JP5855704B2 - 硫黄細菌を担持させた袋状微生物製剤およびそれを用いた環境浄化方法 - Google Patents

硫黄細菌を担持させた袋状微生物製剤およびそれを用いた環境浄化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5855704B2
JP5855704B2 JP2014119821A JP2014119821A JP5855704B2 JP 5855704 B2 JP5855704 B2 JP 5855704B2 JP 2014119821 A JP2014119821 A JP 2014119821A JP 2014119821 A JP2014119821 A JP 2014119821A JP 5855704 B2 JP5855704 B2 JP 5855704B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bag
microbial preparation
preparation
bacteria
sulfur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014119821A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015231351A (ja
Inventor
良治 佐伯
良治 佐伯
Original Assignee
アクアサービス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アクアサービス株式会社 filed Critical アクアサービス株式会社
Priority to JP2014119821A priority Critical patent/JP5855704B2/ja
Publication of JP2015231351A publication Critical patent/JP2015231351A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5855704B2 publication Critical patent/JP5855704B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/20Sludge processing

Landscapes

  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

本発明は、水質浄化やヘドロの改質等に使用される微生物製剤及び袋状微生物製剤ならびにそれらを用いた環境浄化方法に関する。この微生物製剤は、硫黄細菌が担持されており、かつ粒子サイズが小さい多孔質粒子を微生物担体として用いるものである。
従来、河川や湖沼などの水質を浄化するための方法として、様々な技術が開発されており、例えば、各種代謝による浄化能を示す微生物を用いた処理方法が知られている。
従来から用いられている微生物を用いた処理方法により一定の水質の浄化効果等が確認されているが、排水管や側溝、くみ取り式トイレ等のアンモニア、硫化水素、メルカプタンなどの、悪臭やヘドロの原因物質に対する効果は十分なものとは言えない。これは、微生物を用いた処理方法といっても、どのような微生物を選択的に増殖させるような処理方法を行うかによって、その効果が全く異なるからである。微生物による浄化時に重要な元素としては、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、リン(P)が生体構成源として比率が多いことから、これらの除去を目的とした設計が行われることが多く、有機物の主たる元素である炭素の除去、さらには高度浄化として、窒素、リンを除去するための各種好気性細菌、嫌気性細菌が検討されてきたが、これらのみでは十分ではない場合がある。
