JP5850731B2 - エンジンの潤滑装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンに潤滑油を供給するエンジンの潤滑装置に関する。
エンジンのオイルポンプから吐出される潤滑油は、リリーフ弁を経て所定の設定圧力まで減圧された後にクランク軸や動弁系等に供給される。クランク軸や動弁系を潤滑するために必要な潤滑油量は、エンジンの負荷によって変動することから、エンジンの作動状態に応じて設定圧力を変化させるようにした潤滑装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−97390号公報
前述したように、エンジンの作動状態に応じてオイルポンプの設定圧力を変化させることにより、必要な潤滑油量を確保しつつオイルポンプの負荷を軽減することができ、車両の燃費性能を向上させることが可能となる。しかしながら、エンジンのクランク軸には様々な荷重が作用することから、潤滑に必要な最低限の潤滑油量を見極めることは困難であり、潤滑油量を抑制しながらクランク軸を適切に潤滑することが困難となっていた。
本発明の目的は、オイルポンプの負荷を軽減しつつ、クランク軸を適切に潤滑することにある。
本発明のエンジンの潤滑装置は、エンジンに潤滑油を供給するエンジンの潤滑装置であって、オイルポンプに接続されるメイン油路から分岐し、前記エンジンのクランク軸を支持するスラスト軸受に潤滑油を案内する分岐油路と、前記分岐油路に設けられ、前記スラスト軸受に供給される潤滑油の流量を調整する流量調整機構と、前記クランク軸の曲げ変形量と、トルクコンバータから前記クランク軸に作用するスラスト荷重とに基づいて、前記流量調整機構を制御する流量制御手段とを有し、前記流量制御手段は、前記クランク軸の曲げ変形量が増加するときに、前記流量調整機構を流量増加側に制御することを特徴とする。
本発明のエンジンの潤滑装置は、前記流量制御手段は、前記クランク軸の回転速度に基づいて前記クランク軸の曲げ変形量を推定することを特徴とする。
本発明のエンジンの潤滑装置は、前記流量制御手段は、前記クランク軸の曲げ変形量と、トルクコンバータから前記クランク軸に作用するスラスト荷重と、前記クランク軸の回転速度とに基づいて、前記流量調整機構を制御することを特徴とする。
本発明のエンジンの潤滑装置は、前記流量制御手段は、前記トルクコンバータの速度比および前記クランク軸の回転速度に基づいて前記スラスト荷重を推定することを特徴とする。
本発明のエンジンの潤滑装置は、前記オイルポンプから吐出される潤滑油を所定の設定圧力以下に調圧する圧力調整機構と、前記流量調整機構が流量増加側に制御されるときに、前記圧力調整機構の設定圧力を引き上げる圧力制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、クランク軸の曲げ変形量に基づいて流量調整機構を制御するようにしたので、スラスト軸受に作用する負荷の大きさに応じて、潤滑油の流量を調整することが可能となる。これにより、オイルポンプの負荷を軽減しつつ、クランク軸を適切に潤滑することが可能となる。
さらに、流量調整機構が流量増加側に制御された場合に、圧力調整機構の設定圧力を引き上げるようにしたので、オイルポンプからメイン油路に供給される潤滑油の流量を増加させることが可能となる。これにより、流量調整機構が流量増加側に制御された場合であっても、他の潤滑部に対して十分に潤滑油を供給することが可能となる。
