制御する吸気弁(図示せず)ならびに前記燃焼室30からの排気を制御する排気弁(図示せず)を開閉駆動する動弁装置31が、シリンダヘッド16およびヘッドカバー17間に収容されており、この動弁装置31が備えるカムシャフト32が、前記クランクシャフト20と平行な軸線まわりに回転することを可能としてシリンダヘッド16に支承される。
前記クランクシャフト20および前記カムシャフト32間には、前記クランクケース14から前記シリンダヘッド16にわたって前記エンジン本体13に形成されるカムチェーン室33を走行するカムチェーン34を含む調時伝動機構35が設けられ、この調時伝動機構35によってクランクシャフト20からの動力が1/2の減速比で前記カムシャフト32に伝達される。また前記カムシャフト32には、前記シリンダヘッド16の右側面に取付けられる冷却水ポンプ36のポンプ軸37が同軸かつ相対回転不能に連結される。
前記クランクシャフト20の回転動力は、前記クランクケース14に連設されて後輪WRの左側方に延びる伝動ケース11内に収容される伝動装置40を介して後輪WRに伝達されるものであり、この伝動装置40は、前記クランクシャフト20から伝達される回転動力を無段階に変速するVベルト式無段変速機41と、Vベルト式無段変速機41の回転動力を減速して後輪WRの車軸43に伝達する減速ギヤ機構42とを備える。
前記伝動ケース11は、第2クランクケース半体22Aを一体に有して前記クランクケース14の左側壁から後輪WRの側方まで後方に延出されるケース主体44Aと、前記Vベルト式無段変速機41を少なくとも収容する変速機室47を前記ケース主体44Aとの間に形成して該ケース主体44Aに締結されるケースカバー45と、前記減速ギヤ機構42を収容するギヤ室48を前記ケース主体44Aとの間に形成するようにして該ケース主体44Aの後部に締結されるギヤカバー46とで構成される。
Vベルト式無段変速機41は、ベルト巻き掛け径を可変として前記クランクシャフト20に設けられる駆動プーリ49と、伝動軸52に設けられる従動プーリ50と、駆動プーリ49および従動プーリ50に巻き掛けられる無端状のVベルト51とを備える。
前記駆動プーリ49は、クランクシャフト20に固定された固定プーリ半体53と、固定プーリ半体53に対して近接・離間することを可能として固定プーリ半体53よりもクランクケース14側に配置される可動プーリ半体54とから成る。前記クランクシャフト20に固定されたランププレート55と、該ランププレート55および前記可動プーリ半体54との間には複数のウエイトローラ56…が介装されており、クランクシャフト20の回転に伴ってウエイトローラ56…に作用する遠心力で各ウエイトローラ56…がクランクシャフト20の半径方向に移動することによって、前記固定プーリ半体53および前記可動プーリ半体54間の距離すなわちベルト巻き掛け径が変化することになる。
前記伝動ケース11におけるケースカバー45には、キック軸57が回転自在に支承されており、該キック軸57の外端にキックペダルが設けられる。またケースカバー45の内面側で前記キック軸57および前記クランクシャフト20間には、キックペダルの踏み込み操作に応じたキック軸57の回転動力を前記クランクシャフト20に伝達可能としたキック式始動装置58が設けられる。
また駆動プーリ49における固定プーリ半体53の外面には、伝動ケース11内に冷却風を流通させる冷却ファンとしての機能を前記固定プーリ半体53に果たさせるための複数のフィン59…が突設される。
従動プーリ50は、前記伝動軸52を同軸に囲繞しつつ該伝動軸52に相対回転可能に支承される円筒状の内筒61に固定される固定プーリ半体63と、前記内筒61に対する軸方向相対移動および相対回動を可能として前記内筒61を同軸に囲繞する外筒62に固定されることで前記固定プーリ半体63に対する近接・離反を可能とした可動プーリ半体64とで構成され、固定プーリ半体63および可動プーリ半体64間にVベルト51が巻き掛けられる。また可動プーリ半体63および固定プーリ半体64間の相対回転位相差に応じて両プーリ半体63,64間に軸方向の分力を作用せしめるトルクカム機構65が、前記内筒61および前記外筒62間に設けられ、可動プーリ半体64はコイルスプリング66によって固定プーリ半体63側に向けて弾発付勢され、固定プーリ半体63および伝動軸52間には、エンジン回転数が設定回転数を超えるのに伴って動力伝達状態となる遠心クラッチ67が設けられる。
