JP2009503367A - 油圧式ダブルクラッチ - Google Patents

Abstract

エンジンのダブルクラッチトランスミッションのダブルクラッチ（１）であり、２つの同軸シャフトに関連づけられた２つのクラッチパックと、それぞれが前記クラッチパックのうちの１つを作動させる２つのクラッチピストンと、前記クラッチパックのクラッチ板の潤滑と冷却のための低圧ポンプ（３）とクラッチピストンと同期部を作動させるための高圧ポンプ（４）とを含み前記低圧ポンプ（３）と前記高圧ポンプ（４）が平行に配置された油圧式制御装置と、前記油圧式制御システム（２）を制御する電子制御装置（５）と、を具備し、油流スイッチ（６）が高圧にて前記低圧ポンプ（３）の油流と前記高圧ポンプ（４）の油流とを結合するようになされて低いエンジン速度範囲において提供されている。

Description

本発明は、請求項１の前提部によれば油圧式ダブルクラッチの動力供給装置に関する。

このようなダブルクラッチは、特許文献１により知られている。

このようなダブルクラッチの油圧式制御装置のポンプにおけるポンプ油流は、エンジン速度に依存するため、公知のダブルスイッチは、特にエンジンが低いエンジン速度範囲で作動する際に、十分な油圧を提供し特に速やかなギアシフトを可能にすることは、少なくとも困難であるというという不都合に悩まされている。
欧州特許第１１９５５３７号明細書

したがって、本発明の目的は、特に速度全範囲にわたり過大な動力を消費することなしに低いエンジン速度で速やかなギアシフトを実行することが可能となる、請求項１の前提部によるダブルクラッチを提供することにある。

この目的を達成するための解決策は、請求項１の特徴により達成される。

本発明によれば、エンジン（特に内燃機関）のためのクラッチトランスミッションのダブルクラッチは、高圧ポンプとともに低圧ポンプを有する油圧式制御装置を具備する。

さらに、本発明のダブルクラッチは、低エンジン速度範囲のときに高圧ポンプと低圧ポンプを接続することができる油流スイッチを具備する。その結果、高圧ポンプと低圧ポンプの油流が結合して、（油圧が上昇した状態で）強化された油流を作り出すことができ、ダブルクラッチのクラッチパックのクラッチピストンに供給される。その結果、クラッチピストンは、特に低エンジン速度範囲であっても十分な油圧レベルで速やかなギアシフトを実行するために選択的に作動し得る。高圧に圧力を上げられた油流は、シフトフォークのピストンを動かすのにも使用される。これらのシフトフォークは高速に動き得ることも重要である。したがって、高い圧力と高速な油流が同時に必要である。

油流スイッチは、適当な油圧式シフトバルブ、特に２つの位置(position)を有するオンオフバルブの形をとり得る。
・低圧ポンプの油流を高圧ポンプの油流に追加する
・油流を分離する。低圧ポンプからの油流は、クラッチの潤滑のために使用され、高圧ポンプの油流は高圧制御バルブのために使用される。

どの場合においても、高圧制御バルブからの油流の余剰分は、冷却の目的に使用される。この油流の余剰分は、低圧ラインに戻される。

従属項は、本願発明の有益な実施の形態を含む。

油流スイッチは、冷却ラインかまたは高圧ラインのいずれかへの低圧ポンプの油流接続を実現する低圧ポンプの下流側の低圧ラインに配置されることが望ましい。スイッチが低圧ポンプの油流を高圧システムに接続する場合、低圧ラインは低圧の油が漏れることを防ぐために遮断される。

もちろん、もし十分な油圧があれば、油流スイッチは動作する必要がなく、その結果、高圧ポンプが十分な高油圧レベルを保証する全てのエンジン速度範囲でダブルクラッチのクラッチピストンおよび同期化部作動用ピストンを作動させる目的に役立つ一方、低圧ポンプは、通常潤滑の目的に役立ち得る。

より高いエンジン速度であっても、またはクラッチへの冷却油流が多量に必要ではない場合でも、別のバルブが低圧ポンプの油流をタンクまたは排液だめへスイッチさせることができる。こうするとこの低圧ポンプは機械的な動力をこれ以上殆ど消費しないようにできる。このバルブは動力消費のさらなる低減を意図したオプションの装置である。

好ましい実施の形態では、伝達しなければならないトルクの大きさに依存して圧力レベルを調節する圧力調節器が提供され得る。

他の好ましい実施の形態では、クラッチとエンジンのそれぞれの動作状態を考慮に入れて、本発明によるダブルクラッチの２つのクラッチへの油量を調節する２つの可変油流調節器が提供される。これらのバルブは電子的に制御される。

