JP5851422B2 - 経皮的薬物投与装置 - Google Patents

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Description

本発明は、人の皮膚に微弱電流を流すことで薬剤を皮膚に浸透させるイオントフォレシスの原理を利用した経皮的薬物投与装置に関する。
経皮的薬物投与装置の1つとしてイオントフォレシスというものがある。イオントフォレシスは、皮膚の離れた2点に正負の電極を装着して、一方の電極から角質層を横切った後、他方の電極に到達する電気の流れを形成することで、荷電した薬物を電気泳動の原理で移動させて経皮吸収を促進させる方法である。このとき、基本的に電流は一定である。また、電極の面積も一定なので、単位面積当りの電流である電流密度も一定となる。
正負の電極のうち、一方は薬物を含んだゲルに接しており、ドナー部とよばれ、他方は食塩水を含んだゲルに接しており、リファレンス部と呼ばれる。
原理的には、荷電薬物が吸収促進の対象となるが、電気が流れることによって水の流れも生じるため、電荷を持たない薬物や分子量の大きな薬物でも皮膚透過性が上昇すると報告されている。
一般的なイオントフォレシスを利用した薬物投与システムは、薬物を含んだパッチと、このパッチに電流を与えるコントローラを有する。従来、薬物投与システムは、商用電源(例えば、AC100V)用いて電流を供給する方式が一般的だったが、近年、投与中も患者の行動を制限しないように、電池(例えば、コイン形の電池)を用いて電流を供給する携帯型の薬物投与システムが商品化されている。
下記に示す特開2001−120669号公報には、通電開始時および通電時の導通異常を検出するイオントフォレーシス装置が記載されており、詳しくは、出力部において出力動作と導通異常検出動作とを交互に切り換え、装置が剥がれた場合は導通異常検出部により異常と判断され電流の出力を停止することが記載されている。
下記に示す特開2000−237330号公報には、通電状態の把握を高精度に行い得るイオントフォレーシス用デバイスが記載されており、詳しくは、皮膚を流れる無効電流がスレッショルドレベルより高い場合は正常であると判断し、スレッショルドレベルより低いときは通電状態が異常であると判断することが記載されている。
しかしながら、上記した特開2001−120669号公報及び特開2000−237330号公報の記載の技術では、前記パッチが剥がれてパッチと皮膚との接触面積が減少した場合に、通電を停止させることはできるが、該接触面積の減少を考慮して通電を継続させることはできない。逆に、接触面積が減少した場合に通電を単に継続すると、前記接触面積の減少に伴って通電する電流の密度が増加し、患者の皮膚に悪影響を与えてしまう。
そこで、本発明は、係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、パッチと皮膚との接触面積が変わっても、皮膚に悪影響を与えずに通電を継続することができる経皮的薬物投与装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、薬剤が封入された第1接触部材を有するドナー部と、第2接触部材を有するリファレンス部と、前記第1接触部材に接続された第1電極及び前記第2接触部材に接続された第2電極と、を備えるパッチと、前記第1電極への電流の供給を制御する制御部と、を有し、前記パッチが外部導体に貼付されることで、前記第1接触部材及び前記第2接触部材が前記外部導体に接触して、前記第1及び第2電極が前記外部導体に電気的に接続され、前記制御部は、前記パッチが前記外部導体に貼付されているときに、所定の周期で直流電流を前記第1電極及び前記第2電極間に供給すると共に、直流電流が供給されない第1期間に交流電流を前記第1電極及び前記第2電極間に供給して、前記第1電極及び前記第2電極間のキャパシタンスを求めることを特徴とする。このように前記第1接触部材及び第2接触部材間の前記キャパシタンスを求めるので、前記第1接触部材及び前記第2接触部材と外部導体との接触面積を求めることができる。したがって、前記外部導体(患者の皮膚等)に流れる電流の電流密度が一定となるように直流電流を供給することが可能となり、例えば、時間の経過とともに前記パッチが剥がれ、前記接触面積が減少した場合であっても、患者の皮膚に悪影響を及ぼすことなく、通電を継続することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の経皮的薬物投与装置であって、前記制御部は、前記第1期間に前記第1電極及び前記第2電極間のインピーダンスを求め、直流電流が供給される第2期間に前記第1電極及び前記第2電極間の抵抗を求め、前記インピーダンスと前記抵抗から前記キャパシタンスを求めることを特徴とする。これにより、精度良く前記キャパシタンスを求めることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の経皮的薬物投与装置であって、前記第1電極及び前記第2電極間に直流電流を供給する第1回路と、前記第1電極及び前記第2電極間に交流電流を供給する第2回路と、前記第1電極及び前記第2電極を前記第1回路及び前記第2回路のうちどちらに接続させるかを切り換えるスイッチと、を備え、前記制御部は、前記スイッチを制御して、前記第1期間の場合は前記第1電極及び前記第2電極を前記第2回路に接続させ、直流電流が供給される第2期間の場合には前記第1電極及び前記第2電極を前記第1回路に接続させることを特徴とする。これにより、直流電流と交流電流とを選択的に前記外部導体に供給することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経皮的薬物投与装置であって、前記制御部は、求めた前記キャパシタンスに応じて、前記第1電極及び前記第2電極間に供給する直流電流の大きさを変化させることで、前記外部導体に供給する直流電流の電流密度を一定に保つことを特徴とする。これにより、前記パッチが前記外部導体から剥がれた場合であっても、前記外部導体に流れる電流の電流密度を一定にすることができ、患者の皮膚に悪影響を及ぼすことなく通電を継続することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮的薬物投与装置であって、前記制御部は、求めた前記キャパシタンスが、予め定められた値以下の場合は、前記第1電極及び前記第2電極間への直流電流の供給を停止することを特徴とする。これにより、電流密度が過大になって患者の皮膚に悪影響を及ぼすことが避けられる。また、例えば、薬剤がリドカイン等の麻酔剤の場合に、接触面積が穿刺に必要な最低限の面積より小さい場合は、電流供給を停止するので、無駄に薬剤を投与することがない。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の経皮的薬物投与装置であって、前記制御部は、求めた前記キャパシタンスが、予め定められた値以下の場合は、警告を行うことを特徴とする。これにより、例えば、薬剤がリドカイン等の麻酔剤の場合に、接触面積が穿刺に必要な最低限の面積より小さい場合は、警告を行うので、患者若しくは医療従事者は、前記外部導体から前記パッチが剥がれており適切に薬剤が投与できないことを認識することができる。
本発明によれば、所定の周期で直流電流を前記第1電極及び前記第2電極間に供給し、直流電流が供給されていない第1期間に交流電流を前記第1電極及び前記第2電極間に供給して、前記第1電極及び前記第2電極間のキャパシタンスを求めるので、第1接触部材及び第2接触部材と外部導体との接触面積を求めることができる。したがって、電流密度が一定となるように直流電流を前記外部導体(例えば、皮膚)に供給することが可能となり、前記接触面積が減少した場合であっても、患者の皮膚に悪影響を及ぼすことなく、通電を継続することができる。
