JP3335028B2 - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JP3335028B2
JP3335028B2 JP02129795A JP2129795A JP3335028B2 JP 3335028 B2 JP3335028 B2 JP 3335028B2 JP 02129795 A JP02129795 A JP 02129795A JP 2129795 A JP2129795 A JP 2129795A JP 3335028 B2 JP3335028 B2 JP 3335028B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入装置の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体デバイスの製造工程にお
ける不純物導入を行う装置として、不純物導入量の精密
な制御が可能であり、しかもイオンの数を把握しながら
処理できるという理由からイオン注入装置が用いられて
いる。
【0003】このイオン注入装置は、砒素(As)やリ
ン(P)等を含むドーパントガスをプラズマ状態にし、
これに途中に設けた電極により電界を加えることにより
イオンを引き出して、そして、引き出されたイオンビー
ムに所定の磁界をかけることにより不純物イオンを排除
して所定のイオンのみを取り出す質量分析を行い、更に
取り出したイオンのエネルギを上げたり、下げたりして
被処理体へ注入するようになっている。
【0004】図8は一般的なイオン注入装置を示す概略
断面図、図9は図8に示すイオン注入装置の従来のイオ
ン源チャンバを示す拡大断面図である。図示するように
このイオン注入装置2は、アルシン(AsH3)等のド
ーパントガスをプラズマ化するためのイオン源4を有し
ており、ここでプラズマ化されたプラズマイオンは引き
出し電極6によりイオンビームB1となって引き出され
る。引き出されたイオンビームB1は、強力な電磁マグ
ネット8を有する質量分析器10によってその進行方向
を曲げられ、ここで所望する必要なイオンのみを取り出
し、不要なイオンを排除する。ここで取り出されたイオ
ンは、多段に設けた加速電極12により更に加速され、
或いは必要に応じて減速されてエンドステーションのプ
ラテンに保持した半導体ウエハWに注入される。また、
イオンビームB1が通過する部分はターボ分子ポンプや
クライオポンプ等を用いて例えば10-6Torr程度の
高真空に維持されている。
【0005】上記イオン源4及び引き出し電極6は、図
9に示すように例えばステンレススチール製の筒体状の
イオン源チャンバ18内に取り付けられる。具体的に
は、チャンバ18の開口部には、例えば32KVの高圧
に耐え得る碍子19を介して蓋部20が取り付けられ、
イオン源4はチャンバ18を閉じる蓋部20から支柱2
2を介して支持されたイオンボックス24を有してお
り、このボックス24内にはドーパントガス供給ノズル
26より供給されるドーパントガスを加熱してプラズマ
化するフィラメント28が収容されている。このイオン
ボックス24と対向させてイオン源チャンバ18の反対
側端部には中央部にイオン通過孔6Aを有する上記引き
出し電極6が設けられる。この電極6は、導電性の支柱
30を介してリング状のベース電極32に支持され、こ
のベース電極32は、碍子等の絶縁部材34を介してグ
ランド電極36に支持される。そして、このグランド電
極36は、一端をチャンバ18の側壁に設けた支持穴3
8にこれに密接するようにして嵌装させた支持棒40に
より支持させ、、他端をチャンバ側壁にその半径方向へ
出没可能になされた支持ロッド42の先端に、チャンバ
の開口部方向から着脱する固定ネジ44により固定し
て、全体が取り付けられている。
【0006】また、上記チャンバの側壁には、上記ベー
ス電極32及び引き出し電極6に引き出し電圧を印加す
るための電極ターミナル46がチャンバに対して絶縁状
態で取り付けられている。この状態は図10に拡大して
示されている。すなわち電極ターミナル46の先端に
