JP5851496B2 - 修飾ステムループオリゴヌクレオチドが仲介する逆転写および塩基間隔が制限された定量的pcr - Google Patents

修飾ステムループオリゴヌクレオチドが仲介する逆転写および塩基間隔が制限された定量的pcr Download PDF

Info

Publication number
JP5851496B2
JP5851496B2 JP2013515301A JP2013515301A JP5851496B2 JP 5851496 B2 JP5851496 B2 JP 5851496B2 JP 2013515301 A JP2013515301 A JP 2013515301A JP 2013515301 A JP2013515301 A JP 2013515301A JP 5851496 B2 JP5851496 B2 JP 5851496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleotides
mirna
amplification
oligonucleotide
stem
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013515301A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013530698A (ja
Inventor
ヘン ホン トオ
ヘン ホン トオ
アズリンダ ビー. アンワル
アズリンダ ビー. アンワル
Original Assignee
ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール
ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール, ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール filed Critical ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール
Publication of JP2013530698A publication Critical patent/JP2013530698A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5851496B2 publication Critical patent/JP5851496B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/6853Nucleic acid amplification reactions using modified primers or templates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/6846Common amplification features
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/178Oligonucleotides characterized by their use miRNA, siRNA or ncRNA

Description

関連出願の相互参照
本願は、2010年6月14日に出願された米国仮特許出願第61/354,683号の恩典、およびその優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明は、試料中の標的miRNAを検出することを含む、試料中の標的RNAを検出する方法に関する。
発明の背景
マイクロRNA(miRNA)は、後生動物における遺伝子発現の重要な転写後調節因子として発見された小型の非コードRNA(典型的には約22ヌクレオチド長)である(Bartel, 2004)。miRNAの発現は種々の生理学的プロセスにおいて重要であるが(Harfe, 2005;Miska, 2005;Carthew, 2006;Lindsay, 2008)、miRNAの調節不全は、多くのヒト疾患、例えば癌(Visone & Croce, 2009)、筋疾患(Chen et al., 2009a)、および神経変性(Hebert & De Strooper, 2009)などの病態に関与する。
最近では、成熟miRNAが血液中で著しく安定であることが見出され、したがって、ヒト疾患の潜在的な非侵襲的バイオマーカーとしての大きな見込みがある(Chen et al., 2008; Mitchell et al., 2008)。今日までに、多くの種において数百種の固有のmiRNAが同定されており、これらの各々は多様な標的遺伝子を調節すると予測される(Bartel, 2009)。インシリコ予測およびインビボ検証の両方によるより多くのmiRNAの継続的な発見(Mendes et al., 2009)により、miRNA発現のプロファイリングは、miRNAの分布および調節の評価のためだけでなく、新規のバイオマーカーおよび潜在的な治療標的の同定のために必須のツールのままである。
成熟miRNAは、直接的または間接的のいずれかの方法により検出することができる。直接的な検出方法(例えば、蛍光、比色、および電気に基づく方法)は、試料測定値の間に導入される変動を最小限にすることができるが、これらの方法は、低いアッセイ感度およびmiRNAホモログ間での判別が悪いことにより限定される(Hunt et al., 2009に概説される)。
間接的な検出方法は、主に、ノーザンブロッティング、マイクロアレイ、および逆転写PCR(RT-PCR)を含む。ノーザンブロッティングおよびマイクロアレイはどちらも広く使用されているが、半定量的であり、感度が悪く、多量の出発RNAを要求する。マイクロアレイは、miRNAのハイスループット検出および絶対的定量化の潜在的可能性を提供するが(Bissels et al., 2009)、最近の試験により、比較においてリアルタイムPCRは感度および特異度の点で依然としてすぐれていることが示された(Chen et al., 2009b)。等温方法を用いてmiRNAを測定する最近の試みは、ある程度の成功をおさめているが、多大な労力を要する(Cheng et al., 2009;Yao et al., 2009)。
今日まで、リアルタイムRT-PCRが、RNA種の定量のための最も高感度で効率的な方法であり続けている。TaqManプローブベースのリアルタイムRT-PCRが報告されており、miRNAの効率的で特異的な検出のために広く使用されてきた。しかし、追加のプローブ加水分解段階のため、TaqManアッセイは、miRNAの迅速な検出のための高速サーモサイクリングプロトコールに適合しなかった。さらに、ディープシークエンシングによる数百の候補miRNAの漸増同定(Bar et al., 2008;Goff et al., 2009)による新規miRNAの各々についてのTaqManプローブの設計は、コスト的に不可能なだけでなく、技術的に困難であり、実際的な困難に直面する(Varkonyi-Gasic et al., 2007)。
蛍光プローブに依存することなくmiRNA検出を改善するための試みがなされてきた(Raymond et al., 2005;Shi & Chiang, 2005;Sharbati-Tehrani et al., 2008)。しかし、これらのアッセイは、通常、複数の試料処理段階を含み(Shi & Chiang, 2005)、検出の限定されたダイナミックレンジ(Raymond et al., 2005)、および/または相同miRNAに対する乏しい特異性(Raymond et al., 2005;Shi & Chiang, 2005;Sharbati-Tehrani et al., 2008)を経験した。これらのアッセイおよびいくつかの他のTaqManアッセイ(Varkonyi-Gasic et al., 2007;Yang et al., 2009)の共通の戦略は、複数のmiRNAの増幅および検出のための汎用、すなわち一般的なリバースPCRプライマーおよび/または蛍光プローブを使用することである。そのようなアッセイにおいて、リアルタイムPCRの特異性は、フォワードPCRプライマーによってのみ達成され、それは多くの相同miRNAの判別のために十分ではない。さらに、これらのアッセイが、RNA単離なしで、miRNAの迅速なマルチプレックス直接検出が可能であるか否かはまだ決定されていない。
種々のゲノムにおけるマイクロRNAの数は依然として同定中であるが、異なるmiRNAの数は数千と多いことが予測される。ノーベル賞が、RNA干渉について2006年に授与されてから(A.Z. Fire & Craig C. Mello)、miRNAを検出するためのアッセイの需要が着実に増加してきた。
このように、miRNAを含む試料中の標的RNAを検出する代替方法の必要性が存在する。
本発明は、試料中の標的RNA分子を検出する方法を提供する。標的RNA分子は、任意のRNA分子であってよく、一部の態様においてmiRNAであってよい。
本発明の方法は、標的RNAを含む試料から標的RNAを特異的に同定するための逆転写(RT)およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅の組み合わせを使用する。本方法は、修飾ステムループRTオリゴヌクレオチドおよび標的RNAを特異的に選択するためのヘミネステッド(hemi-nested) PCRプライマーの組み合せを使用する。RTオリゴヌクレオチド内での修飾ヌクレオチドの使用は、DNAポリメラーゼの遮断を提供し、増幅反応の間、ミスプライミングを防止する。したがって、増幅反応へのRTオリゴヌクレオチドのキャリーオーバーは減少またはさらに消失しうる一方、標的miRNAに対する特異性は、試料中のmiRNAホモログの存在があるときでさえ増強されうる。
本発明の方法は、標的RNA種(例えば前駆体miRNAからのおよび相同ファミリーメンバーからの成熟miRNAなど)の特異的で迅速な検出を提供しうる。高速サーモサイクリングプロファイル(1サイクル当たり10秒)を使用し、まだ、依然として特異性および感度を保持することが可能でありうる。
本方法は、マルチプレックス様式で使用することもでき、煩雑な全RNA単離を必要とせず、細胞溶解物から直接miRNAのスクリーニングおよび検出を行うために有用でありうる。
本発明の方法は、既存のリアルタイムPCR方法に合わせて行ってもよい。リアルタイムPCRは、遺伝子発現測定のための標準的な方法となっており、遺伝子プロファイリングのためのおよびバイオマーカー発見のための極めて有用な技術となっている。
本方法は、経済的で、高性能で、使用が簡単で、迅速で、高感度でありうる。
このように、一局面において、本発明は、試料中の標的RNA分子を検出するための方法を提供し、該方法は、
RTオリゴヌクレオチドおよび3'伸長領域を含む逆転写産物を産生するために、RTオリゴヌクレオチドを使用して試料中に含まれる標的RNAを逆転写する段階であって、該RTオリゴヌクレオチドが、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾されたかまたは修飾可能な1つまたは複数のヌクレオチドを含むステムループ部分、および、該標的RNAの下流部分に対して相補的である標的アニーリング部分を含み、該標的アニーリング部分が該ステムループ部分に対して3'に位置する、段階;
増幅産物を産生するために、(i)該逆転写産物の3'伸長領域の下流部分にアニールする第1増幅プライマーおよび(ii)該逆転写産物に対して相補的なDNA鎖の接続部分にアニールする第2増幅プライマーを使用して該逆転写産物を増幅する段階であって、該接続部分が、該逆転写産物中の該RTオリゴヌクレオチドの3'部分および3'伸長領域の5'部分に対して相補的である領域を含む、段階;ならびに
該増幅産物を検出する段階
を含み、
該ステムループ部分は、該逆転写段階のために使用される条件下でステムループ構造をとるが、該増幅のために使用される条件下ではステムループ構造をとらず、かつ、
該ステムループ部分がDNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾可能である1つまたは複数のヌクレオチドを含む場合、該増幅段階に先立ち該修飾可能なヌクレオチドを修飾する段階をさらに含む。
いくつかの態様において、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾されたかまたは修飾可能な1つまたは複数のヌクレオチドが、ステムループ部分のループ内に位置する。
いくつかの態様において、ステムループ部分は、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾された1つまたは複数のヌクレオチドを含む。例えば、ステムループ部分のループは、脂肪族炭素鎖(例えばC6の脂肪族鎖)で修飾されたヌクレオチドを含みうる。
あるいは、いくつかの態様において、ステムループ部分は、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾可能な1つまたは複数のヌクレオチドを含み、本方法は、修飾可能なヌクレオチドを増幅段階に先立ち修飾する段階をさらに含む。例えば、修飾可能なヌクレオチドはdUであり得、修飾はウラシル-DNAグリコシラーゼでの処理を含んでもよい。別の例において、ステムループ部分のループは、1つまたは複数のリボヌクレオチドを含み得、修飾はRNaseでの処理を含んでもよい。
いくつかの態様において、標的RNAは、miRNAである。
別の局面において、本発明は、試料中の標的miRNA分子を検出するための方法を提供し、該方法は、
RTオリゴヌクレオチドおよび3'伸長領域を含む逆転写産物を産生するために、RTオリゴヌクレオチドを使用して該試料中に含まれる該標的miRNAを逆転写する段階であって、該RTオリゴヌクレオチドが、1つのdUヌクレオチドを含むステムループ部分、および、該標的miRNAの下流部分に対して相補的である標的アニーリング部分を含み、該標的アニーリング部分が該ステムループ部分に対して3'に位置する、段階;
ウラシル-DNAグリコシラーゼでの処理により該dUヌクレオチドを修飾する段階;
増幅産物を産生するために、(i)該逆転写産物の該3'伸長領域の下流部分にアニールする第1増幅プライマーおよび(ii)該逆転写産物に対して相補的なDNA鎖の接続部分にアニールする第2増幅プライマーを使用して、該逆転写産物を増幅する段階であって、該接続部分が、該逆転写産物中の該RTオリゴヌクレオチドの3'部分および該3'伸長領域の5'部分に対して相補的である領域を含む、段階;ならびに、
該増幅産物を検出する段階
を含み、
該ステムループ部分は、該逆転写段階のために使用される条件下でステムループ構造をとるが、該増幅のために使用される条件下では該ステムループ構造をとらない。
本発明の方法のいくつかの態様において、増幅プライマーは、3'末端ヌクレオチドとしてDNAにハイブリダイズしたときに熱安定性を示すヌクレオチドを有する。例えば、DNAにハイブリダイズしたときに熱安定性を示すヌクレオチドは、N型フラノース立体構造内に固定されうる。
RNAがmiRNAである場合を含むいくつかの態様において、逆転写産物にアニールした場合の第1増幅プライマーの3'末端の位置とDNA鎖にアニールした場合の第2増幅プライマーの3'末端の位置の間の増幅産物の配列中での距離は、-4〜5ヌクレオチドである。
いくつかの態様において、RTオリゴヌクレオチドの標的アニーリング部分は、5〜15ヌクレオチド長である。
いくつかの態様において、ステムループのステム部分は、4〜6ヌクレオチド長であり、ステムループのループ部分は、4〜12ヌクレオチド長である。
いくつかの態様において、第2増幅プライマーは、RTオリゴヌクレオチドのステムループ部分の13〜24ヌクレオチド、RTオリゴヌクレオチドの標的アニーリング部分の5〜15ヌクレオチド、および逆転写産物の3'伸長領域の5'末端での1〜5ヌクレオチドに対して相補的な配列にアニールする。
いくつかの態様において、第1増幅プライマーは、12〜27ヌクレオチド長である。
いくつかの態様において、検出段階は、蛍光挿入色素により検出することを含む。例えば、蛍光挿入色素は、SYBR GreenまたはEva Greenでありうる。
本発明の他の局面および特徴は、添付の図面と併せて、本発明の具体的な態様の以下の説明を再検討する際に、当業者に明らかになるであろう。
[本発明1001]
試料中の標的RNA分子を検出するための方法であって、
RTオリゴヌクレオチドおよび3'伸長領域を含む逆転写産物を産生するために、RTオリゴヌクレオチドを使用して試料中に含まれる標的RNAを逆転写する段階であって、該RTオリゴヌクレオチドが、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾されたかまたは修飾可能な1つまたは複数のヌクレオチドを含むステムループ部分、および、該標的RNAの下流部分に相補的である標的アニーリング部分を含み、該標的アニーリング部分が該ステムループ部分に対して3'に位置する、段階;
増幅産物を産生するために、(i)該逆転写産物の3'伸長領域の下流部分にアニールする第1増幅プライマーおよび(ii)該逆転写産物に対して相補的なDNA鎖の接続部分にアニールする第2増幅プライマーを使用して該逆転写産物を増幅する段階であって、該接続部分が、該逆転写産物中の該RTオリゴヌクレオチドの3'部分および3'伸長領域の5'部分に対して相補的である領域を含む、段階;ならびに
該増幅産物を検出する段階
を含み、
該ステムループ部分は、該逆転写段階のために使用される条件下でステムループ構造をとるが、該増幅のために使用される条件下ではステムループ構造をとらず、かつ、
該ステムループ部分がDNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾可能である1つまたは複数のヌクレオチドを含む場合、該増幅段階に先立ち該修飾可能なヌクレオチドを修飾する段階をさらに含む、方法。
[本発明1002]
DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾されたかまたは修飾可能な前記1つまたは複数のヌクレオチドが前記ステムループ部分の前記ループ内に位置する、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記ステムループ部分が、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾された1つまたは複数のヌクレオチドを含む、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
前記ステムループ部分の前記ループが、脂肪族炭素鎖を用いて修飾されたヌクレオチドを含む、本発明1003の方法。
[本発明1005]
前記ステムループ部分が、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾可能な1つまたは複数のヌクレオチドを含み、前記方法が、前記増幅段階に先立ち前記修飾可能なヌクレオチドを修飾する段階をさらに含む、本発明1001または1002の方法。
[本発明1006]
前記修飾可能なヌクレオチドがdUであり、前記修飾段階がウラシル-DNAグリコシラーゼを用いた処理を含む、本発明1005の方法。
[本発明1007]
前記ステムループ部分の前記ループが1つまたは複数のリボヌクレオチドを含み、前記修飾段階がRNaseを用いた処理を含む、本発明1005の方法。
[本発明1008]
前記標的RNAがmiRNAである、本発明1001〜1006のいずれかの方法。
[本発明1009]
試料中の標的miRNA分子を検出するための方法であって、
RTオリゴヌクレオチドおよび3'伸長領域を含む逆転写産物を産生するために、RTオリゴヌクレオチドを使用して該試料中に含まれる該標的miRNAを逆転写する段階であって、該RTオリゴヌクレオチドが、1つのdUヌクレオチドを含むステムループ部分、および、該標的miRNAの下流部分に相補的である標的アニーリング部分を含み、該標的アニーリング部分が該ステムループ部分に対して3'に位置する、段階;
ウラシル-DNAグリコシラーゼでの処理により該dUヌクレオチドを修飾する段階;
増幅産物を産生するために、(i)該逆転写産物の該3'伸長領域の下流部分にアニールする第1増幅プライマーおよび(ii)該逆転写産物に対して相補的なDNA鎖の接続部分にアニールする第2増幅プライマーを使用して、該逆転写産物を増幅する段階であって、該接続部分が、該逆転写産物中の該RTオリゴヌクレオチドの3'部分および該3'伸長領域の5'部分に相補的である領域を含む、段階;ならびに、
該増幅産物を検出する段階
を含み、
該ステムループ部分は、該逆転写段階のために使用される条件下でステムループ構造をとるが、該増幅のために使用される条件下では該ステムループ構造をとらない、方法。
[本発明1010]
第2増幅プライマーが、3'末端ヌクレオチドとしてDNAにハイブリダイズした場合に熱安定性を示す1つのヌクレオチドを有する、本発明1001〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
DNAにハイブリダイズしたときに熱安定性を示す前記ヌクレオチドが、N型フラノース立体構造内に固定される、本発明1010の方法。
[本発明1012]
前記逆転写産物にアニールした場合の第1増幅プライマーの3'末端の位置と、DNA鎖にアニールした場合の第2増幅プライマーの3'末端の位置との間の増幅産物の配列中での距離が-4〜5ヌクレオチドである、本発明1001〜1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
前記RTオリゴヌクレオチドの前記標的アニーリング部分が5〜15ヌクレオチド長である、本発明1001〜1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
前記ステムループの前記ステム部分が4〜6ヌクレオチド長であり、該ステムループの前記ループ部分が4〜12ヌクレオチド長である、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
第2増幅プライマーが、前記RTオリゴヌクレオチドの前記ステムループ部分の13〜24ヌクレオチド、該RTオリゴヌクレオチドの前記標的アニーリング部分の5〜15ヌクレオチド、および前記逆転写産物の3'伸長領域の5'末端の1〜5ヌクレオチドに相補的な配列にアニールする、本発明1001〜1014のいずれかの方法。
[本発明1016]
第1増幅プライマーが12〜27ヌクレオチド長である、本発明1001〜1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
前記検出段階が、蛍光挿入色素を用いて検出することを含む、本発明1001〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
前記蛍光挿入色素がSYBR GreenまたはEva Greenである、本発明1017の方法。

