JP3556069B2 - イオン打ち込み装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン打ち込み技術、特に、イオンソースに関し、例えば、半導体装置の製造工程において、半導体ウエハに不純物元素のイオンを打ち込むイオン打ち込み装置に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程において、半導体ウエハに不純物元素のイオンを注入する場合には大電流打ち込み装置が使用されている。大電流イオン打ち込み装置は、イオンソースによって所望のイオン種が抽出されるとともに、引き出し加速部によって加速され、質量分析マグネットや偏向走査マグネット、角度補正マグネットによって制御されたイオンビームが所定の照射位置に保持されている半導体ウエハに打ち込まれるように構成されている。
【0003】
従来のこの種の大電流イオン打ち込み装置のイオンソースとしては、フリーマン型イオンソース(熱陰極低電圧アークイオンソース)が広く使用されている。フリーマン型イオンソースはチャンバ内に架設された直線形状のストレートフィラメントと、チャンバ内にイオン種のガスを導入するガス導入管とを備えており、大電流が通電されることによってフィラメントから発生した熱電子がガス導入管から導入されたガスの分子と衝突することにより、イオンが発生されるようになっている。
【0004】
なお、イオン打ち込み(注入)技術を述べてある例としては、昭和59年11月20日株式会社工業調査会発行「電子材料1984年11月号別冊」P62〜P66、がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したフリーマン型イオンソースにおいては、ストレートフィラメントの中央部でイオン化されたイオンがフィラメントに衝突するため、フィラメントの寿命が短縮されてしまうという問題点があることが、本発明者によって明らかにされた。
【0006】
また、チャンバの壁面が熱電子やイオン化されたイオンによってスパッタリングされることにより発生したスパッタ片や、導入されたガスがフィラメントを保持したフィラメント用碍子に付着して堆積すると、フィラメントとチャンバとの間の絶縁が低下するため、フィラメントが切れていないにもかかわらず、フィラメントひいてはイオンソースの交換が必要になってしまうという問題点があることが、本発明者によって明らかにされた。フィラメントやイオンソースの交換作業に際しては、イオン打ち込み装置の高温状況や高真空状況が一度解除されるため、フィラメントやイオンソースの交換が頻繁に実施されると、イオン打ち込み装置の稼動効率が大幅に低下されてしまう。
【0007】
本発明の目的は、稼動効率の低下を防止することができるイオン打ち込み装置を提供することにある。
【0008】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、次の通りである。
【0010】
すなわち、イオン打ち込み装置のイオンソースにおけるフィラメントはR形状に捲線されてその両端部が互いに平行に揃えられており、そのフィラメントの両端部が第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子にそれぞれ挿通されており、この第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子はイオンソースのチャンバの一側壁にそれぞれ開設された第1挿通孔および第2挿通孔にそれぞれ挿通されているとともに、この側壁の外部に取り付けられた碍子ボックスの第1雌ねじ孔および第2雌ねじ孔にそれぞれ螺入されており、前記碍子ボックスの一端面は開口し、この開口端面側が前記チャンバ側に配置され、前記開口端面に対向する側壁に前記第1雌ねじ孔および第2雌ねじ孔が設けられていることを特徴とする。
【0011】
前記した手段によれば、フィラメントはチャンバに架設されずにその両端部が一側壁にそれぞれ挿通されて碍子ボックスによって支持された状態になっているため、イオン化されたイオンがフィラメントに衝突するのを回避することができ、その結果、フィラメントの寿命を延長することができる。また、第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子はチャンバの一側壁にそれぞれ開設された第1挿通孔および第2挿通孔にそれぞれ挿通されているため、第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子とチャンバの側壁との間にスパッタ片やガスおよびイオンの堆積物が橋絡した状態になるのを防止することができ、橋絡することによって引き起こされる絶縁不良を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態であるイオン打ち込み装置のイオンソースを示しており、(a)は一部省略一部切断分解斜視図、(b)は(a)のb−b線に沿う矢視図である。図2はその一部省略平面断面図である。図3はそのイオン打ち込み装置の全体を示す模式図である。
【0013】
本実施形態において、本発明に係るイオン打ち込み装置は、不純物注入処理を実施するための粒子としての不純物イオンを半導体ウエハの一例であるシリコンウエハ(以下、単に、ウエハという。)1に打ち込む大電流イオン打ち込み装置(以下、イオン打ち込み装置という。)2として構成されている。
【0014】
