以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[1.携帯機器の構成及び機能概要]
まず、本実施形態に係る携帯機器1の構成及び機能概要について、図1乃至図4を用いて説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る携帯機器1の一例を示す正面図である。携帯機器1は、ユーザが携帯可能な表示装置であり、電子書籍のページが表示される画面を有する。携帯機器1としては、例えば、スマートフォン等の携帯電話機、タブレットPC、電子ブックリーダー等がある。図1(a)に示すように、携帯機器1は、タッチパネル2、ボタン3等により構成されている。タッチパネルは、本発明における操作手段の一例であり、携帯機器1のディスプレイとしての役割と、入力デバイスとしての役割を果たす。なお、図1(a)においては、タッチパネル2の画面に、電子書籍のある1ページが表示されている。ボタン3は、ユーザによる操作に用いられる。
図1(b)は、本実施形態に係る携帯機器1の概要構成の一例を示す図である。図1(b)に示すように、携帯機器1は、制御部11、記憶部12、表示部13、傾き検出部14、画面接触検出部15等を備える。
制御部11は、CPUを中心に構成され、ROM、RAMなどのメモリを備えており、CPUがROMや記憶部12に格納されている各種プログラムを読み出し、必要に応じてRAMを使用しつつ、プログラムを実行することにより携帯機器1の各種制御を行う。なお、RAMは、本発明における記憶手段の一例である。
記憶部12は、不揮発性の記憶装置である。記憶部12は、例えば、フラッシュメモリ等により構成されており、各種のデータやプログラムが記憶されている。
具体的に、記憶部12には、電子書籍のデータが記憶されている。電子書籍のデータは、複数のページ情報により構成されている。各ページ情報は、書籍における1ページ分の情報に相当する。ページ情報の形式は任意である。例えば、ページ情報は、1ページ分の画面表示イメージに相当する画像データであってもよい。また、各ページ情報は、それぞれページ番号に対応付けられている。電子書籍のデータは、更に、電子書籍の総ページ数、右めくりの書籍であるか左めくりの書籍であるかを示すめくり種別等を含む。
また、記憶部12には、ビューアープログラムが記憶されている。ビューアープログラムは、電子書籍を閲覧するためのプログラムである。制御部11は、ビューアープログラムを実行することにより、傾きイベント処理部11a、接触イベント処理部11b及びページめくり判定部11c等として機能し、電子書籍のページ情報を表示部13に表示させたり、ユーザからの操作に応じて電子書籍のページめくり(ページの切り換え)の処理を行ったりする。ビューアープログラムは、例えば、インターネット等を介して所定のサーバ装置からダウンロードされてもよいし、パーソナルコンピュータ等からケーブルを介して読み込まれるようにしてもよいし、メモリカード等の記録媒体を介して記憶部12に読み込まれるようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、電子書籍についてそのページをめくる場合を例として説明するが、本発明におけるコンテンツは、電子書籍のみに限定されるものではない。本発明におけるコンテンツは、例えば、複数のページの情報で構成される様々なコンテンツに適用することができる。
表示部13は、タッチパネル2を構成するディスプレイに相当する。表示部13は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。表示部13は、制御部11の制御に基づいて、文字や画像等の各種の情報を表示する。
傾き検出部14は、携帯機器1の傾斜角度を検出する。この傾き検出部14は、例えば、加速度センサやジャイロセンサ等により構成されている。傾き検出部14は、例えば、水平方向に対する携帯機器1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向それぞれの傾斜角度を測定し、制御部11からの要求に応じて傾斜角度の測定値を制御部11に出力する。X軸方向は、タッチパネル2の画面に対して横の方向である。Y軸方向は、タッチパネル2の画面に対して縦の方向である。Z軸方向は、タッチパネル2の画面に対して垂直の方向である。
画面接触検出部15は、タッチパネル2を構成する入力デバイスに相当する。画面接触検出部15は、ユーザが指やタッチペン等(以下、「指等」という)で表示部13の画面に接触しているとき、画面の左上端を原点として、画面内の接触された位置(以下、「接触位置」という)の座標を検出する。画面接触検出部15は、制御部11からの要求に応じて、接触位置のX座標及びY座標を制御部11に出力する。画面接触検出部15の動作原理としては、例えば、感圧式、静電容量方式等が用いられてもよい。
このような構成の携帯機器1は、ビューアープログラムの実行によってユーザが電子書籍を閲覧しているときに、自然な感覚で電子書籍のページめくりの動作を行うことができるようになっている。また、携帯機器は、電子書籍のページが誤って切り換えられることを防止するようになっている。そのため、ビューアープログラムにおいては、ページをめくるためにユーザによる2つの動作が必要とされる。以下においては、そのための傾きイベント処理部11a、接触イベント処理部11b及びページめくり判定部11cの機能について説明する。
傾きイベント処理部11aは、本発明における検出手段、角度判定手段及び制御手段の一例であり、携帯機器1の相対的な傾きの検出を行う。そして、携帯機器1は、検出結果に基づいて、携帯機器1が傾き中であるか否かを示す傾き中フラグの変更を行う。ユーザが携帯機器1を相対的に傾けることは、電子書籍のページをめくるために必要な動作のうちの1つである。
具体的に、傾きイベント処理部11aは、予め定められた時間間隔(以下、「傾斜角度測定間隔」という)で、傾き検出部14からX軸方向の傾斜角度の測定値を取得する。そして、傾きイベント処理部11aは、今回取得した測定値と前回取得した測定値(傾斜角度測定間隔前に取得した測定値)との差分を算出する。この差分が、傾斜角度測定間隔前における携帯機器1の状態からの相対的な傾斜角度である。この相対的な傾斜角度は、例えば、携帯機器1の中心を縦方向(Y軸方向)に貫く線を回転軸として、この回転軸を中止にして携帯機器1が傾斜角度測定間隔の間に回転した角度である。携帯機器1を相対的に傾けるとは、傾斜角度測定間隔前における携帯機器1の状態から、携帯機器1の傾きを変えることをいう。携帯機器1を傾ける方向としては、右と左とがある。具体的に、携帯機器1をその底面から見た場合に、携帯機器1が右回りに回転することを、右に傾くといい、携帯機器1が左回りに回転することを、左に傾くという。なお、必ずしも携帯機器1がその回転軸を中心として回転することを要するものではなく、携帯機器1の画面の向く方向が変化すれば、相対的な傾斜角度を検出することができる。なお、傾きイベント処理部11aが傾斜角度の差分を算出することにより傾斜角度測定間隔における相対的な傾斜角度を求める代わりに、傾き検出部14が傾斜角度測定間隔における相対的な傾斜角度を傾きイベント処理部11aへ出力するようになっていてもよい。
