JP6868353B2 - 紙葉ブロックの加飾装置、並びにこれを用いた集客施設における個別記念品の提供方法 - Google Patents
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Description
このようなメモ用紙における指標力向上の一環として、更に最近では矩形状のメモ用紙が多数枚積層され、結果的に立方体状の紙葉ブロックとされたものが提案されている。この形態のものにあっては、加飾態様の意外性を求め、積層した紙葉ブロックの切断端面を利用して図柄等を施すことが行われている。具体的には、図1に示すように積層方向で対向する一対の積層面、即ち基面側のS1、上面側の積層面S2の二面を除いて、それ以外の四面ある端面、即ち糊付けされた拘束端面S3と、これと反対の自由端面S4、更に残余の側部端面S5、S6の全て又は一部の面を利用して、広告宣伝効果等を発揮させる図柄印刷を施すような試みがなされている。
このような技術課題を解決する手法として、本出願人はすでに特許第5860302号「紙葉ブロック端面の加飾装置」を取得しており、当該発明の実施装置により製造されたユニークな紙葉ブロックがメモ用紙として好評裡に市場に提供されている。
インクジェットプリンタを主要部材とする加飾装置本体と、被加飾体である紙葉ブロックを保持する治具装置とを具え、加飾装置本体に対向的に位置する紙葉ブロックの一端面を被加飾面として、前記加飾装置本体を被加飾体の被加飾面に作用させ、所望の加飾処理を行う装置において、
前記治具装置には、紙葉ブロック保持部が形成されるものであり、この紙葉ブロック保持部は、紙葉ブロックを下方から支持する載置テーブルと、加飾処理される状態における紙葉ブロックの積層面を対向的に押圧保持する一対の積層面押圧板と、この積層面押圧板に対し平面視で直交方向に整列配置される一対の端面案内体とにより囲まれて、上方が開放されている空間として形成されているものであり、この紙葉ブロック保持部の上縁部の全部または一部の範囲にはマスキング装置の構成部材である細紐状のマスキング材が配置され、紙葉ブロックにおける加飾中の端面以外の部位へのインクの付着を防止するように構成されていることを特徴として成るものである。
前記マスキング材は、長く連続した細紐状のものであり、加飾処理が行われる都度、マスキング材が移動し、常にマスキング材の新規部位により紙葉ブロックの角部を保護していることを特徴として成るものである。
前記マスキング材は、紙葉ブロック保持部を区画している積層面押圧板と、端面案内体との双方または少なくとも端面案内体に設けられるものであり、それらにおける上縁部内側に形成される通し段部に案内されていることを特徴として成るものである。
前記通し段部は、積層面押圧板、端面案内体の上部調整板に対し、その内側に薄板状の当接板を設け、この当接板の上端高さを上部調整板の上端高さより低く設定することにより構成したことを特徴として成るものである。
前記当接板は、上部調整板と間隙を保って設けられ、この間隙を飛散インクの排除スリットとしたことを特徴として成るものである。
前記マスキング材は紙葉ブロック保持部から外れた位置において、マスキング装置の構成部材であるテンションガイドにより一定の張力を付与されていることを特徴として成るものである。
前記マスキング装置は、紙葉ブロック保持部から外れた位置にテンションガイドが設けられ、このテンションガイドはマスキング材を案内するマスキング材通し孔を有し、且つこのマスキング材通し孔はマスキング材のテンション解除時には高さ方向において、前記通し段部を見通す位置に設けられるものであることを特徴として成るものである。
前記テンションガイドは、側面視で前記通し段部の位置を通り、紙葉ブロック保持部の外側において斜め下方に降下する動作線上に沿って摺動自在に設けられ、前記マスキング材通し孔の位置を通し段部から斜め外側に降下する位置に移動させるようにして、マスキング材に対するテンション付与を行うことを特徴として成るものである。
