JP5861383B2 - ホログラム記録媒体用組成物 - Google Patents
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Description
中でも、干渉縞間隔に対して膜厚が十分に厚い(通常は干渉縞間隔の5倍以上、または1μm以上程度の膜厚を有する)ホログラムを体積型ホログラムという。なお、膜厚が大きい方が膜厚方向に記録を行えるために、高密度での記録が可能である。公知の体積型ホログラム記録材料の例としては、湿式処理や漂白処理が不要なライトワンス形式があり、その組成としては、樹脂マトリックスに光活性化合物を相溶させたものが一般的である。例えば、樹脂マトリックスに、光活性化合物として、ラジカル重合やカチオン重合可能なモノマーを組み合わせたフォトポリマー方式が挙げられる(例えば特許文献1及び2参照)。
このとき、前記ビスマス系触媒が、3価のビスマス化合物であることが好ましい。
また、前記ビスマス系触媒が、一般式Bi(OCOR) 3 (Rは直鎖、分岐のアルキル基、シクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基)で表されることことが好ましい。
さらに、上記ホログラム記録媒体用組成物においては、前記ホスフィンオキシド系光重合開始剤が、アシルホスフィンオキシド化合物であることが好ましい。
本発明の別の要旨は、記録層に上述のホログラム記録媒体用組成物を用いたことを特徴とする、ホログラム記録媒体に存する。
本発明のホログラム記録媒体用組成物は、
(1)イソシアネート基の割合が49質量%以下であるイソシアネート基を有する化合物(以下、「成分(1)」と記載することがある。)、
(2)イソシアネート反応性官能基を有する化合物(以下、「成分(2)」と記載することがある。)、
(3)重合性モノマー(以下、「成分(3)」と記載することがある。)、
(4)ホスフィンオキシド系光重合開始剤(以下、「成分(4)」と記載することがある。)、
(5)ルイス酸として働くビスマス系触媒(以下、「成分(5)」と記載することがある。)
を含有することを特徴とする。
以下、それぞれについて説明する。
イソシアネート基を有する化合物は、後述のルイス酸として働くビスマス系触媒(成分(5))の存在下で、イソシアネート反応性官能基を有する化合物(成分(2))と反応し、樹脂マトリックスを構成する。
イソシアネート基を有する化合物の分子内のイソシアネート基の割合は、通常49質量%以下であり、好ましくは47質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。下限は、通常0.1質量%であり、好ましくは1質量%である。イソシアネート基の割合が上記の上限値より少ない場合には、ホログラム記録媒体とした際に濁りが生じにくくなり、光学的均一性が得られる。また、上記割合が下限値より多いことで樹脂マトリックスの硬度やガラス転移温度が高くなり、記録の消失を防ぐことができる。本発明におけるイソシアネート基の割合は、使用するイソシアネート基を有する化合物の全体の中のイソシアネート基の割合を示す。
42(イソシアネート基の分子量)×イソシアネート基の数/イソシアネート基を有する化合物の分子量×100
本発明におけるイソシアネート反応性官能基を有する化合物とは、イソシアネート基を有する化合物との鎖延長反応に関与する活性水素(イソシアネート反応性官能基)を有する化合物のことである。イソシアネート反応性官能基としては例えば、水酸基、アミノ基、メルカプト基が挙げられる。イソシアネート反応性官能基を有する化合物は分子内にイソシアネート反応性基を1つ有するものであってもよく、2つ以上を有するものであってもよいが、2つ以上有することが好ましい。なお、2つ以上のイソシアネート反応性官能基を有する場合には、1つの分子に含まれるイソシアネート反応性官能基は1種類であってもよく、また複数種類であってもよい。イソシアネート反応性官能基を有する化合物の平均的な分子量は、数平均分子量で通常50以上であり、好ましくは100以上、より好ましくは150以上である。また通常50000以下であり、10000以下、より好ましくは5000以下である。イソシアネート反応性官能基を有する化合物の平均的な分子量が上記の下限値以上の場合では、架橋密度が下がり、記録速度の低下を防止することができる。また、イソシアネート反応性官能基を有する化合物の平均的な分子量が上記の上限値以下の場合では、他成分との相溶性が向上したり、架橋密度が上がるために、記録内容の消失を防止することができる。
水酸基を有する化合物は1分子中に水酸基を1つ以上有するものであればよいが、2つ以上の水酸基を有するものが好ましい。その例として、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、テトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノール類、またはこれらの多官能アルコールをポリエチレンオキシ鎖やポリプロピレンオキシ鎖で修飾した化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、ペンタントリオール、ヘキサントリオール、デカントリオール等のトリオール類などのこれらの多官能アルコールをポリエチレンオキシ鎖やポリプロピレンオキシ鎖で修飾した化合物;多官能ポリオキシブチレン;多官能ポリカプロラクトン;多官能ポリエステル;多官能ポリカーボネート;多官能ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アミノ基を有する化合物は1分子中にアミノ基を1つ以上有するものであればよいが、2つ以上のアミノ基を有するものが好ましい。その例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族アミン;イソホロンジアミン、メンタンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンなどの脂環族アミン;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミンなどの芳香族アミン;等が挙げられる。これらは何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
