実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下の説明に限定されず、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
なお、第1、第2、又は第3として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を示すものではない。また、本明細書において発明を特定するための事項として固有の名称を示すものではない。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
(実施の形態1)
本明細書で開示する発明の構成の一形態である液晶組成物、及び該液晶組成物を用いた液晶表示装置を、図1を用いて説明する。図1は液晶表示装置の断面図である。
本実施の形態に係る液晶組成物は、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、ブルー相を発現する液晶組成物である。
少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物において、複数の環はシクロアルカンを含んでもよい。また、電子吸引基はベンゼン環に置換していることが好ましい。
少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基である電子吸引基としては、シアノ基又はフッ素を用いることができる。3つの電子吸引基は、3つ全てシアノ基でもよいし、3つ全てフッ素でもよいし、シアノ基とフッ素とを組み合わせて用いてもよい。
液晶組成物において、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環は、環同士が直接連結してもよいし、環と環との間に、連結基を介して連結してもよい。連結基とは、2価の基である。連結基の具体例としては、構造式(1)で表されるエステル基、構造式(2)で表されるエチン−1,2−ジイル基、構造式(3)で表されるアルジミン−1,2−ジイル基、構造式(4)で表されるアゾ基、構造式(5)で表されるジフルオロメチルエーテル−1,2−ジイル基、構造式(6)で表されるメチルエーテル−1,2−ジイル基、構造式(7)で表されるエテン−1,2−ジイル基などを挙げることができる。なお、上記連結基において、エステル基、アルジミン−1,2−ジイル基、ジフルオロメチルエーテル−1,2−ジイル基、及びメチルエーテル−1,2−ジイル基は、連結の向きは問わないものとする。また、アルジミン−1,2−ジイル基及びアゾ基はトランス体が好ましい。
電子吸引基により3置換されたベンゼン環を含む化合物の具体例としては、構造式(101)で表される4−[4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンゾニトリル(略称;CPP−3FCNF)、構造式(102)で表される4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)−3’,4’,5’−トリフルオロ−1,1’−ビフェニル(略称:CPP−3FFF)、構造式(103)で表される4−(trans−4−n−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル(略称:CPEP−5FCNF)、構造式(104)で表される4−n−プロピル安息香酸3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル(略称:PEP−3FCNF)などを挙げることができる。但し、本発明はこれらに限定されない。
少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物が液晶中に含まれる割合は40wt%以上とすることができる。
上記液晶組成物は反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、捩れ力が強い液晶組成物である。液晶組成物の捩れ力が強いと、電圧無印加時(印加電圧が0V時)における液晶組成物の透過率を低く抑えることができるため、該液晶組成物を用いた液晶表示装置の高コントラスト化が可能となる。
カイラル剤は、液晶組成物の捩れを誘起し、液晶組成物を螺旋構造に配向させブルー相を発現させるために用いる。カイラル剤は、不斉中心を有する化合物であり、液晶組成物に対する相溶性が良く、かつ捩れ力の強い化合物を用いる。また、カイラル剤は光学活性体であり、光学純度が高いほど好ましく99%以上が最も好ましい。
本実施の形態に係る液晶組成物は、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下と短波長であるように、捩れ力が強いため、添加するカイラル剤の量を低減することができる。例えば、カイラル剤が上記液晶組成物中に含まれる割合を10wt%以下とすればよい。液晶組成物の捩れ力を向上させるためにカイラル剤を多量に添加すると、液晶組成物を駆動するための駆動電圧が上昇してしまう。添加するカイラル剤の量が低減できると、駆動電圧を低く抑えることができるため、低消費電力化が可能となる。
本明細書に開示するブルー相を発現する液晶組成物を液晶表示装置に用いることができる。
ブルー相は光学的に等方であるため視野角依存性がなく、配向膜を形成しなくとも良いため、表示画像の質の向上及びコスト削減が可能である。
液晶表示装置において、ブルー相の発現する温度範囲を広くするために、液晶組成物に、重合性モノマーを添加し、高分子安定化処理を行うことが好ましい。重合性モノマーとしては、例えば、熱により重合が進行する熱重合性(熱硬化性)モノマー、光により重合が進行する光重合性(光硬化性)モノマー、又は熱及び光により重合が進行する重合性モノマーなどを用いることができる。また、液晶組成物へ重合開始剤を添加してもよい。
重合性モノマーは、アクリレート、メタクリレートなどの単官能モノマーでもよく、ジアクリレート、トリアクリレート、ジメタクリレート、トリメタクリレートなどの多官能モノマーでもよく、これらを混合させたものでもよい。また、液晶性のものでも非液晶性のものでもよく、両者を混合させてもよい。
重合開始剤は、光照射によってラジカルを発生させるラジカル重合開始剤でもよく、酸を発生させる酸発生剤でもよく、塩基を発生させる塩基発生剤でもよい。
例えば、上記液晶組成物に、光重合性モノマー、及び光重合開始剤を添加し、光重合性モノマー、及び光重合開始剤が反応する波長の光を照射して高分子安定化処理を行うことができる。光重合性モノマーとして、代表的には紫外線重合性モノマーを用いることができる。光重合性モノマーとして紫外線重合性モノマーを用いる場合、液晶組成物に紫外線を照射すればよい。
高分子安定化処理は、等方相を示す液晶組成物に行っても良いし、温度制御してブルー相を発現した液晶組成物に行ってもよい。なお、昇温時にブルー相から等方相に転移する温度又は降温時に等方相からブルー相に相転移する温度をブルー相と等方相間の相転移温度という。高分子安定化処理の一例としては、光重合性モノマーを添加した液晶組成物を等方相まで加熱した後、徐々に降温させてブルー相にまで相転移させ、ブルー相が発現する温度を保持した状態で光を照射して行うことができる。
本明細書に開示するブルー相を発現する液晶組成物を液晶表示装置に用いる例を図1に示す。
図1は、第1の基板200と第2の基板201とが、ブルー相を発現する液晶組成物を用いた液晶組成物208を間に挟持して対向するように配置された液晶表示装置である。第1の基板200と液晶組成物208との間には画素電極層230と、共通電極層232が隣接して設けられている。
ブルー相を発現する液晶組成物を用いた液晶表示装置において、基板に概略平行(すなわち水平な方向)な電界を生じさせて、基板と平行な面内で液晶分子を動かして、階調を制御する方式を用いることができる。
液晶組成物208を介して隣接する画素電極層230と、共通電極層232との距離は、画素電極層230及び共通電極層232にそれぞれ所定の電圧を印加した時、画素電極層230及び共通電極層232間に介在する液晶組成物208の液晶が応答する距離とする。該距離に応じて印加する電圧を適宜制御する。
液晶組成物208の厚さ(膜厚)の最大値は1μm以上20μm以下とすることが好ましい。
液晶組成物208を形成する方法として、ディスペンサ法(滴下法)や、第1の基板200と第2の基板201とを貼り合わせてから毛細管現象等を用いて液晶を注入する注入法を用いることができる。
液晶組成物208に、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であるブルー相を発現する液晶組成物を用いる。また、液晶組成物208として設けられる該液晶組成物には、有機樹脂が含まれてもよい。
画素電極層230と共通電極層232との間に電界を形成することで、液晶を制御する。液晶には水平方向の電界が形成されるため、その電界を用いて液晶分子を制御できる。また、ブルー相を呈するように配向している液晶分子を、基板と平行な方向で制御できるため、視野角が広くなる。
本実施の形態で示す上記液晶組成物は反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、捩れ力が強い液晶組成物である。液晶組成物の捩れ力が強いと、電圧無印加時(印加電圧が0V時)における液晶組成物の透過率を低く抑えることができるため、該液晶組成物を用いた液晶表示装置は高コントラストとすることができる。高いコントラスト化により、視認性のよい高画質な液晶表示装置を提供することができる。
また、ブルー相を発現する液晶組成物は、高速応答が可能であるため、液晶表示装置の高性能化が可能になる。
例えば、高速応答が可能であるため、バックライト装置にRGBの発光ダイオード(LED)等を配置し、時分割によりカラー表示する継時加法混色法(フィールドシーケンシャル法)や、時分割により左目用の映像と右目用の映像を交互に見るシャッター眼鏡方式による3次元表示方式に好適に採用できる。
また、図1では図示しないが、偏光板、位相差板、反射防止膜などの光学フィルムなどは適宜設ける。例えば、偏光板及び位相差板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライトなどを用いることができる。
本明細書では、半導体素子(例えばトランジスタ)、画素電極層、及び共通電極層が形成されている基板を素子基板(第1の基板)といい、該素子基板と液晶組成物を介して対向する基板を対向基板(第2の基板)という。
本明細書に開示するブルー相を発現する液晶組成物を液晶表示装置に用いて、光源の光を透過することによって表示を行う透過型の液晶表示装置、入射する光を反射することによって表示を行う反射型の液晶表示装置、又は透過型と反射型を両方有する半透過型の液晶表示装置を提供することができる。
透過型の液晶表示装置の場合、光が透過する画素領域に存在する第1の基板、第2の基板、その他の絶縁膜、導電膜などは可視光の波長領域の光に対して透光性とする。画素電極層、共通電極層においては透光性が好ましいが、開口パターンを有する場合は形状によっては金属膜などの非透光性材料を用いてもよい。
一方反射型の液晶表示装置の場合、液晶組成物に対して視認側と反対側には液晶組成物を透過した光を反射する反射性の部材(反射性を有する膜や基板など)を設ければよい。よって、視認側より反射性の部材までに設けられ、光が透過する基板、絶縁膜、導電膜は可視光の波長領域の光に対して透光性とする。なお、本明細書で透光性とは少なくとも可視光の波長領域の光を透過する性質をいう。
画素電極層230、共通電極層232は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合した導電材料、酸化インジウムに酸化シリコン(SiO2)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、グラフェン、またはタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、又は複数種を用いて形成することができる。
第1の基板200、第2の基板201にはバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、プラスチック基板などを用いることができる。
本実施の形態で示す液晶組成物は反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、捩れ力が強い液晶組成物であるため、電圧無印加時(印加電圧が0V時)における液晶組成物の透過率を低く抑えることができる。
従って、該ブルー相を発現する液晶組成物を用いて、より高いコントラスト化を達成する液晶表示装置を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本明細書に開示する発明は、パッシブマトリクス型の液晶表示装置でもアクティブマトリクス型の液晶表示装置にも適用することができる。本実施の形態は、本明細書に開示する発明を適用したアクティブマトリクス型の液晶表示装置の例を、図2及び図3を用いて説明する。
図2(A)は液晶表示装置の平面図であり1画素分の画素を示している。図2(B)は図2(A)の線X1−X2における断面図である。
図2(A)において、複数のソース配線層(配線層405aを含む)が互いに平行(図中上下方向に延伸)かつ互いに離間した状態で配置されている。複数のゲート配線層(ゲート電極層401を含む)は、ソース配線層に略直交する方向(図中左右方向)に延伸し、かつ互いに離間するように配置されている。共通配線層408は、複数のゲート配線層それぞれに隣接する位置に配置されており、ゲート配線層に概略平行な方向、つまり、ソース配線層に概略直交する方向(図中左右方向)に延伸している。ソース配線層と、共通配線層408及びゲート配線層とによって、略長方形の空間が囲まれているが、この空間に液晶表示装置の画素電極層及び共通電極層が配置されている。画素電極層を駆動するトランジスタ420は、図中左上の角に配置されている。画素電極層及びトランジスタは、マトリクス状に複数配置されている。
図2の液晶表示装置において、トランジスタ420に電気的に接続する第1の電極層447が画素電極層として機能し、共通配線層408と電気的に接続する第2の電極層446が共通電極層として機能する。なお、第1の電極層と共通配線層によって容量が形成されている。共通電極層はフローティング状態(電気的に孤立した状態)として動作させることも可能だが、固定電位、好ましくはコモン電位(データとして送られる画像信号の中間電位)近傍でフリッカーの生じないレベルに設定してもよい。