前記載置テーブルは、昇降自在に構成され、上下方向にわたって上方から加飾レベル、回転レベル、受入・取出レベルの少なくとも3位置で停止状態を維持できるようにするものであり、加飾レベルでは載置テーブルは紙葉ブロック保持部の底部を構成し、回転レベルでは載置テーブルは紙葉ブロックを姿勢回転装置の位置に支承し、受入・取出レベルでは載置テーブルはコンベヤ装置に臨むように構成されていることを特徴として成るものである。
集客施設の適宜の場所に前記請求項1から9いずれかに記載の紙葉ブロックの加飾装置を設置し、客の指定した画像データをコントローラに取り込み、この画像データに基づき、紙葉ブロックの加飾装置における加飾装置本体を作動させ、紙葉ブロック保持部に保持した紙葉ブロックにおける切断端面の一つの面または複数の面に前記取り込んだ画像データに基づいた画像をインクジェットプリンタにより現出させることを特徴として成るものである。
まず本発明の加工対象となる紙葉ブロックPについて説明する。
紙葉ブロックPは、図1に示すように、例えばほぼ正方形状の単紙葉pが多数枚積層されて全体としてブロック状に構成されているものであり、一例としてメモ用紙として利用される。紙葉ブロックPにおける各面を定義すると、単紙葉pが積層されている方向における一対の面を積層面(基面側)S1、積層面(上面側)S2とし、切断端面において単紙葉pを糊付けして綴じ合わせている端面を拘束端面S3とし、これと反対の端面を自由端面S4とし、更に残余の切断端面を側部端面S5、S6とする。なお一例として紙葉ブロックPは、基面側の積層面S1には、台紙P1が設けられるとともに、加工時における保護のため少なくとも加工時には、積層面S1、S2の双方に保護用板紙P2を設けることもある。
そして加飾装置本体1は、その下方の機枠部材に保持部16を設け、ここに歯付ベルト15を固定する。結果的に歯付ベルト15の移動により前後に駆動される。なお符号M1は加飾装置駆動モータであり、前記フレームFの中間高さ近くに搭載される。
まず本実施例では載置テーブル21は一例として昇降自在のテーブルとするものであり、図3、図4、図7に示すように、実質的に載置テーブル21の主たる作用部材となるテーブル板210を上方に具えるとともに下方にテーブル脚ロッド211を具える。このテーブル脚ロッド211は、フレームFの一部を構成するテーブル支持コラム212に対し上下にリニアベアリング等を介して摺動自在に支持される。そしてテーブル脚ロッド211及びテーブル支持コラム212に沿うように昇降シフトシリンダ213が設けられており、昇降シフトシリンダ213の摺動子213aが前記テーブル板210の下面に接続されている。これにより昇降シフトシリンダ213の伸縮を受けて載置テーブル21が昇降駆動される。因みにこのような載置テーブル21の昇降位置について説明すると、図3、図10−1、図10−3に示すように、まず3カ所のレベル、即ち3カ所の高さ位置で停止し得るものであり、まず加飾レベルL1が最も上部の位置となり、実質的に前記紙葉ブロック保持部20の底板部を構成している。更にその下方に回転レベルL2が設定され、この回転レベルL2は後述するが、紙葉ブロック保持部20に保持された紙葉ブロックPの加飾面を切り替える際に作動する姿勢回転装置4の動作を受け入れるための位置である。更に最下方は受入・取出レベルL3を設定するものであって、この受入・取出レベルL3は紙葉ブロックPの供給及び取り出しを行うためのコンベヤ装置5に臨んでいる。
この積層面押圧板22を更に詳しく説明すると、図2〜図7に示すように、治具装置2のベース部材たる治具ベース2Bに対し積層面押圧板22が紙葉ブロック保持部20の中心に向かうように一定のストロークで摺動自在に支持されている。このような積層面押圧板22の押圧は、対向する一対の積層面押圧板22がそれぞれシフトシリンダ221により接近・離反するような動きを与えられて行われる。もちろん紙葉ブロックPの積層面が押し固められればよいから、一方の積層面押圧板22を固定設置し、他方のみを可動状態としてもよい。また押圧作用を行う機構や、積層面押圧板22の構成については、後述する端面案内体23における構成と同じ構成とすることもできる。