例としてのみの方法により本発明の態様を例示する、表および添付の図面は、以下のとおりである。
[表1]ステムループまたは直鎖リアルタイムRT-PCRを使用した、成熟miRNAと前駆体miRNAの間の判別。各々の合成成熟miRNAまたはインビトロ転写されたプレmiRNAの109コピーを、ステムループまたは直鎖のいずれかのRTオリゴヌクレオチドで逆転写し、同じPCRプライマーを使用して定量した。成熟miRNAと前駆体miRNAの間の判別を、ΔCt値(ΔCt=Ct前駆体-Ct成熟)として表した。
[表2]miRNA前駆体のクローニングおよびリアルタイムRT-PCRのためのプライマー配列。
[表3]成熟miRNAの検出のためのプライマー配列。
[表4]ステムループおよび直鎖RTオリゴヌクレオチドの比較。最も安定な二次構造をとり、直鎖RTオリゴヌクレオチドについてのΔGを算出した。各miRNAについてのステムループと直鎖RTオリゴヌクレオチドの間の配列の違いに下線を引いている。
[表5]表1〜4および図に示す種々の配列を列挙し、各配列について配列番号を割り当てている。
本発明の方法の逆転写段階の概要を示す概略図である。 本発明の方法の増幅段階の概要を示す概略図である。 本発明の方法の態様の概要を提供する模式的略図。 DNAブロック(dU)は、DNAポリメラーゼによるDNA伸長を阻害する。 ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイの設計についての模式図。Pfは、フォワードプライマーを示し;Prは、リバースプライマーを示す。 第1増幅(Pf)および第2増幅(Pr)プライマーの配置(ギャップまたはオーバーラップを示す)。 ループのサイズの比較。小さなループ(4塩基)が、より大きなループ(12塩基)と同等に機能する。 ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイを設計するためのフローチャートおよび例。 miR-21ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイの性能。(A、B)miR-21 cDNA(108〜10コピー)を、標準的サイクリングプロトコールと比較し、高速サイクリング条件下でリアルタイムPCRアッセイにより増幅した。(C、D)合成miR-21 miRNA(109〜102コピー)の希釈物、(E、F)A172細胞からの全RNA(100ng〜1pg)の希釈物、および(G、H)U251細胞(細胞100,000〜10個)の希釈物から単離された全RNAを、miR-21 RTオリゴヌクレオチドを用いて逆転写した。cDNA試料(10% v/v)を、非鋳型の対照(NTC)と共に、リアルタイムPCRにより増幅した。アッセイの増幅プロット(A、C、E、G)および標準曲線(B、D、F、H)を示した。標準曲線をCt対Log(RT当たりの出発物質)としてプロットした。 U251全RNAスパイクインを用いた合成let-7dおよびlet-7e miRNA希釈物の定量。合成let-7d(A)またはlet-7e(B)の標準的な希釈物(109、108、および107コピー)を、U251細胞から単離した100ngの全RNAを用いてスパイクした。対照のmiRNA希釈物または全RNAスパイクインmiRNA希釈物を、let-7dまたはlet-7e RTプライマーで逆転写した。cDNA試料(10% v/v)をリアルタイムPCRにより増幅した。標準曲線をCt対Log(PCR反応当たりのインプットcDNA)としてプロットした。 ヒトlet-7ホモログの判別。A)8つのlet-7ファミリーmiRNAの配列アラインメント。B)特異的ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイによる各let-7 miRNAの相対検出(%)。 miR-24(A、B)、miR-92(C、D)、およびmiR-218(E、F)リアルタイムRT-PCRアッセイのダイナミックレンジおよび効率。合成miR-24、-92、および-218の標準希釈物を、miRNA特異的RTオリゴヌクレオチドで逆転写した。cDNA試料(10% v/v)を、非鋳型の対照(NTC)と共に、リアルタイムPCRにより増幅した。アッセイの増幅プロット(A、C、E)および標準曲線(B、D、F)を示した。標準曲線をCt対Log(PCR反応当たりのインプットcDNA)としてプロットした。 dU組込みRTオリゴヌクレオチドを使用したヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイの特異性。A)dTおよびdU RTオリゴヌクレオチドの配列比較。dU残基に下線を引いている。B)let-7aアッセイによるlet-7f miRNAの相対検出。let-7aまたはlet-7fの109コピーを、100nMまたは250nMのdT、dU1、またはdU2 RTオリゴヌクレオチドで逆転写した。cDNA試料(10% v/v)を、UDGを用いて、あるいは用いずに処理し、let-7a特異的PCRプライマーを使用して増幅した。let-7f miRNAの非特異的増幅を算出し、相対検出の%として表した。エラーバーは、4通りの測定値の標準偏差を示す。UDG処理試料および非処理試料の間の相対検出における有意差を、スチューデントのt検定により算出した(**p<0.001)。 miRNAリアルタイムRT-PCR産物のゲル電気泳動。リアルタイムRT-PCRアッセイを、106コピーの合成miRNA(a)、10ngのU251全RNA(b)または非鋳型の対照(c)を用いて実施した。U6を、10pgのU251全RNAから増幅した。増幅産物および25bpマーカー(M)を、4%アガロースゲルにより分解した。産物のサイズ:miR-7(37bp)、miR-21(38bp)、miR-218(36bp)、let-7f(45bp)、let-7g(42bp)、let-7i(38bp)、およびU6(94bp)。 GDNFは、U251細胞におけるmiRNA発現を調節した。選択された成熟miRNA(A、B)の調節を、ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRにより定量し、非刺激の対照試料に対する変化倍率として表した。エラーバーは、3通りの測定値の標準偏差を示す。処理試料および対照試料の間の遺伝子発現における有意差を、スチューデントのt検定により算出した(*p<0.01;**p<0.001)。 dU組込みRTオリゴヌクレオチドのUDG処理は、それがRT後にPCRプライマーとして働くことを防止した。A)miR-21についての標準(dT)およびdU組込み(dU)RTオリゴヌクレオチドの配列。合成miR-21(109コピー)を、dT(B)またはdU(C)RTオリゴヌクレオチドを用いて逆転写した。cDNA試料(10% v/v)を、次に、UDGを用いて(赤色増幅曲線)あるいは用いずに(青色増幅曲線)処理し、フォワードおよびリバースプライマー両方(+Pr)またはフォワードプライマー単独(-Pr)を用いたリアルタイムPCRに付した。D)RNaseで処理したかあるいは処理していない、RNA配列をループ中に有するRTオリゴヌクレオチド。 6つのGDNF調節miRNAのマルチプレックス定量。miR-7(A)、miR-21(B)、miR-218(C)、let-7f(D)、let-7g(E)、およびlet-7i(F)の発現を、24のmiRNAのマルチプレックスリアルタイムRT-PCRアッセイにより定量した。これらのmiRNAの調節を、非刺激の対照試料に対する変化倍率として表した。エラーバーは、3通りの測定値の標準偏差を示す。処理試料および対照試料の間の遺伝子発現における有意差を、スチューデントt−検定により算出した(*p<0.01;**p<0.001)。 U251ヒト神経膠芽腫細胞におけるGDNF誘導シグナル伝達活性化。対照およびGDNF刺激U251細胞を、2% SDSを用いて溶解した。全タンパク質溶解物を、マイクロBCAタンパク質アッセイ(Pierce, Rockford, IL, USA)を使用して定量した。全タンパク質(10μg)をSDS-PAGEにより分離し、ホスホERK1/2(Cell phospho-Signaling Technologies, Danvers, MA, USA)に対する抗体を用いてプローブした。ブロットを、Western Blot Stripping Buffer(Pierce)中ではがし、全ERK1/2(Cell Signaling Technologies)を用いて再プローブし、等しい添加を確認した。化学発光を画像化し、ChemiDocシステム(Bio-Rad)により分析した。A)U251細胞におけるGDNF(100ng/ml)によるERK1/2 MAPK活性化の時間経過。B)GDNF誘導ERK1/2 MAPK活性化は、MEK阻害剤U0126(5μΜ)の前処理により阻害された。 細胞溶解物からのmiRNAの直接およびマルチプレックス検出。96ウェル中で種々の密度(10、100、1000、10,000、および100,000個の細胞/ウェル)で培養されたU251細胞を、直接溶解し、24種のmiRNA RTオリゴヌクレオチドを含む反応混合物中で逆転写した。単離RNAまたは細胞溶解物から生成されたcDNA試料(2.5% v/v)を、(A)miR-21および(B)miR-222リアルタイムPCRアッセイにより増幅した。単離RNAの標準曲線をCt対Log(RT当たりの細胞)としてプロットした。RI;RNase阻害剤。 シングルプレックスおよびマルチプレックスリアルタイムRT-PCRによるGDNF調節miRNAの定量。全U251 RNA試料を、シングルmiRNA特異的RTオリゴヌクレオチド(黒い線)または24プレックスRTオリゴヌクレオチド(赤い線)により逆転写した。cDNA試料を、次に、(A)miR 218および(B)let 7iの発現について定量した。これらのmiRNAの調節を、非刺激の対照試料に対する変化倍率として表した。
詳細な説明
現在、試料からのRNAの検出のための方法が提供されている。本方法は、任意のRNA種を検出するために使用され得、成熟miRNAを検出する際(miRNAを含む細胞から直接検出することを含む)に有用でありうる。
本方法は、ステムループ二次構造を有するように設計されたRTオリゴヌクレオチドプライマーと、増幅反応における一対のヘミネステッド増幅プライマーとの増幅反応の間にDNAポリメラーゼを遮断するように修飾されたヌクレオチドと組み合わせた、RT-PCR(逆転写PCR)増幅方法である。
図1および2は、本方法の概要の概略図を示す;示されている各核酸分子の5'および3'末端が表示されている。図1は、逆転写反応を示し、図2は、増幅反応を示す。
本方法の逆転写段階(図1)において、最初の反応混合物100は、逆転写される標的RNA102および逆転写反応のためのプライマーとして作用する逆転写(RT)オリゴヌクレオチド104を含む。RTオリゴヌクレオチド104は、ステムループ部分106および標的アニーリング部分108を有する。逆転写反応において使用される条件下(例えば、約37℃の反応温度)で、図1に示されるように、ステムループ部106は、ステムループ構造を有するアニールされた立体構造をとる。ステムループ部分106は、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾されたかまたは修飾可能な、1つまたは複数のヌクレオチド110を含む。
逆転写反応A1において、標的アニーリング部分108は、標的RNA102の下流部分112にアニールし、次に、逆転写酵素により伸長され、RTオリゴヌクレオチド104および3'伸長領域116を含む逆転写産物114を産生する。
本方法の増幅段階(図2)において、最初の反応混合物200は、逆転写産物114、第1増幅プライマー202、および第2増幅プライマー204を含む。また、最初の反応混合物200は、逆転写反応から持ち越されたいくつかのRTオリゴヌクレオチド104も含み得、これはしたがって、プライマーとしても作用しうる。増幅反応において使用される条件下(例えば、約50℃またはそれより高い反応温度)で、図2に示されるように、ステムループ部分106は、ステムループ構造を有さない融解された立体構造をとる。
