JP2013183944A - 経皮的薬物投与装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】防水性が高く、投与開始時に患者の皮膚を圧迫することがない経皮的薬物投与装置を提供する。
【解決手段】雄側ホック(50、52)を有するパッチ(12)と、雌側ホック(54、56)を有する制御装置(14)とを備えた経皮的薬物投与装置(10)であって、制御装置(14)は、パッチ(12)へ電力を供給するか否かを切り替えるための近接スイッチ(66)と、近接スイッチ(66)を動作させるために電力を供給するか否かを切り替えるための機械式スイッチ(68)とを有し、雌側ホック(54)の孔(54a)は弾性部材(78)によってシールされ、機械式スイッチ(68)は弾性部材(78)より通電装置(14)の内部に設けられ、雄側ホック(50、52)の雌側ホック(54、56)の孔(54a、56a)への挿入によって、弾性部材(78)が押圧されて機械式スイッチ(68)がオンになり、近接スイッチ(66)が動作可能になる。
【選択図】図5

Description

本発明は、人の皮膚に微弱電流を流すことで薬剤を皮膚に浸透させるイオントフォレシスの原理を利用した経皮的薬物投与装置に関する。
リドカイン等の局所麻酔剤パッチは、穿刺時等の除痛を目的として広く使用されており、特に、使用量の多い分野として血液透析がある。血液透析患者は、例えば、週に3回、17〜18ゲージの太さの針によって2箇所穿刺し、血液を体外循環させて老廃物を除去する透析治療を受けており、穿刺時の除痛のため、局所麻酔剤が用いられる。
このようなリドカインのパッチは、薬効の発現に長時間、例えば、2時間程度を要するため、パッチの貼付部分がかぶれることがある。また、薬物が深部まで到達され難いため、薬効の発現が不十分である。
一方、イオントフォレシスの場合には、薬効の発現が短時間で済むとともに、薬物をより深部まで到達させることができるという利点がある。従って、リドカイン等の局所麻酔剤パッチにイオントフォレシスを組み合わせることで、上記課題を解決することができる。
イオントフォレシスは、皮膚の離れた2点に正負の電極を装着して、一方の電極から角質層を横切った後、皮膚内を通って、他方の電極に到達する電気の流れを形成することで、該角質層部分において荷電した薬物を電気泳動の原理で皮膚内に移動させて経皮吸収を促進させる方法である。
正負の電極のうち、一方は薬物を含んだゲルに接しており、ドナー部とよばれ、他方は食塩水を含んだゲルに接しており、リファレンス部と呼ばれる。原理的には、荷電薬物が吸収促進の対象となるが、電気が流れることによって水の流れも生じるため、電荷を持たない薬物や分子量の大きな薬物でも皮膚透過性が上昇すると報告されている。
下記特許文献1には、薬物を含んだ正負の電極を有する電極アセンブリと、この電極アセンブリに電流を与えるコントローラとを備えたイオントフォレシスを利用した電気補助式送達デバイスが記載されている。下記特許文献1に記載の電気補助式送達デバイスにおいては、電極アセンブリとコントローラとが一体化されていないため、投与中における患者の行動を制限してしまうという問題がある。
下記特許文献2には、電池を用いることで携帯可能な薬物投与システムが記載されている。この特許文献2によれば、投与中における患者の行動を制限することはない。
特表2007−532193号公報 特表平10−512474号公報
この上記特許文献2には、薬剤が封入された薬品ユニット(以下、パッチ)に設けられたスタッドを受けるように開口された開口部をコントローラ側に設け、スタッドが開口部に挿入されると、スイッチがオンになって、コントローラからスタッドを介してパッチに電気が流れることが記載されている。
この場合は、まずパッチを患者の皮膚に貼り付けた後、投与開始時にコントローラをパッチに装着するので、装着の際(投与開始の際)に、患者の皮膚を圧迫し、金属製のスタッドが皮膚に食い込んで痛みを発生させてしまう。
また、血液透析の現場では、血液や消毒液等の液体が、コントローラにかかる可能性があり、コントローラ内部に液体が浸入しない構造で、且つ、液体を容易に拭き取ることが可能な構造、つまり、防水性を持つ構造であることが好ましいが、上記特許文献2においては、スタッドと開口部との間から、液体がコントローラ内部に侵入してしまう。
そこで、本発明は、係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、防水性が高く、投与開始時に患者の皮膚を圧迫することがない経皮的薬物投与装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、薬剤が封入された第1接触部材を有するドナー部と、第2接触部材を有するリファレンス部と、前記第1接触部材に接続された第1接続端子と、前記第2接触部材に接続された第2接続端子とを有するパッチと、前記第1接続端子に接続され、該第1接続端子が挿入可能な孔を有する第3接続端子と、前記第2接続端子と接続され、該第2接続端子が挿入可能な孔を有する第4接続端子と、電池とを有し、前記パッチに前記電池からの電力を供給する制御装置と、を備えた経皮的薬物投与装置であって、前記制御装置は、前記パッチへ電力を供給するか否かを切り替えるための近接スイッチと、前記近接スイッチを動作させるために電力を供給するか否かを切り替えるための機械式スイッチと、を有し、前記第3接続端子及び前記第4接続端子の前記孔から前記制御装置の筐体内部へ液体が浸入しないように前記制御装置は構成されているとともに、前記第3接続端子及び前記第4接続端子の前記孔は、弾性部材によってシールされ、前記機械式スイッチは、前記弾性部材を介装して前記孔より前記制御装置の内部に設けられ、前記第1接続端子及び前記第2接続端子を前記第3接続端子及び前記第4接続端子の前記孔に挿入することで、前記第1接続端子及び前記第2接続端子と前記第3接続端子及び前記第4接続端子とが接続されるとともに、前記第1接続端子及び前記第2接続端子の挿入によって、前記弾性部材が押圧されることで前記機械式スイッチがオンになって前記近接スイッチが動作可能な状態となり、前記第1接続端子及び前記第2接続端子と前記第3接続端子及び前記第4接続端子との接続が解除されることで、前記機械式スイッチがオフになって前記近接スイッチが非動作状態となることを特徴とする。