而して従動プーリ50における固定プーリ半体63および可動プーリ半体64間の軸方向間隔は、前記トルクカム機構65によって生じる軸方向の力と、コイルスプリング66によって生じる軸方向の弾性力と、固定プーリ半体63および可動プーリ半体64間の間隔をあける方向に作用するVベルト51からの力とのバランスにより決定され、Vベルト51の駆動プーリ49への巻き掛け半径が大きくなると、Vベルト51の従動プーリ50への巻き掛け半径が小さくなる。
前記ケース主体22Aを液密にかつ回転自在に貫通する前記伝動軸52の一端部は、前記ケースカバー45に回転自在に支承され、この伝動軸52の他端部は前記ギヤカバー46に回転自在に支承される。前記後輪WRの車軸43の一端部は、前記ギヤカバー46を気密に貫通してギヤ室48内に突入されており、この車軸43の一端側はケース主体44Aおよびギヤカバー46で回転自在に支承され、該車軸43の他端部が前記アーム12で回転自在に支承される。
前記減速ギヤ機構42は、前記伝動軸52および前記車軸43間に設けられるようにして前記ギヤ室48に収納されるものであり、前記クランクシャフト20からの回転動力が前記Vベルト式無段変速機41および前記遠心クラッチ67を介して伝達される伝動軸52に一体に設けられるドライブギヤ68と、前記後輪WRの車軸43に設けられるファイナルギヤ69と、該ファイナルギヤ69および前記ドライブギヤ68間に配設される第1および第2アイドルギヤ70,71とを有する。
前記ギヤ室48を協働して構成する前記ケース主体44Aおよび前記ギヤカバー46にはアイドル軸73の両端部が回転自在に支承されており、ドライブギヤ68よりも大径である第1アイドルギヤ70は、ドライブギヤ68に噛合するようにして前記アイドル軸73に固定され、第1アイドルギヤ70および前記ファイナルギヤ69よりも小径である第2アイドルギヤ71が、前記ファイナルギヤ69に噛合するようにして前記アイドル軸73に一体に設けられる。
図2において、前記ケース主体44Aがその前部に一体に有する第2クランクケース半体22Aには、第1クランクケース半体21を締結するための第1締結面75Aが設けられており、この第1締結面75Aには、第1締結孔群76Aを構成する複数の第1クランクケース半体用締結孔77A,77A…が設けられ、それらの第1クランクケース半体締結孔77A,77A…は第1クランクケース半体21側に開放して有底に形成される。
図3において、前記ケース主体44Aの左側周縁部には、前記ケースカバー45を締結するための第2締結面78Aが設けられており、この第2締結面78Aには、第2締結孔群79Aを構成する複数のケースカバー用締結孔80A,80A…が設けられ、これらのケースカバー用締結孔80A,80A…は左側方に開放して有底に形成される。
再び図2において、前記ケース主体44Aの右側後部には、前記ギヤカバー46を締結するための第3締結面81Aが設けられており、この第3締結面81Aには、第3締結孔群82Aを構成する複数のギヤカバー用締結孔83A,83A…が設けられ、これらのギヤカバー用締結孔83A,83A…は右側方に開放して有底に形成される。
ところで前記伝動ケース11のサイズは、前記後輪WRのタイヤ径に応じて定まるものであり、上述の図1〜図3に関連して説明した伝動ケース11のケース主体44Aは、たとえば14インチのタイヤ径を有する後輪WRに対応したものである。
たとえば10インチのタイヤ径の後輪WRに対応したケース主体44Bは、図4および図5で示すように形成されており、このケース主体44Bが図4で示すように前部に一体に有する第2クランクケース半体22Bには、第1クランクケース半体21を締結するための第1締結面75Bが設けられており、この第1締結面75Bには、第1締結孔群76Bを構成する複数の第1クランクケース半体用締結孔77B,77BA…が設けられ、それらの第1クランクケース半体締結孔77B,77B…は、第1クランクケース半体21側に開放して有底に形成される。
図5において、前記ケース主体44Bの左側周縁部には、前記ケースカバー45を締結するための第2締結面78Bが設けられており、この第2締結面78Bには、第2締結孔群79Bを構成する複数のケースカバー用締結孔80B,80B…が設けられ、これらのケースカバー用締結孔80B,80B…は左側方に開放して有底に形成される。