増幅B1の第1ラウンドにおいて、逆転写産物114は鋳型として作用し、第1増幅プライマー202は、逆転写産物114の下流部分206に結合する。DNAポリメラーゼ酵素は、ヌクレオチド110に達するまで第1増幅プライマー202を伸長し、これはさらなる伸長を遮断し、したがって、逆転写産物に対して相補的であり、ヌクレオチド110に対する相補的な位置の近傍において3'末端を有する相補的DNA鎖208を産生する。相補的DNA鎖208は、RTオリゴヌクレオチド104の3'末端と3'伸長領域116の5'末端との接続により形成された逆転写産物114における接続部に対して相補的である領域を含む接続部分210を有する。
増幅B2の第2ラウンドにおいて、第2増幅プライマー204は、接続部分210で相補的DNA鎖208にアニールし、相補的DNA鎖208は、DNAポリメラーゼ伸長のための鋳型として作用し、DNA鎖212を産生する。第2増幅プライマー204は、このように、相補鎖208の末端からネストされるため、DNA鎖212は、逆転写産物114の配列の部分を有するが、逆転写産物114よりも短い。
増幅B3のその後のラウンドにおいて、第1増幅プライマー202および第2増幅プライマー204は、利用可能なDNA鋳型鎖にアニールする。第1増幅プライマー202がDNA鎖212にアニールする場合、形成される相補的DNA鎖208'は相補的DNA鎖208よりも短い。DNA鎖212および相補的DNA鎖208'は、このように、増幅産物214を形成する。いくつかのより長いDNA鎖(例えば逆転写産物114および相補的DNA鎖208など)が存在し、鋳型としての役割を果たすが、増幅反応が複数のラウンドを通じて進行するにつれて、より多くの増幅産物214が、ヌクレオチド110の包含に起因し、かつ第2増幅プライマー204のネスティングに起因して、産生される。
方法のさらなる概略図を図3に示す。図4は、増幅反応の特異性に対するDNAポリメラーゼを遮断するための修飾ヌクレオチドの効果を表す。
以前の多数の報告(Chen et al., 2005;Raymond et al., 2005;Shi & Chiang, 2005;Duncan et al., 2006;Varkonyi-Gasic et al., 2007;Sharbati-Tehrani et al., 2008;Yang et al., 2009)において、リバース増幅プライマーが、RTオリゴヌクレオチド中の配列に直接アニールするように設計された。そのような方法において特異性を達成するために、固有のmiRNA特異的蛍光プローブが、非特異的アンプリコンから標的を判別するために必要とされる(Chen et al., 2005)。いくつかのTaqMan系のアッセイの場合では、この特異性は、検出のために1つの共通のプローブを使用することにより、スループットの利便性のために損なわれた。対照的に、本明細書に記載する方法において、特異性の増大は、逆転写オリゴヌクレオチドプライマーの部分および逆転写産物の3'伸長領域の部分にアニールするように設計されているヘミネステッドリバースPCRプライマーを設計することにより、達成され得る。
定量的リアルタイムPCR方法とは対照的に、本明細書に記載する方法は、蛍光プローブの使用を必要としない。ヘミネステッドリバース増幅プライマーは、アッセイの特異性を高め、迅速なサーモサイクリング条件下で蛍光挿入色素(例えばSYBR Green Iなど)を使用してサブゼプトモル量という少量のmiRNAの定量を可能にしうるからである。
したがって、一局面において、試料中の標的RNAを検出するための方法が提供される。
本方法は、逆転写反応を含む。逆転写反応は、反応のためのプライマーとしてRTオリゴヌクレオチドを使用して、標的RNAを含む試料で実施される。
認識されるように、RTオリゴヌクレオチドはこのように、鋳型として標的RNAを使用し、RTオリゴヌクレオチドを伸長して、逆転写産物の5'末端にRTオリゴヌクレオチドおよび3'末端に伸長領域を含む逆転写産物を形成する、逆転写酵素のためのプライマーとして働く。
RTオリゴヌクレオチドは、ステムループ部分と、ステムループ部分に対して3'に位置する標的アニーリング部分とを含む。
したがって、逆転写反応において使用されるRTオリゴヌクレオチドは、ステムループ構造を含む5'部分を有するように設計されたDNAオリゴヌクレオチドである。理解されるように、ステムループ構造は、一緒に対となって短い二重鎖DNAステムを形成する相補的な塩基配列を有する自己アニーリング構造である。ループは、ステムを形成する2つの相補的領域の間に介在するヌクレオチドにより形成され、かつ、ステムの1つの末端に一本鎖セクションを形成して、二本鎖ステムを形成する2つの部分を連結する。
ステムループ部分は、逆転写反応のために使用される条件下でステムループ構造をとるように設計され、これは、バッファー、塩、および温度条件ならびにDNA二次構造に影響を及ぼしうる任意の他のパラメーターを含む条件下を意味しており、それらは反応において使用される逆転写酵素が逆転写を行うことを可能にするように選ばれる。ステムループ部分は、また、融解するか、あるいは、以下に考察する増幅反応のために使用される条件下でステムループ構造をとらないように設計される。したがって、ステム部分の配列を、関連するバッファー条件を考慮に入れることを含み逆転写のために使用される温度でアニールするように、かつまた関連するバッファー条件を考慮に入れることを含み増幅反応のために使用される温度ではアニールしないように、選択してもよい。例えば、ステムループ部分は、37℃またはそれ以下ではステムループ構造をとりうるが、約50℃またはそれ以上ではステムループ構造を形成するためにアニールしないことがありうる。
RTオリゴヌクレオチドのステムループ部分は、DNAポリメラーゼ遮断位置を含む。DNAポリメラーゼ遮断位置とは、直鎖化しステムループ構造をとらない場合に逆転写産物を鋳型として使用し、増幅反応において増幅プライマーを伸長させる伸長DNAポリメラーゼに対する障害として働く、ステムループ領域中の位置である。
DNA遮断位置は、RTオリゴヌクレオチドのステムループ部分内の任意の場所に配置されうる。一態様において、DNA遮断位置はステムループ部分のループ内に配置される。
DNA遮断位置は、伸長DNAポリメラーゼによるプライマー伸長を遮断するステムループ領域に対する任意の修飾でありうる。例えばDNA遮断位置は、例えばDNAヌクレオチドの誘導体または付着化学基を有する修飾DNAヌクレオチドを使用した、DNAポリメラーゼが読むことのできない修飾ヌクレオチドでありうる。
修飾とは、修飾ヌクレオチドの核酸塩基の構造変化でありうる;すなわち、それは、DNAポリメラーゼがテンプレートとして使用できないか、あるいは、後を伸長することができないA、G、C、またはTのアナログでありうる。
修飾とは、DNA遮断位置のヌクレオチド上の置換基(非ヌクレオチド基を含む)である基でもよく、ペンダント基でありうるか、あるいは、基がオリゴヌクレオチド骨格の部分を形成するように2つのヌクレオチドに付着されうる。例えば、DNA遮断位置は、ループ領域中でもよく、2つのヌクレオチドを連結する脂肪族炭素鎖(例えば、C6脂肪族鎖)を含んでもよい。このように、修飾は、DNAポリメラーゼによる伸長を遮断するために、非ヌクレオチド基の組込み(骨格内への組込みを含む)を含みうる。
いくつかの態様において、DNA遮断位置は、RTオリゴヌクレオチドが転写反応に加えられる場合、DNAポリメラーゼを遮断するように既に修飾されていてもよい。例えば、修飾ヌクレオチド2-アミノ-5-(2'-デオキシ-b-D-リボフラノシル)ピリジン-5'-三リン酸(d*CTP)または5-(2'-デオキシ-b-D-リボフラノシル)-3-メチル-2-ピリドン-5'-三リン酸(d*TTP)を使用してもよい。両方の修飾ヌクレオチドは、Taqポリメラーゼにより触媒されるPCRにおいて強い阻害を示すことが実証されている(Guo et al., 1998)。
他の態様において、DNA遮断位置は、DNAポリメラーゼを遮断するための処理時に修飾可能であるヌクレオチドまたは基でよい。すなわち、RT反応に加えた場合、修飾可能なヌクレオチドまたは基は、DNA遮断位置に修飾ヌクレオチドを形成するために、さらに処理される。
例えば、一態様において、修飾可能なヌクレオチドはdUヌクレオチドであり、それはウラシル-DNAグリコシラーゼ(UDG)で処理される。別の態様において、修飾可能なヌクレオチドはリボヌクレオチドでよく、それはRNaseで処理される。両方の場合において、修飾処理は修飾ヌクレオチド(RTオリゴヌクレオチドの切断を含む)をもたらし、DNAポリメラーゼによる伸長を効果的に防止する。
修飾可能なオリゴヌクレオチドの修飾は、増幅反応に先立って実施され、RT反応後に実施してもよい。
ステムループ部分は、逆転写の間にステムループ構造を提供しかつ増幅反応の間に融解するための任意の適した長さでありうる。例えば、全ステムループ構造は、12〜24ヌクレオチド長でありうる。いくつかの態様において、ステムループのステム部分は、4または6ヌクレオチド長でありうる。いくつかの態様において、ステムループのループ部分は、4〜12ヌクレオチド長でありうる。ステムループ構造を形成するオリゴヌクレオチドの設計は公知であり、所与の配列についてのアニーリング温度を算出するか、またはある一定のアニーリング条件についてステムループ構造を設計するコンピュータプログラム(例えば、MFOLDソフトウェア)が利用可能である。上記のように、ステム部分の配列は、逆転写反応のために使用される温度ではアニールするが増幅反応のために使用される温度では融解するように設計してもよい。
上記のように、RTオリゴヌクレオチドは、標的アニーリング部分を含む。標的アニーリング部分はステムループ部分に対して3'に位置し、標的RNAの下流部分に対して相補的であるように設計される。いくつかの態様において、RTオリゴヌクレオチドの標的アニーリング部分は、5〜15ヌクレオチド長である。
このように、逆転写反応に続き、逆転写産物が産生され、逆転写産物は、RT産物の5'末端にRTオリゴヌクレオチドを含み、かつ、RTオリゴヌクレオチドの標的アニーリング部分が相補性を有する領域の下流の(またはそれに対して3'に位置する)、標的RNAの下流部分に相補的であるRTオリゴヌクレオチドに対して3'の伸長領域を含む。
増幅反応は、逆転写試料で実施される。
使用されるPCR方法は、当技術分野において公知のように、リアルタイムPCR法を含みうる。そのような方法は、産生される増幅産物を検出するための蛍光プローブの使用を含む。
認識されるように、増幅反応は、増幅プライマー、フォワードプライマーおよびリバースプライマーのペアを使用して行う。
第1増幅プライマー(即ち、フォワードプライマー)は、RT産物の3'伸長領域の下流部分にアニールするように設計される。プライマーは、RT産物の3'伸長領域の所望の部分にアニールするように任意の適した長さでありうる。プライマーの長さは、選ばれたアニーリング温度および条件により部分的に決定されうる。鋳型核酸内における所望の配列へのアニーリングのための増幅プライマーの設計が公知である。いくつかの態様において、第1増幅プライマーは、12〜27ヌクレオチド長である。
第2増幅プライマー(即ち、リバースプライマー)は、RT産物に相補的なDNA鎖の接続部分にアニールするように設計される。相補的DNA鎖の接続部分は、RT産物がRTオリゴヌクレオチドから3'伸長部分に移行する箇所に対して相補的な領域を含む。このように、接続部分は、RTオリゴヌクレオチドの3'部分およびRT産物中の3'伸長領域の5'部分に相補的である領域を含む。いくつかの態様において、第2増幅プライマーは、RTオリゴヌクレオチドのステムループ部分の13〜24ヌクレオチド、RTオリゴヌクレオチドの標的アニーリング部分の5〜15ヌクレオチド、および逆転写産物の3'伸長領域の5'末端の1〜5ヌクレオチドに相補的な配列にアニールするように設計される。いくつかの態様において、第2増幅プライマーは13〜24ヌクレオチド長である。
RNAがmiRNAである場合を含むいくつかの態様において、逆転写産物にアニールした場合の第1増幅プライマーの3'末端の位置とDNA鎖にアニールした場合の第2増幅プライマーの3'末端の位置の間の増幅産物の配列における距離は、-4〜5ヌクレオチドであり、これは、第1増幅プライマーの3'末端がRT産物にアニールする場所と第2増幅プライマーの3'末端がRT産物に対して相補的であるDNA鎖にアニールする場所の間に1〜4ヌクレオチドのオーバーラップがありうること、または、1〜5ヌクレオチドのギャップがありうること、または、それぞれの鋳型核酸上にアニールした場合に増幅プライマーの3'末端の間にアラインメントがありうることを意味している。