は、内側壁にネジ山が切られたネジ孔48が形成され、
その基部にリード線50を挿通させるリード孔52が形
成されている。そして、このリード孔52にリード線5
0の先端を挿通させた状態で、上記ネジ孔48内に締付
けネジ54をレンチ56等で回転させて侵入させて行く
ことにより、リード線の先端を締付けて固定するように
なっている。尚、イオン源チャンバ18の長さは、例え
ば300mmで、その直径は例えば180mm程度に設
定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】イオン注入操作におい
ては、イオンボックス24内のフィラメント28に高電
力を印加して高熱でドーパントガスをプラズマ化し、こ
のプラズマ中から引き出し電極6によりイオンビームB
1を引き出すようになっているが、上述のようにフィラ
メント28には高電力を印加しているので消耗が激し
く、フル稼働で例えば2〜3日に1回程度取り替えねば
ならない。また、高速イオンビームB1によりタングス
テン製のフィラメント8、モリブデン製のイオンボック
ス24、電極6等がスパッタ等されるので、特に引き出
し電極6の表面に付着物やドーパントガスの化合物が堆
積して電気的障害を引き起こすことになる。
【0008】そこで、これらのメンテナンスのために蓋
体20を締め付けているネジ57を緩めて蓋体20を取
り外すことによりこれに一体的に取り付けられているイ
オンボックス24を外に取り出し、フィラメント28を
交換したり、イオンボックス24の表面等を拭いて付着
物を除去している。また、引き出し電極6の表面に関し
ては、蓋体20を外すことにより開放されたイオン源チ
ャンバ18の端部から保守管理用員が手等を内部に延ば
して電極表面の付着物を拭き取るようになっている。と
ころで、スパッタ物質が付着する部分は、上述のように
主として引き出し電極6の表面であるが、その外の部
分、例えば、引き出し電極6の裏面側、これを支える支
柱30、ベース電極32、絶縁部材34、グランド電極
36等の表面にも電極表面程ではないにしても堆積物が
付着し、電気的障害を引き起こす原因となる。
【0009】そこで、例えばフィラメント28の交換5
回に対して1回程度の割合で、引き出し電極側のアセン
ブリ全体を取り外してこの表面の付着物を拭き取らねば
ならないが、このアセンブリ全体をチャンバ壁側に固定
する、グランド電極36の固定ネジ44は、図示するよ
うに筒状チャンバの半径方向からネジ止めするようにな
っており、しかも支持棒40の先端はぐらつきがないよ
うに支持穴38の内壁に略密接しているので、開放され
たチャンバ開口端からスパナ等の治具を挿入してこの固
定ネジ44を回してこれを取り外すことは非常に困難で
あり、また、図10に示すように電極ターミナル46と
ベース電極32を電気的に接続するリード線50を外す
場合にも治具として先端がL字状に屈曲されたレンチ5
6を用いて締付けネジ54を回さなければならず、これ
をチャンバ開口端から操作することは非常に困難であ
る。そのため、メンテナンス時には、イオン源チャンバ
18自体を、これを接続しているイオン注入装置本体5
8側から取り外してから拭き取り等を行なわなければな
らず、クリーニング作業等のメンテナンスに要する時間
が非常に長くなり、稼働率の低下の原因となっていた。
【0010】特に、装置のコンパクトの要請からイオン
源チャンバ18の外側には、図示しない電極コイル等が
密集させて設けてあることから、チャンバ18の装置本
体側への取り外し、取り付け作業は更に困難を極め、更
にメンテナンス作業を長期化させる要因となっていた。
本発明は、以上のような問題に着目し、これを有効に解
決すべく創案されたものである。本発明の目的は、イオ
ン源側のクリーニング作業等のメンテナンス作業を短時
間で行なうことができるイオン注入装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した問題
点を解決するために、一端にイオン源を着脱自在に設け
ると共に他端に引き出し電極部を設けた筒状のイオン源