再び図4において、前記ケース主体44Bの右側後部には、前記ギヤカバー46を締結するための第3締結面81Bが設けられており、この第3締結面81Bには、第3締結孔群82Bを構成する複数のギヤカバー用締結孔83B,83B…が設けられ、これらのギヤカバー用締結孔83B,83B…は右側方に開放して有底に形成される。
たとえば16インチのタイヤ径の後輪WRに対応したケース主体44Bは、図6および図7で示すように形成されており、このケース主体44Cが図6で示すように前部に一体に有する第2クランクケース半体22Cには、第1クランクケース半体21を締結するための第1締結面75Cが設けられており、この第1締結面75Cには、第1締結孔群76Cを構成する複数の第1クランクケース半体用締結孔77C,77CA…が設けられ、それらの第1クランクケース半体締結孔77C,77C…は、第1クランクケース半体21側に開放して有底に形成される。
図7において、前記ケース主体44Cの左側周縁部には、前記ケースカバー45を締結するための第2締結面78Cが設けられており、この第2締結面78Cには、第2締結孔群79Cを構成する複数のケースカバー用締結孔80C,80C…が設けられ、これらのケースカバー用締結孔80C,80C…は左側方に開放して有底に形成される。
再び図6において、前記ケース主体44Cの右側後部には、前記ギヤカバー46を締結するための第3締結面81Cが設けられており、この第3締結面81Cには、第3締結孔群82Cを構成する複数のギヤカバー用締結孔83C,83C…が設けられ、これらのギヤカバー用締結孔83C,83C…は右側方に開放して有底に形成される。
タイヤ径の異なる複数種類の後輪WRにそれぞれ対応した複数のケース主体44A,44B,44Cのうち特定のタイヤ径、たとえば14インチのタイヤ径の後輪WRに対応した特定のケース主体を第1のケース主体44Aとし、10インチのタイヤ径の後輪WRに対応した他のケース主体を第2のケース主体44Bとし、16インチのタイヤ径の後輪WRに対応した他のケース主体を第3のケース主体44Cとしたときに、第1〜第3のケース主体44A〜44Cに穿孔加工するにあたって、本発明に従えば、第1のケース主体44Aと、第2および第3のケース主体44B,44Cとで、第1締結孔群76A〜76Cを穿孔加工する際の加工座標と、第2締結孔群79A〜79Cまたは第3締結孔群82A〜82Cを穿孔加工する際の加工座標とを同一に設定する。
すなわち第1のケース主体44Aおよび第2のケース主体44Bを重ねた状態で図2および図4と同一方向から見ると、図8で示すように、鎖線で示す第1のケース主体44Aにおける第1締結孔群76Aの第1クランクケース半体用締結孔77A,77A…と、実線で示す第2のケース主体44Bにおける第1締結孔群76Bの第1クランクケース半体用締結孔77B,77B…とは相互に重なる同一位置に在る。また第1のケース主体44Aおよび第3のケース主体44Cを重ねた状態で図2および図6と同一方向から見ると、図9で示すように、鎖線で示す第1のケース主体44Aにおける第1締結孔群76Aの第1クランクケース半体用締結孔77A,77A…と、実線で示す第3のケース主体44Cにおける第1締結孔群76Cの第1クランクケース半体用締結孔77C,77C…とは相互に重なる同一位置に在る。
また第1のケース主体44Aと、第1のケース主体44Aに対応した後輪WRのタイヤ径よりも大きなタイヤ径を有する後輪WRに対応した第3のケース主体44Cとで、第3締結孔群82A,82Cを穿孔加工する際の加工座標を同一に設定する。すなわち第1締結孔群76A,76Cの加工座標は、図9で示したように、前記クランクシャフト20の中心軸線を基準としたときに同一となり、その際、第3締結孔群82A,82Cの加工座標は同一とはならないのであるが、図10で示すように、伝動軸52の中心軸線を基準とすると、第1のケース主体44Aの第3締結孔群82Aの加工座標と、第3のケース主体44Cの第3締結孔群82Cの加工座標とは同一となる。
また第1のケース主体44Aと、第1のケース主体44Aに対応した後輪WRのタイヤ径よりも小さなタイヤ径を有する後輪WRに対応した第2のケース主体44Bとで、第2締結孔群79A,79Bを穿孔加工する際の加工座標を同一に設定する。すなわち第1のケース主体44Aおよび第2のケース主体44Bを重ねた状態で図3および図5と同一方向から見ると、図11で示すように、鎖線で示す第1のケース主体44Aにおける第2締結孔群79Aのケースカバー用締結孔80A,80A…と、実線で示す第2のケース主体44Bにおける第2締結孔群79Bのケースカバー用締結孔80B,80B…とは相互に重なる同一位置に在る。
