JP5858608B2 - インクジェット用弾性部材の洗浄方法 - Google Patents

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本発明はインクジェット用弾性部材の洗浄方法、特に該弾性部材に含まれる脂肪酸、脂肪酸類を除去するための洗浄方法に関する。
インクジェット記録ヘッドのインク流路に使用される弾性部材としては、シール部品、ゴム栓等が挙げられ、これらの材料にはゴム、エラストマー等が用いられている。インクジェット記録ヘッドは極微小な液滴を飛ばすため、インクを吐出するノズルの直径は小さく、例えば10μm以下である場合もある。そのためインク流路を構成する弾性部材から数μmの大きさの異物が排出された場合には、その異物がインクの吐出を妨げ印字不良を引き起こす場合がある。したがって、インクジェット記録ヘッドのインク流路に使用されるインクと接する弾性部材は、インクに溶けずに異物となる排出物が発生しない材料で構成されている必要がある。
特開平5−39499号公報
ゴムやエラストマー等により構成される弾性部材には、ポリマー重合時の添加剤、滑剤、可塑剤、内部離型剤、ブロッキング防止剤、その他様々な用途で脂肪酸及び脂肪酸類が使用される(特許文献1)。脂肪酸及び脂肪酸類は、材料からブリードしやすく、かつ水や有機溶媒に溶けにくい性質がある。そのため、インクジェット用弾性部材から脂肪酸及び脂肪酸類がインク中にブリードすると、インクに不溶の異物となって印字に不具合を与える場合がある。したがって、インクジェット用弾性部材には脂肪酸及び脂肪酸類の使用は避けた方がよいとも考えられる。
しかしながら、必要な物性や成形物を得るために脂肪酸及び脂肪酸類を使用しなければならない場合がある。この様な場合に成形物を洗浄して脂肪酸及び脂肪酸類を除去しようとしても、脂肪酸及び脂肪酸類は水や有機溶媒に溶けにくい性質があるため、洗浄による除去は困難である。一方、超音波洗浄のような機械的な洗浄によりインクジェット用弾性部材の表面に存在する脂肪酸及び脂肪酸類を除去することはできる。しかしながら、インクジェット用弾性部材は長期間インクに接した状態で使用されるため、インクジェット用弾性部材内部に含まれる脂肪酸及び脂肪酸類がブリードして再び異物となる。このため、インクジェット用弾性部材内部に存在する脂肪酸及び脂肪酸類についても洗浄により除去する必要がある。
上述したように、インクジェット用弾性部材全体から脂肪酸及び脂肪酸類を排除することが必要であるが、これまでインクジェット用弾性部材から脂肪酸及び脂肪酸類を十分に除去できる有効な洗浄方法はなかった。本発明は、インクジェット用途において印字に不具合を起こさないインクジェット用弾性部材の洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明に係るインクジェット用弾性部材の洗浄方法は、脂肪酸及び脂肪酸類の少なくとも一方を含有するインクジェット用弾性部材の洗浄方法であって、少なくとも水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと、非イオン性又はアニオン性の界面活性剤とを含み、pHが11以上である水溶液で構成される洗浄液1を用いて該洗浄液1を70℃以上に加温しながら該弾性部材を洗浄する洗浄第一工程と、該洗浄第一工程よりも後に行われ、少なくとも非イオン性又はアニオン性の界面活性剤を含み、アルカリを含まない水溶液で構成される洗浄液2を用いて該洗浄液2を加温しながら該弾性部材を洗浄する洗浄第二工程と、を含む。
本発明に係る洗浄方法によれば、インクジェット用途において印字に不具合を起こさないインクジェット用弾性部材を提供できる。
本発明に係る洗浄方法の洗浄対象であるインクジェット用弾性部材を備えるインクジェット記録ヘッドの構成を示す概略図である。 本発明に係る洗浄方法の洗浄対象であるインクジェット用弾性部材を備えるインクジェット記録ヘッドとインクタンクとの構成を示す概略図である。 本実施形態に係る洗浄方法の一例を示すフロー図である。
本発明に係る洗浄方法は、脂肪酸及び脂肪酸類の少なくとも一方を含有するインクジェット用弾性部材の洗浄方法である。本発明において脂肪酸類とは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの存在によって脂肪酸ナトリウム又は脂肪酸カリウムに変化する脂肪酸誘導体のことを示す。脂肪酸類としては、例えば脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩等が挙げられる。