基板に概略平行(すなわち水平な方向)な電界を生じさせて、基板と平行な面内で液晶分子を動かして、階調を制御する方式を用いることができる。このような方式として、図2及び図3に示すようなIPSモードで用いる電極構成が適用できる。
IPSモードなどに示される横電界モードは、液晶組成物の下方に開口パターンを有する第1の電極層(例えば各画素別に電圧が制御される画素電極層)及び第2の電極層(例えば全画素に共通の電圧が供給される共通電極層)を配置する。よって第1の基板441上には、一方が画素電極層であり、他方が共通電極層である第1の電極層447及び第2の電極層446が形成され、少なくとも第1の電極層及び第2の電極層の一方が層間膜上に形成されている。第1の電極層447及び第2の電極層446は、平面形状でなく、様々な開口パターンを有し、屈曲部や枝分かれした櫛歯状を含む。第1の電極層447及び第2の電極層446はその電極間に電界を発生させるため、同形状で重ならない配置とする。
液晶組成物444に、実施の形態1で示した少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、ブルー相を発現する液晶組成物を用いる。また、液晶組成物444には、有機樹脂が含まれてもよい。本実施の形態では、液晶組成物444は高分子安定化処理によって、ブルー相を発現している状態(ブルー相を呈す状態、又はブルー相を示す状態ともいう)で液晶表示装置に設けられる。
画素電極層である第1の電極層447と共通電極層である第2の電極層446との間に電界を形成することで、液晶組成物444の液晶を制御する。液晶には水平方向の電界が形成されるため、その電界を用いて液晶分子を制御できる。ブルー相を呈するように配向している液晶分子を、基板と平行な方向で制御できるため、視野角が広くなる。
第1の電極層447及び第2の電極層446の他の例を図3に示す。図3(A)乃至(D)の上面図に示すように、第1の電極層447a乃至447d及び第2の電極層446a乃至446dが互い違いとなるように形成されており、図3(A)では第1の電極層447a及び第2の電極層446aはうねりを有する波状形状であり、図3(B)では第1の電極層447b及び第2の電極層446bは同心円状の開口部を有する形状であり、図3(C)では第1の電極層447c及び第2の電極層446cは櫛歯状であり一部重なっている形状であり、図3(D)では第1の電極層447d及び第2の電極層446dは櫛歯状であり電極同士がかみ合うような形状である。なお、図3(A)乃至(C)のように、第1の電極層447a、447b、447c、と第2の電極層446a、446b、446cとが重なる場合は、第1の電極層447と第2の電極層446との間には絶縁膜を形成し、異なる膜上に第1の電極層447と第2の電極層446とをそれぞれ形成する。
なお、第1の電極層447、第2の電極層446は、開口パターンを有する形状であるために、図2(B)の断面図においては分断された複数の電極層として示されている。これは本明細書の他の図面においても同様である。
トランジスタ420は逆スタガ型の薄膜トランジスタであり、絶縁表面を有する基板である第1の基板441上に形成され、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、半導体層403、ソース電極層又はドレイン電極層として機能する配線層405a、405bを含む。
本明細書に開示する液晶表示装置に適用できるトランジスタの構造は特に限定されず、例えばトップゲート構造、又はボトムゲート構造のスタガ型及びプレーナ型などを用いることができる。また、トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、2つ形成されるダブルゲート構造もしくは3つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。また、チャネル領域の上下にゲート絶縁層を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート型でもよい。
トランジスタ420を覆い、半導体層403に接する絶縁膜407、絶縁膜409が設けられ、絶縁膜409上に層間膜413が積層されている。
層間膜413の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等を用いることができる。
第1の基板441と対向基板である第2の基板442とを、液晶組成物444を間に挟持させてシール材で固着する。液晶組成物444を形成する方法として、ディスペンサ法(滴下法)や、第1の基板441と第2の基板442とを貼り合わせてから毛細管現象等を用いて液晶を注入する注入法を用いることができる。
シール材としては、代表的には可視光硬化性、紫外線硬化性または熱硬化性の樹脂を用いるのが好ましい。代表的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アミン樹脂などを用いることができる。また、光(代表的には紫外線)重合開始剤、熱硬化剤、フィラー、カップリング剤を含んでもよい。
本実施の形態では、液晶組成物444に光照射により高分子安定化処理を行うため、実施の形態1で示した少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であるブルー相を発現する液晶組成物に、光重合性モノマー及び光重合開始剤を添加した液晶組成物を用いる。
該液晶組成物を第1の基板441と第2の基板442の間の間隙に充填後、光を照射して高分子安定化処理を行い、液晶組成物444を形成する。光は、液晶組成物444として用いられる液晶組成物に含まれる光重合性モノマー、及び光重合開始剤が反応する波長の光とする。この光照射による高分子安定化処理により、液晶組成物444がブルー相を発現する温度範囲を広く改善することができる。
本実施の形態で示す液晶組成物は捩れ力が強い液晶組成物であり、高分子安定化処理を行った液晶組成物444の反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークも短波長(好ましくは450nm以下、より好ましくは420nm以下)とすることができる。従って、電圧無印加時(印加電圧が0V時)における液晶組成物の透過率を低く抑えることができ、液晶表示装置のコントラスト比を向上させることが可能となる。
シール材に紫外線などの光硬化樹脂を用い、滴下法で液晶組成物を形成する場合など、高分子安定化処理の光照射工程によってシール材の硬化も行ってもよい。
本実施の形態では、第1の基板441の外側(液晶組成物444と反対側)に偏光板443aを、第2の基板442の外側(液晶組成物444と反対側)に偏光板443bを設ける。また、偏光板の他、位相差板、反射防止膜などの光学フィルムなどを設けてもよい。例えば、偏光板及び位相差板による円偏光を用いてもよい。以上の工程で、液晶表示装置を完成させることができる。
また、大型の基板を用いて複数の液晶表示装置を作製する場合(所謂多面取り)、その分断工程は、高分子安定化処理の前か、偏光板を設ける前に行うことができる。分断工程による液晶組成物への影響(分断工程時にかかる力などによる配向乱れなど)を考慮すると、第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた後、高分子安定化処理の前が好ましい。
図示しないが、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いればよい。光源は素子基板である第1の基板441側から、視認側である第2の基板442へと透過するように照射される。
第1の電極層447、及び第2の電極層446は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物、グラフェンなどの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、第1の電極層447、及び第2の電極層446はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、又は複数種を用いて形成することができる。
また、第1の電極層447、及び第2の電極層446として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはアニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘導体などがあげられる。
下地膜となる絶縁膜を第1の基板441とゲート電極層401の間に設けてもよい。下地膜は、第1の基板441からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化窒化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜による単層、又は積層構造により形成することができる。ゲート電極層401の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。ゲート電極層401に遮光性を有する導電膜を用いると、バックライトからの光(第1の基板441から入射する光)が、半導体層403へ入射することを防止することができる。
例えば、ゲート電極層401の2層の積層構造としては、アルミニウム層上にモリブデン層が積層された2層の積層構造、または銅層上にモリブデン層を積層した2層構造、または銅層上に窒化チタン層若しくは窒化タンタル層を積層した2層構造、窒化チタン層とモリブデン層とを積層した2層構造とすることが好ましい。3層の積層構造としては、タングステン層または窒化タングステン層と、アルミニウムとシリコンの合金層またはアルミニウムとチタンの合金層と、窒化チタン層またはチタン層とを積層した積層構造とすることが好ましい。
ゲート絶縁層402は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層又は窒化酸化シリコン層を単層で又は積層して形成することができる。また、ゲート絶縁層402として、有機シランガスを用いたCVD法により酸化シリコン層を形成することも可能である。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
半導体層403に用いる材料は特に限定されず、トランジスタ420に要求される特性に応じて適宜設定すればよい。半導体層403に用いることのできる材料の例を説明する。
半導体層403を形成する材料としては、シランやゲルマンに代表される半導体材料ガスを用いて気相成長法やスパッタリング法で作製される非晶質(アモルファスともいう。)半導体、該非晶質半導体を光エネルギーや熱エネルギーを利用して結晶化させた多結晶半導体、或いは微結晶半導体などを用いることができる。半導体層はスパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等により成膜することができる。
アモルファス半導体としては、代表的には水素化アモルファスシリコン、結晶性半導体としては代表的にはポリシリコンなどがあげられる。ポリシリコン(多結晶シリコン)には、800℃以上のプロセス温度を経て形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂高温ポリシリコンや、600℃以下のプロセス温度で形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂低温ポリシリコン、また結晶化を促進する元素などを用いて、非晶質シリコンを結晶化させたポリシリコンなどを含んでいる。もちろん、前述したように、微結晶半導体又は半導体層の一部に結晶相を含む半導体を用いることもできる。
また、酸化物半導体を用いてもよく、酸化物半導体としては、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O系、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系や、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、Zn−Mg−O系、Sn−Mg−O系、In−Mg−O、In−Ga−O系や、In−O系、Sn−O系、Zn−O系などを用いることができる。また、上記酸化物半導体にSiO2を含んでもよい。ここで、例えば、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体とは、少なくともInとGaとZnを含む酸化物であり、その組成比に特に制限はない。また、InとGaとZn以外の元素を含んでもよい。
また、酸化物半導体層は、化学式InMO3(ZnO)m(m>0)で表記される薄膜を用いることができる。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはGa及びCoなどがある。
酸化物半導体層として、単結晶構造ではなく、非晶質構造でもない構造であり、C軸配向を有した結晶性酸化物半導体(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor; CAACとも呼ぶ)含む酸化物を有する。
半導体層、配線層の作製工程において、薄膜を所望の形状に加工するためにエッチング工程を用いる。エッチング工程は、ドライエッチングやウエットエッチングを用いることができる。
ドライエッチングに用いるエッチング装置としては、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いたエッチング装置や、ECR(Electron Cyclotron Resonance)やICP(Inductively Coupled Plasma)などの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いることができる。また、ICPエッチング装置と比べて広い面積に渡って一様な放電が得られやすいドライエッチング装置としては、上部電極を接地させ、下部電極に13.56MHzの高周波電源を接続し、さらに下部電極に3.2MHzの低周波電源を接続したECCP(Enhanced Capacitively Coupled Plasma)モードのエッチング装置がある。このECCPモードのエッチング装置であれば、例えば基板として、第10世代の一辺が約3mを超えるサイズの基板を用いる場合にも対応することができる。