一方、第1のケース主体44Aの第3締結群82Aと、第2のケース主体44Bの第3締結孔群82Bとは、第1締結孔群76A,76Bを同一座標としたときに、図8で示すように相互に異なる座標となる。また第1のケース主体44Aの第2締結群79Aと、第3のケース主体44Cの第2締結孔群79Cとは、クランクシャフト20の中心軸線を基準としたときに、図12で示すように、一部のケースカバー用締結孔80A,80Cが同一座標となるものの全体としては同一ではなく、また前記伝動軸52の中心軸線を基準としたときに、図13で示すように、一部のケースカバー用締結孔80A,80Cが同一座標となるものの全体としては同一とはならない。
ところで第1、第2および第3のケース主体44A,44B,44Cの第1〜第3締結孔群76A〜76C,79A〜79C,82A〜82Cを穿孔加工するにあたって、先ず第2締結孔群79A〜79Cを加工する際には、図14(a)で示すように、第1締結面75A,75B,75Cを載置する第1の載置面85aならびに第3締結面81A,81B,81Cを載置するようにして第1の載置面85aよりも上方にある第2の載置面85bを有する加工テーブル85上に、第1、第2および第3のケース主体44A,44B,44Cを載せて、たとえばNCマシンニングセンタ86を適宜回転しつつ、該NCマシンニングセンタ86に取付けられた複数の刃具87…の1つで第2締結孔群79A〜79Cを穿孔加工することになる。
また第1締結孔群76A〜76Cおよび第3締結孔群82A〜82Cを穿孔加工する際には、図14(b)で示すように、第2締結面78A,78B,78Cを加工テーブル88上に載置し、たとえば複数の刃具89…を有する多軸専用機90で穿孔加工することになる。而して第2締結孔群79A〜79Cを加工する際にNCマシニングセンタ86を用い、第1締結孔群76A〜76Cおよび第3締結孔群82A〜82Cを穿孔加工する際に多軸専用機90を用いるようにしてもよい。
また第1〜第3のケース主体44A〜44Cにおける第1締結面75A〜75C、第2締結面78A〜78Cおよび第3締結面81A〜81Cを、前記加工テーブル85,88に対して同一平面とするように、第1締結面75A〜75Cおよび第2締結面78A〜78C間の距離L1は第1〜第3のケース主体44A〜44Cで同一に設定され、また第2締結面78A〜78Cおよび第3締結面81A〜81C間の距離L2第1〜第3のケース主体44A〜44Cで同一に設定される。
第1〜第3締結孔群76A〜76C,79A〜79C,82A〜82Cを穿孔加工する際に、第1〜第3のケース主体44A〜44Cは、前記加工テーブル85,88に位置決め載置されるものであり、第1のケース主体44Aの第1および第3締結孔群76A,81Aを穿孔加工する際に位置決めするための複数たとえば2つの加工位置決め孔91A,92Aが相互に間隔をあけて第1のケース主体44Aの左側面に設けられ、第2のケース主体44Bの第1および第3締結孔群76B,81Bを穿孔加工する際に位置決めするための複数たとえば2つの加工位置決め孔91B,92Bが相互に間隔をあけて第2のケース主体44Bの左側面に設けられ、第3のケース主体44Cの第1および第3締結孔群76C,81Cを穿孔加工する際に位置決めするための複数たとえば2つの加工位置決め孔91C,92Cが相互に間隔をあけて第3のケース主体44Cの左側面に設けられる。
また第1のケース主体44Aの第2締結孔群79Aを穿孔加工する際に位置決めするための複数たとえば2つの加工位置決め孔93A,94Aが相互に間隔をあけて第1のケース主体44Aの右側面に設けられ、第2のケース主体44Bの第2締結孔群79Bを穿孔加工する際に位置決めするための複数たとえば2つの加工位置決め孔93B,94Bが相互に間隔をあけて第2のケース主体44Bの右側面に設けられ、第3のケース主体44Cの第2締結孔群79Cを穿孔加工する際に位置決めするための複数たとえば2つの加工位置決め孔93C,94Cが相互に間隔をあけて第3のケース主体44Cの右側面に設けられる。