増幅プライマーのいずれかまたは両方が、3'末端ヌクレオチドとしてDNAにハイブリダイズした場合に熱安定性を呈するヌクレオチドを有しうる。そのような熱安定ヌクレオチドの包含は、高い融解温度の使用を可能にし、結果として、そのようなヌクレオチドを含まないDNAと比較して、DNAに対する増幅プライマーの優先的なアニーリングをもたらす。例えば、DNAにハイブリダイズした場合に熱安定性を呈するヌクレオチドは、N型フラノース立体構造内に固定されうる。
増幅反応が実施され、増幅産物が得られる。
増幅が生じたら、次にこれを検出する。
増幅産物を検出する段階は、検出の任意の方法を含んでいてよく、例えば、増幅産物と、固定化した相補的配列を有するマイクロアレイをハイブリダイズさせること、技術、例えばゲル電気泳動などを使用してサイズ分離すること、および増幅産物を、それが産生されている時に検出するリアルタイムPCR方法を使用することを含む。
検出段階は、蛍光挿入色素を用いて増幅産物を検出することを含みうる。例えば、蛍光挿入色素は、SYBR GreenまたはEva Greenでありうる。
方法の例示的な一態様において、試料中の標的miRNA分子を検出するための方法が提供され、該方法は、
RTオリゴヌクレオチドおよび3'伸長領域を含む逆転写産物を産生するために、RTオリゴヌクレオチドを使用して該標的miRNAを含む該試料を逆転写する段階であって、該RTオリゴヌクレオチドが、1つのdUヌクレオチドを含むステムループ部分、および、該標的miRNAの下流部分に相補的である標的アニーリング部分を含み、該標的アニーリング部分が該ステムループ部分に対して3'に位置する、段階;
ウラシル-DNAグリコシラーゼでの処理により該dUヌクレオチドを修飾する段階;
増幅産物を産生するために、(i)該逆転写産物の該3'伸長領域の下流部分にアニールする第1増幅プライマーおよび(ii)該逆転写産物に対して相補的なDNA鎖の接続部分にアニールする第2増幅プライマーを使用して、該逆転写産物を含む該試料を増幅する段階であって、該接続部分が、該逆転写産物中の該RTオリゴヌクレオチドの3'部分および該3'伸長領域の5'部分に相補的である領域を含む、段階;ならびに、
該増幅産物を検出する段階
を含み、
該ステムループ部分は、該逆転写段階のために使用される条件下でステムループ構造をとるが、該増幅のために使用される条件下では該ステムループ構造をとらない。
本方法を、以下の非限定的な実施例によりさらに例示する。
実施例1
デオキシウリジン組込みオリゴヌクレオチドおよびヘミネステッドプライマーを使用したリアルタイムRT-PCRによる成熟マイクロRNAの高性能定量。
材料および方法
成熟および前駆体miRNA鋳型ならびに配列分析。成熟miRNAを、Proligo(Sigma, St Louis, MO, USA)またはIntegrated DNA Technologies(Coralville, IA, USA)により合成した。T7プロモーター配列決定タグ付きPCRプライマーを使用し、前駆体miRNAをクローン化した(表2)。精製したPCR産物をシークエンシングにより検証し、製造者の指示に従って、前駆体miRNAのインビトロ転写用のMEGAscript T7 Transcriptionキット(Ambion, Austin, TX, USA)に付した。成熟miRNAおよび前駆体miRNAの両方を、分光光度法により定量し、所望の濃度に希釈して、標準として用いた。miRNAホモログの配列アラインメントおよび系統発生分析を、Vector NTIソフトウェアバージョン8.0(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)を使用して実施した。
細胞培養および全RNA単離。ヒト神経膠芽腫細胞株A172およびU251を、37℃の5%CO2加湿インキュベーターにおいて、10%ウシ胎児血清(FBS、Sigma)および抗生物質(100U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン)を補充したDMEM中で培養した。U251細胞を、24時間、6ウェルプレート中で、1ウェル当たり200,000個の細胞で播種し、12〜16時間、FBSを含まないDMEM培地を用いてインキュベートした。細胞を、次に、DMEM中で定められた期間、100ng/ml GDNFを用いて刺激した。MEK阻害剤試験のために、細胞を、GDNF刺激に先立ち、DMEM中で45分間、5μΜ U0126(Promega, Madison, WI, USA)を用いてプレインキュベートした。未処理またはGDNF処理の神経膠芽腫細胞からの全RNAを、製造者の指示に従って、20μg/ml直鎖アクリルアミド(Ambion)の存在下でTRIzol試薬(Invitrogen)を使用して単離した。抽出したRNA試料を、次に、分光光度法を使用して定量し、完全性を変性RNAゲル電気泳動により調べた。
逆転写(RT)。全RNA試料を、37℃で30分間、RNaseを含まないDNase I(Promega)を用いて処理した。DNaseを80℃で5分間、不活化した。一次および前駆体miRNAのRTについて、製造者(Invitrogen)により特定されるように、DNase I 100ngで処理した全RNAまたはインビトロ転写した前駆体miRNA標準の希釈物を、最初に、150nMの遺伝子特異的リバースプライマーの存在下、80℃で5分間、加熱し、氷上で急速凍結し、逆転写した[1×バッファー、dNTP(10mM)、ジチオスレイトール(DTT)、RNase阻害剤、Thermoscript(15U)]。逆転写を60℃で45分間行い、さらに85℃で5分間のさらなるインキュベーションにより終結させた。前駆体の検出のために、RTおよびリアルタイムPCRの両方を、以前報告されたように、事前検証された遺伝子特異的プライマーを用いて行った(Jiang et al., 2005)。
成熟miRNAのRTについては、100ngのDNase I処理した全RNAまたは合成ヒト成熟miRNA標準の希釈物を、42℃で30分間、全容積10μl中で、100UのImprom II(Promega)および100nMのステムループまたは直鎖のいずれかのRTオリゴヌクレオチドを使用して逆転写した。反応を70℃で5分間、加熱することにより終結させた。24種の成熟miRNAのマルチプレックスRTについては、DNase I 100ngで処理した全RNA試料を、42℃で30分間、全容積40μl中で、400UのImprom IIおよび100nMの各RTオリゴヌクレオチド(合計2.4μM)を使用して逆転写した。cDNA試料を、次に、miRNA特異的プライマーを使用したリアルタイムPCRのために使用した。RTおよびリアルタイムPCRの両方のためのプライマーを表3に列挙した。直鎖RTオリゴヌクレオチドを表4に列挙した。
ウラシル-DNAグリコシラーゼ(UDG)処理。デオキシウリジン(dU)組込みを伴うRTオリゴヌクレオチドを、Integrated DNA Technologiesにより合成した。逆転写を、上記のように実施した。cDNA試料を、次に、37℃で10分間、5U UDG(New England Biolabs, Beverley, MA, USA)を用いて処理した。反応物を95℃で10分間、不活化させ、リアルタイムPCRに付した。
RNA単離を伴わないmiRNAの検出。種々の細胞密度(細胞10〜105個/ウェル)での96ウェルプレート中のU251細胞を、PBSを用いて1回洗浄し、溶解し、0.5% Triton X-100(Thermo Fisher Scientific, MA, USA)、400U Improm II(Promega)、および100nMの各RTオリゴヌクレオチド(合計2.4μM)を含む40μlのRT混合物を用いて、RNase阻害剤SUPERase-In(1U/μl、Ambion)の存在下または非存在下で、42℃で30分間、ウェル中で直接逆転写した。比較のために、同一の密度の細胞から全RNAを単離し、同じRT混合物中で逆転写した。cDNA試料を、次に、リアルタイムPCRのために使用した。
リアルタイムPCR。リアルタイムPCRを、SYBR Green Iを使用して、CFX96システム(Bio-Rad, Hercules, CA, USA)で実施した。前駆体miRNAおよびU6 snRNAのリアルタイムPCRを、以前の報告(Schmittgen et al., 2004;Jiang et al., 2005)に従って実施した。miRNA cDNAの高速サーモサイクリングを95℃での10分間の最初の変性後に実施し、95℃で5秒の変性および60℃で5秒のアニーリング/伸長の50サイクルが続いた。各cDNA試料1μlを、2.5mM MgCl2、100mMの各プライマー、および1.25U KlearTaq DNAポリメラーゼ(KBiosciences, Hoddesdon, UK)を含む全容積25μlの1×XtensaMix-SG(商標)(Bio WORKS, Singapore)中でのリアルタイムPCRに付した。サイクル閾値(Ct)を、CFXマネージャーソフトウェア(Bio-Rad)を使用して自動的に算出した。適用可能な場合、全てのmiRNA発現レベルを、U6 snRNA発現に対して標準化した。
リアルタイムRT-PCRアッセイの効率および特異性の算出。リアルタイムRT-PCRの効率および特異性を、以前記載されたように決定した(Too, 2003)。簡潔に示すと、miRNAの10倍希釈物をリアルタイムRT-PCRに付した。miRNAの標準曲線を、合成miRNA希釈物のCt対Log(コピー数)をプロットすることにより得た。アッセイの効率を(101/S - 1)×100%により算出し、式中、Sは標準曲線の傾きであった。特異性の算出については、完全にマッチしたmiRNAおよびミスマッチしたmiRNAの同一量(RT当たり109コピー)をリアルタイムRT-PCRにより定量した。ΔCtを、次に、Ct完全にマッチしたmiRNA - CtミスマッチしたmiRNAとして算出した。ミスマッチしたmiRNAの相対検出を、次に、10ΔCt/ S×100%により算出した。
結果
ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイの概要。本試験において、本発明者らは、ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRによる成熟miRNAの特異的な検出のための簡単な方法を設計した(図5)。最初に、本発明者らは、多数の以前の報告(Chen et al., 2005;Raymond et al., 2005;Shi & Chiang, 2005;Duncan et al., 2006;Varkonyi-Gasic et al., 2007;Sharbati-Tehrani et al., 2008;Yang et al., 2009)において、リバースPCRプライマーが、RTオリゴヌクレオチド中の配列に直接アニールするように設計されたことに注目した。特異性を達成するために、固有のmiRNA特異的蛍光プローブが、非特異的アンプリコンから標的を判別するために必要とされる(Chen et al., 2005)。いくつかのTaqMan系アッセイの場合では、この特異性は、検出のために1つの共通のプローブを使用することにより、スループットの利便性のために損なわれた。本発明者らは、増大した特異性を、一般のまたは汎用のリバースPCRプライマーを使用する代わりに、ヘミネステッドリバースPCRプライマーを設計することにより達成することができるという仮説を立てた。図6は、二本鎖鋳型上の各プライマーの3'末端の間の異なる距離を伴う、この方法におけるフォワードおよびリバースプライマーの設計を実証する。図7は、4ヌクレオチドのより小さなループが12ヌクレオチドのより大きなループと同様に効果的であることを示す。