車両に搭載されるパワーユニットの一部を示す概略図である。 潤滑油の供給経路を示す説明図である。 クランク軸および軸受メタルを示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態であるエンジンの潤滑装置を示す概略図である。 クランク軸およびスラスト軸受を示す部分拡大図である。 傾斜角の推定時に参照される傾斜角マップの一例を示す説明図である。 スラスト荷重の推定時に参照される荷重マップの一例を示す説明図である。 図5のA−A線に沿ってスラスト軸受のメタル面を示す端面図である。 (a)および(b)は潤滑装置の作動状態を示す説明図である。 (a)および(b)は本発明の他の実施の形態であるエンジンの潤滑装置の作動状態を示す説明図である。 (a)および(b)は本発明の他の実施の形態であるエンジンの潤滑装置の作動状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は車両に搭載されるパワーユニット10の一部を示す概略図である。図1に示すように、パワーユニット10の端部にはエンジン11が設けられており、エンジン11にはトルクコンバータ12を介して自動変速機13が連結されている。また、エンジン11を構成するシリンダブロック14にはジャーナルボア15が形成されており、ジャーナルボア15には軸受メタル16〜20が組み付けられている。このように軸受メタル16〜20を備えたジャーナルボア15には、クランク軸21が回転自在に支持されている。クランク軸21の一端部にはトルクコンバータ12に連結される出力用フランジ22が形成されており、クランク軸21の他端部にはオイルポンプ23等を駆動する補機駆動軸24が形成されている。
エンジン11に連結されるトルクコンバータ12は、クランク軸21にフロントカバー30を介して連結されるポンプインペラ31と、このポンプインペラ31に対向するタービンランナ32とを有している。タービンランナ32にはタービン軸33が連結されており、タービン軸33には自動変速機13の入力軸34が連結されている。また、トルクコンバータ12内には作動油が充填されており、作動油を介してポンプインペラ31からタービンランナ32に動力が伝達される。このようなトルクコンバータ12においては、動力伝達時に作動油を介してポンプインペラ31からタービンランナ32に力が作用することから、図1に矢印Aで示すように、トルクコンバータ12からクランク軸21に対してスラスト荷重が伝達されることになる。
図2は潤滑油の供給経路を示す説明図である。また、図3はクランク軸21および軸受メタル16〜20を示す分解斜視図である。図2に示すように、シリンダブロック14にはジャーナルボア15に潤滑油を案内する潤滑油路35〜39が形成されており、これらの潤滑油路35〜39にはオイルポンプ23から潤滑油が供給されている。図示しないオイルパンに貯留される潤滑油は、オイルストレーナ40を介してオイルポンプ23に吸引された後に、オイルポンプ23からオイルフィルタ41に向けて圧送される。そして、オイルフィルタ41を経て濾過された潤滑油は、オイルクーラ42を介して冷却された後に、シリンダブロック14に形成されるメイン油路としてのメインギャラリ43に案内される。また、メインギャラリ43から分岐するように、シリンダブロック14には複数の潤滑油路35〜39,44,45が形成されている。潤滑油路35〜39はメインギャラリ43から軸受メタル16〜20に向けて潤滑油を案内しており、潤滑油路44,45はメインギャラリ43から図示しないシリンダヘッドに向けて潤滑油を案内している。
図3に示すように、出力用フランジ22側を支持する軸受メタル16には、径方向に広がるフランジ部16aが一体に形成されている。このフランジ部16aを備えた軸受メタル16(以下、スラスト軸受という)を用いることにより、トルクコンバータ12からクランク軸21に伝達されるスラスト荷重を支えることが可能となっている。なお、図示する場合には、出力用フランジ22側にスラスト軸受16を組み付けているが、補機駆動軸24側にスラスト軸受16を組み付けても良く、他の支持部位にスラスト軸受16を組み付けても良い。また、スラスト軸受16に対してフランジ部16aを一体に形成しているが、これに限られることはなく、別体のフランジ部を備えたスラスト軸受を用いても良い。
