JP5856964B2 - 結合装置 - Google Patents

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Description

本出願は、2009年10月8日に出願された米国仮出願番号第61/249,779号に対する優先権を主張する非仮出願で、その全開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、源、および、源を測定器または他の装置に結合するための装置に関する。
より詳細には、ある実施形態は、所望の方法で相互結合するために構成されたアセンブリに関する。
多くの装置は、イオンまたは粒子を提供するために、イオン源または電子源を使用する。装置への源の挿入の間、装置内で源を保持するために、機械的締結部材が、典型的に用いられる。源は、洗浄のために除去を必要とする場合もあり、装置または測定器に源を再挿入する際に、損傷を受けやすい。
第1の態様では、可動部材を備えたアセンブリが、第1の方向に運動による軸方向の力を提供し、第2の方向に運動による軸方向の力を解放するように構成され、および、固定部材が、可動部材に結合して、可動部材から軸方向の力を受けるように構成され、固定部材が、可動部材からの軸方向の力の供給に応じて装置の封止面での封止を提供するように構成された。
ある実施形態では、可動部材は、第1の方向への可動部材の回転に応じて固定部材に軸方向の力を提供する回転可能な部材として構成できる。他の実施形態では、提供された軸方向の力は、第1の方向から第2の方向への回転に応じて解放できる。一部の実施形態では、可動部材は、軸方向の力と同じ方向への可動部材の押下に応じて、軸方向の力を提供するように構成できる。ある実施例においては、可動部材は、固定部材上のスレッドの係合に応じて、軸方向の力を提供するように構成できる。他の実施例においては、固定部材は、軸方向の力を提供する可動部材の運動を受けても固定されたままであるように構成できる。一部の実施例においては、装置は、装置にアセンブリを配置するために、可動部材の溝穴に対応するように構成された少なくとも1つのピンを備える。追加的な実施例においては、固定部材は、装置でアセンブリを整合するために、装置の別のピンに対応するように構成された溝穴を含むことができる。一部の実施形態では、可動部材の回転は、固定部材の実質的な回転運動なしに、固定部材に軸方向の力を提供するように働く。更なる実施形態では、可動部材は、いかなる外部の締結部材を用いずに封止を提供する軸方向の力を提供するように構成できる。
ある実施形態では、可動部材はカム固定装置として構成することができ、この装置は測定器ハウジングである。他の実施形態では、カム固定装置は、バネ式の軸によって、固定部材に結合できる。更に他の実施形態では、測定器ハウジングは、カムが軸方向の力を提供するために回転するとすぐにカムを係止するデテントを有したガイドブロックを備える。一部の実施形態では、測定器ハウジングは、真空ポートに軸方向の力を提供するために、カムで溝穴を摺動するピンを含むことができる。ある実施例においては、固定部材は、カムでの溝穴に沿ったピンの円周摺動の間、固定部材の運動を防止するために、測定器ハウジングの別のピンに結合する。一部の実施例においては、可動部材は、軸方向の力を提供するために、1個以上の可動部材を備える。他の実施例においては、アセンブリは、単一の向きだけに、装置に挿入されるように構成できる。更なる他の実施例においては、装置は、単一の向きだけにアセンブリの挿入ができるようにするために、180度以外の角度で並置された一連のピンを備える。追加的な実施例においては、アセンブリは、ピンの一群からピンに対応するように配置された少なくとも1つの溝穴を備える。
追加的な態様では、可動部材および可動部材に結合した固定部材を備える源アセンブリが、提供される。ある実施例においては、可動部材は、第1の方向に運動による軸方向の力を提供し、第2の方向に運動による軸方向の力を解放するように構成できる。一部の実施形態では、固定部材は、可動部材からの軸方向の力を受けるように構成できる。ある実施例では、固定部材は、真空ポートに結合した源を備えることができる。一部の構成では、真空ポートは、可動部材からの軸方向の力の供給に応じて、装置の真空室の封止面で実質的な流体密封を提供するように構成できる。
ある実施例においては、源は、イオン源、電子源または他の適した源とすることができる。他の実施例においては、可動部材は、第1の方向への可動部材の回転に応じて、固定部材に軸方向の力を提供する回転可能な部材として構成できる。追加的な実施例においては、提供された軸方向の力は、第1の方向から第2の方向への回転に応じて解放できる。一部の実施例においては、可動部材は、軸方向の力と同じ方向への可動部材の押下に応じて、軸方向の力を提供するように構成できる。他の実施例においては、可動部材は、固定部材上のスレッドの係合に応じて軸方向の力を提供するように構成できる。ある実施形態では、固定部材は、軸方向の力を提供する可動部材の運動を受けても固定されたままであるように構成できる。
追加的な実施形態では、装置は、装置に源アセンブリを配置するために、可動部材の溝穴に対応するように構成された少なくとも1つのピンを備えることができる。他の実施形態では、固定部材は、装置で源アセンブリを整合するために、装置の別のピンに対応するように構成された溝穴を備えることができる。更なる実施形態では、可動部材の回転は、固定部材の実質的な回転運動なしに、固定部材に軸方向の力を提供するように働くことができる。更なる実施形態では、可動部材は、いかなる外部の締結部材を用いずに実質的な流体密封を提供する軸方向の力を提供するように構成できる。
ある実施例においては、可動部材はカム固定装置として構成することができ、この装置は測定器ハウジングであるか、または、測定器ハウジング内に配置される。他の実施例においては、カム固定装置は、バネ式の軸によって、真空ポートに結合できる。一部の実施例においては、測定器ハウジングは、カムが軸方向の力を提供するために回転するとすぐにカムを係止する1つ以上のピンを備えた、ガイドブロックを備えることができる。追加的な実施例においては、測定器ハウジングは、真空ポートに軸方向の力を提供するために、カムで溝穴を摺動するピンを備えることができる。ある実施例においては、固定部材は、カムでの溝穴に沿ったピンの円周摺動の間、固定部材の運動を防止するために、測定器ハウジングの別のピンに結合できる。
一部の実施例においては、可動部材は、軸方向の力を提供するために、1個以上の可動部材を備えることができる。他の実施例においては、源アセンブリは、単一の向きだけに、装置に挿入されるように構成できる。他の実施例においては、装置は、単一の向きだけにアセンブリの挿入ができるようにするために、180度以外の角度で並置された一群のピンを備えることができる。更なる実施例においては、源アセンブリは、ピンの一群からピンに対応するように配置された少なくとも1つの溝穴を備えることができる。
別の態様では、測定器ハウジングへの源アセンブリの結合および結合したカプラの運動に応じて源アセンブリと測定器ハウジングの真空室の間に実質的な流体密封を提供するために、測定器ハウジングに源アセンブリを結合するように構成されたカプラを備える源アセンブリが説明される。
