JP5853215B2 - 木質板からなる内装建材 - Google Patents

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Description

本発明は、木質板に関し、さらに詳しくは、建材などに用いられる木質板に関する。
近年、高断熱・高気密化住宅が一般的になるに伴い、健康や快適性に対する関心の高さから、室内の空気環境改善ニーズが強まっている。
空気汚染物質には砂塵やハウスダスト、花粉など様々な種類のものが存在する。空気汚染物質の中でも、大きな粒径のものはあまり人体に吸収されることはないが、埃に含まれるダニの糞や死骸、花粉、ペットの毛、フケなどの粒径5μm以下のものは人体に吸収されやすく、悪影響を及ぼすといわれている。
また、埃は粒径が小さいほど浮遊性が高く、人の動きやドアの開閉時などで発生するわずかな風で簡単に舞い上がってしまう。さらに舞い上がった埃は長時間浮遊し続け、その間空気を汚染し続ける。例えば粒径1μmのものは一旦舞い上がると1m落下するのに約9時間もの時間を必要とするといわれている。
床面に存在する挨の量は部屋全体の50%であり、その空間内を人間が歩行した場合、発生する気流によって床上に積もった埃は容易に再浮遊してしまうため、人間が体内へと吸引してしまう可能性は非常に高い。
厚生労働省は、室内の空気環境を快適に保つため、空気汚染物質に対し、環境整備ガイドラインや指針値を設けている。
従来、空気汚染物質による人体への悪影響を低減する技術としては、床材などの建材の表層に、抗アレルゲン作用を持つ物質を添加することなどが提案されている(特許文献1、2)。
一方、顧客が床材に求める大きなニーズとして、防汚処理建材というものがある。それらは建材の表面の塗装膜に対して、撥水材料を複合したり、塗装膜の架橋密度を向上させたりすることで防汚性能を向上するように設計されている。
特開2004−143266号公報 特開2011−025691号公報
しかしながら、防汚性能が高い建材であるほど空気汚染物質が付着しにくいため、汚れの付着が低減されると同時に、表面に付着した細かな埃は再浮遊しやすくなる。
すなわち、建材に対して防汚処理を施すと、人間が吸引する空気質を汚染しやすい状態になってしまうため、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー症状を発症する要因の一つになっていると考えられる。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、粉塵付着性が高く埃などのハウスダストの再浮遊を抑制し、さらに付着した粉塵を一般的な清掃により除去可能な木質板を提供することを課題としている。
本発明の木質板は、板状の木質基材と、この木質基材の表面に設けられ単一層または複数層から形成された機能層とを備え、機能層の表面を構成する層は、ベースとなる樹脂塗料と、シロキサン結合による鎖状構造を有し、この鎖状構造を含む構造の少なくとも二つの末端に前記ベースとなる樹脂塗料と結合する官能基を有するシリコーンオイルとを含有する塗料の塗装膜であることを特徴としている。
この木質板において、シロキサン結合による鎖状構造は、ジメチルシロキサン結合による鎖状構造であることが好ましい。
この木質板において、シロキサン結合は、重合度が10〜80の範囲内であることが好ましい。
ベースとなる樹脂塗料と結合する官能基は、アクリル基、メタクリル基、メルカプト基、カルビノール基、アミノ基、エポキシ基、ポリエーテル基、カルボキシル基、フェノール基、またはシラノール基であることが好ましい。
また、塗料におけるシリコーンオイルの含有量は、塗料の全量に対して2〜20質量%であることが好ましい。