チャンバから放出したイオンビームから所望のイオンを
取り出し、取り出したイオンを被処理体へ注入するよう
にしたイオン注入装置において、前記引き出し電極部
は、一端前記イオン源チャンバの内壁に傾斜可能に支
持するピボット支持部を介して支持されると共に他端
着脱可能に支持固定されたグランド電極と、前記グラン
ド電極に絶縁部材を介して取り付けた引き出し電極ユニ
ットと、により構成されたものである。
【0012】
【作用】上記した本発明によれば、グランド電極をイオ
ン源チャンバの内壁に固定している取付部は、イオン源
チャンバの開口方向から着脱できる構造としたので、イ
オン源を取り外したチャンバ開口端側から治具を挿入し
て例えばネジ部材等を緩めることが可能となる。そし
て、グランド電極の他端側はチャンバ内壁にピボット支
持部を介して支持されているので取付部を解除したグラ
ンド電極を含む引き出し電極部全体をチャンバの軸方向
に対して傾斜させてこの状態でピボット支持部をチャン
バ内壁から離脱させ、グランド電極を含む引き出し電極
部をチャンバの開口端より取り出してクリーニング等を
行なう。
【0013】この場合、ピボット支持部は、ピボット穴
内に遊嵌状態で挿入される支持棒と、この先端に設けら
れるピボット先端部よりなるので、引き出し電極部はピ
ボット移動は可能であるが、がたつきは生ずることはな
い。また、引き出し電極部に電力を供給する電力線は、
チャンバ壁に設けた電極ターミナルに、チャンバ開口方
向から挿入されるスパナ治具により回される多角形ナッ
トにより締付け固定する構造とすることにより、これを
チャンバ開口端側から挿入したスパナ治具により容易に
脱着させることができる。更には、ベース電極から延び
る支柱と引き出し電極との接続部は、大孔と小孔よりな
る保持孔と皿バネのような弾発部材を用いたワンタッチ
着脱機構により構成することにより、引き出し電極のみ
を容易に着脱することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明に係るイオン注入装置の一実
施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係
るイオン注入装置のイオン源チャンバを示す拡大断面
図、図2は図1に示すイオン源チャンバ内の引き出し電
極部を示す拡大平面図、図3は支柱と引き出し電極の保
持孔との関係を示す図、図4は支柱への引き出し電極の
取り付け状態を示す図、図5は支柱への引き出し電極の
取り付け方法を示す図、図6は電極ターミナルに電力線
を着脱する時の状態を示す図である。尚、先に説明した
従来装置と同一部分については同一符号を付すことこと
する。
【0015】まず、本発明のイオン注入装置の全体構成
について説明する。このイオン注入装置の全体構成は、
イオン源チャンバの部分を除いて図8に示す装置構成と
同様である。すなわちイオン源チャンバ18内にてプラ
ズマ化されたプラズマイオンは引き出し電極6によって
イオンビームB1となって引き出し得るようになってい
る。イオンビームB1の進行方向には、強力な電磁マグ
ネット8を有する質量分析器10が設けられており、こ
こでイオンビームB1の進行方向を質量に応じて必要な
イオンを例えば90度曲げることにより所望する必要な
イオンのみを取り出し、不要なイオンを排除するように
なっている。
【0016】ここで取り出したイオンの進行方向には加
速電極12が多段に設けられており、イオンビームB1
を更に加速したり或いは減速したりしてイオン注入深さ
をコントロールし得るようになっている。そして、ウエ
ハ表面にイオンを打ち込むようになっている。
【0017】また、イオンビームB1が通過する部分
は、ターボ分子ポンプやクライオポンプ等を用いて例え
ば10-6Torr程度の高真空に維持されている。次
に、本発明の特長とするイオン源チャンバ18の内部構
造について説明する。図示例においてはいわゆるフリー
マン型イオン源が示されている。
【0018】図1に示すようにこのイオン源チャンバ1
8は、例えばステンレススチール等により円筒体状に成
型されており、その長さは例えば300mm程度に、直
