JP5854261B2 - ウォームホイール - Google Patents
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Description
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、高強度、小型且つ軽量であり、また、歯打ち音の減衰効果に優れ、しかもコスト安価なウォームホイールを提供することを目的とする。
また、前記歯形成部は、前記歯形成部の内周に配置され前記保持部に噛み合う複数の内歯部を含み、前記軸の周方向(C1)に関して、隣り合う2つの前記リブの間に少なくとも1つの前記内歯部が配置されているので、下記の利点がある。すなわち、歯形成部の内歯部の数を多くしており、これにより、歯形成部と樹脂部との接触面積をより多くできる。その結果、歯形成部と樹脂部との結合強度をより高くできる。
この場合、内歯部間の溝は、内歯部の歯先側ほど幅狭の逆テーパ状に形成されている。これにより、樹脂部の成形の際に、内歯部間の溝に入った合成樹脂が冷却されて収縮しても、溝内の樹脂部分を確実に内歯部に結合させることができる。これにより、歯形成部が樹脂部に対してがたつくことを抑制できる。その結果、樹脂部に微小なクラックが生じることを抑制でき、ウォームホイールの強度が高い状態を長期間に亘って確実に維持できる。
また、前記内歯部の側面(451)および歯面(452)の少なくとも一方に、前記樹脂部に結合されたフェーススプラインが形成されているので、歯形成部と樹脂部との結合強度をより一層高くできる。
また、本発明において、前記軸は、前記軸と前記樹脂部との相対回転を規制する第1規制部(19)と、前記軸方向における前記軸と前記樹脂部との相対移動を規制する第2規制部(19)と、を含む場合がある(請求項4)。この場合、樹脂部と軸とが周方向および軸方向に相対変位することをより確実に抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態にかかるウォームホイールを備える電動パワーステアリング装置の概略構成を示す一部断面図である。
電動パワーステアリング装置1は、四輪自動車等の車両に備えられている。電動パワーステアリング装置1は、操舵補助用の電動モータ2と、ギヤハウジング3と、ウォーム減速機構4と、を備えている。
減速機構4は、金属製のウォーム軸7と、ウォームホイール8と、を含んでいる。ウォーム軸7は、一対の支軸9,10と、一対の支軸9,10間に配置された螺旋状のウォーム歯部11と、を含んでいる。一対の支軸9,10は、一対の軸受12,13を介してギヤハウジング3に回転可能に支持されている。一方の支軸10は、電動モータ2の出力軸6に連結されている。
ウォームホイール8は、金属製の軸14と、金属製の歯形成部15と、これら軸14と歯形成部15とを繋ぐ合成樹脂製の樹脂部16と、を含んでいる。ウォームホイール8の歯形成部15および樹脂部16は、軸方向X1に略対称な形状に形成されている。
軸本体17は、中空の棒状に形成されている。軸本体17の一端部は、例えば、トーションバー等を介して操舵部材(図示せず)に連結されている。軸本体17の他端部は、例えば、自在継手および中間軸を介して、転舵機構のピニオン軸(図示せず)に連結されている。
図2および図4を参照して、第2環状部22は、2つの第1環状部18,18間に介在する介在部27を含む。介在部27は、環状に形成されており、2つの第1環状部18,18のそれぞれの第1歯部19,19によって軸方向X1に挟まれている。これにより、軸14に対する樹脂部16の軸方向X1に関する変位が規制されている。すなわち、第1歯部19によって、軸方向X1における軸14と樹脂部16との相対移動を規制する第2規制部が構成されている。
環状凹部31は、第3環状部23の外周面23aから径方向R1の内方に延びており、断面T字形形状に形成されている。環状凹部31は、軸方向X1の幅が短い幅狭部33と、軸方向X1の幅が幅狭部33の幅よりも広い幅広部34とを含んでいる。幅狭部33は、外周面23aに開放されており、径方向R1の何れの箇所でも、溝幅が一定とされている。また、幅広部34は、径方向R1の何れの箇所でも、溝幅が一定とされている。
