JP5862220B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような画像形成装置として、2次転写部において、中間転写ベルトと2次転写部材とのニップ部においてトナー像を用紙に静電的に転写しつつ、用紙を挟持し搬送する構成が知られている。
従来の画像形成装置においては、図9(a)に示すように、2次転写部38の搬送方向上流側に用紙Pを進入させるガイド部材39が設けられ、ガイド部材39により誘導された用紙Pが中間転写ベルト31と2次転写ベルト38bとのニップ部Nに進入していた。
この場合、中間転写ベルト31と2次転写ベルト38bとのニップ部Nに進入する用紙Pの後端がガイド部材39を通過したときに、該用紙Pの後端が跳ね上がる現象が起こり、跳ね上がった用紙Pの後端が中間転写ベルト31に当たることで中間転写ベルト31を突き上げられてしまうことがあった。
上記のような用紙Pの後端が中間転写ベルト31を突きあげる現象は、特に厚紙等の剛度が高い用紙に画像形成をする場合に起こり易い。中間転写ベルト31が突き上げられると、図9(b)に示すように、ニップ部Nの用紙搬送方向の長さであるニップ幅が狭くなり、ニップ部Nの近傍において、中間転写ベルト31と用紙Pとの間に空隙部が形成されてしまう。
用紙Pへの画像転写中にニップ部Nの近傍において放電現象が発生すると、用紙Pへの画像の転写不良が生じ、画像の品質が低下するという問題が生じていた。
用紙後端の跳ね上げに起因する画質の低下という問題を解決するための技術として、例えば特許文献1には、中間転写体と中間転写体を張架する張架部材とが接触を開始する位置より搬送方向下流側において、2次転写部と中間転写体とが接触するように構成することで、2次転写部に搬送される記録媒体の後端の跳ね上げを防ぐことが可能な画像形成装置が記載されている。
本発明は上記課題を鑑みてなされたもので、用紙に対する画像の転写の際に生じる不具合を防止することで高画質の画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
前記定着部による転写材の搬送速度と、前記搬送部材による転写材の搬送速度とが異なる画像形成装置であって、前記制御手段は、前記用紙サイズ取得手段が取得した前記転写材の搬送方向の長さが、前記定着部と前記ニップ部との間の転写材搬送路の長さより長い場合に、前記坪量取得手段が取得した前記転写材の坪量に基づいて、前記ニップ幅調整部材の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
また、請求項4に記載の発明は、画像が担持されるベルト状の像担持体と、前記像担持体に接し、転写材を前記像担持体と挟持しつつ搬送する搬送部材と、前記像担持体と前記搬送部材とが接する部分であるニップ部において前記像担持体上の画像を転写材に対して静電的に転写する転写手段と、その搬送方向先端部が前記ニップ部に対して前記像担持体とは反対側であって、前記ニップ部より搬送方向上流側に設けられた、転写材を前記ニップ部へ誘導するガイド部材と、前記ニップ部の転写材搬送方向の長さであるニップ幅を調整するニップ幅調整部材と、転写材の坪量を取得する坪量取得手段と、転写材に対して画像を定着しつつ該転写材を搬送する定着部と、転写材の搬送方向の長さを取得する用紙サイズ取得手段と、を有し、前記定着部による転写材の搬送速度と、前記搬送部材による転写材の搬送速度とが異なる画像形成装置であって、前記用紙サイズ取得手段が取得した前記転写材の搬送方向の長さが、前記定着部と前記ニップ部との間の転写材搬送路の長さより長く、且つ前記坪量取得手段が取得した前記転写材の坪量が、第1の所定値より大きい場合に、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