ある実施形態では、カプラは、測定器ハウジングのピンに結合するように構成された溝穴を含むことができる。他の実施例においては、ピンは、源アセンブリが単一の向きに測定器ハウジングに結合するように、測定器ハウジングで方向付けられる。一部の実施例においては、カプラは、回転に応じて、いかなる外部の締結部材も使用せずに実質的な流体密封を提供するように構成できる。追加的な実施例においては、カプラは、結合したカプラの回転に応じて源アセンブリと測定器ハウジングの間に実質的な流体密封を提供するために、組み立ておよび配置可能なカムとして構成できる。
他の実施形態では、カプラは、一連の溝穴を備えることができる。一部の実施形態では、一連の溝穴は、源アセンブリが単一の向きに測定器ハウジングに結合するように、並置できる。ある実施形態では、測定器ハウジングは、源アセンブリの挿入を止めるように構成されたガイドブロックを備えることができる。一部の実施例においては、ガイドブロックは、実質的な流体密封を提供するためにカプラが回転するときに、所定の位置に源アセンブリを係止するデテントを含むことができる。更なる実施例においては、カプラは、真空室に源アセンブリを封止するために、縦軸の周囲を回転し、軸方向の力が加えられるように、構成できる。一部の実施例においては、カプラは、測定器ハウジングのガイドピンに結合するように構成された第1の溝穴を備える把手として構成することができ、把手の回転は、真空室へ向かって軸方向に源アセンブリを付勢するように働く。ある実施形態では、源アセンブリは、測定器ハウジングへの源アセンブリの挿入から実質的な流体密封の提供まで5秒未満でカプラの回転に応じた実質的な流体密封を提供するために、真空ポートに結合するように構成できる。
ある実施例においては、カプラは、把手を有するカムとして構成することができ、カムは、バネ式の中央軸によって、真空ポートに結合し、源アセンブリは、測定器ハウジングのガイドブロックの孔に結合するように寸法が決められそして配置されたハウジングを備え、ガイドブロックは、真空ポートの溝穴および把手の溝穴に結合するように構成および配置された一群のピンを更に備え、溝穴へのピンの挿入およびこれに続く把手の回転は、真空ポートと真空室の封止面との間に実質的な流体密封を提供する。一部の実施例においては、真空ポートは、把手の回転の間、実質的に固定されたままであるように構成できる。他の実施例においては、カムは、反対方向への把手の回転に応じて、結合した源アセンブリを分離するように構成される。例えば、ガイドは軸方向に源を配置するように構成することができ、溝穴は、例えば、源の部材の損傷を防止するために、源を回転可能に配置するように存在および構成できる。
ある実施形態では、カプラは、源アセンブリの残部が固定されたまま、源アセンブリと真空室の間に実質的な流体密封を提供するために、回転するように構成できる。他の実施形態では、測定器ハウジングのピンは、カプラの回転の間、源アセンブリの残部の固定を維持するように構成できる。一部の実施形態では、カプラの溝穴は、カプラの回転の間、測定器ハウジングの別のピンと係合するように構成できる。更なる実施形態では、デテントは、溝穴に存在し、適切な位置で別のピンを係止するように構成できる。
追加的な実施形態では、カプラは、第1プッシュによって、軸方向の力を提供し、第2プッシュよって軸方向の力を解放する押しボタンとして構成できる。
追加的な態様では、装置に源アセンブリを結合させる方法が、提供される。ある実施例においては、この方法は、源アセンブリを装置の真空室に挿入すること、および、真空室に源アセンブリを結合するために、挿入された源アセンブリの可動部材の運動によって、真空室に源アセンブリを封止することを含む。一部の実施例においては、この方法は、外部の締結部材を使用せずに実施できる。
ある実施形態では、この方法は、真空室と源アセンブリ間に封止を提供するために可動部材を回転させることを含むことができる。他の実施形態では、この方法は、真空室を含む測定器ハウジングのピンが可動部材の溝穴のデテントを係合するまで、可動部材を回転させることを含むことができる。
更なる実施形態では、この方法は、真空室と源アセンブリ間に封止を提供するために、可動部材のボタンを押下させることを含むことができる。追加的な実施形態では、この方法は、真空室と源アセンブリ間の封止を解放するために、2度目のボタンを押下させることを含むことができる。
ある実施例においては、この方法は、可動部材に結合した固定部材を有する源アセンブリを構成することを含むことができ、真空ポートを備える固定部材が、可動部材の運動に応じて真空室の封止面に封止されるように構成される。一部の実施例においては、この方法は、把手を有するカムとして可動部材を構成すること、および、カムの把手の回転に応じて封止を提供することを含むことができる。
追加的な実施例においては、この方法は、封止を提供するために、真空室を含んだ装置のスレッドに可動部材のスレッドを係合することを含むことができる。更なる実施例においては、この方法は、封止を提供するために、他の部材の穴と1つの部材のピンを結合することを含むことができる。
別の態様では、測定器ハウジングへの源アセンブリの結合および結合したカプラの運動に応じて源アセンブリと測定器ハウジングの真空室の間に実質的な流体密封を提供するために、質量分析計の測定器ハウジングに源アセンブリを結合するように構成されたカプラを備える源アセンブリを備えた質量分析計が提供される。
ある実施形態では、源アセンブリは、第1の方向に運動による軸方向の力を提供し、第2の方向に運動による軸方向の力を解放するように構成された可動部材を含むことができる。一部の実施形態では、源アセンブリは、可動部材に結合し、可動部材から軸方向の力を受けるように構成された固定部材を含むことができる。他の実施例においては、固定部材は、真空ポートに結合した源を含むことができ、真空ポートは、可動部材からの軸方向の力の供給に応じて質量分析計の測定器ハウジングの真空室の封止面に実質的な流体密封を提供するように構成される。ある実施例においては、可動部材は、軸方向の力と同じ方向への可動部材の押下に応じて、軸方向の力を提供するように構成できる。他の実施例においては、可動部材は、可動部材上のスレッドの装置上のスレッドとの係合に応じて軸方向の力を提供するように構成できる。
一部の実施形態では、質量分析計と共に使用されるカプラは、外部の締結部材を使用せずに軸方向の力を提供するように構成できる。他の実施形態では、質量分析計と共に使用されるカプラは、把手を有するカムとして構成できる。ある実施形態では、カムは、バネ式の中央軸によって、真空ポートに結合し、源アセンブリは、測定器ハウジングのガイドブロックの孔に結合するように寸法が決められそして配置されたハウジングを備えることができる。一部の実施例においては、ガイドブロックは、真空ポートの溝穴および把手の溝穴に結合するように構成および配置された一群のピンを更に備え、溝穴へのピンの挿入およびこれに続く把手の回転は、真空ポートと真空室の封止面との間に実質的な流体密封を提供する。他の実施例においては、真空ポートは、把手の回転の間、実質的に固定されたままであるように構成できる。追加的な実施例においては、源アセンブリは、イオン源とすることができる。更なる実施例においては、測定器ハウジングは、単一の向きだけに源アセンブリの挿入ができるようにするために、180度以外の角度で並置された一群のピンを含むことができる。ある実施例においては、質量分析計は、質量分析計に流体学的に結合した流体クロマトグラフィシステムを含むことができる。
