JP5856184B2 - 干渉計エンコーダ・システムでのサイクリック・エラー補償 - Google Patents

干渉計エンコーダ・システムでのサイクリック・エラー補償 Download PDF

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Description

いくつかの場合に、干渉計測システムは、光学干渉信号に基づいて測定対象物の相対位置の変化を監視する。たとえば、干渉計は、計測対象から反射された測定ビームを、「基準ビーム」と呼ばれることがある第2のビームと重ね合わせ、干渉させることによって、光学干渉信号を生成する。測定対象物の相対位置の変化は、測定された光学干渉信号の位相の変化に対応する。
しかし、多くの干渉計測システムは、「サイクリック・エラー(cyclic error)」として知られるものなどの非線形性を含む。サイクリック・エラーは、測定された干渉信号の位相および/または強度への寄与として表すことができ、測定ビームと第2ビームとの間の光学経路差の変化に対する正弦波の依存を有する可能性がある。サイクリック・エラーは、「ビーム混合(beam mixing)」によって作られる可能性があり、このビーム混合では、入力ビームのうちで第2ビームを形成する部分が、測定経路に沿って伝搬し、かつ/または入力ビームのうちで測定経路に沿って伝搬することを意図された部分が、代わりに基準経路に沿って伝搬する。そのようなビーム混合は、入力ビームの偏光の楕円率および/または干渉計コンポーネントの不完全性によって引き起こされる可能性がある。サイクリック・エラーは、干渉計内のビーム内に望まれない楕円率を作る、逆反射体および/または位相遅れ板(phase retardation plate)などのコンポーネントの不完全性によって作られる可能性もある。補償されない場合に、前述のサイクリック・エラーは、干渉計システムによって測定される位置変化の正確さを制限する可能性がある。
本開示の主題は、干渉計測定システム、たとえば、干渉計・エンコーダ(interferometric encoder)システムでのサイクリック・エラー補償に関する。
一般に、一態様では、本開示は、干渉計から、第1ビームがエンコーダ・スケールから回折された後に、第1ビームおよび第2ビームの組合せに基づいて時間変動する干渉信号S(t)を受け取ることであって、エンコーダ・スケールおよび干渉計のうちの少なくとも1つは、他方に対して移動可能である、前記受け取ること、時間変動する干渉信号S(t)を変更する1つ以上のエラーに基づいて1つ以上のエラー訂正信号を受け取ること、時間変動する干渉信号S(t)および1つ以上のエラー訂正信号に基づいて干渉計に対するエンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することを備える方法を特徴とする。
この方法の実施態様は、次の特徴および/または他の態様の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。たとえば、1つ以上のエラーは、時間変動する干渉信号S(t)にAcos(Φ(t)+Φ(t)+ζ)の形式の理想的な式から逸脱させることができ、Aおよびζは、定数であり、Φ(t)は、ωtと等しい時間変動する基準位相であり、ωは、第1ビームと第2ビームとの間の角周波数差であり、Φ(t)は、第1ビームと第2ビームとの間の光学経路差を示す位相差である。この方法は、入力ビームの第1部分から取得された基準ビームからΦ(t)を測定することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態で、第1ビームおよび第2ビームは、入力ビームの第2部分から取得され得る。
いくつかの実施態様では、この方法は、時間変動する干渉信号S(t)に周波数変換を適用して複素測定信号を生成することをさらに含む。たとえば、周波数変換を適用することは、時間変動する干渉信号S(t)に離散フーリエ変換(DFT)を適用することを含むことができる。DFTは、ウィンドウ関数を含むことができる。DFTは、畳み込まれ得る。もう1つの例では、時間変動する干渉信号S(t)に周波数変換を適用することは、時間変動する干渉信号S(t)をディジタル化して、ディジタル化された測定信号を生成することを含むことができる。時間変動する干渉信号S(t)に周波数変換を適用することは、ディジタル化された測定信号の一連の連続するサンプルを複素測定信号に変換することをさらに含むことができる。この方法は、干渉計に対するエンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を提供するために、1つ以上のエラー訂正信号に基づいて複素測定信号を補償することをさらに含むことができる。たとえば、複素測定信号を補償することは、複素測定信号から1つ以上のエラー訂正信号を取り除くことを含むことができる。1つ以上のエラー訂正信号を受け取ることは、1つ以上のエラーを示す1つ以上のエラー基底関数を取得すること、1つ以上のサイクリック・エラー項の振幅またはオフセット位相のうちの少なくとも1つに関する1つまたは複数の係数を取得すること、1つ以上のエラー基底関数および1つまたは複数の係数に基づいて1つ以上のエラー訂正信号を生成することを含むことができる。たとえば、1つ以上の係数は、複素係数とすることができる。もう1つの例では、1つ以上の係数を受け取ることは、複素測定信号からの値に基づくものとすることができる。
いくつかの実施態様では、1つ以上のエラー訂正信号は、負ドップラ・エラーを示すエラー訂正信号を含むことができる。
いくつかの実施態様では、1つ以上のエラー訂正信号は、ベースバンド・ドップラ・エラーを示すエラー訂正信号を含むことができ、ベースバンド・ドップラ・エラーは、基準位相Φ(t)と独立である。
いくつかの実施態様では、1つ以上のエラー訂正信号は、ゼロ・ドップラ・エラーを示すエラー訂正信号を含む。
いくつかの実施態様では、干渉計に対するエンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することは、1つ以上の訂正信号に基づいて1つ以上のエラーからの寄与を低減して訂正された時間変動する干渉信号を生成することを含む。たとえば、干渉計に対するエンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することは、訂正された時間変動する干渉信号から第1ビームと第2ビームとの間の光学経路差を示す情報を判定することをさらに含むことができる。
いくつかの実施態様では、第1ビームは、エンコーダ・スケールに衝突する主ビームのゼロではない回折次数とすることができ、第1ビームは、エンコーダ・スケールで主ビームと同一直線上にはない。
いくつかの実施態様では、第1ビームおよび第2ビームは、共通の光源から供給され得る。共通の光源は、第1ビームと第2ビームとの間の角周波数差を導入するように構成され得る。
いくつかの実施態様では、第1ビームおよび第2ビームは、互いに対して直交偏光にされる。
いくつかの実施態様では、エンコーダ・スケールは、回折格子を含む。たとえば、回折格子は、1次元の回折格子を含むことができる。もう1つの例では、回折格子は、2次元の回折格子を含むことができる。
一般に、もう1つの態様では、本開示は、装置であって、エンコーダ・スケールから回折された第1ビームと第2ビームとを組み合わせて、装置の動作中に、時間変動する干渉信号S(t)に対応する出力ビームを生成するように構成された干渉計システムであって、エンコーダ・スケールおよび干渉計システムのうちの少なくとも1つは、他方に対して移動可能であり、干渉計システムおよび/または入力ビーム内の不完全性は、時間変動する干渉信号S(t)を変更する1つ以上のエラーを発生させる、干渉計システムを含む装置を特徴とする。この装置は、装置の動作中に、1つ以上のエラーに基づいて1つ以上のエラー訂正信号を受け取ること、時間変動する干渉信号S(t)および1つ以上のエラー訂正信号に基づいて干渉計システムに対するエンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することを含む動作を実行するように構成された電子プロセッサを含む。
この装置の実施形態は、次の特徴および/または他の態様の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態で、1つ以上のエラーは、時間変動する干渉信号S(t)にAcos(Φ(t)+Φ(t)+ζ)の形式の理想的な式から逸脱させ、Aおよびζは、定数であり、Φ(t)は、ωtと等しい時間変動する基準位相であり、ωは、第1ビームと第2ビームとの間の角周波数差であり、Φ(t)は、第1ビームと第2ビームとの間の光学経路差を示す位相差である。干渉計システムは、装置の動作中に、入力ビームを提供し、入力ビームの第1部分から基準ビームを導出し、基準ビームからΦ(t)を測定し、入力ビームの第2部分から第1ビームおよび第2ビームを導出するようにさらに構成され得る。
いくつかの実施態様で、電子プロセッサは、時間変動する干渉信号S(t)に周波数変換を適用して、複素測定信号を生成することを含む動作を実行するようにさらに構成される。周波数変換を適用することは、時間変動する干渉信号S(t)に離散フーリエ変換(DFT)を適用することを含むことができる。DFTは、ウィンドウ関数を含むことができる。DFTは、畳み込みを含む。時間変動する干渉信号S(t)に周波数変換を適用することは、時間変動する干渉信号S(t)をディジタル化して、ディジタル化された測定信号を生成することを含むことができる。時間変動する干渉信号S(t)に周波数変換を適用することは、ディジタル化された測定信号の一連の連続するサンプルを複素測定信号に変換することをさらに含むことができる。
いくつかの実施態様で、電子プロセッサは、干渉計に対するエンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を提供するために、1つまたは複数のエラー訂正信号に基づいて複素測定信号を補償することを含む動作を実行するようにさらに動作可能である。複素測定信号を補償することは、複素測定信号から1つ以上のエラー訂正信号を取り除くことを含むことができる。1つ以上のエラー訂正信号を受け取ることは、1つ以上のエラーを示す1つ以上のエラー基底関数を所得すること、1つ以上のサイクリック・エラー項の振幅またはオフセット位相のうちの少なくとも1つに関する1つまたは複数の係数を取得すること、1つ以上のエラー基底関数および1つ以上の係数に基づいて1つ以上のエラー訂正信号を生成することを含むことができる。1つ以上の係数は、複素係数とすることができる。1つ以上の係数を受け取ることは、複素測定信号からの値に基づくものとすることができる。
いくつかの実施態様で、1つ以上のエラー訂正信号は、負ドップラ・エラーを示すエラー訂正信号を含む。
いくつかの実施態様で、1つ以上のエラー訂正信号は、ベースバンド・ドップラ・エラーを示すエラー訂正信号を含むことができ、ベースバンド・ドップラ・エラーは、基準ビーム位相Φ(t)と独立である。
いくつかの実施態様で、1つ以上のエラー訂正信号は、ゼロ・ドップラ・エラーを示すエラー訂正信号を含む。
いくつかの実施態様で、干渉計に対するエンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することは、1つ以上の訂正信号に基づいて1つ以上のエラーからの寄与を低減して訂正された時間変動する干渉信号を生成することを含む。干渉計に対するエンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することは、訂正された時間変動する干渉信号から第1ビームと第2ビームとの間の光学経路差を示す情報を判定することをさらに含むことができる。
いくつかの実施態様で、この装置は、エンコーダ・スケールをさらに含む。エンコーダ・スケールは、回折格子とすることができる。回折格子は、1次元の回折格子とすることができる。回折格子は、2次元の回折格子とすることができる。
いくつかの実施態様で、この装置は、第1成分および第2成分を含む入力ビームを供給するように構成された光源をさらに含み、第1成分および第2成分は、異なる角周波数および直交偏光状態を有する。この装置は、入力ビームから主ビームを取得し、エンコーダ・スケールに主ビームを向けるように配置された1つ以上の第1コンポーネントをさらに含むことができる。1つ以上の第1コンポーネントは、入力ビームから主ビームおよび第2ビームを取得するように配置された第1偏光ビーム・スプリッタを含むことができる。この装置は、エンコーダ・スケールから回折された第1ビームを受け取り、第1ビームを第2ビームと組み合わせるように配置された1つまたは複数の第2コンポーネントをさらに含むことができる。1つ以上の第2コンポーネントは、第1ビームを第2ビームと組み合わせて出力ビームを形成するように配置された偏光ビーム・コンバイナ(polarizing beam combiner)を含むことができる。
いくつかの実施態様で、この装置は、出力ビームを検出する検出器をさらに含む。
一般に、もう1つの態様では、本開示は、データ処理装置に、干渉計から、第1ビームおよび第2ビームの組合せに基づいて時間変動する干渉信号S(t)を受け取ることであって、第1ビームは、エンコーダ・スケールから回折され、エンコーダ・スケールおよび干渉計のうちの少なくとも1つは、他方に対して移動可能である、前記受け取ること、時間変動する干渉信号S(t)を変更する1つ以上のエラーに基づいて1つ以上のエラー訂正信号を受け取ること、時間変動する干渉信号S(t)および1つ以上のエラー訂正信号に基づいて干渉計に対するエンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することを含む動作を実行させるように動作可能な、コンピュータ可読媒体上で符号化されたコンピュータ・プログラム製品を特徴とする。