脂肪酸及び脂肪酸類の具体例としては、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸メチル、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、オレイン酸アミド、オレイン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸ブチル、オレイン酸メチル、ヒドロキシオレイン酸、パルミチン酸、パルミチン酸アミド、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸メチル、ヒドロキシパルミチン酸等が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。なお、脂肪酸及び脂肪酸類はこれらに限らない。また、本発明における脂肪酸類には脂肪酸ナトリウム及び脂肪酸カリウムは含まれない。
前記脂肪酸及び脂肪酸類は水や有機溶媒に溶けにくい性質がある。したがって水や有機溶媒で単純に洗浄しても除去することができない。そこで本発明者らは化学反応を利用することで洗浄可能になることを見出した。すなわち、脂肪酸及び脂肪酸類をアルカリによる中和反応によって水に溶けやすい石鹸に変化させてから洗浄する。本発明において石鹸とは脂肪酸ナトリウム及び脂肪酸カリウムの少なくとも一方であり、前記脂肪酸及び脂肪酸類と比較して水への溶解性が大きい。
前記インクジェット弾性部材に含まれる脂肪酸及び脂肪酸類以外の材料は、例えばベースポリマーとして架橋ゴム、熱可塑性エラストマー等を含むことができる。また、該材料はステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸亜鉛等の内部離型剤を含むことができる。なお、該材料は洗浄により加水分解するようなエステル系の材料を含むことは好ましくない。
前記インクジェット用弾性部材としては、脂肪酸及び脂肪酸類の少なくとも一方を含有すれば特に限定されないが、例えばインクジェット記録ヘッドに用いられるインクシールやゴム栓等が挙げられる。インクシールとしては、例えば図1に示すインクジェット記録ヘッドのジョイントシール6が挙げられる。ジョイントシール6は流路プレート7とチッププレート5との間に配置され、インク流路を形成する部品の一つである。図2に示すように、インクタンク9からインク供給口10を通じて供給されたインクは、チップタンク8と流路プレート7とを溶着することで形成されたインク流路を通過する。さらに、インクはジョイントシール6、チッププレート5に設けられたインク流路を通り、最終的にチップ2に設けられたヒーターの熱により吐出される。
本発明に係る洗浄方法はアルカリである水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを利用した洗浄方法であり、少なくとも以下の二つの工程を含む。すなわち、脂肪酸及び脂肪酸類を脂肪酸ナトリウム又は脂肪酸カリウムに変える洗浄第一工程と、洗浄第一工程より後に行う脂肪酸ナトリウム又は脂肪酸カリウムを洗浄する洗浄第二工程とを含む。洗浄第一工程と洗浄第二工程の前後や間に別途洗浄工程やすすぎ工程を行ってもよい。しかしながら、脂肪酸ナトリウム及び脂肪酸カリウムは酸性水溶液で洗浄すると再び難溶性の脂肪酸に変化するため、洗浄第一工程以降に酸性洗浄液で洗浄することは好ましくない。
洗浄第一工程で使用される洗浄液1は、少なくとも水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと、非イオン性又はアニオン性の界面活性剤とを含み、pHが11以上である水溶液で構成される。洗浄液1のpHを11以上にすることで、効率的に脂肪酸及び脂肪酸類を脂肪酸ナトリウム又は脂肪酸カリウムに変えることができる。洗浄液1のpHは12以上であることが好ましい。
洗浄液1には非イオン性又はアニオン性の界面活性剤が配合される。インクジェット用弾性部材の具体例として挙げた前記インクシールやゴム栓等はインク流路を形成するために小さな穴を有している。穴の内部はインク流路と接しているため、穴の内部に洗浄液を浸透させて十分洗浄する必要がある。また、インクジェット用弾性部材は接液性を考慮して防着剤や充填剤等を使用しない部材、又は使用量を抑えた部材であることが多い。そのためインクジェット用弾性部材にはベタツキの大きい材料が用いられ、成型品同士が張り付きやすいことが多い。このような理由から本発明に係る洗浄方法では、小さな穴の内部まで洗浄液を浸透させるため、また成型品同士の張り付きを抑制するために、洗浄液1に非イオン性又はアニオン性の界面活性剤を配合する。