この端面案内体23を更に詳しく説明すると、図5、図6に示すように、治具装置2における治具ベース2Bに対し、本体板230が間接的に案内基板235を介して紙葉ブロック保持部20の中心に向かうよう移動自在に設けられる。この本体板230の上方には上部調整板230Aが設けられ、このものはセットスプリング230Bを介して、案内基板235の立ち上がり部位に、調整ロッド230Cが差し込まれたような状態で支持される。このような上部調整板230Aは必ずしも具える必要はなく、押圧作用面全体を単板状の本体板230で構成してもよい。この上部調整板230Aに対し、その押圧作用面と下面とを覆うように断面L形の当接板231が、わずかな間隙を開けて取り付けられている。この上方部位を拡大してみると、図6に示すように、上部調整板230Aの方が幾分か高くなり、結果的にここに段差が形成され、この段差をマスキング材3Mを案内するための通し段差232としている。そして上部調整板230Aと当接板231との間隙を、インクの排除スリット233とする。なお端面案内体23については紙葉ブロックPが紙葉積層方向D1ではなく、紙葉長さ方向D2あるいは紙葉幅方向D3を押さえるものであり、過剰な押し込みがなされた場合、紙葉ブロックPの各単葉紙pが歪む場合もあり、従って端面案内体23においては過剰な押圧作用が加わらないような機構を採る。具体的には本体板230に対し紙葉ブロック保持部20を中心に見ると、その外側の案内基板235に対し適宜本体板230から延びたガイドロッド236を摺動自在に案内させるとともに、このガイドロッド236に対し一例としてコイルスプリングを適用したクッションスプリング237を外嵌め状に取り付けている。このクッションスプリング237の逃げ作用により紙葉ブロックPに対し過剰な押圧力が加わらないように構成している。なお、固定端面案内体23Aと、可動端面案内体23Bとは、基本的構成を同じとするが、可動端面案内体23Bは、次に述べる可動シフタ24によりシフトされる点で相違する。
このものは、要はそれぞれの押圧ないしは移動作用を所定の強さで発揮できればよいものであり、エアシリンダ、電動シリンダあるいはカム・クランク等による押し込みを図るような適宜の手段が採り得る。本実施例では、一例としてトグル機構を用いた可動シフタ24を適用するものであり、以下これについて説明する。まず図5、図6に示すように、一対のトグルリンク241は、それぞれ3個所のリングピボット242においてベースとなる治具ベース2Bとアクチュエータ243と、それぞれ目的とする可動積層面押圧板22Bまたは可動端面案内体23Bとに接続されている。具体的には、トグルリンク241はドライブリンク241aとドリブンリンク241bとがベースピボット242a、中折ピボット242b、シフト作用ピボット242cとで相互に関連するように接続されている。このうちドライブリンク241aにアクチュエータ243のシフトロッド243aが接続されており、この接続部位がシフト入力ピボット242dである。従って可動シフタ24はアクチュエータ243によるシフトを受けてトグルリンク241は中折状態から伸張し、結果的にここに接続される可動積層面押圧板22Bあるいは可動端面案内体23Bにおける案内基板235を押し込むようにする。因みにこのようなトグル機構を用いた可動シフタ24の場合、押し込み完了時点ではトグルリンク241は図5に示すように当初の屈曲状態から直整列状態を越えて、幾分か行き過ぎた位置までシフトされる。このようにトグルリンク241は直整列状態の中間地点を越えるから、紙葉ブロックPを押し込んだ際の押込反力が生じたとしてもトグルリンク241への押圧を解除する方向には働かず、結果的にはアクチュエータ243が一旦押圧設定した後にはここには紙葉ブロックPが受ける押圧に対する反力は作用しない状態が得られる。