また、請求項11に記載の発明は、画像が担持されるベルト状の像担持体と、前記像担持体に接し、転写材を前記像担持体と挟持しつつ搬送する搬送部材と、前記像担持体と前記搬送部材とが接する部分であるニップ部において前記像担持体上の画像を転写材に対して静電的に転写する転写手段と、その搬送方向先端部が前記ニップ部に対して前記像担持体とは反対側であって、前記ニップ部より搬送方向上流側に設けられた、転写材を前記ニップ部へ誘導するガイド部材と、前記ニップ部の転写材搬送方向の長さであるニップ幅を調整するニップ幅調整部材と、転写材の坪量を取得する坪量取得手段と、前記坪量取得手段が取得した前記転写材の坪量が、第1の所定値より大きい場合に、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御する制御手段と、を有し、前記ニップ幅調整部材は、ローラ状の部材であり、前記搬送部材に接して前記搬送部材を変位させることで前記ニップ幅を調整することを特徴とする画像形成装置である。
また、請求項12に記載の発明は、画像が担持されるベルト状の像担持体と、前記像担持体に接し、転写材を前記像担持体と挟持しつつ搬送する搬送部材と、前記像担持体と前記搬送部材とが接する部分であるニップ部において前記像担持体上の画像を転写材に対して静電的に転写する転写手段と、その搬送方向先端部が前記ニップ部に対して前記像担持体とは反対側であって、前記ニップ部より搬送方向上流側に設けられた、転写材を前記ニップ部へ誘導するガイド部材と、前記ニップ部の転写材搬送方向の長さであるニップ幅を調整するニップ幅調整部材と、転写材の坪量を取得する坪量取得手段と、前記坪量取得手段が取得した前記転写材の坪量が、第1の所定値より大きい場合に、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御する制御手段と、を有し、前記ニップ幅調整部材は、ベルト状の部材であり、前記搬送部材に接して前記搬送部材を変位させることで前記ニップ幅を調整することを特徴とする画像形成装置である。
画像形成装置20は、スキャナ部22、プリンタ部24、給紙部32、操作表示部23等から構成されている。
スキャナ部22は、自動原稿給紙装置21、光学系22a、CCDイメージセンサ22b等から構成されている。
プリンタ部24は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応したトナー画像を形成する画像形成手段40Y、40M、40C、40Kと、各画像形成手段により形成されたトナー画像が転写される中間転写体としての中間転写ベルト31、中間転写ベルト31上のトナー画像を用紙に転写する2次転写部38、用紙に転写されたトナー像を定着する定着部34等から構成されている。
操作表示部23は、例えばタッチパネル方式のディスプレイを備えており、ユーザは画面上に表示されるアイコン等に触れることで、画像形成の内容に関する設定や、画像形成開始の指示等を行うことができる。
操作表示部23において画像形成開始の指示がなされると、自動原稿給紙装置21の原稿台21aに載置された原稿Jは原稿読み取り部へ搬送される。そして、図示しない光源より原稿に照射された光の反射光が、光学系22aを介してCCDイメージセンサ22bにより読み取られる。
CCDイメージセンサ22bにより読み取られた信号に対しては、各種画像処理が施される。そして、画像処理が施された画像信号に基づいて、画像形成手段40Y〜40Kが各色のトナー画像を形成する。
イエロー色のトナー画像を形成する画像形成手段40Yは、像担持体としての感光体ドラム41Y、帯電部42Y、露光部45Y、現像部43Y、クリーニング部44Yから構成されている。画像を形成する場合は、感光体ドラム41Yは図示しない駆動手段により図1の矢印A方向に回転され、その表面が帯電部42Yにより一様に帯電される。一様に帯電された感光体ドラム41Yに対して、露光部45Yが上記画像信号に基づいてレーザー光を照射することで、イエロー色の画像に対応した静電潜像を形成する。
中間転写ベルト31に転写され切れずに感光体ドラム41Yの表面に残存したトナーは、クリーニング部44Yにより取り除かれ、次のトナー画像の形成に備える。
マゼンタ色のトナー画像を形成する画像形成手段40M、シアン色の画像を形成する画像形成手段40C及びブラック色の画像を形成する画像形成手段40Kは、何れもイエロー色の画像を形成する画像形成手段40Yと同様の構成を有しているため、その詳細な説明は省略する。