続いて、潤滑油の供給制御について説明する。図4は本発明の一実施の形態であるエンジン11の潤滑装置50を示す概略図である。図4に示すように、オイルポンプ23の吐出口23aには、圧力調整機構として機能するリリーフ弁51が組み付けられている。このリリーフ弁51はソレノイドを備えた電子制御式のリリーフ弁であり、潤滑油の調圧機能つまりリリーフ機能を解除することが可能となっている。ソレノイドを非通電状態に制御することにより、リリーフ弁51はリリーフ機能が有効となる作動状態に切り換えられる。このリリーフ弁51の作動状態においては、オイルポンプ23の吐出圧力が所定の設定圧力を上回ると、開放されるリリーフ穴からオイルパンに潤滑油が戻され、潤滑油の供給圧力が設定圧力以下となるように調圧される。一方、ソレノイドを通電状態に制御することにより、リリーフ弁51はリリーフ機能を解除する停止状態に切り換えられる。このリリーフ弁51の停止状態においては、リリーフ穴が強制的に閉じられており、オイルポンプ23の吐出圧力がそのまま潤滑油の供給圧力となる。このように、リリーフ弁51を作動状態から停止状態に切り換えることにより、オイルポンプ23からメインギャラリ43に供給される潤滑油の流量を引き上げることが可能となる。なお、リリーフ弁51の設定圧力は、組み込まれるバネ部材のバネ力やリリーフ穴の形状等によって設定される。
また、スラスト軸受16に潤滑油を案内する潤滑油路(分岐油路)35には、流量調整機構として機能する可変オリフィス52が組み付けられている。この可変オリフィス52は、潤滑油路35の流路断面積を縮小する縮小状態と、潤滑油路35の流路断面積を拡大する拡大状態とに切り換えられる。可変オリフィス52を縮小状態に切り換えることにより、スラスト軸受16に供給される潤滑油の流量(以下、潤滑油量という)を減らすことが可能となる。一方、可変オリフィス52を拡大状態に切り換えることにより、スラスト軸受16に供給される潤滑油量を増やすことが可能となる。このように、可変オリフィス52を縮小状態から拡大状態に切り換えることにより、可変オリフィス52は流量増加側に制御されることになる。なお、可変オリフィス52としては一般的な流量制御弁を用いることが可能である。また、流量調整機構として可変オリフィス52を用いているが、これに限られることはなく、潤滑油路35に並列となるバイパス油路と、このバイパス油路を開閉する電磁弁とによって流量調整機構を構成しても良い。この場合には、電磁弁によってバイパス油路を開閉することにより、スラスト軸受16に供給される潤滑油量を調整することが可能となる。
続いて、潤滑装置50に組み込まれるリリーフ弁51および可変オリフィス52の制御手順について説明する。まず、図4に示すように、流量制御手段および圧力制御手段として機能する制御ユニット53には、エンジン回転数N1(クランク軸21の回転速度)を検出するエンジン回転数センサ54と、タービン回転数N2(タービン軸33の回転速度)を検出するタービン回転数センサ55とが接続されている。そして、制御ユニット53は、エンジン回転数N1とタービン回転数N2とに基づいてクランク軸21に作用する負荷(以下、クランク負荷Lcという)を算出し、このクランク負荷Lcに基づいてリリーフ弁51および可変オリフィス52の制御状態を決定する。
クランク負荷Lcを算出するため、制御ユニット53は、エンジン回転数N1に基づいて所定の傾斜角マップを参照し、クランク軸21の摺動面60の傾斜角(曲げ変形量)Cを推定する。図5はクランク軸21およびスラスト軸受16を示す部分拡大図である。図5に示すように、クランク軸21は、スラスト軸受16に支持されるクランクジャーナル56と、図示しないコンロッドが組み付けられるクランクピン57とを有している。クランクジャーナル56とクランクピン57とは連結アーム58を介して連結されており、連結アーム58にはバランスウェイト59が一体に設けられている。連結アーム58にはクランクジャーナル56を囲む環状の摺動面60が形成されており、この摺動面60はクランクジャーナル56の表面に対して垂直となっている。また、クランク軸21の出力用フランジ22にも同様の摺動面60が形成されている。図5の拡大部分に破線で示すように、クランク軸21には回転運動に伴って曲げ振動が発生しており、クランク軸21の摺動面60は無負荷時の基準面に対して傾斜角Cで傾斜している。