JP5860302B2 - 紙葉ブロック端面の加飾装置 - Google Patents
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Description
このようなメモ用紙における指標力向上の一環として、更に最近では積層されたメモ用紙が矩形状に裁断され、結果的に立方体状の紙葉ブロックとされたものが提案されている。この形態のものにあっては、加飾態様の意外性を求め、積層した紙葉ブロックの切断端面を利用して図柄等を施すことが行われている。具体的には、図1に示すように積層方向に対向する一対の積層面(基面側)S1、積層面(上面側)S2以外の四面の端面、即ち糊付けされた拘束端面S3と、これと反対の自由端面S4、更に残余の側部端面S5、S6の全て又は一部の面を利用して、広告宣伝効果等を発揮させる図柄印刷を施すような試みがなされている。
しかしながら、このような新規な製品であることに因み、上記技術課題を満足させる装置は市場には提供されていない。
前記治具装置は、載置定盤を底部に配するとともに、この載置定盤面上には、対向する一対の積層面押圧板と、この積層面押圧板に直交方向に整列配置される一対の端面案内体とにより囲まれて、上方が開口された紙葉ブロック納め部が形成されるものであり、更に前記一対の積層面押圧板は、いずれか一方または双方が相対的に接近離反して、紙葉ブロックの締め固めが出来るように構成され、一方前記端面案内体は、いずれか一方または双方が接近離反して、加飾に備えて紙葉ブロックの見当出しが行われるように作用し、更に前記各一対の端面案内体の案内側には、その上方に紙葉ブロック端面に密着するように進退自在の加飾面保護体を供えていることを特徴として成るものである。
まず本発明の紙葉ブロック端面の加飾装置の加工対象となる紙葉ブロックPについて説明する。
紙葉ブロックPは、図1に示すように、例えばほぼ正方形状の単紙葉pが多数枚積層されて全体としてブロック状を構成するものであり、一例としてメモ用紙として利用される。紙葉ブロックPにおける各面を定義すると、単紙葉pが積層されている方向における一対の面を積層面S1、積層面S2とし、切断端面において単紙葉pを糊付けして綴じ合わせている端面を拘束端面S3とし、これと反対の端面を自由端面S4とし、更に残余の切断端面を側部端面S5、S6とする。なお一例として紙葉ブロックPは、説明する上で積層面S1を基面側とし、積層面S2を上面側とするとともに、基面側の積層面S1には、台紙P1が設けられるとともに、加工時における保護のため少なくとも加工時には、双方の積層面S1、S2に保護用板紙P2を設けることもある。
本実施例にあっては、前記同じ列に配設された一対の紙葉ブロック納め部21Aに対応して二基の固定端面案内体23Aが設けられる。具体的な配置は、それぞれの紙葉ブロック納め部21Aの間に設けられたサブフレーム201に寄るようにいれば背中合わせ状に各固定端面案内体23Aが配置される。更にこの固定端面案内体23Aに対向するように、それぞれ可動端面案内体23Bが配設される。
まず固定端面案内体23Aは、前記載置定盤21から正確に直角に立ち上がるように構成され、更には固定積層面押圧板22Aとその隅角部において接するように固定され、両者が平面視直角状態を正確に維持している。この隅角部は、紙葉ブロックPの加飾加工にあたっての位置決めの基準位置となるものであって、ここを見当定規部Gとする。
一方可動端面案内体23Bは、可動案内板231を具え、このものがシフトユニット232におけるシフトシリンダ233のシフトロッド234に固定され、更にガイドロッド235の案内を受けて対向する固定端面案内体23Aに向かって接近離反できるように構成されている。なおシフトシリンダ233については、エア駆動タイプのシリンダが一例として用いられる。
この加飾面保護体24は、前記固定端面案内体23A側にあっては、サブフレーム201を利用して、その上に搭載されるように設けられるとともに、可動端面案内体23B側にあっては、そのシフトユニット232を設置架台として用い、これに積み重ね状に駆動機構を配設する。