一般に、もう1つの態様では、本開示は、リソグラフィ・システムであって、ウェハを支持する可動ステージであって、可動ステージは、可動ステージと共に移動するエンコーダ・スケールを含む、可動ステージと、リソグラフィ・システムの動作中にウェハ上に放射を結像するように構成された照明システムと、リソグラフィ・システムの動作中に可動ステージの位置を調整するように構成された位置決めシステムと、リソグラフィ・システムの動作中にエンコーダ・スケールに主ビームを向け、エンコーダ・スケールから回折された第1ビームおよび第2ビームを組み合わせて時間変動する干渉信号S(t)に対応する出力ビームを生成するように構成された干渉計システムであって、干渉計システム内の不完全性は、時間変動する干渉信号S(t)を変更する1つまたは複数のエラーを発生させる、前記干渉計システムとを含むリソグラフィ・システムを特徴とする。このシステムは、リソグラフィ・システムの動作中に、1つ以上のエラーに基づいて1つ以上のエラー訂正信号を受け取ること、時間変動する干渉信号S(t)および1つ以上のエラー訂正信号に基づいて干渉計システムに対するエンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することを含む動作を実行するように構成された電子プロセッサをさらに含む。
本明細書で開示される実施態様は、複数の利点を提供することができる。たとえば、いくつかの実施態様では、方法および装置を使用して、フィルタリングの必要なしにホモダインまたはベースバンドのドップラ・サイクリック・エラーを補償することができ、フィルタリングは、そうでなければ最大の許容されるドップラ・シフトを制限するはずである。したがって、サイクリック・エラーの補償は、16MHz以上までの、より大きいドップラ・シフトを可能にする。より広い周波数範囲は、いくつかの実施態様で、エンコーダ・スケールに関するより微細な回折格子ピッチの使用をも可能にし、その結果、より小さいパッケージを使用でき、より高い測定分解能を達成できるようになる。
例示的な干渉計エンコーダ・システムを示す概略図。 もう1つの例示的な干渉計エンコーダ・システムを示す概略図。 もう1つの例示的な干渉計エンコーダ・システムを示す概略図。 もう1つの例示的な干渉計エンコーダ・システムを示す概略図。 例示的な干渉計エンコーダ・システム内の異なるビーム経路を示す概略図。 サイクリック・エラー基底関数を生成し、複素測定信号に基づいてサイクリック・エラー係数の特徴を表す例示的な測定システムを示す概略図。 図5Aの測定システムの誤差エスティメータを示す概略図。 図5Bの誤差エスティメータの処理ユニットを示す概略図。 ヘテロダイン干渉信号に適用されるサイクリック・エラー訂正の例示的なシミュレーションを示すグラフ。 ヘテロダイン干渉信号に適用されるサイクリック・エラー訂正の例示的なシミュレーションを示すグラフ。 ヘテロダイン干渉信号に適用されるサイクリック・エラー訂正の例示的なシミュレーションを示すグラフ。 ヘテロダイン干渉信号に適用されるサイクリック・エラー訂正の例示的なシミュレーションを示すグラフ。 干渉計を含む例示的なリソグラフィ・ツールを示す概略図。 集積回路を製造する工程を説明する流れ図。 集積回路を製造する工程を説明する流れ図。 干渉計システムを含む例示的なビーム書込システムを示す概略図。
1つまたは複数の実施形態の詳細を、添付図面および下の説明に示す。本発明の他の特徴および利点は、説明および図面ならびに特許請求の範囲から明白になる。
本開示は、干渉計エンコーダ・システムでのサイクリック・エラー補償を対象とする。下の開示は、4つのセクションに編成される。「干渉計エンコーダ・システム」という題名の本開示の第1セクションは、干渉計エンコーダがどのように動作できるのかの全般的な説明に関する。「サイクリック・エラー原因」という題名の本開示の第2セクションは、サイクリック・エラーの光学的原因に関する。「サイクリック・エラー訂正」という題名の本開示の第3セクションは、干渉計エンコーダ・システムでサイクリック・エラーを訂正する構造および方法に関する。「リソグラフィ・システム」という題名の本開示の第4セクションは、リソグラフィ・システムで干渉計エンコーダ・システムを使用する構造および方法に関する。
干渉計エンコーダ・システム
干渉計エンコーダ・システムは、1つまたは複数の変位方向で、一般に「エンコーダ・スケール」と称する測定目盛り(measuring graduation)の動きを評価することができるタイプの干渉計測定システムである。干渉計エンコーダ・システムの動作中に、入力照明ビームは、2つのビームに分離され、そのうちの1方のビームは、可動エンコーダ・スケールに入射し、これから回折し、他方のビームは、回折されたビームと再度組み合わされて、エンコーダ・スケールの相対位置の変化を示す干渉信号を生成する。いくつかの実施態様では、両方のビームが、可動エンコーダ・スケールに入射し、これから回折する。
ある種の実施形態では、2つのビームは、直交偏光を有し、その結果、偏光に敏感な光学部品を使用して、これらを入力照明ビームから分離し、これらをそれぞれの経路に沿って向け、これらを再度組み合わせることができる。
さらに、ある種の実施形態では、2つのビームは、周波数の小さい差(たとえば、kHzからMHzの範囲の差)を有して、一般にこの周波数差に対応する周波数で当該の干渉信号を生成する。この周波数を、以下では交換可能に「ヘテロダイン」周波数または「基準」周波数と称し、ωと表す(角周波数に関して)。エンコーダ・スケールの相対位置の変化に関する情報は、一般に、このヘテロダイン周波数の干渉計信号の位相に対応する。信号処理技法を使用して、この位相を抽出することができる。一般に、可動エンコーダ・スケールは、この位相項を時間変動にする。これに関して、エンコーダ・スケール運動の第1次時間導関数は、干渉計信号の周波数に、本明細書で「ドップラ」シフトと称する量だけヘテロダイン周波数からシフトさせる。
干渉計エンコーダ・システムの好ましい実施形態では、原因が、ヘテロダイン周波数差を有する2つの直交偏光成分を有するために、入力照明ビームを提供する。
エンコーダ・スケールは、通常、少なくとも1つの次元に沿って周期的に延び、入力ビームを回折することのできる構造を含む。特定のタイプのエンコーダ・スケールの例が、格子であり、ここで、格子は、1つまたは複数の次元で繰り返す周期的パターン(たとえば、2進パターン)を含む。エンコーダ・スケールは、一般に変位測定干渉計(displacement measuring interferometer)の主要な誤差原因である大気擾乱に関し、比較的感受性が低いことに起因して、リソグラフィ応用で広く使用されている。
ここで図1を参照すると、干渉計エンコーダ・システム100は、光源120、光学アセンブリ110、ターゲット101、検出器システム130(たとえば、偏光子および検出器を含む)、および電子プロセッサ150を含む。参考として直交座標系が示してある。
ターゲット101は、このページの平面に垂直に、図1に示された直交座標系のy軸に平行に延びる回折格子ラインを有する回折格子など、エンコーダ・スケール105を含む。回折格子ラインは、x軸に沿って周期的である。エンコーダ・スケール105は、x−y平面に対応する回折格子平面を有する。動作中に、エンコーダ・システム100は、x軸に関するターゲット101の位置を含む、光学アセンブリ110に関するターゲット101の1つまたは複数の自由度を監視する。
監視を実行するために、光源120は、入力ビーム122を光学アセンブリ110に向ける。光学アセンブリ110は、主ビーム112を入力ビーム122から取得し、主ビーム112をターゲット101に向ける。エンコーダ・スケール105は、入射された主ビーム112を1つまたは複数の回折次数に回折する。これらの回折次数のうちの少なくとも1つ、たとえば図1のビーム114は、光学アセンブリ110に戻り、ここで、第2ビーム(図示せず)と組み合わされて、出力ビーム132を形成する。第2ビームも、入力ビーム122から取得することができる。主ビーム112および第2ビームのそれぞれを、光学アセンブリ110の1つまたは複数の第1光学コンポーネント(図示せず)を使用して入力ビーム122から取得することができる。たとえば、主ビーム112および第2ビームを、入力ビーム122の偏光および/または周波数に基づいて入力ビーム122を分割するビーム・スプリッタを使用して取得することができる。同様に、回折されたビーム114および第2ビームを、光学アセンブリ110の1つまたは複数の第2光学コンポーネント(図示せず)を使用して組み合わせることができる。たとえば、回折されたビーム114および第2ビームを、偏光ビーム・コンバイナを使用して組み合わせることができる。
好ましい実施形態では、回折されたビーム114は、非ゼロ次の回折されたビームである。出力ビーム132は、第1ビームに対応する成分と第2ビームに対応する成分との間の光学経路差に関する位相情報を含む。光学アセンブリ110は、出力ビーム132を検出器システム130に向け、検出器システム130は、出力ビームを検出し、それに応答して信号を電子プロセッサ150に送る。
電子プロセッサ150は、信号を受け取り、分析し、光学アセンブリ110に対するターゲット101の1つまたは複数の自由度に関する情報を判定する。具体的には、電子プロセッサは、信号のヘテロダイン位相に基づいてこの情報を判定し、このヘテロダイン位相は、光源、光学アセンブリ、および検出システムが構成されることにより生じる。具体的には、エンコーダ・システムは、第1ビームおよび第2ビームが直交偏光および異なる(光)周波数(その差が、「ヘテロダイン」周波数を定義する)を有するようにするために、提供される。異なる(光)周波数を、たとえば、他の技法の中でも、レーザ・ゼーマン分裂によって、音響光学変調によって、2つの異なるレーザ・モードを使用して、または複屈折要素を使用してレーザの内部で、生成することができる。直交偏光は、偏光ビーム・スプリッタが、第1ビームおよび第2ビームをそれぞれ異なる経路に沿って向け、その後に偏光子を通過する出力ビームを形成するために第1ビームおよび第2ビームを組み合わせることを可能にし、この偏光子は、成分が干渉できるようにするために成分を混合する。ターゲットの動きがない場合には、干渉信号は、ヘテロダイン周波数で発振し、このヘテロダイン周波数は、2つの成分の光学周波数の差である。動きがある場合には、ヘテロダイン周波数は、周知のドップラ関係を介してターゲットの速度に関係付けられる変化をこうむる。したがって、ヘテロダイン周波数の変化の監視は、光学アセンブリに対するターゲットの動きを監視することを可能にする。
好ましい実施形態では、主ビームは、第1ビームがリトロー条件(Littrow condition)を満足しないような入射角でエンコーダ・スケール105に入射する。リトロー条件は、入射ビームに対する回折格子の向きを指し、回折格子が、回折されたビームを光源に向けて戻す。言い換えると、エンコーダ・システム100では、第1ビームは、回折格子で主ビームと同一直線上にない。
「入力ビーム」は、光源によって放たれるビームを指す。一般に、入力ビームは、第1ビームに対応する成分および第2ビームに対応する成分を含む。言い換えると、入力ビームは、第1の周波数および偏光の成分と、異なる周波数で直交偏光のもう1つの成分とを含む。「主ビーム」は、当初にエンコーダ・スケールに入射するビームを指す。いくつかの場合に、主ビームは、入力ビームと同一である(たとえば、入力ビームが、たとえばビーム・スプリッタとの相互作用なしで光源からターゲットに直接に向けられる場合)。いくつかの実施形態では、主ビームは、第1ビームに対応する成分と第2ビームに対応する成分とを含む(たとえば、異なる角周波数の2つの直交偏光の成分)。ある種の実施形態では、入力ビームは、主ビームがターゲットに接触する前に主ビームおよび第2ビームに分離され、その結果、主ビームは、第1ビームの偏光/周波数成分だけを含むようになる。
エンコーダ・スケール105が、図1では一方向に周期的である回折格子構造として示されているが、より一般的に、「エンコーダ・スケール」は、少なくとも1つの次元に沿って延び、主ビームを回折する構造を含む測定目盛りを指す。いくつかの実施形態では、エンコーダ・スケールは、2方向に(たとえば、x軸およびy軸に沿って)延びる周期的構造を有することができる。一般に、エンコーダ・システムが、所望の正確さでターゲットの自由度を監視するのに十分な強度および正確さを有する信号を提供するように、エンコーダ・スケールおよび光源が選択される。いくつかの実施形態では、光源は、400nmから1500nmまでの範囲にある波長を有する。たとえば、光源は、約633nmまたは約980nmの波長を有することができる。いくつかの実施形態では、光源を、HeNeレーザとすることができる。回折格子がエンコーダ・スケールとして使用される場合に、回折格子は、約1λから約20λまでの範囲にあるピッチを有することができ、λは、光源の波長である。たとえば、回折格子は、約1μmから約10μmまでの範囲にあるピッチを有することができる。
