JP5860733B2 - アッパーサポート - Google Patents

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Description

この発明はサスペンション機構におけるショックアブソーバのピストンロッドと車体パネルとを弾性連結し、それらピストンロッドと車体パネルとの間で振動吸収し防振作用するアッパーサポートに関する。
従来、車両のサスペンション機構におけるショックアブソーバのピストンロッドと車体パネルとを弾性連結し、それらピストンロッドと車体パネルとの間で振動吸収し防振作用するアッパーサポートとして、車体パネルの上側に配置されて上取付金具により車体パネルの上面に挟圧され、上下の軸方向に予圧縮状態で車体パネルに弾性圧接せしめられる上クッションゴムと、これとは別体をなし、車体パネルの下側に配置されて下取付金具により車体パネルの下面に挟圧され、上下の軸方向に予圧縮状態で車体パネルに弾性圧接せしめられる下クッションゴムとを有し、上記ピストンロッドを上クッションゴム及び下クッションゴムの中心部の挿通孔に挿通させる状態に、ピストンロッドと車体パネルとを弾性連結する形式のものが用いられている。
この種形式のアッパーサポートにおいて、下クッションゴムとして、筒形状をなすゴム本体部、及びゴム本体部の外周面から径方向外方に環状に張り出した、軸方向のゴムストッパ部として働くゴムフランジ部を有する形状のものが従来公知である。
このような下クッションゴムを用いたアッパーサポートにあっては、カップ金具からなる下取付金具の底部及び底部の外周端から上向きに立ち上がる周壁部にて内側に形成される保持凹所に、ゴム本体部の、上記ゴムフランジ部よりも下側の下部が嵌め込まれて保持されるとともに、そのゴムフランジ部が、下取付金具の上記周壁部の上端側から径方向外方に環状に張り出した金具フランジ部の上側に重なる状態に、下クッションゴムが下取付金具にて車体パネルの下面に挟圧され、上下の軸方向に予圧縮状態で車体パネルに弾性圧接せしめられる。
下クッションゴムとしてこのようなものを用いたアッパーサポートが、例えば下記特許文献1,特許文献2に開示されている。
ところで、この種形式のアッパーサポートにあっては、車体パネルの下側に位置する下クッションゴムと、カップ金具からなる下取付金具との間に水が侵入すると、そこに水が溜まってしまう恐れがある。
従来において、下クッションゴムは、筒形状をなすゴム本体部の上記の下部に、その外周面から径方向外方に突出する突出部が周方向に間隔を隔て複数設けられており、その突出部を、カップ形状をなす下取付金具の周壁部の内周面に弾性当接させるようになっている。
この場合、ゴム本体部(詳しくはその下部)の外周面と下取付金具の周壁部の内周面との間に径方向の空隙を生じる。
下取付金具と下クッションゴムとの間に水が浸入すると、その空隙に水が溜まり易い。
通常、ピストンロッドの、上クッションゴム及び下クッションゴムの中心部を挿通する挿通部には円筒形状のカラー(インナ部材)が外嵌状態に嵌装される。
下クッションゴムにおけるゴム本体部の内周面と、そのカラーの外周面との間に隙間が生じると、上記空隙に溜まった水が、下クッションゴムの弾性変形及び形状回復に伴うポンピング作用によって、それらゴム本体部の内周面とカラーの外周面との間の隙間を通水経路として車体パネルの上側、つまり車室内に浸入する恐れが生じる。
但し上クッションゴムと下クッションゴムとが別体で上下に分離した形式の従来のアッパーサポートにあっては、下クッションゴムが、自由形状状態でゴム本体部の内周面を上記カラーの外周面に密着させる形状であり、加えて車体パネルへの組付時にゴム本体部が軸方向に予圧縮されると、内周面が径方向内方に迫り出してカラーの外周面に更に強く密着する状態となるため、上記空隙に溜まった水が、ポンピング作用によりゴム本体部の内周面とカラーの外周面との間を通水経路として車体パネルの上側の車室内に浸入するといったことは生じ難い。
ところで、かかるアッパーサポートに対して近年乗り心地性能をより一層高めることが求められている。
乗り心地性能を良くするためには、特に下クッションゴムの軸方向のばね特性を軟らかくすることが必要である。
この場合、下取付金具における上記の保持凹所へのゴム本体部の充填率が高く、下取付金具によるゴム本体部の軸直角方向の拘束が強いと、下クッションゴムの軸方向つまり上下方向のばね特性が硬くなってしまう。
従って軸方向のばね特性を軟らかくするためには、ゴム本体部の内周面とカラーの外周面との間に径方向の空隙を生ぜしめることが有効な手段となる。そのようにすることで、ゴム本体部がカップ形状をなす下取付金具の保持凹所の内部で軸直角方向に変形しやすくなり、これに伴って軸方向のばね特性が軟らかくなる。
しかしながらそのようにすると、ゴム本体部の外周面と下取付金具の周壁部の内周面との間の空隙に溜まった水が、ゴム本体部の内周面とカラーの外周面との間の空隙を通じて下クッションゴムの側から、即ち車体パネルの下側から車体パネルの上側に浸入し易くなってしまう。
尚、特許文献2にはゴム本体部の内周面の軸方向中間部に、径方向内方に突出した環状の突起部を設けた点が開示されているが、この環状の突起部は、下取付金具と下クッションゴムとの間への水の浸入を防ぐためのものではない点で、また特許文献2に開示のものは、ゴム本体部の内周面をカラーの外周面に密着させるものである点で、本発明とは異なる。