傾きイベント処理部11aは、差分を算出すると、その差分の絶対値が予め設定された角度の閾値R以上である場合には、ユーザがページをめくるために携帯機器1を傾けたと判断し、傾き中フラグをONにする。携帯機器1が右に傾くと、傾斜角度の測定値の差分の符号はプラスとなり、携帯機器1が左に傾くと、傾斜角度の測定値の差分の符号はマイナスとなる。また、傾き中フラグには、右傾き中フラグと左傾き中フラグとがある。そのため、傾きイベント処理部11aは、R度以上の差分が検出された場合に、右傾き中フラグをONにし、−R度以下の差分が検出された場合に、左傾き中フラグをONにする。
傾きイベント処理部11aは、傾き中フラグをONにした後、傾斜角度測定間隔の間に、傾き中フラグがONになったときの傾き方向とは逆方向に携帯機器1がR度以上傾くと、ONにした傾き中フラグをOFFにする。つまり、傾きイベント処理部11aは、ユーザがページをめくるために携帯機器1を傾けた状態を解除したと判断する。具体的に、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグをONにした後、−R度以上の傾斜角度の測定値の差分が検出された場合に、右傾き中フラグをOFFにし、左傾き中フラグをONにした後、+R度以上の傾斜角度の測定値の差分が検出された場合に、左傾き中フラグをOFFにする。このとき、傾きイベント処理部11aは、左右の傾き中フラグのうち、OFFにした傾き中フラグではない方の傾き中フラグはOFFのままにする。なお、右傾き中フラグ及び左傾き中フラグは、本発明における状態情報の一例である。
以下に、具体例を示す。図2(a)は、傾斜角度測定間隔ごとに検出された傾斜角度の測定値の差分の一覧を示す図である。ここで、例えば、傾斜角度測定間隔=250ミリ秒、R=45度とする。図2(a)において、右傾き中フラグ及び左傾き中フラグをOFFの状態で最初の1秒間は、測定値の差分が、4、−2、−5、2度である。そのため、右傾き中フラグ及び左傾き中フラグはOFFのままである。そして、この250ミリ秒後の測定値の差分が61度である。そこで、この時点から右傾き中フラグがONとなる。その後1秒間の測定値の差分は、3、11、−2、0度である。そのため、右傾き中フラグはONのままである。そして、この250ミリ秒後の測定値の差分が−71度であるため、右傾き中フラグはOFFとなる。このとき、左傾き中フラグは変化しない。
ユーザは、携帯機器1を右または左へR度以上傾ける動作を行うことにより、ページをめくるための条件の一つを満たすことになる。この動作は、開いた書籍のページをめくるために書籍を傾ける動作(または、開いた書籍の左右の何れかを上げる動作や下げる動作等)をイメージしている。この動作のとき、ユーザは、携帯機器1を水平方向に保ってその状態から携帯機器1を傾けることを要しない。ユーザは、傾斜角度測定間隔の間に携帯機器1の向きをR度以上変えればよい。
また、傾きイベント処理部11aは、傾き中フラグをONにした後、予め設定された時間(以下、「傾き解除時間」という)が経過した後であって、画面に対する指等の接触がない場合には、ONにした傾き中フラグをOFFにする。これは、ユーザが携帯機器1を傾けた後にその傾きを元に戻さずに一定の時間が経過した場合には、例えば、ページをめくることを意図しないで携帯機器1を傾けたり、ユーザが自分の体勢を変えたりした場合が考えられるからである。傾き解除時間は、例えば、傾斜角度測定間隔の整数倍に設定されている(例えば、傾斜角度測定間隔=250ミリ秒、傾き解除時間2.5秒等)。
更に、傾きイベント処理部11aは、何れかの傾き中フラグがONになっている間、書籍の前小口を表す画像(1本以上の縦の線を表す画像)を画面に表示させる。具体的に、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグがONになっている場合には、画面の左端に前小口の画像を表示させ、左傾き中フラグがONになっている場合には、画面の右端に前小口の画像を表示させる。つまり、傾きイベント処理部11aは、画面内において、携帯機器1が相対的に傾いた方向とは逆方向側に前小口の画像を表示させる。このとき、傾きイベント処理部11aは、前小口を表示させた側にあるとみなされるページの残量(ページ数)に応じて、前小口の画像の横幅を決定する。ここで、前小口を表示させる側にあるページとは、携帯機器1を、開いた書籍であると仮定した場合に、現在開いているページ(現在画面に表示されているページ)よりも右側にあるページまたは左側にあるページである。例えば、右めくりの書籍である場合、ページ番号が小さいページであるほど、右側にあることになる。従って、現在開いているページよりも右側にあるページのページ数は、現在画面に表示されているページのページ番号−1である。一方、現在開いているページよりも左側にあるページのページ数は、電子書籍の総ページ数−現在画面に表示されているページのページ番号である。左めくりの書籍についても、同様の方法でページ数を算出することができる。横幅がページの残量に応じた横幅の前小口の画像が表示されるので、ユーザは、ページの残量をおおよそ把握することができる。なお前小口の表示位置は、画面の中央よりも、携帯機器1が傾けられた方向の逆方向側にあればよい。
接触イベント処理部11bは、本発明における操作判定手段の一例であり、タッチパネル2に対するスライド操作の検出を行う。そして、接触イベント処理部11bは、検出結果に基づいて、ユーザが指等をスライドさせた状態を維持しているか否かを示すスライド中フラグの変更を行う。スライド操作とは、指等を画面に接触させて、指等を画面から離さずに、最初の接触したときの接触位置から左右の何れか一方に所定距離移動させることをいう。スライド操作は、電子書籍のページをめくるために必要な動作のうちの1つである。
具体的に、接触イベント処理部11bは、指等が画面に接触している間、予め定められた時間間隔(以下、「画面接触イベント間隔」という)、画面接触検出部15から、接触位置のX座標及びY座標を取得する。そして、接触イベント処理部11bは、取得したX座標と、指等が画面への接触を開始したときに取得した接触位置(以下、「初回の接触位置」という)のX座標との差分を算出する。接触イベント処理部11bは、差分を算出すると、その差分の絶対値が予め設定された閾値D以上である場合には、ユーザがスライド操作を行ったと判断し、スライド中フラグをONにする。実際には、現時点での接触位置が初回の接触位置よりも右側にあると、差分の符号はプラスとなり、現時点での接触位置が初回の接触位置よりも左側にあると、差分の符号はマイナスとなる。また、スライド中フラグには、右スライド中フラグと左スライド中フラグとがある。そのため、接触イベント処理部11bは、D以上の差分が算出された場合に、右スライド中フラグをONにし、−D以上の差分が算出された場合に、左スライド中フラグをONにする。
接触イベント処理部11bは、スライド中フラグをONにした後、現時点の接触位置のX座標と初回の接触位置の座標との差分の絶対値がD未満となった場合には、ONにしたスライド中フラグをOFFにする。また、接触イベント処理部11bは、画面接触検出部15が接触位置を検出しなくなった場合にも、スライド中フラグをOFFにする。つまり、ユーザが画面から指等を離した場合にスライド中フラグがOFFになる。