いくつかの実施形態では、単一の干渉される周波数成分だけが、ターゲットエンコーダ・スケールによって影響される。たとえば、図2Aを参照すると、干渉計エンコーダ・システムの光学アセンブリ110は、第1偏光ビーム・スプリッタ(PBS)210、第2PBS 220、回折格子G2、偏光子(「pol」のラベルを付す)、および検出器230を含む。PBS210は、入力ビーム122を主ビーム112および副ビームに分割する。図示されているように、主ビーム112は、図の平面内の偏光を有し、副ビームは、図の平面に対して垂直な偏光を有する。主ビーム112は、エンコーダ・スケール105によって回折され、第1ビーム114を供給し、この第1ビーム114は、ゼロ次以外の回折次数(たとえば、1次)の主ビーム112に対応する。回折格子G2は、第1ビーム114を回折し、その結果、第1ビーム114は、主ビーム112の経路に平行な経路に沿ってPBS220に入射するようになる。PBS220は、第1ビーム114を第2ビームと組み合わせて、出力ビーム132を形成する。検出器システム130では、偏光子(pol)が、出力ビームが検出器230に入射する前に出力ビームの第1ビーム成分および第2ビーム成分を混合する。
いくつかの実施形態では、主ビーム114は、周波数成分と偏光成分との両方を含むことができる。たとえば、図2Bを参照すると、非偏光ビーム・スプリッタ(NPBS)を使用して、入力ビームを主ビームおよび第2ビームに分割することができる。しかし、第1ビームおよび第2ビームは、PBSを使用して組み合わされ、その結果、出力ビームにおける第1ビームの部分だけが、ある状態の偏光を有する成分に対応し、出力ビームにおける第2ビームの部分だけが、直交偏光を有する成分に対応するようになる。
さらに、一般に、光学アセンブリ110は、図2Aに示されたコンポーネントに加えてまたはその代替として、1つまたは複数のコンポーネントを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、回折されたビーム114を、格子G2ではなくバルク光学コンポーネント(bulk optic component)(たとえば、プリズムまたは他の屈折光学要素)を使用してPBS 220に再度向けることができる。このような実施形態を、図2Bに示す。
ある種の実施形態では、エンコーダ・システムは、追加のサブシステムを含む。たとえば、いくつかの実施形態では、エンコーダ・システムは、ローカル基準を含む。図2Aに示されているように、ローカル基準を、ビーム・スプリッタ240(たとえば、非偏光ビーム・スプリッタ)、偏光子250、および検出器260を使用して提供することができる。そのような基準は、たとえば、入力ビーム122の各成分間の相対的な開始位相が可変である実施形態において有用である可能性がある。
図2Aおよび2Bに示された実施形態に基づくさらなる実施形態が、検討されている。たとえば、図3に、2つの検出チャネルを組み込んだ変形形態を示し、この検出チャネルのそれぞれは、+1または−1のいずれかの回折次数に別々に干渉して、動き感度分解能の改善と主ビーム軸(すなわち、Z軸)に沿ったエンコーダ・スケールの動きの間での区別との両方を行う。ここで、検出チャネルごとの第2ビームは、主ビームの0次回折に対応し、これは、名目上、エンコーダ・スケールG1に垂直に入射する。Z方向でのエンコーダ・スケールの動きは、両方に共通であるが、Xに沿ったエンコーダ・スケールの動きは、反対の符号を伴って検出されるので、2つの動きを、2つの別々の位相の合計または差からなるコンポジット信号によって区別することができる。この場合に、2つの検出器のXに沿った動き(Δx)およびZに沿った動き(Δz)の関数としての位相の変化に関する基本的な式は、以下の通りである。
ここで、±の上付き文字は、+または−の次数を表し、λは、照明の波長であり、Λは、エンコーダ・スケール・パターンの周期であり(たとえば、回折格子の周期)、1次の回折角(θ)は、式λ=Λsin(θ)から求まる。変位を得るために、合計の式および差の式を形成する。
領域回折格子(area grating)を使用する2次元(2D)の用途において、第1のセットからZ軸の周りに90°回転された成分のもう1つのセットを用いて垂直(Y)軸内の動きを得ることができ、たとえば、Y方向での変位Δyを提供する2つの追加の検出チャネルを設ける。
サイクリック・エラー原因
サイクリック・エラー訂正の実施形態を説明する前に、干渉計エンコーダ・システム内で発生するサイクリック・エラー原因およびエラータイプを説明することが有用である。一般に、光学サイクリック・エラーは、「ビーム混合」を介して干渉計エンコーダ・システムにおいて生じる可能性があり、このビーム混合では、偽の「ゴースト」ビーム(spurious ghost beam)が、システム内の、測定ビームおよび/または基準ビームなどの他の所望のビームと干渉する。これらのゴースト・ビーム(ghost beam)は、それが組み合わされるビームとは異なる振幅、異なる位相オフセット、および/または異なる周波数を有する可能性があり、検出される干渉信号の周波数もしくは位相のシフトまたは検出される干渉信号振幅の変化を生じる。したがって、エンコーダ・スケールの相対位置の測定が、エンコーダ・スケールの実際の位置から逸脱し、したがって干渉計によって測定される変位変化の正確さを制限する可能性がある。
ゴースト・ビームは、干渉計システム内のさまざまな不完全性によって引き起こされる可能性がある。たとえば、入力ビームの異なる周波数成分の偏光の楕円率(ellipticity)が、入力ビームをそれぞれの測定経路および基準経路に沿って分割するのに使用される偏光ビーム・スプリッタを介する漏れにつながる可能性がある。すなわち、主ビームのうちで第1の偏光および周波数を有する部分が、意図された測定経路ではなく基準経路に沿ってビーム・スプリッタから出力する可能性があり、第2ビームのうちで第2の異なる偏光および周波数を有する部分が、意図された基準経路ではなく測定経路に沿ってビーム・スプリッタから出力する可能性がある。入力ビーム内の楕円偏光は、照明源に固有の偏光混合(polarization mixing)に起因する可能性がある。偏光ビーム・スプリッタを介する漏れが、ビーム・スプリッタ自体の不完全性によって引き起こされる可能性もある。たとえば、いくつかの場合に、偏光ビーム・スプリッタが、低い消光比を有する場合があり、ここで、消光比は、望まれるビーム成分に対する望まれないビーム成分の透過である。いくつかの場合に、偏光ビーム・スプリッタを介する漏れは、ビーム・スプリッタの偏光面との入力ビームの位置ずれに起因する。
ゴースト・ビームは、干渉計システムの他のコンポーネントからの望まれない反射に起因して生じる可能性もある。たとえば、いくつかの場合に、1/4波長板が、100%ビーム透過を可能にせず、ビームのうちで波長板に入射する部分が、意図されずに測定経路または基準経路に反射される場合がある。同様に、エンコーダ・スケールからの反射が、ゴースト・ビームにつながる場合もある。たとえば、いくつかの実施態様では、入力ビームの一部が、入力ビームと同一直線上ではない経路に沿って回折されるのではなく、入射方向に沿って戻って反射される。サイクリック・エラー原因の前述の例が、網羅的ではなく、そのようなエラーを生成する他の機構も存在することに留意されたい。
干渉計エンコーダ内の、測定ビーム(たとえば、入力ビームから導出された主ビーム)、基準ビーム(たとえば、入力ビームから導出された第2ビーム)、および偏光ビーム・スプリッタ漏れから生じるゴースト・ビームによって移動する異なるビーム経路の例を示す概略図を、図4に示す。図4が、干渉計エンコーダ・システムの例の構成の一部を示すが、光学コンポーネントの他の構成または配置を使用することもできることに留意されたい。
図4に示された例では、光源(図示せず)からの入力ビーム422は、偏光ビーム・スプリッタ402に入射する。入力ビーム422は、第1周波数および第1偏光の成分と、異なる周波数で直交偏光のもう1つの成分とを含む。偏光ビーム・スプリッタ402は、入力ビーム422を、第1偏光および第1周波数を有する測定ビームf’と、第2偏光および第2周波数を有する第2ビームfとに分割する役割を担う。測定ビームは、測定経路に沿ってエンコーダ・スケール405に向けられ、エンコーダ・スケール405で回折され、ドップラ・シフトされた測定ビームf’をもたらす(周波数のドップラ・シフトは、移動するエンコーダ・スケールによって引き起こされた)。対照的に、第2ビームfは、基準経路に沿って偏光ビーム・スプリッタ402を通過する。ドップラ・シフトされた測定ビームf’および第2ビームfは、それぞれの逆反射体406、404を使用して、偏光ビーム・スプリッタ402に再度向けられて戻って、偏光ビーム・スプリッタ402で再度組み合わされる。したがって、ドップラ・シフトされた測定ビームf’は、第2ビームfと干渉して、そこから可動エンコーダ・スケールの相対位置に関する情報を判定できる出力ビームを提供する。
しかし、上述したように、サイクリック・エラーが、偏光ビーム・スプリッタ402内のビーム漏れなどのシステム内の不完全性に起因して生じる場合がある。たとえば、いくつかの場合に、初期測定ビームの1部(f)が、偏光ビーム・スプリッタ402を介して「漏れ」、測定ビーム経路ではなく基準ビーム経路に沿って移動する。ドップラ・シフトされていない測定ビームfは、逆反射体404によって再度向けられ、このビームが出力ビームに寄与するようになる。同様に、いくつかの実施態様では、第2ビームの一部(f’)が、基準経路に沿って移動するのではなく、偏光ビーム・スプリッタ402によって測定経路に沿って再度向けられ、エンコーダ・スケール405によってドップラ・シフトされて、ドップラ・シフトされた第2ビームを生成する。ドップラ・シフトされた第2ビームf’は、逆反射体406によって偏光ビーム・スプリッタ402に再度向けられ、偏光ビーム・スプリッタ402で、ドップラ・シフトされた測定ビームf’、基準ビームf、およびシフトされていない測定ビームfと組み合わされる。前述の例は、偏光ビーム・スプリッタを介して「漏れた」ゴースト・ビームに関するが、たとえば干渉計システム内の他の光学コンポーネントからおよび理想的な偏光消光比未満を有する照明源からの望まれない反射を含む干渉計システム内の他の不完全性が、出力ビームに逸脱させる不要な信号を生じる場合もある。
所望のビームと、漏れまたは干渉計システム内の他の不完全性のいずれからのものであれ、ゴースト・ビームとの干渉は、検出される出力ビームの逸脱を引き起こすさまざまなタイプのサイクリック・エラーにつながる可能性がある。サイクリック・エラーのタイプを、下の表1にリストする。
サイクリック・エラーの第1のタイプは、ゼロ・ドップラ・シフテッド・エラー(zero Doppler shifted error、CE 0)であり、このCE 0では、1つまたは複数のゴースト・ビームが干渉して、オリジナル入力ビームの成分の間のヘテロダイン周波数差から周波数においてシフトされていないエラーを生じる。ゼロ・ドップラ・シフテッド・エラーは、シフトされていない第2ビームfがシフトされていない測定ビームfと干渉することによって引き起こされる出力干渉信号のエラーを含む。ゼロ・ドップラ・シフテッド・エラーは、ドップラ・シフトされた第2ビームf’とのドップラ・シフトされた測定ビームf’の干渉によって引き起こされる出力干渉信号のエラーをも含む。
サイクリック・エラーの第2のタイプは、負ドップラ・シフト・エラー(negative Doppler shift error、CE N)であり、このCE Nでは、ゴースト・ビームが干渉して、所望の出力信号の周波数シフトと反対の方向にドップラ・シフトされた信号を生じる。負ドップラ・エラーは、シフトされていない測定ビームfがドップラ・シフトされた第2ビームf’と干渉することによって引き起こされる出力信号のエラーを含む。
サイクリック・エラーの第3のタイプは、ベースバンド・ドップラ・シフト・エラー(baseband Doppler shift error、CE B)である。ベースバンド・ドップラ・シフテッド・エラーは、ゴースト・ビーム周波数がドップラ・シフトされた測定信号の周波数に近い時に、測定される位置に影響する。ベースバンド・ドップラ・シフテッド・エラーは、シフトされていない測定ビームfとのドップラ・シフトされた測定ビームf’の干渉によって引き起こされる出力信号のエラーを含む。ベースバンド・ドップラ・シフテッド・エラーは、シフトされていない第2ビームfとのドップラ・シフトされた第2ビームf’の干渉によって引き起こされる出力信号のエラーをも含む。ベースバンド・ドップラ・シフテッド・サイクリック・エラーは、変位測定干渉計(DMI)システムに存在するが、通常は、出力干渉信号に実質的に影響しないのに十分に小さい大きさを有する。さらに、いくつかの場合に、DMIシステムでベースバンド・ドップラ・エラーの振幅を低減するための信号処理技法の適用は、他の周波数での追加の望まれないエラー信号を生成する可能性があり、この追加のエラー信号が、ベースバンド・ドップラ・エラーよりも大きな強度を有する場合すらある。
対照的に、干渉計エンコーダ・システムでのベースバンド・ドップラ・シフテッド・サイクリック・エラーは、いくつかの実施態様で、DMIシステムでのそのようなエラーより、はるかに大きい大きさを示す可能性がある。これは、部分的には、エンコーダ・システムの相対的により低い効率に起因する。言い換えると、ビームがDMIシステム内のステージ・ミラーから反射する効率は、ビームが干渉計エンコーダ・システム内のエンコーダ・スケールから特定の次数に沿って回折する効率よりはるかに高い。その結果、DMIシステムで入力ビームに対する検出器に達する測定信号の比率は、50%を超える可能性があるが、エンコーダ・システムの効率は、通常は、2重経路(double-pass)の1次元エンコーダ・スケールについて12%以下または2重経路の2次元エンコーダ・スケールについて6%以下に近いベストケースの効率を有する。したがって、検出される出力ビームへのベースバンド・ドップラ・エラーの寄与は、有意により大きい。さらに、いくつかの場合に、エンコーダ・スケールの回折格子の周期は、匹敵するDMIの干渉周期より粗く、ベースバンド・ドップラ・シフテッド・エラーが、測定された干渉信号のより大きいエラーを引き起こすようになっている。いくつかの実施態様では、エンコーダ・システムのベースバンド・ドップラ・エラーは、エンコーダ・スケールが移動する速度に起因して、DMIシステムでのエラーより著しいものでもある。具体的には、その上でベースバンド・ドップラ・エラーが生じる周波数間隔が、エンコーダ・スケール速度に依存して測定周波数帯にシフトされる可能性がある。