実施の形態のイオントフォレシスを利用した経皮的薬物投与装置の全体構造を示す斜視図である。 図1に示すイオントフォレシス用パッチの分解斜視図である。 図2中のIII−III線に沿う電極フィルムの断面図である。 図4Aは、電極フィルムの平面図であり、図4Bは、電極フィルムの底面図である。 図1に示す経皮的薬物投与装置を患者の腕に密着配置した状態の側面説明図である。 図1に示す経皮的薬物投与装置のパッチを皮膚に貼り付けた場合における、経皮的薬物投与装置の回路図である。 図6に示す記憶部に記憶された通電電流テーブルを示す図である。 図6に示す制御部の動作を示すフローチャートである。 イオントフォレシスの原理を利用して皮膚に電流を流したときの時間の経過に伴う電極間の抵抗の変化を示す図である。 変形例5の経皮的薬物投与装置の全体構造を示す斜視図である。 図10に示すイオントフォレシス用パッチの分解斜視図である。 電極フィルムの平面図である。 変形例9における、孔と磁性体との配置関係の一例を示す図である。 変形例9における、孔と磁性体との配置関係の他の例を示すである。 変形例10における経皮的薬剤投与装置の斜視図である。
本発明に係るイオントフォレシスを利用した経皮的薬物投与装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
図1は、経皮的薬物投与装置10の全体構造を示す斜視図であり、経皮的薬物投与装置10を構成するイオントフォレシス用パッチ12と、通電装置14とを分解した状態で示している。図2は、図1に示すイオントフォレシス用パッチ12の分解斜視図である。
経皮的薬物投与装置10(以下、装置10という)は、例えば、血液透析患者の穿刺の除痛のために用いられ、患者の腕に局所麻酔剤(例えば、リドカインを含むイオン性麻酔剤)を投与、浸透させるための医療用器具であり、イオントフォレシス用パッチ12(以下、パッチ12という)を外部導体である患者の皮膚に貼り付け、通電装置14から通電することで、パッチ12に封入されたイオン性麻酔剤を生体に対して浸透させるものである。パッチ12は、イオン性麻酔剤以外のイオン性薬剤を患者に投与するための装置に適用してもよく、イオン性でない薬剤を患者に投与するための装置に適用してもよい。
図1及び図2に示すように、装置10は、パッチ12と、該パッチ12の表面(上面)に載置及び接続される通電装置14とを備える。
パッチ12は、円形薄板状のドナー部16と、該ドナー部16から離れて設けられた一辺が円弧状からなる矩形薄板状のリファレンス部18とを備え、これらドナー部16とリファレンス部18とにわたって通電装置14が接続される電極フィルム(電極体)20が設けられる。電極フィルム20は、ドナー部16及びリファレンス部18に対応した形状からなるドナー側部位22と、リファレンス側部位24と、ドナー部16とリファレンス部18を繋ぐ狭幅なブリッジ部位26とを有する(図2参照)。
ドナー部16は、該ドナー部16の外形に対応した円形状のドナー用貼付部材28と、該ドナー用貼付部材28の開口に充填されるドナー用ゲル(第1接触部材)30とを有し、該ドナー用ゲル30の表面(図2における上面)に電極フィルム20のドナー側部位22が電気的に接続される。リファレンス部18は、該リファレンス部18の外形に略対応した一辺が円弧状からなる矩形状のリファレンス用貼付部材32と、該リファレンス用貼付部材32の開口に充填されるリファレンス用ゲル(第2接触部材)34とを有し、該リファレンス用ゲル34の表面に電極フィルム20のリファレンス側部位24が電気的に接続される。
ドナー用貼付部材28及びリファレンス用貼付部材32は、一定の強度で人体等の皮膚に貼り付く粘着性を有する弾性体であり、絶縁性を有する。ドナー用ゲル30には、前記イオン性麻酔剤が封入されており、リファレンス用ゲル34には、生理食塩水等、生体に為害性のない電解質(例えば、緩衝塩、食塩など)の液剤又は溶液が封入されている。穿刺になれた医療従事者であれば、穿刺予定箇所の薬剤送達の面積が2.5cmあれば容易に針を刺させるので、例えば、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34が皮膚に接触する接触面(図2における下面)の面積は2.5〜5.0cm程度とするとよい。
そこで、ドナー用貼付部材28の開口にドナー用ゲル30を埋入し、リファレンス用貼付部材32の開口にリファレンス用ゲル34を埋入し、これらドナー用貼付部材28及びリファレンス用貼付部材32を患者の皮膚に貼り付けることで、ドナー部16及びリファレンス部18を略同時に皮膚に接触させることができ、1回の動作でパッチ12を皮膚に簡単に貼り付けることができる。なお、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34の皮膚の前記接触面に粘着性を持たせてもよい。
図3は、図2中のIII−III線に沿う電極フィルム20の断面図であり、理解の容易のため、電極フィルム20の厚さを誇張して図示している。図4Aは、電極フィルム20の平面図であり、図4Bは、電極フィルム20の底面図である。
電極フィルム20は、その外形を規定するフレキシブルなベース36を有し、該ベース36の各部がそれぞれドナー側部位22、リファレンス側部位24、及び、ブリッジ部位26として構成されたフレキシブル基板である。ベース36は、例えば、ポリエステルやポリイミド等の樹脂を薄いフィルム状に形成した柔軟なフィルムである。
図3、図4A、Bに示すように、ドナー側部位22では、ベース36の底面にドナー用ゲル30と接触して電気的に接続される円形状の第1電極38が設けられている。第1電極38から、接続線38aが延伸しており、該接続線38aは、ブリッジ部位26の略中央まで一側方に寄って配線されている。
リファレンス側部位24では、ベース36の底面にリファレンス用ゲル34と接触して電気的に接続される長円形状の第2電極40が設けられ、ベース36の表面に一対の接触端子線(第1接触端子線、第2接触端子線)42、44が並列されている。第2電極40から、接続線40aが延伸しており、該接続線40aは、ブリッジ部位26の略中央まで他側方に寄って配線されて前記接続線38aと平行している(図4B参照)。接触端子線42、44は、リファレンス側部位24の表面に並列された円形状で一対の端子台42a、44aと、各端子台42a、44aからブリッジ部位26略中央まで屈曲延伸されて平行した一対の接続線42b、44bとを有する。
電極フィルム20を構成する各配線、すなわち第1電極38(接続線38a)、第2電極40(接続線40a)、接触端子線42、44(接続線42b、44b、端子台42a、44a)は、ベース36の表面や裏面に対し、例えば、銀、銀/塩化銀を含む導電性インクを印刷することにより形成される。これら各配線の露出面は、例えば、絶縁性の樹脂材料45によって封止されるが(図3参照)、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34と接触する第1電極38及び第2電極40の底面(接触面)には該樹脂材料45は塗布されない。なお、前記導電性インクは、複数回の印刷により厚みを増し、通電不良の発生をより確実に防止できるように構成してもよい。
図3、図4A、Bに示すように、第1電極38の接続線38aと、一方の接触端子線(第1接触端子線)42の接続線42bとは、ブリッジ部位26の厚み方向で対応配置され(図3及び図4B参照)、その先端同士がブリッジ部位26を厚み方向に貫くスルーホール46によって電気的に接続されている。同様に、第2電極40の接続線40aと、他方の接触端子線(第2接触端子線)44の接続線44bとは、ブリッジ部位26の厚み方向で対応配置され、その先端同士がブリッジ部位26を厚み方向に貫くスルーホール48によって電気的に接続されている。