以下に、具体例を示す。図2(b)は、画面接触イベント間隔ごとに検出された接触位置のX座標及びY座標の差分の一覧を示す図である。ここで、例えば、画面接触イベント間隔=50ミリ秒、D=50ピクセルとする。図2(b)において、右スライド中フラグ及び左スライド中フラグがOFFの状態で最初の200ミリ秒間は、X座標の差分が、2、26、36、42ピクセルである。そのため、右スライド中フラグ及び左スライド中フラグはOFFのままである。そして、この50ミリ秒後の測定値の差分が61ピクセルである。そこで、この時点から右スライド中フラグがONとなる。その後150ミリ秒間の測定値の差分は、75、77、62ピクセルである。そのため、右スライド中フラグはONのままである。そして、この50ミリ秒後の測定値の差分が46ピクセルであるため、右スライド中フラグはOFFとなる。
ユーザは、携帯機器1の画面に指等を接触させてから、その指等を右または左へDピクセル以上動かすというスライド操作を行うことにより、ページをめくるための条件の一つを満たすことになる。このスライド操作は、開いた書籍のページをめくるために、書籍の前小口部分をしごく動作をイメージしている。スライド操作を行うとき、ユーザは、指等を真横ではなく斜め等に移動させてもよい。結果的に、初回の接触位置と現時点での接触位置との横方向の距離がDピクセル以上となれば、スライド操作と判断される。初回の接触位置と現時点での接触位置との横方向の距離がDピクセル以上である間は、スライド操作状態を維持しているとみなされる。そして、ユーザが、初回の接触位置と現時点での接触位置との横方向の距離をDピクセル未満まで指等を動かすか、または、画面から指等を離したときに、スライド操作状態が解除されたと判断される。
ページめくり判定部11cは、本発明における切り換え手段の一例であり、ページめくりの動作が行われたか否かの判定を行い、ページめくりの動作が行われたと判定した場合には、ページめくりの処理を行う。
具体的に、ページめくり判定部11cは、右傾き中フラグ、左傾き中フラグ、右スライド中フラグ及び左スライド中フラグをRAMに管理しており、これらのフラグの実際の変更は、ページめくり判定部11cが行っている。傾きイベント処理部11aは、傾き中フラグを変更する場合、フラグ変更命令をページめくり判定部11cに送信する。これにより、ページめくり判定部11cが、対応する傾き中フラグを書き換える。また、接触イベント処理部11bは、画面接触検出部15により接触位置が検出されている間は、スライド中フラグを変更するか否かに関わらず、画面接触イベント間隔ごとにフラグ変更命令をページめくり判定部11cに送信する。これにより、ページめくり判定部11cが、対応するスライド中フラグを書き換える。
ページめくり判定部11cは、上述した4つのフラグに基づいて、ページめくりを行うか否かを判定する。図3は、傾き中フラグ及びスライド中フラグの状態と、フラグの状態に対するページめくりの状態の一例を示す図である。図3においては、傾き中フラグ及びスライド中フラグのそれぞれにおいて、ONになっている傾き中フラグが右のフラグであるか左のフラグであるかが示されている。右傾き中フラグと左傾き中フラグが同時にONになることはなく、また、右スライド中フラグと左スライド中フラグが同時にONになることもない。
図3に示すように、右傾き中フラグがONであり且つ右スライド中フラグがONである場合、ページめくりは行われない。また、左傾き中フラグがONであり且つ左スライド中フラグがONである場合も、ページめくりは行われない。一方、右傾き中フラグがONであり且つ左スライド中フラグがONである場合、右めくりが行われる。右めくりとは、画面に対して左から右にページがめくられることをいう。また、左傾き中フラグがONであり且つ右スライド中フラグがONである場合、左めくりが行われる。左めくりとは、画面に対して右から左にページがめくられることをいう。なお、これら以外のフラグの組み合わせ、すなわち、右傾き中フラグ及び左傾き中フラグの何れもがOFFであるか、右スライド中フラグ及び左スライド中フラグの何れもがOFFであるか、または、全てのフラグがOFFである場合は、ページめくりは行われない。
また、ページめくり判定部11cは、右傾き中フラグがONであり且つ左スライド中フラグがONである間、または、左傾き中フラグがONであり且つ右スライド中フラグがONである間は、画面接触イベント間隔ごとにページめくりを行う。つまり、連続してページめくりを行う。
ユーザは、ページをめくりたい方向と同方向に携帯機器1を相対的にR度以上傾け、且つ、携帯機器1を傾けた方向とは逆方向へスライド操作すると、ページめくりが行われる。なお、ページをめくる方向と携帯機器1を相対的に傾ける方向が同方向とは、ページをめくる方向と携帯機器1を相対的に傾ける方向がともに「右」であるか、ともに「左」であることを意味する。つまり、ページをめくる方向が右である場合に、画面が右に向くように携帯機器1を傾け、ページをめくる方向が左である場合に、画面が左に向くように携帯機器1を傾けることである。
以下に電子書籍のページをめくるためのユーザの動作の具体例を説明する。
図4(a)乃至(c)は、電子書籍のページを右にめくるための動作イメージの一例を示す図である。ここで、図4(a)は、携帯機器1をその底面側から見た場合の携帯機器1の状態の一例を示す図である。図4(b)は、携帯機器1の画面に対する指の動きの一例を示す図である。また、図4(e)は、ページがめくられるときの携帯機器1の画面の表示例を示す図である。
図4(a)に示すように、ユーザが、携帯機器1を、破線に示す状態から実線に示す状態へ相対的にR度以上右へ傾ける。すると、図4(b)に示すように、画面内の左端に前小口の画像21が表示される。図4(b)において、符号Fは、ユーザの指を示す。ここで、ユーザの指Fが破線に示す位置で画面に対する接触を開始させる。最初に指等を接触させる場所が画面内の何れの場所であってもよい。そして、ユーザは、携帯機器1を傾けてから傾き解除時間が経過する前までに、指Fを画面に接触させたまま指Fを左方向へ実線に示す位置まで移動させる。つまり、ユーザは左方向へスライド操作を行う。すると、図4(c)に示すように、電子書籍のページが右にめくられる。なお、ユーザがスライド操作を行ってから携帯機器1を傾けた場合であっても、あるいは、スライド操作と携帯機器1の傾けとを同時に行った場合であっても、ページめくりが行われる。図4(c)に示す状態で、携帯機器1の傾けと指Fの位置をそのまま維持していると、画面接触イベント間隔ごとにページめくりが行われる。これによって、ページめくりが連続して行われる。
図4(d)乃至(f)は、電子書籍の右方向へのページめくりを停止させるための動作イメージの一例を示す図である。ここで、図4(d)は、携帯機器1をその底面側から見た場合の携帯機器1の状態の一例を示す図である。図4(e)は、携帯機器1の画面に対する指の動きの一例を示す図である。また、図4(f)は、ページめくりが停止したときの携帯機器1の画面の表示例を示す図である。
