JP5851227B2 - 炭化珪素単結晶製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭化珪素単結晶製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
炭化珪素は耐熱性に優れ、絶縁破壊電圧が大きく、エネルギーバンドギャップが広く、また、熱伝導度が高いなどの優れた性能を有するため、大電力パワーデバイス、耐高温半導体素子、耐放射線半導体素子、高周波半導体素子等への応用が可能である。シリコンが材料自体の物性限界から性能向上も限界に近づきつつあるため、シリコンよりも物性限界を大きくとれる炭化珪素が注目されている。近年は電力変換時のエネルギーロスを低減し、地球温暖化問題への対策となる省エネルギー技術として、炭化珪素材料を使ったパワーエレクトロニクス技術が期待を集めている。
その基盤技術として炭化珪素単結晶の成長技術の研究開発が精力的に進められている。
炭化珪素単結晶を成長させる方法として、昇華再結晶法が広く用いられている。この方法は、例えば黒鉛製の坩堝内に配置した黒鉛台座に種結晶を取り付けると共に、坩堝底部に配した炭化珪素原料を2000℃以上に加熱して昇華ガスを発生させ、その昇華ガスを原料部より数十〜数百℃低温にした種結晶上に再結晶化させることによって、種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させるものである(例えば、特許文献1〜3)。
昇華再結晶法を利用した炭化珪素単結晶製造装置として、坩堝を坩堝上部と坩堝下部の2つの部分からなる構成とし、坩堝下部に対して坩堝上部を昇降可能とする昇降機構を備え、この昇降機構によって炭化珪素単結晶の表面と炭化珪素原料との間の距離を調整して成長中の炭化珪素単結晶の表面の温度と炭化珪素粉末原料の温度との温度差の変化を低減し、高品質で長尺な炭化珪素単結晶の製造を図るものが知られている(例えば、特許文献3)。
図8は、典型的な炭化珪素単結晶製造装置100を示す。
単結晶成長装置100は、真空容器101の内部に断熱材102に覆われた坩堝103配置され、真空容器101の外側に加熱手段110が配置されて概略構成されている。
坩堝103の蓋部103aの台座104の下面104aに炭化珪素種結晶105が接合される。断熱材102には、坩堝103の下部表面および上部表面の一部が露出するように孔部102a、102bが形成されている。
断熱材102を巻き付けた坩堝103は真空容器1の内部中央の支持棒106上に設置されている。支持棒106は筒状とされており、この支持棒106の孔部106aを断熱材102に設けた孔部102aと合わせるようにする。これにより、真空容器101の下に配置された放射温度計107により、この支持棒106の孔部106aおよび断熱材102の下側の孔部102aを通して、坩堝103の下部表面の温度を観測できる構成とされている。同様に、真空容器101の上に配置された別の放射温度計107により、断熱材102の上側の孔部102bを通して、坩堝103の上部表面の温度を観測できる構成とされている。
真空容器101の内部のガス交換は、まず、排出管108に接続した真空ポンプ(図示略)を用いて、真空容器101の内部の空気を排気して、例えば、4×10−3Pa以下の減圧状態とする。真空ポンプとしては例えば、ターボ分子ポンプなどを用いることができる。その後、導入管109から真空容器101の内部に高純度Arガスを導入して、真空容器101の内部(炉内)を例えば、Ar雰囲気で9.3×10Paという環境とする。
加熱手段110は例えば、高周波加熱コイルであり、電流を流すことにより高周波を発生させて、真空容器101内の中央に設置された坩堝103を例えば、1900℃以上の温度に加熱することができる。これにより、坩堝103内の炭化珪素原料粉末111を加熱して、炭化珪素原料粉末111から昇華ガスを発生させる。
次に、図9は坩堝下部に対して坩堝上部が昇降可能となっている従来の炭化珪素単結晶製造装置200を示す。図9では真空容器、断熱材、加熱手段等の通常備える構成は省略している。
炭化珪素単結晶製造装置200は、坩堝上部230a及び坩堝下部230bからなる坩堝230と、坩堝上部230aの蓋部230aaの下面中央部に取り付けられた台座240とを備えている。坩堝下部230b内には、粉末状の炭化珪素原料260が収容されており、台座240の下面には、炭化珪素原料260に臨むように炭化珪素種結晶250が取り付けられる。
坩堝下部230bは第1支持部材270の支持面部270a上に配置されて支持されることにより定位置に固定された状態となっている。一方、坩堝上部230aは第2支持部材280の支持側部280bに支持されている。第2支持部材280は支持側部280bの他に、第1支持部材270の支持面部270aよりも下側に位置する支持底部280aと、この支持底部280aの下面中央部から鉛直方向に延設されたシャフトガイド部280cとを備えている。このシャフトガイド部280cに第1支持部材270のシャフト部270bが貫通することによりシャフトガイド部280cがシャフト部270bをガイドとして摺動可能となっている。この摺動により、第1支持部材270に対して第2支持部材280が鉛直方向に沿って昇降可能となっている。この第2支持部材280の昇降はシャフトガイド部280cに連結された昇降駆動装置290の正逆駆動によって行われるものである。
国際公開第2O00/39372号 特開2010−13296号公報 特開2009−23880号公報 特開平7−82091号公報
従来、昇華再結晶法によって炭化珪素単結晶を製造する際、坩堝内部の環境をモニターすることなく炭化珪素単結晶の成長を行っていたため、成長中の成長条件のズレ(温度測定の誤差や炭化珪素粉末原料のバラツキ等)が原因で所望の成長を行うことができず、歩留まりが低いという問題があった。例えば、成長量が過多であった場合は、炭化珪素単結晶の近傍に成長してしまう多結晶が多くなるため、その多結晶が炭化珪素単結晶に固着したり、またその多結晶の固着が原因で欠陥発生が発生するなど、炭化珪素単結晶の品質低下が起こりやすくなり、さらには単結晶の割れという問題が発生することもあった。また、成長量が過少であった場合は取得可能ウェハ数が減少するという問題があった。
炭化珪素単結晶の成長中に坩堝内部を観察することも可能であったが、X線装置等の大掛かりな装置が必要であった。
特許文献4には、昇華再結晶法による炭化珪素単結晶の成長中に、坩堝全体の重量を測定可能な検出器を備えた炭化珪素単結晶製造装置が開示されているものの、結晶成長量と原料昇華量とを独立に測定する構成については記載がない。
昇華再結晶法を利用する炭化珪素単結晶製造装置では、2000℃以上の成長環境を維持するため、坩堝内部の成長環境観察用の覗き窓や、坩堝内部の成長条件(例えば、温度)の測定に利用するための窓(例えば、放射温度計による測定用の窓)を坩堝に設置することは望ましくない。覗き窓から熱が逃げてしまうからである。
また、粉末原料を昇華させてその昇華ガスを炭化珪素種結晶に供給するという手法のため、坩堝に隙間があると、その隙間から昇華ガスが漏洩して、良好な成長環境を維持できないし、また、坩堝外部の部材(断熱部材やヒータ)の劣化を招くことになる。従って、この観点からも、坩堝に覗き窓や測定用の窓を設置することは望ましくない。
