JP5852549B2 - 曲げ加工性と溶接継手の疲労特性を兼備した熱延鋼板および角筒状構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
板厚が5〜20mmであり、
質量%で(以下、化学成分について同じ。)、
C :0.05〜0.2%、
Si:2.0%以下(0%を含まない)、
Mn:1.0〜2.5%、
Al:0.002〜0.1%、
REM:0.0002〜0.05%、
Ca:0.0005〜0.01%
をそれぞれ含み、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、
全組織に対する面積率で、
フェライト:50〜90%、
ベイナイト:10〜50%、
マルテンサイト+残留オーステナイト:10%未満
からなる組織を有し、
JIS G0555(1988)に規格される「鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法」により測定された、A系介在物、B系介在物およびC系介在物の合計量が0.05%以下であり、
鋼板の表面から1mm深さまでの表層部の平均結晶粒径が5μm以下である
ことを特徴とする曲げ加工性と溶接継手の疲労特性を兼備した熱延鋼板である。
成分組成が、さらに、
V:0.0005〜0.1%、および/または、
Nb:0.02〜0.2%
を含むものである請求項1に記載の熱延鋼板である。
成分組成が、さらに、
Cu:0.01〜1.0%、
Ni:0.01〜1.0%、
Cr:0.01〜1.0%、
Mo:0.01〜1.0%の1種または2種以上
を含むものである請求項1または2に記載の熱延鋼板である。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱延鋼板を、長手方向に沿って曲げ加工することにより幅方向断面がL字状またはコの字状に形成された曲げ加工部材を1または2本用い、前記1本の曲げ加工部材と1もしくは2枚の平板状部材の端部同士、または、前記2本の曲げ加工部材の端部同士を溶接接合することにより角筒状に形成することを特徴とする角筒状構造体の製造方法である。
まず、本発明に係る鋼板(以下、「本発明鋼板」ともいう。)は、板厚が5〜20mmの熱延鋼板を対象とする。板厚が5mm未満では、構造体としての剛性が確保できなくなる。一方、板厚が20mmを超えると、本発明で規定する組織形態を達成することが難しく、所望の効果が得られなくなる。好ましい板厚は6〜19mmである。
上述したとおり、本発明鋼板は、フェライト+ベイナイト鋼をベースとするものであるが、特に、鋼中の非金属介在物の量を制限するとともに表層部の組織を微細化することを特徴とする。
フェライトが50%未満、または、ベイナイトが50%を超えると、ベイナイト同士が連結することにより伸びが確保できず、一方、フェライトが90%を超え、または、ベイナイトが5%に満たないと、引張強度TSと伸びフランジ性λが確保できない。好ましくは、フェライト:60〜80%、ベイナイト:20〜40%である。
主相であるフェライトおよびベイナイト以外の組織としては、マルテンサイト+残留オーステナイト(MA)を10%未満とするのが望ましい。これはより硬質の組織の存在によって、強度−伸び−伸びフランジ性のバランスが低下し、曲げ加工性が低下するためである。
上記各相の面積率については、各供試鋼板をナイタール腐食し、走査型電子顕微鏡(SEM;倍率1000倍)により5視野撮影し、フェライト、ベイナイト、パーライト、マルテンサイト+残留オーステナイトの各比率を点算法で求めることができる。
鋼中の非金属介在物の量を制限することで、HAZの疲労強度を確保ないし向上させるためである。このような効果を得るためには、JIS G0555(1988)に規格される「鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法」により測定された、A系介在物、B系介在物およびC系介在物の合計量を0.05%以下、好ましくは0.04%以下、さらに好ましくは0.03%以下とする。