特開2007−247801号公報 特開2000−199537号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、車室内への水の浸入の原因となる下取付金具と下クッションゴムとの間に水が浸入するのを有効に防止でき、また万一、下取付金具と下クッションゴムとの間に水が浸入したとしても、その浸入した水が更に車室内に浸入するのを有効に防止できるアッパーサポートを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、(a)車体パネルの上側に配置され、上取付金具にて該車体パネルの上面に挟圧されて軸方向に予圧縮状態で車体パネルに弾性圧接せしめられる上クッションゴムと、(b)筒形状をなすゴム本体部、及び該ゴム本体部の外周面から径方向外方に環状に張り出した、軸方向のゴムストッパ部として働くゴムフランジ部を有して前記車体パネルの下側に配置され、カップ金具からなる下取付金具の底部及び該底部の外周端から上向きに立ち上がる周壁部にて内側に形成される保持凹所に前記ゴム本体部の、前記ゴムフランジ部よりも下側の下部が嵌め込まれて保持されるとともに、該ゴムフランジ部が、前記下取付金具の前記周壁部の上端側から径方向外方に環状に張り出した金具フランジ部の上側に重なる状態に、該下取付金具にて前記車体パネルの下面に挟圧され、軸方向に予圧縮状態で該車体パネルに弾性圧接せしめられる下クッションゴムと、を有し、サスペンション機構におけるショックアブソーバのピストンロッドを前記上クッションゴム及び下クッションゴムの中心部の挿通孔に挿通させる状態に、該ピストンロッドと前記車体パネルとを弾性連結し防振作用するアッパーサポートにおいて、前記下クッションゴムには、前記ゴムフランジ部の外周端から折れ曲って下向きに延び、前記下取付金具の前記金具フランジ部を全周に亘り外側から覆う環状のゴムカバー部を前記ゴムフランジ部に一体に成形してあり、更に前記下クッションゴムは、前記ゴム本体部における前記下部の外周面から径方向外方に突出した突出部を有し、前記車体パネルへの組付状態で該突出部を前記下取付金具の前記周壁部の内周面に当接させ、該下部の外周面と該周壁部の内周面との間に空隙を形成し、また前記ゴム本体部の内周面の下端部には、径方向内方に全周に亘り突出する環状のシール部を有して、該シール部を、前記ピストンロッドにおける該下クッションゴム及び前記上クッションゴムを挿通する挿通部に外嵌状態に嵌装された円筒形状のカラー又は該挿通部からなる中心側のインナ部材の外周面に密着状態に弾性圧接させるとともに、該シール部よりも上側において、前記ゴム本体部の内周面と該インナ部材の外周面との間に空隙を形成するものとなしてあることを特徴とする。
請求項のものは、請求項において、前記下クッションゴムは、前記シール部の上側において、前記ゴム本体部の内周面と前記インナ部材の外周面との間に、該内周面の上端に至るまで全周に亘り前記空隙を生ぜしめるものとなしてあることを特徴とする。
請求項のものは、請求項において、前記シール部は、前記車体パネルへの前記下クッションゴムの組付前の自由形状状態で、径方向内方への突出側の先端から付根部に向かって軸方向の肉厚が漸次厚肉となる形状となしてあり、且つ該付根部の、前記先端を通る軸直角面より上側部分の肉厚が、下側部分の肉厚よりも厚肉となる形状となしてあることを特徴とする。
請求項のものは、請求項において、前記シール部の下面であって前記先端に至るまでの先端側の面が、該先端に向かって斜め上向きに傾斜したテーパ面となしてあることを特徴とする。
請求項のものは、請求項1〜の何れかにおいて、前記下取付金具の下側には、該下取付金具の前記上向きの周壁部よりも大径をなして径方向外側に位置する下向きの周壁部を有する、前記ピストンロッドを外周側から覆う筒状のダストカバー用の取付金具が、該下取付金具に固定状態に設けられていて、該下向きの周壁部の外周面に該ダストカバーの上端側が嵌着されており、前記ゴムカバー部は、該下向きの周壁部への前記ダストカバーの嵌着部の上端に到るまで、且つ該嵌着部との間に微小隙間を形成する状態で下向きに長く延出する形状となしてあることを特徴とする。
請求項のものは、請求項1〜の何れかにおいて、前記ゴムフランジ部は、前記下クッションゴムの前記軸方向への予圧縮前の自由形状状態で、前記ゴム本体部の外周面から径方向外方に離れるに連れて前記金具フランジ部に接近する方向に、該金具フランジ部に対して相対的に下方に傾斜した形状とされており、
且つ前記軸方向の予圧縮の際に弾性変形して該ゴムフランジ部の下面が該金具フランジ部の上面と平行となり、該上面に重なるものとなしてあることを特徴とする
発明の作用・効果
以上のように本発明は、上下に分離された上クッションゴムと下クッションゴムとを有し、そして下クッションゴムが、筒形状をなすゴム本体部、及びゴム本体部の外周面から環状に張り出した、軸方向のゴムストッパ部として働くゴムフランジ部を有して、そのゴム本体部の下部を、カップ金具から成る下取付金具の底部及び上向きの周壁部にて内側に形成される保持凹所に嵌め込み保持させる状態に、下取付金具にて車体パネルに弾性圧接せしめられる形式のアッパーサポートにおいて、下クッションゴムに、ゴムフランジ部の外周端から折れ曲がって下向きに延び、下取付金具の金具フランジ部を全周に亘り外側から覆う環状のゴムカバー部をゴムフランジ部に一体に成形したものである。
本発明によれば、車体パネル下側の外部の水が、カップ形状の下取付金具と下クッションゴムとの間に浸入する際の、浸入路の入口部となるゴムフランジ部と金具フランジ部との間の部分をゴムカバー部が外側から覆い、水の浸入を防止する。
即ち本発明によれば、下取付金具と下クッションゴムとの間に外部から水が浸入して下取付金具の内部に水が溜まるのを有効に防ぐことができる。
従って、ゴムフランジ部と金具フランジ部との間から下取付金具内部に浸入した水がその後に、車体パネルの取付穴を通じて車体パネルの上側、つまり車室内に浸入するのを防ぐことができる。
この場合において上記ゴムカバー部は、金具フランジ部よりも下側まで長く延出した形状となしておくことが望ましい。