しかしながら、炭化珪素種結晶を坩堝内に導入するために坩堝を2つの部分から構成する必要があり、それらの部分の連結部に形成される隙間は必ず必要であり、隙間を完全になくすことはできない。坩堝上部と坩堝下部との連結部分に形成されてしまう隙間は存在する。この隙間近傍は低温になるため、そこに炭化珪素の多結晶が析出しやすく、坩堝上部と坩堝下部との相対移動を妨げることがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、結晶成長中の成長条件を調整して高品質の炭化珪素単結晶を製造可能とする炭化珪素単結晶製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕台座に取付けた炭化珪素種結晶上に原料ガスを供給して、前記炭化珪素種結晶上に炭化珪素の単結晶を成長させる炭化珪素単結晶製造装置において、坩堝上部と坩堝下部とからなる坩堝と、前記坩堝上部及び前記坩堝下部のうち、少なくとも前記坩堝下部を支持する第1支持部材と、前記台座を支持する第2支持部材と、前記第1支持部材及び前記第2支持部材の重量をそれぞれ独立に検出できる重量センサと、前記坩堝の周囲に配置する加熱手段と、を備え、前記第1支持部材と前記第2支持部材とは上下方向に互いに相対移動可能である、ことを特徴とする炭化珪素単結晶製造装置。
〔2〕前記台座は前記坩堝上部の蓋部の下面に支持され、前記第1支持部材は前記坩堝上部及び前記坩堝下部のうち、前記坩堝下部のみを支持するものであり、前記第2支持部材は前記坩堝上部を支持し、該坩堝上部を介して前記台座を支持するものである、ことを特徴とする〔1〕に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
〔3〕前記第1支持部材は前記坩堝上部及び前記坩堝下部のいずれも支持するものであり、
前記台座は、少なくともその種結晶取付面が前記坩堝内に位置するように、前記坩堝上部の蓋部に形成された開口から下方に突出している、ことを特徴とする〔1〕に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
〔4〕前記蓋部の下面において前記開口の周囲に沿って下方に突出するように設けられた第1突起部であって、前記坩堝の内側壁側が高くかつ前記坩堝の鉛直中心側が低くなるように傾斜する下方傾斜面を前記坩堝の内側壁に対向する側に有する第1突起部を備えたことを特徴とする〔3〕に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
〔5〕前記台座の側壁において、前記坩堝の内側壁側が高くかつ前記坩堝の鉛直中心側が低くなるように傾斜する上方傾斜面を前記坩堝の鉛直中心側に有する第2突起部が設けられていることを特徴とする〔3〕又は〔4〕のいずれかに記載の炭化珪素単結晶製造装置。
〔6〕前記坩堝上部はその側部の下端に形成された坩堝上部連結部を備え、前記坩堝下部はその側部の上端に形成された坩堝下部連結部を備え、前記坩堝上部連結部及び前記坩堝下部連結部は、坩堝の内壁側が高くかつ外壁側が低くなるように傾斜し、互いに対向する傾斜連結面を有する、ことを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
〔7〕前記第2支持部材は上方から吊り下げられたものである、ことを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
〔8〕台座に取付けた炭化珪素種結晶上に原料ガスを供給して、前記炭化珪素種結晶上に炭化珪素の単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、坩堝上部と坩堝下部とからなる坩堝と、前記坩堝上部及び前記坩堝下部のうち、少なくとも前記坩堝下部を支持する第1支持部材と、前記台座を支持する第2支持部材と、前記第1支持部材及び前記第2支持部材の重量をそれぞれ独立に検出できる重量センサと、前記坩堝の周囲に配置する加熱手段とを備え、前記第1支持部材と前記第2支持部材とは上下方向に互いに相対移動可能である炭化珪素単結晶製造装置を用い、炭化珪素単結晶の製造中に、前記重量センサを用いて検出した前記第2支持部材の重量から、炭化珪素単結晶の成長量及び/又は成長速度を求め、前記重量センサを用いて検出した前記第1支持部材の重量から、炭化珪素粉末原料の昇華速度及び/又は昇華量を求め、前記成長速度及び/又は成長量、及び/又は、昇華量及び/又は昇華速度が所望の範囲外である場合には、その範囲内に入るように、(1)〜(4)の少なくともいずれかを行う、ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法;
(1) 前記坩堝上部又は前記台座、及び/又は、前記坩堝下部の温度を調整する、
(2) 前記第1支持部材及び前記第2支持部材を上下方向に互いに相対移動させる、又は異なる速度で上昇もしくは下降させる、
(3) 炭化珪素単結晶の所期の予定成長時間を変更する、
(4) 炉内圧力を調節する。
本発明の炭化珪素単結晶製造装置によれば、坩堝上部と坩堝下部とからなる坩堝と、坩堝上部及び坩堝下部のうち、少なくとも前記坩堝下部を支持する第1支持部材と、台座を支持する第2支持部材と、第1支持部材及び第2支持部材の重量をそれぞれ独立に検出できる重量センサとを備えた構成を採用したので、検出された第1支持部材の重量から炭化珪素原料の減少量(すなわち、原料昇華量)及び原料昇華速度を、また、検出された第2支持部材の重量から炭化珪素単結晶の成長量及び成長速度を求めることができる。これに基づき、それらの値が所定の範囲からずれているときは単結晶の成長途上でも所定の範囲内になるように、成長条件を変更することが可能となるため、高品質の炭化珪素単結晶の製造が可能となると共に、歩留まりが向上し、所期の取得可能なウェハ数を確保できる。
本発明の炭化珪素単結晶製造装置によれば、坩堝上部はその側部の下端に形成された坩堝上部連結部を備え、坩堝下部はその側部の上端に形成された坩堝下部連結部を備え、坩堝上部連結部及び坩堝下部連結部はいずれも少なくとも一部に、坩堝の内部から外部へ向かうにつれて下方に傾斜して互いに連結する傾斜連結面を有する構成を採用することにより、坩堝上部と坩堝下部との連結部に堆積してしまう多結晶の量を低減し、その結果、坩堝上部と坩堝下部の良好な相対移動を確保することができる。
本発明の炭化珪素単結晶の製造方法によれば、炭化珪素単結晶の製造中に、重量センサを用いて検出した第2支持部材の重量から、炭化珪素単結晶の成長量及び/又は成長速度を求め、重量センサを用いて検出した第1支持部材の重量から、炭化珪素粉末原料の昇華速度及び/又は昇華量を求め、成長速度及び/又は成長量、及び/又は、昇華量及び/又は昇華速度が所定の範囲外である場合には、その範囲内に入るように、(1)坩堝上部又は台座、及び/又は、坩堝下部の温度を調整する、(2)第1支持部材及び前記第2支持部材を上下方向に互いに相対移動させる、又は異なる速度で上昇もしくは下降させる、(3)炭化珪素単結晶の所期の予定成長時間を変更する、(4)炉内圧力を調節する、ことの少なくともいずれかを行う構成を採用したので、高品質の炭化珪素単結晶の製造が可能となると共に、歩留まりが向上し、所期の取得可能なウェハ数を確保できる。
