JP5851156B2 - 電源装置 - Google Patents
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Description
また、充電式電動工具の場合、複数のバッテリを用意することにより、その一つを工具本体に取り付けて電源として使用する最中に、別の一つを別途用意した充電器で充電しておくことができ、これにより電動工具の長時間連続使用を実現して作業の効率化を図ることができる。但し、充電済みのバッテリに交換する手間があるため、従来これを補うために、複数のバッテリを並列に取り付けて大きな残容量を出力可能な電源装置が提供されている。例えば、下記の特許文献にはこの電源装置に関する技術が開示されている。この電源装置によれば、複数のバッテリについて並列接続と直列接続を併存させることにより電力の長時間出力と高出力化の双方を実現することができ、各バッテリの残容量の適切な制御により出力の効率化を図ることができる。
本発明は、複数のバッテリを取り付けてその合計の電力を出力可能な電源装置において、主として各バッテリの動作を制御するための制御基板の冷却がより十分になされるようにすることを目的とする。
第1の発明は、複数のバッテリを取り付けて、合計の電力を電源として出力可能な電源装置であって、本体ケース内に、バッテリの動作を制御する制御基板と、この制御基板を冷却するための冷却装置を内装した電源装置である。
第1の発明によれば、制御基板により、例えば取り付けた複数のバッテリの残容量にばらつきが生じないよう効率よくその動作制御が行われる。このため、制御基板の特にFET等の発生熱量が多くなる。大きな発熱源となる制御基板は専用の冷却装置により確実かつ十分に冷却されることから、当該電源装置の誤作動を未然に防止し、その耐久性を高めることができる。
第2の発明は、第1の発明において、冷却装置は冷却ファンを備えた電源装置である。
第2の発明によれば、冷却ファンの回転により制御基板が確実かつ十分に冷却されて、当該電源装置の誤作動が防止され、またその耐久性が高められる。
第3の発明は、第2の発明において、冷却装置は、制御基板の長手方向に沿って延在する複数の放熱フィンを備え、この放熱フィンの長手方向一端側に冷却ファンを備えて、隣接する放熱フィン間に、冷却ファンの回転により発生する冷却風を制御基板の長手方向他端側から一端側に向けて流す通風路が形成された電源装置である。
第3の発明によれば、例えば矩形平板形状を有する制御基板の長手方向に沿って冷却風が流されることにより、当該制御基板の全体が効率よく冷却される。
第4の発明は、第1〜第3の何れか一つの発明において、使用者が背負って携帯するための背負いベルトを装着可能な電源装置である。
第4の発明によれば、背負いベルトを装着することにより使用者は電源装置を背負って両手をあけた状態で当該電源装置を携帯することができるので、当該電源装置を例えば片手で持ち運ぶ場合に比して作業効率を高めることができ、また接続した電動工具等の電気機器の使用範囲(作業範囲)を拡げることができる。
第5の発明は、第4の発明において、背負いベルトは前記本体ケースの底部に沿って取り付ける背負い板を備えており、該背負い板を取り付けた状態では該背負い板と前記制御基板との間に前記放熱板が位置する電源装置である。
第5の発明によれば、本体ケースの底部に沿って取り付けられ、使用者の背中に当接される背負い板と制御基板との間に冷却装置の放熱板が位置していることから、制御基板の発熱を放熱板で冷却して使用者の背中へ伝わりにくくすることができ、これにより当該電源装置の使い勝手を高めることができる。
第6の発明は、第5の発明において、背負い板は、本体ケースの底部との間に通風用の隙間をおいて取り付けられる電源装置である。
第6の発明によれば、本体ケースと背負い板との間の隙間により、制御基板の発熱が使用者の背中により伝わりにくくなる。しかも、この隙間に外気が導入されることによっても、制御基板の発熱が冷却されることから、使用者の背中へ発熱がより一層伝わりにくくなり、これにより当該電源装置の使い勝手をより一層高めることができる。
第7の発明は、第4〜第6の発明において、電源出力用の電源コードを本体ケースの左側部から若しくは右側部からの何れかを任意に選択して引き出し可能な電源装置である。
第7の発明によれば、電源装置を背負った使用者の利き腕若しくは作業性等を考慮して電源コードの引き出し位置を選択することができ、これにより当該電源装置の使い勝手を高め、また作業性及び操作性を一層高めることができる。