図4(d)に示すように、ユーザが、携帯機器1を、破線に示す状態から実線に示す状態へ相対的にR度以上左へ傾ける。すると、図4(f)に示すように、電子書籍のページめくりが停止する。あるいは、図4(b)に示すように、ユーザが、指Fが破線に示す位置から右方向へ実線に示す位置まで移動させる。すると、図4(f)に示すように、電子書籍のページめくりが停止する。このときに携帯機器1が相対的に傾いているままであった場合には、画面内には前小口の画像21は表示されたままである。
なお、ユーザは、図4(c)の状態で、携帯機器1の傾きを維持したまま、指等を画面に接触した状態で指等を左右に連続して動かしても、ページの切り換えを連続して行うことができる。また、ユーザは、図4(c)の状態で、指等の位置を維持したまま、携帯機器1を左右に連続して傾ける動作を行うことによっても、ページの切り換えを連続して行うことができる。
電子書籍のページを左にめくる場合、ユーザは逆の動作を行えばよい。つまり、ユーザは、携帯機器1を相対的に左に傾け、且つ、指等を右方向へ移動させるスライド操作を行えばよい。そして、ユーザは、携帯機器1が相対的に傾いていた状態を元に戻すか、または、スライド操作を解除することで、左方向へのページめくりを停止させることができる。
これにより、自然な感覚で電子書籍のページめくりの動作を行うことができる。つまり、ユーザが携帯機器1を相対的に傾けることを1つの条件として、傾けた方向と同じ方向にページがめくられるからである。また、ユーザは、携帯機器1を水平方向の状態から傾けることを要しないので、様々な体制で携帯機器1を持って電子書籍を閲覧しながらページめくりの動作を行うことができる。例えば、狭い場所でユーザが携帯機器1を水平に保つことが難しかったり、ユーザが寝ながら携帯機器1を持っていたりするような場合であっても、ページめくりを行うことができる。また、ページめくりを行うには、携帯機器1を相対的に傾けることと、スライド操作を行うことの両方の動作が必要になるので、ページが誤ってめくられることを防止することができる。例えば、ユーザがその体勢を変えたり携帯機器1の向きを変えたりした場合であっても、ユーザがスライド操作を行わなければ、ページがめくられることはない。また、ユーザが誤って画面に触れてしまった場合であっても、ユーザが携帯機器1を相対的に傾けなければ、ページがめくられることはない。
[2.携帯機器の動作]
次に、携帯機器1の動作について、図5乃至図8を用いて説明する。
携帯機器1の制御部11は、ユーザによるタッチパネル2等への操作に応じて、ビューアープログラムを起動させる。次いで、制御部11は、記憶部12から、ユーザにより指定された電子書籍のページ情報(例えば、1ページ目のページ情報)を読み出す。制御部12は、読み出したページ情報を表示部13に出力することにより、ページ情報を画面に表示させる。そして、制御部11は、ユーザからの操作待ちの状態になる。以下に説明する各処理は、ビューアープログラムが起動しているときに実行される。
図5は、本実施形態に係る傾きイベント処理部11aの処理例を示すフローチャートである。制御部11は、傾斜角度測定間隔ごとに、傾きイベント処理部11aを呼び出し、傾き検出部14から現在の傾斜角度の測定値を取得させる。図5に示す処理は、傾きイベント処理部11aが制御部11から呼び出されるたびに実行される。
まず、傾きイベント処理部11aは、傾斜角度の測定値を取得すると、前回の測定値がRAMに保持されているか否かを判定する(ステップS1)。ビューアープログラムが起動してから図5に示す処理が初めて実行された場合、前回の測定値は保持されていない。そこで、傾きイベント処理部11aは、前回の測定値が保持されていないと判定した場合には(ステップS1:NO)、取得した測定値をRAMに保持させる(ステップS2)。傾きイベント処理部11aは、この処理を終えると、図5に示す処理を終了させる。
一方、傾きイベント処理部11aは、前回の測定値が保持されていると判定した場合には(ステップS1:YES)、今回取得した測定値から前回の測定値を減算して、測定値の差分を算出する。そして、傾きイベント処理部11aは、今回の測定値と前回の測定値との差分がR度以上であるか否かを判定する(ステップS3)。このとき、傾きイベント処理部11aは、差分がR度以上であると判定した場合には(ステップS3:YES)、左傾き中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS4)。このとき、傾きイベント処理部11aは、左傾き中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS4:NO)、画面内の左端に前小口の画像を表示させる(ステップS5)。具体的に、傾きイベント処理部11aは、現在画面に表示されているページのページ番号、電子書籍のデータに含まれるめくり種別及び総ページ数等に基づいて、現在表示されているページよりも左側にあるとみなされるページのページ数を算出する。そして、傾きイベント処理部11aは、算出したページ数に応じた横幅の前小口の画像を表示させる。次いで、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグをONにさせるフラグ変更命令を、ページめくり判定部11cへ送信する(ステップS6)。次いで、傾きイベント処理部11aは、カウンタに0を設定する(ステップS7)。このカウンタは、傾き中フラグがONになってから傾き解除時間が経過したか否かの判定に用いられる。次いで、傾きイベント処理部11aは、今回取得した測定値をRAMに保持させて(ステップS2)、図5に示す処理を終了させる。
ステップS4において、傾きイベント処理部11aは、左傾き中フラグがONであると判定した場合には(ステップS4:YES)、画面内の右端に表示されている前小口の画像を画面から消去させる(ステップS8)。次いで、傾きイベント処理部11aは、左傾き中フラグをOFFにさせるフラグ変更命令を、ページめくり判定部11cへ送信する(ステップS9)。次いで、傾きイベント処理部11aは、ステップS7及びS2の処理を実行して、図5に示す処理を終了させる。
ステップS3において、傾きイベント処理部11aは、今回の測定値と前回の測定値との差分がR度以上ではないと判定した場合には(ステップS3:NO)、今回の測定値と前回の測定値との差分が−R度以下であるか否かを判定する(ステップS10)。このとき、傾きイベント処理部11aは、差分が−R度以下であると判定した場合には(ステップS10:YES)、右傾き中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS11)。このとき、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグがONではないと判定した場合には(ステップS11:NO)、画面内の右端に前小口の画像を表示させる(ステップS12)。具体的に、傾きイベント処理部11aは、現在画面に表示されているページのページ番号、電子書籍のデータに含まれるめくり種別及び総ページ数等に基づいて、現在表示されているページよりも右側にあるとみなされるページのページ数を算出する。そして、傾きイベント処理部11aは、算出したページ数に応じた横幅の前小口の画像を表示させる。次いで、傾きイベント処理部11aは、左傾き中フラグをONにさせるフラグ変更命令を、ページめくり判定部11cへ送信する(ステップS13)。次いで、傾きイベント処理部11aは、ステップS7及びS2の処理を実行して、図5に示す処理を終了させる。