これにより、前記パッチに前記制御装置を装着しても通電が開始されないので、前記パッチに前記制御装置を装着してから、患者の皮膚に前記パッチを貼り付けることができ、前記パッチへの前記制御装置の装着時に患者の皮膚を圧迫することがない。また、前記パッチに前記制御装置を装着することで、前記近接スイッチが動作可能な状態となり、その後、前記近接スイッチが操作されることで通電(投与)を開始するので、投与開始時に患者の皮膚を圧迫することがない。また、前記第3接続端子及び前記第4接続端子の前記孔から前記制御装置の筐体内部に液体が浸入しないように前記制御装置を構成するとともに、通電を行うか否かを切り替えるためのスイッチを近接スイッチとすることで、前記制御装置の防水性を高くすることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の経皮的薬物投与装置であって、前記近接スイッチは、静電容量形近接スイッチ、誘導形近接スイッチ、及び磁気形近接スイッチの何れか1つであることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の経皮的薬物投与装置であって、前記制御装置は、前記機械式スイッチがオンしてから一定時間が経過するまでは、前記近接スイッチの操作を無効にすることを特徴とする。これにより、誤って指が触れてしまう等の前記近接スイッチの誤操作によって通電が開始されることを防止することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の経皮的薬物投与装置であって、前記近接スイッチは複数あり、前記制御装置は、複数の前記近接スイッチのうち、何れか1つの前記近接スイッチが操作されてから、所定時間以内に、残りの前記近接スイッチが全て操作されなければ、前記パッチへの電力の供給を開始しないことを特徴とする。これにより、前記近接スイッチの誤操作によって通電が開始されることを防止することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の経皮的薬物投与装置であって、前記電池は、非接触充電できる充電池であることを特徴とする。これにより、前記電池を交換する必要はないので、前記制御装置を防水性の高い構造にすることができる。
本発明によれば、パッチに制御装置を装着することで、機械式スイッチがオンになって近接スイッチが動作可能となり、その後、近接スイッチが操作されると通電が開始されるので、パッチと制御装置との装着時及び通電開始時に患者の皮膚を圧迫することがない。また、第3接続端子及び第4接続端子の孔から制御装置の筐体内部に液体が侵入しないように制御装置を構成するとともに、通電を行うか否かを切り替えるためのスイッチを近接スイッチとすることで、制御装置の防水性を高くすることができる。
イオントフォレシスを利用した経皮的薬物投与装置の全体構造を示す斜視図である。 図1に示すイオントフォレシス用パッチの分解斜視図である。 図3Aは、図2に示すリファレンス側部位の折り曲げ前の状態での電極フィルムの底面図であり、図3Bは、図3Aに示す電極フィルムの表面に絶縁性のレジストを設置した状態での底面図である。 図4Aは、図3Aに示す電極フィルムのリファレンス側部位を折り曲げた状態での底面図であり、図4Bは、図4Aに示す電極フィルムの平面図である。 図1に示す通電装置の一方の雌側ホックの孔の断面を示す要部断面図である。 図5において、パッチと通電装置を装着したときの要部断面図である。 図1に示す通電装置の他方の雌側ホックの孔の断面を示す要部断面図である。 通電装置の電気的な構成を示すブロック図である。 通電装置の動作を示すフローチャートである。 変形例2の通電装置の上面を示す平面図である。 変形例3の通電装置と充電器との電気的な機能ブロック図である。
本発明に係るイオントフォレシスを利用した経皮的薬物投与装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
図1は、経皮的薬物投与装置10の全体構造を示す斜視図であり、経皮的薬物投与装置10を構成するイオントフォレシス用パッチ12と、通電装置(制御装置)14とを分離した状態で示している。図2は、図1に示すイオントフォレシス用パッチ12の分解斜視図である。
経皮的薬物投与装置10(以下、装置10という)は、例えば、血液透析患者の穿刺の除痛のために用いられ、患者の腕に局所麻酔剤(例えば、リドカインを含むイオン性麻酔剤)を投与、浸透させるための医療用器具であり、イオントフォレシス用パッチ12(以下、パッチ12という)を外部導体である患者の皮膚に貼り付け、通電装置14から通電することで、パッチ12に封入されたイオン性麻酔剤を生体に対して浸透させるものである。パッチ12は、イオン性麻酔剤以外のイオン性薬剤を患者に投与するための装置に適用してもよく、イオン性でない薬剤を患者に投与するための装置に適用してもよい。
図1及び図2に示すように、装置10は、パッチ12と、該パッチ12の表面(上面)に載置及び接続される通電装置14とを備える。
パッチ12は、円形薄板状のドナー部16と、該ドナー部16から離れて設けられた一辺が円弧状からなる矩形薄板状のリファレンス部18と、これらドナー部16とリファレンス部18とにわたって設けられる電極フィルム(電極体)20とを備える。電極フィルム20は、ドナー部16及びリファレンス部18に対応した形状からなるドナー側部位22及びリファレンス側部位24と、ドナー部16及びリファレンス部18を繋ぐ狭幅なブリッジ部位26とを有する(図2参照)。