まず紙葉ブロック保持部20を形成する端面案内体23にはマスキング装置3におけるマスキング材3Mの配置を必須とし、好ましくは積層面押圧板22の部位にもマスキング装置3を配設することが好ましい。その理由は、積層面押圧板22が作用する方向にあっては、紙葉ブロックPに加飾する際に紙葉移送方向D1の両面あるいは、2個の紙葉ブロックPを加飾する場合は、その間に不要な保護用板紙P2等を一時的に介在させることができ、このものがマスキング作用を奏するから、結果的にこの部位にあってはマスキング材3Mを排除して用いることが可能だからである。もちろん積層面押圧板22と端面案内体23とにそれぞれマスキング3を設けた場合であっても、それの構成は共通するものであり、以下マスキング装置3として共通する構成を説明する。
(1)紙葉ブロックPの準備(図10−1(a))
紙葉ブロックPの準備にあたっては、一例として500〜1000枚程度の原紙P0並びに必要に応じて設ける台紙P1、保護用板紙P2を積層状態として、このものをまず紙葉幅方向D3または紙葉長さ方向の寸法に短冊状に断裁する。そして、断裁した冊状の紙葉ブロックPの中間製品は、その断裁面の長手方向における一方の面を糊付けされ拘束端面S3を構成する。なお例えば紙葉ブロックPに対し、インクジェットプリンタにより加飾を行う場合、インクの親和性を向上させるため糊付けした拘束端面S3については更に活性剤を別途塗布することが行われることがある。このようして構成された冊状の中間製品を更に短寸に断裁して紙葉ブロックPを得る。
(i)加飾装置本体
インクジェットプリンタを用いた加飾装置本体1は、加飾装置Aの最後方、即ち正面視で左側における紙葉ブロック保持部20から外れた位置に待機している。また適宜のコントローラCに対して加飾すべき図柄のデータを入力し、加飾装置本体1に対しての加飾パターン、図柄等の指示を行うように待機する。
一方、治具装置2にあっては、紙葉ブロック保持部20の周縁枠部を形成する一対の積層面押圧板22及び一対の端面案内体23は、それぞれ開放状態となっている。即ち、一対の積層面押圧板22が最も間隔を開けた状態となっており、同様に端面案内体23における固定端面案内体23Aと可動端面案内体23Bとが最も間隔を開けた状態に位置している。この状態を可動シフタ24で見れば、可動シフタ24が図5、図10−1、図10−2に示す位置でトグルリンク241を最も屈曲させた状態となっている。一方このとき紙葉ブロック保持部20を構成する載置テーブル21については、紙葉ブロックPを供給することに備えて、コンベヤ装置5に臨む受入・取出レベルL3の位置に降下している。
一方、マスキング装置3については、細紐状のマスキング材3Mが巻きまとめられた枷からマスキング材3Mを引き出し、適宜給糸プ−リ34、ガイドリング36等を経て、このものをまずテンションガイド31におけるマスキング材通し孔312に通し、更に端面案内体23の通し段部232に掛け載せるようにする(図10−2(b))。その後、マスキング材3Mの端部をもう一方の側面のテンションガイド31のマスキング材通し孔312を経て、回収プーリ35ないしは適宜のガイドリング36を経て、回収巻取軸37に至らせる。なおこの段階ではテンションガイド31の先端を通し段部232に最も近付けた形態で準備作業が行われるものであり、このときはマスキング材3Mに対してはテンションは付与されていない。このような準備はそれぞれ固定端面案内体23A、可動端面案内体23Bとの対から成る端面案内体23において行われるほか、積層面押圧板22が同様の構成を採っているときにはここでも同様な操作の下、通し段部を通るような状態でマスキング材3Mを配置する。
治具装置2及びマスキング装置3側の準備とともに、別途紙葉ブロックPを供給するためのコンベヤ装置5について準備を行う。具体的には図10−1(b)に示すように、紙葉ブロックPをストレージコンベヤ51上に適宜の数並べ置くようにする。なおこのとき、それぞれのストレージコンベヤ51上には紙葉ブロックPが2列に並ぶような形態としておく。もちろんこの際、その間に保護用板紙P2等を設けるときには、その保持が不安定であれば、これを仮留めするような状態で設けておくことが好ましい。