このようにすることで、下取付金具と下クッションゴムとの間に外部からの水が浸入するのをより効果高く防ぐことができる。
上記下クッションゴムは、ゴム本体部、詳しくはゴム本体部におけるゴムフランジ部より下側の下部の外周面から径方向外方に突出した突出部を有し、車体パネルへの組付状態で、その突出部を下取付金具の周壁部の内周面に当接させて、ゴム本体部の外周面と周壁部の内周面との間に空隙形成し、また内周面の下端部に、径方向内方に全周に亘り突出する環状のシール部を有して、そのシール部を、ピストンロッドに外嵌された円筒形状のカラー又はピストンロッドを直接インナ部材として、その外周面に密着状態に弾性圧接させるものとなしておく。
更にそのシール部よりも上側において、上記周壁部の内周面とインナ部材の外周面との間に空隙を形成するものとなしておく。
本発明では、ゴム本体部の内周面と中心側のインナ部材の外周面との間に、径方向の空隙を生ぜしめることによって、下取付金具の内部においてゴム本体部が径方向に弾性変形し易くなり、これによって下クッションゴムにおける上下の軸方向のばね特性を軟らかくすることができる。
そして軸方向のばね特性が軟らかくなることによって、乗り心地性能を従来に増して高めることが可能となる。
一方で、このように筒形状をなすゴム本体部の内周面とインナ部材の外周面との間に径方向の空隙が生じると、万一、下取付金具と下クッションゴムとの間に外部からの水が浸入した場合、その浸入した水が上記空隙を通じて車体パネルの上側まで浸入する恐れが生ずるが、本発明においては、下クッションゴムの内周面の下端部に、径方向内方に突出する状態に環状に設けたシール部が、インナ部材の外周面に密着状態に弾性圧接してシール作用するため、下取付金具と下クッションゴムとの間に浸入した水が、ゴム本体部の内周面とインナ部材の外周面との間の空隙を通って、車体パネルの上側まで浸入するのを確実に防止することができる。
尚、かかるシール部を、ゴム本体部の内周面の軸方向の中間部位に設けておくといったことも考えられるが、この場合、そのシール部の下側において、ゴム本体部の内周面とインナ部材の外周面との間に空間が生じてしまい、そこに水が溜まってしまう恐れが生ずる。
しかるに本発明においては、そのシール部がゴム本体部の内周面の下端部に設けてあるため、シール部の下側においてゴム本体部の内周面とインナ部材の外周面との間に空間が生じて、そこに水が溜まってしまうといったことを防ぐことができる。
本発明においては、ゴム本体部の内周面とインナ部材の外周面との間の空隙に加えて、ゴム本体部の外周面と下取付金具における周壁部の内周面との間にも径方向の空隙が生ぜしめてあるため、下クッションゴムの軸方向のばね特性をより一層軟らかくし、乗り心地性能を更に高めることができる。
本発明において、ゴム本体部の外周側の突出部は、周方向に間隔を隔てて複数個所に設けておくことができる。
尚、ゴム本体部の内周面とインナ部材の外周面との間の上記の径方向の空隙は、シール部の上側において必ずしもゴム本体部の内周面の上端に到るまで、また全周に亘り形成しておかなくてもよいが、望ましくはこの空隙は、シール部の上側においてゴム本体部の内周面の上端に到るまで、且つ全周に亘り形成しておくのが良い(請求項)。
このようにすることで、下クッションゴムにおける上下の軸方向のばね特性を効果高く軟らかくすることができる。
上記シール部は、車体パネルへの下クッションゴムの組付前の自由形状状態で、径方向内方への突出側の先端から付根部に向って軸方向の肉厚が漸次厚肉となる形状となし、且つ付根部の、上記先端を通る軸直角面より上側部分の肉厚が、下側部分の肉厚よりも厚肉となる形状となしておくことが望ましい(請求項)。
この請求項に記載のものにおいては、中心側のインナ部材に対して下クッションゴムを上側から下向きに軸方向に嵌め込む際に、ゴム本体部の内周面から突出したシール部が、上向きに反り返るように変形してしまうのを防ぐことができる。
従って、その嵌込みの際にシール部が上向きに反り返り変形することで、シール部によるシール性能が悪化してしまうのを防ぐことができる。
但しこのようにしてシール部を上向きに反り返り変形し難くすることで、下クッションゴムをインナ部材に対して上側から下向きに嵌め込む際に、シール部とインナ部材との間に生じる摩擦力が大となって、嵌込み作業がしづらくなる可能性がある。
この場合において、請求項に従い、シール部の下面であってシール部の先端に到るまでの先端側の面を、その先端に向って斜め上向きに傾斜したテーパ面となしておくことができる(請求項)。
このようにすれば、シール部全体の反り返り変形を防ぎつつ、下クッションゴムをインナ部材に対して上側から下向きに嵌め込む際の抵抗を軽減し、嵌込み作業をし易くすることができる。
上記下取付金具の下側には、下取付金具の上向きの周壁部よりも大径をなして、上向きの周壁部よりも径方向外側に位置する下向きの周壁部を有する、ピストンロッドの露出部を外周側から覆う筒状のダストカバー用の取付金具が下取付金具に固定状態に設けられて、その下向きの周壁部の外周面にダストカバーの上端側が嵌着されている場合があり、この場合において上記ゴムカバー部は、下向きの周壁部の外周面の、上記ダストカバーの嵌着部の上端に到るまで、且つ嵌着部との間に微小隙間を形成する状態で下向きに長く延出する形状となしておくことができる(請求項)。
上記のような形のダストカバー用の取付金具が、下取付金具の下側において下取付金具に固定状態に設けられ、そしてそこにダストカバーの上端側が嵌着されている場合において、ゴムフランジ部に一体成形してあるゴムカバー部を、その嵌着部との間に微小間隙を形成する位置まで下向きに長く延出させておくと、ゴムカバー部と下取付金具の周壁部との間に生じる環状の空間が、ダストカバーの嵌着部とゴムカバー部とにより実質的に閉ざされた状態となる。