中間転写ベルト31は、支持部材としてのローラ37a〜37eに巻き回された無端状のベルトであり、回転可能に支持されている。中間転写ベルト31としては、ポリイミドに代表される樹脂ベルトや、樹脂素材の上に弾性層を設けたベルトが一般的に用いられている。
フルカラーの画像形成を行う際には、1次転写ローラ46Y、46M、46C及び46Kによって、イエロー色のトナー画像から順に、各色のトナー画像が互いに重なるタイミングにてトナー画像を中間転写ベルト31にそれぞれ転写させることで、原稿画像に対応した適切なフルカラーのトナー画像が中間転写ベルト31上に形成される。
一方、給紙トレイ32a〜32cの何れかより給紙された用紙は、搬送路33aを搬送され、レジストローラ対33cに到達する。レジストローラ対33cにより用紙の搬送方向の斜行が修正され、中間転写ベルト31上のカラートナー画像とタイミングを合わせるように用紙が2次転写部38へと搬送される。
2次転写部38においては、中間転写ベルト31上のフルカラーのトナー画像が静電的に用紙に転写される。ここで、2次転写部38にはニップ幅調整部材38dが設けられている。2次転写部38の構成の詳細及びニップ幅調整部材38dについては後述する。
定着部34は、定着ローラ34a、加圧ローラ34b等から構成されている。定着ローラ34a及び加圧ローラ34bは、それぞれ図示しない加熱手段によりその表面がトナー画像の定着に適した温度となるように加熱されている。ここで、定着ローラ34aの表面温度は、加圧ローラ34bの表面温度より高くなるよう予め設定されている。
トナー画像が転写された用紙に対して、定着ローラ34a及び加圧ローラ34bにより熱と圧力が加えられることにより、カラートナー画像が用紙に定着される。
カラートナー画像が定着された用紙は、搬送路33aを搬送され、画像形成装置20の装置外へ排出される。
その後、2次転写部38において用紙の裏面に形成される画像に対応したカラートナー画像が上述の通り転写され、定着部34によって裏面のカラートナー画像が定着され、画像形成装置20の装置外へ排出される。
以上が、画像形成装置20により用紙に対してカラー画像を形成する際の一連の動作の説明である。
CPU50は、画像形成装置20の各部の動作を制御する制御手段としての役割を果たしている。CPU50は、操作表示部23における入力内容に基づいて、画像形成装置20の各部の動作を制御する。
ROM51には、各種のプログラム或いはデータが格納されており、CPU50はROM51からプログラム或いはデータを読み出して画像形成装置20の各部を制御する。
RAM52は、CPU50が上記各部の動作を制御する際に必要なプログラム或いはデータを一時的に記憶する場所である。
HDD53は、画像データを格納する場所である。スキャナ部22によって読み取られた原稿画像のデータはHDD53に格納される。
また、画像形成装置20には、端末60がI/F部61を介してネットワーク接続されている。端末60においては、画像形成が行われるジョブに関する情報を入力し、その情報を画像形成装置20に送信することができる。さらに、端末60から画像形成開始の指示をすることも可能である。
2次転写ベルト38bとしては、弾性部材の表面にフッ素コートが施されたベルトが一般的に用いられるが、中間転写ベルト31と同様のベルトを用いても良い。
尚、電源HVは2次転写ローラ38aに対して接続するようにしても良い。この場合は、電源HVから2次転写ローラ38aに対してトナーと逆極性の電圧を印加し、ローラ37dは電気的に接地する必要がある。
ニップ幅調整部材38dは、ローラ状の導電性部材であり、図2のモータM1の動力が不図示の動力伝達機構によって伝達されることによって、図3の上下方向に移動可能に構成されている。図3(a)に示すニップ幅調整部材38dの位置を待機位置とする。
本実施の形態においては、図3(b)に示すように、ニップ幅調整部材38dを上方に動かすようモータM1を動作させることで、2次転写ベルト38bを持ち上げ、ニップ部Nのニップ幅を広げることが可能となっている。
ここで、図3(a)に示すように、ガイド部材39の用紙搬送方向先端部の近傍には、用紙の通過を検知するセンサS1が設けられている。センサS1の検知情報はCPU50に出力されるようになっている。