追加的な特徴、態様、実施例および実施形態は、下でより詳細に説明される。
ある実施形態が、以下の図に関連して説明される。
ある実施例による、イオン源の説明図である。 ある実施例による、可動部材および固定部材を含んだ源アセンブリの説明図である。 図3Aおよび図3Bは、ある実施例による、押し下げられるプランジャを有する可動部材を含んだ源アセンブリの説明図である。 ある実施例による、外部のスレッドを有する可動部材を含んだ源アセンブリの説明図である。 ある実施例による、装置ハウジングを係合できる伸長可能なバネ式のピンを含んだ源アセンブリの説明図である。 図6Aおよび図6Bは、ある実施例による、ハウジングへの源アセンブリの挿入を示した説明図である。 図7A〜図7Cは、ある実施例による、ハウジングへの源アセンブリの挿入およびそれに続く源アセンブリの可動部材の回転を示した説明図である。 ある実施例による、質量分析計のブロック図である。 ある実施例による、質量分析計に流体学的に結合した流体クロマトグラフのブロック図である。 ある実施例による、源アセンブリ、および、質量分析計の真空室の説明図である。 ある実施例による、質量分析計ハウジングのガイドピン、および、源アセンブリの把手の溝穴を示した説明図である。 ある実施例による、可動部材および固定部材ならびに2つの部材に結合可能なプランジャの説明図である。 ある実施例による、固定部材のプランジャを受けることができる可動部材上のデテントを示した、図12の可動部材および固定部材の断面図である。
より使いやすいバージョンの図を提供するために、図のある寸法または特徴が、拡大、変形、または、非慣習的もしくは均整のとれない異なった方法で図示される可能性があることを、本開示の恩恵を受けた、当業者には認識されたい。下記の説明で寸法が特定される場所では、寸法は説明の便宜上提供されるだけである。可動部材が移動する場所では、運動の量または角度は重要でなく、存在するさまざまな部材の正確な構成に応じて変化してもよい。
本明細書で説明される装置のある実施形態は、壁または接触面を通過して装置またはより大きな部材に整合および/または密封できるアセンブリを提供するために、使用できる。一部の実施例においては、アセンブリは、真空室または圧力容器で使用可能で、他の実施例においては、アセンブリとアセンブリが結合した装置との間を零差圧とすることができる。ある実施例においては、アセンブリは、源と共に使用することができ、この源としては、イオン源、電子源、イオンビームシステム、電子ビームシステム、イオン銃もしくは電子ビームを伴ったシステム、または、測定器もしくはシステムの所望の領域もしくは空間に粒子もしくはイオンを提供する粒子源が挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施形態では、源アセンブリが、測定器ハウジングへの挿入の間に、損傷を受ける可能性がある。科学計測は、多くの場合、高感度部材が真空室内に正確に配置されることを必要とする。実施例としては、質量分析計のイオンまたは電子源が挙げられる。システム性能の減少または費用のかかる修理の原因となり得る、ユーザによる精密なイオン光学部品の真空室の側壁への不注意な衝突による損傷を防止するために、これらの源は、正確な半径方向の位置決定を必要とする。大部分の真空システムは、密封を維持するためにねじの締着を必要とするアクセスポートを有する。これらのねじは時間がかかり、そしてユーザが扱いにくい。他の真空ポートは、真空室に挿入される部材を正確に配置sされない迅速な接続カム機構によって開示される(米国特許第4,998,004号参照)。迅速な密封を達成する機構であるが、残念なことに、これらの方法は、室内での正確な位置決定および迅速な出し入れ方法を提供しない。
本明細書において、説明されるある実施形態は、上記の方法でのユーザによる源の損傷の可能性を、減少または回避可能な、真空室内に高感度部材を配置または組み立てできる源アセンブリを提供する。更に、ユーザは、工具を必要とせずに容易に部材を出し入れすることができる。ある実施形態に関して本明細書で説明されるように、追加的なハードウェアまたは締結部材は、真空室内に源などの部材を固定するために必要でない。本明細書において、説明される源アセンブリの実施形態は、アクセスポートのねじり運動が許されず、ねじまたは追加的な締結部材以外で真空室にアクセスポートを固定および封止することが望ましい場合に、源の高感度部材への損傷を防止しながら、半径方向および軸方向の正確な整合を提供できる。
ある実施例においては、本明細書で説明される源アセンブリとしては、一般的に、測定器などの装置の真空室に封止を提供するために構成および配置されたカプラが挙げられる。一部の実施例においては、本明細書において、説明される源アセンブリのカプラは、多くの異なる構成および方法で構成できる。ある実施例においては、カプラは、源アセンブリと真空室との間に実質的な流体密封を提供するために、真空室の封止面へ向かって軸方向に源アセンブリを付勢するよう構成できる。他の実施例においては、カプラは、測定器ハウジングへの源アセンブリの誤った挿入を防止するように、1つ以上の機構で構成できる。追加的な実施例においては、カプラは、真空ポートを備えた固定部材に結合または接続できる。カプラの動作中、真空ポートと真空室の間に実質的な流体密封を提供するために、真空室の封止面へ向かって真空ポートを付勢するように、カプラの運動を作動させることができる。必要に応じて、カプラは、いかなる外部の締結部材も使用せずに実質的な流体密封を提供するように適切に構成された設計とすることができる。これらの構成および、他の構成は、以下でより詳細に説明される。
ある実施形態では、迅速に測定器に結合および分離するように本明細書で提供された源アセンブリの性能によって、洗浄または修理のために源アセンブリを簡単および敏速に除去できる。カプラは、点検のために必要な休止時間が短くなるように、源アセンブリ部材の測定器への適切な挿入および整合を容易にするよう設計できる。例えば、源アセンブリが質量分析計に存在している場所で、源アセンブリを、いかなる工具も使用する必要なく除去することができ、分解および清掃、そして、次の動作のために再組み立ておよび測定器ハウジングへ再結合できる。