従ってゴムカバー部より外側の水がゴムカバー部の内側に形成される空間、即ちゴムカバー部と下取付金具の周壁部との間に形成される空間に入り込むことが実質的にできなくなる。
例えば、ゴムカバー部の先端(下端)がダストカバーの嵌着部よりも上側の位置で止まっていると、外部の水がゴムカバー部と下取付金具の周壁部との間の空間内に入り込むことができる。
そしてその空間内に入り込んだ水が、続いて金具フランジ部とゴムフランジ部との間へと浸入する恐れが出てくる。
しかるにゴムカバー部をダストカバーの嵌着部に到るまで下向きに長く延出させておくことで、そのような経路を通じての、下取付金具と下クッションゴムとの間への水の浸入をより確実に防ぐことが可能となる。
尚、ゴムカバー部の先端をダストカバーの嵌着部に接触状態で嵌合(外嵌)させることも考えられるが、そのようにすると、ゴムカバー部とダストカバーの嵌着部との接触により異音が発生する恐れがある。
従ってこの請求項では、敢えてゴムカバー部の先端とダストカバーの嵌着部との間に微小隙間を生ぜしめる。
ここでその微小隙間は0.5mm以下の隙間となしておくのが良い。
次に請求項に記載のものは、組付前の自由形状状態で、上記のゴムフランジ部を、金具フランジ部を基準としてかかる金具フランジ部に対し径方向外方に向って相対的に下方に傾斜した形状となしておき、車体パネルへの組付時における下クッションゴムの軸方向の予圧縮に伴い、ゴムフランジ部を弾性変形させて金具フランジ部の上面と平行となし、金具フランジ部の上面に重なるようになしたものである。
車体パネルへの組付前の自由形状状態で、ゴムフランジ部が予め金具フランジ部の上面と平行向きに設けられていると、下クッションゴムを軸方向に予圧縮させながら車体パネルに組み付けたとき、そのゴムフランジ部が径方向外方に向って上向きに傾いた状態となって、ゴムフランジ部の外周端側と金具フランジ部の外周端側との間に隙間が生じる恐れがある。
しかるにこの請求項によれば、車体パネルへの下クッションゴムの組付状態の下で、ゴムフランジ部と金具フランジ部との間を外周端に到るまで密着状態とすることができ、それらの間に隙間が生じるのを防ぐことが可能となる。
本発明の一実施形態のアッパーサポートを車体パネルへの組付状態で示した図である。 図1の下クッションゴムを単体で示した斜視図である。 図1の下クッションゴムを単体で示した断面図及び底面図である。 図1の下取付金具を周辺部品とともに示した図である。 図1の下クッションゴムの車体パネル組付前後の形状変化を示した説明図である。 本発明の他の実施形態の要部を示した図である。 本発明の実施形態の特徴を比較例との比較で示した図である。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて以下に詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態のアッパーサポートを車両への組付状態で示している。
図において、10はほぼ水平向きをなす車体パネルで、12はその車体パネル10を板厚方向に貫通する取付穴であり、その取付穴12において、本実施形態のアッパーサポート14が車体パネル10に組み付けられている。
ここでアッパーサポート14は、車体パネル10の上側に配置された上クッションゴム16と、これとは別体をなし、車体パネル10の下側に配置された下クッションゴム18とを有している。
20は、サスペンション機構におけるショックアブソーバのシリンダから上向きに突き出したピストンロッドで、外周面から環状に突出した環状突出部22を有しており、更にこの環状突出部22から上方に離隔した上端部に雄ねじ部24を有していて、そこにナット26がねじ込まれている。
28は上取付金具で、上クッションゴム16は、ピストンロッド20の雄ねじ部24にナット26をねじ込むことで、上取付金具28により車体パネル10に向けて下向きに挟圧され、上下の軸方向に予圧縮された状態で、車体パネル10の上面に弾性圧接する状態に車体パネル10に組み付けられている。
上取付金具28は、上クッションゴム16に対し非接着とされており、その平面視形状が円形の板状をなしており、外周側の部位に、横断面形状が上向きの凸形状をなす膨出部30がピストンロッド20周りに環状に形成されている。
上取付金具28には、その中心部に円形の挿通孔31が設けられており、その挿通孔31にピストンロッド20が挿通されている。
上クッションゴム16は、横断面形状が円形の筒状をなしており、その弾性部の全体がゴム弾性体から成っている。ここで上クッションゴム16は、車体パネル10に対して非接着である。
この上クッションゴム16は、軸方向の中間部に全周に亘りくびれ部32が設けられており、このくびれ部32を境として小径側の上部34と大径側の下部36とを有している。
上部34には、上取付金具28の膨出部30に対応した上向きの環状の膨出部38が設けられている。
また下部36には、概略皿状の埋込金具40が、その外周部の一部を除いて埋込状態に設けられている。ここで埋込金具40は下部36に一体加硫接着されている。
下部36は、下向きに突き出した円筒形状の差込部42を有しており、その差込部42が、車体パネル10の上記の円形の取付穴12の内部に下向きに差し込まれている。
上記の皿状の埋込金具40もまた、下向きに突き出した円筒形状の突出部44を有しており、この突出部44が、差込部42の外周に近い位置で差込部42の内部に埋め込まれている。
尚差込部42の外径は、取付穴12の内径よりも僅かに小径とされている。
上クッションゴム16は、これを軸方向に貫通する挿通孔を中心部に有しており、そこにピストンロッド20が挿通されている。