電極フィルム20は、ドナー側部位22及びリファレンス側部位24の外形を規定するベース28が、ドナー側部位22では1枚構造とされ、リファレンス側部位24では折り曲げ部(屈曲部)30(図3A、3B参照)で折り曲げて重ね合わされた2枚構造(2枚積層構造)となっている。つまり、リファレンス側部位24は、皮膚への貼り付け側(底面側)となる第1リファレンス側部位24aと、折り曲げ部30で折り曲げられて第1リファレンス側部位24aの裏面に重ね合わされる第2リファレンス側部位24bとから構成されている。
ドナー部16は、該ドナー部16の外形に対応した円形状のドナー用貼付部材32と、該ドナー用貼付部材32の開口に充填されるドナー用ゲル(第1接触部材)34とを有し、該ドナー用ゲル34の表面(図2における上面)に電極フィルム20のドナー側部位22が電気的に接続される。リファレンス部18は、該リファレンス部18の外形に略対応した一辺が円弧状からなる矩形状のリファレンス用貼付部材36と、該リファレンス用貼付部材36の開口に充填されるリファレンス用ゲル(第2接触部材)38とを有し、該リファレンス用ゲル38の表面(図2における上面)に電極フィルム20のリファレンス側部位24が電気的に接続される。
ドナー用貼付部材32及びリファレンス用貼付部材36は、一定の強度で人体等の皮膚に貼り付く粘着性を有する弾性体であり、絶縁性を有する。ドナー用ゲル34には、前記イオン性麻酔剤が封入されており、リファレンス用ゲル38には、食塩水等、生体に為害性のない電解質(例えば、緩衝塩、食塩など)の液剤又は溶液が封入されている。穿刺になれた医療従事者であれば、穿刺予定箇所の薬剤送達の面積が2.5cmあれば容易に針を刺させるので、例えば、ドナー用ゲル34及びリファレンス用ゲル38が皮膚に接触する接触面(図2における下面)の面積は2.5〜5.0cm程度にするとよい。
ドナー用貼付部材32の開口にドナー用ゲル34を埋入し、リファレンス用貼付部材36の開口にリファレンス用ゲル38を埋入し、これらドナー用貼付部材32及びリファレンス用貼付部材36を患者の皮膚に貼り付けることで、ドナー部16及びリファレンス部18を略同時に皮膚に接触させることができ、1回の動作でパッチ12を皮膚に簡単に貼り付けることができる。なお、ドナー用ゲル34及びリファレンス用ゲル38の皮膚に対する前記接触面に粘着性を持たせてもよい。
図3Aは、リファレンス側部位24の折り曲げ前の状態での電極フィルム20の底面図であり、図3Bは、図3Aに示す電極フィルム20の表面に絶縁性のレジスト40を設置した状態での底面図である。つまり、図3Aは、レジスト40(図3B中に破線のクロスハッチングで示す)を省略した電極フィルム20の底面図を示している。なお、図3A及び図3Bの図示では、電極フィルム20の表面の大部分(ドナー側部位22及び第1リファレンス側部位24a)は、皮膚の貼り付け側面である底面を示すが、実際の製品状態において、折り曲げ部30で折り曲げられる第2リファレンス側部位24bは、通電装置14の載置面である上面となる。
図3Aに示すように、リファレンス側部位24の折り曲げ前(製造途中の状態)の電極フィルム20は、リファレンス側部位24が折り曲げ部30で略対称に構成された形状からなる1枚のベース28を有するフレキシブル基板である。ベース28は、ポリエステルやポリイミド等の樹脂を薄いフィルム状に形成した柔軟なフィルムである。
電極フィルム20では、折り曲げ部30で折り曲げる前の外形略L字上の1枚のベース28の表面上に、ドナー側部位22及びリファレンス側部位24を構成する各電極及び各配線が形成される。
ドナー側部位22では、ベース28の底面となる面(図2に示すドナー側部位22の下面)にドナー用ゲル34と接触して電気的に接続される円形状の第1電極42が設けられ、リファレンス側部位24では、ベース28の底面となる面(図2に示す第1リファレンス側部位24aの下面)に長円形状の第2電極44が設けられ、これら第1電極42及び第2電極44は、ベース28上に配線された第1接続端子線46及び第2接続端子線48を介して通電装置14に接続される。
第1接続端子線46は、第2リファレンス側部位24bの表面に設けられた端子台46aと、端子台46aから第2リファレンス側部位24b及びブリッジ部位26の表面を経由して適宜屈曲しながら配線された第1電極42に接続される接続線46bとを有する。端子台46aの中心には、小径の孔部47aが板厚方向に貫通形成されており、該孔部47aはベース28も貫通している。
第2接続端子線48は、第2リファレンス側部位24bの表面に設けられた端子台46aと並列配置された端子台48aと、端子台48aから第1リファレンス側部位24aの略中心まで適宜屈曲しながら配線された第2電極44に接続される接続線48bとを有する。接続線48bは、端子台46a側とは反対側の端部に長方形状の小片である電極パッド48cを有し、該電極パッド48c上に第2電極44が通電可能な状態で接触配置される。端子台46aと同様に、端子台48aの中心にも孔部47bがベース28を通して貫通形成されている。
電極フィルム20では、図3Aに示すように、リファレンス側部位24の折り曲げ前のベース28の表面に対し、例えば、銀を含む導電性インクを印刷することにより第1電極42、第1接続端子線46及び第2接続端子線48を形成し、第2電極44は、第2接続端子線48の電極パッド48cを形成した後、その上面に、例えば、銀/塩化銀を含む導電性インクを印刷することにより形成される。勿論、第2電極44についても、第1電極42等と同材料で形成してもよく、この場合には、電極パッド48cを省略し、第1電極42、第1接続端子線46、第2接続端子線48、及び第2電極44を一挙に形成してもよい。
これら各配線の露出面は、例えば、第1電極42、第1接続端子線46、及び第2接続端子線48を形成した後、図3Bに示すように、絶縁性の接着剤や塗料等からなるレジスト40によって封止される。勿論、ドナー用ゲル34及びリファレンス用ゲル38と接触する第1電極42及び第2電極44の接触面にはレジスト40は塗布されず、各孔部47a、47bに対応する部分にも、各孔部47a、47bよりも大径の円形状にレジスト40が塗布されない孔部49a、49bが設けられる。前記導電性インクは、複数回の印刷により厚みを増し、通電不良の発生をより確実に防止できるように構成してもよい。また、レジスト40に代えて、絶縁性のシート材を貼り付ける等の方法で各配線の露出面を絶縁被覆してもよい。