所望の加工形状にエッチングできるように、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節する。
所望の加工形状にエッチングできるように、材料に合わせてエッチング条件(エッチング液、エッチング時間、温度等)を適宜調節する。
ソース電極層又はドレイン電極層として機能する配線層405a、405bの材料としては、Al、Cr、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金膜等が挙げられる。また、熱処理を行う場合には、この熱処理に耐える耐熱性を導電膜に持たせることが好ましい。例えば、Al単体では耐熱性が劣り、また腐蝕しやすい等の問題点があるので耐熱性導電性材料と組み合わせて形成する。Alと組み合わせる耐熱性導電性材料としては、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金膜、または上述した元素を成分とする窒化物で形成する。
ゲート絶縁層402、半導体層403、ソース電極層又はドレイン電極層として機能する配線層405a、405bを大気に触れさせることなく連続的に形成してもよい。大気に触れさせることなく連続成膜することで、大気成分や大気中に浮遊する汚染不純物元素に汚染されることなく各積層界面を形成することができるので、トランジスタ特性のばらつきを低減することができる。
なお、半導体層403は一部のみがエッチングされ、溝部(凹部)を有する半導体層である。
トランジスタ420を覆う絶縁膜407、絶縁膜409は、乾式法や湿式法で形成される無機絶縁膜、有機絶縁膜を用いることができる。例えば、CVD法やスパッタリング法などを用いて得られる窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜などを用いることができる。また、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。また、絶縁膜407として酸化ガリウム膜を用いてもよい。
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。シロキサン系樹脂は塗布法により成膜し、焼成することによって絶縁膜407として用いることができる。
なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁膜407、絶縁膜409を形成してもよい。例えば、無機絶縁膜上に有機樹脂膜を積層する構造としてもよい。
また、多階調マスクにより形成した複数(代表的には二種類)の厚さの領域を有するレジストマスクを用いると、レジストマスクの数を減らすことができるため、工程簡略化、低コスト化が図れる。
以上のように、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下である、ブルー相を発現する液晶組成物を用いると、高いコントラストを付与することができるため、視認性のよい高画質な液晶表示装置を提供することができる。
また、ブルー相を発現する液晶組成物は、高速応答が可能であるため、液晶表示装置の高性能化が可能になる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本明細書に開示する発明を適用したアクティブマトリクス型の液晶表示装置の他の例を、図4及び図5を用いて説明する。
図4(A)は液晶表示装置の平面図であり1画素分の画素を示している。図4(B)は図4(A)の線X3−X4における断面図である。
図4(A)において、複数のソース配線層(配線層405aを含む)が互いに平行(図中上下方向に延伸)かつ互いに離間した状態で配置されている。複数のゲート配線層(ゲート電極層401を含む)は、ソース配線層に略直交する方向(図中左右方向)に延伸し、かつ互いに離間するように配置されている。共通配線層(共通電極層)は、複数のゲート配線層それぞれに隣接する位置に配置されており、ゲート配線層に概略平行な方向、つまり、ソース配線層に概略直交する方向(図中左右方向)に延伸している。ソース配線層と、共通配線層(共通電極層)及びゲート配線層とによって、略長方形の空間が囲まれているが、この空間に液晶表示装置の画素電極層及び共通電極層が配置されている。画素電極層を駆動するトランジスタ430は、図中左上の角に配置されている。画素電極層及びトランジスタは、マトリクス状に複数配置されている。
図4の液晶表示装置において、トランジスタ430に電気的に接続する第1の電極層447が画素電極層として機能し、共通配線層と電気的に接続する第2の電極層446が共通電極層として機能する。なお、図4に示すように第2の電極層446は画素において、共通配線層も兼ねており、隣り合う画素間は共通電極層411によって電気的に接続されている。なお、画素電極層と共通電極層によって容量が形成されている。共通電極層とはフローティング状態(電気的に孤立した状態)として動作させることも可能だが、固定電位、好ましくはコモン電位(データとして送られる画像信号の中間電位)近傍でフリッカーの生じないレベルに設定してもよい。
基板に概略平行(すなわち水平な方向)な電界を生じさせて、基板と平行な面内で液晶分子を動かして、階調を制御する方式を用いる。このような方式として、図4及び図5に示すようなFFSモードで用いる電極構成が適用できる。
FFSモードなどに示される横電界モードは、液晶組成物の下方に開口パターンを有する第1の電極層(例えば各画素別に電圧が制御される画素電極層)及びさらにその開口パターンの下方に平板状の第2の電極層(例えば全画素に共通の電圧が供給される共通電極層)を配置する。よって第1の基板441上には、一方が画素電極層であり、他方が共通電極層である第1の電極層447及び第2の電極層446が形成され、画素電極層と共通電極層とは絶縁膜(又は層間絶縁層)を介して積層するように配置される。画素電極層及び共通電極層のいずれか一方は、下方に形成され、かつ平板状であり、他方は上方に形成され、かつ様々な開口パターンを有し、屈曲部や枝分かれした櫛歯状を含む形状である。第1の電極層447及び第2の電極層446はその電極間に電界を発生させるため、同形状で重ならない配置とする。
本実施の形態では、画素電極層である第1の電極層447を開口パターン(スリット)を有する電極層とし、共通電極層である第2の電極層446を平板状の電極層とする例を示す。
第1の電極層447及び第2の電極層446はその電極間に電界を発生させるため、平板状の第2の電極層446と、第1の電極層447の開口パターン(スリット)とは重なる配置とする。
液晶組成物444に、実施の形態1で示した少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、ブルー相を発現する液晶組成物を用いる。
第1の電極層447と第2の電極層446との間に電界を形成することで、液晶組成物444の液晶を制御する。液晶には水平方向の電界が形成されるため、その電界を用いて液晶分子を制御できる。ブルー相を呈するように配向している液晶分子を、基板と平行な方向で制御できるため、視野角が広くなる。
実施の形態1で示した液晶組成物は反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、捩れ力が強い液晶組成物である。液晶組成物の捩れ力が強いと、電圧無印加時(印加電圧が0V時)における液晶組成物の透過率を低く抑えることができるため、該液晶組成物を液晶組成物444に用いた液晶表示装置の高コントラスト化が可能となる。
第1の電極層447及び第2の電極層446の例を図5に示す。図5(A)乃至(D)のように、第1の電極層447e乃至447hと第2の電極層446e乃至446hとは重なるように配置され、第1の電極層447e乃至447hと第2の電極層446e乃至446hとの間には絶縁膜を形成し、異なる膜上に第1の電極層447e乃至447hと第2の電極層446e乃至446hとをそれぞれ形成する。
図5(A)乃至(D)の上面図に示すように、第2の電極層446e乃至446h上に様々なパターンに形成された第1の電極層447e乃至447hが形成されており、図5(A)では第2の電極層446e上の第1の電極層447eは屈曲したくの字形状であり、図5(B)では第2の電極層446f上の第1の電極層447fは同心円状の形状であり、図5(C)では第2の電極層446g上の第1の電極層447gは櫛歯状で電極同士がかみ合うような形状であり、図5(D)では第2の電極層446h上の第1の電極層447hは櫛歯状の形状である。
トランジスタ430は逆スタガ型の薄膜トランジスタであり、絶縁表面を有する基板である第1の基板441上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、半導体層403、ソース領域又はドレイン領域404a、404b、ソース電極層又はドレイン電極層として機能する配線層405a、405bを含む。第1の電極層447は第1の基板441上にゲート電極層401と同レイヤーに形成され、画素において平板状の電極層である。
トランジスタ430のように半導体層403とソース電極層又はドレイン電極層として機能する配線層405a、405bとの間にソース領域又はドレイン領域404a、404bを設ける構成としてもよい。ソース領域又はドレイン領域404a、404bは半導体層403より低抵抗な半導体層などを用いることができる。
トランジスタ430を覆い、半導体層403に接する絶縁膜407が設けられている。絶縁膜407上に層間膜413が設けられ、層間膜413上に、画素において平板状の第2の電極層446が設けられ、第2の電極層上に絶縁膜450を介して開口パターンを有する第1の電極層447が形成されている。よって、第1の電極層447と第2の電極層446とは間に絶縁膜450を挟んで重なるように配置されている。
なお、本実施の形態において、第1の電極層447及び第2の電極層446を透光性の電極層とすると透過型の液晶表示装置とすることができる。また、平板状の第2の電極層446を反射性の電極層とし、反射型の液晶表示装置とすることもできる。
以上のように、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下である、ブルー相を発現する液晶組成物を用いると、高いコントラストを付与することができるため、視認性のよい高画質な液晶表示装置を提供することができる。
また、ブルー相を発現する液晶組成物は、高速応答が可能であるため、液晶表示装置の高性能化が可能になる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本明細書に開示する発明は、パッシブマトリクス型の液晶表示装置でもアクティブマトリクス型の液晶表示装置にも適用することができる。パッシブマトリクス型の液晶表示装置の例を、図6を用いて説明する。液晶表示装置の上面図を図6(A)に、図6(A)における線G−Hの断面図を図6(B)に示す。また、図6(A)には、液晶組成物1703、対向基板である基板1710、偏光板1714などは省略され図示されていないが、図6(B)で示すようにそれぞれ設けられている。
図6(A)(B)は、偏光板1714aが設けられた基板1700と偏光板1714bが設けられた基板1710とが、液晶組成物1703を間に挟持して対向するように配置された液晶表示装置である。基板1700と液晶組成物1703との間には、共通電極層1706a、1706b、1706c、絶縁膜1707、及び画素電極層1701a、1701b、1701cが設けられている。
画素電極層1701a、1701b、1701c、及び共通電極層1706a、1706b、1706cは開口パターンを有する形状であり、液晶素子1713の画素領域において長方形の開口(スリット)を有している。
液晶組成物1703に、実施の形態1で示した少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、ブルー相を発現する液晶組成物を用いる。また、液晶組成物1703は、有機樹脂を含んでもよい。
画素電極層1701a、1701b、1701cと共通電極層1706a、1706b、1706cとの間に電界を形成することで、液晶組成物1703の液晶を制御する。液晶には水平方向の電界が形成されるため、その電界を用いて液晶分子を制御できる。ブルー相を呈するように配向している液晶分子を、基板と平行な方向で制御できるため、視野角が広くなる。
実施の形態1で示した液晶組成物は反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、捩れ力が強い液晶組成物である。液晶組成物の捩れ力が強いと、電圧無印加時(印加電圧が0V時)における液晶組成物の透過率を低く抑えることができるため、該液晶組成物を液晶組成物1703に用いた液晶表示装置の高コントラスト化が可能となる。
また、カラーフィルタとして機能する着色層を設けてもよく、カラーフィルタは基板1700及び基板1710の液晶組成物1703に対して内側に設けてもよいし、基板1710と偏光板1714bの間、又は基板1700と偏光板1714aの間に設けてもよい。
カラーフィルタは、液晶表示装置をフルカラー表示とする場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を呈する材料から形成すればよく、モノカラー表示とする場合、着色層を無くす、もしくは少なくとも一つの色を呈する材料から形成すればよい。なお、バックライト装置にRGBの発光ダイオード(LED)等を配置し、時分割によりカラー表示する継時加法混色法(フィールドシーケンシャル法)を採用するときには、カラーフィルタを設けない場合もある。
画素電極層1701a、1701b、1701c、第2の共通電極層1706a、1706b、1706cは、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合した導電材料、酸化インジウムに酸化珪素(SiO2)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、グラフェン、またはタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、又は複数種を用いて形成することができる。