メルカプト基を有する化合物は1分子中にメルカプト基を1つ以上有するものであればよいが、2つ以上のメルカプト基を有するものが好ましい。その例としては、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン等が挙げられる。これらは何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
重合性モノマーとは後述の光重合開始剤によって重合され得る化合物をいう。本発明のホログラム記録媒体用組成物に使用される重合性モノマーの種類は特に制限されず、公知の化合物の中から適宜選択することが可能である。重合性モノマーの例としては、カチオン重合性モノマー、アニオン重合性モノマー、ラジカル重合性モノマー等が挙げられる。これらは、何れを使用することもでき、また二種以上を併用してもよい。ただし、イソシアネート基を有する化合物及びイソシアネート反応性官能基を有する化合物がマトリックスを形成する反応を阻害しにくいという理由から、ラジカル重合性モノマーを使用することが好ましい。
カチオン重合性モノマーの例としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物、環状アセタール化合物、環状ラクトン化合物、チイラン化合物、チエタン化合物、ビニルエーテル化合物、スピロオルソエステル化合物、エチレン性不飽和結合化合物、環状エーテル化合物、環状チオエーテル化合物、ビニル化合物等が挙げられる。上記のカチオン重合性モノマーは、何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アニオン重合性モノマーの例としては、炭化水素モノマー、極性モノマー等が挙げられる。
炭化水素モノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン、ビニルピリジン、ビニルアントラセン、およびこれらの誘導体等が挙げられる。
極性モノマーの例としては、メタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、ビニルケトン類、イソプロペニルケトン類、その他の極性モノマーなどが挙げられる。
上記例示のアニオン重合性モノマーは、何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ラジカル重合性モノマーの例としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエステル類、ビニル化合物、スチレン類、スピロ環含有化合物等が挙げられる。上記例示のラジカル重合性モノマーは、何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。なお、本明細書において、メタクリル及びアクリルの総称を(メタ)アクリルと記載する。
上記の中でも、ラジカル重合する際の立体障害の点から(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
本発明のホログラム記録媒体用組成物に用いる重合性モノマーは、通常分子量が80以上であり、好ましくは150以上、より好ましくは300以上である。また通常3000以下であり、好ましくは2500以下、より好ましくは2000以下である。分子量が上記の下限値以上であることで、ホログラムの情報記録時の光照射の重合に伴う収縮率を小さくすることができる。また分子量が上記の上限値以下であることで、ホログラム記録媒体用組成物を用いた記録層中での重合性モノマーの移動度が高く、拡散が起こりやすくなり、十分な回折効率を得ることができる。
上記重合性モノマーは、ホログラム記録媒体への照射光波長(記録波長等)における屈折率が通常1.50以上、好ましくは1.52以上、さらに好ましくは1.55以上であり、通常1.80以下、好ましくは1.78以下である。屈折率が過度に小さいと回折効率が十分でなく、多重度が十分とならない場合がある。また、屈折率が過度に大きいと樹脂マトリックスとの屈折率差が大きくなりすぎて散乱が大きくなることにより透過度が低下して、記録や再生に際してより大きなエネルギーを要することになる。なお、屈折率は短い波長で評価すると大きい値を示すが、短波長で相対的に大きい屈折率を示すサンプルは、長波長でも相対的に大きい屈折率を示し、その関係が逆転することはない。従って、記録波長以外の波長で屈折率を評価し、記録波長での屈折率を予測することも可能である。
((式a)において、Aは置換基を有していてもよい環であり、Arは置換基を有していてもよい、2以上の環が縮合した(ヘテロ)アリール基であり、R1は水素又はメチル基であり、nは1〜7の整数であり、nが2以上の場合、複数のArは同一であっても異なっていてもよい。但し、Aが芳香族複素環であり、かつ、Arが置換基を有していてもよい、2以上の環が縮合したヘテロアリール基である場合には、AおよびArの各々が連結している構造において、互いに直接連結している、AおよびArの各々の構造中の部分構造は、ヘテロ原子を含まない。)