ステップS11において、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグがONであると判定した場合には(ステップS11:YES)、画面内の左端に表示されている前小口の画像を画面から消去させる(ステップS14)。次いで、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグをOFFにさせるフラグ変更命令を、ページめくり判定部11cへ送信する(ステップS15)。次いで、傾きイベント処理部11aは、ステップS7及びS2の処理を実行して、図5に示す処理を終了させる。
ステップS10において、傾きイベント処理部11aは、今回の測定値と前回の測定値との差分が−R度以下ではないと判定した場合には(ステップS10:NO)、右傾き中フラグと左傾き中フラグとのうち少なくとも何れか一方がONであるか否かを判定する(ステップS16)。このとき、制御部11は、右傾き中フラグ及び左傾き中フラグがともにOFFであると判定した場合には(ステップS16:NO)、ステップS2を実行して、図5に示す処理を終了させる。
一方、傾きイベント処理部11aは、少なくとも何れか一方がONであると判定した場合には(ステップS16:YES)、カウンタに1を加算する(ステップS17)。次いで、傾きイベント処理部11aは、カウンタが予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS18)。この閾値に傾斜角度測定間隔を乗じて得られる値が、傾き解除時間に相当する。このとき、傾きイベント処理部11aは、カウンタが閾値以上ではないと判定した場合には(ステップS18:NO)、ステップS2を実行して、図5に示す処理を終了させる。
一方、傾きイベント処理部11aは、カウンタが閾値以上であると判定した場合には(ステップS18:YES)、現在画面に対する指等の接触があるか否かを判定する(ステップS19)。このとき、傾きイベント処理部11aは、画面に対する指等の接触があると判定した場合には(ステップS19:YES)、ステップS2を実行して、図5に示す処理を終了させる。一方、傾きイベント処理部11aは、画面に対する指等の接触がないと判定した場合には(ステップS19:NO)、画面内の右端または左端に表示されている前小口の画像を画面から消去させる(ステップS20)。次いで、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグ及び左傾き中フラグをともにOFFにさせるフラグ変更命令を、ページめくり判定部11cへ送信する(ステップS21)。次いで、傾きイベント処理部11aは、カウンタに0を設定する(ステップS22)。次いで、傾きイベント処理部11aは、ステップS2を実行して、図5に示す処理を終了させる。
なお、図示はしていないが、傾きイベント処理部11aは、ページが連続してめくられている間も、ページめくりに応じて、画面に表示されている前小口の画像の横幅を変化させる。
図6は、本実施形態に係る接触イベント処理部11bの処理例を示すフローチャートである。制御部11は、画面接触検出部15が画面に対して接触があることを検出している間、画面接触イベント間隔ごとに、接触イベント処理部11bを呼び出し、画面接触検出部15から現在の接触位置の座標を取得させる。図6に示す処理は、接触イベント処理部11bが制御部11から呼び出されるたびに実行される。
まず、接触イベント処理部11bは、接触位置の座標を取得すると、今回の接触が初回の接触であるか否かを判定する(ステップS31)。例えば、接触イベント処理部11bは、RAMに初回の接触位置が保持されているか否かを判定することにより、初回の接触であるかを判定する。このとき、接触イベント処理部11bは、今回の接触が初回の接触であると判定した場合には(ステップS31:YES)、取得した接触位置の座標を、初回の接触位置の座標としてRAMに保持させる(ステップS32)。接触イベント処理部11bは、この処理を終えると、図6に示す処理を終了させる。
一方、接触イベント処理部11bは、今回の接触が初回の接触ではないと判定した場合には(ステップS31:NO)、今回取得した接触位置のX座標から初回の接触位置のX座標を減算して、X座標の差分を算出する。そして、接触イベント処理部11bは、今回の接触位置のX座標と初回の接触位置のX座標との差分がDピクセル以上であるか否かを判定する(ステップS33)。このとき、接触イベント処理部11bは、差分がDピクセル以上であると判定した場合には(ステップS33:YES)、右スライド中フラグをONにさせるフラグ変更命令を、ページめくり判定部11cへ送信する(ステップS34)。接触イベント処理部11bは、この処理を終えると、図6に示す処理を終了させる。
一方、接触イベント処理部11bは、差分がDピクセル以上ではないと判定した場合には(ステップS33:NO)、差分が−Dピクセル以下であるか否かを判定する(ステップS35)。このとき、接触イベント処理部11bは、差分が−Dピクセル以下であると判定した場合には(ステップS35:YES)、左スライド中フラグをONにさせるフラグ変更命令を、ページめくり判定部11cへ送信する(ステップS36)。接触イベント処理部11bは、この処理を終えると、図6に示す処理を終了させる。
一方、接触イベント処理部11bは、差分が−Dピクセル以下ではないと判定した場合には(ステップS35:NO)、右スライド中フラグと左スライド中フラグとのうち少なくとも何れか一方がONであるか否かを判定する(ステップS37)。このとき、制御部11は、少なくとも何れか一方がONであると判定した場合には(ステップS37:YES)、右スライド中フラグ及び左スライド中フラグをともにOFFにさせるフラグ変更命令を、ページめくり判定部11cへ送信する(ステップS38)。接触イベント処理部11bは、この処理を終えた場合、または、右スライド中フラグ及び左スライド中フラグがともにOFFであると判定した場合には(ステップS37:NO)、図6に示す処理を終了させる。
図7は、本実施形態に係る接触イベント処理部11bの処理例を示すフローチャートである。図7に示す処理は、画面接触検出部15が画面に対する接触がなくなったことを検出したときに実行される。つまり、ユーザが画面から指等を離したタイミングで実行される。
まず、接触イベント処理部11bは、右スライド中フラグと左スライド中フラグとのうち少なくとも何れか一方がONであるか否かを判定する(ステップS51)。このとき、制御部11は、少なくとも何れか一方がONであると判定した場合には(ステップS51:YES)、右スライド中フラグ及び左スライド中フラグをともにOFFにさせるフラグ変更命令を、ページめくり判定部11cへ送信する(ステップS52)。接触イベント処理部11bは、この処理を終えた場合、または、右スライド中フラグ及び左スライド中フラグがともにOFFであると判定した場合には(ステップS52:NO)、RAMに保持されている初回の接触位置の座標を破棄する(ステップS53)。接触イベント処理部11bは、この処理を終えると、図7に示す処理を終了させる。