本発明に係る第1の実施形態の炭化珪素単結晶製造装置を示す断面模式図である。 本発明に係る第2の実施形態の炭化珪素単結晶製造装置の坩堝上部連結部及び坩堝下部連結部の近傍を拡大した断面摸式図である。 本発明に係る第3の実施形態の炭化珪素単結晶製造装置を示す断面模式図である。 本発明に係る第3の実施形態の炭化珪素単結晶製造装置において炭化珪素単結晶が成長した後の状態を示す断面模式図である。 (a)本発明に係る第4の実施形態の炭化珪素単結晶製造装置を部分的に示す断面模式図である。(b)炭化珪素単結晶が成長した後の状態を示す断面模式図である。 本発明に係る第4の実施形態の炭化珪素単結晶製造装置における炭化珪素多結晶の析出を示す断面模式図である。 本発明に係る第5の実施形態の炭化珪素単結晶製造装置を示す断面模式図である。 従来の炭化珪素単結晶製造装置を示す断面模式図である。 従来の炭化珪素単結晶製造装置を示す断面模式図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である炭化珪素単結晶製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、昇華再結晶法、CVD法等の気相成長法に適用できるが、一例として昇華再結晶法を用いた場合を例にあげて説明する。
なお、以下の説明において参照する図面は、本実施形態の炭化珪素単結晶製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法を説明する図面であって、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の炭化珪素単結晶製造装置等の寸法関係とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示する材料や寸法等は一例であり、本発明は必ずしもそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。また、真空容器や加熱手段等、通常用いられる構成については図示及びその説明を省略している場合がある。
[炭化珪素単結晶製造装置(第1の実施形態)]
まず、図1に、本発明の第1の実施形態を適用した炭化珪素単結晶製造装置を示す。なお、真空容器、断熱材等の通常の炭化珪素単結晶製造装置に備えた構成は図示していない。
炭化珪素単結晶製造装置は、真空容器内に、断熱材に覆われた坩堝3と、第1支持部材7と、第2支持部材8と、これらの支持部材7、8の重量を独立して検出する第1重量センサ9及び第2重量センサ10とを備えて概略構成されている。
坩堝3は内部に空洞部11を備えており、坩堝3の空洞部内の下部には、炭化珪素種結晶5上に炭化珪素単結晶を結晶成長させるのに十分な量の炭化珪素原料6が収容されている。炭化珪素原料6は粉末の形態で収容されている。空洞部11の上部には炭化珪素単結晶を結晶成長させるのに必要な空間が確保されている。この構成により、昇華再結晶法によって炭化珪素種結晶5の成長面5a上に炭化珪素単結晶を結晶成長させることができる。
坩堝3は、上下方向に互いに相対移動可能な坩堝上部3aと坩堝下部3bとによって構成されている。炭化珪素原料6は坩堝下部3bに収容されている。坩堝上部3a及び坩堝下部3bはいずれか一方だけが可動な構成でも、両方が可動な構成でも本発明の効果を奏するが、第1の実施形態では、坩堝下部3bは固定され、坩堝上部3aだけが可動である場合について説明する。なお、炭化珪素原料6は坩堝下部3bに収容されているため、坩堝下部3bが固定で坩堝上部3aが可動の場合には炭化珪素原料6の加熱環境の変化が小さいため、炭化珪素単結晶のより安定な成長を可能とすることができるという利点がある。
坩堝3の材料としては、高温で安定であり不純ガスの発生の少ない材料が好ましく、黒鉛(グラファイト)、炭化珪素または炭化珪素もしくはタンタルカーバイド(TaC)によって被覆された黒鉛(グラファイト)などを用いることが好ましい。
坩堝上部3aは、蓋部3aaと、蓋部3aaの外周部から筒状となって坩堝下部3b側に向かって延設された側部3abとによって形成されている。坩堝上部3aは坩堝下部3bと第2支持部材8とによって支持可能であってもよいが、少なくとも第1重量センサ9によって坩堝上部3aの重量を検出するときは、坩堝下部3bに支持されることなく、第2支持部材8だけで支持される構成となっている。
坩堝上部3aの蓋部3aaの下面中央部には下方に突出した円柱状の台座4が設けられている。台座4は坩堝上部3aと一体の部材であっても、坩堝上部3aとは独立した部材で坩堝上部3aに結合された構成であってもよい。この結合は機械的な結合や接着剤による結合等を用いることができる。坩堝上部3aを坩堝下部3bに組み付けたとき、台座4が坩堝下部3b側へ突出した状態となる。この台座4の下面は炭化珪素種結晶5が接合される種結晶取付面4aとなっている。坩堝上部3aの側部3abは台座4よりも下方に向かって延びており、従って台座4の種結晶取付面4aは坩堝3(空洞部11)内に位置している。
坩堝下部3bは、底部3baと、底部3baの外周部から筒状となって坩堝上部3aに向かって延設された側部3bbとによって形成されている。坩堝下部3bは第1支持部材7によって支持されている。
坩堝上部3aの側部3abの下端には連結部(坩堝上部連結部)3abaを備え、坩堝下部3bの側部3bbの上端には形成された連結部(坩堝下部連結部)3bbaを備え、連結部3abaと連結部3bbaとが継合されることで坩堝上部3aと坩堝下部3bとが連結されて坩堝3を構成する。
連結部3aba及び連結部3bbaはそれぞれ、互いに相対移動可能に摺接する摺動面3A、3Bを有し、それらの摺動面3A、3Bを合わせるように配置される。
摺動面3A、3Bを合わせたとき底部3baは坩堝上部3aの蓋部3aaと対面した状態となる。
本実施形態では摺動面3A、3Bが摺接する構成であるが、摺動面3A、3Bに相当する面が互いに直接接しないで、互いに相対移動可能な構成でもよい。
連結部3abaは、摺動面3Aと、坩堝上部3aの坩堝下部3bに対する相対位置が最も低い位置にあるときに、連結部3bbaの連結面3bbaaと当接するか又は連結面3bbaaと最近接する連結面3abaaと、第2支持部材8の上端面8Aに当接して支持される支持受け面3ababとを有する。
連結部3bbaは、摺動面3Bと、坩堝上部3aの坩堝下部3bに対する相対位置が最も低い位置にあるときに、連結部3abaの連結面3abaaと当接するか又は連結面3abaaと最近接する連結面3bbaaとを有する。
なお、連結面3abaaと連結面3bbaaとが当接しない(最近接する)場合は、その間に形成される隙間は坩堝内部の昇華ガスのリークができるだけ少なくなるように微小であることが望ましい。
第1支持部材7は支持面部7aと、支持面部7aの下面中央部から垂直方向に延びるシャフト部7bとを有する。第1支持部材7の支持面部7a上には坩堝下部3bが配置され、これにより第1支持部材7は、炭化珪素原料6が収容された坩堝下部3bを支持する。シャフト部7bは坩堝3の中心軸方向を軸方向として支持面部7aから垂直方向に延びている。
