JP5851389B2 - 燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法 - Google Patents

燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法 Download PDF

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本発明は、燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法に関し、より詳しくは、炭化水素原料ガスから燃料電池スタック用の燃料水素を製造する燃料処理装置を含む燃料電池システムにおいて、炭化水素原料ガスから水素を生成するに際して、原燃料中に窒素が含まれる場合において副生するアンモニアを除去する燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法に関する。
都市ガスや天然ガスなどの炭化水素系原料ガスから水素を生成するに際して使用する改質触媒としてルテニウムやニッケルなどが使用される。それらルテニウムやニッケルなどは窒素に対して高活性であるため、原燃料中に窒素が含まれる場合、アンモニアが生成し、燃料電池スタックやCO除去触媒を被毒させることが知られている。そのアンモニアをアノードガスから除去するためには、アンモニアと水を接触させ、水中にアンモニアを溶解させることが効果的であり、従来技術として、以下のようなシステムが提案されている。
特許文献1(特開2003−031247号公報)には、固体高分子形燃料電池システムに関し、以下のように記載されている。
燃料電池用の燃料水素を製造する燃料処理装置を含む燃料電池システムにおいて、燃料処理装置出口と燃料電池スタック入口の間、または、燃料処理装置のCO変成触媒とCO除去触媒の間に、水とアンモニアを接触させる機能(水の噴射、バブリング、凝縮器+水タンク)を持ち、アンモニアと水を接触させて、アノードガス中のアンモニアを水中に溶解させる。アンモニアを溶解させた水は水処理器にて処理し、再利用する。水とアンモニアを接触させる機能として「凝縮器+水タンク」を用いた場合は、その下段に、アノードガスを加湿する機能を設置する。
特許文献1のシステムでは、アノードガス中のアンモニアを溶解させた水は、水処理器でアンモニウムイオンを除去する処理を行うシステム設計となっており、システムフローが複雑化するという課題が発生する。なお、水処理器は、一般的には、イオン交換樹脂を充填した容器として構成される。また、窒素含有原料ガス由来のアンモニウムイオンは、水処理操作で大きな負荷となり、イオン交換樹脂量の増加によるコストアップ、水処理カートリッジのシステム筺体内における占有体積の増大、水処理器の定期交換頻度の短縮化といった課題を引き起こすことになる。
それかといって、仮に、アンモニウムイオンを水処理器で処理せず、系外に排棄すると、燃料電池システム内で消費する水を、システム内で生成される水で賄う「水自立」が不可能となり、その不足分を水道水ラインなどから補給しなければならなくなるため、この場合、水処理の負荷はより大きくなる。また、水とアンモニアを接触させる機能を「凝縮器+水タンク」として構成した場合、アノードガスの露点が下がってしまうため、その下段にアノードガスを加湿する機能(加湿器等)が必要になり、システムフローの複雑化や装置のコストアップといった課題が発生する。
本明細書中、改質用に水蒸気改質器に供給する燃料を“原燃料”と称している。原燃料としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、都市ガス、LPガス(液化石油ガス)、天然ガス、ガソリン、灯油、その他の炭化水素(2種以上の炭化水素の混合物を含む)が使用される。それらにアルコール類やエーテル類が混合されていてもよい。
なお、改質ガス中の水分を凝縮させる、その他の従来技術としては、下記特許文献2〜8に記載のような技術がある。しかし、それらいずれの特許技術も、原燃料に含まれる窒素由来のアンモニウムイオンの除去を目的として開発、発明されたものではない。
それら特許技術のうち、例えば、特許文献2には、燃料改質システムにおいて、CO選択酸化反応に供給する空気中の窒素由来のアンモニアを生成せずに、小型でも安定した運転が可能となる生成水素の一部をリサイクルして利用できる燃料改質システムが記載され、特許文献4には、燃料改質システムにおいて、CO選択酸化反応に供給する空気中の窒素由来のアンモニアを生成せずに、リサイクルライン内での水分を凝縮によるトラブルを発生させず、小型でも安定した運転が可能となる固体高分子型燃料電池発電システム及び同発電方法が記載されている。