径は例えば180mm程度にそれぞれ設定されている。
このチャンバ18の一端のフランジ部62は、ボルト6
4を介してイオン注入装置本体58側へ固定されてお
り、他端のフランジ部66にはネジ57を介して蓋体2
0が碍子19及び図示しないシール部材を介在させて締
付け固定されており、この開口部を気密に密閉してる。
この蓋体20の内側には、複数本の支柱22を介してイ
オン源4が設けられている。このイオン源4は、イオン
放出孔68を有する例えばモリブデン(Mo)製のイオ
ンボックス24と、このボックス内に設置されたタング
ステン(W)製のフィラメント28とを有し、このボッ
クス27内に臨ませて設けたドーパントガス供給ノズル
26から供給した例えばアルシン(AsH3)等のドー
パントガスをフィラメント28からの高熱によりプラズ
マ化し得るようになっている。そして、上記ノズル26
には、途中にマスフローコントローラ70やバルブ72
を介設したガス通路74を介してドーパントガス源76
に接続されている。
【0019】一方、このイオンボックス24に対向させ
てイオン源チャンバ18の反対側の端部には、ボックス
24内にて発生したプラズマイオンからイオンビームB
1を引き出すための本発明の特長とする引き出し電極部
78が設けられている。具体的には、この引き出し電極
部78は、引き出し電極6とベース電極32とを含む引
き出し電極ユニット80と、このベース電極32を碍子
のような複数の絶縁部材34を介して支持するグランド
電極36とにより構成される。この引き出し電極6は、
例えばカーボン等により略正方形に成形されており、そ
の中心部には細長いイオン通過孔6Aが設けられ、引き
出しイオンビームB1を通過させるようになっている。
【0020】この引き出し電極6は、例えばステンレス
スチール等の導電材料よりなる複数、例えば4本の支柱
30を介して、グランド電極36を中心としてその反対
側に位置する例えばステンレススチール製のリング状の
ベース電極32に支持されている。上記グランド電極3
6には、上記支柱30と接しないように遊嵌状態で挿通
する挿通孔82が形成されており、この挿通孔82に上
記支柱82を孔内壁に接しないように挿通させている。
従って、引き出し電極6とベース電極32は同電位とな
り、これらは絶縁部材34を介してグランド電極36に
支持されることになる。
【0021】このグランド電極36は、例えばアルミニ
ウム等により成形されており、このグランド電極36か
らは支持棒84とその先端に設けたピボット先端部86
とよりなるピボット支持部88が径方向外方へ延びてお
り、このピボット支持部88は、チャンバ内壁に設けた
ピボット穴90内に収容されている。この場合、支持棒
84の直径D1は、ピボット穴90の直径D2よりもか
なり小さくなされて遊嵌状態となるように設定されと共
にピボット先端部86の直径D3は、これがピボット穴
側壁に密接して摺接可能となるように穴90の直径D2
よりも僅かに小さく設定されている。従って、支持棒8
4は、ピボット先端部86が穴内壁に接していることか
らがたつきがなく、しかもピボット先端部を支持軸とし
てピボット移動可能になされている。
【0022】そして、支持棒84の、グランド電極の直
径方向反対側には平板状になされた取付部92が形成さ
れており、この取付部92に対向するようにチャンバ側
壁にはネジ切りされた支持ロッド42が半径方向へ出没
可能に設けられ、このロッド42の先端には上記取付部
92とチャンバ軸方向へ重ね合わされる支持板95が設
けられる。そして、上記取付部92と支持板95とを重
ね合わせた状態でチャンバ軸方向すなわちイオン源4の
位置する方向からネジ部材94により両者を締付け固定
するようになっている。すなわち、チャンバ18の一端
を閉塞する蓋体20を取り外した状態でこの開口端側よ
りネジ部材94を回して緩め得るようになっている(図
7参照)。
【0023】一方、上記ベース電極32に対向するチャ
ンバ側壁には、このベース電極32及び引き出し電極6
に例えば2.2KVの引き出し電圧を印加するための電