図8は、本実施形態に係るページめくり判定部11cの処理例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、ページめくり判定部11cが、傾きイベント処理部11aまたは接触イベント処理部11bからフラグ変更命令を受信するたびに実行される。
まず、ページめくり判定部11cは、右傾き中フラグ、左傾き中フラグ、右スライド中フラグ及び左スライド中フラグのうち、受信したフラグ変更命令に応じたフラグの書き換えを行う(ステップS71)。次いで、ページめくり判定部11cは、右傾き中フラグがONであり且つ左スライド中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS72)。このとき、ページめくり判定部11cは、右傾き中フラグがONであり且つ左スライド中フラグがONであると判定した場合には(ステップS72:YES)、電子書籍のページを右にめくる処理を行う(ステップS73)。例えば、右めくりの電子書籍である場合、ページめくり判定部11cは、現在画面に表示されているページ情報のページ番号よりもページ番号が1大きいページ情報を、記憶部12から読み出す。そして、ページめくり判定部11cは、読み出したページ情報を表示部13に出力することにより、次ページのページ情報を画面に表示させる。このとき、ページめくり判定部11cは、ページがめくられる様子をアニメーションで画面に表示させてもよい。ページめくり判定部11cは、この処理を終えると、図8に示す処理を終了させる。
ステップS72において、ページめくり判定部11cは、右傾き中フラグと左スライド中フラグとのうち少なくとも何れか一方がOFFであると判定した場合には(ステップS72:NO)、左傾き中フラグがONであり且つ右スライド中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS74)。このとき、ページめくり判定部11cは、左傾き中フラグがONであり且つ右スライド中フラグがONであると判定した場合には(ステップS74:YES)、電子書籍のページを左にめくる処理を行う(ステップS75)。例えば、右めくりの電子書籍である場合、ページめくり判定部11cは、現在画面に表示されているページ情報のページ番号よりもページ番号が1小さいページ情報を、記憶部12から読み出す。そして、ページめくり判定部11cは、読み出したページ情報を表示部13に出力することにより、前ページのページ情報を画面に表示させる。このとき、ページめくり判定部11cは、ページがめくられる様子をアニメーションで画面に表示させてもよい。ページめくり判定部11cは、この処理を終えると、図8に示す処理を終了させる。
一方、ページめくり判定部11cは、左傾き中フラグと右スライド中フラグとのうち少なくとも何れか一方がOFFであると判定した場合には(ステップS74:NO)、図8に示す処理を終了させる。
なお、画面接触検出部15が画面に対して接触があることを検出している間は、画面接触イベント間隔ごとに、接触イベント処理部11bからページめくり判定部11cへフラグ変更命令が送信される。つまり、図8に示す処理が画面接触イベント間隔ごとに実行される。そのため、右傾き中フラグがONであり且つ左スライド中フラグがONである間は、ステップS73が画面接触イベント間隔ごとに実行され、左傾き中フラグがONであり且つ右スライド中フラグがONである間は、ステップS75が画面接触イベント間隔ごとに実行される。これにより、ページめくり判定部11cは、連続してページめくりを行う。
以上説明したように、本実施形態によれば、傾きイベント処理部11aが、傾斜角度測定間隔ごとに該傾斜角度測定間隔前の携帯機器1に対する該携帯機器1の相対的な傾斜角度を検出し、検出された相対的な傾斜角度がR度以上であるか否かを判定し、接触イベント処理部11bが、タッチパネル2に対してスライド操作がされたか否かを判定し、傾きイベント処理部11aにより傾斜角度がR度以上であると判定され、且つ、接触イベント処理部11bによりスライド操作がされたと判定された場合に、ページめくり判定部11cが、画面に表示されるページを切り換える。
従って、画面に表示されるページが誤って切り換えられることを防止しつつ、自然な感覚でページの切り換えの動作を行うことができる。
また、傾きイベント処理部11aが、画面に対してページめくりが可能な右または左へ画面が向くように携帯機器1が傾くことによる相対的な傾斜角度を検出し、ページめくり判定部11cが、右または左へのページの切り換えを実行し、傾きイベント処理部11aにより相対的な傾斜角度がR度以上であると判定された場合に、画面内において携帯機器1が相対的に傾けられた方向の逆方向側に前小口を表す画像を表示させ、電子書籍に含まれるページのうち、画面に表示されているページよりも、携帯機器1が相対的に傾けられた方向の逆方向側にあるとみなされるページの数が多いほど、前小口を表す画像の横方向の幅を広くする。
従って、ユーザは、ページの残数をおおよそ把握することができる。
また、ページめくり判定部11cは、画面に表示されるページを切り換えを開始した後、ページをめくるために携帯機器1が傾けられた方向とは逆方向へ傾くことによるR度以上の相対的な傾斜角度が傾きイベント処理部11aにより検出されていない間のうち、スライド操作が解除されていない間、ページの切り換えを連続して実行する。
従って、ユーザは、携帯機器1を相対的に傾けた状態を維持しつつ、スライド操作を維持することで、ページが連続して切り換えられるので、ページの連続切り換えを容易に行うことができる。
また、傾きイベント処理部11aが、右傾き中フラグ及び左傾き中フラグが何れもOFFに設定されているときに、右または左にR度以上の相対的な傾斜角度が検出されたとき、携帯機器1が傾いた方向に対応する傾き中フラグをONに変更し、右傾き中フラグまたは左傾き中フラグの何れかがONに設定されているときに、ONに設定されている傾き中フラグが示す傾きの方向とは逆方向にR度以上の相対的な傾斜角度が検出されたとき、ONに設定されている傾き中フラグをOFFに変更し、ページめくり判定部11cは、右傾き中フラグまたは左傾き中フラグの何れかがONに設定されており、且つ、接触イベント処理部11bによりスライド操作がされたと判定された場合に、ONに設定されている傾き中フラグが示す傾きの方向へのページ切り替えを実行する。
従って、携帯機器1が相対的に±R度以上傾くことに応じて右傾き中フラグや左傾き中フラグを変更することにより、ページを切り換えるか否か及び切り換える方向を制御することができる。
[3.変形例]
次に、電子書籍のページを連続してめくるときに、ユーザの動作によってページをめくる速度を変える場合の例を、本実施形態の変形例として説明する。
[3−1.変形例1]