以上のように、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下である、ブルー相を発現する液晶組成物を用いると、高いコントラストを付与することができるため、視認性のよい高画質な液晶表示装置を提供することができる。
また、ブルー相を発現する液晶組成物は、高速応答が可能であるため、液晶表示装置の高性能化が可能になる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
実施の形態1乃至4のいずれかで示す液晶表示装置に遮光層(ブラックマトリクス)を設ける構成とすることができる。なお、実施の形態1乃至4と同様なものに関しては同様の材料及び作製方法を適用することができ、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
遮光層は、液晶組成物を挟持して固着される一対の基板の内側(液晶組成物側)に設けてもよいし、基板の外側(液晶組成物と反対側)に設けてもよい。
液晶表示装置において一対の基板の内側に遮光層を設ける場合、遮光層は画素電極層が設けられる素子基板側に形成してもよいし、対向基板側に形成してもよい。遮光層は別途独立して設けてもよいし、実施の形態2又は実施の形態3のようなアクティブマトリクス型の液晶表示装置の場合、素子基板上に設けられる層間膜として作り込むこともできる。例えば、実施の形態2の図4の液晶表示装置であれば、層間膜413の一部に、遮光層を用いる構成とすればよい。
遮光層は、光を反射、又は吸収し、遮光性を有する材料を用いる。例えば、黒色の有機樹脂を用いることができ、感光性又は非感光性のポリイミドなどの樹脂材料に、顔料系の黒色樹脂やカーボンブラック、チタンブラック等を混合させて形成すればよい。また、遮光性の金属膜を用いることもでき、例えばクロム、モリブデン、ニッケル、チタン、コバルト、銅、タングステン、又はアルミニウムなどを用いればよい。
遮光層の形成方法は特に限定されず、材料に応じて、蒸着法、スパッタリング法、CVD法などの乾式法、又はスピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)などの湿式法を用い、必要に応じてエッチング法(ドライエッチング又はウエットエッチング)により所望のパターンに加工すればよい。
遮光層を層間膜413の一部として用いる場合、黒色の有機樹脂を用いることが好ましい。
層間膜の一部として遮光層として直接素子基板側に形成する場合、遮光層と画素領域の位置あわせの誤差問題が生じず、より精密な形成領域の制御ができ、微細なパターンの画素にも対応することができる。
素子基板上に遮光層を作り込む液晶表示装置の構成であると、液晶組成物の高分子安定化のための光照射時に、遮光層によって対向基板側から照射される光が吸収、遮断されることがないために、液晶組成物全体に均一に照射することができる。よって、光重合の不均一による液晶の配向乱れやそれに伴う表示ムラなどを防止することができる。
遮光層は液晶表示装置において、トランジスタの半導体層や、コンタクトホールと重畳する場所、又は画素間などに設けるとよい。
このように、遮光層を設けると、遮光層は、トランジスタの半導体層への光の入射を遮断することができるため、光の入射によるトランジスタの電気特性の変動を抑制し、安定化することができる。また、遮光層は隣り合う画素への光漏れの防止や、コンタクトホール上に発生しやすい液晶の配向欠陥による光漏れ等の表示むらを隠すことができる。よって、液晶表示装置の高精細化、高信頼性化を図ることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、カラー表示を行う液晶表示装置の例を示す。実施の形態1乃至5のいずれかで示す液晶表示装置にカラーフィルタを設けてカラー表示を行うことができる。なお、実施の形態1乃至5と同様なものに関しては同様の材料及び作製方法を適用することができ、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
カラーフィルタは、液晶表示装置をフルカラー表示とする場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を呈する材料から形成すればよく、モノクロ以外のモノカラー表示とする場合、少なくとも一つの色を呈する材料から形成すればよい。
具体的には、液晶表示装置にカラーフィルタ層として機能する着色層を設ける。カラーフィルタ層は、液晶組成物を挟持して固着される一対の基板の内側(液晶組成物側)に設けてもよいし、基板の外側(液晶組成物と反対側)に設けてもよい。
まず、液晶表示装置において一対の基板の内側にカラーフィルタ層を設ける場合を説明する。カラーフィルタ層は画素電極層が設けられる素子基板側に形成してもよいし、対向基板側に形成してもよい。カラーフィルタ層は別途独立して設けてもよいし、実施の形態2又は実施の形態3のようなアクティブマトリクス型の液晶表示装置の場合、素子基板上に設けられる層間膜として作り込むこともできる。例えば、実施の形態2の図2の液晶表示装置であれば、層間膜413に、カラーフィルタ層として機能する有彩色の透光性樹脂層を用いる構成とすればよい。
層間膜をカラーフィルタ層として直接素子基板側に形成する場合、カラーフィルタ層と画素領域の位置あわせの誤差問題が生じず、より精密な形成領域の制御ができ、微細なパターンの画素にも対応することができる。また、層間膜とカラーフィルタ層を同一の絶縁層で兼ねるので、工程簡略化、低コスト化といった利点もある。
また、素子基板上にカラーフィルタ層を作り込む液晶表示装置の構成であると、液晶組成物の高分子安定化のための光照射時に、カラーフィルタ層によって対向基板側から照射される光が吸収されることがないために、液晶組成物全体に均一に照射することができる。よって、光重合の不均一による液晶の配向乱れやそれに伴う表示ムラなどを防止することができる。
カラーフィルタ層として用いることのできる有彩色の透光性樹脂としては、感光性、非感光性の有機樹脂を用いることができる。感光性の有機樹脂層を用いるとレジストマスク数を削減することができるため、工程が簡略化し好ましい。
有彩色は、黒、灰、白などの無彩色を除く色であり、着色層はカラーフィルタとして機能させるため、その着色された有彩色の光のみを透過する材料で形成される。有彩色としては、赤色、緑色、青色などを用いることができる。また、シアン、マゼンダ、イエロー(黄)などを用いてもよい。着色された有彩色の光のみを透過するとは、着色層において透過する光は、その有彩色の光の波長にピークを有するということである。
カラーフィルタ層は、含ませる着色材料の濃度と光の透過率の関係に考慮して、最適な膜厚を適宜制御するとよい。
有彩色の色によって有彩色の透光性樹脂層の膜厚が異なる場合や、遮光層、トランジスタに起因する凹凸を有する場合は、可視光領域の波長の光を透過する(いわゆる無色透明)絶縁層を積層し、平坦化してもよい。平坦性を高めるとその上に形成される画素電極層などの被覆性もよく、かつ液晶組成物のギャップ(膜厚)を均一にすることができるため、より液晶表示装置の視認性を向上させ、高画質化が可能になる。
カラーフィルタを基板の外側に設ける場合は、接着層などによってカラーフィルタを基板に接着して設けることができる。カラーフィルタを対向基板の外側に設ける場合工程順として、光照射によるブルー相の高分子安定化を行った後に対向基板の外側にカラーフィルタを設ける。
光源としてバックライト、サイドライトなどを用いればよい。光源はカラーフィルタを通過して視認側へ照射されることによって、カラー表示を行うことができる。光源として、冷陰極管や白色のダイオードを用いることができる。また、反射板、拡散板、偏光板、位相差板などの光学部材を設けてもよい。
よって、高コントラストで低消費電力な液晶表示装置において、カラー表示機能を付与することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
トランジスタを作製し、該トランジスタを画素部、さらには駆動回路に用いて表示機能を有する液晶表示装置を作製することができる。また、トランジスタを用いて駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。
液晶表示装置は表示素子として液晶素子(液晶表示素子ともいう)を含む。
また、液晶表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。さらに、該液晶表示装置を作製する過程における、表示素子が完成する前の一形態に相当する素子基板に関し、該素子基板は、電流を表示素子に供給するための手段を複数の各画素に備える。素子基板は、具体的には、表示素子の画素電極のみが形成された状態であっても良いし、画素電極となる導電膜を成膜した後であって、エッチングして画素電極を形成する前の状態であっても良いし、あらゆる形態があてはまる。
なお、本明細書中における液晶表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て液晶表示装置に含むものとする。
液晶表示装置の一形態に相当する液晶表示パネルの外観及び断面について、図7を用いて説明する。図7(A1)(A2)は、第1の基板4001上に形成されたトランジスタ4010、4011、及び液晶素子4013を、第2の基板4006との間にシール材4005によって封止した、パネルの上面図であり、図7(B)は、図7(A1)(A2)のM−Nにおける断面図に相当する。
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、液晶組成物4008と共に封止されている。
また、図7(A1)は第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。なお、図7(A2)は信号線駆動回路の一部を第1の基板4001上に設けられたトランジスタで形成する例であり、第1の基板4001上に信号線駆動回路4003bが形成され、かつ別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003aが実装されている。
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。図7(A1)は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図7(A2)は、TAB方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、トランジスタを複数有しており、図7(B)では、画素部4002に含まれるトランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれるトランジスタ4011とを例示している。トランジスタ4010、4011上には絶縁層4020、層間膜4021が設けられている。
トランジスタ4010、4011は、実施の形態2又は実施の形態3のいずれかに示すトランジスタを適用することができる。
また、層間膜4021、又は絶縁層4020上において、駆動回路用のトランジスタ4011の半導体層のチャネル形成領域と重なる位置に導電層を設けてもよい。導電層は、電位がトランジスタ4011のゲート電極層と同じでもよいし、異なっていても良く、第2のゲート電極層として機能させることもできる。また、導電層の電位がGND、0V、或いは導電層はフローティング状態であってもよい。
また、層間膜4021上に画素電極層4030及び共通電極層4031が形成され、画素電極層4030はトランジスタ4010と電気的に接続されている。液晶素子4013は、画素電極層4030、共通電極層4031及び液晶組成物4008を含む。なお、第1の基板4001、第2の基板4006の外側にはそれぞれ偏光板4032a、4032bが設けられている。また、本実施の形態では、実施の形態2において図2で示したような画素電極層4030及び共通電極層4031が開口パターンを有する形状であるが、実施の形態3のように画素電極層及び共通電極層のどちらか一方が平板状の電極層とした構成であってもよい。実施の形態2乃至4のいずれかで示したような画素電極層及び共通電極層の構成を適用することができる。
液晶組成物4008に、実施の形態1で示した少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、ブルー相を発現する液晶組成物を用いる。また、液晶組成物4008として設けられる該液晶組成物には、有機樹脂が含まれてもよい。
画素電極層4030と共通電極層4031との間に電界を形成することで、液晶組成物4008の液晶を制御する。液晶には水平方向の電界が形成されるため、その電界を用いて液晶分子を制御できる。ブルー相を呈するように配向している液晶分子を、基板と平行な方向で制御できるため、視野角が広くなる。
実施の形態1で示した液晶組成物は反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下であり、捩れ力が強い液晶組成物である。液晶組成物の捩れ力が強いと、電圧無印加時(印加電圧が0V時)における液晶組成物の透過率を低く抑えることができるため、該液晶組成物を液晶組成物4008に用いた液晶表示装置の高コントラスト化が可能となる。
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性を有するガラス、プラスチックなどを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
また4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、液晶組成物4008の膜厚(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。液晶組成物4008を用いる液晶表示装置において液晶組成物の厚さであるセルギャップは1μm以上20μm以下とすることが好ましい。なお、本明細書においてセルギャップの厚さとは、液晶組成物の厚さ(膜厚)の最大値とする。
なお図7は透過型液晶表示装置の例であるが、本発明は半透過型液晶表示装置でも、反射型液晶表示装置でも適用できる。
また、図7の液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設ける例を示すが、偏光板は基板の内側に設けてもよい。偏光板の材料や作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、ブラックマトリクスとして機能する遮光層を設けてもよい。
