JPH1192919A - 金属イオンプラズマ発生装置 - Google Patents

金属イオンプラズマ発生装置

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JPH1192919A
JPH1192919A JP10211412A JP21141298A JPH1192919A JP H1192919 A JPH1192919 A JP H1192919A JP 10211412 A JP10211412 A JP 10211412A JP 21141298 A JP21141298 A JP 21141298A JP H1192919 A JPH1192919 A JP H1192919A
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JP
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cathode
anode
trigger
ring
magnetic field
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JP10211412A
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Atsushi Munemasa
淳 宗政
Erukindo Arekisandaa
エルキンド アレキサンダー
Aaru Toregurio Jieemuzu
アール トレグリオ ジェームズ
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32009Arrangements for generation of plasma specially adapted for examination or treatment of objects, e.g. plasma sources
    • H01J37/32055Arc discharge
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/24Vacuum evaporation
    • C23C14/32Vacuum evaporation by explosion; by evaporation and subsequent ionisation of the vapours, e.g. ion-plating
    • C23C14/325Electric arc evaporation
    • HELECTRICITY
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    • H01J27/02Ion sources; Ion guns
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    • HELECTRICITY
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属製カソードとトリガーリングとの間のト
リガー放電でカソードとアノード間に真空アーク放電を
誘発し、カソード表面を蒸発させて金属イオンプラズマ
を発生させる場合に、カソードとアノード間に印加する
アークパルス長さを1msecより長くすると、カソー
ドとトリガーリング間が絶縁リング表面に堆積する蒸発
物質によりすぐに短絡する。 【解決手段】 カソード34からの蒸発物質をアノード
26側へ導く磁場をアノード26とカソード34間の空
間に形成する永久磁石36をトリガーリング35の後方
に近接させて設ける。これにより、アークパルス長さを
長くしても長時間の連続運転を行うことができる。しか
も、上記の位置に永久磁石36を設けることでアーク放
電による熱負荷を受けず、安定した動作状態が維持され
ると共に、全体の構成がコンパクトになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料から成る
カソードを真空アーク放電により蒸発させて金属イオン
プラズマを発生させる金属イオンプラズマ発生装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】真空アーク放電によって金属イオンプラ
ズマを発生させる装置として、例えば図3に示すよう
に、真空室51内に、棒状の金属製カソード52と板状のア
ノード53とを設けて構成されたものが知られている(例
えば、特開昭63−276858号公報等参照)。カソード52
は、その軸心をアノード53に垂直にしてカソードホルダ
54によって支持され、アノード53には、カソード52と同
軸上の対面位置に開口55が形成されている。
【0003】カソード52におけるカソードホルダ54から
突出する先端部には、絶縁材から成る絶縁リング56が外
嵌されている。そして、この絶縁リング56に、導電性材
料から成るトリガーリング57がさらに外嵌され、このト
リガーリング57の外周面に接するようにトリガー電極58
が真空室51に導入されている。上記構成において、トリ
ガー電極58を介してトリガーリング57とカソード52間に
パルス長が数μsec のパルス状高電圧を印加すると、ト