すなわち、クランク軸21の摺動面60は振幅Cで振動している。このように振動する摺動面60には、スラスト軸受16に設けられるフランジ部16aのメタル面61が油膜を介して対向しており、大きな傾斜角Cでの振動は油膜切れを招く要因となることから、傾斜角Cはクランク負荷Lcを示す指標となっている。なお、図6は傾斜角Cの推定時に参照される傾斜角マップの一例を示す説明図である。この傾斜角マップに示される傾斜角Cは、クランク軸21に作用する慣性力やクランク軸21の剛性等に応じて定まる値であり、実験やシミュレーション等を用いて予め設定されている。
次いで、制御ユニット53は、トルクコンバータ12の入力回転数であるエンジン回転数N1と、トルクコンバータ12の出力回転数であるタービン回転数N2とに基づいて、トルクコンバータ12の速度比e(e=N2/N1)を算出する。そして、制御ユニット53は、エンジン回転数N1と速度比eとに基づき所定の荷重マップを参照し、トルクコンバータ12からクランク軸21に伝達されるスラスト荷重Ltを推定する。なお、図7はスラスト荷重Ltの推定時に参照される荷重マップの一例を示す説明図である。この荷重マップに示されるスラスト荷重Ltは、トルクコンバータ12の特性に応じて定まる値であり、実験やシミュレーション等を用いて予め設定されている。過大なスラスト荷重Ltは、摺動面60とメタル面61との間の油膜切れを招く要因となることから、クランク軸21に作用するスラスト荷重Ltもクランク負荷Lcを示す指標となっている。なお、クランク負荷Lcを精度良く判定するため、クランク負荷Lcとしてスラスト荷重Ltを用いる際には、スラスト荷重Ltをメタル面積Aで除算することにより、スラスト面圧P(P=Lt/A)に換算した上で使用している。ここで、図8は図5のA−A線に沿ってスラスト軸受16のメタル面61を示す端面図である。図8にハッチングで示すように、メタル面積Aとは、フランジ部16aの油溝62を除いたメタル面61の面積となっている。
前述したように、傾斜角Cおよびスラスト面圧Pが求められると、制御ユニット53は、傾斜角C、スラスト面圧Pおよびエンジン回転数N1を乗算し、クランク負荷Lc(Le=C×P×N1[MPa・m/s・deg])を算出する。そして、制御ユニット53は、クランク負荷Lcと所定の閾値(例えば、5[MPa・m/s・deg])を比較判定する。そして、クランク負荷Lcが閾値以下であると判定された場合には、制御ユニット53によって可変オリフィス52が縮小状態に切り換えられる。ここで、図9(a)および(b)は潤滑装置50の作動状態を示す説明図である。すなわち、図9(a)に示すように、クランク負荷Lcが小さい場合には、スラスト軸受16に掛かる負荷も抑制される。このため、制御ユニット53は、可変オリフィス52を縮小状態に切り換え、スラスト軸受16に供給される潤滑油量を削減することにより、オイルポンプ23の負荷を軽減している。なお、スラスト軸受16の低負荷時には、スラスト軸受16による潤滑油の消費量が抑制されることから、リリーフ弁51はリリーフ機能が有効となる作動状態に制御される。
一方、クランク負荷Lcが閾値を上回ると判定された場合には、図9(b)に示すように、制御ユニット53によって可変オリフィス52が拡大状態に切り換えられる。すなわち、クランク負荷Lcが大きい場合には、スラスト軸受16に掛かる負荷も増大する。このため、制御ユニット53は、可変オリフィス52を拡大状態に切り換えてスラスト軸受16に多くの潤滑油を供給することにより、高負荷となるスラスト軸受16の潤滑状態を良好に保持している。さらに、可変オリフィス52を拡大状態に切り換える際には、他の潤滑部に供給される潤滑油の流量不足を回避するため、制御ユニット53によってリリーフ弁51が作動状態から停止状態に切り換えられる。これにより、オイルポンプ23からメインギャラリ43に供給される潤滑油量を増大させることができ、スラスト軸受16だけでなく他の潤滑部の潤滑状態をも良好に保つことが可能となる。