図中45は、その挿通孔を形成する上クッションゴム16の内周面を示している。
上クッションゴム16は、その内周面45が、上取付金具28と後述の下取付金具50との間においてピストンロッド20に外嵌状態に嵌装された円筒形状の金属製のカラー46の外周面48に密着せしめられている。
尚カラー46の内径は、上取付金具28の挿通孔31の内径と同径ないしほぼ同径とされている。
図1において、50は下クッションゴム18を車体パネル10に向けて上向きに挟圧する下取付金具で、下クッションゴム18は、この下取付金具50により挟圧されることで、車体パネル10の下面に、上下の軸方向に弾性圧接する状態で車体パネル10に組み付けられている。
具体的には、上記のナット26をねじ込むことで、上クッションゴム16と下クッションゴム18とが、上取付金具28と下取付金具50とにより、それぞれ車体パネル10の上面と下面とに軸方向に予圧縮された状態で組み付けられている。
その際の上クッションゴム16及び下クッションゴム18の予圧縮量は、カラー46の長さによって規定される。
下取付金具50は、図4にも示しているように平面視形状が円形のカップ形状をなしている。
詳しくは、下取付金具50は、円形の平坦な板状をなす下底部(底部)52と、下底部52の外周端から立ち上がる円筒形状の上向きの周壁部54と、周壁部54の上端から全周に亘り径方向外方、つまり周壁部54の外周面から遠ざかる向きに突出した環状の金具フランジ部56を有している。
ここで金具フランジ部56は、下取付金具50の軸方向(中心の軸線の延びる方向)、つまりピストンロッド20の軸方向に対して直角をなす向きに張り出しており、金具フランジ部56の上面が、下底部52の上面及び車体パネル10の下面と平行方向の向きをなしている。
下底部52には、その中心部に上取付金具28の上記の挿通孔31と同径且つピストンロッド20よりも僅かに大径の挿通孔31が設けられており、そこにピストンロッド20が挿通されている。
下底部52にはまた、挿通孔31周りにおいて、その上面に上記のカラー46が溶接接合され、下取付金具50に一体化されている。
この下取付金具50の更に下側には、ダストカバー用の取付金具58が配置されている。
このダストカバー用の取付金具58は逆カップ形状をなしていて、円形且つ平坦な板状の上底部60と、上底部60の外周端から立ち下る、横断面形状が円形の下向きの周壁部61とを有している。
この逆カップ形状をなす取付金具58は、上底部60において下取付金具50の下底部52に溶接接合され、下取付金具50に一体化されている。
この逆カップ形状の取付金具58の中心部にもまた、上取付金具28及び下取付金具50の挿通孔31と同径の挿通孔31が中心部に設けられており、その挿通孔31にピストンロッド20が挿通されている。
この取付金具58の上底部60は、挿通孔31周りにおいてピストンロッド20の環状突出部22に対し、下向きに当接せしめられている。
尚取付金具58の周壁部61は、その縦断面形状が、軸方向の中間部でく字状に折れ曲った形状をなしている。
ダストカバー用の取付金具58は、上底部60及び周壁部61が、下取付金具50の下底部52及び周壁部54よりも大径をなしており、上底部60の外周端及び周壁部61が、下取付金具50の下底部52の外周端及び周壁部54よりも径方向外方に位置している。
そしてこのダストカバー用の取付金具58の内側に、ゴム弾性体,発泡ウレタン等の弾性材から成る略円筒形状のバウンドストッパ62の上部の弾性嵌合部64が、下方から上向きに弾性的に嵌め込まれ、そこに保持されている。
バウンドストッパ62は、ショックアブソーバが過度に収縮しようとしたとき、図示を省略するシリンダの上面に当接してストッパ作用をなし、ショックアブソーバの過度の収縮変位を規制するもので、その外周面に、全周に亘る環状溝66が軸方向の複数個所に設けられている。
また内周側には、ピストンロッド20を挿通するための挿通凹所68を有している。
ダストカバー70は、ピストンロッド20の露出部を外側から覆って、ピストンロッド20に埃や泥等が付着するのを防止するもので、全体として円筒形状をなしている。
ダストカバー70は、ここでは樹脂製のもので、上部に嵌着部72を有している。
嵌着部72は、上側の嵌着部72Aと、下側の嵌着部72Bとを有しており、その上側の嵌着部72Aが、下取付金具50の金具フランジ部56の端面及び周壁部54の外周面に接合状態で嵌着され、また下側の嵌着部72Bが、取付金具58における上底部60の外周側の上面及び周壁部61外周面に接合状態で嵌着されている。
尚、上側の嵌着部72A及び下側の嵌着部72Bは、その境界部分を除いてほぼ同じ肉厚で形成されている。
このダストカバー70は樹脂のブロー成形にて成形されており、そのブロー成形に際して、樹脂のパリソンの端部を分割型から成る成形型が下取付金具50と取付金具58との間に軸直角方向に挟み込むことで、嵌着部72が、下取付金具50及び取付金具58に接合状態に成形され同時に嵌着されている。
上記下クッションゴム18は、その全体がゴム弾性体から成っている。ここで下クッションゴム18は、下取付金具50及び車体パネル10に対して非接着とされている。
この下クッションゴム18は、図2及び図3にも示しているように円筒形状をなすゴム本体部73と、ゴム本体部73の外周面から全周に亘り径方向外方に張り出した、環状のゴムフランジ部74とを有している。
ゴム本体部73は、ゴムフランジ部74よりも下側の下部76と、上側の上部78とを有しており、車体パネル10への組付前の自由形状状態で、上部78の上面には、上向きに突出した環状の突出部80が、断面における幅方向の中心部にシール部として設けられており、車体パネル10への組付状態、即ち軸方向の予圧縮状態で、この環状の突出部80が、車体パネル10の下面に弾性圧接せしめられ、車体パネル10の下面との間をシールするようになっている。