特開2003−031247号公報 特許第4493257号公報 特許第4100876号公報 特許第4292362号公報 特許第4162422号公報 特許第3168307号公報 特開2004−315331号公報 特開平08−106913号公報
これら特許文献2〜8に記載のような技術では、いずれもCO除去触媒の前段に、水蒸気凝縮分離手段を設けているが、その水蒸気凝縮分離手段つまり水蒸気を凝縮させて分離除去する方法は、熱交換器等を用いて積極的に水を凝縮させるものである。特許文献8に記載の技術については、熱交換器等の冷却はないものの、凝縮度が高いため、凝縮した水を再度加熱して加湿している。よって、これらの特許技術においても、特許文献1に記載の技術においてその課題として挙げたものと同様の課題が発生する。
すなわち、燃料電池スタックに供給するガスとしては加湿の手段が必要になるため、システムフローの複雑化や装置のコストアップといった課題が発生すること、また、原燃料に含まれる窒素由来のアンモニウムイオンが水処理操作の大きな負荷となり、イオン交換樹脂量の増加によるコストアップ、水処理カートリッジのシステム筺体内における占有体積の増大、水処理器の定期交換頻度の短縮化つまり交換頻度を多くする必要があるといった課題が発生する。
本発明は、水処理の負荷となることなく、またアノードガスの露点を大幅に下げることなく、効果的にアンモニアを除去する方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明によると、燃料処理装置における改質触媒層出口から燃料電池スタック入口までの間の経路にドレンポットを設置し、かつ、改質触媒層出口の露点を、(a)改質触媒層出口、または(b)燃料処理装置における改質触媒層出口以降のいずれかの経路、または(c)ドレンポット入口、または(d)改質触媒層出口からドレンポット入口間の経路のいずれかの温度以上とし、かつ燃料電池システム内で生成する水で消費する水をまかなう「水自立」が成立するように、改質反応におけるS/C比(改質水と原料ガスの比:Steam/Carbon Ratio)を制御することにより、ドレンポットに溜まる水に、アンモニアを溶解させ、その凝縮水を水処理器で処理することなく系外に排出することができる。
〈本発明の基本構成〉
本発明は、燃料処理装置における改質触媒層出口から燃料電池スタック入口の間の経路(例えば、燃料処理装置と燃料電池スタックの間、改質触媒層とCO変成触媒層との間、CO変成触媒層とCO除去触媒層との間など)にドレンポットを設置し、かつ、改質触媒層出口の露点を、改質触媒層出口、または燃料処理装置における改質触媒層出口以降のいずれかの経路、またはドレンポット入口、または改質触媒層出口からドレンポット入口間の経路のいずれかの温度以上になるように、改質反応におけるS/C比(改質水と原料ガスの比:Steam/Carbon Ratio)を制御する。
ここで、燃料処理装置出口の露点とドレンポット入口の温度差が5℃程度の場合は、ドレンポットから排出される水は1mL/min程度であり、燃料電池システム内で生成する水で消費される水を賄う「水自立」に影響を与えないほど微量のため、系外に排出、廃棄するものである。
本発明(1)は、燃料処理装置における改質触媒層出口から燃料電池スタック入口の間の経路にドレンポットを設置し、かつ、改質触媒層出口の露点を、改質触媒層出口、または燃料処理装置における改質触媒層出口以降のいずれかの経路、またはドレンポット入口、または改質触媒層出口からドレンポット入口間の経路のいずれかの温度以上とし、かつ燃料電池システム内で生成する水で消費する水をまかなう「水自立」が成立するように、改質反応におけるS/C比(改質水と原料ガスの比:Steam/Carbon Ratio)を制御することで、ドレンポットにて凝縮する水を水処理器で処理することなく系外に排出することを特徴とする燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法である。
本発明(2)は、本発明(1)の燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法において、前記ドレンポットを設置する経路が燃料処理装置と燃料電池スタックとの間の経路であることを特徴とする燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法である。