従来達成できなかったような、更なる高度浄化を行うためには、元素として硫黄(S)を含む物質を代謝し無害化することができる菌を利用する方法がある。このような硫黄を代謝する菌としては、硫黄細菌が知られている。この硫黄細菌を利用した水質浄化技術としては、例えば、特許文献1〜3が開示されている。特許文献1に開示された技術は、廃水中の有機物を硫酸塩還元反応槽で熱交換器によって加温しながら硫酸塩還元菌により酸化するとともに硫酸イオン及び硫黄を還元する工程と、硫黄脱窒槽で硫黄脱窒細菌により還元硫黄の脱窒を行う工程と、硝化槽で硝化細菌により硝化を行う工程と、残部を固液分離して上澄液を放流する工程と、上記硫酸塩還元反応槽の排ガス中に含まれている硫化水素を硫黄酸化槽に導いて、水蒸気源により加温しながら硫黄酸化槽内で硫黄酸化細菌によって硫化水素を酸化して硫酸を生成する工程と、該硫黄酸化槽内の液のpHを調節した後、硫酸塩還元反応に必要とする硫酸イオンを硫酸塩還元反応槽に還流する工程とを備えている。また、特許文献2に開示された技術は、熱交換器の有無や、水蒸気による加温の有無等について異なるものの特許文献1と類似する技術である。また、特許文献3に開示された技術は、特許文献1に開示された技術と、二酸化炭素の有無、熱交換器の有無、沈殿槽の明確な規定等において異なるものの、硫黄細菌等を利用し、硫黄還元、硫黄脱窒、硝化、固液分離、排ガス処理等の構成を有する点で類似する技術である。
また、微生物を利用するにあたっては、微生物を担体に担持させた固定床型の浄化方法が知られている。この担体としては様々なものが知られているが、例えば特許文献4にはフライアッシュ系の多孔質セラミックスを用いるもの、特許文献5にはPVA等を用いたゲル担体を用いたもの、特許文献6にはヤシガラを用いたものなどが開示されている。
特開平05−234322号公報 特開平05−228493号公報 特開平05−115897号公報 特開平11−292654号公報 特許第3241950号公報 特開平09−75971号公報
特許文献1〜3に開示された技術では、いずれも大掛かりな装置が必要となり、従来その処理が困難であったヘドロ等の簡易迅速な分解は困難であった。また、微生物の担体に特徴を有する特許文献4〜6に開示された技術は、いずれも、使用環境の制限が大きく、広域の浄化が求められるような池や海に用いるには分散性が悪いなどの問題があった。また、硫黄細菌の担体として用いると硫黄細菌が担持されにくかったり、成長し難かったり死滅したりするため定着性が低いものであった。このような環境下、本発明は、大規模な装置を必要とすることなく、分散性に優れ簡易迅速に使用でき、かつ安定して浄化能を奏するように硫黄細菌が担持された微生物製剤を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 粒子サイズ50μm以下の中性の多孔質粒子として、モンモリロナイトおよびゼオライト、カオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上である多孔質粒子を70容量%以上含む担体に、硫黄細菌を優占的に培養した培養液を接触させ乾燥することで硫黄細菌を優占的に担持させた粉体状微生物製剤に、
珪砂及び白砂を混合し、通水性を有する袋に封入した袋状微生物製剤であって、
前記袋状微生物製剤において、前記粉体状微生物製剤100重量部に対して、前記珪砂5〜20重量部と、前記白砂5〜30重量部とを混合して封入したことを特徴とする袋状微生物製剤。
<2> さらに好気性細菌および/または通性嫌気性細菌を混合させた前記<2>記載の袋状微生物製剤
<3> 封入に用いられる前記袋が生分解性不織布製の袋である前記<1>または<2>記載の袋状微生物製剤
<4> 前記<1>乃至<3>のいずれかに記載の袋状微生物製剤を用いた、水の浄化、ヘドロの分解、土壌改良、消臭およびプランクトン発生抑制から選択される少なくとも1以上の環境浄化方法。
本発明の微生物製剤は、硫黄細菌を担持するものであり、分散性に優れ簡易迅速に使用でき、かつ安定した硫黄細菌による浄化能を奏するものである。この微生物製剤は、例えば、水の浄化やヘドロの分解、土壌改良、消臭、プランクトンの発生抑制に効果を奏する。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
本発明は、粒子サイズ50μm以下の中性の多孔質粒子を70容量%以上含む担体に、硫黄細菌を担持させた粉体状微生物製剤に関するものである。この微生物製剤は、分散性等に優れており、汚染環境などに硫黄細菌を効率的に付与することに適した態様であり、適宜、各種環境に存在する菌等との相乗効果を奏することで水の浄化、ヘドロの分解、土壌改良、消臭、プランクトンの発生抑制に効果を奏する。
本発明の微生物製剤は、粒子サイズ50μm以下の中性の多孔質粒子を70容量%以上含む担体を用いるものである。微生物製剤とは、微生物を利用して各種機能を奏するものの総称であり、より具体的には担体に微生物を担持させて利用されるものを指す。