しかも第1および第3締結孔群76A〜76C;82A〜82Cを穿孔加工する際の位置決めを果たすために第1〜第3のケース主体44A〜44Cの左側面に2つずつ設けられる加工位置決め孔91A,92A;91B,92B;91C,92Cの少なくとも1つが,第1のケース主体44Aと、第2および第3のケース主体44B,44Cの少なくとも1つとの間で同一座標位置となる。而してこの実施の形態では、第1および第2のケース主体44A,44B間では、第1および第3締結孔群76A,76B;82A,82Bを穿孔加工するときに、図11で示すように、加工位置決め孔91A,92A;91B,92Bがともに同一座標にある。また第1および第3のケース主体44A,44C間では、第1締結孔群76A,76Cの加工座標を同一とするようにしてクランクシャフト20の中心軸線を基準としたときには、図12で示すように、加工位置決め孔91A,92A;91C,92Cがともに異なった座標位置に在り、第3締結孔群82A,82Cの加工座標を同一とするようにして前記伝動軸52の中心軸線を基準としたときにも、図13で示すように、加工位置決め孔91A,92A;91C,92Cがともに異なった座標位置にある。
また第2締結孔群79A〜79Cを穿孔加工する際の位置決めを果たすために第1〜第3のケース主体44A〜44Cの右側面に2つずつ設けられる加工位置決め孔93A,94A;93B,94B;93C,94Cの少なくとも1つが,第1のケース主体44Aと、第1および第3のケース主体44B,44Cの少なくとも1つとの間で同一座標位置となる。而してこの実施の形態では、第1および第2のケース主体44A,44B間では、第2締結孔群79A,79Cの加工座標を同一とするときには、図8で示すように、加工位置決め孔93A,94A;93B,94Bがともに同一座標にある。また第1および第3のケース主体44A,44C間では、クランクシャフト20の中心軸線を基準としたときには、図9で示すように、加工位置決め孔93A,94A;93C,94Cのうち加工位置決め孔93A,93Cが同一座標となるものの加工位置決め孔94A,94Cが異なった座標位置にあり、また伝動軸52の中心軸線を基準としたときには、図10で示すように、加工位置決め孔93A,94A;93C,94Cのうち加工位置決め孔94A,94Cが同一座標となるものの加工位置決め孔93A,93Cが異なった座標位置となる。
また第1〜第3のケース主体44A〜44Cに設けられる前記加工位置決め孔91A〜94A;91B〜94B;91C〜94Cのうち、第1のケース主体44Aと、第2および第3のケース主体44B,44Cの少なくとも1つとの間で異なる座標位置となる加工位置決め孔を、当該加工位置決め孔に嵌入するようにして前記加工テーブル85,88に植設する位置決めピンが第1〜第3の44A〜44Cのいずれとも非干渉となる位置に配置する。
すなわち第1締結孔群76Cの穿孔加工を行うために第3のケース主体44Cの左側面に設けられる加工位置決め孔91C,92Cは、第1および第2のケース主体44A,44Bの左側面に設けられる加工位置決め孔91A,92A;91B,92Bとは異なった座標位置にあるのであるが、図12で示すように、第3のケース主体44Cの前記加工位置決め孔91C,92Cに嵌入するようにして加工テーブル88に植設される位置決めピン96,97は、第1のケース主体44Aとは干渉しない位置にあり、第2のケース主体44Bとも干渉しない。また図13で示すように、第3締結孔群76Cの穿孔加工を行うために第3のケース主体44Cの左側面に設けられる加工位置決め孔91C,92Cに嵌入するようにして加工テーブル88に植設される位置決めピン98,99は、第1のケース主体44Cとは干渉しない位置にあり、第2のケース主体44Bとも干渉しない。さらに第1および第2のケース主体44A,44Bの左側面に設けられる加工位置決め孔91A,92A;91B,92Bも、それらの加工位置決め孔91A,92A;91B,92Bに嵌入されるようにして前記加工テーブル88に植設される位置決めピンが、第3のケース主体44Cとは干渉しない位置に配置される。なお第3のケース44Cには、第1および第2のケース主体44A,44Bの前記加工位置決め孔91A,91Bに嵌入される位置決めピンを逃げるようにした逃げ凹部102が設けられる。