これまで説明したように、クランク負荷Lc、つまり、傾斜角C、スラスト面圧Pおよびエンジン回転数N1に基づいて、可変オリフィス52を制御することにより、スラスト軸受16に作用する負荷の大きさに応じて、潤滑油量を適切に調整することが可能となる。これにより、オイルポンプ23の負荷を抑制しながら、スラスト軸受16の潤滑不良を回避することが可能となる。しかも、スラスト軸受16に対する潤滑油量を増加させる際には、リリーフ弁51のリリーフ機能を解除するようにしたので、オイルポンプ23からメインギャラリ43に供給される潤滑油量を増加させることが可能となる。これにより、他の潤滑部に供給される潤滑油の流量不足を回避することができ、スラスト軸受16だけでなく他の潤滑部の潤滑状態を良好に保つことが可能となる。
また、前述の説明では、クランク負荷Lcを算出する際に、クランク軸21の曲げ変形量を示す傾斜角C、クランク軸21に作用するスラスト荷重を示すスラスト面圧P、クランク軸21の回転速度を示すエンジン回転数N1を用いたが、これに限られることはない。例えば、傾斜角Cだけを用いてクランク負荷Lc(Lc=C)を算出しても良く、傾斜角Cとスラスト面圧Pとを乗算してクランク負荷Lc(Lc=C×P)を算出しても良い。また、前述の説明では、リリーフ弁51および可変オリフィス52を段階的に切り換えているが、これに限られることはなく、リリーフ弁51および可変オリフィス52を連続的に切り換えることにより、スラスト軸受16等に供給される潤滑油量を連続的に増減させても良い。
続いて、本発明の他の実施の形態であるエンジン11の潤滑装置70について説明する。図10(a)および(b)は本発明の他の実施の形態であるエンジン11の潤滑装置70の作動状態を示す説明図である。図10(a)にはクランク負荷Lcが閾値以下であるときの作動状態が示され、図10(b)にはクランク負荷Lcが閾値を上回るときの作動状態が示されている。なお、図10において、図9に示す構成要素と同様の構成要素については、同一の符合を付してその説明を省略する。
図10(a)および(b)に示すように、オイルポンプ23の吐出口23aには、圧力調整機構として機能する電磁切換弁71およびリリーフ弁72が組み付けられている。電磁切換弁71は制御ユニット53によって制御される2位置切換弁であり、油路を連通する連通状態と遮断する遮断状態とに切り換えられる。電磁切換弁71とリリーフ弁72とは直列に接続されており、電磁切換弁71はリリーフ弁72の上流側に配置されている。この電磁切換弁71を連通状態に切り換えることにより、リリーフ弁72に潤滑油を案内することができ、メインギャラリ43に供給される潤滑油の供給圧力を設定圧力以下に調圧することが可能となる。すなわち、電磁切換弁71を連通状態に切り換えることにより、リリーフ弁72を作動状態に切り換えることが可能となる。一方、電磁切換弁71を遮断状態に切り換えることにより、リリーフ弁72に対する潤滑油の供給を遮断することができ、オイルポンプ23の吐出圧力がそのまま潤滑油の供給圧力となる。すなわち、電磁切換弁71を遮断状態に切り換えることにより、リリーフ弁72を停止状態に切り換えることが可能となる。このように、電磁切換弁71を連通状態から遮断状態に切り換えることにより、オイルポンプ23からメインギャラリ43に供給される潤滑油量が引き上げられる。
このように、電磁切換弁71およびリリーフ弁72を組み合わせて圧力調整機構を構成した場合であっても、クランク負荷Lcに応じて可変オリフィス52および電磁切換弁71を制御することにより、前述した潤滑装置50と同様の効果を得ることが可能となる。つまり、クランク負荷Lcが閾値以下であると判定された場合には、図10(a)に示すように、制御ユニット53によって可変オリフィス52は縮小状態に切り換えられる。すなわち、クランク負荷Lcが小さい場合には、スラスト軸受16に掛かる負荷も抑制される。このため、制御ユニット53は、可変オリフィス52を縮小状態に切り換え、スラスト軸受16に供給される潤滑油量を削減することにより、オイルポンプ23の負荷を軽減している。なお、スラスト軸受16の低負荷時には、スラスト軸受16による潤滑油の消費量が抑制されることから、電磁切換弁71を連通状態に制御することにより、リリーフ弁72はリリーフ機能が有効となる作動状態に制御される。