サイクリック・エラー訂正
通常、サイクリック・エラーの影響を、たとえば100kHz低域フィルタを用いる結果の位置値(position value)のフィルタリング(たとえば、0.25m/sを超える速度で動作する)と組み合わされた、たとえばフーリエ・スペクトル分析を使用して、周波数空間内の検出された出力ビームの干渉信号のフィルタリングによって除去することができる。しかし、ベースバンド・ドップラ・シフト・エラーについて、そのようなフィルタリング技法は、ドップラ・シフトされた測定信号の周波数がベースバンド・ドップラ信号の周波数に近い(たとえば、±1MHz)(たとえば、両方の信号が10±0.5MHzの範囲内)速度範囲において、有効ではない。たとえば、2重経路の干渉計エンコーダ・システムでは、500nmの格子ピッチ、20MHzの基準周波数、およびサイクリック・エラー振幅の所望の10x低減を用いると、速度範囲は、約2.5±0.12m/sになるはずである。サイクリック・エラーおよびフィルタリング方法の制限は、そうでなければより高い限度(たとえば、4m/s)を有するはずの干渉計エンコーダ・システムの最大使用可能速度を制限する(たとえば、2.13m/s)可能性がある。
しかし、信号処理を用いるサイクリック・エラー補償技法の使用は、その上でドップラ・シフトを使用できる周波数限度を広げながら、より高いエンコーダ・スケール速度でベースバンド・ドップラ・シフテッド・エラーを減らすことができる。より広い周波数範囲は、より高い分解能およびより小さいエンコーダスケール・パッケージングなどの他の干渉計性能利益を得るためのより微細な回折格子のピッチの使用をも可能にする。さらに、サイクリック・エラーを減らす光学的方法と組み合わされた時に、信号処理を利用するサイクリック・エラー補償は、ベースバンド・ドップラ・シフト・エラーならびにゼロ・ドップラ・シフト・エラーおよび負ドップラ・シフト・エラーに関するサイクリック・エラー大きさのより大きい低減を達成することができる。
1つの手法では、CEC手順が、アナログ−ディジタル変換器(ADC)によって生成されたディジタル化された測定信号(DMS)のリアル・タイムサンプリングされた値を処理する。これを、「DMS手法」と称する。DMS手法の利点は、「フィード・フォワード・モード」で生成できるサイクリック・エラー訂正信号を含み、フィード・フォワード・モードは、時間での変換に基づく単純な離散変換を用いることができ、スペクトル解析または離散変換の使用を要求する必要がない。
もう1つの実施形態では、CEC手順は、離散フーリエ変換(DFT)モジュールによって生成された複素測定信号(CMS)の複素数値を処理する。この「CMS手法」の利点は、ADCサンプリング・レート(たとえば、120MHz)よりも低いレート(たとえば、10MHz)でDFT(およびCEC計算)を更新する能力を含む。CEC更新レートの低下は、単純化されたハードウェア・アーキテクチャを可能にする。たとえば、12倍のCEC更新レートの低下は、DMS手法に対し、12倍よりも大きいハードウェアの削減をもたらすことができる。CMS手法は、ADCによって生成されるサンプルの、ならびにDFTモジュール内でのDFT係数および計算の、有限の算術精度に起因するサイクリック・エラーをも除去する。また、CMS手法は、DFTモジュールによって使用されるサンプルの個数およびウィンドウ関数に起因して、DMS手法より雑音をこうむりにくい。
DMS手法とCMS手法との両方のもう1つの利点は、位相計が干渉信号の主成分の周波数からのサイクリック・エラー周波数の間で区別できないドップラ・シフト周波数でサイクリック・エラー係数の特徴を表すことができることである。さらに、サイクリック・エラー係数の特徴を表し、サイクリック・エラー係数を、ヘテロダイン周波数に対して相対的に低いドップラ・シフト周波数の範囲にわたる補償に使用することができ、この範囲は、サイクリック・エラー係数が通常は周波数独立である範囲であり、これによって、サイクリック・エラー訂正が単純化される。
これから、CECに関するCMS手法を説明するが、このCMS手法では、サイクリック・エラー訂正信号DΨ(t)が、補償されたDFT信号を生成するために、干渉計エンコーダ・システムの電気干渉信号S(t)の対応するDFT信号D(t)から取り除かれる。次に、補償された電気干渉信号の位相が、位相計によって測定されて、特定の干渉計配置に関連するエンコーダ・スケールの相対位置情報が抽出される。サイクリック・エラーの影響が減らされているので、エンコーダ・スケールの相対位置情報は、より正確である。その結果、補償された電気干渉位相を使用して、高速であっても可動エンコーダ・スケールの位置を測定し、サーボ制御システムを介して制御することができ、ベースバンド・ドップラ・シフテッド・サイクリック・エラーの影響は、そうでなければ特に問題のあるものになる可能性がある。
この実施形態では、低いスルー・レートで補償される2つのサイクリック・エラー項と、−f/2に近いドップラ周波数fで補償される1つのサイクリック・エラー項との特定のセットに焦点を合わせ、fは、基準周波数である。サイクリック・エラーの異なるセットを補償するための適合は、後続の説明に基づいて当業者に明白であろう。上述したように、この3つのサイクリック・エラーを、本明細書では、振幅ε−1およびオフセット位相ζ−1を有する負ドップラ(CE N)、振幅εおよびオフセット位相ζを有するゼロ・ドップラ(CE 0)、ならびに振幅εおよびオフセット位相ζを有するベースバンド・ドップラと称する。
図1を再度参照すると、検出器システム130によって検出された出力ビーム132は、主干渉信号S(t)に対応するヘテロダイン干渉信号を含む。3つのサイクリック・エラー項を含む電気干渉信号S(t)を、次の形で表すことができる。
φは、基準信号S(t)の位相であり、dφ/dt=ωは、干渉計の入力ビームの測定ビーム成分および基準ビーム成分の周波数差の2π倍に対応し、Aおよびζは、電気干渉信号の主成分の、それぞれ振幅およびオフセット位相であり、φは、Xに沿ったエンコーダ・スケールの動き(Δx)およびZに沿った動き(Δz)の関数としての位相の変化であり、+1回折次数について、干渉計エンコーダ・システムについて
であり、kは、干渉計によって検出された出力ビームの波長λに対応する波数である。ヘテロダイン周波数差ω/2πの一例が、20MHzである。
各サイクリック・エラーは、測定される変位値における特性サイクリック・エラー周波数(characteristic cyclic error frequency)をもたらす。この周波数は、測定信号の周波数とサイクリック・エラー信号の周波数との間の差である。
ωは、ドップラ周波数である。
図5Aに、CMS手法を使用する測定の単純化された概略図を示す。光学干渉信号511が、光電受信器(photoelectric receiver)512によって受信され、増幅される。結果の電気干渉信号513は、低域フィルタ(LPF)514によってフィルタリングされ、フィルタリングされた信号515が作られる。LPF 514は、干渉信号511の高調波が当該の周波数範囲にエイリアシングされるのを防ぐように設計される。フィルタリングされた信号515は、ADC516によってディジタル化されて、ディジタル化された測定信号517を生成する。高性能変位測定干渉計用の通常のADCは、120MHzのサンプリング・レートで12ビットの分解能を有する場合がある。ディジタル化された測定信号517は、位相計520(下で説明する)によって処理されて、変換としてディジタル化された測定信号517を表す出力の強度525および位相527を生成する。出力の強度525は、状況および診断の目的に使用される。位相出力527は、本願明細書に援用されている米国特許第6975406号で十分に説明される位置カリキュレータ530によって使用される。位置カリキュレータ530は、測定された位置531および推定された速度533を計算する。測定された位置531は、本願明細書に援用されている米国特許第5767972号で十分に説明されるディジタル・フィルタ536によってフィルタリングされて、フィルタリングされた位置信号537を生成する。フィルタリングされた位置信号537は、エンコーダ・スケールによって移動された距離の所望の測定値を表す。
位相計520は、離散フーリエ変換(DFT)プロセッサ522、サイクリック・エラー補償(CEC)カリキュレータ540、およびディジタル・コンピュータによる座標回転(CORDIC)変換器524を含む。信号523、543、545、および547は、複素数の値であり、この複素数の値は、a+jbとしての実数成分と虚数成分との両方からなり、aは、実数成分、bは、虚数成分、jは、
である(記号iが、文献でjの代わりに使用される)。複素数値または直角位相値の他の表現を、使用することができ、たとえば、IおよびQ、XおよびY、または
など、他の記号を使用して表すことができる。複素数の値を、直交座標表示(実数および虚数)表現から極座標(大きさおよび位相角)表現に変換することができる。ディジタル信号の数値表現は、整数、分数、または浮動小数点とすることができる。
DFTプロセッサ522は、ディジタル化された測定信号517の一連の連続するサンプルを、DFTプロセッサ522の選択された中心周波数でのディジタル化された測定信号517の変換を表す複素測定信号523に変換する。中心周波数は、制御回路網(図示せず)によって判定され、推定された速度533は、位置カリキュレータ530によって判定される。
例示的なDFTプロセッサ522は、10MHzレートで実行される72点ウィンドウ付きDFTである。DFT計算が、時間において更新されるので、複素測定信号523は、時間の関数D(t)として表される。この10MHz更新レートは、f=120MHzのADCサンプリング・レートについて、あるDFT計算と次のDTF計算との間にディジタル化された測定信号517のサンプルの83%オーバーラップを提供する。通常のウィンドウ関数は、ブラックマン窓であり、これは、DFTに使用される一連のディジタル化された測定信号サンプルの始めと終りとの不連続性に起因するエラーを減らす。
CECカリキュレータ540は、ある種のサイクリック・エラーを計算し、補償する。(図5Bを参照してより詳細に後述される)CECエラー・エスティメータ544は、複素エラー補償信号545を計算する。オプションの遅延542およびCECカリキュレータ540内の他の遅延(図示せず)を使用して、さまざまな計算の処理遅延を一致させることができる。加算器546は、遅延された複素測定信号543を複素エラー補償信号545と組み合わせて、補償された複素測定信号547を生成し、この補償された複素測定信号547では、ある種のサイクリック・エラー信号が、実質的に低減されている。
CORDIC変換器524は、補償された複素測定信号547を強度525および位相527に変換する。
図5Bを参照すると、CECエラー・エスティメータ544は、2つの処理ユニットを含む。単一の処理ユニット548は、補償される必要がある、ある種のサイクリック・エラーの振幅およびオフセット位相に関係するエラー基底関数および複素係数を判定する。第2の処理ユニット604は、第1の処理ユニット548によって判定された振幅およびオフセット位相に関係するエラー基底関数および複素係数を使用して、複素エラー補償信号DΨ(t)545を生成する。
一実施形態の第1の処理ユニット548を、図5Bに概略的に示し、この実施形態の第2の処理ユニット604を、図5Cに概略的に示す。これらの処理ユニットは、図5Aに示されたアーキテクチャに組み込まれ、このアーキテクチャは、(公開された米国特許第6975406号に記載の)グリッチ・フィルタ、(本願明細書に援用されている米国特許第6597459号に記載の)動的データ・エージ調整、および米国特許第5767972号に記載のディジタル・フィルタリングなど、さまざまな他の技法のいずれをも含むことができる。
その位相が
と独立な第1次サイクリック・エラー項が、式(5)に含まれる。その位相が
と独立なより高次のサイクリック項のセットは、一般に有意ではないので、式(2)から省略されている。
3つのサイクリック・エラー項の振幅εおよびオフセット位相ζに関する複素係数およびサイクリック・エラー項の時間依存係数は、DFTプロセッサ522からの処理された値D(t)523を使用して生成される。これらの係数は、サイクリック・エラー補償信号DΨ(t)545の生成での後続使用のためにレジスタ562、592、および594に格納される。サイクリック・エラー項の時間依存係数は、三角関数の公式および複素信号のプロパティに基づくディジタル変換の適用によって得られる。
DFTプロセッサ522は、ディジタル化された測定信号517の複素DFTを、0<q<N−1について
として計算し、ここで、τ=1/fであり、Wは、
を中心とした(centered)ウィンドウ関数であり、tは、DFT計算が更新される時刻である。qが、制御回路網(図示せず)によって、ディジタル化された測定信号の主成分の中心周波数に対応するためにNf/fとほぼ等しい整数として選択される。Nの通常の値は、72であり、通常のウィンドウ関数Wは、ブラックマン窓関数である。