第2支持部材8は第1支持部材7の支持面部7aよりも下側に位置する支持底部8aと、支持底部8aの外周部から坩堝上部3aの方向に延設された筒状の支持側部8bと、支持底部8aの下面中央部から鉛直方向に延設されたシャフトガイド部8cとを有する。
第2支持側部8bの上端面8Aには坩堝上部3aの側部3abの下端面3ababが当接しており、この当接により第2支持部材8は坩堝上部3aを支持する構成となっている。坩堝上部3aの蓋部3aaに設けられた台座4は坩堝上部3aを介して第2支持部材8に支持される。
第2支持部材8の支持側部8bは、第1支持部材7に支持された坩堝下部3bよりも大径となっており、支持側部8bの内面と坩堝下部3bの外面との間に一定の隙間が形成された状態で支持側部8bが坩堝下部3bの外側に設けられている。第2支持部材8のシャフトガイド部8cには第1支持部材7のシャフト部7bが相対移動可能に貫通している。このシャフトガイド部8cはその中心軸が坩堝上部3aの中心軸と一致するように設けられている。第2支持部材8は昇降駆動装置15に連結されており、昇降駆動装置15の正逆駆動によって上下動する。この構成では昇降駆動装置15の正逆駆動によって第1支持部材7に対して第2支持部材8が上下方向に相対移動可能となっている。
第2支持部材8が上下動することにより坩堝上部3aは坩堝下部3bに対して上下方向に移動させて、炭化珪素単結晶の成長面と炭化珪素原料6の表面(原料面)との距離を変え、炭化珪素単結晶の成長速度や成長面形状を変えることができる。また、炭化珪素単結晶の成長に従って成長面と原料面との距離が漸次変化するが、第2支持部材8が上下動することによりその距離を維持することもできる。坩堝上部3aの上方向への移動は、摺動面3A、3Bが対向する状態を保持した範囲内で行われる。従って、坩堝上部3aが上方向に移動して連結部3abaの連結面も、坩堝3の内部が開放されることがなく炭化珪素単結晶の成長を継続することができる。
第1支持部材7及び第2支持部材8の材料としては、黒鉛(グラファイト)が好ましい。
第1重量センサ9は第1支持部材7に設けられ、第2重量センサ10は第2支持部材8に設けられている。
第1重量センサ9は第1支持部材7の例えば、シャフト部7bに配置され、第1支持部材7及びこれに支持された坩堝下部3bの重量(炭化珪素原料6の重量を含む)を検出する。炭化珪素単結晶の成長時、第1支持部材及び坩堝下部3bの重量は変化しないが、炭化珪素原料6の重量は原料ガスの昇華によって減少するため、第1重量センサ9が検出する重量は減少する。第1重量センサ9は全重量すなわち、第1支持部材7及びこれに支持された坩堝下部3b(炭化珪素原料6を含む)の重量減を検出して、炭化珪素原料6の減少量を検出する。
第2重量センサ10は第2支持部材8の例えば、支持底部8aの中央部分に配置されており、第2支持部材8及びこれに支持された坩堝上部3aの重量(台座4、炭化珪素種結晶5及びその上に成長した炭化珪素単結晶の重量を含む)を検出する。炭化珪素単結晶の成長においては、第2支持部材8、坩堝上部3a、台座4及び炭化珪素種結晶5の重量は変化しないが、炭化珪素種結晶5上に炭化珪素単結晶が成長することにより、炭化珪素単結晶の重量分が増加するため、第2重量センサ10が検出する重量が増加する。第2重量センサ10は全重量すなわち、第2支持部材8及びこれに支持された坩堝上部3aの重量(台座4、炭化珪素種結晶5及びその上に成長した炭化珪素単結晶の重量を含む)の重量増を検出して、炭化珪素種結晶5上に成長した炭化珪素単結晶分の重量増を検出する。
以上のように、第1重量センサ9は第1支持部材7が支持する構成を介して炭化珪素原料6の重量減少を検出し、第2重量センサ10は第2支持部材8が支持する構成を介して成長した炭化珪素単結晶分の重量を検出する。
本実施形態において、第1重量センサ9は第1支持部材7に設けられ、第2重量センサ10は第2支持部材8に設けられているため、炭化珪素原料6の重量変化と成長した炭化珪素単結晶分の重量とを独立して得ることができる。このような重量センサ9,10としてロードセルを用いることができ、半導体ピエゾ抵抗式圧力センサ方式、バネ式圧力センサ方式のものなどを用いることにより、微量な重量変化であっても確実に検出することができる。
第1重量センサ9及び第2重量センサ10には制御回路16が接続されており、検出した重量が制御回路16に出力される。制御回路16は演算部を有しており、入力された第2支持部材8及びそれが支持する構成の重量変化から炭化珪素単結晶の成長量や成長速度の一方または双方を演算するとともに、入力された第1支持部材7及びそれが支持する構成の重量変化から炭化珪素原料6の昇華量や昇華速度の一方または双方を演算することができる。
制御回路16の演算結果に基づいて昇降駆動装置15の駆動を制御し、第2支持部材8の上下移動量や移動速度を調整することができる。この調整によって炭化珪素単結晶の成長速度や成長量を調整することができる。
また、坩堝3の真空容器を介して外側には、図8に示すような、高周波加熱コイル等の加熱手段が配置されており、制御回路16の演算結果に基づいて加熱手段への電流供給を調整することによって坩堝3の加熱温度を調整することができる。これにより坩堝上部3a又は台座4、又は坩堝下部3bの温度を調整することができる。この温度調整によって炭化珪素単結晶の成長速度や成長量を調整することができる。
また、制御回路16の演算結果に基づいて炭化珪素単結晶の所期の予定成長時間を変更することができる。
さらに、制御回路16の演算結果に基づいて真空容器内の圧力を調整することができる。この圧力調整によっても、炭化珪素単結晶の成長速度や成長量を調整することができる。
なお、制御回路を用いて自動で成長条件を調整する構成を説明したが、第1重量センサ9及び第2重量センサ10から得られた重量に基づいて、手動で成長条件を調整してもよい。
次に、図1の炭化珪素単結晶製造装置を用いた炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
第1重量センサ9は、第1支持部材7及びこれに支持された構成(炭化珪素原料6を収容した坩堝下部3b)の重量変化を検出する。制御回路16はこの検出値に基づいて炭化珪素原料6の昇華量や昇華速度の一方または双方を演算する。第2重量センサ10は、第2支持部材8及びこれに支持された構成(坩堝上部3a、台座4(炭化珪素種結晶及びこの上に成長した炭化珪素単結晶を含む)の重量変化を検出する。制御回路16はこの検出値に基づいて炭化珪素単結晶の成長量や成長速度の一方または双方を演算する。
その後、制御回路16は演算した成長速度及び/又は成長量、及び/又は、昇華量及び/又は昇華速度を予め設定してある基準値と比較し、比較の結果、所定の範囲外である場合には、その範囲内に入るように、炭化珪素単結晶の成長条件を調整する。