このような状態で紙葉ブロックPは次のようにして紙葉ブロック保持部20にまで供給される。まずコンベヤ装置5における繰出コンベヤ52を駆動すると、このものは2個一組ごとの紙葉ブロックPを間欠的に移動させ、受入コンベヤ53に至らせる。もちろんこのような繰出コンベヤ52の駆動のみで移載が行われない場合、適宜の繰出アーム等を付設してもよい。繰出コンベヤ52からは更に受入コンベヤ53側に順次紙葉ブロックPが送り出されるものであり、最終的には受入コンベヤ53を送り方向先端側の受入・取出レベルL3に控えている載置テーブル21に対し1組ごと紙葉ブロックPが移載される。このようにして載置テーブル21上に供給されてきた紙葉ブロックPは、図10−1(b)に示すように、載置テーブル21が昇降シフトシリンダ213による伸張を受けて上昇することにより、加飾レベルL1まで移動する。結果的に載置テーブル21と一対の積層面押圧板22及び一対の端面案内体23とで区画される紙葉ブロック保持部20に対し、紙葉ブロックPが供給された状態となる。
このような状態で紙葉ブロック保持部20に供給された紙葉ブロックPは、図10−2(a)に示すように、まず端面案内体23における可動端面案内体23Bのシフトを受けて、固定端面案内体23Aとの間で正確な位置に保持されるようになる。具体的には可動シフタ24におけるアクチュエータ243のシフトロッド243aの動きを受けて、トグルリンク241が図中ドライブリンク241aを引き込むような方向に移動し、ドライブリンク241aとドリブンリンク241bとを屈曲した状態から直線上に伸張した状態、更にその臨界部を越えて幾分か行き過ぎて逆「く」の字状にわずかに屈曲した位置までトグルリンク241をシフトする。この動きに従い可動端面案内体23Bはシフト作用ピボット242cが押圧されて、適宜の強さで紙葉ブロック保持部20における紙葉ブロックPを所定の位置に案内する。
このようにして端面案内体23による規制がなされた後、次の加飾に備えて紙葉ブロックPを厳格に押し固めるような作業を行う。即ち一対の積層面押圧板22を、シフトシリンダ221が対向的に押し込むことにより、紙葉ブロックPを紙葉積層方向D1に沿って押し固めるようにする。
なお積層面押圧板22は充分な圧力で紙葉ブロックPを押し固めることが望ましいから、前記端面案内体23におけるような緩衝手段即ちクッションスプリング237等を必ずしも具えていなくともよい。
このような状態でみると、前記マスキング装置3におけるマスキング材3Mは、図10−3(a)に拡大して示すように、紙葉ブロックPの上縁部にほぼ接するように臨んでおり、その結果周縁近くに加飾装置本体1によるプリンタノズル13からのインク13Aの飛散があったとしてもその飛散が細紐状のマスキング材3Mに吸収されるようになる。即ち、少なくとも加飾が開始される前の段階でテンションガイド31は、図10−2(b)に示すように、斜め下方にシフトされ、マスキング材通し孔312の位置を斜め下方にずらす。これによりマスキング材3Mの経路をジグザグ状として、結果的にマスキング材3Mにテンションを与え、紙葉ブロックPの上縁角部を保護する。
このような状態で前記加飾装置本体1の動作が開始されるものであり、図10−3(a)に示すように、加飾装置本体1が順次歩進的にわずかずつ前進するとともに、加飾装置本体1におけるプリンタノズル13が、手前側から奥方に横行するような状態に動き、適宜入力された信号に基づき加飾模様を紙葉ブロックPにおける端面、即ち拘束端面S3、自由端面S4、側部端面S5・S6のいずれかに加飾を行う。この際、一部が飛散するインク13Aは前述の通り、紙葉ブロックPの上縁角部では、マスキング材3Mにより吸収され、紙葉ブロックPの他の面への飛散、付着が防止される。なお次工程の説明の便宜上、一例としてここで最初に加飾される部位を側部端面S5とする。因みにこの場合、次に加飾されるのは自由端面S4または拘束端面S3である。更にその後に他の側部端面S6が加飾される。要は順次端面を周りながら加飾が行われる。