2次転写部38に進入してきた用紙は、図3(a)に示すように、中間転写ベルト31と2次転写ベルト38bとが接触するニップ部Nに進入し、ニップ部Nにおいて中間転写ベルト31上のカラートナー像が静電的に用紙に転写される。
上述したように、中間転写ベルト31に跳ね上げられた用紙が接触すると、中間転写ベルト31も用紙に追従して跳ね上げられ、その結果図9(b)に示すようにニップ部Nの用紙搬送方向の幅であるニップ幅が狭くなり、狭くなったニップ部Nの近傍において放電現象が発生し、画質が低下するという問題が生じていた。
そこで、本実施の形態においては、CPU50が、用紙の坪量が所定値より大きい場合に、当該用紙後端の跳ね上げが起こるタイミングにてニップ幅調整部材38dを図3(b)に示すように上方に移動させるようモータM1を制御することで、ニップ部Nのニップ幅を維持するようにしている。
画像形成が開始されると、CPU50は、まず画像が形成される用紙の坪量の情報を取得する(ステップS1)。ここで、用紙の坪量の情報は、例えば端末60から送信されたジョブに関する情報より取得する。
用紙の坪量が300g/m2以下である場合は(ステップS2:No)、CPU50はニップ幅調整部材38dの動作制御の処理を終了する。これにより、ニップ部Nのニップ幅は広げられないまま、用紙に対してトナー像の2次転写が行われる。
一方、画像が形成される用紙の坪量が300g/m2より大きい場合は(ステップS2:Yes)、用紙が2次転写部38を通過する際に所定のタイミングにおいてニップ部Nのニップ幅を広げる制御が行われる。
具体的には、2次転写部38を通過中の用紙の後端がガイド部材39の先端部を通過したか否かを判断する(ステップS3)。この判断は、センサS1によって用紙後端が通過したとの検知情報、即ちセンサS1によって当該用紙が検知されなくなったとの情報を受けたか否かで行われる。
CPU50は、用紙後端がガイド部材39の先端部を通過するまで待機し、通過したと判断すると(ステップS3:Yes)、ニップ幅調整部材38dを待機位置から図3(b)に示す位置まで移動させるよう制御する(ステップS4)。
そして、用紙後端がニップ部Nを通過するまでの所定期間、ニップ幅調整部材38dを図3(b)に示す位置のまま保持させるよう制御する。CPU50は、上記所定期間が経過したか否かを判断し(ステップS5)、所定時間が経過したと判断すると(ステップS5:Yes)、ニップ幅調整部材38dを待機位置まで移動させるよう制御する(ステップS6)。
また、ニップ幅調整部材38dの待機位置からの移動量は、画像形成装置20の構成や用紙搬送速度、用紙の坪量等の要素を考慮し、用紙後端の跳ね上げが起きたときにニップ部Nの近傍にて放電現象が起こらない程度のニップ幅となるよう、適宜設定すべきである。
本実施の形態によれば、後端の跳ね上げが起こり得る厚紙等の坪量の大きい用紙が2次転写部38を通過する場合に、用紙後端の跳ね上げが起こる時点から用紙後端が2次転写部38のニップ部Nを通過するまでの期間だけ、ニップ幅を広げるようにニップ幅調整部材38dを動作させる。
これにより、用紙後端の跳ね上げが起こることでニップ幅が狭くなったとしても、ニップ幅調整部材38dによってニップ幅が広げられているため、トナー像の転写に十分必要なニップ幅を常に確保することができる。従って、ニップ部N近傍における放電現象を防止することができ、常に良好な画像を形成することが可能となる。
また、本実施の形態においては、センサS1を図3に示すように、ガイド部材39の搬送方向先端部近傍に設けているが、これに限られることはなく、図3に示す位置よりも搬送方向上流側であって用紙を検知することが可能な位置であれば何れの場所に設けても良い。
また、本実施の形態においては、ニップ幅調整部材38dとして、図3に示すようなローラ状の部材を用いていた。しかしながら、図5(a)に示すように、2次転写ベルト38bの内側において、ローラ状の部材38dと2次転写ローラ38aとにベルト状の部材38fを掛け回すように構成しても良い。