ここで、JIS G0555(1988)に規格される「鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法」について説明する。鋼中に存在する非金属介在物は、熱処理による欠陥の発生や使用中における損傷原因となる場合があり、鋼中に存在している介在物の種類や分布、量など調べその清浄度を判定する試験方法が規定されている。試験片は圧延方向又は鍛錬方向に平行に、その中心線を通って切断採取し、その面を検鏡面とし、琢磨仕上げによって鏡面とした後、ノーエッチングの状態で検鏡する。縦横20本の格子線が入った接眼レンズを用い、400倍で観察する。原則的に60視野をランダムに観察し、介在物によって占めた格子点中心の数を数え、清浄度として算出する。
d=(n/p×f)×100
ここに、d:清浄度、p:視野内の総格子点数、f:視野数、n:f個の視野における介在物によって占められる格子点中心の数 を示す。
ここで、介在物の種類には、加工によって粘性変形したA系介在物(細長状で硫化物のMnS、珪酸塩のSiO2など)、加工方向に集団で不連続的に粒状に並んだB系介在物(Al2O3)、粘性変形をしないで不規則に分散したC系介在物(粒状酸化物)の3種類があるため、非金属介在物の量としては、A系介在物、B系介在物およびC系介在物の清浄度の合計量で評価を行う。
一般に、板厚が厚い(厚物の)熱延鋼板では、自動車部品等に用いられている板厚2〜3mm程度の薄物の熱延鋼板に比較して、結晶粒径も大きくなり、板厚方向の結晶粒径が不均一になり、加工性を劣化させる。これは、板厚が厚くなるにつれて表層部と内部の冷却速度の差が大きくなり、結晶粒径が不均一になるためである。そして、板厚が5mm以上になると、表層部と内部の冷却速度の差が臨界値を超えて、加工性に影響するようになる。特に、曲げ加工性では、表面部の結晶粒が粗大であると、割れが発生しやすくなる。
そこで、本発明鋼板では、鋼板の表面から1mm深さまでの表層部の平均結晶粒径を5μm以下に規定した。このように、表層部の結晶粒を微細化することで、表面からの割れの発生を抑制できるようになり、板厚5mm以上の厚物の熱延鋼板の90°曲げ加工性の向上に寄与する。上記表層部の平均結晶粒径は、好ましくは4.5μm以下であり、より好ましくは4μm以下である。
上記表層部の平均結晶粒径については、以下のようにして測定することができる。すなわち、最表層部、0.5mm深さ、1mm深さの3箇所にそれぞれ存在するフェライトとベイナイトの結晶粒径を測定する。マルテンサイト+残留オーステナイトについては、存在量が少ないので、平均結晶粒径の測定においては無視した。具体的には、最表層部、0.5mm深さ、1mm深さの各測定箇所における圧延方向の側面部をナイタール腐食し、走査型電子顕微鏡(SEM;倍率1000倍)により該当部位を5視野撮影する。そして、フェライト粒子1個の粒径については、その重心直径を画像解析により測定して求める。ベイナイト粒子1個の粒径については、フェライトに囲まれたベイナイトの領域全体を1個の粒と定義し、その領域の面積を画像解析により測定し、円相当直径に換算して求める。そして、上記3箇所に存在するフェライト粒子+ベイナイト粒子の粒径全部を算術平均したものを上記表層部の平均結晶粒径と定義した。
C:0.05〜0.20%
Cは強化元素であり、C量が増加するとフェライトの面積率が低下する。0.05%未満では必要な強度が得られず、0.20%を超えるとベイナイトの面積率が大きくなり過ぎ、強度−伸び−伸びフランジ性のバランスが確保できなくなり、90°曲げ加工性が劣化する。好ましくは0.06〜0.15%であり、より好ましくは0.07〜0.13%である。
Siはフェライトの固溶強化元素としてTS−λバランスの改善に寄与し、疲労特性改善にも寄与する。しかし、2.0%を超えるとフェライトが強化されすぎ、強度−伸び−伸びフランジ性のバランスが確保できなくなり、90°曲げ加工性が劣化する。好ましい下限値は0.2%であり、より好ましい下限値は0.5%である。また、好ましい上限値は1.7%であり、より好ましい上限値は1.3%である。
Mnは脱酸元素として添加され、また固溶強化により強度−伸び−伸びフランジ性のバランスの改善に寄与し、疲労特性改善にも寄与する。しかし、1.0%未満であると脱酸が不十分となり強度−伸び−伸びフランジ性のバランスが劣化し、2.0%を超えると焼き入れ性が高くなり過ぎフェライトの面積率が低下する。好ましくは1.2〜2.2%であり、より好ましくは1.5〜2.0%である。