DFTの式は、ディジタル化された測定信号517のN個の連続するサンプルのシーケンスの中央(このケースではn=35.5)が、ゼロ位相およびウィンドウ関数の中央に対応するようにするために配置される。したがって、ウィンドウ関数およびDFT係数(複素指数係数または同等に下で示す「cos+jsin」係数)が、中心の回りで対称であり、ウィンドウ重み付けが両端で0なので、qの値の変化は、結果の位相に対する減らされた影響を有する。
変換信号D(t)は、信号S(t)がサンプリングされるレートfより低いレートfで更新される。この例では、t=lΔt(lは、整数であり、Δt≡1/fは、更新間隔である)であり、f=10MHzである。
代替案では、DFTの式を「畳み込んで」、実行される乗算演算の個数を減らし、0<q<8N−1について、
として計算することができ、ここで、x(t)、ただしn=0,…,N−1は、S(t+t)のN個の連続するサンプル(すなわち、t=nτ)であり、Wは、n=−1/2を中心とする。この例では、qのより大きい範囲は、あるビン(bin)から次のビンへ周波数が変化する時の振幅変動(または「杭柵」効果)を減らすために、1/8ビンというより微細な間隔の分解能をもたらす。
この実施形態では、Nは偶数である。奇数のNを用いる代替実施形態が可能であるが、より不便であり、式の適切な調整を伴う。
DFT関数は、混合およびフィルタリング動作と同等である。混合は、複素指数または同等に「cos+j sin」係数による入力データの乗算の結果である。フィルタリングは、合計およびウィンドウ関数Wの結果である。
ウィンドウ関数Wが、合計の範囲の外で項を0にするので、DFT表現を、すべてのnにまたがる合計として書くことができる。「畳み込まれない」DFTの単純化された(式(10)の)表現では、ディジタル化された測定信号S(nτ+t)577が、その主項
によって近似され、明示的なサンプリング(t=nτ)が含められ
ここで、
は、ドップラ位相シフト
のサンプリングされたタイプであり、
は、
であるDFTの位相であり、
を生じる(Dq(t)内のqは、抑制され、その結果、D(t)≡D(t))になる)。三角関数の公式を使用すると、式(12)を、
に展開することができる(時間依存引数を一時的に抑制して)。
を含む項は、多数のサイクルをカバーするウィンドウ関数Wを含む合計でフィルタによって除去される、nに伴って変化する高周波シヌソイドである。定数1/2を、便宜のために削除することができる。ウィンドウにわたる合計でゆっくりと変化しつつある
を含む項は、
のままになる。
なので、nを含むシヌソイドの項は、なくなる。
更新間隔Δt≡1/fが、Δt=m/f(mは整数)によって与えられる時に、tの値は、1/fの倍数である。この条件の下で、低いステージ速度(すなわち、ω≪ω)および低いエイリアシング(aliasing)された周波数(すなわち、
の時のCE Bについて)について、
であり、DFT計算は、
になる。DFT結果は、正または負のいずれかの周波数を表すことができる複素数の値である。式(15)を、他の式の符号の適当な変更を伴って、差ではなく合計として示すことができる。符号のこの選択は、選択がサイクリック・エラーの低減をもたらすならば、重要ではない。
式(15)を、式(1)から(5)までと組み合わせることができる。これは、
をもたらし、ここで、
であり、
ここで、
は、tを用いて更新されるドップラ位相シフト
の値である。便宜のために、下の式(24)〜(42)では、tを単にtと書き、
を単に
と示す。また、複素測定信号D(t)523および複素エラー補償信号DΨ(t)545は、D(t)≡D(t)およびDΨ(t)≡DΨ(t)になるように、レートfで更新されると仮定する。
Ψ(t)の項が、ドップラ・シフトωと、DFTプロセッサのストップ・バンドωStopとに依存することに留意されたい。ブラックマン窓を用いるDFTについて、ストップ・バンドは、±3のビンまたはこの例では±5MHzの周波数オフセットで−56dBである。DΨ0項は、|ω|>ωStopである時に、DFTによって実質的に減らされる。
Ψ−1(t)項は、|2ω|>ωStopである時に、DFTによって実質的に減らされる。DΨB(t)項は、|ω+2ω|>ωStopである時に、DFTによって実質的に減らされる。DΨ−1およびDΨBの周波数範囲は、好ましくは、それらを別々と考えることができるように、十分に分離される。
図5Bに、CECエラー・エスティメータ544の概略図を示す。次の議論では、2つの複素信号の積が頻繁に発生する。次の恒等式が使用される。
次の工程は、サイクリック・エラー項DΨ0に関する情報を示す信号の処理である。信号D(t)が、LPF(低域フィルタ)560、たとえば、IIR(無限インパルス応答)、バターワース・ディジタル・フィルタ、FIR(有限インパルス応答)、またはホゲナウア(Hogenauer)(An Economical Class of Digital Filters for Decimation and Interpolation; E. B. Hogenauer; IEEE Transactions on Acoustics, Speech, and Signal Processing; Vol ASSP−29, No 2, April 1981, p 155−162、本願明細書に援用されている)によって説明されたCIC(Cascaded Integrator Comb)ディジタル・フィルタに送られる。CICフィルタは、この実施態様において、単純な設計(整数加算のみを使用する)および大きい比率によるデシメーションという利点を有する。複素信号に関するLPFの実施態様は、2つの同一の実数LPF関数(1つは実数成分に使用され、1つは虚数成分に使用される)を使用する。ディジタル関数の使用は、2つのフィルタの振幅および位相応答の正確な一致を保証する。
次数nのLPF T(x)について、複素出力Cは、おおよそ
であり、ここで、O(x)は、xの次数の項を表し、ωは、−3dB角度カットオフ周波数である。
式(24)の右辺の係数Aを有する項は、最大のエラー原因であり、したがって、nの指定およびLPF560の出力がレジスタ562に格納されている時に使用できるω/ωの最小比を決定する。4次LPFすなわちn=4およびω/ω=7の最小比について、式(24)の右辺のエラー項は、≦0.010nm(3σ)に対応するエラーを生成する。ステージが、対応するドップラ・シフト周波数|ω/2π|がサーボ制御システムの帯域幅より10倍から100倍大きい速度で移動し、ω/ωに関する要件が満足される時に、LPF 560の出力Cが、信号561の制御の下のC0Rとしてレジスタ562に格納される。
この手法の利点は、Cの出力値がレジスタ562に格納されている期間中に、ωが、2倍以上変化できることである。
0RおよびD(t)の値は、複素信号Σ(t)の生成のためにプロセッサ564に送られ、ここで、
である。
信号Σは、プロセッサ568に送られ、プロセッサ568は、Σの複素共役としてΣ−1を計算する。
信号Σは、プロセッサ580に送られ、プロセッサ580は、Σを計算する。
信号Σは、2によって除算され(図示せず)、前にLPF 560について説明したように、LPF 590に送られる。
次数nのLPF T(x)について、複素出力Cを、単純化し、本明細書でC4NおよびC4Bと称する2つの形で表すことができる。Aε−1項が有意である(かつ、Aε項が有意ではない)周波数範囲で、
であり、または、Aε項が有意である(かつ、Aε−1項が有意ではない)周波数範囲で、
であり、ここで、O(x)は、xの次数の項であり、ωは、−3dB角度のカットオフ周波数である。
係数A を有する式(28a)および(28b)の右辺の項は、最大のエラー原因であり、したがって、nの指定ならびにLPF590の出力がレジスタ592に格納されている時に使用できるω−1/ωおよびω/ωの最小比を決定する。4次LPFすなわちn=4、および7の最小比について、式(28a)および(28b)の右辺のエラー項は、
に対応するエラーを生成する。
ステージ(その上にエンコーダ・スケールが配置される)が、対応するドップラ周波数|ω−1/2π|がステージ・サーボ制御システムの帯域幅より10倍から100倍大きい速度で移動し、ω−1/ωに関する要件が満足される時に、LPF590の出力C4Nは、負ドップラ・サイクリック・エラー
を表し、信号565の制御の下でC4RNとしてレジスタ592に格納される。
ステージが、対応するエイリアシングされたドップラ周波数|ω/2π|がステージ・サーボ制御システムの帯域幅より10倍から100倍大きい速度で移動しつつあり、ω/ωに関する要件が満足される時に、LPF590の出力C4Bは、ベースバンド・ドップラ・サイクリック・エラー
を表し、信号566の制御の下でC4RBとしてレジスタ594に格納される。
信号D(t)の強度の二乗が、乗算器552によって計算される。
これを単純化し、
として実施することができる。
式(30)の結果と同等の値を計算する代替の方法が可能であり、たとえば、CORDIC変換器524からの出力の強度525を二乗する(その後、必要な場合にはスケーリングする)ことができ、あるいは、D(t)の代わりに信号Σを使用することができる。
式(30)が、式(16)から(20)からのD(t)の項を使用して評価される時に、次の結果が得られる。
信号C(t)は、前にLPF 560について説明したように、LPF(低域フィルタ)554に送られる。
次数nのLPF T(x)について、出力Cは、おおよそ
である。
の判定のために要求される正確さは、サイクリック・エラー信号
の計算で生成されるエラーを
に制限するために、約0.5%である。したがって、式(32)の右辺のエラー項ε−1 、ε 、およびε は、無視することができる。
の形の式(32)の右辺の項は、最大のドップラ・シフト周波数依存エラーの源であり、したがって、nの指定およびLPF 554の出力がレジスタ556内に保持されている時に使用できる最小比ω−1/ω、ω/ω、およびω/ωをそれぞれ決定し、信号C1Rを提供する。第2次LPFすなわちn=2および3.5の最小比について、式(32)の右辺のドップラ・シフト周波数依存エラー項は、≦0.0010nm(3σ)に対応するエラーを生成する。ステージが、対応するドップラ・シフト周波数|ω/2π|がステージ・サーボ制御システムの帯域幅の10倍から100倍大きい速度で移動しつつあり、ω/ωに関する要件が満足される時に、LPF 554の出力Cは、信号561の制御の下でC1Rとしてレジスタ556に格納される。
プロセッサ604は、図5Cおよび式(33)に示されているように補償信号DΨ(t)を計算する。
制御信号613は、それぞれCE NまたはCE Bの補償に必要なC4Rとしての使用のために係数C4RNまたはC4RBを選択するようにMUX 622に指示する。除算器620、乗算器630、および加算器640は、式(33)に示された対応する演算を実施する。制御信号611および612は、有効な補償信号が存在することを条件が示す時に、式(33)に示された計算された補償信号の使用を可能にする。この好ましい実施形態では、係数Cを計算するハードウェアおよびC4Rに基づいて補償信号を計算するハードウェアが、CE N補償とCE補償との両方での使用のために共有される。また、この実施形態は、C4RN係数とC4RB係数との両方を診断に使用可能にする。
式(33)を、C項について前に表した式(24)、(32)、(28a)、および(28b)からの最上位項ならびにΣ項について式(26)を使用して、
に展開し、
に単純化することができる。
式(20)の直後に変更された命名法規約に戻ると、これは、
になる。式(36)の計算結果が、式(17)から(20)までで説明したDΨ(t)と同一であることに留意されたい。
制御信号611、612、および613は、動きの速度、信号レベル、サイクリック・エラー・レベル、動きの持続時間、およびDΨ(t)の妥当性または有用性を判定するための可能な他の条件を考慮することができる制御回路網(図示せず)によって生成される。サイクリック・エラー項のそれぞれを別々に使用可能にすることが望ましい場合もあり、たとえば、ε項が、特定の実施態様について有意でないことがわかった場合には、計算を使用不能にして、その計算によって寄与される雑音を除去することができる。DΨ(t)項または出力が使用不能にされる時には、0が置換される。計算されたDΨ(t)は、減算器(加算器)546によって信号D(t)から減算され、実質的に減らされたサイクリック・エラーを有する測定信号がもたらされる。
CMS手法を使用して、他の技法を組み込んで、サイクリック・エラー原因のいくつかを補償することができる。たとえば、支配的なエラー項は、通常、シフトされていないサイクリック・エラー成分SΨ0または同等にDΨ0であり、これは、エンコーダ・スケールの動きにかかわりなく、一定の位相および周波数に留まる。この項は、干渉計エンコーダ・システムの基準アーム(arm)または測定アームのいずれかまたは両方の両光学周波数の存在から生じる。これは、たとえば、光源の光学周波数が直交した直線偏光状態に完全には分離されていない場合に発生する。
上述したサイクリック・エラー補償手法を、ドップラ・シフトを経験しないサイクリック・エラー項が支配的である、任意の2つの周波数の干渉計エンコーダ・システムに適用することができる。望まれる場合に、サイクリック・エラー訂正の正確さを、主信号S(t)またはD(t)の補償を反復することによって、サイクリック・エラー係数の振幅におけるより高い次数までさらに改善することができることに留意されたい。言い換えると、後続の反復ごとに、主信号の補償された信号が、対応するサイクリック・エラー基底関数を生成し、サイクリック・エラー係数のそれぞれに対するより高次の訂正を判定するのに使用される。