本発明(3)は、本発明(1)の燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法において、前記ドレンポットを設置する経路が改質触媒層とCO変成触媒層との間の経路であることを特徴とする燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法である。
本発明(4)は、本発明(1)の燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法において、前記ドレンポットを設置する経路がCO変成触媒層とCO除去触媒層との間の経路であることを特徴とする燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法である。
本発明によれば、窒素含有原燃料を使用する燃料電池システムにおいて、燃料電池システムフローの簡素化、水処理器の負荷軽減、および、燃料電池スタックの耐久性向上に寄与することができる。また、本発明により、改質反応におけるS/C比の制御により、ドレンポットでの凝縮水に対して効果的にアンモニアを溶解させることができる。
また、本発明によれば、燃料処理装置出口の露点よりもドレンポット入口の温度を5℃程度低くしたときに、ドレンポットの水が1mL/min程度であり、これをそのまま排出しても、燃料電池システム内で消費する水が、システム内で生成される水で賄う「水自立」に影響を与えることがないことを、実機を用いた発電試験によって確認した。
燃料処理装置出口と燃料電池スタック入口の間にドレンポットを設置した燃料電池システムの概略フローを示す図である。 原燃料の処理からPEFCに至るまでの態様例を説明する図である。 〈実験による本発明の有効性の確認〉における実験に用いた装置の概略を示す図である。
図1において、燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法は、燃料電池スタックからアノード排ガス流路1を経たアノード排ガスから熱交換器(復水凝縮器)2で回収したドレン水をドレン水タンクTに導く。ドレン水タンクTでのオーバーフロー水は系外に廃棄する。ドレン水タンクT中の水をポンプPを介して水処理器W1、W2に導入する。図1において、ドレン水タンクTからの2個の導出管にそれぞれ水処理器W1、W2を配置した態様を示している。
各水処理器W1、W2は、容器中に別体または混床のイオン交換樹脂層を配置してなるが、それらの図示は省略している。水処理器W1、W2では、アニオン交換樹脂層において、ドレン水中のアニオン成分がイオン交換により除去され、また、カチオン交換樹脂層において、ドレン水中のカチオン成分がイオン交換により除去される。
各水処理器W1、W2で処理した処理水は、燃料処理装置(原燃料の水蒸気改質器)での原燃料改質用の水蒸気として利用され、また燃料電池スタックSの冷却水として利用される。そのうち燃料処理装置(原燃料の水蒸気改質器)で使用する水処理器W1での処理水は、加熱器すなわち水蒸気発生器(図示は省略している)で加熱されて水蒸気となり、燃料処理装置の改質触媒層へ供給される。一方、都市ガスや天然ガス等の原料ガスすなわち原燃料が脱硫器で脱硫され、燃料処理装置の改質触媒層へ供給される。燃料処理装置の改質触媒層において、脱硫済み原燃料の水蒸気改質反応により水素を主成分とする改質ガスを生成し、改質ガスは燃料電池スタックSの燃料として使用される。
燃料電池スタックSから排出されるアノード排ガス、カソード排ガスは、それぞれ熱交換器2、熱交換器3へ送られる。それら両排ガス中の水蒸気は熱交換器2、熱交換器3で冷却されて凝縮し、ドレン水としてドレン水タンクTへ送られる。図1に示すとおり、ドレン水タンクT中のドレン水はポンプP1、P2を介して再度循環利用される。
〈本発明における「ドレンポット」の配置態様〉
本発明の燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法においては、図1中「ドレンポット」として示すように、ドレンポットを燃料処理装置から燃料電池スタックへの改質ガス導管に配置する。そして、改質触媒層出口の露点を、ドレンポット入口の温度以上とし、かつ燃料電池システム内で生成する水で消費する水をまかなう「水自立」が成立するように、改質反応におけるS/C(改質水と原料ガスの比:Steam/Carbon Ratio)を制御するものである。