この際、第1接続端子線46及び第2接続端子線48の接続線46b、48bの折り曲げ部30に対応する部分、つまり、折り曲げ部30を含む一部分が、その前後の部分よりも幅広に形成された拡幅部46c、48dとして形成される。これにより、折り曲げ部30で第1リファレンス側部位24aと第2リファレンス側部位24bとを折り曲げた際に、接続線46b、48bが破断したり捲れたりすることをより確実に防止でき、折り曲げ時の耐久性と信頼性を高めることができる。
次に、以上のような構成からなる電極フィルム20を用いてパッチ12を構成する方法について述べる。
ベース28の一表面上に第1電極42、第2電極44、第1接続端子線46、及び第2接続端子線48を形成した後、図4A及び図4Bに示すように、リファレンス側部位24を折り曲げ部30で折り曲げる。そして、第1リファレンス側部位24aと第2リファレンス側部位24bとを、互いの裏面同士を密着した状態で接着剤等によって固定する。これにより、リファレンス側部位24では、第1電極42を設けた面と同一面上となる一面側に第2電極44が配置され(図4A参照)、その裏面となる他面側に端子台46a、48aが配置される(図4B参照)。
なお、この折り曲げ工程前に、図2に示すように、各端子台46a、48aの上面に雄側ホック50、52を、ベース28の裏面から各孔部47a、47bに挿通させた留め具(ハトメ)50b、52bに嵌め込むことによって固定しておくとよい。これにより、雄側ホック50、52と留め具50b、52bとが、第2リファレンス側部位24bに確実に固定され、雄側ホック50、52は端子台46a、48aに電気的に接続される。また、雄側ホック50、52は、上方に向かって突出し、通電装置14の底面に設けられた雌側ホック54、56(図1参照)の孔54a、56aに挿入される小径略円柱状の突出部50a、52aが設けられている。雄側ホック50、52及び雌側ホック54、56は、金属等の導電性の部材で形成されている。
このように、パッチ12では、ベース28の一面側に、第1電極42、第2電極44、第1接続端子線46及び第2接続端子線48を形成するだけで、電極フィルム20での配線工程を終了することができ、その後は、リファレンス側部位24を折り曲げ部30で折り返すだけで所望の構成からなる電極フィルム20を成形することができる。このため、前記配線工程が簡略化されて生産効率が向上し、また配線を印刷する際に使用する版(原版)も片面用の一枚のみでよく、コスト低減も可能である。しかも、パッチ12の場合と同様に、患者の腕に密着されるドナー側部位22については柔軟な配線構造とすることができ、ドナー部16の患者への密着性を充分に確保することができる。
また、患者の皮膚に貼り付けられる電極対として機能する一対のゲルのうち、薬剤が保持されるドナー用ゲル34を設けたドナー部16には通電装置14が載置されず、ドナー部16の柔軟性が通電装置14によって損なわれることがない。このため、血液透析患者の穿刺箇所(腕に形成したシャント部分)の血管が著しく隆起している場合であっても、薬剤を含有したドナー部16を容易に追従させた状態で密着固定させることができる。その際、ドナー部16とリファレンス部18とがブリッジ部位26を介して互いに離れて配置されていることから、ドナー部16の柔軟性を一層向上させることができ、貼り付けの自由度を高めることができる。しかも、パッチ12に直接、通電装置14を接続できるため、装置10全体としての構成を小型化し、取り扱いが容易になる。
通電装置14の筐体14aの上面には、第1LED62及び第2LED64とが設けられ、通電装置14の筐体14a内部には、パッチ12へ電力を供給するか否かを切り替えるための近接スイッチ66と電池67とが設けられている。この近接スイッチ66は、通電装置14の筐体14a上面の内側に設けられている(図5参照)。近接スイッチ66としては、例えば、静電容量形近接スイッチ、誘導形近接スイッチ、又は磁気形近接スイッチを用いることができる。本実施の形態では、静電容量形近接スイッチを用いる。
また、通電装置14は、筐体14a内部に近接スイッチ66を動作させるための電力を供給するか否かを切り替えるための機械式スイッチ68(図5参照)を有し、パッチ12に通電装置14を装着することで、つまり、パッチ12の雄側ホック50、52の突出部50a、52aを、雌側ホック54、56の孔54a、56aに挿入することで、機械式スイッチ68がオンになり、近接スイッチ66が動作可能状態となる。
パッチ12に通電装置14が装着されることで、機械式スイッチ68がオンになり、その後、近接スイッチ66が操作されると、装置10は、通電装置14の雌側ホック(第3接続端子)54に接続された雄側ホック(第1接続端子)50から、パッチ12の端子台46a、接続線46b、及び第1電極42を経てドナー用ゲル34に電流を供給し、ドナー用ゲル34に供給された電流が、患者の体内、パッチ12のリファレンス用ゲル38、第2電極44、電極パッド48c、接続線48b、端子台48a、及び雄側ホック(第2接続端子)52を経て、雌側ホック(第4接続端子)56から通電装置14へと戻る経路を構成する。
図5は、図1に示す通電装置14の雌側ホック54の孔54aの断面を示す要部断面図である。通電装置14の底面に設けられた孔54aを有する雌側ホック54は、ホック固定板70に留め具(ハトメ)72によって固定され、ホック固定板70は、プリント基板74に半田付け、ネジ締め等によって接続固定されている。プリント基板74には、通電装置14に設けられた電池67からの電力をパッチ12に供給するための電気回路が形成されている。ホック固定板70及び雌側ホック54は、電流が流れる導電性の部材で構成されており、ホック固定板70によって、プリント基板74と雌側ホック54とが電気的に接続される。