本発明の木質板によれば、粉塵付着性が高く埃などのハウスダストの再浮遊を抑制し、さらに付着した粉塵を簡便な、一般的な清掃により除去することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の木質板は、木質基材の表面に設けられた各種の機能層の表面を構成する層を、シロキサン結合による鎖状構造(シロキサン骨格)を有し、この鎖状構造を含む構造の少くとも二つの末端にベースとなる樹脂塗料と結合する官能基を有するポリシロキサンのシリコーンオイルを含有する塗料の塗装膜により構成している。
なお、「結合する」とは、反応により化学結合すること、例えばベースとなる樹脂塗料の硬化反応時などにこのベースとなる樹脂塗料の反応性官能基と反応して化学結合することを含む。
このシリコーンオイルは、木質板の表面において粉塵付着剤として機能し、このシリコーンオイルを添加することで、木質板の粉塵付着性が向上し、埃の再浮遊を低減することが可能となる。
すなわち、シリコーンオイルとしてベースとなる樹脂塗料と結合する官能基をシロキサン結合による鎖状構造を含む構造の少くとも二つの末端に有するポリシロキサンを用いることで、シリコーンオイルに含まれるジメチルシロキサン結合による鎖状構造などのシロキサン骨格を塗装膜の表面で塗装膜に略平行して配向させることができる。
また、ベースとなる樹脂塗料と結合する官能基をシロキサン骨格の少くとも二つの末端に持つことで、反応不足による塗装膜表面への染み出しを低減することができる。
本発明においては、シリコーンオイルは、ジメチルシロキサン骨格を有することが好ましい。
シリコーンオイルの中でもジメチルシロキサン骨格を有するものは撥水性が高く、帯電性があるために粉塵を付着させる作用がある。また、このジメチルシロキサン骨格が、塗装膜に略平行に配向しやすいために、帯電方向が一定となり、粉塵付着性を高めることが可能となる。また、粉塵付着塗装の耐久性も向上させることが可能となる。
また、粉塵を除去する際は、特に水分を含んだ綿や化繊の雑巾やモップを用いることで、一時的に除電させることが可能となり、容易に除去可能となる。
一方、一つの末端のみに官能基を有するポリシロキサンのシリコーンオイルでは、撥水性の向上により帯電性があるため粉塵は付着する。しかし、塗装膜に対して略垂直にジメチルシロキサン骨格が配向するため、帯電方向を一定にすることができず、粉塵付着性が低い。
また、粉塵が略垂直に配向したシロキサン骨格とシロキサン骨格の間に取り込まれてしまうために、付着した粉塵の除去性が悪く、粉塵付着塗装の耐久性も低い。
シロキサン結合は、重合度が10〜80の範囲内であることが好ましく、20〜80の範囲内であることがより好ましい。
なお、ここでの「重合度」は、数平均重合度を示している。
シロキサン結合の重合度が10以上であると、ベースとなる樹脂塗料との反応性が適度に抑制される。そのため、塗装膜表面に平行にジメチルシロキサン骨格などのシロキサン骨格を配向する前にポリシロキサンが塗料中に埋没してしまうことを抑制できる。また、骨格が適度に長いため、粉塵付着性および粉塵除去性が発現しやすい。
シロキサン結合の重合度が80以下であると、反応性の低下が抑制され、塗装膜表面に略平行にジメチルシロキサン骨格などのシロキサン骨格を配向させることができる。
ポリシロキサンのベースとなる樹脂塗料と結合する官能基は、ベースとなる樹脂塗料と結合して塗装膜表面への染み出しが少なくなる官能基であれば特に限定されない。
このような官能基としては、アミノ基、エポキシ基、カルビノール基、アクリル基、メタクリル基、ポリエーテル基、メルカプト基、カルボキシル基、フェノール基、およびシラノール基が好ましい。
これらの官能基を用いることで、ベースとなる樹脂塗料と結合して塗装膜表面への染み出しを有効に抑制することができる。
塗料におけるシリコーンオイルの含有量は、塗料の全量に対して2〜20質量%であることが好ましい。
シリコーンオイルの含有量が2質量%以上であると、粉塵付着性および粉塵除去性が発現しやすい。シリコーンオイルの含有量が20質量%以下であると、塗料にシリコーンオイルを混合させることが容易になり、過剰分が表面へと染み出してベタツキが発生することを抑制できる。