層間膜4021の一部としてカラーフィルタ層や遮光層を形成してもよい。図7においては、トランジスタ4010、4011上方を覆うように遮光層4034が第2の基板4006側に設けられている例である。遮光層4034を設けることにより、さらにコントラスト向上やトランジスタの安定化の効果を高めることができる。
トランジスタの保護膜として機能する絶縁層4020で覆う構成としてもよいが、特に限定されない。
なお、保護膜は、大気中に浮遊する有機物や金属物、水蒸気などの汚染不純物の侵入を防ぐためのものであり、緻密な膜が好ましい。保護膜は、スパッタリング法を用いて、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化アルミニウム膜の単層、又は積層で形成すればよい。
また、平坦化絶縁膜として透光性の絶縁層をさらに形成する場合、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層を形成してもよい。
積層する絶縁層の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタリング法、スピンコート、ディップ法、スプレー塗布法、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等を用いることができる。
画素電極層4030及び共通電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物、グラフェンなどの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、画素電極層4030及び共通電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、又は複数種を用いて形成することができる。
また、画素電極層4030及び共通電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、ゲート線またはソース線に対して、駆動回路保護用の保護回路を同一基板上に設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
図7では、接続端子電極4015が、画素電極層4030と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、トランジスタ4010、4011のソース電極層及びドレイン電極層と同じ導電膜で形成されている。
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
また図7においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
以上のように、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物を含む液晶及びカイラル剤を有し、反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークが450nm以下、より好ましくは420nm以下である、ブルー相を発現する液晶組成物を用いると、高いコントラストを付与することができるため、視認性のよい高画質な液晶表示装置を提供することができる。
また、ブルー相を発現する液晶組成物は、高速応答が可能であるため、液晶表示装置の高性能化が可能になる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態8)
本明細書に開示する液晶表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
図8(A)は電子書籍(E−bookともいう)であり、筐体9630、表示部9631、操作キー9632、太陽電池9633、充放電制御回路9634を有することができる。図8(A)に示した電子書籍は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報を操作又は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。なお。図8(A)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、DCDCコンバータ(以下、コンバータと略記)9636を有する構成について示している。実施の形態1乃至7のいずれかで示した液晶表示装置を表示部9631に適用することにより、高コントラストで視認性がよく、かつ低消費電力な電子書籍とすることができる。
図8(A)に示す構成とすることにより、表示部9631として半透過型、又は反射型の液晶表示装置を用いる場合、比較的明るい状況下での使用も予想され、太陽電池9633による発電、及びバッテリー9635での充電を効率よく行うことができ、好適である。なお太陽電池9633は、筐体9630の空きスペース(表面や裏面)に適宜設けることができるため、効率的なバッテリー9635の充電を行う構成とすることができるため好適である。なおバッテリー9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また図8(A)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図8(B)にブロック図を示し説明する。図8(B)には、太陽電池9633、バッテリー9635、コンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、バッテリー9635、コンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
次いで外光により太陽電池9633により発電がされない場合の動作の例について説明する。バッテリー9635に蓄電された電力は、スイッチSW3をオンにすることでコンバータ9637により昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作にバッテリー9635からの電力が用いられることとなる。
なお太陽電池9633については、充電手段の一例として示したが、他の手段によるバッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
図9(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、本体3001、筐体3002、表示部3003、キーボード3004などによって構成されている。実施の形態1乃至7のいずれかで示した液晶表示装置を表示部3003に適用することにより、高コントラストで視認性がよく、信頼性の高いノート型のパーソナルコンピュータとすることができる。
図9(B)は、携帯情報端末(PDA)であり、本体3021には表示部3023と、外部インターフェイス3025と、操作ボタン3024等が設けられている。また操作用の付属品としてスタイラス3022がある。実施の形態1乃至7のいずれかで示した液晶表示装置を表示部3023に適用することにより、高コントラストで視認性がよく、信頼性の高い携帯情報端末(PDA)とすることができる。
図9(C)は、電子書籍であり、筐体2701および筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701および筐体2703は、軸部2711により一体とされており、該軸部2711を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み込まれている。表示部2705および表示部2707は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図9(C)では表示部2705)に文章を表示し、左側の表示部(図9(C)では表示部2707)に画像を表示することができる。実施の形態1乃至7のいずれかで示した液晶表示装置を表示部2705、表示部2707に適用することにより、高コントラストで視認性がよく、信頼性の高い電子書籍とすることができる。
また、図9(C)では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2701において、電源2721、操作キー2723、スピーカー2725などを備えている。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。さらに、電子書籍は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
また、電子書籍は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも可能である。
図9(D)は、携帯電話であり、筐体2800及び筐体2801の二つの筐体で構成されている。筐体2801には、表示パネル2802、スピーカー2803、マイクロフォン2804、ポインティングデバイス2806、カメラ用レンズ2807、外部接続端子2808などを備えている。また、筐体2800には、携帯電話の充電を行う太陽電池セル2810、外部メモリスロット2811などを備えている。また、アンテナは筐体2801内部に内蔵されている。実施の形態1乃至7のいずれかで示した液晶表示装置を表示パネル2802に適用することにより、高コントラストで視認性がよく、信頼性の高い携帯電話とすることができる。
また、表示パネル2802はタッチパネルを備えており、図9(D)には映像表示されている複数の操作キー2805を点線で示している。なお、太陽電池セル2810で出力される電圧を各回路に必要な電圧に昇圧するための昇圧回路も実装している。
表示パネル2802は、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。また、表示パネル2802と同一面上にカメラ用レンズ2807を備えているため、テレビ電話が可能である。スピーカー2803及びマイクロフォン2804は音声通話に限らず、テレビ電話、録音、再生などが可能である。さらに、筐体2800と筐体2801は、スライドし、図9(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適した小型化が可能である。
外部接続端子2808はACアダプタ及びUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュータなどとのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット2811に記録媒体を挿入し、より大量のデータ保存及び移動に対応できる。
また、上記機能に加えて、赤外線通信機能、テレビ受信機能などを備えたものであってもよい。
図9(E)は、デジタルビデオカメラであり、本体3051、表示部(A)3057、接眼部3053、操作スイッチ3054、表示部(B)3055、バッテリー3056などによって構成されている。実施の形態1乃至7のいずれかで示した液晶表示装置を表示部(A)3057、表示部(B)3055に適用することにより、高コントラストで視認性がよく、信頼性の高いデジタルビデオカメラとすることができる。
図9(F)は、テレビジョン装置であり、筐体9601や表示部9603などによって構成されている。表示部9603により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持した構成を示している。実施の形態1乃至7のいずれかで示した液晶表示装置を表示部9603に適用することにより、高コントラストで視認性がよく、信頼性の高いテレビジョン装置とすることができる。
テレビジョン装置の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
なお、テレビジョン装置は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、本発明の一形態の液晶組成物(実施例試料1及び実施例試料2)と、比較例として本発明を適用しない比較液晶組成物(比較例試料1及び比較例試料2)とを用いて液晶素子を作製し、それぞれの特性の評価を行った。
本実施例で作製した液晶素子に用いた液晶組成物(実施例試料1、実施例試料2、比較例試料1、及び比較例試料2)の構成を表1に示す。表1では、混合比は全て重量比で表している。
カイラル剤として1,4:3,6−ジアンヒドロ−2,5−ビス[4−(n−ヘキシル−1−オキシ)安息香酸]ソルビトール(略称:ISO−(6OBA)2)(みどり化学株式会社製)と、液晶として混合液晶E−8(株式会社LCC製)と、実施例試料1ではCPP−3FCNF(略称)、実施例試料2ではCPP−3FFF(略称)、比較例試料1では構造式(111)で表される4−[4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニル]ベンゾニトリル(略称;CPP−3CN)、比較例試料2では構造式(112)で表される4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)−3’,4’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル(略称:CPP−3FF)(大立高分子工業社製)をそれぞれ用いた。
なお、本実施例で用いたCPP−3FCNF(略称)、CPP−3FFF(略称)、CPP−3CN(略称)、CPP−3FF(略称)、ISO−(6OBA)2(略称)の構造式を下記に示す。
実施例試料1、実施例試料2、比較例試料1、及び比較例試料2の液晶素子は、画素電極層及び共通電極層が図3(D)のように櫛歯状に形成されたガラス基板と、対向基板となるガラス基板とを間に空隙(4μm)を有してシール材によって貼り合わせた後、注入法によって等方相の状態で攪拌した表1で示す材料及び割合で混合させた液晶組成物を基板間に注入して作製した。
画素電極層及び共通電極層は酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)を用いてスパッタリング法にて形成した。なお、その膜厚は110nmとし、画素電極層と共通電極層の各幅、及び画素電極層と共通電極層との間隔は2μmとした。また、シール材は紫外線及び熱硬化型シール材を用い、硬化処理として、90秒間の紫外線(放射照度100mW/cm2)照射処理を行い、その後120℃で1時間加熱処理を行った。