プリント基板74は、孔74aを有し、雌側ホック54が固定されたホック固定板70をプリント基板74に接続固定したときに、雌側ホック54の孔54aがプリント基板74の孔74aと一致するように、孔74aがプリント基板74に形成されている。
留め具72とプリント基板74との間は、留め具72とプリント基板74とで形成される隙間に液体が浸入しないように、樹脂部材76によってシールされている。この樹脂部材76にも、孔54aに対応した位置に孔76aが設けられている。同様に、雌側ホック54と筐体14aの接触部との間にもシール用の樹脂部材(図示せず)が設けられている。雌側ホック54の孔54a及びプリント基板74の孔74aの上方、つまり、雌側ホック54の孔54aの奥側(通電装置14の内部側)に、機械式スイッチ68が設けられており、雌側ホック54の孔54a及びプリント基板74の孔74aには、樹脂等で形成された弾性部材78が挿入されている。この弾性部材78の上端は、機械式スイッチ68まで延びている。なお、弾性部材78は、硬質の部材をバネで付勢するように構成してもよい。
また、弾性部材78は、円形状のフランジ部78aを有し、該フランジ部78aの少なくとも外周は、プリント基板74の上面に密着固定されている。これにより、弾性部材78は、雌側ホック54の孔54aから浸入した液体が通電装置14のプリント基板74より内側に入り込むことを阻止することができる。
図6に示すように、パッチ12に通電装置14を装着すると、雌側ホック54の孔54aに、雄側ホック50の突出部50aが挿入され、これにより、弾性部材78が押圧される。弾性部材78が突出部50aによって押圧されると、弾性部材78がフランジ部78aを基準に上方に移動して機械式スイッチ68を押圧する。これにより、機械式スイッチ68がオンになる。パッチ12と通電装置14との装着が解除されると、雄側ホック50の突出部50aが雌側ホック54の孔54aから抜かれるので、弾性部材78は元の位置(図5に示す弾性部材78の位置)に戻り、機械式スイッチ68がオフになる。
なお、通電装置14の雌側ホック56側の構成も図5と略同様であるが、図7に示すように、雌側ホック56の孔56aの上方、つまり、孔56aの奥側には、機械式スイッチ68が設けられていないので、プリント基板74には、孔56aに対応する孔が設けられていない。従って、雌側ホック56の孔56aから浸入した液体が、通電装置14のプリント基板の内側に入り込むことはない。また、孔56aから浸入した液体が、プリント基板74に到達しないように、樹脂部材76にも孔56aに対応する孔が設けられておらず、孔56aの奥側を塞ぐように形成されている。
図8は、通電装置14の電気的な構成を示すブロック図である。通電装置14は、第1LED62、第2LED64、近接スイッチ66、電池67、機械式スイッチ68、定電圧回路80、CPU82、昇圧回路84、分圧回路86、保護抵抗Rp、電流検出抵抗Rs、ブザー88、及びブザー駆動回路90を備える。
電池67の正極は、機械式スイッチ68及び定電圧回路80を介してCPU82のVDD端子に接続され、電池67の負極は接地されている。機械式スイッチ68がオンになると、電池67からの電力がCPU82に供給される。定電圧回路80は、電池67から供給される電圧V1を一定電圧であるCPU82の駆動電圧VDDにする。機械式スイッチ68は、押されている期間だけオンになるスイッチである。従って、機械式スイッチ68は、パッチ12に通電装置14が装着されている間だけ(雌側ホック54、56に雄側ホック50、52が挿入されている間だけ)、オンになる。
近接スイッチ66は、静電容量形近接スイッチであるので、人の指等の誘電体が接近することによって生じる電極の静電容量の変化を電気信号に変換して、物体の接近を検出するスイッチである。近接スイッチ66は、CPU82に電力が供給されている間(機械式スイッチ68がオンの間)のみ、動作可能な状態となり、CPU82に電力が供給されていない間(機械式スイッチ68がオフの間)は、非動作状態となる。
近接スイッチ66は、検出電極100、遮蔽電極102、発振回路104、及び検波回路106を有する。発振回路104は、通常停止しており、誘電体の接近により検出電極100の静電容量が変化しときに信号を発振する。検波回路106は、発振回路104の出力を検波して直流成分に変換する。誘電体が検出電極100に近づくにつれて検波回路106によって変換される直流成分の値は大きくなる。従って、検波回路106によって変換された直流成分の値が閾値以上になると、CPU82は、指等の誘電体が近接したと判断する。
ここで、前記閾値は、通電装置14の上面であって、近接スイッチ66が設けられた領域に指が触れたときに検波回路106が出力する直流成分の値より低く、該領域に指が触れていないときに検波回路106が出力する直流成分の値より高い。これにより、CPU82は、通電装置14の上面であって、近接スイッチ66が設けられた領域に指が触れたか否かを正確に判断することができる。なお、便宜上、検波回路106が出力する直流成分の値が閾値以上になるように指を検出電極100に近づけること、例えば、通電装置14の上面であって、近接スイッチ66が設けられた領域を指で触れることを、「近接スイッチ66が操作された」と呼ぶ。
検波回路106の出力は、CPU82のA−D端子120に入力され、デジタル信号に変換される。CPU82は、パッチ12への通電が行われていない状態で検波回路106の出力が閾値以上になると(近接スイッチ66がオンになると)パッチ12への通電を開始し、パッチ12への通電が行われている状態で検波回路106の出力が閾値以上になると(近接スイッチ66がオフになると)パッチ12への通電を終了する。
遮蔽電極102は、検出電極100の背面・側面を取り囲むことで、検出電極100が背面や側面にある物体を検出しないように遮蔽板として機能するとともに、静電容量の変化を検出するために必要な基準容量を形成する機能を有する。