上記重合性モノマーは、ホログラムの記録波長における、モル吸光係数が100L・mol−1・cm−1以下であることが好ましい。モル吸光係数が100L・mol−1・cm−1以下であることにより、媒体の透過率が低くなることを防ぎ、厚みに対して十分な回折効率を得ることができる。
光重合開始剤とは、光によって化学反応を起こすカチオン、アニオン、ラジカルを発生するものをいい、上述の重合性モノマーの重合に寄与する。光重合開始剤の種類は特に制限はなく、重合性モノマーの種類等に応じて適宜選択することができる。
本発明においては、光重合開始剤として、少なくともホスフィンオキシド系光重合開始剤を1種以上用いる。
光重合開始剤の全量に対して、ホスフィンオキシド系光重合開始剤を0.003質量%以上用いることが好ましく、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上である。
ホスフィンオキシド系光重合開始剤としては、本願発明の目的及び効果を損なわない限り、その種類に特に制限はないが、中でもアシルホスフィンオキシド化合物であることが好ましい。
アシルホスフィンオキシド化合物の例としては、下記(式b)で示されるモノアシルホスフィンオキシド、または下記(式c)で示されるジアシルホスフィンオキシドが挙げられる。これらは何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
((式b)中、R7は、炭素数1〜18のアルキル基;ハロゲンもしくは炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されている、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、フェニル基、ナフチル基、もしくはビフェニル基;ハロゲン、炭素数1〜12のアルキル基および炭素数1〜12のアルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つで置換されている、フェニル基、ナフチル基もしくはビフェニル基;、一価のN、OまたはSを含有する5員または6員の複素環の基;を表す。
R8は、フェニル基;ナフチル基;ビフェニル基;ハロゲン、炭素数1〜12のアルキル基および炭素数1〜12のアルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つで置換されている、フェニル基、ナフチル基もしくはビフェニル基;一価のN、OまたはSを含有する5員または6員の複素環の基;炭素数1〜18のアルコキシ基;フェノキシ基;ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されている、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基;を示す。なお、R8及びR7はリン原子と一緒になって環を形成していてもよい。
R9は、炭素数1〜18のアルキル基;ハロゲンもしくは炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されている、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基;ハロゲン、炭素数1〜12のアルキル基および炭素数1〜12のアルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つで置換されているフェニル基、ナフチル基もしくはビフェニル基;一価のN、OまたはSを含有する5員または6員の複素環の基;または、下記(式b-1)で示される基;である。
((式b-1)中、B1は炭素数2〜8のアルキレン基もしくはシクロへキシレン基;非置換またはハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されているフェニレン基またはビフェニレン基;を表す。R7'及びR8'は、上述の(式b)におけるR7及びR8で説明したものと同様の基を示す。なお、(式b)で示される分子中において、R7及びR7'、R8及びR8'は同一であってもよく、また異なっていてもよい。))
((式c)中、R10は、炭素数1〜18のアルキル基;ハロゲンもしくは炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されている、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、フェニル基、ナフチル基、もしくはビフェニル基;ハロゲン、炭素数1〜12のアルキル基および炭素数1〜12のアルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つで置換されている、フェニル基、ナフチル基もしくはビフェニル基;一価のN、OまたはSを含有する5員または6員の複素環の基、炭素数1〜18のアルコキシ基、もしくはフェノキシ基;ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されている、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、もしくはシクロヘキシルオキシ基;を示す。