具体的には、加熱手段を調整することによって、坩堝上部3a又は台座4、及び/又は、坩堝下部3bの温度を調整する。すなわち、坩堝上部3a又は台座4の温度を高くすることにより、原料ガスが成長面に堆積するのが抑制されて成長速度が低下する一方、坩堝上部3a又は台座4の温度を低くすることにより、原料ガスが成長面に堆積するのが促進されて成長速度が上昇する。また、坩堝下部3bの温度を高くすることにより、炭化珪素原料6の昇華速度が上昇し、成長面に到達する原料ガス量が増加して単結晶の成長速度が上昇する一方、坩堝下部3bの温度を低くすることにより、炭化珪素原料6の昇華速度が低下し、成長面に到達する原料ガス量が減少して単結晶の成長速度が低下する。こうして、単結晶の成長速度及び/又は成長量、及び/又は、炭化珪素原料の昇華量及び/又は昇華速度を所定の範囲内にすることが可能となる。
または、炭化珪素単結晶の成長条件の調整のために、第1支持部材7及び第2支持部材8を上下方向に互いに相対移動させる、又は、異なる速度で上昇もしくは下降させる。これにより、台座と炭化珪素原料との距離を変えることで単結晶の成長面と原料面との距離を変え、成長速度及び/又は成長量を所定の範囲内にすることが可能となる。
または、炭化珪素単結晶の成長条件の調整のために、炭化珪素単結晶の所期の予定成長時間を変更する。これにより、単結晶の成長量を所定の範囲内にすることが可能となる。
または、炭化珪素単結晶の成長条件の調整のために、真空容器内の圧力を調節する。これにより、単結晶の成長速度及び/又は成長量、及び/又は、炭化珪素原料の昇華量及び/又は昇華速度を所定の範囲内にすることが可能となる。
以上の調整の一つ又は二つ以上を行うことにより、単結晶の成長途上でも成長条件を調整することができる。これにより、高品質の炭化珪素単結晶を製造することができ、歩留まりを向上させることができ、所期の取得可能なウェハ数を確保することが可能となる。
[炭化珪素単結晶製造装置(第2の実施形態)]
図2は、第2の実施形態の炭化珪素単結晶製造装置の坩堝上部連結部及び坩堝下部連結部の近傍を拡大した断面摸式図である。
第1の実施形態と異なる構成は、坩堝上部連結部21がその側部3abの下部に、坩堝の内壁側が高く、外壁側が低くなるように傾斜した傾斜連結面21aを有し、坩堝下部連結部22がその側部3bbの上端に、坩堝の内壁側が高く、外壁側が低くなるように傾斜し、傾斜連結面21aに対向するように設けられた傾斜連結面22aを有する点である。対向している傾斜連結面21a、22aは同じ方向に傾斜する。
図2に示す第2の実施形態では、坩堝上部連結部21は、傾斜連結面21aを坩堝3の内部側に有する傾斜部21Aと、それにつながって一体に設けられ、坩堝下部連結部22の外側を接触して又は非接触で覆うように鉛直下方に延びる鉛直壁部21Bとから構成される。なお、鉛直壁部21Bは有さない構成でもよい。
これに対して、坩堝下部連結部22は傾斜連結面22aを有する点で第1の実施形態の坩堝下部連結部3bbaとは異なるが、坩堝下部3bの側部3bbをそのまま上方に延長することにより形成されるものであり、坩堝上部3aの側部3abの延長線上に設けられている点で第1の実施形態の坩堝下部連結部3bbaと共通する。
本実施形態に係る炭化珪素単結晶製造装置の作用効果について説明する。
図2において、実線矢印は結晶成長中の坩堝3内のガスの流れの方向を示すものであり、また、破線は結晶成長中の等温線を示すものである。これらは本発明の効果をわかりやすく説明する目的で、ガスの流れ及び等温線の概略若しくは傾向を示したものである。
なお、昇華再結晶法では、坩堝下部3bに収容された炭化珪素原料6を高温で昇華させ、その温度より低い坩堝上部3aの蓋部3aa上の台座に取り付けた炭化珪素種結晶上に昇華ガスを再結晶化させていくため、下方から上方へ温度が低い等温線が並ぶことになる。
昇華ガスは全体としてほぼ等温線に直交する方向に流れるため、坩堝上部3aと坩堝下部3bとの連結部近傍では、昇華ガスは全体としてG1に示すように流れると考えられる。本実施形態の坩堝上部連結部21及び坩堝下部連結部22はそれぞれ、坩堝の内壁側が高くかつ外壁側が低くなるように傾斜した傾斜連結面21a、傾斜連結面22aを有し、坩堝上部連結部21と坩堝下部連結部22との間に形成される隙間23は坩堝の内壁側から外壁側へ向かうにつれて下方に傾斜しているため、その隙間23に入り込む昇華ガス(ガスの流れG2)は坩堝内部のガスの流れとは逆になるため、隙間23に入り込むのが抑制される。この結果、隙間23に形成される炭化珪素多結晶の量が低減されるため、炭化珪素単結晶の成長中も坩堝上部と坩堝下部の相対移動を円滑に行うことができる。
[炭化珪素単結晶製造装置(第3の実施形態)]
図3に、第3の実施形態の炭化珪素単結晶製造装置を示す。
第1の実施形態と異なる主な構成は、台座が坩堝上部ではなく、第2支持部材に取り付けられている点と、坩堝が互いに相対移動しない坩堝上部と坩堝下部とからなる点である。なお、第1重量センサが第1支持部材に設けられ、第2重量センサが第2支持部材に設けられ、第2支持部材が昇降駆動装置に連結されている点は図1に示す第1の実施形態と同様である。
本実施形態における第2支持部材18は、第1の実施形態と同様に支持底部18aと、支持底部18aから上方に延設された筒状の支持側部18bと、支持底部18aの下面中央部から鉛直方向に延設されたシャフトガイド部18cとを有している。これに加えて、第2支持部材18は支持蓋部18e及び支持側壁部18dを有して構成されている。支持側壁部18dは筒状に形成された状態で支持側部18bから上方に連続するように設けられており、支持蓋部18eはこの支持側壁部18dの上端に連結するように支持側壁部18dに連設されている。第2支持部材18は第1の実施形態と同様に昇降駆動装置15により上下方向に移動可能となっている。
第1支持部材17は第1の実施形態と同様に、支持面部17aとシャフト部7bとを有する。
坩堝上部13aは坩堝下部13bに下端部が連結されて坩堝3内を鉛直方向に延びる側部(側壁)13abと、側部3abの上端に鉛直方向と直交する方向に設けられた蓋部13aaとを備えている。蓋部13aaの中央部分には台座4が貫通するための開口13acが形成されている。
坩堝上部13aは坩堝下部13bの上部に支持されており、坩堝下部13bに対して相対移動しない。この坩堝上部13aは坩堝下部13bを介して第1支持部材17の支持面部17a上に支持された構造となっており、坩堝上部13a及び坩堝下部13bの双方が第1支持部材17に支持された状態となっている。
台座14は第2支持部材18の支持蓋部18eの下面中央部分に固定されている。これに対して、坩堝上部13aの蓋部13aaの中央部分には開口13acが形成されており、第2支持部材18に固定された台座14はこの開口13acを貫通して坩堝13内に挿入されている。これにより台座14の種結晶取付面14aが坩堝13内に位置しており、この種結晶取付面14aの下面に炭化珪素種結晶5が取り付けられている。第3の実施形態では昇降駆動装置15による第2支持部材18の上下方向の移動により、台座14が坩堝13内を上下方向に移動する。
第1重量センサ19は第1支持部材17及びこれに支持された構成(坩堝上部13a、及び、炭化珪素原料6を収容した坩堝下部13b)の重量を検出する。これにより第1重量センサ19は坩堝下部13bに収容されている炭化珪素原料6の重量変化を検出することが可能となる。第2重量センサ20は台座14を含めた第2支持部材18の重量を検出する。これにより第2重量センサ20は台座14上に成長した炭化珪素単結晶分の重量変化を検出することが可能となる。