本発明の微生物製剤には多孔質粒子を主とした担体を用いる。多孔質粒子とは、粒子内に多くの細孔を有する粒子である。例えばケイ酸塩鉱物などの鉱物資源が多孔質粒子として使用できる。また、好適な多孔質粒子としては、モンモリロナイトおよびゼオライト、カオリンなどの鉱物資源があげられ、これらのうちいずれかを少なくとも含有するものを用いることが好ましい。さらに本発明の微生物製剤は少なくとも硫黄細菌を担持していることを特徴とする。この硫黄細菌は、後述するように菌体の大きさが比較的小さいため、このような比較的粒子サイズが小さい多孔質粒子に好適に選択的に担持される点でもこの構成とすることが優れている。
本発明の多孔質粒子は中性のものである。ここで中性の多孔質粒子とは、多孔質粒子を水に混合したときのpHを測定したとき、pHが中性域となるものである。多孔質粒子が中性であることを確認するにあたっては、水100gに多孔質粒子10gを撹拌混合した後のpHを求めればよい。このときのpHが、5.5〜8.5であることが好ましく、6〜8であることがより好ましい。中性の多孔質粒子を用いることで、その多孔質粒子を用いた担体に担持される硫黄細菌の定着性が向上する。また、この中性の多孔質粒子を用いた微生物製剤を使用環境に散布したとき、当該環境のpHを変化させるおそれが少なくなるため、広範囲に使用できる微生物製剤を得ることができる。
本発明の多孔質粒子には、粒子サイズ50μm以下のものを主として用いる。この粒子サイズとは、その目開きを有する篩を通過するサイズから求められる。たとえば、目開き53μmである270メッシュの篩を通過する多孔質粒子の最大粒子サイズは53μmであり、当該目開き53μmである270メッシュの篩を用いて篩分けされた多孔質粒子のサイズは53μm以下である。本発明の多孔質粒子には、目開き45μmの325メッシュにより篩分けできる、45μm以下の多孔質粒子を主としたもの用いることがより好ましい。このような粒子サイズの多孔質粒子を主とする担体として使用することで、得られる微生物製剤の分散性が優れたものとなる。本発明の微生物製剤を好適に使用できる対象として池や海のような水系の場所がある。このような水系の場所でも、本発明の粉体状の微生物製剤を散布するだけで、わずかな水流しかなくても、十分に分散する。また、このような粒子サイズの多孔質粒子は、沈降速度も低いため、水中の深さ方向にも徐散される。
本発明の多孔質粒子は前述したように比較的小さいサイズの粒子を主とする。この担体中における多孔質粒子の量は、70容量%以上であり、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。担体として用いられる多孔質粒子には、一部、粒子サイズが大きいものが含まれていても、前述した要件を満たせば分散性等は十分に発揮される。
本発明の粉体状微生物製剤は硫黄細菌を担持させたものである。ここで、硫黄細菌とは、硫黄及び硫黄化合物を酸化または還元することによってエネルギーを得ている化学合成独立栄養細菌である。主に硫化水素を酸化して硫黄とし、更に硫酸にまで酸化することのできる細菌群の総称である。このような硫黄細菌の例として硫黄酸化細菌ともいわれ、色素の有無によって無色硫黄細菌及び有色硫黄細菌に大別される細菌群があげられる。無色硫黄細菌は、好気性で糸状体を形成するものとしてベギアトア(Beggiatoa)、チオトリックス(Thiothrix)、チオプロカ(Thioploca)などがあり、かん(桿)状を呈するものにチオバシラス(Thiobacillus)、アクロマチウム(Achromatium)、アシドチオバチルス(Acidithiobacillus)などの属が知られている。有色硫黄細菌は、嫌気性で紅色を呈するかん状のクロマチウム(Chromatium)、チオカプサ(Thiocapsa)、緑でかん状のクロロビウム(Chlorobium)などの属がある。有色硫黄細菌は、光合成色素(バクテリオクロロフィル)を含み、光合成を行うことから、光合成細菌ともいわれている。本発明においては、これらのいずれの硫黄細菌を用いても良く前述したような硫黄細菌群より選択される少なくとも1以上の硫黄細菌を用いることが好ましい。
本発明においては、前述したように粒子サイズが小さい多孔質粒子を主としたものを用いる為、必然的に当該多孔質粒子の孔も小さいものとなるが、本発明に用いる硫黄細菌は、その大きさが0.5〜10μm程度の幅の糸状菌などが多く、本発明に用いる多孔質粒子に選択的に担持され増殖しやすい菌である。この組み合わせは、他の菌による置換や、硫黄細菌の流失などが生じにくい点からも優れている。