R11およびR12は互いに独立に炭素数1〜18のアルキル基;ハロゲンもしくは炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されている、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、フェニル基、ナフチル基、もしくはビフェニル基;ハロゲン、炭素数1〜12のアルキル基および炭素数1〜12のアルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つで置換されているフェニル基、ナフチル基もしくはビフェニル基;一価のN、OまたはSを含有する5員または6員の複素環の基;を表す。)
上記の中でも、優れた記録感度を得られるため、モノアシルホスフィンオキシド化合物が好ましい。
光重合開始剤として、上記ホスフィンオキシド系光重合開始剤以外の光重合開始剤を併用することができる。例えば、下記のカチオン光重合開始剤、アニオン光重合開始剤、及びラジカル光重合開始剤は、使用する重合性モノマーに対応するものであれば、何れを使用することもできる。これらは何れかを単独で、または二種以上を併用してもよい。
ただし、上述のマトリックスを形成する反応を阻害しにくいという理由から、ラジカル光重合開始剤を使用することが好ましい。中でも、高い記録感度を得るために、オキシムエステル化合物がより好ましい。
カチオン光重合開始剤は、公知のカチオン光重合開始剤であれば、何れを用いることも可能である。例としては芳香族オニウム塩等が挙げられる。具体例としては、SbF6 −、BF4 −、AsF6 −、PF6 −、CF3SO3 −、B(C6F5)4 −等のアニオン成分と、ヨウ素、硫黄、窒素、リン等の原子を含む芳香族カチオン成分とからなる化合物が挙げられる。中でも、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩等が好ましい。上記例示したカチオン光重合開始剤は、何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アニオン光重合開始剤は、公知のアニオン光重合開始剤であれば、何れを用いることも可能である。例としてはアミン類等が挙げられる。アミン類の例としては、ジメチルベンジルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のアミノ基含有化合物、およびこれらの誘導体;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、およびその誘導体;等が挙げられる。上記例示したアニオン光重合開始剤は、何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ラジカル光重合開始剤は、公知のラジカル光重合開始剤であれば、何れを用いることも可能である。例としては、オキシムエステル化合物、アゾ化合物、アジド化合物、有機過酸化物、有機硼素酸塩、オニウム塩類、ビスイミダゾール誘導体、チタノセン化合物、ヨードニウム塩類、有機チオール化合物、ハロゲン化炭化水素誘導体等が用いられる。上記例示したラジカル光重合開始剤は、何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
((式d)中、Xは単結合;置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキレン基、置換基を有しても良いアルケニレン基−(CH=CH)n―、置換基を有しても良いアルキニレン基―(C≡C)n−、及びこれらの組み合わせ(nは1〜5の整数を表す。)からなる群から選ばれる2価の基;を表す。
R2は芳香環及び/またはヘテロ芳香環を含む1価の有機基を表し、R3は、それぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜12のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数3〜12のアルキニルオキシカルボニル基、炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基、炭素数3〜12のヘテロアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜12のアルキルチオカルボニル基、炭素数3〜12のアルケニルチオカルボニル基、炭素数3〜12のアルキニルチオカルボニル基、炭素数7〜12のアリールチオカルボニル基、炭素数3〜12のヘテロアリールチオカルボニル基、アルキルチオアルコキシ基、−O−N=CR32R33、−N(OR34)−CO−R35及び下記(式e)で表される基(R32及びR33、並びにR34及びR35は、それぞれ置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基を表し、互いに異なっていてもよい。)からなる群から選ばれる基を表す。
((式e)中、R30及びR31は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
R4は、それぞれ置換されていてもよい、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数3〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基及び炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基からなる群から選ばれる基を表す。)