このように、電極フィルム20では、ドナー側部位22のベース36は、第1電極38のみによる片面配線構造とされ、リファレンス側部位24のベース36は、第2電極40及び接触端子線42、44による両面配線構造とされている。従って、パッチ12では、両面配線構造のリファレンス側部位24を設けたリファレンス部18よりも、片面配線構造のドナー側部位22を設けたドナー部16の方が柔軟性が大きな構造となっている。なお、ブリッジ部位26は、その略中央に各配線とスルーホール46、48が集中的に配置されるが、ドナー側部位22寄りの部分は、接続線38aのみによる片面配線構造となっているため、ブリッジ部位26についてもドナー部16寄りの部分の柔軟性が大きな構造となっている。
図1及び図3に示すように、ブリッジ部位26は、接続線38a、40a、42b、44bやスルーホール46、48が外部に露出することを防止するため、絶縁性のシート材であるカバーレイ(保護層)49によって囲繞されている。カバーレイ49に代えて、絶縁性の塗料(レジスト)等を用いてもよいが、ブリッジ部位26での柔軟性及び耐久性を考慮した場合には、シート材であるカバーレイ49が有効である。
図2に示すように、第1電極38及び第2電極40に電気的に接続された各端子台42a、44aには、それぞれ所定の導電部材(例えば、銀ペースト)を介して接続端子(ホック)50、52が設けられる。接続端子50、52は、それぞれ上方に向かって突出する小径円柱状の突出部50a、52aを有し、突出部50a、52a以外の部分が、端子台42a、44aや接続線42b、44bと共に絶縁フィルム(ホックカバー)54によって覆われる。絶縁フィルム54には、突出部50a、52aが貫通する一対の孔が形成されており、これにより、突出部50a、52aのみが絶縁フィルム54から露出し、それ以外のリファレンス側部位24の部材の表面は絶縁フィルム54によって覆われる。
図1に示すように、通電装置14は、その底面に各接続端子50、52の突出部50a、52aが接続される接続孔14a、14bが設けられており、その内部には、電池56と、図示しない電流制御部とを有する。経皮的薬物投与装置10の電気的構成については後で詳しく説明する。
この通電装置14では、電池56の陰極側に絶縁シート58が介在しており、使用開始前には、該絶縁シート58により電池56から直流電流が前記電流制御部に流れるのを阻止している。一方、装置10の使用開始時には、絶縁シート58を引っ張って外すことで、電池56の陰極と電極フィルム20との間が電気的に接続され、これにより、電池56からの直流電流が電極フィルム20を介して、ドナー用ゲル30や患者の体、リファレンス用ゲル34に供給される。勿論、絶縁シート58に代えて、電源スイッチ等を設けてもよい。
以上のような装置10によれば、通電装置14は、接続孔14aに接続された接続端子50から、端子台42a、接続線42b、接続線38a、第1電極38を経てドナー用ゲル30に直流電流を供給することができ、ドナー用ゲル30に供給された直流電流は、患者の体内、リファレンス用ゲル34、第2電極40、接続線40a、接続線44b、端子台44a、接続端子52を経て、接続孔14bから通電装置14へと戻る経路を構成する。
この場合、本実施形態に係るパッチ12では、リファレンス部18の表面にのみ通電装置14を接続・載置するための接触端子線42、44及び接続端子50、52を設けて構成している。
従って、患者の皮膚に貼り付けられる電極対として機能する一対のゲルのうち、薬剤が保持されるドナー用ゲル30を設けたドナー部16には通電装置14が載置されず、ドナー部16の柔軟性が通電装置14によって損なわれることがない。このため、図5に示すように、血液透析の患者のように穿刺箇所(腕に形成したシャント部分)の血管が著しく隆起している場合であっても、薬剤を含有したドナー部16を容易に追従させた状態で密着固定することができる。この際、ドナー部16とリファレンス部18とがブリッジ部位26を介して互いに離れて配置されることから、ドナー部16の柔軟性を一層向上させることができ、貼り付けの自由度を高めることができる。しかも、パッチ12に直接的に通電装置14を接続できるため、装置10全体としての構成を小型化し、取り扱いが容易になるという利点もある。
なお、通電装置14には、正常に通電を行っていることを示すLED60aと、パッチ12が皮膚から剥がれ、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34と皮膚の接触面積Sが所定面積より小さくなったことを警告するLED60bとを有する。前記所定面積は、医療従事者が穿刺するのに必要最低限の面積である。
次に、経皮的薬物投与装置10の電気的な構造について詳しく説明する。本実施の形態の経皮的薬物投与装置10は、パッチ12(詳しくは、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34)と皮膚との接触面積Sに応じて、通電させる直流電流を変えるというものである。
図6は、経皮的薬物投与装置10のパッチ12を皮膚に貼り付けた場合における、経皮的薬物投与装置10の回路図である。図6の皮膚は、パッチ12を皮膚に貼り付けた場合におけるドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34間(第1電極38及び第2電極40間)のインピーダンスZを表している。つまり、インピーダンスZは、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34間に電流が流れる経路の外部導体の電圧と電流との比であり、直流電流の場合は抵抗値である。イオントフォレシスの場合、外部導体のインピーダンスZは、一般的に抵抗R、キャパシタンスCの並列回路と考えられる。したがって、インピーダンスZは、下記に示す数1によって表すことができる。なお、本実施の形態では、便宜上、ドナー用ゲル30、リファレンス用ゲル34、第1電極38、及び第2電極40の抵抗は無視してインピーダンスZを考える。
Figure 0005851422
経皮的薬物投与装置10は、電池56と、薬剤を患者の皮膚に投与するための薬剤投与用の第1回路(以下、回路Aという)と、パッチ12と皮膚との接触面積Sを求めるための第2回路(以下、回路Bという)と、クロック回路を有し、タイマーとしても機能する制御部100と、通電電流テーブルが記憶された記憶部102と、電池56から第1電極38及び第2電極40間(外部導体)に流れる直流電流を制御する電流制御部104と、緑色の光を発光するLED60aと、黄色の光を発光するLED60bとを有する。
回路Aには、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34間(第1電極38及び第2電極40間)に流れる直流電流を検出する電流検出部108、及び、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34間(第1電極38及び第2電極40間)の電圧(インピーダンスZにかかる電圧)を検出する電圧検出部110が設けられる。
回路Bは、内部に出力インピーダンスを有する交流電源Vs、及び電流検出抵抗Rsを有し、直列に接続された交流電源Vs、及び電流検出抵抗Rsを介して第1電極38及びドナー用ゲル30と第2電極40及びリファレンス用ゲル34とが接続され、交流電源Vsからドナー用ゲル30に電流が流れ、電流検出抵抗Rsによって電流は検出される。交流電源Vsは、矩形波を出力してもよく、例えば、直列に接続された電池などの直流電源と、オンオフを切り換えるスイッチとによって構成されていてもよい。スイッチがオンオフ動作をすることによって、矩形波を出力することができる。
回路Bには、交流電源Vsの電圧Vaを検出する受信回路112と、電流検出抵抗Rsの電圧Vbを検出する受信回路114とが設けられる。交流電源の出力インピーダンスを考慮すると、交流電源Vsの本来の電圧、すなわち、無負荷時の電圧と電圧Vaとは一致しない。