この加飾面保護体24は、実質的に紙葉ブロックPに接する可動保護板241を具えるとともに、このものには、その内側面に密着シート241Aが張設される。この密着シート241Aは、弾性発泡体等の薄いシート状のものである。加飾面保護体24のシフト機構としては、前記サブフレーム201又は前記端面案内体23のシフトユニット232の上方に更に積み重ね状態に設けた、一例としてエアシリンダを用いたシフトユニット242を駆動源とする。即ちシフトユニット242におけるシフトシリンダ243のシフトロッド244の先端に可動保護板241が設けられ、ガイドロッド245の案内を受けて正確に紙葉ブロック納め部21Aに向かって対向的に進退するものである。
なお本装置におけるいくつかのシフトシリンダ223、233、243、253は、エアシリンダを例に説明したが、これらはサーボモータによるネジシャフトや、モータシリンダ等を適用することも、もとより差し支えない。
(1)紙葉ブロックPの準備(図7−1(a))
紙葉ブロックPの準備にあたっては、一例として500〜1000枚程度の原紙P0並びに必要に応じて設ける台紙P1、保護用板紙P2を積層状態として、このものをまず図7−1(a)に示すように縦方向に短冊状に断裁する。そして、断裁した冊状の紙葉ブロックPの中間製品は、その断裁面の長手方向における一方の面を糊付けされ拘束端面S3を構成する。なお例えば紙葉ブロックPに対し、インクジェットプリンタにより加飾を行う場合、インクの親和性を向上させるため糊付けした拘束端面S3については更に活性剤を別途塗布することが行われることがある。このようして構成された冊状の中間製品を更に単寸に断裁して紙葉ブロックPを得る。
加飾装置本体1が、インクジェットプリンタである場合、その印刷模様を指示するため適宜コンピュタにデータを入力する。なおこのとき加飾装置本体1は、紙葉ブロック納め部21Aから隔たった機枠F上の一端に寄った位置で待機状態となっている(図7−1(c)参照)。
一方、加飾対象物である紙葉ブロックPを受け入れるため、治具装置2は、紙葉ブロック納め部21Aを最大限開放した状態とする。具体的には、図7−1(b)に示すように積層面押圧板22における可動積層面押圧板22Bを固定積層面押圧板22Aから十分離れた位置にシフトした状態とする。一方端面案内体23にあっても、可動端面案内体23Bを固定端面案内体23Aから十分離した状態としておく。また加飾面保護体24についても、それぞれ紙葉ブロック納め部21Aから離れた位置で待機した状態としておく。
更にノック片250についても固定積層面押圧板22Aのノック孔251内に退去した状態としておく。
このような状態で紙葉ブロックPを積層面押圧板22、端面案内体23と加飾面保護体24に区画された紙葉ブロック納め部21Aにセットする。このセッティングするための姿勢は、積層面S1、積層面S2をそれぞれ積層面押圧板22に向ける状態とする。更に詳しくは、基面側の積層面S1を固定積層面押圧板22Aに当たるようにすることが好ましい。これによって、切断断面である拘束端面S3、自由端面S4、側部端面S5、側部端面S6の四面のいずれかが紙葉ブロック納め部21Aにおいて上方に向くようになる。この際、この上方に向いた面が被加飾面となる。
この作業は、例えばロボット操作されるマニュピュレータ等によって自動で行われてもよいし、手作業による設定でもよい。
この設定にあたっては、経験的に第一の作業としては、例えば拘束端面S3を端面案内体23における固定端面案内体23A側に設置して、第一に加飾する面を側部端面S5とするような配置が好ましい態様の一つである。従って図示するにあたって、この配設形態を例示するものであり、紙葉幅方向D3が上下方向に向く。なおこのとき上面に一定の質量を有する抑え板を手作業により置くことが好ましい。具体的には図7−1(c)に示すような押え板3が用いられるものであって、このものは、基板31に対し、その下面に紙葉ブロックPとほぼ同枠サイズの押え突板32を具えるとともに上面側に把手33を形成したものである。
このように紙葉ブロック納め部21Aに納められた紙葉ブロックPは、まず端面案内体23における可動端面案内体23Bの押込みを受けて、対向する固定端面案内体23A側に正確に押し付けられるように寄せらされる。