本発明の微生物製剤には、さらに好気性細菌および/または通性嫌気性細菌を混合することができる。好気性細菌とは、酸素に基づく代謝機構を備えて生育に酸素を必要とする菌であり、通性嫌気性細菌とは、酸素の有無に関わらず生育する菌であり、これらの菌は特に有機物の浄化に寄与する。本発明においては、これらの菌として、カビ、酢酸菌、乳酸菌、酵母等の菌を担持などの態様で混合させておくことが好ましい。また、直接担体である多孔質粒子に担持させずとも各種菌の乾燥粉体を混合してもよい。
本発明の微生物製剤は、袋に封入して用いられても良い。特に、水流が大きい場所では粉体状微生物製剤が分散されすぎて一定期間経過後に効果が低下しやすくなる場合があるが、このような袋状微生物製剤とすることで、使用環境に長期間保持できる。さらに袋に封入して水系にて使用すると、本発明の多孔質粒子が粘度様に固化してその袋内で塊状となり、さらにこの塊状体から、硫黄細菌が除散されるため、流失等することなく長期間安定した効果を奏する。
袋に封入するとき、本発明の粉体状微生物製剤に加え、白砂および珪砂を混合して封入することが好ましい。これは、沈降性の観点からと、担持される硫黄細菌として光合成細菌が含まれていることが好ましく、その光合成をおこないやすいようにする点から混合されるものである。一定の光透過性や分散性を有する白砂や珪砂を混合しておくことで、袋状微生物製剤の内部にも光が到達しやすくなるため、袋状微生物製剤全体としての浄化機能等を奏しやすくなる。
袋状微生物製剤とする時、その袋には、植物由来成分の樹脂を用いるポリ乳酸のような生分解性不織布を用いることが好ましい。袋として生分解性不織布を用いることで、袋自体による環境汚染のおそれがなくなるため、この袋状微生物製剤を利用しやすくなる。このような生分解性不織布製の袋を用いたものは、特に海のように広くて回収が困難な環境で使用する際に適している。一方、非生分解性の織布(例えばポリエステルのような化学樹脂製の織布)や不織布による袋を用いることもでき、このような非生分解性のものは、池や水田のように散布位置を特定し回収して再利用しやすい場所での使用に適している。
袋状微生物製剤とする時、粉体状微生物製剤と、白砂と珪砂との混合比率は、その袋状微生物製剤の使用環境に併せて適宜設定することができる。例えば、多孔質粒子100重量部に対して、白砂5〜30重量部、珪砂5〜20重量部の混合比率とすることができる。
本発明の粉体状微生物製剤および袋状微生物製剤は、水の浄化、ヘドロの分解、土壌改良、消臭およびプランクトン発生抑制の少なくとも1以上の環境浄化方法に用いることができる。すなわち、水の浄化やヘドロの分解、土壌改良、消臭、プランクトンの発生抑制に利用することができるため、各目的に使用した方法として達成することができる。より具体的には、水の浄化方法に用いる場合、浄化対象となる水として例えば浄化槽や、海、池、沼、小川、養殖場、水槽等があげられる。これらに本発明の微生物製剤を静置したり、単に水面に散布する等の方法で浄化することができる。例えば、水槽に、本発明の袋状微生物製剤を入れておくとその水槽の水が汚染されにくく、透明度の高い水質管理を行うことができる。
また、本発明の微生物製剤を用いたヘドロの分解方法として達成することもできる。ヘドロは、有機物を多量に含有する底質中で有機物を過剰に生物分解し、嫌気性状態になっているもので、硫化水素などの硫化物が発生し、好気性細菌や通性嫌気性細菌が生息しにくくなったものである。特に硫化水素の発生が顕著に確認されるヘドロを硫化水素ヘドロと呼ぶ場合がある。このようなヘドロは、原生動物等による有機物の分解が困難となり、浄化されにくくなるが、本発明の粉体状微生物製剤を混合や、散布、袋状製剤を周辺に静置しておくことで、これらのヘドロを分解し、本来の底質に戻すことができる。
また、本発明の微生物製剤を用いた土壌改良方法としても達成することができる。土壌改良を行うには、本発明の微生物製剤を混合や散布することで、土壌の電気伝導度を正常化したりし、その土壌を改良することができる。この改良された土壌は、各種植物が生育しやすいものとなる。具体的には、野菜や花、芝生、植木、樹木、果樹等に用いることができる。
また、本発明の微生物製剤を用いた消臭方法としても達成することができる。この場合も、消臭したい生ごみ、排水溝、汲み取り式トイレなどの対象に、散布したりすることで消臭効果を発揮する。
また、本発明の微生物製剤を用いたプランクトンの発生抑制方法としても達成することができる。すなわち、海・湖沼・河川などの水域が、貧栄養状態から富栄養に伴うプランクトン等の異常発生の抑制等にもちいることができ、これにより赤潮やアオコの改善や予防を行うことができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
「微生物製剤の調製」
「担体」