携帯機器1は、ページめくりを開始した後、ユーザが携帯機器を相対的に右または左に傾けることに応じて、ページをめくる速度を変えてもよい。具体的に、傾きイベント処理部11aは、傾斜角度の今回の測定値と前回の測定値との差分の絶対値が予め設定された角度の閾値S以上である場合には、ページをめくる速度を変更する。ここで、S<Rである。傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグがONであるときに、傾斜角度の測定値の差分がS以上である場合には、ページをめくる速度を速くする。一方、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグがONであるときに、傾斜角度の測定値の差分が−S以下である場合には、ページをめくる速度を遅くする。また、傾きイベント処理部11aは、左傾き中フラグがONであるときに、傾斜角度の測定値の差分が−S以下である場合には、ページをめくる速度を速くする。一方、傾きイベント処理部11aは、左傾き中フラグがONであるときに、傾斜角度の測定値の差分がS以上である場合には、ページをめくる速度を遅くする。つまり、ユーザが、現在ページがめくられている方向と同方向に携帯機器1を相対的にS以上傾けた場合には、ページをめくる速度が速くなり、現在ページがめくられている方向と逆方向に携帯機器1を相対的にS以上傾けた場合には、ページをめくる速度が遅くなる。ページをめくる速度を速くするには、画面接触イベント間隔を短くすればよいし、ページをめくる速度を遅くするには、画面接触イベント間隔を長くすればよい。画面接触イベント間隔には、ビューアープログラムの起動時に制御部11によってその初期値が設定されている。
図9及び図10は、本実施形態の変形例1に係る傾きイベント処理部11aの処理例を示すフローチャートである。なお、図9において、図5と同様の処理については同様のステップ番号を付してある。
図9に示すように、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグ及び左傾き中フラグがともにOFFであると判定した場合(ステップS16:NO)、カウンタが閾値以上ではないと判定した場合(ステップS18:NO)、または、画面に対する指等の接触があると判定した場合には(ステップS19:YES)、図10に示すように、右傾き中フラグがONであり且つ左スライド中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS111)。このとき、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグがONであり且つ左スライド中フラグがONであると判定した場合には(ステップS111:YES)、今回の測定値と前回の測定値との差分がS度以上であるか否かを判定する(ステップS112)。このとき、傾きイベント処理部11aは、差分がS度以上であると判定した場合には(ステップS112:YES)、画面接触イベント間隔を短くする(ステップS113)。例えば、傾きイベント処理部11aは、画面接触イベント間隔から所定値を減算する。傾きイベント処理部11aは、この処理を終えると、ステップS2に移行する。なお、現在の画面接触イベント間隔が予め設定された下限値に達している場合、傾きイベント処理部11aは、ステップS113を実行しない。
一方、傾きイベント処理部11aは、差分がS度以上ではないと判定した場合には(ステップS112:NO)、差分が−S度以下であるか否かを判定する(ステップS114)。このとき、傾きイベント処理部11aは、差分が−S度以下であると判定した場合には(ステップS114:YES)、画面接触イベント間隔を長くする(ステップS115)。例えば、傾きイベント処理部11aは、画面接触イベント間隔に所定値を加算する。傾きイベント処理部11aは、この処理を終えると、ステップS2に移行する。なお、現在の画面接触イベント間隔が予め設定された上限値に達している場合、傾きイベント処理部11aは、ステップS115を実行しない。一方、傾きイベント処理部11aは、差分が−S度以下ではないと判定した場合には(ステップS114:NO)、ステップS2に移行する。
ステップS111において、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグと左スライド中フラグとのうち少なくとも何れか一方がOFFであると判定した場合には(ステップS111:NO)、左傾き中フラグがONであり且つ右スライド中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS116)。このとき、傾きイベント処理部11aは、左傾き中フラグがONであり且つ右スライド中フラグがONであると判定した場合には(ステップS116:YES)、今回の測定値と前回の測定値との差分が−S度以下であるか否かを判定する(ステップS117)。このとき、傾きイベント処理部11aは、差分が−S度以下であると判定した場合には(ステップS117:YES)、画面接触イベント間隔を短くして(ステップS118)、ステップS2に移行する。
一方、傾きイベント処理部11aは、差分が−S度以下ではないと判定した場合には(ステップS117)、差分がS度以上であるか否かを判定する(ステップS119)。このとき、傾きイベント処理部11aは、差分がS度以上であると判定した場合には(ステップS119:YES)、画面接触イベント間隔を長くして(ステップS120)、ステップS2に移行する。一方、傾きイベント処理部11aは、差分がS度以上ではないと判定した場合には(ステップS119:NO)、ステップS2に移行する。
ステップS116において、傾きイベント処理部11aは、左傾き中フラグと右スライド中フラグとのうち少なくとも何れか一方がOFFであると判定した場合には(ステップS116:NO)、ステップS2に移行する。
図9において、傾きイベント処理部11aは、左傾き中フラグをOFFにさせるフラグ変更命令を送信すると(ステップS9)、画面接触イベント間隔に初期値を設定して(ステップS101)、ステップS2に移行する。また、傾きイベント処理部11aは、右傾き中フラグをOFFにさせるフラグ変更命令を送信すると(ステップS15)、画面接触イベント間隔に初期値を設定して(ステップS102)、ステップS2に移行する。
以上説明したように、本変形例によれば、ページめくり判定部11cが、画面に表示されるページの切り換えを開始した後に、ページがめくられている方向と同方向にS度以上の相対的な傾斜角度が傾きイベント処理部11aにより検出されたとき、ページを連続して切り換える速度を現時点の速度よりも速くし、ページがめくられている方向と逆方向にS度以上の相対的な傾斜角度が傾きイベント処理部11aにより検出されたとき、ページを連続して切り換える速度を現時点の速度よりも遅くする。
従って、ユーザは、ページを切り換えるために携帯機器1を相対的に傾けた方向と同方向にまたはその逆方向に携帯機器1を傾けることにより、ページを連続して切り換える速度を調節することができる。
[3−2.変形例2]
携帯機器1は、画面に対する指等の初回の接触位置から現時点の接触位置までの横方向における距離が長いほど、ページをめくる速度を速くしてもよい。この場合、ページめくりが開始された後、ユーザが、現在ページがめくられている方向とは逆方向へ指等を更に移動させると、ページをめくる速度が速くなり、現在ページがめくられている方向へ指等を更に移動させると、ページをめくる速度が遅くなる。