連結部24は、径方向R1に関して第2環状部22と第3環状部23との間に配置されている。連結部24は、円盤部41と、円盤部41の両側方へ突出するように円盤部41の一対の側面にそれぞれ設けられた各複数のリブ43,44とを含んでいる。円盤部41は、第2環状部22の外周面22aと第3環状部23の内周面23bの双方に連続している。円盤部41は、周方向C1の全域に亘って配置されており、第2環状部22と第3環状部23との間を塞いでいる。円盤部41は、軸方向X1において第2環状部22の中間位置に接続されている。軸方向X1に関する円盤部41の中心41aは、第2環状部22の中間位置(中央位置)に配置されており、且つ、第3環状部23の中間位置(中央位置)に配置されている。
上記の構成により、円盤部41は、径方向R1の外側部分ほど、周方向C1に弾性変形し易くされている。これにより、ウォーム軸7からの反力がウォームホイール8の周方向C1に沿って作用したときに、円盤部41の弾性変形を促すことができる。その結果、ウォーム軸7とウォームホイール8とが噛み合うときの歯打ち音を減衰できる。
第4環状部47は、軸14と同軸の円環状に形成されている。第4環状部47の外周には、ウォーム歯部11と噛み合うための主歯部(ウォームホイール歯部)49が形成されている。主歯部49の歯厚は、歯すじ方向の中央が、歯すじ方向の両端と比べて小さくされている。主歯部49のうち、少なくとも一対の歯面49a,49aには、鍛造加工が施されている。これにより、主歯部49は、ウォーム軸7との噛み合いに関する耐摩耗性が向上されている。
幅広部52の内周には、内歯部としての第4歯部45が形成されている。第4歯部45は、樹脂部16の第3歯部32と噛み合っている。これにより、樹脂部16と歯形成部15との相対回転が規制されている。また、樹脂部16の環状凹部31には、歯形成部15の環状凸部48が嵌め込まれている。これにより、樹脂部16に対する歯形成部15の軸方向X1への変位が規制されている。
また、樹脂部16は、インサート成形によって形成されている。これにより、軸14と樹脂部16との結合強度、および歯形成部15と樹脂部16との結合強度をより高くできる。その結果、ウォーム軸7とウォームホイール8との噛み合いの振動を、歯形成部15から樹脂部16に確実に伝達できるので、樹脂部16で振動減衰効果を確実に発揮できる。
このように、軸14に凸部としての第1歯部19を形成し、この第1歯部19に溶融樹脂を射出する簡易な構成で、樹脂部16と軸14とが周方向C1および軸方向X1に相対変位することを、より確実に抑制できる。
図6は、本発明の別の実施形態のウォームホイール8Aの主要部の一部断面図であり、周方向から見た状態を示している。図7は、図6の第4歯部45Aの周辺を軸方向X1から見た断面図である。なお、以下では、図1〜図5に示す実施形態と異なる点について説明し、同様の構成には図に同一の符号を付してその説明を省略する。
また、各円盤部41Aの外側縁部を、周方向C1から見たときに湾曲状をなす滑らかな形状(くびれ形状)としている。これにより、第4溝部46への溶融樹脂の流動性を高くしている。
図6において、第4歯部45Aの側面451(軸方向X1に対向する面)に、樹脂部16に結合する公知のフェーススプラインを設けて、歯形成部15と樹脂部16との結合をより強固にしてもよい。特に、フェーススプラインの延びる方向とは直交する方向に関して、歯形成部15と樹脂部16との相対移動を抑制して、両者間のガタの発生を抑制することができる。
また、上記のフェーススプラインを、図4の実施形態の第4歯部45(内歯部)の側面および歯面の少なくとも一方に設けてもよい。また、上記のフェーススプラインを、図4の実施形態の環状凸部48(突出部)の側面(幅狭部51の側面または幅広部52の側面)に設けてもよい。