この仮説をテストするために、成熟miRNAを、最初に、RTの間に安定したステムループ二次構造をとるRTオリゴヌクレオチドにより42℃で逆転写した。cDNA試料を、次に、タグ付きフォワードプライマー(Pf)およびヘミネステッドリバースプライマー(Pr)を使用して増幅し、ここで3〜5ヌクレオチドがRTオリゴヌクレオチドを越えて伸長する。cDNA試料の増幅を、SYBR Green Iを使用したリアルタイムPCRにおいてモニターした。RTオリゴヌクレオチドはデオキシウリジン(dU)残基を組込むことができ、生成されたcDNAを、その後、増幅前に37℃でウラシル-DNAグリコシラーゼ(UDG)を用いて処理した。任意のリアルタイムRT-PCRアッセイのユーザーが定める設計を補助するために、フローチャートを、例としてhsa-miR-21(以下、miR-21)を使用することにおいて示した(図8)。
ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイの性能。ヘミネステッドリアルタイムPCRアッセイの性能を、最初に、高速(1サイクル当たり10秒)および標準(15秒の変性および60秒アニーリング/伸長を伴う1サイクル当たり75秒)の両方のサーモサイクリングプロファイルの下でmiR-21 cDNA希釈物を使用して評価した。アッセイは、両方のサイクリングプロファイルの下で優れたダイナミックレンジおよび直線性を示し(図9A、B)、miRNAの迅速な検出のためのこのアッセイの頑健性を実証した。RTおよびPCRの両方の性能を評価するために、合成miR-21を、7桁を上回り希釈し(RT当たり109〜100コピー)、ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRにより定量した。標準曲線の優れた直線性は、miR-21アッセイが少なくとも7Logの広いダイナミックレンジを有し、RT反応当たり100コピー(サブゼプトモル)という少数を検出することができることを示唆した(図9C、D)。
本発明者らは、次に、全RNA試料からmiRNAを検出することにおいて、このアッセイの性能を検討した。100ng〜1pgの全RNA希釈物(図9E、F)および細胞100,000〜10個から単離した全RNA(図9G、H)を、miR-21ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイを使用して定量した。標準曲線は再び優れた直線性を示し(図9F、H)、このアッセイが微量(1pg)の全RNAからまたは10個という少数の細胞からmiRNAを確かに検出することが可能であることを示唆した。RNA分画を伴わずに全RNAから成熟miRNAを定量することにおけるこのアッセイの能力は、全RNAスパイクイン実験によりさらに支持された。ここでは、let-7dおよびlet-7eを含まない(データ示さず)U251細胞からの100ngの全RNAを、変動量の合成let-7dまたはlet-7e miRNAを用いてスパイクした。全RNAの存在は、成熟let-7d/let-7e miRNAの定量に影響を及ぼさなかった(図10)。
3つの他のmiRNA(miR-24、miR-92、およびmiR-218)についてのヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイも評価した(図12)。3つのアッセイの全てが、優れたダイナミックレンジ(少なくとも7Log)、感度(RT当たり103〜104コピー)、およびRT-PCR効率(88%〜100%)を示した。さらに、これらのアッセイは、合成標準および全RNA試料の両方からの標的miRNAの特異的な増幅を示した。アンプリコンのサイズを、ゲル電気泳動により確認した(図14)。
前駆体miRNAに対する成熟の特異的な検出。前駆体miRNAに対して成熟miRNAを判別する際のヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイの能力を、9つの成熟miRNAおよびそれらの対応する前駆体(miR-21、miR-7-1、miR-7-2、miR-218-1、miR-218-2、let-7f-1、let-7f-2、let-7g、let-7i)を使用して調べた。比較のために、本発明者らは、RT(ΔG≧-0.5kcal/mol)の間に好ましい二次ステムループ構造を形成しない直鎖RTオリゴヌクレオチドも評価した。より良い比較のために、これらのステムループRTオリゴヌクレオチドおよびそれらの対応する直鎖RTオリゴヌクレオチドを、1)5'末端で4〜5塩基だけ異なり;2)同一のGC含量および類似のTm(<1℃差)を有し、かつ、3)同じプライマーをPCRに使用することができるように同一の3'配列を有するように、設計した。
成熟miRNAおよびプレmiRNAの同じ量(1RT当たり109コピー)を、ステムループまたは直鎖のいずれかのRTおよびヘミネステッドリアルタイムPCRを使用して個々に定量した。検討した9つのプレmiRNAに依存して、成熟miRNAを、ステムループRTオリゴヌクレオチドを使用して、プレmiRNAよりも3〜14サイクル(8.7サイクルの平均ΔCt)早く検出した。対照的に、直鎖RTオリゴヌクレオチドを使用したアッセイは、それほど判別可能ではなく(4.8サイクルの平均ΔCt)、いくつかの成熟miRNAを、それらの前駆体(例えばプレmiR-21、プレlet-7f-1、およびプレlet-7i)から判別できなかった(表1)。
ヒトlet-7 miRNAホモログの判別。いくつかのmiRNAファミリー(例、hsa-let-7、hsa-miR-30)は、単一または少数のヌクレオチドだけ異なる高度に相同なmiRNAから成る。8つのlet-7ファミリーmiRNAは、63.6%までの全体的な配列同一性を共有し、その間で、let-7aとlet-7c、let-7aとlet-7f、let-7bとlet-7fは単一ヌクレオチドだけ異なる(表11A)。本試験において、各let-7 miRNAについてのヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイを設計した。
各アッセイを使用して、8つの全ての合成let-7 miRNAを増幅し、相対検出を比較した。簡潔に示すと、各let-7 miRNAの特異的な逆転写(RT当たり109コピー)を、最初に、相同性の低い3'領域を標的とするステムループRTオリゴヌクレオチドを使用して達成した。let-7 miRNAの判別を、miRNA特異的フォワードPCRプライマーおよび好ましくはmiRNA特異的3'末端配列を伴うヘミネステッドリバースプライマーによりさらに改善させた。8つのlet-7アッセイの全てが、let-7cに対して1.778%の相対検出を伴うlet-7aアッセイを除き、1%未満の非特異検出を伴い、相同miRNAに対して優れた判別を示した(図11B)。2ヌクレオチドまたはそれ以上だけ異なるlet-7 miRNAについて、これらのアッセイは、0.3%未満の交差標的増幅を伴い、標的miRNAを特異的に検出することができた。この結果は、ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイが、安価なSYBR Green I検出化学を用いて、蛍光プローブ系のリアルタイムRT-PCRアッセイ(Chen et al., 2005)と同程度のレベルで高度に相同なmiRNAを判別することが可能であることを示唆する。
dU組込みRTオリゴヌクレオチドおよびUDG処理による改善されたアッセイ性能。ある一定の高度に相同なmiRNAの間の判別を、ウラシル-DNAグリコシラーゼ(UDG)処理を含む新規戦略を使用してさらに改善することができる。この試験において、本発明者らは、キャリーオーバーされたRTオリゴヌクレオチドの量が、PCRの間に増幅プライマーとして働くことができることを観察したが、効率はより劣っていた(図16)。興味深いことに、UDGを用いた処理後、dU組込みRT(dU-RT)オリゴヌクレオチド(標準的RT(dT-RT)オリゴヌクレオチドではない)はリバースPCRプライマーとして働くことができなかった(図16B、C)。本発明者らは、次に、let-7 miRNAホモログ間の判別が同様の戦略を用いてさらに改善されうるという仮説を立てた。実際に、let-7aについての標準的(dT)RTオリゴヌクレオチドが、let-7f miRNAに対して0.03%の相対検出を示し、ループ(dU1)またはステム(dU2)のいずれかの領域でdU組込みを伴うlet-7a RTオリゴヌクレオチドは、UDGで処理した後にlet-7fを交差増幅する能力が有意に低かった(図13)。let-7a dTおよびdU RTオリゴヌクレオチドの両方が、let-7aの逆転写を等しく良好にプライミングすることができた(データは示さず)。
U251細胞におけるGDNF誘導性miRNA発現を同定するためのマルチプレックスアッセイの適用。このmiRNA検出方法の頑健性を評価するために、ヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイを設計し、U251細胞におけるGDNF調節miRNAを同定するために適用した。ヒト神経膠芽腫において異常調節されていることが報告された18種のmiRNA(miR-7、-10b、-15b、-21、-124、-128、-137、-139、-146b、-181a、-181b、-181c、-218、-221、-222、-425、-451、-486)(Pang et al., 2009)および8つのlet-7ファミリーmiRNAを含む合計26種のmiRNAを検討した。20種のmiRNA(miR-137、-146b、-181c、-451、let-7d、およびlet-7eを除く)がU251細胞において発現されることが見出された(データは示さず)。GDNFを用いた細胞の刺激は、ERK1/2 MAPKの時間依存的活性化を誘導し、それはMEK阻害剤U0126の前処理により阻害された(図18)。本発明者らは、次に、GDNFによるU251細胞におけるこれら20種のmiRNAの発現の経時的調節を定量した。興味深いことに、GDNF刺激は、miR-7、-21、-218(図15A)およびlet-7f、-7g、-7i(図15B)の時間依存的な上方調節を誘導した。他のmiRNAの有意な調節は観察されなかった。
本発明者らは、次に、26種のmiRNA(24種のRTオリゴヌクレオチドに対応する)の同時逆転写およびヘミネステッドリアルタイムPCRによる個々のmiRNAのその後の検出のためのマルチプレックスアッセイを開発した。この24プレックスアッセイを使用して、本発明者らは、GDNFによる6つのmiRNAの上方調節が、U0126を用いた細胞の前処理により効果的に阻害されることを見出し、MEK-ERK1/2シグナル伝達経路がGDNF誘導miRNA発現のために要求されることを示唆する(図17)。同様の結果が、例としてmiR-218およびlet-7iを使用した標準的シングルプレックスアッセイにより得られた(図20)。
細胞溶解物におけるmiRNAの直接およびマルチプレックス検出。細胞溶解物からmiRNAの直接検出は、時間のかかる多段階RNA単離プロセスを回避し、アッセイのスループットを劇的に増加させることができる。本発明者らは、96ウェル中の10〜100,000個の培養U251細胞からのmiRNAの直接およびマルチプレックス定量におけるヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイの能力をさらに調べた。これらの細胞からの単離全RNAを定量のための対照として使用した。図9Hと同様に、単離したRNA対照のmiR-21およびmiR-222標準曲線の優れた直線性は、miRNAが、10個という少数の細胞から抽出された全RNAから確実に定量することができることを示唆した(図19)。miR-21およびmiR-222の両方を、単離したRNA対照と比較したように、このマルチプレックスアッセイを使用して10〜1,000個の細胞の溶解物から等しく良好に検出することができることは重要である。しかし、miRNAの直接定量が、コンフルエントに近い(細胞104個/ウェル)またはコンフルエントを上回る細胞密度(細胞105個/ウェル)からの溶解物で損なわれたことは注目するに値する。興味深いことに、有意差は、RNase阻害剤の有無にかかわらず、細胞溶解物からのmiRNAの検出において観察されず、成熟miRNAの顕著な安定性を示唆している。
考察