ローラ状の部材38dは、図3に示すニップ幅調整部材38dと同様に、図の上下方向に移動可能に構成されている。ニップ部Nのニップ幅を広げる際には、図5(b)に示すように、ローラ状の部材38dを図の上方に移動させるようにする。これにより、ベルト状の部材38fによって2次転写ベルト38bが押し上げられ、ニップ部Nのニップ幅が広げられる。図5においては、ローラ状の部材38dとベルト状の部材38fとがニップ幅調整部材として機能する。
さらに、ベルト状の部材38fとして、2次転写ベルト38bに用いられる材料よりも体積抵抗率の低い導電性材料を用いるようにすることで、上記電界の均一性がさらに向上する。
用紙の坪量が所定値より大きい場合において、ニップ部Nのニップ幅は、少なくとも用紙後端の跳ね上げが起こる時点から、用紙後端がニップ部Nを通過する時点まで広げられていれば良い。従って、例えば用紙後端の跳ね上げが起こる時点よりも前のタイミングにてニップ幅調整部材38d或いはローラ状の部材38dを図の上方へ移動させるようにしても良い。
また、用紙後端がニップ部Nを通過した際には、ニップ幅調整部材38d或いはローラ状の部材38dを図の下方に移動させるようにしても良いし、移動させずにニップ幅を広げたままの状態としても良い。特に、連続して坪量の大きい用紙に対して画像形成を行う場合には、ニップ幅が広げられたままの状態としておく方が、ニップ幅調整部材38dを駆動する駆動手段の耐久性等の観点から好ましい。
続いて、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態における画像形成装置20の構成は、ニップ幅調整部材38dを動作させるタイミングを除いて第1の実施の形態における画像形成装置20の構成とほぼ同等であるため、重複する部分については説明を省略する。
また、定着ローラ34aは、図示しない駆動手段の駆動により、その速度v2で図6(a)の矢印R3方向に回転している。定着ローラ34aに圧接している加圧ローラ34bも、その速度v2で図6(a)の矢印R4方向に回転している。
即ち、2次転写部38において用紙に対して中間転写ベルト31上のトナー像を転写する際の用紙搬送速度はv1、定着部34において用紙に転写されたトナー像を定着する際の用紙搬送速度はv2となっている。
2次転写部38と定着部34との間の領域において用紙Pに撓みが生じると、用紙Pには搬送方向上流側に戻ろうとする力F2が働く。一方、用紙Pには2次転写部38によって搬送方向下流側に搬送する力F1が働いている。
特に用紙が厚紙等のこしの強い用紙である場合は、上記の力F2が力F1を上回る場合がある。力F2が力F1を上回ると、図6(c)に示すように、定着部34よりも上流側において、用紙Pの撓みが解消されるとともに用紙Pが搬送方向上流側に戻される現象が生じる。
この現象が生じると、2次転写部38において用紙Pに対してトナー画像の転写が行われている最中にも拘らず用紙Pが搬送方向と逆方向に移動してしまうため、転写ずれが生じてしまうという課題があった。
上記課題を解決するために、本実施の形態においては、坪量が所定値より大きい用紙に対して画像形成を行う場合に、図6(d)に示すように、2次転写部38のニップ部Nのニップ幅を広げるようニップ幅調整部材38dを図の上方に所定量移動させるようにCPU50が制御する。
画像形成が開始されると、CPU50は、まず画像が形成される用紙の搬送方向の長さの情報を取得する(ステップS11)。この情報は、例えば端末60から送信されたジョブに関する情報から取得される。
次にCPU50は、取得した用紙の搬送方向の長さが、定着ローラ34aと加圧ローラ34bとのニップ部と、2次転写部38におけるニップ部Nとの間の用紙搬送路の長さLより長いか否かを判断する(ステップS12)。
用紙の搬送方向の長さがLより短い場合は(ステップS12:No)、上述した課題が生じることはないので、CPU50は、図6(a)に示すように、ニップ幅調整部材38dを動作させず、処理を終了する。
この場合CPU50は、用紙の坪量の情報を取得する(ステップS13)。この情報は、例えば端末60から送信されたジョブに関する情報から取得される。
一方、用紙の坪量が所定値より大きい場合は(ステップS14:Yes)、CPU50は、図6(d)に示すように、ニップ幅調整部材38dが上方に所定量移動するようにモータM1を動作させる(ステップS15)。