第1電極38及び第2電極40(ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34)を回路A及び回路Bのうちどちらの回路に接続させるかは、スイッチSW1及びスイッチSW2によって切り換えることができる。端子aにスイッチSW1及びスイッチSW2を接続すると第1電極38及び第2電極40は回路Aに接続され、端子bにスイッチSW1及びスイッチSW2を接続すると第1電極38及び第2電極40は回路Bに接続される。このスイッチSW1及びスイッチSW2の切り換えは、制御部100によって制御される。
また、制御部100は、第1電極38及び第2電極40が回路Aに接続されているときに、電流検出部108が検出した電流I及び電圧検出部110が検出した電圧Vに基づいて、第1電極38及び第2電極40間(ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34間)の抵抗Rを求める。詳しくは、下記に示す数2によって求める。
Figure 0005851422
また、制御部100は、第1電極38及び第2電極40が回路Bに接続されているときに、受信回路112が検出した交流電源Vsの電圧Va、及び受信回路114が検出した電流検出抵抗Rsの電圧Vbに基づいて、第1電極38及び第2電極40間のインピーダンスZを求める。詳しくは、下記に示す数3によってインピーダンスZを求める。
Figure 0005851422
制御部100は、数1〜数3に基づいて、第1電極38及び第2電極40間のキャパシタンスCを求める。キャパシタンスCは、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34の接触面積Sに比例して減少する。したがって、キャパシタンスCが減少すればその分接触面積Sが減少していることになる。
図7は、記憶部102に記憶された通電電流テーブルを示す図である。通電電流テーブルには、キャパシタンスCに対応して、通電させる直流電流(通電電流)が格納されている。パッチ12を皮膚に貼り付けた後、最初に求められたキャパシタンスCを1で表しており、キャパシタンスCが1のときにおける通電電流(初期電流)を1で表している。これは、パッチ12を貼り付けた当初は、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34の皮膚に対する接触面が完全に皮膚に接触していると考えられるからであり、そのときのキャパシタンスCを1としている。この接触面の面積を初期面積とする。また、初期電流は、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34の接触面が完全に皮膚に接触している場合に、皮膚に流れ込む電流密度が少なくとも閾値以下となるような値である。電流密度が閾値より大きいと、患者は痛みを感じ、皮膚に対しても悪影響を与えてしまうからである。本実施の形態では、電流密度が所定値から一定の範囲内となる直流電流を皮膚に供給する。勿論、前記所定値から一定の範囲内にある電流密度は前記閾値以下の値であることは言うまでもない。なお、通電電流の電流密度とは、厳密に言うと通電電流を接触面積Sで除算した値である。
図7に示すように、キャパシタンスCが、0.9<C≦1(初期面積)のときは、通電電流は1(初期電流)となる。つまり、接触面積Sが初期面積の90%より大きい場合は、初期電流を通電させる。キャパシタンスCが、0.8<C≦0.9のときは、通電電流は0.9となる。つまり、接触面積Sが初期面積の80%より大きく90%以下の場合は、初期電流の90%の電流を通電させる。
キャパシタンスCが、0.7<C≦0.8のときは、通電電流は0.8となる。つまり、接触面積Sが初期面積の70%より大きく80%以下の場合は、初期電流の80%の電流を通電させる。キャパシタンスCが、0.6<C≦0.7のときは、通電電流は0.7となる。つまり、接触面積Sが初期面積の60%より大きく70%以下の場合は、初期電流の70%の電流を通電させる。キャパシタンスCが、C≦0.6のときは、通電電流は0となる。つまり、接触面積Sが初期面積の60%以下の場合は、電流通電は0となる。
電流制御部104は、制御部100の制御にしたがって、第1電極38及び第2電極40間に流れる直流電流を基本的に一定に制御する。電流制御部104は、例えば、昇圧型スイッチング電源を有し、後述する電流検出部で検出された電流が入力される制御部100の制御に従って、スイッチングを行う期間を変化させて直流電圧を変えることで、第1電極38及び第2電極40間に流れる直流電流を一定に制御することができる。また、電流制御部104は、例えば、回路Aを接続及び切断するスイッチを有し、制御部100の制御にしたがってスイッチのオンオフを切り換えることで、第1電極38及び第2電極40間への電流の供給及び供給停止を制御することができる。また、電流制御部104は、スイッチSW1及びSW2を制御して第1電極38及び第2電極40間への電流の供給及び供給停止を制御してもよい。具体的には、例えば、電流制御部104は、スイッチSW1を端子aに接続し、スイッチSW2を端子bに接続させる。
LED60aは、制御部100の駆動制御にしたがって緑色の光を発光する。制御部100は、第1電極38への通電を開始すると、LED60aを駆動駆動して緑色の光を発光させ、キャパシタンスCが、C≦0.6になったと判断すると、LED60bを駆動制御して黄色の光を発光させる。また、薬剤を投与する投与時間が終了すると通電が終了するので、制御部100は、LED60aの発光を終了させる。
制御部100、記憶部102、電流制御部104、電流検出部108、電圧検出部110、受信回路112、受信回路114、スイッチSW1、及びスイッチSW2は、通電装置14に設けられ、第1電極38、第2電極40、ドナー用ゲル30、及びリファレンス用ゲル34は、上述したようにパッチ12に設けられる。また、制御部100は、コンピュータによって構成されており、前記コンピュータが記憶部102に記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、前記制御部100として機能する。
次に、制御部100の動作を、図8のフローチャートにしたがって説明する。
経皮的薬物投与装置10を患者の皮膚に貼り付け、絶縁シート58を引っ張ることで、電流制御部104からの直流電流がドナー用ゲル30を介して皮膚(外部導体)に供給され、通電が開始される(ステップS1)。このとき、制御部100は、LED60aを駆動制御して緑色の光を発光させる。なお、図6に示すように、ステップS1では、スイッチSW1及びSW2は、制御部100によって端子aに接続されている。電流制御部104は、後述するように皮膚のインピーダンスZが安定したときに、初期電流をドナー用ゲル30に供給することができるように制御部100に制御される。例えば、電流制御部104の出力電流は、制御部100によって初期電流値に設定される。すなわち後述するようにインピーダンスZが安定したときに、第1電極38及び第2電極40間を流れる電流が初期電流値である。
次いで、通電開始から一定時間(少なくとも、インピーダンスZが安定するための期間)が経過したか否かを判断する(ステップS2)。図9に示すように、ドナー用ゲル30に直流電流を供給し始めのころは、薬物が皮膚、人体に浸透しておらず、インピーダンスZは高い値となり、その後、時間の経過と共に、薬物が皮膚等に浸透してインピーダンスZは徐々に低下していき、最終的にインピーダンスZは略一定の値になる。接触面積Sが一定であることを条件に、インピーダンスZの値が徐々に低下している間は、通電電流が徐々に増加し、インピーダンスZの値が略一定になると通電電流も初期電流(略一定)になる。
ステップS2で、通電開始から一定時間が経過していないと判断すると、一定時間が経過するまでステップS2に留まり、通電開始から一定時間が経過したと判断すると、第1電極38及び第2電極40間の抵抗Rを求める(ステップS3)。具体的には、電流検出部108が検出した第1電極38及び第2電極40間に流れる電流Iと、電圧検出部110が検出した第1電極38及び第2電極40間の電圧V(インピーダンスZにかかる電圧)とに基づいて、第1電極38及び第2電極40間の抵抗Rを求める。具体的には、上記した数2によって抵抗Rを求めることができる。