Alは固溶強化により強度−伸び−伸びフランジ性のバランスを改善する効果があり、必要に応じて添加される。しかし、下限値未満ではその効果が得られず、上限値を超えると粒界偏析し粒界破壊を助長して強度−伸び−伸びフランジ性のバランスを低下させ、90°曲げ加工性を劣化させる。好ましくは0.01〜0.08%であり、より好ましくは0.02〜0.06%である。
なお、本発明において、REMとは、ランタノイド元素(LaからLnまでの15元素)およびSc(スカンジウム)とY(イットリウム)を含む意味である。これらの元素のなかでも、La、CeおよびYよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましく、より好ましくはLaおよび/またはCeを含有するのがよい。
Nb:0.02〜0.2%
これらに元素は、フェライト中に微細な炭化物を形成することで母材の疲労特性を改善する。また、HAZにおいて、溶接による加熱時に固溶してオーステナイト粒の微細化を抑制し、かつ、固溶C量および固溶V量を増加させることで、HAZの焼入れ性を向上させて強度を高め、HAZの疲労特性をも改善する。しかし、それぞれ下限値未満であると析出強化効果が不十分であり、上限値を超えて添加しても特性改善効果が得られない。Vのより好ましい含有量は0.002〜0.08%であり、Nbのより好ましい含有量は0.03〜0.15%である。
なお、Tiも、Nb、Vと同様、フェライト中に微細な炭化物を形成することで母材の疲労特性を改善しうる元素であるが、一方で、鋳造時や熱延前の加熱中に粗大なTiN化合物が生成することを抑えることができず、加工割れの起点となり曲げ加工性を低下させるとともに、HAZの疲労強度を低下させる。したがって、本発明においては、Tiは極力添加しない。
Ni:0.01〜1.0%、
Cr:0.01〜1.0%、
Mo:0.01〜1.0%の1種または2種以上
これらの元素は鋼の焼き入れ性を高めることにより、マルテンサイトおよび残留オーステナイト以外の組織の形成を抑制する効果があり、必要に応じて添加される。しかし、下限値未満ではその効果が得られず、上限値を超えるとフェライトが脆化し、強度−伸び−伸びフランジ性のバランスを低下させ、90°曲げ加工性を劣化させる。より好ましくは、それぞれ0.1〜0.8%である。
Caは、硫化物系介在物の形態制御に有用な元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、0.0005%以上含有させることが好ましい。より好ましくは0.001%以上、さらに好ましくは0.0015%以上である。しかしCaを過剰に添加すると、粗大な酸化物を形成し、HAZの疲労強度および靭性が却って劣化する。したがってCaを含有させる場合は、0.01%以下に抑える必要がある。より好ましくは0.008%以下であり、さらに好ましくは0.005%以下である。
[比較形態]
上述したように、従来、ブームのような角筒状構造体は、図1(a)にその幅方向断面を示すように、熱延鋼板の平板を4枚組み合わせて、4箇所のコーナー部を溶接接合した構造(4プレートブーム)を採用していた。この構造は平板のみの組み合わせであるため作製が簡易で、また、断面が矩形状であるため断面二次モーメントが大きい点では好ましいが、溶接部が、構造体強度および疲労強度の設計上不利なコーナー部に4箇所も配置しているため、構造体としての強度、剛性の確保に課題を有していた。
図1(b)は、コの字状の曲げ加工部材2本を用い、それらの幅端部同士を溶接接合したものであり、溶接部を構造体強度および疲労強度の設計上有利な平面部に配置するとともに、溶接部の箇所も2箇所に減らすことができ、構造体としての強度、剛性の向上効果が大きい。
また、図1(c)は、コの字状の曲げ加工部材1本と平板状部材1枚とを組み合わせ、それらの幅端部同士を溶接接合したものであり、溶接部はコーナー部に存在するが、その箇所を2箇所に減らすことができ、上記図1(b)の構造より劣るものの、上記図1(a)の比較形態に比べ、構造体としての強度、剛性の向上効果が得られる。