このようにして例えば側部端面S5が加飾されたとすると、次に例えば自由端面S4を加飾するために次のような姿勢設定がなされる。即ちまず治具装置2において、紙葉ブロック保持部20における紙葉ブロックPの保持を解除する。具体的には一対の積層面押圧板22の押圧を解除するとともに、端面案内体23においても同様に固定端面案内体23Aと可動端面案内体23Bによる保持を解除する。このようにした後、載置テーブル21を回転レベルL2まで降下させる。その後、この位置で載置されている紙葉ブロックPに対し姿勢回転装置4が作用して、未加飾の例えば自由端面S4を上面側に位置させるように回転操作を行う。図10−3(b)、図3、図4に示すように、まずこの操作はクランプパッド41を押込シリンダ42の伸長により互いに接近させ、2個一組となった紙葉ブロックPの組を紙葉積層方向D1の両側から押し込み保持する。続いて、載置テーブル21を幾分か下げるか、あるいは受入・取出レベルL3まで下げるかいずれか適宜の信号指令に基づき降下させ、紙葉ブロックPの回転ができるように、これを下支えなしで保持する。その後、姿勢回転装置4における回転シフトシリンダ45は、そのシリンダロッド45aを伸張させ、回転アーム44の自由端側を押し込む。この結果、回転アーム44の中心に固定された回転ボス43は、クランプパッド41をパッドロッド41aごと90°回転させ、紙葉ブロックPの自由端面S4が上方に向くような位置とする。このような状態で再び載置テーブル21を上昇させてこれを保持するとともに、同時にクランプパッド41の保持を解除し、続いて紙葉ブロックPを載置テーブル21によって紙葉ブロック保持部20を構成する加飾レベルL1まで上昇させる。
このような紙葉ブロックPの姿勢回転がされている間に、一方で治具装置2側においてはマスキング装置3が作動してマスキング材3Mの更新がなされる。具体的には、まずテンションガイド31はこれによるマスキング材3Mの緊張を解除すべく上方にシフトされる。その後、回収モータM2を回転させて回収プーリ35を回転駆動し、これによりマスキング材3Mを巻き取ってゆき、未使用のマスキング材3Mが前記紙葉ブロック保持部20の部位に配置されるような状態とする。なおこのとき本発明にあっては、テンションガイド31についてはテンション解除位置、即ちマスキング材通し孔312が横から視て通し段部232に臨むような近くで、これを見通すような位置に移動する。この結果、マスキング材3Mはその通過経路に極端な屈曲部が生じない状態となり、且つテンションがなくなった状態であっても通し段部232に掛かった状態となっている。そしてその後、加飾装置本体1による加飾に備えて前記テンションガイド31は、斜め下方に下がるように幾分か移動し、図8、図10−2(a)・(b)に示すように、マスキング材3Mがジグザグに屈曲した通過経路をとり、結果的に端面案内体23における通し段部232上では一定の張力で張られた状態を呈する。
このような準備とともに前述した紙葉ブロックのセッティングと同様、まず端面案内体23によって紙葉ブロックPの端面方向での案内がなされ、その後積層面押圧板22により積層方向への押し固めがなされる。
例えば自由端面S4が上面側に臨んだ紙葉ブロックPに対し、加飾装置本体1からのプリンタノズル13のコントロールによる適宜の加飾がなされる。そして同様に図10−4(a)に示すように以降残余の例えば側部端面S6あるいはそれに続く拘束端面S3等の加飾処理が行われる。
このようにして加飾処理が終了した紙葉ブロックPは、前記積層面押圧板22及び端面案内体23による拘束が解除され、その後載置テーブル21が受入・取出レベルL3まで降下する。これにより図10−4(b)に示すように、紙葉ブロックPはコンベヤ装置5における取出コンベヤ54の位置に臨むような状態となり、取出コンベヤ54の駆動とともに排出コンベヤ55側に排出がされる。もちろんこの取出コンベヤ54への紙葉ブロックPの移載は、次工程で加工される紙葉ブロックPの押し出しを受けたり、別途取出アーム等による取り出しを受けてなされる。