より詳しくは、本発明において、燃料処理装置における改質触媒層出口から燃料電池スタック入口の間の経路にドレンポットを設置し、かつ、改質触媒層出口の露点を、(1)改質触媒層出口、または(2)燃料処理装置における改質触媒層出口以降のいずれかの経路、または(3)ドレンポット入口、または(4)改質触媒層出口からドレンポット入口間の経路のいずれかの温度以上になるように、かつ燃料電池システム内で生成する水で消費する水をまかなう「水自立」が成立するように、改質反応におけるS/C比〔改質水と原料ガス(燃料)が有する炭素とのモル比:Steam/Carbon Ratio〕を制御する。
図2は、原燃料の処理からPEFCに至るまでの態様例を説明する図である。水蒸気改質器は、概略、バーナあるいは白金等の燃焼触媒を配置した燃焼部(加熱部)と改質触媒を配置した改質部により構成される。改質触媒としてはNi系、Ru系等の触媒が用いられる。改質部では原燃料を水蒸気と反応させて水素リッチな改質ガスが生成される。改質部で起こる反応は大きな吸熱を伴うので、反応の進行のためには外部からの熱が必要であり、400℃程度以上、400〜680℃の温度が必要である。なお、定常運転時は例えば660℃と言うように設定される。このため燃焼部での燃料ガスの空気による燃焼により発生した燃焼熱(ΔH)が改質部に供給される。
都市ガスやLPガスには漏洩保安を目的とする付臭剤として硫黄化合物が添加され、また、ガソリンや灯油などには、原油からの精製プロセスで脱硫しきれなかった微量の硫黄化合物が含まれている。改質触媒は、それらの硫黄化合物により被毒して性能劣化を来すので、それらの硫黄化合物を除去するために脱硫器へ導入される。次いで、別途設けられた水蒸気発生器からの水蒸気を混合して水蒸気改質器へ導入され、水蒸気改質器中での原燃料の水蒸気による改質反応により水素リッチな改質ガスが生成される。
原燃料が例えばメタンである場合の改質反応は「CH4+2H2O→CO2+4H2」で示される。改質反応で生成する改質ガス中には未反応のメタン、未反応の水蒸気、二酸化炭素(CO2)のほか、一酸化炭素(CO)が副生して8〜15%(容量%、以下、気体に係る%について同じ)程度含まれている。このため改質ガスは、副生COを二酸化炭素に変えて除去するためにCO変成器に導入される。CO変成器では銅−亜鉛系や白金触媒等の触媒が用いられるが、その触媒を機能させるには220〜300℃程度(なお、適温200〜250℃程度の触媒もある)の温度が必要である。CO変成器中での反応は「CO+H2O→CO2+H2」で示され、この反応で必要な水蒸気としては水蒸気改質器において未反応の残留水蒸気が利用される。
CO変成器から出る改質ガスは、未反応のメタンと余剰水蒸気を除けば、水素と二酸化炭素とからなっている。このうち水素が目的とする成分であるが、CO変成器を経て得られる改質ガスについても、COは完全には除去されず、微量のCOが含まれている。PEFCに供給する燃料水素中のCO含有量は100ppm(容量ppm、以下ppmについて同じ)程度が限度であり、これを超えると電池性能が著しく劣化するので、CO成分はPEFCへ導入する前にできる限り除去する必要がある。
このため、改質ガスはCO変成器によりCO濃度を1%程度以下まで低下させた後、CO酸化器にかけられる。ここで空気等の酸化剤ガスが添加され、COの酸化反応(CO+1/2O2=CO2)により、COを100ppm程度以下、好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下というように低減させる。CO酸化器の作動温度は130〜170℃程度(なお、適温100〜150℃程度の触媒もある)である。こうして精製された水素がPEFCの燃料極に供給される。なお、CO酸化器は、CO酸化触媒により改質ガス中のCOを選択的に酸化して除去するためのもので、CO除去器とも呼ばれるが、本明細書ではCO酸化器とも称している。
本発明におけるドレンポットは、図2でいえば、水蒸気改質器とCO変成器との間、CO変成器とCO酸化器との間、または、CO酸化器とPEFCとの間に配置される。
〈実験による本発明の有効性の確認〉
実験により本発明の有効性を確認した。図3に本実験に用いた装置の概略を示している。図3のとおり、改質触媒としてルテニウムを用いた水蒸気改質方式の燃料処理装置(FPS:Fuel Processing System)と出力1kWのPEFCシステムを使用し、燃料処理装置と燃料電池スタックの間にドレンポットを設置した。
本水蒸気改質方式の燃料処理装置(FPS)に窒素濃度1.2%を含む都市ガスを投入供給し、PEFCスタックにおいて発電出力1kWで作動させた際の、燃料処理装置出口の改質ガス、および、ドレンポットから排出された水を0.5wt%ホウ酸水溶液に通過させることで、改質ガスおよびドレンポット排水中のアンモニア濃度を測定した。