雌側ホック54は、昇圧回路84を介してCPU82のI/Oポート端子122に接続されており、CPU82は、制御信号をI/Oポート端子122から出力する。昇圧回路84は、CPU82からの制御信号によって電池67から供給される電圧V1を昇圧して雌側ホック54に供給する。分圧回路86は、雌側ホック54に供給される電圧を分圧し、該分圧された電圧値はCPU82のA−D端子124に入力され、デジタル信号に変換される。雌側ホック56は、保護抵抗Rpを介してCPU82のA−D端子126に接続されている。また、雌側ホック56は、電流検出抵抗Rsを介して接地されている。電流検出抵抗Rsは、雌側ホック54、56間を流れる電流を検出するためのものである。なお、保護抵抗Rpの抵抗値に対してA−D端子126の入力インピーダンスは十分高いので、雌側ホック56から流れてきた電流は、保護抵抗Rpにはほとんど流れることはない。A−D端子126には、電流検出抵抗Rs間の電圧値が入力され、デジタル信号に変換される。
電流検出抵抗Rsの値は、予め分っているので、CPU82は、A−D端子126に入力された電圧(電流検出抵抗Rs間の電圧)を電流検出抵抗Rsで除算することで、雌側ホック54、56間を流れる電流を求めることができる。また、A−D端子124に入力される電圧は、雌側ホック54に供給された電圧(昇圧回路84で昇圧された電圧)を分圧した電圧なので、A−D端子124に入力された電圧と、A−D端子126に入力された電圧とから雌側ホック54、56間の電圧を求めることができる。従って、求めた該雌側ホック54、56間の電圧を、求めた該雌側ホック54、56間を流れる電流で除算することで、該雌側ホック54、56間の抵抗を求めることができる。この雌側ホック54、56間の抵抗が、略皮膚抵抗となる。
ブザー駆動回路90は、ブザー88を駆動させてブザー88から音を放出させるものであり、CPU82のI/Oポート端子128に接続されている。CPU82は、I/Oポート端子128から電力を供給することで、ブザー88から音を放出させる。
第1LED62は、緑色の光を発光する発光素子であり、第2LED64は、黄色の光を発光する発光素子である。CPU82は、I/Oポート端子130から電力を供給することで第1LED62を発光させ、I/Oポート端子132から電力を供給することで第2LED64を発光させる。
以上のような構成を有する通電装置14の動作を、図9のフローチャートに従って説明する。パッチ12に通電装置14が装着され、機械式スイッチ68がオンにされると、CPU82に電池67からの電力が供給されることによってCPU82が起動し、CPU82は、近接スイッチ66が操作されたか、つまり、医療従事者等が、通電装置14の上面であって、近接スイッチ66が設けられた領域を指で触ったか否かを判断する(ステップS1)。即ち、ステップS1では、近接スイッチ66がオンになったか否かを判断している。
ステップS1で、近接スイッチ66が操作されていない(近接スイッチ66がオンになっていない)と判断すると、操作されるまでステップS1に留まり、近接スイッチ66が操作された(近接スイッチ66がオンになった)と判断すると、CPU82は、通電を開始する(ステップS2)。つまり、I/Oポート端子122からの制御信号によって、パッチ12に電力を供給する。これにより、パッチ12が患者の皮膚に貼り付けられている場合は、ドナー用ゲル34及びリファレンス用ゲル38を介して、患者の皮膚である穿刺箇所に電流が流れ、局所麻酔剤を投与・浸透させることができる。
次いで、CPU82は、第1LED62に電力を供給することで第1LED62を発光させる(ステップS3)。これにより、緑色の光が発光されることになる。この緑色の光は、正常に通電が行われていることを医療従事者等に対して報知するものである。
次いで、CPU82は、再び近接スイッチ66が操作されたか否かを判断する(ステップS4)。即ち、ステップS4では、近接スイッチ66がオフになったか否かを判断している。
ステップS4で、近接スイッチ66が操作されていない(近接スイッチ66がオフになっていない)と判断すると、CPU82は、雌側ホック54、56間の抵抗を算出する(ステップS5)。この雌側ホック54、56間の抵抗の算出は、まず、A−D端子126に入力された電圧を電流検出抵抗Rsで除算することで、雌側ホック54、56間に流れる電流を求める。そして、A−D端子124に入力された電圧、A−D端子126に入力された電圧とから雌側ホック54、56間の電圧を求め、該電圧を、雌側ホック54、56間を流れる電流で除算することで雌側ホック54、56間の抵抗を求めることができる。
そして、CPU82は、ステップS5で求めた雌側ホック54、56間の抵抗が所定の範囲内にあるか、つまり、第1閾値以上第2閾値以下であるか否かを判断する(ステップS6)。パッチ12が患者の皮膚から剥がれることなく、貼り付けられている場合は、雌側ホック54、56間の抵抗は所定の範囲内にあるが、パッチ12が皮膚から剥がれている場合は、雌側ホック54、56間の抵抗は第2閾値より大きくなり、ドナー用ゲル34とリファレンス用ゲル38とがショートしている場合は、雌側ホック54、56間の抵抗は第1閾値より小さくなる。
ステップS6で、雌側ホック54、56間の抵抗が所定の範囲内にある場合は、CPU82は、通電を開始してから投与時間(例えば、10分)が経過したかを判断する(ステップS7)。ステップS7で、投与時間が経過していないと判断すると、ステップS4に戻り、上記した動作を繰り返す。
ステップS6で、雌側ホック54、56間の抵抗が所定の範囲内に無い(所定の範囲外)と判断すると、CPU82は、雌側ホック54、56間の抵抗が所定の範囲内に無いと判断されてから一定時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS8)。