上記モータM1を動作させるタイミングは、用紙の先端部が定着部34における定着ローラ34aと加圧ローラ34bとのニップ部に進入する以前のタイミングであればいつでも良い。
また、上記坪量の所定値としては、例えば300g/m2が用いられる。また、上記ニップ幅調整部材38dの移動量は、画像が形成される用紙の坪量や、2次転写部38及び定着部34それぞれにおける用紙搬送速度v1及びv2の値に基づき決定される。
2次転写部38においてトナー像が転写された用紙は、ニップ幅が広げられたニップ部Nに挟持されながら定着部34方向へ搬送され、定着部34においてトナー像が定着される。このとき、ニップ部Nのニップ幅が広げられているので、用紙先端が定着部34に進入後も用紙後端が搬送方向上流側に戻されることがなく、用紙後端まで適切にトナー像が転写される。
本実施の形態においては、用紙の坪量が300g/m2よりも大きい場合にニップ幅調整部材38dを移動させるよう制御する例を示したが、基準となる坪量の値は、画像形成装置20の構造や用紙搬送速度v1及びv2等の要素を考慮し、適切な値を設定することが好ましい。さらに、上記基準となる坪量を複数設定し、それぞれの坪量の範囲毎にニップ幅調整部材38dの移動量を各々設定しても良い。
例えば、表面の摩擦係数が小さい用紙に対して画像形成を行う場合は、用紙表面と中間転写ベルト31及び2次転写ベルト38bが接触する際に滑りやすい状態となるため、表面の摩擦係数が大きい用紙の場合と比較して、図6(c)で示した用紙が戻される現象が生じ易い。従って、表面の摩擦係数が所定値より小さい用紙に対して画像形成を行う場合に、CPU50が、ニップ幅調整部材38dを移動させ、ニップ部Nのニップ幅を広げるよう制御するようにしても良い。
用紙表面の摩擦係数が所定値より大きいか否かの判断は、例えば予めROM51に用紙の種類と表面の摩擦係数とが対応付けられた情報を保存しておき、CPU50が、操作表示部32において入力された用紙の種類に関する情報と上記保存されている情報とに基づいて用紙表面の摩擦係数を取得することで行われる。
また、ニップ部Nのニップ幅を広くするか否かは、用紙の坪量及び摩擦係数の両方の値に基づいてCPU50が決定するようにしても良い。
また、本実施の形態においても、図5に示すようにベルト状の部材38fを用いてニップ部Nのニップ幅を調整するようにしても良い。ベルト状の部材38fを用いることで、ニップ幅が広げられた場合に特にその広げられた部分の電界分布がより均一になり、より良好な2次転写が行われる。
また、第1の実施の形態と同様に、ベルト状の部材38fには、2次転写ベルト38bよりも体積抵抗率の低い部材を用いることで、より良好な2次転写が行われる。
よって、上記のような場合も本発明を適用し、ニップ部Nのニップ幅を広くするようCPU50が制御することで上記課題を解決することが可能となる。
上記第1及び第2の実施の形態においては、用紙の坪量が所定値より大きい場合に、ニップ部Nのニップ幅を広げるようCPU50が制御する例を示したが、坪量が小さい用紙に対する制御を行っても良い。
用紙の坪量が大きい場合には、上述したように転写ずれが生じる可能性があったが、用紙の坪量が小さい場合は、ニップ部Nにおいて用紙が担持される際に用紙にシワが生じる等の課題が生じる可能性がある。
ニップ部Nのニップ幅を小さくするために、例えば図8に示すように、ニップ幅調整部材38dが図の下方に移動すると2次転写ベルト38bが連動して図の下方に引っ張られるような構成としておく。
そして、用紙の坪量が所定値、例えば50g/m2より小さい場合は、上述したニップ幅を広げる場合とは反対方向にモータM1を駆動させるようCPU50が制御する。これにより、ニップ幅調整部材38dが図の下方に移動し、それに伴い2次転写ベルト38bが下方に引っ張られることで、ニップ部Nのニップ幅が小さくなる。
ニップ幅調整部材38dを図の下方へ移動させるタイミングは、用紙Pの先端部がニップ部Nに進入する以前のタイミングとすることが好ましい。例えば、用紙Pの先端部がセンサS1によって検知された時点で、モータM1の回転駆動を開始させるようにCPU50が制御する。