次に、図3に示す炭化珪素単結晶製造装置を用いた炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
第1重量センサ19は、第1支持部材17及びこれに支持された構成(坩堝上部13a、及び、炭化珪素原料6を収容した坩堝下部13b)の重量変化を検出する。制御回路16はこの検出値に基づいて炭化珪素原料6の昇華量や昇華速度の一方または双方を演算する。第2重量センサ20は、第2支持部材18及びこれに支持された構成(台座14(炭化珪素種結晶及びこの上に成長した炭化珪素単結晶を含む)の重量変化を検出する。制御回路16はこの検出値に基づいて炭化珪素単結晶の成長量や成長速度の一方または双方を演算する。
その後、制御回路16は演算した成長速度及び/又は成長量、及び/又は、昇華量及び/又は昇華速度を予め設定してある基準値と比較し、比較の結果、所定の範囲外である場合には、その範囲内に入るように、炭化珪素単結晶の成長条件を調整する。
具体的には、加熱手段を調整することによって、坩堝上部13a又は台座14、及び/又は、坩堝下部13bの温度を調整する。すなわち、坩堝上部13a又は台座14の温度を高くすることにより、昇華ガスが成長面に堆積するのが抑制されて成長速度が低下する一方、坩堝上部13a又は台座14の温度を低くすることにより、昇華ガスが成長面に堆積するのが促進されて成長速度が上昇する。また、坩堝下部13bの温度を高くすることにより、炭化珪素原料6の昇華速度が上昇し、成長面に到達する昇華ガス量が増加して単結晶の成長速度が上昇する一方、坩堝下部13bの温度を低くすることにより、炭化珪素原料6の昇華速度が低下し、成長面に到達する昇華ガス量が減少して単結晶の成長速度が低下する。こうして、単結晶の成長速度及び/又は成長量、及び/又は、炭化珪素原料の昇華量及び/又は昇華速度を所定の範囲内にすることが可能となる。
または、炭化珪素単結晶の成長条件の調整のために、第1支持部材17及び第2支持部材18を上下方向に互いに相対移動させる、又は、異なる速度で上昇もしくは下降させる。これにより、台座と炭化珪素原料との距離を変えることで単結晶の成長面と原料面との距離を変え、成長速度及び/又は成長量を所定の範囲内にすることが可能となる。
または、炭化珪素単結晶の成長条件の調整のために、炭化珪素単結晶の所期の予定成長時間を変更する。これにより、単結晶の成長量を所定の範囲内にすることが可能となる。
または、炭化珪素単結晶の成長条件の調整のために、真空容器内の圧力を調節する。これにより、単結晶の成長速度及び/又は成長量、及び/又は、炭化珪素原料の昇華量及び/又は昇華速度を所定の範囲内にすることが可能となる。
以上の調整の一つ又は二つ以上を行うことにより、単結晶の成長途上でも成長条件を調整して、高品質の炭化珪素単結晶を製造することができ、歩留まりを向上させることができ、所期の取得可能なウェハ数を確保することが可能となる。
図4は図3で示した炭化珪素単結晶製造装置を用いて、炭化珪素種結晶5上に炭化珪素単結晶26を成長させた状態を示す模式図である。
炭化珪素種結晶5上の炭化珪素単結晶26の成長に伴い、炭化珪素単結晶26の成長面と炭化珪素原料の表面(原料面)との距離が変化する。
炭化珪素種結晶5上の炭化珪素単結晶26の成長と共に、坩堝上部13aの蓋部13aaの下面等に炭化珪素の多結晶27が成長してしまう。
[炭化珪素単結晶製造装置(第4の実施形態)]
図5に、第4の実施形態の炭化珪素単結晶製造装置の台座の近傍を拡大した断面摸式図である。
本実施形態においても、第3の実施形態と同様に、台座が坩堝上部に固定されるものではなく、第2支持部材に固定されている。第3の実施形態と異なる主な構成は、下方傾斜面35aを有する第1突起部35が坩堝上部33aの蓋部33aaに形成されている点と、上方傾斜面37aを有する第2突起部37が台座24の側壁24bに形成されている点である。
本実施形態は坩堝上部33aの蓋部33aaに第1突起部35を備え、台座24の側壁24bに第2突起部37を備える構成であるが、台座24の側壁24bに第2突起部37を備えず、坩堝上部3aの蓋部33aaに第1突起部35を備えるだけの構成でもよい。
なお、第1重量センサが第1支持部材に設けられ、第2重量センサが第2支持部材に設けられ、第2支持部材が昇降駆動装置に連結される点については第1の実施形態と同様である。
本実施形態において、坩堝上部33aは第3の実施形態と同様に坩堝下部の上部に支持されている。この坩堝上部33aはその下端部が坩堝下部に連結されて坩堝33内を鉛直方向に延びる側部(側壁)33abと、側部33abの上端に鉛直方向と直交する方向に設けられた蓋部33aaとを備えている。蓋部33aaの中央部分には台座24が貫通するための開口33acが形成されている。
第2支持部材18は筒状の支持側部18b(図3参照)から上方に連続するように設けられた筒状の支持側壁部18dと、支持側壁部18dの上端を連結するように設けられた支持蓋部18eとを有している。台座24は第2支持部材18の支持蓋部18eの下部中央部分に固定されている。台座24は第3の実施形態と同様に、坩堝上部33aの蓋部33aaに形成された開口33acから下方に突出することにより、種結晶取付面24aが坩堝内に位置している。この種結晶取付面24aの下面に炭化珪素種結晶5が取り付けられる。本実施形態においても、第3の実施形態と同様に坩堝上部33a及び坩堝下部33bが固定状態であるのに対し、第2支持部材18が上下方向に移動することができ、この移動により台座24が坩堝内を上下方向に移動する。
第1突起部35は坩堝上部33aの蓋部33aaの下面において、蓋部33aaの開口33acの周囲に沿って下方に突出するように設けられている。また、第1突起部35は、坩堝の内側壁33abA側が高くかつ坩堝の鉛直中心側が低くなるように傾斜する下方傾斜面35aを坩堝の内側壁33abAに対向する側に有し、また、坩堝の鉛直中心側に鉛直面35bを有することにより、下方に向かって先細りとなる鉛直断面が三角形で筒状に形成された構成である。下方傾斜面35aは坩堝上部33aの側部(側壁)33abと対向する側に位置している。鉛直面35bは台座24の側壁24bと対向する側に位置しており、台座4の側壁24bとの間に対して隙間42を有する状態で鉛直方向に直線的に延びている。
第2突起部37は第1突起部35よりも下方の位置となるように台座24の側壁24bに、斜め状態で起立するように設けられている。また、第2突起部37は、坩堝の内側壁33abA側が高くかつ坩堝の鉛直中心側が低くなるように傾斜する上方傾斜面37aを坩堝の鉛直中心側に備える。この上方傾斜面37aと第1突起部35の下方傾斜面35aとの間に所定の隙間43を形成するように、互いに平行に対向するのが好ましい。
次に、図5に示す炭化珪素単結晶製造装置の作用効果について説明する。