イオン打ち込み装置2は必要なイオンを生成するイオンソース3と、イオンソース3から生成化されたイオンを引き出すための引き出し加速部4と、引き出されたイオン種の中から所望のイオンを分離するための質量分析マグネット5と、偏向走査マグネット6と、角度補正マグネット7と、打ち込み室8と、ウエハ1を打ち込み室8に対してローディング・アンローディングするためのオートローダ9とを備えており、イオン打ち込み作業は真空室において実施されるように構成されている。
【0015】
イオンソース3は直方体の箱形状に形成されたチャンバ12を備えており、チャンバ12の外側にはマグネット11がチャンバ12の内部に磁場を形成するように設備されている。チャンバ12の一側壁にはガス導入管13が挿入されており、ガス導入管13はイオン種となるガス14をチャンバ12の内部に導入するように構成されている。チャンバ12におけるガス導入管13と対向する側壁には、イオン16を発射するためのスリット15が中央部に配されて開設されている。
【0016】
チャンバ12における長軸側の両端のうち一方の端部には反射板17が配置されており、反射板17には反射板用碍子19に保持された電極18が接続されている。反射板用碍子19はチャンバ12の側壁に螺着されて支持されている。電極18におけるチャンバ12の外側端部にはターミナル20が電気的に接続されており、ターミナル20はフィラメント電源21Aのプラス側端子に電気的に接続されている。したがって、反射板17にはプラスの電位が印加されるようになっている。
【0017】
また、チャンバ12の内部における反射板17の側壁寄りの位置には取付溝22が環状に没設されており、取付溝22にはタングステンによって長方形の平板形状に形成されたシールドプレート(以下、反射板側シールドプレートという。)23が建て込まれている。反射板側シールドプレート23は反射板17と側壁とを仕切るように配設されており、チャンバ12の側壁における反射板用碍子19の螺着部を空間的にシールドした状態になっている。反射板側シールドプレート23には挿通孔24が開設されており、反射板用碍子19はこの挿通孔24を貫通した状態になっている。挿通孔24の内径は反射板用碍子19の外径よりも充分に大きく設定されており、挿通孔24の内周と反射板用碍子19の外周との間には充分なギャップが確保されている。
【0018】
チャンバ12における長軸側の他方の端部にはタングステンによって形成されてR形状に捲線されたフィラメント25が配置されている。すなわち、このフィラメント25はフリーマン型イオンソースにおけるストレートフィラメントに対して一回だけ捲線されてR形状に形成され、その両端部(以下、第1端部および第2端部という。)26、27が互いに平行に、かつ、両端を揃えられた状態になっている。フィラメント25の第1端部26および第2端部27における各端部には第1固定孔26aおよび第2固定孔27aがそれぞれ軸心線と直交する方向に開設されている。
【0019】
フィラメント25の第1端部26および第2端部27は、絶縁物の一例である窒化ボロンによって二段円筒形状に形成された一対の第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29の筒中空部にそれぞれ挿通されている。第1フィラメント用碍子28の一端部外周には鍔部28aが同心円に突設されており、他端部外周には雄ねじ28bが刻設されている。同様に、第2フィラメント用碍子29の一端部外周には鍔部29aが同心円に突設されており、他端部外周には雄ねじ29bが刻設されている。フィラメント25の第1端部26および第2端部27が第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29にそれぞれ挿通された状態において、第1固定孔26aおよび第2固定孔27aは第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29から外部にそれぞれ露出した状態になっている。
【0020】
チャンバ12におけるフィラメント25が配置された側の端部には、モリブデンによって長方形の平板形状に形成されたエンドプレート30が建て込まれており、チャンバ12のフィラメント側端はエンドプレート30によって閉塞された状態になっている。エンドプレート30の中央部には一対の第1挿通孔31および第2挿通孔32がそれぞれ開設されており、第1挿通孔31および第2挿通孔32には第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29がそれぞれ挿通されている。第1挿通孔31および第2挿通孔32の内径は第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29の外径よりも充分に大きく、第1フィラメント用碍子28の鍔部28aおよび第2フィラメント用碍子29の鍔部29aの外径よりも若干だけ大きく設定されており、第1挿通孔31および第2挿通孔32の内周と第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29の外周との間には充分なギャップが確保されている。
【0021】
エンドプレート30の外側端面には長方形環状の取付溝33が第1挿通孔31および第2挿通孔32を取り囲むように、一定幅一定深さに没設されており、取付溝33には碍子ボックス34が嵌め込まれて取り付けられている。碍子ボックス34は絶縁物の一例である窒化ボロンが使用されて一端面が開口した直方体の箱形状に形成されており、開口端部が取付溝33に嵌め込まれている。碍子ボックス34における開口端面に対向する側壁には第1雌ねじ孔35および第2雌ねじ孔36がそれぞれ開設されており、第1雌ねじ孔35および第2雌ねじ孔36には第1フィラメント用碍子28の雄ねじ28bおよび第2フィラメント用碍子29の雄ねじ29bが内側からそれぞれ螺入されている。