また、図1(d)は、L字状の曲げ加工部材2本を用い、それらの幅端部同士を溶接接合したものであり、溶接部はコーナー部に存在するが、その箇所を2箇所に減らすことができ、上記図1(b)の構造より劣るものの、上記図1(a)の比較形態に比べ、構造体としての強度、剛性の向上効果が得られる。
[溶鋼の調製]
まず、溶存酸素量と全酸素量を調整した溶鋼に、所定の順番で所定の合金元素を添加することによって、粒内フェライトの生成核となる所望の酸化物を生成させることができる。特に本発明では、粗大な酸化物が生成しないように、溶存酸素量を調整した後、全酸素量を調整することが極めて重要である。
熱間圧延前の加熱は1050〜1300℃で行う。この加熱によりオーステナイト単相とする。V、Nbが添加される場合は、オーステナイトに固溶させる。加熱温度が1050℃未満ではV、Nbがオーステナイトに固溶できず、粗大な炭化物が形成されるため疲労特性改善効果が得られない。一方、1300℃を超える温度は操業上困難である。また、不純物としてTiが含まれる場合、炭化物のうち最も溶体化温度の高いTiを固溶させる点でも、TiCの溶体化温度以上1300℃以下が必要である。加熱温度の好ましい下限は1100℃、さらに好ましい下限は1150℃である。
熱間圧延は、仕上げ圧延温度が880℃以上になるように行う。仕上げ圧延温度を低温化しすぎるとフェライト変態が高温で起るようになり、フェライト中の析出炭化物が粗大化するため、一定以上の仕上げ圧延温度が必要である。仕上げ圧延温度は、オーステナイト粒を粗大化してベイナイトの粒径を大きくするため、900℃以上とするのがより好ましい。なお、仕上げ圧延温度の上限は温度確保が難しいため、1000℃とする。
本発明の熱延鋼板の板厚は5〜20mmであるが、表層部の結晶粒を微細化し、所定の粒径範囲に制御するために、上記の圧延温度の制御だけでなく、仕上げ圧延のタンデム圧延の最終圧下率を15%以上とすることが必要である。通常、仕上げ圧延は、5〜7パスのタンデム圧延を実施するが、板のカミ込み制御の観点でパススケジュールが設定され、最終圧下率は、12〜13%程度までである。上記最終圧下率は、好ましくは16%以上、より好ましくは17%以上である。上記最終圧下率は、20%、30%と高いほど、結晶粒をより微細化する効果が得られるが、圧延制御の観点で上限は30%程度に規定される。
上記仕上げ圧延終了後、5s以内に20℃/s以上の冷却速度(第1急冷速度)で急冷し、580℃以上670℃未満の温度(急冷停止温度)で急冷を停止する。フェライト変態の開始温度を低温化することによりフェライト中に形成される析出炭化物を微細化するためである。冷却速度(第1急冷速度)が20℃/s未満ではパーライト変態が促進され、または、急冷停止温度が580℃未満ではパーライト変態またはベイナイト変態が促進され、いずれも所定の相分率のフェライト−ベイナイト鋼を得るのが困難になり、強度−伸び−伸びフランジ性のバランスが低下し、曲げ加工性が劣化する。一方、急冷停止温度が670℃以上になるとフェライト中の析出炭化物が粗大化してしまい、HAZの疲労特性が確保できない。急冷停止温度は、好ましくは600〜650℃、さらに好ましくは610〜640℃である。
上記急冷停止後、放冷または空冷により10℃/s以下の冷却速度(緩冷速度)で5〜20s緩冷する。これによりフェライトの形成を十分に進行させつつ、フェライト中の析出炭化物を適度に微細化させる。冷却速度が10℃/sを超え、または、緩冷時間が5s未満では、フェライトの形成量が不足する。一方、緩冷時間が20sを超えると析出炭化物が粗大化せず、HAZの疲労特性が確保できない。
上記緩冷後、再度20℃/s以上の冷却速度(第2急冷速度)で急冷し、300℃超450℃以下で巻き取る。残部をベイナイト主体の組織にすることで強度−伸び−伸びフランジ性のバランスを改善するためである。冷却速度(第2急冷速度)が20℃/s未満、または、巻取り温度が450℃超では、パーライトが形成され、一方300℃未満では、マルテンサイトや残留オーステナイトが多く形成され、強度−伸び−伸びフランジ性のバランスが低下し、曲げ加工性が劣化する。