中性の多孔質粒子であるモンモリロナイトを豊富に含む風化生成物層の土壌を、325メッシュ(目開き45μm)の金網篩で、篩わけし、粒子サイズ45μm以下の粒子を得た。この粒子を本発明の微生物製剤の担体とした。
「微生物」
(培養液a.硫黄細菌の培養液)
本発明の微生物製剤に担持させる微生物として、硫黄酸化菌属であるアシドチオバチルス属が優占的に培養される公知の培養液を用いて培養し、硫黄細菌の培養液aを調製した。
(培養液b.通性嫌気性細菌の培養液)
本発明の微生物製剤に担持させる微生物群として、乳酸菌および酵母が優占的に培養される公知の培養液を用いて、通性嫌気性細菌の培養液bを調製した。
「担持方法」
培養液aの培養液5重量部と、培養液bの培養液5重量部と、水90重量部を混合し培養液希釈液を製造した。この培養液希釈液100重量部を、前述の担体2000重量部に散布し、常温で自然乾燥することで担体に微生物を担持させた粉体状微生物製剤(B)を得た。
「パック(袋状微生物製剤)」
袋状微生物製剤(パック製剤)とするために、目付70g/m2のポリ乳酸製不織布袋を使用した。この袋に、粉体状微税物製剤(B)85重量部に対して珪砂及び白砂(珪砂:白砂=1:1(重量比))の混合物15重量部を混合したものを1kg封入することで袋状微生物製剤(A)を得た。なお、以下の試験例において、この袋状微生物製剤(A)を主として使用するが、適宜、その内容物である粉体状微生物製剤(B)も使用した。
「測定方法」
[硫化物]:底質調査方法(昭和63年9月8日付け環水管第127号)II.17に則って測定した。
[COD]:JIS K0102(2008)17に則って測定した。
[全窒素(T−N)]測定法(N1):底質調査方法(昭和63年9月8日付け環水管第127号)II.18に則って測定した。
[全窒素(T−N)]測定法(N2):JIS K0102(2008)45.4に則って測定した。
[全リン(T―P)]測定法(P1):底質調査方法(昭和63年9月8日付け環水管第127号)II.19に則って測定した。
[全リン(T―P)]測定法(P2):JIS K0102(2008)46.1.1に則って測定した。
[強熱減量]:底質調査方法(昭和63年9月8日付け環水管第127号)II.4に則って測定した。
[透視度]:JIS K0102(2008)9に則って測定した。
[臭気]:カルモア社製“カルモアシグマ SK−210”を用いて臭気のシグマ値を測定した。
[EC]:サトテック社製 “防水導電率系計 PCD−431”を用いて土壌のEC値を測定した。
[試験例1:水の浄化試験]
[試験環境]
場所:福岡県内の貯水池(水量:約12万トン)
試験開始前の7月頃、この貯水池には、アオコが発生し、透明度の悪化・悪臭の発生、既設の砂ろ過装置の閉塞が問題となっていた。
[試験方法]
使用製剤と使用量:袋状微生物製剤(A)50袋(50kg)、粉状微生物製剤(B)30kg
散布方法:池に袋状微生物製剤(A)を均等に配置した(約400m2に1袋)。また、その後さらに池の中心付近を航行するボートスクリューによる水流を利用して粉体状微生物製剤(B)30kgを池全体に拡散させた。なお、試験開始時のこの池のpHは、8.79であった。
試験例1の分析結果を表1に示す。
Figure 0005855704
本発明の微生物製剤を散布し水質を浄化させることで、硫化物濃度やCODが低減することを確認することができた。さらに、この池のアオコを抑制し、透視度が向上し、臭気も改善された。また、この池に取り付けられていたろ過装置への負荷も軽減された。
[試験例2:ヘドロの分解試験]
[試験環境]
場所:長崎県島原市 有明海アサリ漁場(砂浜・河口)
試験開始前、この漁場はアオサが大量に打ち上げられ、それが腐敗堆積しヘドロ化して悪臭がしており、硫化物発生のためにアサリが収穫できなくなっていた。
[試験内容]
(砂浜):アサリ漁場の砂浜海岸線約500mの区画に、20m毎に杭を打ち袋状微生物製剤(A)を1袋(内容量1kg)ずつ網袋に入れて計25袋(25kg)を設置した。また、設置後、粉体状微生物製剤(B)4本(4kg)を砂浜に散布した。
試験例2の砂浜の分析結果を表2に示す。
(河口):当該アサリ漁場に流れ込む川の上流に袋状微生物製剤(A)を4袋(4kg))設置し、粉体状微生物製剤(B)を1kg散布した。
試験例2の加工の分析結果を表3に示す。
Figure 0005855704
Figure 0005855704
経過:腐敗臭がしなくなり、ヘドロで埋まっていた浜の砂地がはっきりと見えるようになり元の砂浜に戻った。また、アサリの稚貝を放流できるほどにまで回復した。