極ターミナル46がチャンバに対して絶縁状態で貫通さ
せて設けられており、この先端には、図6に示すように
外周面にネジ山が切られたリード取付ネジ96が設けら
れると共にその基端部にはリード孔52が形成されてい
る。そして、このリード孔52に、他端をベース電極3
2に接続してある電力線としてのリード線50の端部を
挿入した状態で多角形ナット98をリード取付ネジ96
に、例えばスパナ治具100を用いて螺合させることに
より、リード線50の端部を締付け固定し得るようにな
っている。このスパナ治具100はチャンバ軸方向、す
なわちイオン源4を設けてある方向から挿入でき、従っ
て、蓋体20を取り外した状態でこのリード線50の着
脱操作が可能となる。
【0024】次に、引き出し電極6とこれを支持する支
柱30との取付部の構造について図3乃至図5も参照し
つつ説明する。この取付部の構造は、引き出し電極6を
イオン源の位置する方向から押圧して僅かな角度だけ回
転させることによりワンタッチ操作で着脱できる構造と
なっている。これを具体的に説明すると、略正方形状の
引き出し電極6の四隅には、支柱30の先端部と係合し
て支持固定される保持孔102が形成されており、これ
に挿入される支持先端には、円板状の係止板104とこ
れを支柱本体側へ固定する直径の小さな支持ロッド10
6が設けられている。そして、この支持ロッド106に
は、弾発部材として例えば2対の皿バネ108が介在さ
れている。
【0025】上記保持孔102は、図3にも示すように
支柱30に設けた係止板104の直径D4よりも大きな
直径D5を有する大孔110と、上記直径D4よりも小
さくて且つ上記支持ロッド106の直径D6よりも大き
な径D7を有する小孔112とを連結して構成されてい
る。そして、4つの各保持孔102の大孔110と小孔
112の連結方向は、図2にも示すように正方形状の引
き出し電極6の中心Oを中心として時計回り方向へ同様
に配列されている。従って、図4及び図5に示すように
大孔110に係止板104を挿通させて皿バネ108を
押圧した状態で図5に示すように引き出し電極6を反時
計方向に僅かな角度だけ回転させて離すことによりこの
電極を支柱30に容易に取付支持させ得るようになって
いる。尚、引き出し電極6を支柱30から取り外す場合
には上記と逆の操作を行なう。
【0026】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、イオン注入操作を行なう
には、イオンビームの通る経路全体を、例えば10-6
orr程度の高真空に維持しておく。そして、イオン源
4のイオンボックス24内に、ドーパントガス源76か
ら供給したAsH3,PH3,BF3等のドーパントガス
を、供給ノズル26を介して供給し、これを加熱手段で
あるフィラメント28からの熱により加熱してプラズマ
化する。一方、このイオン源4には例えば最大35KV
の引き出し電圧が印加されている。
【0027】この印加電圧によって、イオンボックス2
4内に発生していたプラズマイオンに大きな電界が印加
され、このイオンはイオン放出孔68からイオンビーム
B1となって引き出されて、引き出し電極6のイオン通
過孔6A、グランド電極36及びベース電極32の中心
孔を通って放出されて行く。図8に示すようにこの引き
出されたイオンビームB1は、強力な電磁マグネット8
を有する質量分析器10によってその進行方向を曲げら
れ、ここで所望する必要なイオンのみを取り出し、不要
なイオンが排除される。ここで取り出されたイオンは、
多段に設けた加速電極12により更に加速され、或いは
必要に応じて減速されてエンドステーションの半導体ウ
エハWに注入される。
【0028】このようにイオン注入操作が連続的に行な
われると、ドーパントガスの化合物や、フィラメント2
8やイオンボックス24の構成物のビームによるスパッ
タ物がイオンボックス表面や引き出し電極6、ベース電
極32、グランド電極36等の表面に堆積する傾向とな
り、また、フィラメント28自体も消耗するので堆積物
を除去したり、フィラメントを交換するメンテナンス作
業が必要となる。まず、フィラメント28を交換した