一方、クランク負荷Lcが閾値を上回ると判定された場合には、図10(b)に示すように、制御ユニット53によって可変オリフィス52は拡大状態に切り換えられる。すなわち、クランク負荷Lcが大きい場合には、スラスト軸受16に掛かる負荷も増大する。このため、制御ユニット53は、可変オリフィス52を拡大状態に切り換えてスラスト軸受16に多くの潤滑油を供給することにより、高負荷となるスラスト軸受16の潤滑状態を良好に保持している。さらに、可変オリフィス52を拡大状態に切り換える際には、他の潤滑部に供給される潤滑油の流量不足を回避するため、制御ユニット53は電磁切換弁71を連通状態から遮断状態に切り換え、リリーフ弁72を作動状態から停止状態に切り換える。これにより、オイルポンプ23からメインギャラリ43に供給される潤滑油量を増大させることができ、スラスト軸受16だけでなく他の潤滑部の潤滑状態をも良好に保つことが可能となる。
続いて、本発明の他の実施の形態であるエンジン11の潤滑装置80について説明する。図11(a)および(b)は本発明の他の実施の形態であるエンジン11の潤滑装置80の作動状態を示す説明図である。図11(a)にはクランク負荷Lcが閾値以下であるときの作動状態が示され、図11(b)にはクランク負荷Lcが閾値を上回るときの作動状態が示されている。なお、図11において、図9に示す構成要素と同様の構成要素については、同一の符合を付してその説明を省略する。
図11(a)および(b)に示すように、オイルポンプ23の吐出口23aには、圧力調整機構として機能するリリーフ弁81が組み付けられている。このリリーフ弁81は比例ソレノイドを備えた電子制御式のリリーフ弁であり、潤滑油を調圧する際の設定圧力を自在に変化させることが可能となっている。このようなリリーフ弁81をエンジン回転数に応じて制御するため、制御ユニット53にはエンジン回転数をパラメータとした設定圧力マップが格納されている。また、設定圧力マップとして低圧マップと高圧マップとが設定されており、低圧マップでは設定圧力が低圧側に設定される一方、高圧マップでは設定圧力が高圧側に設定されている。すなわち、低圧マップを用いてリリーフ弁81を制御することにより、リリーフ弁81は低圧側の設定圧力で潤滑油を調圧する低圧作動状態となる。一方、高圧マップを用いてリリーフ弁81を制御することにより、リリーフ弁81は高圧側の設定圧力で潤滑油を調圧する高圧作動状態となる。このように、リリーフ弁81を低圧作動状態から高圧作動状態に切り換えることにより、オイルポンプ23からメインギャラリ43に供給される潤滑油量が引き上げられる。
このように、比例ソレノイドを備えたリリーフ弁81によって圧力調整機構を構成した場合であっても、クランク負荷Lcに応じて可変オリフィス52およびリリーフ弁81を制御することにより、前述した潤滑装置50と同様の効果を得ることが可能となる。つまり、クランク負荷Lcが閾値以下であると判定された場合には、図11(a)に示すように、制御ユニット53によって可変オリフィス52は縮小状態に切り換えられる。すなわち、クランク負荷Lcが小さい場合には、スラスト軸受16に掛かる負荷も抑制される。このため、制御ユニット53は、可変オリフィス52を縮小状態に切り換え、スラスト軸受16に供給される潤滑油量を削減することにより、オイルポンプ23の負荷を軽減している。なお、スラスト軸受16の低負荷時には、スラスト軸受16による潤滑油の消費量が抑制されることから、リリーフ弁81は設定圧力を引き下げる低圧作動状態に制御される。