ある実施形態では、カプラはイオン源アセンブリに存在可能である。イオン源アセンブリの1つの説明図が図1に示される。典型的なイオン源は、例えば、反射電極110、フィラメント120、ならびに複数のレンズ130、140および150を含んだ、多数の部材をハウジング100に含むことができる。電子は、フィラメント120が加熱されたとき、フィラメント120から放出可能となる。電子は、陽極125とフィラメント120間の電位差を用いて、陽極125の方へ加速可能である。試料を備えたガス流105が、電子が加速される方向とは実質的に垂直に、提供可能となる。加速電子は、試料と衝突して、試料のイオン化、例えば、一価の陽イオンの製造を引き起こす。レンズ130と反射電極110との間に電位差を生じさせることによって、正に荷電したイオンは、レンズ130に引き寄せられる。レンズ130は、レンズ140および150とともに、所望の装置を通過するように、イオンビームの焦点を定めるかまたは操作できる。図1に示されるイオン源は例示的なものに過ぎず、異なるイオン源として、図1に示されるものとは異なる部材または別の部材を挙げることが可能である。例えば、ある構成ではフィラメントをイオン源主要部の外側に配置可能で、ある実施例では反射電極が存在できず、または、反射電極が穴もしくは間隙のない固体面の場合もある。他の構成では、源が陽極を含むことができず、ガスを図1の範囲外へ供給してもよく、および/または、イオンが負に荷電してもよい。個々の源の構成は高度に変化可能であるが、本明細書で説明されるカプラは、多くの異なる形式の源の構成で使用可能である。加えて、電子源および粒子源を含む異なる形式の源が、本明細書において、更に詳細に説明される。
ある実施形態では、本明細書で説明される源アセンブリを含んだ装置の動作中、測定器または装置内部の圧力が大気圧より実質的に低くなるような圧力差が一般的に存在する。低い圧力の使用により、干渉なしで、不要な種類から所望のイオンまたは粒子の、選択、方向または焦点を定めることが可能となる。低い作業圧力のため、本明細書で提供される源アセンブリは、所望の部分または接触面で、実質的な流体密封を提供することが望ましい。例えば、真空ポートと真空室との間に実質的な流体密封を提供するために、真空室の封止面と整合するように設計された真空ポートに、源アセンブリを結合することが可能である。このような封止は、不必要な漏れを防止し、例えば、真空室に流体学的に結合した1つ以上のポンプを使用して、大気圧より低い圧力での装置の動作を可能にする。本明細書で開示される源アセンブリの実施形態は、迅速な除去および挿入のために構成されると共に、実質的な流体密封を提供できる。
ある実施例においては、源アセンブリは、可動部材および固定部材を含むことができる。用語「可動」および「固定」は、便宜的な目的のために、そして、装置または測定器内への源アセンブリの挿入と関連して、使用される。源アセンブリが挿入されるとき、不整合とならないように、源、または、例えば真空ポートなどの源に接続した部材の一部が、縦軸に対して固定されたままであるのが望ましい。例えば、固定部材は縦軸に平行な方向に移動するのが望ましいが、挿入されるときに、源のための適切な中央線が維持されるように、軸外運動および回転運動が制限されるのが望ましい。固定部材としては、一般的に、所望の源部材、および、任意の真空ポートまたは真空室への装置の封止に適したその他の接触面が挙げられる。可動部材は、固定部材に結合することができ、真空室の封止面に固定部材を移動または押動するように、または、それ以外の場合、固定部材が封止面と結合もしくは対立するような力を提供するように作動できる。
ある実施例においては、可動部材および固定部材の厳密な構成を、変化させることができる。単一の源を提供および使用できるように、可動部材が固定部材に接続されるのが望ましい。しかしながら、エンドユーザが選択された形式の可動部材を固定部材に結合させることができるように、可動部材および固定部材を別々に実装することも可能である。これらの部材がエンドユーザにより結合される場所で、例えば、軸、ロッド、バネ、バネ式の軸、一連の締結部材などの、2つの部材が、源の動作の間、互いにしっかりと保持されるように、適したリンク機構または他のカプラが、2つの部材間で使用されてもよい。
ある実施形態では、互いに結合した可動部材および固定部材を含む源の1つの構成の側面図が、図2に示される。固定部材210は、バネ式の中央軸215を介して可動部材220に結合される。固定部材210としては、一般的に、例えば図1に関連して説明された源部材などの、さまざまな源部材が挙げられる。可動部材220は、矢印230の方向に軸方向の力を提供するように構成することが可能で、その結果、例えば、縦軸240を中心とした回転といった、可動部材220の運動が、矢印230の方向へ固定部材210に適用される力となる。軸方向の力は、結果として、矢印230の方向に、固定部材210を押しやられて外向きに保持させ、固定部材210と、固定部材210に対立または近接して静止した任意の面または表面との間に、嵌合をもたらす。
ある実施形態では、可動部材220が、所望の角度で縦軸240を中心に回転する。例えば、可動部材220がカムまたはカム固定装置として構成された場所で、封止面の方向へ固定部材210を付勢するのに十分な力を提供するために、30度以上、可動部材を回転させることができる。一部の構成では、可動部材220により提供される力の量を、可動部材220の更なる回転によって、増加させることができる。可動部材220が、源部材への損傷を生じさせる可能性のある不要な量の力を提供しないことが望ましい。一部の実施例においては、運動が所望範囲内に制限されるように、可動部材を構成することが可能である。例えば、回転する場所で、可動部材は、おそらく30度、45度、60度、90度、105度、120度、135度、150度、165度、180度またはこれらの例示的な値の間の任意の値の回転に、制限されてもよい。
ある構成では、可動部材自体の内部に止め具またはデテントを含むことによって、運動を制限することができ、その結果、2つの位置の間で運動が制限される。追加的な実施例においては、運動を無制限とすることが可能だが、所望の運動量の指針を与えるために、源アセンブリまたは源アセンブリが結合する予定の装置上の指示を使用できる。例えば、装置は、可動部材上の印で整合する第1の印を含むことができる。源アセンブリは装置に挿入され、そして、可動部材は可動部材上の印が装置上の印と整合するまで回転できる。このようにして、可動部材上に止め具または他の装置を含まずに、所望の力の量を固定部材に提供することが可能である。必要な場合には、印を窪みとして構成可能で、所望の固定位置に可動部材を保持するために、キーまたはピンを窪みに挿入できる。このようなキーまたはピンは、任意であり、装置への固定部材の適切な封止を提供するために必要とされるものではない。
ある実施例においては、例えばプランジャの押下が固定部材に軸方向の力を提供するように作動するようなバネ付きプランジャなどのプランジャ、または、ボタンによって、可動部材を構成できる。上記の実施例は、図3Aおよび図3Bで概略的に示される。図3Aに示されるように、ある実施形態では、源300は、固定部材310および可動部材320を含むことができる。可動部材320内のプランジャ315は、プランジャ315(図3B参照)の押下が、可動部材320から離れて固定部材310を押し、2つの部材310と320との間に空間325を生じさせる軸方向の力が加えられるように、固定部材310に結合される。プランジャ315の次の押下が、図3Aに示すように固定部材310を可動部材320の方へ戻らせるように、プランジャ315は、バネ付勢できる。可動部材310は、源アセンブリ300を装置に結合したら、装置から離れて可動部材を押すことができないように、装置または装置のハウジングに結合するのが望ましい。例えば、可動部材は外部の締結部材を使用して装置に結合310することができ、または、必要な場合には任意の外部の締結部材を使用せずに、例えば、可動部材310および/または装置のハウジングの一部であるピン、溝孔などで、装置に結合できる。