り、イオンボックス24及び引き出し電極6の表面の堆
積物を除去する場合には、図1に示すようにイオン源チ
ャンバ8の一端を閉塞している蓋体20を固定するネジ
57を緩めて取り外し、この蓋体20と共にこれに一体
的に連結されているイオン源4を内部より取り出す。こ
のようにイオン源4をイオン源チャンバ8から取り出し
た状態で、このフィラメント28を新しい物と取り換え
たり、イオンボックス24の表面に付着する堆積物を拭
き取るようにしてメンテナンスを行なう。
【0029】また、堆積物が多く付着する傾向にある引
き出し電極6のイオン源側表面の堆積物を除去する場合
には、蓋体20を取り外すことによって開放されたイオ
ン源チャンバ18の開口端から保守作業員が手を挿入し
て電極6の表面の拭き取り操作を行なうようにする。
【0030】また、この引き出し電極6のメンテナンス
を行なうには、この電極6はワンタッチ操作で着脱可能
となっているので、これのみを外部に取り出して堆積物
の拭き取り操作を行なってもよい。すなわち、図3乃至
図5に示すように引き出し電極6は、この保持孔102
に支柱30の先端の係止板104を係合させて皿バネ1
08の弾発力により押さえ付けることにより保持されて
いるので、まず、蓋体20を取り外すことによって開放
されたチャンバ開口端から保守点検員は手をチャンバ内
に挿入して皿バネ108の付勢力に抗して板状の引き出
し電極6を支柱30側へ押し付け(図4(B)参照)、
この状態で図5に示すように引き出し電極6を解除方向
(時計回り方向)へ僅かな角度だけ回転する。すると、
今まで保持孔102の小孔112の部分で係合されてい
た係止板104は相対的に大孔110の部分に移動する
ことになる。そして、この状態で手の押圧力を緩めるこ
とにより、係止板104の直径D4よりも大孔110の
直径D5の方が僅かに大きく設定されているので図4
(A)に示すように引き出し電極6は支柱30から外れ
ることになる。
【0031】このように支柱30から外れた引き出し電
極6をチャンバ内から取り出して、この表面や裏側に付
着している堆積物を拭いて除去すればよい。尚、メンテ
ナンスの終了した引き出し電極6を再度、支柱30の先
端に取り付けるには、前記したと逆の操作を行なえばよ
い。すなわち、引き出し電極6の大孔110に支柱先端
の係止板104を位置させてこの電極6を皿バネ108
の付勢力に抗して押し付け、この状態で引き出し電極6
を図5中において取り付け方向へ僅かな角度だけ回転さ
せて係止板104を小孔112の部分に位置させるよう
にすればよい。このように、本実施例によれば、ワンタ
ッチ操作で引き出し電極6の着脱を行なうことが可能と
なる。また、引き出し電極6の装着状態においては、皿
バネ108の弾発力によって電極は支柱先端に密着され
て電気的抵抗が非常に少なくなっており、電気的効率も
高くすることができる。
【0032】ところで、前述したようにフィラメントに
対するメンテナンス作業程ではないが、このようなフィ
ラメント28の交換作業5回に対して1回程度の割合
で、ベース電極32及びグランド電極36の表面の堆積
物も、安定したイオンビームの引き出しを確保するため
に除去する必要が生ずる。この場合、チャンバ内は非常
に狭く、また、引き出し電極部78も複雑に入り組んで
いることからチャンバ18の開口端側より保守作業員が
手を挿入して拭き取り操作をしても不十分であり、ま
た、このチャンバ18の外周には図示しない電磁マグネ
ット等が密集させて設けてあることからボルト64を緩
めてイオン源チャンバ18をイオン注入装置本体58側
から取り外すことは非常に困難である。そこで、以下に
説明するように本実施例においては、チャンバを本体側
から取り外すことなく引き出し電極部78のアッセンブ
リをチャンバ18の開口端側より取り出すようになって
いる。
【0033】まず、電極ターミナル46に接続したリー
ド線50を取り外すために、蓋体20を外すことによっ
て開放されたチャンバ18の開放端から図6に示すよう
に保守作業員がスパナ治具100を挿入し、これをリー