また、第1の実施の形態において示したCPU50による制御と、第2の実施の形態において示したCPU50による制御とは、組み合わせて用いることができる。これにより、ニップ部Nの近傍における放電現象及び定着部との搬送速度の違いによる転写ずれを共に防ぎ、良好な画像を形成することが可能となる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない限りにおいて異なる実施の形態を採用することも可能である。
22 スキャナ部
23 操作表示部
24 プリンタ部
31 中間転写ベルト
32 給紙部
34 定着部
38 2次転写部
38a 2次転写ローラ
38b 2次転写ベルト
38d ニップ幅調整部材
39 ガイド部材
40Y〜40K 画像形成手段(Y〜K)
50 CPU
60 端末
M1 モータ
HV 転写電源
S1 センサ
Claims (14)
- 画像が担持されるベルト状の像担持体と、
前記像担持体に接し、転写材を前記像担持体と挟持しつつ搬送する搬送部材と、
前記像担持体と前記搬送部材とが接する部分であるニップ部において前記像担持体上の画像を転写材に対して静電的に転写する転写手段と、
その搬送方向先端部が前記ニップ部に対して前記像担持体とは反対側であって、前記ニップ部より搬送方向上流側に設けられた、転写材を前記ニップ部へ誘導するガイド部材と、
前記ニップ部より搬送方向下流側に設けられ、当該搬送方向下流側の前記搬送部材を前記像担持体に接触させることにより前記ニップ部の転写材搬送方向の長さであるニップ幅を調整するニップ幅調整部材と、
転写材の坪量を取得する坪量取得手段と、
前記坪量取得手段が取得した前記転写材の坪量が、第1の所定値より大きい場合に、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記ニップ部より搬送方向上流側において転写材を検知する転写材検知手段を有し、
前記制御手段は、前記転写材検知手段が、転写材の後端が前記ガイド部材を通過したことを検知した時点で、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 転写材に対して画像を定着しつつ該転写材を搬送する定着部と、
転写材の搬送方向の長さを取得する用紙サイズ取得手段と、を有し、
前記定着部による転写材の搬送速度と、前記搬送部材による転写材の搬送速度とが異なる画像形成装置であって、
前記制御手段は、前記用紙サイズ取得手段が取得した前記転写材の搬送方向の長さが、前記定着部と前記ニップ部との間の転写材搬送路の長さより長い場合に、前記坪量取得手段が取得した前記転写材の坪量に基づいて、前記ニップ幅調整部材の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 画像が担持されるベルト状の像担持体と、
前記像担持体に接し、転写材を前記像担持体と挟持しつつ搬送する搬送部材と、
前記像担持体と前記搬送部材とが接する部分であるニップ部において前記像担持体上の画像を転写材に対して静電的に転写する転写手段と、
その搬送方向先端部が前記ニップ部に対して前記像担持体とは反対側であって、前記ニップ部より搬送方向上流側に設けられた、転写材を前記ニップ部へ誘導するガイド部材と、
前記ニップ部の転写材搬送方向の長さであるニップ幅を調整するニップ幅調整部材と、
転写材の坪量を取得する坪量取得手段と、
転写材に対して画像を定着しつつ該転写材を搬送する定着部と、
転写材の搬送方向の長さを取得する用紙サイズ取得手段と、を有し、
前記定着部による転写材の搬送速度と、前記搬送部材による転写材の搬送速度とが異なる画像形成装置であって、
前記用紙サイズ取得手段が取得した前記転写材の搬送方向の長さが、前記定着部と前記ニップ部との間の転写材搬送路の長さより長く、且つ前記坪量取得手段が取得した前記転写材の坪量が、第1の所定値より大きい場合に、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着部における転写材の搬送速度が、前記搬送部材による転写材の搬送速度より遅い画像形成装置であって、
前記制御手段は、前記坪量取得手段が取得した前記転写材の坪量が第2の所定値より大きい場合に、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。 - 転写材表面の摩擦係数を取得する摩擦係数取得手段を有し、