また第2締結孔群79Cの穿孔加工を行うために第3のケース主体44Cの右側面に設けられる加工位置決め孔93C,94Cのうち加工位置決め孔93Cは、伝動軸52の中心軸線を基準位置としたときには、第1のケース主体44Aの加工位置決め孔93Aとは異なる座標位置にあるが、その加工位置決め孔93Cに嵌入するようにして前記加工テーブル85に植設される位置決めピン100は、図10で示すように、第1のケース主体44Aとは干渉しない位置にあり、第2のケース主体44Bとも干渉しない。また第3のケース主体44Cの右側面に設けられる加工位置決め孔93C,94Cのうち加工位置決め孔94Cは、クランクシャフト20の中心軸線を基準位置としたときには、第1のケース主体44Aの加工位置決め孔94Aとは異なる座標位置にあるが、その加工位置決め孔94Cに嵌入するようにして前記加工テーブル85に植設される位置決めピン101は、図9で示すように、第1のケース主体44Aとは干渉しない位置にあり、第2のケース主体44Bとも干渉しない。さらに第1および第2のケース主体44A,44Bの右側面に設けられる加工位置決め孔93A,94A;93B,94Bも、それらの加工位置決め孔93A,94A;93B,94Bに嵌入されるようにして前記加工テーブル85に植設される位置決めピンが、第3のケース主体44Cとは干渉しない位置に配置される。
図15にいて、第1〜第3のケース主体44A〜44Cの第2クランクケース半体22A〜22Cには、前記クランクケース14に前記シリンダブロック15および前記シリンダヘッド16を締結するための一対のスタッドボルト締結孔105,106が設けられるのであるが、それらのスタッドボルト締結孔105,106の座標は、第1〜第3のケース主体44A〜44Cで同一である。
次にこの実施の形態の作用について説明すると、タイヤ径の異なる複数種類の後輪WRにそれぞれ対応した第1〜第3のケース主体44A,44B,44Cのうち特定のタイヤ径である14インチの後輪WRに対応した第1のケース主体44Aと、第2および第3のケース主体44B,44Cとで、第1締結孔群76A〜76Cを穿孔加工する際の加工座標と、第2締結孔群79A〜79Cまたは第3締結孔群82A〜82Cを穿孔加工する際の加工座標とを同一に設定するので、タイヤ径の異なる後輪WRにそれぞれ対応した3種類の伝動ケース11の一部である第1〜第3のケース主体44A〜44Cの穿孔加工を行う際に、同一の加工座標および同一のの刃具で多くの締結孔を穿孔加工することが可能となり、加工機を共用化して生産性の向上を図ることができる。また第1締結孔群76A〜76Cの加工座標を同一とすることで、第2クランクケース半体22A〜22Cに締結される第1クランクケース半体21を複数のユニットスイング式エンジンで共用化することができる。さらに第2締結孔群79A〜79Cまたは第3締結孔群82A〜82Cの加工座標を同一とすることで、ケースカバー45またはギヤカバー46の共用化を図ることができ、しかもケースカバー45またはギヤカバー46の共用化によって伝動ケース11内に収容される部品を含む多くの部品の共用化を図り易くなり、コスト低減を図ることが可能となる。
前記特定のタイヤ径よりも大きなタイヤ径を有する後輪WRに対応させた第3のケース主体44Cと、第1のケース主体44Aとで、第3締結孔群82A,82Cを穿孔加工する際の加工座標を同一に設定するので、タイヤ径に合わせて第1および第3のケース主体44A,44Cの前後長ならびにVベルト式無段変速機41のベルト長を主として設計変更するだけで、タイヤ径に対応させた伝動ケース11を構成することができ、Vベルト式無段変速機41の一部を構成する駆動および従動プーリ49,50や、減速ギヤ機構42の構成部品を共用化することが可能となる。
また前記特定のタイヤ径よりも小さなタイヤ径を有する後輪WRに対応させた第2のケース主体44Bと、第1のケース主体44Aとで、第2締結孔群79A,79Bを穿孔加工する際の加工座標を同一に設定するので、タイヤ径に合わせてギヤ室48や減速ギヤ機構42を主として設計変更するだけで、タイヤ径に対応させた伝動ケース11を構成することができ、第1および第2のケース主体44A,44Bと、ケースカバー45との間の変速機室47に収容されるVベルト式無段変速機41を共用化することができる。しかもタイヤ径を小さく設定すると、伝動ケース11が地面に近くなり易いが、前記ギヤ室48や前記減速ギヤ機構42の設計変更によってバンク角が確保できるように後輪WRの車軸43の位置を調整すればよく、小径の後輪WRにも容易に対応させることができる。
また第1〜第3締結孔群76A〜76C;79A〜79C;82A〜82Cを穿孔加工する際の位置決めを果たすための複数の加工位置決め孔91A,92A,93A,94A;91B,92B,93B,94B;91C,92C,93C,94Cが第1〜第3のケース主体44A〜44Cに設けられるのであるが、それらの加工位置決め孔91A〜94A;91B〜94B;91C〜94Cの少なくとも1つが,第1のケース主体44Aと、第2および第3のケース主体44B,44Cの少なくとも1つとの間で同一座標位置となるよので、加工テーブル85,88上の位置決めピンを共用化することができる。