一部の実施例においては、可動部材は、源アセンブリが結合される装置のスレッドと噛み合う外部のスレッドを含むことができる。このようなスレッドは、図4に図示された源アセンブリに概略的に示される。源アセンブリ400は、中央軸415によって、可動部材420に結合した固定部材410を含み、中央軸は、固定部材410を固定したまま、可動部材420を回転させることができる。源400アセンブリ400の装置への挿入の間に、源は、装置(図示せず)の内部スレッド(雌ねじ)に噛み合うる外部のスレッド425に、挿入される。可動部材の回転は、例えば、時計回り方向に、源アセンブリ400を装置に固定することが可能である。固定部材410は可動部材420の回転の間では回転しないが、可動部材420の回転は固定部材410に軸方向の力を提供するように作動し、真空室の封止面の方向へ固定部材410を押す。源アセンブリ400は、所望のトルク設定まで締着できるか、または、後述するような質量分析測定器などの装置への源アセンブリ400の超過挿入を防止すべき指示または機構を含むことができる。一部の実施例においては、源アセンブリ400が挿入される装置は、可動部材420の運動の間、固定部材が回転できないように、固定部材410に係合または結合するピンなどの、1つ以上の係止機構を含むことができる。このような例示的な係止機構は、更に詳細に以下で説明される。
他の実施例においては、可動部材は、装置ハウジングの穴または開孔部に係合し、源アセンブリを装置に固定することが可能な、バネ式のピンなどの、バネ式機構を含むことができる。この構成の説明図は、図5Aおよび図5Bに示される。図5Aに示されるように、部分的に挿入された源アセンブリが固定部材510および可動部材530を含んだ、装置ハウジング510が示される。可動部材は、装置ハウジング510によって部分的に押下した状態の、バネ式のピン532および534を含む。源アセンブリが装置ハウジング510に更に挿入されると(図5B参照)、開孔部512および514に、バネ式のピン532および534がそれぞれ飛び出し、源アセンブリを所定の位置に固定して、装置ハウジング510の望ましい表面または部材に固定部材を封止する適切な配置および力を提供する。2本のピン532および534が、図5Aおよび図5Bに示されるが、2本未満または2本以上のピンも存在可能である。例えば、一定の軸方向の力を提供するために、120度互いに間隔を置いて配置された3本のピンを使用することが、望ましい場合もあり得る。3本以上のピンを伴う他の構成を、使用することも可能である。図示されていないが、プランジャの押下が、ピン532および534を後退させるために働き、装置ハウジングから源アセンブリを除去できるように、ピン532および534を可動部材530のプランジャに結合できる。例えば、プランジャの押下が、ピン532および534に結合したバネを押下させ、ピンを後退させ、そして、装置ハウジング510から源アセンブリを除去させることができる。
ある実施形態では、源アセンブリが結合する装置が、源アセンブリの1つ以上の機構と協調的な方法で作動する1つ以上の機構を含むことができる。装置への源部材の整合、装置への源アセンブリの適切な挿入の深さ、装置への源アセンブリの適切な向きでの挿入、または、装置への源アセンブリ挿入後の可動部材の適切な運動を含むが、これらに限定されない、いくつかの結果を提供するように、上記の機構を構成できる。
このような機構の説明図が、図6Aおよび図6Bに示される。測定器または装置ハウジング610は、源アセンブリ620の溝穴622に沿って摺動するかまたは滑合するように働くピン613を含むことができる。ハウジング610への源アセンブリ620の挿入の間、ピンは溝穴622の終端に載置されるまで、源アセンブリ610の縦軸に平行な方向へ移動する(図6B参照)。この構成は、装置ハウジング610への源アセンブリの超過挿入を可能にするが、軸方向の力を提供するように必ずしも作動しない。図2〜図5Bに関連して説明された機構などの、1つ以上の追加機構が、所望の軸方向の力を提供するために、可動部材で使用されてもよい。
一部の実施例においては、装置ハウジングへの源アセンブリの結合を容易にするために、装置ハウジング上に1個以上のピンを含むのが望ましい。2個以上のピンを含んだ装置ハウジングの説明図が、図7Aおよび図7Bに示される。図7Aに示されるように、装置ハウジング710は、ピン712および714を含む。源アセンブリは、固定部材720および可動部材730を含む。固定部材720および可動部材730は、また、これらの部材間を横切り、可動部材730内に垂直な部分を一般に有する溝穴735を含む。ハウジング710への源アセンブリの挿入の間、ピン714が溝穴735の端部に載置されるまで、ガイドピン712および714は、溝穴735を摺動する(図7B参照)。ピン712は固定部材720に隣接し、ピン714は可動部材730に隣接する。ピン714が溝穴735の垂直な腕部を摺動するように可動部材730は回転可能だが、ピン714の位置が固定部材720の回転運動を防止する。ピン714が溝735の垂直な腕の端部付近に位置するまで、可動部材730の回転は継続可能である(図7C参照)。固定部材720がハウジングの表面に押されるように、時計回りの方法による可動部材730の回転が、軸方向(図7A〜図7Cの上の方向)の力を提供できる。特に、固定部材730と、装置ハウジング710に存在する真空室封止面との間に封止を提供するために、可動部材730の回転運動が固定部材720によって、軸方向の運動に変換されるように、可動部材730は、バネ、カムまたは類似の部材で構成できる。
ある実施形態では、源アセンブリが結合される装置の1つ以上の機構または源アセンブリ自体の機構によって、可動部材の運動を、制限できる。図7A〜図7Cは、可動部材が回転可能な角度を制限するピンの使用を示す。一部の実施例においては、可動部材自体が、装置ハウジングへの超過挿入を防止するリップまたは蓋を含むことができる。例えば、リップを越えた源アセンブリの挿入を防止するために、可動部材の最外部が、測定器ハウジングより直径の大きなリップを含むことができる。同様に、半径方向の突起または延長部分を、装置への源アセンブリの極端な挿入を防止するために使用できる。ある実施例においては、源アセンブリの適切な挿入が迅速な方法で実行できるように、本明細書で説明された結合機構と組み合わせてこのような機構を使用するのが望ましい。