次いで、接触面積測定モードに移行する(ステップS4)。接触面積測定モードに移行すると、制御部100は、スイッチSW1及びSW2を端子bに接続させる。これにより、交流電源Vsによって交流電流が第1電極38及び第2電極40間に供給されることになる。このとき、皮膚に供給される交流電流の電流密度が少なくとも前記閾値以下となる交流電流が供給される。なお、皮膚に交流電流を供給するのは、インピーダンスZを求めるためであるので、交流電流は、電池56から供給する直流電流より大幅に小さくてもよい。これにより、パッチ12が剥がれ接触面積Sが減少した場合であっても、交流電流の電流密度は閾値より小さい値となる。
接触面積測定モードに移行すると、受信回路112が検出した電圧Vaと、受信回路114が検出した電圧Vbに基づいてインピーダンスZを求める(ステップS5)。インピーダンスZは、上記した数3によって求めることができる。
次いで、ステップS3で求めた抵抗RとステップS5で求めたインピーダンスZとから、キャパシタンスCを求める(ステップS6)。キャパシタンスCは、上記した数1から求めることができる。このキャパシタンスCは、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34と皮膚との接触面積Sを表している。なお、数1によれば、抵抗Rと、ある角周波数で求めたインピーダンスZがあれば、キャパシタンスCは求まるが、より正確な値を得るためには角周波数を変化させて、数1に基づいて求めればよい。
次いで、ステップS6で求めたキャパシタンスCが予め定められた値であるか否かを判断する(ステップS7)。この判断は、記憶部102に記憶された通電電流テーブルを用いて判断する。つまり、キャパシタンスCが、C≦0.6であるか否かを判断する。ここで、最初にステップS6で求めたキャパシタンスCを1とするので、予め定められた値は、最初に求められたキャパシタンスCの60%の値となる。キャパシタンスCが60%以下の場合は、接触面積Sが、医療従事者が穿刺に最低限必要な前記所定面積より小さくなるからである。パッチ12が剥がれる要因としては、例えば、患者の身体の運動(腕を動かす動作)、発汗等があり、これらの要因により時間の経過とともに接触面積Sが減少する可能性がある。
ステップS7で、キャパシタンスCが予め定められた値以下でないと判断すると、測定されたキャパシタンスCに応じた直流電流を第1電極38及び第2電極40間に供給するように電流制御部104を制御する(ステップS8)。この制御は、記憶部102に記憶された通電電流テーブルを用いて行われる。例えば、キャパシタンスCが、0.9<C≦1、の場合は、1の直流電流(初期電流)が継続して第1電極38及び第2電極40間に供給される。キャパシタンスCが、0.8<C≦0.9、の場合は、0.9の直流電流(初期電流の90%の値の直流電流)を第1電極38及び第2電極40間に供給するように電流制御部104が制御され、0.7<C≦0.8、の場合は、0.8の直流電流(初期電流の80%の値の直流電流)を第1電極38及び第2電極40間に供給するように電流制御部104が制御され、0.6<C≦0.7、の場合は、0.7の直流電流(初期電流の70%の値の直流電流)を第1電極38及び第2電極40間に供給するように電流制御部104が制御される。これにより、接触面積Sが減少した場合であっても、皮膚に流れる通電電流の電流密度は、所定値から一定の範囲内となり(通電電流の電流密度を約一定に保つことができ)、患者の皮膚に悪影響を及ぼすことがなく、通電を継続することができる。
次いで、接触面積測定モードに移行してから第1の所定時間(例えば、1秒)が経過したか否かを判断し(ステップS9)、第1の所定時間が経過していないと判断すると、ステップS5に戻り上記した動作を繰り返す。この接触面積測定モードが実行されている期間を第1期間と呼ぶ。
一方、ステップS9で、接触面積測定モードに移行してから第1の所定時間が経過したと判断すると、薬物投与モードに移行する(ステップS10)。薬物投与モードに移行すると、制御部100は、スイッチSW1及びSW2を端子aに接続させる。これにより、直流電流が第1電極38及び第2電極40間に供給されることになる。このとき、ステップ8の制御によって皮膚に流れる直流電流の電流密度は前記所定値から一定の範囲内に保たれる。
次いで、薬物投与モードに移行してから第2の所定時間(例えば、9秒)が経過したか否かを判断し(ステップS11)、第2の所定時間(第2期間)が経過していないと判断すると、第2の所定時間が経過するまでステップS11に留まる。一方、ステップS11で薬物投与モードに移行してから第2の所定時間が経過したと判断すると、ステップS4に戻り上記した動作を繰り返す。この薬物投与モードが実行されている期間を第2期間と呼び、第1電極38及び第2電極40間には、所定の周期(例えば、10秒)で直流電流が供給される。
一方、ステップS7で、時間の経過と共にパッチ12が皮膚から剥がれることで、求めたキャパシタンスCが予め定めた値以下であると判断すると(求めたキャパシタンスCが、C≦0.6、と判断すると(但し、最初に求めたキャパシタンスCを1とする))、電流制御部104を制御して電流の供給を停止する(ステップS12)。つまり、制御部100は、スイッチSW1及びSW2を端子aに接続するとともに、電流制御部104を制御して直流電流の供給を停止する。薬物がリドカインであって、該リドカインを経皮的薬物投与装置10で投与する場合、医療従事者が穿刺するのに必要最低限の面積に対して小さいため、リドカインを投与することができないからである。
次いで、接触面積Sが所定面積より小さい旨を患者若しくは医療従事者に警告して(ステップS13)、処理を終了する。具体的には、LED60bを駆動制御することで黄色の色の光を発光させるとともに、LED60aの駆動を停止させて緑色の光の発光を停止する。
なお、ステップS7で、求めたキャパシタンスCが予め定めた値以下であると判断されずに、薬物投与に必要な時間(投与時間)が経過した場合も、制御部100は、電流制御部104を制御して直流電流の供給を停止する。このとき、LED60aの駆動を停止させることで緑色光の発光を停止する。投与時間が経過したか否かの判断は、通電開始時を基準にしてもよいし、通電開始から一定時間経過した時点を基準にしてもよい。
このように、所定の周期で直流電流をドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34間(皮膚)に供給し、直流電流が供給されていない第1期間に交流電流を供給してキャパシタンスCを求めるので、キャパシタンスCに比例して変化するドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34と皮膚との接触面積Sを間接的に知ることができる。したがって、患者の皮膚に流れる電流の電流密度が略一定となるように直流電流を供給することが可能となり、前記接触面積Sが減少した場合であっても、患者の皮膚に悪影響を及ぼすことなく、通電を継続することができる。
第1期間に前記インピーダンスZを求め、直流電流が供給されている第2期間に抵抗Rを求めるので、精度良くキャパシタンスCを求めることができ、接触面積Sを精度良く求めることができる。
第1期間に、スイッチSW1及びSW2を端子bに接続し、第2期間に、スイッチSW1及びSW2を端子aに接続するので、直流電流と交流電流とを選択的に第1電極38及び第2電極40間に供給することができる。
求めたキャパシタンスCに応じて、第1電極38に供給する直流電流の大きさを制御するので、患者の皮膚に流れる直流電流の電流密度を一定に保つことができ、パッチ12が時間の経過とともに剥がれた場合であっても、患者の皮膚に悪影響を及ぼすことなく、通電を継続することができる。