【0022】
したがって、第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29は碍子ボックス34にそれぞれ支持された状態になっている。碍子ボックス34の内部には隔壁37が第1フィラメント用碍子28側の空間と第2フィラメント用碍子29側の空間とを隔離するように形成されている。また、碍子ボックス34の内面には凹凸面34aがローレット加工やショットブラスト法、溶射法等により全体的に形成されている。
【0023】
碍子ボックス34の第1雌ねじ孔35および第2雌ねじ孔36に第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント碍子29が内側からそれぞれ螺入された状態において、フィラメント25の第1端部26および第2端部27は碍子ボックス34の外側端面から突出した状態になっており、フィラメント25の第1端部26の突出端部および第2端部27の突出端部は第1ターミナル38の取付孔38aおよび第2ターミナル39の取付孔39aにそれぞれ嵌入されている。第1ターミナル38の取付孔38aおよび第2ターミナル39の取付孔39aにそれぞれ嵌入されたフィラメント25の第1端部26および第2端部27は、第1ターミナル38の雌ねじ孔38bおよび第2ターミナル39の雌ねじ孔39bにそれぞれ螺入された第1ボルト40および第2ボルト41が第1固定孔26aおよび第2固定孔27aにそれぞれ係合されることにより固定されている。
【0024】
第1ターミナル38はフィラメント電源21Aのマイナス側端子に電気的に接続されており、第2ターミナル39はプラス側がチャンバ12に電気的に接続されたチャンバ電源21Bのマイナス側端子に電気的に接続されている。したがって、フィラメント25には電流が第1ターミナル38、第1端部26、第2端部27および第2ターミナル39によって流れるようになっている。
【0025】
チャンバ12の内部におけるエンドプレート30の近傍位置には取付溝42が環状に没設されており、取付溝42にはタングステンによって長方形の平板形状に形成されたシールドプレート(以下、フィラメント側シールドプレートという。)43が建て込まれている。フィラメント側シールドプレート43はフィラメント25とエンドプレート30とを仕切るように配設されており、エンドプレート30および碍子ボックス34における第1フィラメント用碍子28の挿通部や支持部および第2フィラメント用碍子29の挿通部や支持部を空間的にシールドした状態になっている。
【0026】
フィラメント側シールドプレート43には第1挿通孔44および第2挿通孔45が開設されており、第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29は第1挿通孔44および第2挿通孔45をそれぞれ貫通した状態になっている。第1挿通孔44および第2挿通孔45の内径は第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29の外径よりも充分に大きく、鍔部28aおよび29aの外径よりも若干だけ大きくそれぞれ設定されており、第1挿通孔44および第2挿通孔45の内周と第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29の外周との間には充分なギャップがそれぞれ確保されている。
【0027】
次に、以上のように構成されたイオン打ち込み装置を使用した半導体装置の製造方法のイオン打ち込み工程を説明する。
以上のように構成されたイオン打ち込み装置のイオンソース3において、フィラメント25に高電流が通電されると、フィラメント25は熱電子46を発生する。発生した熱電子46はマグネット11による磁場とチャンバ12の電位による電界とによって回転運動を行いながら、チャンバ12の側壁面に到達する。この飛行過程で、熱電子46はガス導入管13からチャンバ12の内部に導入されたガス14の分子と衝突するため、ガス分子がイオン化される。この際、反射板17にはプラス電位が印加されているため、発生したイオン16はチャンバ12の内部の中央領域に移動される状態になる。チャンバ12の中央領域に移動されたイオン16は引き出し加速部4によってスリット15から引き出される。
【0028】
本実施形態においては、従来のフリーマン型イオンソースと異なり、フィラメント25はチャンバ12に架設されずに両端部が折り返されてチャンバ12の片側に支持された状態になっているため、イオン化されたイオン16がフィラメント25に衝突するのを回避することができる。すなわち、フィラメント25がイオン16の衝突によって消耗されるのを防止することができるため、フィラメント25の寿命は延長されることになる。
【0029】
ところで、熱電子46がチャンバ12の側壁に衝突すると、スパッタリングによってスパッタ片がチャンバ12の内部に全体的に飛散する。また、導入されたガス14やイオン化されたイオン16もチャンバ12の内部に全体的に飛散する。このようにチャンバ12の内部に全体的に飛散したスパッタ片やガス14およびイオン16はフィラメント25の基端部の方向にも飛翔することにより、第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29の基端部に付着して次第に堆積して行くことになる。そして、この堆積物が肥大すると、フィラメント25とチャンバ12との間の絶縁状態が低下するため、フィラメント25が切れていないにもかかわらず、イオンソース3の交換が必要になってしまう。イオンソース3の交換作業に際しては、イオン打ち込み装置2の高温状況や高真空状況が一度解除されるため、イオンソース3の交換が頻繁に実施されると、イオン打ち込み装置2全体の稼動効率が大幅に低下されてしまう。