miRNAが遺伝子発現を調節することにおいて重要な役割を果たしていることが現在公知であり、ヒト遺伝子の60%までがmiRNAにより標的化されることが示唆されている(Friedman et al., 2009)。miRNAの発現プロファイルにおける関心の増加に伴い、成熟miRNAの検出のための迅速で、頑健で、費用効果的な方法が非常に望ましい。本明細書に記載するヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイは、設計するのが簡単であり、優れた性能を示し、将来同定されうる任意のmiRNAの設計のための柔軟性を提供した。
合成miRNA標的によるヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイは、少なくとも7Logの広いダイナミックレンジ、1RT当たり100分子(サブゼプトモル)という少数の高感度、および90%を上回る高いRT-PCR効率を示した。miRNA発現の相対的な定量の他、合成miRNA標準も、全RNA試料からのmiRNA発現の絶対的定量を可能にしうる。以前に報告された、1サイクル当たり45〜75秒の標準的サーモサイクリングプロファイルのもとで実施されたmiRNAリアルタイムPCRアッセイ(Chen et al., 2005;Raymond et al., 2005;Shi & Chiang, 2005;Sharbati-Tehrani et al., 2008;Yang et al., 2009)とは対照的に、本発明者らのアッセイは、反応混合物の修飾を伴わず、高速サーモサイクリング(1サイクル当たり10秒)が可能であった。このアッセイの高速サイクリング能力は、ヘミネステッドプライマーにより生成された短いアンプリコン(<50bp)およびプローブ加水分解の必要のないSYBR Green Iの迅速な蛍光取得に一部起因しうる。
全RNA試料からの成熟miRNAの特異的で高感度な定量は、通常、サイズ分画および前増幅をそれぞれ必要とする。追加の試料取扱い段階の他、サイズ分画は、miRNAの一貫した喪失をもたらし得(Wang et al., 2007)、前増幅効率がmiRNA中のA塩基の数により有意に影響される(Mestdagh et al., 2008)ことが報告されている。本発明者らのmiRNA定量アッセイを用いて、少量の全RNA(1pg〜100ng)および10個という少数の細胞から単離された全RNAを、分画または前増幅が必要なく、効率的に検出することができる。以前は、220〜450種のmiRNAの同時逆転写用のメガプレックスmiRNAアッセイが、微量の全RNAまたは単一細胞からのmiRNA発現を定量するために適用されてきた(Tang et al., 2006;Mestdagh et al., 2008)。RTオリゴヌクレオチドのより低い濃度を各miRNAのために使用したため、前増幅が、特に開始の全RNAが350ng未満である場合、リアルタイムPCRに先立って必要とされた。本試験において、本発明者らは、24種のmiRNAのマルチプレックスが、RTオリゴヌクレオチド濃度の低下または前増幅の必要性を伴わず、シングルプレックスアッセイと同程度の結論をもたらしたことを示している。従って、本発明者らは、本方法を用いた比較的少数のmiRNAのマルチプレックスが、試料および試薬の必要性を低下させ、さらにmiRNAの確かな定量を可能にしうることを示唆する。これらのマルチプレックスアッセイを、96ウェル中の培養細胞からのmiRNAの直接定量のためにさらに使用することができる。従って、本明細書において報告する本方法は、RNA単離の煩雑な、時間のかかる方法を必要とせずに、微量の単離RNAからだけでなく、溶解細胞からも直接、miRNA発現の確かで迅速なハイスループット定量的プロファイリングが可能である。
本試験において、前駆体からの成熟miRNAの特異的な検出は、ステムループ二次構造を伴うRTオリゴヌクレオチドにより達成される。前駆体miRNAの発現レベルはしばしば成熟miRNAと相関するが(Calin et al., 2004;Schmittgen et al., 2004)、miRNAの成熟が調節可能であり、それによって前駆体miRNAが発現されたが、その成熟形態が検出不可能であったことは、珍しくない(Ambros et al., 2003;Michael et al., 2003;Wulczyn et al., 2007;Schmittgen et al., 2008)。miRNAのプロセシングと成熟の調節の間で判別するために、成熟miRNAおよび前駆体miRNAの両方についての特異的アッセイが非常に望ましい。本発明者らは、ステムループ(直鎖ではない)RTオリゴヌクレオチドが成熟(前駆体ではない)miRNAを優先的に逆転写することを見出した。ステムループ戦略が、以前、複製中のレトロウイルスのセンス鎖の特異的な逆転写のために成功裏に適用されてきた(Anwar et al., 2006)。直鎖RTオリゴヌクレオチドは、成熟miRNAの効率的な逆転写のためにmiRNA特異的配列の少なくとも7ヌクレオチドを含むはずであることが示唆されている(Raymond et al., 2005)。本試験において使用した直鎖RTオリゴヌクレオチド(6つのmiRNA特異的ヌクレオチドを有する)による、プレmiRNAに対する成熟miRNAの判別が悪いことは、成熟miRNAの非効率的な逆転写に起因する可能性が高く、以前の知見と一致する(Chen et al., 2005)。これらの結果は、ステムループ二次構造が逆転写の間にRTオリゴヌクレオチドと成熟miRNAの間の短い塩基対を安定化させうることを示唆した。
miRNAは、標的認識の決定的な決定要因である、miRNAの5'の2〜7ヌクレオチドに及ぶ同一のシード配列に基づき、ファミリー(例えば、let-7ファミリー)にグループ分けされる(Lewis et al., 2005)。同じファミリーのmiRNAはいくつかの共通する標的および機能を共有する可能性が高いが、ファミリーの特定のメンバーが特定の生理学的プロセスおよび疾患状態に関与しうる。例えば、let-7bは、年齢とともに特異的に上方調節され、減退した幹細胞の自己再生に関与することが見出された(Nishino et al., 2008)。let-7dの低発現は、頭頸部扁平上皮癌の予後マーカーとして示唆され(Childs et al., 2009)、let-7iは、ヒト上皮性卵巣癌の新規バイオマーカーとして同定された(Yang et al., 2008)。そのようなものとして、これらのmiRNAの特異的で定量的な検出は、バイオマーカーの開発のためおよびmiRNAの生合成に関する試験のために必要とされる。以前には、let-7ホモログの判別は、TaqManリアルタイムRT-PCRアッセイを用いて達成され、それにより、miRNA特異的RT後、共通のリバースプライマーがPCRのために使用され、miRNA特異的TaqManプローブが判別のために必要とされた(Chen et al., 2005)。同様の戦略を用いるが蛍光プローブを使用しないアッセイは、let-7ホモログの有意により不良な判別を経験した(Raymond et al., 2005;Shi & Chiang, 2005;Sharbati-Tehrani et al., 2008)。本発明者らは、アッセイの特異性を、ヘミネステッドmiRNA特異的リバースPCRプライマーにより劇的に増強することができ、蛍光プローブの使用を必要としないという仮説を立て、それを示した。この方法を使用して、全てのlet-7 miRNAは、TaqManリアルタイムRT-PCRと同程度の、ある場合においては、それにまさる、優れた判別を伴う安価なSYBR Green Iを使用して特異的に検出されることができる(Chen et al., 2005)。
過剰なRTオリゴヌクレオチドの存在は、PCRの間にリバースプライマーとして働くことができ、このことは非特異的増幅に寄与し得る。これは、特に、PCRにおけるフォワードプライマーが、また、共有配列(例、相同miRNAからのcDNA)にハイブリダイズすることができる場合、問題である。この問題を軽減するための一般的な習慣は、RT後にcDNA試料を希釈することによりRTオリゴヌクレオチドのキャリーオーバーを低下させることである。しかし、このアプローチでは、常に、特に低存在量の標的miRNAを用いて、アッセイ感度が低下する。低存在量のmiRNAについては、アッセイは、デオキシウリジン残基を用いてRTオリゴヌクレオチドを修飾し、リアルタイムPCRに先立ちUDGを用いてcDNAを処理することによりさらに改善される。UDGが最初にE. coliから精製され、ウラシル含有DNAからウラシルを切断できることが見出された(Lindahl et al., 1977)。ウラシル残基の放出はDNA上にアピリミジン部位をもたらし、PCRの間にDNAポリメラーゼによる複製を遮断することができる(Longo et al., 1990)。UDG処理によって、未使用のdU RTオリゴヌクレオチドがPCRプライマーとしての役割を果たせなくなった可能性が高い。これは、最大の特異性が望まれているか、あるいは判別をRTの間に達成することが困難である状況において簡単で魅力的なアプローチである(例えば、let-7aおよびlet-7fは、RTプライミングのための同一の3'配列を共有する)。
miRNAは、正常な脳と比較して、神経膠芽腫において異なって発現しており、これらの調節不全miRNAの多くが神経膠芽腫の成長、浸潤、および化学療法抵抗性に関与していることが公知である(Lawler & Chiocca, 2009;Li et al., 2009)。選択されたmiRNAのヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイを使用して、GDNFが、MEK-ERK1/2 MAPKシグナル伝達経路を介してmiR-7、miR-21、miR-218、let-7f、let-7g、およびlet-7iの発現を調節することが見出された。これらのGDNF誘導miRNAの機能的意義は、依然として調査の過程にある。本明細書において開発した迅速なハイスループット方法を使用して、それは、現在miRNA発現における変化をプロファイリングすることによる薬物スクリーニングのために実行可能である。
パブリックドメインにおけるmiRNAの数は、現在17,000を上回り(Kozomara & Griffiths- Jones, 2011)、インシリコ予測およびインビボ検証(例えば、ディープシークエンシングなど)の両方を用いて増加すると予測される。miRNA発現の分析についての継続的な要望により、本試験において示されるヘミネステッドリアルタイムRT-PCRアッセイは、機能的な成熟miRNAの迅速かつ確実な検出のための高性能な方法を提供する。
本明細書において引用される全ての刊行物および特許出願は、各々の個々の刊行物または特許出願が参照により組み入れられるために具体的および個々に示されるかのように、本明細書において参照により組み入れられる。任意の刊行物の引用は、出願日に先立つその開示のためであり、本発明が先行発明によってそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈すべきではない。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別のことを指示しない場合、複数形の参照を含む。本明細書および特許請求の範囲において使用されるように、用語「含む」、「含んでいる」、「含む」、およびこれらの用語の他の形態は、非限定的な包括的な意味において、すなわち、任意の他の要素または構成成分を除外することなく、特定の列挙する要素または構成成分を含むことが意図される。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、与えられた全ての範囲またはリストは、任意の中間の値もしくは範囲または本明細書に含まれる任意のサブリストを伝達することを意図する。別に定義しない場合、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に共通して理解される同じ意味を有する。
前述の発明は、理解を明確にする目的のために例示および実施例によりある程度詳細に記載されているが、本発明の開示に照らして、添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、ある一定の変更および修正がそれに対してなされうることが当業者には容易に明らかである。
参考文献
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496
Figure 0005851496