薬剤がリドカイン等の麻酔剤であって、求めたキャパシタンスCが予め定められた値以下の場合は(接触面積Sが穿刺に限必要な最低限の所定面積より小さくなった場合は)、第1電極38への直流電流の供給を停止するので、電流密度が過大になることによって患者の皮膚に悪影響を及ぼすということを避けることができる。また、無駄に薬剤を投与することがない。
薬剤がリドカイン等の麻酔剤であって、求めたキャパシタンスCが予め定められた値以下の場合は(接触面積Sが穿刺に必要な最低限の所定面積より小さくなった場合は)、警報を出すので、患者若しくは医療従事者は、パッチ12が剥がれ、接触面積Sが前記所定面積より小さくなったことを認識することができる。
なお、上記実施の形態では、リドカイン等の麻酔剤を投与する場合について説明したが、麻酔剤以外の薬剤を投与してもよい。
[変形例]上記実施の形態は以下のように変形してもよい。
(変形例1)上記実施の形態では、図8のステップS13で、LED60bを駆動制御して黄色の光を発光することで、患者若しくは医療従事者に警報を出すようにしたが、通電装置14が表示部120を備え(図6参照)、制御部100が、パッチ12が剥がれている旨を表示部120に表示させることで、警報を出してもよい。また、通電装置14は、スピーカを備え、制御部100が前記スピーカから、例えば、警報音を放つことで、警報を出してもよい。
(変形例2)上記実施の形態及び上記変形例1では、図8のステップS12で、キャパシタンスCが予め定められた値以下の場合は、電流の供給を停止するようにしたが、電流の供給を停止せずに、通電をそのまま継続してもよい。この場合は、ステップS13の警告によってユーザがパッチ12を貼り直すことができるからである。また、穿刺するための麻酔剤以外の薬剤を投与する場合は接触面積Sが小さくても影響はないので、接触面積Sが予め定められた値以下であっても通電を継続してもよい。この場合であっても、キャパシタンスCに応じて通電電流を制御することは言うまでもない。
(変形例3)上記実施の形態及び上記変形例1、2においては、図8のステップS8で、キャパシタンスCに応じた直流電流を第1電極38及び第2電極40間に供給することで、皮膚に流れる直流電流の電流密度を所定値から一定の範囲内にしたが、皮膚に流れる直流電流の電流密度が閾値以下であれば、該所定値から一定の範囲内になくてもよい。
(変形例4)上記実施の形態及び上記変形例1〜3において、通電装置14は、表示部120を備え(図6参照)、制御部100は、残りの通電時間を表示してもよい。つまり、薬剤の投与が完了するまでの時間を表示してもよい。また、上記実施の形態及び上記変形例1、2では、パッチ12が剥がれ、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34と皮膚との接触面積Sが減少した場合であっても、薬剤の投与時間(例えば、10分)が経過すると通電を停止させるようにしたが、接触面積Sが減少した場合は通電電流も減少するのでその分投与される薬剤も減少することになる。したがって、接触面積Sも考慮して、薬剤の投与時間も変更して、その残りの通電時間を表示させてもよい。
ここで、パッチ12が剥がれておらず、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34の皮膚に対する接触面が完全に皮膚に接触している場合(接触面積Sが初期面積の場合)に、薬剤の投与時間を初期投与時間(例えば、10分)とする。ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34と皮膚との接触面積Sが初期面積の場合は、初期投与時間だけ通電させれば、一定量の薬剤を皮膚に投与することができる。したがって、この場合は、初期投与時間から通電した時間を減算した時間が残りの通電時間となり、残り通電時間が0になった時点で通電を停止すればよい。
しかしながら、パッチ12が剥がれドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34と皮膚との接触面積Sが減少した場合は、皮膚に流れる直流電流も小さくなるので、前記一定量の薬剤を投与するためには、前記初期投与時間より長い時間通電を行わなければならず、投与時間を変更しなければならない。以下、投与時間の変更方法の一例について詳しく説明する。ここで、ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34と皮膚との接触面積Sが初期面積のままで通電が行われる場合と、該接触面積Sが初めから初期面積より小さい面積のままで通電が行われる場合とを比較して説明する。
投与される薬物の量は、通電時間と通電電流とによって表される。ドナー用ゲル30及びリファレンス用ゲル34と皮膚との接触面積Sが初期面積で通電される場合は、投与される薬物の前記一定量(以下、一定量Mと呼ぶ)は、初期投与時間(以下、初期投与時間T1と呼ぶ)×初期電流(以下、初期電流I1と呼ぶ)で表される。
一方で、接触面積Sが初めから初期面積より小さい面積のままで通電が行われる場合は、投与する薬物の量(以下、量mと呼ぶ)は、投与時間(以下、投与時間T2)×接触面積Sに対応する通電電流(以下、通電電流I2と呼ぶ)で表される。
一定量Mと量mとは同じ量であるから、接触面積Sが減少した場合に薬物を投与する時間Tは、投与時間T1×初期電流I1/通電電流I2、の関係式で求めることができる。つまり、初期電流I1と初期投与時間T1とを乗算して表される値(mA・sec値)と、同じ値となるまで電流を通電すればよいことになり、現在の接触面積Sに対応する通電電流に応じて投与時間を求めることができる。
(変形例5)上記実施の形態及び上記変形例1〜4では、経皮的薬物投与装置10を用いて説明したが、以下に説明する経皮的薬物投与装置200を用いてもよい。なお、変形例5においては、上記実施の形態と同一若しくは同様の構成については、同一の符号を付し、主に異なる部分だけを説明する。
図10は、経皮的薬物投与装置200の全体構造を示す斜視図であり、経皮的薬物投与装置(以下、装置)200を構成するイオントフォレシス用パッチ202と、通電装置204とを分解した状態で示している。図11は、図10に示すイオントフォレシス用パッチ(以下、パッチ)202の分解斜視図である。図12は、電極フィルム20の平面図である。
図10及び図11に示すように、装置200は、パッチ202と、該パッチ202の表面(上面)に載置及び接続される通電装置204とを備える。
図2に示すように、電極フィルム20の上面側(通電装置204と接触する側)には、円形状で、且つ、薄い鉄板からなる一対の磁性体206a、206bが設けられている。また、リファレンス側部位24の端子台42a、44a(図12参照)の上面に、円形状で薄い鉄板からなるリジッドな導電板208a、208bが設けられ、2つの孔210a、210bを有する絶縁フィルム212によって、導電板208a、208bの周縁部、端子台42a、44a、及び接続線42b、44bが覆われる。これにより、2つの孔210a、210bによって覆われない導電板208a、208bの残部が絶縁フィルムから露出した状態となる。導電板208a、208bは、ベース36(図3参照)より剛性が高い。
ここで、端子台42a、導電板208a、及び孔210aの中心位置は一致しており(端子台42aの中心を通り、端子台42aの平面に直行する直線は、導電板208a及び孔210aの中心を通る)、端子台44a、導電板208b、及び孔210bの中心位置は一致している(端子台44aの中心を通り、端子台44aの平面に直行する直線は、導電板208b及び孔210bの中心を通る)。