本体部10と蓋部2の下面側には、合計4箇所の脚部7〜7が設けられている。この脚部7〜7によって、当該電源装置1を上方へ立てた自立状態(縦置き状態)に設置できる。また、本体部10の上部には持ち運び用のキャリングハンドル8が設けられている。このキャリングハンドル8は、ヒンジ部3を中心にして上下に回動可能に設けられている。このキャリングハンドル8は、上方へ起立させて使用者が把持することができ、下方へ傾倒させて収納しておくことができる。図2は、キャリングハンドル8を下方へ傾倒させて収納した状態を示し、図3は上方へ起立させた状態を示している。
本体部10の背面四隅には、横置き用の脚部9〜9が設けられている。この脚部9〜9を接地させて当該電源装置1は横置き姿勢に設置することもできる。
この第1〜第4バッテリ11〜14は、何れも全てのバッテリ取り付け部21〜24に対して取り付けの互換性を有している。取り付けた第1〜第4のバッテリ11〜14は、その2つが並列接続されて長時間出力が実現され、並列接続された二組が相互に直列接続されて36V出力が実現される。
図3に示すように前者の個別残容量報知部30〜30は、各バッテリ取り付け部21〜24の左側に配置されている。各個別残容量報知部30は、台座部16に取り付けた2個のインジケータランプ30a,30aを備えている。それぞれ2つのインジケータランプ30a,30aが以下のように点灯若しくは点滅することにより対応する第1〜第4バッテリ11〜14の個別残容量Zeが個別に報知される。
各個別残容量報知部30において、インジケータランプ30a,30aが2つとも緑色に点灯することにより、バッテリ11〜14の個別残容量Zeが十分な満充電状態が報知される。一方が緑色で他方が赤色に点灯した状態では、個別残容量Zeが少ない状態が報知される。2つとも赤色に点灯した状態では、個別残容量Zeが不足して電源供給できない状態(要充電状態)が報知される。また、インジケータランプ30a,30aが2つとも赤色に点滅した状態では、バッテリ11〜14の温度や電流値に関するエラー状態が報知される。
この全体残容量報知部31は、図示するように5つのインジケータランプ35〜35と一つの操作スイッチ36を備えている。4つのバッテリ11〜14の合計残容量Ztが多いほど赤色に点灯するインジケータランプ35〜35の個数が多くなる。インジケータランプ35〜35が5つとも赤色に点灯することにより、バッテリ11〜14の合計残容量Ztが十分であることが報知される。インジケータランプ35〜35の点灯個数が少なくなることにより、バッテリ11〜14の合計残容量Ztが少なくなっていることが報知される。4つのバッテリ11〜14の全ての個別残容量Zeがなくなると合計残容量Ztもなくなるので、インジケータランプ35〜35は5つとも点灯しない状態となる。
このことから、例えば4つ若しくは全てのインジケータランプ35〜35が点灯することにより合計残容量Ztが十分である場合であっても、個別残容量報知部30〜30を確認することにより何れかのバッテリ11(又は12,13,14)の個別残容量Zeが不足している場合(インジケータランプ30a,30aの一方又は双方が赤色に点灯している場合)があり、これにより充電が必要なバッテリ11(又は12,13,14)を確実に特定することができる。
このように、必要時のみ操作スイッチ36を押し操作してインジケータランプ35〜35を点灯させる構成であるので消費電力を節約することができる。
本実施形態の電源装置1では、蓋部2を閉じた状態でも外部からこの全体残容量報知部31を目で確認することができるようになっている。蓋部2のほぼ中央には、全体残容量報知部31の長円形と相似形をなす長円形の窓部2aが設けられている。本体部10に対して蓋部2を閉じると、この窓部2a内に全体残容量報知部31が進入して塞がれた状態となる。これにより、蓋部2を閉じた状態でこの全体残容量報知部31を外部から目で見て確認できるようになっている。
第1〜第4バッテリ11〜14は、電気的に並列接続されている。このため、本実施形態の電源装置1は、全てのバッテリ取り付け部21〜24にバッテリ11〜14を取り付けた状態だけでなく、例えば何れか一箇所のバッテリ取り付け部21(又は22,23,24)にバッテリ11(又は12,13,14)を取り付けた状態でも同等の電力を出力することができる。