本発明たる加飾装置Aは以上述べたような基本的な構成を具え、この加飾装置Aはこのような紙葉ブロックタイプのメモ等を専用に製造するメーカー等に利用されるほか、次のような利用形態が可能である。即ち加飾装置本体1が一般的なインクジェットプリンタを用いていることから、例えばデジタルカメラ等による写真データの入力がそのまま行えること等に因み、図11に示すように、観光地、アミューズメント施設等の集客施設Lで加飾済みの紙葉ブロックPを、個別の記念品として提供するようないわゆるビジネスモデルとしての工夫もなし得る。即ちすでに述べた加飾装置Aを集客施設L等の適宜の場所に設置し、客がそこで撮影した写真のうちどれかを選び、その画像データをコントローラCに取り込む。そして、この画像データに基づき、紙葉ブロックPの加飾装置Aにおける加飾装置本体1を作動させ、紙葉ブロック保持部20に保持した紙葉ブロックPにおける端面の一面または複数の面に、前記取り込んだ画像データに基づいた画像をインクジェットプリンタにより現出させることが可能である。このようにしたときには、客の個々の注文に応じた記念写真等の画像がプリントされたブロックメモ等が完成するものであり、個別記念品としての趣向がより高まるものである。
まず治具装置2についてみれば、すでに述べた実施例は紙葉ブロックPを2個一列に並べたような形態で処理するものであるが、これを3列あるいは個別に保持する手法あるいは前後に配置する手法等適宜の手法が採り得る。
更にマスキング材3Mに関しては、すでに述べた実施例は使用済みの部位については、回収巻取軸37に対して巻き取っていたが、例えば図9(b)に示すように、これをエンドレス状とし、その回収部位の一部に例えば溶剤等を収容した洗浄槽6を設け、ここを通過させてそのまま更に乾燥トンネル7を通過させ、言わば使用済みのマスキング材3Mを再生するような形として用いることも可能である。
P 紙葉ブロック
P0 原紙
P1 台紙
P2 保護用板紙
p 単紙葉
S1 積層面(基面側)
S2 積層面(上面側)
S3 拘束端面
S4 自由端面
S5 側部端面
S6 側部端面
D1 紙葉積層方向
D2 紙葉長さ方向
D3 紙葉幅方向
C コントローラ
F フレーム
F0 脚フレーム
F1 天枠フレーム
F2 加工部フレーム
L 集客施設
1 加飾装置本体
11 ガイドレール
12 門型枠
13 プリンタノズル
13A インク
14 駆動プーリ
15 歯付ベルト
16 ベルト保持部
M1 加飾装置駆動モータ
2 治具装置
2B 治具ベース
20 紙葉ブロック保持部
21 載置テーブル
210 テーブル板
211 テーブル脚ロッド
212 テーブル支持コラム
213 昇降シフトシリンダ
213a 摺動子
L1 加飾レベル
L2 回転レベル
L3 受入・取出レベル
22 積層面押圧板
22A 固定積層面押圧板
22B 可動積層面押圧板
221 シフトシリンダ
23 端面案内体
23A 固定端面案内体
23B 可動端面案内体
230 本体板
230A 上部調整板
230B セットスプリング
230C 調整ロッド
231 当接板
232 通し段部
233 排除スリット
235 案内基板
236 ガイドロッド
237 クッションスプリング
24 可動シフタ
241 トグルリンク
241a ドライブリンク
241b ドリブンリンク
242 リンクピボット
242a ベースピボット
242b 中折ピボット
242c シフト作用ピボット
242d シフト入力ピボット
243 アクチュエータ
243a シフトロッド
3 マスキング装置
3M マスキング材
31 テンションガイド
311 スライド孔
312 マスキング材通し孔
32 支持ステー
321 ガイドピン
33 スライドシフタ
33a シフトロッド
34 給糸プーリ
35 回収プーリ
36 ガイドリング
37 回収巻取軸
M2 回収モータ
4 姿勢回転装置
41 クランプパッド
41a パッドロッド
42 押込シリンダ
43 回転ボス
44 回転アーム
45 回転シフトシリンダ
45a シリンダロッド
5 コンベヤ装置
51 ストレージコンベヤ
52 繰出コンベヤ
53 受入コンベヤ
54 取出コンベヤ
55 排出コンベヤ
6 洗浄槽
7 乾燥トンネル
Claims (10)
- インクジェットプリンタを主要部材とする加飾装置本体と、被加飾体である紙葉ブロックを保持する治具装置とを具え、加飾装置本体に対向的に位置する紙葉ブロックの一端面を被加飾面として、前記加飾装置本体を被加飾体の被加飾面に作用させ、所望の加飾処理を行う装置において、
前記治具装置には、紙葉ブロック保持部が形成されるものであり、この紙葉ブロック保持部は、紙葉ブロックを下方から支持する載置テーブルと、加飾処理される状態における紙葉ブロックの積層面を対向的に押圧保持する一対の積層面押圧板と、この積層面押圧板に対し平面視で直交方向に整列配置される一対の端面案内体とにより囲まれて、上方が開放されている空間として形成されているものであり、この紙葉ブロック保持部の上縁部の全部または一部の範囲にはマスキング装置の構成部材である細紐状のマスキング材が配置され、紙葉ブロックにおける加飾中の端面以外の部位へのインクの付着を防止するように構成されていることを特徴とする紙葉ブロックの加飾装置。
- 前記マスキング材は、長く連続した細紐状のものであり、加飾処理が行われる都度、マスキング材が移動し、常にマスキング材の新規部位により紙葉ブロックの角部を保護していることを特徴とする請求項1記載の紙葉ブロックの加飾装置。
- 前記マスキング材は、紙葉ブロック保持部を区画している積層面押圧板と、端面案内体との双方または少なくとも端面案内体に設けられるものであり、それらにおける上縁部内側に形成される通し段部に案内されていることを特徴とする請求項1または2記載の紙葉ブロックの加飾装置。
- 前記通し段部は、積層面押圧板、端面案内体の上部調整板に対し、その内側に薄板状の当接板を設け、この当接板の上端高さを上部調整板の上端高さより低く設定することにより構成したことを特徴とする請求項3記載の紙葉ブロックの加飾装置。
- 前記当接板は、上部調整板と間隙を保って設けられ、この間隙を飛散インクの排除スリットとしたことを特徴とする請求項4記載の紙葉ブロックの加飾装置。
- 前記マスキング材は紙葉ブロック保持部から外れた位置において、マスキング装置の構成部材であるテンションガイドにより一定の張力を付与されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の紙葉ブロックの加飾装置。
- 前記マスキング装置は、紙葉ブロック保持部から外れた位置にテンションガイドが設けられ、このテンションガイドはマスキング材を案内するマスキング材通し孔を有し、且つこのマスキング材通し孔はマスキング材のテンション解除時には高さ方向において、前記通し段部を見通す位置に設けられるものであることを特徴とする請求項3記載の紙葉ブロックの加飾装置。
- 前記テンションガイドは、側面視で前記通し段部の位置を通り、紙葉ブロック保持部の外側において斜め下方に降下する動作線上に沿って摺動自在に設けられ、前記マスキング材通し孔の位置を通し段部から斜め外側に降下する位置に移動させるようにして、マスキング材に対するテンション付与を行うことを特徴とする請求項7記載の紙葉ブロックの加飾装置。
- 前記載置テーブルは、昇降自在に構成され、上下方向にわたって上方から加飾レベル、回転レベル、受入・取出レベルの少なくとも3位置で停止状態を維持できるようにするものであり、加飾レベルでは載置テーブルは紙葉ブロック保持部の底部を構成し、回転レベルでは載置テーブルは紙葉ブロックを姿勢回転装置の位置に支承し、受入・取出レベルでは載置テーブルはコンベヤ装置に臨むように構成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の紙葉ブロックの加飾装置。
- 集客施設の適宜の場所に前記請求項1から9いずれかに記載の紙葉ブロックの加飾装置を設置し、客の指定した画像データをコントローラに取り込み、この画像データに基づき、紙葉ブロックの加飾装置における加飾装置本体を作動させ、紙葉ブロック保持部に保持した紙葉ブロックにおける切断端面の一つの面または複数の面に前記取り込んだ画像データに基づいた画像をインクジェットプリンタにより現出させることを特徴とする紙葉ブロックの加飾装置を用いた集客施設における個別記念品の提供方法。
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