また第1のケース主体44Aと、第2および第3のケース主体44B,44Cの少なくとも1つとの間で異なる座標位置となる加工位置決め孔91A〜94A;91B〜94B;91C〜94Cを、当該加工位置決め孔91A〜94A;91B〜94B;91C〜94Cに嵌入するようにして加工テーブル85,88に植設する位置決めピン96,97,98,99,100,101が第1〜第3のケース主体44A〜44Cのいずれとも非干渉となる位置に配置するので、各ケース主体44A〜44Cの加工テーブル85,88上での加工時に位置決めピン96〜101の着脱・交換作業が不要となり、生産性の更なる向上を図ることができる。
また第1のケース主体44Aと、第2および第3のケース主体44B,44Cとで、第1クランクケース半体21を締結するための第1締結面75A,75B,75C、ケースカバー45を締結するための第2締結面78A,78B,78C、ならびにギヤカバー46を締結するための第3締結面81A,81B,81Cを、第1、第2および第3締結孔群76A〜76C,79A〜79C,82A〜82Cの加工時に載置する加工テーブル85,88に対して同一平面に設定するので、同一座標である締結孔群の締結孔の深さを異なるケース主体間で一致させることができる。
さらにクランクケース14にシリンダブロック15およびシリンダヘッド16を締結するためのスタッドボルト締結孔105,106を、第1〜第3のケース主体44A〜44Cの第2クランクケース半体22A〜22Cに同一座標で設けるので、生産性のより一層の向上が可能となるとともに、シリンダブロック15およびシリンダヘッド16の共用化も容易となり、より一層の低コスト化を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
11・・・伝動ケース
14・・・クランクケース
15・・・シリンダブロック
16・・・シリンダヘッド
21 ・・・第1クランクケース半体
22A,22B,22C・・・第2クランクケース半体
41・・・Vベルト式無段変速機
42・・・減速ギヤ機構
44A・・・特定のケース主体である第1のケース主体
44B・・・他のケース主体である第2のケース主体
44C・・・他のケース主体である第3のケース主体
45・・・ケースカバー
46・・・ギヤカバー
47・・・変速機室
48・・・ギヤ室
75A,75B,75C・・・第1締結面
76A,76B,76C・・・第1締結孔群
77A,77B,77C・・・第1クランクケース半体用締結孔
78A,78B,78C・・・第2締結面
79A,79B,79C・・・第2締結孔群
80A,80B,80C・・・ケースカバー用締結孔
81A,81B,81C・・・第3締結面
82A,82B,82C・・・第3締結孔群
83A,83B,83C・・・ギヤカバー用締結孔
85,88・・・加工テーブル
91A,91B,91C,92A,92B,92C,93A,93B,93C,94A,94B,94C・・・加工位置決め孔
96,97,98,99,100,101・・・位置決めピン
105,106・・・スタッドボルト締結孔
WR・・・後輪

Claims (7)

  1. クランクケース(14)を第1クランクケース半体(21)と協働して構成する第2クランクケース半体(22A,22B,22C)を一体に有して後輪(WR)の側方まで延出されるケース主体(44A,44B,44C)と、Vベルト式無段変速機(41)を少なくとも収容する変速機室(47)を前記ケース主体(44A〜44C)との間に形成して該ケース主体(44A〜44C)に締結されるケースカバー(45)と、減速ギヤ機構(42)を収容するギヤ室(48)を前記ケース主体(44A〜44C)との間に形成するようにして該ケース主体(44A〜44C)の後部に締結されるギヤカバー(46)とで構成される伝動ケース(11)の前記ケース主体(44A〜44C)に、第1クランクケース半体(21)を締結するための複数の第1クランクケース半体用締結孔(77A,77B,77C)から成る第1締結孔群(76A,76B,76C)、前記ケースカバー(45)を締結するための複数のケースカバー用締結孔(80A,80B,80C)から成る第2締結孔群(79A,79B,79C)ならびに前記ギヤカバー(46)を締結するための複数のギヤカバー用締結孔(83A,83B,83C)から成る第3締結孔群(82A,82B,82C)を穿孔加工するためのユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法において、タイヤ径の異なる複数種類の後輪(WR)にそれぞれ対応した複数のケース主体(44A,44B,44C)のうち特定のタイヤ径の後輪(WR)に対応した特定のケース主体(44A)と、他のケース主体(44B,44C)とで、第1締結孔群(76A〜76C)を穿孔加工する際の加工座標と、第2締結孔群(79A〜79C)または第3締結孔群(82A〜82C)を穿孔加工する際の加工座標とを同一に設定することを特徴とするユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法。
  2. 前記特定のタイヤ径よりも大きなタイヤ径を有する後輪(WR)に対応させた前記他のケース主体(44C)と、前記特定のケース主体(44A)とで、第3締結孔群(82A,82C)を穿孔加工する際の加工座標を同一に設定することを特徴とする請求項1記載のユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法。
  3. 前記特定のタイヤ径よりも小さなタイヤ径を有する後輪(WR)に対応させた前記他のケース主体(44B)と、前記特定のケース主体(44A)とで、第2締結孔群(79A,79B)を穿孔加工する際の加工座標を同一に設定することを特徴とする請求項1記載のユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法。
  4. 第1〜第3締結孔群(76A〜76C;79A〜79C;82A〜82C)を穿孔加工する際の位置決めを果たすための複数の加工位置決め孔(91A,92A,93A,94A;91B,92B,93B,94B;91C,92C,93C,94C)を、それらの加工位置決め孔(91A〜94A;91B〜94B;91C〜94C)の少なくとも1つが,前記特定のケース主体(44A)と、前記他のケース主体(44B,44C)の少なくとも1つとの間で同一座標位置となるようにして、前記特定のケース主体(44A)および前記他のケース主体(44B,44C)に設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法。
  5. 前記特定のケース主体(44A)と、前記他のケース主体(44B,44C)の少なくとも1つとの間で異なる座標位置となる前記加工位置決め孔(91A〜94A;91B〜94B;91C〜94C)を、当該加工位置決め孔(91A〜94A;91B〜94B;91C〜94C)に嵌入するようにして加工テーブル(85,88)に植設する位置決めピン(96,97,98,99,100,101)が前記特定のケース主体(44A)および前記他のケース主体(44B,44C)のいずれとも非干渉となる位置に配置することを特徴とする請求項4記載のユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法。
  6. 前記特定のケース主体(44A)と、前記他のケース主体(44B,44C)とで、第1クランクケース半体(21)を締結するための第1締結面(75A,75B,75C)、前記ケースカバー(45)を締結するための第2締結面(78A,78B,78C)、ならびに前記ギヤカバー(46)を締結するための第3締結面(81A,81B,81C)を、第1、第2および第3締結孔群(76A〜76C,79A〜79C,82A〜82C)の加工時に載置する加工テーブル(85,88)に対して同一平面に設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法。
  7. 前記クランクケース(14)にシリンダブロック(15)およびシリンダヘッド(16)を締結するためのスタッドボルト締結孔(105,106)を、前記特定のケース主体(44A)および前記他のケース主体(44B,44C)の第2クランクケース半体(22A〜22C)に同一座標で設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のユニットスイング式エンジン用伝動ケースのケース主体加工方法。
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