1kW発電で、2時間20分経過後以降の発電が安定している時点で、ガスおよび水をサンプリングした。ドレンポットには約0.86mL/minの水が凝縮し、燃料処理装置出口の露点よりもドレンポット入口の温度が低く制御できることが確認できた。なお、0.5wt%ホウ酸水溶液に通過させたサンプリング改質ガスの流量は、総流量の2%程度としており、オフガス燃焼が行われる燃料処理装置において各部温度にほとんど変化はない。また、燃料電池スタックの動作条件的にも問題はない。
本試験の結果では、燃料処理装置出口での改質ガス中のアンモニア濃度は、約0.52ppm(vol ppm)であったのに対し、その内の約85%にあたるアンモニアが、約0.86mL/minのドレンポット排水に溶解していることを確認できた。
〈実施の一例〉
前述のとおり、図1に燃料処理装置出口と燃料電池スタックS入口の間に、ドレンポットを設置した燃料電池システムの概略フローを示している。そして、燃料処理装置出口の露点とドレンポット入口の温度差が小さい場合は、ドレンポットから排出される水は、燃料電池システム内で生成する水で消費される水をまかなう「水自立」に影響を与えないほど微量(1mL/min程度)のため、系外に排出する。
図1のとおり、燃料処理装置と燃料電池スタックSとの間にドレンポットを設置し、かつ、改質触媒層出口の露点を、ドレンポット入口の温度以上になるように、改質反応におけるS/C比(改質水と原料ガスの比:Steam/Carbon Ratio)を制御した。出口での改質ガス中のアンモニア濃度は、約0.52ppmであったのに対し、その内の約85%にあたるアンモニアが、約0.86mL/minのドレンポット排水に溶解していることを確認できた。
図3に示しているように、燃料電池スタックSの出力は1000Wで、ドレンポットの設置位置は燃料処理装置FPSと燃料電池スタックSとの間になる。
また、S/C比を変化させたときの「燃料処理装置出口の露点」、「ドレンポットに凝縮する水量」を試算した結果を表1に示した。表2はそのシミュレーションに用いた前提条件である。前述〈実施の一例〉での試験の結果では、「ドレンポットに凝縮する水量」は0.86mL/minであり、この結果からして、前述〈実施の一例〉での温度差は3〜4℃程度であったことが推量される。
Figure 0005851389
Figure 0005851389

Claims (4)

  1. 燃料処理装置における改質触媒層出口から燃料電池スタック入口の間の経路にドレンポットを設置し、かつ、改質触媒層出口の露点を、(1)改質触媒層出口、または(2)燃料処理装置における改質触媒層出口以降のいずれかの経路、または(3)ドレンポット入口、または(4)改質触媒層出口からドレンポット入口間の経路のいずれかの温度以上とし、かつ前記改質触媒層出口の露点と前記(1)〜(4)のいずれかの温度との差を、2.2〜5.8℃とし、かつ燃料電池システム内で生成する水で消費する水をまかなう水自立が成立するように、改質反応におけるS/C比(改質水と原料ガスの比:Steam/Carbon Ratio)を制御することで、ドレンポットにて凝縮する水を水処理器で処理することなく系外に排出することを特徴とする燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法。
  2. 請求項1の燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法において、前記ドレンポットを設置する経路が燃料処理装置と燃料電池スタックとの間の経路であることを特徴とする燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法。
  3. 請求項1の燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法において、前記ドレンポットを設置する経路が改質触媒層とCO変成触媒層との間の経路であることを特徴とする燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法。
  4. 請求項1の燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法において、前記ドレンポットを設置する経路がCO変成触媒層とCO除去触媒層との間の経路であることを特徴とする燃料電池システムにおけるアンモニア除去方法。
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