真空溶解炉(容量150kg)を用い、表1に示した化学成分を含有する供試鋼を溶製し、150kgのインゴットに鋳造して冷却した。真空溶解炉で供試鋼を溶製するに当っては、Al、REM、Ca以外の元素について成分調整するとともに、C,SiおよびMnから選ばれる少なくとも1種の元素を用いて脱酸して溶鋼の溶存酸素量を調整した。溶存酸素量を調整した溶鋼を1〜10分程度攪拌して溶鋼中の酸化物を浮上分離させることによって溶鋼の全酸素量を調整した。
全酸素量を調整した溶鋼に、REMおよびCaを添加することによって成分調整した溶鋼を得た。なお、REMはLaを約25%とCeを約50%含有するミッシュメタルの形態で、CaはNi−Ca合金、またはCa−Si合金、またはFe−Ca圧粉体の形態で、それぞれ添加した。
次に、構造体の強度解析について、既述の図1(a)〜(c)に示す断面形状をもとに、汎用有限要素解析ソフト「ABAQUS」を用いてシミュレーション計算を行い、強度・剛性評価を実施した。なお、シミュレーション計算の前提条件としては、図1(a)〜(c)に示す断面形状を有する角筒状構造体について、断面の外周形状を1辺50cmの正方形、部材の厚みを1cm、角筒状構造体の長さを200cmとして数値解析上のメッシュを作成し、溶接部の材料強度データとして、表3に示すHAZ細粒域の疲労強度の値を入力し、限界疲労状態での構造体の剛性および座屈強度を評価した。表4に解析結果を示す。解析No.1は、従来の熱延鋼板相当の鋼No.6(表3参照)を用い、その平板4枚で構成した「(a)参考形態」(従来の4プレートブーム相当)について、強度解析を行ったものである。解析No.2は、本発明鋼板である鋼No.1(表3参照)を用い、その平板4枚で構成した「(a)参考形態」(従来の4プレートブーム相当)について、強度解析を行ったものである。また、解析No.3は、同じく本発明鋼板である鋼No.1を用い、それを90°曲げ加工して形成したコの字状の曲げ加工部材2本で構成した「(b)実施形態1」について、強度解析を行ったものである。また、解析No.4は、同じく本発明鋼板である鋼No.1を用い、それを90°曲げ加工して形成したコの字状の曲げ加工部材1本と平板1枚とで構成した「(c)実施形態2」について、強度解析を行ったものである。解析結果の剛性および座屈強度は、解析No.1の剛性および座屈強度を基準値としてともに「1.0」とし、相対値で表示したものである。
Claims (4)
- 板厚が5〜20mmであり、
質量%で(以下、化学成分について同じ。)、
C :0.05〜0.2%、
Si:2.0%以下(0%を含まない)、
Mn:1.0〜2.5%、
Al:0.002〜0.1%、
REM:0.0002〜0.05%、
Ca:0.0005〜0.01%
をそれぞれ含み、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、
全組織に対する面積率で、
フェライト:50〜90%、
ベイナイト:10〜50%、
マルテンサイト+残留オーステナイト:10%未満
からなる組織を有し、
JIS G0555(1988)に規格される「鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法」により測定された、A系介在物、B系介在物およびC系介在物の合計量が0.05%以下であり、
鋼板の表面から1mm深さまでの表層部の平均結晶粒径が5μm以下である
ことを特徴とする曲げ加工性と溶接継手の疲労特性を兼備した熱延鋼板。 - 成分組成が、さらに、
V:0.0005〜0.1%、および/または、
Nb:0.02〜0.2%
を含むものである請求項1に記載の熱延鋼板。 - 成分組成が、さらに、
Cu:0.01〜1.0%、
Ni:0.01〜1.0%、
Cr:0.01〜1.0%、
Mo:0.01〜1.0%の1種または2種以上
を含むものである請求項1または2に記載の熱延鋼板。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱延鋼板を、長手方向に沿って曲げ加工することにより幅方向断面がL字状またはコの字状に形成された曲げ加工部材を1または2本用い、前記1本の曲げ加工部材と1もしくは2枚の平板状部材の端部同士、または、前記2本の曲げ加工部材の端部同士を溶接接合することにより角筒状に形成することを特徴とする角筒状構造体の製造方法。
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