さらに、油流リミッタは、作動液が不要か、または少量の作動液（油）だけが必要な場合、両方のクラッチへの総油流を制限する。この油流リミッタは、実際には差圧調節器であり、圧力降下を油流調節定数超となるように保つ。この特徴は、低圧ポンプが低圧力で動作し、その結果動力消費が少なくなるように冷却ラインで圧力を制限することを意味する。

本発明のさらなる特徴や利点は、好ましい実施の形態について次に行う記述と添付する１つの図面の参照により明らかであろう。

この１つの図面（図１）は、本発明による油圧式ダブルクラッチの概略を示す簡易ブロック図である。

この図面は、概略を示す簡易ダブルクラッチ１を示し、この簡易ダブルクラッチ１は、よく知られた油圧式ダブルクラッチが備える全ての構成要素を勿論具備する。特にダブルクラッチ１は、（図示しない）同軸シャフトに関連づけられた２つのクラッチパックと、このクラッチパックのクラッチ盤を作動させるクラッチピストンと、を具備する。これらの良く知られた構成要素を開示する目的で、参照文献として特許文献１を挙げる。この文献の全内容は、この文献によって本願の開示の中に組み入れられる。

ダブルクラッチ１は、また図１の点線で囲まれ符号２で指定された、全ての油圧式構成要素が配置されている油圧式制御装置２をも具備している。

油圧制御装置２は、ダブルクラッチ１のクラッチパックのクラッチ板の潤滑および冷却のための低圧ポンプ３を具備している。

さらに、油圧制御装置２は、クラッチパックのクラッチピストンを作動させるための高圧ポンプ４と、図示しない同期部と、を具備する。

図から分かるように、ポンプ３、４は、低圧ライン７と高圧ライン８にそれぞれに平行に配置されている。ダブルクラッチ１と油圧式制御装置２は、それぞれ電子制御装置により制御される。その電子制御装置は、全ての必要な信号がダブルクラッチ１とエンジンと同様油圧式制御装置２の油圧構成要素とから供給される。またその電子制御装置は、制御されるべき、全システムの全ての構成要素に対して、制御線（それぞれの制御線の例である点線５Ａ〜５Ｄにより示される）を介して接続される。

油圧式制御装置２は、好ましくは低圧ポンプ３の下流側の低圧ライン７状に配置された油流スイッチ６をさらに備える。この油流スイッチ６は、特に速やかなギアチェンジが必要な場合、ダブルクラッチ１に対して高圧力にて十分に高い油流量を作り出すことができるようにするため、低エンジン速度範囲においてエンジンが作動する場合に、低圧ポンプ３と高圧ポンプ４とを接続するようになされている。この油流スイッチ６は、接続ライン９に配置されており、高圧油流のための適切な油流接続は、図１において明らかに示されるように、油圧式ダブルクラッチ１のクラッチパック（図示せず）を動かすクラッチピストン（図示せず）に対して油流接続を提供するため、接続ライン９、高圧ライン８のラインセクション８Ａ、および油圧式制御バルブ３５を介した接続ライン１０によって提供される。

接続ライン１０から分岐した、高圧安全バルブ１３が設けられた高圧除液ライン１２が存在する。さらに、低圧ライン１４は、低圧ライン７から分岐して設けられており、低圧安全バルブ１５が設けられている。

圧力調節器ライン１６は、低圧ライン１４の下流で低圧ライン７から分岐し、差圧調節器を具備する。この調節器は、高速時にポンプの圧力を制限するために追加される。また、この特徴は、動力消費を低減する。

ライン７から短絡流路スイッチ１１がオプションで追加でき、低圧ポンプ３の油流を全てその吸引側へ戻すことを選択することができる。この流路短絡は、このポンプの動力消費をほぼゼロにすることができる。このスイッチは、高圧ポンプ４が冷却ライン７に対して十分な油流を供給するときに、高いエンジン速度で使うことができる。

フィルタ２０と平行にバイパスバルブ１９を具備するバイパスライン１８が存在する。

このバイパスラインは、下流に冷却器２１が存在する低圧ライン７にあるフィルタ２０をバイパスする。

冷却器２１の下流には、低圧ライン７に、または低圧ライン７と平行に配置され得る油流リミッタ２３が存在する。この油流リミッタ２３は、油の必要がない場合または必要性が低い場合、油流リミッタ除液ライン２２へ接続し、ダブルクラッチ１のクラッチパック両方に対して油流の総量を制限するようにする。

さらに、２つの油流調節器２５は、低圧ライン７に配置され、ダブルクラッチ１に至る油流ライン２４を具備する。この油流調節器２５は、それぞれの動作状態に応じてダブルクラッチ１の２つのクラッチパックへの油量を調節することができる。