本発明において、シリコーンオイルを添加するベースとなる樹脂塗料は、特に限定されず各種のものを用いることができる。具体的には、例えば、紫外線硬化型塗料、電子線硬化型塗料、アクリル樹脂塗料、フタル酸樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗料、2液型ポリウレタン樹脂塗料、湿気硬化型ポリウレタン塗料などの合成樹脂塗料を用いることができる。また、オイルフィニッシュ、合成樹脂ペイントなどの油性塗料や、セラックニス、ニトロセルロースラッカー、漆、柿渋などの天然樹脂塗料を用いることもできる。
紫外線硬化型塗料としては、例えば、ウレタンアクリレート樹脂塗料、エポキシアクリレート樹脂塗料、ポリエステルアクリレート樹脂塗料などを用いることができる。これらはポリマーやオリゴマーなどの樹脂成分を必須として、その他に反応性希釈剤や架橋剤としての反応性モノマー成分、光重合開始剤などが適宜に配合される。例えば高圧水銀ランプを用いた場合、照射量250〜400mJ/cm2で塗装膜を硬化することができる。
シリコーンオイルが結合するベースとしての電子線硬化型塗料については、例えばウレタンアクリレート樹脂が代表的な、好ましいものとして挙げられる。もちろん本発明の目的、効果を阻害しないものであれば各種であってよい。また、その際の電子線硬化のための電子線強度としては、実際的には経済的にも10kV〜100kVの範囲が目安とされる。また電子線の照射エネルギーは、例えば20kGy以上60kGy以下であり、好ましくは25kGy以上40kGy以下である。
ベースとなる樹脂塗料の粘度は、特に限定されないが、200mPa・s/25℃以下が好ましい。粘度をこの範囲内にすると、樹脂塗料へのシリコーンオイルの添加を容易にすることができる。
このようなベースとなる樹脂塗料と結合する官能基は、シロキサン結合による鎖状構造を主鎖に備える直鎖状のシリコーンオイルの場合は、両末端に備え、シロキサン結合による鎖状構造を側鎖に備える場合は、この側鎖の一端と、主鎖の一端または両端に備える。
本発明では、以上に説明したようなシリコーンオイルを含有する塗料を板状の木質基材またはこの木質基材面に予め形成した機能層を構成する層に塗布し、次いで塗装膜を硬化することで、木質板を得ることができる。
木質板としては、例えば、建材を挙げることができ、床材、ドア、収納ユニット、腰壁などの壁材などの内装建材が代表的であるが、その他にも粉塵が付着する建材であれば特に限定されず適用可能である。
木質基材は、建材に従来より用いられているもの、例えばMDF、パーティクルボード、合板、これらの複合基材などを用いることができる。
木質基材は、突板貼りであってもよく、樹脂シートなどのシート貼りであってもよく、無垢材であってもよい。
また、木質基材は、必要に応じて従来より知られている目止処理、着色処理などを予め表面に施すことができる。
このようにして得られる本発明の木質板は、板状の木質基材と、この木質基材の表面に設けられ単一層または複数層から形成された機能層とを備えている。この機能層の表面を構成する層は、前記の塗装膜、すなわち、ベースとなる樹脂塗料と、このベースとなる樹脂塗料と結合する官能基を両末端に有するポリシロキサンのシリコーンオイルとを含有する塗料の塗装膜である。
ここで、機能層は、このシリコーンオイルを含有する塗装膜の単一層により形成することもできるが、このシリコーンオイルを含有する塗装膜を機能層の表面を構成する層として、その下に別の層を有する複数層から形成することもできる。塗装膜の下の層としては、例えば、下塗りの塗料による塗装膜、その上に形成される中塗りの塗料による塗装膜、あるいはシート材による層などが挙げられる。
下塗りの塗料および中塗りの塗料としては、例えば、ウレタンアクリレート樹脂塗料、エポキシアクリレート樹脂塗料、ポリエステルアクリレート樹脂塗料などの紫外線硬化型塗料、アクリル樹脂塗料、フタル酸樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗料、2液型ポリウレタン樹脂塗料、湿気硬化型ポリウレタン塗料などの合成樹脂塗料を用いることができる。また、オイルフィニッシュ、合成樹脂ペイントなどの油性塗料や、セラックニス、ニトロセルロースラッカー、漆、柿渋などの天然樹脂塗料を用いることもできる。