実施例試料1、実施例試料2、比較例試料1、及び比較例試料2の液晶素子の反射スペクトルの評価を行った。評価には、偏光顕微鏡(MX−61L オリンパス株式会社製)、温調器(HCS302−MK1000 INSTEC社製)、及び顕微分光システム(LVmicroUV/VIS 株式会社ラムダビジョン製)を用いた。
まず、実施例試料1、実施例試料2、比較例試料1、及び比較例試料2の液晶素子の液晶組成物を等方相とした後、温調機によって毎分1.0℃で降温させながら偏光顕微鏡にて観察を行い、液晶組成物がブルー相を発現する温度範囲の測定を行った。
偏光顕微鏡における上記観察の測定条件は、測定モードは反射、偏光子はクロスニコル、倍率は50倍〜200倍を用いた。
次に、実施例試料1、実施例試料2、比較例試料1、及び比較例試料2の液晶素子において、ブルー相を発現する温度範囲内の任意の温度で恒温とし、顕微分光システムにて液晶組成物の反射光強度のスペクトルを測定した。
顕微分光システムの測定モードは、反射、偏光子はクロスニコル、測定領域は12μmφ、測定波長は250nm〜800nmとした。測定領域が狭いため、顕微分光システムのモニタにてブルー相の色が長波長となる領域を選定し、測定を行った。なお、測定時に画素電極層及び共通電極層の影響を受けないように、電極層が形成されていない対向基板となるガラス基板側から測定を行った。
図10に実施例試料1、実施例試料2、比較例試料1、及び比較例試料2の各液晶素子の反射光強度のスペクトル(実施例試料1は太い実線、実施例試料2は太い点線、比較例試料1は細い実線、比較例試料2は細い点線)を示す。実施例試料1、実施例試料2、比較例試料1、及び比較例試料2の各液晶素子の液晶組成物の反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークを検出した。
検出した反射スペクトルにおける回折波長のピークは、最も長波長側に出現するピークの最大値である。例えば比較例試料1では480nm付近と580nmと付近にピークが2つ出現しているが、長波長側の580nm付近のピークにおける最大値を検出した。また、肩(ショルダー)を有する(段差や小さなピークを有する)ピークであっても該ピークの最大値を回折波長のピークとする。
液晶組成物の反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークは、本発明の一形態である実施例試料1では429nm、実施例試料2では394nmとなり、実施例試料1及び実施例試料2の回折波長のピークは450nm以下であった。よって、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物であるCPP−3FCNF(略称)、又はCPP−3FFF(略称)を含む実施例試料1及び実施例試料2の液晶素子の液晶組成物の反射スペクトルにおける回折波長のピークは、450nm以下であり、液晶組成物の捩れ力が強いことが確認できた。
一方、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有さない化合物である比較例試料1は486nm、比較例試料2は588nmとなり、450nmより大きく長波長のピークであり、液晶組成物の捩れ力が弱いことを示す結果となった。
液晶組成物の捩れ力が強いと、電圧無印加時(印加電圧が0V時)における液晶組成物の透過率を低く抑えることができるため、該液晶組成物を用いた液晶表示装置の高コントラスト化が可能となる。
従って、本実施例において、本発明の一形態であるブルー相を発現する液晶組成物を用いると、より高いコントラスト化を達成する液晶表示装置を提供することができる。
本実施例では、本発明の一形態の液晶組成物を用いた液晶素子(実施例試料3A乃至6A及び3B乃至6B)と、比較例として本発明を適用しない液晶組成物を用いた液晶素子(比較例試料3A、3B)とを作製し、それぞれの特性の評価を行った。
本実施例で作製した液晶素子(実施例試料3A乃至6A及び3B乃至6B、及び比較例試料3A、3B)に用いた液晶組成物の構成を表2に示す。表2では、割合(混合比)は全て重量比で表している。実施例試料3A乃至6A、及び比較例試料3Aは、液晶及びカイラル剤を含む液晶組成物を用いた液晶素子であり、実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bは、実施例試料3A乃至6A、及び比較例試料3Aに、重合性モノマー及び重合開始剤を添加した液晶組成物を用いた液晶素子である。
実施例試料3A乃至6A及び3B乃至6B、及び比較例試料3A、3Bにおいて、カイラル剤としてISO−(6OBA)2(略称)(みどり化学株式会社製)、液晶として、混合液晶E−8(株式会社LCC製)と、実施例試料3A、3BではCPEP−5FCNF(略称)及び構造式(114)で表される4−n−プロピル安息香酸3−フルオロ−4−シアノフェニル(略称:PEP−3CNF)、実施例試料4A、4BではCPEP−5FCNF(略称)、実施例試料5A、5B及び実施例試料6A、6BではCPEP−5FCNF(略称)及びPEP−3FCNF(略称)、比較例試料3A、3BではCPEP−5FCNF(略称)、構造式(113)で表される4−(trans−4−n−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸4−シアノ−3−フルオロフェニル(略称:CPEP−5CNF)、及びPEP−3CNF(略称)をそれぞれ用いた。
実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bにおいて、重合性モノマーとして非液晶性紫外線重合性である重合モノマーであるメタクリル酸ドデシル((DMeAc)(略称)(東京化成工業株式会社製))、液晶性紫外線重合性である重合モノマーRM257(メルク株式会社製)、及び重合開始剤としてDMPAP(略称)(東京化成工業株式会社製)を用いた。
実施例試料3A乃至6A、及び比較例試料3Aにおいて、液晶組成物中の液晶及びカイラル剤の割合は液晶90.5wt%、カイラル剤9.5wt%である。実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bにおいて、液晶組成物中の液晶及びカイラル剤と重合性モノマーとの割合は、液晶及びカイラル剤92wt%、重合性モノマー8wt%(DMeAcは4wt%、RM257は4wt%)である。また、実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bにおいて、液晶組成物中の液晶、カイラル剤及び重合性モノマーと、重合開始剤との割合は、液晶、カイラル剤及び重合性モノマー99.7wt%、重合開始剤0.3wt%である。
なお、実施例試料3A乃至6A及び3B乃至6B、及び比較例試料3A、3Bにおいて、液晶中に含まれる少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物(CPEP−5FCNF(略称)、PEP−3FCNF(略称))の割合は、実施例試料3A、3Bでは40wt%、実施例試料4A、4Bでは50wt%、実施例試料5A、5Bでは55wt%、実施例試料6A、6Bでは60wt%、比較例試料3A、3Bでは30wt%とした。
なお、本実施例で用いたCPEP−5FCNF(略称)、PEP−3FCNF(略称)、CPEP−5CNF(略称)、PEP−3CNF(略称)、RM257(メルク株式会社製)、メタクリル酸ドデシル((DMeAc)(略称)(東京化成工業株式会社製))、及び重合開始剤:DMPAP(略称)(東京化成工業株式会社製)の構造式を下記に示す。
実施例試料3A乃至6A及び3B乃至6B、及び比較例試料3A、3Bの液晶素子は、画素電極層及び共通電極層が図3(D)のように櫛歯状に形成されたガラス基板と、対向基板となるガラス基板とを間に空隙(4μm)を有してシール材によって貼り合わせた後、注入法によって等方相の状態で攪拌した表2で示す材料及び割合で混合させた液晶組成物を基板間に注入して作製した。
画素電極層及び共通電極層は酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)を用いてスパッタリング法にて形成した。なお、その膜厚は110nmとし、画素電極層と共通電極層の各幅、及び画素電極層と共通電極層との間隔は2μmとした。また、シール材は紫外線及び熱硬化型シール材を用い、硬化処理として、90秒間の紫外線(放射照度100mW/cm2)照射処理を行い、その後120℃で1時間加熱処理を行った。
実施例試料3A乃至6A、及び比較例試料3Aの液晶素子の液晶組成物の反射スペクトルの評価を行った。評価には、偏光顕微鏡(MX−61L オリンパス株式会社製)、温調器(HCS302−MK1000 INSTEC社製)、及び顕微分光システム(LVmicroUV/VIS 株式会社ラムダビジョン製)を用いた。
まず、実施例試料3A乃至6A、及び比較例試料3Aの液晶素子の液晶組成物を等方相とした後、温調機によって毎分1.0℃で降温させながら偏光顕微鏡にて観察を行い、液晶組成物がブルー相を発現する温度範囲の測定を行った。
偏光顕微鏡における上記観察の測定条件は、測定モードは反射、偏光子はクロスニコル、倍率は50倍〜200倍であった。
次に、実施例試料3A乃至6A、及び比較例試料3Aの液晶素子において、ブルー相を発現する温度範囲内の任意の温度で恒温とし、顕微分光システムにて液晶組成物の反射光強度のスペクトルを測定した。
顕微分光システムの測定モードは、反射、偏光子はクロスニコル、測定領域は12μmφ、測定波長は250nm〜800nmとした。測定領域が狭いため、顕微分光システムのモニタにてブルー相の色が長波長となる領域を選定し、測定を行った。なお、測定時に画素電極層及び共通電極層の影響を受けないように、電極層が形成されていない対向基板となるガラス基板側から測定を行った。
図11に実施例試料3A乃至6A、及び比較例試料3Aの各液晶素子の液晶組成物の反射光強度のスペクトル(実施例試料3Aは四角形のドット及び太い実線、実施例試料4Aは太い実線、実施例試料5Aは太い点線、実施例試料6Aはバツ印のドット及び太い実線、比較例試料3Aは細い実線)を示す。実施例試料3A乃至6A、及び比較例試料3Aの各液晶素子の液晶組成物の反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークを検出した。
本実施例においても検出した反射スペクトルにおける回折波長のピークは、最も長波長側に出現するピークの最大値である。
本発明の一形態である実施例試料3A乃至6Aの反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークは、実施例試料3Aでは408nm、実施例試料4Aでは423nm、実施例試料5Aでは401nm、実施例試料6Aでは379nmとなり、実施例試料3A乃至6Aの回折波長のピークは、450nm以下であった。よって、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物であるCPEP−5FCNF(略称)、またはPEP−3FCNF(略称)を含む実施例試料3A乃至6Aの液晶素子の液晶組成物の反射スペクトルにおける回折波長のピークが450nm以下であり、液晶組成物の捩れ力が強いことが確認できた。
一方、比較例試料3Aの反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークは450nmより長波長の456nmであり、実施例試料よりも液晶組成物の捩れ力が弱いことを示す結果となった。
実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの各液晶素子は高分子安定化処理を行った。高分子安定化処理は、実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの各液晶素子の液晶組成物を、ブルー相を発現する温度範囲の任意の温度で恒温とし、紫外線(ピーク波長365nm、放射照度1.5mW/cm2)を、30分間照射することにより行った。なお、高分子安定化処理によって、実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの液晶組成物中に含まれる重合性モノマーが重合し、実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bは、有機樹脂を含む液晶組成物を有する液晶素子となる。
次に、高分子安定化処理を行った液晶組成物を有する実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの液晶素子において、室温にて顕微分光システムにより液晶組成物の反射光強度のスペクトルを測定した。
図12に実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの各液晶素子の液晶組成物の反射光強度のスペクトル(実施例試料3Bは四角形のドット及び太い実線、実施例試料4Bは太い実線、実施例試料5Bは太い点線、実施例試料6Bはバツ印のドット及び太い実線、比較例試料3Bは細い実線)を示す。実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの各液晶素子の液晶組成物の反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークを検出した。
本発明の一形態である実施例試料3B乃至6Bの反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークは、実施例試料3Bでは427nm、実施例試料4Bでは440nm、実施例試料5Bでは433nm、実施例試料6Bでは379nmであり、実施例試料3B乃至6Bの回折波長のピークは450nm以下であった。よって、高分子安定化処理を行った液晶組成物を有する液晶素子においても反射スペクトルにおける回折波長のピークが450nm以下であり、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物であるCPEP−5FCNF(略称)、又はPEP−3FCNF(略称)を含む実施例試料3B乃至6Bの液晶組成物の捩れ力が強いことが確認できた。
一方、比較例試料3Bの反射スペクトルにおける最も長波長側の回折波長のピークは450nmより長波長の498nmであり、高分子安定化処理を行った液晶組成物を有する液晶素子においても液晶組成物の捩れ力が弱いことを示す結果となった。