((式f)中、R5は、水素原子;置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜25のアルケニル基、炭素数3〜20のヘテロアリール基又は炭素数4〜25のヘテロアリールアルキル基;もしくはY1またはZと結合し、環を形成する基を示す。
R6は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Y1は、置換基を有していてもよい、2個以上の環が縮合してなる、2価の芳香族炭化水素基、及び/又は芳香族複素基を示す。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。)
ルイス酸として働くビスマス系触媒としては、ビスマス元素を含有する触媒であって、イソシアネート基を有する化合物及びイソシアネート反応性官能基を有する化合物の反応を促進するルイス酸として働く化合物であれば特に制限はない。
ビスマス系触媒の例として、トリス(2−エチルヘキサナート)ビスマス、トリベンゾイルオキシビスマス、三酢酸ビスマス、トリス(ジメチルジオカルバミン酸)ビスマス、水酸化ビスマス、トリフェニルビスマス(V)ビス(トリクロロアレタート)、トリス(4−メチルフェニル)オキソビスマス(V)、トリフェニルビス(3−クロロベンゾイルオキシ)ビスマス(V)等が挙げられる。
本発明におけるホログラム記録媒体用組成物は上述の成分(1)〜(5)を含むことを特徴とするが、本発明の主旨に反しない限り、その他の成分を含有することができる。
・その他の触媒
本発明のホログラム記録媒体用組成物は、反応速度の調整のために、前記ビスマス系触媒とともに他の硬化触媒を用いることもできる。併用可能な触媒としては、本発明の主旨に反しない限り特に制限はないが、触媒の相乗効果を得るためには、構造の一部にアミノ基を有する化合物を使用することが好ましい。その例としては、トリエチルアミン(TEA)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(DMEDA)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン 1,3−ジアミン(TMPDA)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン(TMHMDA)、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレン−トリアミン(PMDPTA)、トリエチレンジアミン(TEDA)、N,N’−ジメチルピペラジン(DMP)、N,−メチル、N’−(2ジメチルアミノ)−エチルピペラジン(TMNAEP)、N−メチルモルホリン(NMMO)、N・(N’,N’−ジメチルアミノエチル)−モルホリン(DMAEMO)、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(BDMEE)、エチレングリコールビス(3−ジメチル)−アミノプロピルエーテル(TMEGDA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)等のアミン化合物を挙げることができる。これらは何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
その他の成分としては、ホログラム記録媒体の記録層を調製するための、溶媒、可塑剤、分散剤、レベリング剤、消泡剤、接着促進剤などや、記録の反応制御のための、連鎖移動剤、重合停止剤、相溶化剤、反応補助剤、増感剤、酸化防止剤などが挙げられる。これらの成分はいずれか一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
本発明のホログラム記録媒体用組成物における各成分の使用量は、本発明の主旨に反しない限り任意であるが、各成分の割合は組成物の全質量を基準に以下の範囲であることが好ましい。成分(1)と成分(2)の使用量は、合計で通常0.1質量%以上であり、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上である。また通常99.9質量%以下であり、好ましくは99質量%以下である。この使用量を上記の下限値以上とすることで、記録層を形成することが容易となる。
成分(1)のイソシアネート基数に対する成分(2)のイソシアネート反応性官能基数の比は0.1以上が好ましくは、より好ましくは0.5以上である。また通常10以下であり、好ましくは2.0以下である。この比率が上記範囲内となることで、未反応の官能基が少なく、保存安定性が向上する。
成分(5)の使用量は成分(1)及び成分(2)の反応速度を考慮して決定することが好ましく、通常5質量%以下、好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。また0.005質量%以上用いることが好ましい。
本発明において、成分(1)〜(5)はどのような組み合わせ、順序で混合してもよく、またその際に、その他の成分を組み合わせて混合してもよい。
例えば以下のような方法で得ることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
成分(2)及び成分(5)以外の全ての成分を混合し、A液とする。成分(2)と成分(5)を混合したものをB液とする。それぞれの液は脱水・脱気を行うことが好ましい。脱水・脱気を行わなかったり、不十分であると、媒体作成時に気泡が生成し、均一な記録層を得ることができないことがある。この脱水・脱気の際には各成分を損なわない限り、加熱、減圧を行ってもよい。