【0030】
しかし、本実施形態においては、第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29はチャンバ12のエンドプレート30の外側に取り付けられた碍子ボックス34に雄ねじ28bおよび29bが螺着されてそれぞれ支持されており、しかも、エンドプレート30の第1挿通孔31および第2挿通孔32、フィラメント側シールドプレート43の第1挿通孔44および第2挿通孔45には第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29との間に充分なギャップが確保されているため、第1フィラメント用碍子28および第2フィラメント用碍子29の堆積物が肥大化しても、チャンバ12の側壁との間に橋絡した状態になるのを防止することができ、堆積肥大化することによって引き起こされる絶縁不良を防止することができる。
【0031】
以上のようにしてイオンソース3から引き出し加速部4によって引き出されたイオン16は、質量分析マグネット5、偏向走査マグネット6および角度補正マグネット7によってイオンビームとして制御され、打ち込み室8にオートローダ9によってローディングされたウエハ1に打ち込まれる。
【0032】
前記実施形態によれば次の効果が得られる。
▲1▼ フィラメントを捲線してチャンバに架設せずに両端部をチャンバの片側に支持することにより、イオン化されたイオンがフィラメントに衝突するのを回避することができるため、フィラメントがイオンの衝突によって消耗されるのを防止することができ、その結果、フィラメントの寿命を延長することができる。
【0033】
▲2▼ フィラメントの寿命を延長することにより、フィラメントひいてはイオンソースの交換頻度を減少させることができるため、イオン打ち込み装置の稼動効率を高めることができ、ひいては半導体装置の製造方法全体としての生産性を高めることができる。
【0034】
▲3▼ フィラメントの第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子をチャンバのエンドプレートの外側に取り付けられた碍子ボックスにそれぞれ支持させるとともに、エンドプレートの第1挿通孔および第2挿通孔、フィラメント側シールドプレートの第1挿通孔および第2挿通孔には第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子との間に充分なギャップを確保することにより、第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子の堆積物が肥大化しても、チャンバの側壁との間に橋絡した状態になるのを防止することができるため、堆積することによって引き起こされる絶縁不良を防止することができる。
【0035】
▲4▼ 絶縁不良を防止することにより、フィラメントひいてはイオンソースの交換頻度を減少させることができるため、イオン打ち込み装置の稼動効率を高めることができ、ひいては半導体装置の製造方法全体としての生産性を高めることができる。
【0036】
▲5▼ 碍子ボックスの内面を凹凸面に形成することにより、堆積物の接触面積を増加させることができるため、堆積物の再飛散を防止することができるとともに、碍子ボックスが堆積物を保持する容量を増加することができるため、フィラメントひいてはイオンソースの交換頻度をより一層低減することができる。
【0037】
▲6▼ 碍子ボックスの内部に第1フィラメント用碍子の空間と第2フィラメント用碍子の空間とを仕切る隔壁を配設することにより、第1フィラメント用碍子の空間と第2フィラメント用碍子の空間とをそれぞれ独立させることができるため、碍子ボックスの内部で堆積物が再飛散するのを防止することができる。
【0038】
▲7▼ 第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子の内側端部のそれぞれに各鍔部を突設することにより、スパッタ片やガスおよびイオンが第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子の各基端部の方向に飛翔するのを防止することができるため、スパッタ片やガスおよびイオンが第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子の各基端部に堆積するのを抑制することができる。
【0039】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0040】
例えば、碍子や碍子ボックスは窒化ボロンによって形成するに限らず、セラミック等の絶縁物によって形成することができる。
【0041】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0042】
フィラメントを捲線してチャンバに架設せずに両端部をチャンバの片側に支持することにより、イオン化されたイオンがフィラメントに衝突するのを回避することができるため、フィラメントがイオンの衝突によって消耗されるのを防止することができ、その結果、フィラメントの寿命を延長することができる。フィラメントの寿命を延長することにより、フィラメントひいてはイオンソースの交換頻度を減少させることができるため、イオン打ち込み装置の稼動効率を高めることができ、ひいては半導体装置の製造方法全体としての生産性を高めることができる。
【0043】