ステップS8で、雌側ホック54、56間の抵抗が所定の範囲内に無いと判断されてから、一定時間が経過していないと判断すると、ステップS4に戻り、一定時間が経過したと判断すると、CPU82は、第1LED62への電力の供給を停止することで、第1LED62の発光を停止させ、第2LED64に電力を供給することで、第2LED64を発光させる(ステップS9)。これにより、パッチ12と皮膚との接続が正常でないことを医療従事者等に認識させることができる。このとき、CPU82は、ブザー駆動回路90を駆動させてブザー88から音を放出させるようにしてもよい。また、所定の時間が経過した後、第2LED64の発光や音の放出を停止するようにしてもよい。
ステップS9で第2LED64を発光させた後、CPU82は、所定の処理を行う。所定の処理としては、例えば、雌側ホック54、56間の抵抗を求め、求めた該雌側ホック54、56間の抵抗が所定の範囲内になったか否かを判断する。そして、雌側ホック54、56間の抵抗が所定の範囲内になると、第2LED64の発光を停止して、図9のステップS3に進むようにしてもよい。また、所定の処理として、CPU82は、自動的にパッチ12への通電を終了してもよい。
ステップS4で、近接スイッチ66が操作された(近接スイッチ66がオフになった)と判断した場合、ステップS7で、投与時間が経過したと判断した場合は、CPU82は、パッチ12への通電を終了させる(ステップS10)。
このように、パッチ12に通電装置14を装着しただけではパッチ12への通電が開始されないので、パッチ12に通電装置14を装着してから、患者の皮膚にパッチ12を貼り付けることができ、パッチ12への通電装置14の装着時に患者の皮膚を圧迫することがない。また、パッチ12に通電装置14を装着することで、機械式スイッチ68がオンになって近接スイッチ66が動作可能な状態となり、近接スイッチ66が操作されると通電が開始されるので、投与開始時刻を任意とすることができる。また、近接スイッチ66を操作することで、投与開始時に患者の皮膚を圧迫することがない。
雌側ホック54、56の孔54a、56aから通電装置14の筐体14a内部に液体が侵入しないように通電装置14を構成するとともに、通電を行うか否かを切り替えるためのスイッチを近接スイッチとし、通電装置14の筐体14a内部に設けることで、通電装置14の防水性を高めることができる。
上記実施の形態は、以下のように変形してもよい。
(変形例1)上記実施の形態では、機械式スイッチ68がオンなり、近接スイッチ66が操作されると通電を開始するようにしたが(図9のステップS2、S3)、機械式スイッチ68がオンになってから、一定時間が経過するまでは、近接スイッチ66のオンオフ(近接スイッチ66の操作)を無効にしてもよい。つまり、機械式スイッチ68がオンになってから一定時間(例えば、30秒間)が経過するまでは、検波回路106の出力信号を無効にする。機械式スイッチ68がオンになるときは、通電装置14をパッチ12に装着したときであり、その状態でパッチ12を使用者の皮膚に設置するので、誤って指が近接スイッチ66に触れて操作されてしまう可能性が高いからである。これにより、近接スイッチ66の誤操作を防止することができ、近接スイッチ66の誤操作によって通電が開始されることを防止することができる。
(変形例2)上記実施の形態及び変形例1では、近接スイッチ66を1つ設けるようにしたが、近接スイッチ66を複数(2つ以上)設けてもよい。図10は、通電装置14の上面を示す平面図である。図10の斜線で示す領域140a、140b、140cは、3つの近接スイッチ66が設けられた領域を示し、領域140a、140b、140cの筐体14a内側に近接スイッチ66がそれぞれ設けられている。医療従事者等は、この領域140a、140b、140cを指で触れることで、該領域140a、140b、140c(総称して領域140と呼ぶ)の内側に設けられている近接スイッチ66を操作することができる。
変形例2においては、図9のステップS1に代えて、複数の近接スイッチ66のうち、何れか1つの近接スイッチ66が操作されたか(該領域140a、140b、140cのうち、何れか1つの領域140に指が触れたか)否かを判断するサブステップS1aと、サブステップS1aで、何れか1つの近接スイッチ66が操作されたと判断した場合は、該操作がされてから、所定時間以内(例えば、3秒)以内に、残りの近接スイッチ66が全て操作されたか(残りの全ての領域140に指が触れたか)否かを判断するサブステップS1bとに置き換える。サブステップS1bで、所定時間以内に残りの近接スイッチ66が全て操作されたと判断すると、図9のステップS2に進み、サブステップS1aで何れか1つの近接スイッチが操作されていないと判断した場合、サブステップS1bで所定時間以内に残りの近接スイッチ66が全て操作されていないと判断した場合は、サブステップS1aに戻る。これにより、近接スイッチ66の誤操作を防止することができ、近接スイッチ66の誤操作によって通電が開始されることを防止することができる。
(変形例3)上記実施の形態及び変形例1、2の通電装置14の内部に設けられた電池67は、非接触充電できる充電池であってもよい。電池67が非接触充電できない電池であって、電池67が切れた場合は、電池67を交換することで通電装置14を継続的に使用することができる。しかしながら、電池67の交換を可能にするためには、通電装置14の筐体14aを開閉可能、例えば、上ケースと下ケースとに分離可能な構造にしなければならず、通電装置14の防水性が低下する可能性がある。そこで、本変形例3では、電池67を非接触充電できる充電池とすることで、通電装置14の筐体14aを一体成形することができ、通電装置14を防水性の高い構造にすることができる。
図11は、通電装置14と充電器150との電気的な機能ブロック図である。通電装置14は、受電コイル160と、充電制御回路162と、電池67とを有し、充電器150は、送電制御回路170と送電コイル172とを有する。
送電制御回路170は、図示しない高周波電源に接続されており、高周波電源からの電力を送電コイル172に供給する。送電コイル172は、電力が供給されることで磁束を発生する。送電コイル172が発生した磁束と受電コイル160とが結合することで、受電コイル160には交流起電力が発生し、受電コイル160に交流電流が流れる。充電制御回路162は、受電コイル160に流れる交流電流を直流電流に変換して、電池67を充電する。なお、本変形例3では、電磁誘導方式の非接触充電について説明したが、電波受信方式や共鳴方式で非接触充電してもよい。