本発明において、ホスフィンオキシド系光重合開始剤及びその他の光重合開始剤と、ビスマス系触媒とは、任意に組み合わせることができる。中でもホスフィンオキシド系光重合開始剤単体、若しくはホスフィンオキシド系光重合開始剤及びオキシムエステル化合物と、ビスマス系触媒との組み合わせが好ましく、より好ましくは、ホスフィンオキシド系光重合開始剤単体、若しくはホスフィンオキシド系光重合開始剤及びオキシムエステル化合物と、Bi(OCOR)3で表されるカルボン酸ビスマスとの組み合わせである。
本発明のホログラム記録媒体は、記録層と、必要に応じて、更に支持体やその他の層を備える。通常、ホログラム記録媒体は支持体を有し、記録層やその他の層は、この支持体上に積層されてホログラム記録媒体を構成する。ただし、記録層またはその他の層が、媒体に必要な強度や耐久性を有する場合には、ホログラム記録媒体は支持体を有していなくてもよい。その他の層の例としては、保護層、反射層、反射防止層(反射防止膜)等が挙げられる。
本発明のホログラム記録媒体の記録層は、好ましくは本発明のホログラム記録媒体用組成物により形成される。
本発明のホログラム記録媒体の記録層は、本発明のホログラム記録媒体用組成物により形成される層であり、情報が記録される層である。情報は通常、ホログラムとして記録される。後述の記録方法の項に詳述するとおり、該記録層中に含まれる重合性モノマーは、ホログラム記録などによってその一部が重合等の化学的な変化を生じるものである。従って、記録後のホログラム記録媒体においては、重合性モノマーの一部が消費され、重合体など反応後の化合物として存在する。
また、情報の記録、再生の際の露光による記録層の収縮率が0.25%以下であることが好ましい。
支持体は、媒体に必要な強度および耐久性を有しているものであれば、その詳細に特に制限はなく、任意の支持体を使用することができる。また、支持体の形状にも制限は無いが、通常は平板状またはフィルム状に形成される。また、支持体を構成する材料にも制限は無く、透明であっても不透明であってもよい。支持体の材料として透明なものを挙げると、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフトエート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アモルファスポリオレフィン、ポリスチレン、酢酸セルロース等の有機材料;ガラス、シリコン、石英等の無機材料が挙げられる。この中でも、ポリカーボネート、アクリル、ポリエステル、アモルファスポリオレフィン、ガラス等が好ましく、特に、ポリカーボネート、アクリル、アモルファスポリオレフィン、ガラスがより好ましい。
支持体の厚みにも特に制限は無いが、通常は0.05mm以上、1mm以下の範囲とすることが好ましい。支持体の厚みが上記の下限値以上となることで、ホログラム記録媒体の機械的強度を得ることができ、基板の反りを防止できる。また支持体の厚みが上記の上限値以下となることで、光の透過量が保たれ、コストの上昇を抑えることができる。
また、これらの表面処理は、基板の気体や水分の透過性を制御する目的で設けても良い。例えば記録層を挟む支持体にも気体や水分の透過性を抑制する働きを持たせることによりより一層媒体の信頼性を向上させうる。
また、記録層の片側または両側に支持体を有するホログラム記録媒体の場合、透過型または反射型のホログラムが記録可能である。また、記録層の片側に反射特性を有する支持体を用いる場合は、反射型のホログラムが記録可能である。
更に、支持体にデータアドレス用のパターニングを設けてもよい。この場合のパターニング方法に制限は無いが、例えば、支持体自体に凹凸を形成してもよく、後述する反射層にパターンを形成してもよく、これらを組み合わせた方法により形成してもよい。
保護層は、記録層の酸素や水分による保存安定性の劣化等の影響を防止するための層である。保護層の具体的構成に制限は無く、公知のものを任意に適用することが可能である。例えば、水溶性ポリマー、有機/無機材料等からなる層を保護層として形成することができる。
保護層の形成位置は、特に制限はなく、例えば記録層表面や、記録層と支持体との間に形成してもよく、また支持体の外表面側に形成してもよい。また支持体と他の層との間に形成してもよい。
反射層は、ホログラム記録媒体を反射型に構成する際に形成される。反射型のホログラム記録媒体の場合、反射層は支持体と記録層との間に形成されていてもよく、支持体の外側面に形成されていてもよいが、通常は、支持体と記録層との間にあることが好ましい。
反射層としては、公知のものを任意に適用することができ、例えば金属の薄膜等を用いることができる。
透過型および反射型の何れのホログラム記録媒体についても、物体光および読み出し光が入射および出射する側や、あるいは記録層と支持体との間に、反射防止膜を設けてもよい。反射防止膜は、光の利用効率を向上させ、かつゴースト像の発生を抑制する働きをする。
反射防止膜としては、公知のものを任意に用いることができる。
本発明のホログラム記録媒体の製造方法に制限は無い。例えば、無溶剤で支持体上に本発明のホログラム記録媒体用組成物を塗布し、記録層を形成して製造することできる。この際、塗布方法としては任意の方法を使用することができる。具体例を挙げると、スプレー法、スピンコート法、ワイヤーバー法、ディップ法、エアーナイフコート法、ロールコート法、及びブレードコート法、ドクターロールコート法などが挙げられる。また、記録層の形成に際し、特に膜厚の厚い記録層を形成する場合、型に入れて成型する方法や、離型フィルム上に塗工して型を打ち抜く方法を用いることもできる。また、本発明のホログラム記録媒体用組成物と溶剤又は添加剤とを混合して塗布液を調製し、これを支持体上に塗布、乾燥して記録層を形成して製造しても良い。この場合も塗布方法としては任意の方法を使用することができ、例えば、上述したのと同様の方法を採用することができる。