実施形態に応じて、上述した補償手法を、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両方の組合せで実施することができる。この手法を、本明細書で説明する方法および図面に従って、標準的なプログラミング手法を使用してコンピュータ・プログラムで実施することができる。プログラム・コードは、本明細書で説明される機能を実行し、出力情報を生成するために入力データに適用される。出力情報は、サーボ制御システムなど、1つまたは複数の出力デバイスに適用される。
各プログラムを、コンピュータ・システムと通信するために高水準の手続き型指向プログラミング言語または高水準のオブジェクト指向プログラミング言語で実施することができ、あるいは、望まれる場合に、プログラムを、アセンブリ言語または機械語で実施することができる。どの場合でも、言語を、コンパイルされる言語または解釈される言語とすることができる。さらに、プログラムを、その目的のために事前にプログラムされた専用集積回路上で実行することができる。
そのような各コンピュータ・プログラムを、記憶媒体またはストレージ・デバイスが本明細書で説明される手順を実行するためにコンピュータによって読み取られる時にコンピュータを構成し、動作させるために、汎用のまたは特殊目的のプログラム可能コンピュータによって読取り可能な記憶媒体またはストレージ・デバイス(たとえば、とりわけ、ROM、磁気ディスケット、フラッシュ・ドライブ)に格納することができる。コンピュータ・プログラムは、プログラム実行中にキャッシュまたはメイン・メモリ内に常に格納することもできる。補償手法を、コンピュータ・プログラムを用いて構成されるコンピュータ可読記憶媒体として実施することもでき、ここで、そのように構成された記憶媒体は、コンピュータに、本明細書で説明される機能を実行する特定の事前に定義された構成で動作させる。
図6A〜6Dはヘテロダイン干渉信号に適用される上述のDFT処理およびCEC計算の例示的なシミュレーションの結果を示すグラフである。このシミュレーションは、マスワークス社(The Mathworks Inc.)から入手できるMATLAB(登録商標)およびSimulink(登録商標)モデリング・ソフトウェアを使用して実行された。図6Aは、ドップラ・シフトされた測定信号(S)とCE B(B)、CE 0(0)、およびCE −1(−1)サイクリック・エラー信号とを含む入力信号のスペクトルを示す。入力信号のスペクトルは、この例でMATLAB(登録商標)ソフトウェアを使用してシミュレーションされる信号を表す。この例では、ドップラ・シフトされた入力測定信号周波数fは、ベースバンド・ドップラ・サイクリック・エラー信号周波数fに近く、したがって、サイクリック・エラーが、干渉計によって得られる位置値に現れる。入力測定信号に対するCE Bサイクリック・エラーの振幅比は、7%(−23dB)であり、入力測定信号に対するCE 0サイクリック・エラーの振幅比は、10%(−20dB)であり、入力測定信号に対するCE Nサイクリック・エラーの振幅比は、5%(−26dB)である。
とfとの間の差が増える時に、サイクリック・エラーの効果は、DFTおよびディジタル・フィルタのフィルタリング・アクションによって減らされる。
図6Bに、DFTからの出力の複素スペクトルを示す。CE 0信号およびCE N信号は、DFTのフィルタリング・アクションによって除去される。測定信号(DFT(S))およびCE B信号(DFT(B))は、今は、二極のスペクトルを有する複素数の値によって表される。周波数は、エイリアシングに起因して0付近に現れる。
図6Cに、サイクリック・エラー補償信号(Psi(B))の複素スペクトルを示す。測定信号と同一の周波数に、スプリアス信号(SPUR)もある。これは、オリジナル・サイクリック・エラーよりもはるかに低いレベルの残余サイクリック・エラーを生じる。
図6Dに、補償された測定信号の複素スペクトルを示す。サイクリック・エラーの振幅は、大幅に、この例では80dBだけ減らされている。スプリアス補償信号は、測定信号と同一周波数なので、このスペクトルでは不可視である。
さらなる実施形態では、干渉計システムを、図1に示されたものとは異なるものとすることができる。具体的には、サイクリック・エラー補償手法は、他のタイプの干渉計にも適用可能である。たとえば、主干渉信号S(t)を、単一パスおよび/または複数パス干渉計、受動干渉計、動的干渉計、およびディスパーション干渉計(dispersion interferometer)のうちのいずれをも含むことができる干渉計システムによって生成することができる。さらに、干渉計システムは、1つまたは複数の自由度を監視することができ、この自由度のそれぞれは、本明細書で開示されるようにサイクリック・エラーを補償され得る対応する主干渉信号S(t)を生成することができる。さらに、干渉計システムによって監視される自由度(1つまたは複数)は、計測対象までの距離の変化、2つの計測対象の間の相対距離の変化、計測対象の角度方位の変化、および入力ビームの方向の変化のうちのいずれをも含むことができる。
リソグラフィ・システム
サイクリック・エラー補償のゆえに、本明細書で説明する干渉計システムは、非常に正確な測定を実現する。そのようなシステムは、コンピュータ・チップおよび類似物などの大規模集積回路の製造に使用されるリソグラフィ応用で特に有用である可能性がある。リソグラフィは、半導体製造産業の主要なテクノロジ・ドライバである。オーバーレイ(overlay)の改善は、100nm線幅(設計ルール)までおよびそれ未満での5つの最も困難な課題の1つであり、たとえば、半導体産業のロードマップ(the Semiconductor Industry Roadmap, p.82(1997))を参照されたい。
オーバーレイは、ウェハおよびレチクル(またはマスク)ステージを位置決めするのに使用される変位測定干渉計および干渉計エンコーダ・システムの性能すなわち、正確さおよび精度に直接に依存する。リソグラフィ・ツールが、5千万〜1億ドル/年の製品を製造する可能性があるので、改善された性能の変位測定干渉計からの経済的価値は、高い。リソグラフィ・ツールの歩留まりの1%の向上が、集積回路製造業者に約100万ドル/年の経済的利益を、リソグラフィ・ツール・ベンダに実質的な競争上の利点をもたらす。
リソグラフィ・ツールの機能は、空間的にパターン形成された放射をフォトレジストコーティングされたウェハに向けることである。このプロセスは、ウェハのどの位置が放射を受け取るのかの決定(位置合わせ)およびその位置でのフォトレジストへの放射の適用(露光)を含む。
ウェハを正しく位置決めするために、ウェハは、専用センサによって測定できる、ウェハ上の位置合わせマークを含む。位置合わせマークの測定された位置は、ツール内のウェハの位置を定義する。この情報は、ウェハ表面の所望のパターンの指定と一緒に、空間的にパターン形成された放射に対するウェハの位置合わせを案内する。そのような情報に基づいて、フォトレジストコーティングされたウェハを支持する並進移動可能なステージが、放射がウェハの正しい位置を露光するようにウェハを移動する。
露光中に、放射源は、パターン形成されたレチクルを照らし、このレチクルは、放射を散乱して、空間的にパターン形成された放射を生成する。レチクルは、マスクとも称し、これらの用語は、下で交換可能に使用される。縮小リソグラフィ(reduction lithography)の場合には、縮小レンズが、散乱された放射を集め、レチクル・パターンの縮小されたイメージを形成する。代替案では、近接プリンティングの場合に、散乱された放射は、ウェハに接触する前に短い距離(通常は数ミクロン程度)を伝搬して、レチクル・パターンの1:1イメージを生成する。放射は、放射パターンをレジスト内の潜像に変換する、レジスト内の光化学過程を開始する。
干渉計システムは、ウェハおよびレチクルの位置を制御し、レチクル・イメージをウェハ上に登録する位置決め機構の重要なコンポーネントである。そのような干渉計システムが、上述した特徴を含む場合には、距離測定値へのサイクリック・エラー寄与が最小にされるので、システムによって測定される距離の正確さが高まる。
一般に、リソグラフィ・システムは、露光システムとも称するが、通常、照明システムおよびウェハ位置決めシステムを含む。照明システムは、紫外線、可視光、x線、電子、またはイオン放射などの放射を提供する放射源と、放射にパターンを与え、これによって空間的にパターン形成された放射を生成するレチクルまたはマスクとを含む。さらに、縮小リソグラフィの場合に、照明システムは、空間的にパターン形成された放射をウェハ上に結像するレンズ・アセンブリを含むことができる。結像された放射は、ウェハ上にコーティングされたレジストを露光する。また、照明システムは、マスクを支持するマスク・ステージと、マスクを介して向けられた放射に対するマスク・ステージの位置を調整する位置決めシステムとを含む。ウェハ位置決めシステムは、ウェハを支持するウェハ・ステージと、結像された放射に対するウェハ・ステージの位置を調整する位置決めシステムとを含む。集積回路の製造は、複数の露光工程を含むことができる。リソグラフィに関する全般的な参照については、たとえば、その内容が本願明細書に援用されている、シーツ(J.R.Sheats)およびスミス(B.W.Smith)、Microlithography: Science and Technology(Marcel Dekker,Inc.,New York,1998)を参照されたい。
上で説明した干渉計エンコーダ・システムを使用して、レンズ・アセンブル、放射源、または支持構造などの露光システムの他のコンポーネントに対するウェハ・ステージおよびマスク・ステージのそれぞれの位置を正確に測定することができる。その場合に、干渉計システムを、静止構造に取り付けることができ、エンコーダ・スケールを有する計測対象を、マスク・ステージおよびウェハ・ステージのうちの1つなどの可動要素に取り付けることができる。代替案では、干渉計システムを可動物体に取り付け、エンコーダ・スケールを有する計測対象を静止物体に取り付けて、状況を逆転することができる。
より一般的に、そのような干渉計システムを使用して、露光システムの任意の他のコンポーネントに対する露光システムの任意の単一のコンポーネントの位置を測定することができ、ここで、干渉計システムは、一方のコンポーネントに取り付けられるかこれによって支持され、エンコーダ・スケールを有する計測対象は、他方のコンポーネントに取り付けられるかこれによって支持される。
干渉計システム1126を使用するリソグラフィ・スキャナ1100の例を、図7に示す。干渉計システムは、露光システム内のウェハ(図示せず)の位置を正確に測定するのに使用される。ここで、ステージ1122は、露光ステーションに対してウェハを位置決めし、支持するのに使用される。スキャナ1100は、フレーム1102を含み、フレーム1102は、他の支持構造およびこれらの構造上で担持されるさまざまなコンポーネントを担持する。露光ベース1104は、該露光ベース1104の上にレンズ・ハウジング1106を取り付けられ、このレンズ・ハウジング1106の上に、レチクルまたはマスクを支持するのに使用されるレチクル・ステージまたはマスク・ステージ1116が取り付けられる。露光ステーションに対してマスクを位置決めする位置決めシステムは、要素1117によって概略的に示される。位置決めシステム1117は、たとえば、圧電変換器要素および対応する制御エレクトロニクスを含むことができる。この説明される実施形態には含まれないが、上で説明した干渉計システムのうちの1つまたは複数を使用して、マスク・ステージならびに、その位置がリソグラフィ構造を製造する工程で正確に監視されなければならない他の可動要素の位置を正確に測定することもできる(上記したシーツ(Sheats)およびスミス(Smith)、マイクロリソグラフィー:科学技術(Microlithography: Science and Technology)を参照されたい)。
露光ベース1104の下方には、ウェハ・ステージ1122を担持する支持ベース1113が吊設される。ステージ1122は、干渉計システム1126によってステージに向けられた主ビーム1154を回折するエンコーダ・スケール1128を含む。干渉計システム1126に対してステージ1122を位置決めする位置決めシステムは、概略的に要素1119によって示される。位置決めシステム1119は、たとえば、圧電変換器要素および対応する制御エレクトロニクスを含むことができる。主ビームは、回折された測定ビームがリトロー条件を満足しないような入射角でエンコーダ・スケールに入射する。その後、1つまたは複数の光学要素(図示せず)を使用して、回折された測定ビームを、露光ベース1104に取り付けられた干渉計システムに戻って向けることができる。干渉計システムは、前に説明した実施形態のいずれかとすることができる。
動作中に、放射ビーム1110、たとえば紫外線(UV)レーザ(図示せず)からのUVビームが、ビーム整形光学部品アセンブリ1112を通過し、鏡1114から反射した後に、下方に移動する。その後、放射ビームは、マスク・ステージ1116によって担持されたマスク(図示せず)を通過する。マスク(図示せず)は、レンズ・ハウジング1106内に担持されたレンズ・アセンブリ1108を介してウェハ・ステージ1122上のウェハ(図示せず)に結像される。ベース1104およびそれによって支持されるさまざまなコンポーネントは、ばね1120によって示される減衰システムによって環境振動から分離される。