下塗りの塗料および中塗りの塗料は、木質基材またはこの木質基材面に予め形成した機能層を構成する層に塗布することができる。塗布方法としては、例えば、ロールコーター、フローコーター、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、刷毛塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ法、ノズル法、巻き取り法、流し法、盛り付け、パッチング法、グラビアコート法などを用いることができる。塗布は、自動化により、あるいは手動により行うことができる。また、塗布回数は特に制限はなく、1回でも2回以上でもよい。
下塗りの塗料および中塗りの塗料の塗布量は、木質基材の種類およびその処理方法などにより適宜に調節することができるが、素材感や風合い感を損なわないことなどを考慮すると、固形分換算で合計20〜80g/m2が好ましい。
これらの下塗りの塗料および中塗りの塗料の上に、上塗りの塗料として、ベースとなる樹脂塗料と、このベースとなる樹脂塗料と結合する官能基を両末端に有するポリシロキサンのシリコーンオイルとを含有する前記の塗料を塗布することができる。この上塗りの塗料は、下塗りの塗料および中塗りの塗料と同様の方法で塗布することができ、塗布量は、固形分換算で5〜20g/m2が好ましい。
これらの塗料を塗布した後、例えば、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより塗装膜を硬化することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
木質基材として、厚み12mm、幅303mm、長さ1818mmのMDF/合板複合基材の表面に突板を複合した木質フロアを準備した。
この木質フロアの突板表面に、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂をベースとなる樹脂塗料に用いてロールコーターにより塗装を施した。塗装は下塗り、中塗り、上塗りを行い、塗布量は、下塗り10g/m2、中塗り30g/m2、上塗り10g/m2に設定した。
この際、最表面の上塗り塗装においてのみ、両末端にメタクリル基を有するポリジメチルシロキサンのシリコーンオイル(X22−164A 信越化学工業株式会社製 シロキサン重合度20)を塗料全量に対して10質量%となるようにベースとなる樹脂塗料に添加して塗料を調製した。
塗装後、紫外線照射強度を300mJ/cm2、130mWに設定し、速度3.8cm/sで硬化させ、木質板を得た。
(実施例2)
上塗りの塗料に添加するシリコーンオイルの含有量を塗料全量に対して20質量%とした。それ以外は実施例1と同様に木質板を作製した。
(実施例3)
上塗りの塗料に添加するシリコーンオイルの含有量を塗料全量に対して2質量%とした。それ以外は実施例1と同様に木質板を作製した。
(実施例4)
木質基材として、厚み12mm、幅303mm、長さ1818mmのMDF/合板複合基材の表面にオレフィンシートを複合した木質フロアを準備した。また最表面の上塗り塗装において、両末端にメルカプト基を有するポリジメチルシロキサンのシリコーンオイル(X22−167B 信越化学工業株式会社製 シロキサン重合度40)を塗料全量に対して5質量%となるようにベースとなる樹脂塗料に添加して塗料を調製した。それ以外は実施例1と同様に木質板を作製した。
(実施例5)
木質基材として、内装建材に用いる腰壁を準備した。また最表面の上塗り塗装において、両末端にカルビノール基を有するポリジメチルシロキサンのシリコーンオイル(KF−6003 信越化学工業株式会社製 シロキサン重合度80)をベースとなる樹脂塗料を添加して塗料を調製した。それ以外は実施例1と同様に木質板を作製した。
(実施例6)