本発明のホログラム記録媒体に対する情報の書き込み(記録)および読み出し(再生)は、何れも光の照射によって行なわれる。
先ず、情報の記録時には、重合性モノマーの化学変化、すなわち、その重合および濃度変化を生じさせることが可能な光を、物体光(記録光とも呼ばれる。)として用いる。
本発明のホログラム記録媒体の評価サンプルを使用して、以下に説明する手順でホログラム記録と、ホログラム記録媒体のホログラム記録性能の評価を実施した。
ホログラム記録は、波長405nmの半導体レーザを用いて、ビーム1本あたりの露光パワー密度6.0mW/cm2で図2に示す露光装置を使用することで、二光束平面波のホログラム記録を行った。
媒体を−30°から30°まで1°おきに同一箇所に61多重記録し、その時の回折効率の平方根の合計をM/#(エムナンバー)とした。また上記の記録前後で記録波長での光透過率を測定した。以下、詳細に説明する。
図2(a)は、ホログラム記録に用いた装置の概要を示す構成図であり、図2(b)はLEDユニットの表面を示す構成図であり、図2(c)は、LEDユニット表面のLEDの配列を示す構成図である。
図2(a)中、Sはホログラム記録媒体のサンプルを示し、M1〜M3は何れもミラーを示し、PBSは偏光ビームスプリッタを示し、L1は波長405nmの光を発する記録光用レーザ光源(波長405nm付近の光が得られるソニー製シングルモードレーザーダイオードを用いた(図2(a)中「L1」))を示し、L2は波長633nmの光を発する再生光用レーザ光源を示し、PD1、PD2はフォトディテクタを示す。また、1はLEDユニットを示し、2はアームを示し、3は支柱を示す。
ホログラム記録後、He−Neレーザで波長633nmの光を得られるもの(メレスグリオ社製V05−LHP151:図中「L2」)を用いて、その光を記録面に対し29.9°の角度で照射し、回折された光をパワーメータおよびディテクタ(ニューポート社製2930−C、918−SL:図中「PD1」および「PD2」)を用いて検出することにより、ホログラム記録が正しく行なわれているか否かを判定した。ホログラムの回折効率は、回折された光の強度の透過光強度と回折光強度の和に対する比で与えられる。
サンプルを光軸に対して動かす角度(二光束、すなわち図2(a)のミラーM1およびM2からの入射光が交わる点における内角の二等分線とサンプルからの法線とがなす角度)を−30°から30°まで1度刻みで61多重の記録を行い、得られた回折効率の平方根を多重記録全域にわたって合計したものをM/#とした。
具体的には、実施例ごとに、始めに複数用意した光学記録媒体の1つを用いて、二光束が交わる点における内角の二等分線と媒体の法線がなす角度がゼロの状態で、回折効率が一定になるまで二光束すなわち図2(a)におけるミラーM1およびM2からの入射光、波長405nmを照射し、一定になった最小のエネルギーを測定する(この際、回折効率の評価はミラーM3からの光、波長633nmを用いて行なう)。
次いで別のサンプルについて、先に求めた最少エネルギーの値を61多重記録の際の合計照射エネルギーの目安として、多重記録を行う。この際、照射エネルギーは記録回数に応じて適宜調整しながら、記録ごとの回折効率数%を維持するようにする。61多重記録後、引き続き図2(a)におけるミラーM1からの光(波長405nm)を照射し、角度−30°から30°までの回折効率を計測し、各角度の回折効率の平方根の合計(M/#)を求める。
サンプルを変えて、記録初期の照射エネルギーの増減、合計照射エネルギーの増減など、照射エネルギー条件を変えた複数回の評価を行い、記録1回ごとに数%以上の回折効率を維持しつつ、61多重記録までに含有モノマーをほぼ消費しつくす(61多重記録までにM/#がほぼ平衡に達する)条件を模索し、M/#として最大値が得られるようにした。そして、得られた最大値をその媒体のM/#とした。
測定用のサンプルの感度は、上記M/#計測において、サンプルが示す最大M/#の80%に達するまでの平均感度を表すものであり、次のように算出される。
感度=(0.8×(M/#))/(I×ts×L)
ここで、Iは入射光強度(mW/cm2)、tsはM/#が80%に達するまでの総露光時間(秒)、Lは記録層厚み(cm)である。
サンプルの保存安定性試験は、未記録サンプルを80℃で保存後に記録を行い、保存前と比較した。M/#、及び感度は保存前を100%とした残存率で評価した。
(濁り)
サンプルの濁りの評価は、ホログラム記録後のサンプルの記録部分を目視にて観察し、濁りが観察されないものを「無」、濁りが若干観察されるものを「有」として評価した。
・ホログラム記録媒体用組成物の調製
ヘキサメチレンジイソシアネートアダクト体(NCO%(イソシアネート基の割合):17.9%)7.93gにジベンゾチオフェニルフェニルアクリレート0.64g、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(チバスペシャリティ社)0.023gを溶解させA液とした。
次に、分子量約400のポリオキシプロピレングリコール7.07gにトリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマスのオクチル酸溶液0.003g溶解させ、B液とした。