次いで、図8は、本発明のさらに別の実施形態のウォームホイール8Bの主要部の一部断面図であり、周方向から見た状態を示している。図8を参照して、本実施の形態が、図4ないし図6の実施の形態と主に異なるのは、下記である。
このように、歯形成部15と樹脂部16との結合強度を高くすることがきるので、両者間のガタの発生を抑制でき、ひいては、樹脂部16に微小なクラックが生じることを抑制でき、ウォームホイール8Bの強度が高い状態を長期間に亘って確実に維持できる。
また、図4の実施の形態では、円盤部41が径方向R1の外方に向かって先細り状とされており、円盤部41の先端部41cの厚み(軸方向X1の幅に相当)が最も小さくなっていた。これに対して、本実施の形態では、円盤部41の途中部から先端部41cに向かうに従って、円盤部41の厚み(軸方向X1の幅に相当)が次第に大きくなっている。これにより、円盤部41から径方向R1外方の第3環状部23への接続部において、インサート成形時の溶融樹脂の流動性を良くすることができる。当該部分の強度を強くすることができる。
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、図1〜図5に示す実施形態において、環状凸部48を軸方向X1に貫通する貫通孔を設け、この貫通孔に樹脂部16の一部を配置してもよい。これにより、樹脂部16と歯形成部15との結合の強度をより高くできる。この貫通孔は、周方向C1に等間隔に複数設けられていることが好ましい。
また、ウォームホイールの大ききは、特に限定されない。ウォームホイールの大きさに応じて適宜樹脂部を設計することにより、強度と音の減衰効果とを高次元でバランスさせることができる。
Claims (5)
- ウォーム軸の歯部に噛み合うための主歯部が形成された金属製の歯形成部と、
金属製の軸と、
前記歯形成部および前記軸を繋ぐ合成樹脂製の樹脂部と、を備え、
前記樹脂部は、前記軸と接合する接合部と、前記歯形成部を保持する保持部と、前記接合部と前記保持部との間に介在する円盤部と、を含み、
前記円盤部は、前記軸の軸方向において前記接合部の中間位置に接続されており、
前記円盤部の厚みが、前記軸の径方向外方に進むに従い小さくされており、
前記軸方向における前記円盤部の両側には、前記軸方向に突出する突出縁をそれぞれ有し、軸方向に対向する各複数のリブが設けられ、
前記軸方向に対向するリブの突出縁の間の間隔が、前記軸の径方向外方に進むに従い小さくされており、
前記歯形成部は、前記歯形成部の内周に配置され前記保持部に噛み合う複数の内歯部を含み、
前記軸の周方向に関して、隣り合う2つの前記リブの間に少なくとも1つの前記内歯部が配置されていることを特徴とするウォームホイール。 - ウォーム軸の歯部に噛み合うための主歯部が形成された金属製の歯形成部と、
金属製の軸と、
前記歯形成部および前記軸を繋ぐ合成樹脂製の樹脂部と、を備え、
前記樹脂部は、前記軸と接合する接合部と、前記歯形成部を保持する保持部と、前記接合部と前記保持部との間に介在する円盤部と、を含み、
前記円盤部は、前記軸の軸方向において前記接合部の中間位置に接続されており、
前記歯形成部は、前記歯形成部の内周に配置され前記保持部に噛み合う複数の内歯部を含み、
前記軸の径方向内方に進むに従い前記内歯部間の溝幅が小さくされており、
前記内歯部の側面および歯面の少なくとも一方に、前記樹脂部に結合されたフェーススプラインが形成されていることを特徴とするウォームホイール。 - 請求項1または2において、前記樹脂部は、インサート成形によって形成されていることを特徴とするウォームホイール。
- 請求項1〜3の何れか1項において、前記軸は、前記軸と前記樹脂部との相対回転を規制する第1規制部と、前記軸方向における前記軸と前記樹脂部との相対移動を規制する第2規制部と、を含むことを特徴とするウォームホイール。
- 請求項4において、前記軸の外周に設けられ前記樹脂部に結合する複数の凸部を含み、 前記凸部によって前記第1規制部および前記第2規制部が形成されていることを特徴とするウォームホイール。
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