本体部10内には、主として制御基板40の特にFET(電界効果トランジスタ)を冷却するための冷却装置60が設けられている。この冷却装置60は、制御基板40の背面側に取り付けたアルミニウム製の放熱板61と冷却ファン62を備えている。図4に示すようにこの制御基板40は、基板フレーム45を介して台座部16の背面に沿ってねじ止めされている。この制御基板40の背面側に、上下2つの取り付けフレーム63,63を介して放熱板61が接合状態で取り付けられている。この放熱板61は、矩形平板形状を有する複数の放熱フィン61a〜61aを備えている。この放熱フィン61a〜61aは、制御基板40の長手方向(本体部10の長手方向であって図2において上下方向)の全体にわたって延びる状態で相互に平行に設けられている。図4及び図5に示すように放熱板61は、隣接する2放熱フィン61a,61a間に上下に長い複数の通風路64〜64を備えている。各通風路64は、制御基板40の長手方向の全長にわたる範囲に沿って設けられている。
冷却ファン62が回転する状態では、図2中符号Wを付した矢印で示すように吸気孔15a〜15aから取り付けフレーム63の放熱孔63bを経て排気孔15b〜15に向かう冷却風の流れが発生する。この冷却風が上下に長い通風路64〜64内を下方に向かって流れることにより各放熱フィン61aが冷却され、ひいては制御基板40がその長手方向の全体にわたって効率よく放熱がなされる。
本体部10の右側部には、メインスイッチ42が設けられている。冷却ファン62は、このメインスイッチ42をオン操作すると回転する。また、このメインスイッチ42をオン操作することにより、電源コード41を経て電力供給可能な状態となる。メインスイッチ42をオフ操作した状態では電源回路が遮断されて、電力供給されない状態となり、これにより待機電力の消費が抑制されるようになっている。
本体部10の右側部下側からは、直流36V電力供給用の電源コード41が引き出されている。この電源コード41を経て外部機器に電力を供給することができる。図1において、二点鎖線で示すように、この電源コード41の引き出し位置は、本体部10の左側部に変更することができる。いずれか一方の引き出し位置を任意に選択して電源コード41の取り回しを容易にすることにより当該電源装置1の使い勝手を良くすることができる。
この背負いベルト43は、本体ケース15の底部に沿って取り付けられ、背負った状態では使用者の背中に当接される背負い板43aを備えている。この背負い板43aを本体ケース15の底面に沿って取り付けることにより背負いベルト43が電源装置1に装着される。背負い板43aは、概ねその四隅に横置き用の脚部9〜9を当接させ、この脚部9〜9に対してそれぞれ取り付けねじ43bでねじ止めされる。このため、背負い板43aは、本体ケース15の底部との間に、脚部9の高さに相当する幅の隙間43cをおいた状態で当該底部に沿って取り付けられる。
このように取り付けられた背負い板43aによって使用者は背中と本体ケース15の底部との間に隙間43cをおいて当該電源装置1を背負うことができ、これにより本体部10の背面が直接背中に接触しない状態であって吸気孔15a〜15aを背中で塞いでしまわない状態で当該電源装置1を背負うことができるので、冷却装置60の冷却効率を阻害することなく背負うことができる。
また、背負った状態で隙間43c内に外気が導入されることにより、当該電源装置1側で発生した熱が直接使用者の背中に伝わって不快な思いをさせることがなく、これにより当該電源装置1の使い勝手及び作業性を高めることができる。
背負い板43aの上部には、比較的大きな通気孔43dが設けられている。この通気孔43dは、本体ケース15の吸気孔15a〜15aの後方に位置している。冷却ファン62が回転する状態では、矢印Wで示す冷却風の流れが発生して吸気孔15a〜15aを経て本体ケース15内に外気が導入され、外気は、隙間43c及び通気孔43dを経て効率よく排気孔15a〜15a内に吸気される。
また、使用者が背中に電源装置1を背負った状態では、背負い板43aが背中にあてがわれるが、通気孔43dを経て外気の流れが発生することから、背中の風通しをよくして汗ばむこと抑制することができる。
しかも、本実施形態の電源装置1では、主として制御基板40を冷却するための特別の冷却装置60を備えている。この冷却装置60は、制御基板40の長手方向に沿って延びる複数の放熱フィン61a〜61aを有する放熱板61を備えており、この複数の放熱フィン61a〜61aにより制御基板40の長手方向のほぼ全域にわたる長さの通風路64〜64が形成されている。しかも、冷却ファン62によって、各通風路64内には、図2中矢印Wで示すように制御基板40の上端部付近から下端部に至る冷却風の流れが強制的に発生させられる。この制御基板40の長手方向に沿った複数の通風路64〜64を流れる冷却風によって、当該制御基板40の全体及びその周辺が効率よく冷却される。
このように制御基板40及びその周辺が冷却装置60によって確実に冷却されることから、発熱による当該電源装置1の誤作動や制御プログラムの暴走を未然に防止することができ、ひいては当該電源装置1の耐久性を高めることができる。