(変形例4)上記実施の形態及び変形例1〜3においては、通電装置14の雌側ホック54の孔54aの奥側に機械式スイッチ68を設けるようにしたが、雌側ホック56の孔56aの奥側に機械式スイッチ68を設けるようにしてもよい。この場合は、雌側ホック54側の構造は、図7に示すような構造となり、雌側ホック56側の構造は、図5に示すような構造となる。
また、雌側ホック54、56の孔54a、56aの奥側にそれぞれ機械式スイッチ68を設けるようにしてもよい。この場合は、雌側ホック54の構造、及び雌側ホック56側の構造は共に図5に示すような構造となる。この場合は、図8に示す電池67と定電圧回路80との間に、2つの機械式スイッチ68が直列に接続された状態となり、2つの機械式スイッチ68が共にオンになることで、CPU82に電力が供給され、近接スイッチ66が動作可能な状態となる。孔54a、56aに雄側ホック50、52が挿入されると、孔54a、56aの奥側にそれぞれ配置された弾性部材78が機械式スイッチ68を押圧することで、それぞれの機械式スイッチ68がオンになる。これにより、雄側ホック50、52と雌側ホック54、56とがそれぞれ確実に接続されていることが保証される。
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10…経皮的薬物投与装置 12…パッチ
14…通電装置 14a…筐体
16…ドナー部 18…リファレンス部
20…電極フィルム 22…ドナー側部位
24…リファレンス側部位 24a…第1リファレンス側部位
24b…第2リファレンス側部位 32…ドナー用貼付部材
34…ドナー用ゲル 36…リファレンス用貼付部材
38…リファレンス用ゲル 42…第1電極
44…第2電極 46…第1接続端子線
46a、48a…端子台 46b、48b…接続線
47a、47b、49a、49b…孔部 48…第2接続端子線
50、52…雄側ホック 50a、52a…突出部
50b、52b、72…留め具 54、56…雌側ホック
54a、56a、74a、76a…孔 62、64…LED
66…近接スイッチ 67…電池
68…機械式スイッチ 70…ホック固定板
74…プリント基板 76…樹脂部材
78…弾性部材 78a…フランジ部
80…定電圧回路 82…CPU
84…昇圧回路 86…分圧回路
88…ブザー 90…ブザー駆動回路
100…検出電極 102…遮蔽電極
104…発振回路 106…検波回路
140a、140b、140c…領域 150…充電器
160…受電コイル 162…充電制御回路
170…送電制御回路 172…送電コイル

Claims (5)

  1. 薬剤が封入された第1接触部材を有するドナー部と、第2接触部材を有するリファレンス部と、前記第1接触部材に接続された第1接続端子と、前記第2接触部材に接続された第2接続端子とを有するパッチと、
    前記第1接続端子に接続され、該第1接続端子が挿入可能な孔を有する第3接続端子と、前記第2接続端子と接続され、該第2接続端子が挿入可能な孔を有する第4接続端子と、電池とを有し、前記パッチに前記電池からの電力を供給する制御装置と、
    を備えた経皮的薬物投与装置であって、
    前記制御装置は、前記パッチへ電力を供給するか否かを切り替えるための近接スイッチと、前記近接スイッチを動作させるために電力を供給するか否かを切り替えるための機械式スイッチと、を有し、
    前記第3接続端子及び前記第4接続端子の前記孔から前記制御装置の筐体内部へ液体が浸入しないように前記制御装置は構成されているとともに、前記第3接続端子及び前記第4接続端子の前記孔は、弾性部材によってシールされ、
    前記機械式スイッチは、前記弾性部材を介装して前記孔より前記制御装置の内部に設けられ、
    前記第1接続端子及び前記第2接続端子を前記第3接続端子及び前記第4接続端子の前記孔に挿入することで、前記第1接続端子及び前記第2接続端子と前記第3接続端子及び前記第4接続端子とが接続されるとともに、前記第1接続端子及び前記第2接続端子の挿入によって、前記弾性部材が押圧されることで前記機械式スイッチがオンになって前記近接スイッチが動作可能な状態となり、前記第1接続端子及び前記第2接続端子と前記第3接続端子及び前記第4接続端子との接続が解除されることで、前記機械式スイッチがオフになって前記近接スイッチが非動作状態となる
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
  2. 請求項1に記載の経皮的薬物投与装置であって、
    前記近接スイッチは、静電容量形近接スイッチ、誘導形近接スイッチ、及び磁気形近接スイッチの何れか1つである
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
  3. 請求項1又は2に記載の経皮的薬物投与装置であって、
    前記制御装置は、前記機械式スイッチがオンしてから一定時間が経過するまでは、前記近接スイッチの操作を無効にする
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の経皮的薬物投与装置であって、
    前記近接スイッチは複数あり、
    前記制御装置は、複数の前記近接スイッチのうち、何れか1つの前記近接スイッチが操作されてから、所定時間以内に、残りの前記近接スイッチが全て操作されなければ、前記パッチへの電力の供給を開始しない
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の経皮的薬物投与装置であって、
    前記電池は、非接触充電できる充電池である
    ことを特徴とする経皮的薬物投与装置。
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