フィラメントの第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子をチャンバの外壁に取り付けられた碍子ボックスにそれぞれ支持させるとともに、チャンバ側壁の第1挿通孔および第2挿通孔には第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子との間に充分なギャップを確保することにより、第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子の堆積物が肥大化しても、チャンバの側壁との間に橋絡した状態になるのを防止することができるため、堆積することによって引き起こされる絶縁不良を防止することができる。絶縁不良を防止することにより、フィラメントひいてはイオンソースの交換頻度を減少させることができるため、イオン打ち込み装置の稼動効率を高めることができ、ひいては半導体装置の製造方法全体としての生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるイオン打ち込み装置のイオンソースを示しており、(a)は一部省略一部切断分解斜視図、(b)は(a)のb−b線に沿う矢視図である。
【図2】その一部省略平面断面図である。
【図3】そのイオン打ち込み装置の全体を示す模式図である。
【符合の説明】
1…ウエハ、2…イオン打ち込み装置、3…イオンソース、4…引き出し加速部、5…質量分析マグネット、6…偏向走査マグネット、7…角度補正マグネット、8…打ち込み室、9…オートローダ、11…マグネット、12…チャンバ、13…ガス導入管、14…ガス、15…スリット、16…イオン、17…反射板、18…電極、19…反射板用碍子、20…ターミナル、21A…フィラメント電源、21B…チャンバ電源、22…取付溝、23…反射板側シールドプレート、24…挿通孔、25…フィラメント、26…第1端部、26a…第1固定孔、27…第2端部、27a…第2固定孔、28…第1フィラメント用碍子、28a…鍔部、28b…雄ねじ、29…第2フィラメント用碍子、29a…鍔部、29b…雄ねじ、30…エンドプレート、31…第1挿通孔、32…第2挿通孔、33…取付溝、34…碍子ボックス、34a…凹凸面、35…第1雌ねじ孔、36…第2雌ねじ孔、37…隔壁、38…第1ターミナル、38a…取付孔、38b…雌ねじ孔、39…第2ターミナル、39a…取付孔、39b…雌ねじ孔、40…第1ボルト、41…第2ボルト、42…取付溝、43…フィラメント側シールドプレート、44…第1挿通孔、45…第2挿通孔、46…熱電子。
Claims (6)
- チャンバ内に装備されたフィラメントに大電流が通電されることによってフィラメントから発生した熱電子がガス導入管からチャンバ内に導入されたガスの分子と衝突することによりイオンが発生されるように構成されているイオンソースを備えているイオン打ち込み装置において、
前記フィラメントがR形状に捲線されて互いに平行に揃えられた両端部が第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子にそれぞれ挿通されており、この第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子は前記チャンバの一側壁にそれぞれ開設された第1挿通孔および第2挿通孔にそれぞれ挿通されているとともに、この側壁の外部に取り付けられた碍子ボックスの第1雌ねじ孔および第2雌ねじ孔にそれぞれ螺入されており、前記碍子ボックスの一端面は開口し、この開口端面側が前記チャンバ側に配置され、前記開口端面に対向する側壁に前記第1雌ねじ孔および第2雌ねじ孔が設けられていることを特徴とするイオン打ち込み装置。 - 前記第1挿通孔および第2挿通孔の内径が前記第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子の外径よりも大径にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項1に記載のイオン打ち込み装置。
- 前記碍子ボックスの内面が凹凸面に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン打ち込み装置。
- 前記碍子ボックスの内部に前記第1フィラメント用碍子の空間と前記第2フィラメント用碍子の空間とを仕切る隔壁が配設されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のイオン打ち込み装置。
- 前記チャンバの前記フィラメントよりも前記側壁寄り位置に、前記フィラメント側の空間と前記側壁側の空間とを仕切るシールドプレートが配設されており、このシールドプレートに開設された第1挿通孔および第2挿通孔には前記第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子がそれぞれ挿通されていることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のイオン打ち込み装置。
- 前記第1フィラメント用碍子および第2フィラメント用碍子の内側端部には各鍔部がそれぞれ突設されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のイオン打ち込み装置。
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JPH10289664A (ja) | 1998-10-27 |
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