本発明に係る非イオン性又はアニオン性の界面活性剤は、前記効果が得られればその種類は特に制限されない。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミノポリオキシエチレン、ナフトールエチレンオキサイド付加物、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、N−メチル−N−オレオイルタウリン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
この中でも、前記界面活性剤としてはエチレンオキサイド付加体構造を有する界面活性剤であることが好ましい。特に、従来よりインク用途として知られているアセチレングリコールエチレンオキサイド付加物を界面活性剤として用いることが、インクジェット用弾性部材を大きく劣化させたり膨潤させたりすることがないため好ましい。
洗浄第一工程では、洗浄液1を70℃以上に加温しながらインクジェット用弾性部材を洗浄する。本発明に係る洗浄方法では、インクジェット用弾性部材の材料内部への洗浄液の浸透と、脂肪酸及び脂肪酸類自身のブリードとを利用して徐々に洗浄することができると考えられる。70℃付近に脂肪酸の融点があるため、融点以上の温度であれば脂肪酸のブリードの加速が期待できる。また、高温であれば洗浄液の浸透性の向上、さらに水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの中和反応も進行すると考えられるため、70℃以上での加温は有効である。さらに、PCT(プレッシャークッカーテスター)装置等を利用して100℃以上の高温と高圧を利用して洗浄してもよい。この条件では洗浄液の浸透と脂肪酸類のブリードが促進され、さらに洗浄効果が高まるため好ましい。洗浄温度は120℃以上であることが好ましい。
インクジェット用弾性部材は表面だけでなく内部まで洗浄する必要があるため、第一洗浄工程における洗浄時間はインクジェット用弾性部材の厚みによって適宜設定する必要がある。また、インクジェット用弾性部材を構成するベースポリマーの種類や脂肪酸及び脂肪酸類の種類によっても洗浄効果にある程度の差が発生するため、第一洗浄工程における洗浄時間はこれらの条件を考慮して適宜設定する必要がある。このような理由から一概に第一洗浄工程における洗浄時間を規定することはできない。しかしながら、例えばベースポリマーとしてのSEBS(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体)に脂肪酸アミドを配合した材料を用いた厚み1mm程度のインクジェット用弾性部材の場合、70℃で60分以上洗浄を行うことが好ましい。
なお、洗浄液1は水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの両方を含んでもよい。また、洗浄液1は非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の両方を含んでもよい。
洗浄第二工程は、洗浄第一工程よりも後に行われ、洗浄第一工程で洗浄しきれなかった脂肪酸ナトリウム又は脂肪酸カリウムを洗浄する工程である。
洗浄第二工程で使用される洗浄液2は、少なくとも非イオン性又はアニオン性の界面活性剤を含む水溶液で構成される。脂肪酸ナトリウム又は脂肪酸カリウムは加温することで大幅に溶解性が向上するため、洗浄液2を加温しながらインクジェット用弾性部材を洗浄する。洗浄液2による洗浄の洗浄温度は70℃以上であることが好ましい。
さらに脂肪酸ナトリウム及び脂肪酸カリウムをより効率よく洗浄するために、洗浄液2には有機溶媒を配合してもよい。脂肪酸ナトリウム及び脂肪酸カリウムは水よりもアルコールに溶けやすいため、洗浄液2にはアルコールが含まれることが洗浄効果をより向上させる観点から好ましい。アルコールとしては比較的沸点の高いエタノールやイソプロピルアルコールが好ましい。