クラッチに存在する油は、排液だめに集められる。これは点線２６によって示されている。オプションとして、この排液だめ２７は、乾式排液だめ２７として作られても良い。この乾式排液だめ２７は、湿式排液だめライン２８を介して湿式排液だめ３０へ接続されている。（オプションの）掃除ポンプが、湿式排液だめライン２８に配置され、乾式排液だめ２７と湿式排液だめ３０の間の油流の接続を提供する。

さらに、オプションの特徴として、ダンパ３１が高圧ライン８で高圧ポンプ４の下流に提供され得る。

完全を期すために、勿論適当な量のセンサもまた圧力センサ３２として、この油圧式制御装置２の一部であり得る。最後に、可変圧力調節器３４が、高圧ポンプ４の下流にある高圧ライン８のラインセクション８Ｂに配置されている。この可変圧力調節器３４は、ダブルクラッチ１によりどれだけ大きなトルクを伝達しなければならないかに依存して圧力レベルを調節するようになされている。

ここに書かれた記述に加えて、本発明によるダブルクラッチ１およびその油圧式制御装置２の全ての要素と特徴を開示する目的で、図面中の単一の図への明示的な参照がなされる。

本発明による油圧式ダブルクラッチの概略を示す簡易ブロック図である。

符号の説明

１ ダブルクラッチ
２ 油圧式制御装置
３ 低圧ポンプ
４ 高圧ポンプ
５ 電子制御手段／装置
５Ａ、５Ｂ、５Ｃ、５Ｄ、５Ｅ 制御ライン
６ 油流スイッチ
７ 低圧ライン
８ 高圧ライン
８Ａ、８Ｂ 高圧ラインセクション
９、１０ 接続ライン
１１ 短絡流路スイッチ
１２ 高圧排液ライン
１３ 高圧安全バルブ
１４ 低圧排液ライン
１５ 低圧安全バルブ
１６ 圧力調節器ライン
１７ 差圧調節器
１８ バイパスライン
１９ バイパスバルブ
２０ フィルタ
２１ 冷却器
２２ 油流リミッタ排液ライン
２３ 油流リミッタ
２４Ａ、２４Ｂ 油流ライン
２５Ａ、２５Ｂ 油流調節器
２６ 乾式排液だめライン
２７ 乾式排液だめ
２８ 湿式排液だめライン
２９ 掃除ポンプ（オプション）
３０ 湿式排液だめ
３１ ダンパ（オプション）
３２ 圧力センサ
３４ 可変圧力バルブ／調節器
３５ 油圧式制御バルブ

Claims (7)

1. エンジンのダブルクラッチトランスミッションのダブルクラッチ（１）であり、
   ２つのシャフトに関連づけられた２つのクラッチパックと、
   それぞれが前記クラッチパックのうちの１つを作動させる２つのクラッチピストンと、
   ・前記クラッチパックのクラッチ板の潤滑と冷却のための低圧ポンプ（３）
   ・クラッチピストンと同期部を作動させるための高圧ポンプ（４）
   を含み、前記低圧ポンプ（３）と前記高圧ポンプ（４）が平行に配置された油圧式制御装置と、
   前記油圧式制御システム（２）を制御する電子制御装置（５）と、
   低いエンジン速度範囲において、高圧にて前記低圧ポンプ（３）の油流と前記高圧ポンプ（４）の油流とを結合するようになされた油流スイッチ（６）と、
   を具備するダブルクラッチ。
2. 前記油流スイッチ（６）は、低圧ポンプ（３）の下流の低圧ライン（７）に配置される、
   請求項１記載のダブルクラッチ。
3. 圧力調節器（３４）をさらに具備し、
   前記圧力調節器は、伝達すべきトルクの量に依存して、および／または所望のギアシフト時間に依存して、前記調節器（３４）の上流の油圧レベルを調節する、
   請求項１または請求項２記載のダブルクラッチ。
4. ２つの油流調節器（２５）は、それぞれの動作状態にしたがって、前記クラッチパックへの油量を調節するようになされている、
   請求項１から請求項３のいずれかに記載のダブルクラッチ。
5. 油の必要性がないか、または油の必要性が低い場合、前記クラッチパックへの油流の総量を制限する油流リミッタ（２３）をさらに具備する、
   請求項１から請求項４のいずれかに記載のダブルクラッチ。
6. 前記油流リミッタ（２３）は、前記油流調節器（２５）と協力する
   請求項４または請求項５記載のダブルクラッチ。
7. 請求項１から請求項５のいずれかに記載のダブルクラッチ（１）のための油圧式制御装置（２）。
   

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