図10に示すように、通電装置204は、その底面にパッチ202の絶縁フィルム212の2つの孔210a、210bから露出した導電板208a、208bと電気的に接触する一対のスプリングプローブ(通電用接触端子)214a、214bと、一対の永久磁石(第1磁石)216a、216bとが設けられており、その内部には、電池56、制御部100等を有する(図6参照)。図10に示すように、一対のスプリングプローブ214a、214bと2つの孔210a、210bから露出した導電板208a、208bとが接触するように、通電装置204をパッチ202に装着する場合に、一対の永久磁石216a、216bが一対の磁性体206a、206bに吸着するように(一対の永久磁石216a、216bが一対の磁性体206a、206bと相対するように)、通電装置204の底面に設けられている。つまり、永久磁石216a、216bは、パッチ202に対する位置決めとしての機能を有するとともに、通電装置204をパッチ202に装着させる機能も有する。スプリングプローブ214a、214bの先端子218a、218bは、図示しないスプリングによって通電装置204の底面から下方に突出する方向に付勢されている。端子台42a、44a、導電板208a、208b、及び、スプリングプローブ214a、214bは、イオントフォレシス用の導通機構の主要部を構成する。
図10に示す向き(所定の向き)で、通電装置204をパッチ202に接触させると、通電装置204の永久磁石216a、216bとパッチ202の磁性体206a、206bとが吸着することで、通電装置204をパッチ202に固定することができる。このとき、スプリングプローブ214a、214bの先端子218a、218bは、通電装置204とパッチ202とが離間する方向に導電板208a、208bを押圧するが、この押圧する力は、永久磁石216a、216bの磁気吸引力より弱いため、通電装置204とパッチ202とが離間することはない。したがって、スプリングプローブ214a、214bの先端子218a、218bと導電板208a、208bとが強固に接触した状態となる。これにより、通電装置204とパッチ202との電気的接続を強固にさせることができる。なお、通電装置204とパッチ202との電気的接続をより強固にするために、2つの孔210a、210bは、一対の磁性体206a、206b間に設けられていることが好ましい。これにより、スプリングプローブ214a、214bの先端子218a、218bと導電板208a、208bとの接触をより強固にすることができる。
このように、変形例5においては、通電装置204は、パッチ202に電流を供給するための一対のスプリングプローブ214a、214bを有し、パッチ202は、一対のスプリングプローブ214a、214bと電気的に接続される一対の端子台42a、44aを有し、パッチ202と通電装置204とを永久磁石216a、216bの磁力によって吸着させることで、一対のスプリングプローブ214a、214bが一対の端子台42a、44aと電気的に接続するので、コネクタが不要となり、結果として低コストの経皮的薬物投与装置を提供することができる。
また、通電装置204は、パッチ202に対する位置決めのための一対の永久磁石216a、216bを有し、パッチ202は、一対の永久磁石216a、216bに吸着する一対の磁性体206a、206bを有し、一対の永久磁石216a、216bと、一対の磁性体206a、206bとが吸着することで、一対のスプリングプローブ214a、214bが一対の端子台42a、44aと電気的に接続するので、簡単に通電装置204とパッチ202とを電気的に接続させることができる。
通電装置204と電気的に接続するパッチ202側の端子台42a、44aは、フレキシブルなベース36上に導電性材料にて印刷形成されたものであるので、さらに経皮的薬物投与装置のコストが低廉になる。
ベース36より剛性が高く、且つ、スプリングプローブ214a、214bに接触するリジッドな導電板208a、208bを端子台42a、44a上に設け、一対のスプリングプローブ214a、214bが一対の導電板208a、208bを押圧するので、スプリングプローブ214a、214bの押圧によって、導電板208a、208bの接触面が変形することない。したがって、一対のスプリングプローブ214a、214bと導電板208a、208bとの接触を向上させることができ、スプリングプローブ214a、214bと端子台42a、44aとの電気的接続、つまり、通電装置204とパッチ202との電気的接続を向上させることができる。逆に、導電板208a、208bを設けない場合は、スプリングプローブ214a、214bは、直接、絶縁フィルム212の孔210a、210bから露出した端子台42a、44aを押圧するので、その押圧によりフレキシブルなベース36上に設けられた端子台42a、44aが変形する可能性があり、スプリングプローブ214a、214bと端子台42a、44aとの接触不良が発生し、通電装置204とパッチ202との電気的接続が遮断される可能性があるが、本実施の形態では、導電板208a、208bを設けるので、このような不具合を是正することができる。
(変形例6)上記変形例5では、スプリングプローブ214a、214bを用いて説明したが、要は、導電板208a、208bに接触して電流を流すことができる通電用の接触端子(通電用接触端子)であればよい。
(変形例7)上記変形例5及び6では、通電装置204側に一対の永久磁石216a、216bを設け、パッチ202側に一対の磁性体206a、206bを設けるようにしたが、通電装置204側に一対の磁性体206a、206bを、パッチ202側に一対の永久磁石216a、216bを設けるようにしてもよい。また、2つの永久磁石216a、216b及び磁性体206a、206bを用いるようにしたが、1つの永久磁石及び磁性体、又は3つ以上の永久磁石及び磁性体を用いるようにしてもよい。例えば、通電装置204側に1つの永久磁石を設け、パッチ202側に1つの磁性体を設けるようにしてもよい。
(変形例8)上記変形例5〜7では、パッチ202に、導電板208a、208bを設けるようにしたが、導電板208a、208bを設けなくてもよい。この場合は、スプリングプローブ214a、214bが絶縁フィルム212の孔210a、210bから露出している端子台42a、44aを押圧することになるが、この押圧する力(スプリングプローブ214a、214bのスプリングの力)を、ベース36の剛性度合いに応じて弱くすれば、スプリングプローブ214a、214bと端子台42a、44aとの接触不良が発生することを防止することができる。
(変形例9)
上記変形例5〜8では、孔210a、210bは、円形状の磁性体206a、206bの中心を結ぶ直線に直交し、且つ、前記直線の中点Mを通る直線に対して、左右対称に絶縁フィルム212に設けられているため、通電装置204を前記所定の向きとは逆の向きで(通電装置204を180度回転させて)装着した場合、つまり、永久磁石216aが磁性体206bに吸着し、永久磁石216bが磁性体206aに吸着するように通電装置204をパッチ202に装着した場合は、スプリングプローブ214aが孔210bから露出された導電板208bと接触し、スプリングプローブ214bが孔210aから露出された導電板208aと接触する。このため、通電装置204からの電流は逆向きに供給されてしまう。本変形例4においては、このような、通電装置204とパッチ202と誤接続を防止する。
図13は、本変形例9における、孔210a、210bと磁性体206a、206bとの配置関係の一例を示す図である。図13では、孔210a、210bを、磁性体206a、206bの中心を結ぶ直線に直交し、且つ、該直線の中点Mを通る直線に対して非対称となるように絶縁フィルム212に設けている。これにより、通電装置204を前記所定の向きとは逆向きにしてパッチ202に装着した場合は、スプリングプローブ214a、214bと、孔210a、210bから露出された導電板208a、208bとが接触しないため、通電装置204とパッチ202との誤接続を防止することができる。要は、孔210a、210bの中心を結ぶ直線の中点mと、磁性体206a、206bの中心を結ぶ直線の中点Mとが一致しないように、孔210a、210bを、絶縁フィルム212に設ければよい。