洗浄液2に配合される非イオン性又はアニオン性の界面活性剤としては、洗浄液1に配合される界面活性剤と同様の界面活性剤を用いることができ、界面活性剤としての効果があればその種類は特に制限されない。洗浄時間についても洗浄第一工程と同様に、条件により適宜設定することができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[実施例1]
インクジェット用弾性部材として、図1に示すインクジェット記録ヘッドのジョイントシール6を使用した。ジョイントシール6の肉厚は0.9mmであった。ジョイントシール6のベースポリマーには、スチレン系熱可塑性エラストマーのSEBS[(株)クラレ製、商品名:セプトン8007]を用いた。なお、SEBSは、滑剤としてのポリプロピレン[日本ポリプロ(株)製、商品名:ノバテックPP BC05B]と、軟化剤としてのパラフィン[新日本石油(株)製、商品名:ダイアナプロセスオイルPW150]とを配合して使用した。配合量は、SEBS100質量部に対し、ポリプロピレン、パラフィンをともに30質量部配合した。また、内部離型剤としてステアリン酸アミド[日本化成(株)製、商品名:アマイドAP−1]を使用した。内部離型剤の配合量は、ベースポリマー100質量部に対し内部離型剤を1質量部とした。
実施例1における洗浄フローを図3に示す。ジョイントシール6の洗浄を、「洗浄第一工程」、「すすぎ」、「洗浄第二工程」、「すすぎ」、「水滴除去」、「乾燥」の順に行った。
洗浄第一工程では、水に8mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11とし、さらに濃度が1質量%になるように非イオン性界面活性剤[川崎ファインケミカル(株)製、商品名:アセチレノールE100]を配合した洗浄液1を用いた。使用する洗浄液1の量は、ジョイントシール6の質量に対して10倍の量とした。洗浄温度の調整は、ステンレス容器に洗浄液1とジョイントシール6とを入れ、ウォーターバスを用いて洗浄液1の温度が70℃になるように調整した。洗浄時間は3時間とした。洗浄第一工程の後、すすぎ工程を行った。すすぎ工程ではステンレス容器に水をはり、その中にジョイントシール6を浸す作業を数回行った。
洗浄第二工程では、水に濃度が1質量%になるように非イオン性界面活性剤[川崎ファインケミカル(株)製、商品名:アセチレノールE100]を配合した水溶液を洗浄液2として用いた。使用する洗浄液2の量は、ジョイントシール6の質量に対して10倍の量とした。洗浄温度の調整は、ステンレス容器に洗浄液2とジョイントシール6とを入れ、ウォーターバスを用いて洗浄液2の温度が70℃になるように調整した。洗浄時間は1時間とした。洗浄第二工程の後、洗浄第一工程の後と同様にすすぎ工程を行った。その後、エアーでジョイントシール6に付着した水滴を除去した後、ジョイントシール6を100℃に設定した恒温槽に3時間保管して乾燥させた。
(洗浄効果の評価)
洗浄効果の評価は、本実施例の洗浄方法で洗浄したジョイントシール6を用いてインクジェット記録ヘッドを作製し、60℃で1ヶ月保存した後に印字評価を行うことで判断した。以下に評価基準を示す。また、評価結果を表1に示す。
A:第一洗浄工程の洗浄時間が1時間以内で印字不具合が発生しなくなる。
B:第一洗浄工程の洗浄時間が1時間を超えて、3時間以内で印字不具合が発生しなくなる。
C:第一洗浄工程の洗浄時間が3時間の場合にも、印字不具合が発生する。
[実施例2〜15、比較例1〜6]
表1〜3に示す条件でジョイントシール6の洗浄を行った以外は実施例1と同様に行った。評価結果を表1〜3に示す。なお、SEBS以外のベースポリマーとしては、架橋ゴムのH−NBR[日本ゼオン(株)社製、商品名:Zetpol 1000L]、Cl−IIR[JSR(株)社製、商品名:CHLOROBUTYL 1066]を使用した。H−NBR及びCl−IIRにはSEBSに配合したポリプロピレン及びパラフィンは配合しなかった。ステアリン酸アミド以外の内部離型剤としては、ステアリン酸[(株)ADEKA社製、商品名:アデカ脂肪酸SA−200]、ステアリン酸亜鉛[日油(株)製、商品名:ジンクステアレートGF−200]を使用した。アニオン性界面活性剤としては、アデカコールEC[(株)ADEKA社製]を使用した。実施例3、5、14及び15において、洗浄温度の調整はステンレス容器に洗浄液1とジョイントシール6とを入れ、PCT(プレッシャークッカーテスター)を使用して120℃に調整した。
Figure 0005858608
Figure 0005858608