B液を減圧下で3時間脱気した後、A液とB液を混ぜ合わせて攪拌混合し、さらに数分間、真空で脱気した。
続いて、厚さ500μmのスペーサーシートを2方の端にのせたスライドガラスに上に、真空脱気した上記混合液を流し込み、その上にスライドガラスをかぶせ、クリップで周辺を固定して60℃で15時間加熱して測定用ホログラム記録媒体を作製した。この測定用サンプルは、カバーとしてのスライドガラス間に、厚さ500μmの記録層が形成されたものである。
このようにして得られたサンプルについて、上記の方法により、ホログラム記録性能の評価を行った。評価の結果を、表1及び図1に示す。なお、表1では、未記録サンプルを80℃で1008時間保存した場合の結果を示す。
ヘキサメチレンジイソシアネートアダクト体(NCO%(イソシアネート基の割合):17.9%)0.49gとヘキサメチレンジイソシアネート(NCO%:49.9%)2.60gにジベンゾチオフェニルフェニルアクリレート0.43g、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(チバスペシャリティ社)0.023gを溶解させA液とし、分子量約1000のポリオキシプロピレングリコール10.92gにトリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマスのオクチル酸溶液0.002gを溶解させ、B液とした以外は実施例1と同様の方法で作製し、評価を行った。評価の結果を、表1及び図1に示す。なお、表1では、未記録サンプルを80℃で1128時間保存した場合の結果を示す。
実施例1のトリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマスのオクチル酸溶液をジオクチル錫ジラウレート0.003gに変更した以外は実施例1と同様の方法で作製し、評価を行った。評価の結果を、表1及び図1に示す。なお、表1では、未記録サンプルを80℃で1008時間保存した場合の結果を示す。
ヘキサメチレンジイソシアネート(NCO%:49.9%)2.82gにジベンゾチオフェニルフェニルアクリレート0.43g、および2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド(チバスペシャリティ社)0.023gを溶解させA液とし、分子量約1000のポリオキシプロピレングリコール11.17gにトリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマスのオクチル酸溶液0.002gを溶解させB液とした以外は実施例1と同様の方法で作製し、評価を行った。評価の結果を、表1及び図1に示す。なお、表1では、未記録サンプルを80℃で1008時間保存した場合の結果を示す。
実施例1の2,4,6−トリスメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド0.023gを2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)―ブタノン0.046gに変更した以外は実施例1と同様の方法で作製し、評価を行った。評価の結果を、表1及び図1に示す。なお、表1では、未記録サンプルを80℃で1008時間保存した場合の結果を示す。
1A LEDユニットの表面
1B LED
2 アーム
3 支柱
S サンプル
M1,M2,M3 ミラー
PBS 偏光ビームスプリッタ
L1 記録光用レーザ光源
L2 再生光用レーザ光源
PD1,PD2 フォトディテクタ
Claims (7)
- イソシアネート基の割合が49質量%以下であるイソシアネート基を有する化合物、
イソシアネート反応性官能基を有する化合物、
重合性モノマー、
ホスフィンオキシド系光重合開始剤、
及び、該イソシアネート基を有する化合物及び該イソシアネート反応性官能基を有する化合物の反応を促進するルイス酸として働くビスマス系触媒を含有することを特徴とする、ホログラム記録媒体用組成物。(但し、該イソシアネート基の割合は、該ホログラム記録媒体用組成物に含まれる該イソシアネート基を有する化合物の全体の中のイソシアネートの割合を示す。) - 前記ビスマス系触媒が、3価のビスマス化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のホログラム記録媒体用組成物。
- 前記ビスマス系触媒が、一般式Bi(OCOR) 3 (Rは直鎖、分岐のアルキル基、シクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基)で表されることを特徴とする、請求項1に記載のホログラム記録媒体用組成物。
- 前記ホスフィンオキシド系光重合開始剤が、アシルホスフィンオキシド化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のホログラム記録媒体用組成物。
- 前記重合性モノマーが、ラジカル重合性モノマーであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のホログラム記録媒体用組成物。
- 前記重合性モノマーの分子量が、300以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のホログラム記録媒体用組成物。
- 記録層に請求項1〜6のいずれか一項に記載のホログラム記録媒体用組成物を用いたことを特徴とする、ホログラム記録媒体。
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