この操作は、適宜プログラム化された操作等によりシフトシリンダ233が伸長することを受けて可動案内板231によってなされる。なおこの可動端面案内体23Bのシフト動作を含め可動積層面押圧板22B、可動保護板241のシフト操作は、全てプログラム化されて一定タイミングの間隔ごとに行われるほか、手動操作によって作業状況を目視しながら行うようにすることが可能である。
このように端面案内体23における固定端面案内体23A側に寄せられた紙葉ブロックPは、続いて可動積層面押圧板22Bの押圧を受ける。即ち、シフトシリンダ223の動きにより可動積層面押圧板22Bが固定積層面押圧板22A側に接近し、これにより、紙葉ブロックPは、固定端面案内体23Aと固定積層面押圧板22Aとによって構成される見当定規部Gに例えば、基面側の積層面S1と、拘束端面S3とが案内され、正確な立方体状のまとまり形状を現出させる。このステップが実質的に「見当出し」の構成であり、更に可動積層面押圧板22Bの押圧が続けられ、紙葉ブロックPの紙葉積層方向D1に向けた締め固めが行われる。
前工程の「見当出し」及び押圧保持がされた段階で、紙葉ブロックPは、一例として、側部端面S5が上方に配置されており、この側部端面S5の周縁を加飾面保護体24により紙葉長さ方向D2において囲むようにする。即ち図7−2(g)に示すように一対の加飾面保護体24におけるシフトシリンダ243を互いに接近させるようにシフトし、そのシフトロッド244の先端に設けられている可動保護板241を紙葉ブロックPに接近、当接させる。これにより可動保護板241に貼設されていた弾性のある密着シート241Aが直接紙葉ブロックPに当接し、結果的に被加飾面となる側部端面S5の範囲のみが上面に露見した状態となる。
前記工程により被加飾面の保護が図られた後、加飾装置本体1を作動させ、第一の被加飾面たる側部端面S5の加飾を行う。この加飾は一例としてインクジェットプリンタを適用した加飾装置本体1によりなされるものであり、予め入力された図柄等を印刷する。
即ち図7−2(h)に示すようにガイドレール11上を門型枠12が始発位置から走行を開始し、全部の紙葉ブロック納め部21Aの範囲を移動しながら、プリンタノズル13からインクを吐出し、側部端面S5とは非接触状態で加飾を行ってゆく。このとき側部端面S5を囲む紙葉ブロックPの端面については、密着シート241Aが密着状態に囲んでおり、非接触状態でインクが飛散しても、他の部位を汚損させず、且つ被加飾面たる側部端面S5の全面に亘る加飾が可能である。
加飾装置本体1が、全ての紙葉ブロックPを加飾した後には、ガイドレール11上を戻り、始発位置で待機する。
なお加飾される模様、図柄は、4点の紙葉ブロックPを全て同じとするほか、一部又は全てを異ならせることもインクジェットプリンタの入力指示により可能である。
なお加飾装置本体1に対し、移動方向前後に並ぶように二基のプリンタノズル13が具えられている場合には、これら各別のプリンタノズル13により、加飾装置本体1の移動方向前後に並ぶように配置された紙葉ブロックPが一挙同時に加飾処理を受けることが可能となる。
前記工程で一面が加飾された後は、他の面の加飾を行うため紙葉ブロックPを90°回転させ、未処理の切断端面を上面に配置する。
まず自動乃至マニュアル操作により、前工程で紙葉ブロックPに作用していた保持部材の保持解除を行う。即ち、一対の加飾面保護体24における可動保護板241、積層面押圧板22における可動積層面押圧板22B、端面案内体23における可動端面案内体23Bを、シフトシリンダ243、シフトシリンダ223、シフトシリンダ233を作用させて始発位置に退去させる。この状態で紙葉ブロックPの保持が解除されるが、固定積層面押圧板22A側では、このものと紙葉ブロックPとは密着状態を保っており、この状態を解除するためノック機構25を作用させる。即ちシフトシリンダ253を収縮させてシフトレバー252を引き寄せ、結果的にノック片250を固定積層面押圧板22Aから紙葉ブロック納め部21A側に突出させ、紙葉ブロックPを押し戻すようにする。