ド線50を挟み込んでいる多角形ナット98の外周に係
合させ、ナット98を解除方向へ回転させて緩める。こ
れにより、リード取付ネジ96のリード孔52に挿通さ
れていたリード線50の挟持は緩み、これを電極ターミ
ナル46から取り外すことができる。このように、リー
ド線50の取付け構造は、外周にネジ山を形成したリー
ド取付ネジ96に多角形ナット98を螺合させることに
よりリード線50を締付ける構造としたので、図10に
示す従来構造と比較してこれを容易に取り付け、取り外
すことが可能となる。
【0034】このようにリード線50の取り外しが完了
したら、次に、引き出し電極部78の取り外しを行な
う。
【0035】まず、イオン源チャンバ18の開口端から
保守作業員が、図7にも示すように例えばドライバ治具
114を挿入し、支持ロッド42の先端の支持板94と
グランド電極36の取付部92を固定しているネジ部材
94を緩めて取り外し、これらの支持板94と取付部9
2の係合を解く。この場合、これら2つの部材を係合す
るネジ部材94はチャンバの軸方向、すなわちイオン源
4側から容易に着脱できるようにチャンバ開口端側に向
けて設けてあることから、図9に示した従来構造と異な
り、容易にこのネジ部材94を取り外すことができる。
【0036】このネジ部材94を外したならば引き出し
電極部78全体を、この他端を支持しているピボット支
持部88のピボット先端部86を支点としてチャンバ開
口端に向けて傾斜させる。この場合、ピボット先端部8
6はチャンバ18のピボット穴90に摺接可能に内接さ
せてピボット移動可能に設けてあるので、容易に傾斜さ
せることができ、また、装置稼働時にもこのピボット支
持部88が、がたつくことはない。
【0037】上述のように引き出し電極部78を斜めに
したならば、ピボット穴90からピボット支持部88を
引き抜いてこれらの係合を断ち、この状態で図7中の2
点鎖線に示すように引き出し電極部78をチャンバ開口
端側へ移動し、これをチャンバ内から抜き出す。このよ
うに引き出し電極78を抜き出した状態でベース電極3
2やグランド電極36の表面に付着している堆積物を拭
き取るようにする。尚、図示例においては、引き出し電
極6を支柱30に取り付けた状態で引き出し電極部78
を取り出すようにしたが、この引き出し電極6を予め前
述したような操作により取り外しおくようにしてもよ
い。
【0038】また、メンテナンス後の引き出し電極部7
8を再度、設置するには、前述したと逆の操作を行なう
ようにすればよい。このように本実施例によれば、従来
装置と異なり、イオン源チャンバ18をイオン注入装置
本体58から取り外すことなく、引き出し電極6、ベー
ス電極32及びグランド電極36を含む引き出し電極部
78をチャンバ開口端側から取り出すことができ、従っ
て、メンテナンス作業に要する時間を大幅に削減するこ
とができ、その分、稼働率を向上させることが可能とな
る。
【0039】尚、上記実施例においては、いわゆるフリ
ーマン型のイオン源について説明したがこの型に限定さ
れず、例えばバーナ型イオン源、カスプ型イオン源、マ
グネトロン型イオン源等にも適用し得るのは勿論であ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のイオン注
入装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮する
ことができる。引き出し電極部をイオン源チャンバの内
壁に取り付けるために、チャンバの軸方向から着脱可能
とする取付部により取り付けており、しかも他端をチャ
ンバのピボット穴側壁に密接してピボット移動可能に支
持しているので、チャンバをイオン注入装置本体から取
り外すことなく引き出し電極部をチャンバ外へ取り出す
ことができる。従って、メンテナンス作業に要する時間
を大幅に削減することができるので、製品の稼働率を大
幅に向上させることができる。また、電極ターミナルへ
電力線を取り付けるために、チャンバ軸方向から挿入さ
れるスパナ治具により回転される多角形ナットを用いて
いるので、その着脱を容易に行なうことができる。更に