一方、クランク負荷Lcが閾値を上回ると判定された場合には、図11(b)に示すように、制御ユニット53によって可変オリフィス52は拡大状態に切り換えられる。すなわち、クランク負荷Lcが大きい場合には、スラスト軸受16に掛かる負荷も増大する。このため、制御ユニット53は、可変オリフィス52を拡大状態に切り換えてスラスト軸受16に多くの潤滑油を供給することにより、高負荷となるスラスト軸受16の潤滑状態を良好に保持している。さらに、可変オリフィス52を拡大状態に切り換える際には、他の潤滑部に供給される潤滑油の流量不足を回避するため、制御ユニット53はリリーフ弁81を低圧作動状態から高圧作動状態に切り換える。これにより、オイルポンプ23からメインギャラリ43に供給される潤滑油量を増大させることができ、スラスト軸受16だけでなく他の潤滑部の潤滑状態をも良好に保つことが可能となる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、図示する場合には、オイルポンプ23をクランク軸21によって駆動しているが、これに限られることはなく、オイルポンプ23を電動モータによって駆動しても良い。また、図11に示すリリーフ弁81は、比例ソレノイドによって設定圧力を調整するリリーフ弁であるが、これに限られることはなく、デューティソレノイドによって設定圧力を調整するリリーフ弁であっても良い。また、クランク負荷Lcと比較される閾値としては、固定値であっても良く、オイルポンプ23の作動状態等に応じて変化する値であっても良い。
11 エンジン
12 トルクコンバータ
16 軸受メタル(スラスト軸受)
21 クランク軸
23 オイルポンプ
35 潤滑油路(分岐油路)
43 メインギャラリ(メイン油路)
50 潤滑装置
51 リリーフ弁(圧力調整機構)
52 可変オリフィス(流量調整機構)
53 制御ユニット(流量制御手段,圧力制御手段)
70 潤滑装置
71 電磁切換弁(圧力調整機構)
72 リリーフ弁(圧力調整機構)
80 潤滑装置
81 リリーフ弁(圧力調整機構)
C 傾斜角(曲げ変形量)
N1 エンジン回転数(回転速度)
Lt スラスト加重
e 速度比

Claims (5)

  1. エンジンに潤滑油を供給するエンジンの潤滑装置であって、
    オイルポンプに接続されるメイン油路から分岐し、前記エンジンのクランク軸を支持するスラスト軸受に潤滑油を案内する分岐油路と、
    前記分岐油路に設けられ、前記スラスト軸受に供給される潤滑油の流量を調整する流量調整機構と、
    前記クランク軸の曲げ変形量と、トルクコンバータから前記クランク軸に作用するスラスト荷重とに基づいて、前記流量調整機構を制御する流量制御手段と
    を有し、
    前記流量制御手段は、前記クランク軸の曲げ変形量が増加するときに、前記流量調整機構を流量増加側に制御することを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの潤滑装置において、
    前記流量制御手段は、前記クランク軸の回転速度に基づいて前記クランク軸の曲げ変形量を推定することを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  3. 請求項1または2記載のエンジンの潤滑装置において、
    前記流量制御手段は、前記クランク軸の曲げ変形量と、トルクコンバータから前記クランク軸に作用するスラスト荷重と、前記クランク軸の回転速度とに基づいて、前記流量調整機構を制御することを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの潤滑装置において、
    前記流量制御手段は、前記トルクコンバータの速度比および前記クランク軸の回転速度に基づいて前記スラスト荷重を推定することを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエンジンの潤滑装置において、
    前記オイルポンプから吐出される潤滑油を所定の設定圧力以下に調圧する圧力調整機構と、
    前記流量調整機構が流量増加側に制御されるときに、前記圧力調整機構の設定圧力を引き上げる圧力制御手段とを有することを特徴とするエンジンの潤滑装置。
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