Claims (16)

  1. 試料中の標的miRNA分子を検出するための方法であって、
    RTオリゴヌクレオチドおよび3'伸長領域を含む逆転写産物を産生するために、RTオリゴヌクレオチドを使用して試料中に含まれる標的miRNAを逆転写する段階であって、該RTオリゴヌクレオチドが、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾されたかまたは修飾可能な1つまたは複数のヌクレオチドを含むステムループ部分、および、該標的miRNAの下流部分に相補的である標的アニーリング部分を含み、該標的アニーリング部分が該ステムループ部分に対して3'に位置する、段階;
    増幅産物を産生するために、(i)該逆転写産物の3'伸長領域の下流部分にアニールする第1増幅プライマーおよび(ii)該逆転写産物に対して相補的なDNA鎖の接続部分にアニールする第2増幅プライマーを使用して該逆転写産物を増幅する段階であって、該接続部分が、該逆転写産物中の該RTオリゴヌクレオチドの3'部分および3'伸長領域の5'部分に対して相補的である領域を含む、段階;ならびに
    該増幅産物を検出する段階
    を含み、
    該ステムループ部分は、該逆転写段階のために使用される条件下でステムループ構造をとるが、該増幅のために使用される条件下ではステムループ構造をとらず、かつ、
    該ステムループ部分がDNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾可能である1つまたは複数のヌクレオチドを含む場合、該増幅段階に先立ち該修飾可能なヌクレオチドを修飾する段階をさらに含む、方法。
  2. DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾されたかまたは修飾可能な前記1つまたは複数のヌクレオチドが前記ステムループ部分の前記ループ内に位置する、請求項1記載の方法。
  3. 前記ステムループ部分が、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾された1つまたは複数のヌクレオチドを含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記ステムループ部分の前記ループが、脂肪族炭素鎖を用いて修飾されたヌクレオチドを含む、請求項3記載の方法。
  5. 前記ステムループ部分が、DNAポリメラーゼ伸長を遮断するように修飾可能な1つまたは複数のヌクレオチドを含み、前記方法が、前記増幅段階に先立ち前記修飾可能なヌクレオチドを修飾する段階をさらに含む、請求項1または2記載の方法。
  6. 前記修飾可能なヌクレオチドがdUであり、前記修飾段階がウラシル-DNAグリコシラーゼを用いた処理を含む、請求項5記載の方法。
  7. 前記ステムループ部分の前記ループが1つまたは複数のリボヌクレオチドを含み、前記修飾段階がRNaseを用いた処理を含む、請求項5記載の方法。
  8. 第2増幅プライマーが、3'末端ヌクレオチドとしてDNAにハイブリダイズした場合に熱安定性を示す1つのヌクレオチドを有する、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. DNAにハイブリダイズしたときに熱安定性を示す前記ヌクレオチドが、N型フラノース立体構造内に固定される、請求項8記載の方法。
  10. 前記逆転写産物にアニールした場合の第1増幅プライマーの3'末端の位置と、DNA鎖にアニールした場合の第2増幅プライマーの3'末端の位置との間の増幅産物の配列中での距離が4ヌクレオチド以下のオーバーラップから5ヌクレオチド以下のギャップの範囲にある、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 前記RTオリゴヌクレオチドの前記標的アニーリング部分が5〜15ヌクレオチド長である、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記ステムループの前記ステム部分が4〜6ヌクレオチド長であり、該ステムループの前記ループ部分が4〜12ヌクレオチド長である、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 第2増幅プライマーが、前記RTオリゴヌクレオチドの前記ステムループ部分の13〜24ヌクレオチド、該RTオリゴヌクレオチドの前記標的アニーリング部分の5〜15ヌクレオチド、および前記逆転写産物の3'伸長領域の5'末端の1〜5ヌクレオチドに相補的な配列にアニールする、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. 第1増幅プライマーが12〜27ヌクレオチド長である、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. 前記検出段階が、蛍光挿入色素を用いて検出することを含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
  16. 前記蛍光挿入色素がSYBR Green(登録商標)またはEva Green(登録商標)である、請求項15記載の方法。
JP2013515301A 2010-06-14 2011-06-13 修飾ステムループオリゴヌクレオチドが仲介する逆転写および塩基間隔が制限された定量的pcr Active JP5851496B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US35468310P 2010-06-14 2010-06-14
US61/354,683 2010-06-14
PCT/SG2011/000210 WO2011159256A1 (en) 2010-06-14 2011-06-13 Modified stem-loop oligonucleotide mediated reverse transcription and base-spacing constrained quantitative pcr