炭化珪素原料から昇華した原料ガスは坩堝内を上方へ流れ、台座24に取り付けた炭化珪素種結晶5上に単結晶となって析出して成長する。図5(a)における実線矢印G3は、台座24上に析出することなく台座24を通過した原料ガスの流れを示す。台座24の周辺の温度分布は、図5(a)の破線の等温線で示すように炭化珪素原料側が高く、上方(坩堝上部33aの蓋部33aa)に向かうにつれて温度が低くなる。台座24の周辺の原料ガスは全体としてこの等温線に対する垂直方向に沿って移動する。この原料ガスG3は上方に流れるのにつれて温度が低くなり、過飽和になった時点で坩堝上部33aの蓋部3aaに炭化珪素多結晶27となって析出する(図5(b)参照)。
本実施形態では、坩堝上部33aの蓋部33aaに形成した第1突起部35に下方傾斜面35aが形成されており、下方傾斜面35aが原料ガスG3の流れと逆方向に向かって傾斜している。この構成により、上方へ流れてきた原料ガスG3にこの流れと反対の流れ(矢印G4)を形成することができる。これにより、第1突起部35の鉛直面35bと台座24の側壁24bとの間の隙間42(開口33ac)に原料ガスが入り込んでいくことを抑制することができる。また、台座24の側壁24bに設けた第2突起部37は、上方へ流れてきた原料ガスG3が直接、第1突起部35の鉛直面35bと台座24の側壁24bとの間の隙間43(開口33ac)に入り込んでいくことを阻止することができる。さらに、第1突起部35の下方傾斜面35aと第2突起部37の上方傾斜面37aとの間に形成される隙間43を原料ガスが入り込んでいくのが抑制されるサイズとなるように、第1突起部35及び第2突起部37を形成することにより、隙間43(開口33ac)に原料ガスが入り込んでいくのをさらに抑制できる。
これらの構成及び作用により、鉛直面35bや側壁24bに炭化珪素多結晶が析出することが抑制でき、炭化珪素単結晶の成長中も台座と坩堝上部の円滑な相対移動が可能となる。
[炭化珪素単結晶製造装置(第5の実施形態)]
第5の実施形態として、図6に示す本発明を適用した炭化珪素単結晶製造装置の構造について説明する。
第1の実施形態と異なる主な構成は、台座4及び坩堝上部3aを支持する第2支持部材48が上方から吊り下げ部材(図示せず)によって吊り下げられた構成となっている点である。
なお、第1重量センサ9が第1支持部材7に設けられ、第2重量センサ40が第2支持部材48に設けられている点は第1の実施形態と同様である。
次に、図6の炭化珪素単結晶製造装置を用いた炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
第1重量センサ9は、第1支持部材7及びこれに支持された構成(炭化珪素原料6を収容した坩堝下部3b)の重量変化を検出する。制御回路(図示せず)はこの検出値に基づいて炭化珪素原料6の昇華量や昇華速度の一方または双方を演算する。第2重量センサ40は、第2支持部材48及びこれに支持された構成(坩堝上部3a、台座4(炭化珪素種結晶及びこの上に成長した炭化珪素単結晶を含む)の重量変化を検出する。制御回路はこの検出値に基づいて炭化珪素単結晶の成長量や成長速度の一方または双方を演算する。
その後、制御回路は演算した成長速度及び/又は成長量、及び/又は、昇華量及び/又は昇華速度を予め設定してある基準値と比較し、比較の結果、所定の範囲外である場合には、その範囲内に入るように、加熱手段を調整したり、第1支持部材7及び第2支持部材48を上下方向に互いに相対移動させ、又は、異なる速度で上昇もしくは下降させたり、炭化珪素単結晶の所期の予定成長時間を変更したり、真空容器(炉)内の圧力を調節する。
以上の調整の一つ又は二つ以上を行うことにより、単結晶の成長途上でも成長条件を調整して、高品質の炭化珪素単結晶を製造することができ、歩留まりを向上させることができ、所期の取得可能なウェハ数を確保することが可能となる。
[炭化珪素単結晶製造装置(第6の実施形態)]
第6の実施形態として、図7に示す本発明を適用した炭化珪素単結晶製造装置の構造について説明する。
第3の実施形態と異なる点は、台座14及び坩堝上部13aを支持する第2支持部材58が上方から吊り下げ部材(図示せず)によって吊り下げられた構成となっている点である。
なお、第1重量センサ19が第1支持部材17に設けられ、第2重量センサ50が第2支持部材58に設けられている点は第3の実施形態と同様である。
次に、図7の炭化珪素単結晶製造装置を用いた炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
第1重量センサ19は、第1支持部材17及びこれに支持された構成(炭化珪素原料6を収容した坩堝下部13b)の重量変化を検出する。制御回路(図示せず)はこの検出値に基づいて炭化珪素原料6の昇華量や昇華速度の一方または双方を演算する。第2重量センサ50は、第2支持部材58及びこれに支持された構成(台座14(炭化珪素種結晶及びこの上に成長した炭化珪素単結晶を含む)の重量変化を検出する。制御回路はこの検出値に基づいて炭化珪素単結晶の成長量や成長速度の一方または双方を演算する。
その後、制御回路は演算した成長速度及び/又は成長量、及び/又は、昇華量及び/又は昇華速度を予め設定してある基準値と比較し、比較の結果、所定の範囲外である場合には、その範囲内に入るように、加熱手段を調整したり、第1支持部材17及び第2支持部材48を上下方向に互いに相対移動させる、又は、異なる速度で上昇もしくは下降させたり、炭化珪素単結晶の所期の予定成長時間を変更したり、真空容器(炉)内の圧力を調節する。
以上の調整の一つ又は二つ以上を行うことにより、単結晶の成長途上でも成長条件を調整して、高品質の炭化珪素単結晶を製造することができ、歩留まりを向上させることができ、所期の取得可能なウェハ数を確保することが可能となる。
以下の実施例では図1で示した炭化珪素単結晶製造装置を用いて炭化珪素単結晶の製造を行った。
(実施例1)
直径75mmの炭化珪素種結晶を用い、台座に接着剤を用いて接着した。
坩堝内の温度を2400℃として炭化珪素単結晶を100時間成長させたところ、長さ30mmの炭化珪素単結晶が成長した。このとき、第2支持部材及びこれに支持された構成の重量は700g増加し、第1支持部材及びこれに支持された構成の重量は800g減少した。重量100gの差は主に、坩堝外へ原料ガスが逃げたために生じたものと考えられる。この実施例で得られたインゴットは異種多形の混入や割れがなく高品質の単結晶となっていた。
(実施例2)
実施例1と同様に直径75mmの炭化珪素種結晶を用い、坩堝内の温度を2400℃として炭化珪素単結晶を成長させたところ、80時間を過ぎた時点で、第2支持部材及びこれに支持された構成の重量は490g増加し、第1支持部材及びこれに支持された構成の重量は560g減少していた。このままで100時間の成長を継続すると成長する炭化珪素単結晶の長さが所定の長さ(30mm)より短くなることが予想された。このため成長時間を115時間に延長したところ、長さ30mmの炭化珪素単結晶を成長させることができた。得られたインゴットは異種多形の混入や割れがなく高品質の単結晶となっていた。
(実施例3)
実施例1と同様に直径75mmの炭化珪素種結晶を用い、坩堝内の温度を2400℃として炭化珪素単結晶を成長させたところ、80時間を過ぎた時点で、第2支持部材及びこれに支持された構成の重量は620g増加し、第1支持部材及びこれに支持された構成の重量は700g減少していた。このままで100時間の成長を継続すると成長する炭化珪素単結晶の長さが所定の長さ(30mm)より長くなることが予想された。このため成長時間を90時間に短縮したところ、長さ30mmの炭化珪素単結晶を成長させることができた。得られたインゴットは異種多形の混入や割れがなく高品質の単結晶となっていた。