ある実施例においては、本明細書で説明されるカプラおよび源アセンブリは、多くの異なる形式の源として構成できる。例えば、カプラを、電子ビームを提供するために、電子源で使用できる。電子源の1つの構成は、陰極として機能するタングステンフィラメントを含む。電圧がタングステンフィラメントに印加されると、タングステンフィラメントは加熱し、電子を放出させる。放出された電子が陽極の方へ加速されて、電子ビームとしてカラムまたはガイドを通過するように、陽極は配置される。例えば六硼化ランタノイド、レニウムをベースとしたフィラメントなどの、タングステン以外のフィラメントが、タングステンに代わって使用可能で、電子源は、所望の結果を提供するのに適した、例えば電源装置、抵抗器などの電子機器を含むことができる。
他の実施例においては、カプラを、電界放出銃で使用できる。電界電子放出を引き起こすために十分な電位勾配がエミッタ面にあるように、Muller型のエミッタが近くの電極に対して数キロボルトの陰電位で保持されること以外は、電界放出銃は電子ビームと類似している。エミッタは、一般的に、例えばチップ半径約100nmまで鋭くした単結晶タングステンから通常製作される冷陰極型、または、高電界がある場合に障壁低下によって、熱電子放出が強化されるショットキー型のどちらかである。高温で電気伝導性が増加する珍しい性質を有する酸化ジルコニウムの層でタングステンチップを被覆することによって、ショットキーエミッタを製作できる。タングステンまたは六硼化ランタノイドチップのついたフィラメントなどの、従来の熱電子エミッタで達成可能なものより、直径が小さく、干渉性が良く、そして、電流密度または輝度が最高3桁大きい電子ビームを提供するために、電界放出銃が電子顕微鏡で使用可能である。走査電子顕微鏡法と透過電子顕微鏡法の両者での結果は、信号対雑音比および空間的分解能を大幅に向上させ、熱電子装置と比較してエミッタ寿命および信頼性を大いに増加させる。
ある実施例においては、本明細書で説明されるカプラおよび源アセンブリを、質量分析計で使用できる。質量分析計のイオン源が存在する場所で、検体を電離するためにイオン源を使用できる。質量分析計で使用されるイオン源はさまざまな部材を有することができ、質量分析計のある部材が以下で説明されるが、簡略化されたものでありこれらに限定されない。図8に示すように、質量分析計800は、質量分析器830に流体学的に結合したイオン源820と、流体学的に結合した導入システム810とを一般に含む。質量分析器830は、検出器840に流体学的に結合する。質量分析計の作業圧力は、真空システムを用いて大気圧以下となる(一般的に10−5〜10−8Torr)。
ある実施例においては、質量分析計800の導入システム810を、一般的に使用される任意の導入システムとすることができる。一般的に使用される任意の導入システムとしては、一括導入システム、直接プローブ添加、クロマトグラフィ導入システム、または、PerkinElmer Health Sciences社(Waltham、MA)から入手できる他の一般的な導入システムが挙げられるが、これらに限定されない。選択された特定の導入システムとは無関係に、導入システムは真空度の低下を最小にして、イオン源820に試料を導入できるように機能する。
一部の実施例においては、質量分析計800の質量分析器830を、一般的に使用される任意の質量分析器とすることができる。一般的に使用される任意の質量分析器としては、磁場分析器、飛行時間分析器、四極子マスフィルタ、例えば、四重極リニアイオントラップ、三次元四重極イオントラップ、オービトラップ、環状イオントラップを含むイオントラップ分析器、サイクロトロン共鳴、または、PerkinElmer Health Sciences社もしくは他の測定器製造業者から入手可能な他の質量分析器が挙げられるが、これらに限定されない。選択された質量分析器の形式とは無関係に、質量分析器830は、イオン源820から電離された試料を受け、そして、異なる質量電荷比を有するイオンを分離する能力を有する。
ある実施形態では、質量分析計830の検出器840を、質量分析で一般的に使用される任意の検出器の1つ以上とすることができる。質量分析で一般的に使用される任意の検出器としては、電子増倍管、ファラデーカップ、写真乾板、シンチレーション検出器、マイクロチャネルプレート検出器、および、他の検出器が挙げられるが、これらに限定されない。検出のために質量分析器から分離されたイオンを受けることができるように、検出器840は質量分析器830に流体学的に結合する。
ある実施例においては、イオン源を、気相源および脱離源およびこれらの組み合わせから選択してもよい。例えば、源を、電子イオン化源、化学イオン化源、電界イオン化源、電界脱離源、高速原子衝突源、二次イオン質量分析、レーザ脱離源、プラズマ脱離源、熱脱離、電気スプレー電離源、熱スプレー電離源、または、試料にイオン化剤のビームを提供するために、単独または併用で使用可能な他の源とすることができる。場合によっては、1個以上の源が質量分析計に存在可能で、ユーザが所望の源を選択してもよい。適した商業的な源アセンブリは、一般にPerkinElmer Health Sciences, Inc.製で、源部材と終端のレンズの整合を容易にし、そして、源アセンブリのハウジングに源部材を保持するために、本明細書に説明される技術と共に、この源アセンブリを使用できる。
ある実施形態では、本明細書で説明される質量分析計を、別の質量分析計または他の測定器と直列にして使用できる。直列型のMS/MSが使用される場所で、MS装置の少なくとも1つを、例えば整合機構または一群の整合機構を有した終端のレンズを含んで、本明細書で説明されるように構成できる。直列型の質量分析計の1つの用途は、質量分析(MSおよびMS/MS、それぞれ)による分子イオンおよびそれらのフラグメントの同定である。直列型の質量分析計は、第一段階で対象のプリカーサイオンを質量選別し、第二段階でイオンを分解して、第三段階でフラグメントを質量分析することによって、分子イオンの同定を実行する。直列型のMS/MS測定器は、空間で逐次的(例えば、衝突セルによって、分離した2つの四極子マスフィルタから成る)、または、時間で逐次的(例えば、単一の三次元イオントラップ)となり得る。
ある実施例においては、流体クロマトグラフおよび質量分析計を備えた測定器が提供される。「流体クロマトグラフ」という用語は、例えば、ガス、液体、超臨界流体といった流体を使用する多くの異なる形式のクロマトグラフィー装置を含むことを意味し、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、高速液体クロマトグラフ、キャピラリー電気泳動法、および、移動相と固定相間の検体の差異に基づいた区分を利用して、または、移動率の差異を利用して、流体で分離できる他のクロマトグラフが含まれるが、これらに限定されない。例示的な測定器が、図9に示される。測定器900は、質量分析計920に複合化された流体クロマトグラフ910を含む。流体クロマトグラフ910から質量分析計920への流体の流れを提供するのに適した導入口を通じて、流体クロマトグラフ910は複合化されてもよく、質量分析計は流体クロマトグラフ910で使用される圧力より低い圧力で一般に作動する。