この状態で手作業、マニピュレータ操作等により紙葉ブロックPを掴み、紙葉積層方向D1を軸として90°回転させる。この場合、次に例えば自由端面S4を加飾しようとする場合、この面を上に向け拘束端面S3が下面に来るように回転させる。即ち、紙葉長さ方向D2が上下方向に向くようにする。一方積層面S1、積層面S2は、その面方向において90°姿勢変更するものの前工程の状態を維持し、それぞれ積層面押圧板22に臨んでいる。
前工程の状態からは、既に述べた「見当出し」が行われ、同様の手順での加飾作業が行われる。なお加飾される面は、積層面S1、積層面S2を除いた全ての4面、あるいはそのうち拘束端面S3等一部を除いた面で行われる。
本発明は以上述べた構成並びに作動状態を有するが、例えば紙葉ブロックPのサイズが更に小さいものを加工するにあたっては、内枠状の板材等を嵌め込み、紙葉ブロック納め部21Aの寸法を小さく変更した上で加工することができる。
G 見当定規部
P 紙葉ブロック
P0 原紙
P1 台紙
P2 保護用板紙
p 単紙葉
S1 積層面(基面側)
S2 積層面(上面側)
S3 拘束端面
S4 自由端面
S5 側部端面
S6 側部端面
D1 紙葉積層方向
D2 紙葉長さ方向
D3 紙葉幅方向
F 機枠
1 加飾装置本体
11 ガイドレール
12 門型枠
13 プリンタノズル
2 治具装置
20 天板
201 サブフレーム
21 載置定盤
21A 紙葉ブロック納め部
22 積層面押圧板
22A 固定積層面押圧板
22B 可動積層面押圧板
221 可動基板
222 当接板
223 シフトシリンダ
224 シフトロッド
225 ガイドロッド
23 端面案内体
23A 固定端面案内体
23B 可動端面案内体
231 可動案内板
232 シフトユニット
233 シフトシリンダ
234 シフトロッド
235 ガイドロッド
24 加飾面保護体
241 可動保護板
241A 密着シート
242 シフトユニット
243 シフトシリンダ
244 シフトロッド
245 ガイドロッド
25 ノック機構
250 ノック片
251 ノック孔
252 シフトレバー
253 シフトシリンダ
254 シリンダロッド
3 押え板
31 基板
32 押え突板
33 把手
Claims (6)
- 加飾装置本体と、被加飾体である紙葉ブロックを保持する治具装置とを具え、この治具装置によって紙葉ブロックを納め部に保持し、加飾装置本体に対向的に位置する紙葉ブロックの一端面を被加飾面として前記加飾装置本体を被加飾体の被加飾面に作用させ、所望の加飾処理を行う装置において、
前記治具装置は、載置定盤を底部に配するとともに、この載置定盤面上には、対向する一対の積層面押圧板と、この積層面押圧板に直交方向に整列配置される一対の端面案内体とにより囲まれて、上方が開口された紙葉ブロック納め部が形成されるものであり、更に前記一対の積層面押圧板は、いずれか一方または双方が相対的に接近離反して、紙葉ブロックの締め固めが出来るように構成され、一方前記端面案内体は、いずれか一方または双方が接近離反して、加飾に備えて紙葉ブロックの見当出しが行われるように作用し、更に前記各一対の端面案内体の案内側には、その上方に紙葉ブロック端面に密着するように進退自在の加飾面保護体を供えていることを特徴とする紙葉ブロック端面の加飾装置。
- 前記一対の積層面押圧板は、一方が固定設置された固定積層面押圧板であり、他方が可動積層面押圧板であり、また前記一対の端面案内体は、一方が固定設置された固定端面案内体であり、他方が可動端面案内体であることを特徴とする前記請求項1記載の紙葉ブロック端面の加飾装置。
- 前記固定積層面押圧板には、紙葉ブロックを押し離すノック片が突出自在に設けられていることを特徴とする前記請求項2記載の紙葉ブロック端面の加飾装置。
- 前記加飾面保護体は、可動保護板に弾性変形自在の密着シートが積層されていることを特徴とする前記請求項1、2または3記載の紙葉ブロック端面の加飾装置。
- 前記載置定盤上には、紙葉ブロック納め部が複数個所形成されるように各部材が配置されていることを特徴とする前記請求項1、2、3または4記載の紙葉ブロック端面の加飾装置。
- 前記加飾装置本体は、インクジェットプリンタであることを特徴とする前記請求項1、2、3、4または5記載の紙葉ブロック端面の加飾装置。
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