リガーリング57とカソード52間にトリガー放電が発生す
る。このとき同時に、アノード53とカソード52との間
に、所定のパルス長さに設定された電圧(以下、アーク
パルスという)を印加すると、上記のトリガー放電をき
っかけにアノード53とカソード52間に真空アーク放電が
発生する。このアーク放電により、カソード52の先端部
に、エネルギーが局所的に集中したアークスポットと呼
ばれる点が出現し、この部分が蒸発かつイオン化して金
属イオンプラズマが発生する。この金属イオンプラズマ
は、アノード53の開口55を通して、上記の真空室51が接
続された処理室(図示せず)側へ供給される。
【0004】上記装置を薄膜形成に使用する場合には、
上記の金属イオンプラズマは、処理室内に配置されてい
る基板に供給される。また、上記装置を金属イオン源と
して使用する場合には、上記の金属イオンプラズマは、
処理室内にさらに設けられているイオン引出し電極に供
給される。ところで、アノード53とカソード52との間で
真空アーク放電が発生しているとき、トリガーリング57
とカソード52の間の絶縁リング56の表面にも、蒸発した
カソード物質が徐々に堆積する。このようなコーティン
グ現象が進行すると、このカソード物質は導電性である
ためにトリガーリング57とカソード52の間の抵抗値が次
第に低下し、ついにはトリガーリング57とカソード52間
が短絡してアーク放電が停止する。
【0005】この絶縁リング56へのコーティング現象は
アノード53とカソード52との間に印加されるアークパル
スの長さに非常にセンシティブであり、大多数のカソー
ド材質において、アークパルス長さを1msecより長くす
ると、2〜3min でトリガーリング57とカソード52間の
短絡によりアーク放電が停止してしまう。このため、従
来は、アークパルス長さを1msec以下に設定して運転さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにアークパルス長さが1msec以下の運転では、真空
アーク放電中のカソード52表面でのアークスポットの動
きが限定され、カソード52の消耗が不均一になる。この
ようなカソード52の不均一消耗は、カソードの短寿命化
や、前記したインオ引出し電極等に到達するプラズマ密
度分布の不均一化の原因となる。
【0007】したがって、これを防止するためにはアー
クパルス長さを1msecより長くすることが必要となる
が、この場合には、前述したように、数分でアーク放電
が停止し、このため連続運転ができずに生産性が低下す
るという問題を生じている。本発明は、上記した従来の
問題点に鑑みなされたもので、その目的は、アークパル
ス長さをより長くしても長時間の連続運転が可能であ
り、さらに、全体の構成がよりコンパクトで、かつ安定
性に優れた金属イオンプラズマ発生装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の金属イオンプラズマ発生装置は、真空室内
に、棒状の金属製カソードと、このカソードの先端側が
挿通される絶縁リングと、この絶縁リングに外嵌される
トリガーリングと、カソードの先端面に対面する位置に
開口を有するアノードとが設けられ、トリガーリングと
カソード間のトリガー放電によって誘発されるカソード
とアノード間の真空アーク放電により、カソード表面か
らプラズマ化した蒸発物質を発生させ、この蒸発物質を
上記開口を通して供給する金属イオンプラズマ発生装置
において、カソードからの蒸発物質をアノード側へ導く
磁場をカソードとアノードとの間の空間に形成する磁場
形成手段が、トリガーリング後方に近接させて設けられ
ていることを特徴としている。
【0009】上記の構成によれば、カソードからの蒸発
物質は磁場によってアノード側へ導かれるので、絶縁リ
ング表面側へと向かう蒸発物質の量は少なくなり、これ
によって、絶縁リング表面への堆積量が低減する。この
結果、カソードとアノードとの間に印加するアークパル
ス長さをより長く設定しても、絶縁リング表面を通して
のカソードとトリガーリング間の短絡が抑制され、この
結果、より長時間の連続運転を行うことができる。
【0010】しかも、上記の磁場形成手段は、トリガー
リングの後方に近接させて設けられ、カソードとアノー
ド間の空間に近いことから、磁力が比較的小さな小形状
のものでも、上記の箇所に磁場を有効に形成することが
できる。また、カソードとアノードとの間のアーク放電
による熱負荷も受けない。この結果、全体の構成をより
コンパクトなものとして、安定した動作状態を維持する
ことができる。
【0011】なお、上記のトリガーリングは磁性体から
成ることが好ましい。このような構成では、トリガーリ
ングの後方に磁場形成手段が設けられていても、このト
リガーリングが磁化されることで、カソードとアノード
間の空間での磁場強度がより大きくなる。この結果、絶
縁リング表面への金属膜コーティングの抑制がさらに確
実なものとなって、アークパルスをより長く設定した連
続運転をさらに長時間にわたって行うことが可能とな
る。
【0012】また、上記の磁場形成手段は永久磁石から
成ることが好ましい。例えばコイルで構成する場合に
は、カソードやアノード等への電源供給とは別に、コイ
ルに電源を供給する構成とすることが必要になるが、永