この上部78にはまた、図3に明らかに示しているように径方向外方に段違い形状で凹陥した凹部82が設けられている。
一方下部76には、その外周面84から径方向外方に突出した突出部86が、周方向に90°ごと隔たった4個所に設けられており、車体パネル10への組付状態で、それら突出部86が下取付金具50における周壁部54の内周面87(図1参照)に弾性当接せしめられている。
即ち下部76が、下取付金具50における下底部52と周壁部54とで内側に形成される保持凹所に下向きに嵌め込まれ、4個所の各突出部86を径方向に圧縮弾性変形させた状態で、そこに保持されている。
そしてこれら各突出部86の、周壁部54の内周面87への当接により、各突出部86と86との周方向の間の部分において、下部76の外周面と周壁部54の内周面87との間に径方向の空隙が生ぜしめられている。
尚この実施形態において、各突出部86は、下部76の下端からゴムフランジ部74に到るまで、下部76の全高に亘って設けられている。
下部76にはまた、図3に示すように内周面88の下端部に、径方向内方に突出したシール部90が全周に亘り環状に設けられており、図1に示す車体パネル10への組付状態で、このシール部90が、上記の円筒形状のカラー46の外周面48に対して所定締代で弾性圧縮せしめられ、カラー46の外周面48に密着状態に圧接せしめられている。
そしてゴム本体部73は、このシール部90よりも上側において、内周面88をカラー46の外周面48よりも径方向外方に位置させ、内周面88とカラー46の外周面48との間に、径方向の空隙K(図1参照)を生ぜしめている。
ここで空隙Kは、シール部90よりも上側において、ゴム本体部73の全高に亘り且つ全周に亘り生ぜしめられている。
この実施形態において、図5(A)に示すように下クッションゴム18の自由形状状態で、円形をなす内周面88の直径dが、カラー46の外径即ち外周面の直径dに対して5mm大きく、カラー46を下クッションゴム18に挿通した状態且つゴム本体部73を軸方向に予圧縮する前の状態で、ゴム本体部73の内周面88とカラー46の外周面との間に、径方向片側でΔS=2.5mmの空隙が生じるようになしてある。
またシール部90の内径dが、カラー46の外径dに対して1mm小さく、カラー46を挿通したときに、シール部90が直径で1mm,径方向片側で0.5mmの締代で径方向に圧縮されるようになしてある。
下クッションゴム18は、図5(B)に示すように車体パネル10への組付けにより軸方向に圧縮されることで、その内周面88が更に径方向内方へと迫り出す。その時点で、内周面88が更に直径で1mmほど小径化し、ゴム本体部73の内周面88とカラー46の外周面との間に、片側で2mmほどの空隙が生じるようになしてある。
この実施形態において、上記のシール部90は、図3に示す自由形状状態で、その下面がゴム本体部73の下面と面一面をなし、またその先端Tの内面が、軸方向のストレート形状の面をなし、更にその上側の面が、先端Tから上側の内周面88にかけて半径Rで湾曲した円弧形状面をなしている。
即ち、図3(A)の部分拡大図に示しているように、シール部90は、径方向内方への突出側の先端Tから付根部に向って軸方向の肉厚が漸次厚肉となる形状となしてあり、且つ付根部の、先端Tを通る軸直角面Pよりも上側部分の肉厚tが、下側部分の肉厚tよりも厚肉となる形状となしてある。
シール部90をこのような形状とすることで、下クッションゴム18をカラー46に対して上側から下向きに嵌め込む際に、シール部90が上向きに反り返り変形するのを効果的に防ぐことができ、シール部90の、カラー46の外周面48に対するシール性を高くすることができる。
上記ゴムフランジ部74は、図3(A)に示しているように下クッションゴム18の軸方向の予圧縮前の自由形状状態で、ゴム本体部73の軸方向(中心の軸線の延びる方向)と直角方向の面に対して、全体が径方向の外方に向って角度θで斜め下向きに傾斜した形状(テーパ形状)とされている。
即ち、ゴム本体部73の外周面から径方向外方に離れるに連れて、上記金具フランジ部56に接近する方向に、金具フランジ部56に対して相対的に下方に傾斜した形状とされている。
この実施形態において、角度θは14°となしてある。θの角度は10〜20°の範囲内としておくことが望ましい。
この傾斜形状のゴムフランジ部74は、下クッションゴム18を車体パネル10に組み付ける際に、ゴム本体部73を軸方向に予圧縮状態とするとき、図7(A)に示しているように金具フランジ部56にて上向きに押圧され、弾性変形を生じて、その下面が金具フランジ部56の上面と平行となり、その上面に弾性接触状態で重合状態となる。
ゴムフランジ部74の位置や形状が予めそのように定められている。
このようにすることで、ゴムフランジ部74と金具フランジ部56とを拡い面積に亘って弾性接触状態とすることができる。
例えば図7(B)に示しているように、ゴムフランジ部74を傾斜形状とせずに、金具フランジ部56と平行方向に延びる水平形状で予め形成しておいた場合、車体パネル10への下クッションゴム18の組付けに際して、ゴム本体部73を軸方向に予圧縮し、同時に金具フランジ部56にてゴムフランジ部74を上向きに押圧したとき、ゴムフランジ部74が径方向外方に進むに連れて斜め上向きに反り変形した状態となり、外周側の部分においてゴムフランジ部74と金具フランジ部56との間に隙間が生じ易い。
また同時に、ゴムフランジ部74の付根部に局部的に応力集中が生じ易く、これがゴムフランジ部付根での亀裂発生の原因となる恐れが生ずる。
しかるに本実施形態に従って、ゴムフランジ部74を予め斜め下向きに傾斜した形状に形成しておくことで、このような不具合を生じないようにすることができる。