[試験例3:底質改善]
[試験内容]
場所:福岡県内の競艇場 約8万m2
競艇場の競走プールの流入水には、その上流にある水田の肥料や農薬などが含まれており、窒素分が非常に多い状態で、アオコの発生がひどい状態だった。また、そのアオコを一時的に抑制するために長年防錆剤を散布してきており、底質が非常に悪化していた。
散布量:袋状微生物製剤(A)16袋(16kg)、粉体状微生物製剤(B)16kg
競争プールに袋状微生物製剤(A)を均等に配置した。また、粉体状微生物製剤(B)を全体に散布した。
試験開始時期:4月
試験例3の分析結果を表4に示す。
Figure 0005855704
経緯:アオコの養分となる底質中の窒素やリンを確実に減少させており、一定のアオコ改善効果がみられた。
[試験例4:水質・底質改善]
[試験内容]
場所:福岡県内の城の濠 約1500m2
散布製剤と使用量:袋状微生物製剤(A)3袋(3kg)、粉体状微生物製剤(B)3kg
濠に袋状微生物製剤(A)を均等に配置した。また、粉体状微生物製剤(B)を全体に散布した。
試験開始時期:12月
試験例4の分析結果を表5に示す。
Figure 0005855704
経過:表5に示すように測定項目に変化があった。加えて、濠の水の透明度向上及び底質改善(硫化物の分解)と、それらによるハスの再生が確認された。
[試験例5:臭気の改善]
[試験内容]
場所:佐賀県内の有明ノリ乾燥工場
使用製剤と使用量:粉体状微生物製剤(B)1kg
散布方法:工場排水の排水槽(約400t)内、及び工場〜排水槽間の水路上流に散布した。
試験開始時期:12月
試験内容:ノリ屑が排水槽内に堆積し悪臭がひどく、最終的に川へ排水した際にノリの色素のために水がピンク色になってしまうのを改善する目的。水産ノリ乾燥工場の排水槽(A)にはなにも散布せず、水産ノリ乾燥工場の排水槽(B)に上記のとおり微生物製剤を散布した。
試験例5の分析結果を表6に示す。
Figure 0005855704
経過:本発明の微生物製剤を散布することで排水槽の臭気が抑制された。また、排水のピンクの着色も改善された。なお、上記の臭気シグマ値が高いほど臭気が高く、このシグマ値は相対的な値として確認するものである。試験時、外気では333〜340を示す状態であり、対照槽である水槽(A)は微生物製剤の散布を行わなかったため1079まで上昇したが、微生物製剤の散布を行った水槽(B)は、630までしか上昇しなかった。
[試験例6:土壌の改善]
場所:農作物用ハウスの土壌 (作付け用面積:8m×50m)
使用製剤と使用量:粉体状微生物製剤(B)を、散布量が5g/m2となるように散布した。
本発明の粉体状微生物製剤を散布する前の肥料ECの値1800μS/cmであり作付に適さない高い値であったが、散布後700μS/cmまで低下した。
本発明の微生物製剤は、水の浄化やヘドロの分解、土壌改良、消臭、プランクトンの発生抑制等に用いることができ、産業上利用可能である。

Claims (4)

  1. 粒子サイズ50μm以下の中性の多孔質粒子として、モンモリロナイトおよびゼオライト、カオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上である多孔質粒子を70容量%以上含む担体に、硫黄細菌を優占的に培養した培養液を接触させ乾燥することで硫黄細菌を優占的に担持させた粉体状微生物製剤に、
    珪砂及び白砂を混合し、通水性を有する袋に封入した袋状微生物製剤であって、
    前記袋状微生物製剤において、前記粉体状微生物製剤100重量部に対して、前記珪砂5〜20重量部と、前記白砂5〜30重量部とを混合して封入したことを特徴とする袋状微生物製剤。
  2. さらに好気性細菌および/または通性嫌気性細菌を混合させた請求項1記載の袋状微生物製剤
  3. 封入に用いられる前記袋が生分解性不織布製の袋である請求項1または2記載の袋状微生物製剤
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の袋状微生物製剤を用いた、水の浄化、ヘドロの分解、土壌改良、消臭およびプランクトン発生抑制から選択される少なくとも1以上の環境浄化方法。