本明細書で提供されるカプラおよび源アセンブリは、迅速組み立てによる恩恵を受けることができ且つイオン源または電子源を使用する追加的な装置を使用できる。例示的な装置としては、例えば、半導体製造において使用される、イオン注入のための装置が挙げられ、トランジスタ結合を形成するため、および、p−n接合のウェル領域にドーピングをするために、シリコンまたはGaAsウェーハにイオンを注入することによる、集積回路(IC)の製造に対して、一般的に使用されるが、これに限定されない。他の適した装置としては、分子線エピタキシのために使用される装置、スパッタリング装置、イオンチャネリング装置、ナノ粒子およびナノ構造ならびにイオンまたは電子を基板に向ける工程を操作する他の材料の製造ための処理装置が挙げられる。これらおよび他の使用は、本開示の恩恵を受ける当業者に理解されるだろう。
ある実施形態では、可動および固定部材が、可動および固定部材の溝穴の整合を維持するように働く1つ以上の内部カプラを含むことができる。例えば、源アセンブリが装置に結合されないときに可動部材の自由回転または運動を制限するために、固定部材の内部ピンを可動部材の内部穴に結合できる。一部の実施例においては、固定部材は、2つの部材の互いに関連した自由移動を防止するために、可動部材の内部デテントに結合するバネ式の内部プランジャを含むことができる。可動部材に対する十分な力の適用が内部カプラの分離をもたらすように、内部カプラは摩擦により互いに結合できる。他の構成では、結合した内部カプラを分離して、固定部材に対して可動部材が運動できるようにするために、ボタンなどを押下させることができる。
本明細書で提供される技術の、更にいくつかの実施形態を例示するために、ある例が、以下で説明される。
(実施例1)
例示的な源アセンブリが、図10に示される。この図には、測定器30に挿入される源アセンブリ4が示される。この構成では、源アセンブリが、他の装置を通過するバネ式の中央軸によって、真空ポート1に結合する。源アセンブリに真空ポートを結合させる方法が用いられてもよい。源アセンブリ4を真空室9に挿入するには、ユーザは、把手3を保持して、源をガイドブロック2の大きな孔に挿入する。把手3と孔の間に締りばめが提供されるように、孔は寸法が決められ、そして配置されるが、挿入中に把手表面と孔の間に相当な摩擦が生じるほど近くにはならない。真空ポート1および把手外径とガイドブロック2内径の間の締りばめは、測定器30の適切な中央線に沿って放射状に源アセンブリ4を配置するように働く。ガイドブロック2に圧入されたガイドブロックピンまたは突起15および20が、把手3および真空ポート1の溝穴と整合するまで、源アセンブリ4の更なる挿入は制限される。互いに対して180度以外の他の任意の角度で配置される、別の角位置での故意でない組み立ては、ガイドブロックピンと、把手3の対応する溝穴の、別のセットによって防止される。ガイドブロックのピンへの、源アセンブリ4の溝穴の整合は、印(図示せず)により容易となる。源アセンブリ4は、予め定められた長さまで更に挿入される。これらの2つの溝穴は、真空室9への源4の挿入を完全なものとするために、一直線上にある。一度源アセンブリ4が軸方向に完全に挿入されると、源アセンブリ4の封止装置7が、真空室9の封止面と接触をする。次にユーザは、真空ポート1の軸方向の力を真空室封止面に対して適用しているバネ8を圧縮するように作動する把手3を回転させる。真空ポート1は、ガイドブロックピン15によって、回転を防止される。バネは、肩付きねじ6によって、予め圧縮され、把手3およびバネ式のプランジャの、2本の溝によって、開放および閉鎖位置で係止するデテントを有する。把手3は、デテントで係止するかまたは音をたてて、バネを圧縮するまで回転される。装置を除去するために、ユーザは、真空室9の封止面に対する真空ポート1のバネ圧縮力を縮小させる逆方向へ、把手3を回転させる。真空ポート1は、ガイドブロックピン15によって回転を防止される。把手カム輪郭と、真空ポート1の溝穴とが共に整合するまで、ガイドブロックピン15および20は源アセンブリ4の除去を防止する。
ある実施形態では、ガイドピンおよび溝穴の詳細な図が、図11に示される。把手3は、溝穴12および溝穴13を含む。溝穴12および13は、一般に、互いに垂直である。源アセンブリは、ガイドピン15および20を用いて、測定器のガイドブロック2に挿入される。ピン15および20は、溝穴12および13へ摺動する。溝穴13の外端部分にピン15が挿入されると、把手3は回転し、円周方向に溝穴12に沿ってピン15を移動させて、源アセンブリと測定器の真空室との間に実質的な流体密封を提供するために、源アセンブリを測定器に結合する。
(実施例2)
固定部材および可動部材は、少なくともある期間にわたって2つの部材を互いに結合させる1つ以上の部材を含んでもよい。例えば、源アセンブリが洗浄のために測定器から除去されるときに、可動部材および固定部材を整合するように保つのが、望ましい場合がある。
除去を可能とすると同時に、整合を保持する1つの構成が図12に示される。源アセンブリは、可動部材1210および固定部材1220を含む。可動部材1210と固定部材1220の間には、可動部材1210および固定部材1220を整合するために効果的なプランジャ1230がある。動作中、プランジャ1230は、可動部材1210と固定部材1220の間に抵抗力を提供し、例えば、源アセンブリが、洗浄のために除去されるか、または、測定器ハウジングへの挿入前といった、源アセンブリ1200が装置外にあるときに、溝穴を整合しておくのを支援する。
図13は、可動部材1210および固定部材1220の断面図を示す。可動部材1220は、プランジャ1230に対応するように構成されたデテント1240を含むことができる。プランジャ1230がデテント1240にあるとき、可動部材1210および固定部材1220の溝穴は整合される。源アセンブリ1200が、例えば測定器ハウジングなどの、別の装置に結合しないときに、可動および固定部材の溝穴を確実に整合したままにするために、プランジャ1230のデテント1240への結合は、第2部材1230に対する可動部材1210の運動を阻止するように作動する。
本明細書で開示される実施例の要素を紹介するとき、冠詞「a(1つの)」「an(1つの)」「the(その)」および「said(前記)」は、1つ以上の要素があることを意味するものとする。用語「備える」、「含む」および「有する」は制限がなく、記載された要素以外の追加的要素があってもよいことを意味するものとする。実施例のさまざまな部材が、他の例のさまざまな部材と交換または置換可能であることは、本開示の恩恵を受ける当業者によって理解されるだろう。
ある態様、実施例および実施形態が上で説明されたが、開示された例示的な態様、実施例および実施形態の、追加、置換、修正および変更が可能であることは、本開示の恩恵を受ける当業者によって理解されるだろう。

Claims (36)

  1. 第1の方向に運動による軸方向の力を提供し、第2の方向に運動による前記軸方向の力を解放するように構成された可動部材と、
    前記可動部材に結合し、前記可動部材から前記軸方向の力を受けるように構成され、複数のレンズを含む源を備え、前記可動部材からの前記軸方向の力の供給に応じて真空室と前記源との間に実質的な流体密封を提供するように測定器ハウジングの真空室の真空ポートに結合する固定部材と、