前記制御手段は、前記摩擦係数取得手段が取得した前記転写材表面の摩擦係数が第3の所定値より小さい場合に、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御することを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の画像形成装置。 - 前記定着部における転写材の搬送速度が、前記搬送部材による転写材の搬送速度より速い画像形成装置であって、
転写材表面の摩擦係数を取得する摩擦係数取得手段を有し、
前記制御手段は、前記摩擦係数取得手段が取得した前記転写材表面の摩擦係数が第4の所定値より小さい場合に、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記転写材の坪量が、前記第1の所定値より小さい第5の所定値より小さい場合に、前記ニップ幅を狭めるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記ニップ幅調整部材は、ローラ状の部材であり、前記搬送部材に接して前記搬送部材を変位させることで前記ニップ幅を調整することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記ニップ幅調整部材は、ベルト状の部材であり、前記搬送部材に接して前記搬送部材を変位させることで前記ニップ幅を調整することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 画像が担持されるベルト状の像担持体と、
前記像担持体に接し、転写材を前記像担持体と挟持しつつ搬送する搬送部材と、
前記像担持体と前記搬送部材とが接する部分であるニップ部において前記像担持体上の画像を転写材に対して静電的に転写する転写手段と、
その搬送方向先端部が前記ニップ部に対して前記像担持体とは反対側であって、前記ニップ部より搬送方向上流側に設けられた、転写材を前記ニップ部へ誘導するガイド部材と、
前記ニップ部の転写材搬送方向の長さであるニップ幅を調整するニップ幅調整部材と、
転写材の坪量を取得する坪量取得手段と、
前記坪量取得手段が取得した前記転写材の坪量が、第1の所定値より大きい場合に、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御する制御手段と、を有し、
前記ニップ幅調整部材は、ローラ状の部材であり、前記搬送部材に接して前記搬送部材を変位させることで前記ニップ幅を調整することを特徴とする画像形成装置。 - 画像が担持されるベルト状の像担持体と、
前記像担持体に接し、転写材を前記像担持体と挟持しつつ搬送する搬送部材と、
前記像担持体と前記搬送部材とが接する部分であるニップ部において前記像担持体上の画像を転写材に対して静電的に転写する転写手段と、
その搬送方向先端部が前記ニップ部に対して前記像担持体とは反対側であって、前記ニップ部より搬送方向上流側に設けられた、転写材を前記ニップ部へ誘導するガイド部材と、
前記ニップ部の転写材搬送方向の長さであるニップ幅を調整するニップ幅調整部材と、
転写材の坪量を取得する坪量取得手段と、
前記坪量取得手段が取得した前記転写材の坪量が、第1の所定値より大きい場合に、前記ニップ幅を広げるよう前記ニップ幅調整部材の動作を制御する制御手段と、を有し、
前記ニップ幅調整部材は、ベルト状の部材であり、前記搬送部材に接して前記搬送部材を変位させることで前記ニップ幅を調整することを特徴とする画像形成装置。 - 前記ニップ幅調整部材は、導電性を有する部材であることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記ニップ幅調整部材は、前記搬送部材よりも体積抵抗率が低い部材であることを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の画像形成装置。
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