図11は、本実施形態の変形例2に係る接触イベント処理部11bの処理例を示すフローチャートである。なお、図11において、図6と同様の処理については同様のステップ番号を付してある。
図11に示すように、接触イベント処理部11bは、右スライド中フラグをONにさせるフラグ変更命令を送信すると(ステップS34)、画面接触イベント間隔を設定する(ステップS121)。具体的に、接触イベント処理部11bは、現時点の接触位置のX座標と初回の接触位置のX座標との差分が大きいほど、画面接触イベント間隔を長くする。例えば、接触イベント処理部11bは、差分に予め設定された係数を乗じることにより、新たな画面接触イベント間隔を算出してもよい。接触イベント処理部11bは、この処理を終えると、図11に示す処理を終了させる。
また、接触イベント処理部11bは、左スライド中フラグをONにさせるフラグ変更命令を送信すると(ステップS36)、画面接触イベント間隔を設定する(ステップS122)。具体的に、接触イベント処理部11bは、現時点の接触位置のX座標と初回の接触位置のX座標との差分の絶対値が大きいほど、画面接触イベント間隔を長くする。接触イベント処理部11bは、この処理を終えると、図11に示す処理を終了させる。
また、接触イベント処理部11bは、右スライド中フラグ及び左スライド中フラグをともにOFFにさせるフラグ変更命令を送信すると(ステップS38)、画面接触イベント間隔に初期値を設定して(ステップS123)、図11に示す処理を終了させる。なお、接触イベント処理部11bは、画面接触検出部15が画面に対する接触がなくなったことを検出したときにも、画面接触イベント間隔に初期値を設定する。
以上説明したように、本変形例によれば、接触イベント処理部11bが、画面接触検出部15により検出された現時点の接触位置と画面への接触が開始されたときの接触位置との横方向における距離がDピクセル以上である場合にスライド操作であると判定し、ページめくり判定部11cは、ページを連続して切り換える速度を、現時点の接触位置と画面への接触が開始されたときの接触位置との距離が長いほど速くする。
従って、ユーザは画面の接触位置を調節することにより、ページを連続して切り換える速度を調節することができる。
[3−3.変形例3]
携帯機器1は、ページめくりを開始してからの経過時間に応じて、ページをめくる速度を速くしてもよい。具体的には、この経過時間が長いほど、ページをめくる速度を速くする。経過時間を計測するために、めくり時間カウンタが用いられる。めくり時間カウンタには、ビューアープログラムの起動時に制御部11によって初期値である0が設定されている。
図12は、本実施形態の変形例3に係るページめくり判定部11cの処理例を示すフローチャートである。なお、図12において、図8と同様の処理については同様のステップ番号を付してある。
図12に示すように、ページめくり判定部11cは、ページをめくり処理を実行すると(ステップS73またはS75)、めくり時間カウンタに1を加算する(ステップS131)。次いで、ページめくり判定部11cは、めくり時間カウンタが予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS132)。このとき、ページめくり判定部11cは、めくり時間カウンタが閾値以上ではないと判定した場合には(ステップS132:NO)、図12に示す処理を終了させる。一方、ページめくり判定部11cは、めくり時間カウンタが閾値以上であると判定した場合には(ステップS132:YES)、画面接触イベント間隔を短くする(ステップS133)。例えば、ページめくり判定部11cは、画面接触イベント間隔から所定値を減算する。なお、現在の画面接触イベント間隔が予め設定された下限値に達している場合、ページめくり判定部11cは、ステップS133を実行しない。次いで、ページめくり判定部11cは、めくり時間カウンタに0を設定して(ステップS134)、図12に示す処理を終了させる。これにより、めくり時間カウンタが閾値に達するたびに、画面接触イベント間隔が短くなる。従って、ページめくりが開始されてから次第にページをめくる速度が速くなる。
また、ページめくり判定部11cは、左傾き中フラグと右スライド中フラグとのうち少なくとも何れか一方がOFFであると判定した場合には(ステップS74:NO)、画面接触イベント間隔に初期値を設定する(ステップS135)。次いで、ページめくり判定部11cは、めくり時間カウンタに0を設定して(ステップS136)、図12に示す処理を終了させる。
以上説明したように、本変形例によれば、ページめくり判定部11cが、ページを連続して切り換える速度を、ページの切り換えを開始してからの経過時間が長いほど速くする。
従って、ユーザは、携帯機器1を相対的に傾けた状態を維持しつつ、スライド操作を維持することで、ページを連続して切り換える速度を次第に速くすることができる。
なお、上記実施形態においては、携帯機器1に対して左右の両方向にページめくりができるようになっていた。しかしながら、何れか一方向に対してのみページめくりができるようになっていてもよい。また、例えば、携帯機器1に対して上下の方向にページめくりができるようになっていてもよい。この場合、例えば、ユーザが携帯機器1を相対的に上または下に傾け、且つ、傾けた方向とは逆方向にスライド操作を行うことで、ページめくりが行われるようになっていてもよい。
また、携帯機器1の画面には、1ページ単位でページ情報が表示されているようになっていた。しかしながら、2ページ以上の単位で表示されるようになっていてもよい。
また、上記実施形態においては、スライド操作を行う場合に、画面内の如何なる場所で行ってもよいようになっていた。しかしながら、例えば、右方向へのスライド操作と、左方向へのスライド操作とで、それぞれスライド操作が行える領域が限定されていてもよい。また、上記実施形態においては、携帯機器1を傾けた方向とは逆方向にスライド操作を行うことで、ページめくりが行われるようになっていた。しかしながら、逆方向以外の予め定められた方向にスライド操作を行うことで、ページめくりが行われるようになっていてもよい。また、携帯機器1を傾けた方向とは関係なく、予め定められた方向にスライド操作を行うことで、ページめくりが行われるようになっていてもよいし、ユーザによる任意の方向へスライド操作を行うことで、ページめくりが行われるようになっていてもよい。
また、ページめくりを行うためのタッチパネル2に対する操作として、スライド操作以外の操作が適用されてもよい。また、ページめくりを行うための操作として、タッチパネル2以外の操作手段に対する操作が適用されてもよい。例えば、ユーザが携帯機器1を相対的にR度以上傾け、且つ、ボタン3を押すことによって、ページめくりが行われるようになっていてもよい。
また、上記実施形態においては、傾き中フラグをONにするための傾斜角度の絶対値と、傾き中フラグをOFFにするための傾斜角度の絶対値とを同値(R)にしていたが、異なる値であってもよい。また、角度の閾値R及びS、距離の閾値D、傾斜角度測定間隔、画面接触イベント間隔、傾き解除時間等のそれぞれに対して如何なる値を設定するかは任意である。