久磁石では、このような電源供給が不要であるので、全
体の構成をさらに簡素なものとすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態について説明する。図2には、本実施形態に係
る金属イオンプラズマ発生装置1を、イオンビーム引出
し装置2の一端に連結して構成した金属イオン源を示し
ている。この金属イオン源は、イオンビーム引出し装置
2におけるベースフランジ3を、例えばイオン注入装置
や、薄膜形成装置などの処理装置4に気密に接続して使
用される。
【0014】上記ベースフランジ3上には、絶縁性の底
部リング5と中間フランジ6とが順次気密に固定され、
さらに、中間フランジ6の上面に、円筒型ハウジング7
と上部フランジ8とが順次固定されている。円筒型ハウ
ジング7は、互いに同心状の内筒7aと外筒7bとから成
り、内筒7a内に真空室9が形成されている。この真空室
9内における軸方向のほぼ中央位置に、上方から加速グ
リッド11・サプレッサグリッド12・グランドグリッド13
の3枚のグリッドが所定の間隔を置いて、互いに平行に
配設されている。加速グリッド11は、上部フランジ8の
内面から下方に向かって延びる第1円筒体14の下端部に
固定され、サプレッサグリッド12は、中間フランジ6の
内面から上方に向かって延びる第2円筒体15の上端部に
固定されている。また、グランドグリッド13は、ベース
フランジ3の内面から、第2円筒体15の内側を上方に向
かって延びる第3円筒体16の上端部に固定されている。
【0015】加速グリッド11には、通常、数kV〜数百kV
の高電圧が印加され、サプレッサグリッド12には負電圧
が印加される。また、グランドグリッド13は接地され
る。このイオンビーム引出し装置2の真空室9内に、後
述する金属イオンプラズマ発生装置1から金属イオンプ
ラズマが供給されると、このプラズマ中の金属イオン
が、グリッド11・12・13間で電界により加速され、これ
らグリッドを通して前記処理装置4へと供給される。な
お、上記サプレッサグリッド12は2次電子の逆流を防止
するためのグリッドである。
【0016】前記金属イオンプラズマ発生装置1は、上
部フランジ8の上面に順次気密に固定された筒状ハウジ
ング21と、絶縁性の上部リング22とを備えている。この
上部リング22に、その上面開口を覆う蓋体23が気密に固
定され、これによって、内部に、前記イオンビーム引出
し装置2の真空室9に連通する真空室24が形成されてい
る。
【0017】両真空室9・24間には、上部フランジ8の
内周に周縁が固定された板状のアノード支持板25が設け
られている。このアノード支持板25の中央に円板状のア
ノード26が取付けられ、このアノード26の中心位置に、
後述するカソード34の径よりもやや径大な開口27が形成
されている。この開口27を通して、両真空室9・24が相
互に連通している。
【0018】前記蓋体23の中央には、上記アノード26に
向かって垂下する筒状のカソードホルダ31が取付けられ
ている。また、このカソードホルダ31の側方を平行に垂
下すると共に下端部がL字状に折曲された棒状のトリガ
ー電極32が、蓋体23を上方から貫通させてこの蓋体23に
取付けられている。上記カソードホルダ31には、図1に
示すように、その下端側に、セラミックス材料等から成
る円筒状の絶縁リング33が、カソードホルダ31の下端面
から下方に突出する形状で取付けられている。そして、
棒状の金属製カソード34がカソードホルダ31と絶縁リン
グ33とに順次嵌挿させた状態で保持されている。このカ
ソード34は、その端面が絶縁リング33の端面とほぼ面一
状となるように支持され、これによって、このカソード
34は、前記アノード26の開口27と同軸上でかつ所定の間
隔で対面する位置で保持されている。
【0019】一方、上記絶縁リング33における下端側の
外周面には、例えばFeや、Cr、Niなどの導電性磁性材料
から成るトリガーリング35が、その下端面を絶縁リング
33の端面とほぼ面一状とした状態で外嵌されている。こ
のトリガーリング35の外周面に、前記トリガー電極32の
先端部が接触し、このトリガー電極32を通して、トリガ
ーリング35に後述するトリガーパルス電圧が印加され
る。
【0020】さらに、絶縁リング33の外周面には、トリ
ガーリング35におけるカソードホルダ31側の端面に接触
させて、磁場形成手段としての環状の永久磁石36が外嵌
されている。この永久磁石36は、トリガーリング35側の
端面をN極又はS極、カソードホルダ31側の端面をS極
又はN極とするように軸方向に着磁されており、後述す
るような作用をもつ。
【0021】上記構成の装置においては、前記処理装置
4を通して真空室9・24が真空排気され、所定の真空度
に達すると、まず、−30kV程度の高電圧のトリガーパル
ス(パルス長:数μsec)が、トリガー電極32を通してト
リガーリング35とカソード34間に印加される。このトリ
ガーパルスにより、トリガーリング35とカソード34間
に、絶縁リング33を越えてトリガー放電が発生する。こ
のトリガー放電は、カソード34とアノード26との間の陰
極アーク放電の火種となる。すなわち、トリガーパルス
の印加と同時にアノード26とカソード34との間に、所定