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実施例1〜15に示すように、本発明に係る洗浄方法で洗浄したジョイントシール6を使用したインクジェット記録ヘッドは、洗浄効果の評価において印字不具合が発生しなかった。一方、比較例1〜4に示すように、洗浄第一工程、洗浄第二工程を実施しない場合や、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのアルカリ成分並びに界面活性剤を使用しない場合には、十分な洗浄効果が得られないことが分かった。また、pHや洗浄温度が低い場合にも十分な洗浄効果が得られないことが分かった。
実施例1に対して実施例2では洗浄液のpHを上げているが、pHを上げることで洗浄効果が高くなることが分かった。実施例1と実施例3、実施例4と実施例5は、それぞれ洗浄温度が異なるが、洗浄温度を上げることで洗浄効果が高くなることが分かった。実施例2、4、6、7及び8は洗浄条件が同一で、ベースポリマーと内部離型剤との組み合わせが異なるが、組み合わせが異なる場合にも十分な洗浄効果が得られることが分かった。実施例9、10及び11より、界面活性剤の種類と配合量を変化させた場合にも十分な洗浄効果が得られることが分かった。実施例12及び13は洗浄第二工程の洗浄液2にイソプロピルアルコール、エタノールをそれぞれ加えた例、実施例14及び15はさらに洗浄温度を上げた例である。これらの例と実施例1とを比較した場合、洗浄液2にアルコールを加えることで洗浄効果が高くなることが分かった。
以上のように本発明に係る洗浄方法を使用すれば印字に不具合の無いインクジェット用弾性部材を提供できる。
1 PWB
2 チップ
3 ねじ
4 マクラ
5 チッププレート
6 ジョイントシール
7 流路プレート
8 チッププレート
9 インクタンク
10 インク供給口

Claims (9)

  1. 脂肪酸及び脂肪酸類の少なくとも一方を含有するインクジェット用弾性部材の洗浄方法であって、少なくとも水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと、非イオン性又はアニオン性の界面活性剤とを含み、pHが11以上である水溶液で構成される洗浄液1を用いて該洗浄液1を70℃以上に加温しながら該弾性部材を洗浄する洗浄第一工程と、該洗浄第一工程よりも後に行われ、少なくとも非イオン性又はアニオン性の界面活性剤を含み、アルカリを含まない水溶液で構成される洗浄液2を用いて該洗浄液2を加温しながら該弾性部材を洗浄する洗浄第二工程と、を含むインクジェット用弾性部材の洗浄方法。
  2. 前記洗浄第二工程において、前記洗浄液2による洗浄の洗浄温度が70℃以上である請求項1に記載のインクジェット用弾性部材の洗浄方法。
  3. 前記洗浄液1及び前記洗浄液2に含まれる界面活性剤の少なくとも一方がエチレンオキサイド付加体構造を有する請求項1又は2に記載のインクジェット用弾性部材の洗浄方法。
  4. 前記洗浄液1及び前記洗浄液2に含まれる界面活性剤の少なくとも一方がアセチレングリコールエチレンオキサイド付加物である請求項3に記載のインクジェット用弾性部材の洗浄方法。
  5. 前記洗浄液1に含まれる界面活性剤がアニオン性の界面活性剤である請求項1又は2に記載のインクジェット用弾性部材の洗浄方法。
  6. 前記洗浄液2が、非イオン性又はアニオン性の界面活性剤と、水とからなる水溶液である請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェット用弾性部材の洗浄方法。
  7. 前記洗浄液2が少なくともアルコールと、非イオン性又はアニオン性の界面活性剤とを含む水溶液で構成される請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェット用弾性部材の洗浄方法。
  8. 前記洗浄液2が、非イオン性又はアニオン性の界面活性剤と、アルコールと、水とからなる水溶液である請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェット用弾性部材の洗浄方法。
  9. 前記洗浄第一工程において、前記洗浄液1による洗浄の洗浄温度が120℃以上である請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット用弾性部材の洗浄方法。
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