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013530698A JP2013530698A (ja) 2013-08-01
JP5851496B2 true JP5851496B2 (ja) 2016-02-03

Family

ID=45348446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013515301A Active JP5851496B2 (ja) 2010-06-14 2011-06-13 修飾ステムループオリゴヌクレオチドが仲介する逆転写および塩基間隔が制限された定量的pcr

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9850527B2 (ja)
EP (1) EP2580355B1 (ja)
JP (1) JP5851496B2 (ja)
CN (1) CN103210092B (ja)
HK (1) HK1187378A1 (ja)
SG (1) SG185776A1 (ja)
WO (1) WO2011159256A1 (ja)

Families Citing this family (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10232374B2 (en) 2010-05-05 2019-03-19 Miroculus Inc. Method of processing dried samples using digital microfluidic device
CN103210092B (zh) 2010-06-14 2015-11-25 新加坡国立大学 修饰的茎-环寡核苷酸介导的反转录和碱基间隔限制的定量pcr
SG190377A1 (en) 2010-11-24 2013-06-28 Kaneka Corp Amplified nucleic acid detection method and detection device
US9528107B2 (en) 2012-01-31 2016-12-27 Pacific Biosciences Of California, Inc. Compositions and methods for selection of nucleic acids
JP2015507928A (ja) * 2012-02-14 2015-03-16 ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティ Mirna解析方法
CN103509789B (zh) * 2012-06-26 2015-12-16 舟山医院 一种用于扩增短链rna的引物及其相关方法
JP6691380B2 (ja) * 2013-11-22 2020-04-28 株式会社カネカ 短鎖rnaの検出方法
GB201413717D0 (en) 2014-08-01 2014-09-17 Olink Ab Method for selecting a target nucleic acid sequence
GB201413718D0 (en) 2014-08-01 2014-09-17 Olink Ab Method for selecting a target nucleic acid sequence
JP6940404B2 (ja) * 2014-08-19 2021-09-29 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 核酸検出のための方法および組成物
WO2016197106A1 (en) 2015-06-05 2016-12-08 Miroculus Inc. Evaporation management in digital microfluidic devices
CN108026494A (zh) 2015-06-05 2018-05-11 米罗库鲁斯公司 限制蒸发和表面结垢的空气基质数字微流控装置和方法
EP3118313A1 (en) * 2015-07-17 2017-01-18 Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Cloning of single-stranded rna
EP3325621B1 (en) * 2015-07-17 2021-06-30 Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Cloning of single-stranded nucleic acid
CN105132577B (zh) * 2015-09-30 2018-02-09 基因科技(上海)有限公司 一种对miRNA进行多重定量检测的方法
WO2018039281A1 (en) 2016-08-22 2018-03-01 Miroculus Inc. Feedback system for parallel droplet control in a digital microfluidic device
CN107868774A (zh) * 2016-09-23 2018-04-03 上海紫众生物科技有限公司 一种热启动dna聚合酶、制备方法及其应用
WO2018126082A1 (en) 2016-12-28 2018-07-05 Miroculis Inc. Digital microfluidic devices and methods
JP6448695B2 (ja) 2017-03-21 2019-01-09 株式会社東芝 Rna増幅方法、rna検出方法及びアッセイキット
US11623219B2 (en) 2017-04-04 2023-04-11 Miroculus Inc. Digital microfluidics apparatuses and methods for manipulating and processing encapsulated droplets
CN106906211B (zh) * 2017-04-13 2020-11-20 苏州普瑞迈德医学检验所有限公司 一种分子接头及其应用
CN110892258A (zh) 2017-07-24 2020-03-17 米罗库鲁斯公司 具有集成的血浆收集设备的数字微流控系统和方法
CN111587149B (zh) 2017-09-01 2022-11-11 米罗库鲁斯公司 数字微流控设备及其使用方法
CN108088826B (zh) * 2017-12-14 2020-08-04 济南大学 一种检测尿嘧啶-dna糖基化酶(udg)的荧光生物传感器
WO2020210292A1 (en) 2019-04-08 2020-10-15 Miroculus Inc. Multi-cartridge digital microfluidics apparatuses and methods of use
CN117683885A (zh) 2019-04-30 2024-03-12 觅瑞实验室私人有限公司 一种检测胃癌的miRNA标志物组合及试剂盒
US11524298B2 (en) 2019-07-25 2022-12-13 Miroculus Inc. Digital microfluidics devices and methods of use thereof
CN113005181B (zh) * 2020-12-22 2022-01-18 广州血康陆道培生物技术有限公司 一种基于茎环法的多重荧光定量pcr检测非编码小rna的引物组
CN113151413A (zh) * 2021-04-28 2021-07-23 杭州觅因生物科技有限公司 一种具有校准功能的microRNA检测试剂盒
WO2023023673A2 (en) 2021-08-20 2023-02-23 Kasa Bio, L.L.C. Compositions and methods for multiplex detection of mirna and other polynucelotides
WO2023075710A2 (en) 2021-11-01 2023-05-04 MiRXES Lab Pte. Ltd. Circulating microrna panel for the detection of nasopharyngeal carcinoma and methods thereof
US11857961B2 (en) 2022-01-12 2024-01-02 Miroculus Inc. Sequencing by synthesis using mechanical compression
CN114752665A (zh) * 2022-05-31 2022-07-15 深圳市萨米医疗中心 小片段dna的检测方法及检测试剂盒

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19506561C1 (de) * 1995-02-24 1996-10-10 Deutsches Krebsforsch Verfahren zur Früherkennung von HPV-assoziierten Karzinomen bzw. von hochgradigen, durch HPV-verursachten Dysplasien
US6117635A (en) 1996-07-16 2000-09-12 Intergen Company Nucleic acid amplification oligonucleotides with molecular energy transfer labels and methods based thereon
NZ527128A (en) 2000-12-27 2005-11-25 Invitrogen Corp Primers and methods for the detection and discrimination of nucleic acids
AU2003240795A1 (en) * 2002-05-24 2003-12-12 Invitrogen Corporation Nested pcr employing degradable primers
AU2003259017A1 (en) * 2002-09-06 2004-03-29 Johns Hopkins Singapore Pte Ltd Strand specific detection and quantification
AU2002951347A0 (en) 2002-09-09 2002-09-26 Benitec Australia Ltd Genetic silencing
US20070054287A1 (en) * 2005-05-31 2007-03-08 Applera Corporation Method for identifying medically important cell populations using micro rna as tissue specific biomarkers
EP1896617B1 (en) * 2005-05-31 2013-01-02 Life Technologies Corporation Multiplex amplification of short nucleic acids
DK1924704T3 (da) * 2005-08-02 2011-09-05 Rubicon Genomics Inc Sammensætninger og fremgangsmåder til bearbejdning og mangfoldiggørelse af DNA, herunder ved anvendelse af flere enzymer i en enkelt reaktion
WO2007025281A2 (en) * 2005-08-24 2007-03-01 Applera Corporation A method to quantify sirnas, mirnas and polymorphic mirnas
DK2644707T3 (en) * 2008-04-30 2015-06-29 Integrated Dna Tech Inc RNase-H-based assays using modified RNA monomers.
EP2419538B1 (en) * 2009-04-16 2016-09-14 Padma Arunachalam Methods and compositions to detect and differentiate small rnas in rna maturation pathway
CN102686728B (zh) * 2009-06-29 2018-09-18 卢米耐克斯公司 具有发夹构象的嵌合引物及其使用方法
CN103210092B (zh) 2010-06-14 2015-11-25 新加坡国立大学 修饰的茎-环寡核苷酸介导的反转录和碱基间隔限制的定量pcr

Also Published As

Publication number Publication date
SG185776A1 (en) 2013-01-30
HK1187378A1 (zh) 2014-04-04
EP2580355B1 (en) 2018-03-07
US20130177915A1 (en) 2013-07-11
JP2013530698A (ja) 2013-08-01
EP2580355A4 (en) 2013-11-20
EP2580355A1 (en) 2013-04-17
US9850527B2 (en) 2017-12-26
CN103210092A (zh) 2013-07-17
WO2011159256A1 (en) 2011-12-22
CN103210092B (zh) 2015-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5851496B2 (ja) 修飾ステムループオリゴヌクレオチドが仲介する逆転写および塩基間隔が制限された定量的pcr
EP2419538B1 (en) Methods and compositions to detect and differentiate small rnas in rna maturation pathway
Wan et al. High-performance quantification of mature microRNAs by real-time RT-PCR using deoxyuridine-incorporated oligonucleotides and hemi-nested primers
Androvic et al. Two-tailed RT-qPCR: a novel method for highly accurate miRNA quantification
US10041107B2 (en) Methods and compositions for detection of small RNAs
Benes et al. Expression profiling of microRNA using real-time quantitative PCR, how to use it and what is available
US8314220B2 (en) Methods compositions, and kits for detection of microRNA
Kumar et al. miR-ID: a novel, circularization-based platform for detection of microRNAs
US9169520B2 (en) Cancer marker, method for evaluation of cancer by using the cancer marker, and evaluation reagent
CN111849965B (zh) 用于减少偏向性的多核苷酸衔接子设计
EP2737086B1 (en) Analysing sequencing bias
US9290801B2 (en) Detection method of micro-RNA with high specificity
Lan et al. Linear-hairpin variable primer RT-qPCR for MicroRNA
Sun et al. Rapid and direct microRNA quantification by an enzymatic luminescence assay
EP3183054B1 (en) Methods and compositions for nucleic acid detection
Zhou et al. Sensitive and specific microRNA detection by RNA dependent DNA ligation and rolling circle optical signal amplification
WO2018161177A1 (en) Nucleic acid enzyme-mediated signal amplification for biosensing
Castoldi et al. 22 Expression Profiling of MicroRNAs by Quantitative Real-Time PCR
Luo et al. Ultrasensitive sensing of T4 PNK phosphatase activity through establishing a novel transcription-based signal amplification platform
WO2010103522A1 (en) Method for detection of nucleic acid sequences
Castoldi et al. 22 Expression Profiling of
Xu et al. A Molecular Review of the Detection of Specific Nucleic Acids by Amplification and Hybridization Characterization of Microbial Diversity in the Food Chain: A Molecular Review
Jonstrup Discovering miRNAs

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140603

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5851496

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250