JP2014119821A 2014-06-10 2014-06-10 硫黄細菌を担持させた袋状微生物製剤およびそれを用いた環境浄化方法 Active JP5855704B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014119821A JP5855704B2 (ja) 2014-06-10 2014-06-10 硫黄細菌を担持させた袋状微生物製剤およびそれを用いた環境浄化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014119821A JP5855704B2 (ja) 2014-06-10 2014-06-10 硫黄細菌を担持させた袋状微生物製剤およびそれを用いた環境浄化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015231351A JP2015231351A (ja) 2015-12-24
JP5855704B2 true JP5855704B2 (ja) 2016-02-09

Family

ID=54933282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014119821A Active JP5855704B2 (ja) 2014-06-10 2014-06-10 硫黄細菌を担持させた袋状微生物製剤およびそれを用いた環境浄化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5855704B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6782925B2 (ja) * 2016-08-10 2020-11-11 国立大学法人北海道大学 海岸・河岸保全工法
CN106277351A (zh) * 2016-08-15 2017-01-04 卢生华 一种硫磺细菌为主制作微生物挂袋的方法
CN109704446B (zh) * 2019-01-10 2022-01-14 四川大学 一种高效去除富营养水体中磷的方法
CN109928519B (zh) * 2019-04-20 2021-09-10 河北雄安迈嵘环保科技有限公司 一种高效水体净化剂的制备方法
JP2020198822A (ja) * 2019-06-11 2020-12-17 水ing株式会社 粉末菌体と鉱物を含む微生物製剤及び微生物製剤を用いた排水処理方法
JP7276850B2 (ja) * 2019-10-23 2023-05-18 トリゼンオーシャンズ株式会社 底質環境改善資材

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6331538A (ja) * 1986-07-25 1988-02-10 Kensetsusho Doboku Kenkyu Shocho 固定化用担体
JPH09188585A (ja) * 1995-12-29 1997-07-22 Solar Japan Kk 微生物の固定化物
JP3942783B2 (ja) * 1998-12-15 2007-07-11 義芳 門馬 複合有効微生物群含有資材
JP2001137878A (ja) * 1999-08-31 2001-05-22 Sekisui Chem Co Ltd 有機性固形物含有排水の処理装置及び処理方法
JP2002192187A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Apio Club:Kk 汚染環境の処理剤
JP2002292364A (ja) * 2001-03-29 2002-10-08 Daisaku Tsutsumi 水質改善材
JP2003250522A (ja) * 2002-02-27 2003-09-09 Nippon Soda Co Ltd フザリウム属菌生菌製剤及びその製造方法
JP2004298757A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Kawai Hiryo Kk 水質浄化具
JP2004351318A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Kansai Electric Power Co Inc:The 水質浄化用触媒及びその製造方法
JP2005255972A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Bio Force:Kk 汚染、疲弊土壌の浄化改質材及び浄化改質方法
JP5733738B2 (ja) * 2010-08-25 2015-06-10 公立大学法人秋田県立大学 根粒菌接種資材、根粒菌接種資材の接種方法、及び栽培方法