なお、液晶中に含まれる、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物(CPEP−5FCNF(略称)、PEP−3FCNF(略称))の割合が40wt%以上である実施例試料3A乃至6A及び3B乃至6Bでは液晶組成物の捩れ力が強い結果となったため、液晶中に含まれる、少なくとも1つの芳香環を含む複数の環が直接又は連結基を介して連結した構造の末端基として、3つの電子吸引基を有する化合物の割合は40wt%以上が好ましいことが確認できた。
また、実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの各液晶素子に電圧を印加し、印加電圧に対する透過率、及びコントラストの特性評価を行った。特性評価は、液晶評価装置(RETS100+VT測定システム 大塚電子株式会社製)を用い、光源はハロゲンランプ、温度は室温の測定条件で、実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの各液晶素子をクロスニコルの偏光子で挟んだ状態で行った。
図13(A)(B)に実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの各液晶素子の印加電圧と透過率の関係を示し、図14(A)(B)に実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの各液晶素子の印加電圧とコントラスト比の関係を示す。図13における透過率は、光源を100%とした時の透過率(光源のみの光の強度を100%とした時の液晶素子を介した時の光の強度の割合)である。図14(A)(B)の印加電圧に対するコントラスト比は、図13(A)(B)の透過率より算出した。具体的には電圧無印加時(印加電圧0V)のコントラスト比を1とし、各印加電圧における透過率を印加電圧0Vの透過率で割ることによってコントラスト比を算出した。なお、図13(A)(B)及び図14(A)(B)において、実施例試料3B乃至6B、及び比較例試料3Bの各液晶素子の特性は、実施例試料3Bは四角形のドット及び太い実線、実施例試料4Bは太い実線、実施例試料5Bは太い点線、実施例試料6Bはバツ印のドット及び太い実線、比較例試料3Bは細い実線で示している。なお、図13(B)は図13(A)における印加電圧0V〜10Vの範囲を拡大して示した図であり、図14(B)は図14(A)におけるコントラスト比0〜500の範囲を拡大して示した図である。
図13(A)(B)に示すように、実施例試料3B乃至6Bの液晶素子は比較例試料3Bの液晶素子と比べて印加電圧0Vの透過率が低い。さらに、電圧を印加していくと実施例試料3B乃至6Bの液晶素子は比較例試料3Bの液晶素子と比べて透過率が高くなる。これは図14(A)(B)のコントラスト比においてさらに顕著な違いとなって現れており、同印加電圧において、実施例試料3B乃至6Bの液晶素子は比較例試料3Bの液晶素子より高いコントラスト比を示している。
以上のように、液晶組成物の捩れ力が強いと、電圧無印加時(印加電圧が0V時)における液晶組成物の透過率を低く抑えることができるため、該液晶組成物を用いた液晶表示装置の高コントラスト化が可能となる。
従って、本発明の一形態である本実施例のブルー相を発現する液晶組成物を用いると、より高いコントラスト化を達成する液晶表示装置を提供することができる。
実施例1及び実施例2で使用した、CPP−3FCNF(略称)、CPP−3FFF(略称)、CPP−3CN(略称)、CPEP−5FCNF(略称)、PEP−3FCNF(略称)、CPEP−5CNF(略称)、及びPEP−3CNF(略称)の合成方法を以下に記載する。
(4−[4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンゾニトリル(略称;CPP−3FCNF)の合成方法)
構造式(101)で表されるCPP−3FCNF(略称)の合成スキームを下記(D−2)に示す。
2.5g(8.7mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸 4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニルと、2.4g(9.8mmol)の4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニルボロン酸を100mLの三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に9.6mLの2.0M炭酸カリウム水溶液と、33mLのトルエンと、11mLのエタノールを加え、減圧下で攪拌することにより脱気した。この混合物に0.30g(0.26mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加え、この混合物を窒素気流下、90℃で3時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物の水層を酢酸エチルで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾別し、濾液を濃縮して白色固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン)により精製した。得られたフラクションを濃縮して固体を得た。この固体を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(展開溶媒;クロロホルム)により精製した。得られたフラクションを濃縮することにより、目的物である白色固体を収量2.1g、収率70%で得た。
得られた白色固体2.1gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.5Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色固体を140℃で加熱して行った。昇華精製後、白色固体を1.8g、回収率86%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である4−[4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−2,6−ジフルオロベンゾニトリル(略称;CPP−3FCNF)であることを確認した。
得られた物質(CPP−3FCNF)の1H NMRデータを以下に示す。1H NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)=0.91(t,3H)、1.00−1.14(m,2H)、1.18−1.53(m,7H)、1.88−1.93(m,4H)、2.48−2.59(m,1H)、7.25(d,2H)、7.34(d,2H)、7.49(d,2H)。また、1H NMRチャートを図15に示す。なお、図15(B)は、図15(A)における6.5ppm〜8.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。なお、図15(C)は、図15(A)における0.0ppm〜3.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
(4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)−3’,4’,5’−トリフルオロ−1,1’−ビフェニル(略称:CPP−3FFF)の合成方法)
[ステップ1:トリフルオロメタンスルホン酸 4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニルの合成]
トリフルオロメタンスルホン酸 4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニルの合成スキームを下記(E−1)に示す。
10g(46mmol)の4−(trans−n−プロピルへキシル)フェノールと、100mLのジクロロメタンと、7.3g(92mmol)のピリジンを300mLのナスフラスコへ入れ撹拌し、この溶液を0℃に冷却した。冷却後、同温度でこの溶液へ25g(92mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を50mLのジクロロメタンへ溶解した溶液を滴下漏斗から滴下した。滴下後、この溶液を室温へ昇温し、同温度で15時間撹拌したこの混合物を0℃に冷却し、ゆっくりと水を加えて未反応のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を不活性化した。得られた混合物の水層をジクロロメタンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、希塩酸と、水と、飽和食塩水とで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾別し、濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。カラムクロマトグラフィーはトルエン:ヘキサン=1:1を展開溶媒として用いることにより行った。得られたフラクションを濃縮したところ、目的物の白色固体を収量2.1g、収率70%で得た。
[ステップ2:4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)−3’,4’,5’−トリフルオロ−1,1’−ビフェニル(略称:CPP−3FFF)の合成]
構造式(102)で表されるCPP−3FFFの合成スキームを下記(E−2)に示す。
1.7g(9.7mmol)の3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸を100mLの三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に3.1g(8.8mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸 4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニルと、10mLの2.0M炭酸ナトリウム水溶液と、34mLのトルエンと、11mLのエタノールを加え、減圧下で攪拌することにより脱気した。この混合物に0.31g(0.27mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加え、この混合物を窒素気流下、90℃で3.5時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾別し、濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン)により精製した。得られたフラクションを濃縮することにより、固体を得た。この固体を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(展開溶媒;クロロホルム)により精製した。得られたフラクションを濃縮することにより、目的物の白色固体を収量2.1g、収率70%で得た。
得られた白色固体1.4gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.5Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色固体を100℃で加熱して行った。昇華精製後白色固体を1.0g、回収率71%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)−3’,4’,5’−トリフルオロ−1,1’−ビフェニル(略称:CPP−3FFF)であることを確認した。
得られた物質(CPP−3FFF)の1H NMRデータを以下に示す。1H NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)=0.91(t,3H)、1.00−1.13(m,2H)、1.18−1.55(m,7H)、1.86−1.93(m,4H)、2.46−2.56(m,1H)、7.14−7.19(m,2H)、7.29(d,2H)、7.42(d,2H)。また、1H NMRチャートを図16に示す。なお、図16(B)は、図16(A)における6.5ppm〜8.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。なお、図16(C)は、図16(A)における0.0ppm〜3.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
(4−[4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニル]ベンゾニトリル(略称;CPP−3CN)の合成方法)
構造式(111)で表されるCPP−3CNの合成スキームを下記(C−1)に示す。
2.5g(10mmol)の4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニルボロン酸と、1.8g(10mmol)の4−ブロモベンゾニトリルと、0.15g(0.49mmol)のトリス(2−メチルフェニル)ホスフィンを200mLの三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に10mLの2.0M炭酸カリウム水溶液と、25mLのトルエンと、25mLのエタノールとを加え、減圧下で攪拌することにより脱気した。この混合物に22mg(98μmol)の酢酸パラジウム(II)を加え、この混合物を窒素気流下、100℃で3時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物へ水を加え、混合物の水層をトルエンで抽出した。得られた抽出液と有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾別し、濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;トルエン:ヘキサン=1:9、次いでトルエン:ヘキサン=1:2)により精製した。得られたフラクションを濃縮し、固体を得た。この固体を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(展開溶媒;クロロホルム)により精製した。得られたフラクションを濃縮することにより、目的物である白色固体を収量1.5g、収率50%で得た。