は、引き出し電極を支柱に取り付ける構造として弾発部
材を用いたワンタッチ構造を採用しているので、電極の
着脱を迅速に行なうことができ、その分、稼働率を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン注入装置のイオン源チャン
バを示す拡大断面図である。
【図2】図1に示すイオン源チャンバ内の引き出し電極
部を示す拡大平面図である。
【図3】支柱と引き出し電極の保持孔との関係を示す図
である。
【図4】支柱への引き出し電極の取り付け状態を示す図
である。
【図5】支柱への引き出し電極の取り付け方法を示す図
である。
【図6】電極ターミナルに電力線を着脱する時の状態を
示す図である。
【図7】引き出し電極部を取り外す時の状態を示す図で
ある。
【図8】一般的なイオン注入装置を示す概略断面図であ
る。
【図9】図8に示すイオン注入装置の従来のイオン源チ
ャンバを示す拡大断面図である。
【図10】電力線を取り付ける従来の電極ターミナルを
示す図である。
【符号の説明】
4 イオン源 6 引き出し電極 6A イオン通過孔 10 質量分析器 16 ウエハディスク 18 イオン源チャンバ 20 蓋体 22 支柱 24 イオンボックス 28 フィラメント 32 ベース電極 34 絶縁部材 36 グランド電極 46 電極ターミナル 50 リード線(電力線) 76 ドーパントガス源 78 引き出し電極部 80 引き出し電極ユニット 86 ピボット先端部 88 ピボット支持部 94 ネジ部材 95 支持板 98 多角形ナット 100 スパナ治具 102 保持孔 108 皿バネ(弾発部材) 110 大孔 112 小孔 W 半導体ウエハ(被処理体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−299042(JP,A) 特開 平2−155147(JP,A) 特開 平5−251031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/317 H01J 27/02 H01J 37/08 C23C 14/48 H01L 21/265

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端にイオン源を着脱自在に設けると共
    に他端に引き出し電極部を設けた筒状のイオン源チャン
    バから放出したイオンビームから所望のイオンを取り出
    し、取り出したイオンを被処理体へ注入するようにした
    イオン注入装置において、前記引き出し電極部は、一端
    前記イオン源チャンバの内壁に傾斜可能に支持する
    ボット支持部を介して支持されると共に他端が着脱可能
    に支持固定されたグランド電極と、前記グランド電極に
    絶縁部材を介して取り付けた引き出し電極ユニットと、
    よりなることを特徴とするイオン注入装置。
  2. 【請求項2】 前記ピボット支持部は、前記イオン源チ
    ャンバの内壁に形成されたピボット穴内に遊嵌状態で挿
    入される支持棒と、この支持棒の先端に設けられて前記
    ピボット穴側壁に密接して摺接可能に収容されるピボッ
    ト先端部とよりなることを特徴とする請求項1記載のイ
    オン注入装置。
  3. 【請求項3】 前記引き出し電極部に電圧を供給する電
    力線は、前記チャンバ壁に設けた電極ターミナルに、前
    記イオン源の位置するチャンバ開口部から挿入されるス
    パナ治具により回される多角形ナットにより取り付けら
    れることを特徴とする請求項1または2記載のイオン注
    入装置。
  4. 【請求項4】 前記引き出し電極ユニットは、前記グラ
    ンド電極に前記絶縁部材を介して支持されるベース電極
    と、このベース電極に支柱を介して取り付けられる引き
    出し電極とを有することを特徴とする請求項1乃至3の
    いづれかに記載のイオン注入装置。
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