    を備え、
    前記測定器ハウジングの前記真空室の前記真空ポートに結合するように構成される、源アセンブリ。
  2. 前記源は、イオン源または電子源である、請求項1に記載の源アセンブリ。
  3. 前記可動部材は、前記第1の方向への前記可動部材の回転に応じて、前記固定部材に前記軸方向の力を提供する回転可能な部材として構成される、請求項1に記載の源アセンブリ。
  4. 前記提供された軸方向の力は、前記第1の方向から前記第2の方向への回転に応じて解放される、請求項3に記載の源アセンブリ。
  5. 前記可動部材は、前記軸方向の力と同じ方向への前記可動部材の押下に応じて、前記軸方向の力を提供するように構成される、請求項1に記載の源アセンブリ。
  6. 前記固定部材は、少なくとも1つのピンを備える、請求項1に記載の源アセンブリ。
  7. 前記固定部材は、溝穴を備える、請求項1に記載の源アセンブリ。
  8. 前記源は前記真空室の前記真空ポートに結合するように構成されたバネ式の中央軸を備える、請求項1に記載の源アセンブリ。
  9. 前記可動部材は、いかなるねじを用いずに実質的な流体密封を提供する前記軸方向の力を提供するように構成される、請求項1に記載の源アセンブリ。
  10. 前記可動部材はカムを備える、請求項1に記載の源アセンブリ。
  11. 前記カムは、バネ式の軸によって、前記真空ポートに結合されるように構成される、請求項10に記載の源アセンブリ。
  12. 前記測定器ハウジングは、前記カムが前記軸方向の力を提供するために回転するとすぐに前記カムを係止するデテントを有したガイドブロックを備える、請求項11に記載の源アセンブリ。
  13. 前記測定器ハウジングは、前記真空ポートに前記軸方向の力を提供するために、前記カムで溝穴に摺動するピンを備える、請求項12に記載の源アセンブリ。
  14. 前記固定部材は、前記カムでの前記溝穴に沿った前記ピンの前記円周摺動の間、前記固定部材の運動を防止するために、前記測定器ハウジングの別のピンに結合する、請求項13に記載の源アセンブリ。
  15. 前記可動部材は、前記軸方向の力を提供するために、1個以上の可動する部材を備える、請求項1に記載の源アセンブリ。
  16. 前記源アセンブリは、単一の向きだけに、前記測定器ハウジングに挿入されるように構成される、請求項1に記載の源アセンブリ。
  17. 前記測定器ハウジングは、単一の向きだけに前記源アセンブリの挿入ができるようにするために、180度以外の角度で並置された一連のピンを備える、請求項16に記載の源アセンブリ。
  18. 前記源アセンブリは、前記ピンの一群からピンに対応するように配置された少なくとも1つの溝穴を備える、請求項17に記載の源アセンブリ。
  19. ポートを備える真空室と、
    複数のレンズを含む源及びカプラを備える源アセンブリと、
    前記真空室を備える測定器ハウジングと、
    を備え、
    前記カプラは、前記真空室と前記源との間に実質的な流体密封を提供するように前記源に前記ポートを結合するように構成され、且つ第1の方向に運動による軸方向の力を提供し第2の方向に運動による軸方向の力を解放するように構成され、
    前記第1の方向で前記カプラの運動に応じて提供される前記軸方向の力は、実質的な流体密封を提供するために真空室に向かって源を付勢する、質量分析計。
  20. 前記カプラは溝穴及びピンを含む源を備え、前記溝穴は前記真空室に向かって前記源を付勢するために前記軸方向の力を提供するように前記源の前記ピンに結合するように構成される前記測定器ハウジングのピンに結合するように構成された溝穴を備える、請求項19に記載の質量分析計。
  21. 前記カプラは、回転に応じて、いかなるねじも使用せずに実質的な流体密封を提供するように構成される、請求項19に記載の質量分析計。
  22. 前記カプラは、一群の溝穴を備える、請求項19に記載の質量分析計。
  23. 前記一群の溝穴は、前記源アセンブリが単一の向きに前記測定器ハウジングに結合するように、並置される、請求項22に記載の質量分析計。
  24. 前記測定器ハウジングは、前記源アセンブリの挿入を止めるように構成されたガイドブロックを備える、請求項19に記載の質量分析計。
  25. 前記ガイドブロックは、前記実質的な流体密封を提供するために前記カプラが回転するときに、所定の位置に前記源アセンブリを係止するデテントを備える、請求項24に記載の質量分析計。
  26. 前記カプラは、前記真空室に前記源アセンブリを封止するために、縦軸の周囲を回転し、軸方向の力が加えられるように構成される、請求項19に記載の質量分析計。
  27. 前記カプラは、前記測定器ハウジングのガイドピンに結合するように構成された第1の溝穴を備える把手として構成され、前記把手の回転が前記真空室へ向かって軸方向に前記源アセンブリを付勢するように働く、請求項19に記載の質量分析計。
  28. 前記源アセンブリは、前記測定器ハウジングへの前記源アセンブリの挿入から前記実質的な流体密封の提供まで5秒未満で前記カプラの回転に応じた実質的な流体密封を提供するために、前記真空ポートに結合するように構成される、請求項19に記載の質量分析計。
  29. 前記カプラは、把手を有するカムとして構成され、前記カムがバネ式の中央軸によって真空ポートに結合し、前記源アセンブリが前記測定器ハウジングのガイドブロックの孔に結合するように寸法が決められ、且つ配置されたハウジングを備え、前記ガイドブロックは前記真空ポートの溝穴および前記把手の溝穴に結合するように構成および配置された一群のピンを更に備え、前記溝穴への前記ピンの挿入およびこれに続く前記把手の回転が前記真空ポートと前記真空室の封止面との間に実質的な流体密封を提供する、請求項19に記載の質量分析計。
  30. 前記真空ポートは、前記把手の回転の間、実質的に固定されたままであるように構成される、請求項29に記載の質量分析計。
  31. 前記カムは、反対方向への前記把手の回転に応じて、前記結合した源アセンブリを分離するように構成される、請求項29に記載の質量分析計。
  32. 前記カプラは、前記源アセンブリの部が固定されたまま、前記源アセンブリと前記真空室の間に前記実質的な流体密封を提供するために、回転するように構成される、請求項19に記載の質量分析計。
  33. 前記測定器ハウジングのピンは、前記カプラの回転の間、前記源アセンブリの前記部の固定を維持するように構成される、請求項32に記載の質量分析計。
  34. 前記カプラの回転の間に前記測定器ハウジングの別のピンと係合するように構成された前記カプラの溝穴を更に備える、請求項33に記載の質量分析計。
  35. 前記溝穴にデテントを更に備え、前記デテントが所定の位置で前記別のピンを係止するように構成される、請求項34に記載の質量分析計。
  36. 前記カプラは、第1プッシュによって前記軸方向の力を提供し、第2プッシュよって前記軸方向の力を解放する押しボタンとして構成される、請求項19に記載の質量分析計。
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