上塗りの塗料に添加するシリコーンオイルとして両末端にメタクリル基を有するシリコーンオイル(X22−164AS 信越化学工業株式会社製 シロキサン重合度10)を用いた。それ以外は実施例1と同様に木質板を作製した。
(比較例1)
上塗りの塗料に添加するシリコーンオイルとして一つの末端のみにカルビノール基を有するシリコーンオイル(X22−170BX 信越化学工業株式会社製 シロキサン重合度40)を用いた。それ以外は実施例1と同様に木質板を作製した。
(比較例2)
上塗りの塗料にシリコーンオイルを添加せず、それ以外は実施例1と同様に木質板を作製した。
実施例1〜6および比較例1〜2の木質板について次の評価を行った。
[粉塵付着性]
小型チャンバー2m3内に試験体の木質板1m2を接地し、0.3gのモデルハウスダスト(JIS Z8901試験用粉体1記載15種混合ダスト)を気流発生装置を用いて1分間拡散し、試験体上に均一に沈降させた。
その後、再び連続的に気流を発生させ、空気中に飛散したダストの粒子濃度をパーティクルカウンターで経時測定し、飛散量を測定した。測定結果に基づき粉塵付着性を次の基準により評価した。
◎:5μm以下の飛散量が100未満
○:5μm以下の飛散量が100以上500未満
×:5μm以下の飛散量が500以上
[粉塵除去性]
0.3gのモデルハウスダスト(JIS Z8901試験用粉体1記載15種混合ダスト)を気流発生装置を用いて試験体上に均一に沈降させた後、JIS C9802に基づき、次式により家庭用電気掃除機によるじんあい除去能力を測定した。
K=(Md−Mr)/Md
K:じんあい除去能力(%)
Md:散布されたじんあい量(g)
Mr:除去したじんあい量(g)
測定結果に基づき粉塵除去性を次の基準により評価した。
◎:じんあい除去能力が80%以上
○:じんあい除去能力が60%以上80%未満
×:じんあい除去能力が60%未満
評価結果を表1に示す。
Figure 0005853215
表1より、実施例1〜6では、ベースとなる樹脂塗料の紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂に、この紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂と結合する官能基を両末端に有するポリシロキサンのシリコーンオイルを添加した。その結果、粉塵付着性および粉塵除去性のいずれも良好であった。
中でも、重合度が20〜80であるポリシロキサンのシリコーンオイルを用い、シリコーンオイルの含有量を塗料の全量に対して2〜20質量%とした実施例1〜5は粉塵付着性および粉塵除去性のいずれも特に良好であった。
これに対して比較例1では、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂と結合する官能基を一つの末端のみに有するポリシロキサンのシリコーンオイルを添加したが、粉塵付着性および粉塵除去性のいずれも大きく低下した。シリコーンオイルを添加しなかった比較例2も粉塵付着性および粉塵除去性のいずれも大きく低下した。
(実施例7)
厚み12mm、幅303mm、長さ1818mm、のMDF/合板複合基材の表面にオレフィンシートを複合した、木質フロアを準備した。ロールコーターを用いて、これらに電子線硬化型ウレタンアクリレート(オリゴマー樹脂:荒川化学社製「ビームセット577」ウレタンアクリレートと、反応性モノマー:東亞合成社製「M−220」トリプロピレングリコールジアクリレート、東亞合成社製「M−310」トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、の混合物)塗装を施した。塗布料は、下塗りが10g/m、中塗りが30g/m、上塗りが10g/mに設定し、塗布後、電子線照射強度を60kVに設定し、速度10m/minで、電子線照射により硬化させた。この際、最表層の上塗り塗装においてのみ、塗料中に両末端にアミノ基を有するシリコン化合物であるシリコーンオイルX22−161B(信越化学製)を10%添加して塗装を施した。塗装後、粉塵付着性評価、粉塵除去性評価、表面染み出し性評価を実施した。