図14は、本変形例9における、孔210a、210bと磁性体206a、206bとの配置関係の他の例を示す図である。図14では、孔210a、210bを、磁性体206a、206bの中心を結ぶ直線に直交し、且つ、該直線の中点Mを通る直線に対して対称であるが、孔210a、210bの中心を結ぶ直線の中点mが該中点Mに一致しないように絶縁フィルム212に設けている。これにより、通電装置204を前記所定の向きとは逆向きにしてパッチ202に装着した場合は、スプリングプローブ214a、214bと、孔210a、210bから露出された導電板208a、208bとが接触しないため、通電装置204とパッチ202との誤接続を防止することができる。
このように、一対の孔210a、210bは、一対の孔210a、210bの中心を結ぶ直線の中点mと、一対の磁性体206a、206bの中心を結ぶ直線の中点Mとが一致しないように、パッチ202に設けられるので、通電装置204を前記所定の向き以外の向きで、パッチ202に装着しようとしても、若しくは装着しても、一対のスプリングプローブ214a、214bは一対の導電板208a、208bと接触しないので、通電装置204とパッチ202との誤接続を防止することができる。ここで、孔210a、210bの半径R、及び、中点mから中点Mまでの距離Lは、少なくとも、R<2×Lの関係を満たす必要がある。例えば、R≧2×2Lの場合に、通電装置204を前記所定の向きと逆向きでパッチ202に装着すると、スプリングプローブ214a、214bが孔210a、210bから露出した導電板208a、208bと接触してしまうからである。
なお、図13及び図14において、通電装置204を前記所定の向きでパッチ202に装着した場合は、通電装置204の一対の永久磁石216a、216bは、一対の磁性体206a、206bと吸着する位置に、通電装置204のスプリングプローブ214a、214bは、孔210a、210bから露出した導電板208a、208bと接触する位置にそれぞれ設けられていることは言うまでもない。
(変形例10)
上記変形例5〜9においては、一対の磁性体206a、206bを用いたが、図15に示すように、該一対の磁性体206a、206bに代えて、一対の永久磁石(第2磁石)220a、220bを用いてもよい。この場合は、通電装置204側の永久磁石216a、216bのパッチ202に接する側の磁極が互いに異なるように、一対の永久磁石216a、216bを設け、磁性体206aの代わりに永久磁石220aを、磁性体206bの代わりに永久磁石220bをそれぞれ設ける。通電装置204をパッチ202に装着する際に、永久磁石220a、220bが、永久磁石216a、216bと吸着する必要があるので、永久磁石220a、220bの通電装置204に接する側の磁極が、それぞれ対応する永久磁石216a、216bのパッチ202に接する側の磁極と反対の磁極となるように、一対の永久磁石220a、220bをパッチ202側に設ける。
図15では、永久磁石216a、216bのパッチ202に接する側の磁極がそれぞれ、N極、S極となるように永久磁石216a、216bを通電装置204に設け、永久磁石220a、220bの通電装置204側の磁極がそれぞれS極、N極となるように、永久磁石220a、220bをパッチ202に設ける。
これにより、通電装置204を前記所定の向きと逆向きにパッチ202に装着しようとしても、一対の永久磁石216a、216bと一対の永久磁石220a、220bとが反発し合い、通電装置204をパッチ202に装着することができない。したがって、通電装置204とパッチ202との誤接続を防止することができる。
(変形例11)
上記変形例5〜10においては、図10、図11に示すように、絶縁フィルム212の孔210a、210bから導電板208a、208bを露出させるようにしたが、絶縁フィルム212の孔210a、210bの上面に導電板208a、208bを設け、導電板208a、208bとスプリングプローブ214a、214bとを接触させてもよい。
また、上記実施の形態においては、図10、図11に示すように、リファレンス側部位24上に絶縁フィルム212を設けるようにしたが、絶縁フィルム212を設けなくてもよい。この場合は、端子台42a、44aの経を小さくして、孔210a、210bの大きさと同じ大きさにするとともに、孔210a、210bの配置と同じ位置に該端子台42a、44aを配置してもよい。さらに、接続線42b、44bのみを覆う絶縁フィルム212をリファレンス側部位24上に設けてもよい。
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

Claims (6)

  1. 薬剤が封入された第1接触部材を有するドナー部と、第2接触部材を有するリファレンス部と、前記第1接触部材に接続された第1電極及び前記第2接触部材に接続された第2電極と、を備えるパッチと
    前記第1電極への電流の供給を制御する制御部と
    を有し、
    前記パッチが外部導体に貼付されることで、前記第1接触部材及び前記第2接触部材が前記外部導体に接触して、前記第1電極及び第2電極が前記外部導体に電気的に接続され、
    前記制御部は、前記パッチが前記外部導体に貼付されているときに、所定の周期で直流電流を前記第1電極及び前記第2電極間に供給すると共に、直流電流が供給されない第1期間に交流電流を前記第1電極及び前記第2電極間に供給して、前記第1電極及び前記第2電極間のキャパシタンスを求める
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
  2. 請求項1に記載の経皮的薬物投与装置であって、
    前記制御部は、前記第1期間に前記第1電極及び前記第2電極間のインピーダンスを求め、直流電流が供給される第2期間に前記第1電極及び前記第2電極間の抵抗を求め、前記インピーダンスと前記抵抗から前記キャパシタンスを求める
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
  3. 請求項1又は2に記載の経皮的薬物投与装置であって、
    前記第1電極及び前記第2電極間に直流電流を供給する第1回路と
    前記第1電極及び前記第2電極間に交流電流を供給する第2回路と
    前記第1電極及び前記第2電極を前記第1回路及び前記第2回路のうちどちらに接続させるかを切り換えるスイッチと
    を備え、
    前記制御部は、前記スイッチを制御して、前記第1期間の場合は前記第1電極及び前記第2電極を前記第2回路に接続させ、直流電流が供給される第2期間の場合には前記第1電極及び前記第2電極を前記第1回路に接続させる
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の経皮的薬物投与装置であって、
    前記制御部は、求めた前記キャパシタンスに応じて、前記第1電極及び前記第2電極間に供給する直流電流の大きさを変化させることで、前記外部導体に供給する直流電流の電流密度を一定に保つ
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮的薬物投与装置であって、
    前記制御部は、求めた前記キャパシタンスが、予め定められた値以下の場合は、前記第1電極及び前記第2電極間への直流電流の供給を停止する
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の経皮的薬物投与装置であって、
    前記制御部は、求めた前記キャパシタンスが、予め定められた値以下の場合は、警告を行う
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
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