のパルス長さ(以下、アークパルス長さという)の電圧
を印加しておくと、上記のトリガー放電をきっかけに、
アノード26とカソード34間に、上記アークパルス長さの
間、陰極アーク放電が発生する。このアーク放電中、カ
ソード34の端面には、エネルギが局所的に集中した直径
1μm以下のアークスポットと呼ばれる点が出現し、こ
の部分の物質が蒸発かつイオン化して金属イオンプラズ
マが発生する。アークスポットは、設定したアークパル
ス長さの間、カソード34の表面をランダムに動き回る。
【0022】こうしてイオン化率の高い金属イオンプラ
ズマが生成されると、この金属イオンプラズマは、アノ
ード26の開口27を通して、イオンビーム引出し装置2の
真空室9へと供給される。この真空室9内で、プラズマ
中の金属イオンが加速グリッド11に到達すると、これは
加速グリッド11とサプレッサグリッド12の間で加速さ
れ、この加速された金属イオンが処理装置4へと送られ
る。この金属イオンは、処理装置4内で、イオン注入、
或いはイオンビームアシステッドデポジション、スパッ
タクリーニング等に使用される。
【0023】ところで、前記したアークパルス長さは、
従来、1msecより長くすると、絶縁リング33の端面がカ
ソード34からの蒸発物質でコーティングされ、トリガー
リング35とカソード34との間がすぐに短絡してアーク放
電が停止するという現象が生じていた。そこで、これを
防止するために、本実施形態では、カソード34からの蒸
発物質をアノード26側に誘導して側方への拡がりを抑え
るような磁場を、カソード34とアノード26との間の空間
に形成する永久磁石36を、トリガーリング35に隣接させ
て設けている。これにより、アークパルス長さを1msec
より長くしても、各種運転条件において、それぞれ長時
間の運転が可能になっている。
【0024】その結果の一例を説明する。例えば、カソ
ード材質をチタン(Ti)とし、アークパルス長さ:5ms
ec、アークパルス周波数:5Hz、アーク電流値:100Aの
運転条件では、前記のような永久磁石36を設けない構成
(以下、従来構成という)で運転すると、数分後に絶縁
リング33の表面短絡により、アーク放電が停止した。こ
れに対し、永久磁石36を設けた本実施形態では、数時間
の連続運転が可能であった。
【0025】カソードが消耗した分カソードを絶縁リン
グに対して前進させ、常にカソード表面(先端)位置を
同じにするためのカソードフィード機構を使用した場合
には、24時間可能であった。さらに、従来構成の場合
と同じアーク電流値でも、永久磁石36によって生じる磁
力線のイオン誘導により、アノード26の開口27を通過す
るイオン量が増加し、また、カソード34表面の消耗形状
も均一化した。この結果、イオンビーム引出し装置2内
の加速グリッド11表面でのプラズマ密度分布がより均一
になり、これによって、イオンビーム引出し装置2から
引き出されるイオンビーム電流量は、従来構成の場合に
比べて約2倍になった。
【0026】以上の説明のように、本実施形態では、永
久磁石36による磁場の作用によって、カソード34からの
蒸発物質が絶縁リング33表面に堆積することが抑制さ
れ、この結果、カソード34とアノード26との間に印加す
るアークパルス長さを1msecより長く設定しても、絶縁
リング33表面を通してのカソード34とトリガーリング35
との短絡が抑制され、この結果、より長時間の連続運転
を行うことが可能となっている。
【0027】なお、永久磁石36の取付け位置としては、
本実施形態のようにトリガーリング35の後方に近接させ
た位置が最適である。すなわち、カソード34とアノード
26との間の空間に磁場を形成するためには、例えば、
カソード34とアノード26との間の空間位置に設ける構
成、トリガーリング35の外周位置に設ける構成なども
考えられる。しかしながら、の構成では、カソード34
表面でのアーク放電による熱負荷によって磁石特性が劣
化する。また、カソード34からの蒸発金属が付着するた
めに定期的な保守が必要になる等の問題が発生する。
の構成では、トリガーリング35にトリガー高電圧を供給
するためのトリガー電極32と干渉するため、このトリガ
ー電極32との絶縁を考慮した取付が必要となって構造が
複雑化する。また、トリガー放電により損傷を受けると
いうという問題を生じる。さらに、トリガーリング35よ
りも後方に離して、例えばカソードホルダ31の外周に設
ける構成では、カソード34表面近傍での磁場強度が弱く
なり、カソード34とアノード26との間の空間に適性な磁
場強度を得ようとすると、磁石強度の大きなものが必要
となる。
【0028】これに対し、本実施形態のように、トリガ
ーリング35の後方に近接させた位置に永久磁石36を設け
る構成とすることにより、上記のようなアーク放電やト
リガー放電の影響を受けず、また、カソード34からの蒸
発金属の付着も生じないことから、安定した動作状態を
維持することができる。また、トリガー電極32と干渉し
ないことから、取付構造も簡単になる。さらに、カソー
ド34とアノード26との間の空間により近い取付け位置で
あることから、カソード34表面に所定強度の磁場を形成
するための磁石強度もそれほど大きなものを必要としな
い。この結果、より安価で小形状の永久磁石を採用する
ことが可能となっている。