本実施形態において、上記ゴムフランジ部74は、金具フランジ部56よりも径方向に長く延びている。
そして下クッションゴム18には、そのゴムフランジ部74の外周端から折れ曲がって下向きに延び、金具フランジ部56を全周に亘り外側から覆う環状のゴムカバー部92が、ゴムフランジ部74に一体に成形してある。
本実施形態において、ゴムカバー部92は円筒形状をなしていて、金具フランジ部56よりも更に下側に長く延出しており、その下端部(先端部)が、上記のダストカバー70における下側の嵌着部72Bの上端部まで到っている。
この実施形態では、ゴムカバー部92の下端部と嵌着部72Bの上端部との間に生じる最小隙間S(図1参照)が0.5mm以下となるように、ゴムカバー部92の下端側の部分が、嵌着部72Bの上端部を非接触状態で取り囲んでいる。
この結果、下取付金具50における周壁部54の外周側の環状空間Kが、ゴムカバー部92によって実質的に閉ざされた状態となり、車体パネル10下側の外部の水が、環状の空間Kを通って金具フランジ部56とゴムフランジ部74との間の隙間に入り込むのがより確実に阻止され易い。
ゴムカバー部92が、金具フランジ部56を外側から覆っていれば、その下向きの延出長さが短い場合であっても、車体パネル10下側の外部の水が下取付金具50と下クッションゴム18との間に浸入する際の、浸入路の入口部となる、金具フランジ部56とゴムフランジ部74との間への水の浸入を防ぐことができるが、ゴムカバー部92が上記のように下向きに長く延出していれば、金具フランジ部56とゴムフランジ部74との間への外部の水の浸入をより一層効果高く防ぐことができる。
以上のように本実施形態によれば、車体パネル10下側の外部の水が、カップ形状の下取付金具50と下クッションゴム18との間に浸入する際の、浸入路の入口部となるゴムフランジ部74と金具フランジ部56との間の部分をゴムカバー部92が外側から覆い、水の浸入を防止する。
即ち本実施形態によれば、下取付金具50と下クッションゴム18との間に外部から水が浸入して下取付金具50の内部に水が溜まるのを有効に防ぐことができる。
従って、ゴムフランジ部74と金具フランジ部56との間から下取付金具50内部に浸入した水がその後に、車体パネル10の取付穴12を通じて車体パネル10の上側、つまり車室内に浸入するのを防ぐことができる。
またこの実施形態では、ゴム本体部73の内周面88と中心側のカラー46の外周面48との間に径方向の空隙Kを生ぜしめることによって、下取付金具50の内部においてゴム本体部73が径方向に弾性変形し易くなり、これによって下クッションゴム18における上下の軸方向のばね特性を軟らかくすることができる。
そして軸方向のばね特性が軟らかくなることによって、乗り心地性能を従来に増して高めることが可能となる。
一方で、このように筒形状をなすゴム本体部73の内周面88とカラー46の外周面48との間に径方向の空隙Kが生じると、万一、下取付金具50と下クッションゴム18との間に外部からの水が浸入した場合、その浸入した水が上記空隙を通じて車体パネル10の上側まで浸入する恐れが生ずるが、本実施形態においては、下クッションゴム18の内周面88の下端部に、径方向内方に突出する状態に環状に設けたシール部90が、カラー46の外周面48に密着状態に弾性圧接してシール作用するため、下取付金具50と下クッションゴム18との間に水が浸入したとしても、その水がゴム本体部73の内周面88とカラー46の外周面48との間の空隙Kを通って、車体パネル10の上側まで浸入するのを確実に防止することができる。
更にこの実施形態では、そのシール部90が、ゴム本体部73の内周面88の下端部に設けてあるため、シール部90の下側において、ゴム本体部73の内周面88とカラー46の外周面48との間に空間が生じて、そこに水が溜まってしまうといったことを防ぐことができる。
この実施形態においては、ゴム本体部73の内周面88とカラー46の外周面48との間の空隙Kに加えて、ゴム本体部73の外周面84と下取付金具50における周壁部54の内周面87との間にも径方向の空隙が生ぜしめてあるため、下クッションゴム18の軸方向のばね特性をより一層軟らかくし、乗り心地性能を更に高めることができる。
また本実施形態では、ゴムカバー部92が、ダストカバー70の嵌着部72Bの上端に到るまで、且つ嵌着部72Bとの間に微小隙間を形成する状態で下向きに長く延出する形状となしてあるため、ゴムカバー部92と下取付金具50の周壁部54との間に生じる環状の空間Kが、ダストカバー70の嵌着部72とゴムカバー部92とにより実質的に閉ざされた状態となり、下取付金具50と下クッションゴム18との間への水の浸入をより確実に防ぐことが可能となる。
図6は本発明の他の実施形態の要部を示している。
この例は、環状のシール部90の先端T側の下面を、先端Tに到るまで斜め上向きに傾斜したテーパ面94となしたものである。
環状のシール部90を図3に示すような形状としておいた場合、カラー46に対して下クッションゴム18を上側から下向きに嵌め込む際に、シール部90の図中上向きの反り返り変形を良好に防ぐことが可能であるが、一方で、カラー46に対して下クッションゴム18を嵌め込む際の抵抗が大きくなり、嵌込作業が場合によってしづらくなる。