得られた白色固体1.5gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.4Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色固体を130℃で加熱して行った。昇華精製後白色固体を1.4g、回収率93%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である4−[4−(trans−4−n−プロピルシクロヘキシル)フェニル]ベンゾニトリル(略称;CPP−3CN)であることを確認した。
得られた物質(CPP−3CN)の1H NMRデータを以下に示す。1H NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)=0.91(t,3H)、1.00−1.14(m,2H)、1.19−1.52(m,7H)、1.86−1.94(m,4H)、2.48−2.57(m,1H)、7.32(d,2H)、7.52(d,2H)、7.65−7.72(m,4H)。また、1H NMRチャートを図17に示す。なお、図17(B)は、図17(A)における6.5ppm〜8.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。なお、図17(C)は、図17(A)における0.0ppm〜3.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
(4−(trans−4−n−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル(略称:CPEP−5FCNF)の合成方法)
構造式(103)で表されるCPEP−5FCNFの合成スキームを下記(A−1)に示す。
1.9g(6.9mmol)の4−(trans−4−n−ペンチルシクロへキシル)安息香酸と、1.1g(7.1mmol)の2,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシベンゾニトリルと、0.13mg(1.1mmol)の4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)と、7.0mLのジクロロメタンを50mLのナスフラスコに加え、攪拌した。この混合物に1.5g(7.8mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(EDC)を加え、大気下、室温で28時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物に水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾別し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;トルエン)により精製した。得られたフラクションを濃縮し、固体を得た。この固体を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(展開溶媒;クロロホルム)により精製した。
得られたフラクションを濃縮することにより、目的物である白色固体を収量2.0g、収率69%で得た。得られた白色固体2.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.7Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色固体を155℃で加熱して行った。昇華精製後、白色固体を1.8g、回収率90%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である4−(trans−4−n−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル(略称:CPEP−5FCNF)であることを確認した。
得られた物質(CPEP−5FCNF)の1H NMRデータを以下に示す。1H NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)=0.90(t,3H)、1.02−1.13(m,2H)、1.20−1.35(m,9H)、1.43−1.54(m,2H)、1.89−1.93(m,4H)、2.54−2.62(m,1H)、7.05(d,2H)、7.37(d,2H)、8.06(d,2H)。また、1H NMRチャートを図18に示す。なお、図18(B)は、図18(A)における6.5ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。なお、図18(C)は、図18(A)における0.0ppm〜3.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
(4−n−プロピル安息香酸3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル(PEP−3FCNF)の合成方法)
構造式(104)で表されるPEP−3FCNFの合成スキームを下記(B−1)に示す。
1.6g(10.0mmol)の4−n−プロピル安息香酸と、1.6g(10.0mmol)の2、6−ジフルオロ−4−ヒドロキシベンゾニトリルと、185mg(1.5mmol)の(4−N,N−ジメチルアミノ)ピリジンと、10mLのジクロロメタンを50mLのナスフラスコに加え、攪拌した。この混合物に2.1g(11.0mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(EDC)を加え、この混合物を大気下、室温で15時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物へ水を加え、この混合物の水層をジクロロメタンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して白色固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;トルエン)により精製した。得られたフラクションを濃縮して白色固体を得た。この固体を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(展開溶媒;クロロホルム)により精製した。得られたフラクションを濃縮して、目的物である白色固体を2.36g、収率79%で得た。
得られた白色固体をトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.1Pa、アルゴン流量10mL/minの条件で、白色固体を130℃で加熱して行った。昇華精製後、白色固体を収量1.27g、回収率42%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である4−n−プロピル安息香酸3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル(略称:PEP−3FCNF)であることを確認した。
得られた物質(PEP−3FCNF)の1H NMRデータを以下に示す。1H NMR(CDCl3、300MHz):δ(ppm)=0.97(t、3H)、1.63−1.76(m、2H)、2.70(t、2H)、7.05(d、2H)、7.34(d、2H)、8.06(d、2H)。また、1H NMRチャートを図19に示す。なお、図19(B)は、図19(A)における6.5ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。なお、図19(C)は、図19(A)における0.0ppm〜3.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
(4−(trans−4−n−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸4−シアノ−3−フルオロフェニル(略称:CPEP−5CNF)合成方法)
構造式(113)で表されるCPEP−5CNFの合成スキームを下記(F−1)に示す。
2.2g(8.0mmol)の4−(trans−4−n−ペンチルシクロへキシル)安息香酸と、1.1g(8.0mmol)の2−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾニトリルと、0.15g(1.2mmol)の4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)と、8.0mLのジクロロメタンを50mLのナスフラスコに加え、攪拌した。この混合物に1.7g(8.9mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(EDC)を加え、この混合物を大気下、室温で28時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物に水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。得られた抽出液と有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾別し、濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;トルエン)により精製した。得られたフラクションを濃縮し、白色固体を得た。この固体を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(展開溶媒;クロロホルム)により精製した。得られたフラクションを濃縮することにより、目的物の白色固体を収量2.5g、収率81%で得た。
得られた白色固体2.5gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.5Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色固体を155℃で加熱して行った。昇華精製後、白色固体を2.1g、回収率84%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である4−(trans−4−n−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸4−シアノ−3−フルオロフェニル(略称:CPEP−5CNF)であることを確認した。
得られた物質(CPEP−5CNF)の1H NMRデータを以下に示す。1H NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)=0.90(t,3H)、1.02−1.13(m,2H)、1.20−1.35(m,9H)、1.43−1.56(m,2H)、1.89−1.93(m,4H)、2.54−2.62(m,1H)、7.16−7.22(m,2H)、7.37(d,2H)、7.66−7.72(m,1H)、8.08(d,2H)。また、1H NMRチャートを図20に示す。なお、図20(B)は、図20(A)における6.5ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。なお、図20(C)は、図20(A)における0.0ppm〜3.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
4−n−プロピル安息香酸3−フルオロ−4−シアノフェニル(PEP−3CNF)の合成方法)
構造式(114)で表されるPEP−3CNFの合成スキームを下記(G−1)に示す。
1.7g(10.6mmol)の4−n−プロピル安息香酸と、1.5g(10.6mmol)の2−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾニトリルと、195mg(1.6mmol)の4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)と、10.6mLのジクロロメタンを50mLのナスフラスコに加え、攪拌した。この混合物に2.2g(11.7mmol)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(EDC)を加えた。この混合物を大気下、室温で15時間攪拌した。所定時間経過後、得られた混合物へ水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して無色油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;トルエン)により精製した。得られたフラクションを濃縮して無色油状物を得た。この油状物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(展開溶媒;クロロホルム)により精製した。得られたフラクションを濃縮して、目的物の無色油状物を2.47g、収率82%で得た。
得られた無色油状物をトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.0Pa、アルゴン流量10mL/minの条件で、無色油状物を150℃で加熱して行った。昇華精製後、無色油状物を収量0.78g、回収率26%で得た。
核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が目的物である4−n−プロピル安息香酸3−フルオロ−4−シアノフェニル(略称:PEP−3CNF)であることを確認した。
得られた物質(PEP−3CNF)の1H NMRデータを以下に示す。 1H NMR(CDCl3、300MHz):δ(ppm)=0.97(t、3H)、1.63−1.76(m、2H)、2.70(t、2H)、7.17−7.23(m、2H)、7.34(d、2H)、7.67−7.72(m、1H)、8.08(d、2H)。また、1H NMRチャートを図21に示す。なお、図21(B)は、図21(A)における7.0ppm〜8.5ppmの範囲を拡大して表したチャートである。なお、図21(C)は、図21(A)における0.0ppm〜3.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。