リソグラフィ・スキャナの他の実施形態では、前に説明した干渉計システムのうちの1つまたは複数を使用して、たとえばウェハおよびレチクル(またはマスク)ステージ(これに限定されない)に関連する複数の軸および角度に沿った距離を測定することができる。また、UVレーザ・ビームではなく、たとえばx線ビーム、電子ビーム、イオン・ビーム、および可視光学ビームを含む他のビームを使用して、ウェハを露光することができる。
いくつかの実施形態では、リソグラフィ・スキャナは、当技術分野でカラム参照(column reference)と称するものを含むことができる。そのような実施形態では、干渉計システム1126は、主ビームから基準ビーム(図示せず)を導出する。いくつかの実施形態では、基準ビームは、主ビームとは別の光源から導出される。干渉計システム1126内の1つまたは複数の光学コンポーネント(図示せず)が、基準ビームを回折された測定ビームと組み合わせて、出力ビームを生成する。エンコーダ・スケール1128から回折された測定ビーム1154および基準ビームを組み合わせる時に干渉計システム1126によって生成された干渉信号は、放射ビームに対するステージの位置の変化を示す。さらに、他の実施形態では、干渉計システム1126を位置決めして、レチクル(またはマスク)ステージ1116またはスキャナ・システムの他の可動コンポーネントの位置の変化を測定することができる。最後に、干渉計システムを、スキャナに加えてまたはスキャナではなくステッパを含むリソグラフィ・システムと共に、類似する形で使用することができる。
当技術分野で周知のように、リソグラフィは、半電導性デバイスを作る製造方法のクリティカルな部分である。たとえば、米国特許第5483343号に、そのような製造方法の工程の概要が示されている。これらの工程を、図8Aおよび8Bを参照して後述する。図8Aは、半導体チップ(たとえば、ICまたはLSI)、液晶パネル、またはCCDなどの半導体デバイスを製造するシーケンスの流れ図である。工程1151は、半導体デバイスの回路を設計する設計工程である。工程1152は、回路パターン設計を基礎としてマスクを製造する工程である。工程1153は、シリコンなどの材料を使用することによってウェハを製造する工程である。
工程1154は、そのように準備されたマスクおよびウェハを使用することによって、回路がリソグラフィを介してウェハ上に形成される、前工程と呼ばれるウェハ工程である。マスク上のこれらのパターンに十分な空間分解能で対応するウェハ上の回路を形成するために、ウェハに対するリソグラフィ・ツールの干渉計位置決めが、必要である。本明細書で説明する干渉計の方法およびシステムは、ウェハ工程で使用されるリソグラフィの有効性を改善するのに特に有用である可能性がある。
工程1155は、後工程と呼ばれる組み立てする工程であり、この後工程では、工程1154によって処理されたウェハが半導体チップに形成される。この工程は、組み立て(ダイシングおよびボンディング)およびパッケージング(チップ封止)を含む。工程1156は、検査工程であり、この検査工程では、工程1155によって製造された半導体デバイスの動作チェック(operability check)、耐久性チェックなどが実行される。これらの工程によって、半導体デバイスが完成し、出荷される(工程1157)。
図8Bは、ウェハ工程の詳細を示す流れ図である。工程1161は、ウェハの表面を酸化する酸化工程である。工程1162は、ウェハ表面上に絶縁薄膜を形成するCVD工程である。工程1163は、蒸着によってウェハ上に電極を形成する電極形成工程である。工程1164は、ウェハにイオンを注入するイオン注入工程である。工程1165は、ウェハにレジスト(感光材料)を塗布するレジスト工程である。工程1166は、露光(すなわち、リソグラフィ)によって、上述した露光装置を介してウェハ上にマスクの回路パターンを印刷する露光工程である。やはり、上述したように、本明細書で説明される干渉計のシステムおよび方法の使用は、そのようなリソグラフィ工程の正確さおよび分解能を改善する。
工程1167は、露光されたウェハを現像する現像工程である。工程1168は、現像されたレジスト・イメージ以外の部分を除去するエッチング工程である。工程1169は、エッチング工程を受けた後に、ウェハ上に残っているレジスト材料を分離するレジスト分離工程である。これらの工程を繰り返すことによって、回路パターンが、ウェハ上に形成され、重畳される。
上述した干渉計システムを、物体の相対位置を正確に測定する必要がある他の応用例で使用することもできる。たとえば、レーザ、x線、イオン、または電子ビームなどの書込ビームが、基板またはビームのいずれかが移動する時に基板上にパターンをマークする応用例では、干渉計システムを使用して、基板と書込ビームとの間の相対運動を測定することができる。
一例として、ビーム書込システム1200の概略を、図9に示す。光源1210は、書込ビーム1212を生成し、ビーム集束アセンブリ1214は、可動ステージ1218によって支持された基板1216に放射ビームを向ける。ステージの相対位置を判定するために、干渉計システム1220は、ビーム集束アセンブリ1214上に取り付けられた鏡またはエンコーダ・スケール1224に基準ビーム1222を向け、ステージ1218上に取り付けられた鏡またはエンコーダ・スケール1228に測定ビーム1226を向ける。基準ビームは、ビーム集束アセンブリ上に取り付けられた鏡またはエンコーダ・スケールに接触するので、ビーム書込システムは、カラム参照を使用するシステムの例である。干渉計システム1220を、前に説明した干渉計システムのいずれかとすることができる。干渉計システムによって測定される位置の変化は、基板1216上の書込ビーム1212の相対位置の変化に対応する。干渉計システム1220は、基板1216上の書込ビーム1212の相対位置を示す測定信号1232をコントローラ1230に送信する。コントローラ1230は、ステージ1218を支持し、位置決めするベース1236に出力信号1234を送信する。さらに、コントローラ1230は、書込ビームが基板の選択された位置でのみ光物理的変化または光化学的変化を引き起こすのに十分な強度で基板に接触するようにするために、書込ビーム1212の強度を変更するか阻止するために、光源1210に信号1238を送信する。
さらに、いくつかの実施形態では、コントローラ1230は、たとえば信号1244を使用して、ビーム集束アセンブリ1214に、基板の領域にわたって書込ビームをスキャンさせることができる。その結果、コントローラ1230は、基板にパターン形成するようにシステムの他のコンポーネントに指示する。パターン形成は、通常、コントローラ内に格納された電子設計パターンに基づく。いくつかの応用例では、書込ビームが、基板上にコーティングされたレジストにパターン形成し、他の応用例では、書込ビームが、基板に直接にパターン形成する、たとえば、基板をエッチングする。
そのようなシステムの重要な応用例は、前に説明したリソグラフィ方法で使用されるマスクおよびレチクルの製造である。たとえば、リソグラフィ・マスクを製造するために、電子ビームを使用して、クロムをコーティングされたガラス基板にパターン形成することができる。書込ビームが電子ビームである場合には、ビーム書込システムが、真空内に電子ビーム経路を封じ込める。また、書込ビームが、たとえば電子ビームまたはイオン・ビームである場合には、ビーム集束アセンブリが、真空の下で基板に荷電粒子を集束し、向ける四重極のレンズなどの電界生成器を含む。書込ビームが放射ビーム、たとえばx線、UV、または可視放射である他の場合には、ビーム集光アセンブリは、放射を基板に集束させて向ける対応する光学部品とを含む。
複数の実施形態を説明した。他の実施形態は、次の特許請求の範囲の範囲に含まれる。

Claims (57)

  1. 干渉計から、第1ビームがエンコーダ・スケールから回折された後に、該第1ビームおよび第2ビームの組合せに基づいて時間変動する干渉信号S(t)を受け取ることであって、前記エンコーダ・スケールおよび該干渉計のうちの少なくとも1つは、他方に対して移動可能である、前記受け取ること、
    前記時間変動する干渉信号S(t)を変更する1つ以上のエラーに基づいて1つ以上のエラー訂正信号を受け取ることであって、前記1つ以上のエラー訂正信号は、ベースバンド・ドップラ・エラーを訂正するためのエラー訂正信号を含み、前記ベースバンド・ドップラ・エラーは、前記第1ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第1ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉および前記第2ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第2ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉のうちの少なくとも1つに起因する出力信号のエラーを含む、前記1つ以上のエラー訂正信号を受け取ること、
    前記時間変動する干渉信号S(t)および前記1つ以上のエラー訂正信号に基づいて前記干渉計に対する前記エンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することを備える、方法。
  2. 前記1つ以上のエラーは、前記時間変動する干渉信号S(t)にAcos(Φ(t)+Φ(t)+ζ)の形式の理想的な式から逸脱させ、
    およびζは、定数であり、Φ(t)は、ωtと等しい時間変動する基準位相であり、ωは、前記第1ビームと前記第2ビームとの間の角周波数差であり、Φ(t)は、前記第1ビームと前記第2ビームとの間の光学経路差を示す位相差である、請求項1に記載の方法。
  3. 入力ビームの第1部分から取得された基準ビームからΦ(t)を測定することをさらに含み、
    前記第1ビームおよび前記第2ビームは、該入力ビームの第2部分から取得される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記時間変動する干渉信号S(t)に周波数変換を適用して複素測定信号を生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記周波数変換を適用することは、前記時間変動する干渉信号S(t)に離散フーリエ変換(DFT)を適用することを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記DFTは、ウィンドウ関数を含む、請求項に記載の方法。
  7. 前記DFTは、畳み込みを含む、請求項に記載の方法。
  8. 前記時間変動する干渉信号S(t)に前記周波数変換を適用することは、
    前記時間変動する干渉信号S(t)をディジタル化して、ディジタル化された測定信号を生成することを含む、請求項4に記載の方法。
  9. 前記時間変動する干渉信号S(t)に前記周波数変換を適用することは、
    前記ディジタル化された測定信号の一連の連続するサンプルを前記複素測定信号に変換することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記干渉計に対する前記エンコーダ・スケールの前記位置の前記変化に関する前記情報を提供するために、前記1つ以上のエラー訂正信号に基づいて前記複素測定信号を補償することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  11. 前記複素測定信号を補償することは、
    前記複素測定信号から前記1つ以上のエラー訂正信号を取り除くことを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 1つ以上のエラー訂正信号を受け取ることは、
    前記1つ以上のエラーを示す1つ以上のエラー基底関数を取得すること、
    1つ以上のサイクリック・エラー項の振幅またはオフセット位相のうちの少なくとも1つに関する1つ以上の係数を取得すること、
    前記1つ以上のエラー基底関数および該1つ以上の係数に基づいて前記1つ以上のエラー訂正信号を生成することを含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記1つ以上の係数は、複素係数である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記1つ以上の係数を取得することは、
    前記複素測定信号からの値に基づく、請求項12に記載の方法。
  15. 前記1つ以上のエラー訂正信号は、負ドップラ・エラーを示すエラー訂正信号を含み、
    前記負ドップラ・エラーは、前記第2ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第1ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉に起因するエラーを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記ベースバンド・ドップラ・エラーは、基準位相Φ(t)と独立である、請求項2に記載の方法。
  17. 前記1つ以上のエラー訂正信号は、ゼロ・ドップラ・エラーを示すエラー訂正信号を含み、
    前記ゼロ・ドップラ・エラーは、前記第1ビームのドップラ・シフトされていない部分と前記第2ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉および前記第1ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第2ビームのドップラ・シフトされた部分との間の干渉のうちの少なくとも1つに起因するエラーを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記干渉計に対する前記エンコーダ・スケールの前記位置の前記変化に関する前記情報を出力することは、