(実施例4)
実施例1と同様に直径75mmの炭化珪素種結晶を用い、坩堝内の温度を2400℃として炭化珪素単結晶を成長させたところ、50時間を過ぎた時点で、第2支持部材及びこれに支持された構成の重量は280g増加し、第1支持部材及びこれに支持された構成の重量は320g減少していた。この実施例では従来から得られている結晶成長データベースに基づいて参考成長条件と比較した。その結果、炭化珪素原料の昇華速度及び炭化珪素単結晶の成長速度が参考成長条件より遅くなっていることが判明した。これに基づいて、坩堝上部の温度を10℃下げ、坩堝下部の温度を10℃上昇させて結晶を成長させた。100時間経過後、第2支持部材及びこれに支持された構成の重量は700g増加し、第1支持部材及びこれに支持された構成の重量は800g減少した。得られたインゴットは長さ30mmであり、異種多形の混入や割れがなく高品質の単結晶となっていた。
(実施例5)
実施例1と同様に直径75mmの炭化珪素種結晶を用い、坩堝内の温度を2300℃として炭化珪素単結晶を成長させたところ、50時間を過ぎた時点で、第2支持部材及びこれに支持された構成の重量は280g増加し、第1支持部材及びこれに支持された構成の重量は320g減少していた。この実施例では従来から得られている結晶成長データベースに基づいて参考成長条件と比較した。その結果、炭化珪素原料の昇華速度及び炭化珪素単結晶の成長速度が参考成長条件より遅くなっていることが判明した。これに基づいて坩堝の位置を5mm上昇させ、坩堝上部と坩堝下部との温度差を大きくして結晶を成長させた。100時間経過後、第2支持部材及びこれに支持された構成の重量は700g増加し、第1支持部材及びこれに支持された構成の重量は800g減少した。得られたインゴットは長さ30mmであり、異種多形の混入や割れがなく高品質の単結晶となっていた。
本発明の炭化珪素単結晶製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法は、高品質の成長量の炭化珪素単結晶の製造に利用することができる。
3、13、33 坩堝
3a、13a、33a 坩堝上部
3aa、13aa、33aa 蓋部
3ab、13ab、33ab 側部
3b、13b、33b 坩堝下部
4、14、24 台座
4a、14a、24a 種結晶取付面
5 炭化珪素種結晶
6 炭化珪素原料
7、17 第1支持部材
8、18、48、58 第2支持部材
9、19 第1重量センサ
10、20、40、50 第2重量センサ
13ac、33ac 開口
15 昇降駆動装置
21 坩堝上部連結部
21a 傾斜連結面
22 坩堝下部連結部
22a 傾斜連結面
24b 側壁
26 炭化珪素単結晶
33abA 内側壁
35 第1突起部
35a 下方傾斜面
37 第2突起部
37a 上方傾斜面
110 加熱手段
G1、G2、G3、G4 ガスの流れ

Claims (5)

  1. 台座に取付けた炭化珪素種結晶上に原料ガスを供給して、前記炭化珪素種結晶上に炭化珪素の単結晶を成長させる炭化珪素単結晶製造装置において、
    坩堝上部と坩堝下部とからなる坩堝と、
    前記坩堝上部及び前記坩堝下部のうち、少なくとも前記坩堝下部を支持する第1支持部材と、
    前記台座を支持する第2支持部材と、
    前記第1支持部材及び前記第2支持部材の重量をそれぞれ独立に検出できる重量センサと、
    前記坩堝の周囲に配置する加熱手段と、備え、前記第1支持部材と前記第2支持部材とは上下方向に互いに相対移動可能であり、
    前記第1支持部材は前記坩堝上部及び前記坩堝下部のいずれも支持するものであり、
    前記台座は、少なくともその種結晶取付面が前記坩堝内に位置するように、前記坩堝上部の蓋部に形成された開口から下方に突出しており、
    前記蓋部の下面において前記開口の周囲に沿って下方に突出するように設けられた第1突起部であって、前記坩堝の内側壁側が高くかつ前記坩堝の鉛直中心側が低くなるように傾斜する下方傾斜面を前記坩堝の内側壁に対向する側に有する第1突起部を備えることを特徴とする炭化珪素単結晶製造装置。
  2. 台座に取付けた炭化珪素種結晶上に原料ガスを供給して、前記炭化珪素種結晶上に炭化珪素の単結晶を成長させる炭化珪素単結晶製造装置において、
    坩堝上部と坩堝下部とからなる坩堝と、
    前記坩堝上部及び前記坩堝下部のうち、少なくとも前記坩堝下部を支持する第1支持部材と、
    前記台座を支持する第2支持部材と、
    前記第1支持部材及び前記第2支持部材の重量をそれぞれ独立に検出できる重量センサと、
    前記坩堝の周囲に配置する加熱手段と、備え、前記第1支持部材と前記第2支持部材とは上下方向に互いに相対移動可能であり、
    前記坩堝上部はその側部の下端に形成された坩堝上部連結部を備え、
    前記坩堝下部はその側部の上端に形成された坩堝下部連結部を備え、
    前記坩堝上部連結部及び前記坩堝下部連結部は、坩堝の内壁側が高くかつ外壁側が低くなるように傾斜し、互いに対向する傾斜連結面を有する、ことを特徴とする炭化珪素単結晶製造装置。
  3. 前記台座の側壁において、前記坩堝の内側壁側が高くかつ前記坩堝の鉛直中心側が低くなるように傾斜する上方傾斜面を前記坩堝の鉛直中心側に有する第2突起部が設けられていることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
  4. 前記第2支持部材は上方から吊り下げられたものである、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
  5. 台座に取付けた炭化珪素種結晶上に原料ガスを供給して、前記炭化珪素種結晶上に炭化珪素の単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶製造装置を用い、
    炭化珪素単結晶の製造中に、前記重量センサを用いて検出した前記第2支持部材の重量から、炭化珪素単結晶の成長量及び/又は成長速度を求め、前記重量センサを用いて検出した前記第1支持部材の重量から、炭化珪素粉末原料の昇華速度及び/又は昇華量を求め、前記成長速度及び/又は成長量、及び/又は、昇華量及び/又は昇華速度が所望の範囲外である場合には、その範囲内に入るように、(1)〜(4)の少なくともいずれかを行う、ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法;
    (1) 前記坩堝上部又は前記台座、及び/又は、前記坩堝下部の温度を調整する、
    (2) 前記第1支持部材及び前記第2支持部材を上下方向に互いに相対移動させる、又は異なる速度で上昇もしくは下降させる、
    (3) 炭化珪素単結晶の所期の予定成長時間を変更する、
    (4) 炉内圧力を調節する。
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