WO2012063824A1 (ja) * 2010-11-10 2012-05-18 クミアイ化学工業株式会社 微生物農薬組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015231351A (ja) 2015-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5855704B2 (ja) 硫黄細菌を担持させた袋状微生物製剤およびそれを用いた環境浄化方法
Zhao et al. Evaluation of revolving algae biofilm reactors for nutrients and metals removal from sludge thickening supernatant in a municipal wastewater treatment facility
CN106754514B (zh) 一种可持续清淤除黑臭水体的微生物菌剂制备方法
Mahapatra et al. Waste Stabilization Pond (WSP) for wastewater treatment: A review on factors, modelling and cost analysis
Samal et al. Performance assessment of a Canna indica assisted vermifilter for synthetic dairy wastewater treatment
CN103436519B (zh) 用于流域生物修复的复合微生物制剂及制备和应用
CN101831392B (zh) 一种自养异养共生氨氧化菌剂及用途
CN107540094A (zh) 人工湿地污水处理系统
WO2010103819A1 (ja) 活性化石炭粒状材を用いた窒素や燐による富栄養化汚染水の水質浄化用濾過材料およびこれを利用した浄水施設、活性化石炭微粉末をイオン交換材料として利用した汚泥処理方法および該方法を経て製造される各種リサイクル材料
US7297273B2 (en) Method of intensified treatment for the wastewater containing excreta with highly concentrated nitrogen and COD
CN104556391A (zh) 一种废水的人工湿地净化方法
Dar et al. Feasibility of microalgal technologies in pathogen removal from wastewater
CN204737846U (zh) 一种处理农业面源污染的上升流垂直人工湿地系统
CN105621786B (zh) 一种处理农业面源污染的上升流垂直人工湿地系统
JP2015131287A (ja) 微生物作用を利用した下水処理水による河川汚染の浄化システム
ITPI20070003A1 (it) Processo di biostabilizzazione e umificazione dei fanghi biologici in letti filtranti piantumati
CN106045051A (zh) 一种河道流域治理方法
CN105366821B (zh) 综合治理垃圾渗滤液及垃圾臭味的方法及系统
CN205222828U (zh) 一种综合治理垃圾渗滤液及垃圾臭味的系统
Singh et al. Eco-friendly and eco technological approaches in treatment of wastewater by different algae and cyanobacteria
CN100506707C (zh) 可控生物膜景观湿地污水净化系统及技术
Ding et al. Optimization of microplastic removal based on the complementarity of constructed wetland and microalgal-based system
JP6828885B2 (ja) 粉体状微生物製剤及びその製造方法、並びに粉体状微生物製剤を含有する液状組成物、土壌改善方法、及び水質改善方法
CN207792825U (zh) 一种微生物吸附浮岛
CN207347250U (zh) 一种用于农村分散式生活污水处理的复合生态滤床

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5855704

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250