    前記1つ以上の訂正信号に基づいて前記1つ以上のエラーからの寄与を低減して、訂正された時間変動する干渉信号を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記干渉計に対する前記エンコーダ・スケールの前記位置の前記変化に関する前記情報を出力することは、
    前記訂正された時間変動する干渉信号から前記第1ビームと前記第2ビームとの間の光学経路差を示す情報を判定することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記第1ビームは、前記エンコーダ・スケールに衝突する主ビームのゼロではない回折次数であり、
    前記第1ビームは、前記エンコーダ・スケールで該主ビームと同一直線上にはない、請求項1に記載の方法。
  21. 前記第1ビームおよび前記第2ビームは、共通の光源から供給される、請求項1に記載の方法。
  22. 前記共通の光源は、前記第1ビームと前記第2ビームとの間の角周波数差を導入するように構成される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記第1ビームおよび前記第2ビームは、互いに対して直交偏光にされる、請求項1に記載の方法。
  24. 前記エンコーダ・スケールは、回折格子からなる、請求項1に記載の方法。
  25. 前記回折格子は、1次元の回折格子からなる、請求項24に記載の方法。
  26. 前記回折格子は、2次元の回折格子からなる、請求項24に記載の方法。
  27. 装置であって、
    エンコーダ・スケールから回折された第1ビームと第2ビームとを組み合わせて、該装置の動作中に時間変動する干渉信号S(t)に対応する出力ビームを生成するように構成された干渉計システムであって、前記エンコーダ・スケールおよび該干渉計システムのうちの少なくとも1つは、他方に対して移動可能であり、前記干渉計システム内の不完全性は、前記時間変動する干渉信号S(t)を変更する1つ以上のエラーを発生させる、前記干渉計システムと、
    前記装置の動作中に、前記1つ以上のエラーに基づいて1つ以上のエラー訂正信号を受け取ること、および前記時間変動する干渉信号S(t)および前記1つ以上のエラー訂正信号に基づいて前記干渉計システムに対する前記エンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することを含む動作を実行するように構成された電子プロセッサとを備え、
    前記1つ以上のエラー訂正信号は、ベースバンド・ドップラ・エラーを訂正するためのエラー訂正信号を含み、
    前記ベースバンド・ドップラ・エラーは、前記第1ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第1ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉および前記第2ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第2ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉のうちの少なくとも1つに起因する出力信号のエラーを含む、装置。
  28. 前記1つ以上のエラーは、前記時間変動する干渉信号S(t)にAcos(Φ(t)+Φ(t)+ζ)の形式の理想的な式から逸脱させ、
    およびζは、定数であり、
    Φ(t)は、ωtと等しい時間変動する基準位相であり、
    ωは、前記第1ビームと前記第2ビームとの間の角周波数差であり、
    Φ(t)は、前記第1ビームと前記第2ビームとの間の光学経路差を示す位相差である、請求項27に記載の装置。
  29. 前記干渉計システムは、前記装置の動作中に、
    入力ビームを供給すること、
    前記入力ビームの第1部分から基準ビームを取得すること、
    前記基準ビームからΦ(t)を測定すること、
    前記入力ビームの第2部分から前記第1ビームおよび前記第2ビームを取得することを実施するようにさらに構成される、請求項28に記載の装置。
  30. 前記電子プロセッサは、
    前記時間変動する干渉信号S(t)に周波数変換を適用して複素測定信号を生成することからなる動作を実行するようにさらに構成される、請求項27に記載の装置。
  31. 前記周波数変換を適用することは、
    前記時間変動する干渉信号S(t)に離散フーリエ変換(DFT)を適用することを含む、請求項30に記載の装置。
  32. 前記DFTは、ウィンドウ関数を含む、請求項31に記載の装置。
  33. 前記DFTは、畳み込みを含む、請求項31に記載の装置。
  34. 前記時間変動する干渉信号S(t)に前記周波数変換を適用することは、前記時間変動する干渉信号S(t)をディジタル化して、ディジタル化された測定信号を生成することを含む、請求項30に記載の装置。
  35. 前記時間変動する干渉信号S(t)に前記周波数変換を適用することは、
    前記ディジタル化された測定信号の一連の連続するサンプルを前記複素測定信号に変換することをさらに含む、請求項34に記載の装置。
  36. 前記電子プロセッサは、前記干渉計システムに対する前記エンコーダ・スケールの前記位置の前記変化に関する前記情報を提供するために、前記1つ以上のエラー訂正信号に基づいて複素測定信号を補償することからなる動作を実行するようにさらに動作可能である、請求項27に記載の装置。
  37. 前記複素測定信号を補償することは、前記複素測定信号から前記1つ以上のエラー訂正信号を取り除くことを含む、請求項36に記載の装置。
  38. 1つ以上のエラー訂正信号を受け取ることは、
    前記1つ以上のエラーを示す1つ以上のエラー基底関数を取得すること、
    1つ以上のサイクリック・エラー項の振幅またはオフセット位相のうちの少なくとも1つに関する1つ以上の係数を取得すること、
    前記1つ以上のエラー基底関数および前記1つ以上の係数に基づいて前記1つ以上のエラー訂正信号を生成することを含む、請求項36に記載の装置。
  39. 前記1つ以上の係数は、複素係数である、請求項38に記載の装置。
  40. 前記1つ以上の係数を取得することは、前記複素測定信号からの値に基づく、請求項38に記載の装置。
  41. 前記1つ以上のエラー訂正信号は、負ドップラ・エラーを示すエラー訂正信号を含み、
    前記負ドップラ・エラーは、前記第2ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第1ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉に起因するエラーを含む、請求項27に記載の装置。
  42. 前記ベースバンド・ドップラ・エラーは、基準ビーム位相Φ(t)と独立である、請求項28に記載の装置。
  43. 前記1つ以上のエラー訂正信号は、ゼロ・ドップラ・エラーを示すエラー訂正信号を含み、
    前記ゼロ・ドップラ・エラーは、前記第1ビームのドップラ・シフトされていない部分と前記第2ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉および前記第1ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第2ビームのドップラ・シフトされた部分との間の干渉のうちの少なくとも1つに起因するエラーを含む、請求項27に記載の装置。
  44. 前記干渉計システムに対する前記エンコーダ・スケールの前記位置の前記変化に関する前記情報を出力することは、
    前記1つ以上の訂正信号に基づいて前記1つ以上のエラーからの寄与を低減して、訂正された時間変動する干渉信号を生成することを含む、請求項27に記載の装置。
  45. 前記干渉計システムに対する前記エンコーダ・スケールの前記位置の前記変化に関する前記情報を出力することは、
    前記訂正された時間変動する干渉信号から前記第1ビームと前記第2ビームとの間の光学経路差を示す情報を判定することをさらに含む、請求項44に記載の装置。
  46. 前記装置は、前記エンコーダ・スケールをさらに備える、請求項27に記載の装置。
  47. 前記エンコーダ・スケールは、回折格子である、請求項46に記載の装置。
  48. 前記回折格子は、1次元の回折格子である、請求項47に記載の装置。
  49. 前記回折格子は、2次元の回折格子である、請求項47に記載の装置。
  50. 前記装置は、第1成分および第2成分からなる入力ビームを供給するように構成された光源をさらに含み、
    前記第1成分および前記第2成分は、異なる角周波数および直交偏光状態を有する、請求項27に記載の装置。
  51. 前記装置は、
    前記入力ビームから主ビームを取得し、前記エンコーダ・スケールに向かって該主ビームを向けるように配置された1つ以上の第1コンポーネントをさらに備える、請求項50に記載の装置。
  52. 前記1つ以上の第1コンポーネントは、前記入力ビームから前記主ビームおよび前記第2ビームを取得するように配置された第1偏光ビーム・スプリッタを含む、請求項51に記載の装置。
  53. 前記エンコーダ・スケールから回折された前記第1ビームを受け取り、前記第1ビームを前記第2ビームと組み合わせるように配置された1つ以上の第2コンポーネントをさらに含む、請求項52に記載の装置。
  54. 前記1つ以上の第2コンポーネントは、
    前記第1ビームを前記第2ビームと組み合わせて、前記出力ビームを形成するように配置された偏光ビーム・コンバイナを含む、請求項53に記載の装置。
  55. 前記装置は、
    前記出力ビームを検出する検出器をさらに備える、請求項27に記載の装置。
  56. コンピュータ可読媒体上でエンコードされたコンピュータ・プログラム製品であって、
    データ処理装置に、
    干渉計から、第1ビームおよび第2ビームの組合せに基づいて時間変動する干渉信号S(t)を受け取ることであって、該第1ビームは、エンコーダ・スケールから回折され、該エンコーダ・スケールおよび該干渉計のうちの少なくとも1つは、他方に対して移動可能である、前記受け取ること、
    該時間変動する干渉信号S(t)を変更する1つまたは複数のエラーに基づいて1つ以上のエラー訂正信号を受け取ることであって、前記1つ以上のエラー訂正信号は、ベースバンド・ドップラ・エラーを訂正するためのエラー訂正信号を含み、前記ベースバンド・ドップラ・エラーは、前記第1ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第1ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉および前記第2ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第2ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉のうちの少なくとも1つに起因する出力信号のエラーを含む、前記1つ以上のエラー訂正信号を受け取ること、
    該時間変動する干渉信号S(t)および該1つ以上のエラー訂正信号に基づいて該干渉計に対する該エンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することを含む動作を実行させる、コンピュータ・プログラム製品。
  57. リソグラフィ・システムであって、
    ウェハを支持する可動ステージであって、該可動ステージは、該可動ステージと共に移動するエンコーダ・スケールを含む、前記可動ステージと、
    前記リソグラフィ・システムの動作中に該ウェハ上に放射を結像するように構成された照明システムと、
    前記リソグラフィ・システムの動作中に該可動ステージの位置を調整するように構成された位置決めシステムと、
    前記リソグラフィ・システムの動作中に該エンコーダ・スケールに主ビームを向け、前記エンコーダ・スケールから回折された第1ビームおよび第2ビームを組み合わせて時間変動する干渉信号S(t)に対応する出力ビームを生成するように構成された干渉計システムであって、該干渉計システム内の不完全性は、前記時間変動する干渉信号S(t)を変更する1つ以上のエラーを発生させる、前記干渉計システムと、
    該リソグラフィ・システムの動作中に、該1つ以上のエラーに基づいて1つ以上のエラー訂正信号を受け取ること、および前記時間変動する干渉信号S(t)および前記1つ以上のエラー訂正信号に基づいて前記干渉計システムに対する前記エンコーダ・スケールの位置の変化に関する情報を出力することを含む動作を実行するように構成された電子プロセッサとを備え、
    前記1つ以上のエラー訂正信号は、ベースバンド・ドップラ・エラーを訂正するためのエラー訂正信号を含み、
    前記ベースバンド・ドップラ・エラーは、前記第1ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第1ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉および前記第2ビームのドップラ・シフトされた部分と前記第2ビームのドップラ・シフトされていない部分との間の干渉のうちの少なくとも1つに起因する出力信号のエラーを含む、リソグラフィ・システム。
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