また、本実施形態の電源装置1は、キャリングハンドル8を用いて持ち運ぶことができる他、背負った状態でも携帯することができる。使用者は、電源装置1を背負って両手をあけた状態で作業することができるので、作業効率を高めることができる。
電源装置1を背負った状態では、本体ケース15の底部に設けた吸気孔15a〜15aと背負い板43aとの間に隙間43cが発生して効率よく外気が導入されるようになっている。しかも、この隙間43cによれば、背負った状態で電源装置1が直接背中に押し当てられるないので、電源装置1側の発熱が使用者の背中に直接伝わることがなく、これにより当該電源装置1の使い勝手(使用感)をよくすることができる。
また、電源コード41の引き出し側は、特に背負った状態で使用者の利き腕に合わせて、若しくは作業性等の要因に合わせて本体部10の右側部若しくは左側部に変更することができ、この点で当該電源装置1の使い勝手を高めることができる。
冷却ファン62は省略してもよい。冷却ファン62を備えない場合であっても、放熱板61の放熱フィン61a〜61a及び通風路64〜64が制御基板40の長手方向のほぼ全域に沿って設けられていることにより、当該制御基板40の冷却が確実かつ効率よく行われる。
さらに、電源コード41により直流36V電源を出力する構成を例示したが、昇圧回路等を用いることによりさらに高い電圧の電力を出力する構成としてもよい。また、直流電源ではなく交流電源を出力する構成、あるいはその双方を出力する構成としてもよい。
2…蓋部、2a…窓部
3…ヒンジ部
4…ロックレバー
5…引き掛け爪
6…圧縮ばね
7…脚部(縦置き用)
8…キャリングハンドル
9…脚部(横置き用)
10…本体部
11…第1バッテリ
11a…バッテリケース、11b…バッテリセル、11c…ロック爪
12…第2バッテリ
12a…バッテリケース、12b…バッテリセル、12c…ロック爪
13…第3バッテリ
13a…バッテリケース、13b…バッテリセル、13c…ロック爪
14…第4バッテリ
14a…バッテリケース、14b…バッテリセル、14c…ロック爪
15…本体ケース
16…台座部
21〜24…バッテリ取り付け部
21a〜24a…スライドレール
21b〜24b…コネクタ接続部
Z…残容量報知機能
Ze…個別残容量
Zt…全体残容量(合計残容量)
30…個別残容量報知部、30a…インジケータランプ
31…全体残容量報知部
32…支持筒部
35…インジケータランプ
36…操作スイッチ
40…制御基板
41…電源コード
42…メインスイッチ
43…背負いベルト
43a…背負い板、43b…取り付けねじ、43c…隙間、43d…通気孔
45…基板フレーム
50…充電式電気カンナ
51…バッテリ取り付け部
60…冷却装置
61…放熱板、61a…放熱フィン
62…冷却ファン
63…取り付けフレーム、63a…ファンフレーム部、63b…放熱孔
64…通風路
W…冷却風の流れ
Claims (7)
- 電力供給用のバッテリと、
該バッテリを制御するための制御回路が配置されてモールドされた制御基板と、
前記バッテリ及び前記制御基板を収容する本体部と、
該本体部を背負って携帯するための背負いベルトと、を有する電源装置であって、
前記本体部の背面に複数の脚部を備えており、前記背負いベルトは背負い板を備えており、前記複数の脚部に前記背負い板をねじ止めして、前記本体部の背面と前記背負い板との間に隙間を配置した電源装置。 - 請求項1記載の電源装置であって、前記制御基板には、電解効果トランジスタが設けられている電源装置。
- 請求項1又は2に記載した電源装置であって、前記本体部は前記バッテリを複数個収容可能で、該複数個のバッテリは、当該本体部を背負った状態で上下に並列配置される構成とした電源装置。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載した電源装置であって、前記バッテリの残容量を示す残容量報知機能を備えた電源装置。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載した電源装置であって、前記本体部の本体ケースに、吸排気用の孔を備えた電源装置。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載した電源装置であって、前記制御基板に沿って冷却用の放熱フィンを備えた電源装置。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載した電源装置であって、前記本体部に冷却ファンを内装した電源装置。
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