しかるに図6に示すようにシール部90の先端T側の下面を先端Tに到るまでテーパ面となしておけば、シール部90の図中上向きの反り返り変形を抑制しつつ、カラー46に対し下クッションゴム18を嵌め込む際の抵抗を少なくし、嵌込作業をし易くできる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態では、ピストンロッド20における上クッションゴム16及び下クッションゴム18の挿通部にカラー46を外嵌状態に嵌装しているが、かかるカラー46を嵌装することなく、ピストンロッド20を直接に上クッションゴム16及び下クッションゴム18に挿通し、そして下クッションゴム18におけるゴム本体部73に設けた環状のシール部90を、ピストンロッド20における挿通部を直接インナ部材としてその外周面に弾性圧接させ、またその上側において、ゴム本体部73の内周面88とピストンロッド20の挿通部との間に空隙Kを生ぜしめるようになすことも可能である。
その他本発明は、ゴムカバー部92の延出長さを上記実施形態よりも短くし、場合によってその先端を下取付金具50の周壁部の軸方向中間部位で止めておくなど、ゴムカバー部92の延出長さを様々に変更することも可能である。
その他本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
10 車体パネル
14 アッパーサポート
16 上クッションゴム
18 下クッションゴム
20 ピストンロッド
28 上取付金具
31 挿通孔
46 カラー
50 下取付金具
52 下底部(低部)
54,61 周壁部
56 金具フランジ部
58 取付金具
70 ダストカバー
72B 嵌着部
73 ゴム本体部
74 ゴムフランジ部
84 外周面
86 突出部
87,88 内周面
90 シール部
92 ゴムカバー部
94 テーパ面

Claims (6)

  1. (a)車体パネルの上側に配置され、上取付金具にて該車体パネルの上面に挟圧されて軸方向に予圧縮状態で車体パネルに弾性圧接せしめられる上クッションゴムと、
    (b)筒形状をなすゴム本体部、及び該ゴム本体部の外周面から径方向外方に環状に張り出した、軸方向のゴムストッパ部として働くゴムフランジ部を有して前記車体パネルの下側に配置され、カップ金具からなる下取付金具の底部及び該底部の外周端から上向きに立ち上がる周壁部にて内側に形成される保持凹所に前記ゴム本体部の、前記ゴムフランジ部よりも下側の下部が嵌め込まれて保持されるとともに、該ゴムフランジ部が、前記下取付金具の前記周壁部の上端側から径方向外方に環状に張り出した金具フランジ部の上側に重なる状態に、該下取付金具にて前記車体パネルの下面に挟圧され、軸方向に予圧縮状態で該車体パネルに弾性圧接せしめられる下クッションゴムと、
    を有し、サスペンション機構におけるショックアブソーバのピストンロッドを前記上クッションゴム及び下クッションゴムの中心部の挿通孔に挿通させる状態に、該ピストンロッドと前記車体パネルとを弾性連結し防振作用するアッパーサポートにおいて、
    前記下クッションゴムには、前記ゴムフランジ部の外周端から折れ曲って下向きに延び、前記下取付金具の前記金具フランジ部を全周に亘り外側から覆う環状のゴムカバー部を前記ゴムフランジ部に一体に成形してあり、
    更に前記下クッションゴムは、前記ゴム本体部における前記下部の外周面から径方向外方に突出した突出部を有し、前記車体パネルへの組付状態で該突出部を前記下取付金具の前記周壁部の内周面に当接させ、該下部の外周面と該周壁部の内周面との間に空隙を形成し、
    また前記ゴム本体部の内周面の下端部には、径方向内方に全周に亘り突出する環状のシール部を有して、該シール部を、前記ピストンロッドにおける該下クッションゴム及び前記上クッションゴムを挿通する挿通部に外嵌状態に嵌装された円筒形状のカラー又は該挿通部からなる中心側のインナ部材の外周面に密着状態に弾性圧接させるとともに、該シール部よりも上側において、前記ゴム本体部の内周面と該インナ部材の外周面との間に空隙を形成するものとなしてあることを特徴とするアッパーサポート。
  2. 請求項において、前記下クッションゴムは、前記シール部の上側において、前記ゴム本体部の内周面と前記インナ部材の外周面との間に、該内周面の上端に至るまで全周に亘り前記空隙を生ぜしめるものとなしてあることを特徴とするアッパーサポート。
  3. 請求項において、前記シール部は、前記車体パネルへの前記下クッションゴムの組付前の自由形状状態で、径方向内方への突出側の先端から付根部に向かって軸方向の肉厚が漸次厚肉となる形状となしてあり、且つ該付根部の、前記先端を通る軸直角面より上側部分の肉厚が、下側部分の肉厚よりも厚肉となる形状となしてあることを特徴とするアッパーサポート。
  4. 請求項において、前記シール部の下面であって前記先端に至るまでの先端側の面が、該先端に向かって斜め上向きに傾斜したテーパ面となしてあることを特徴とするアッパーサポート。
  5. 請求項1〜の何れかにおいて、前記下取付金具の下側には、該下取付金具の前記上向きの周壁部よりも大径をなして径方向外側に位置する下向きの周壁部を有する、前記ピストンロッドを外周側から覆う筒状のダストカバー用の取付金具が、該下取付金具に固定状態に設けられていて、該下向きの周壁部の外周面に該ダストカバーの上端側が嵌着されており、
    前記ゴムカバー部は、該下向きの周壁部への前記ダストカバーの嵌着部の上端に到るまで、且つ該嵌着部との間に微小隙間を形成する状態で下向きに長く延出する形状となしてあることを特徴とするアッパーサポート。
  6. 請求項1〜の何れかにおいて、前記ゴムフランジ部は、前記下クッションゴムの前記軸方向への予圧縮前の自由形状状態で、前記ゴム本体部の外周面から径方向外方に離れるに連れて前記金具フランジ部に接近する方向に、該金具フランジ部に対して相対的に下方に傾斜した形状とされており、
    且つ前記軸方向の予圧縮の際に弾性変形して該ゴムフランジ部の下面が該金具フランジ部の上面と平行となり、該上面に重なるものとなしてあることを特徴とするアッパーサポート。
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