【0029】なお、本発明は、上記の実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能
である。例えば上記実施形態においては、真空室21内に
1本のカソード24が取付けられるシングルカソードタイ
プの装置構成を例に挙げて説明したが、複数のカソード
が取付けられるように構成したマルチカソードタイプの
装置にも、本発明を適用して構成することが可能であ
る。
【0030】また、上記実施形態では、磁場形成手段と
して永久磁石36を設けて構成したが、永久磁石に替えて
コイルを採用することもできる。もっとも、コイルによ
って適正な磁場を形成しようとすると、高電圧印加部に
コイルを設置する必要があるため例えば電圧20〜80kVに
昇圧されたコイルに50A以上の大電流を供給しなくては
ならず、絶縁トランスの容量が大きくなり、装置が大型
化、かつ高価となる。これに対し、本実施形態のように
永久磁石36を用いれば、電源の供給が不要であり、これ
によって、全体の構成をさらに簡素なものとすることが
できる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の金属イオ
ンプラズマ発生装置においては、カソードの先端側に絶
縁リングを介して外嵌されるトリガーリングの後方に近
接させて、カソードからの蒸発物質をアノード側へ導く
磁場を形成する磁場形成手段が設けられている。これに
より、カソードとアノードとの間に印加するアークパル
ス長さをより長くしても、絶縁リング表面を通してのカ
ソードとトリガーリングとの短絡が抑制され、この結
果、長時間の連続運転を行うことができる。
【0032】しかも、上記の磁場形成手段は、トリガー
リングの後方に近接させて設けられていることから、磁
力が比較的小さな小形状のものでも、局所的な磁場をカ
ソードとアノードとの間の空間近くに有効に形成するこ
とができる。また、カソードとアノードとの間のアーク
放電による熱負荷も受けない。この結果、全体の構成を
よりコパクトなものとして、安定した動作状態を維持す
ることができる。
【0033】また、上記のトリガーリングを磁性体で構
成した場合には、このトリガーリングの後方に磁場形成
手段が設けられていても、カソードとアノードとの間の
空間での磁場強度をより大きくなる。この結果、絶縁リ
ング表面への金属膜コーティングの抑制がさらに確実な
ものとなって、アークパルスをより長く設定したときの
連続運転もさらに長時間にわたって行うことが可能とな
る。
【0034】さらに、上記の磁場形成手段を永久磁石で
構成した場合には、例えばコイルで構成する場合に必要
な電源の供給が不要であるので、全体の構成をさらに簡
素なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における金属イオンプラズ
マ発生装置における要部構成を示す断面図である。
【図2】上記装置を一端側に備えた金属イオン源の構成
を示す断面図である。
【図3】従来の金属イオンプラズマ発生装置の要部構成
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金属イオンプラズマ発生装置 24 真空室 26 アノード 27 開口 33 絶縁リング 34 カソード 35 トリガーリング 36 永久磁石(磁場形成手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェームズ アール トレグリオ アメリカ合衆国 92131 カリフォルニア 州 サンディエゴ キャロル キャニオン ロード 9965番 アイ・エス・エム テ クノロジーズ インコーポレッド内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空室内に、棒状の金属製カソードと、
    このカソードの先端側が挿通される絶縁リングと、この
    絶縁リングに外嵌されるトリガーリングと、カソードの
    先端面に対面する位置に開口を有するアノードとが設け
    られ、トリガーリングとカソード間のトリガー放電によ
    って誘発されるカソードとアノード間の真空アーク放電
    により、カソード表面からプラズマ化した蒸発物質を発
    生させ、この蒸発物質を上記開口を通して供給する金属
    イオンプラズマ発生装置において、 カソードからの蒸発物質をアノード側へ導く磁場をカソ
    ードとアノードとの間の空間に形成する磁場形成手段
    が、トリガーリング後方に近接させて設けられているこ
    とを特徴とする金属イオンプラズマ発生装置。
  2. 【請求項2】 上記トリガーリングが磁性体から成るこ
    とを特徴とする請求項1記載の金属イオンプラズマ発生
    装置。
  3. 【請求項3】 上記磁場形成手段が永久磁石から成るこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の金属イオンプラズ
    マ発生装置。
JP10211412A 1997-08-08 1998-07-27 金属イオンプラズマ発生装置 Pending JPH1192919A (ja)

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