(実施例8)
上塗り塗装に添加するシリコーンオイルの添加量が20質量%である以外は、実施例1と同様に作成し、評価を実施した。
(実施例9)
上塗り塗装に添加するシリコーンオイルの添加量が2質量%である以外は、実施例1と同様に作成し、評価を実施した。
(実施例10)
上塗り塗装に添加するシリコーンオイルに、両末端にアミノ基を有するシリコーンオイルX22−161A(信越化学製)を用い、添加率5質量%にした以外は実施例1と同様に作成し、評価を実施した。
(実施例11)
上塗り塗装に添加するシリコーンオイルに、両末端にメタクリル基を有するシリコーンオイルX22−164C(信越化学製)を用い、添加率10質量%にした以外は実施例1と同様に作成し、評価を実施した。
(実施例12)
上塗り塗装に添加するシリコーンオイルに、両末端にメタクリル基を有するシリコーンオイルX22−161AS(信越化学製)を用い、添加率を1%にした以外は実施例1と同様に作成し、評価を実施した。
(実施例13)
上塗り塗装に添加するシリコーンオイルの添加率を25質量%にした以外は実施例6と同様に作成し、評価を実施した。
(実施例14)
上塗り塗装に添加するシリコーンオイルに、両末端にメタクリル基を有するシリコーンオイルX22−164(信越化学製)を用いた以外は実施例1と同様に作成し、評価を実施した。
(比較例3)
上塗り塗装に添加するシリコーンオイルに、一方の末端にカルビノール基を有するシリコーンオイルX22−170BX(信越化学製)を用いた以外は実施例7と同様に作成し、評価を実施した。
(比較例4)
上塗り塗装にシリコーンオイルを添加しないこと以外は実施例7と同様に作成し、評価を実施した。
以上の実施例7〜14および比較例3〜4について、前記と同様にして粉塵付着性と粉塵除去性について評価した。また、次の方法によって耐表面染み出し性についても評価した。
〔耐表面染み出し性評価〕
ウエスで基材表面を清掃し、1ヶ月間の光沢値の変化を測定した
(判定)表面染み出し性
◎:光沢値の変化5未満
×:光沢値の変化5以上
評価結果を表2に示す。
Figure 0005853215
表2の結果から、シロキサン重合度10〜80、より好ましくは実施例1〜5のように20〜60のシリコーンオイルの場合には、粉塵付着性、粉塵除去性、そして耐表面染み出し性のいずれも良好であることがわかる。また、実施例7〜11と実施例12、13との対比からシリコーンオイル添加量2〜20質量%の範囲が好ましいこともわかる。
また、比較例3から、シリコーンオイルの種類が側鎖型である場合は、粉塵付着性、粉塵除去性が低下することが確認できる。

Claims (3)

  1. 木質板からなる内装建材であって、
    前記木質板は、板状の木質基材と、この木質基材の表面に設けられ単一層または複数層から形成された機能層とを備え、前記機能層の表面を構成する層は、ベースとなる樹脂塗料と、シロキサン結合による鎖状構造を有し、この鎖状構造を含む構造の少なくとも二つの末端に前記ベースとなる樹脂塗料と結合する官能基を有するシリコーンオイルとを含有する塗料の塗装膜であり、
    前記シロキサン結合による鎖状構造は、ジメチルシロキサン結合による鎖状構造であり、
    前記シロキサン結合は、重合度が10〜80の範囲内であることを特徴とする内装建材
  2. 前記ベースとなる樹脂塗料と結合する官能基は、アクリル基、メタクリル基、メルカプト基、カルビノール基、アミノ基、エポキシ基、ポリエーテル基、カルボキシル基、フェノール基、またはシラノール基であることを特徴とする請求項1に記載の内装建材
  3. 前記塗料における前記シリコーンオイルの含有量は、前記塗料の全量に対して2〜20質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の内装建材
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